JP6402141B2 - 車両操作支援装置 - Google Patents
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Description
たとえば、特許文献1では、道路データベースに登録されている一時停止が必要な箇所の情報、車速、およびGPSセンサにより検出される車両位置に基づいて、車両操作支援装置が、一時停止が必要な箇所を運転者に知らせる制御について開示されている。
また、このような構成によれば、交差角度に応じて目標停止位置を補正することで、自車両と移動体との衝突をより確実に回避することができる位置に、目標停止位置を設定することができる。つまり、自車両をより適切な位置に一時停止させることができる。
図1に示すように、本実施形態の車両操作支援装置1を搭載した自車両C1は、駆動手段PWと、車輪Wと、制動手段BRとを備えている。
駆動手段PWは、エンジンEとトランスミッションTとで構成され、エンジンEの発生する駆動力が、トランスミッションTを介して、車輪Wに伝えられる。運転者が、アクセルペダルPDAを操作することによって、エンジンEの発生する駆動力が増大し、車両が加速する。
なお、本願発明の技術は、駆動源をエンジンEとする車両に限定された技術ではなく、モータ等の他の駆動源を用いた車両についても適用が可能である。
左右の前輪WFL,WFRは、トランスミッションTを介してエンジンEの駆動力を路面に伝達する駆動輪として機能する。また、左右の前輪WFL、WFRは、操舵輪を兼ねており、運転者によって回転操作されるステアリングホイールST(操舵手段)の回転に従って転舵する。
左右の後輪WRL,WRRは、車両の走行に伴って回転する従動輪として機能する。
なお、駆動輪は前輪に限定されるものではなく、後輪を駆動輪とする構成、および全ての車輪Wを駆動輪とする車両についても適用が可能である。
なお、電子制御負圧ブースタBR2の入力ロッド(図示せず)はロストモーション機構(図示せず)を介してブレーキペダルBR1に接続されている。ロストモーション機構を介することで、電子制御負圧ブースタBR2が制動制御手段BRUからの信号により作動して前記入力ロッドが移動しても、ブレーキペダルBR1は初期位置に留まるように構成されている。
また、ブレーキペダルBR1に踏力が入力され、且つ制動制御手段BRUから制動指令信号が入力された場合、電子制御負圧ブースタBR2は、両者のうちの何れか大きい方に合わせてブレーキ油圧を出力させる。
各圧力調整器BR6は、制動制御手段BRUの指令によって、車輪W毎に設けられたブレーキキャリパBRFL,BRFR,BRRL,BRRRの作動を個別に制御する。これによって、急制動時の車輪Wのロックを抑制するアンチロックブレーキ制御を行うことができる。また、車輪W毎に制動力を発生させることによって、車両のヨーモーメントを任意に制御し、旋回時の車両挙動を安定させることができる。
図1、図3に示すように、本実施形態の車両操作支援装置1は、自車走行情報取得手段SC1と、他車走行情報取得手段SC2と、検出誤差取得手段SC3と、停止位置設定手段SC4と、判定手段Uと、制動制御手段BRUと、を備えている。
自車位置情報取得手段SC1aは、走行中の自車両C1の現在位置を取得する。本実施形態では、自車位置情報取得手段SC1aとして、人工衛星からの電波を受信して自身の位置を特定する衛星航法システムと、地図情報とを組合わせたナビゲーションシステムを採用している。
自車移動情報取得手段SC1bは、自車両C1の進行方向、速度等の走行状態を取得する。自車移動情報取得手段SC1bは、自車両に設置された車速センサや、ナビゲーションシステムの地図情報等の様々なセンサや機器類で構成され、取得した加速度から速度や移動距離を算出する慣性航法システムを構成している。
検出誤差取得手段SC3は、自車走行情報取得手段SC1によって得られた位置情報の検出誤差ERを取得する。
また、停止位置設定手段SC4は、検出誤差取得手段SC3によって取得された検出誤差ERから、検出誤差ERに相当する距離としての誤差距離Lerを算出する(図5参照)。そして、停止位置設定手段SC4は、誤差距離Ler分に応じて基準停止位置PBよりも手前の位置に、目標停止位置PTを設定する(図6参照)。なお、目標停止位置PTは、自車両C1の前端の位置を規定する。また、「誤差距離Ler分に応じて」とは、誤差距離Lerそのものでも良いし、誤差距離Lerに安全率を加味したものでも良いという意図である。
また、自車両C1の進路R1と、他車両C2の進路R2が斜めに交差する場合、これら進路R1、R2が交差する交差角度θに応じて、目標停止位置PTをこれら進路R1、R2が直交する場合よりもさらに手前側に補正する(図8参照)。
現況衝突判定は、自車両C1と他車両C2とについて、取得された情報に基づいて、現在の状況のまま、走行を継続した場合に衝突する可能性の有無について判定をする。
制動制御手段BRUは、判定手段Uからの制動指令に従って、自車両C1の制動を行う。また、現在の状況のまま走行を継続する事例としては、同一速度で走行を継続する場合、加速度または減速度・ヨーレート等を変化させずに継続する場合などが考えられる。
次に、上記構成を備えた本実施形態の車両操作支援装置による作用について説明する。
図4〜図6に示すように、自車走行情報取得手段SC1によって得られる自車両C1の位置情報が、正確な場合(理想的な受信状態で電波を受信した場合)には、自車両C1を基準停止位置PBに停止させることで、他車両C2の進路R2から所定の間隔を空けて停止することができる(図4参照)。
しかしながら、自車走行情報取得手段SC1によって得られる自車両C1の位置情報には、様々な理由から検出誤差ERが含まれている(図5、図6参照)。そして、様々な要因が重なることによって、位置情報に含まれる検出誤差ERは大きくなる傾向にある。
たとえば、検出誤差ERを生む要因として、以下のものが挙げられる。
・人工衛星からの電波を受信する際に、電波の受信が可能な人工衛星の数が、規定の数よりも少ない
・自車両C1の周囲の建物に電波が乱反射して不正確な信号になる
・トンネル内を走行したり、高架橋の下を通行することで電波が受信できない等
検出誤差取得手段SC3は、周囲に人工衛星との間を遮る障害物が無い等の理想的な受信状況での電波の受信に対して、これらの要因による影響を考慮し、検出誤差ERを取得する
なお、取得された検出誤差ERは、図5、図6、図8に示すように、自車両C1の中心部分C1Cを中心とし、誤差距離Lerを半径とする円として表される。
また、円の中央に破線で描かれる車両が、取得した情報から導き出された自車両C1の位置である。
そして、衛星からの電波の受信状況が、理想的な状況に近づくほど、検出誤差ERが小さくなり、誤差距離Lerが短くなって、円が小さくなる。
また、自車両C1の位置情報に、検出誤差ERが含まれているということは、この円内のどこかに自車両C1の中心部分C1Cが位置することを意味する。
たとえば、停止位置設定手段SC4は、自車両C1の進路R1に直交する道路RR(他車両C2の進路R2)との交差点PCから手前2m(所定距離)の位置に、基準停止位置PBを設定する。検出誤差ERから算出された誤差距離Lerが2.5mの場合、自車両C1を基準停止位置PBに自動停止させた場合、実際には、位置Per1に停止し、自車両C1の前部が交差点PC内にはみ出す可能性がある(図5参照)。
そこで、検出誤差取得手段SC3は、受信した電波の状況から、得られた位置情報に含まれる検出誤差ERを取得し、停止位置を設定する際に反映させる。
たとえば、図6に示すように、誤差距離Ler(=2.5m)分に応じて基準停止位置PBよりも手前に、目標停止位置PTを設定し、目標停止位置PTに停止させる。
しかしながら、検出誤差ERが、手前側(後方)にずれていた場合(図6におけるPer2の位置に、自車両C1が位置する場合)には、基準停止位置PBよりも手前5mの位置に自車両C1は停止する。この場合には、基準停止位置PBと実際の停止位置との間に大きな差があるため、運転者は違和感を受けてしまう。
そこで、検出誤差取得手段SC3は、自動制動中も位置情報の検出を繰り返し継続し、位置情報の更新を行う。
つまり、位置情報の検出を繰り返す中で、受信状況が改善された場合には、目標停止位置PTをその都度更新し、検出誤差ERが最も小さい(誤差距離Lerが最も短い)ときの目標停止位置PTに自車両C1を停止させる。
これによって、自車両C1は、基準停止位置PBにより近い位置に停止することになり、運転者が受ける違和感が低減される。
互いの進路R1、R2が直交する場合には、図8(b)に示すように、検出誤差ERを考慮しつつ、自車両C1を距離Mだけ手前側に停止させれば、衝突の可能性が回避される。
ところが、自車両C1が実際に停止する位置は、検出誤差ERによって、前後方向だけではなく、左右方向にもずれる可能性がある。このため、図8(c)に示すように、進路R1、R2が斜めに交差する場合には、自車両C1を距離Mだけ手前側に停止させても、衝突する可能性がある。
これは、互いの進路R1、R2が斜めに交差する場合、自車両C1と他車両C2との間隔が最も狭まる位置は、自車両C1の進路R1と他車両C2の進路R2が交差する位置ではなく、他車両C2の進路R2に直交する箇所となるためである(図8(a)参照)。このため、互いの進路R1、R2が直交する場合と同様に停止位置を設定した場合には、他車両C2の進路R2に重なる可能性がある。
そこで、互いの進路R1、R2が交差する交差角度θに応じて、停止位置をこれら進路R1、R2が直交する場合よりもさらに手前側に補正する。
式1 sinθ=x/(ε+x)
式1から交差補正距離εを導くと式2になる。
式2 ε=(x/sinθ)−x
そして、基準停止位置PBから手前側に、誤差距離Lerと交差補正距離εをさらに移動した位置に停止位置を設定する(図8(d)参照)。
これによって、互いの進路R1、R2が斜め交差した場合にも、交差する道路RR(他車両C2の進路R2)内にはみ出して停止する可能性が解消される。
判定手段Uは、まず、取得された自車両C1の現在位置、および走行状態と、他車両C2の現在位置、および走行状態とに基づいて、自車両C1と他車両C2とがすれ違う衝突予測地点(交差点PC)を割り出す。そして、自車両C1と他車両C2とのそれぞれが、衝突予測地点通過に要する時間を算出し、設定された時間よりも時間差が大きければ、衝突せずにそれぞれが通過すると判断する。
また、時間差が、設定された時間以下の場合には、衝突の可能性有りと判断し、検出誤差ERを確認する。
また、判定手段Uは、検出誤差ERが許容範囲内に収まっていれば、前述の基準停止位置PB、および目標停止位置PTの設定を行う。そして、設定された目標停止位置PTから逆算して、制動を開始する制動開始位置PSを算出する。さらに、自車両C1が制動開始位置PSに到達したところで、制動制御手段BRUに制動指令を出す。
制動制御手段BRUは、制動指令に従って、自車両C1の自動制動を開始し、目標停止位置PTで停止するように制動力を調整しつつ、制動を行う。
停止位置設定手段SC4では、図9に示すフローチャートに従って、前述の各判定、および制御が実施される。本フローチャートFLとは別に、図示しないメインフローが、予め設定された所定周期で繰り返し実行されている。そして、メインフローの中で、自車両C1の周辺に、走行する他車両C2の存在を検知した場合に、本フローチャートFLが実行される。
本フローチャートFLでは、まず現況衝突判定を行う(ステップS11)。
他車両C2が、自車両C1の進路を横切らない場合、および横切るにしても交差するタイミングが異なる場合には、衝突の可能性はないと判断し、本フローチャートFLの制御を終了する。
また、他車両C2が進路を横切るとともに、横切るタイミングが自車両C1と重なる場合には、衝突の可能性有りと判断し、ステップS12に移行する。
ステップS14では、自車両C1が制動開始位置PSに到達したか否かを判定する。自車両C1が制動開始位置PSに到達していなければ(No)、ステップS14を繰り返する。また、自車両C1が制動開始位置PSに到達していれば、ステップS15に移行する。つまり、自車両C1が制動開始位置PSに到達するまでの間、待機する。
ステップS16では、自車両C1が停止したか否かを判定する。自車両C1が停止していなければ(No)、ステップS17に移行する。また、自車両C1が停止すれば、本フローチャートFLの制御を終了する。
次に、ステップS17では、検出誤差ERが制動開始時よりも改善されているかを判定する。つまり、衛星からの電波の受信状況が改善されているか否かを判定する。衛星からの電波の受信状況が改善されていなければ(No)、ステップS16を繰り返し、改善されていれば(Yes)、ステップS18に移行する。
目標停止位置PTに自車両C1を停止させることで、自車両C1の位置を検出する際に含まれる検出誤差ERが考慮された、より適切な停止位置に自車両C1を停止することができる。
SC1 自車走行情報取得手段
SC2 移動体情報取得手段
SC3 検出誤差取得手段
SC4 停止位置設定手段
BRU 判定手段U制動制御手段
C1 自車両
C2 移動体(他車両)
R1 自車両の進路
R2 移動体の進路
θ 交差角度
PB 基準停止位置
PT 目標停止位置
ER 検出誤差
Ld 差分距離
ER 検出誤差
Ler 誤差距離
Claims (3)
- 自車両の現在位置、進路を含む走行状態を取得する自車走行情報取得手段と、
該自車走行情報取得手段によって得られた位置情報の検出誤差を取得する検出誤差取得手段と、
該自車走行情報取得手段によって得られた情報に基づいて、該自車両が停止すべき位置としての基準停止位置を設定する停止位置設定手段と、
前記自車両の周辺を走行する移動体の進路を含む移動状態を取得する移動体情報取得手段と、
を備え、
該停止位置設定手段は、
取得された該検出誤差に相当する距離としての誤差距離分に応じて該基準停止位置よりも手前に、目標停止位置を設定し、
前記自車両の進路と、該自車両の周辺を移動する移動体の進路が斜めに交差する場合には、
該目標停止位置をこれら進路が直交する場合よりも手前側に補正する
ことを特徴とする車両操作支援装置。 - 前記自車両を前記目標停止位置に向けて制動制御を行う制動制御手段をさらに備え、
前記停止位置設定手段は、
該制動制御手段によって、該自車両が自動制動を開始してから停止するまでの間に、該自車両の位置情報を検出する状況が改善されて、前記検出誤差が減少した際に、
当初の検出誤差と、改善された検出誤差との差分に相当する距離としての差分距離に応じて、前記目標停止位置を当初の位置から奥側へ移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両操作支援装置。 - 前記移動体情報取得手段は、
前記移動体の現在位置、速度を含む移動状態をさらに取得し、
前記自車走行情報取得手段によって取得された自車両の走行状態と、該移動体情報取得手段によって取得された該移動体の移動状態とに基づいて、現在の状況を継続した場合に、該自車両と該移動体とが衝突するか否かの判定を行う判定手段と、
を備え、
該自車両が該移動体と衝突する可能性があると該判定手段が判定しつつ、
前記検出誤差取得手段によって取得された前記検出誤差が所定の範囲内である場合に、
前記制動制御手段が制動を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の車両操作支援装置。
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