JP6401803B2 - 超音波撮像装置、送信間重み調整方法および超音波撮像方法 - Google Patents

超音波撮像装置、送信間重み調整方法および超音波撮像方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波を用いて被検体内の画像を撮像する超音波撮像技術に関する。特に、複数回の送信で得た整相信号を合成し、合成結果から画像を生成する開口合成技術に関する。
超音波やMRI、X線CTに代表される医療用の画像表示装置は、目視できない生体内の情報を数値または画像の形態で提示する装置として広く利用されている。中でも超音波を利用した画像表示装置である超音波撮像装置は、他の装置と比較して高い時間分解能を備え、例えば、拍動下の心臓を滲みなく画像化できる。
超音波撮像装置では、超音波を検査対象内に送信し、検査対象内での伝搬過程で生じた反射波を受信し、その受信信号を用いて検査対象内を画像化する。超音波撮像装置では、超音波の送受信は、複数個の超音波素子を用いて行われる。送受信の開口径が有限であるため、使用する素子群の端において超音波の回折の影響を受け、方位角方向の分解能を向上させることが難しい。近年では、方位角方向の分解能向上のために、チャンネルドメイン整相技術の検討が行われており、適応ビームフォーマや、開口合成などの新しい整相方式が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
開口合成は、複数回の送受信で得た、同一点(受信整相点)の信号(整相信号)を加算(送信間合成)し、撮像範囲の各点の信号を得る手法である。開口合成は、受信整相点に対して異なる方向から超音波探触子が送受信して得た整相信号を合成することができるため、点像の高解像度化、検査対象内の媒質の不均質に対する頑健性などが期待される。さらには、合成処理により処理利得が向上するため、超音波の送信回数を通常よりも間引くことができ、高速撮像にも応用できる。
米国特許6685645号明細書
開口合成では、同一受信整相点の、異なる送信時刻における送受信により得た、1フレーム分の整相信号を加算する。各送受信により、送信音波に則して定義される整相範囲内の受信整相点の整相信号を得るが、整相範囲の撮像視野内での位置は、時刻により変化する。従って、整相範囲の定義によっては、撮像範囲内の受信整相点毎に、加算される回数が異なる。各整相信号は、加算回数に比例して増幅されるので、これにより増幅率が異なる。すなわち、画像内で増幅率が不均一になることがある。
この増幅率の空間的な変化量が大きく、特に隣接する受信整相点間の増幅率差が大きいと、偽像や実際とは異なる輝度分布の発生などが生じ、これらにより画質劣化が起こる可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、開口合成において、各受信整相点における整相信号の増幅率の空間的な変化量を低減し、高品質の画像を得ることを目的とする。
本発明の超音波撮像装置は、整相範囲に応じて送信間重みを調整し、開口合成処理を行う受信ビームフォーマにおいて、送受信で得た受信整相点の整相信号に調整後の送信間重みを適用し、送信間合成を行う。送信間重みは、送信間合成後の各受信整相点について、隣接する受信整相点間の増幅率の変化態様を滑らかにし、増幅率差が低減するよう調整される。
本発明によれば、開口合成において、各受信整相点における整相信号の増幅率の空間的な変化量が低減され、高品質の画像を得ることができる。
第一の実施形態の超音波撮像装置の機能ブロック図である。 (a)は、1D探触子における、送信ビームが集束波の場合の整相範囲例を、(b)は、2D探触子における、同整相範囲例を、それぞれ説明するための説明図である。 探触子と整相範囲と受信走査線と受信整相点とを説明するための説明図である。 (a)は、1回の送信における受信整相点の増幅率を示す説明図、(b)は、1フレームを構成する全送信分を送信間合成した際の増幅率の分布を示す説明図、(c)は、所定の受信走査線上の増幅率の変化を示すグラフである。 (a)〜(d)は、開口合成において、増幅率差が発生する理由を説明するための説明図である。 第一の実施形態の整相範囲と送信間重みとを説明するための説明図である。 第一の実施形態の重み調整パラメータと送信間重みの変化形状とを説明するための説明図である。 第一の実施形態のルックアップテーブル例を説明するための説明図である。 第一の実施形態の増幅率修正重み決定部による重み決定処理を説明するための説明図である。 第一の実施形態の超音波撮像処理のフローチャートである。 第一の実施形態の送信間重み調整処理のフローチャートである。 (a)は、第一の実施形態の送信間重みを用いた際の1回の送信における受信整相点の増幅率を示す説明図、(b)は、同送信間重みを用いた際の1フレームを構成する全送信分を送信間合成した際の増幅率の分布を示す説明図、(c)は、同送信間重みを用いた際の所定の受信走査線上の増幅率の変化を示すグラフである。 (a)〜(c)送信間重みを用いない場合の、連続した3回の送受信それぞれで得られる整相信号の説明図、(d)は、(a)〜(c)を送信間合成した結果の整相信号の説明図である。 (a)〜(c)第一の実施形態の送信間重みを用いる場合の、連続した3回の送受信それぞれで得られる整相信号の説明図、(d)は、(a)〜(c)を送信間合成した結果の整相信号の説明図である。 第二の実施形態の超音波撮像装置の機能ブロック図である。 第二の実施形態の送信間重み調整処理のフローチャートである。 第三の実施形態の超音波撮像装置の機能ブロック図である。 (a)は、第三の実施形態のパラメータ受付画面例を説明するための説明図であり、(b)は、第三の実施形態の変形例のパラメータ受付画面を説明するための説明図である。 第三の実施形態の超音波撮像処理のフローチャートである。 (a)〜(c)は、整相範囲決定手法の変形例を説明するための説明図である。
<<第一の実施形態>>
本発明の第一の実施形態を、図面を用いて説明する。以下、本発明の実施形態を説明するための全図において、基本的に同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[超音波撮像装置]
まず、本実施形態の超音波撮像装置を説明する。図1は、本実施形態の超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。本図に示すように、本実施形態の超音波撮像装置100は、探触子110と、送信ビームフォーマ120と、受信ビームフォーマ130と、送信間重み調整部140と、画像処理部150と、表示部160と、D/A変換器111と、A/D変換器112と、撮像パラメータテーブル(撮像パラメータT)113と、を備える。
探触子110は、所定の方向に沿って複数の超音波素子を配列し、構成される。各超音波素子は、例えば、セラミックで生成されたセラミック素子である。探触子110は、検査対象101の表面に接するよう配置される。
送信ビームフォーマ120は、D/A変換器111を介して複数の超音波素子の少なくとも一部から超音波を送信させる。探触子110を構成する各超音波素子から送信される超音波それぞれに対して、所定の深度で集束するよう遅延時間を与え、所定の深度で集束する送信ビームを生成する。
D/A変換器111は、送信ビームフォーマ120から送信パルスの電気信号を音響信号に変換する。また、A/D変換器112は、探触子110において受信した、検査対象101の内部を伝播する過程で反射した音響信号を再び電気信号に変換し受信信号を生成する。
受信ビームフォーマ130は、A/D変換器112を介して、送信毎に、超音波素子の出力する受信信号を受け取り、受け取った受信信号から整相信号を生成し、予め定めた整相範囲の各点(受信整相点)において開口合成を行う。
送信間重み調整部140は、開口合成の送信間合成時に用いる送信間重みを調整する。送信間重みは、整相範囲に応じて調整される。なお、本明細書において、送信間重みとは、送信間合成時に、整相範囲内の各受信整相点に適用することにより、各受信整相点の整相信号の強度を操作する重み値(重み係数)の集合である。また、送信間合成とは、複数回の送受信それぞれで得た整相範囲内の受信整相点の整相信号について、送受信毎に送信間重みを適用後、同一の受信整相点毎に、重み適用後の整相信号を加算することをいう。
画像処理部150は、開口合成後の整相信号を用いて超音波画像を生成する。そして、表示部160は、生成された超音波画像を表示する。
撮像パラメータテーブル113には、超音波の送受信を行い、超音波画像を生成するために必要な各種のパラメータが格納される。格納されるパラメータは、例えば、探触子110の種類、送信に使用する超音波素子の位置、送信音波を集束させる位置、送信ビーム形状、受信走査線の位置、および整相信号のサンプリング周波数を含む送受信パラメータと、画像処理部150において行われる処理のパラメータ(画像処理パラメータ)と、である。
[受信ビームフォーマ]
本実施形態の受信ビームフォーマ130は、上述のように開口合成処理を行うビームフォーマである。受信ビームフォーマ130は、図1に示すように、受信整相点それぞれについて、1回の送信で各超音波素子が得た受信信号をそれぞれ遅延させた後加算することにより整相して整相信号を得る遅延加算部131と、各送受信で得た整相範囲の受信整相点にそれぞれ送信間重みを適用し、遅延加算部131が得た受信整相点毎の整相信号を送信毎に格納するメモリ132と、各送受信で得た受信整相点の整相信号をメモリ132から読み出し、それぞれ調整後の送信間重みを適用し、送信間合成を行う送信間合成部133と、を備える。
本実施形態では、受信ビームフォーマ130は、まず、A/D変換器112から受け取った受信信号に対して遅延加算処理により整相信号を生成し、生成した各受信整相点の整相信号に送信間重みを適用した重み付き整相信号を生成する。そして、複数回の送受信により生成された重み付き整相信号を重ね合わせ、予め定めた整相範囲の各受信整相点において開口合成を行う。整相範囲は、送受信ごとに送信音場に則して定義される、画像生成に用いる受信整相点の含まれる範囲である。整相範囲は、探触子110の種類と、送信に使用する超音波素子の位置と、送信音波を集束させる位置と、送信ビーム形状とを含む送受信パラメータにより定められる。
1方向にのみ超音波素子が配置されている1D探触子110における、送信ビーム形状が集束波の場合の整相範囲200の例を図2(a)に示す。また、平面状に超音波素子が配置されている2D探触子110における、送信ビーム形状が集束波の場合の整相範囲200の例を図2(b)に示す。以下、本実施形態では、1D探触子110におけるこのような砂時計型の整相範囲200を単純化したモデルで説明する。
送信方向の定義は、たとえば、送信焦点と送信に使用する素子の両端とを結ぶ線分の2等分線と一致する方向や、送信焦点と送信に使用する素子の中心とを結ぶ線分と一致する方向とすることが挙げられる。送信方向は、整相範囲200の定義と同様に1回の送信ごとに異なる場合がある。例えば、全送信において、送信に使用する素子や送信焦点位置が平行移動する走査方式の場合、整相範囲200は同一形状である。一方、送信に使用する素子は同一であるが送信焦点を回転させるような走査方式では、全送信で整相範囲200の形状は異なる。また、超音波の送信方向に垂直な方向を、単に、垂直方向と呼ぶ。以下、本明細書では、送信方向が深度方向に合致する場合を例にあげて説明する。
なお、整相範囲200は、送信ビームが集束波の場合の、図2(a)および図2(b)に示す形状に限定されない。送信ビーム形状は、平面波や拡散波であってもよい。また、送信ビームは、音波伝搬距離が円弧や直線などの単純な幾何曲線や曲面で表されない非球面波であってもよい。
[遅延加算部]
遅延加算部131は、送信ビームフォーマ120による1回の超音波の送信に対して、超音波素子が受信する受信データから、複数の受信ビーム(受信走査線)を並列処理により生成する。本実施形態では、図3に示すように、受信走査線201とは、受信整相点202の集合であり、一般的には、所定方向に延びる直線上の複数の受信整相点202の集合を指す。また、受信走査線201を生成するとは、受信走査線201上の各受信整相点202の整相信号を生成することを言う。なお、本図において、210は、撮像範囲を示す。
遅延加算部131は、1つの受信整相点202について、各超音波素子で受信した受信信号をそれぞれ遅延させて加算することにより、当該受信整相点202の整相信号を得る。各受信信号に与える遅延(遅延時間)は、受信整相点202毎に設定される。遅延時間は、当該受信信号を利用した送信間合成を行う以前のタイミングであれば、いかなるタイミングに設定されてもよい。例えば、遅延時間は、送信ごとに新たに設定されてもよいし、受信された信号に関して遅延処理を行うその時に演算され設定されてもよいし、撮像モードなどの設定後にまとめて全送受信のセット分、予め設定されていてもよい。予め設定されている場合は、撮像パラメータテーブル113などに保持される。
なお、一般には、受信走査線201は、送信ビームの中心付近の1本、または、中心付近の2〜8本など、本実施形態程度の数、形成される。しかしながら、これらの本数に限定されるものではない。例えば、32本、64本、128本等の受信ビームを並列に生成してもよい。
受信整相点202は、探触子110の種類と、探触子110内で送信に用いる超音波素子の位置と、受信走査線201上のサンプリング周波数と、画像化する範囲(撮像範囲210)と、に基づき定められる。
[メモリ]
遅延加算部131で求められた各受信整相点202の整相信号は、受信走査線201ごとにメモリ132に蓄積される。すなわち、メモリ132内には、超音波の送受信ごとに、並列処理により生成された本数の受信走査線201上の受信整相点202の整相信号群が蓄積される。
[送信間合成部]
送信間合成部133は、メモリ132に蓄えられた整相信号群のうち、受信整相点202毎に、異なる送受信で得た整相信号群を合成する送信間合成を行う。本実施形態では、このとき、各受信整相点202に、送信間重み調整部140が調整した送信間重みで特定される重み係数を適用し、加算する。なお、加算後の整相信号を、送信間合成信号と呼ぶ。
[画像処理部・表示部]
画像処理部150は、送信間合成信号に対して各種の処理を行い、1フレームの画像分の各画素値を得る。ここで、送信間合成信号に対して行う処理は、例えば、検波、圧縮処理、補間処理、諧調処理などである。表示部160は、画像処理部150で得た画像を表示する。
[送信間重み調整部]
送信間重み調整部140は、前記送信間合成後の各受信整相点202について、送信間合成により生じる隣接する受信整相点202間の増幅率差が、調整前の送信間重みを適用する場合に比べて低減するよう送信間重みを調整する。
この送信間重み調整部140の説明に先立ち、整相範囲200の形状によって、送信間合成により、段階的な増幅率差が発生することを説明する。
前述のように、送信間合成部133は、同一受信整相点202における、異なる送受信で得た整相信号のうち、整相範囲200内の受信整相点202の整相信号を加算する。整相範囲200内の受信整相点202の整相信号の加算は、送信間重みを、図4(a)に示すように、整相範囲200内の受信整相点202の整相信号の重み係数を1、整相範囲200外の同整相信号の重み係数を0とすることにより実現する。
整相範囲200は、図5(a)〜図5(c)のように、送受信ごとに形状は変わらない場合であっても、撮像範囲210内での位置は変化する。
図5(d)に示すように、開口合成では、フレームを構成する全送信回数分(例えば、M回とする。Mは2以上の整数)の、整相範囲200内の受信整相点202を送信間合成する。すなわち、同一の受信整相点202の受信信号を加算する。
このとき、整相範囲200が、例えば、図5に示す整相範囲200の形状のように、送信方向の各位置で垂直方向の幅が異なる形状をしている場合、1回の送信で得られる整相範囲200内の垂直方向の受信整相点202の数が、送信方向の位置によって異なる。従って、受信整相点202によって、加算回数が異なる。
例えば、図5(a)〜図5(d)に示すように、送受信回数が3回の場合で説明する。受信整相点cは、第1回目の送信、第2回目の送信、第3回目の送信それぞれの整相範囲200に含まれる。このため、加算回数は3となる。また、受信整相点bは、第1回の送信と、第2回目の送信との整相範囲200に含まれる。よって、加算回数は2となる。一方、受信整相点aは、第1回目の送信の整相範囲200にしか含まれない。よって、加算回数は1となる。
送信間合成信号は、加算回数が多いほど、整相信号の強度が増幅される。加算回数は、整相信号の強度がどれだけ増幅されているかを示すため、増幅率に相当する。
1回の送信における受信整相点202の増幅率を1と定義し、送信間加算によりN回加算された場合の増幅率をNと定義する(Nは1以上M以下の整数)。1フレームの画像中で、M回の送信において、受信整相点202がN回の送受信の整相範囲200に含まれた場合、当該受信整相点202は、N回加算され、この場合の受信整相点202の増幅率はNとなる。例えば、上記図5(d)の例では、受信整相点aは増幅率1、bは、増幅率2、cは増幅率3である。
一般化すると、図4(a)に示す送信間重み(各受信整相点202の重み係数411)を適用し、送信間合成を行った場合の、M回の送信で得られた送信間合成増幅率分布310を図4(b)に示す。この送信間合成増幅率分布310内では、各受信整相点202の増幅率は、0からMの範囲で異なる。
このとき、受信走査線311上の各受信整相点202の増幅率320は、図4(c)のように、整数値のみをとる離散的な変化を示す。また、深度方向(送信方向)に垂直な方向である方位方向(垂直方向)においても、増幅率は離散的な変化を示す。
すなわち、送信間合成により生成される送信間合成信号は、検査対象101が一様に均質な媒体であっても、送信方向および垂直方向に対して離散的な変化が存在し得る信号になる。このように、隣り合う受信整相点202における信号強度の増幅率差が大きいと、受信走査線の位置に基づいたスキャンコンバージョン処理、受信走査線間の画素を生成する補間処理、ノイズ除去のためのフィルタ処理等により、実際の検査対象101には存在しない輝度変化が発生し、画質が劣化する可能性がある。
本実施形態では、このような、送信間合成信号において、隣接する受信整相点202間で増幅率が大きく変化しないようにする。すなわち、本実施形態の送信間重み調整部140は、図4(a)に示す、整相範囲200内が1、整相範囲200外が0の送信間重みを、隣接する受信整相点202間の増幅率の変化が滑らかになるよう調整する。重み係数の調整は、重み係数の集合である送信間重みの変化態様(送信間重み形状)を調整することにより行う。
本実施形態では、送信間重み形状400は、図6に示すように、例えば、整相範囲の垂直方向に関し、中央の受信走査線211上の受信整相点202の重みの値が最大で、当該中央から遠ざかるに従って、値が減少するよう調整される。
このように送信間重み形状400を調整するため、本実施形態の送信間重み調整部140は、図1に示すように、送受信毎の整相範囲200の形状を計算する整相範囲形状計算部141と、また、整相範囲200内での調整後の送信間重みの変化態様(送信間重み形状)を特定する重み調整パラメータを決定する増幅率修正パラメータ決定部142と、整相範囲200と重み調整パラメータとに従って、調整後の送信間重み400を決定する増幅率修正重み決定部143と、撮像条件に対応づけて最適な重み調整パラメータを保持するルックアップテーブルLUT144と、を備える。
[整相範囲形状計算部]
整相範囲形状計算部141は、整相範囲200の形状を計算する。整相範囲200は、探触子110の種類と、送信に使用する超音波素子の位置と、送信音波を集束させる位置と、送信ビーム形状と、を含む送受信パラメータによって定義される。これらの情報は、ユーザが予め撮像条件等として設定し、撮像パラメータテーブル113に保持される。整相範囲形状計算部141は、撮像パラメータテーブル113から取得したこれらの情報を用いて、整相範囲200の形状を計算する。本実施形態では、送受信毎の、撮像範囲210内の整相範囲200の位置、範囲を特定する。
[増幅率修正パラメータ決定部]
上述のように、本実施形態では、送信間重み形状400は、垂直方向の中央が最大となり、整相範囲200の両端部に向かって単調減少する形状を有するよう調整される。また、図6に示すように、送信方向において同じ深度における整相範囲200の垂直方向負側の端421と正側の端422に関して、中央の受信走査線211から端421および端422までの距離は、等距離でなくてもよい。
送信間重み形状400は、図7に示すように、形状変化を規定する関数と、傾斜強度と、重みの最小値および最大値(重み値の幅)とによって定まる。関数は、予め、例えば、撮像パラメータテーブル113等に保持される。本実施形態の増幅率修正パラメータ決定部142が決定する重み調整パラメータは、予め定めた関数の傾斜強度と送信間重みの最小値および最大値とである。ここで用いる関数は、例えば、ハニング関数やガウス関数などである。
なお、本実施形態では、傾斜強度の大小は、図7に示すように、401が最も傾斜強度の大きい(強い)送信間重み形状、403が、本図において最も傾斜強度が小さい(弱い)送信間重み形状、402が両者の中間の傾斜強度の送信間重み形状、と定める。すなわち、傾斜強度が大きいほど、送信間重み形状400が急峻となる。なお、図7は、整相範囲200の、垂直方向の所定位置の各受信整相点202の重み値(重み係数)をプロットしたものである。
そして、傾斜強度が強いほど、送信間重みにより、整相範囲200内で、信号強度を操作する度合いは小さい。すなわち、送信間重み形状401に従う重み係数では、整相範囲内のほとんどの受信整相点202の信号強度は、そのまま保たれる。一方、図7において最も傾斜強度の弱い送信間重み形状403では、中央の受信走査線211近傍の受信整相点202以外は、0と1との間の重み係数が乗算され、信号強度は弱められる。
傾斜が強い場合は、合成処理による処理利得向上効果は最も大きいものの、増幅率の変化が離散的となり画質劣化につながる可能性がある。一方で、傾斜を弱めると、合成処理による処理利得向上効果は低減するものの、増幅率の変化が滑らかで連続的になり、画質劣化の抑制効果が得られる。
このように、送信間重み形状400毎に、送信間重みによる画質劣化を抑制する効果は異なる。送信間重み形状400は、処理利得も考慮し、画質が最も良くなる形状となるように決定されることが望ましい。
上述のように、重み調整パラメータには、傾斜強度と重みの最小値および最大値とがあるが、以下、本実施形態では、重みの最小値は0、最大値は1、にそれぞれ固定する場合を例にあげて説明する。すなわち、本実施形態の、調整後の重みは、0から1の間の値とする。
従って、本実施形態では、重み調整パラメータは、傾斜強度のみとする場合を例にあげて説明する。すなわち、本実施形態では、増幅率修正パラメータ決定部142は、重み調整パラメータとして、傾斜強度を決定する。
[LUT]
本実施形態の増幅率修正パラメータ決定部142は、傾斜強度を、LUT144から取得する。LUT144の一例を図8に示す。LUT144は、図8に示すように、撮像条件701に対応づけて、当該撮像条件に最適な重み調整パラメータ702を保持する。対応づける撮像条件701は、例えば、整相範囲200を特定する際に用いる撮像パラメータ、および、画像処理時に用いる処理パラメータなどである。
画質には、画像処理部150で行われる処理が影響を与える。従って、LUT144の撮像条件には、画像処理部150にて行われる処理のパラメータも含まれる。なお、画像処理部150において行われる処理であって、隣り合う受信整相点202の増幅率差(比率)に影響を受ける処理には、受信走査線の位置に基づいたスキャンコンバージョン処理、受信走査線間の画素を生成する補間処理、ノイズ除去のためのフィルタ処理等がある。増幅率の比率が大きい場合、実際の検査対象101には存在しない輝度変化が発生し、画質が劣化する可能性がある。
傾斜強度702は、例えば、数値で設定されてもよいし、予め定めた強さの度合い(例えば、強、中、弱)が設定されていてもよい。数値の場合、例えば、図7に示すように、垂直方向の中心から端部までの長さW0と、受信整相点202が位置する垂直方向負側の端から強度が最大値(ここでは、1)である幅W1とを用い、W1/W0の値を用いてもよい。また、強、中、弱の場合、例えば、それぞれ、図7の401、402、403に対応づけられていてもよい。
なお、最適な重み調整パラメータ(傾斜強度)は、後段の画像処理部150にて行われる各処理において、送信間合成後の各受信整相点202において、隣り合う受信整相点202の増幅率差(比率)が、許容範囲を超えないよう決定される。
送信間合成後の、各受信整相点202の増幅率(増幅率分布)は、受信走査線201の位置、サンプリング周波数、各送受信における整相範囲200の形状、および、整相範囲200の撮像範囲210内での位置、重み調整パラメータにより算出される。この分布から、各受信整相点202について、隣り合う受信整相点202間の増幅率差(比率)を計算する。隣接受信整相点202間で許容される増幅率差の上限は、画像処理部150で行う各処理の制約から予め定まっているものとする。
これらの情報から、隣り合う受信整相点202間の増幅率差が、処理パラメータによる上限を超えない重み調整パラメータを、撮像条件毎に算出し、処理パラメータおよび撮像条件に対応づけて、重み調整パラメータをLUT144に登録する。画質劣化抑制効果を高めるため、例えば、増幅率の比率ができる限り1に近づくよう、重み調整パラメータを決定する。
[増幅率修正重み決定部]
増幅率修正重み決定部143は、整相範囲形状計算部141が計算した整相範囲200の形状と増幅率修正パラメータ決定部142が決定した重み調整パラメータとに従って、調整後の送信間重み、すなわち、各受信整相点202の整相信号に乗算する重み係数、を決定する。
ここでは、図9に示すように、増幅率修正重み決定部143は、各受信整相点202の送信方向の位置(k1)を特定する。そして、当該位置(k1)の送信間重み形状400を得る。送信方向の所定の位置の送信間重み形状400は、当該位置(k1)における整相範囲200の幅と、重み調整パラメータ(傾斜強度)とにより定まる。当該位置(k1)の整相範囲200の幅は、整相範囲200の形状から算出する。増幅率修正重み決定部143は、決定した送信間重み形状400に従って、当該位置(k1)上の各受信整相点202の重みの値(重み係数)410を算出する。
このようにして、増幅率修正重み決定部143は、1回の送受信の整相範囲200内の全受信整相点202の重み係数410を算出する。そして、整相範囲200外の受信整相点への重み係数410は、0とする。この重み係数410の算出を、全送受信について行う。算出された各送受信の、各受信整相点202の重み係数410は、送信間合成部133に送られ、送信間合成時に用いられる。
[超音波撮像処理の流れ]
次に、本実施形態の超音波撮像装置100の各部による、超音波画像取得時(超音波撮像処理)の流れを説明する。図10は、本実施形態の超音波撮像処理の処理フローである。超音波撮像処理は、操作者が撮像条件を入力し、撮像開始の指示を行うことにより、開始される。ここでは、1フレーム分の画像を取得する場合の流れを説明する。
まず、設定された撮像条件に従って、送信間重み調整部140は、送信間重みを調整する(ステップS1101)。
また、設定された撮像条件に従って、送信ビームフォーマ120が動作し、探触子110における超音波の送受信が開始される(ステップS1102)。その後、送信毎に、受信ビームフォーマ130の遅延加算部131は、受信信号から各受信整相点202の整相信号を得、得られた整相信号を、送信および受信整相点202に対応づけて、メモリ132に蓄積する(ステップS1103)。
送受信が繰り返され、1フレーム分の受信信号が蓄積される(ステップS1104)と、送信間合成部133は、各受信整相点202について、送信毎の整相信号にステップS1101で調整した送信間重みを乗算しながら加算し、送信間合成を行う(ステップS1105)。
画像処理部150は、送信間合成で生成された送信間合成信号から画像を生成し(ステップS1106)、表示部160に表示し(ステップS1107)、1フレームの超音波画像の生成を終了する。
なお、上記処理フローでは、送信間重みの生成を最初に行うものとして説明したが、これに限定されない。ステップS1105より前であれば、どのタイミングで生成してもよい。具体的には、CPUやFPGA(Field−Programmable Gate Array)などを用いて生成し、メモリに保持されてもよいし、メモリに保持されることなく送信間合成に適用されてもよい。また、送受信パラメータおよび重み調整パラメータの組み合わせ分、予めメモリ132などに保持されていてもよい。
また、上記処理フローでは、1フレーム分の整相信号が蓄積される毎に、送信間重みの乗算を行う場合を例にあげて記載したが、1回の送受信で整相信号を得る毎に、ステップS1105の送信間合成を行うよう構成してもよい。この場合、整相信号を得る毎に、各受信整相点202の整相信号に送信間重みを乗算し、既に取得している同一の受信整相点202の値に加算していく。
[送信間重み調整処理の流れ]
次に、上記ステップS1101の、送信間重み調整部140による、送信間重み調整処理の流れを説明する。図11は、本実施形態の送信間重み調整処理の処理フローである。
送信間重み調整部140は、撮像パラメータテーブル113から送受信パラメータおよび処理パラメータを読み出す(ステップS1201)。そして、整相範囲形状計算部141は、これらのパラメータを用い、1フレームの画像を構成する全送信分の各整相範囲200の形状を計算する(ステップS1202)。
増幅率修正パラメータ決定部142は、読み出した撮像条件に対応づけて格納されている重み調整パラメータをLUT144から取得する(ステップS1203)。
増幅率修正重み決定部143は、ステップS1202で算出した整相範囲200の形状と、重み調整パラメータで特定される送信間重み形状400とから、各送信の、各整相範囲200内の各受信整相点202の重み係数410を決定することにより、送信間重みを調整し(ステップS1204)、処理を終了する。
[シミュレーション結果]
本実施形態の送信間重み400を適用した場合の、送信間合成後の増幅率の変化を図12(a)〜図12(c)を用いて説明する。整相範囲200は、図4(a)と同様とする。
本実施形態では、図4(a)に示す、整相範囲200内が1、整相範囲200外が0の送信間重みが、図12(a)に示す、整相範囲200の中心軸周辺で重み係数410が1である領域が続いた後に、整相範囲200の、方位方向両端に向かって滑らかに0へ変位するよう調整される。
図12(a)に示す送信間重みを、各整相範囲200内の受信整相点202に適用し、送信間合成を行った送信間合成増幅率分布の、1フレーム分の分布を図12(b)に示す。また、受信走査線311上の各受信整相点202の増幅率の変化を図12(c)に実線321で示す。
これらの図に示すように、図4(b)および図4(c)に示す結果と比べ、本実施形態の送信間重みを適用して送信間合成を行った結果において、増幅率の分布は、滑らかな変化を示す。
本実施形態では、上述のように、深度方向(送信方向)の各位置における送信間重み形状400が、整相範囲200の、当該位置の幅に応じて定められるため、図12(c)に実線321で示すように、受信走査線311上の各受信整相点202の増幅率は、少数値もとることになり、その変化は滑らかで連続的なものになる。なお、点線320は、図4(c)の増幅率である。
また、垂直方向の送信間重み形状400が、中央が最大で端に行くに従って低減する形状を有しているため、垂直方向(方位方向)においても、本実施形態の送信間重みを用いることにより、増幅率の変化は滑らかで連続的になる。
以上説明したように、本実施形態の超音波撮像装置は、所定の方向に沿って複数の超音波素子を配列した探触子110と、前記複数の超音波素子の少なくとも一部から超音波を送信させる送信ビームフォーマ120と、送信毎に、前記超音波素子の出力する受信信号から整相信号を生成し、予め定めた整相範囲200の各受信整相点202において開口合成を行う受信ビームフォーマ130と、前記開口合成の送信間合成時に用いる送信間重みを調整する送信間重み調整部140と、前記開口合成後の整相信号から超音波画像を生成する画像処理部150と、を備え、前記送信ビームフォーマ120は、各前記超音波素子から送信される超音波それぞれに対して、所定の深度で集束するよう遅延時間を与え、前記受信ビームフォーマ130は、前記受信整相点202それぞれについて、1回の送信で各前記超音波素子が得た前記受信信号をそれぞれ遅延させた後加算することにより整相し、前記整相信号を得る遅延加算部131と、各送受信で得た前記受信整相点202の整相信号にそれぞれ調整後の前記送信間重みを適用し、送信間合成を行う送信間合成部133と、を備え、前記送信間重み調整部140は、前記整相範囲200に応じて前記送信間重みを調整する。
このとき、前記送信間重み調整部140は、前記送信間合成後の各受信整相点202について、隣接する受信整相点202間の増幅率差が低減するよう前記送信間重みを調整してもよい。
また、前記送信間重み調整部140は、送受信毎の前記整相範囲200の形状を計算する整相範囲形状計算部141と、前記整相範囲200内での調整後の前記送信間重みの値の変化態様(送信間重み形状400)を特定する重み調整パラメータを決定する増幅率修正パラメータ決定部142と、前記整相範囲200と前記重み調整パラメータとに従って、調整後の前記送信間重みを決定する増幅率修正重み決定部143と、を備えてもよい。
そして、送信間重み調整部140は、撮像条件に対応づけて前記重み調整パラメータを保持するルックアップテーブル144をさらに備え、前記増幅率修正パラメータ決定部142は、前記ルックアップテーブル144から前記重み調整パラメータを取得してもよい。
このように、本実施形態によれば、各送受信で得た受信整相点202に、整相範囲200に応じて調整した送信間重みを乗算し、送信間合成を行う。従って、送信間合成により得た送信間合成信号において、隣り合う受信整相点202間の増幅率の変化(増幅率差)が小さくなり、送信方向および垂直方向いずれの方向においても、増幅率の変化が滑らかになる。
つまり、本実施形態の調整後の送信間重みを用いることで、開口合成により生じる、隣り合う受信整相点202における信号強度の増幅率差が大きいことにより生じる偽像や実際とは異なる輝度分布などの画質劣化を抑制することができる。これにより、診断の精度向上や検査時間の短縮が期待できる。
さらに、本実施形態では、送信間重み形状400として、垂直方向(方位方向)において、整相範囲200の中心軸(中央の受信走査線211)位置(中心)が最大で、整相範囲200の両端部に向かって小さくなる分布形状を用いる。従って、信号の信頼度の高い、整相範囲中央の受信整相点202の整相信号の寄与度を高め、信号の信頼度の低い整相範囲端部の整相信号の寄与を低めることができる。
例えば、整相範囲200が、送信方向の各位置で同じ幅の形状であっても、垂直方向の端部の整相信号の信頼性は、中央部の同信号の信頼性に比べて低い。このような場合であっても、本実施形態の調整後の送信間重みを用いることにより、信頼度の高い信号の寄与を高め、信頼度の低い信号の寄与を低減でき、より高品質な画像を得ることができる。
さらに、信頼度の低い両端部の整相信号の寄与を抑えることにより、撮像中に撮像対象に動きが存在した際に1フレームの画像内に生じるアーチファクトを抑制する効果が得られる。
この効果を、図13(a)〜図14(d)を用いて説明する。例えば、深度方向において深部から浅部へ移動している1点の反射体を撮像した場合を考える。
図13(a)〜図13(c)は、連続した3回の送信において、各回の送信により得られる整相信号を可視化したものである。それぞれの送信で得られる点像511の形状は、探触子110の種類と、送信に使用する素子の位置と、送信焦点の位置、に主に依存する。
従来の手法、すなわち、調整前の送信間重みを適用し、各送信の整相信号を送信間合成した結果512を、図13(d)に示す。本図に示すように、この場合は2種類のアーチファクトが出現する。第一のアーチファクトは、点像511が深部から浅部へ移動していることによる点像の深度方向への伸びに起因するものである。また、第二のアーチファクトは、各送信における点像511の形状を重ね合わせた結果、点像511が実際に存在しない場所で信号が強め合うことに起因する方位方向のアーチファクトである。
本実施形態では、方位方向において、整相範囲200の中心軸から端へいくにつれ、重み値が滑らかに低下するよう調整した送信間重み形状400に従う送信間重みを用いて、1回の送信で得られた整相信号の信号強度を低下させる。図14(a)〜図14(c)に、図13(a)〜図13(c)に示す信号群に、本実施形態の調整後の送信間重みを適用したものを示す。これらの図において、521は、点像である。
これらの図に示すように、本実施形態の調整後の送信間重みを適用することにより、1回の送信により得られる整相信号は、場所により信号強度が調整される。これらを送信間合成した結果を、図14(d)に示す。本図に示すように、本実施形態の調整後の送信間重みを適用し送信間合成したものは、図13(d)に示す従来手法のものに比べ、点像522の深部方向および方位方向のアーチファクトが抑制される。
<<第二の実施形態>>
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。第一の実施形態では、送信間重みを調整する際、重み調整パラメータ(傾斜強度)を、予め用意されたLUTから取得する。一方、本実施形態では、LUTを用意せず、適切な重み調整パラメータを探索により決定する。
本実施形態の超音波撮像装置100aの機能構成図を図15に示す。本図に示すように、本実施形態の超音波撮像装置100aは、基本的に第一の実施形態と同様の構成を備える。ただし、重み調整パラメータの決定手法が異なるため、送信間重み調整部140は、LUT144を備えない。その代り、送信間重み調整部140は、増幅率修正重み決定部143が決定した送信間重みの適否を検証する検証部145を備える。また、増幅率修正パラメータ決定部142の処理が異なる。
以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
[増幅率修正パラメータ決定部]
本実施形態の増幅率修正パラメータ決定部142は、第一の実施形態同様、整相範囲200の形状に応じて、調整後の送信間重み形状400を特定する重み調整パラメータを決定する。本実施形態では、LUT144を備えないため、決定する重み調整パラメータである傾斜強度として、予め定めた初期値Winc0を設定する。そして、検証部145が不適切と決定した場合、増幅率修正パラメータ決定部142は、予め定めた変化量ΔWincだけ重み調整パラメータの値を変化させ、最適な重み調整パラメータを決定する。
例えば、増幅率修正パラメータ決定部142は、考えられる最も大きい傾斜強度を初期値Winc0とし、変化量ΔWincとして予め定めた固定値を用い、最適値まで徐々に傾斜を弱めていく。なお、初期値Winc0および変化量Wincは、例えば、撮像パラメータテーブル113等に予め保持される。
[検証部]
本実施形態の検証部145は、調整された送信間重みの適否を検証する。本実施形態では、送信間重みを送信間合成した結果により適否を判別する。
具体的には、送信毎に、増幅率修正パラメータ決定部142が決定した重み調整パラメータに従って、増幅率修正重み決定部143が決定した、送信毎の各受信整相点202の重み係数410を得る。そして、重み係数410のみを送信間合成する。すなわち、同一の受信整相点202について、当該受信整相点202の、各送受信の重み係数410を加算する。
そして、検証部145は、送受信毎の調整後の送信間重みを送信間合成した結果において、隣接する受信整相点202間の重み値の比率の最大値が、予め定めた閾値より大きい場合、不適切と決定する。なお、閾値は、予め定め、例えば、撮像パラメータテーブル113等に格納しておく。
[送信間重み調整処理の流れ]
以下、本実施形態の送信間重み調整部140による送信間重み調整処理の流れを、図16を用いて説明する。
整相範囲形状計算部141は、撮像パラメータテーブル113から送受信パラメータおよび画像処理パラメータを読み出す(ステップS2101)。そして、整相範囲形状計算部141は、これらのパラメータを用い、1フレームの画像を構成する全送信分の各整相範囲200の形状を計算する(ステップS2102)。
増幅率修正パラメータ決定部142は、撮像パラメータテーブル113から、重み調整パラメータの初期値を読み出し、重み調整パラメータと決定する(ステップS2103)。
増幅率修正重み決定部143は、ステップS2102で算出した整相範囲200の形状と、重み調整パラメータで特定される送信間重み形状400とから、各送信の、各整相範囲200内の各受信整相点202の重み係数410を決定する(ステップS2104)。
検証部145は、各送信の、送信間重み(各受信整相点202の重み係数410の集合)を送信間合成し(ステップS2105)、増幅率分布を生成する。ここでは、上述のように、同一の受信整相点202について、重み係数410を加算し、増幅率分布を生成する。
検証部145は、増幅率分布において、隣り合う受信整相点202の増幅率の比率を比較し、最も高い値を抽出する(ステップS2106)。そして、抽出した値を、予め定めた増幅率の比率の閾値と比較する(ステップS2107)。
抽出した増幅率の比率の最大値が、閾値を超えている場合、増幅率修正パラメータ決定部142に生成した重み調整パラメータが不適切であることを通知する。増幅率修正パラメータ決定部142は、それを受け、上記手法で重み調整パラメータ(傾斜強度)を変更し(ステップS2108)、ステップS2104へ移行し、処理を繰り返す。
一方、最大値が閾値以下の場合、検証部145は、調整された送信間重みが適切であることを増幅率修正重み決定部143に通知し、送信間重み調整部140は、その時点で調整されている送信間重みを、調整後の送信間重みと決定し(ステップS2109)、処理を終了する。
なお、本実施形態の送信間合成部133は、第一の実施形態同様、送信間重み調整部140が調整した送信間重み(各受信整相点202の重み係数410の集合)を用い、開口合成の送信間合成を行う。そして、画像処理部150は、開口合成の結果から画像を生成し、表示部160に表示する。
以上説明したように、本実施形態の超音波撮像装置100aは、第一の実施形態同様、探触子110と、送信ビームフォーマ120と、受信ビームフォーマ130と、送信間重み調整部140と、画像処理部150と、を備える。そして、前記送信間重み調整部140は、前記送信間合成後の各受信整相点202について、隣接する受信整相点202間の増幅率差が低減するよう前記送信間重みを調整してもよい。また、前記送信間重み調整部140は、整相範囲形状計算部141と、増幅率修正パラメータ決定部142と、増幅率修正重み決定部143と、を備えてもよい。
前記送信間重み調整部140は、前記増幅率修正重み決定部143が決定した送信間重みの適否を検証する検証部145をさらに備え、前記検証部145が不適切と決定した場合、前記増幅率修正パラメータ決定部142は、予め定めた変化量だけ前記重み調整パラメータの値を変化させてもよい。
このように、本実施形態によれば、第一の実施形態同様、送信間合成後の画像の各受信整相点202において、滑らかな増幅率の変化を得ることができる。このような送信間重みを適用した整相信号群から画像を生成するため、アーチファクトの少ない画像を得ることができる。
また、本実施形態によれば、LUTを持たないため、その分のメモリ領域が不要となる。従って、より簡易な構成で、高品質の画像を得ることができる。
なお、上記実施形態では、傾斜強度を、最大値である初期値Winc0から、徐々に低下させ、最適な傾斜強度を決定する。しかしながら、最適な傾斜強度の探索手法は、この手法に限定されない。
例えば、最大値、最小値または中間値から始め、二分割法により最適な値を探索してもよい。
さらに、本実施形態においても、第一の実施形態同様、撮像条件に対応づけて最適な重み調整パラメータを保持するLUT144を備えてもよい。例えば、撮像時に設定された撮像条件に対応するデータがLUT144に保持されていない場合、最も近い撮像条件に対応づけて保持されている重み調整パラメータをLUT144から抽出し、その後、探索により最適化する。
<<第三の実施形態>>
本発明の第三の実施形態を説明する。本実施形態では、調整後の送信間重みを用いて開口合成した結果から得た画像を表示し、ユーザから、重み調整パラメータの調整を受け付ける。
当初の送信間重みは、上記第一の実施形態の手法、または、第二の実施形態の手法、いずれの手法で算出してもよい。あるいは、予め定めておいてもよい。ここでは、第一の実施形態の手法で算出する場合を例にあげて説明する。
本実施形態の超音波撮像装置100bは、基本的に第一の実施形態の超音波撮像装置100と同様の構成を有する。ただし、上述のように、ユーザ(操作者)からの調整を受け付けるため、この処理を実現する構成をさらに備える。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
ユーザからのさらなる調整を受け付けるため、本実施形態では、図17に示すように、第一の実施形態の超音波撮像装置100の構成に加え、ユーザによる重み調整パラメータの調整を受け付ける受付部146を備える。また、増幅率修正パラメータ決定部142の処理が第一の実施形態と異なる。
本実施形態の増幅率修正パラメータ決定部142は、第一回目は、第一の実施形態同様、撮像条件に対応づけてLUT144に蓄積される傾斜強度を読み出し、それを、重み調整パラメータと決定する。その後、受付部146を介して、ユーザから調整を受け付けると、受け付けた調整に従って重み調整パラメータを調整し、調整後の重み調整パラメータを、出力する重み調整パラメータとして決定する。
受付部146は、ユーザからの、傾斜強度の調整を受け付ける。受付部146が表示部160に表示し、ユーザから傾斜強度の調整を受け付ける際に用いるGUI画面例(パラメータ受付画面)を図18(a)に示す。
本図に示すように、パラメータ受付画面600は、画像表示領域610と、パラメータ受付領域620と、OKボタン630と、を備える。画像表示領域610には、増幅率修正パラメータ決定部142が決定した重み調整パラメータに基づいて受信ビームフォーマ130および画像処理部150が作成した超音波画像が表示される。パラメータ受付領域620は、ユーザによる重み調整パラメータの調整を受け付ける領域である。また、OKボタン630は、ユーザから現時点で調整された送信間重みを了承する意思を受け付けるボタンである。
本実施形態では、重み調整パラメータのうち、傾斜強度の調整を受け付ける場合を例にあげて説明する。例えば、図18(a)に例示するように、ノブ622を備えた、メモリ付きのスライダ621などを表示する。ユーザは、ノブ622をスライダ621に沿って移動させることにより、傾斜強度の調整を指示する。初期状態では、ノブ622は、画像表示領域610に表示される超音波画像を生成した際の傾斜強度を示す位置に表示される。
傾斜強度の変更可能な範囲は、撮影条件に応じて予め設定され、LUT144に保持される。傾斜強度の変更可能な範囲は、送受信毎、各送受信の整相範囲の送信方向の位置毎に異なってもよい。
なお、OKボタン630は備えなくてもよい。所定期間、ユーザから調整の指示を受け付けない場合、現状のパラメータで了承されたものと判断するよう構成してもよい。また、ユーザから傾斜強度の調整を受け付ける際に用いるインターフェースは、GUI表示切り替えスイッチの押下により画面内に表示してもよいし、画面内ではなく、操作盤のボタンやダイヤルでもよい。
[超音波撮像処理の流れ]
本実施形態の超音波撮像処理の流れを、図19を用いて説明する。以下の処理は、ユーザが各種の撮像条件、パラメータ等を設定後、開始の指示を行うことにより開始される。
ユーザが設定した撮像条件に従って、送信ビームフォーマ120が動作し、探触子110から超音波が送信され、送受信が開始される(ステップS3101)。
受信ビームフォーマ130の遅延加算部131は、各送信において、各受信整相点202の整相信号を得、メモリ132に蓄積することを繰返し、1フレーム分の整相信号を得る(ステップS3102)。
送信間重み調整部140は、撮像パラメータテーブル113から送受信パラメータおよび処理パラメータを読み出す(ステップS3103)。そして、整相範囲形状計算部141は、撮像条件、パラメータ等から、整相範囲200の形状を算出(ステップS3104)する。また、増幅率修正パラメータ決定部142は、LUT144から傾斜強度を抽出する(ステップS3105)。
増幅率修正重み決定部142は、送信間の形状400を調整し、それに従って、各送受信の、各受信整相点202の重み係数410を決定する(ステップS3106)。
送信間合成部133は、調整後の送信間重み形状400に従って決定した重み係数410を、各送受信の各受信整相点202に乗算し、送信間合成を行う(ステップS3107)。
画像処理部150は、送信間合成後の整相信号群から画像を生成し(ステップS3108)、表示部160に表示する(ステップS3109)。本実施形態では、パラメータ受付画面600上に表示する。
受付部146は、ユーザからパラメータ受付領域620を介して傾斜強度の調整を受け付けると(ステップS3110)、増幅率修正パラメータ決定部142は、受け付けた調整に応じて傾斜強度を調整し、増幅率修正重み決定部143に通知する。そして、増幅率修正重み決定部142は、ステップS3106に移行し、受付部146から受け取った傾斜強度を用い、重み係数を決定し直す。
一方ステップS3110で、傾斜強度の変更を受け付けず、ユーザからOKボタン630の押下を受け付けた場合、受付部146は、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の超音波撮像装置100bは、第一の実施形態同様、探触子110と、送信ビームフォーマ120と、受信ビームフォーマ130と、送信間重み調整部140と、画像処理部150と、を備える。そして、前記送信間重み調整部140は、前記送信間合成後の各受信整相点202について、隣接する受信整相点202間の増幅率差が低減するよう前記送信間重みを調整してもよい。また、前記送信間重み調整部140は、整相範囲形状計算部141と、増幅率修正パラメータ決定部142と、増幅率修正重み決定部143と、を備えてもよい。
また、超音波撮像装置100bは、ユーザによる重み調整パラメータの入力を受け付ける受付部146をさらに備え、前記増幅率修正パラメータ決定部142は、前記受け付けた調整に従って、前記重み調整パラメータを調整してもよい。
このように、本実施形態によれば、上記各実施形態同様、送信間合成後の画像の各受信整相点において、滑らかな増幅率の変化を得ることができる。このような整相信号群から画像を生成するため、アーチファクトの少ない画像を得ることができる。
さらに、本実施形態によれば、ユーザが好みの重み調整パラメータに調整できる。従って、所望の画質の画像を得ることができる。
なお、上記実施形態では、LUT144を備え、初期の重み調整パラメータは、LUT144から取得する場合を例にあげて説明したが、これに限定されない。例えば、予め定めた値を用いるよう構成してもよいし、第二の実施形態のように、重み調整パラメータの初期値および変化量を保持し、最適な重み調整パラメータを探索するよう構成してもよい。この場合、探索により決定した画像をユーザに提示し、重み調整パラメータの調整を受け付ける。
<重み調整パラメータの変形例>
また、上記各実施形態では、各受信整相点202に乗算する重み係数410は、0から1の間の値とする場合を例にあげて説明した。しかしながら、重み係数410の値の範囲は、これに限定されない。1から2、0.5から1、0から−1などの範囲の値としてもよい。また、送信間合成増幅率の最大値が1となるような値としてもよい。
さらに、整相範囲200の垂直方向の幅に反比例して重み係数410の最大値を決定してもよい。例えば、ある幅の位置の重み係数410の最大値を1とした場合、幅がその2倍の位置の重み係数410の最大値を0.5とする、あるいは、重み係数410を1フレームを構成する全送信分を送信間合成した際の増幅率の分布が均一となるような数値としてもよい。
また、第二の実施形態において、重み係数410も探索の対象としてよい。この場合、初期値、変化量、および閾値を予め保持しておき、上記同様の手法で探索し、最適値を決定する。
また、第三の実施形態では、パラメータ受付画面600を介して、重み係数410も指定可能なように構成してもよい。
この場合のパラメータ受付画面601の例を図18(b)に示す。パラメータ受付画面601のパラメータ受付領域640は、さらに重み係数410の増幅率の設定も受け付ける。具体的には、図18(b)に示すような2次元のスライダ641を表示させ、ノブ642の移動により、傾斜強度と重み係数410の増幅率との指定を受け付ける。
パラメータ受付領域640には、ユーザが重み係数の増幅率と傾斜強度とを指定すると、重み分布形状の断面が表示されるよう構成してもよい。表示する各値の範囲は、予め設定される。
<整相範囲の変形例>
上記各実施形態では、整相範囲200を、探触子110の種類と、送信に使用する素子の位置と、送信音波を集束させる位置と、送信ビーム形状を含む送受信パラメータと、によって定義する。しかしながら、整相範囲200の定義は、これに限定されない。例えば、さらに画像化方式も考慮してもよい。
例えば、図20(a)のように、送信周波数の整数倍の周波数成分を持つ高調波を画像化に用いる画像化方式では、図20(b)に示す送信周波数を用いた場合に比べ、図20(c)に示すように、特に送信焦点より深部において送信音場が縮小することが知られている。
また、整相範囲は、送信音場に則さずに定義してもよい。
なお、上記各実施形態において、超音波撮像装置100、100a、100bは、CPUとメモリと記憶装置とを備える。そして、超音波撮像装置100、100a、100bが実現する各機能は、記憶装置に格納されたプログラムを、CPUがメモリにロードして実行することにより実現される。また、全部または一部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGAなどのハードウェアによって実現してもよい。
また、各機能の処理に用いる各種のデータ、処理中に生成される各種のデータは、記憶装置に格納される。例えば、撮像パラメータテーブル113およびLUT144は、記憶装置に構築される。
100:超音波撮像装置、100a:超音波撮像装置、100b:超音波撮像装置、101:検査対象、110:探触子、111:D/A変換器、112:A/D変換器、113:撮像パラメータテーブル、120:送信ビームフォーマ、130:受信ビームフォーマ、131:遅延加算部、132:メモリ、133:送信間合成部、140:送信間重み調整部、141:整相範囲形状計算部、142:増幅率修正パラメータ決定部、143:増幅率修正重み決定部、144:LUT、145:検証部、146:受付部、150:画像処理部、160:表示部、200:整相範囲、201:受信走査線、202:受信整相点、210:撮像範囲、211:中央の受信走査線、310:送信間合成増幅率分布、311:受信走査線、320:増幅率、321:増幅率、400:送信間重み形状、401:送信間重み形状、402:送信間重み形状、403:送信間重み形状、410:重み係数、411:重み係数、421:負側の端、422:正側の端、511:点像、512:結果、521:点像、522:点像、600:パラメータ受付画面、601:パラメータ受付画面、610:画像表示領域、620:パラメータ受付領域、621:スライダ、622:ノブ、630:OKボタン、640:パラメータ受付領域、641:スライダ、642:ノブ、701:撮像条件、702:重み調整パラメータ

Claims (14)

  1. 所定の方向に沿って複数の超音波素子を配列した探触子と、
    前記複数の超音波素子の少なくとも一部から検査対象へ超音波を送信させ、前記超音波素子からそれぞれ送信される超音波に対して遅延時間を与えることにより、前記超音波を所定の深度で集束させる送信ビームフォーマと、
    前記検査対象からの超音波を受信した複数の前記超音波素子が出力する受信信号をそれぞれ遅延させた後、加算することにより、予め定めた整相範囲の複数の受信整相点についてそれぞれ整相信号を得る遅延加算部と、複数回の送受信によって得られた、前記受信整相点ごとの複数の前記整相信号にそれぞれ送信間重みを適用した後合成することにより、送信間合成を行う送信間合成部と、を有する受信ビームフォーマと、
    前記整相範囲に応じて、前記送信間重みを調整する送信間重み調整部と、
    複数の前記受信整相点についての前記送信間合成後の前記整相信号から超音波画像を生成する画像処理部と、を備えることを特徴とする超音波撮像装置。
  2. 請求項1記載の超音波撮像装置であって、
    前記送信間重み調整部は、前記送信間合成後の各受信整相点について、隣接する受信整相点間の増幅率差が低減するよう前記送信間重みを調整すること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  3. 請求項1記載の超音波撮像装置であって、
    前記送信間重み調整部は、
    送受信毎の前記整相範囲の形状を計算する整相範囲形状計算部と、
    前記整相範囲内での調整後の前記送信間重みの値の変化態様を特定する重み調整パラメータを決定する増幅率修正パラメータ決定部と、
    前記整相範囲と前記重み調整パラメータとに従って、調整後の前記送信間重みを決定する増幅率修正重み決定部と、を備えること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  4. 請求項3記載の超音波撮像装置であって、
    前記重み調整パラメータは、予め定めた関数の傾斜強度であること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  5. 請求項3記載の超音波撮像装置であって、
    前記重み調整パラメータは、前記送信間重みの最小値および最大値であること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  6. 請求項3記載の超音波撮像装置であって、
    前記送信間重み調整部は、撮像条件に対応づけて前記重み調整パラメータを保持するルックアップテーブルをさらに備え、
    前記増幅率修正パラメータ決定部は、前記ルックアップテーブルから前記重み調整パラメータを取得すること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  7. 請求項3記載の超音波撮像装置であって、
    前記送信間重み調整部は、前記増幅率修正重み決定部が決定した送信間重みの適否を検証する検証部をさらに備え、
    前記検証部が不適切と決定した場合、前記増幅率修正パラメータ決定部は、予め定めた変化量だけ前記重み調整パラメータの値を変化させること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  8. 請求項3記載の超音波撮像装置であって、
    ユーザによる重み調整パラメータの調整を受け付ける受付部をさらに備え、
    前記増幅率修正パラメータ決定部は、前記受け付けた調整に従って前記重み調整パラメータを調整すること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  9. 請求項1記載の超音波撮像装置であって、
    前記送信間重みは、送信方向に直交する方向に関し、前記整相範囲中央の受信整相点の値が最大で、当該中央から遠ざかるに従って、値が減少するよう調整されること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  10. 請求項8記載の超音波撮像装置であって、
    前記受付部は、前記増幅率修正パラメータ決定部が決定した前記重み調整パラメータに基づいて作成した超音波画像を表示する画像表示領域と、重み調整パラメータの調整を受け付けるパラメータ受付領域とを備えるパラメータ受付画面を表示し、当該パラメータ受付画面を介して前記重み調整パラメータの調整を受け付けること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  11. 請求項7記載の超音波撮像装置であって、
    前記検証部は、送受信毎の前記送信間重みを送信間合成した結果において、隣接する前記受信整相点間の重み値の比率の最大値が、予め定めた閾値より大きい場合、不適切と決定すること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  12. 請求項1記載の超音波撮像装置であって、
    前記整相範囲は、送信毎に、送信音場に則して定義されること
    を特徴とする超音波撮像装置。
  13. 予め定めた整相範囲の形状を計算し、
    前記形状に応じて、開口合成時に各受信整相点の整相信号に乗算する重み係数の集合である送信間重みを調整すること、
    を特徴とする超音波撮像装置における送信間重み調整方法。
  14. 請求項13記載の方法で調整した送信間重みを、各送受信で得た前記受信整相点の整相信号それぞれに適用し、送信間合成を行い、
    前記送信間合成後の整相信号から画像を生成すること
    を特徴とする超音波撮像方法。
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