JP6401374B2 - 磁場調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医療診断用に用いる核磁気共鳴断層写真装置(MRI)などのように、コイルや鉄などの磁性体等を配置して磁場を発生する磁石装置において、所望の磁場強度の分布に磁場を調整する方法を提供する。
核磁気共鳴を利用した診断では、磁場強度と診断箇所が対応しているので、マグネットシステムが発生する磁場強度に要求される精度は、磁場強度の百万分の1程度の変動が問題にされる。MRI装置における磁場には大別して下記(1)〜(3)の3種類がある。
(1) 時間的に定常で空間的にも一定な磁場。通常0.1から数テスラ以上の強さである。撮像を行う空間(通常直径で30-40cmの球もしくは楕円体の空間)内で数ppm程度の変動範囲である。
(2) 1秒程度以下の時定数で変化して、空間的に傾斜した磁場。
(3) 核磁気共鳴に対応した周波数(数MHz以上)からなる高周波の電磁波による磁場。
本発明は主に(1)の静磁場に関連するものである。この磁場は強度が時間的に一定であること、また特に磁気共鳴撮像装置の場合、人体の断層撮影を行う領域において空間的にも極めて高精度な強度の均一性が要求される。
ここで言う高精度とは、たとえば40cm直径の撮像空間FOV(Field of View)で、±1.5ppmのように百万分の1のオーダの残差磁場の精度である。このようにきわめて高精度な均一性が要求される磁場分布は、磁石を製作・励磁の後に磁場を精度よく調整することによって実現する。
一般に製作誤差による誤差磁場の大きさは、均一磁場に要求される許容誤差磁場の大きさに比べて1000倍以上大きい。したがって、製作後の据え付け時に要求される磁場調整(シミング)は数100ppmから数ppmへの誤差磁場の低減を行う作業となり、きわめて高精度な磁場調整装置およびその手法が要求される。
従来の手法として特許文献1は、特異値分解を利用した磁気モーメントの配置を計算し、この結果を利用するシミングがある。特許文献1は、打ち切り特異値分解と電流ポテンシャルを使って、磁気モーメントや鉄片体積などの分布を計算し、その結果で鉄片配置磁場計測作業を行う。
なお、特許文献1は、連続的にシミング用の磁性体を配置する例が説明されている。図2は、特許文献1に開示されたシミング計算の体系および計算結果を示している。なお、図2は従来のシミング方法において、左図はシミング計算体系を示す図、右図は固有モード強度とシミングに選択する固有モードを説明する図である。特許文献1によると、連続的な面上に、等高線によって領域毎に数値としてシム鉄量が算出されるが、このシム鉄量は規格化された単位鉄量を反映した離散的な量ではない。
しかし、機種によっては、製作性・作業性の観点から配置すべき鉄の量および位置を規格化、すなわち配置すべき鉄の量および位置を離散化して、シミングすることも多分にある。なお、ここで言う「離散的に」とは、空間的に離散化されていることと、シム鉄量としても、最小単位が存在する。この2つの意味である。
この離散的な配置に関するアプローチとして例えば特許文献2が存在する。
特許49702787号 特願平09−238917号公報
M. ABE, T. NAKAYAMA, S. OKAMURA, K. MATSUOKA , "A new technique to optimize coil winding path for the arbitrarily distributed magnetic field and application to a helical confinement system", Phys. Plasmas. Vol.10, No.4, (2003)1022. M. Abe, K. Shibata, "Consideration on Current and Coil Block Placements with Good Homogeneity for MRI Magnets using Truncated SVD", IEEE Trans. Magn., vol. 49, no. 6, pp. 2873-2880, June. 201
しかし特許文献2では、理想的に鉄片を配置する場合との比較が無いので、原理的に到達できる均一度が不明である。そのため、シミング条件の選択、すなわちシミングを実行した結果として実現される均一度の評価が難しい。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決する、シミング手法と、その作業を支援するComputerによる計算方法、およびその結果の画面表示について説明し、それを利用したシミング方法と磁石、それに磁気共鳴撮像装置を提供する。
上記課題の解決を図るにあたって、本発明は様々な実施形態を採りえるが、その一例として、「所定空間に均一な磁場強度分布を形成する磁石装置と、前記磁場強度分布を補正する磁場補正機構と、を有する磁石システムにおいて、前記磁石装置が形成する磁場分布を前記磁場補正機構によって補正する磁場調整方法であって、前記所定空間における磁場強度分布を測定する第1ステップと、前記第1ステップで取得された磁場強度分布から、目標磁場強度分布との差分である誤差磁場強度分布を取得する第2ステップと、前記誤差磁強度場分布を低減させる補正磁場分布を形成するシム磁性体の配置条件を、量的に連続的な数値条件の下に計算する第3ステップと、前記誤差磁場強度分布を低減させる補正磁場分布を形成するシム磁性体の配置条件を、空間的および量的に離散的な数値条件の下に計算する第4ステップと、前記第3ステップにて取得される配置条件に基づき配置されるシム磁性体によって形成される補正磁場を、前記測定された磁場強度分布に加算して、第一の補正後磁場強度分布を求める第5ステップと、前記第4ステップにて取得される配置条件に基づき配置されるシム磁性体によって形成される補正磁場を、前記測定された磁場強度分布に加算して、第二の補正後磁場強度分布を求める第6ステップと、前記第一の補正後磁場強度分布に対する前記第二の補正後磁場強度分布の差分を求め、前記差分が予め定められた所定の閾値以上である場合には前記所定空間または前記目標磁場強度分布を変更前記第2ステップから再計算し、前記差分が予め定められた所定の閾値内に収まる場合には前記第4ステップにて取得される配置条件にしたがって前記シム磁性体を配置する第7ステップと、を有する」ことを特徴とする。
本発明によれば,精密な磁場が必要な磁石に対して、理想的なシミングに近い均一度を獲得できるシミングを行える。また、一部の特異値分解をあらかじめ行っておくことで高速に計算が出来る。その結果、短時間で磁場調整作業を行える。
本発明の実施形態に係る磁石磁場調整方法のフローチャート。 従来のシミング方法において、左図はシミング計算体系を示す図、右図は固有モード強度とシミングに選択する固有モードを説明する図。 左図および右図はいずれも、磁気センサと磁場計測治具を説明する図。 水平磁場型MRI装置の代表的なシミング計算体系を示す図で、シムトレイ(小四角形状)と磁場計測面(球面)の配置を示す図。 MRI用磁石と傾斜磁場コイルおよび撮像空間を示す図。 仮想電流ポテンシャルを計算する連続配置シムトレイの配置図。 本発明の実施形態に係るシミング計算で、磁場評価面の磁場を計測磁場から計算する計算モデルを示す図。 計測磁場から磁場評価点の磁場を推定する計算で、仮想電流ポテンシャルを電流面上で計算する時に用いる固有モード選択に係る図。 左図は計測磁場で計算した磁場分布の等高線図、右図は磁場評価面で計算した磁場分布の等高線図。 左図および右図は、固有モード強度を2つのシムトレイの固有モードで示す図。 左図および右図は、固有モード強度を2つのシムトレイの固有モードで示す図。 シムトレイポケットの鉄片量と連続配置シムトレイの電流ポテンシャル分布を示す図。 シミング後の磁場強度分布を軸方向位置Zと水平方向位置Xの面上の分布をY=0の面で示した予想図。 離散配置による固有モードと連続配置による固有モードの関係を示す図。 本発明の実施形態に関するシミングシステム概要図。 本発明の実施形態に関するシミング準備計算シーケンスの概要図。 本発明の実施形態に関するシミング支援計算シーケンスの概要図。
(実施形態の説明)
以下、本発明の実施形態(実施例1)を説明するが、磁場強度の均一度については、評価面、体積およびpeak-to-peak(最大最小値)値もしくは2乗平均値でいくつもの定義があるが、特に指定がなければ磁場評価面の最大最小値およびそれを平均磁場強度値で割った値として説明する。単位は、ppm(1/106)とする。
(実施例1)
本発明の実施形態の実施例1の全体概要を次のとおり説明する。本実施形態では、離散配置されたシムトレイ(後記する図4の離散配置シムトレイ11を参照)内に設置されるべきシム磁性体量を求めるために、離散化されたシム鉄量(離散シム)から磁場分布への応答行列を特異値分解によって取得する。
また、並行して、連続配置シムトレイ14に関するシミングも検討する。これは、物理的な制限を課されない連続性を有する仮想的なシムトレイ(後記する図6の連続配置シムトレイ14を参照)を用いて、仮想的なシミングを行い、理想的な条件下でのシミング結果を取得することで、到達可能な理想均一度を把握して、先に述べた離散シムトレイ11や離散シムのシミング計算に対する参考にする。なお、連続シムトレイにも、特許文献1のように、特異値分解を適用するが、そのままでは、磁気モーメントの方向を表現できないので、人為的に磁場方向を向いているとして、仮想シミングを行う。
連続シムトレイ14上の磁気モーメントの配置は、非特許文献1が参考になる。但し、この文献では電流分布を解いているので、電流量の磁気モーメントへの換算とその方向を人為的に磁場方向にする必要がある。また、シミング後の磁場均一度に関しては、非特許文献2が詳しい。
ここでシミング計算の定義について触れておく。シミング計算とは、磁場評価面上での磁場分布を、均一な磁場分布に修正するために配置されるべき磁気モーメントの空間分布を計算し、鉄の量などの磁性体の量に換算するところまでの計算である。なお、先に述べたように、シミング計算には、磁気モーメントの空間分布について、離散的な配置条件を課して算出するシミング計算(離散配置シミング計算)と連続的な配置条件を課したシミング計算(連続配置シミング計算)がある。また、シミング実行前後における磁場評価は磁場評価面上において実行される。シミング計算においては、シミング前に計測された磁場分布が入力であり、その入力から得られる磁気モーメントおよびその磁気モーメントを磁性体の配置位置および量に換算した結果が出力である。
次に、離散配置シミング計算の内容と、連続配置シミング計算の計算内容を記述し、本発明の実施形態を説明するが、それに先立って、シミング計算に必要なインプット情報、すなわち磁場評価面上における磁場の計測手段と計測方法について説明する
図3の左図および右図はいずれも、磁気センサと磁場計測治具を説明する図である。つまり、図3は磁場計測治具の概要を示し、支持板20と磁気センサの設置位置(×印)を表している(左)。また、図3の右図は、この磁場計測治具を所定の軸を中心に回転させて、複数位置について磁場を計測する様子を示している。この例では、24個の角度、すなわち15度ピッチで計測している。実際のシミングでは、例えば図4のように配置された複数本の棒状の離散配置シムトレイ11、離散配置シムトレイ11に配置されたシムポケット5群、及び図3に示すような磁場計測治具を用いる。なお、図4に示す磁場計測治具は一例であって、水平方向の磁場に対して平行な軸を有し、この軸について回転対称な計測を実施するものであるが、無論、半球状の支持板を用意し、その表面に磁気センサを配置するもの等であってもよい。
シムポケット5は、通常、円筒形状をした傾斜磁場コイル24(図5参照)の内部に配置され、シムポケット5群も全体として円筒形状に配置される。シムポケット5(従ってシミング用の磁性体)は、磁場計測面8を取り囲むように配置され、磁場計測点(磁気センサを配置すべき位置)は磁場計測面8上に設定される。
図3で左側に示す磁気計測治具は、24個(i=1から24)の磁気センサが支持板20上に配置されて一つの計測面を構成し、この磁場計側面を右側の図に示すように、z方向を中心軸として周回方向に24個の角度にて(j=1から24)磁場計測を行う。
その結果、磁場計測面8(この場合は球面)で576点の磁場計測が行うことができる。これらの磁場計測点は球面上に設置され、その位置は磁場計測治具の固定位置を変更することで、すべての磁場計測点を同時に同じ大きさ・方向に動かすことが出来る。この移動の量と方向は、以下では磁場計測点群の中心の移動と記述する。また、磁場計測の中心位置としている位置は、左側図で原点となっている位置で、半月状の磁気センサ-支持板20の回転軸上で、軸方向中心位置である。磁場計測位置の幾何学的平均値でもある。
以上が、本実施形態のシミングにおいて実行する磁場計測の一例である。磁場計測を終えると、取得した磁場の情報に基づいてシミング計算を実行する。
まず、連続配置シミング計算について説明する。連続配置シミング計算では、連続配置されたシムトレイ(実際の物では無い)を設定し仮想的なシミング計算を実行する。この計算は、図6に示すような円筒面14を仮定し、この円筒面14上における磁気モーメント分布の演算となる。図6は仮想電流ポテンシャルを計算する連続配置シムトレイの配置図を示している。仮想的な連続配置シムトレイ14は三角要素の集合体で円筒面を構成したものとする。その三角要素の各頂点(節点)に仮想電流ポテンシャル(hCP)が定義される。hCPを連続配置シムトレイ14上で面積積分すれば、その積分領域の磁気モーメントを算出できる。
なお、ここで言う「連続」とは、配置されるべきシム磁性体量や、シム磁性体の配置位置に関して、後述する「離散」と比較して連続性を有するということを意味する。本実施例中における「連続」とは、数学上の厳密な連続性を必ずしも示すものではなく、本実施例で説明している「離散」よりも配置量や設置位置に関して取り得る値に自由度がある、つまり空間に関して言えば密な配置が許容され、配置量に関して言えば規格化された数値以外の値が採られうることを示すと考えればよい。
次に離散配置シミング計算について説明する。図4は水平磁場型MRI装置の代表的なシミング計算体系を示す図で、シムトレイ(小四角形状)と磁場計測面(球面)の配置を示す図である。離散配置シミング計算は、図4に示す離散配置シムトレイ11のシムポケット5に配置される磁性体の量を算出するものである。シムポケット5に設置される磁性体は静磁場によって磁化し、その磁化による磁気モーメントが磁場を発生して、磁場評価面8内の磁場分布が補正(シミング)される。この目的を果たす目的で、磁気モーメントが作る磁場は計算されることになる。
一般に、点配置の磁気モーメントは、m = (mX, mY, mZ)[単位Am2]の任意の方向の磁気双極子と定義できる。一般的に、磁気モーメントmが位置ベクトルr(=(X, Y, Z,)離れた位置に作る磁場Bは,
B=(10-7){3(m・r)r/r2-m}/r3 (1)
とされるが、シミングで扱う軸方向磁場のBZ成分は、
BZ= 10-7{−mZ/R3 + 3mXXZ/R5 +3mYYZ/R5 +3mZZ2/R5} (2)
である。シミングによって配置される鉄片は主に軸方向に磁化し、その磁化による磁気双極子は3次元の方向を持つ。しかし、鉄片を磁化させる磁場は主に軸方向を向いているので、通常はmZのみを扱ってもそれにより発生する誤差は小さい。なお、飽和した純鉄(2.15T)の単位体積あたりの磁気モーメントは、1.711x106Am2/m3である。純鉄以外、例えば、珪素鋼板ではこの値は小さくなる。素材と周囲磁場環境に依存するため、実機適用時には単位体積当たりの磁気双極子強度の計測は必要である。
図4のシムポケット5に番号jをつけ、式(1)または(2)を使って整理すると、i番目の磁場評価位置(磁場評価面2)での磁場は、各ポケットの鉄量Vj(m3)に対して、
BZi = ΣAZijVj (3)
の線形な関係式となる。これを整理すると、各磁場評価位置において、シミングにより発生させたい磁場強度BTGに対して、
BTG ≒ AVSM (4)
となるような、VSMを計算して、その量をシムポケット5に配置する。ここで、式(4)の両辺は近似的に近い値であり、一般に完全な一致はしない。そのため、≒を表示している。行列Aは非正則で、いわゆるill-posedな問題である。
一方、図6に示す連続配置シムトレイ14を考えると、三角要素同士の接点に仮想電流ポテンシャルがあり、磁気モーメントを持っている。接点kの電流ポテンシャルTkは、その接点の周りの要素中に電流Tkが周回していると理解できる。そのため、通常の電流ポテンシャルは、
Mi = ΣTiSk/3 (5)
の磁気モーメントを持つ。ここで、Miはi番目接点の磁気モーメント(Am2)、Skはi番目接点を頂点に持つ要素kの面積[m2]である。加算は、接点iに関連する要素kに対して実行される。一般の電流ポテンシャルの場合には、要素面に垂直な方向の磁気モーメントを持つが、ここでは仮想的な電流ポテンシャルを用いて議論する。仮想的な電流ポテンシャルhCPについては、すべての磁気モーメントは磁場方向で、つまりZ方向成分とする。磁性体片と同様に磁気モーメントの作る磁場となるため、hCPの作る磁場を整理すると、式(4)と同様になり、
BTG ≒ ATSM (6)
である。ここで、TSMはベクトル要素に各接点のhCP値を持つベクトルである。また、Aは仮想電流ポテンシャルから磁場評価位置への磁場応答行列である。式(4)とは異なった値と大きさの行列であるが、双方共に応答行列であるために、簡単化のために同じAとしている。
以上の議論のように両方のシムトレイモデル(5および14)で、解くべき方程式は線形方程式系である。式(4)および式(6)では、入力が鉄量またはhCP値であり、出力が磁場分布であるが、ここでは、逆にBTGを発生できるVSMまたはTSMを求める問題で、いわゆる逆問題である。
解法説明の簡単化のためにVSMとTSMをISMとして書き、
BTG ≒ AISM (6)
の解法を次に説明する。ここで、BTGはシミング前の磁場評価点の磁場強度分布で、
BTG = B0-BMG (7)
としている。ここでB0は一様磁場分布(MRI装置で言うならば静磁場の磁場強度分布)のベクトルですべて1.5T等の同じ値を要素に持つ。また、BMGはシミング前の磁場評価点の磁場分布を表すベクトルである。
なお、BTGの解法の説明では、BTGとISMの添え字は省いて説明する。
また、操作量を、Iで表記しているが、これは配置されるべき鉄片量や電流ポテンシャルである。Aが正則なら、逆行列A-1がある。しかし、ここでは行列Aは正則ではなく、逆行列は存在しない。そのため、打ち切り特異値分解用いた正則化法を用いて解く。また、シミングの性能(より少ない磁性体量でより向上した均一度を得る)を向上させる手法の議論を可能とするために、重みの行列WBとWIを導入する。それぞれ、磁場データと電流値の数と同じ次元を持つ正方対角行列で、その対角成分は、それぞれの重みの逆数である。前式は下記となる。
WBB = WBAWI -1WII (7)
今後の議論ではシミングによって発生させるべき目標の磁場Bを、近似的に再構成する磁場BRECを求める。この式で、A’= WBAWI -1として議論していく。特異値分解(SVD)を適用すると、
A’=Σuiλivi t (8)
であり、ここで、vi, ui, λiは、それぞれi番目の電流分布、磁場分布の固有分布の行列とその換算を表す特異値(T/m)である。なお、このvi, ui, λiの組み合わせを固有モードと呼ぶ。直観的な理解としては、viが配置されるべき磁性体量や磁気モーメントであり、uiがそのviと対応する固有の磁場分布であり、λiはvi,に対してuiがどのように出力されるかを示し、いわばuiに対するviの増幅率となる。
したがって、λiが大きいほど小量の磁性体配置に対して形成される磁場の強度分布は大きく、反対にλiが小さいほど磁性体の配置量に対し生成される磁場の強度の感度は低くなる。このことから効率的(小さいシム磁性体の配置量で磁場強度の均一度を達成する)な磁場調整は、λiが大きな固有モードに着目して実施するとよいことが理解できる。
なお、後述する固有モード番号とは、固有値が大きなものから数値を割り振った番号である。
式(8)これを式(7)に導入して整理すると、BTGを再構成する電流分布は近似的に、
WII = A*BTG (9)
で計算できる。WBはシミング点で通常は精度の差違はつけないので、単位行列を省いている。ここで、A*は
A* = Σviui ti (10)
で計算するAの一般逆行列となっている。和は磁場精度を保つために必要な固有モードを選択して実行する。ここで、式(9)を下記に書き換える。
I = Σnp 1/2Pi TGWI -1 Ivii[A, m3, or Am2] (11)
ここで、
Pi TG=ui tBTG/np 1/2 [T] (12)
であり、Pi TGはBTGを再構成するために必要な固有モード強度である。なお、固有モード強度は、ui tBTGとなっていることからわかるように、i番目固有モードの固有磁場分布と目標磁場の内積値と認識できる。したがってPi TGは、目標磁場に対するi番目固有モードの固有磁場分布による再現性を示すものとも言うことができる。
また、npは磁場評価点数である。固有モード強さとしてはnp 1/2で割った強度で議論する。この場合、上式の磁場強度がおよそ個々の磁場評価値の平均値に近い値となるためである。
一般的に磁場評価位置の再構成磁場分布BRECはこの強度Pi TGを用いて、固有モードの加算で表されるので、計測磁場BMGとの加算、
BREC=Σnp 1/2Pi TGui+BMG (13)
でシミング作業後の磁場分布がBRECとして推定できる。
ここで、(13)によって得られる和は、固有モードの第1番モードから必要な数の固有モード番号MDまで実行する。またシミング作業とは、シミング支援計算から磁性体配置を行い、さらに配置後の磁場計測を行うという繰り返し作業の全体をいう。シミング支援計算は、シミング計算を包括する概念であって、シミング計算に加えて、計測磁場に基づく磁場評価点での磁場推定計算、現状の均一度評価およびシミング計算の妥当性評価を含んでいる。目標磁場と再構成磁場との差は残差磁場であり、磁場評価位置での残差磁場Bresは、
Bres = B0-BREC (14)
である。一般に、式(13)で加算される固有モードの上限である固有モード番号MDを増加させると、残差磁場は小さくなる。しかし、きわめて小さな残差磁場とするためには、固有モード番号MDを大きくすることが望ましいが、実際に配置可能なシム磁性体配置と量{式(11)}との関連で決めることになる。
ここで説明した解法を用いれば、固有モード番号MDで精度を調整して、妥当な磁性体配置でシミングを実行する事が可能である。また、連続配置シムトレイ14と離散配置シムトレイ11の双方の体系で上記の計算が出来るため、連続配置シミング計算32による理想的なシミングと、離散配置シミング計算31による実際に即したシミングとを比較してより良いシミング条件の設定も可能となる。
仮想電流ポテンシャル(hCP)も通常の電流ポテンシャル(非特許文献2参考)と同様に、計算する。hCPに対応する磁気モーメントの方向が磁場方向である以外は、非特許文献2と同じ方法で電流に換算できる。従って、hCPから電流を求めビオサバール式で磁場を計算できる。また、hCPの磁気モーメントから式(1)を使っても磁場を計算できる。
つまり、離散配置のシムトレイ11に前記の解法を用いることで、正確に各シムトレイにおけるシム磁性体の配置量を計算できると共に、連続配置のシムトレイ14で理想的なシミングを実施できた場合での到達可能な均一度との比較もできる。そのため、シムトレイの離散化配置に伴うシミング後の均一度評価の劣化を防止できる。また、シムトレイの離散化配置に伴うシミング後の均一度劣化を防止する離散配置シムトレイ5の配置設計も可能となる。
以下では、本実施形態のシミング方法についてより具体的に説明する。
図1に本実施形態のシミング方法の概要を示す。図1は、本発明の実施形態に係る磁石磁場調整方法のフローチャートである。本シミング方法は、作業を開始すると、必要に応じて準備計算結果の読み出し(S01)の処理を実行する。この処理を実行後、磁場強度分布計測(S02)の処理を実行、その後均一度評価(S03)に進む。均一度評価(S03)にて均一度が仕様を満足しているならばシミング終了となる。均一度評価(S03)にて均一度が仕様を満足していない場合は、シミング支援計算(S04)を実行する。得られた結果に基づきシミング作業(S05)、例えば、鉄片配置やシムコイルの電流量調整を実行する。シミング作業(S05)を終えた後は、再度次均一度評価(S02)へ戻り一連の作業を実行する。S02からS5までの処理を均一度が仕様を満足するまで実行する。
また、図15に本シミング方法を実行するためのシミングシステムの概要を示す。なお、図面に示す機能構成図は説明を簡単にするための例であって、更に細分化されていてもよいし、また複数のコンピュータやサーバとの組み合わせ等によって構成されてもよい。また、各種計測結果や演算データは、一般的な計算器が備える記憶装置やあるいは外部接続されたデータベース等に保存され、必要に応じて処理装置に読みだされ計算が実行されるものとする。
図15に示すように本実施例のシミングシステムは、大きくわけてシミング準備計算部101とシミング支援計算部100とから構成される。シミング準備計算部101は主に準備計算部と記憶部とから構成される。各構成部分が果たす機能は後述する。
シミング支援計算部100は、主に磁場内外挿計算部102、均一度評価部103、離散配置シミング計算部104、連続配置シミング計算105、シミング計算評価部106、表示部107、とから構成される。また、図中に示す矢印は各機能ブロックに対する入出力の方向を示す。
また、鎖線外に示している磁場計測およびシミング作業は、作業者による作業内容であるため、シミングシステムの構成には含まれないが、作業者に対する指示が出力される点や、作業者による磁場計測結果が入力される流れなどを示している。
なお、シミング作業とは、シミング支援計算部100での計算と、鉄片配置および磁場計測作業指し、数回の繰り返しで、十分な均一度が得られるまで作業を行う。数回の繰り返しが必要な理由は、主に磁性体配置時に発生する磁性体量の誤差に対応するためである。
以降、シミング準備計算部101、シミング支援計算部100、磁場計測・鉄片配置作業のそれぞれについて説明する。また、各部分で実行される計算や作業については、ステップを表す符号Sと番号とを結合させた符号をつけ説明する。
まずシミング準備計算部101は、シミング作業を開始する前に実行することが推奨される一連の計算処理を実行する。ここで実行される計算処理の結果は、予めシミングのために用いる計算機等のデータベースに保存しておくとよい。
図16は、本発明の実施形態に関するシミング準備計算シーケンスの概要図である。シミング準備計算部101において実行すべき作業は、図16に示すように「磁場評価位置の選定(S001)」「連続配置シムトレイの形状選定(S002)」「離散配置シムトレイの形状選定(S003)」「球電流面形状の選定(S004)」「連続配置シムトレイに関する特異値分解(S005)」「球電流面形状に関する特異値分解(S006)」が挙げられる。
「磁場評価位置の選定(S101)」は、磁場計測位置とは別にシミングで評価(均一化)する面を選定することである。通常、磁場計測面同様に球面上もしくは回転楕円体面とし、その面上に磁場計測面に設置した磁場計測点数と同程度の磁場評価点(数百〜千個)を配置する。なお、後述するように本実施形態のシミング方法によれば「磁場評価位置」は「磁場内外挿計算」によって任意に設定することができる。また、磁場評価点(面)は繰り返しで行っている数回のシミング作業の中で、変更することもあるので、複数の磁場評価点(面)の組み合わせを用意しておく。つまり、磁場評価面2は1面でなく複数面で用意しておくべきである。
「連続配置シムトレイの形状選定(S002)」は、例えば図5に示すように磁石10内に配置される傾斜磁場コイル24中に、離散配置シムトレイ14が配置されている場合を想定し、連続配置シムトレイ14の形状を、傾斜磁場コイル24の形状(半径値と長さ)を反映した円筒面に決定することを意味する。図5はMRI用磁石と傾斜磁場コイルおよび撮像空間を示す図である。なお、本手法は、傾斜磁場コイル23の断面形状が円筒形でなくても楕円断面やその他の任意形状の断面を有していたとしても、その断面に沿った連続配置シムトレイ14の配置を想定することができる。「連続配置シムトレイに関する特異値分解(S005)」とは、本実施例であれば、あらかじめ連続配置シムトレイ14に対して特異値分解によって固有モードを計算しておくことを意味するこの固有モードはS002で決定した連続配置シムトレイの形状及びS001で決定した磁場評価点位置の情報と共にデータベースBに保存しておく。
すなわち、磁場評価面(複数あってよい)がある程度明確に想定されていて、またシミング体系が概ね決まっているような磁石装置については、予め同体系における固有モードをシミング作業実施前に実行し取得しておくことで、同体系の磁石装置が複数存在する場合などにおいて、各装置に対するシミング作業の効率化を図ることができる。なぜならば、連続配置シムトレイ14を構成する三角要素の節点数は、数千点有り、離散シムトレイの数に比べると1桁ほど多くなる。そのため式(6)の応答行列を式(8)のように特異値分解し、固有モード(vi, ui, λi)を求める時間は、式(4)の応答行列の特異値分解に比べて長い時間が必要となるためである。なお、この処理時間を許容できるのであれば、実際のシミング作業中に、この計算を実行してもよい。
一方、離散配置シムトレイ5に関する式(4)の応答行列の計算は、シミング作業と並行して行うシミング計算中に行う。これは、シムポケット5の数が比較的少なく、応答行列の特異値分解が短時間で可能なためと、また、各シムポケット5の重みを変更する事もあり得るためである(シムポケット5の重みを変更しない場合は、無論予め計算しておいてもよい)。
「離散配置シムトレイ形状の選定(S003)」とは、実際に使用されるシムトレイポケット5の形状・個数・位置を反映して準備することを意味する。
「球電流面形状の決定(S004)」とは、磁場計測面8上で事前に計測した磁場データを元に、磁場評価面上の磁場データなどを推定する計算で用いる球電流面形状を決定する作業を意味する。これも連続配置シムトレイ14と同様な計算方法で、数千点の節点でのhCP値を決めるために、特異値分解によって固有モードを計算するため、計算時間が長くなる。そのために準備段階で特異値分解の計算を行っておくと、同体系の磁石装置を複数シミングする場合において、作業の効率化を図ることができる(「球電流面形状に関する特異値分解(S006)」)。
図7は「球電流面形状」における固有モードの計算モデルを示す。つまり、図7は本発明の実施形態に係るシミング計算で、磁場評価面の磁場を計測磁場から計算する計算モデルを示す図である。この計算モデルは例えば二つの球面で表現され、内側に磁場計測面8があり、外側には計算上で磁場計側面8における磁場強度分布を再現可能な電流分布を仮定する電流面1がある。
電流面1は閉曲面である。また、開口部がある場合も、開口部の大きさは装置中心からの立体角が4πの1/10程度以下の曲面であり、全体として磁場計測面8を囲っている。計算内容は式(1)から(10)と同じで、特異値分解を実行して固有モードデータは、磁場計測点位置や磁場評価点位置と共にデータベースAに保存しておく。
以上の準備を行った後にシミング作業に入る。作業は、繰り返して作業を行い、仕様に対して十分な均一度が得られた時点で終了となる。この繰り返しの中には、主に(a)人手による作業(鉄片配置(S05)、磁場計測作業S02)と、(b)計算機によるシミング支援計算S04、に分類される。以降の説明は主に、このシミング支援計算S04に関するが、そのための準備も関連している。また作業は全体として、磁場計測S02→シミング支援計算S04→鉄片配置S05の繰り返しであり、十分な均一磁場が得られるまで行う。
以下では、磁場計測・鉄片配置作業35について説明する。
「磁場計測(S01)」は図3に×で示した磁気センサ配置で実行する。図3において左側に描いている磁気センサ支持板20は中心軸を回転軸とする支持具(非表示)の一部であるが、その板に磁気センサ(図では×で示す)を固定している。図では24個(i=1から24)が配置され、右側図では、周回方向に24面の磁場計測面(j=1から24)で、磁場計測を行う。その結果、磁場計測面8(この場合は球面)で576点の磁場計測が行える。これらの磁場計測値は先に述べた球電流面上での仮想電流分布の計算にて利用する。
ここからは、シミング支援計算部100の処理について説明する。
図17は、本発明の実施形態に関するシミング支援計算シーケンスの概要図である。シミング支援計算部100に含まれる計算処理は、図17に示されるように「磁場内外挿計算(S201)」「均一度評価(S202)」「離散配置シミング計算31(S203)」「連続配置シミング計算32(S204)」「シミング内容評価(S205)」が挙げられる。
「磁場内外挿計算(S201)」とは、ステップS101で取得された計測磁場の磁場データを元に、磁場評価点位置の磁場を計算・評価する。図7の計算モデルに対する特異値分解から取得される固有モードのデータをデータベースAから読み出して利用する。この球面仮想電流面1上の接点では重みはすべて同じ1.0とする。データベースAから読みだした固有モードに対し、式(12)で求めた固有モード強度を特異値の大きさの順で並べた番号の関数でプロットした結果を図8に示す。図8は計測磁場から磁場評価点の磁場を推定する計算で、仮想電流ポテンシャルを電流面上で計算する時に用いる固有モード選択に係る図である。この図は、磁場評価点として、磁場計測位置を使用している。
詳しく説明すると、図8に示す固有モード強度は対数表示である。折れ線は計測磁場位置で磁場を固有モードに基づいて計算したときの計算結果と計測磁場との誤差で、式(13)を計算するときに加算した固有モードの上限の固有モード番号MDの関数で、Bresを計算し、その各要素の値のpeak-to-peak値を示した。つまり、球電流面の電流で再構成した磁場分布の誤差は、固有モード番号MDを550とすると±0.1μT以内の計算誤差で磁場を推定計算できることを示している。固有モード番号MD及び選択する固有モード数は多いほどよい。従って、計算できた固有モード数に近い値に設定することが望ましく、計測点数がさらに多い場合には大きな固有モード番号Mの選択が可能である。選択する固有モードが決まると、今度は式(11)(12)を用いて、電流面1上の電流分布を計算する。仮想電流面1上の電流で計算する磁場は、電流面で囲まれた領域であれば任意の点で計算できるので、シミング時の磁場評価点は、磁場計測点とは別に定義して、磁場計算を行い、以後のシミング計算の入力とすることが可能である。
換言すると、本実施形態のシミングシステムは「磁場内外挿計算」部を有することによって、ある一つの磁場計測点で取得した磁場計測に基づいて、その磁場計測点とは異なる点における磁場を高精度に推定することを可能としている。これは、例えば磁場計測面を40cm球面上で実行したとしても、30cm球面あるいはそれより小さな任意の球面上における磁場強度分布をマイクロテスラオーダ以下で推定することを可能としているということである。これは従来のシミング手法において磁場計測面以外での磁場均一度を評価する場合に、実測が必要であったことを考慮すると、それを省略できる点において作業者の負担を非常に軽減する。
また、「磁場内外挿計算」によって、任意の磁場評価点における磁場を推定することが可能であるため、後に述べる「均一度評価(S202)」において2乗体積値を高精度に求めることができる。
なお、先に述べた「磁場内外挿計算」では、磁場評価精度が良くなる固有モード選択の条件が無い場合もあり得る。例えば、磁場計測位置から、電流面が磁場計測位置から遠くなっている場合である。原理的には問題ないが、実際の計算機では計算時のビット数で計算精度の限界があり、その影響で計算上問題が発生する可能性もある。磁場分布の誤差を計算結果で把握して、十分な精度が得られない場合には、電流面位置・形状を変更して再度検討する。
「均一度評価(S202)」とは、S101計測した磁場および「磁場内外挿計算」の計算で推定される磁場から、均一度を評価してその妥当性を判定する処理を意味する。良好な均一度(仕様を満たす)が得られていればシミング作業は終了である。均一度が仕様より悪ければ、繰り返しでシミング作業、具体的には下記の離散配置シミング計算S203や連続配置シミング計算S204を行う。
均一度の良し悪しの評価は、仕様の磁場評価面2(球面または楕円体表面)上でのpeak-to-peak(PP)値、もしくは、その内部で計算する2乗体積平均値で評価する。例えば、40cmφの球体内で3ppmのPP値以内の磁場振幅が許容される仕様などである。この仕様の磁場は、計測磁場からだけでなく、図7に示す球電流面1の電流から計算した磁場分布の値にも適用する。
次に「離散配置シミング計算32(S203)」について説明する。ここで実行される計算には「シムトレイの重み設定(S301)」「離散配置シムトレイ特異値分解(S302)」「目標磁場・固有モード選択条件の決定(S303)」「固有モード強度計算・固有モード選択・シム磁性体量計算・シミング実行後磁場予測(S304)」が含まれる。
「シムトレイの重み設定(S301)」とは、離散配置シムトレイ11について、式(7)のWIを入力することを意味する。重みdiiはWIの対角要素の成分となり、1/diiとなる。diiを大きくすると優先的にシム鉄量を割り振ることになる。この重みは、例えば、磁場評価面とシムトレイの距離の近遠を補正することや、遠い位置にシム鉄片を割り振りたくない場合に用いる。遠い位置では、式(1),(2)で示したように、磁気モーメントの作る磁場は距離の3乗に比例して弱くなっていくので、距離の遠いシムポケット5位置では多い鉄量を配置する必要が発生するため、重みづけすることで計算精度の向上を図ることができる。
「離散配置シムトレイ特異値分解(S203)」では、シムトレイポケット5に配置されるシム鉄量(磁性体量)から磁場評価面8上の磁場に対する応答行列を求め、その応答行列を特異値分解し、シム鉄量、磁場の固有分布及び特異値を求める。ここでの応答行列は例えば、数千から数百程度のシムポケット5から前例のように576点の磁場評価点への応答行列となる。離散配置シムトレイ11のシミング計算の磁場評価点は、図16の「磁場評価位置の選定(S001)」にて予め決めておいた値を用いて、連続配置シムトレイ14のシミング計算時の磁場評価点と、一致させる。
「目標磁場設定、固有モード選択条件の決定」における、目標磁場設定とは、磁場調整後に目指す一様な磁場の強さである目標磁場B0 iの値を、計測磁場値および「磁場内外挿計算」にて計算・推定した磁場評価点の磁場強度から決める。ここで、B0 iの添え字iはi番目の磁場評価点の磁場強度であることを示す。また、式(14)のB0の要素である。ここでは、シミング時中の磁場評価であるので、磁場計測面8上の磁場計測点とは異なった磁場評価点を用いる。つまり撮像上重要な磁場と考えられる領域と関連して磁場評価点を設定する。
図9は計測磁場(左)と磁場評価点における磁場(右)の分布を示している。つまり、図9の左図は計測磁場で計算した磁場分布の等高線図、右図は磁場評価面で計算した磁場分布の等高線図である。なお、上側にそれぞれの誤差磁場の最大最小値とpp値で求めた均一度を示した。ここでの計測磁場は図3の磁場計測治具を用いて、直径50cm球面上の576点の磁場計測点で計測されたものである。一方、図9の右側に示すグラフは、同数の磁場評価点を直径45cm球面上で定義し、磁場分布を再構成している。より小さな球面である磁場評価面2で、磁場変動(最大最小値幅)が小さいが、おおよその分布形状は似ている。この磁場評価点の集合である磁場評価面2上の磁場を評価し均一になるように磁気モーメント配置(連続配置シムトレイ14)および鉄配置(離散配置シムトレイ11)を求めるシミング支援計算をシミング支援計算部34で行う。
固有モード選択条件の決定とは、式(11),(13)で加算する固有モードを選択することを意味する。式(12)で求める固有モード強度を参考にし、最終的に式(14)で求めるBresが、仕様に対して十分小さくなるように固有モードを選択する。ただし、この離散配置シミング計算31の開始時には明確には決まらない。そのため、後述のように、シミング作業に進むためには、計算で仮想的にシミングを行い、配置可能な磁気モーメント量(鉄片量)で、仕様に対して十分な均一度となる条件を選択する。
なお、連続配置シミング計算(S204)でも同じ項目「目標磁場設定、固有モード選択条件の決定」を行う。ただし、離散配置シミング計算とは異なる固有モードであることに留意されたい。周回方向の分解能が異なる(連続配置シムトレイ14は、周回方向において離散配置シムトレイ11よりも多数存在する)ためで、一般的に連続配置シムトレイ14の場合は固有モード数が多くなる。そのため、連続配置シムトレイ14に関する固有モードの選択は周回方向に一様な磁場となる固有モードの番号を基準にして行う。
次に、離散配置シミング計算では、「固有モード強度計算、固有モード選択、シミングに要する鉄量計算、シミング実行後磁場予測」に関する演算が実行される。「固有モード強度計算」は式(12)を用いて計算する。シミング前の誤差磁場に対して、固有モード強度(×)を固有モード番号(特異値の大きさ順で並べた順番)で示した図が図10である。つまり、図10の左図および右図は、固有モード強度を2つのシムトレイの固有モードで示す図である。番号と縦線分は、周回方向に一様な磁場分布を持つ固有モードであって、シミング上重要な基本固有モードである。折れ線は固有モードを1番目から加算して求めたBresの最大最小値の幅(従って磁場平均値で割れば均一度)で、固有モード数の上限を大きくすると均一度は向上する。しかし、実際には鉄片を配置出来なくなってくるため、上限は限られる。
次に「固有モードの選択」を説明する。図10で、各固有モード強度(×)に○をつけた固有モードは、磁場再構成(式(13))に加算した選択固有モード15である。○がない固有モードは非選択の固有モード16である。ここでは、周回方向に一様な7番目の基本固有モードを含まず、それより大きな特異値を有する固有モードを選択している。○印の固有モードを選択してシミング(すなわち○印をつけた固有モードの磁性体配置を実行する)すると、左右それぞれ45cm球面上で均一度が9.18ppm及び7.55ppmと予想される。この均一度の差は、主には、左側の離散配置シムトレイ11で、負の鉄量は実際には配置できないとして、負となったシムポケットの鉄量は零としたために生じるものである。また、空間的に配置する位置にも制限があることに由来する。そのため、一般的には右に示す連続配置シムトレイ14に対してhCP分布を設定し行う仮想的な連続配置シミング計算で予想できる均一度が良くなる。右側の連続配置シムトレイ14では、7.55ppmとより良い値となっている。実際のシミングでもこの均一度を目指すことになる。
なお、離散配置シムトレイ11に関するシム磁性体の配置量については、各シムポケット5の許容量の制限内の磁性体量とするために、実際のシムポケット5では許容最大量の範囲でシムポケット5の鉄量を求める。このような制限を満たすために、下記の方法を用いるとよい。
目標磁場B0 iを変更して、負の鉄量が無くなる条件を探す。
繰り返し計算で、負の鉄量を出現しないようにする。また許容最大値を超えるシムポケット5の計算値も出現しないようにする。
一部の負の鉄量を発生させる固有モードを許容する。
前記の条件は、例えば下記の計算手順をとることになる。
誤差磁場に対して、離散配置シムトレイ11に配置されるべき鉄量についてシミング計算を行う。
配置される鉄量が負となったシムポケット5は鉄量が零とする。また最大値(許容量)を超えた鉄量のシムポケット5では鉄量を許容最大値にする。
残った鉄量で残差磁場を求め、これを誤差磁場として再度シミング計算31を行う。
上記(i),(ii),(iii)の離散配置シミング計算を数百回繰り返して行い、負の鉄量が出現しないようにする。また複数の条件を共に使う場合もある。図11は条件を併用し、負の鉄量が無くなる条件を探した結果である。
離散配置シミング計算中で繰り返し計算を行うことで、負の磁性体量を出現しないようにすることが可能であることを説明する。繰り返し計算中の1回の計算では、式(11)で磁性体量を計算し、磁場評価点の磁場は式(13)で計算する。しかし、一度では、負の磁性体量が多くの場合存在する。また、各ポケットの量がシムポケット5の許容最大量を超過することがある。連続配置シムトレイ14に関する連続配置シミング計算は、離散配置シムトレイ11に関する離散配置シミング計算結果と比較することが目的にあり、負の量が存在しても良い。しかし、離散配置シムトレイ11で各ポケット5の磁性体量には上限Vi MXと下限(多くの場合Vi MN=0)がある。そので、式(11)のベクトルIの各要素Iiで上下限が存在する。そのため、
Ii < Vi MNの場合にはIi = Vi MN (15)
Ii > Vi MXの場合にはIi = Vi MX (16)
である。そして繰り返し計算の結果、磁性体量が決まれば、磁場分布を計算できる。つまり、式(1)または(2)を使えば、式(3)で新たに配置する磁場が計算でき、式(14)は変形され、
Bres’ = BER= B0-BREC’ (17)
である。ここで、上添え字’は、式(15),(16)で磁性体量を制限したことに対応した磁場であることを示す。ここで、新たな残差磁場は、シミング後に残ると予想される誤差磁場と言うべき磁場で、正確にはシミングできてない磁場を示すことになる。つまり、式(15)、(16)で変更した鉄量が作る誤差磁場を含んでいる。
式(15)および式(16)の制限によって変更される前の磁性体量と、シムポケット5に配置される磁性体量とを比較すると磁性体量配置の誤差を表すベクトルIER、となる。これによる固有ベクトルの強度は、式(11)の考え方を用いて、
Pi ER= λivi IER/ np 1/2 i (18)
である。そのため、IERにより、誤差磁場BER
BER=Σnp 1/2Pi ERui (19)
が発生したことになる。しかし、本実施形態のシミング方法では、この誤差磁場に対して再度離散配置シミング計算を行うことが出来るので、式(11)、(12)、(13)で、次の磁性体量を計算し、式(15)、(16)の制限を再度設定する。そのあと、再度式(17)で誤差磁場を計算する。式(15)、(16)で磁性体量の制限を超えることがなければ、ここでの繰り返し計算は終了である。しかし、磁性体量を逸脱した量を式(11)が算出する場合には、さらに式(19)で誤差磁場を計算し、再度磁性体量を計算する。
式(19)で新たに発生する誤差磁場の内、固有モード番号M以下の既に選択されている固有モードについては、その強度が零となるように式(11)で計算される。しかし、式(19)による誤差磁場は、選択されてない固有モード16に対しても発生する。つまり、固有モード番号MD以上の番号を有する特異値の小さい固有モードでは新たな誤差磁場成分が式(15)、(16)で発生することを意味している。しかし、特異値の小さな固有モードでは発生する誤差磁場は小さい(固有モード強度は非常に小さな値となりやすい)ので、新たにシミング後の磁場に与える影響は小さい。その結果、シミング後の磁場の均一度には、離散配置シムトレイ11のシムポケット5に制限内の配置量で、磁性体を配置できることになる。
そして、図に示した例では、シミング後の予想残差磁場では97番未満の固有モード強度はほぼ零で、図11左には現れてこない。ここで図11の左図および右図は、固有モード強度を2つのシムトレイの固有モードで示す図である。つまり、図11の右は図10と同じで、シミング前の誤差磁場の固有モードを示している。左右のシミング後の均一度はそれぞれ、上部に書いており、7.52, 7.31ppmである。図10に比べて両者の差異は小さくなり、離散配置シムトレイ11で、連続配置シムトレイ14の場合に近いシミングが可能な条件を探索出来ていることが解る。つまり、式(15),(16)の操作で発生する高次成分の誤差磁場は小さいと言える。
図11では、図10に比べて、目標磁場を図の上に示すように、1.5012→1.500947Tと小さくしている。また図中上部に示している数値は、上側にシミング換えの誤差磁場の最大最小値、下側にシミング後の最大最小をし、均一度と最大最小の磁場強度値で示している。一般に鉄片は磁束を吸収するので、図3のようなMRI磁石の体系では磁場を弱くする。
そのため、やや磁場を低下させている。シミング時の固有モード選択は、図10の場合と同じように考え、周回方向に一様な7番目の基本固有モードは含まず、それより大きな基本固有モード(番号の小さい)としている。連続配置シムトレイ14では全く同じ条件であるが、離散配置シムトレイ11では、周回方向に一様な固有モードで6番を含む、X軸から縦に伸びている2本の縦線で挟まれた固有モードでは負の量が完全になくなるまでの繰り返し計算には含まれてない。繰り返し計算の初期にはこれらの固有モードを含み、正となるシムポケット5にはこれらの固有モード強度を小さくする鉄片が配置されているので、図10の場合、シミング前の誤差磁場より、これらの固有モードの強度が低下していることが解る。
一方、特異値の小さな高次固有モードに対しては、磁性体量が大きくなる。そのため、式(15)から式(19)で議論したシミング計算内の繰り返し計算では、シムポケット5の制限内で磁性体量を決めることが難しくなる。このような高次成分では、制限の式(15),(16)は鉄量に与えるが、その制限内に入らなくても、シミング計算内の繰り返し計算を中止する事がよい。
図11の例では、97番から121番未満(2つの縦線間、および固有モード番号は離散配置の固有モードで述べる)の固有モードにこの計算法を与えているため、結果的にこれらの固有モード強度はゼロとなっていない。また、図11の固有モードで、縦端短線分と番号で示した固有モードは、周回方向に一様で軸方向に対称な(以下では単に周回方向一様)固有モード成分(基本固有モード)である。この計算例の磁石は、トンネル型のMRI装置において主に撮像領域に静磁場をつくる主コイルのコイルブロック数6個を想定し、これに対して、周回方向一様な固有モードの6番目及び7番目の固有モードにこの計算法を適用し、繰り返し計算を適用していない。図11では、6番目の周回方向一様な固有モード付近にこの計算法を適用しているため、この基本固有モード近傍に存在する固有モード番号に対応する固有モードの強度はゼロとなっていない。
そのため、繰り返し計算を適用してない、右の連続配置シムトレイ14の場合に比べると、完全には零となってないが、本方法のシミング計算で、その強度が低下していることが解る。
「シミングに要する鉄量計算」は、図11に示すように選択した固有モードで前記の繰り返し計算を実行しながら取得される。実際に離散配置シムポケットに配置するシム鉄量が図12である。図12は、シムトレイポケットの鉄片量と連続配置シムトレイの電流ポテンシャル分布を示す図である。各シムポケット5を矩形で示し、そのポケットに配置するシム鉄量を数値(ここでは単位を立方cm, cc)で示している。
この図で、横軸は周回方向の位置を角度で示し、縦軸は軸方向の位置を、装置中心を零として示している。シム鉄量はシミングの実作業時には、このような図とは別に、数値として出力しポケット番号毎に画面表示や印字することもある。この図で等高線は連続配置シムトレイ14で計算した仮想電流ポテンシャルの等高線である。hCPは負も許容しており、打点領域は負の量が割り当てられている。図の上部にはシミング結果の予想値を示している。3行の最上行は、シムポケット5が配置される円筒面の大きさ、半径(m)と軸長(m)で書いている。次の行には、シミング後の均一度予想値(ppm)、目標磁場(T)、配置する鉄量の総量(cc)、及び各シムポケット5の大きさをm単位で示している。その次の行には、シミング前の均一度(ppm)、仮想電流ポテンシャル(hCP)分布の等高線間隔(A)、シムポケット5に配置する鉄量の最大最小値(cc)及び各ポケットの配置単位(m)を厚さで示している。
シムポケット5に配置する鉄片は、何種類かの板厚の鉄板、つまり規格化された鉄板を配置し、連続的(任意の数値を自由に採りえる)な厚さのものを配置する事は出来ない。この場合、最小厚さの板厚以下には鉄量の分解能は無いので、配置される鉄片量は離散的な値となる。そのため、最小単位以下の鉄量の残差は四捨五入のように近似され、誤差磁場に要因となる。これも最小にするようにシミング時の条件(固有モード数や目標磁場強度)を決める。図11の均一度の予想値は鉄片量の離散化を考慮した値である。
シム鉄量の配置が決まれば、「シミング実行後磁場予測」ができる。つまり、
BSM = BFE(I) + BMG、 (20)
である。ここで、BSMは今回のシミング後の磁場分布計算値で、BFE(I)は鉄片配置で派生する磁場分布、BMGは計測された磁場分布である。シミング作業は数回繰り返して行われるので、一回毎にこの計算と計測を行って今回のシミング後の磁場分布BSMを推定する。
図13は、シミング後の磁場強度分布を軸方向位置Zと水平方向位置Xの面上の分布をY=0の面で示した図である(座標は図5参照)。図で打点領域は目標磁場(ここでは1.5T)を上回ったシミング後の磁場Bi SMがシミング計算で予想される領域である。また放射状となっている線は目標磁場に対して±1ppm(1.5マイクロT)の等高線18である。2つの円は、外側は50cm球面の磁場計測を行った面で、内側の円は、シミング計算で磁場評価点を配置した楕円面(X-Y面で直径40cm、軸方向37cm幅)に近い40cm球面を示した。本シミング計算の例は主コイル数6個の磁石であるが、磁場が高くなると予想される領域は、この主コイルのコイルブロックに対応して発生しており、文献で示された磁場分布を、シミングにより再現できる事を示している。つまり、図11で示したように、低次の固有モードに対応する誤差磁場成分がシミングによる打ち消されて、本来の磁場成分の高次成分のみが残差磁場として残ることを示している。
以上のように離散配置シミング計算、連続配置シミング計算が終わると、シム鉄量およびシミング後の磁場分布について判断する。図17で「シミング後の磁場評価、シミングに要する鉄量評価(S205)」となって判断する部分である。これらが妥当でなければ、シミング計算を再度実行する。この場合、目標磁場強度、シミングに利用する固有モードの選択、シムポケット5の重みおよび磁場評価位置の変更を検討し、再度離散配置シミング計算,連続配置シミング計算を実行する。妥当なシミング計算、すなわち妥当な誤差磁場のみが残り、かつシムポケット5の配置制限量に収まるシム磁性体の配置量が得られるまで行う。
シミング計算の結果が妥当であれば、実際に鉄片をシムポケット5に配置し(シミング作業(S05))、再度磁場を計測(S02)して、磁場内外挿計算(S201)で均一度の評価(S202)を行う過程に戻ってくる。この磁場計測→シミング支援計算→磁性体(鉄片)配置→磁場計測の繰り返しシミング作業を、仕様を満足する磁場が得られるまで繰り返し作業を行う。
(実施例2)
実施例2として、シミング計算の結果として得られる磁性体量および磁気モーメント分布をあげておく。既に、この実施例は、実施例1と組み合わせて用いる事になるので、図12で示した。この図12で示すような内容を表示部107に表示させ、作業者のシミング作業効率向上を図ることができる。なお、表示部107に表示させる内容は、作業者の要望や作業内容に応じて適宜変更してもよい。例えば、図10、図11に示すような固有モード強度の大きさと誤差磁場の低減度合いを視覚的に把握しておきたい等のニーズがあれば、それに応じてこれらの内容を表示部107に表示させてもよい。
図12で、等高線は仮想電流ポテンシャルの等高線で、連続配置の場合の単位面積あたりの磁気モーメント(磁気モーメント密度)分布(Am2/m2)を示す。一方、打点領域は負の仮想電流ポテンシャル(hCP)の領域である。hCPの計算では正の値のみとするシミング計算中の繰り返し計算を行ってないので、負のhCPが存在する。しかし、数値の鉄片量と比較すると、hCP<0領域では、鉄片量も少なくなっていることが解り、2つの配置に矛盾がないことが解る。その結果、鉄片配置の全体像を把握しやすい。図では、全体として、等高線は左右に走っており、全体として偏った誤差磁場がなかったことも解る。
図14は、離散配置による固有モードと連続配置による固有モードの関係を示す図である。なお、図14は、2種類のシムトレイ11、14に対する固有モードの関係を示した。両者の内積、
Sij=uDi・uCj (21)
を求め、その内積値が、Sij>0.5について打点している。離散配置シムトレイ11は、図12にように周回方向に12個軸方向に配置している。また折れ線は、縦軸の離散配置シムトレイによる固有モードのuDiが横軸の連続配置シムトレイによる固有モードのuCjによりどの程度再現できるか、gi(再現率)をi番目離散配置シムトレイ固有モードの再現指数(%)として示した。下記で計算している。
gj = 100{Σ(uDj・uCk)2}1/2 (22)
ここで、加算はkの連続配置シムトレイ14による固有モード番号ついて行う。つまり、両者の比較は、連続配置から離散配置へと計算上課すべき条件を変更とした時のシムトレイに配置された磁性体による磁場再現性の劣化を示している。また、図中の数値は、周回方向に一様な基本固有モードを示し、その基本固有モードについて特異値の大きさ順位に付けた番号を示した。
周回方向に一様な6番目の基本固有モードを超えると、式(22)のgjが零となってしまう連続配置シムトレイ14の固有モードが存在する事が解る。つまり、12個(周回)x24個(軸方向)配置では、周回方向に一様な6番目までの基本固有モードについての磁場は再現できると言える。通常のMRI磁石は主コイルのコイルブロックは6個存在しており、7個目の周回方向に一様な固有モードは、実際には配置する磁性体量が極めて大きくなるので、シミングできない。この意味で、6個目までの周回方向一様な基本固有モードがシミングできる12x24個の離散配置シムトレイ11は、シミングを十分行える配置であると言える。
逆にこの検討を用いると離散配置シムトレイ11の設計の妥当性を確認できるため、実機に合わせたシムトレイの設計妥当性を確認できる。すなわち、シムトレイを設計したものの、連続配置シムトレイに対する固有モードによる磁場の再現性が低い固有モードしか得られない場合、その離散配置シムトレイは設計を見直す必要があることが分かる。
また、ここまでは、所定空間に均一な磁場強度分布を形成する磁石装置と、磁場強度分布を補正する機構としてシムトレイと、を有する磁石システムを想定し、このシムトレイにシム磁性体(上記では鉄)を配置する場合を想定した本実施形態のシミング方法(磁場調整方法)について説明した。
しかし、本発明の実施形態はこれに限るものではなく、発明の要旨を変更しない限りにおいて自由に変更してよい。例えば、磁場調整機構としてシムトレイとシム磁性体ではなく、シムコイルを用いてもよい。この場合、シムコイルによって発生させる磁気モーメントの大きさが調整対象として計算される。また、シム磁性体も鉄に限るものではなく、飽和磁化したときの磁気モーメントが高精度に一定になる部材であれば、必要に応じて採用できる。またシムトレイも、厳密にトレイ形状に限るものではなく、シム磁性体を取り付けることが可能な構造であれば、それを採用してもよいことは明らかである。
1 仮想電流面
2 磁場評価面
3 連続配置シムトレイ
4 撮像領域(FOV)
5 離散配置シムトレイのシムポケット
6 固有モード上限の関数で示した磁場PP値
7 誤差磁場強度等高線
8 磁場計測面
9 軸対称固有モードの番号位置
10 MRI用磁石
10f MRI磁石のボア
11 離散配置シムトレイ
15 固有モード(選択)
16 固有モード(非選択)
17 予想到達均一度
18 残差磁場等高線(±1ppm)
20 磁気センサ-支持板
22 被検診者
23 ベッド
24 傾斜磁場コイル

Claims (16)

  1. 所定空間に均一な磁場強度分布を形成する磁石装置と、前記磁場強度分布を補正するシムトレイと、を有する磁石システムにおいて、前記磁石装置が生成する磁場分布を、前記シムトレイにシム磁性体を配置することによって補正する磁場調整方法であって、
    予め定められた閉曲面上における磁場強度分布を測定する第1ステップと、
    前記第1ステップで取得された磁場強度分布から、目標磁場強度分布との差分である誤差磁場強度分布を取得する第2ステップと、
    前記誤差磁場強度分布を低減させる補正磁場分布を形成するシム磁性体の配置条件を、量的に連続的な数値条件の下に計算する第3ステップと、
    前記誤差磁場強度分布を低減させる補正磁場分布を形成するシム磁性体の配置条件を、空間的および量的に離散的な数値条件の下に計算する第4ステップと、
    前記第3ステップにて取得される配置条件に基づき配置されるシム磁性体によって形成される補正磁場を、前記測定された磁場強度分布に加算して、第一の補正後磁場強度分布を求める第5ステップと、
    前記第4ステップにて取得される配置条件に基づき配置されるシム磁性体によって形成される補正磁場を、前記測定された磁場強度分布に加算して、第二の補正後磁場強度分布を求める第6ステップと、
    前記第一の補正後磁場強度分布に対する前記第二の補正後磁場強度分布の差分を求め、前記差分が予め定められた所定の閾値以上である場合には前記所定空間または前記目標磁場強度分布を変更し、前記第2ステップから再計算し、前記差分が予め定められた所定の閾値内に収まる場合には前記第4ステップにて取得される配置条件にしたがって前記シム磁性体を前記シムトレイに配置する第7ステップと、
    を有することを特徴とする磁場調整方法。
  2. 請求項1に記載の磁場調整方法であって、
    前記第2ステップは、
    前記閉曲面に内包される磁場評価面上における磁場強度分布を推定し、
    前記推定された磁場強度分布と前記目標磁場強度分布との差分を前記誤差磁場強度分布として取得する
    ことを特徴とする磁場調整方法
  3. 請求項1または請求項2に記載の磁場調整方法であって、
    前記第3ステップおよび前記第4ステップにおけるシム磁性体の配置条件の計算は、
    前記補正磁場と、配置されるべきシム磁性体の量または配置されるべき磁気モーメントと、前記配置されるべきシム磁性体の量または配置されるべき磁気モーメントから前記補正磁場への応答行列と、からなる線形方程式系で、
    打ち切り特異値分解法を用いる正則化法を用いて必要な誤差磁場強度分布の補正磁場を近似的に発生する事の出来る磁性体分布もしくは磁気モーメント分布を求める
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の磁場調整方法であって、
    前記第3ステップおよび前記第4ステップは、
    配置されるべき磁性体量または磁気モーメントと、前記配置されるべき磁性体量または磁気モーメントによって形成される磁場分布との1対1の関係を示す固有モードを求め前記固有モードの強度が最大のものから所定の個数の固有モードを選択し足し合わせてシム磁性体の配置分布を求める
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  5. 請求項4に記載の磁場調整方法であって、
    前記固有モードは、特異値分解法によって算出され、かつ特異値分解法によって取得される特異値の大きな順に整理され、
    数個の固有モードのそれぞれについて、固有磁場分布と前記誤差磁場強度分布との内積によって固有モード強度が取得される
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  6. 請求項1または請求項2に記載の磁場調整方法であって、
    前記第7ステップにおいて前記シム磁性体が前記シムトレイに設置された後に、改めて前記第1ステップから前記第7ステップを実施する
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  7. 請求項4に記載の磁場調整方法であって、
    前記第一の補正後磁場強度分布および前記第二の補正後磁場強度分布は、前記し合わせる固有モードの数の関数として求められ、
    記第一の補正後磁場強度分布および前記第二の補正後磁場強度分布と、前記目標磁場強度分布である残差磁場の大きさを、残差磁場のpeak-to-peak値もしくは体積2乗平均残差磁場として取得する
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  8. 求項2に記載の磁場調整方法であって、
    前記磁場評価面を球面、楕円体面または円筒面上に配置し、
    前記磁場評価面における磁場強度分布に対して前記第2ステップから前記第7ステップを実行する
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  9. 求項2に記載の磁場調整方法であって、
    前記第2ステップは、
    前記第1ステップにおける前記閉曲面を内包し、かつ前記測定された磁場強度分布を近似的に再現する電流ポテンシャルが割り当てられた仮想電流ポテンシャル面を仮想的に配置し、
    前記仮想電流ポテンシャル面から、前記磁場評価面上における磁場強度分布を推定し、
    前記目標磁場強度分布と、前記推定された磁場評価面上における磁場強度分布との差分を前記誤差磁場強度分布として取得する
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  10. 請求項9に記載の磁場調整方法であって、
    前記磁場評価面を変更し、変更後の磁場評価面における誤差磁場強度分布を調整する
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  11. 請求項9に記載の磁場調整方法であって、
    前記仮想電流ポテンシャル面における電流ポテンシャルは、打ち切り特異値分解を用い、
    磁気モーメントの方向に磁場方向にあるとする仮想電流ポテンシャル分布と磁場分布の固有モードに分解し、
    固有モード毎の固有モード強度を把握し、
    計測磁場の近似精度を、特異値の順に1番目固有モードから加算し、上限の固有モード番号の関数として把握し、
    シミング後に目指す残差磁場の許容値より小さい磁場評価誤差となるように、固有モード上限と電流面を選択する
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  12. 請求項2に記載の磁場調整方法であって、
    前記第4ステップにおける、前記補正磁場分布を形成するシム磁性体の配置条件として、
    シム磁性体を配置すべきシムポケットの磁性体許容量について最大値および最小値をあらかじめ定め、
    前記最大値を超えたポケットの磁性体量は、最大値を配置すべき磁性体量として設定し、
    前記最小値を下回ったポケットの磁性体量は、最小値を配置すべき磁性体量として設定し、前記設定された磁性体量による磁場を、計測磁場からの磁場評価点の磁場を計算上で補正し、補正した磁場評価点の磁場に対して、繰り返しシム磁性体量の計算と、配置されるべき磁性大量の最大最小値の修正を繰り返し計算で行い、前記シムポケットに配置されるべき磁性体量が磁性体許容量に収まる前記第4ステップの計算を繰り返すことを含む
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  13. 請求項12の磁場調整方法であって、
    前記第4ステップおける前記シムポケットの磁性体許容量に収まる磁性体量が算出されるまでの繰り返し計算において、
    前記シムポケットに重みを加えるステップを含む、
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  14. 前記請求項1または請求項2に記載の磁場調整方法であって、
    前記第3ステップにおける量的な配置条件として、あらかじめ設定された単位鉄量によって配置されるべきシム磁性体量を離散化し、
    前記離散化された磁性体量を利用した前記第5ステップおよび前記第7ステップの演算結果である補正後の磁場分布および均一度を提示するステップを含む、
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  15. 請求項14に記載の磁場調整方法であって、
    前記第3ステップにおけるシム磁性体量の離散化によって生じる誤差磁場の分布および該誤差磁場の固有モード強度を提示し、
    前記誤差磁場を小さくするように、シミング計算での上限固有モードまたは目標磁場強度を変更する計算過程を含む
    ことを特徴とする磁場調整方法。
  16. 請求項15に記載の磁場調整方法であって、
    離散配置のシムポケットによるシミング計算と、
    連続配置によるシミング計算の結果を比較して、その誤差磁場を小さくするように、シミング計算での上限固有モードまたは目標磁場強度を変更する計算過程を含む
    ことを特徴とする磁場調整方法。
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