JP6401146B2 - フローサイトメトリーのための試料調製 - Google Patents

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    • C12Q1/6806Preparing nucleic acids for analysis, e.g. for polymerase chain reaction [PCR] assay

Description

特定の試料中の生菌(viable organism)を同定し、その総数を決定することは、極めて重要である。特に重要なのは、食物中および環境中の病原菌を、素早く、効率的に、かつ正確に監視および同定することによって、食物および水の供給の安全性をモニタリングし保証することである。
関連出願の相互参照
本出願は、2012年4月5日に出願した米国特許仮出願第61/620,823号明細書の出願日の利益を主張し、本出願と共同所有される2013年3月13日に出願した米国特許仮出願第61/779,766号明細書に関連するものであり、これらの開示は、ここで参照により本明細書に組み込まれる。
これを達成するそのような方法の1つは、総生菌(TVO)アッセイである。TVOアッセイは、応用微生物学分野において、品質管理用途として今日広く使用されている。TVOアッセイは、たとえば、食肉などの消費者向け食品中の細菌の数および種類をモニタリングするために使用される。TVO法は、飲料水中の細菌集団をモニタリングするために使用することもできる。食物および水に対するモニタリングは、当然ながら、食物および水の供給が、消費するのに安全であることを保証するために決定的に重要である。
TVOアッセイのステップは、一般的に、1)試験試料を採取することと;2)好適な容器に入れた寒天培地(ゼラチン質の栄養物質)上で試料を培養または平板培養することとを包含する。微生物(microbial organism)を増殖させ、寒天培地上に形成するコロニーの数に基づき、コロニー形成単位(CFU)を計算する。CFUは、コロニー増殖のための時間を与えた後でようやく計算することができる。試料は典型的に希釈され、CFUを計算する際には、この希釈係数(すなわち、試料と総体積との体積比)を考慮に入れる。
標的微生物の単離を助け、どのような種類の微生物が存在するかをより正確かつ確実に決定するために、異なる種類の選択培地を含有する多様な寒天培地プレート上で試料を培養することもできる。選択剤(たとえば、抗生物質、抗真菌剤など)は、ある特定の非標的微生物(たとえば、対象でない細菌)を排除する。これにより、多くの異なる種類の微生物からのコロニーが形成された場合に、偽の結果が生じ得るおそれが回避される。
選択剤は、他の微生物に対し、ある特定の種類の微生物の増殖を助長することもできる。TVOアッセイは、異なる微生物種、たとえば、異なる細菌種の検出を可能にするが、食物および環境の微生物学者は、多くの場合、計数と同定のどちらかを、両方という選択肢はなしに選択しなければならない。選択剤を加えて特定の菌群の増殖を助長することはできるが、TVOアッセイは、多くの場合、正常な健康な細胞が栄養豊富な培地(すなわち、選択なしの)において繁殖する能力に基づく。それゆえ、TVOは、試験される試料中の微生物の総数または1つの群の微生物を測定するキャパシティを有する。しかしながら、特定の微生物を区別する能力の不足のために、TVOは、微生物集団全体に対して比較的非特異的である可能性がある。
特定の微生物、とりわけ病原体を同定する多数の他の方法が利用可能である。そのような方法は、臨床状況において広く使用されている。微生物を検出するための方法は、多くの場合、標的微生物の数を増加させるためおよび損傷を受けた微生物を回復させるために、微生物培養物の富化に依存する。選択的および鑑別的な平板培養を用いる場合、研究者は、標的菌をバックグラウンド微生物叢から識別することが可能である。しかしながら、結果は、ほぼ常に非計数的である。換言すれば、特定の細菌集団の存在または不在のみを決定することができ、数量を決定することはできない。
試料富化と選択的平板培養の結果の両方を利用することは、時間のかかるアッセイであり、これは多くの場合、予備的結果ですら得られるまでに数日を要する。そのような富化および選択的平板培養は、試料中の微生物の数および種類を決定するための常套手段であるが、それは典型的に、寒天培地上で増殖したコロニーをカウントした後最終結果を得るのに数日を要し得る。結果を得るのに要する時間量は、常套のTVOアッセイを使用することの最も顕著な欠点である。
選択的および鑑別的な平板培養ステップを排除することにより検出時間の短縮を試みる、異なる方法が開発されている。そのような方法としては、DNAハイブリダイゼーション、凝集反応、および酵素免疫測定法が挙げられる。これらの代替的技法により、検出のための時間が短縮されたが、これらの方法では、可能な極限検出(ultimate detection)が標的病原体10〜10CFUに限られるため、培養物富化ステップは、依然として必要である。それゆえ、TVOアッセイには、陽性と推定される結果に対する確認が、依然として必要である。
さらに、生物試料、とりわけ食物試料を分析して複数の微生物の存在または不在について検出するために利用可能な普遍的方法または単一の技法は存在しない。これにより、微生物に対するアッセイの前に、生物試料から微生物を分離し、その後濃縮するための試料調製ステップは、食物由来病原体を包含する病原体を検出するための分子法における律速ステップとなる。
微生物を分離するための特定の試料調製技法に関して、遠心分離に続いて洗浄および濾過ステップを利用する技法は、加工中に微生物の顕著な損失または微生物への傷害を生じるために有利ではない。さらに、全手順は、自動化に適さない。
微生物の試料からの分離を実現するため、特定の微生物に対する親和剤が用いられている。しかしながら、微生物を複合マトリックスから単離するために使用される親和剤もまた、採用が複雑である。その理由は、1)その他の試料構成要素から選択的にすべての菌と結合する普遍的な親和剤が不足していること;2)普遍的な親和性試薬に対する異なる菌の結合親和性にばらつきがあること;および3)結合された菌を溶離して溶液中に戻すのが困難であることである。
食物および水中の病原体を同定するための他の技法も知られている。たとえば、フローサイトメトリーは、微生物を計数および同定するための迅速な技法として報告されている。フローサイトメトリーは、真核細胞集団を分離および分析するために元来使用される方法であるが、微生物の評価および検出においても用いられている。詳細には、たとえば核酸色素で蛍光染色した微生物に、光線中を通過させる。対象の微生物に特有のパターンが、光の吸収(adsorption)と散乱の両方の組合せにより取得される(非特許文献1;非特許文献2)。
フローサイトメトリーの主な利点は、実施が高速かつ容易であることである。フローサイトメトリーは、異なる種類の試料および方法に対して適合可能であり、それにより、自動化にも適するロバストなアプリケーションとなる。工業バイオテクノロジー、食物および医薬品の品質管理、飲料水および廃水システムの日常的モニタリング、ならびに土壌および自然の水生生息地における微生物生態学的研究において、多数のフローサイトメトリーアプリケーションが出現していることは驚くべきことではない。フローサイトメトリー結果は、標準的なプレートカウント法の結果と、良好な相関を示す。
しかしながら、フローサイトメトリーは、検出のために標的微生物の色素標識が必要であること、設備のコストが高いこと、および人材の特殊な訓練が必要であることなど、他の制限を有する。検出に対するさらなる制限が、非特異的蛍光の干渉、最適ではない検出限界、方法を固体または粒子状の食物試料に適用することの困難さ、特殊な染色を使用しなければ生存細胞と死細胞の区別ができないこと、および試料加工中にも起こり得る細胞の生存性の破壊により課される(非特許文献3)。この技法の広範かつ日常的な使用により、これらの欠点は緩和され始めている。
とりわけ「複合マトリックス」と称されるものに由来する生物または環境試料の分析に関連して、フローサイトメトリーには、他の実務的な問題が残されている。複合マトリックスは、生物または環境試料中の微生物の検出に干渉する粒子状物質を包含する物質からなり得る。試料中の微生物を検出するために使用される核酸色素は、試料マトリックス中のそのような粒子状物質と非特異的に結合し、高いバックグラウンド蛍光シグナルを生じ得る。この高いバックグラウンドにより、試料中の低濃度の微生物の同定および分析が困難となる。
その全内容がここで参照により本明細書に組み込まれる、Buttryらの特許文献1に記載されるように、膜透過性の死細胞により生成される蛍光バックグラウンドおよび蛍光シグナルは、標的特異的な蛍光色素および蛍光消光剤を対象の試料中に混合することにより、低減することができる。しかしながら、標的特異的な蛍光色素に対する非特異的親和性を有する細胞外粒子を含有する一部の試料マトリックスにおいては、蛍光バックグラウンドを、蛍光消光剤により効果的に消光することができない。加えて、標的特異的な蛍光色素に対する非特異的親和性を有する細胞外粒子を大量に含有する試料においては、標的特異的な色素の大部分が粒子と非特異的に結合し、結果として、標的菌を標識するために溶液中で利用可能な色素分子が不十分となる。
よって、フローサイトメトリーを使用して試料中の微生物の存在または不在を検出するための現行の方法の欠点に対処する方法が求められている。
米国特許第7,205,100号明細書
Breeuwer et al.,Characterization of uptake and hydrolysis of fluorescein diacetate and carboxyfluorescein diacetate by intracellular esterases in S.cerevisiae,which result in accumulation of fluorescent product,Appl.Environ.Micriobiol.,61(4):1614−9(April 1995) de Boer & Beumer,Methodology for detection and typing of foodborne microorganisms,Int.J.Food.Microbiol.,50(1−2):119−30(Sept 1999) Quintero−Betancourt et al.,Cryptosporidium parvum and Cyclospora cayetanensis:a review of laboratory methods for detection of the waterborne parasites,J.Microbiol.Methods,49(3):209−24(May 2002) USDA website(http://www.fsis.usda.gov/OPHS/microiab/mIgchp3.pdf) Hammes,F.et al.,"Cytometric methods for measuring bacteria in water:advantages,pitfalls,and applications,"Anal.Bioanal.Chem.,Vol.397,pp.1083−1095(2010)
本発明は、試料中の少なくとも1種の微生物の存在または不在を同定する方法に関する。本明細書に記載されるように、少なくとも1種の微生物の存在または不在について試験すべき試料が最初に採取され、次いで実施すべきアッセイのために調製される。生きている菌と死滅した菌の両方に対して浸透性の蛍光核酸染色剤を使用して、浮遊している細胞をフローサイトメトリー研究のために標識する。しかしながら、そのようなフローサイトメトリー研究の検出感度は、標的細胞が、核酸色素と非特異的に結合する試料マトリックスからの粒子状物質とともに浮遊液中に存在する間に、悪影響を受ける可能性がある。溶液中のそれらの干渉粒子からの蛍光シグナルを遮蔽および/または除去し、その後検出感度を高めるためのいくつかの手法が、本明細書に記載される。
一実施形態では、試料を分析して生存微生物の量を決定する方法は、試料を採取するステップと、前記試料中の生存微生物の存在または不在を検出するためのアッセイのために前記試料を調製するステップとを包含する。一実施形態では、アッセイは、TVOアッセイである。試料調製の一環として、過剰量のバックグラウンドシグナルを低減する分子(以下、バックグラウンドシグナル低減分子)を試料に加える。バックグラウンドシグナル低減分子は、試料中の生存細胞に浸透しないが、生存細胞に浸透する核酸染色剤(これもまた、試料に加えられる)と同様の、調製された試料における非生存細胞(たとえば、死細胞、細胞残屑)および試料中の他の非細胞性物質に対する結合特性を有する。次いで、調製された試料を、総生菌についてアッセイする。
本明細書で企図されるバックグラウンドシグナル低減分子の例は、ヘミシアニンまたは閉鎖シアニンである。そのような分子は、少なくとも1個の窒素原子を含有する5員複素環を有する基本的なシアニン構造を包含する。基本的なシアニン構造は、構造(I):
Y−(CH=CH)−CH=Z
構造(I)、またはその塩
(式中、Yは、
であり;
nは、0または最大約5の整数であり;一部の実施形態では、nは、0または最大約3の整数であり;
Xは、炭素または硫黄のいずれかであり;
は、場合により、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、サルファイト部分、またはアルキルアミドである)
として示される。ある特定の実施形態では、Rは、バックグラウンドシグナル低減分子の生存標的微生物中への細胞浸透性を低下させるために選択される。
Zは、Yと同じかまたは異なるかのいずれかである。同じにせよ異なるにせよ、Zはまた、Yの5員複素環も包含する。ZがYと異なる場合、差異は、5員複素環の置換基に存する。
場合により、Y部分は、それに縮合したベンゼンまたはベンゼン誘導体を有する。ベンゼンまたはベンゼン誘導体は、置換されていても置換されていなくてもよい。本明細書で使用されるベンゼン誘導体は、ナフタレンなどの多環芳香族部分を包含する。他の実施形態では、5員環構造は、キノロン置換基を有する。キノロン置換基もまた、置換されていても置換されていなくてもよい。
別の実施形態では、試料を分析して生存微生物の量を決定する方法は、試料を採取するステップと、TVOアッセイのために前記試料を調製するステップとを包含する。生存細胞に浸透しない、蛍光消光剤と共有結合により連結された核酸染色剤が試料に加えられる。生存細胞に浸透し、蛍光消光剤と共有結合により連結されていない核酸染色剤もまた試料に加えられる。生存細胞に浸透しない核酸染色剤は、スペクトル重複により核酸色素の蛍光シグナルを消光することができる。
さらに別の実施形態では、TVOアッセイのための試料の調製は、樹脂を使用して粒子状物質の少なくとも一部分を複合マトリックスから除去することを包含する。一実施形態では、樹脂により粒子状物質の少なくとも一部分を複合マトリックスから除去することは、試料を採取することと、前記試料を樹脂と組み合わせることとを包含する。樹脂はその後、試料からの粒子状物質の少なくとも一部を保持しつつ、試料から除去される。試料に、生存細胞に浸透する核酸染色剤を加える。次いで、調製された試料を、総生菌の存在および量についてアッセイする。一実施形態では、樹脂による粒子状物質の除去は、過剰量のバックグラウンドシグナル低減分子を加える前に、または蛍光消光剤と共有結合により連結された核酸染色剤を加える前に用いることができる。
本発明のさらなる実施形態は、試料中の少なくとも1種の微生物を検出するための市販キットであって、バックグラウンドシグナル低減分子または消光剤と共有結合により連結された核酸の少なくとも1種と;核酸染色剤と;場合により、樹脂とを含むキットを包含する。市販セットは、試料と組み合わされ、試料中の生存微生物の存在または不在を決定するアッセイに供される。
式(II)の分子を用いずに処理された試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(II)の分子を用いて処理された試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(II)の分子を用いてまたは用いずに処理された試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。
式(II)の分子を用いずに処理された試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 核酸染色剤の前に加えられた式(II)の分子を用いて処理された試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 核酸染色剤と同時に加えられた式(II)の分子を用いて処理された試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。
様々な濃度の式(II)の分子を用いてまたは用いずに処理された試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。
核酸染色剤を加える前に様々な時点でインキュベートされた式(II)の分子を用いてまたは用いずに処理されたTSB試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。
式(I)、(III)、または(IV)の分子を用いずに処理されたTSB試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(IV)の分子を用いて処理されたTSB試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(I)の分子を用いて処理されたTSB試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(III)の分子を用いて処理されたTSB試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(I)、(III)、または(IV)の分子を用いてまたは用いずに処理されたTSB試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。
式(I)の分子を用いずに処理されたTSB試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 核酸染色剤の前に加えられた式(I)の分子を用いて処理されたTSB試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 核酸染色剤の前に加えられた式(I)の分子を用いて処理されたTSB試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 核酸染色剤と同時に加えられた式(I)の分子を用いて処理されたTSB試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。
式(I)または(II)の分子を用いずに処理されたプロセス水試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(I)の分子を用いて処理されたプロセス水試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(II)の分子を用いて処理されたプロセス水試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(I)または(II)の分子を用いてまたは用いずに処理されたプロセス水試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(I)の分子を用いずに処理されたスワブ試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(I)の分子を用いて処理されたスワブ試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(I)の分子を用いずに処理されたスワブ試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(I)の分子を用いて処理されたスワブ試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(I)の分子を用いてまたは用いずに処理されたスワブ試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 式(I)の分子を用いてまたは用いずに処理されたスワブ試料におけるバックグラウンドシグナルの量を報告するグラフである。 5μMのプロピジウムヨージドを用いずに、BD FACSMicroCountにおいて標準的な水質試験法を使用した、生菌の濃度を報告するフローサイトメトリー分析についての強度プロットを示すグラフである。 5μMのプロピジウムヨージドを用いて、BD FACSMicroCountにおいて標準的な水質試験法を使用した、生菌の濃度を報告するフローサイトメトリー分析についての強度プロットを示すグラフである。 およそ15,000cfu/mlの大腸菌(E.coli)を水試料中にスパイクし、5μMのプロピジウムヨージドを水試料に加えていない、生菌の濃度を報告するフローサイトメトリー分析についての強度プロットを示すグラフである。 およそ15,000cfu/mlの大腸菌を水試料中にスパイクし、5μMのプロピジウムヨージドを水試料に加えた、生菌の濃度を報告するフローサイトメトリー分析についての強度プロットを示すグラフである。
本明細書に記載されるのは、試料分析にフローサイトメトリーを採用することにより、TVOアッセイなどの公知のアッセイに改良を加えるための方法である。食品、化粧品、および土壌試料から採取された試料は、「複合マトリックス」中の粒子状物質により引き起こされる干渉のために、フローサイトメトリーを使用して正確に分析することが困難な場合がある。本明細書で使用される複合マトリックスとは、顕著な量のアッセイと無関係の材料を有する試料である。本明細書で企図されるアッセイの場合、これらの無関係の材料とは、死細胞、細胞の残屑、および生存微生物以外の他の試料構成要素である。本明細書に記載される方法は、低レベルの病原体または散在する夾雑物の検出に必要とされるように試料調製を改良するのに役立ち、それにより、アッセイの前に試料培養物を富化する必要性を低減またはさらには排除できる可能性がある。
詳細には、本明細書に記載される方法および分子は、標的微生物を含有する疑いがある試料を、標的微生物の存在または不在を検出するための試験またはアッセイに供する前に、試料品質を改良する。本明細書に記載される方法を使用することの利点としては、複数の微生物株の検出を容易にすること;マトリックスに関連するアッセイ阻害因子(matrix−associated assay inhibitor)を除去すること;干渉するマトリックス微粒子を除去すること;検出シグナル強さまたは検出シグナルを読み取る能力を向上させること、ならびに必要な試料サイズを低減して、よりサービングサイズの典型となる食物試料サイズおよび/または小さい培地体積の使用を可能にすることが挙げられるが、これらに制限されない。
試料調製のための本明細書に記載される方法および試薬は、低レベルの病原体または散在する夾雑物の検出を容易にする。方法および試薬は、試料アッセイの前に、検出に利用可能な微生物の量を増加させるためまたは微生物増殖を加速させるために、試料培養物を富化する必要性を低減またはさらには排除する。
本明細書に記載される方法および分子は、標的微生物/病原体/細菌に対するアッセイに干渉し得るマトリックスに関連する阻害因子を試料から除去することにより、試料中の標的微生物/病原体/細菌を濃縮する(存在する場合)。本明細書に記載される方法および分子はまた、標的微生物/病原体/細菌の存在または不在の指標となる、試料から得られるシグナル対ノイズ比も向上させる。記載される方法は、普遍的(たとえば、複数の種類のマトリックスおよび標的微生物/病原体/細菌に適用可能)であるために有利である。記載される方法は、簡単、迅速、かつ安価である。さらに、本明細書に記載される方法は、試料に加えられる検出色素の標的微生物/病原体/細菌と残留マトリックス成分または死滅した標的細胞の両方との交差反応性のために、誤った陽性または陰性の結果が生じ得る可能性を低減する。
過剰のバックグラウンドシグナル低減分子
一実施形態では、生存微生物の量(TVO)について試料を分析する方法は、i)試料を採取するステップ;ii)過剰量のバックグラウンドシグナル低減分子を加えることにより;および生存細胞に浸透する核酸染色剤を加えることにより、試料を調製するステップを包含する。バックグラウンドシグナル低減分子は、生存細胞に浸透しないが、調製された試料に対して、核酸染色剤と同様の結合特性を有する。次いで、調製された試料を分析する。
本明細書に記載される方法は、試料を採取することを企図する。試料は、たとえば、環境試料、食物試料、化粧品試料、または生物試料であり得る。これらの種類の試料は、多くの場合、たとえば土壌残屑細胞外マトリックスなどの様々な粒子状物質を含有する複合マトリックスの形態である。
分析すべき試料は、当業者に周知の、分析すべき特定の種類の試料のための公知の技法を使用して調製される。したがって、試料調製技法は、本明細書には詳細に記載しない。典型的な一実施形態では、食肉試料を調製するためのプロセスは、最初に食肉を緩衝液とブレンドすることを包含する。食肉を適正な緩衝液とブレンドして食肉エキスを得るための標準的なプロトコルの使用は、本明細書に記載される方法における使用に好適であると企図される。ブレンドは、食肉試料を適切な体積のリン酸緩衝希釈水に加え、ストマッカー袋(<50μMフィルター−Interscience Bag system:111625または相当品)に移し、ストマッカー(たとえば、Tekmar(Seward)Stomacher Lab Blender400または相当品)でブレンドするなど、多様な技法を使用して達成される。そのようなプロトコルは、当業者に周知であり、本明細書には詳細に記載しない。そのようなプロトコルの例は、非特許文献4に記載され、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
試料を調製した後、生存細胞に浸透しないが核酸染色剤と同様の結合特性を有する過剰量のバックグラウンドシグナル低減分子を、調製された試料に加える。バックグラウンドシグナル低減分子は、生存細胞に対して浸透性でないことから、細胞浸透性の核酸色素のみが、生存細胞を標識し、細胞からの蛍光シグナルを生成することができる。色素と非特異的に結合する干渉粒子は、核酸染色剤と本明細書に記載される分子の両方と結合される。バックグラウンドシグナル低減分子は、細胞外粒子および死細胞などのマトリックス中の粒子状物質との核酸染色剤の結合について競合し、結果として、試料をフローサイトメトリーにより分析した際の核酸染色剤の非特異的結合により引き起こされる蛍光シグナルを低減することができる。
バックグラウンドシグナル低減分子の量は、その量が、複合マトリックス試料中の実質的にすべての粒子状物質の結合に関して核酸染色剤と好都合に競合するように、核酸染色剤を上回っている限り制限されない。過剰量のバックグラウンドシグナル低減分子は、核酸染色剤と好都合に競合し、試料中の粒子状物質と結合することができるため、核酸染色剤の粒子状物質との非特異的結合が低減され、非特異的蛍光強度を低下させる。したがって、本明細書に記載される「過剰濃度」は定性的であり、試料に加えられる核酸色素の量と比べたものである。当業者は、核酸色素の、特定の用途のための非標的粒子との望ましくない非特異的結合を軽減、低減、または排除するために加えるべきバックグラウンドシグナル低減分子の量を、容易に決定することができる。
一実施形態では、バックグラウンドシグナル低減分子の濃度は、試料と組み合わせたとき、約0.1μMから約50μMである。別の実施形態では、バックグラウンドシグナル低減分子の濃度は、試料と組み合わせたとき、約0.1μMから約10μMである。さらに別の実施形態では、バックグラウンドシグナル低減分子の濃度は、試料と組み合わせたとき、約0.5μMから約5μMである。
一実施形態では、生存細胞に浸透しないが核酸染色剤と同様の結合特性を有する過剰量のバックグラウンドシグナル低減分子は、細胞浸透性の核酸染色剤と逐次的にまたは同時に、分析すべき試料に加えられる。別の実施形態では、バックグラウンドシグナル低減分子は、核酸染色剤を加える前に加えられる。
バックグラウンドシグナル低減分子を試料に加えた後、混合物をインキュベートしてもよい。一実施形態では、混合物は、約2分から約1時間インキュベートされる。別の実施形態では、混合物は、約2分から約30分間インキュベートされる。さらに別の実施形態では、混合物は、約2分から約5分間インキュベートされる。
バックグラウンドシグナル低減分子の構造は、分子が、複合マトリックス試料中の粒子状物質と結合でき、フローサイトメトリーにより分析した際のバックグラウンド蛍光シグナルを低減でき、生存微生物細胞に著しく浸透しないものである限り制限されない。たとえば、Acid Black48およびトリパンブルーなどの荷電分子を分子に加えることを包含する、細胞浸透性を低減するためのバックグラウンドシグナル低減分子の化学構造に対する改変は、当業者に公知であり、本明細書には詳細に記載しない。
一実施形態では、バックグラウンドシグナル低減分子に、消光剤が付着されている。消光剤が付着されたバックグラウンドシグナル低減分子は、試料中の粒子状物質の結合部位に付着する。消光剤は、試料中の粒子状物質と非特異的に結合する、十分にそれに近接した、あらゆる核酸色素の蛍光シグナルを消光する。消光剤がそれに付着されたバックグラウンドシグナル低減分子の存在はさらに、二重に:i)試料中の非標的物質上の結合部位をふさぐことにより;およびii)試料中の非標的物質と結合するあらゆる標的色素からのシグナルを消光することにより、バックグラウンドシグナルを低減する。消光剤の選択は、微生物細胞を検出および分析するために使用される核酸色素の種類に依存し、たとえば、トリパンブルーおよびクリスタルバイオレットを包含し得る。蛍光消光剤は、当業者に周知であり、それゆえ本明細書には詳細に記載しない。
本明細書で企図されるバックグラウンドシグナル低減分子の例は、ヘミシアニンまたは閉鎖シアニンである。そのような分子は、少なくとも1個の窒素原子を含有する5員複素環を有する基本的なシアニン構造を包含する。基本的なシアニン構造は、構造(I):
Y−(CH=CH)−CH=Z
構造(I)、またはその塩
(式中、Yは、
であり;
nは、0または最大約5の整数であり;一部の実施形態では、nは、0または最大約3の整数であり;
Xは、炭素または硫黄のいずれかであり;
は、場合により、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、サルファイト部分、またはアルキルアミドである。ある特定の実施形態では、Rは、バックグラウンドシグナル低減分子の生存標的微生物中への細胞浸透性を低下させるために選択される。
Zは、Yと同じかまたは異なるかのいずれかである。同じにせよ異なるにせよ、Zはまた、Yの5員複素環も包含する。ZがYと異なる場合、差異は、5員複素環の置換基に存する。
場合により、Y部分は、それに縮合したベンゼンまたはベンゼン誘導体を有する。ベンゼンまたはベンゼン誘導体は、置換されていても置換されていなくてもよい。本明細書で使用されるベンゼン誘導体は、ナフタレンなどの多環芳香族部分を包含する。他の実施形態では、5員環構造は、キノロン置換基を有する。キノロン置換基もまた、置換されていても置換されていなくてもよい。
一実施形態では、バックグラウンドシグナル低減分子は、nが、最大3であり、Xが、硫黄であり、Rが、アルキルアミドであり、Yが、それに縮合したベンゼン部分またはベンゼン部分誘導体を有する、構造(I)の化合物を包含する。
一実施形態では、バックグラウンドシグナル低減分子は、以下:
(Sigma−Aldrich(登録商標)から市販、カタログ番号381306);
(Sigma−Aldrich(登録商標)から市販、カタログ番号S992003);
(Sigma−Aldrich(登録商標)から市販、カタログ番号S981826);
(Sigma−Aldrich(登録商標)から市販、カタログ番号S171360);
(式中、QGは、蛍光シグナル消光基を表す)
の少なくとも1種を包含する。
試料中の微生物の存在について検出するために、核酸染色剤を試料に加える。そのような染色剤、たとえばInvitrogen製のSYTO(登録商標)13は、当業者に周知である。染色剤を選択する際、当業者は、以下の要素:i)対象の標的微生物(たとえば、グラム陽性またはグラム陰性)、ii)試料中の微生物の存在または不在を決定するために採用される下流のアッセイ;およびiii)選択した染色剤と試料構成要素のための他の染色剤とのコントラストを考慮する。当業者は、本明細書に記載される方法のための色素染色剤を選択する際の他の考慮事項を認識している。核酸染色剤は、バックグラウンドシグナル低減分子とのインキュベーションと同時にまたはその後に加えることができる。
核酸染色剤で染色した後、試料を次いで、フローサイトメトリーを使用して、標的微生物の存在または不在について分析する。フローサイトメトリーの使用は、当業者に周知であり、本明細書には記載しない。フローサイトメトリー分析の説明は、非特許文献5に記載され、これは、参照により本明細書に組み込まれる。全プロセスを自動化することもできる。記載される方法は、フローサイトメトリーのための試料調製プロトコルを、試料中の標的物質(たとえば、生存微生物)についてのシグナル/バックグラウンド比を改良する物質を加えることを包含するように適合させる。
本明細書に記載される方法および分子は、核酸染色剤が複合マトリックスを含有する試料中の粒子状物質と非特異的に結合する際に得られるバックグラウンドシグナル強度を低減する。バックグラウンドシグナル強度の低減は、本明細書に記載される分子および樹脂を加えなかった同一の試料についてバックグラウンドシグナル強度がどのようになるかと比較される。一実施形態では、バックグラウンドシグナル強度は、少なくとも約90%低減される。別の実施形態では、バックグラウンドシグナル強度は、少なくとも約70%低減される。さらに別の実施形態では、バックグラウンドシグナル強度は、少なくとも約50%低減される。
核酸色素と共有結合により連結された消光剤
一実施形態では、試料を分析して生存微生物の量を決定する方法は、i)試料を採取するステップと;ii)試料を調製するステップと;iii)蛍光消光剤と共有結合により連結された核酸染色剤を加えるステップと;iv)消光剤を含有せず、生存細胞に浸透する核酸染色剤を加えるステップと;v)調製された試料を分析するステップとを包含する。
この実施形態では、核酸染色剤の一部が、染色剤を生存細胞に浸透させずスペクトル重複により核酸染色剤の蛍光シグナルを消光することができる蛍光消光剤と共有結合により連結されている。消光剤を含む核酸染色剤は、生存細胞に対して浸透性でないことから、細胞浸透性の消光剤を含まない核酸染色剤のみが、生存細胞を標識することができる。核酸染色剤と非特異的に結合できる、死細胞または他の干渉粒子などの粒子状物質は、消光剤を含む核酸染色剤と消光剤を含まない核酸染色剤の両方を取り込む。染色剤−消光剤分子は、消光剤がそれに結合されていない色素と、粒子状物質上の結合部位について競合する。染色剤−消光剤分子の粒子状物質との結合は、そうでなければ粒子状物質により取り込まれた核酸染色剤により放出されるであろう蛍光シグナルの強度を低減する。
一実施形態では、過剰量の消光剤を含む核酸染色剤は、細胞浸透性の消光剤を含まない核酸染色剤と逐次的にまたは同時に、分析すべき試料に加えられる。別の実施形態では、消光剤を含む核酸染色剤は、消光剤を含まない核酸染色剤を加える前に加えられる。この実施形態では、消光剤を含まない核酸染色剤は、消光剤を含む核酸染色剤と、粒子状物質上の結合部位について競合しない。
樹脂による粒子状物質の除去
一実施形態では、生物試料の調製は、分析の前に樹脂を使用して粒子状物質の少なくとも一部を複合マトリックスから除去することを包含する。粒子状物質の少なくとも一部を除去するための方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本出願と共同所有される、2013年3月13日に出願した米国特許出願第61/779,766号明細書に記載される。手短に言えば、米国特許出願第61/779,766号明細書に記載される方法および試薬は、標的微生物を含有する疑いがある試料を、標的微生物の存在または不在または数量を検出するための試験またはアッセイに供する前に、試料中の微生物を、一般に複合マトリックスを保有すると記載される他の試料構成要素(たとえば、牛挽肉、卵、牛乳、土壌、化粧品など)から分離し、試料品質を向上させる。本発明の別の実施形態では、樹脂を使用して、複合マトリックスの下流の試料アッセイ分析との干渉を調節または低減する。
様々な樹脂が当技術分野で公知であり、特定の樹脂の選択は、分析すべき生物または環境試料の性質に依存する。樹脂は、アッセイを実施する前に、濾過などの技法により除去することができるが、用いられる特定の技法は、大いに設計選択の事項であり、樹脂および試料調製の種類に依存する。当業者は、これらのまたは他の要素に基づき、好適な分離技法を選択する。一実施形態では、非官能性樹脂、たとえば、Rohm & Haas製のXAD樹脂、特に、スチレンおよびジビニルベンゼンの非官能性共重合体であるXAD−4樹脂が、記載される方法の実施において使用され得る。
一実施形態では、試料を、樹脂処理および樹脂の除去の後、フローサイトメーターを使用して分析する。核酸染色剤または他の蛍光色素などの適切な染色剤を、樹脂の除去後かつフローサイトメトリーの前に、試料と組み合わせる。色素は、フローサイトメーターにおけるアッセイ標的の検出を容易にする。消光などの向上技法を用いて、アッセイの完全性をさらに改良することもできる。
樹脂による粒子状物質の除去は、核酸染色剤で染色するための試料の調製において単独で用いることもでき、または本明細書に記載される様々な方法および分子と組み合わせて使用してもよい。たとえば、樹脂による粒子状物質の除去は、本明細書に記載される過剰量のバックグラウンドシグナル低減分子を加える前に、または同様に本明細書に記載される消光剤と共有結合により連結された核酸染色剤を加える前に完了することができる。
一実施形態では、樹脂により粒子状物質の少なくとも一部分を複合マトリックスから除去することは、i)試料を採取することと;ii)試料を樹脂と組み合わせることと;iii)粒子状物質の少なくとも一部が接着した樹脂を試料から除去することと;iv)過剰量のバックグラウンドシグナル低減分子を加えることと;v)生存細胞に浸透する核酸染色剤を加えることと、vi)生物試料を分析することとを包含する。
別の実施形態では、樹脂により粒子状物質の少なくとも一部分を複合マトリックスから除去することは、i)試料を採取することと;ii)試料を樹脂と組み合わせることと;iii)粒子状物質の少なくとも一部が接着した樹脂を試料から除去することと;iv)消光剤と共有結合により連結された核酸染色剤を加えることと;v)生存細胞に浸透する核酸染色剤を加えることと;vi)試料中の生存微生物の存在、不在、または数量について、調製された試料をアッセイすることとを包含する。
キット
本発明のさらなる実施形態は、試料中の少なくとも1種の微生物を検出するための市販キットであって、バックグラウンドシグナル低減分子または消光剤と共有結合により連結された核酸の少なくとも1種と;核酸染色剤と;場合により、樹脂とを含むキットを包含する。
以下の実施例は、本発明のある特定の実施形態をさらに例示するために提供される。したがって、実施例は、使用される材料、組成物、および条件に関して制限するものではない。通常遭遇し、当業者に明らかである多様な条件およびパラメーターの他の好適な改変および適合は、本明細書に記載される発明の趣旨および範囲内にある。
上述のように、試料中の微生物の存在について検出および分析するために使用される核酸染色剤は、複合マトリックスを含有する試料中の粒子状物質と非特異的に結合し、高いバックグラウンドシグナル強度を引き起こし得る。以下の実施例1〜9は、本明細書に記載される様々なバックグラウンドシグナル低減分子の、フローサイトメトリーにより分析した際の複合マトリックスにおけるバックグラウンドシグナル強度の低減に対する有効性を実証するように設計される。実施例1〜9のそれぞれにおいて、様々な種類の粒子状物質を含有する複合マトリックス(たとえば、トリプチケースソイブロス、プロセス水、スワブ試料)を使用し、それにバックグラウンドシグナル低減分子を加える。比較のため、試料マトリックスのみを用いて、バックグラウンドシグナル低減分子を加えず、対照試料を調製する。次いで、核酸染色剤を、それぞれの試料に加える。次いで、試料をフローサイトメトリーにより分析して、バックグラウンドシグナル低減分子が、核酸染色剤の試料マトリックス中の粒子状物質との非特異的結合により引き起こされるバックグラウンドシグナル強度を低減するかどうかを決定する。フローサイトメトリーは、粒子または細胞と結合された蛍光シグナルのみを検出するように設計されるため、溶液中に残存するバックグラウンドシグナル低減分子および核酸染色剤からのいかなる残留蛍光シグナルも検出されない。
実施例10では、実施例1〜9について上記した同じ一般的手順を用いるが、試料マトリックス中に、細菌をスパイクした。この実施例は、バックグラウンドシグナル低減分子が、バックグラウンドシグナル強度を低減するだけでなく、試料中の生存微生物の検出への干渉もしないことを実証するように設計された。実施例1〜10について、下に詳述する。
[実施例1]
式(II)の分子をトリプチケースソイブロス(TSB)に加え、最終濃度を5μMとした。混合物を、30分間インキュベートし、その後核酸染色剤Syto(登録商標)62を0.2μMの最終濃度で加えた。混合物を、フローサイトメトリーにより分析した。対照として、TSBおよび核酸染色剤のみを含有し、式(II)の分子を含有しない試料についても試験した。結果は、図1A〜1Cにまとめられ、バックグラウンドシグナルが、TSBのみの試料における6591カウントから、式(II)の分子と混合された試料における58カウントまで低減されることを実証する。これは、バックグラウンドシグナル(つまり、試料微粒子と結合された色素からのシグナル)が、およそ99%低減されることを実証する。
[実施例2]
式(II)の分子をTSBに加え、TSB中の最終濃度を5μMとした。混合物を、5分間インキュベートし、その後核酸染色剤Syto(登録商標)62を0.2μMの最終濃度で加えたか、またはプレインキュベーションなしで核酸染色剤と同時に加えた。混合物を、フローサイトメトリーにより分析した。対照として、TSBおよび核酸染色剤のみを含有し、式(II)の分子を含有しない試料についても試験した。結果は、図2A〜2Cにまとめられ、バックグラウンドシグナルが、TSBと核酸染色剤のみにおける6436カウントから、式(II)の分子および染色剤と同時に混合されたTSBにおける3062カウントまで低減されることを実証する。これは、およそ51%のバックグラウンドシグナルの低減を実証する。しかしながら、核酸染色剤を加える前に、式(II)の分子をTSBと混合およびインキュベートした場合、バックグラウンドシグナルは、486カウントまで低減され、ほぼ92%のバックグラウンドシグナルの低減である。
[実施例3]
式(II)の分子をTSBに加え、最終濃度を0.5μM、1.67μM、または5μMのいずれかとした。混合物を、60分間インキュベートし、その後核酸染色剤Syto(登録商標)62を0.2μMの最終濃度で加えた。混合物を、フローサイトメトリーにより分析した。対照として、TSBおよび核酸染色剤のみを含有し、式(II)の分子を含有しない試料についても試験した。結果は、図3にまとめられ、バックグラウンドシグナルの低減が、バックグラウンドシグナル低減分子の濃度に依存することを実証する。加えて、バックグラウンドシグナルは、最低濃度のバックグラウンドシグナル低減分子により少なくとも82%低減される。
[実施例4]
式(II)の分子をTSBに加え、最終濃度を5μMとした。混合物を、2分または5分間インキュベートし、その後核酸染色剤Syto(登録商標)62を0.2μMの最終濃度で加えた。混合物を、フローサイトメトリーにより分析した。対照として、TSBおよび核酸染色剤のみを含有し、式(II)の分子を含有しない試料についても試験した。結果は、図4にまとめられ、バックグラウンドシグナルの低減が、バックグラウンドシグナル低減分子とのインキュベーションの時間に依存することを実証する。加えて、バックグラウンドシグナルは、2分のインキュベーション時間により少なくとも75%低減される。
[実施例5]
式(I)、(III)、および(IV)の分子をTSBに加え、分子の最終濃度を5μMとした。混合物を、30分間インキュベートし、その後核酸染色剤Syto(登録商標)62を0.2μMの最終濃度で加えた。混合物を、フローサイトメトリーにより分析した。対照として、TSBおよび核酸染色剤のみを含有し、バックグラウンドシグナル低減分子を含有しない試料についても試験した。結果は、図5A〜5Eにまとめられる。バックグラウンドシグナル低減分子はそれぞれ、フローサイトメトリー分析におけるバックグラウンドシグナルを、少なくとも55%のパーセントから最大94%までも低減する。
[実施例6]
式(I)の分子をTSBに加え、分子の最終濃度を5μMとした。混合物を、2分または5分間インキュベートし、その後核酸染色剤Syto(登録商標)62を0.2μMの最終濃度で加えたか、またはプレインキュベーションなしで核酸染色剤と同時に加えた。混合物を、フローサイトメトリーにより分析した。対照として、TSBおよび核酸染色剤のみを含有し、式(I)の分子を含有しない試料についても試験した。結果は、図6A〜6Dにまとめられ、バックグラウンドシグナルが、バックグラウンドシグナル低減分子を含有するすべての試料において低減されることを実証する。バックグラウンドシグナル低減分子が核酸染色剤と同時に混合された試料については、バックグラウンドシグナルは、およそ34%低減された。核酸染色剤を加える前に、試料をバックグラウンドシグナル低減分子とプレインキュベートした場合、バックグラウンドシグナルの低減量は増加した。バックグラウンドシグナルは、5分および2分でインキュベートした試料について、それぞれおよそ89%および93%低減された。
[実施例7]
式(I)および(II)の分子をプロセス水に加え、分子の最終濃度を5μMとした。混合物を、30分間インキュベートし、その後核酸染色剤Syto(登録商標)62を0.2μMの最終濃度で加えた。次いで、混合物を、フローサイトメトリーにより分析した。対照として、プロセス水および核酸染色剤のみを含有し、式(I)および(II)の分子を含有しない試料についても試験した。結果は、図7A〜7Dにまとめられ、フローサイトメトリーによる分析の前に、プロセス水を含む試料を本明細書に記載されるバックグラウンドシグナル低減分子とインキュベートした場合、バックグラウンドシグナルがゼロ近くまで低減されることを実証する。
[実施例8]
様々なスワブ試料からのバックグラウンドシグナルを低減するために、本明細書に記載されるバックグラウンドシグナル低減分子を使用した。ポリウレタンまたはフォーム製のスワブを、5μMの最終濃度の式(I)の分子の溶液中で、30分間インキュベートした。次いで、0.2μMの最終濃度の核酸染色剤Syto(登録商標)62を混合物に加えた。混合物を、フローサイトメトリーにより分析した。対照として、スワブおよび核酸染色剤のみを含有し、式(I)の分子を含有しない試料についても試験した。3つの領域を分析し、領域1、領域2、および領域3は、それぞれカビ、細菌、および酵母が典型的に集合する領域を表す。結果は、図8A〜8Fにまとめられ、バックグラウンドシグナルが、両方の種類のスワブの各領域において、有意に低減されることを実証する。
[実施例9]
生菌を含まない精製水試料を、フローサイトメトリー分析のためのBD FACSMicroCountにおいて使用した。標準的なBD MicroCount TVO試薬(バッファー試薬、細胞浸透性の核酸にインターカレートする蛍光色素(nucleic acid intercalating fluorescent dye)であるバイオマス染色剤(Biomass Stain)、BRAG3)を試料に加え、その後機器により分析した。図9Aに示されるように、強度プロットにおける丸で囲んだゲート領域内の事象を計算して、生菌の濃度(カウント/ml)を報告する。
機器において標準的な水質試験法を使用して、図9Aに見られるように、ゲート内で290カウント/mlが、この水試料中の総生菌濃度として報告された。しかしながら、水試料をプレーティングし、インキュベーター中で10日間インキュベートした後のR2A寒天培地プレート上では、細菌コロニーは見られなかった。ゲート内の粒子は、バイオマス染色剤と非特異的に結合し蛍光を発するバックグラウンド粒子を表す。
5μMのプロピジウムヨージド(PI)を、同じロットの水試料に加え、その後MicroCountバイオマス染色剤を加えた。同じ機器の設定を使用して、水試料を分析した。図9Bに見られるように、ゲート内で152の総カウントが、試料中の総生菌濃度として報告された。この事例では、PIもまた核酸にインターカレートする分子であることから、過剰量のPIは、バイオマス染色剤の結合を阻止し、バックグラウンドカウントを低減することができる。PIは蛍光色素であるが、分子の蛍光特徴は、この研究には必要でない。PIは、FACSMicroCountシステムにおける赤色レーザーで励起することができないので、PIの蛍光特徴もまた、MicroCountバイオマス染色剤には干渉しない。
[実施例10]
およそ15,000cfu/mlの大腸菌(Escherichia coli;E. coli)を、水試料中にスパイクし、スパイクした試料を、標準的な水質試験法を使用して、FACSMicroCountにより分析した。ゲート内で3283の総カウントが、総生菌濃度として報告された。結果は、図10Aに示される。
およそ15,000cfu/mlの大腸菌を水試料中にスパイクし、5μMのPIを試料に加え、その後バイオマス染色剤を加えた。ゲート内で3067の総カウントが、総生菌濃度として報告され、結果は、PIを加えていない試料からの結果と同等であった。結果は、図10Bに示される。バイオマス染色剤は細胞浸透性の色素であるのに対し、PIは生きている大腸菌細胞に対して浸透性でないことから、PIを加えても、バイオマス染色剤による生存細菌細胞の染色には干渉しない。
本発明を特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理および用途を例示するものにすぎないことを理解すべきである。それゆえ、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、例示的実施形態に対して多数の改変がなされ得ること、および他の構成が考案され得ることを理解すべきである。

Claims (30)

  1. 生存微生物の量について試料を分析する方法であって、
    少なくとも1種の生存標的微生物の存在または不在について試験すべき試料を採取するステップと;
    前記試料を調製するステップと;
    過剰量のバックグラウンドシグナル低減分子を含む、バックグラウンドシグナルを低減する物質を加えるステップであって、前記バックグラウンドシグナル低減分子は前記微生物の生存細胞に浸透しないステップと;
    前記微生物の標的生存細胞に浸透しおよびそれを標識する核酸染色剤を加えるステップと;および、
    前記調製された試料を分析するステップと、
    を含み、
    前記バックグラウンドシグナル低減分子は、前記核酸染色剤と同様にして同様の効率で非標的粒子と結合し、
    前記バックグラウンドシグナル低減分子は、構造Y−(CH=CH)n−CH=Zを有する分子またはその塩からなる群から選択され、
    式中、Yは、
    であり、置換されているかまたは置換されていないかのいずれかであり;
    nは、0または最大約5の整数であり;
    Xは、炭素または硫黄のいずれかであり;
    1は、場合により、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、サルファイト部分、またはアルキルアミドであり、前記バックグラウンドシグナル低減分子の前記生存標的微生物中への細胞浸透性を低下させるために選択でき;
    Zは、Yと同じかまたは異なるかのいずれかである)
    からなる群から選択される、ことを特徴とする方法。
  2. 前記試料は、食物試料、環境試料、化粧品試料、および生物試料からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記バックグラウンドシグナル低減分子の濃度は、前記試料と組み合わせたとき、0.1μMから50μMであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記バックグラウンドシグナル低減分子の濃度は、前記試料と組み合わせたとき、0.1μMから10μMであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記バックグラウンドシグナル低減分子の濃度は、前記試料と組み合わせたとき、0.5μMから5μMであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記バックグラウンドシグナル低減分子は、前記核酸染色剤を加える前に、2分から1時間前記試料とインキュベートされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記バックグラウンドシグナル低減分子は、前記核酸染色剤を加える前に、2分から30分間前記試料とインキュベートされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記バックグラウンドシグナル低減分子は、前記核酸染色剤を加える前に、2分から5分間前記試料とインキュベートされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記バックグラウンドシグナル低減分子に、消光剤が付着されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記バックグラウンドシグナル低減分子は、ヘミシアニンまたは閉鎖シアニンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. nは、0または最大約3の整数であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. Yは、それに縮合したベンゼン部分;それに縮合したベンゼン部分誘導体;およびキノロン置換基からなる群から選択され、
    前記ベンゼン部分、ベンゼン部分誘導体、およびキノロンは、置換されていても置換されていなくてもよいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. nは、0または最大約3の整数であり;Xは、硫黄であり、R1は、アルキルアミドであり;Yは、それに縮合したベンゼンまたはベンゼン誘導体を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記バックグラウンドシグナル低減分子は、
    からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 前記バックグラウンドシグナル低減分子は、前記核酸染色剤と逐次的にまたは同時に加えられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 前記調製された試料は、フローサイトメトリーにより分析されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. バックグラウンドシグナル強度は、少なくとも90%低減されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. バックグラウンドシグナル強度は、少なくとも70%低減されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  19. バックグラウンドシグナル強度は、少なくとも50%低減されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  20. 試料を分析して生存微生物の量を決定する方法であって、
    少なくとも1種の標的微生物の存在または不在について試験すべき試料を採取するステップと;
    前記試料を調製するステップと;
    蛍光消光剤と共有結合により連結された核酸染色剤を加えるステップと;
    生存細胞に浸透する、消光剤を含まない核酸染色剤を加えるステップと;および、
    前記調製された試料を分析するステップとを含み、
    消光剤と共有結合により連結された前記核酸染色剤は、消光剤を含まない前記核酸染色剤と同様にして同様の効率で非標的粒子と結合し、消光剤と共有結合により連結された前記核酸染色剤は、前記微生物の標的生存細胞に実質的に浸透せず、前記蛍光消光剤は、スペクトル重複により、消光剤を含まない前記核酸染色剤の蛍光シグナルを消光し;および、
    消光剤を含まない前記核酸染色剤は、前記微生物の標的生存細胞に浸透しおよびそれを標識する、ことを特徴とする方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、さらに少なくとも1種の標的微生物の存在または不在について試料を分析する工程を含み、
    該工程が、
    前記調製された試料を、前記試料中の非標的粒子と結合するように選択される樹脂と組み合わせるステップと;
    前記核酸染色剤を前記調製された試料に加える前に、前記樹脂を、前記調製された試料から除去するステップであり、前記樹脂は、それとともに前記非標的粒子を保持するステップと、を含むことを特徴とする方法。
  22. 前記樹脂は、濾過により前記試料から除去されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 前記試料は、樹脂の使用により前記試料中の粒子状物質の少なくとも一部を除去することにより調製されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  24. 前記試料は、樹脂の使用により前記試料中の粒子状物質の少なくとも一部を除去することにより調製されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  25. 試料中の少なくとも1種の微生物を検出するためのキットであって、バックグラウンドシグナル低減分子または蛍光消光剤と共有結合により連結された核酸染色剤の少なくとも1種と;消光剤を含まない核酸染色剤とを含み、
    前記キットは任意選択的に、前記試料中の非標的粒子に結合しうる樹脂を含んでいてもよく、
    前記バックグラウンドシグナル低減分子は、消光剤を含まない前記核酸染色剤と同様にして同様の効率で前記試料中の非標的粒子と結合し、
    蛍光消光剤と共有結合により連結された前記核酸染色剤は、前記微生物の標的生存細胞に実質的に浸透せず、前記蛍光消光剤は、スペクトル重複により、消光剤を含まない前記核酸染色剤の蛍光シグナルを消光し、
    蛍光消光剤と共有結合により連結された前記核酸染色剤は、消光剤を含まない前記核酸染色剤と同様にして同様の効率で非標的粒子と結合し;
    消光剤を含まない前記核酸染色剤は、前記微生物の標的生存細胞に浸透しおよびそれを標識し、および、
    前記樹脂は、前記試料中の非標的粒子と結合するように選択される、ことを特徴とするキット。
  26. フローサイトメトリーアッセイにおけるバックグラウンドシグナル強度を低減するためのバックグラウンドシグナル低減剤であって、複合マトリックスと少なくとも1種の微生物とを含有する試料中の非標的粒子と結合するバックグラウンドシグナル低減分子を含み、
    前記バックグラウンドシグナル低減分子は、前記試料中の生存微生物の存在または不在を検出するために前記試料に加えられる核酸染色剤が前記非標的粒子と結合するのと同様にして同様の効率で、前記非標的粒子と結合し、
    前記バックグラウンドシグナル低減分子は、構造Y−(CH=CH)n−CH=Z、またはその塩の構造を有し、式中、
    Yは、
    であり、置換されているかまたは置換されていないかのいずれかであり;
    nは、0または最大約5の整数であり;
    Xは、炭素または硫黄のいずれかであり;
    1は、場合により、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、サルファイト部分、またはアルキルアミドであり、前記バックグラウンドシグナル低減分子の前記生存標的微生物中への細胞浸透性を低下させるために選択でき;
    Zは、Yと同じかまたは異なるかのいずれかである、ことを特徴とするバックグラウンドシグナル低減剤
  27. nは、0または最大約3の整数であることを特徴とする請求項26に記載のバックグラウンドシグナル低減剤
  28. Yは、それに縮合したベンゼン部分;それに縮合したベンゼン部分誘導体;およびキノロン置換基からなる群から選択され、
    前記ベンゼン部分、ベンゼン部分誘導体、およびキノロンは、置換されていても置換されていなくてもよい、ことを特徴とする請求項26に記載のバックグラウンドシグナル低減剤
  29. nは、0または最大約3の整数であり;Xは、硫黄であり、R1は、アルキルアミドであり;Yは、それに縮合したベンゼンまたはベンゼン誘導体を有することを特徴とする請求項28に記載のバックグラウンドシグナル低減剤
  30. 前記バックグラウンドシグナル低減分子は、
    からなる群から選択されることを特徴とする請求項26に記載のバックグラウンドシグナル低減剤
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