JP6399967B2 - 樹脂片の選別方法及び樹脂片の選別装置 - Google Patents

樹脂片の選別方法及び樹脂片の選別装置 Download PDF

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Description

この発明は、樹脂片の選別方法及び樹脂片の選別装置に関し、特に、不特定な形状を持ち、様々な種類の樹脂が混在する多数の樹脂片および樹脂以外の異物から特定の元素を含有する樹脂片を除去するために樹脂片を選別する方法及びその方法を用いた樹脂片の選別装置に関する。
ある物質からなる物体にX線を照射した時に、その物体が吸収するX線の量は、当該物質の含有する元素の種類と密度、および物体の厚さによって定まる。X線の吸収特性によって材質の異なる複数の物体を区別したいときは、物体の含有する元素がX線の吸収に与える影響、および、物体の厚さがX線の吸収に与える影響を考慮する必要がある。前者の影響が後者の影響に比べて大きい場合は、X線の透過率をもって物体の材質を判断することができる。例えば、食品中に含まれる金属異物を判定する場合には、X線の透過画像を取得するだけで金属異物の有無を判定することが可能である。
しかしながら、それぞれの試料の含有する元素の元素番号が近い場合は、含有元素がX線の吸収に与える影響と比較して、物体の厚さがX線の吸収に与える影響が無視できない。そのため、形状の異なる多数の物体に対して、X線の吸収量からそれぞれの物体に含有する物質を区別することは、原理的に困難である。
X線の吸収測定により、X線の吸収傾向の近い物質を内部に含む場合、例えば体組織中の骨の判定または食品中の骨異物の判定を可能にするための手法として、エネルギーサブトラクション法が知られている。エネルギーサブトラクション法では、エネルギー領域の異なる2種類のX線を用いて、それぞれのX線における吸収特性を測定し、その差分をとることで含有する物質の差異を高感度に検出することができる。具体的には、測定対象物について、低エネルギーX線による吸収特性と高エネルギーX線による吸収特性とを測定し、得られたそれぞれの透過率の自然対数をとり、適切に選ばれたパラメータによる重みづけを行った後に差分処理を行う。後述するように、重みづけの係数を適切に選択することにより、被測定物中の特定の物質について差分値が被測定物の厚みによらずに理論上ゼロとすることができるため、特定の物質とそれ以外の物質とを高感度に判別することが可能である。
エネルギーサブトラクション法を用いるには、エネルギーの異なる2種類のX線による吸収を測定する必要があり、古くは二つのX線源と二つのX線センサーが用いられていた。現在では、連続X線を発生するX線源を用いて、低エネルギーのX線と高エネルギーのX線の吸収をそれぞれ検出可能なデュアルエナジーX線センサーが使用されている。一つのX線源と一つのデュアルエナジーX線センサーを用いることでエネルギーサブトラクション法の利用が可能である。
エネルギーサブトラクション法の効果を最大限利用するには、重みづけパラメータを最適に設定する必要がある。パラメータを自動的に設定するための手法として、X線透過強度による画像を取得した後、独立成分分析を行う手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この手法によれば、画像取得、独立成分分析用の画像変換、変換した画像からパラメータを設定、異物だけを強調した画像を取得、の一連の流れを経て、判定したい物質のみを強調した画像を取得することができる。
一方、廃プラスチックのリサイクル事業においては、雑多な廃プラスチックの樹脂片から、除去対象となる、リサイクルの障害となる添加剤を含有する樹脂片および金属異物を正確に区分し、リサイクルに適した有用な樹脂片のみを選別する技術が求められている。
特開2010−91483号公報
廃家電品などから発生する樹脂材料のリサイクルプラントに、前述のエネルギーサブトラクション法の手法を適用して、リサイクルに適さない添加物を含む樹脂材料と区別して有用な樹脂材料を選別しようとする場合には、次のような点を考慮する必要がある。
1.選別作業の対象物となる樹脂片は、様々な添加材料を含む樹脂製部品を破砕した樹脂片が混合されたものである。選別作業において除去したい添加材料の種類が幅広い。
2.搬送装置上に不規則に並んだ状態の多数の樹脂片について個別に判定を行うため、同時複数処理を高速に行う必要がある。
樹脂材料のリサイクル利用に障害となる添加物としては、たとえば、ガラス繊維および臭素系難燃剤がある。工業的には、これらの性質の異なる添加物を含有する樹脂を、一つの装置で判定し、除去する必要がある。
また、複数の樹脂片の同時選別を高速に実行するためには、画像診断のような高度な処理を用いることは適切ではない。そのため、対象となる樹脂片の測定値ごとに、エネルギーサブトラクション法によって計算した差分値を直接用いて選別する必要がある。本願の発明者は、除去すべき添加材料が複数種類存在し、それぞれの添加材料を構成する元素のX線に対する吸収傾向が異なる場合に、予め設定した閾値との比較による判定によって、正確な判別が出来ない場合があることを見出した。
特に、樹脂材料のリサイクル工場における選別作業に、エネルギーサブトラクション法を適用する場合には、被測定対象異物として金属が含まれるケースもあるため、上記の問題の影響はより大きいと考えられる。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、多種の素材を含む樹脂片が混ぜ合わされた中から、リサイクル可能な樹脂片と、リサイクルに適さない樹脂片および樹脂以外の異物とを高速に区分してリサイクル可能な樹脂片を選別するための選別方法、およびその方法を用いて樹脂片を選別するための選別装置を提供することを目的とする。
なお、ここで選別とは、リサイクル利用が可能などの理由により有用と判断されるもの(利材)を選び出す行為を指すものとする。
この発明の樹脂片の選別方法は、樹脂片にエネルギー範囲の異なる第1のX線と第2のX線とを含むX線を照射して、樹脂片を透過した第1のX線の強度である第1透過強度と、樹脂片を透過した第2のX線の強度である第2透過強度とを測定するX線検査工程と、第1透過強度を用いて、樹脂片が有用な樹脂片の候補であるか否かを判定する第1判定工程と、第1判定工程によって、有用な樹脂片の候補であると判定された樹脂片について第1透過強度と第2透過強度とから得られた差分値を用いて、有用な樹脂片であるか否かを判定する第2判定工程と、第2判定工程の判定結果に基づいて有用であると判定された樹脂片の収集を行う収集工程とを備える。
また、この発明の樹脂片の選別装置は、樹脂片を搬送する搬送部と、樹脂片にエネルギー範囲の異なる第1のX線と第2のX線とを含むX線を照射するX線照射部と、樹脂片を透過した第1のX線の強度である第1透過強度と、樹脂片を透過した第2のX線の強度である第2透過強度とを測定する透過X線強度測定部と、第1透過強度を用いて、樹脂片が有用な樹脂片の候補であるか否かを判定する第1判定部と、第1判定部によって、有用な樹脂片の候補であると判定された樹脂片について第1透過強度と第2透過強度とから得られた差分値を用いて、有用な樹脂片であるか否かを判定する第2判定部と、第2判定部の判定結果に基づいて、樹脂片を選別して収集する選別部とを備える。
この発明の樹脂片の選別方法によれば、X線の透過強度を測定し、第一段階として第1判定工程によって判定した後、第二段階としてエネルギーサブトラクション法を用いる第2判定工程によって判定を行うことで、回収したい樹脂片と、除去したい樹脂片や金属などの異物とを高速に判別することができる。また、樹脂片に含まれる元素が複数である場合においても高い精度で判定を行って樹脂片を選別することができる。
この発明の実施の形態1における、有用な樹脂片と除去対象物の判定のための判定フローチャートである。 この発明の実施の形態1における、低エネルギーX線の透過強度と樹脂片の厚さの関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る判定方法を説明するための、第1判定工程を経た後の測定対象物についての差分値と厚さの関係を示す図である。 この発明の実施の形態1の判定方法を説明するための、差分値Sと測定対象物の厚さの関係を示す図である。 この発明の実施の形態2における、有用な樹脂片と除去対象物の判定のための判定フローチャートである。 この発明の実施の形態2における、低エネルギーX線の透過強度に設定した領域1の例を示す図である。 この発明の実施の形態2における、差分値に設定した領域2の例を示す図である。 この発明の実施の形態2における、低エネルギーX線の透過強度に対する閾値1の調整方法を示す図である。 この発明の実施の形態2における、差分値パラメータの自動調整を説明するための低エネルギーX線の透過強度と差分値の関係を示す図である。 この発明の実施の形態2における、差分値パラメータの自動調整を説明するための、低エネルギーX線の透過強度と差分値の関係を示す図である。 この発明の実施の形態3における、有用な樹脂片と除去対象物の判定のための判定フローチャートである。 この発明の実施の形態3における、低エネルギーX線の透過強度と樹脂片の厚さの関係を示す図である。 この発明の実施の形態3における、差分値Sと樹脂片の厚さの関係を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る選別装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態5に係る選別装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態6に係る選別装置の構成を模式的に示す図である。
以下、図面を用いて発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は選別対象として廃プラスチックからリサイクルに利用する樹脂片を選別するのに用いる場合に特に効果的なものであるため、以降においては選別対象として廃プラスチックの樹脂片を用いる場合の例を説明する。
実施の形態1.
家電製品等に用いられているプラスチック素材は、強度を高めるためにガラス繊維を含有しているもの、または難燃性を付与するために難燃剤を添加しているものが多く使用されている。廃家電品等から廃プラスチックを回収して、再度、プラスチック素材として利用するには、これらの添加物を含有するプラスチックからなる樹脂片を除外して、有用なプラスチック材料からなる樹脂片だけを選別する必要がある。ここでは、リサイクルにおいて障害となる添加剤等を含有しておらず、リサイクルに利用するために選別されることが望ましい樹脂片を「有用な樹脂片」と称する。なお、本明細書における「添加剤」は、樹脂の主要な構成要素である元素番号の小さな元素(ここでは、水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)とする)以外の元素を有する添加剤を指している。また、添加剤の含有量が僅かであればリサイクルに利用できるため、有用な樹脂片として取り扱っても良い。
樹脂片がガラス繊維を含有する場合には、相対的に低エネルギーのX線の吸収率に比して、相対的に高エネルギーのX線の吸収率が低いケイ素(Si)のような元素を含有している。以降、このような樹脂片をX線吸収小異物と称する。
また、難燃剤は、臭素(Br)のような元素を添加剤として含有するため、相対的に低エネルギーX線の吸収率に比して相対的に高エネルギーX線の吸収率も低下しない。また、金属そのものからなる異物もX線吸収が大きいことは言うまでもない。以降、臭素が添加された樹脂片と金属片とを総称してX線吸収大異物と称する。X線吸収小異物とX線吸収大異物とを総称して除去対象物と称することにする。
図1は、本発明を実施するための実施の形態1における、有用な樹脂片と除去対象物の判定のための判定フローチャートを示す図である。
まず、ステップS11において、X線照射部が、被測定対象に、互いにエネルギー範囲の異なる低エネルギーX線と高エネルギーX線とを照射し、それぞれの透過強度IH,ILをX線センサーによって取得する。すなわち、ステップS11はX線検査工程である。ここで、低エネルギーX線と高エネルギーX線は、連続X線スペクトル中の異なる波長領域を用いることができる。理想的には、それぞれのX線の透過強度の測定が、同一の点、同じタイミングで行われることが望ましい。X線照射部によって、連続X線を発生するX線源を用いてX線を照射し、低エネルギーのX線の透過強度ILと高エネルギーのX線の透過強度IHとを同時に測定することのできるX線センサーを用いることにより、上記の測定が可能になる。このようなX線センサーとしては、例えば2種類のシンチレータ付きフォトダイオードアレイを上下二段に組み合わせた構造を有するものがある。上段のアレイが低エネルギーX線を検出し、下段のアレイが上段を透過した高エネルギーX線を検出する。
次に、ステップS12において、シーケンサなどの制御装置が、低エネルギーX線の透過強度ILを、あらかじめ設定した閾値1と比較する(第1判定工程)。ここで、閾値1の設定方法としては、既知の有用な樹脂片が取りうる最大の厚さをもつ有用な樹脂片群について、あらかじめX線透過強度を測定しておき、すべての有用な樹脂片のX線透過強度よりも低い値を閾値1として設定する方法を用いる。このように設定された閾値1を用いると、すべての有用な樹脂片について、X線透過強度は閾値1よりも高い値をとる。
制御装置が、X線透過強度ILと閾値1とを比較した結果、X線透過強度ILが閾値1よりも小さければ(S12:YES)、処理がステップS31に進む。
ステップS31において、制御装置が、被測定対象を除去対象物と判定する。
X線透過強度ILが閾値1以上であれば(S12:NO)、制御装置が、被測定対象を有用な樹脂片の候補と判定する。添加剤を含有しない樹脂片は、元素番号の小さい元素から構成されているため、同じ厚さの樹脂片で比較した場合、それ以外の元素を添加剤中に含む樹脂の方がX線をより多く吸収する。
図2は、低エネルギーX線の透過強度と樹脂片の厚さとの関係を示す図であり、閾値1に対する判定方法を示している。図2は、原理検証を行うために行った実験の結果を示している。図2の横軸は測定対象物となる樹脂片の厚さを示し、図2の縦軸は低エネルギーX線の透過強度を示している。ここでは、被測定対象が無い時のX線の透過強度(入射強度)を4095と設定している。丸で示した点は有用な樹脂片での結果を、三角で示した点はX線吸収小異物での結果を、四角で示した点はX線吸収大異物での結果を示す。それぞれの点は、各種の被測定対象について厚さを1mmずつ増加させた時の値を示しており、同種の測定対象物の結果が実線で結ばれている。
図2の測定では、有用な樹脂片は添加剤を含有していない。X線吸収小異物としてはガラス繊維(元素としてはSiを含有する)を添加剤として含有する樹脂を使用し、X線吸収大異物としては臭素系難燃剤(元素としてはBrを含有する)を5wt%含有する樹脂を使用した。また、X線源にはタングステンターゲットのX線管を用い、管電圧50kVでX線を発生させている。タングステンターゲットは、高強度の連続X線を発生可能であり、本願の用途に対して適切なX線源である。その他、管電圧50kV以下で連続X線だけでなく特性X線も発生するような、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)等のターゲットも、測定対象物の吸収帯を考慮した上で利用することが可能である。
図2において、横軸方向に記載された破線は、事前に設定した閾値1を示している。制御装置は、閾値1よりも低いX線透過強度を有する被測定対象を除去対象物と判断し、閾値1以上のX線透過強度を有する被測定対象を選別対象物の候補と判断する。なお、閾値1のX線透過強度を有する被測定対象を除去対象物と判断してもよい。
廃プラスチックを原料とする樹脂片の場合、樹脂片のサイズは均一ではなく、素材となるプラスチックの種類も数種類にわたるため、実際の透過強度値は様々な要因に基づくばらつきを有する。そのため、閾値1を低く設定すれば有用な樹脂片の回収率が上昇するものの、X線透過強度の高い、厚みの小さい除去対象物が混入する結果となる。一方、閾値1を高くすると、有用な樹脂片の回収率が低下するが、多くの除去対象物を除去することが可能である。
すなわち、図2から明らかなように、X線透過強度の判定では除去できない除去対象物が存在する。これは、X線の吸収が、測定対象物の含有元素だけでなく測定対象物の厚さにも影響されるためである。被測定対象がステップS12で除去対象であると判定されなかった場合、処理が、ステップS13の差分値の計算ステップへと進む。
ステップS13において、制御装置は、ステップS11で取得した低エネルギーのX線透過強度ILと高エネルギーのX線透過強度IHとを用いて、エネルギーサブトラクション法による差分値Sを計算する。ここで、差分値の計算方法を具体的に説明する。
測定対象物の低エネルギーX線透過強度をIL、高エネルギーX線透過強度をIH、低エネルギーX線に対する減弱係数をμL、高エネルギーX線に対する減弱係数をμH、照射X線の強度をI0、測定対象物の厚さをtとおくと、次の式(1)、式(2)の関係が成立する。図2は、式(1)におけるtを横軸、ILを縦軸に表したものである。
Figure 0006399967
Figure 0006399967
式(1)、式(2)の両辺について自然対数をとると、下記の式(3)、式(4)となる。
Figure 0006399967
Figure 0006399967
式(3)、式(4)のそれぞれの値について、任意定数である差分値パラメータを乗じて差分をとったときの値を差分値と呼ぶ。差分値パラメータをk、差分値をSとおくと、下記の式(5)により差分値が求められる。
Figure 0006399967
差分値Sを実際に計算するためには、事前に差分値パラメータkを設定しておく必要がある。式(5)から分かるとおり、差分値Sは測定対象物の密度や含有元素という材質に依存する減弱係数から計算される項(μL−k・μH)と厚さtの項との積であり、基本的にはX線透過強度と同様に、厚さtの影響を受ける値である。しかし、(μL−k・μH)が0となるkの値を設定した時については、測定対象物の厚さtに関わらず、S=0とすることができる。有用な樹脂片について、S=0となるようにkを設定することで、理論的にはS=0以外の値をとるものを除去対象物であると判定することが可能となる。差分値パラメータkの設定方法の例としては、あらかじめ、既知の有用な樹脂片について低エネルギーX線透過強度と高エネルギーX線透過強度を複数測定しておき、差分値Sの平均値が最も0に近い時の値を設定する方法が挙げられる。
このようにして計算した差分値Sを、差分値用の閾値2と比較する2段目の判定(第2判定工程)がステップS14である。閾値2の設定方法として、閾値1の場合と同様に、あらかじめ既知の有用な樹脂片について、上記のように事前に設定した差分値パラメータkを用いて差分値Sの計算を行い、すべての有用な樹脂片の差分値Sよりも小さい値を閾値2と設定する方法を用いる。
図3は、第1判定工程を経た後の測定対象物についての差分値と厚さの関係を示す図であり、ステップS14において測定対象物の差分値Sと閾値2とを比較したときの状況を示している。図3において、横軸は測定対象物の厚さ、縦軸は差分値Sである。図2と同様、丸で示した点は有用な樹脂片での結果を、三角で示した点はX線吸収小異物での結果を、四角で示した点はX線吸収大異物での結果を示す。X線吸収小異物、X線吸収大異物の点の内、厚さの厚い点に関しては、既にステップS12において判定が終了しているため、図3には記載していない。有用な樹脂片の点が示している通り、前述の方法で設定した差分値パラメータを用いると、有用な樹脂片の差分値Sは有用な樹脂片の厚さに依存せず、0付近の値を取る。したがって、図3中に点線で示したように閾値2を設定することで、有用な樹脂片と除去対象物とを高感度に判定することが可能である。
ステップS14において、制御装置が、測定対象物の差分値Sと閾値2とを比較した結果、測定対象物の差分値Sが閾値2よりも小さければ(S14:YES)、処理がステップS31に進む。測定対象物の差分値Sが閾値2以上であれば(S14:NO)、処理がステップS32に進む。
ステップS31において、制御装置が、被測定対象を除去対象物と判定する。
ステップS32において、制御装置が、被測定対象を有用な樹脂片であると判定する。なお、閾値2上の値をどちらに区分するかは適宜決定すればよい。
有用な樹脂であるかどうかの判定後、有用な樹脂は収集されて回収される(収集工程)。除去対象物については、有用な樹脂と区分して除去される。
ここで、何故、差分値のみを異物判定に使用するのではなく、実施の形態1のような二段階の判定を経て選別を行う必要があるのかについて詳しく述べる。
従来は、図1のステップS13〜S14、つまり差分値による判定だけで、有用な樹脂片と除去対象物とを判定することが可能であると考えられていた。ところが、本願発明者は、測定対象物がリサイクルを目的とした廃プラスチックのように、除去対象物の含有する元素が多岐にわたる場合、差分法による判定だけでは誤判定が生じることに着目した。
図4は、本実施の形態1の判定方法を説明するための、差分値Sと測定対象物の厚さの関係を示す図である。図4において、横軸が測定対象物の厚さを示し、縦軸が測定対象物の低エネルギーX線透過強度ILと、高エネルギーX線透過強度IHから計算した差分値Sを示す。また、丸で示す点は有用な樹脂片、三角で示す点はX線吸収小異物、四角で示す点がX線吸収大異物のデータを示し、閾値2の位置を破線で示している。
図4からわかるとおり、X線吸収小異物とX線吸収大異物とでは差分値の厚さに対する応答が異なる。このため、測定対象物の差分値が閾値2以下の場合を除去対象物であると判定すると、特にX線吸収大異物に関して誤判定が生じる。ここで、誤判定が生じる原因を説明する。
差分値Sは式(5)から、−(μL−k・μH)の項とtの項の積である。従って、図4のような厚さtに対する応答の違いは、−(μL−k・μH)の正負が異なる場合に発生する。−(μL−k・μH)の項のうち、kの値は有用な樹脂片を基準として設定する値である。μの値は被測定対象によって異なる。有用な樹脂片についてのμの値をそれぞれμ0Lとμ0Hとおく。有用な樹脂片について−(μL−k・μH)の項が0となるようにkの値を設定すると、次の式(6)が成り立つ。
Figure 0006399967
従って、−(μL−k・μH)は−{μL−(μ0L/μ0H)μH}となることから、測定対象物が、μL/μH > μ0L/μ0Hである場合は、差分値Sの厚さtに対する変化の傾きは負となる。これは、図4においてはX線吸収小異物に相当する。また、ある被測定対象が、μL/μH < μ0L/μ0Hである場合は差分値Sの厚さtに対する変化の傾きは正となる。これは、図4におけるX線吸収大異物に相当する。
X線吸収小異物は、μL/μH > μ0L/μ0Hの特性を満たすということは、X線吸収小異物と高エネルギーX線の吸収量の同じ有用な樹脂片があるとき、X線吸収小異物は有用な樹脂片よりも低エネルギーX線の吸収量が多いことを意味する。前述のように、X線吸収小異物は有用な樹脂片に含まれる含有元素よりも原子番号が大きい元素も含有している。従って、測定対象物が、照射しているX線のうち、低エネルギーX線用のX線センサーが反応する領域に大きな吸収を持ち、高エネルギーX線用のX線センサーが反応する領域では、吸収が小さい場合に、差分値Sの厚さtに対する変化の傾きが負となる。
逆に、X線吸収大異物はμLH< μ0L/μ0Hの特性を満たす。この式は、X線吸収大異物と低エネルギーX線吸収量の同じ有用な樹脂片があるときに、X線吸収大異物は高エネルギーX線吸収量が有用な樹脂片よりも多い事を意味する。X線吸収大異物はX線吸収小異物よりも原子番号の大きい元素を含有しており、原子番号がより大きな元素は、より大きなエネルギーのX線に吸収を示す。従って、測定対象物が、照射しているX線のうち高エネルギーX線用のX線センサーが検知するX線エネルギー範囲に、大きな吸収を持つ場合に、差分値Sの厚さtに対する変化の傾きが正となる。
実施の形態1による異物の判定方法は、異物に含有される元素の幅が広い場合に必要となるものであり、差分値Sによる誤判定を避けるため、特に測定対象物の厚さtが大きい領域での判定を低エネルギーX線の透過強度にて行い、その上で差分値Sによる判定を行うことで選別の精度を高めることが可能となる。
樹脂のリサイクルにおいては、リサイクルしたい樹脂と異物とを区別しようとする場合、異物としてガラス繊維を10wt%以上含有するような樹脂と、臭素系難燃剤を1〜10wt%含有するような樹脂が混在する。廃プラスチックには、シリコン(Si)や臭素(Br)の他、塩素(Cl)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)など、含有されている可能性のある元素は多岐にわたるため、選別の精度を高めるには本実施の形態の方法が有効である。
更なる実験の結果、この方法により、塩化ビニル樹脂のような塩素系樹脂などを異物として除去する場合にも、除去対象異物の判定が可能であることを確認した。上述のように、本発明は、各種の添加物を含む廃プラスチック片に対して、一つの装置で選別判定を行うことが可能となる利点がある。また、選別の精度が向上することで、回収量を損なわずに回収物の品質を向上することが可能となる。
実施の形態2.
本実施の形態2においては、実施の形態1に記載した判定方法に加え、閾値1、閾値2、および差分値パラメータkの逐次調整を行う判定方法を用いる。
図5は、実施の形態2における、有用な樹脂片と除去対象物の判定のための判定フローチャートである。ステップS21、S23、S25、S30はそれぞれ実施の形態1で述べた図1のステップS11、S12、S13、S14に相当し、それぞれの機能は共通している。
本実施の形態2の方式では、制御装置が、上記判定に使用する閾値1、閾値2、差分値パラメータkの他に、X線の透過強度について領域1を、差分値Sについて領域2を新たに事前設定する。領域1は、有用な樹脂片が取りうる低エネルギーX線の透過強度の範囲として設定するものである。
図6は、低エネルギーX線の透過強度に設定した領域1の例を示す図であり、図2と同じグラフ上に領域1の範囲をX線透過強度に対応する二本の破線間の領域(矢印で示される範囲)で示している。領域1の範囲は、有用な樹脂片であることを判断するために設けるものであり、閾値1と類似した基準である。しかしながら、領域1は閾値1で判定される樹脂片よりも多くの樹脂片を有用な樹脂片と判断することを許容するものである。例えば、リサイクル工場のラインにおいて、ロットごとに樹脂片の構成が変化するなどの要因によって透過強度の値が変動しても、常に有用な樹脂片を含む範囲に設定することが望ましい。また、後述するように、領域1は樹脂片の選別のための判定基準として用いるものではない。
さらに、領域2は、有用な樹脂片が取りうる差分値の範囲として設定するものである。図7は、差分値に設定した領域2の例を示す図であり、領域2の設定例を図4と同じグラフに記載したものである。領域1と同様に、領域2は閾値2で判定される樹脂片よりも多くの樹脂片を有用な樹脂片と判断することを許容するものである。領域1、領域2に包含されるかどうかの判断結果は、閾値1、閾値2、および差分値パラメータkの逐次調整のために用いられる。
次に、図5のステップ動作について説明する。
ステップS21において、X線照射部が、被測定対象に、互いにエネルギー範囲の異なる低エネルギーX線と高エネルギーX線とを照射し、それぞれの透過強度IH,ILをX線センサーによって取得する。
ステップS22において、制御装置が、S23で閾値1と比較することに使用するX線の透過強度ILについて、事前に設定した領域1の範囲に含まれる値であるかどうかを確認する。X線の透過強度ILが領域1に含まれる値であれば(S22:YES)、処理がステップS24に進む。
ステップS24において、制御装置が、フラグAをONとする。その後、処理がステップS25に進む。なお、本実施の形態で用いる制御装置は、上述の測定値や設定値を記憶する記憶部を備えている。ステップS22において、X線の透過強度ILが領域1内でないと判定された場合は、処理がステップS23に進む。
ステップS23において、制御装置が、X線の透過強度ILと閾値1との比較による第1判定工程を行う。ステップS23において、X線の透過強度ILが閾値1以上と判定された場合は、処理がステップS25に進み、X線の透過強度ILが閾値1未満と判定された場合は、処理がステップS31に進む。
ステップS25において、制御装置が、ステップS21で取得した低エネルギーのX線透過強度ILと高エネルギーのX線透過強度IHとを用いて、エネルギーサブトラクション法による差分値Sを計算する。
ステップS26において、制御装置が、得られた差分値が事前に設定した領域2の範囲に含まれる値であるかどうかを確認し、差分値が領域2に含まれる値であれば、フラグBをONとする。
ステップS27において、制御装置が、フラグAとフラグBの両方がONである場合に、S21で測定した値を記憶部に配列として記憶する。なぜなら、フラグAとフラグBの両方がONである場合は、有用な樹脂片である蓋然性が高いからである。
ステップS28において、制御装置が、S27で記憶したデータを用い、閾値1、差分値パラメータk、および閾値2の再設定を行う。
ステップS29において、制御装置が、X線の透過強度ILと閾値1との比較による第1判定工程を再度行う。ステップS29において、X線の透過強度ILが閾値1以上と判定された場合は、処理がステップS30に進み、X線の透過強度ILが閾値1未満と判定された場合は、処理がステップS31に進む。
ステップS30において、制御装置が、測定対象物の差分値Sと閾値2との比較による第2判定工程を行う。制御装置が、測定対象物の差分値Sと閾値2とを比較した結果、測定対象物の差分値Sが閾値2よりも小さければ(S30:YES)、処理がステップS31に進む。測定対象物の差分値Sが閾値2以上であれば(S30:NO)、処理がステップS32に進む。
ステップS31において、制御装置が、被測定対象を除去対象物と判定する。
ステップS32において、制御装置が、被測定対象を有用な樹脂片であると判定する。
ここで、閾値1、差分値パラメータk、および閾値2の再設定方法の詳細を説明する。S28における再設定は、複数の測定対象物についてS27で記憶したデータに基づいて行われる。再設定を行うタイミングは、例えば測定対象物1000個分など、事前に設定した個数分だけS27で記憶したデータが溜まった時点ごとでも良いし、判定を行うごとに、判定を行った被測定対象から事前に設定した個数分だけ前までのデータを用いて、逐次行っても良い。いずれの場合にしても、ステップS27で記憶したデータが一定数蓄積していない限り、ステップS28の動作は行わない。
図8は、低エネルギーX線の透過強度に対する閾値1の調整方法を説明するための図である。図8において、有用な樹脂片としてポリプロピレン樹脂片試料を用いて得られた測定値が、横軸にX線透過強度、縦軸に差分値としたグラフ上にプロットされている。
グラフ中で有用な樹脂片の取る値がまばらになっているのは、樹脂片毎の固体差が存在するためである。閾値1の調整では、図8の横軸の値に着目し、閾値1を上下させる(図8では左右方向に移動)ことにより、閾値1以上となるデータ数の全体に対する割合を調整することができる。例えば、閾値1よりすべての樹脂片のX線透過強度が上となるような調整を行えば、最大の収率を選択することができる。一方、一定割合のデータが閾値1より小さくなるように設定することによって、有用な樹脂片の品質を高めることができる。
閾値1を計算により自動的に調整する方法の具体例として、有用な樹脂片を除去対象物と判定する割合である誤判定率を設定する方法について述べる。例えば、許容する誤判定率を1%に設定したとすれば、領域1内に含まれたX線透過強度データのうち、閾値1より下の値の数が1%となるように設定する。誤判定率を0%とする場合は、領域1内にあるX線透過強度データのうち、最小の値を閾値1とする。そのほか、計算による閾値1の自動的な調整方法の例としては、図8に示すような有用な樹脂片のX線透過強度の最小値に対して、例えばX線透過強度値の一定値(例えば、50〜100の値)だけ下げた値を閾値1とし、判定精度に余裕を持たせる方法などがある。
また、反対に除去対象物を有用な樹脂片と誤判定する割合を小さくするため、X線透過強度の最小値より一定値(例えば、50〜100の値)だけ高い値を閾値1とすることができる。
このように、X線透過強度値の測定誤差を考慮して多数のデータを記憶しながら、適宜閾値1を調整することによって、リアルタイムで選別品の品質を管理することができる。
次に、差分値パラメータkの再設定について述べる。図9は、差分値パラメータkの自動調整を説明するための、低エネルギーX線の透過強度ILと差分値の関係を示す図である。
図9(a)では、図8で用いたものと同じデータの各点から計算した近似直線を破線で示している。図9(b)は差分値パラメータを再設定した状態を示している。差分値パラメータは、有用な樹脂片についてグラフの各点の縦軸の値が0に近い値であるものが最適値となるため、図9(b)のように、近似直線が0近傍で水平になることが望ましい。したがって、横軸をX線透過強度、縦軸を差分値として各値をプロットした場合の近似直線を計算し、その傾きが最も0に近い時の差分値パラメータkを最適値として自動的に設定することができる。
ここで、差分値パラメータkを自動で再設定するための具体的な手法の例を説明する。記憶したすべての低エネルギーX線透過強度の相乗平均値を算出し、同様に、前述の記憶部に記憶した高エネルギーX線透過強度の相乗平均値を算出する。それぞれの相乗平均値について、被測定対象が無い時のX線の透過強度値で除した後、それぞれの自然対数を取る。
低エネルギーX線透過強度による計算値を、高エネルギーX線透過強度による計算値で除した値を差分値パラメータとして再設定する。低エネルギーX線透過強度の相乗平均値をILGM、高エネルギーX線透過強度の相乗平均値をIHGM、被測定対象が無い時のX線透過強度をI0とすると、再設定する差分値パラメータkは次の式(7)で計算される。
Figure 0006399967
次に、記憶したX線透過強度値と、再設定した差分値パラメータkを用い、閾値2の再設定を行う。図10は、低エネルギーX線の透過強度と差分値の関係および、閾値2の再設定の方法を説明するための図である。図10には、図9(b)と同じデータを示しており、記憶したそれぞれのX線透過強度について、再設定した差分値パラメータkを用いて差分値を計算したものである。再計算の後、閾値1の再設定と同様に、閾値2の調整を行う。閾値2を自動で調整する方法は、閾値1の場合と同様、事前に許容誤判定率を設定しておき、その許容誤判定率を満たすように閾値2を設定する方法や、差分値の最小値についてマージンを持たせた値にすればよい。
これまで述べたように、領域1、領域2を設定することにより、閾値1、閾値2に関して、除去対象物をすべて除去すると判定せずに、ある割合分だけ除去するように設定して回収率を上げるなど、有用な樹脂片が取りうる値を超えて設定することが可能となる。
また、本実施の形態2の手法により、閾値と差分値パラメータの逐次調整を行うことで、測定対象物の材質について時間ごとや日ごとに分布が異なるような場合に、その材質変動が判定精度に与える影響を抑えることが可能となる。特に、廃プラスチックを破砕した樹脂片を被測定対象とする場合、除去対象物だけではなく、回収対象の有用な樹脂片の特性分布は一定に制御されたものではないため、上述の判定方法により判定精度の向上を図ることができる。
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1および2の判定方法に加えて、別途、測定対象物の厚さについての情報を取得し、判定にフィードバックすることで、さらに高精度な選別を可能とする異物判定方法に関するものである。ここでは、実施の形態1に追加する形で説明する。
図11は、本実施の形態3における、有用な樹脂片と除去対象物の判定のための判定フローチャートである。図1と比較すると、ステップS44はステップS11、ステップS45はステップS12、ステップS46はステップS13、ステップS47はステップS14にそれぞれ相当する。
最初に、ステップS41にて、レーザー型厚さ測定器などを用いて測定対象物の厚さ測定を行う。
ステップS42では、測定した厚さに従い、被測定対象を区分する。例えば、厚さ1mm未満をT1、1mm以上3mm未満をT2、というように予め決めておいた複数の区分のいずれかに当てはめる。区分ごとに、図1のフローチャートで用いた閾値1、閾値2、および差分値パラメータの値を事前に設定することによって、測定対象物の厚さに応じた値を割り当てることが出来る。図12は、実施の形態3における、低エネルギーX線の透過強度と樹脂片の厚さの関係を示す図である。図12において、破線で表された閾値1は区分毎に異なる値をもつため、厚さに対して階段状の関数となっている。
実施の形態1で述べたように、エネルギーサブトラクション法による差分値Sは、有用な樹脂片については、厚さにかかわらない値となるが、除去対象物については厚さに従って変化する。また、実施の形態2で述べたように、有用な樹脂片の差分値も、個体差によりばらつきが存在する。このため、閾値2についても、閾値1の場合と同様に厚さの区分毎に異なる値を設定することで、特に厚さの厚い樹脂片について、有用な樹脂片の個体差によるばらつきを許容し、有用な樹脂片の収率を増加させることが可能となる。
図13は実施の形態3における、閾値2を測定対象の厚さに応じて設定した場合の、差分値と樹脂片の厚さの関係を示す図である。理解を容易にするため、有用な樹脂片とX線吸収小異物の値のみを示し、第1判定工程で除去される領域にある異物についてもプロットしている。ここで、上記の通り有用な樹脂片の差分値は厚さにかかわらない値であるため、閾値2に関しては、樹脂片の厚さによらず一定としても良い。1つの各区分の厚みをどの程度にするかは、1つの被測定対象を測定するのに要する時間、および厚さ測定の精度による。測定対象物の厚さが均一であり、誤差0.1mm以下の精度で測定できるのであれば、差分値を用いることなく、X線透過強度のみの測定で異物判定が可能となるが、被測定対象として破砕した樹脂片を適用する場合、被測定対象は樹脂片ごとの厚さが均一ではない。本発明は、このような事情に対して成されたものであるが、本実施の形態3においては、X線検査工程に先立って厚さ測定を行うことにより、厚みのばらつきが大きい場合においても正確な選別を行うことが可能になる。
ステップS43において、ステップS42で判定した区分に従い、制御装置は、閾値1と、閾値2と、差分値パラメータkとを選択する。例えば、制御装置は、閾値1について、被測定対象の区分T1に対して閾値1−1、被測定対象の区分T2に対して閾値1−2のように選択する(図示せず)。制御装置は、閾値2について、被測定対象の区分T1に対して閾値2−1、被測定対象の区分T2に対して閾値2−2のように選択する(図示せず)。制御装置は、差分値パラメータについて、被測定対象の区分T1に対してk1、被測定対象の区分T2に対してk2のように選択する(図示せず)。
以降のステップS44〜S49の処理は、図1のステップS11〜S14、S31、S32の処理と同様なので、説明を繰り返さない。
図11で示した判定の手順のうち、ステップS44以降のステップに関しては、実施の形態2で説明した図5の判定の手順を用いることも可能である。その場合、S27で保管するX線透過強度について、S42で判定した区分ごとに記憶する領域を変更する。
28で閾値1、閾値2、差分値パラメータの再設定を行う場合、再設定の計算に用いるデータは同じ区分の値のみとする。制御装置は、例えば、樹脂片3の厚さの段階Tiのデータを用いて、閾値1−i、閾値2−i、差分値パラメータkiを算出する。
図2に示したとおり、X線の透過強度は測定対象物の厚さに依存して変化し、図4に示したように、除去対象物の差分値も厚さに依存して変化するため、実施の形態3による判定方法を導入することで、有用な樹脂片や除去対象物の個体差によるばらつきの影響の抑制が可能となるため、選別のための判定精度の向上を図ることができる。
実施の形態4.
この発明に係る実施の形態4においては、実施の形態1で説明した判定方法を利用し、異物判定除去対象物を含んだ大量の廃プラスチック片から有用な樹脂片の選別を高速に行うことが可能な選別装置について説明する。
図14は、本発明の実施の形態4に係る選別装置の構成を模式的に示す図である。選別装置100は、廃プラスチックの樹脂片3を搬送部2に供給する供給部1、樹脂片3にX線を照射するX線照射部4、樹脂片3を透過したX線を検出するX線検出部5、制御部6、および選別した樹脂片を選別する選別部7を備える。
次に、選別装置100の動作について詳細に説明する。
まず、測定対象物である樹脂片3を、ホッパーとフィーダーから構成される供給部1によって、ベルトコンベヤーなどで構成される搬送部2上へと供給する。なお、搬送部2は単なるスライダや滑走台であってもよい。樹脂片3は有用な樹脂片と除去対象物の混合物である。搬送部2によって搬送された樹脂片3に対して、搬送部2の下流の上部に設置されたX線源からなるX線照射部4下で、X線が照射される。樹脂片3を透過したX線を、X線照射部4の真下に設置したデュアルエナジーX線センサーで構成されるX線検出部5によって検出する。このデュアルエナジーX線センサーは搬送部2と同等程度の幅を持つライン状のセンサーであり、複数の画素によって、直線上の複数点のX線強度を検出することが可能である。従って、樹脂片3は、搬送部2上において、搬送方向と垂直な方向に複数並んだ状態で搬送されても良い。樹脂片3は、搬送部2から空中へと放出されてX線照射部4とX線検出部5とに挟まれた空間を通過する。X線検出部5にて検出した信号は、制御部6に送信される。制御部6が、樹脂片3が有用な樹脂片であるか除去対象物であるかを判定する。
ここで、制御部6における判定の詳細について説明する。判定の手順は図1に示すフローチャートの手順のとおりである。X線検出部5では、ライン状に並んだ複数画素によって、複数点のX線強度を同時に取得できるため、以下に説明する判定の手順はX線検出部5の画素1つずつの測定データに対して独立の処理を行うものである。まず、数値取得部601は、X線検出部5が取得したデータからエネルギーX線透過強度値ILと高エネルギーX線透過強度度IHとを取得する。数値取得部601が数値データを取得する際には、別途、ノイズ低減のための平滑化処理などを加えても良い。
第1判定部602が、取得した低エネルギーX線透過強度ILと、設定部605にて設定された閾値1とを比較する。第1判定部602は、低エネルギーX線透過強度ILが閾値1よりも低い場合は、樹脂片3が去対象物であると判定して、出力部606に信号を送信する。閾値1の設定方法は実施の形態1で説明したとおりである。
第1判定部602は、樹脂片3が除去対象物であると判定しなかった場合は、数値取得部601で取得した数値を計算部603へと送信する。計算部603は、送信された数値と、設定部605にて事前に設定された差分値パラメータkをもとに、式(5)を用いて差分値Sの計算を行い、結果を第2判定部604に送信する。
第2判定部604は、計算部603から送られた差分値と、設定部605にて事前に設定された閾値2とを比較する。第2判定部604は、比較の結果、計算部603での計算結果である差分値が閾値2よりも小さい場合は、樹脂片3が除去対象物であると判定し、出力部606に信号を送信する。第2判定部604は、差分値Sが閾値2以上の場合は、樹脂片3が有用な樹脂片であると判定し、出力部606へ信号を送信しない。出力部606は、第1判定部602または第2判定部604から信号が送られてきたときに、選別部7へと除去信号を送信する。
選別部7は、出力部606から除去信号が送信されたときに、樹脂片3を圧縮空気で吹き飛ばすためのエアガンなどから構成される除去部71と、エアガンによって選別除去される除去対象物を集めるための除去箱72と、エアガンによる選別除去を行わず、搬送部2から空中に放出された樹脂片3を回収するための回収箱73から構成される。
制御部6における判定の結果、樹脂片3が除去対象物であると判定された場合には、樹脂片3がX線検出部5の上空を通過した後に、出力部606から除去部71のエアガンへと信号が送信され、エアガンから圧縮空気が発射され、樹脂片3は除去箱72へと吹き飛ばされる。
制御部6で樹脂片3が有用な樹脂片であると判定された場合、出力部606からは信号が送信されず、除去部71のエアガンは動作しないため、有用な樹脂片であると判定された樹脂片3は搬送部2から空中へと放出された軌道のまま、回収箱73に回収される。
上記の方法については、測定対象物全体の中に回収すべき有用な樹脂片が除去したい除去対象物よりも多く含まれている場合に好適である。逆に、除去したい除去対象物が回収すべき有用な樹脂片よりも多く含まれている場合には、有用な樹脂片に対して高圧エアを吹き付けて選別してもよい。
制御部6では、X線検出部5に含まれる画素ごとの数値を使って、樹脂片3が有用な樹脂片であるか除去対象物であるかを判定する。このため、搬送部2における樹脂片3の搬送速度を50m/分〜100m/分という高速に設定したとしても判定精度を落とすことなく選別することが可能である。また、第1判定部602と第2判定部604による二段階の判定を用いることで、除去対象物がSiを含有する添加剤を含む樹脂片と、BrのようにSiからは原子番号が10以上離れている元素を含有する添加剤を含む樹脂片の混合したものであっても、本実施の形態4のような装置構成により、人による画像判定を介することなく、高速かつ大量の自動選別が可能となる。
なお、除去対象物であると判断したときに除去信号を送信するのではなく、有用な樹脂片に対して選別信号を送信して選別してもよいし、除去信号と選別信号の両方を用いて動作させる方式を採ってもよい。
実施の形態5.
本実施の形態5においては、実施の形態2で説明した、判定に用いる設定値を自動的に変動させることを可能とする、リサイクル樹脂と異物との自動選別が可能な選別装置100aについて説明する。
図15は、本実施の形態5に係る選別装置100aの構成を模式的に示す図である。図14と同じ装置部分に関しては同じ番号を付している。樹脂片3を搬送しX線検出部5による測定を行うまでの流れと、出力部606から出力された信号を元に自動選別を行うまでの流れは実施の形態4と同じであるため、実施の形態4と異なる部分である制御部6における判定の動作について説明する。本実施の形態5は、有用な樹脂片の判定を行うためのパラメータである閾値1、閾値2、差分値パラメータkとを、適宜、自動で調整、変更することができる装置である。有用な樹脂片と除去対象物の判定のための判定の手順は、図5に示すフローチャートで示されるとおりである。
数値取得部601が、低エネルギーX線透過強度と高エネルギーX線透過強度を取得した後、そのデータを第1判定部602に送信すると同時に、フラグA判定部607へ送信する。フラグA判定部607は、有用な樹脂片が取りうる値として事前に設定した領域1内に、低エネルギーX線透過強度が含まれるかどうかを判定する。フラグA判定部607は、低エネルギーX線透過強度が領域1内に含まれる場合は、判定結果とX線透過強度とをフラグB判定部へ送信する。第1判定部602は、1段階目の判定を行ったあと、樹脂片3が除去対象物であると判定した場合は除去信号を出力部606へと送信する。
第1判定部602による一段階目の判定の結果に係わらず、計算部603は、差分値を計算する。差分値の計算結果は、フラグB判定部608へ送信される。差分値の計算結果は、第1判定部602にて除去対象物であると判定されなかった場合は、第2判定部604へも送信される。第2判定部による二段階目の判定の結果、樹脂片3は除去対象物であると判定された場合には、図14と同様に出力部606へ除去信号が送信される。フラグB判定部608は、フラグA判定部607から信号を受信した場合のみ、計算部603から計算結果の差分値を受信する。その後、フラグB判定部608は、有用な樹脂片が取りうる値として設定した領域2の範囲内に差分値が含まれているかどうかを判定する。フラグB判定部60は、差分値が領域2に含まれている場合は、フラグA判定部から受信した、低エネルギーX線透過強度と高エネルギーX線透過強度とを記憶部609へ送信する。
複数の樹脂片3についての透過強度の値が記憶部609へと蓄積される。集計部610は、蓄積された一定数以上のデータに基づいて、判定のパラメータである閾値1、閾値2、差分値パラメータkを再計算する。これら3つのパラメータの設定方法については、実施の形態2で説明したとおりである。集計部610で再計算したパラメータは、設定部605へと送信されて、次の樹脂片3の判定に用いられる。
実施の形態5のように、判定のためのパラメータを再設定する機構を持つ選別装置を用いることで、実施の形態4の効果に加えて、供給される樹脂片3の時間変動や日間変動による異物判定精度の低下を防ぐことが可能となる。
実施の形態6.
本実施の形態6においては、実施の形態3で説明した、測定対象物の厚さ測定結果とX線透過強度の測定結果に基づいて、有用な樹脂片と除去対象物とを区分する自動選別を可能とする選別装置100bについて説明する。
図16は、本発明の実施の形態6に係る選別装置100bの構成を模式的に示す図である。
搬送部2上に設置した、レーザー型厚さ測定器などからなる厚さ測定部8が、搬送部2で搬送される樹脂片3の厚さを測定する。厚さを測定された後、前述の手順と同様にX線照射部4から放射されたX線が照射され、透過X線検出部5によってX線透過強度が測定される。一つの樹脂片3についての厚さ測定結果とX線透過強度測定結果とを関連付けるため、タイミング調整部611によってタイミングを調整する。
タイミング調整部611は、搬送部2の送り速度に応じてX線照射までの遅れ時間を算出してデータの関連付けを行う。また、搬送部2が一定の幅を持っていることから、並行して搬送されている樹脂片3を区別するため、厚さ測定部8は搬送方向に直交する幅方向の位置情報を厚さ測定と同時に取得する。
制御部6が、厚さデータに基づき、適合する厚さの段階を選択し、選択された段階に対応した判定パラメータを用いて、順次、樹脂片3が有用な樹脂片か、または除去対象物かを判定する。制御部6は、厚さ測定部8で測定した結果に基づいて、判定に用いる閾値1、閾値2、差分値パラメータkを設定する。これらのパラメータは、事前に樹脂片3の厚さの段階に対応したデータテーブルとして設定部605によって設定される。厚さの測定結果とパラメータの選択手順に関しては、実施の形態3で述べたとおりであり、判定の結果を用いて樹脂片3を選別部7で選別する工程についても前述の実施の形態と同様である。
樹脂片の選別装置100bは、図14に示す樹脂片の選別装置100に厚さ測定部8を付け加えた場合の装置構成を示しているが、図15に示す樹脂片の選別装置100aに厚さ測定部8を付け加えても良い。このとき、例えば、樹脂片3の厚さの段階をT1、T2、T3・・・としたときに、各段階に対応する差分値パラメータk1、k2、k3・・・を算出する。いずれの構成にしても、厚さ測定データを用いることで選別精度の向上が可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
たとえば、回収した廃プラスチックに破砕などの加工を行い、その中から選別した部材を新たな製品に用いる素材として利用することが可能となる。
1 供給部、2 搬送部、3 樹脂片、4 X線照射部、5 X線検出部、6 制御部、7 選別部、8 厚さ測定部、71 除去部、72 除去箱、73 回収箱、100,100a,100b 選別装置、602 第1判定部、604 第2判定部、S11 X線検査工程、S12 第1判定工程、S14 第2判定工程。

Claims (9)

  1. 樹脂片にエネルギー範囲の異なる第1のX線と第2のX線とを含むX線を照射して、前記樹脂片を透過した第1のX線の強度である第1透過強度と、樹脂片を透過した第2のX線の強度である第2透過強度とを測定するX線検査工程と、
    前記第1透過強度を用いて、前記樹脂片が有用な樹脂片の候補であるか否かを判定する第1判定工程と、
    前記第1判定工程によって有用な樹脂片の候補であると判定された樹脂片について、前記第1透過強度と前記第2透過強度とから得られた差分値を用いて、有用な樹脂片であるか否かを判定する第2判定工程と、
    前記第2判定工程の判定結果に基づいて有用であると判定された樹脂片の収集を行う収集工程とを備える樹脂片の選別方法。
  2. 前記第1判定工程は、前記第1透過強度が第1の閾値以上であることによって、前記樹脂片が有用な樹脂片の候補であると判定する工程を含み、
    前記第2判定工程は、前記差分値が第2の閾値以上であることによって、前記樹脂片が有用な樹脂片であると判定する工程を含む、請求項1に記載の樹脂片の選別方法。
  3. 前記第1透過強度を記憶する工程と、
    前記記憶された複数の第1透過強度を用いて、前記第1の閾値を修正する工程とを備え、
    前記第1判定工程は、前記修正された前記第1の閾値を用いて、後続の樹脂片について前記判定を行う工程を含む、請求項2に記載の樹脂片の選別方法。
  4. 前記第1透過強度および第2透過強度を記憶する工程と、
    前記記憶された複数の第1透過強度および第2透過強度を用いて、差分値を計算するための差分値パラメータを修正する工程とを備え、
    前記第2判定工程は、前記修正された前記差分値パラメータを用いて、後続の樹脂片について前記判定を行なう工程を含む、請求項2に記載の樹脂片の選別方法。
  5. 前記記憶された複数の第1透過強度を用いて、前記第2の閾値を修正する工程を備え、
    前記第2判定工程は、前記修正された前記第2の閾値を用いて、後続の樹脂片について前記判定を行なう工程を含む、請求項4に記載の樹脂片の選別方法。
  6. 前記X線検査工程に先立って、前記樹脂片の厚みを測定する工程と、
    前記測定された樹脂片の厚みに応じて、前記第1の閾値を設定する工程を備える、請求項2に記載の樹脂片の選別方法。
  7. 前記X線検査工程に先立って、前記樹脂片の厚みを測定する工程と、
    前記測定された樹脂片の厚みに応じて、前記差分値パラメータを設定する工程を備える、請求項4に記載の樹脂片の選別方法。
  8. 前記X線検査工程に先立って、前記樹脂片の厚みを測定する工程と、
    前記測定された樹脂片の厚みに応じて、前記第2の閾値を設定する工程とを備える、請求項2に記載の樹脂片の選別方法。
  9. 樹脂片を搬送する搬送部と、
    前記樹脂片にエネルギー範囲の異なる第1のX線と第2のX線とを含むX線を照射するX線照射部と、
    前記樹脂片を透過した第1のX線の強度である第1透過強度と、前記樹脂片を透過した第2のX線の強度である第2透過強度とを測定する透過X線強度測定部と、
    前記第1透過強度を用いて、前記樹脂片が有用な樹脂片の候補であるか否かを判定する第1判定部と、
    前記第1判定部によって有用な樹脂片の候補であると判定された樹脂片について、前記第1透過強度と前記第2透過強度とから得られた差分値を用いて、有用な樹脂片であるか否かを判定する第2判定部と、
    前記第2判定部の判定結果に基づいて、前記樹脂片を選別して収集する選別部とを備える樹脂片の選別装置。
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