JP2014215047A - アルミ合金判別方法およびアルミ合金判別設備 - Google Patents

アルミ合金判別方法およびアルミ合金判別設備 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム合金以外の異物が付着したアルミニウム合金と、異物が付着していないアルミニウム合金とを精度良く判別することができるアルミ合金判別方法を提供する。【解決手段】アルミニウム合金以外の異物が付着したアルミニウム合金からなる異物付着試料について、エネルギーの異なる2つのX線に係る単位面積毎の透過X線の強度を測定する。次に、エネルギーの異なる2つのX線に係る透過強度を2軸とする2次元座標で規定される透過強度平面に、異物付着試料における測定結果を配置する。その後、異物付着試料に関する測定結果を示す点の集合のうち低強度側に位置する集合を含む低強度領域を、透過強度平面上に画定する。【選択図】図8

Description

本発明は、アルミニウム合金を判別する方法に関する。特に本発明は、アルミニウム合金以外の異物が付着したアルミニウム合金と、異物が付着していないアルミニウム合金とを判別することができる方法および設備に関する。
アルミニウムは極めてリサイクル性に優れた材料である。例えばリサイクルによる二次地金への溶解エネルギーは、新地金の溶解エネルギーの3〜5%に過ぎない。このため、リサイクルシステムを効率よく運用することにより、アルミニウムを、地球環境に優しい材料かつ製造原価の小さい材料として広範囲に利用できる。
アルミニウムあるいはアルミニウム合金は、現状においても、省資源化の観点および低コスト化の観点から、一般にリサイクルされている。このため従来から、迅速かつ大量にアルミニウムおよびアルミニウム合金からなる廃棄物を、他の廃棄物から選別して回収する技術が開発されてきた。
たとえば、特許文献1には、一般的な金属選別回収装置が開示されている。開示されている金属選別回収装置は、ストックヤードに貯蔵された廃棄物を前処理後に破砕し、発泡成形材を分離した後、残った重い廃棄物から鋼片またはアルミニウム片を分離するものである。金属選別回収装置は、磁力選別機を用いて鉄系金属を選別し、渦電流選別機を用いて非鉄系金属を選別するよう構成されている。選別された非鉄系金属は、さらに色選別機および比重検出選別機を用いることによって、銅片およびアルミニウム片に選別される。また、渦電流選別機で非金属として分離されたものについても、風力選別機を用いることによって、非金属として分離されたものの中から金属小片を選別し、その後、振動式選別機を用いて金属小片から銅片およびアルミニウム片を回収する。
開示されている金属選別回収装置によれば、廃棄物からアルミニウムを、ほぼ全自動で高純度に選別回収することができる。
なお、特許文献1には、色選別機の代わりに、金属の種類によってX線の透過具合が異なることを利用するX線式選別機を用いた例が記載されている。開示されているX線式選別機は、X線検出センサの前に設けられた形状センサを用いて破砕片の厚さを測定して、単位厚さあたりの透過X線強度を算出し、次に材質毎に予め取得したデータと照合して、破砕片の材質を推定するものである。
また、アルミニウムおよびアルミニウム合金を合金系統別に区別して判別する方法や設備も提案されている。例えば特許文献2は、アルミニウム合金の合金系統ごとにX線吸収率が僅かに異なること、つまりX線透過強度が低下するアルミニウム合金はいずれも銅や亜鉛などのアルミニウムより重い金属を多く含んでいること、さらに、X線透過強度の測定結果がばらつきをもって分布すること、に注目して、測定結果に対して統計的処理を施して僅かの差異を検出することにより、鋳造材に由来するアルミニウム合金と展伸材に由来するアルミニウム合金とを精度良く判別することができる方法を提案している。
特開平7−256231号公報 特開2012−73080号公報
ところで廃棄物には、単一の合金からなるものだけでなく、1つの合金に他の合金が付着したものも含まれている。例えば、銅線や鉄のビスなどアルミニウム合金以外の金属や合金からなる異物が、アルミニウム合金からなる片に付着したものが、廃棄物の中に含まれていることがある。以下の説明において、このような廃棄物を異物付着試料と称することもある。
異物付着試料に対して、透過X線を利用した判別を実施する場合、異物が付着している部分(以下、異物付着部分とも称する)を透過するX線は、異物だけでなくアルミニウム合金をも透過した後に、X線の強度を検出するセンサに到達する。このため、異物付着試料に関する透過X線の測定結果は、アルミニウム合金に関する透過X線の測定結果に類似したものになる。従って、異物付着試料とアルミニウム合金とを精度良く判別するためには、上述の特許文献1,2において提案されている判別手法では不十分であり、新たな観点をさらに導入した手法を用いることが必要になる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、アルミニウム合金以外の異物が付着したアルミニウム合金と、異物が付着していないアルミニウム合金とを精度良く判別することができるアルミ合金判別方法およびアルミ合金判別設備を提供することを目的とする。
本発明は、回収の対象となるアルミニウム合金からなる校正用試料を準備する工程と、前記校正用試料について、前記校正用試料の試料面の複数の位置で、エネルギーの異なる2つのX線に係る単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、エネルギーの異なる2つのX線に係る透過強度を2軸とする2次元座標で規定される透過強度平面に、前記校正用試料における測定結果を配置する工程と、前記校正用試料に関する測定結果を示す点の分布濃度が大きな領域を高密度判定線と低密度判定線で挟むようにした判定領域を前記透過強度平面上に画定して、該透過強度平面を、前記判定領域となる中密度領域と、前記高密度判定線より外側の高密度領域と、前記低密度判定線より外側の低密度領域と、に分ける工程と、アルミニウム合金以外の異物が付着したアルミニウム合金からなる異物付着試料を準備する工程と、前記異物付着試料について、前記異物付着試料の試料面の複数の位置で、エネルギーの異なる2つのX線に係る単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、エネルギーの異なる2つのX線に係る透過強度を2軸とする2次元座標で規定される透過強度平面に、前記異物付着試料における測定結果を配置する工程と、前記異物付着試料に関する測定結果を示す点の集合のうち低強度側に位置する集合を含む低強度領域を、前記透過強度平面上に画定する工程と、被選別試料について、前記2つのX線を用いて単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、前記被選別試料における測定結果を、前記高密度領域と、前記中密度領域と、前記低密度領域と、前記低強度領域に分類する分類工程と、前記高密度領域または前記低密度領域に含まれる測定結果の割合が所定の第1閾値より小さく、かつ、前記中密度領域に含まれる測定結果の割合が所定の第2閾値より大きく、かつ前記低強度領域に含まれる割合が所定の第3閾値より小さいかどうかを判断する判断工程と、を備える、アルミ合金判別方法である。
本発明によるアルミ合金判別方法は、排除の対象となる合金からなる対比用試料を準備する工程と、前記対比用試料について、前記対比用試料の試料面の複数の位置で、エネルギーの異なる2つのX線に係る単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、エネルギーの異なる2つのX線に係る透過量を2軸とする2次元座標で規定される透過強度平面に、前記対比用試料における測定結果を配置する工程と、前記校正用試料に関する測定結果の分布と、前記対比用試料に関する測定結果の分布とを対比して、前記校正用試料と前記対比用試料とを判別するための前記第1閾値を決定するとともに、前記中密度領域に含まれる前記校正用試料の測定結果の割合に基づいて前記第2閾値を決定する工程と、をさらに備えていてもよい。
本発明によるアルミ合金判別方法において、前記対比用試料が、アルミニウム以外の金属を主成分とする合金であってもよい。
本発明によるアルミ合金判別方法において、前記校正用試料および前記対比用試料の一方が、所望量の添加元素を含むアルミニウム合金であり、他方が、所望量の添加元素を含まないアルミニウム合金であってもよい。この場合、添加元素が銅または亜鉛であってもよい。また、前記所望量の添加元素を含むアルミニウム合金が、1重量%以上の銅または亜鉛を含むアルミニウム合金であってもよい。
本発明によるアルミ合金判別方法は、前記被選別試料について透過X線の強度を測定する前に、前記被選別試料を所定の最大厚さを有する板状に整える工程をさらに備えていてもよい。
本発明によるアルミ合金判別方法において、エネルギーの異なる2つのX線に係る測定は、1つのX線線源を用いて試料を照射して、試料を透過したX線を2本のX線検出リニアセンサを用いて測定するものであって、該X線検出リニアセンサの1本に一部のX線を吸収する減衰板をかぶせることにより、エネルギーの異なる2つのX線を試料に照射することと同様の効果をもたらすものであってもよい。
本発明は、被選別試料、回収の対象となるアルミニウム合金からなる校正用試料、およびアルミニウム合金以外の異物が付着したアルミニウム合金からなる異物付着試料にX線を照射するX線線源装置と、前記被選別試料、前記校正用試料および異物付着試料について、各試料の試料面の複数の位置で、エネルギーの異なる2つのX線に係る単位面積毎の透過X線の強度を測定するX線センサと、エネルギーの異なる2つのX線に係る透過量を2軸とする2次元座標で規定される透過強度平面において、前記被選別試料における測定結果を、高密度領域と、中密度領域と、低密度領域と、低強度領域に分類するとともに、前記高密度領域または前記低密度領域に含まれる測定結果の割合が所定の第1閾値より小さく、かつ、前記中密度領域に含まれる測定結果の割合が所定の第2閾値より大きく、かつ前記低強度領域に含まれる割合が所定の第3閾値より小さいかどうかを判断する判定部と、を備え、前記校正用試料に関する測定結果を示す点の分布濃度が大きな領域を高密度判定線と低密度判定線で挟むようにした判定領域を前記透過強度平面上に画定することにより、該透過強度平面が、前記判定領域となる前記中密度領域と、前記高密度判定線より外側の前記高密度領域と、前記低密度判定線より外側の前記低密度領域と、に分けられており、さらに、前記異物付着試料に関する測定結果を示す点の集合のうち低強度側に位置する集合を含む領域が低強度領域として画定されている、アルミ合金判別設備である。
本発明によるアルミ合金選別設備は、廃棄物の中から非金属品を排除して金属廃棄物を選別する金属選別機をさらに備えていてもよい。
本発明によるアルミ合金選別設備において、前記金属選別機は、前記非金属品に加えて、鉄を主成分とする鉄製品を前記廃棄物の中から排除して、鉄製品を除く金属廃棄物を選別するよう構成されていてもよい。
本発明によれば、アルミニウム合金以外の異物が付着したアルミニウム合金からなる異物付着試料に関する測定結果を示す点の集合のうち低強度側に位置する集合を含む低強度領域が、透過強度平面上に画定される。このため、異物付着試料とアルミニウム合金とを精度良く判別することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るアルミ合金選別設備の構成の概略を示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る透過型X線選別機の構成を概念的に説明する斜視図である。 図3は、透過型X線選別機を用いてX線透過状態を測定する原理を説明する図面である。 図4は、X線透過状態の測定結果を求める手法を説明する図面である。 図5は、校正用試料における透過X線の強度の測定結果をプロットした例を示す図面である。 図6は、透過型X線選別機を用いてアルミニウム合金とアルミニウム合金以外の金属とを選別する原理を示す図面である。 図7は、透過型X線選別機を用いた判別に用いる第1閾値および第2閾値を決める原理を説明する図面である。 図8は、異物付着試料における透過X線の強度の測定結果をプロットした例を示す図面である。 図9は、異物付着試料のデジタルカメラ写真の一例を示す図である。 図10は、異物付着試料のX線写真の一例を示す図である。 図11は、異物付着試料における透過X線の強度の分布を、単位面積毎に高密度領域、中密度領域、低密度領域または低強度領域に分類した結果を示す図である。 図12は、アルミ合金選別設備を用いて被選別試料から所定のアルミニウム合金を判別するための判別手順の一例を示すフローチャートである。 図13は、透過型X線選別機において用いられる低密度領域L、中密度領域M、高密度領域H、第1閾値および第2閾値を決定する手順の一例を示すフローチャートである。 図14は、透過型X線選別機において用いられる低強度領域Dおよび第3閾値を決定する手順の一例を示すフローチャートである。 図15は、透過型X線選別機を用いて被選別試料からアルミニウム合金を判別するための判別手順の一例を示すフローチャートである。 図16は、アルミ合金選別設備を用いた判別手順の一変形例を示すフローチャートである。 図17は、透過型X線選別機の構成の変形例を概念的に説明する斜視図である。 図18は、図17に示す透過型X線選別機を備えるアルミ合金選別設備を用いた判別手順の一例を示すフローチャートである。
以下、図1乃至図15を参照して、本発明の実施の形態について説明する。まず図1により、本実施の形態におけるアルミ合金選別設備61全体について説明する。
アルミ合金選別設備
図1は、本実施の形態におけるアルミ合金選別設備61の構成の概略を示すブロック図である。図1に示すように、アルミ合金選別設備61は、篩装置63、金属選別機65および透過型X線選別機67を備えている。
篩装置63は、廃棄物を篩にかけることによって、廃棄物のうち20〜120mm角の範囲内の寸法を有するものを選別するよう構成されたものである。篩装置63を用いることによって、篩装置63の下流側に位置する後述する各選別機によっては精度良く選別することが困難である、20mm角以下の細かい廃棄物や120mm角以上の粗い廃棄物を除去することができる。なお篩装置63に供給される廃棄物としては、例えば、自動車のエンジンのスクラップ材や、自動車の車体のスクラップ材などが挙げられる。また、アルミニウム合金の他に鉄、銅、ゴム、プラスチックスなどを含んで構成される市中スクラップ材が篩装置63に供給されてもよい。
金属選別機65は、篩装置63によって選別された廃棄物の中から非金属品を排除して、金属廃棄物を判別して選別回収するよう構成されたものである。金属選別機65は、例えば、アルミニウム合金や銅合金などの金属廃棄物に渦電流を発生させることにより、廃棄物の中から金属廃棄物を回収する渦電流選別機を含んでいる。金属選別機65によって選別された金属廃棄物は、後段に位置する透過型X線選別機67に被選別試料として供給される。
また金属選別機65は、磁力を利用することによって、鉄を主成分とする鉄製品を廃棄物の中から排除する磁力選別機をさらに含んでいてもよい。これによって、透過型X線選別機67に供給される被選別試料に鉄製品が含まれないようにすることができ、このことにより、透過型X線選別機67の負荷を軽減することができる。このため、透過型X線選別機67を用いることによって回収されるアルミニウム合金の回収速度を高めることや、透過型X線選別機67を小型化することが可能になる。なお磁力選別機は、上述の渦電流選別機と別体のものであってもよく、若しくは、上述の渦電流選別機と一体のものとして構成されていてもよい。
透過型X線選別機67は、被選別試料の中から、アルミニウム合金以外を含む被選別試料を排除して、アルミニウム合金からなる被選別試料を判別して回収するよう構成されたものである。アルミニウム合金以外を含む被選別試料としては、例えば、銅合金からなる被選別試料や、アルミニウム合金片に銅などのアルミニウム以外の金属片が付着した被選別試料を挙げることができる。なお本願においては、アルミニウム合金以外の金属片のことを異物と称することもある。
透過型X線選別機
透過型X線選別機67についてさらに詳細に説明する。図2は、透過型X線選別機67の構成を概念的に説明する斜視図である。
透過型X線選別機67は、元素番号の大きな金属ほどそのX線透過率が小さいことを利用して金属の種別を判別するものである。透過型X線選別機67は、試料21を搬送するベルトコンベア1と、ベルトコンベア1の上方に設けられ、被選別試料21にX線を照射するX線線源3と、ベルトコンベア1の下に設けられ、試料21を透過したX線の強度を試料21の単位面積毎に測定する2連のX線センサ5と、測定結果に基づいて試料21の判別を行う判定部7と、を有している。なお試料21とは、透過型X線選別機67において透過X線強度が測定されるもの全般を指す用語である。透過型X線選別機67には、試料21として、上述の被選別試料や、後述する校正用試料、対比用試料、異物付着試料などが供給される。
2連のX線センサ5は、平行に配置された第1X線検出リニアセンサ9および第2X線検出リニアセンサ11を含んでいる。第1X線検出リニアセンサ9は、X線入射面に金属板(減衰板)13を被せることによって、試料21を透過したX線を弱化させた後にその強度を測定するように構成されている。2つのX線検出リニアセンサ9,11は、同じ型式のセンサであり、X線検出素子を線上に並べ、各素子の測定結果を走査して順次出力する構造を有する。各素子においては、素子毎に測定位置が決まっている。各素子は、試料21の単位面積部分を透過したX線の強度に応じた測定信号を出力する。
金属板13としては、X線が透過する際にX線強度を適度に減衰させる機能を有する様々な部材を用いることができる。例えば金属板13として、銅、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、真踰など、薄く加工可能な金属から構成された板を、測定対象に合わせて用いることができる。
試料21がベルトコンベア1によって搬送されているので、X線検出リニアセンサ9,11は、試料21の全面積にわたって透過X線強度を測定することができる。
なお、減衰板を透過して弱化したX線を検出する第1X線検出リニアセンサ9によって分析された試料21の単位面積の位置と、減衰板を透過しない強いX線を検出する第2X線検出リニアセンサ11によって分析された試料21の単位面積の位置との対応付けを容易にするため、X線検出リニアセンサ9,11は、ベルトコンベア1の移送方向と直交するように配置されていることが好ましい。
X線線源3から放射されるX線15は、ベルトコンベア1上の試料21が載置されている領域を広く照射する。一方、X線検出リニアセンサ9,11が検出するX線は、線上に並んだ検出素子列に入射するX線に限られる。従って、試料21に照射されるX線は、スリット光17,19とみなすことができる。また、第1X線検出リニアセンサ9に入射するX線は、金属板13のX線吸収特性に基づいて変成されるので、X線スリット光17,19は、実質的に互いにエネルギーの異なるX線で形成されたものとみなすことができる。
図3および図4は、透過型X線選別機67において、試料21上のある点におけるX線透過状態を検知する手法を説明する図面である。
X線の透過量は試料の厚みの影響を受ける。このため透過型X線選別機67においては、異なる特性を有する2つのX線、例えば上述のように異なるエネルギーを有する2つのX線を試料21に照射している。この場合、2つの透過X線強度を測定することができ、このため後述するように、試料21の厚みの影響を軽減することができる。なお、X線の測定ではX線放射のゆらぎやX線測定のゆらぎが無視できない。この点を考慮して、1つの試料について多数の測定を行って、結果を統計的に処理することにより、測定の信頼性を向上させてもよい。
図3および図4に示すように、透過型X線選別機67に供給される試料21は、ベルトコンベア1によってX線センサ5の位置に運ばれる。はじめに、X線センサの第1X線検出リニアセンサ9が、所定の位置23における試料21のX線透過状態を測定する。次に第2X線検出リニアセンサ11が、ベルトコンベア1により移動してきた試料21の、上述の位置23に対応する位置25におけるX線透過状態を測定する。
第1X線検出リニアセンサ9が位置23におけるX線透過状態を測定した時点から所定の時間Δだけ経過した後に、第2X線検出リニアセンサ11が位置25におけるX線透過状態を測定することにより、試料21中の同じ位置について、2つの異なる強度のX線を照射したときのそれぞれのX線透過強度を測定することができる。所定の時間Δは、センサ列の間隔Dをベルトコンベア1の速度vで割ることによって算出される。
対象となる複数の試料21について2つの異なるX線を照射して得た各単位面積毎のX線透過強度の測定値を、各試料の全面積にわたり所定の透過強度平面にプロットする。
ここで透過強度平面とは、弱化したX線を検出する第1X線検出リニアセンサ9が測定した透過X線強度(弱)を縦軸に設定し、強いX線を検出する第2X線検出リニアセンサ11が測定した透過X線強度(強)の測定出力を横軸に設定することにより得られる2次元座標面である。透過強度平面のスケールは、横軸および縦軸、いずれも、それぞれのセンサの検出範囲に整合されている。したがって、縦軸と機軸の目盛りは物理単位と直接の関わりはない。
上述のように、X線透過率は、元素番号の大きな金属ほど小さくなる。一方、本実施の形態における透過強度平面上においては、試料に含有される元素のX線透過率が低いほど、強度が異なる2つのX線におけるX線透過量の差が大きくなり、このため、測定結果が座標面上で左上側に分布する。反対に、試料に含有される元素のX線透過率が高いほど、測定結果が座標面上で右下側に分布する。
次に、上記の透過強度平面を利用した選別方法の一例について説明する。はじめに、判別したい材料からなる校正用試料を用いて、後述する判別領域を含む判別用グラフを描く。次に、判別対象となる試料の測定結果を、同一の透過強度平面上にプロットする。この場合、測定結果のプロットが判別領域から外れるかどうかに基づいて、判別対象となる試料が、判別したい材料からなるものであるかどうかを判断することができる。
図5は、測定値における厚みの影響について検証するため、厚み1mm(t1),3mm(t3),7mm(t7),12mm(t12)または25mm(t25)を有する5つの校正用試料における透過X線強度を、第1X線検出リニアセンサ9および第2X線検出リニアセンサ11を用いて測定した結果をプロットした結果を示すものである。ここでは校正用試料として、サッシ材として多用される合金番号6063のアルミニウム合金から構成された校正用試料を用いた。
なお、図5等のグラフでは、第1X線検出リニアセンサ9による測定値と第2X線検出リニアセンサ11による測定値について、X線が全く透過しない状態が零点となり、ベルト上に試料が載っていない状態の測定値がフルスケール位置に、すなわち目盛が1023の位置になるように正規化して表示している。
測定結果は、照射X線のゆらぎやX線透過経路のゆらぎなどに起因するばらつきを持つ。このため図5に示すように、所定の厚みを有する試料の測定結果のプロットはそれぞれ塊状に分布している。一方、測定結果を全体的に眺めると、測定結果は、試料の厚い方から薄い方に向かって、原点と右上の端点とを結ぶ弓形の曲線に沿って分布している。このように、合金番号6063のアルミニウム合金で作られた校正用試料の測定値は、厚みに応じて図5に表された弓形曲線に沿って変化する。
透過型X線選別機67を用いた判別方法においては、測定値のばらつきを考慮して、図5に示すように、校正用試料に関する測定結果を示す点の分布濃度が大きな領域を高密度判定線と低密度判定線で挟むようにした判定領域を、透過強度平面上に画定する。図5に示す例において、判定領域は、合金番号6063のアルミニウム合金の測定値の大部分がその中に含まれるように画定されている。図5に示す判別領域を用いる場合、判別対象となる試料の測定結果のプロットが判別領域から外れるかどうかに基づいて、判別対象となる試料が、合金番号6063のアルミニウム合金からなるものであるかどうかを判断することができる。
なお図5においては、1種類のアルミニウム合金、すなわち合金番号6063のアルミニウム合金を校正用試料として用いて判別領域を画定する例を示したが、これに限られることはなく、校正用試料は、判別条件に応じて適宜選択される。例えば本実施の形態において、透過型X線選別機67は上述のように、被選別試料の中からアルミニウム合金以外を含む被選別試料を排除して、アルミニウム合金からなる被選別試料を判別して回収するよう構成されている。この場合、校正用試料として、様々な合金系統のアルミニウム合金で作成されたアルミニウム合金を用いてもよい。表1は、代表的な合金番号におけるアルミニウム合金の組成を示すものである。
表1に示すように、アルミニウム合金の組成は、合金系統に応じて大きく異なる。従って、1種類のアルミニウム合金のみを校正用試料として用いる場合、他の合金系統に属するアルミニウム合金の測定結果が判別領域の外側に分布するということが生じ得る。従って、本実施の形態の場合のように、アルミニウム合金以外を含む被選別試料を排除するために透過型X線選別機67を用いる場合、校正用試料として、複数の合金系統から選択された複数の種類の校正用試料を用いることが好ましい。
図6は、複数の種類のアルミニウム合金を校正用試料として用いた場合に、図5と同様の図を作成した結果を示すものである。また図6においては、銅からなる試料に関する測定結果も併せて示されている。
図6においては、校正用試料の測定結果が「アルミプロット群」として示されており、また、銅からなる試料に関する測定結果が「銅プロット群」として示されている。また図6においては、アルミプロット群を高密度判定線と低密度判定線で挟むようにした判定領域が、透過強度平面上に画定されている。図6に示す例においては、上述のように校正用試料が複数の種類のアルミニウム合金を含むため、判別領域の幅が図5の場合に比べて広くなっている。一方、銅プロット群の大部分は、判別領域よりも左上側に位置している。このような測定結果に基づいて、アルミニウム合金と銅合金とを判別することができる。
ところで上述のように、X線の測定では、X線放射のゆらぎやX線測定のゆらぎがある程度存在する。この結果、図6に示されているように、銅プロット群の一部が、判定領域内に位置することがある。この場合、排除されるべき銅合金が誤ってアルミニウム合金として判別されて回収され、この結果、回収された試料の品位が低下してしまうことが考えられる。また、回収されるべきアルミニウム合金についても、測定のゆらぎに起因してその測定結果が判定領域の外側に位置することになり、この結果、アルミニウム合金の回収率が低下してしまうことが考えられる。このようなゆらぎの影響を軽減するための方法の一例について、以下に説明する。なお「品位」とは、例えば、複数の種類の金属を含む被選別試料の中からアルミニウム合金を判別して回収するように透過型X線選別機67が設定されている場合に、透過型X線選別機67によってアルミニウム合金として選別された被選別試料全体の重量に対する、アルミニウム合金として選別された被選別試料のうち実際にアルミニウム合金からなる被選別試料の重量の比率である。また「回収率」とは、透過型X線選別機67に供給される被選別試料に含まれる、アルミニウム合金からなる被選別試料の重量に対する、透過型X線選別機67によってアルミニウム合金として選別された被選別試料のうち実際にアルミニウム合金からなる被選別試料の重量の比率である。
以下に説明する方法は、判定領域の内側や外側に位置する測定結果の比率が所定の閾値を超えるかどうかに基づいて被選別試料を判別するという、統計的な観点を取り込んだものである。図7は、判定のための閾値を決定する原理を概念的に説明するための図である。
透過型X線選別機67を用いて1つの試料を測定する場合、試料21の全域における測定結果は、X線照射やX線測定におけるゆらぎなどに起因する変動のため、正規分布で表され得るような、中央の確率が高く周辺の確率が低い分布を示す。なお被選別試料は、組成の異なる複数のアルミニウム合金を含んでいる。この場合、合金ごとに測定結果がばらつく。すなわち、様々なアルミニウム合金からなる被選別試料の測定結果は、図中に複数の実線で示すように、互いに僅かにずれた分布を示す。一方、銅合金からなる試料は、アルミニウム合金よりも小さいX線透過率を有しており、このため図7において点線で示すように、その測定結果は高密度側に偏って分布する。
本件発明者らは、測定した被選別試料がアルミニウム合金であるかどうかを、測定結果の分布状態に基づいた統計的手法を用いて判断することを提案する。最も順当な統計的手法としては、分布の平均値や中央値に基づいてどちらの群に属するかを判定する方法を使用することができる。しかし本実施形態では、本件発明者らが開発した、アルゴリズムが単純で即断性に優れた方法を用いて、オンラインで高速に測定して判定することを可能にした。
本実施形態で用いる統計的手法では、アルミニウム合金からなる校正用試料に係る測定結果を透過強度平面にプロットしたときの分布状態に基づいて、組成の差およびX線測定の不確定性に基づくゆらぎを勘案した上で、アルミニウム合金と判定するための判定領域を定める。図7に示すように、判定領域の高密度側の境界値を高密度判定線と呼び、低密度側境界閾値を低密度判定線と呼ぶ。また、高密度判定線より高密度側の領域を高密度領域Hと呼び、低密度判定線より低密度側の領域を低密度領域Lと呼び、両者に挟まれた判定領域を中密度領域Mと呼ぶ。
本手法においては、被選別試料を多数回測定して得られた結果のプロットが高密度領域Hに含まれる割合と、中密度領域Mに含まれる割合とを求めて、これらの割合と第1閾値および第2閾値との比較に基づいて、被選別試料がアルミニウム合金であるかどうかを判断するようにする。具体的には、高密度領域Hに含まれる割合が第1閾値より小さく、かつ、中密度領域Mに含まれる割合が第2閾値より大きいときに、被選別試料がアルミニウム合金であると判断する。
第1閾値としては、アルミニウム合金の測定結果が高密度側にゆらいだとしても、銅合金などアルミニウム以外の金属を主成分とする合金とアルミニウム合金とを区別できるような値が設定される。また第2閾値としては、アルミニウム合金の測定結果が低密度側にゆらいだとしても、アルミニウムより軽い金属やプラスチックスなどとアルミニウム合金とを区別できるような値が設定される。このように2つの閾値を用いて判別を実施することにより、アルミニウム合金を高い精度で判別することができる。
なお上述の説明では、第1閾値および第2閾値が、校正用試料の測定結果に基づいて決定される例を示したが、これに限られることはない。被選別試料に含まれ得る合金のうち排除されるべき合金が予め判明している場合、当該排除されるべき合金をより確実に排除するという観点に基づいて、第1閾値および第2閾値を決定してもよい。例えば、排除されるべき合金の大半が、銅を主成分とする銅合金である場合、銅合金を対比用試料として準備し、この対比用試料に関する測定結果に基づいて、第1閾値および第2閾値を決定してもよい。
例えば図7に示す例においては、銅合金に関する測定結果のうち高密度領域Hに含まれる測定結果の割合に基づいて、第1閾値を決定してもよい。同様に、銅合金に関する測定結果のうち中密度領域Mに含まれる測定結果の割合に基づいて、第2閾値を決定してもよい。
なお上述の説明では、第1閾値が高密度領域Hに関連して設定される例を示した。しかしながら、第1閾値を低密度領域Lに関連して設定してもよい。この場合、低密度領域Lに含まれる割合が第1閾値より小さく、かつ、中密度領域Mに含まれる割合が第2閾値より大きいときに、被選別試料がアルミニウム合金であると判断する。このような設定は、被選別試料のうち排除されるべき合金の大部分が、アルミニウムよりも原子番号の小さい金属を主成分とする合金であることが予想される場合に有効である。なお第1閾値を低密度領域Lに関連して設定する場合、上述の対比用試料としては、アルミニウムよりも原子番号の小さい金属を主成分とする合金を用いることができる。
上述のように、第1閾値および第2閾値の具体的な値は、校正用試料の測定結果や対比用試料の測定結果に基づいて適宜設定される。例えば上述の特許文献2の場合と同様に、第1閾値および第2閾値をそれぞれ24%および46%に設定してもよい。
ところで、透過型X線選別機67に供給される被選別試料には、単一の合金からなるものだけでなく、1つの合金に他の合金が付着したものも含まれている。例えば、銅線や鉄のビスなどアルミニウム合金以外の金属や合金からなる異物が、アルミニウム合金からなる片に付着したものが、被選別試料として透過型X線選別機67に供給されることがある。以下の説明において、このような被選別試料を異物付着試料と称することもある。異物付着試料がアルミニウム合金として回収されると、異物に起因して、回収されたアルミニウム合金の組成が変化することになる。従って、透過型X線選別機67において異物付着試料が排除されることが好ましい。しかしながら、異物付着試料の大部分がアルミニウム合金によって構成されている場合、透過型X線選別機67を用いて異物付着試料を測定した結果の大部分が中密度領域M内に含まれることが考えられる。この場合、上述の第1閾値および第2閾値を用いた方法によっては、異物付着試料を排除することが困難である。
ここで本件発明者らは、鋭意研究の結果、後述する低強度領域Dを透過強度平面上にさらに画定することにより、異物付着試料の排除を実現できることを見出した。以下、本件発明者らが見出した方法について説明する。なお本実施の形態において、アルミニウム合金に付着する異物としては、アルミニウムよりも原子量の大きい元素である鉄や銅などが想定されている。
図8は、異物付着試料における透過X線の強度の測定結果をプロットした例を示す図である。異物付着試料の測定においては、異物が付着している部分(以下、異物付着部分とも称する)を透過するX線は、異物だけでなくアルミニウム合金をも透過した後にX線センサ5に到達する。このため図8に示すように、異物付着試料における測定結果のプロットの大部分は、中密度領域Mに含まれている。一方、X線のうち異物付着部分を透過したX線のエネルギーは、異物が付着していない部分(以下、非異物付着部分とも称する)を透過したX線のエネルギーに比べて、異物に起因して大きく弱められる。このため、図8に示すように、異物付着試料に関する測定結果を示す点の集合は、非異物付着部分の測定結果の点の集合と、非異物付着部分の測定結果の点の集合よりも低強度側に位置する、異物付着部分の測定結果の点の集合と、に分けられる。図8において、異物付着部分の測定結果の点の集合の大部分を含む領域が、低強度領域Dとして透過強度平面上に画定されている。低強度領域Dは、縦軸、横軸、透過X線強度(強)=100の直線、および透過X線強度(弱)=100の直線によって囲まれた領域として画定されている。このような低強度領域Dを新たに画定することにより、被選別試料の測定結果のうち低強度領域Dに含まれる測定結果の割合に基づいて、被選別試料に異物が付着しているかどうかを判断することが可能になる。なお、低強度領域Dの画定方法が特に限られることはなく、異物付着部分の測定結果の点の分布状態に応じて適宜決定される。
図8に示す例によれば、透過強度平面は、上述の低密度領域L、中密度領域Mおよび高密度領域Hと、新たに画定された低強度領域Dとに分けられる。この場合、被選別試料を選別するときには、はじめに、被選別試料を測定して得られた結果のプロットを、低密度領域L、中密度領域M、高密度領域Hまたは低強度領域Dのいずれかに分類する。そして、高密度領域Hに含まれる割合が上述の第1閾値より小さく、中密度領域Mに含まれる割合が上述の第2閾値よりも大きく、かつ、低強度領域Dに含まれる割合が所定の第3閾値よりも小さいときに、被選別試料がアルミニウム合金であると判断される。すなわち、被選別試料が、アルミニウム合金以外の合金からなるものではなく、かつ、被選別試料に異物が付着していないということを同時に判断することができる。
図11は、透過型X線選別機67を用いて異物付着試料の各単位面積を上述の領域L,M,H,Dのいずれかに分類した結果の一例を示す図である。図9および図10には、図11に示す測定の対象となった異物付着試料のデジタルカメラ写真およびX線写真が示されている。図10に示すように、異物付着試料は、アルミニウム合金からなる片と、アルミニウム合金からなる片に付着した細長状の異物21bと、を含んでいる。
第3閾値は、想定される異物の組成および寸法や、測定のゆらぎなどを考慮して適宜設定される。例えば第3閾値を0.01%に設定することができる。なお図11に示す例においては、低密度領域L、中密度領域M、高密度領域Hおよび低強度領域Dに含まれる測定結果の割合がそれぞれ3.9%、67.7%、21.0%および7.4%となっている。この場合、第1閾値および第2閾値が上述のように24%および46%に設定されていると、第1閾値および第2閾値を利用した方法によっては異物付着試料を排除することができない。一方、第3閾値を利用した方法を用いれば、異物付着試料を適切に排除することができる。
アルミ合金判別方法
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。ここでは、上述のアルミ合金選別設備61を用いて、被選別試料の中からアルミニウム合金を判別するアルミ合金判別方法について説明する。図12は、アルミ合金選別設備61を用いてアルミニウム合金を判別するための判別手順の一例を示すフローチャートである。
(篩工程)
はじめに、自動車のエンジンのスクラップ材や自動車の車体のスクラップ材を含む廃棄物を、篩装置63に供給する。篩装置63は、廃棄物のうち20〜120mm角の範囲内の寸法を有するものを選別する。
(金属選別工程)
次に、篩装置63によって選別された廃棄物を金属選別機65に供給する。金属選別機65は、渦電流選別機を用いて、廃棄物の中から金属廃棄物を回収する。金属選別機65は、磁力選別機を用いて廃棄物の中から鉄製品を排除する工程をさらに実施してもよい。金属選別機65によって選別された廃棄物は、被選別試料として透過型X線選別機67に供給される。
(判別工程)
次に、透過型X線選別機67を用いて実施する判別工程について説明する。判別工程は、校正用試料および対比用試料の測定結果に基づいて第1閾値および第2閾値を決定する工程(図13参照)と、異物付着試料の測定結果に基づいて第3閾値を決定する工程(図14参照)と、第1閾値、第2閾値および第3閾値を利用して被選別試料からアルミニウム合金を判別して回収する工程(図15参照)と、を含んでいる。以下、各工程について説明する。
〔第1閾値および第2閾値を決定する工程〕
本工程においては、はじめに、図13に示すように、様々な厚さを有する校正用試料および対比用試料を準備する(S11)。校正用試料としては、例えば、様々な合金系統のアルミニウム合金が用いられ、例えば合金番号6063のアルミニウム合金が用いられる。また対比用試料としては、アルミニウム以外の金属を含む合金が用いられ、例えば銅合金が用いられる。次に、準備した校正用試料および対比用試料を順次透過型X線選別機67にかけて、エネルギーの異なる2つのX線を照射して単位面積毎の透過X線強度を測定する(S12)。その後、単位面積毎の測定結果を、透過強度平面に配置する(S13)。透過強度平面は、2つの透過X線強度を2つの軸とする2次元座標面である。なお、測定結果を透過強度平面に配置する工程は、コンピュータの中で行えばよい。
測定結果をプロットした透過強度平面において、校正用試料に関する測定結果の分布濃度が大きな領域を囲うことにより、帯状の判別領域を画定することができる。また、判別領域を挟む高密度判定線と低密度判定線を引くことにより、透過強度平面を、高密度判定線と低密度判定線によって挟まれた中密度領域Mと、高密度判定線の外側にある高密度領域Hと、低密度判定線の外側にある低密度領域Lとに分ける(S14)。
次に、判別領域と対比用試料の測定結果の分布とを対比して、校正用試料と対比用試料とを判別するための上述の第1閾値を決定するとともに、中密度領域に含まれる校正用試料の測定結果の割合に基づいて、対比用試料であることを判定するための上述の第2閾値を決定する(S15)。例えば第1閾値および第2閾値をそれぞれ45%および45%に決定する。このようにして、被選別試料からアルミニウム合金を判別するための第1閾値および第2閾値を決定することができる。
〔第3閾値を決定する工程〕
本工程においては、図14に示すように、はじめに、銅などの異物が付着したアルミニウム合金からなる異物付着試料を準備する(S21)。次に、エネルギーの異なる2つのX線を異物付着試料に照射して、単位面積毎の透過X線強度を測定する(S22)。その後、単位面積毎の測定結果を透過強度平面上に配置する(S23)。その後、異物付着試料に関する測定結果を示す点の集合のうち低強度側に位置する集合を含む領域を、低強度領域Dとして画定する(S24)。また、低強度領域Dに含まれる異物付着試料の測定結果の割合に基づいて、第3閾値を決定する(S24)。例えば第3閾値を0.01%に決定する。このようにして、異物が付着したアルミニウム合金を被選別試料から排除するための第3閾値を決定することができる。
〔被選別試料からアルミニウム合金を判別する工程〕
本工程においては、はじめに、被選別試料をベルトコンベア1上に供給する。ベルトコンベア1に載置されX線センサ5の位置まで搬送された被選別試料は、移動中に2つの実質的に異なるX線スリット光によって照射される。これによって、適当な大きさの単位面積毎の透過X線強度が測定される(S31)。
被選別試料の全域にわたる多数の測定点で測定された単位面積毎の2つのX線強度測定値に基づいて、透過強度平面上における測定点の位置を、高密度領域H、中密度領域M、低密度領域Lまたは低強度領域Dに分類する(S32、分類工程)。次に、測定点が低強度領域Dに含まれる割合と、上述の第3閾値とを対比する(S33、判断工程)。測定点が低強度領域Dに含まれる割合が第3閾値より小さい場合、被選別試料に異物が付着していないと判断する(S34)。一方、測定点が低強度領域Dに含まれる割合が第3閾値より大きい場合、被選別試料に異物が付着していると判断する(S35)。
異物が付着していないと判断された被選別試料については、次に、測定点が高密度領域Hに含まれる割合と上述の第1閾値とを対比し、また、測定点が中密度領域Mに含まれる割合と上述の第2閾値とを対比する(S36、判断工程)。測定点が高密度領域Hに含まれる割合が第1閾値より小さく、かつ、測定点が中密度領域Mに含まれる割合が第2閾値より大きい場合、被選別試料が、選別対象の金属から、すなわちアルミニウム合金から構成されていると判断する(S37)。それ以外の場合、被選別試料が選別対象の金属から構成されていないと判断する(S38)。このようにして、透過型X線選別機67を用いて、異物が付着しておらず、かつアルミニウム合金から構成されている被選別試料を判別して回収することができる。
このように本実施の形態によれば、アルミニウム合金と非アルミニウム合金とを判別するための低密度領域L、中密度領域Mおよび高密度領域Hに加えて、アルミニウム合金と異物付着試料とを判別するための低強度領域が透過強度平面上にさらに画定される。このため、アルミニウム合金と非アルミニウム合金とを判別するだけでなく、異物付着試料とアルミニウム合金とを精度良く判別することができる。このため、異物が付着していないアルミニウム合金を精度良く回収することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(アルミニウム合金が合金系統別に判別される例)
上述の本実施の形態においては、透過型X線選別機67において、アルミニウム合金と非アルミニウム合金とが判別される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、透過型X線選別機67は、アルミニウム合金のうち特定の合金系統に属するアルミニウム合金のみを判別して回収するよう構成されていてもよい。以下、透過型X線選別機67をこのように構成する背景、および、このように構成された透過型X線選別機67を用いたアルミ合金判別方法の手順について説明する。
従来のリサイクル方法やリサイクル設備においては一般に、アルミニウムおよびアルミニウム合金は、合金系統別に関わりなく一緒に混合されて回収されていた。この場合、回収されたアルミニウムおよびアルミニウム合金は、成分分析するために溶解され、そして成分調整された後に再利用される。
一方、アルミニウム合金においては、合金系統によって添加元素の含有量が大きく異なる。例えば、自動車のエンジンなどを作製するための鋳造材として用いられるアルミニウム合金は、銅や亜鉛などの重金属成分を添加元素として多く含んでいる。一方、サッシなどを作製するための展伸材として用いられるアルミニウム合金は、重金属成分を多くは含んでいない。このため、様々な合金系統別を混合して溶解してしまうと、鋳造材の組成および展伸材の組成のいずれからもずれたアルミニウム合金が主に得られることになる。この場合、成分調整に要する時間やコストが大きくなり、また、溶解に要するエネルギーも大きくなってしまう。このため、アルミニウム合金を合金系統別に回収することが好ましい。
本実施の形態による透過型X線選別機67によれば、校正用試料および対比用試料を用いた上述の判別方法を実施することにより、校正用試料に近い成分で構成された合金と、対比用試料に近い成分で構成された合金とを、統計的処理に基づいて精度良く判別することができる。このため、校正用試料および前記対比用試料の一方として、第1の合金系統に属するアルミニウム合金を用いるとともに、校正用試料および前記対比用試料の他方として、第1の合金系統とは異なる第2の合金系統に属するアルミニウム合金を用いることによって、所望量の添加元素を含むアルミニウム合金を合金系統別に回収することが可能になる。
例えば、自動車のエンジンを作製するための鋳造材として用いられるアルミニウム合金と、展伸材として用いられるアルミニウム合金とを別々に回収することに対する需要が存在している。この場合、例えば、銅や亜鉛などの重金属からなる添加元素を所定量含むアルミニウム合金を対比用試料として利用し、展伸材用のアルミニウム合金を校正用試料として利用する。例えば、ADC12や2000系などの、1重量%以上の銅を含むアルミニウム合金や、7000系などの、1重量%以上の亜鉛を含むアルミニウム合金を、対比用試料として利用することができる。一方、6000系などの、1重量%以上の銅や亜鉛を含まないアルミニウム合金を、校正用試料として利用することができる。より具体的には、校正用試料として、合金番号6063のアルミニウム合金を用い、対比用試料として、合金番号ADC12のアルミニウム合金を用いることができる。この際の第1閾値および第2閾値は、例えば24%および46%に設定される。これによって、図16に示すように、透過型X線選別機67を用いることによって、被選別試料の中から、1000系、3000系、4000系、5000系、6000系など重金属からなる添加元素をあまり含まないアルミニウム合金と、ADC12などのアルミダイカストおよび2000系や7000系のアルミニウム合金など、所望量の重金属を含むアルミニウム合金とを判別して別々に回収することができる。このとき、異物付着試料と第3閾値とを利用した上述の判別を併せて実施することにより、図16に示すように、被選別試料に含まれる異物付着試料を排除することができる。
なお、本変形例においては、銅や亜鉛などの重金属からなる添加元素を所定量含むアルミニウム合金を対比用試料として利用し、展伸材用のアルミニウム合金を校正用試料として利用する例を示したが、これに限られることはない。例えば、銅や亜鉛などの重金属からなる添加元素を所定量含むアルミニウム合金を校正用試料として利用し、展伸材用のアルミニウム合金を対比用試料として利用してもよい。この場合、校正用試料を構成するアルミニウム合金に含まれる添加元素の量が、対比用試料を構成するアルミニウム合金に含まれる添加元素の量よりも大きくなる。このため、対比用試料を透過したX線を測定した結果は、透過強度平面上において、校正用試料を透過したX線を測定した結果よりも右下側に分布する。この場合、上述の第1閾値は、低密度領域Lに関連して設定される。すなわち、低密度領域Lに含まれる割合が第1閾値より小さく、かつ、中密度領域Mに含まれる割合が第2閾値より大きいときに、被選別試料が、対比用試料を構成するアルミニウム合金ではなく校正用試料を構成するアルミニウム合金からなるということが判断される。
ところで、銅と亜鉛とは、周期表において隣り合う元素である。このため、特許文献2のように被選別試料を透過したX線を測定する場合、銅を含むアルミニウム合金における測定結果と、亜鉛を含むアルミニウム合金における測定結果との間の差異はわずかである。このため、特許文献2のように被選別試料を透過したX線を測定する場合、銅を含むアルミニウム合金における測定結果と、亜鉛を含むアルミニウム合金における測定結果との間の差異はわずかである。従って、1重量%以上の銅を含むアルミニウム合金を校正用試料または対比用試料として用いる場合、若しくは、1重量%以上の亜鉛を含むアルミニウム合金を校正用試料または対比用試料として用いる場合のいずれにおいても、図16に示すように、所望量の銅または亜鉛のいずれかを添加元素として含むアルミダイカスト、2000系および7000系アルミが透過型X線選別機67によって同様に判別されて回収されることが予想される。
なお、含まれる重金属に応じてアルミニウム合金をさらに選別することが求められる場合、例えば、銅を含むアルミダイカストや2000系のアルミニウム合金と、亜鉛を含む7000系合金とを選別することが求められる場合、透過型X線選別機67によって選別されたアルミニウム合金に対して、その他の選別機を用いた選別をさらに実施してもよい。例えば、被選別試料にX線を照射することによって被選別試料から放出される蛍光X線を測定する蛍光X線選別機を用いることができる。
(試料厚調整装置が透過型X線選別機に設けられる例)
透過型X線選別機67は、被選別試料を所定の最大厚さを有する板状に整えるための試料厚調整装置をさらに有していてもよい。試料厚調整装置は、図18に示すように、透過型X線選別機67を用いた判別および回収を実施する前に被選別試料の厚みを所定厚に整えるよう、利用される。試料厚調整装置は、例えば図17に示すように、間隙を調整した1対の回転ローラ31,33から構成されている。以下、試料厚調整装置を設けることの背景および効果について説明する。
本件発明者らは、鋭意研究の結果、被選別試料が、厚みが不連続であったり湾曲や空隙が存在したりするような不定形状を有する場合、被選別試料におけるX線透過距離等の変動が生じ、この結果、透過したX線の強度を変動させ、このことにより、測定点を領域別に分類する作業に場合に誤りを生じさせることがあることを見出した。
これに対して本変形によれば、透過型X線選別機67に供給された試料27は、回転ローラ31,33を通ることによって、厚みが整えられた試料29としてベルトコンベア1上に載置される。厚みが整えられた試料29は、ベルトコンベア1によって運ばれて、X線線源3からのX線が照射される試料21となる。この場合、試料21の厚みはほぼ所定の厚みになっており、かつ、測定時における試料21の姿勢もほぼ一律になっている。このため、試料21を透過したX線の強度は、基本的に試料21の材質の相違のみに依存するようになる。すなわち、測定結果から、試料21の厚みや形状に依存する要素を取り除くことができる。これによって、透過型X線選別機67を用いた判別工程における判別精度を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
3 X線線源
5 X線センサ
7 判定部
9 第1X線検出リニアセンサ
11 第2X線検出リニアセンサ
13 金属板(減衰板)
L 低密度領域
M 中密度領域
H 高密度領域
D 低強度領域
61 アルミ合金選別設備
63 篩装置
65 金属選別機
67 透過型X線選別機

Claims (11)

  1. 回収の対象となるアルミニウム合金からなる校正用試料を準備する工程と、
    前記校正用試料について、前記校正用試料の試料面の複数の位置で、エネルギーの異なる2つのX線に係る単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、
    エネルギーの異なる2つのX線に係る透過強度を2軸とする2次元座標で規定される透過強度平面に、前記校正用試料における測定結果を配置する工程と、
    前記校正用試料に関する測定結果を示す点の分布濃度が大きな領域を高密度判定線と低密度判定線で挟むようにした判定領域を前記透過強度平面上に画定して、該透過強度平面を、前記判定領域となる中密度領域と、前記高密度判定線より外側の高密度領域と、前記低密度判定線より外側の低密度領域と、に分ける工程と、
    アルミニウム合金以外の異物が付着したアルミニウム合金からなる異物付着試料を準備する工程と、
    前記異物付着試料について、前記異物付着試料の試料面の複数の位置で、エネルギーの異なる2つのX線に係る単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、
    エネルギーの異なる2つのX線に係る透過強度を2軸とする2次元座標で規定される透過強度平面に、前記異物付着試料における測定結果を配置する工程と、
    前記異物付着試料に関する測定結果を示す点の集合のうち低強度側に位置する集合を含む低強度領域を、前記透過強度平面上に画定する工程と、
    被選別試料について、前記2つのX線を用いて単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、
    前記被選別試料における測定結果を、前記高密度領域と、前記中密度領域と、前記低密度領域と、前記低強度領域に分類する分類工程と、
    前記高密度領域または前記低密度領域に含まれる測定結果の割合が所定の第1閾値より小さく、かつ、前記中密度領域に含まれる測定結果の割合が所定の第2閾値より大きく、かつ前記低強度領域に含まれる割合が所定の第3閾値より小さいかどうかを判断する判断工程と、を備える、アルミ合金判別方法。
  2. 排除の対象となる合金からなる対比用試料を準備する工程と、
    前記対比用試料について、前記対比用試料の試料面の複数の位置で、エネルギーの異なる2つのX線に係る単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、
    エネルギーの異なる2つのX線に係る透過量を2軸とする2次元座標で規定される透過強度平面に、前記対比用試料における測定結果を配置する工程と、
    前記校正用試料に関する測定結果の分布と、前記対比用試料に関する測定結果の分布とを対比して、前記校正用試料と前記対比用試料とを判別するための前記第1閾値を決定するとともに、前記中密度領域に含まれる前記校正用試料の測定結果の割合に基づいて前記第2閾値を決定する工程と、をさらに備える、請求項1に記載のアルミ合金判別方法。
  3. 前記対比用試料が、アルミニウム以外の金属を主成分とする合金である、請求項2に記載のアルミ合金判別方法。
  4. 前記校正用試料および前記対比用試料の一方が、所望量の添加元素を含むアルミニウム合金であり、他方が、所望量の添加元素を含まないアルミニウム合金である、請求項2に記載のアルミ合金判別方法。
  5. 前記添加元素が銅または亜鉛である、請求項4に記載のアルミ合金判別方法。
  6. 前記所望量の添加元素を含むアルミニウム合金が、1重量%以上の銅または亜鉛を含むアルミニウム合金である、請求項5に記載のアルミ合金判別方法。
  7. 前記被選別試料について透過X線の強度を測定する前に、前記被選別試料を所定の最大厚さを有する板状に整える工程をさらに備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアルミ合金判別方法。
  8. エネルギーの異なる2つのX線に係る測定は、1つのX線線源を用いて試料を照射して、試料を透過したX線を2本のX線検出リニアセンサを用いて測定するものであって、該X線検出リニアセンサの1本に一部のX線を吸収する減衰板をかぶせることにより、エネルギーの異なる2つのX線を試料に照射することと同様の効果をもたらすものである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアルミ合金判別方法。
  9. 被選別試料、回収の対象となるアルミニウム合金からなる校正用試料、およびアルミニウム合金以外の異物が付着したアルミニウム合金からなる異物付着試料にX線を照射するX線線源装置と、
    前記被選別試料、前記校正用試料および異物付着試料について、各試料の試料面の複数の位置で、エネルギーの異なる2つのX線に係る単位面積毎の透過X線の強度を測定するX線センサと、
    エネルギーの異なる2つのX線に係る透過量を2軸とする2次元座標で規定される透過強度平面において、前記被選別試料における測定結果を、高密度領域と、中密度領域と、低密度領域と、低強度領域に分類するとともに、前記高密度領域または前記低密度領域に含まれる測定結果の割合が所定の第1閾値より小さく、かつ、前記中密度領域に含まれる測定結果の割合が所定の第2閾値より大きく、かつ前記低強度領域に含まれる割合が所定の第3閾値より小さいかどうかを判断する判定部と、を備え、
    前記校正用試料に関する測定結果を示す点の分布濃度が大きな領域を高密度判定線と低密度判定線で挟むようにした判定領域を前記透過強度平面上に画定することにより、該透過強度平面が、前記判定領域となる前記中密度領域と、前記高密度判定線より外側の前記高密度領域と、前記低密度判定線より外側の前記低密度領域と、に分けられており、さらに、前記異物付着試料に関する測定結果を示す点の集合のうち低強度側に位置する集合を含む領域が低強度領域として画定されている、アルミ合金判別設備。
  10. 廃棄物の中から非金属品を排除して金属廃棄物を選別する金属選別機をさらに備える、請求項9に記載のアルミ合金判別設備。
  11. 前記金属選別機は、前記非金属品に加えて、鉄を主成分とする鉄製品を前記廃棄物の中から排除して、鉄製品を除く金属廃棄物を選別するよう構成されている、請求項10に記載のアルミ合金判別設備。
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