JP6398100B2 - エレクトロクロミックシート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明に係るエレクトロクロミックシートは一実施形態において、式(i−1)又は式(i−2)で表される三方向テルピリジン誘導体を配位子として含有する金属錯体ポリマーから形成されてなる。
本発明に係るエレクトロクロミックシートを形成する金属錯体ポリマーにおいて、上述した配位子が配位する中心金属イオンとしては特に制限はなく、典型元素及び遷移元素の金属イオンの何れでもよい。典型元素の金属イオンとしては、Li、Be、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Rb、Sr、Cd、In、Sn、Cs、Ba、Hg、Tl、Pb、Bi、Fr、Raが挙げられ、遷移金属イオンとしては、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、So、Ir、Pt、Au、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rgが挙げられる。中心金属イオンはこれらの1種以上を任意に選択することができる。中心金属イオンは、典型的にはFe、Ni、Co、Cu、Zn、Sn、Ti、Mn、Mo、V、Zr、Cd、Ga、Sb、Cr、Nb、Alのイオンからなる群から選択される1種以上とすることができる。中心金属の種類は単一でも複数でもよいが、複数種類の中心金属イオンを使用することで、色が段階的に変化するといった光物性の変化にバリエーションを追加することができる。
本発明に係るエレクトロクロミックシートは、上述した配位子化合物と上述した中心金属イオンとを含む錯体又は塩を原料として液−液界面での自己組織化現象を利用することにより、二次元に広がった錯体ポリマーを形成することで作製可能である。得られたシートは、電気化学的な酸化還元反応により色が変化するエレクトロクロミズムを示す。
エレクトロクロミックシートは種々の大きさや形状に加工することが可能である。パターニングすることも可能である。本発明に係るエレクトロクロミックシートを用いて種々のエレクトロクロミック素子を作製することができる。従って、本発明は一側面において、本発明に係るエレクトロクロミックシートをエレクトロクロミック物質として備えたエレクトロクロミック素子である。本発明に係るエレクトロクロミック素子は一実施形態において、一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されている電解質及びエレクトロクロミックシートを備える。
1.配位子(A)の合成
下記(A)の分子構造を有する三方向テルピリジン配位子(tpy)を文献(M. Cavazzini et al., Inorg. Chem. 2009, 48, 8578-8592)の手法に従って合成した。1,3,5−トリブロモベンゼン 75.2mg、4’−{4−(ネオペンチルグリコラトボロン)フェニル}−2,2’:6’,2”テルピリジン 400mg、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 27.2mgのテトラヒドロフラン溶液(40mL)に、炭酸ナトリウム174.6mgを含む水溶液(8.3mL)を加え、85℃で18時間攪拌した。反応液を室温に戻したのち濾過し、得られた固体をテトラヒドロフラン、純水、ジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥により目的物200mgを得た(収率84%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d=7.37-7.40 (m, 6H), 7.89-7.93 (m, 12H), 7.96 (s, 3H), 8.10 (d, J=8.0 Hz, 6H), 8.71 (d, J=8.0 Hz, 6H), 8.77 (d, J=4.6 Hz, 6H), 8.84 (s, 6H)
得られた配位子(A)1mgにジクロロメタン10mLを加えて溶かし、濾過することで配位子溶液を作製した。バイアル中の当該ジクロロメタン溶液の上に、水相と有機相の分離状態が維持されるように純水10mLを静かに重ねて二層界面を形成した後、更に50mMのFe(BF4)2水溶液10mLを静かに重ねた。1日静置したところ、水相と有機相の界面に紫色の薄いシートが形成されたことを確認した。水層を純水で洗浄したのち水層およびジクロロメタン層を順に取り除いた。薄膜をジクロロメタンで洗浄したのち濾過を行い、純水、エタノール、ジクロロメタンで洗浄し、真空乾燥することでナノシートを得た。
得られたナノシートをバイアルからすくい取り、HOPG基板上で当該シートをSEM観察(倍率:1000倍)した。SEM観察はJEOL JSM−7400FNT走査型電子顕微鏡を用いて行った。サンプルはナノシートを高配向熱分解黒鉛(HOPG)上にすくい取り作製した。その結果、当該シートが極めて薄く、また、平坦で稠密なシートであることが確認された(図3)。図中、矢印の部分はシワである。また、同様にHOPG上で当該シートの厚みを原子力間顕微鏡(Agilent Technology 5500 Scanning Probe Microscope)にて測定した。シリコン製カンチレバーPPP−NCL(Nano World)を用い、Tappingモードで測定したところ、平均で200nmであった。なお、膜厚測定は膜の端部やシワ部分を避けた平坦な箇所に対して行った。
当該ナノシートの一片(0.1mg以下)を各種溶媒10mLに一晩浸漬し、濾過することで得られた溶液を紫外可視分光法で測定した。溶媒としては水、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、及びジクロロメタンを使用した。その結果、何れの溶媒に対しても578nmのビス(テルピリジン)鉄に特徴的な吸収を示さず、当該シートは不溶性であることが確認された(図4〜7)。
当該ナノシートをKBrとともにペレット化してサンプルとした後、当該サンプルの赤外吸収スペクトルをJASCO FT/IR 620v分光器を用いて測定し、3方向テルピリジン配位子と比較した(図8)。その結果、1600cm-1付近のピークが高周波側にシフトしており、錯体形成が示唆されていた。1000cm-1付近の幅広いピークはBF4イオンに帰属していると推定される。
また、当該ナノシートを導電性カーボン両面テープ上に貼り付けてサンプルとし、X線光電子スペクトルをULVAC−PHI社のPHI 500 Versa Probeを用いて測定した。X線光源としてAlKα線(15kV、25W又は20kV、100W)を用いて測定した。得られたスペクトルは、C1sのピークが284.6eVとなるようにチャージアップの補正を行った。得られたスペクトルを3方向テルピリジン配位子及びモノマー錯体([Fe(tpy)2](BF4)2)と比較した。図9より、モノマー錯体においては、3方向テルピリジン配位子のFe2+への配位に起因して、N1sのピークが高エネルギー側にシフトしていることが分かる。そして、当該ピークのシフトは当該ナノシートにおいても維持されており、ピーク強度も変化がないことが分かる。図10より、モノマー錯体とナノシートのFe2p1/2及びFe2p3/2のピーク位置及び強度が一致していることも分かる。図11より、モノマー錯体とナノシートのB1sのピーク位置及び強度が一致していることも分かる。図12より、モノマー錯体とナノシートのF1sのピーク位置及び強度が一致していることも分かる。B及びF以外の陰イオンは検出されなかった。以上より、当該ナノシートは三方向テルピリジン配位子の鉄錯体ポリマーであり、六角形状の網目分子構造をもつと判断できる。
ITO/ガラス基板上にすくい取って固定した当該ナノシートを、テトラブチルアンモニウム過塩素酸塩の1Mジクロロメタン溶液中に浸漬し、サイクリックボルタンメトリーをALS 650DTを用いて測定(掃引速度100mV/s)した。ITO/ガラス基板を作用電極、白金線を対電極、そして0.1MのnBu4NClO4/CH3CN中0.01MのAgClO4溶液に浸した銀線を参照電極として測定を行った。結果を図13に示す。Fe3+/Fe2+に由来するサイクリックボルタモグラムが得られ、エレクトロクロミズムを示すことが確認された。酸化波のピークは0.8V(vs Ag+/Ag)付近に見られ、ナノシートは酸化により黄色になった。還元波のピークは0.7V(vs Ag+/Ag)付近に見られ、ナノシートは還元により紫色になった。サイクリックボルタモグラム中、酸化波と還元波の積分面積が一致しており、良好なサイクル特性を示すことが示唆された。
ITO/ガラス基板上にすくい取って固定した当該ナノシートを、過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)の1Mジクロロメタン溶液中に浸漬し、これを作用電極としたクロノアンペロメトリー測定を実施した。印加する電位はFe3+/Fe2+の式量電位(800mV vs. Ag+/Ag)に対し、酸化時には+500mV、還元時に−500mVとした。得られた電流−時間曲線を図14に示す。エレクトロクロミズムの応答速度は酸化及び還元共に約0.35秒(反応速度:2.57s-1)であった。ここで、応答速度は、ステップ電位の印加を開始した時点から酸化及び還元共に90%反応が完了した時点までの時間として計測した。90%反応が完了した時点というのは、横軸を時間(x)、縦軸を電流値(y)とした電流−時間曲線においてx=0、y=0及び電流曲線で囲まれた領域の面積をA(total)とし、時刻tにおいてx=0、y=0、電流曲線及びx=tで囲まれた領域の面積をA(t)としたときに、A(t)=0.9×A(total)となる時刻を指す。また、電流−時間曲線は酸化と還元で重なり合っており、良好なサイクル特性を示すことが示唆された。
上述したクロノアンペロメトリー法を用いて紫外可視分光法による波長578nmの光に対する吸光度の時間変化を測定した。その結果を図15に示す。吸光度の変化が先述したエレクトロクロミズムの応答速度に対応していることが確認された。
次に、電位ステップを交互に繰り返して印加したときの吸光度の変化速度の推移をみた。その結果、800サイクル以上を繰り返した後も、吸光度の変化速度、すなわちエレクトロクロミズムの応答速度が維持されたことが確認された(図16)。このことから、当該ナノシートはエレクトロクロミズムについて優れたサイクル特性を有することが分かる。
厚み100μmの塩化ビニル膜を過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)の1M濃度の1,2−ジクロロエタン溶液中に常温で一晩浸漬してポリマーゲル電解質フィルムを作製した。当該フィルムを、当該ナノシートを乗せたITO/ガラス基板及びITO/ガラス基板で挟み、大気下で乾燥したのち、真空乾燥行った。このようにして作製したエレクトロクロミック素子の構造を図17に示す。ナノシートが付着している基板を作用電極、もう一方の電極を対電極につなぎ、2電極系で測定を行った。当該素子に対して、ITO電極間に−1.8Vと+3.0Vの電圧を交互に印加したところ、先述した試験と同様にエレクトロクロミズムが可逆的に発現した。
得られた配位子(A)のジクロロメタン飽和溶液を半分に希釈することで0.03mMの配位子溶液を作製した。バイアル中の当該ジクロロメタン溶液の上に、水相と有機相の分離状態が維持されるように純水10mLを静かに重ねて二層界面を形成した後、更に表1に記載の濃度Fe(BF4)2水溶液10mLを静かに重ねた。表1に記載の所定日数静置後、水層を純水で洗浄したのち水層およびジクロロメタン層を順に取り除いた。薄膜をジクロロメタンで洗浄したのち濾過を行い、純水、エタノール、ジクロロメタンで洗浄し、真空乾燥することでナノシートを得た。得られたナノシートの平均厚みを原子力間顕微鏡により先と同様に測定した。結果を表1に示す。
1.配位子の合成
下記(B)の分子構造を有する三方向テルピリジン配位子(tpy)を下記の手順で合成した。4’−{(トリブチルスズ)エチニル}−2,2’:6’,2”テルピリジン 2.2g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.19gをN,N−ジメチルホルムアミド 200mLに溶解し、100℃で加熱攪拌しながら1,3,5−テトラブロモベンゼン 0.32gを含むN,N−ジメチルホルムアミド溶液 50mLを加えた。そのまま100℃で40分攪拌したのち反応液を室温に戻し濾過した。得られた固体をヘキサン、ジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥により目的物を0.55g得た(収率65%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d=7.37 (ddd, J=7.8, 4.8, 1.5 Hz, 6 H), 7.79 (s, 3H), 7.89 (td, J=7.8, 1.5 Hz, 6H), 8.64 (s, 6H), 8.64 (d, J=7.8 Hz, 6H), 8.75 ppm (d, J=4.8 Hz, 6H)
得られた配位子(B)のジクロロメタン飽和溶液を半分に希釈することで0.03mMの配位子溶液を作製した。バイアル中の当該配位子溶液の上に、水相と有機相の分離状態が維持されるように純水10mLを静かに重ねて二層界面を形成した後、更に25mMのFe(BF4)2水溶液10mLを静かに重ねた。1日静置したところ、水相と有機相の界面に紫色の薄いシートが形成されたことを確認した。水層を純水で洗浄したのち水層およびジクロロメタン層を順に取り除いた。薄膜をジクロロメタンで洗浄したのち濾過を行い、純水、エタノール、ジクロロメタンで洗浄し、真空乾燥することで不溶性のナノシートを得た。
得られたナノシートを実施例1と同様にHOPG上でSEM観察したところ、平坦で稠密なシートであることが確認された。また、実施例1と同様にHOPG上で当該シートの厚みを原子力間顕微鏡にて測定したところ、平均で約320nmであった。なお、膜厚測定は膜の端部やシワ部分を避けた平坦な箇所に対して行った。
当該ナノシートを導電性カーボン両面テープ上に貼り付けてサンプルとし、X線光電子スペクトルをULVAC−PHI社のPHI 500 Versa Probeを用いて測定した。X線光源としてAlKα線(15kV、25W又は20kV、100W)を用いて測定した。得られたスペクトルは、C1sのピークが284.6eVとなるようにチャージアップの補正を行った。当該スペクトルは399.7eVにN1sのピーク見られ、708.5eVにFe2pのピークが見られた。これらのピーク位置は配位子(A)と鉄イオンからなるナノシートのそれらとほぼ一致したことから、当該ナノシートは三方向テルピリジンの鉄錯体ポリマーであり、六角形状の網目分子構造をもつと判断できる。
ITO/ガラス基板上にすくい取って固定した当該ナノシートに対して、これを参照電極とするサイクリックボルタンメトリーを実施例1と同様に測定した。ただしここでは、参照電極電位のスキャン速度を種々変化させて測定した。結果を図18に示す。Fe3+/Fe2+に由来するサイクリックボルタモグラムが得られ(式量電位0.889 V vs. Ag+/Ag)、酸化還元に伴って青紫と黄色に可逆的に変化するエレクトロクロミズムが確認された。サイクリックボルタモグラム中、酸化波と還元波の積分面積が一致しており、良好なサイクル特性を示すことが示唆された。
ITO/ガラス基板上にすくい取って固定した当該ナノシートに対して、実施例1と同様にクロノアンペロメトリー測定を実施した。印加するステップ電位は式量電位に対して±500mVとした。得られた時間−電流曲線を図19に示す。このときのエレクトロクロミズムの応答速度を先述した定義により計算したところ約0.54秒(反応速度:1.68s-1)であった。
実施例1で作製した配位子(A)1mgをクロロホルム溶液10mLに溶かすことで配位子溶液を作製した。バイアル中の当該配位子溶液の上に、水相と有機相の分離状態が維持されるように純水10mLを静かに重ねて二層界面を形成した後、更に100mMのCoCl2水溶液10mLを静かに重ねた。8日静置したところ、水相と有機相の界面に黄色の薄いシートが形成されたことを確認した。水層を純水で洗浄したのち水層およびクロロホルム層を順に取り除いた。薄膜をクロロホルムで洗浄したのち濾過を行い、純水、エタノール、クロロホルムで洗浄し、真空乾燥することで不溶性のナノシートを得た。
得られたナノシートを実施例1と同様にHOPG上でSEM観察したところ、平坦で稠密なシートであることが確認された。また、実施例1と同様にHOPG上で当該シートの厚みを原子力間顕微鏡にて測定したところ、平均で約120nmであった。なお、膜厚測定は膜の端部やシワ部分を避けた平坦な箇所に対して行った。
当該ナノシートを導電性カーボン両面テープ上に貼り付けてサンプルとし、X線光電子スペクトルをULVAC−PHI社のPHI 500 Versa Probeを用いて測定した。X線光源としてAlKα線(15kV、25W又は20kV、100W)を用いて測定した。得られたスペクトルは、C1sのピークが284.6eVとなるようにチャージアップの補正を行った。当該スペクトルは399.7eVにN1sのピークが見られた。このピーク位置は配位子(A)と鉄イオンからなるナノシートのそれとほぼ一致したことから、当該ナノシートはコバルト錯体ポリマーであり、六角形状の網目分子構造をもつと判断できる。また781.0eVにCo2p 3/2のピークが見られた。
ITO/ガラス基板上にすくい取って固定した当該ナノシートを作用電極として、サイクリックボルタンメトリーを測定した。ここでは、電圧のスキャン速度は100mV/sとした。−900mV(vs. Ag+/Ag)付近にCo2+/Co+の酸化還元波が観測され、レドックス反応に伴い黄色から紫色への色変化が観測された。繰り返し掃引を行うと、紫色と黄色に交互に変化するエレクトロクロミズムが確認された。
Claims (14)
- エレクトロクロミック素子用のエレクトロクロミックシートであって、式(i−1)で表される三方向テルピリジン誘導体及び中心金属を含み、一つの中心金属に対して二つの前記テルピリジン誘導体が配位することで前記テルピリジン誘導体同士が連結され、当該連結の繰り返しによって構築された六角形状の網目分子構造をもつ金属錯体ポリマーであって、前記中心金属がFe、Mn、Zn、Ni、Pd、Pt、Cd、Hg、Co、Au、Ag、Sn、Pb又はCuである金属錯体ポリマーにより形成されてなるシート。
- エレクトロクロミック素子用のエレクトロクロミックシートであって、式(ii)で表される四方向テルピリジン誘導体及び中心金属を含み、一つの中心金属に対して二つの前記テルピリジン誘導体が配位することで前記テルピリジン誘導体同士が連結され、当該連結の繰り返しによって構築された四角形状の網目分子構造をもつ金属錯体ポリマーであって、前記中心金属がFe、Mn、Zn、Ni、Pd、Pt、Cd、Hg、Co、Au、Ag、Sn、Pb又はCuである金属錯体ポリマーにより形成されてなるシート。
- 各R1は同一であり、置換又は非置換のp−フェニレン基、置換又は非置換の4,4’−ビフェニリレン基、置換又は非置換のアルケニレン基、及び置換又は非置換のアルキニレン基よりなる群から選択される請求項1又は2に記載のシート。
- 各R1が置換又は非置換のp−フェニレン基である請求項1〜3の何れか一項に記載のシート。
- 各R2は水素原子である請求項1〜4の何れか一項に記載のシート。
- 前記中心金属は前記シート中に複数種類含まれる請求項1〜5の何れか一項に記載のシート。
- 平均厚みが0.5〜1000nmである請求項1〜6の何れか一項に記載のシート。
- 式(i−1)で表される三方向テルピリジン誘導体、又は式(ii)で表される四方向テルピリジン誘導体を含有する有機相と、中心金属となるFe、Mn、Zn、Ni、Pd、Pt、Cd、Hg、Co、Au、Ag、Sn、Pb又はCuの錯体及び塩から選択される1種以上を含有する水相を、相分離させた状態を維持しながら両者の接触を継続することにより、有機相と水相の界面に金属錯体ポリマーをシート状に成長させる工程を含むエレクトロクロミック素子用のエレクトロクロミックシートの製造方法。
- 金属錯体ポリマーの成長時間を1秒〜1ヶ月とする請求項8に記載の方法。
- 前記シートの平均厚みが0.5〜1000nmとなるのに必要な時間だけ金属錯体ポリマーを成長させる請求項8又は9に記載の方法。
- 前記水相は、中心金属となる金属の塩を複数種類含有する請求項8〜10の何れか一項に記載の方法。
- 請求項1〜7の何れか一項に記載のシートをエレクトロクロミック物質として備えたエレクトロクロミック素子。
- 請求項12に記載のエレクトロクロミック素子を備えた眼鏡レンズ。
- 請求項13に記載の眼鏡レンズを備えた眼鏡。
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