JP6397610B2 - 師部組織増産に適した植物体及びその利用 - Google Patents

師部組織増産に適した植物体及びその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP6397610B2
JP6397610B2 JP2013187742A JP2013187742A JP6397610B2 JP 6397610 B2 JP6397610 B2 JP 6397610B2 JP 2013187742 A JP2013187742 A JP 2013187742A JP 2013187742 A JP2013187742 A JP 2013187742A JP 6397610 B2 JP6397610 B2 JP 6397610B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino acid
phloem
protein
seq
plant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013187742A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015053874A (ja
JP2015053874A5 (ja
Inventor
倫子 田中
倫子 田中
広樹 杉本
広樹 杉本
律子 与語
律子 与語
伸彦 村本
伸彦 村本
典宏 光川
典宏 光川
和文 田畑
和文 田畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2013187742A priority Critical patent/JP6397610B2/ja
Priority to US14/481,309 priority patent/US9879274B2/en
Publication of JP2015053874A publication Critical patent/JP2015053874A/ja
Publication of JP2015053874A5 publication Critical patent/JP2015053874A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6397610B2 publication Critical patent/JP6397610B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8241Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
    • C12N15/8261Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8216Methods for controlling, regulating or enhancing expression of transgenes in plant cells
    • C12N15/8222Developmentally regulated expression systems, tissue, organ specific, temporal or spatial regulation
    • C12N15/8223Vegetative tissue-specific promoters
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/146Genetically Modified [GMO] plants, e.g. transgenic plants

Description

本明細書は、師部組織の増産に適した植物体及びその利用に関する。
植物体のバイオマス量を増大することは、食糧危機を回避するためにもまた産業上も重要である。
植物体の増産に関しては、既に多く試みられている。例えば、プロテインホスファターゼ2C(PP2C)遺伝子をカリフラワーモザイクウイルス35S(CaMV35S)プロモーターの制御下に過剰発現させることによって、植物体のバイオマス量を増産させる技術が開示されている(特許文献1)。また、オーキシンによって発現が誘導されるARGOSを過剰発現させることにより、葉、花器官等が肥大することが開示されている(非特許文献1)。さらに、アインテグメンタ(AINTEGUMENTA;ANT)活性を調節することによって植物における生長及び細胞増殖を調節することが開示されている(特許文献2、非特許文献2)。
国際公開WO2009/113684号 特表2002−534078号公報
Yuxin Hu et al., Plant Cell 2003, 15(9):1951-1961 Mizukami, Y., Fischer, R.L. Proc. Natl Acad. Sci., USA 97, 942-947.
繊維、ゴム等の材料、バイオ燃料の原料という観点からは、植物体の師部組織は、植物体の他の組織よりも重要であると考えられる。また、師部組織から繊維が取れる繊維植物において、品質の高い繊維を増産するためには、木質部や髄など不要部分に対して師部組織の割合を増やす、すなわち、師部比率を増大させることが求められる。
しかしながら、CaMV35Sプロモーターは、時期や組織に非特異的である。このため、バイオマス量が増産されるが、師部組織を効率的に得ることは困難であった。また、時期や組織に非特異的なプロモーターを用いると、構造遺伝子の種類によっては、その過剰発現から生育障害や代謝異常を引き起こすおそれがある。
本明細書は、師部組織の取得に適した植物体及びその利用を提供する。
本発明者らは、師部組織の取得に適した師部比率を増大させた植物体を得るために、種々のプロモーターを探索した。その結果、維管束形成層に特異的に発現するプロモーターの制御下に細胞増殖を促進するタンパク質をコードする遺伝子を発現させることで、結果として師部組織を選択的に増大させ得るという知見を得た。維管束形成層は、師部組織に分化し得る組織である。本明細書の開示によれば、この知見に基づき、以下の手段が提供される。
(1)植物の維管束形成層で特異的に発現する維管束形成層特異的プロモーター又は植物の師部細胞で特異的に発現する師部細胞特異的プロモーターと、前記維管束形成層特異的プロモーター又は前記師部細胞特異的プロモーターの制御下にある細胞増殖を促進するタンパク質をコードする細胞増殖促進遺伝子と、を保持する植物細胞を有する植物体。
(2)前記植物体の師部組織が特異的に増大されている、(1)に記載の植物体。
(3)前記プロモーターは管状要素分化抑制因子(Tracheary element differentiation inhibitory factor TDIF)受容体(TDR)プロモーターと機能的に等価なプロモーター、スクロース輸送タンパク質SUC2(Sucrose transport protein SUC2)プロモーターと機能的に等価なプロモーター、フロウエム・インターカレイテッド・ウィズ・ザイレム(Phloem intercalated with xylem PXY)プロモーターと機能的に等価なプロモーター、ドフタイプ・ジンクフィンガー・ドメインコンテイニング・プロテイン(Dof-type zinc finger domain-containing protein Dof5.6)プロモーターと機能的に等価なプロモーター、又は、ハイ・カンビアル・アクティビティ2(High cambial activity 2 HCA2)プロモーターと機能的に等価なプロモーターである(1)又は(2)に記載の植物体。
(4)前記タンパク質は、配列番号1〜3で表されるアミノ酸配列からなる3つの共通配列をN末端側からこの順で有するタンパク質又は配列番号5で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するタンパク質である、(1)〜(3)のいずれかに記載の植物体。
(5)前記植物体の師部組織量が野生株に比べて2.0倍以上増加している、(1)〜(4)のいずれかに記載の植物体。
(6)双子葉植物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の植物体。
(7)アブラナ科植物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の植物体。
(8)単子葉植物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の植物体。
(9)イネ科植物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の植物体。
(10)アオイ科植物あることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の植物体。
(11)(1)から(10)のいずれかに記載の植物体の生産方法。
(12)(1)から(10)のいずれかに記載の植物体を育成する工程を備える、植物体の師部組織の生産方法。
(13)前記植物体の全体の重量に対する、前記師部組織の重量の割合を増加させることを特徴とする、(12)に記載の生産方法。
シロイヌナズナ野生株(Col−0)、TDR:PP2C及びTDR:ANT株における茎の横断切片解析 シロイヌナズナ野生株(Col−0)、35SΩ:PP2C、SUC2:PP2C、TDR:PP2C、35SΩ:ANT、SUC2:ANT及びTDR:ANT株における茎断面積 シロイヌナズナ野生株(Col−0)、35SΩ:PP2C、SUC2:PP2C、TDR:PP2C、35SΩ:ANT、SUC2:ANT及びTDR:ANT株における茎の師部面積 シロイヌナズナ野生株(Col−0)、35SΩ:PP2C、SUC2:PP2C、TDR:PP2C、35SΩ:ANT、SUC2:ANT及びTDR:ANT株における茎の師部比率 シロイヌナズナ野生株(Col−0)、35SΩ:PP2C、SUC2:PP2C、TDR:PP2C、35SΩ:ANT、SUC2:ANT及びTDR:ANT株における丈
本明細書は、師部組織の増産に適した植物体及びその利用に関する。本明細書は、発明者らが、植物の維管束形成層又は師部細胞で特異的に発現するプロモーター制御下に細胞増殖を促進するタンパク質をコードする細胞増殖促進遺伝子を植物体に導入し、その植物体の育成に成功し、かつ、師部組織を特異的に増大させたことに基づく。
以下、本明細書の開示に関し、植物体、植物体の生産方法、師部組織の増産方法等について順次詳細に説明する。
なお、本開示において、「師部組織」は、師管、伴細胞、師部繊維、師部柔組織を備えることができる。師部組織は、光合成産物等の栄養分を輸送するための組織である。師部組織は、木部組織、維管束形成層等と共に維管束を形成する。
また、本開示において、「維管束形成層」は、紡錘形始原細胞及び放射組織始原細胞を備えることができる。維管束形成層では、紡錘形始原細胞及び放射組織始原細胞が細胞分裂している。また、維管束形成層は、二次師部を備える。二次師部は、師部と同様に、師管、伴細胞、師部繊維、師部柔組織からなる。即ち、本明細書の師部組織は、二次師部を含む。
また、本開示において、「師部細胞」とは、師部組織を形成する細胞をいう。師部細胞は、伴細胞、師部柔細胞等を含むことができる。
(植物体)
本明細書に開示される植物体は、植物の維管束形成層で特異的に発現する維管束形成層特異的プロモーター又は植物の師部細胞で特異的に発現する師部細胞特異的プロモーターと、前記維管束形成層特異的プロモーター又は前記師部細胞特異的プロモーターの制御下にある細胞増殖を促進するタンパク質をコードする細胞増殖促進遺伝子と、を保持することができる。
(維管束形成層特異的プロモーター及び師部細胞特異的プロモーター)
維管束形成層特異的プロモーターは、植物の維管束形成層で特異的に発現し、師部細胞特異的プロモーターは、師部細胞で特異的に発現する。維管束形成層特異的プロモーター及び師部細胞特異的プロモーターは、細胞増殖促進遺伝子の発現を制御することによって、師部組織を増大させ得る。本明細書において、特定の組織又は細胞において「特異的に発現する」とは、遺伝子が、当該組織又は細胞のみに発現することに限られず、当該組織又は細胞に比較的強く発現しそれ以外の組織に比較的弱く発現することをも含む。
(維管束形成層特異的プロモーター)
(TDRプロモーター)
TDRプロモーターは、維管束形成層特異的プロモーターの1つである。TDRプロモーターは、管状要素分化抑制因子(TDIF;Tracheary element differentiation inhibitory factor)の受容体であるTDRをコードする遺伝子の発現を制御するプロモーターである。維管束前形成層又は維管束形成層に存在する維管束幹細胞に局在する受容体TDRは、師部組織で生産されて細胞外に分泌されたTDIFと結合して、細胞内へTDIFのシグナルを伝達し、維管束幹細胞に局在する受容体TDRに結合し維管束幹細胞から木部への分化を阻害し、維管束幹細胞の分裂を促進する。TDRプロモーターは、例えば、配列番号6で表される塩基配列を有することができ、配列番号6で表される塩基配列のDNAと機能的に同等なプロモーター活性を有する限りその一部であってもよい。配列番号6で表される塩基配列は、シロイヌナズナのTDRのプロモーターである。
維管束形成層特異的プロモーターとして、TDRプロモーターと同一でなくても、TDR遺伝子と機能的に同等のオルソログ遺伝子等のプロモーターであってもよい。ここで「機能的に同等」とは、維管束形成層で特異的に発現するタンパク質をコードしている遺伝子のプロモーターであることをいう。
なお、機能的に同等なプロモーターとは、そのプロモーターが制御する遺伝子がコードするタンパク質が、典型的には、シロイヌナズナのTDRのアミノ酸配列と少なくとも60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにまた好ましくは91%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは93%以上、さらにまた好ましくは94%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは96%以上、さらにまた好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド鎖を有している。また、このような遺伝子がコードするタンパク質は、典型的には、TDR遺伝子の塩基配列と少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは91%以上、さらにまた好ましくは92%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは94%以上、さらにまた好ましくは95%以上、より好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、さらにまた好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド鎖を有している。
本明細書において塩基配列又はアミノ酸配列の同一性又は類似性とは、当該技術分野で知られているとおり、配列を比較することにより決定される、2種以上のタンパク質あるいは2種以上のポリヌクレオチドの間の関係である。当該技術で“同一性 ”とは、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間のアラインメントによって、あるいは場合によっては、一続きのそのような配列間のアラインメントによって決定されるような、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間の配列不変性の程度を意味する。また、類似性とは、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間のアラインメントによって、あるいは場合によっては、一続きの部分的な配列間のアラインメントによって決定されるような、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間の相関性の程度を意味する。より具体的には、配列の同一性と保存性(配列中の特定アミノ酸又は配列における物理化学特性を維持する置換)によって決定される。なお、類似性は、後述するBLASTの配列相同性検索結果においてSimilarity と称される。同一性及び類似性を決定する方法は、対比する配列間で最も長くアラインメントするように設計される方法であることが好ましい。同一性及び類似性を決定するための方法は、公衆に利用可能なプログラムとして提供されている。例えば、AltschulらによるBLAST(Basic Local Alignment Search Tool) プログラム(たとえば、Altschul SF, Gish W, Miller W, Myers EW, Lipman DJ., J. Mol. Biol., 215: p403-410 (1990), Altschyl SF, Madden TL, Schaffer AA, Zhang J, Miller W, Lipman DJ., Nucleic Acids Res. 25: p3389-3402 (1997))を利用し決定することができる。BLASTのようなソフトウェアを用いる場合の条件は、特に限定するものではないが、デフォルト値を用いるのが好ましい。
シロイヌナズナのTDRのアミノ酸配列と一定以上の同一性を有するタンパク質としては、例えば、hypothetical protein ARALYDRAFT_496307 [Arabidopsis lyrata subsp. lyrata] (アクセッション番号:XP_002866438.1)、predicted protein [Populus trichocarpa] (アクセッション番号:XP_002303493.1)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Cucumis sativus] (アクセッション番号:XP_004166710.1)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Cucumis sativus] (アクセッション番号:XP_004146946.1)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Vitis vinifera] (アクセッション番号:XP_002268598.2)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Glycine max] (アクセッション番号:XP_003539668.1)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Solanum lycopersicum] (アクセッション番号:XP_004235172.1)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Glycine max] (アクセッション番号:XP_003533511.1)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Cicer arietinum] (アクセッション番号:XP_004514509.1)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Fragaria vesca subsp. vesca] (アクセッション番号:XP_004307799.1)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Solanum lycopersicum] (アクセッション番号:XP_004240244.1)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Setaria italica] (アクセッション番号:XP_004972862.1)、PREDICTED: leucine-rich repeat receptor-like protein kinase TDR-like [Vitis vinifera] (アクセッション番号XP_002264530.2)が挙げられる。
また、シロイヌナズナのTDR遺伝子をコードする塩基配列と一定以上の同一性を有するコード領域としては、Arabidopsis lyrata subsp. lyrata hypothetical protein, mRNA (アクセッション番号:XM_002866392.1)、Arabidopsis lyrata subsp. lyrata hypothetical protein, mRNA (アクセッション番号:XM_002891404.1)、Brassica rapa subsp. pekinensis clone KBrH005L20, complete sequence (アクセッション番号:AC232542.1)、PREDICTED: Cicer arietinum leucine-rich repeat receptor-like serine/threonine-protein kinase At1g17230-like (LOC101489235), transcript variant X2, mRNA (アクセッション番号:XM_004488655.1)、PREDICTED: Cicer arietinum leucine-rich repeat receptor-like serine/threonine-protein kinase At1g17230-like (LOC101489235), transcript variant X1, mRNA (アクセッション番号:XM_004488654.1)がある。当業者は、これらの中から利用可能なものを適宜選択することができる。
(師部細胞特異的プロモーター)
(SUC2プロモーター)
SUC2プロモーターは、スクロース輸送タンパク質SUC2(Sucrose transport protein SUC2)をコードする遺伝子の発現を制御するプロモーターである。SUC2は、スクロースを、プロトンと共に輸送する共輸送体である。スクロースは、グルコース及びフルクトースに分解され、デンプン合成のための材料やエネルギー源として利用される。また、SUC2は、マルトース、アルブチン、サリシン、α―フェニルグルコシド、β―フェニルグルコシド、α―パラニトロフェニルグルコシド、β―パラニトロフェニルグルコシド、パラニトロフェニル―β―チオグルコシド、ビオチンを輸送し得る。師部組織のスクロースは、葉等の供給源となる組織に蓄えられ、根、花等の吸収源となる組織に輸送される。SUC2プロモーターは、例えば、配列番号7で表される塩基配列を有することができ、配列番号7で表される塩基配列のDNAと機能的に同等なプロモーター活性を有する限りその一部であってもよい。配列番号7で表される塩基配列は、シロイヌナズナのSUC2(SUT1、AtSUC2)遺伝子は、Front Plant Sci., 2012;3:22のFigure1においてtypeIに分類されたスクロース輸送タンパク質である。なお、SUC2プロモーターは、師部細胞で発現する。
師部細胞特異的プロモーターとしては、SUC2プロモーターと同一でなくても、SUC2プロモーターと機能的に同等のオルソログ遺伝子等のプロモーターであってもよい。ここで「機能的に同等」とは、師部細胞で特異的に発現するタンパク質をコードしている遺伝子のプロモーターであることをいう。
なお、このようなプロモーターが制御する遺伝子がコードするタンパク質は、典型的には、例えば、シロイヌナズナのSUC2のアミノ酸配列と少なくとも60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにまた好ましくは91%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは93%以上、さらにまた好ましくは94%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは96%以上、さらにまた好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド鎖を有している。また、このような遺伝子がコードするタンパク質は、典型的には、SUC2遺伝子の塩基配列と少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは91%以上、さらにまた好ましくは92%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは94%以上、さらにまた好ましくは95%以上、より好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、さらにまた好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド鎖を有している。
シロイヌナズナのSUCのアミノ酸配列と一定以上の同一性を有するタンパク質としては、sucrose-proton symporter 2 [Arabidopsis lyrata subsp. lyrata](アクセッション番号:XP_002893246.1)、hypothetical protein ARALYDRAFT_476315 [Arabidopsis lyrata subsp. lyrata](アクセッション番号:XP_002887397.1)、hypothetical protein ARALYDRAFT_497263 [Arabidopsis lyrata subsp. lyrata](アクセッション番号:XP_002862880.1)、sucrose-proton symporter 1 [Arabidopsis lyrata subsp. lyrata](アクセッション番号:XP_002887396.1)、sucrose transport protein, putative [Ricinus communis](アクセッション番号:XP_002526849.1)、sucrose-proton symporter 6 [Arabidopsis lyrata subsp. lyrata](アクセッション番号:XP_002871200.1)、PREDICTED:sucrose transport protein-like [Cicer arietinum](アクセッション番号:XP_004496382.1)、hypothetical protein ARALYDRAFT_911231 [Arabidopsis lyrata subsp. lyrata](アクセッション番号:XP_002874582.1)、predicted protein [Arabidopsis lyrata subsp. lyrata](アクセッション番号:XP_002887046.1)、sucrose proton symporter [Populus trichocarpa](アクセッション番号:XP_002326003.1)、sucrose proton symporter [Populus trichocarpa](アクセッション番号:XP_002327228.1)、sucrose transporter [Glycine max](アクセッション番号:NP_001236298.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2 [Solanum lycopersicum](アクセッション番号:XP_004250368.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Fragaria vesca subsp. vesca](アクセッション番号:XP_004290438.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC5-like [Cicer arietinum](アクセッション番号:XP_004515134.1)、sucrose proton symporter [Populus trichocarpa](アクセッション番号:XP_002333323.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Fragaria vesca subsp. vesca](アクセッション番号:XP_004291895.1)、sucrose transporter-like [Vitis vinifera](アクセッション番号:NP_001268070.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2 [Vitis vinifera](アクセッション番号:XP_002266122.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Cicer arietinum](アクセッション番号:XP_004515590.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Fragaria vesca subsp. vesca](アクセッション番号:XP_004289897.1)、Sucrose transport protein [Medicago truncatula](アクセッション番号:XP_003610412.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Glycine max](アクセッション番号:XP_003548077.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Glycine max](アクセッション番号:XP_003548952.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Fragaria vesca subsp. vesca](アクセッション番号:XP_004291896.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Glycine max](アクセッション番号:XP_003518348.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Cucumis sativus](アクセッション番号:XP_003548078.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Cucumis sativus](アクセッション番号:XP_004138920.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Cucumis sativus](アクセッション番号:XP_004159998.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Fragaria vesca subsp. vesca](アクセッション番号:XP_004298889.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Glycine max](アクセッション番号:XP_003548076.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUC2-like [Glycine max](アクセッション番号:XP_003518345.1)、hypothetical protein ARALYDRAFT_319456 [Arabidopsis lyrata subsp. lyrata](アクセッション番号:XP_002885931.1)、Os02g0827200 [Oryza sativa Japonica Group](アクセッション番号:NP_001048591.1)、hypothetical protein SORBIDRAFT_04g038030 [Sorghum bicolor](アクセッション番号:XP_002453083.1)、PREDICTED: sucrose transport protein SUT1-like [Brachypodium distachyon](アクセッション番号:XP_003558709.1)が挙げられる。また、イネにおいて維管束師部伴細胞に局在することが知られている(Chi-aki M et al.(2000), Plant Physiology,124,85-93))Os03g0170900 [Oryza sativa Japonica Group](アクセッション番号:NP_001049111.1)が挙げられる。
また、シロイヌナズナのSUC2遺伝子をコードする塩基配列と一定以上の同一性を有するコード領域としては、Arabidopsis lyrata subsp. lyrata sucrose-proton symporter 2 (SUC2), mRNA(アクセッション番号:XM_002893200.1)、Brassica oleracea sucrose transporter SUC2 (SUC2) mRNA, complete cds(アクセッション番号AY065840.1)、Brassica napus sucrose transporter (SUT) mRNA, complete cds(アクセッション番号:EU570076.1)、Arabidopsis lyrata subsp. lyrata sucrose-proton symporter 1 (SUC1), mRNA(アクセッション番号XM_002887350.1)、Arabidopsis lyrata subsp.lyrata hypothetical protein, mRNA(アクセッション番号:XM_002887351.1)、Arabidopsis lyrata subsp.lyrata hypothetical protein, mRNA(アクセッション番号:XM_002862834.1)がある。当業者は、これらの中から利用可能なものを適宜選択することができる。
TDRプロモーター、SUC2プロモーター以外に、維管束形成層又は師部細胞で特異的に発現するプロモーターが利用可能である。このようなプロモーターとして、例えば、PXY(Phloem intercalated with xylem)プロモーター、Dof5.6(Dof-type zinc finger domain-containing protein)プロモーター、HCA2(High cambial activity 2)プロモーター等が挙げられる。これらの塩基配列は、いずれも、NCBIのデータベースにおいて取得することができる。
(細胞増殖促進遺伝子)
細胞増殖促進遺伝子は、細胞増殖を促進するタンパク質をコードする遺伝子である。このような遺伝子として、プロテインフォスファターゼ2C(PP2C)遺伝子、アインテグメンタ(ANT;AINTEGUMENTA)遺伝子、ヘラクレス1(HRC1;Hercules 1)遺伝子、NAM/CUC様タンパク質1(NAC1;NAM/ CUC-like Protein 1)遺伝子、ARGOS遺伝子、DWF4遺伝子、ジベレリン20−オキシダーゼ1(GA20OX1;gibberellin 20-oxidase 1)遺伝子、サイクリン−B1−1(CYB1;1;Cyclin-B1-1)遺伝子、サイクリン−D2−1(CYD2;1;Cyclin-D2-1)遺伝子が挙げられる。またE2Fa遺伝子及び/又は二量体化パートナー(DPa;Dimerization Partner)遺伝子等が挙げられる。これらの塩基配列は、いずれも、NCBIのデータベースにおいて取得することができる。
(PP2C遺伝子)
PP2C遺伝子は、配列番号1〜3に示すアミノ酸配列からなる3つの共通配列をN末端側からこの順で有するPP2Cをコードする。なお、参考文献(TRENDS in Plant Science Vol.9 No.5May 2004 Pages 236-243)の第237頁に挙げられたFigure1.topographic cladogramにおいてグループEとして分類された遺伝子群は、配列番号1〜3に示すアミノ酸配列からなる3つの共通配列をN末端側からこの順で有するPP2Cをコードする遺伝子である。なお、参考文献によれば、シロイヌナズナにおいては、76個のPP2C遺伝子が予測されており、これら遺伝子についてT−Coffeeソフトウェア(参考文献;Notredame, C. et al. 2000 T-Coffee: a novel method for fast and accurate multiple sequence alignment. J. Mol. Biol. 302, 205-247)を用いて系統樹を作成した結果が参考文献のFigure 1として開示されている。この系統樹において、グループEに分類されたPP2C遺伝子は、配列番号1〜3に示すアミノ酸配列からなる3つの共通配列をN末端側からこの順で有するPP2Cをコードしている。配列番号1〜3に示すアミノ酸配列からなる3つの共通配列は、上述した分類におけるグループEに特徴的な配列であって、他のグループとの明確な区別基準となる配列である。
ここで、配列番号1に示すアミノ酸配列において、Xaaとして表記されたアミノ酸残基は任意のアミノ酸であり、如何なるアミノ酸に限定されるものではない。但し、配列番号1に示すアミノ酸配列におけるN末端側から1番目のアミノ酸残基は、ロイシン(三文字表記:Leu、一文字表記:L、以下同様)又はフェニルアラニン(Phe、F)であることが好ましい。配列番号1に示すアミノ酸配列におけるN末端側から4番目のアミノ酸残基は、バリン(Val、V)、イソロイシン(Ile、I)又はメチオニン(Met、M)であることが好ましい。配列番号1に示すアミノ酸配列におけるN末端側から16番目のアミノ酸残基は、セリン(Ser、S)又はアラニン(Ala、A)であることが好ましい。配列番号1に示すアミノ酸配列におけるN末端側から17番目のアミノ酸残基は、リジン(Lys、K)、アルギニン(Arg、R)、グルタミン(Gln、Q)又はアスパラギン(Asn、N)であることが好ましい。すなわち、配列番号1に示すアミノ酸配列からなる共通配列としては、より具体的に(L/F)XG(V/I/M)FDGHGXXGXXX(S/A)(K/R/Q/N)XVであることが好ましい。このアミノ酸配列において、カッコ内の複数のアミノ酸は該位置において取りうるアミノ酸残基のバリエーションを示している。また、下記アミノ酸配列において、Xは、該位置において任意のアミノ酸残基を取りうることを意味している。
ここで配列番号2に示すアミノ酸配列において、Xaaとして表記されたアミノ酸残基は任意のアミノ酸であり、如何なるアミノ酸に限定されるものではない。但し、配列番号2に示すアミノ酸配列におけるN末端側から5番目のアミノ酸残基は、グリシン(Gly、G)、アラニン(Ala、A)又はセリン(Ser、S)であることが好ましい。配列番号2に示すアミノ酸配列におけるN末端側から6番目のアミノ酸残基は、バリン(Val、V)、ロイシン(Leu、L)又はイソロイシン(Ile、I)であることが好ましい。配列番号2に示すアミノ酸配列におけるN末端側から9番目のアミノ酸残基は、イソロイシン(Ile、I)、バリン(Val、V)、フェニルアラニン(Phe、F)、メチオニン(Met、M)又はロイシン(Leu、L)であることが好ましい。配列番号2に示すアミノ酸配列におけるN末端側から12番目のアミノ酸残基は、グリシン(Gly、G)又はアラニン(Ala、A)であることが好ましい。配列番号2に示すアミノ酸配列におけるN末端側から15番目のアミノ酸残基は、ロイシン(Leu、L)、バリン(Val、V)又はイソロイシン(Ile、I)であることが好ましい。配列番号2に示すアミノ酸配列におけるN末端側から17番目のアミノ酸残基は、イソロイシン(Ile、I)、バリン(Val、V)又はメチオニン(Met、M)であることが好ましい。配列番号2に示すアミノ酸配列におけるN末端側から18番目のアミノ酸残基は、グリシン(Gly、G)又はアラニン(Ala、A)であることが好ましい。配列番号2に示すアミノ酸配列におけるN末端側から22番目のアミノ酸残基は、アスパラギン酸(Asp、D)又はヒスチジン(His、H)であることが好ましい。配列番号2に示すアミノ酸配列におけるN末端側から26番目のアミノ酸残基は、バリン(Val、V)又はイソロイシン(Ile、I)であることが好ましい。配列番号2に示すアミノ酸配列におけるN末端側から27番目のアミノ酸残基は、ロイシン(Leu、L)、メチオニン(Met、M)又はイソロイシン(Ile、I)であることが好ましい。すなわち、配列番号2に示すアミノ酸配列からなる共通配列としては、より具体的にSGXT(G/A/S)(V/L/I)XX(I/V/F/M/L)XX(G/A)XX(L/V/I)X(I/V/M)(A/G)NXG(D/H)SRA(V/I)(L/M/I)であることが好ましい。このアミノ酸配列において、カッコ内の複数のアミノ酸は該位置において取りうるアミノ酸残基のバリエーションを示している。また、下記アミノ酸配列において、Xは、該位置において任意のアミノ酸残基を取りうることを意味している。
ここで配列番号3に示すアミノ酸配列において、Xaaとして表記されたアミノ酸残基は任意のアミノ酸であり、如何なるアミノ酸に限定されるものではない。但し、配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から4番目のアミノ酸残基は、メチオニン(Met、M)、バリン(Val、V)又はフェニルアラニン(Phe、F)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から5番目のアミノ酸残基は、セリン(Ser、S)、アラニン(Ala、A)又はトレオニン(Thr、T)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から7番目のアミノ酸残基は、アラニン(Ala、A)又はセリン(Ser、S)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から8番目のアミノ酸残基は、フェニルアラニン(Phe、F)、イソロイシン(Ile、I)又はバリン(Val、V)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から14番目のアミノ酸残基は、リシン(Lys、K)又はグルタミン酸(Glu、E)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から18番目のアミノ酸残基は、バリン(Val、V)又はロイシン(Leu、L)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から19番目のアミノ酸残基は、イソロイシン(Ile、I)又はバリン(Val、V)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から23番目のアミノ酸残基は、グルタミン酸(Glu、E)、グルタミン(Gln、Q)又はアスパラギン酸(Asp、D)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から24番目のアミノ酸残基は、イソロイシン(Ile、I)、バリン(Val、V)又はフェニルアラニン(Phe、F)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から29番目のアミノ酸残基は、イソロイシン(Ile、I)、ロイシン(Leu、L)又はバリン(Val、V)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から30番目のアミノ酸残基は、セリン(Ser、S)、トレオニン(Thr、T)又はアスパラギン(Asn、N)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から33番目のアミノ酸残基は、アスパラギン酸(Asp、D)、アスパラギン(Asn、N)又はヒスチジン(His、H)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から35番目のアミノ酸残基は、フェニルアラニン(Phe、F)又はチロシン(Tyr、Y)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から36番目のアミノ酸残基は、ロイシン(Leu、L)、イソロイシン(Ile、I)、バリン(Val、V)、フェニルアラニン(Phe、F)又はメチオニン(Met、M)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から37番目のアミノ酸残基は、バリン(Val、V)、ロイシン(Leu、L)又はイソロイシン(Ile、I)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から38番目のアミノ酸残基は、ロイシン(Leu、L)又はバリン(Val、V)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から40番目のアミノ酸残基は、トレオニン(Thr、T)又はセリン(Ser、S)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から43番目のアミノ酸残基は、バリン(Val、V)、イソロイシン(Il(11) JP WO2009/113684 A1 2009.9.17e、I)又はメチオニン(Met、M)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から44番目のアミノ酸残基は、トリプトファン(Trp、W)又はフェニルアラニン(Phe、F)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から45番目のアミノ酸残基は、アスパラギン酸(Asp、D)又はグルタミン酸(Glu、E)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から47番目のアミノ酸残基は、ロイシン(Leu、L)、イソロイシン(Ile、I)又はメチオニン(Met、M)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から48番目のアミノ酸残基は、セリン(Ser、S)、トレオニン(Thr、T)又はプロリン(Pro、P)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から49番目のアミノ酸残基は、アスパラギン(Asn、N)又はセリン(Ser、S)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から52番目のアミノ酸残基は、バリン(Val、V)又はアラニン(Ala、A)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から55番目のアミノ酸残基は、ロイシン(Leu、L)、バリン(Val、V)、イソロイシン(Ile、I)又はメチオニン(Met、M)であることが好ましい。配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から56番目のアミノ酸残基は、イソロイシン(Ile、I)又はバリン(Val、V)であることが好ましい。すなわち、配列番号3に示すアミノ酸配列からなる共通配列としては、より具体的に
GXA(M/V/F)(S/A/T)R(A/S)(F/I/V)GDXXX(K/E)XXG(V/L)(I/V)XXP(E/Q/D)(I/V/F)XXXX(I/L/V)(T/S)XX(D/N/H)X(F/Y)(L/I/V/F)(V/L/I)(L/V)A(T/S)DG(V/I/M)(W/F)(D/E)X(L/I/M)(S/T/P)(N/S)XX(V/A)XX(L/V/I/M)(I/V)であることが好ましい。このアミノ酸配列において、カッコ内の複数のアミノ酸は該位置において取りうるアミノ酸残基のバリエーションを示している。また、下記アミノ酸配列において、Xは、該位置において任意のアミノ酸残基を取りうることを意味している。
ただし、配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から20番目のアミノ酸残基は、アラニン(Ala、A)、セリン(Ser、S)又はシステイン(Cys、C)であることがより好ましい。また、配列番号3に示すアミノ酸配列におけるN末端側から50番目のアミノ酸残基は、アスパラギン酸(Asp、D)、グルタミン酸(Glu、E)、リシン(Lys、K)、グルタミン(Gln、Q)又はアスパラギン(Asn、N)であることがより好ましい。
所定の位置において取りうるアミノ酸残基のバリエーションは以下の理由によるもので
ある。参考文献(1)(「マッキー生化学」第3版 5章アミノ酸・ペプチド・タンパク質 5.1アミノ酸、監修:市川厚、監訳:福岡伸一、発行者:曽根良介、発行所:(株)化学同人、ISBN4-7598-0944 -9)でも記載されているように、アミノ酸は同様の性質(化学的性質や物理的大きさ)を持つ側鎖に従って分類される事がよく知られる。また、タンパク質の活性を保持したまま、所定のグループに分類されるアミノ酸残基間における分子進化上の置換が頻度高く起こることがよく知られる。この考えを基に、参考文献(2):Henikoff S., Henikoff J.G., Amino-acid substitution matrices from protein blocks, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 10915-10919 (1992)中の、Fig.2でアミノ酸残基の置換変異のスコアマトリックス(BLOSUM)が提唱され、広く使用されている。参考文献(2)では、側鎖の化学的性質が似たもの同士のアミノ酸置換は、タンパク質全体に与える構造や機能変化が少なくなると言う知見に基づくものである。上記参考文献(1)及び(2)によれば、マルチプルアラインメントで考慮するアミノ酸の側鎖のグループは、化学的性質や物理的大きさなどの指標を基にして考えることができる。これは、参考文献(2)に開示されたスコアマトリックス(BLOSUM)において、スコアの0以上の値を持つアミノ酸、好ましくは1以上の値を持つアミノ酸のグループとして示される。代表的なグループとしては、下記の8つが上げられる。その他の細かいグループ分けは、該スコアの値の0以上同士のアミノ酸グループ、好ましくは1以上同士のアミノ酸グループ、さらに好ましくは2以上のアミノ酸グループであれば良い。
1)脂肪族疎水性アミノ酸グループ(ILMVグループ)
このグループは、上記参考文献(1)で示された中性非極性アミノ酸のうち、脂肪属性の
疎水性側鎖をもつアミノ酸のグループであり、V(Val、バリン)、L(Leu、ロイシン)、I(Il
e、イソロイシン)及びM(Met、メチオニン)から構成される。参考文献(1)による中性非極
性アミノ酸と分類されるもののうちFGACWPは以下理由で、この「脂肪族疎水性アミノ酸グループ」には含めない。G(Gly、グリシン)やA(Ala、アラニン)はメチル基以下の大きさで非極性の効果が弱いからである。C(Cys、システイン)はS-S結合に重要な役目を担う場合があり、また、酸素原子や窒素原子と水素結合を形成する特性があるからである。F(Phe、フェニルアラニン)やW(Trp、トリプトファン)は側鎖がとりわけ大きな分子量をもち、かつ、芳香族の効果が強いからである。P(Pro、プロリン)はイミノ酸効果が強く、ポリペプチドの主鎖の角度を固定してしまうからである。
2)ヒドロキシメチレン基をもつグループ(STグループ)
このグループは、中性極性アミノ酸のうちヒドロキシメチレン基を側鎖に持つアミノ酸
のグループであり、S(Ser、セリン)とT(Thr、スレオニン)から構成される。SとTの側鎖に存在する水酸基は、糖の結合部位であるため、あるポリペプチド(タンパク質)が特定の活性を持つために重要な部位である場合が多い。
3)酸性アミノ酸(DEグループ)
このグループは、酸性であるカルボキシル基を側鎖に持つアミノ酸のグループであり、
D(Asp、アスパラギン酸)とE(Glu、グルタミン酸)から構成される。
4)塩基性アミノ酸(KRグループ)
このグループは、塩基性アミノ酸のグループであり、K(Lys、リジン)とR(Arg、アルギニン)から構成される。これらKとRは、pHの広い範囲で正に帯電し塩基性の性質をもつ。一方、塩基性アミノ酸に分類されるH(His、ヒスチジン)はpH7においてほとんどイオン化されないので、このグループには分類されない。
5)メチレン基=極性基(DHNグループ)
このグループは、全てα位の炭素元素に側鎖としてメチレン基が結合しその先に極性基を有すると言う特徴を持つ。非極性基であるメチレン基の物理的大きさが酷似している特徴を持ち、N(Asn、アスパラギン、極性基はアミド基)、D(Asp、アスパラギン酸、極性基はカルボキシル基)とH(His、ヒスチジン、極性基はイミダゾール基)から成る。
6)ジメチレン基=極性基(EKQRグループ)
このグループは、全てα位の炭素元素に側鎖としてジメチレン基以上の直鎖炭化水素が結合しその先に極性基を有すると言う特徴を持つ。非極性基であるジメチレン基の物理的大きさが酷似している特徴を持つ。E(Glu、グルタミン酸、極性基はカルボキシル基)、K(Lys、リジン、極性基はアミノ基)、Q(Gln、グルタミン、極性基はアミド基)、R(Arg、アルギニン、極性基はイミノ基とアミノ基)から成る。
7)芳香族(FYWグループ)
このグループには、側鎖にベンゼン核を持つ芳香族アミノ酸であり、芳香族特有の化学的性質を特徴とする。F(Phe、フェニルアラニン)、Y(Tyr、チロシン)、W(Trp、トリプトファン)から成る。
8)環状&極性(HYグループ)
このグループには、側鎖に環状構造を持つと同時に極性も持つアミノ酸で、H(H、ヒスチジン、環状構造と極性基は共にイミダゾール基)、Y(Tyr、チロシン、環状構造はベンゼン核で極性基は水酸基)から成る。
以上のように、配列番号1〜3に示す所定のアミノ酸配列においては、Xaaとして示すアミノ酸残基を任意のアミノ酸としても良いが、Xaaとして示すアミノ酸残基を上記1)〜8)のグループ内でアミノ酸置換しても良いことが判る。すなわち、本発明において、植物体内で過剰発現させるPP2C遺伝子は、配列番号1〜3に示すアミノ酸配列からなる3つの共通配列をN末端側からこの順で有する限り、如何なる植物由来のPP2C遺伝子であってもよい。なお、PP2C遺伝子の一例としては、配列番号4で示すアミノ酸配列を有する。
また、本発明においては、上記で列挙した遺伝子の相同遺伝子であってもよい。相同遺伝子は、PP2C活性を有するタンパク質をコードする。PP2C活性とは、Mg2+又はMn2+依存型のセリン/スレオニンホスファターゼ(Ser/Thrホスファターゼ)活性を意味する。従って、ある遺伝子がPP2C活性を有するタンパク質をコードするか否かは、該遺伝子の産物がMg2+又はMn2+存在下においてセリン/スレオニンホスファターゼ活性を有するか否かを検討すればよい。セリン/スレオニンホスファターゼ活性を測定する手法は、従来公知の手法を適宜使用することができる。例えば、市販の活性測定キットProFluor(商標)Ser/Thr Phosphatase Assay(Promega社製)を使用することができる。例えば、こうした遺伝子としては、配列番号4で表されるアミノ酸配列と好ましくは90%以上の同一性、より好ましくは95%以上の同一性、さらに好ましくは97%以上の同一性、一層好ましくは98%以上の同一性、より一層好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、PP2C活性を有するタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。
(ANT遺伝子)
ANT遺伝子は、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するANTをコードする遺伝子である。ANT遺伝子の産物であるANTは、AP2ドメインの存在によって特徴付けられる。このドメインは、AP2において最初に同定され、このモチーフは、両親媒性α−へリックスを形成する能力および/またはDNAを結合する能力を有する、非常に保存されたコア領域を有する、約60〜70アミノ酸残基の領域により特徴付けられる(Jofukuら、Plant Cell 6:1211~1225(1994);Ohme-TakagiおよびShinshi、Plant Cell 7:173~182(1995))。全長ANTタンパク質は、2つのAP2ドメイン(配列番号5のアミノ酸281〜357および383〜451)およびリンカー領域(アミノ酸358〜382)を含み、そして他のAP2ドメインタンパク質に対する相同性は、この領域に限定されている。本発明のANT遺伝子は、代表的には、長さが少なくとも約30〜40ヌクレオチド〜約2500ヌクレオチド、通常は長さが約3000ヌクレオチド未満の、コード配列を含む。通常、本発明のANT遺伝子は、長さが約100〜約5000ヌクレオチド、しばしば約500〜約3000ヌクレオチドである。
なお、ANT遺伝子と機能的に同等な遺伝子も用いることができる。係る遺伝子は、配列番号5で表されるアミノ酸配列と好ましくは90%以上の同一性、より好ましくは95%以上の同一性、さらに好ましくは97%以上の同一性、一層好ましくは98%以上の同一性、より一層好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。
(ベクター)
上記のプロモーター及び遺伝子は、ベクターに含めることができる。該ベクターは、さらに種々の調節要素が、宿主植物の細胞中で作動し得る状態で連結されていてもよい。こうした要素としては、好ましくは、ターミネーター、薬剤耐性遺伝子、およびエンハンサーが挙げられる。発現用ベクターのタイプおよび使用される調節エレメントの種類が、宿主細胞に応じて変わり得ることは、当業者に周知の事項である。本発明のベクターは、さらにT−DNA領域を有し得る。T−DNA領域は、特にアグロバクテリウムを用いて植物を形質転換する場合に遺伝子の導入の効率を高める。
本発明のベクターは、当業者に周知の遺伝子組換え技術を用いて作製され得る。植物発現用ベクターの構築には、例えば、pBI系のベクターまたはpUC系のベクターが好適に用いられるが、これらに限定されない。
植物細胞への植物発現用ベクターの導入には、当業者に周知の方法、例えば、アグロバクテリウムを介する方法、および直接細胞に導入する方法が用いられ得る。アグロバクテリウムを介する方法としては、例えば、Nagelらの方法(FEMS Microbiol.Lett.,67,325(1990))が用いられ得る。この方法は、まず、植物発現用ベクターで(例えば、エレクトロポレーションによって)アグロバクテリウムを形質転換し、次いで、形質転換されたアグロバクテリウムをリーフディスク法などの周知の方法により植物細胞に導入する方法である。植物発現用ベクターを直接細胞に導入する方法としては、エレクトロポレーション法、パーティクルガン、リン酸カルシウム法、およびポリエチレングリコール法などがある。これらの方法は、該分野において周知であり、形質転換する植物に適した方法が、当業者により適宜選択され得る。植物発現用ベクターを導入された細胞は、後述するように、例えば、カナマイシン耐性などの薬剤耐性を基準として選択される。選択された細胞は、常法により植物体に再生され得る。
本明細書の植物体は、特に限定されないが、例えば、双子葉植物、単子葉植物、例えばアブラナ科、アオイ科、イネ科、ナス科、マメ科、ヤナギ科等に属する植物(下記参照)が挙げられる。師部組織増産には、生長が早く、概して一年草である植物体を好ましく用いることができる。例えば、こうした植物体としてケナフなどのアオイ科植物が挙げられる。
アブラナ科:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、アブラナ(Brassica rapa、Brassica napus)、キャベツ(Brassica oleracea var. capitata)、ハクサイ(Brassica rapa var. pekinensis)、チンゲンサイ(Brassica rapa var. chinensis)、カブ(Brassica rapa var. rapa)、ノザワナ(Brassica rapa var. hakabura)、ミズナ(Brassica rapa var. lancinifolia)、コマツナ(Brassica rapa var. peruviridis)、パクチョイ(Brassica rapa var. chinensis)、ダイコン(Brassica Raphanus sativus)、ワサビ(Wasabia japonica)
ナス科:タバコ(Nicotiana tabacum)、ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solaneum tuberosum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、トウガラシ(Capsicum annuum)、ペチュニア(Petunia)など。
マメ科:ダイズ(Glycine max)、エンドウ(Pisum sativum)、ソラマメ(Vicia faba)、フジ(Wisteria floribunda)、ラッカセイ(Arachis. hypogaea)、ミヤコグサ(Lotus corniculatus var. japonicus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、アズキ(Vigna angularis)、アカシア(Acacia)など。
キク科:キク(Chrysanthemum morifolium)、ヒマワリ(Helianthus annuus)など。
ヤシ科:アブラヤシ(Elaeis guineensis、Elaeis oleifera)、ココヤシ(Cocos nucifera)、ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)、ロウヤシ(Copernicia)など。
ウルシ科:ハゼノキ(Rhus succedanea)、カシューナットノキ(Anacardium occidentale)、ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)、マンゴー(Mangifera indica)、ピスタチオ(Pistacia vera)など。
ウリ科:カボチャ(Cucurbita maxima、Cucurbita moschata、Cucurbita pepo)、キュウリ(Cucumis sativus)、カラスウリ(Trichosanthes cucumeroides)、ヒョウタン(Lagenaria siceraria var. gourda)など。
バラ科:アーモンド(Amygdalus communis)、バラ(Rosa)、イチゴ(Fragaria)、サクラ(Prunus)、リンゴ(Malus pumila var. domestica)など。
ナデシコ科:カーネーション(Dianthus caryophyllus)など。
ヤナギ科:ポプラ(Populus trichocarpa、Populus nigra、Populus tremula)など。
イネ科:トウモロコシ(Zea mays)、イネ(Oryza sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)、コムギ(Triticum aestivum)、タケ(Phyllostachys)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ネピアグラス(Pennisetum pupureum)、エリアンサス(Erianthus ravenae)、ミスキャンタス(ススキ)(Miscanthus virgatum)、ソルガム(Sorghum)スイッチグラス(Panicum)など。
ユリ科:チューリップ(Tulipa)、ユリ(Lilium)など。
フトモモ科:ユーカリ(Eucalyptus camaldulensis、Eucalyptus grandis)など。
アオイ科:オクラ(Abelmoschus esculentus)、イチビ(Abutilon theophrasti)、タチアオイ(Althaea rosea)、ワタ(Gossypium spp)、ケナフ(Hibiscus cannabinus)、ジャコウアオイ(Malva moschata)、ウナズキヒメフヨウ(Malvaviscus arboreus var. mexicanus)、ヤノネボンテンカ(Pavonia hastata)、イリマ(Sida fallax)など。
イラクサ科:チョマ(Boehmeria nivea var. nipononivea)、ヤブマオ(Boehmeria japonica)、ヤナギイチゴ (D. edulis)、ランダイミズ (E. platyphyllum)など。
本明細書の植物体には、成育した植物個体、植物細胞、植物組織、カルス、種子の少なくとも何れかが含まれる。つまり、本明細書では、最終的に植物個体まで成育させることができる状態のものであれば、全て植物体とみなす。また、上記植物細胞には、種々の形態の植物細胞が含まれる。かかる植物細胞としては、例えば、懸濁培養細胞、プロトプラスト、葉の切片等が含まれる。これらの植物細胞を増殖・分化させることにより植物体を得ることができる。なお、植物細胞からの植物体の再生は、植物細胞の種類に応じて、従来公知の方法を用いて行うことができる。
(師部組織量の評価)
本明細書では、例えば、以下の方法によって、師部組織が増産されたか否かを評価することができる。まず、各植物体の丈を実測する。次いで、各植物体の茎を一定の位置(たとえば基部から20mm)で切断し、トルイジンブルー、メチレンブルー、ヘマトキシリン等の色素によって切片を染色する。染色後の切片の画像を撮影し、画像の解析等によって、師部面積を求める。横断面積当たりの師部面積を計算し、師部比率を求める。さらに、上述した植物体の丈と師部比率とから師部増産効果を求める。師部増産効果は、野生株の師部面積に対する植物体の師部面積比と、野生株の丈に対する植物体の丈比と、を用いて、以下の式で表される。
師部増産効果=(植物体の師部面積比)×(植物体の丈比)
師部増産効果を比較することによって、師部組織が増産されたか否かを評価することができる。師部増産効果が大きいほど、師部組織量が増加していることを示す。
本明細書の開示の植物体は、師部組織が特異的に増大されている。例えば、本開示の植物体は、師部組織量(師部増産効果)が野生株に比較して2.0倍以上であることが好ましい。より好ましくは2.5倍以上であり、さらに好ましくは3.0倍以上であり、より一層好ましくは3.5倍以上であり、より好ましくは4.0倍以上である。また、本開示の植物体は、師部面積が野生株に比較して1.6倍以上であることが好ましい。より好ましくは、1.8倍以上であり、さらに好ましくは、2.0倍以上であり、さらに好ましくは2.2倍以上、より一層好ましくは2.5倍以上である。また、本開示の植物体は、丈が野生株に比較して1.2倍以上であることが好ましい。より好ましくは、1.3倍以上であり、さらに好ましくは、1.5倍以上、より一層好ましくは1.6倍以上である。
本明細書の開示の植物体において、師部増産効果に関し、好ましいプロモーターと細胞増殖促進遺伝子との組合せは、SUC2プロモーターと、ANT遺伝子又はPP2C遺伝子と、の組合せであり、より好ましくはSUC2プロモーターとPP2C遺伝子との組合せである。また、他の好ましい組合せは、TDRプロモーターと、ANT遺伝子又はPP2C遺伝子と、の組合せであり、より好ましくはTDRプロモーターとPP2C遺伝子との組合せである。
(植物体の生産方法)
本明細書に開示によると、植物の維管束形成層又は師部細胞で特異的に発現するプロモーターと、該プロモーターの制御下にある遺伝子であって、細胞増殖を促進するタンパク質をコードする遺伝子と、を保持した植物細胞を有する植物体の生産方法が提供される。プロモーター及び遺伝子の詳細については上述のとおりである。また、本明細書に開示の生産方法によれば、師部組織が増産された植物体を得ることができる。
(師部組織の増産方法)
本明細書に開示によると、植物の維管束形成層又は師部細胞で特異的に発現するプロモーターと、該プロモーターの制御下にある遺伝子であって、細胞増殖を促進するタンパク質をコードする遺伝子と、を保持した植物細胞を有する植物体を育成する工程を備える、師部組織の増産方法が提供される。プロモーター及び遺伝子の詳細については上述のとおりである。本明細書に開示の生産方法によれば、植物体の師部組織を適切に増産させることができる。師部組織が増産しているとは、植物体の全体の重量に対する、師部組織の重量の割合が増加していることをいう。
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(TDR及びSUC2プロモーターの取得)
シロイヌナズナ(Col−0)幼葉を液体窒素凍結下で粉砕したものと、DNeasy Plant Mini Kit(Qiagen社製)とを用いて、ゲノムDNAを調製した。調製したゲノムDNAを鋳型とし、PCR法によってシロイヌナズナのTDR(At5g61480)及びSUC2(At1g22710)の各プロモーター領域を増幅させた。PCR反応には、制限酵素サイト(HindIII、SalI)を付加した下記の各プライマー、即ち、TDRプロモーター増幅用プライマーとして、HindIII-TDR-F1(配列番号8)及びTDR-Sall-R1(配列番号9)を用い、SUC2プロモーター増幅用プライマーとして、HindIII-SUC2-F1(配列番号10)及びSUC2-Sall-R1(配列番号11)を用いた。
HindIII-TDR-F1: TATGACCATGATTACGCCAAGCTTAAGAAGTTGATTTTGGAC(配列番号8)
TDR-SalI-R1: ACCCGGGGATCCTCTAGAGTCGACCGTAGCTTTTAGAAAGAA(配列番号9)
HindIII-SUC2-F1: TATGACCATGATTACGCCAAGCTTACGCAAACTAACTACAAC(配列番号10)
SUC2-SalI-R1: ACCCGGGGATCCTCTAGAGTCGACATTTGACAAACCAAGAAA(配列番号11)
(プロモータークローニング用ベクターpBI101N2の作製)
植物発現用ベクターpBI121(CLONTECH社製)を制限酵素HindIII及びBamHI で処理した。次に、オリゴヌクレオチド(Linker-F2(配列番号12)、Linker-R2(配列番号13))を等量混合し、96℃で10min、その後室温に2時間静置した。静置後のオリゴヌクレオチド混合物と、上記制限酵素処理したpBI121と、DNA Ligation Kit <Mighty Mix>(タカラバイオ社製)と、によりライゲーション反応を行い、プロモータークローニングベクターpBI101N2を作製した。
Linker-F2:AGCTTGGCGCGCCTTAATTAAACTAGTCTCGAGGTCGACT(配列番号12)
Linker-R2:CTAGAGTCGACCTCGAGACTAGTTTAATTAAGGCGCGCCA(配列番号13)
増幅したTDRプロモーター及びSUC2プロモーターを、In-Fusion(登録商標) Dry-Down PCR Cloning Kit w/Cloning Enhancerを用い、作製したベクターpBI101N2へクローニングし、プロモータークローニング用ベクターpBI TDR、及び、pBI SUC2を作製した。
(植物発現用ベクターpBI TDR:PP2C、及び、pBI TDR:ANTの作製)
シロイヌナズナ(Col−0)から調製したゲノムDNAを鋳型とし、PCR法によってシロイヌナズナのPP2C(At3G05640)遺伝子を増幅させ、ベクターpBI 35SΩ:PP2Cを作製した。また、シロイヌナズナ(Col−0)のcDNAを鋳型とし、PCR法によってシロイヌナズナのANT(At4G37750)遺伝子を増幅させ、ベクターpBI 35SΩ:ANTを作製した。PCR反応には、制限酵素サイト(SalI,BsrGI)を付加したPP2C増幅用プライマーとして、SalI-PP2C-F(配列番号14)、PP2C-BsrGI-R(配列番号15)を用い、ANT増幅用プライマーとして、SalI-ANT-F(配列番号16)、ANT-BsrGI-R(配列番号17)を用いた。
SalI-PP2C-F:
AATTACTATTTACAATTACAGTCGACATGGGACATTTCTCTTCCATG(配列番号14)
PP2C- BsrGI-R:
CGGGCGGCCGCTTTACTTGTACACTATAGAGATGGCGACGACG(配列番号15)
SalI-ANT-F: AATTACTATTTACAATTACAGTCGACATGAAGTCTTTTTGTGATAATGATGATAATAATCAT(配列番号16)
ANT-BsrGI-R: AGCCGGGCGGCCGCTTTACTTGTACATCAAGAATCAGCCCAAGCAGCG(配列番号17)
上記で作製したプラスミドDNAをテンプレートにして、下記に示した各プライマーを用いてPCR反応を行い増幅した。TDR:PP2C増幅用プライマーとして、TDR-SalI-PP2C-F1(配列番号18)、及び、PP2C-SacI-R1(配列番号19)を用い、TDR:ANT増幅用プライマーとして、TDR-SalI-ANT-F1(配列番号20)及びANT-SacI-R1(配列番号21)を用いた。次いで、増幅した遺伝子を、SalIとSacIで処理したプロモータークローニング用ベクターにIn-Fusion (登録商標)Dry-Down PCR Cloning Kit w/Cloning Enhancerを用い、クローニングし、植物発現用ベクターpBI TDR:PP2C、及び、pBI TDR:ANTを作製した。
TDR-SalI-PP2C-F1: TTCTTTCTAAAAGCTACGGTCGACATGGGACATTTCTCTTCC(配列番号18)
PP2C-SacI-R1: GAACGATCGGGGAAATTCGAGCTCCTATAGAGATGGCGACGA (配列番号19)
TDR-SalI-ANT-F1: TTCTTTCTAAAAGCTACGGTCGACATGAAGTCTTTTTGTGAT (配列番号20)
ANT-SacI-R1: GAACGATCGGGGAAATTCGAGCTCTCAAGAATCAGCCCAAGC (配列番号21)
(植物発現用ベクターpBI SUC2:PP2C、及び、pBI SUC2:ANTの作製)
上記の場合と同様に、プラスミドDNAをテンプレートにして、下記に示した各プライマーを用いてPCR反応を行い、増幅した。SUC2:PP2C増幅用プライマーとして、SUC2-SalI-PP2C-F1(配列番号22)、及び、PP2C-SacI-R1(配列番号23)を用い、SUC2:ANT増幅用プライマーとして、SUC2-SalI-ANT-F1(配列番号24)、及び、ANT-SacI-R1(配列番号25)を用いた。次いで、上記の場合と同様に、増幅した遺伝子をクローニングし、植物発現用ベクターpBI SUC2:PP2C、及び、pBI SUC2:ANTを作製した。
SUC2-SalI-PP2C-F1: TTTCTTGGTTTGTCAAATGTCGACATGGGACATTTCTCTTCC(配列番号22)
PP2C-SacI-R1: GAACGATCGGGGAAATTCGAGCTCCTATAGAGATGGCGACGA(配列番号23)
SUC2-SalI-ANT-F1: TTTCTTGGTTTGTCAAATGTCGACATGAAGTCTTTTTGTGAT(配列番号24)
ANT-SacI-R1: GAACGATCGGGGAAATTCGAGCTCTCAAGAATCAGCCCAAGC(配列番号25)
(シロイヌナズナ野生株(Col−0)の形質転換体の作製)
上記で作製したベクター(pBI 35SΩ:PP2C,pBI SUC2:PP2C,pBI TDR:PP2C,pBI 35SΩ:ANT,pBI SUC2:ANT,pBI TDR:ANT)を野生型のシロイヌナズナ(Col−0)へfloral−dip法(Clough and Bent, 1998)を用いて形質転換し、4種類の形質転換体(35SΩ:PP2C,SUC2:PP2C,TDR:PP2C,35SΩ:ANT,SUC2:ANT,TDR:ANT株)を作製した。野生型のシロイヌナズナと、上記の形質転換体と、をカナマイシン(終濃度30μg/mL)とカルベニシリン(終濃度100μg/mL)を含むMS培地で生育させ、T1植物の選抜を行った。その後、スーパーミックスA(サカタのタネ)を使用して鉢上げした。栽培室(22℃、16時間明条件(約50μmol・m-2・s-1白色蛍光灯)/8時間暗条件、湿度60%)で生育させ、T2種子を取得した。
(師部組織の増産評価)
T2種子を3日間の春化処理後、スーパーミックスAを使用して直播した。9週間生育させた各シロイヌナズナ植物体の丈を実測した。次に、第一花序茎の基部から20mm部分で切断した花序茎サンプルを5%アガロースに包埋した。その後、マイクロスライサー[DTK−1000(Dosaka)]を使用して、包埋した花序茎サンプルの中央部(第一花序茎の基部から20mm周辺に対応する)を100μmの厚さで切片作製を行った。この花序茎の横断切片を0.05%(w/v)Toluidine blueで室温、1分間染色し、洗浄後、顕微鏡で観察した。Adobe Photoshopを使用して横断切片写真の画像処理を行い、維管束組織の中の師部組織を抽出した。花序茎の直径、横断面積および師部面積をPaint.NET(http://www.paint.net/)を使用して測定した。また、師部比率を、横断面積当たりの師部面積で求めた。
図1には、野生株(Col−0)、TDR:PP2C及びTDR:ANT株における茎の横断切片写真(上部)と、茎の横断切片における師部組織の画像(下部)を示す。
図2には、野生株及び各形質転換体の茎断面積を示す。なお、図2の各形質転換体のグラフの付近に記載された各数値は、野生株の茎断面積に対する、各形質転換体の茎断面積比を示す。SUC2:PP2C株、の茎断面積は、野生株の茎断面積の1.3倍以上であった。TDR:ANT株の茎断面積は、野生株の茎断面積の1.5倍以上であった。TDR:PP2C株の茎断面積は、野生株の茎断面積の1.8倍以上、さらには、2.0倍以上であった。
図3には、野生株及び各形質転換体の師部面積を示す。なお、図3の各形質転換体のグラフの付近に記載された各数値は、野生株の師部面積に対する、各形質転換体の師部面積比を示す。SUC2:PP2C株の師部面積は、野生株の師部面積の1.6倍以上であった。TDR:ANT株の師部面積は、野生株の師部面積の1.8倍上、さらには、2.0倍以上、さらには、2.2倍以上であった。TDR:PP2C株の師部面積は、野生株の師部面積2.5倍以上であった。
図2に示すように、茎断面積に関し、TDRプロモーター及びSUC2プロモーターは、35SΩプロモーターに比較しても大きな増大効果を有していることがわかった。特にTDRプロモーターがその効果が高いことがわかった。また、ANTもPP2Cも茎断面積増大に寄与するが、PP2Cがより高い効果を有していることがわかった。
図3に示すように、師部面積に関し、TDRプロモーター及びSUC2プロモーターは、35SΩプロモーターに比較して大きな増大効果を有していることがわかった。特にTDRプロモーターがその効果が高いことがわかった。師部面積の増大効果は、茎断面積の増大効果よりもさらに顕著であった。また、ANTもPP2Cも師部面積増大に寄与するが、PP2Cがより高い効果を有していることがわかった。
図4には、野生株及び各形質転換体の師部比率を示す。なお、図4の各形質転換体のグラフの付近に記載された各数値は、野生株の師部比率に対する、各植物体の師部比率の比を示す。TDR:ANT株の師部比率は、野生株の師部比率の1.4倍以上であった。図4に示すように、師部比率に関し、TDRプロモーター及びSUC2プロモーターは、35SΩプロモーターに比較して大きな増大効果を有していることがわかった。特にTDRプロモーターがその効果が高いことがわかった。また、ANTもPP2Cも師部比率増大に寄与するが、PP2Cがより高い効果を有していることがわかった。
図5には、野生株及び各形質転換体の丈を示す。なお、図5の各形質転換体のグラフの付近に記載された各数値は、野生株の丈に対する、各植物体の丈比を示す。TDR:ANT株の丈は、野生株の丈の1.3倍以上であった。TDR:PP2C株の丈は、野生株の丈の1.5倍以上、さらには、1.6倍以上であった。各形質転換体の丈は、いずれも野生株より高かった。図5に示すように、丈に関し、TDRプロモーター及びSUC2プロモーターは、35SΩプロモーターに比較して大きな増大効果を有していることがわかった。特にTDRプロモーターがその効果が高いことがわかった。また、ANTもPP2Cも丈増大に寄与するが、PP2Cがより高い効果を有していることがわかった。このように、師部面積が増加するだけでなく、丈が高くなることは、当業者が予測することができない効果である。
次いで、各形質転換体の師部増産効果を比較した結果を表1に示す。表1に示すように、SUC2:PP2C株の師部増産効果は、2.0倍以上であった。TDR:ANT株の師部増産効果は、2.5倍以上であった。TDR:PP2C株の師部増産効果は、3.0倍以上、さらには、3.5倍以上、さらには、4.0倍以上であった。この結果から、TDR又はSUC2プロモーターの制御下にPP2C遺伝子又はANT遺伝子を導入することにより、師部増産効果が飛躍的に増加することがわかった。また、TDRプロモーターは、SUC2プロモーターよりも師部増産効果が大きく、PP2C遺伝子はANT遺伝子よりも師部増産効果が大きいことがわかった。
配列番号1〜3:ア コンセンサス シーケンス イン ア プロテイン ホスファターゼ
配列番号8〜25:プライマー

Claims (13)

  1. 管状要素分化抑制因子(Tracheary element differentiation inhibitory factor TDIF)受容体(TDR)のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、管状要素分化抑制因子の受容体活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を制御するプロモーターと、
    前記プロモーターよって作動可能に連結される配列番号4で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、プロテインフォスファターゼ2C活性を有するタンパク質をコードするDNA又は配列番号5で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と同一の活性を有するタンパク質をコードするDNAと、
    を保持する植物細胞を有する形質転換植物体であって、
    前記形質転換植物体の師部組織量が野生株に比べて2.0倍以上増加している、形質転換植物体。
  2. 前記DNAは、配列番号4で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、プロテインフォスファターゼ2C活性を有するタンパク質をコードするDNAである、請求項1に記載の形質転換植物体。
    (又は請求項2の削除)
  3. 前記師部組織は前記形質転換植物体の茎の師部組織である、請求項1又は2に記載の形質転換植物体。
  4. スクロース輸送タンパク質SUC2(Sucrose transport protein SUC2)のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、スクロース輸送タンパク質活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を制御するプロモーターと、
    前記プロモーターによって作動可能に連結される配列番号4で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、プロテインフォスファターゼ2C活性を有するタンパク質をコードする細胞増殖促進遺伝子と、
    を保持する植物細胞を有する形質転換植物体であって、
    前記形質転換植物体の師部組織量が野生株に比べて2.0倍以上増加している、形質転換植物体。
  5. 前記師部組織は、茎の師部組織である、請求項1〜4のいずれかに記載の形質転換植物体。
  6. 双子葉植物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の形質転換植物体。
  7. アブラナ科植物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の形質転換植物体。
  8. 単子葉植物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の形質転換植物体。
  9. イネ科植物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の形質転換植物体。
  10. アオイ科植物あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の形質転換植物体。
  11. 一年草であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の形質転換植物体。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の形質転換植物体を育成する工程を備える、植物体の生産方法。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の形質転換植物体を育成する工程を備える、植物体の師部組織の増産方法。
JP2013187742A 2013-09-10 2013-09-10 師部組織増産に適した植物体及びその利用 Active JP6397610B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013187742A JP6397610B2 (ja) 2013-09-10 2013-09-10 師部組織増産に適した植物体及びその利用
US14/481,309 US9879274B2 (en) 2013-09-10 2014-09-09 Plant suitable for increasing production of phloem tissue and use of same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013187742A JP6397610B2 (ja) 2013-09-10 2013-09-10 師部組織増産に適した植物体及びその利用

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015053874A JP2015053874A (ja) 2015-03-23
JP2015053874A5 JP2015053874A5 (ja) 2016-10-13
JP6397610B2 true JP6397610B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=52626918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013187742A Active JP6397610B2 (ja) 2013-09-10 2013-09-10 師部組織増産に適した植物体及びその利用

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9879274B2 (ja)
JP (1) JP6397610B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102018588B1 (ko) * 2017-06-23 2019-09-06 네덱 주식회사 케이스 및 이의 설치방법
WO2019190081A1 (ko) * 2018-03-28 2019-10-03 포항공과대학교 산학협력단 Julgi 단백질의 발현 또는 활성 억제제를 포함하는 식물 영양 저장 조직의 영양 저장능력을 높이기 위한 조성물

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6559357B1 (en) * 1999-01-08 2003-05-06 The Regents Of The University Of California Methods for altering mass and fertility in plants
US8877916B2 (en) * 2000-04-26 2014-11-04 Ceres, Inc. Promoter, promoter control elements, and combinations, and uses thereof
US7071379B2 (en) * 2002-01-28 2006-07-04 The Regents Of The University Of California Methods for altering organ mass in plants
US7507875B2 (en) 2003-06-06 2009-03-24 Arborgen, Llc Transcription factors
BRPI0909344A2 (pt) * 2008-03-14 2015-08-04 Toyota Motor Co Ltd Gene para aumentar a produção de biomassa vegetal e/ou sementes e método para o seu uso
US8247646B2 (en) 2008-11-25 2012-08-21 Pioneer Hi Bred International Inc Method to increase crop grain yield utilizing complementary paired growth and yield genes
JP5604657B2 (ja) 2009-03-12 2014-10-08 トヨタ自動車株式会社 植物のバイオマス量及び/又は種子量を増産させる遺伝子及びその利用方法
JP5250807B2 (ja) * 2009-09-11 2013-07-31 トヨタ自動車株式会社 植物のバイオマス量及び/又は種子量を増産させる方法、バイオマス量及び/又は種子量を増産できる植物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US9879274B2 (en) 2018-01-30
US20150074848A1 (en) 2015-03-12
JP2015053874A (ja) 2015-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5403628B2 (ja) 植物のバイオマス量及び/又は種子量を増産させる遺伝子及びその利用方法
JP5250807B2 (ja) 植物のバイオマス量及び/又は種子量を増産させる方法、バイオマス量及び/又は種子量を増産できる植物の製造方法
CN103602686B (zh) 一种青蒿myc2转录因子蛋白编码序列及其应用
AU2018200858B2 (en) Transformed plant and method for producing exudate containing sugar using transformed plant
JP5672004B2 (ja) 植物のバイオマス量を増産させる遺伝子及びその利用方法
JP5604657B2 (ja) 植物のバイオマス量及び/又は種子量を増産させる遺伝子及びその利用方法
JP5454086B2 (ja) 植物に環境ストレス耐性を付与する遺伝子及びその利用方法
US20150128304A1 (en) Plant Body Showing Improved Resistance Against Environmental Stress and Method for Producing Same
JP6397610B2 (ja) 師部組織増産に適した植物体及びその利用
JP6617694B2 (ja) 植物体におけるゲノムシャッフリングのためのポリペプチド及びその利用
US20110041220A1 (en) Mutant gene that regulates oil-and-fat content in seed and method for regulating oil-and-fat content in seed
JP5212955B2 (ja) 植物のバイオマス量を増産させる遺伝子及びその利用方法
CN116323952A (zh) Lysm受体基序
Yu et al. Molecular cloning and expression characteristics of a novel MAPKKK gene, GhCTR1, from cotton (Gossypium hirsutum L.)
WO2015099045A1 (ja) 形質転換植物、形質転換植物を用いた糖含有滲出物の製造方法
KR20130020354A (ko) 스트레스 저항성을 증진시키는 유전자 및 이의 용도
KR20130011325A (ko) 피마자 사이토크롬 b5 유전자 및 이의 용도
KR20100007603A (ko) 글루코스 센서로서 OsHXK6 유전자의 용도

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160826

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170620

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180903

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6397610

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250