JP6396970B2 - 集中力向上剤 - Google Patents

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Description

本発明は、脳波のうちのアルファ2波の放出を増強させて集中力を高める集中力向上剤、及び、集中力向上剤を含む飲食品に関する。
ヒトの脳波は、その周波数によって、4Hz未満のデルタ(δ)波、4Hz以上8Hz未満のシータ(θ)波、8Hz以上13Hz未満のアルファ(α)波、13Hz以上のベータ(β)波の4つに大別される。これらの脳波のうちで、α波は、リラックス状態時に多く発生し、ストレスの状態時には減少することが知られており、α波の出現状態はリラックス状態や集中状態の有効な指標とされている。また、α波は、周波数8Hz以上10Hz未満のα1波、及び周波数10Hz以上13Hz未満のα2波に分類され、α1波は休息する方向に集中し、意識が低下してぼーっとしている時に出現し、α2波は緊張のないリラックスした状態で集中できており頭が冴えている時に出現する脳波であるとされている。一方、β波は、脳内が覚醒し興奮している状態で出現する脳波であることが知られている。
近年のストレス社会において、α波を積極的に増強させて、リラックスさせたり集中力を高めたりする試みがいろいろなされており、例えば、バイオフィードバック法、α波音楽、α波映像、光フィードバック装置など、聴覚や視覚を利用する方法が知られている。
飲食品を摂取することによって、リラックスさせたり集中力を高めたりする方法も提案されている。例えば、緑茶成分のテアニンを摂取することにより、α波の放出が増強されて学習効率を向上させること(特許文献1)や、カフェインの拮抗剤として作用し興奮状態を抑制すること(特許文献2)等が提案されている。
また、300〜3000ppmのテアニンと200〜2000ppmのカフェインとを含み、テアニン対カフェインの比が5:1〜1:15である組成物を摂取することにより、集中力、注意集中力および/または鋭敏性を改善することが報告されている(特許文献3)。
特開平9−12454号公報 特開平4−253916号公報 特開2006−158398号公報
特許文献3で提案されているような量のテアニンを摂取して精神的症状の改善効果を体感するためには、成人摂取量として、1回あたり約20杯のお茶を飲むことが必要であり、現実的に摂取できる容量ではない。特に、集中力の向上を目的として、一日に複数回(例えば2回またはそれ以上)の摂取を所望する場合や、連日に渡り摂取をする場合には、お茶のみからテアニンを摂取することは不可能である。高濃度のテアニンを含有する剤やそれを含む飲食品を開発したとしても、テアニンが分解して減少するため、必ずしも所望する効果が得られない。また、テアニンの摂取は、身体や心のリラクゼーションにおいて有用とされている一方、テアニンには興奮促進作用があることが報告されており(特開平9−100230号公報)、その摂取には注意を要する。
本発明の目的は、日常的な摂取にも負担にならず、かつ、α2波の放出を増強させて集中力を高めることができる剤、及び前記剤を含む飲食品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、テアニン、ピログルタミン酸及びカフェインの3成分を配合することで、より高い集中力向上作用が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に限定されるものではないが、次の発明を包含する。
(1) テアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを含む集中力向上剤。
(2) α2波の放出を増強する、(1)に記載の集中力向上剤。
(3) (1)又は(2)に記載の剤を含む飲食品。
(4) テアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを摂取させることを含む、集中力の向上方法。
本発明によるテアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを含んでなる集中力向上剤、テアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを含む飲食品を摂取することにより、α2波の放出をより効果的に増強して、集中力を向上させることができる。
(集中力の向上)
本発明でいう「集中力」とは、様々なプレッシャーの中であっても、冷静に意識を自分の行うべき事柄に集中させ、自信を持って心の迷いなく行動できる心理的能力をいい、脳波のうちのα波によって客観的に評価することができる。いわゆる集中力には、弓道など的が一つに限られる場面で必要とする「注意を集中する能力」、多くの情報を取り入れようとする時に必要な「注意を払う能力」、余計な情報へ向けることを避ける「気を散らされることを避ける能力」などが含まれる。また、集中力には、瞬間的な集中力と持続的な集中力があるとされ、瞬間的な集中力には、比較的短時間において自分の能力を最大限に引き出す能力が含まれ、持続的な集中力には、単調な作業を長時間し続ける能力が含まれる。本発明でいう「集中力を向上させる」とは、脳波のうちのα波、特にα2波を増強できることを意味する。
一つの態様において本発明は、集中力向上剤であり、また別の態様において本発明は、テアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを摂取することを含む集中力の向上方法である。
(テアニン)
本発明の集中力向上剤は、有効成分としてテアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを含有する。テアニンは茶の旨味成分として知られ、グルタミン酸−γ−エチルアミドからなる。
本発明に用いられるテアニンは、L体、D体、DL体(ラセミ体)のいずれも使用可能であるが、中でもL体を用いることが好ましい。市販の試薬、純品(テアニン含量98%以上の精製品)、粗精製品(テアニン含量50〜98%)の他、茶抽出物またはその濃縮物の形態でも用いることができるが、本発明の剤および飲食品においては、呈味や沈殿等の保存性の観点から、粗精製品または純品を用いることが好ましく、特に純品を用いることが好ましい。
本発明に用いられるテアニンはどのような方法によって得られたものでも利用可能であ
る。テアニンの製造方法としては、例えば茶葉からの分離精製法、化学的合成法、茶細胞による組織培養法、酵素反応を利用する方法等が挙げられる。酵素反応を利用する方法として、グルタミンとエチルアミンの混合物にグルタミナーゼを作用させてテアニンを得る方法があり、「サンテアニン」(太陽化学株式会社)として市販されている。酵素反応によって得られるテアニンは、本発明のテアニン(L体)として好適に用いられる。
(ピログルタミン酸)
本発明に用いられるピログルタミン酸(2−ピロリドンー5−カルボン酸)は、L体、D体、DL体のいずれも使用可能であるが、中でもL体またはDL体が好ましく、特にL体が好ましい。
本発明に用いられるピログルタミン酸は、どのような方法によって得られたものでも利用可能であり、テンサイ等の天然の植物から抽出分離したもの、各種動物の熱水抽出物から分離したもの、グルタミン酸、グルタミン等から誘導したもののいずれを用いてもよい。
本発明の剤及び飲食品では、ピログルタミン酸を含有させることにより、テアニンやカフェインが有する興奮作用を発現させることがなく、目的とする集中力向上作用のみを得ることができる。そして、ピログルタミン酸を含有する本発明の剤及び飲食品は、従来のテアニンとカフェインの混合物が有する集中力向上作用よりも高い作用を奏する。
本発明においては、テアニンとピログルタミンを単に混合して両者の混合物を得ることもできるが、例えば、テアニンの一部を加水分解によりピログルタミン酸とすることにより、テアニンとピログルタミン酸との混合物を得る方法もある。後述のとおり、本発明者らは、高濃度のテアニンを含有する水溶液を酸でpH5以下に調整し、加熱処理した後、一定期間保存することにより、ピログルタミン酸が生成されることを見出している。例えば、以下の工程を経る方法で簡便にテアニン及びピログルタミン酸の混合物を得ることができ、好適である。
(1)テアニン水溶液の調製工程:テアニンを水に溶解し、テアニン水溶液を得る工程。テアニンの濃度は、2000ppm以上が好ましく、2500ppm以上がより好ましく、3000ppm以上が特に好ましく、3500ppm以上としてもよい。テアニン濃度の上限は特に制限されないが、20000ppm以下とすることが好ましい。
(2)テアニン水溶液のpH調整工程:テアニン水溶液に酸(好ましくはクエン酸)を混
合してpHを5.0以下に調整する工程。pHは、4.5以下とすることが好ましく、4.0以下がより好ましく、3.5以下がさらに好ましい。
(3)加熱工程:テアニン水溶液を加熱処理する工程。加熱は、好ましくは70〜100℃で行い、加熱処理の時間は10秒〜30分が好ましい。
(4)保存工程:加熱したテアニン水溶液を一定期間保存する工程。好ましくは5〜60℃で1日〜1ヶ月保存することが好ましい。
(カフェイン)
本発明に用いられるカフェインは、市販の試薬、純品(カフェイン含量98%以上の精製品)、粗精製品(カフェイン含量50〜98%)の他、カフェインを含有する植物(茶葉、コーラの実、コーヒー豆等)の抽出物又はその濃縮物の形態でも用いることができるが、本発明の剤および飲食品においては、呈味や沈殿等の保存性の観点から、粗精製品または純品を用いることが好ましく、特に純品を用いることが好ましい。
(飲食品)
本発明の集中力向上剤を含む飲食品として、例えば、清涼飲料水、ニアウォーター、スポーツ飲料、ゼリー飲料、コーヒー飲料等の各種飲料、ソフトゼリー、ハードキャンディ
ー、チョコレート等の各種食品等が挙げられる。一般に飲料の形態では、高濃度のテアニンに起因する好ましくない風味が感じられ易く、嗜好性を損なうことがあるが、本発明のテアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを含有する飲料では、ピログルタミン酸及びカフェインが相加的又は相乗的に、高濃度テアニンに起因する好ましくない風味を抑制するので、飲料の形態は本発明の効果を大きく享受できる好ましい態様の一つである。
本発明の飲食品が飲料である場合、例えば、テアニン等の含量を以下のようにすることができる。テアニンの含有量は、飲料100mLあたり200mg以上が好ましく、300mg以上がより好ましく、350mg以上がさらに好ましい。テアニンの含有量が200mg以上であると、十分な集中力向上作用が得られる。テアニンの含有量の上限は特に制限されないが、テアニンの溶解性及び風味の観点から、飲料100mLあたり2000mg以下が好ましく、1500mg以下がより好ましく、1000mg以下がさらに好ましい。
ピログルタミン酸の含有量は、飲料100mLあたり0.2mg以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、1mg以上がさらに好ましい。ピログルタミン酸は、単独では集中力向上作用をほとんど示さないが、テアニン及びカフェインと併用すると、テアニン及びカフェインの集中力向上作用を相乗的に高める他、上述のとおり、テアニンやカフェインの興奮作用の発現を抑制する効果がある。ピログルタミン酸の効果を効率的に発現させるという観点から、ピログルタミン酸のテアニン及びカフェインに対する比率は、ピログルタミン酸/テアニン=0.003〜0.7が好ましく、ピログルタミン酸/カフェイン=0.02〜3.0が好ましい。また、ピログルタミン酸含有量の上限は特に制限されないが、その作用を効果的に発揮するために、飲料100mLあたり200mg以下が好ましく、180mg以下がより好ましく、150mg以下がさらに好ましい。
カフェインの含有量は、飲料100mLあたり50mg以上が好ましく、70mg以上がより好ましい。カフェインの含有量が50mg未満では、十分な集中力向上作用が得られないことがある。また、カフェインの含有量の上限は、風味の観点から、飲料100mLあたり200mg以下が好ましく、150mg以下がより好ましく、100mg以下がさらに好ましい。カフェインの含有量とテアニンの含有量との重量比を0.1〜1、さらには0.1〜0.5とすると、テアニンとの相乗的な集中力向上作用を最も発揮させることができ、好適である。
本発明の飲食品(特に、飲料)は、カフェイン及びピログルタミン酸の併用により、高濃度のテアニンに起因する好ましくない風味をマスキングできる。また、カフェイン及びピログルタミン酸の併用はビタミン臭をもマスキングできる。したがって、本発明の飲食品(特に、飲料)においてビタミンを配合した形態としても、嗜好性を損なわない飲食品が提供できるという利点がある。ここでいうビタミンとしては、ビタミンB1又はその誘導体が例示でき、具体的には、チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミンナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、ビスベンチアミンおよびそれら
の誘導体などが挙げられる。その他にもチアミンプロピルジスルフィド、チアミンテトラヒドロフルフリルジスルフィド(フルスルチアミン)、チアミン−8(メチル−6−アセチルジヒドロチオクテート)ジスルフィドおよびそれらの塩(例えば塩酸塩など)、チアミンジスルフィド、チアミンモノフォスフェートジスルフィド、O,S−ジカルベトキシ
チアミンなどもビタミンB1誘導体として挙げられる。これらのビタミンB1誘導体は1種または2種以上を混合して使用することができる。上記のビタミンB1誘導体の中でも、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミンナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩またはビ
スベンチアミンより選ばれる1種または2種以上を用いれば、ビタミン臭抑制作用を一層発揮できる。本発明が飲料の形態の場合、ビタミンB1又はその誘導体の含有量は、0.0001〜0.3重量%、好ましくは、0.0005〜0.02重量%程度である。
以下、実施例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本明細書においては、断りのない限り、%などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
<試験方法>
脳波の記録、PVTテスト、並びに、テアニン、ピログルタミン酸及びカフェインの定量は以下のようにして行った。
(脳波の記録)
被験者は外部から遮断された25℃、40ルクスの閉鎖環境室にて椅子座位で脳波を測定した。脳波の測定及び記録には、簡易脳波測定装置(フューテック エレクトロニクス株式会社)を用いた。被験者の頭部にバイオフィードバックシステム FM−515Aを装着し、両耳たぶとの電位差(μV)を測定した。
(PVTテスト)
集中力測定は、精神動態覚醒水準課題テストプログラム(PVT)((有)のるぷろライトシステムズ)を使用した。テストは15分間を1セットとし、PC画面にランダムに出てくる○、△、□のうち、□が出たときのみ左クリック、そのほかの記号のときは右クリックするという方法で行い、正解率と、正解時の反応時間を測定した。
(テアニンの定量)
HPLC(高速液体クロマトグラフ、島津製作所)を使用して、テアニンを定量した。構成装置は、移動相の上流側より、移動相脱気装置(DGU−20A5)、移動相切り替えバルブ(FCL−11AL)、ポンプ(LC−20AB)、オートサンプラー(SIL−20AC)、オーブン(CTO−20AC)、蛍光検出器(RF−10A XL)を使用した。また、カラム溶出液と混和する反応液の送出用に、ペリスターポンプ(PRR−2A)を使用した。装置の制御は、コントローラー(CBM−20A)を使用し、制御用ソフトウェア(LCsolution)より行った。分離カラムは、アミノ酸分析用カラム(Shim−pack Amino Li)を使用した。また、アンモニアトラップカラム(Shim−pack ISC−30/S0504(Li))をポンプとオートサンプラーの間に設置した。
分析条件は、次の通りである。カラム温度は、39℃に設定した。移動相は、移動相A液として7%メチルセルソルブを含有する0.15Nクエン酸リチウム水溶液(過塩素酸にてpH2.6に調整)、移動相B液として0.30Nクエン酸リチウム−0.20Mほう酸水溶液(4M水酸化リチウムにてpH10.0に調整)、移動相C液として0.20M水酸化リチウム水溶液を使用し、流速0.6ml/分にて、表1に示すグラジエント条件で溶出した。反応液は、反応液A液として0.0005%次亜塩素酸ナトリウムを含有する炭酸−ほう酸緩衝液(pH10.0に調整)、反応液B液として0.08%オルトフタルアルデヒドと1.40%エタノールと0.04%ポリオキシンエチレンラウリルエーテルと0.10%N−アセチルシステインを含有する炭酸−ほう酸緩衝液(pH10.0に調整)を使用し、それぞれを流速0.3mL/分にて、カラム溶出液と混和した。反応液とカラム溶出液の混和条件は、まずカラム溶出液と反応液A液を内径0.5mm×長さ1000mmの反応コイルで混和し、さらに反応液B液と内径0.5mm×長さ2000mmの反応コイルで混和した。
蛍光検出器は、励起波長を350nm、検出波長を450nmに設定した。
試料は、液体クロマトグラフィー用の水(和光純薬工業)で適宜希釈し、10μLをオ
ートサンプラーにて注入した。
本実施例においては、上記条件でL−テアニン標準品(東京化成工業)を分析して検量線をあらかじめ作成し、サンプル中のテアニンを定量した。上記条件におけるL−テアニンの溶出時間は37.9分であった。
(ピログルタミン酸の定量)
分析機器は、HPLC(高速液体クロマトグラフ、島津製作所)を使用した。構成装置は、移動相の上流側より、移動相脱気装置(DGU−20A3)、ポンプ(LC−20AD)、オートサンプラー(SIL−20AC HT)、オーブン(CTO−10A)、電気伝導度検出器(CDD−10A VP)を使用した。また、カラム溶出液と混和する緩衝液の送出用に、ポンプ(LC−10AD)を使用した。装置の制御は、コントローラー(SCL−10A VP)を使用し、制御用ソフトウェア(LCsolution)より行った。分離カラムは、ガードカラム(Shim−pack SPR−H(G) 50mm×7.8mm i.d.)1本と、有機酸分析用カラム(Shim−pack SPR−H 250mm×7.8mm i.d.)2本を、直列で使用した。また、電気伝導度検出器の検出部は、恒温装置(CELL TEMPERATURE CONTROLL
ER UNIT)で温度を一定に保持した。
分析条件は、次の通りである。カラム温度は、40℃に設定した。移動相は、4mM p−トルエンスルホン酸水溶液を使用し、流速0.85ml/分にて、アイソクラティック条件で溶出した。緩衝液は、4mM p−トルエンスルホン酸および100μM EDTA−2Naを含有する16mM Bis−tris水溶液を使用し、流速0.75mL/分にて、カラム溶出液と混和した。電気伝導度検出器の検出部の温度は、43℃に設定した。試料は、液体クロマトグラフィー用の水(和光純薬工業)で適宜希釈し、10μLをオートサンプラーにて注入した。
本実施例においては、上記条件でピログルタミン酸標準品(DL体、東京化成工業)を分析して検量線をあらかじめ作成し、サンプル中のピログルタミン酸を定量した。上記条件におけるピログルタミン酸の溶出時間は23.7分であった。
(カフェインの定量)
試料をフィルター(0.45μm)でろ過し、HPLC分析に供した。HPLCの分析条件は以下のとおり。
・分析装置:TOSOH HPLCシステム LC8020 model II(東ソー株式会社)[マル
チステーション:LC−8020、ポンプ:CCMC−II、オートサンプラ:AS−8021、検出器:UV−8020、カラムオーブン:CO−8020、オンラインデガッサ:SD−8023]
・分析条件:[カラム:TSKgel ODS−80TsQA、溶離液A:10%アセト
ニトリル/水 0.05%TFA、溶離液B:80%アセトニトリル/水 0.05%TFA、流速:1.0ml/min、温度40℃、検出:UV275nm]
実施例1
(1)テアニン(TH)、カフェイン(CF)及びピログルタミン酸含有飲料の製造
表2に示す処方でテアニン含有溶液(pH3.5)を調製した。これを94〜98℃で
30秒加熱処理した後、83〜90℃の温度で100mLガラス瓶に100mLずつを充填し、ヘッドスペースの酸素量が一瓶あたり0.45mL以下となるように窒素フローした
。直ちに、75〜80℃の温水を瓶上面からシャワーし、3〜6分間保持した。40℃程度になるまで冷蔵冷却した後、常温まで自然冷却した。得られた容器詰飲料(本発明品1)を、常温で3ヶ月保存(本発明品1−2)、45℃の恒温層で4週間保存(本発明品1−3)、55℃の恒温層で1.5週間保存(本発明品1−4)し、テアニン及びピログルタミン酸含量について測定した。
結果をグラフ1に示す。加熱処理を経て製造されたテアニン(TH)含有飲料を常温〜60℃で保存することにより、ピログルタミン酸(PG)が生成され、テアニン(TH)及びピログルタミン酸(PG)を含有する飲料を簡便に製造できた。
(2)脳波の測定
上記(1)で得た飲料(本発明品1−2)を、健常な成人10名(男性5名、女性5名、平均年齢34歳)にそれぞれ単回摂取させて、脳波の記録を行った。
摂取後、0、15、30、45、60分後におけるα2波の記録結果(各被験者の導出記録の平均値から、被験者全体の平均値を求めたもの)を、グラフ2に示す(グラフの縦軸は、摂取前の脳波を基準(1)とした場合の変化率を示す)。摂取15分後にはα2波の放出が増強されており、集中力が向上していることがわかる。
(3)PVTテスト
上記(1)で得た飲料(本発明品1−2)を、健常な成人8名(男性4名、女性4名、平均年齢36歳)にそれぞれ単回摂取させて、PVTテストを行った。PVTテストは、摂取前に1セット、摂取後に3セット(各セットの間には3分間の休憩を入れた)行った。
正解率及び反応時間の平均値を求めた結果を、グラフ3及びグラフ4に示す。本発明品の摂取により、正解率が向上し、正解時の反応時間が大きく短縮された。

Claims (17)

  1. テアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを含み、テアニンの含有量が100mLあたり350mg以上であり、ピログルタミン酸/テアニンの重量比が0.003〜0.7である、集中力向上剤。
  2. α2波の放出を増強する、請求項1に記載の集中力向上剤。
  3. カフェイン/テアニンの重量比が0.1〜1となるようにカフェインを含む、請求項1または2に記載の集中力向上剤。
  4. ピログルタミン酸/カフェインの重量比が0.02〜3.0となるようにカフェインを含む、請求項1または2に記載の集中力向上剤。
  5. テアニンの含有量が、100mLあたり2000mg以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の集中力向上剤。
  6. ピログルタミン酸の含有量が、100mLあたり0.2mg〜200mgである、請求項1〜5のいずれかに記載の集中力向上剤。
  7. カフェインの含有量が、100mLあたり50mg〜200mgである、請求項1〜6のいずれかに記載の集中力向上剤。
  8. ビタミンB1又はその誘導体をさらに含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の集中力向上剤。
  9. 飲料を摂取させることを含む、集中力の向上方法であって、
    前記飲料がテアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを含み、テアニンの含有量が、飲料100mLあたり350mg以上であり、摂取させるピログルタミン酸/テアニンの重量比が0.003〜0.7である、上記方法(ヒトの治療方法を除く)。
  10. テアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを含み、テアニンの含有量が、飲料100mLあたり350mg以上であり、ピログルタミン酸/テアニンの重量比が0.003〜0.7である飲料。
  11. カフェイン/テアニンの重量比が0.1〜1となるようにカフェインを含む、請求項10に記載の飲料。
  12. ピログルタミン酸/カフェインの重量比が0.02〜3.0となるようにカフェインを含む、請求項10に記載の飲料。
  13. テアニンの含有量が、飲料100mLあたり2000mg以下である、請求項10〜12のいずれかに記載の飲料。
  14. ピログルタミン酸の含有量が、飲料100mLあたり0.2mg〜200mgである、請求項10〜13のいずれかに記載の飲料。
  15. カフェインの含有量が、飲料100mLあたり50mg〜200mgである、請求項10〜14のいずれかに記載の飲料。
  16. ビタミンB1又はその誘導体をさらに含有する、請求項10〜15のいずれかに記載の飲料。
  17. テアニン、ピログルタミン酸及びカフェインを含み、テアニンの含有量が、飲料100mLあたり350mg以上であり、ピログルタミン酸/テアニンの重量比が0.003〜0.7である飲料の製造方法であって、
    pHが5.0以下のテアニン含有水溶液を加熱処理することを含む、上記方法。
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