JP6395826B2 - センサ・ガイド・ワイヤ装置及びセンサ・ガイド・ワイヤ装置を備えたシステム - Google Patents

センサ・ガイド・ワイヤ装置及びセンサ・ガイド・ワイヤ装置を備えたシステム Download PDF

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Description

本発明は、一般に、医療機器の分野に関する。特に、本発明は、人又は動物の生体内で生理学的変数、例えば、血圧や体温を血管内で測定するためのセンサ・ガイド・ワイヤ装置、及び、生体内の生理学的変数の血管内測定用のシステムに関する。
多くの医療処置において、医療従事者は、患者の体腔内の様々な生理学的状態を監視することを強く望んでいる。これらの生理学的状態は、通常は本質的に身体的なもの、例えば、血圧や体温などであり、患者の病状に関する情報を医師又は医療技師に与えるものである。この種のパラメータを測定及び監視する方法は、できる限り安全で、正確で、信頼できるものでなければならない。
患者の生理的状態の診断において、医師や医療技師などの医療従事者を支援するために、装置やプロセスが開発されてきた。例えば、センサが遠位端に装着されたセンサ・ガイド・ワイヤが開発されている。センサは、例えば、血管系の様々な位置で血圧を測定するように配置され、例えば、人体の血管内における狭窄症やその他の血流妨害物の位置や重症性の判断を容易にする血管内圧力センサであってもよい。
本発明の一実施形態によれば、生体内の生理学的変数の血管内測定用のセンサ・ガイド・ワイヤは、近位管状部と、遠位端部と、生体内で流体と接触することで生理学的変数を測定するように構成されたセンサ素子と、センサ素子を収容する内部空間を構成し、近位管状部の遠位端から遠位端部の近位端まで延びる円筒状のジャケットと、を備えてもよい。ジャケットは、長手方向の遠位端と近位端の間に周面が延在する外周壁を有する。外周壁は、流体が外周壁を貫通して通過可能なように、周面に沿って少なくとも1つの開口部を含む。外周壁は、少なくとも1つの開口部とジャケットの遠位端及び近位端の一方の間に位置する複数のスロットを更に含む。
本発明の他の実施形態によれば、生体内の生理学的変数の血管内測定用のセンサ・ガイド・ワイヤは、近位管状部と、遠位端部と、生体内で流体と接触することで生理学的変数を測定するように構成されたセンサ素子と、センサ・ガイド・ワイヤ内の空間にセンサ素子を自由懸垂状態で支持する取付構造体と、を備えてもよい。
本発明の他の実施形態によれば、生体内の生理学的変数の血管内測定用のセンサ・ガイド・ワイヤは、近位管状部と、遠位端部と、生体内で流体と接触することで生理学的変数を測定するように構成されたセンサ素子を備えてもよい。センサ・ガイド・ワイヤは、センサ・ガイド・ワイヤ内の空間にセンサ素子を自由懸垂状態で支持する取付構造体及び/又はセンサ素子を収容する内部空間を構成し、近位管状部の遠位端から遠位端部の近位端まで延びる円筒状のジャケットを更に備えてもよく、ジャケットの外周壁は、外周壁の少なくとも1つの開口部と、ジャケットの遠位端及び近位端の一方との間に位置する複数のスロットを含む。
上述の概要及び以下の詳細な説明はいずれも例示的及び説明的なものに過ぎず、クレームの発明を限定するものではないことが理解される。
本発明の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び以下に簡単に説明する図面に示す典型的な実施形態から明らかになるであろう。
図1は、本発明の一実施形態に係る血管内測定のためのシステムを示す概略図である。 図2は、図1のシステムに用いられる本発明の一実施形態に係るセンサ・ガイド・ワイヤの断面図である。 図3は、図1のシステムに用いられる本発明の一実施形態に係るセンサ・ガイド・ワイヤの破断図である。 図4は、本発明の一実施形態に係るジャケットを示す。 図5は、図4のジャケットの側面図を示す。 図6は、図5のVI−VI切断線に沿って断面図を示す。 図7は、図5のVII−VII切断線に沿って断面図を示す。 図8は、図1のシステムに用いられる本発明の他の実施形態に係るセンサ・ガイド・ワイヤの破断図を示す。 図9は、図1のシステムに用いられる本発明の他の実施形態に係るセンサ・ガイド・ワイヤの破断図を示す。 図10A‐図10Cは、図9のセンサ・ガイド・ワイヤの様々な平面図を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係るセンサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリを含むシステム100を示す。この装置は、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110及び生理学的監視装置130を含む。センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110は、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110の遠位端に配置されるセンサ素子111を含んでもよい。センサ素子111は、人又は動物などの生体内における生理学的変数を感知し、センサ信号を供給するように設けられてもよい。センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110は使い捨て器具であり、通常は近位コネクタ112(雌コネクタでも雄コネクタでもよい)を備え、センサ信号を処理して生理的変数の測定結果を生成する生理学的監視装置130に接続する。あるいは、近位コネクタ112と生理学的監視装置130の間に信号変換装置又はインターフェース機器が配置されてもよい。例として、信号変換インターフェース機器、生理学的監視装置の使用、及び、センサ・ガイド・ワイヤ装置の構造と使用に関するその教示の全てが参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0289808号に開示される信号変換インターフェース機器がある。このような信号変換又はインターフェース機器は、生理学的監視装置130とセンサ素子111をインターフェース接続し、センサ素子111が感知した生理学的変数を表す信号を前処理し、生理学的監視装置130に転送するように設けられてもよい。他の実施形態では、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110は、生理学的監視装置130に無線伝送を介して通信することができる。例として、センサ・ガイド・ワイヤと生理学的監視装置の間の無線伝送装置、及び、センサ・ガイド・ワイヤ装置の構造と使用に関するその教示の全てが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7724148号、第8174395号及び第8461997号に開示される無線伝送装置がある。
図2は、図1のシステムで使用することができるセンサ・ガイド・ワイヤ110を示す。センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110は、近位コネクタ112と、可撓性の近位管状部203と、ジャケット又はスリーブ205と、コイル206及び先端部207を有する遠位端部と、遠位コアワイヤ208と、少なくとも1本の電気リード線又はマイクロケーブル又は光信号線210によりコネクタ112に接続されるセンサ素子111とを備える。使用時には、近位管状部203の近位端にあるコネクタ112が対応するコネクタに挿入され、センサ素子111からの測定信号を、例えば、曲線や数値として生理学的監視装置130の適切な表示部に表示することができるようになっている。センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110は、任意で、先端部207に取り付けられ、好ましくは近位コネクタ112まで延在する安全ワイヤ211を含んでもよい。例えば、医師がセンサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110を患者の動脈内の鋭角の屈曲部に押し込もうとするなどしてセンサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110が間違って破損してしまった場合、安全ワイヤ211により、患者の動脈からセンサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110の全ての部品を回収することができる。また、いくつかの異なる部品を組み立てて縫うように進める際に安全ワイヤ211がガイドとしての役割を果たすという点で、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110の製造中にも安全ワイヤ211は有用である。また、安全ワイヤ211は、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110に沿って、通常は先端部207からジャケット205までの、短い延長部を有していてもよい。
図2において、大文字A〜Dは、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110のいくつかの異なる部分の長さを表し、以下に一例として、各部分の長さを示す。
A:遠位端部の長さ=約2cm〜約3cm
B:ジャケット又はスリーブ205の長さ=約0.5mm〜約10mm、好ましくは約1mm〜約3mm
C:近位管状部203の長さ=約135cm〜約340cm、好ましくは約160cm〜約300cm
D:近位コネクタ112の長さ=約500mm〜1500mm、好ましくは約1040mm
センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110の直径は、好ましくは、約0.25〜約2.5mmの間の範囲であり、例えば、冠動脈での使用においては、通常直径は約0.35mmである。長さ、幅、直径、及びその他の空間の寸法に関して用いられる「約」という修飾語は、この副詞が修飾する量の±0〜10%、好ましくは、この副詞が修飾する量の±0〜5%の偏差を含み得るものとする。
ジャケット又はスリーブ205の長さは、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリの全長と比べかなり短いことに特に留意されたい。例えば、ジャケット又はスリーブ205は、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリの全長の約0.01%〜5%、好ましくはセンサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリの全長の0.025%〜2.5%、より好ましくはセンサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリの全長の0.05%〜1.5%の範囲とすることができる。
更に、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリの長さの大部分が可撓性の管状部203であってもよいことがわかる。かかる可撓性の管状部はステンレス鋼から形成することができ、一例が、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ用可撓チューブ、及び、センサ・ガイド・ワイヤ装置の構造と使用に関するその教示の全てが参照により本明細書に組み込まれる米国再発行特許第35648号に記載されている。しかし、再発行特許第35648号の開示とは異なり、本発明の本実施形態では、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリの近位管状部203内に芯線がないことに留意されたい。これは、センサ素子111から近位コネクタ112まで延在する1本又は複数の検知用リード線用に使用できる空間を不利に制限することなく、可撓性の管状部203の壁を厚くできることを意味する。よって、コアワイヤ208は、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ110の遠位端部のみに延在する。
図3のセンサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ301は、図1のシステムで使用することができるセンサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリの別の例である。センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ301は、センサ素子311と、遠位先端部307及びコイル306を有する遠位端部と、コアワイヤ308と、ジャケット又はスリーブ305(輪郭のみ図示)と、1本以上のマイクロケーブル又は光信号線310と、近位管状部303を含む。図2の実施形態に関して述べた長さと直径の寸法は、本実施形態にも適用できる。図2の実施形態と同様に、遠位先端部307が最遠位部、即ち、血管内で最も遠くまで挿入される部分であり、近位管状部303が最近位部、つまり、図1に示すコネクタ112の最も近くに位置する部分である。
図3に示すコアワイヤ308は、遠位端部に第1の本体部308Aを、ジャケット又はスリーブにセンサ取付部308Bを、近位管状部(説明の便宜上、図では一部取り除いている)内に第2の本体部308Cを含んでもよい。センサ素子311が設置されるセンサ取付部308Bは、第1の本体部308A及び/又は第2の本体部308Cに対して、コアワイヤ308の径大部であっても、径大部でなくてもよい。また、コアワイヤ208及び308は、センサ素子111、311を搭載するための他の構成を有してもよい。コアワイヤ308及びコアワイヤ208は、例えば、ステンレス鋼やニチノール(NiTi)などの任意の適切な材料から形成することができる。
センサ素子111及び311は、例えば、血圧、体温又は血流量などの任意の適切な生理学的変数を感知するために使用されてもよい。センサは、マイクロチップ、膜形状の感圧装置、サーミスタ、血中の被分析物の濃度又は存在や、他の適切な血圧、体温を測定するためのセンサ、又は、その他の変数測定装置であってもよい。更に、センサ素子111、311は、複数のセンサ・検出装置であってもよい。生理学的監視装置130は、センサ素子111、311からのセンサ信号を使って、血圧、血液温、血流量、血中の1つ以上の被分析物の濃度又は存在、及び/又は、冠血流予備量比(FFR)を測定してもよい。簡単に言うと、FFRは、冠状血管の狭窄を特定するために使用されるものであり、例えば、大心臓静脈内では、狭窄の遠位と近位の血圧の比を求めることにより得られる。
センサ素子111及び311は、センサ・ガイド・ワイヤ110、301の遠位部内のセンサ素子111、311と近位管状部203、303の近位端のコネクタ112との間で信号を伝送するマイクロケーブル又は光信号線210、310に接続される。適切なマイクロケーブルの例が、例えば、米国特許出願公開第2010/0228112号、米国特許出願公開第2011/0213220号及び米国特許出願公開第2012/0289808号に記載されており、ガイド・ワイヤ・アセンブリ内のマイクロケーブル、及び、ガイド・ワイヤ・アセンブリの構造と使用に関するその教示の全てが参照により本明細書に組み込まれる。
遠位先端部207及び307は、それぞれコアワイヤ208、308に接続される円弧状の先端を含んでもよい。
コイル206及び306は、プラチナなどからなる放射線不透過性コイルとすることができるが、適切であれば任意の材料(放射線不透過性であってもなくても)を使用してもよい。コイル206、306は、ジャケット205、305の外周又は内周、あるいは、コアワイヤ208、308の径大部の外周に取り付けられてもよい。
近位管状部203及び303は、ステンレス鋼や、ニチノール、銅‐錫、銅‐亜鉛、銅‐亜鉛‐錫などの超弾性合金など、任意の適切な材料から形成してもよい。コネクタ112は、近位管状部203、303の近位端に接続される。一実施形態では、近位部203、303は、ハイポチューブであってもよい。
センサ素子111、311を収容するジャケット205、305を、図4及び5に示す。ジャケット205、305は円筒形であり、外周壁402を有し、内部を長手方向遠位端406から長手方向近位端408まで通路404が延在する。外周壁402は、周面に沿って少なくとも1つの開口部410を含み、流体が外周壁402を貫通してセンサ素子311まで通過できるようになっている。開口部410の長さLは、任意の適切な長さとすることができ、例えば、約0.25〜約2mmの間、好ましくは約0.7mmである。更に、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の開口部410があってもよく、その位置は、ジャケットの長手軸、又は、ジャケット周面、又はその両方に沿ってずらすことができる。
外周壁402は、外周壁上の少なくとも1つの開口部410と長手方向遠位端406との間に位置する複数のスロット412、又は、少なくとも1つの開口部410と長手方向近位端408との間に位置する複数のスロット414、又は、複数のスロット412及び414の両方を含んでもよい。
図4及び5に示す複数のスロット412では、2つのスロットが長手軸に対して垂直な別々の垂直面P内に、スロットの主な伸長部がそれぞれの面P内にあるように配されている。複数のスロット412の各スロットは、幅Wと、主な伸長部に沿って長さを有してもよい。好ましくは、スロット412の幅Wは、約0.01〜約2.0mmの間とすることができ、好ましくは約0.04mmである。図4に示すように、一方の垂直面P内のスロットは、隣接する垂直面P内のスロットに対し位置をずらしてもよい。一方の垂直面P内のスロットの位置が、隣接する垂直面P内のスロットに対し約60°ずれていることが好ましい。しかし、ずれの程度は、0°〜350°の間の任意の角度であればよく、例えば、0°〜350°の間の任意の整数である。
図7に示すように、複数のスロット412の1本のスロットの長さは、スロット角度αと定義してもよく、このスロット角度は、垂直面Pの中心角である。スロット角度αは、0°〜350°の間の任意の値であればよく、例えば、0°〜350°の間の任意の整数である。また、一方の垂直面P内のスロットは、隣接する垂直面P内のスロットと長さが略同じであっても異なってもよい。
図5に示すように、隣接する垂直面内のスロットは、任意の適切な値である所定の離間距離dだけ離間させることができ、この値は、例えば、約0.01mm〜約0.1mmの間の任意の値であり、例えば、0.01〜0.1mmの間の0.01刻みの値のいずれかである。開口部410に最も近い垂直面内のスロットの端と開口部410との間の離間距離dは、約0.01mm〜約0.1mmの間の値とすることができ、例えば、0.01〜0.1mmの間の0.01刻みの値のいずれかである。遠位端406に最も近い垂直面内のスロットの端と遠位端406との間の離間距離dは、約0.05mm〜約1.0mmの間の任意の値とすることができ、例えば、0.05〜1.0mmの間の0.01刻みの値のいずれかであり、好ましくは0.25mmである。
図4及び5に示す複数のスロット414では、2つのスロットが別々の垂直面P内にあり、2つのスロットの主な伸長部がそれぞれの面P内にあるように、長手軸に対して垂直に延在している。複数のスロット414の各スロットは、幅Wと、主な伸長部に沿って長さを有してもよい。好ましくは、スロット414の幅Wは、約0.01〜約2.0mmの間とすることができ、好ましくは約0.04mmである。幅W及びWは、同じであっても互いに異なってもよい。図5に示すように、一方の垂直面P内のスロットは、隣接する垂直面P内のスロットに対し位置をずらしてもよい。一方の垂直面P内のスロットの位置が、隣接する垂直面P内のスロットに対し約60°ずれていることが好ましい。しかし、ずれの程度は、0°〜350°の間の任意の角度であればよく、例えば、0°〜350°の間の任意の整数である。
図6に示すように、複数のスロット412の1本のスロットの長さは、スロット角度αと定義してもよく、このスロット角度は、垂直面Pの中心角である。スロット角度αは、0°〜350°の間の任意の値であればよく、例えば、0°〜350°の間の任意の整数である。また、一方の垂直面P内のスロットは、隣接する垂直面P内のスロットと長さが略同じであっても異なってもよい。
図5に示すように、隣接する垂直面同士は、任意の適切な値である所定の離間距離dだけ離間させることができ、この値は、例えば、約0.01mm〜約0.1mmの間の任意の値であり、例えば、0.01〜0.1mmの間の0.01刻みの値のいずれかである。開口部410に最も近い垂直面内の複数のスロットの端と開口部410との間の離間距離dは、約0.01mm〜約0.1mmの間の値とすることができ、例えば、0.01〜0.1mmの間の0.01刻みの値のいずれかである。近位端408に最も近い垂直面内の複数のスロットの端と近位端408との間の離間距離dは、約0.05mm〜約3.0mmの間の任意の値とすることができ、例えば、0.05〜3.0mmの間の0.01刻みの値のいずれかであり、好ましくは約1.0mmである。
本発明の他の実施形態によれば、複数のスロット412及び414は、複数組のスロットに分割され、各組のスロットは、長手軸に対して垂直な垂直面に、各組のスロットの主な伸長部がそれぞれの面内にあるように配設される。同一垂直面内のスロットの長さは、略同じであってもよい。また、同一垂直面内のスロットは、ジャケットの周回りに均等に配置されてもよい。一方の垂直面内のスロットの位置は、隣接する垂直面内のスロットに対してずれていてもよい。
例えば、複数のスロット412に関しては、これらのスロットは、2組、3組、又は4組以上に分割することができ、各組が別々の垂直面P上に配される。各垂直面内における各組のスロット数は、1、2、3、又は、4以上とすることができる。複数のスロット412の各スロットは、幅Wが幅Wと略同じ又は異なってもよく、主な伸長部に沿った長さが複数のスロット414の長さと同一でも、異なってもよい。スロットは、周面の周りに均等に配置されてもよい。
複数のスロット414に関しては、これらのスロットは、2組、3組、又は4組以上に分割することができ、各組が別々の垂直面P上に配される。各垂直面内における各組のスロット数は、2、3、又は、4以上とすることができる。複数のスロット414の各スロットは、幅Wと、主な伸長部に沿って長さを有してもよい。スロットは、周面の周りに均等に配置されてもよい。
一方の垂直面P、P内のスロットは、隣接する垂直面P、P内のスロットに対し位置をずらせてもとい。一方の垂直面P、P内のスロットの位置が、隣接する垂直面P、P内のスロットに対し約10°ずれていることが好ましい。しかし、ずれの程度は、0°〜350°の間の任意の角度であればよく、例えば、0°〜350°の間の任意の整数である。
複数のスロット412、414の各組のスロットの長さは、略同じであっても異なってもよい。また、スロットの長さを組毎に変えてもよい。例えば、複数のスロット412の1本のスロットの長さは、スロット角度と定義してもよく、このスロット角度は、垂直面Pの中心角である。スロット角度は、0°〜170°の間の任意の値であればよく、例えば、0°〜170°の間の任意の整数である。
また、垂直面P及びPの数を変えてもよい。例えば、垂直面Pの数を1、2、3、4、又は、5以上としてもよく、垂直面Pの数を1、2、3、4、又は、5以上としてもよい。任意の数の垂直面において、一面当たりのスロットの数は、1、2、3、又は、4以上などの任意の適切な数とすることができる。更に、一面当たりのスロットの数を隣接面の間で変えてもよい。
ジャケット205、305は、開口部410と複数のスロット412、414の部分を除いて、その全長に沿って一定の断面形状(例えば、一定の厚さなど)を有してもよい。ジャケット205、305の外周は、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリの外面の一部として機能する。ジャケット205、305は、ステンレス鋼や、ニチノール、銅‐錫、銅‐亜鉛、銅‐亜鉛‐錫などの超弾性合金など、任意の適切な材料から形成することができる。
組み立てに関し、1本又は複数本のコアワイヤ、コイル、及び/又は、円弧状の先端は、例えば、レーザ溶接、接着剤、はんだ付け、又はその他の適切な方法で接続してもよい。コイル、1本又は複数本のコアワイヤ、近位管状部、又はその任意の組合せは、例えば、レーザ溶接、接着剤、はんだ付け、又はその他の適切な方法でジャケットに接合される。
ジャケット205、305にスロットを形成することにより、ジャケットをより屈曲しやすくすることができ、これにより、医療従事者がセンサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリを患者の体内の血管網に通して蛇行させながら進める際に、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリをより操作しやすくなる。本質的に、ジャケットがより屈曲しやすくなることから、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリの剛性を有するセンサ部が短くなる。よって、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリを患者の体内の血管網に通す際に、蛇行させることが容易になる。
図8は、図1のシステムに用いられる本発明の他の実施形態に係るセンサ・ガイド・ワイヤ501の破断図を示す。センサ・ガイド・ワイヤ501は、図3、4に示すセンサ・ガイド・ワイヤと同じであるが、コアワイヤ308の代わりに、センサ素子311を取り付けるための取付構造体502とコアワイヤ508を有する。
取付構造体502は、ジャケット又はスリーブ305の一部の中、近位管状部303の中、又はその両方に配置される。例えば、取付構造体は、ジャケット305内を最近位のスロット414まで延在してもよい、及び/又は、近位管状部内を約500mm以下の長さまで、例えば、280mmまで延在してもよい。
取付構造体502は、中空管を形成する撚り線であってもよく、ステンレス鋼などの任意の適切な材料、例えば、305ステンレス鋼から形成することができる。取付構造体502は、摩擦、エポキシ接着、溶接、はんだ付け、又はその他の適切な方法でジャケット及び/又は近位管状部内に保持されてもよい。取付構造体502は、接着剤、エポキシ樹脂、シリコーン系材料、又はその他の適切な材料によって封入されてもよい。例えば、取付構造体の外法寸法をジャケット及び/又は近位管状部の内法寸法と一致させて、摩擦嵌合、滑り嵌め又は圧入ができるようにしてもよい。
また、取付構造体は、センサ素子311の回路基板504を保持する。センサ素子は、任意の適切な材料とすることができる。回路基板504は、摩擦、エポキシ接着、溶接、はんだ付け、又はその他の適切な方法で取付構造体502に固定してもよい。例えば、回路基板の外法寸法を取付構造体の内法寸法と一致させて、摩擦嵌合、滑り嵌め又は圧入ができるようにしてもよい。
コアワイヤ508は、センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリの遠位端部内に延在する点において、図2のコアワイヤ208と同様である。実際、取付構造体502を、図2の実施形態で使用してもよい。コアワイヤ508の近位端は、径大部とすることができ、摩擦、エポキシ接着、溶接、はんだ付け、又はその他の適切な方法でジャケット30の遠位部内に固定される。コイル306は、図3のコイルと同様に、ジャケット305、205又はコアワイヤ508の径大部に取り付けられてもよい。
センサ素子311を実装するために使用される取付構造体502により、センサ素子311を自由懸垂状態にできるため、ジャケット又はスリーブ205、305内にコアワイヤを必要としない。これにより、より多くの空間がジャケット205、305内に追加され、また、接続する接合部が少ないことから組み立てがより簡単となる。また、取付構造体502は、切欠き形成されたスロット有り又は無しのグランドチューブ、又は、ニチノール製チューブであってもよい。
図9は、図1のシステムに用いられる本発明の他の実施形態に係るセンサ・ガイド・ワイヤ601の破断図を示す。センサ・ガイド・ワイヤ601は、図8に示すセンサ・ガイド・ワイヤと同じであるが、ジャケット605が異なる。
ジャケット605は、図2〜8に示すジャケット205、305と同様であるが、スロット412及び414を含まない。更に、ジャケット605は、図2の実施形態において取付構造体502を有するジャケットとして使用してもよい。
上記実施形態のいずれかに記載のセンサ・ガイド・ワイヤは、血圧、血液温、血流量、FFR又は血中の1つ以上の被分析物の濃度又はその存在など、様々な生理学的変数の測定に使用することができる。
また、上記実施形態のいずれかに記載のセンサ・ガイド・ワイヤは、ガイド・ワイヤ外表面上に押し込まれるカテーテルのガイドとして使用してもよい。
図面に示し、上記説明に記載した実施形態以外にも、本発明では他の実施形態が考えられる。例えば、本発明の一実施形態の特徴のいずれか1つを、本発明の他のいずれかの実施形態で使用してもよい。例えば、以下は実施形態のリストであるが、本発明がこれら実施形態に限定されると見なすべきではない。
(I)近位管状部と、遠位端部と、生体内で流体と接触することで生理学的変数を測定するように構成されたセンサ素子とを備えた、生体内の生理学的変数の血管内測定用のセンサ・ガイド・ワイヤ。
(II)センサ素子を収容する内部空間を構成し、近位管状部の遠位端から遠位端部の近位端まで延びる円筒状のジャケットを更に備えた、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(III)ジャケットは、長手方向の遠位端と近位端の間に周面が延在する外周壁を有し、外周壁は、流体が外周壁を貫通して通過可能なように、周面に沿って少なくとも1つの開口部を含む、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(IV)外周壁は、少なくとも1つの開口部とジャケットの遠位端及び近位端の一方との間に位置する複数のスロットを更に含む、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(V)ジャケットは、長さが約0.5mm〜10mmである、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(VI)複数のスロットは、外周壁の少なくとも1つの開口部とジャケットの近位端との間に位置する、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(VII)外周壁は、少なくとも1つの開口部とジャケットの遠位端との間に位置する別の複数のスロットを更に含む、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(VIII)複数のスロットは、複数組のスロットに分割され、各組のスロットは、長手軸に対して垂直な垂直面に、各組のスロットの主な伸長部がそれぞれの面内にあるように配設される、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(IX)同一垂直面内のスロットの長さは基本的に同じである、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(X)同一垂直面内のスロットは、ジャケットの円周回りに均等に配置される、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(XI)一方の垂直面内のスロットは、隣接する垂直面内のスロットに対して位置が回転方向にずれている、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(XII)センサ・ガイド・ワイヤ内の空間にセンサ素子を自由懸垂状態で支持する取付構造体を更に備えた、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(XIII)取付構造体は、近位管状部内に固定された中空撚線からなる、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(XIV)センサ素子を収容する内部空間を構成し、近位管状部の遠位端から遠位端部の近位端まで延びる円筒状のジャケットを更に備えた、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
(XV)取付構造体は、ジャケット内に固定された中空撚線からなる、上記又は以下のローマ数字で番号を付した実施形態のいずれかに係るセンサ・ガイド・ワイヤ。
本発明は、上述した好適な実施形態に限定されるものではない。様々な代替例、変形例及び等価物を用いることができる。従って、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲を限定するものとして受け取られるべきではない。
100 システム
110 センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ
111 センサ素子
112 近位コネクタ
130 生理学的監視装置
203 近位管状部
205 ジャケット又はスリーブ
206 コイル
207 先端部
208 遠位コアワイヤ
210 光信号線
211 安全ワイヤ
301 センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ
303 近位管状部
305 ジャケット又はスリーブ
306 コイル
307 遠位先端部
308 コアワイヤ
308A 第1の本体部
308B センサ取付部
308C 第2の本体部
310 光信号線
311 センサ素子
402 外周壁
404 通路
406 長手方向遠位端
408 長手方向近位端
410 開口部
412 スロット
414 スロット
501 センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ
502 取付構造体
504 回路基板
508 コアワイヤ
601 センサ・ガイド・ワイヤ・アセンブリ
605 ジャケット
長さ
垂直面
垂直面


離間距離
離間距離
離間距離
離間距離
離間距離
離間距離
α スロット角度
α スロット角度

Claims (7)

  1. 生体内の生理学的変数の血管内測定用のセンサ・ガイド・ワイヤであって、
    近位管状部と、
    遠位端部と、
    前記生体内で流体と接触することで前記生理学的変数を測定するように構成されたセンサ素子と、
    前記センサ素子を収容する内部空間を構成し、前記近位管状部の遠位端から前記遠位端部の近位端まで延びる円筒状のセンサジャケットと、を備え、
    前記センサジャケットは、前記センサジャケットの長手方向の遠位端と近位端の間に周面が延在する外周壁を有し、
    前記外周壁は、流体が前記外周壁を貫通して通過可能なように、周面に沿って少なくとも1つの開口部を含み、
    前記外周壁は、前記外周壁の前記少なくとも1つの開口部と前記センサジャケットの前記遠位端及び近位端の一方の間に位置する複数のスロットを更に含み、
    前記複数のスロットは、前記センサジャケットの周方向に延びる主な伸部を備えた少なくとも1つのスロットを含み、前記複数のスロットは、前記外周壁の前記少なくとも1つの開口部と前記センサジャケットの前記近位端の間に位置することを特徴とするセンサ・ガイド・ワイヤ。
  2. 前記センサジャケットは、長さが約0.5mm〜10mmである請求項1に記載のセンサ・ガイド・ワイヤ。
  3. 前記外周壁は、前記外周壁の前記少なくとも1つの開口部と前記センサジャケットの前記遠位端の間に位置する別の複数のスロットを更に含む請求項に記載のセンサ・ガイド・ワイヤ。
  4. 前記複数のスロットは、複数組のスロットに分割され、各組のスロットは、前記センサジャケットの長手軸に対して垂直な垂直面に、各組のスロットの主な伸長部がそれぞれの面内において周方向に延びるように配置される請求項1に記載のセンサ・ガイド・ワイヤ。
  5. 同一垂直面内の前記複数のスロットの長さは基本的に同じである請求項に記載のセンサ・ガイド・ワイヤ。
  6. 同一垂直面内の前記複数のスロットは、前記センサジャケットの周囲に均等に配置される請求項に記載のセンサ・ガイド・ワイヤ。
  7. 一方の垂直面内の複数のスロットは、隣接する垂直面内の複数のスロットに対して回転方向に位置がずれている請求項に記載のセンサ・ガイド・ワイヤ。
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