JP6394970B2 - 測定機の校正方法及び校正用ゲージユニット - Google Patents
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Description
b)LV1(支点から下向き触針の先端までの上下方向の距離である下向き触針の触針長さ)
c)LH2(アームが水平状態における支点から上向き触針の先端までの水平方向の距離又は上下方向感度)
d)LV2(支点から上向き触針の先端までの上下方向の距離である上向き触針の触針長さ)
e)下向き触針と上向き触針の測定データの座標原点のずれ
f)下向き触針の先端半径値
g)上向き触針の先端半径値
本発明の一態様によれば、第1のデータから第8のデータの二乗和が最小となるように、LH1、LV1、LH2、及びLV2を校正し、以下の校正値を得る。
a)LHd(LH1の校正値)
b)LVd(LV1の校正値)
c)LHu(LH2の校正値)
d)LVu(LV2の校正値)
e)Rd(下向き触針の先端半径値の校正値)
f)Ru(上向き触針の先端半径値の校正値)
LH1、LV1、LH2、及びLV2の校正値(LHd、LVd、LHu、LVu)を用いることで、下向き触針と上向き触針の水平方向の原点のずれを抑えることができる。よって、下向き触針と上向き触針とから得られた測定精度を保持しつつ、下向き触針と上向き触針とを合わせた測定においても、高精度な測定を行うことができる。
測定部10は、ベース12に立設されたコラム14に送り装置16がZ軸(上下)方向に移動自在に設けられている。また、触針18を有し触針18のZ軸方向の変位を検出する検出器20が送り装置16にX軸(水平)方向移動自在に設けられている。
a)LH1(アーム32が水平状態における支点30から下向き触針34の先端34Aまでの水平方向の距離又は上下方向感度)
b)LV1(支点30から下向き触針34の先端34Aまでの上下方向の距離である下向き触針34の触針長さ)
c)LH2(アーム32が水平状態における支点30から上向き触針36の先端36Aまでの水平方向の距離又は上下方向感度)
d)LV2(支点30から上向き触針36の先端36Aの上下方向の距離である上向き触針36の触針長さ)
e)下向き触針34と上向き触針36の測定データの座標原点のずれ
f)下向き触針34の先端半径値
g)上向き触針36の先端半径値
図3は、実施形態の校正用ゲージユニット40の斜視図である。校正用ゲージユニット40を用いることにより、LH1、LV1、LH2、及びLV2を校正し、校正値であるLHd(LH1の校正値)、LVd(LV1の校正値)、LHu(LH2の校正値)、及びLVu(LV2の校正値)を得る。
マスターボール48は、半径値が既知のボールゲージである。
第1の段差ゲージ50及び第2の段差ゲージ52は、中央に配置されたブロックゲージ58を共用する上下一対のブロックゲージ60、62を備える。第1の段差ゲージ50を構成するブロックゲージ58、60の上下方向の段差寸法は既知であり、第2の段差ゲージ52を構成するブロックゲージ58、62の上下方向の段差寸法も既知である。
斜面ブロックゲージ54は、厚さ寸法が既知のブロックゲージであり、任意の角度(たとえば上下方向において30度)に傾斜して配置される。
水平ブロックゲージ56は、厚さ寸法が既知のブロックゲージであり、その上面及び下面が水平方向に配置される。
図1のデータ処理装置24は、以下の1)〜5)の構成及び機能を備える。
実施形態の測定機では、データ処理装置24に入力されたLH1、LV1、LH2、LV2のパラメータをより高精度に校正する。
下向き触針34と上向き触針36のそれぞれの測定における、水平方向の対称性を校正する。校正パラメータのうち、特にLV1、LV2に誤差がある場合には、ボール状の形状の測定データ(a)、(b)が、頂点を中心に左右に非対称な歪が生じる。そこで、マスターボール48の測定データ(a)、(b)が、真円となるように校正パラメータを算出することで、歪を解消する。
下向き触針34と上向き触針36のそれぞれの測定における、上下方向の指示精度を校正する。校正パラメータのうち、特にLH1、LH2に誤差がある場合には、上下方向の感度に誤差が生じるので、高さ測定に誤差が生じる。そこで、第1の段差ゲージ50及び第2の段差ゲージ52の測定データ(c)〜(f)が、既知の段差量(公称値)と等しくなるように校正パラメータを算出することで、高さ測定の誤差を解消する。
下向き触針34と上向き触針36とによって測定した測定データ(i)、(j)の相互の上下方向の空間精度を校正する。校正パラメータのうち、特にLVdとLVuに誤差がある場合には、水平に設置した水平ブロックゲージ56の厚さを下向き触針34と上向き触針36とによって挟んで測定した測定データ(i)、(j)の厚さに誤差が生じる。そこで、水平ブロックゲージ56の厚さの測定データ(i)、(j)が、既知の厚さ(公称値)と等しくなるように校正パラメータを算出することで、測定データ(i)、(j)の誤差を解消する。
下向き触針34と上向き触針36とによってそれぞれ別々に測定した測定データ(g)、(h)の相互の水平方向の空間精度を校正する。校正パラメータのうち、LHd、LHu、LVd、LVuに誤差がある場合には、斜面ブロックゲージ54の厚さの測定データ(g)、(h)に誤差が生じる。斜面ブロックゲージ54は、斜めに配置されているため、本来、水平軸と上下軸の双方の空間精度の誤差が、測定データ(g)、(h)の誤差要因となるが、上下方向の空間精度は、前述の〔水平ブロックゲージ56の厚さ〕によって校正されるため、誤差要因は水平方向のみの空間精度の誤差であると推定できる。そこで、斜面ブロックゲージ54の厚さの測定データ(g)、(h)が、既知の厚さ(公称値)と等しくなるように校正パラメータを算出することで、測定データ(g)、(h)の誤差を解消する。
図7は、実施例における校正値比較を示した表図である。すなわち、校正前の設計値LH1、LV1、LH2、LV2に対する、従来手法による校正値(LHd、LVd、LHu、LVu)と本発明による校正値(LHd、LVd、LHu、LVu)がそれぞれ示されている。
Claims (3)
- 水平方向に移動自在に設けられた検出器と、前記検出器に設けられた支点に上下方向に揺動自在に支持されたアームと、前記アームの先端に設けられ前記アームの揺動方向に向けて延設された下向き触針及び上向き触針と、が備えられ、前記下向き触針及び前記上向き触針にてワークの表面をトレースしたときの前記検出器の水平方向移動量及び前記下向き触針及び前記上向き触針の上下方向変化量に基づき、ワークの表面粗さ及び輪郭形状を測定する測定機の校正方法において、
半径値が既知のボールゲージの上側表面を前記下向き触針によってトレースして得られた真円度を示す第1のデータと円の対称性を示す第2のデータと、
前記ボールゲージの下側表面を前記上向き触針によってトレースして得られた真円度を示す第3のデータと円の対称性を示す第4のデータと、
段差寸法が既知の第1の段差ゲージを前記下向き触針によってトレースして得られた段差の偏差を示す第5のデータと、
段差寸法が既知の第2の段差ゲージを前記上向き触針によってトレースして得られた段差の偏差を示す第6のデータと、
対向する上下の測定面が上下方向に傾斜して配置され、厚さ寸法が既知の第1のブロックゲージの上面及び下面の前記測定面を、それぞれ前記下向き及び上向き触針によってトレースして得られた厚さの偏差を示す第7のデータと、
対向する上下の測定面が水平方向に配置され、厚さ寸法が既知の第2のブロックゲージの上面及び下面の前記測定面を、それぞれ前記下向き及び上向き触針によってトレースして得られた厚さの偏差を示す第8のデータと、
に基づき、前記第1のデータから前記第8のデータの二乗和が最小となるように、前記アームが水平状態における前記支点から前記下向き触針の先端までの水平方向の距離、前記支点から前記下向き触針の先端までの上下方向の距離である前記下向き触針の触針長さ、前記アームが水平状態における前記支点から前記上向き触針の先端までの水平方向の距離、及び前記支点から前記上向き触針の先端の上下方向の距離である前記上向き触針の触針長さを校正することを特徴とする測定機の校正方法。 - 前記第1のデータに基づいて前記下向き触針の先端半径値の校正を行い、前記第2のデータに基づいて前記上向き触針の先端半径値の校正を行う請求項1に記載の測定機の校正方法。
- 水平方向に移動自在に設けられた検出器と、前記検出器に設けられた支点に上下方向に揺動自在に支持されたアームと、前記アームの先端に設けられ前記アームの揺動方向に向けて延設された下向き触針及び上向き触針と、が備えられ、前記下向き触針及び前記上向き触針にてワークの表面をトレースしたときの前記検出器の水平方向移動量及び前記下向き触針及び前記上向き触針の上下方向変化量に基づき、ワークの表面粗さ及び輪郭形状を測定する測定機の校正用ゲージユニットにおいて、
前記下向き触針によって上側表面がトレースされるとともに、前記上向き触針によって下側表面がトレースされる半径値が既知のボールゲージと、
前記下向き触針によってトレースされる段差寸法が既知の第1の段差ゲージと、
前記上向き触針によってトレースされる段差寸法が既知の第2の段差ゲージと、
対向する上下の測定面が上下方向に傾斜して配置され、厚さ寸法が既知の第1のブロックゲージであって、上面の前記測定面が前記下向き触針によってトレースされるとともに、下面の前記測定面が前記上向き触針によってトレースされる第1のブロックゲージと、
対向する上下の測定面が水平方向に配置され、厚さ寸法が既知の第2のブロックゲージであって、上面の前記測定面が前記下向き触針によってトレースされるとともに、下面の前記測定面が前記上向き触針によってトレースされる第2のブロックゲージと、
を備えたことを特徴とする測定機の校正用ゲージユニット。
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