JP6393715B2 - 基地局、干渉抑圧装置、干渉抑圧システム及び干渉抑圧方法 - Google Patents

基地局、干渉抑圧装置、干渉抑圧システム及び干渉抑圧方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6393715B2
JP6393715B2 JP2016160436A JP2016160436A JP6393715B2 JP 6393715 B2 JP6393715 B2 JP 6393715B2 JP 2016160436 A JP2016160436 A JP 2016160436A JP 2016160436 A JP2016160436 A JP 2016160436A JP 6393715 B2 JP6393715 B2 JP 6393715B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
interference
received
antenna
received signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016160436A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018029272A (ja
Inventor
藤井 輝也
輝也 藤井
太田 喜元
喜元 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SoftBank Corp
Original Assignee
SoftBank Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SoftBank Corp filed Critical SoftBank Corp
Priority to JP2016160436A priority Critical patent/JP6393715B2/ja
Publication of JP2018029272A publication Critical patent/JP2018029272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6393715B2 publication Critical patent/JP6393715B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Noise Elimination (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Description

本発明は、基地局、干渉抑圧装置、干渉抑圧システム及び干渉抑圧方法に関するものである。
従来、通信端末から送信された無線信号を受信するときの受信信号に含まれる干渉信号を抑圧することにより、通信端末との間で良好な通信品質を得る基地局が知られている。例えば、既知信号(例えばCDMA方式におけるパイロットシンボル)から干渉レプリカ信号を生成し、生成した干渉レプリカ信号を受信信号から減算する基地局が知られている(例えば、特許文献1参照)。この基地局では、隣接する基地局からの干渉信号や、同じ基地局セル内に存在している受信希望対象以外の通信端末からの干渉信号を抑圧することができる。
しかしながら、基地局で受信する受信信号には、上記無線通信ネットワークで送受信される無線信号以外の予測が難しい他の干渉信号が含まれる場合がある。例えば、以下に示すような気象条件(天候)により電波が遠くに届く「ダクト」と呼ばれる現象が発生し、そのダクトに起因した干渉信号が受信信号に含まれる場合がある。図13(a)に示す通常時においては、海上の上方の大気の屈折率(図中の修正屈折指数M)は高度が高くなるに従って単調に変化し、図13(b)に示すように第1の陸地800のアンテナ801から送信されたおおよそ1200MHz以下の周波数帯の電波805は海806を挟んで遠方に位置する第2の陸地810のアンテナ811に届くことはない。ところが、海上の気象条件(天候)が特定の条件になると、図14(a)に示すように海上の上方の大気の屈折率(図中の修正屈折指数M)が特定の高度の上空で反転するダクト状の層(反転層)900が発生し、その層900内を電波が伝搬することにより、図14(b)に示すように第1の陸地800のアンテナ801から送信された上記所定の周波数帯の電波802が海を挟んで遠方に位置する第2の陸地810のアンテナ811に届くダクト現象が発生する。この現象により、例えば日本の九州地方では海を挟んで隣国である中華人民共和国(中国)や大韓民国(韓国)から干渉波(以下「ダクト干渉波」という。)が飛来し、それと同じ周波数を用いている我が国の無線システムに甚大なる通信障害を引き起こすことがある。上述したダクト現象は、春先から秋(4月頃〜10月頃)の夜間に気象条件によって不定期に発生する。このダクト現象は前述のようにおおよそ1200MHz以下の周波数帯で観測される。例えば、九州地方のタクシー無線等に使用される業務用無線システムであるMCA(マルチチャネルアクセスシステム)の周波数帯(930MHz〜940MHz)では、中国や韓国からと思われるダクト干渉が観測される。このダクト現象による電波は、特に山間部などの標高の高い場所に設置されているMCAの基地局において強いダクト干渉となり、通信端末の上り回線(端末→基地局)の通信品質を大幅に低下させてしまう。尚、ダクト干渉波830は、おおよそ図15に示すように垂直方向面における水平方向Hからの角度(垂直角度)θが0°である水平方向から基地局のアンテナ840に到来する。
上記ダクト干渉波は、水平面内の互いに異なる複数の到来方向から到来する場合がある。例えば図16に示すように、水平面内の到来方向の角度差が大きい中国の上海方向からのダクト干渉波830aと韓国方向からのダクト干渉波830bが日本の九州地方に到来する場合がある。このような場合、例えば図17に示すように水平面内で複数のダクト干渉波s2RFA,s2RFBの到来方向(θ1±Δθ1,θ2±Δθ2)のすべてを含むような広いビーム角度幅(図示の例では、(θ1−Δθ1)〜(θ2+Δθ2))の水平面内指向性301’を有する単一のキャンセルアンテナ300’を用いて複数のダクト干渉波s2RFA,s2RFBをキャンセルすることが考えられる。ここで、θ1及びθ2は、図中の上方を基準して左回り方向に角度θを測定したときのダクト干渉波s2RFA及びs2RFBのそれぞれの到来方向の中心角度であり、Δθ1及びΔθ2は、そのダクト干渉波s2RFA及びs2RFBの到来方向の広がり角の1/2である。また、水平面内ビーム角度幅は、水平面内指向特性において最大利得方向から利得が3dB低減した2点間の角度幅である。
しかしながら、上記到来方向の角度差が大きいダクト干渉波s2RFA,s2RFBに対して広いビーム角度幅の水平面内指向性301’を有する単一のキャンセルアンテナを用いた場合、次のような課題がある。すなわち、図17のキャンセルアンテナの水平面内指向特性301’のうちダクト干渉波s2RFA,s2RFBの到来方向(θ1±Δθ1,θ2±Δθ2)に対応する両端部側の区間301’A、301’Bではそれぞれ、図18(a)及び(b)に示すようにダクト干渉波s2RFA,s2RFBの到来方向(θ1±Δθ1,θ2±Δθ2)に対して垂直面内の合成指向特性のヌル方向が生成され、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBをキャンセルすることができる。また、図17のダクト干渉波s2RFA,s2RFBが到来していない方向((θ1+Δθ1)〜(θ2−Δθ2))に対応する中央部側の区間301’Cについても、ダクト干渉波のキャンセル処理が行われる。そのため、水平面内指向性301’の中央部側の区間301’Cでは、ダクト干渉波が到来していないにもかかわらず、図18(c)に示すように垂直面内の合成指向特性のヌル方向が生成され、そのダクト干渉波が到来していない方向に位置する通信端末の通信品質が劣化するおそれがある。
本発明は以上の背景の下で鑑みなされたものであり、その目的は、通信端末の通信品質の劣化を抑制するとともに、年間を通して特定の期間(例えば3月頃〜11月頃)の特定の時間(例えば夜間17時〜6時)内で不定期に発生し、垂直面ではおおよそ0°の方向から到来し、水平面内では複数の異なる方向から到来するダクト干渉波に起因した干渉信号を、到来方向毎にダクト干渉波を適応的に抑圧することができる基地局、干渉抑圧装置、干渉抑圧システム及び干渉抑圧方法を提供することである。
本発明の一態様に係る基地局は、通信端末と無線通信する基地局であって、通信端末と無線通信するための第1アンテナと、前記第1アンテナの位相中心点を通過する仮想鉛直線上の該基地局アンテナの位相中心点から上方向又は下方向に所定距離だけ離れた位置に位相中心点を有する複数の第2アンテナを備える。前記複数の第2アンテナは、互いに異なる方向から到来する複数の干渉波に対し、それぞれの干渉波の到来方向を中心としてその干渉波の到来広がり角に対応した水平面内半値角を有する。更に、本態様に係る基地局は、前記複数の第2アンテナのそれぞれについて、前記第1アンテナで受信した第1受信信号から干渉信号を分離して検出する第1干渉信号検出手段と、前記第2アンテナで受信した第2受信信号から前記干渉信号を分離して検出する第2干渉信号検出手段と、前記第1受信信号から検出した干渉信号と前記第2受信信号から検出した干渉信号とが同じ振幅及び位相になるようにウェイトを計算するウェイト計算手段と、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する信号演算手段と、を備える。
前記基地局において、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれているか否かを判定する干渉有無判定手段を更に備え、前記ウェイト計算手段は、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれている場合は、前記第1受信信号の第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるように前記ウェイトを計算し、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていない場合は、前記ウェイトをゼロに設定してもよい。
また、前記基地局において、前記信号演算手段は、前記第1アンテナで受信した第1受信信号の信号経路を、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する減算部を通過する干渉抑圧信号経路と、前記減算部を通過しないで迂回する通常信号経路との間で切り替える信号経路切替手段を備えてもよい。
また、前記基地局において、前記干渉信号は、ダクト現象によって飛来する無線信号であってもよい。
本発明の他の態様に係る基地局は、通信端末と無線通信する基地局であって、通信端末と無線通信するための第1アンテナと、前記第1アンテナの位相中心点を通過する仮想鉛直線上の該第1アンテナの位相中心点から上方向又は下方向に所定距離だけ離れた位置に位相中心点を有する複数の第2アンテナとを備える。前記複数の第2アンテナは、互いに異なる方向から到来する複数の干渉波に対し、それぞれの干渉波の到来広がり角に対応した水平面内半値角幅を有する。更に、本態様に係る基地局は、前記複数の第2アンテナのそれぞれに対応するように複数の干渉抑装置を前記第1アンテナと基地局装置との間に従属接続して設けている。前記複数の干渉抑装置はそれぞれ、前記第1アンテナで受信した第1受信信号から、前記複数の干渉波に対応する第1干渉信号を分離して検出する第1干渉信号検出手段と、前記第2アンテナで受信した第2受信信号から、前記複数の干渉波のうち該第2アンテナで受信される干渉波に対応する前記第2干渉信号を分離して検出する第2干渉信号検出手段と、前記第1受信信号から検出した第1干渉信号と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とから前記第1受信信号に含まれる第2干渉信号成分を推定し、その第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトを計算するウェイト計算手段と、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する信号演算手段と、を備える。
前記基地局において、前記複数の干渉抑装置はそれぞれ、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれているか否かを判定する干渉有無判定手段を更に備え、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれている場合は、前記第1受信信号の第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるように前記ウェイトを計算し、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていない場合は、前記ウェイトをゼロに設定してもよい。
また、前記基地局において、前記複数の干渉抑装置の前記信号演算手段はそれぞれ、前記第1アンテナで受信した第1受信信号の信号経路を、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する減算部を通過する干渉抑圧信号経路と、前記減算部を通過しないで迂回する通常信号経路との間で切り替える信号経路切替手段を備えてもよい。
また、前記基地局において、前記干渉信号は、ダクト現象によって飛来する無線信号であってもよい。
本発明の更に他の態様に係る干渉抑装置は、通信端末と無線通信する基地局で受信される受信信号に含まれる干渉信号を抑圧する干渉抑圧装置であって、通信端末と無線通信するための第1アンテナの位相中心点を通過する仮想鉛直線上の該第1アンテナの位相中心点から上方向又は下方向に所定距離だけ離れた位置に位相中心点を有する複数の第2アンテナとを備える。前記複数の第2アンテナは、互いに異なる方向から到来する複数の干渉波の水平面内到来方向に対し、第2アンテナ内のそれぞれの干渉波の到来広がり角に対応した水平面内半値角幅を有する。更に、本態様に係る干渉抑装置は、複数の第2アンテナのそれぞれについて、前記第1アンテナで受信した第1受信信号から、前記複数の干渉波に対応する第1干渉信号を分離して検出する第1干渉信号検出手段と、前記第2アンテナで受信した第2受信信号から、前記複数の干渉波のうち該第2アンテナで受信される干渉波に対応する第2干渉信号を分離して検出する第2干渉信号検出手段と、前記第1受信信号から検出した第1干渉信号と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とから前記第1受信信号に含まれる第2干渉信号成分を推定し、その第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトを計算するウェイト計算手段と、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する信号演算手段と、を備える。
前記干渉抑装置において、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれているか否かを判定する干渉有無判定手段を更に備え、前記ウェイト計算手段は、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれている場合は、前記第1受信信号の第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるように前記ウェイトを計算し、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていない場合は、前記ウェイトをゼロに設定してもよい。
また、前記干渉抑装置において、前記信号演算手段は、前記第1アンテナで受信した第1受信信号の信号経路を、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する減算部を通過する干渉抑圧信号経路と、前記減算部を通過しないで迂回する通常信号経路との間で切り替える信号経路切替手段を備えてもよい。
また、前記干渉抑装置において、前記干渉信号は、ダクト現象によって飛来する無線信号であってもよい。
本発明の更に他の態様に係る干渉抑システムは、通信端末と無線通信する基地局で受信される受信信号に含まれる干渉信号を抑圧する干渉抑圧システムであって、通信端末と無線通信するための第1アンテナの位相中心点を通過する仮想鉛直線上の該第1アンテナの位相中心点から上方向又は下方向に所定距離だけ離れた位置に位相中心点を有し、互いに異なる方向から到来する複数の干渉波の水平面内到来方向に対し、第2アンテナ内のそれぞれの干渉波の到来広がり角に対応した水平面内半値角幅を有する複数の第2アンテナそれぞれに対応するように複数の干渉抑装置を前記第1アンテナと基地局装置との間に従属接続して設けている。前記複数の干渉抑装置はそれぞれ、前記第1アンテナで受信した第1受信信号から、前記複数の干渉波に対応する第1干渉信号を分離して検出する第1干渉信号検出手段と、前記第2アンテナで受信した第2受信信号から、前記複数の干渉波のうち該第2アンテナで受信される干渉波に対応する前記第2干渉信号を分離して検出する第2干渉信号検出手段と、前記第1受信信号から検出した第1干渉信号と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とから前記第1受信信号に含まれる第2干渉信号成分を推定し、その第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトを計算するウェイト計算手段と、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する信号演算手段と、を備える。
前記干渉抑システムにおいて、前記複数の干渉抑装置はそれぞれ、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれているか否かを判定する干渉有無判定手段を更に備え、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれている場合は、前記第1受信信号の第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるように前記ウェイトを計算し、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていない場合は、前記ウェイトをゼロに設定してもよい。
また、前記干渉抑圧システムにおいて、前記複数の干渉抑装置の前記信号演算手段はそれぞれ、前記第1アンテナで受信した第1受信信号の信号経路を、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する減算部を通過する干渉抑圧信号経路と、前記減算部を通過しないで迂回する通常信号経路との間で切り替える信号経路切替手段を備えてもよい。
また、前記干渉抑圧システムにおいて、前記干渉信号は、ダクト現象によって飛来する無線信号であってもよい。
本発明の更に他の態様に係る干渉抑方法は、通信端末と無線通信する基地局で受信される受信信号に含まれる干渉信号を抑圧する干渉抑圧方法であって、通信端末と無線通信するための第1アンテナの位相中心点を通過する仮想鉛直線上の該第1アンテナの位相中心点から上方向又は下方向に所定距離だけ離れた位置に位相中心点を有し、互いに異なる方向から到来する複数の干渉波の水平面内到来方向に対し、それぞれの干渉波の到来広がり角に対応した水平面内半値角幅を有する複数の第2アンテナのそれぞれについて、前記第1アンテナで受信した第1受信信号から、前記複数の干渉波に対応する第1干渉信号を分離して検出することと、前記第2アンテナで受信した第2受信信号から、前記複数の干渉波のうち該第2アンテナで受信される干渉波に対応する前記第2干渉信号を分離して検出することと、前記第1受信信号から検出した第1干渉信号と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とから前記第1受信信号に含まれる第2干渉信号成分を推定し、その第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトを計算することと、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算することとを含む。
また、前記干渉抑方法において、前記干渉信号は、ダクト現象によって飛来する無線信号であってもよい。
本発明によれば、通信端末の通信品質の劣化を抑制するとともに、年間を通して特定の期間の特定の時間内で不定期に発生し、垂直面ではおおよそ0°の方向から到来し、水平面内では複数の異なる方向から到来するダクト干渉波に起因した干渉信号を、到来方向毎に適応的に抑圧することができる、という効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図。 本実施形態の基地局における水平面内の基地局アンテナ及びキャンセルアンテナの配置例を示す説明図。 (a)及び(b)はそれぞれ本実施形態の基地局における垂直面内の基地局アンテナ及びキャンセルアンテナの他の配置例を示す説明図。 干渉抑装置の第1ウェイト決定部の一構成例を示すブロック図。 (a)及び(b)はそれぞれデジタル帯域フィルタで選択的に通過させる周波数帯域fBPの例を示す説明図。 干渉抑装置の第1ウェイト決定部の他の構成例を示すブロック図。 ダクト干渉波s2RFA,s2RFBの到来方向と各アンテナの水平面内の指向特性との関係を示す図。 (a)〜(c)はそれぞれ、図7の水平面内のダクト干渉波s2RFA,s2RFBが到来している方向における垂直面内の合成指向特性の一例を示す図。 (a)〜(c)はそれぞれ、図7の水平面内のダクト干渉波s2RFA,s2RFBが到来していない方向における垂直面内の合成指向特性の一例を示す図。 他の実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図。 更に他の実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図。 更に他の実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図。 (a)及び(b)はそれぞれダクトが発生していない通常時の海上の上層における屈折率の変化及び電波の伝わり方を示す図。 (a)及び(b)はそれぞれダクトが発生している時の海上の上層における屈折率の変化及び電波の伝わり方を示す図。 基地局のアンテナに飛来するダクト干渉波の方向の一例を示す図。 水平面内の互いに異なる方向から基地局のアンテナに飛来するダクト干渉波の一例を示す図。 単一の広いビーム角度幅のキャンセルアンテナを用いた場合の複数のダクト干渉波の到来方向とキャンセルアンテナの水平面内指向特性との関係を示す図。 (a)〜(c)はそれぞれ、図17のキャンセルアンテナの水平面内指向特性の3つの区間のそれぞれにおける垂直面内の合成指向特性を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、タクシー等の車両に搭載された通信端末と無線通信を行うMCAシステムの業務用無線に用いられる基地局について説明するが、本実施形態の基地局は、携帯電話機やスマートフォン等の通信端末と無線通信を行うセルラー移動通信システムの基地局等の他の基地局であってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図である。図1において、本実施形態に係る基地局10は、本体の基地局装置20と、干渉抑圧システム30と、通信端末(移動機、移動局)80からの電波(以下「希望波」又は「希望信号」ともいう。)s1RFを受信するための第1アンテナとしての基地局アンテナ40と、を備える。基地局アンテナ40は、MCAシステムの業務用無線の基地局で用いられている一般的なアンテナである。基地局アンテナ40に互いに異なる複数方向のそれぞれからダクト干渉波s2RFA及びs2RFB(例えば、930MHz〜940MHzの干渉波)が到来しているときは、基地局アンテナ40により希望波s1RFとダクト干渉s2RFA及びs2RFBとが受信される。
干渉抑圧システム30は、複数の第2アンテナとしてのキャンセルアンテナ300A,300Bと、干渉抑装置310とを備える。キャンセルアンテナ300A,300Bはそれぞれ、基地局アンテナ40の位相中心点40aを通過する仮想鉛直線上の基地局アンテナ40の位相中心点40aから上方向又は下方向に所定距離d,dだけ離れた位置に位相中心点300aA、300aBを有し、基地局アンテナ40とは垂直面内又は水平面内の指向性が異なる指向性のアンテナである。また、キャンセルアンテナ300A,300Bの位相中心300aA、300aBはそれぞれ、基地局アンテナ40の位相中心点40aを通過する仮想鉛直線Lv上に位置している。すなわち、仮想鉛直線Lvに沿って上方又は下方から見た場合、水平面内の基地局アンテナ40の位相中心点40aとキャンセルアンテナ300A,300Bの位相中心点300aA、300aBは互いに一致している。
図2は、本実施形態の基地局における水平面内の基地局アンテナ40及びキャンセルアンテナ300A,300Bの配置例を示す説明図。本実施形態では、水平面内で互いに異なる2方向から複数のダクト干渉波s2RFA及びs2RFB(例えば、930MHz〜940MHzの干渉波)が到来している場合を想定し、ダクト干渉波s2RFA及びs2RFBそれぞれの到来方向に向けてキャンセルアンテナ300A,300Bが配置されている。ここで、例えば、キャンセルアンテナ300Aにダクト干渉波s2RFAが到来しているときは、キャンセルアンテナ300Aにより希望波s1RFとダクト干渉s2RFAとが受信される。また、キャンセルアンテナ300Bにダクト干渉波s2RFBが到来しているときは、キャンセルアンテナ300Bにより希望波s1RFとダクト干渉s2RFBとが受信される。
複数のキャンセルアンテナ300A,300Bは、複数のダクト干渉波s2RFA及びs2RFBに対し、キャンセルアンテナ内のそれぞれのダクト干渉波s2RFA及びs2RFBの到来広がり角に対応した水平面内半値角幅を有する。また、複数のキャンセルアンテナ300A,300Bはそれぞれ、ダクト干渉波毎に、アンテナの水平面内最大利得方向(以下「アンテナ水平面内指向方向」ともいう。)が到来方向に向いている。但し、それぞれの干渉波の到来方向に向けたアンテナの水平面内指向性は、各干渉波の水平面内の到来角広がりと同程度に設定された水平面内半値角幅を有している。本実施形態において、複数のキャンセルアンテナ300A,300B内の各アンテナの水平面内指向性が相互に重なることはない。
すなわち、後述の図7に示すように、複数のキャンセルアンテナ300A,300Bはそれぞれ、ダクト干渉波s2RFA及びs2RFBの水平面内到来方向(θ1±Δθ1,θ2±Δθ2)にアンテナ水平面内指向方向を向け、水平面内ビーム角度幅が互いに重ならない水平面内指向特性を有している。すなわち、キャンセルアンテナ300Aはダクト干渉波s2RFAの水平面内到来方向(θ1±Δθ1)にアンテナ水平面内指向方向を向け、キャンセルアンテナ300Aはダクト干渉波s2RFAの水平面内到来方向(θ2±Δθ2)にアンテナ水平面内指向方向を向けている。水平面内の到来方向の角度差が大きい場合、キャンセルアンテナ300A,300Bの水平面内指向特性は互いに重ならない。ここで、θ1及びθ2は、図中の上方を基準して左回り方向に角度θを測定したときのダクト干渉波s2RFA及びs2RFBのそれぞれの到来方向の中心角度であり、Δθ1及びΔθ2は、そのダクト干渉波s2RFA及びs2RFBの到来方向の広がり角の1/2である。また、水平面内ビーム角度幅は、水平面内指向特性において最大利得方向から利得が3dB低減した2点間の角度幅である。
また、キャンセルアンテナ300A,300Bの水平面内ビーム角度幅はそれぞれ、ダクト干渉波s2RFA及びs2RFBの到来方向の広がり角(2Δθ1,2Δθ2)と一致するように設定してもよいし、水平面内指向特性が互いに重ならない範囲において、ダクト干渉波s2RFA及びs2RFBの到来方向の広がり角(2Δθ1,2Δθ2)を含むように広がり角よりも大きく設定しもよい。
なお、図示の例では、キャンセルアンテナ300A,300Bとして八木アンテナを用いているが、他のタイプのアンテナであってもよい。また、図示の例では、基地局アンテナ40の上方に複数のキャンセルアンテナ300A,300Bを配置しているが、基地局アンテナ40の上方及び下方に振り分けて複数のキャンセルアンテナ300A,300Bを配置してもよい。また、キャンセルアンテナ300A,300Bの装着が容易になるように図3に示すように基地局アンテナ40の下方にキャンセルアンテナ300A,300Bを配置してもよい。
また、図示の例では、水平面内の2方向から到来しているダクト干渉波s2RFA及びs2RFBを受信できるように2つのキャンセルアンテナ300A,300Bを配置しているが、ダクト干渉波の到来方向の数に応じて3つ以上のキャンセルアンテナを配置してもよい。
干渉抑装置310は、複数のキャンセルアンテナ300A,300Bそれぞれに対応するように、第1受信信号Xから検出した第2ダクト干渉信号成分s2の推定値と第2受信信号Yから検出した第2ダクト干渉信号s2’とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトwを決定する複数のウェイト決定手段としてのウェイト決定部311A,311Bと、第2受信信号Yにウェイトwを乗算した信号w・Yを第1受信信号Xから減算する複数の信号演算手段(受信信号処理手段)としての信号演算部350A,350Bとを備える。第1ウェイト決定部311Aは、キャンセルアンテナ300Aに対応するウェイトwを決定し、第1信号演算部350Aは、キャンセルアンテナ300Aで受信した第2受信信号Yにウェイトwを乗算した信号w・Yを第1受信信号Xから減算する。一方、第2ウェイト決定部311Bは、キャンセルアンテナ300Bに対応するウェイトwを決定し、第2信号演算部350Bは、キャンセルアンテナ300Bで受信した第2受信信号Yにウェイトwを乗算した信号w・Yを第1受信信号Xから減算する。この信号演算部350A,350Bにより複数のダクト干渉信号s2,s2がキャンセルされた第1受信信号Xである信号Z(=X−w・Y−w・Y)が基地局装置20に出力される。
図4は、干渉抑装置310の第1ウェイト決定部311Aの一構成例を示すブロック図である。なお、第2ウェイト決定部311Bについては、第1ウェイト決定部311Aと同様な構成であるので、その説明は省略する。
本構成例の第1ウェイト決定部311Aは、基地局アンテナ40で受信した第1受信信号Xから複数のダクト干渉波s2RFA,s2RFBに対応する第1ダクト干渉信号(s2+s2B)を分離する第1アンテナダクト干渉検出部320Aと、キャンセルアンテナ300Aで受信した第2受信信号Yから第2ダクト干渉信号s2'を分離する第2アンテナダクト干渉検出部330Aとを備える。
第1アンテナダクト干渉検出部320Aは、基地局アンテナ40で受信された第1受信信号X(=s1+s2+s2)に対して、通信端末80が使用しない周波数帯域fBPを選択的に通過させるデジタル帯域フィルタで帯域制限することにより、ダクト干渉信号(s+s)を分離して検出する。また、第2アンテナダクト干渉検出部330Aは、キャンセルアンテナ300Aで受信された第2受信信号YA(=s1’+s2’)に対して、通信端末80が使用しない周波数帯域fBPを選択的に通過させるデジタル帯域フィルタで帯域制限することにより、第2ダクト干渉信号s’を分離して検出する。
図5(a)及び(b)はそれぞれデジタル帯域フィルタで選択的に通過させる周波数帯域fBPの例である。デジタル帯域フィルタで選択的に通過させる周波数帯域fBPとしては、例えば図5(a)に示すように通信端末80との通信で予め設定された通信帯域内で通信端末80が実際に使用しない周波数帯域を選択する。また、デジタル帯域フィルタで選択的に通過させる周波数帯域fBPとしては、図5(b)に示すように通信帯域外の周波数帯域を選択してもよい。
図4に戻って、第1ウェイト決定部311Aは、第1受信信号Xから検出した第1ダクト干渉信号(s+s)と第2受信信号Yから検出したダクト干渉信号s’とから、後述する式(1)に示す演算(相関検出)を行うことにより、第1受信信号Xに含まれる第2干渉信号成分sを推定し、その第2干渉信号成分sの推定値と第2受信信号Yから検出した第2干渉信号s’とが互いに同じ振幅及び位相になるウェイトwを計算するウェイト計算手段としてウェイト計算部340Aを更に備える。具体的には、ウェイトwは、第1受信信号Xから帯域制限して検出された干渉信号(s+s)及び第2受信信号Yから帯域制限して検出された干渉信号s’から、次の式(1)を用いて計算する。なお、式中の「< >」はアンサンブル平均を表し、「*」は複素共役を表している(以下の式においても同様)。
本構成例の干渉抑装置310では、通信端末80が使用しない周波数帯域fBPを選択的に通過させるデジタル帯域フィルタで帯域制限することにより、第1ダクト干渉信号(s+s)、及び第2ダクト干渉信号s’を分離して検出しているため、ダクト干渉信号の検出処理が簡易になるとともに、通信端末80からの希望信号s1,s1’の影響を低減できる。
図6は、本実施形態の基地局10における干渉抑装置310の第1ウェイト決定部311Aの他の構成例を示すブロック図である。なお、第2ウェイト決定部311Bについては、第1ウェイト決定部311Aと同様な構成であるので、その説明は省略する。また、前述の図1、4と同様な部分については同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
本構成例の第1ウェイト決定部311Aは、第2受信信号Yに第2ダクト干渉信号s’が含まれているか否かを判定し、その判定結果に基づいてウェイト計算部340Aでの計算処理を制御するウェイト計算制御部360Aを備えている。ウェイト計算制御部360Aは、第2受信信号Yに第2ダクト干渉信号s’が含まれている場合は、前記ウェイトを計算するようにウェイト計算部340Aでの計算処理をONにする。一方、第2受信信号Yに第2ダクト干渉信号s’が含まれていない場合は、ウェイト計算部340Aでの計算処理をOFFにして消費電力を低減し、ウェイトwについてはゼロに設定する。
本構成例において、ウェイト計算制御部360Aは、受信電力検出部361Aとダクト干渉有無判定部362Aと計算ON/OFF制御部36Aとウェイト設定部364Aとウェイト切替部365Aとを備える。
受信電力検出部361Aは、第2受信信号Yから帯域制限して検出された第2干渉信号s’の受信電力p2を、例えば次の式(2)を用いて計算する。
ダクト干渉有無判定部362Aは、第2干渉信号s’の受信電力p2と、予め設定した受信電力閾値γthとを比較する。ここで、例えば、受信電力p2がそれぞれ閾値γth以上であればダクト干渉ありと判定し、受信電力p2が受信電力閾値γthよりも小さければダクト干渉なしと判定する。
計算ON/OFF制御部363Aは、ダクト干渉有無判定部362Aでダクト干渉ありと判定された場合、ウェイトwを計算するようにウェイト計算部340Aでの計算処理をONにする。ウェイト計算部340Aで計算されたウェイトwはウェイト切替部365Aに出力される。ダクト干渉有無判定部362Aでダクト干渉なしと判定された場合、計算ON/OFF制御部363Aは、ウェイト計算部340Aでの計算処理をOFFにし、ウェイトwをゼロにするようにウェイト設定部364Aを制御する。ウェイト設定部364Aで設定されたウェイトw(=0)はウェイト切替部365Aに出力される。
ウェイト切替部365Aは、ウェイト計算部340Aで計算されたウェイトwを受けた場合は、そのウェイトwの計算値を信号演算部350Aに出力し、ウェイト設定部364Aで設定されたウェイトw(=0)を受けた場合は、そのウェイトwの設定値(=0)を信号演算部350Aに出力する。
図7〜図9は、本実施形態の基地局10におけるキャンセルアンテナ300A,300B及び干渉抑装置310による2方向のダクト干渉信号s2,s2のキャンセル効果の一例を示す説明図である。
図7は、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBの到来方向と各アンテナの水平面内の指向特性との関係を示している。図示のように、キャンセルアンテナ300Aの水平面内指向性301Aはダクト干渉波s2RFAの到来方向(θ1±Δθ1)に向き、キャンセルアンテナ300Bの水平面内指向性301Bはダクト干渉波s2RFBの到来方向(θ2±Δθ2)に向いている。ダクト干渉波が到来していない方向((θ1+Δθ1)〜(θ2−Δθ2))では、基地局アンテナ40の水平面内指向性41のままになっている。
図8(a)〜(c)は、図7の水平面内のダクト干渉波s2RFA,s2RFBが到来している方向における垂直面内の合成指向特性の一例を示している。図8(a)は、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBが水平方向(水平面からの角度θ=0°)から到来しているときの垂直面内の合成指向特性301A,301Bである。図8(b)は、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBが若干上方向(水平面からの角度θ=2°)から到来しているときの垂直面内の合成指向特性302A,302Bである。図8(c)は、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBが到来していないときの垂直面内の指向特性303A,303Bである。
図8(a)に示すように、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBが水平方向(水平面からの角度θ=0°)から到来しているときは、基地局10の垂直面内の合成指向特性301A,301Bのヌル方向が水平方向になり、基地局アンテナ40で受信した受信信号Xに含まれる、水平方向からのダクト干渉波s2RFA,s2RFBに起因したダクト干渉信号s2,s2をキャンセルすることができる。
また、図8(b)に示すように、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBが水平方向よりも上方向(図示の例では水平面からの角度θ=2°)から到来しているときは、基地局10の垂直面内の合成指向特性302A,302Bのヌル方向がダクト干渉波s2RFA,s2RFBの到来方向に変化する。このようにダクト干渉波s2RFA,s2RFBの垂直面内の到来方向が変わっても適応的に垂直面内指向特性のヌル方向を変化させることができる。しかも、そのヌル方向を変化させるためにキャンセルアンテナ及びその給電回路を調整したり交換したりする必要がなく、オペレーションの煩雑さを回避することができる。
また、図8(c)に示すように、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBが到来していないときは、基地局10の垂直面内の指向特性303A,303Bは、元々の基地局アンテナ40の垂直面内の指向特性になることから、基地局アンテナ40を介した通信端末80との通信に対する影響を小さくすることができ、通信端末80の通信品質の低下を抑制できる。
図9(a)〜(c)は、図7の水平面内のダクト干渉波s2RFA,s2RFBが到来していない方向((θ1+Δθ1)〜(θ2−Δθ2))における垂直面内の合成指向特性の一例を示している。図9(a)は、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBが水平方向(水平面からの角度θ=0°)から到来しているときの垂直面内の合成指向特性41である。図9(b)は、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBが若干上方向(水平面からの角度θ=2°)から到来しているときの垂直面内の合成指向特性42である。図9(c)は、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBが到来していないときの垂直面内の指向特性43である。図9(a)〜(c)に示すように、水平面内のダクト干渉波s2RFA,s2RFBが到来していない方向においては、ダクト干渉波s2RFA,s2RFBの有無にかかわらず、基地局10の垂直面内の指向特性303A,303Bは、元々の基地局アンテナ40の指向特性になることから、基地局アンテナ40を介した通信端末80との通信に対する影響を小さくすることができ、通信端末80の通信品質の低下を抑制できる。
図10は、他の実施形態に係る基地局10の全体構成の一例を示す概略構成図である。なお、前述の図1と同様な部分については同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
本実施形態の干渉抑圧システム30は、複数のキャンセルアンテナ300A,300Bそれぞれに対応するように複数の干渉抑装置310A,310Bを基地局アンテナ40と基地局装置20との間に従属接続して設けている。複数の干渉抑装置310A,310Bは互いに独立した個別装置である。また、従属接続する干渉抑装置の数は、互いに異なる方向から到来しているダクト干渉波の数に応じて増減することができる。
干渉抑装置310Aは、キャンセルアンテナ300Aに対応し、ウェイト決定手段としてのウェイト決定部311Aと、信号演算手段(受信信号処理手段)としての信号演算部350Aとを備える。ウェイト決定部311Aは、第1受信信号Xから第1アンテナダクト干渉検出部を通して検出した第1ダクト干渉信号(s+s)に含まれる第2ダクト干渉信号成分sの推定値と第2受信信号Yから第2アンテナダクト干渉検出部を通して検出した第2ダクト干渉信号s’とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトwを決定する。信号演算部350Aは、第2受信信号Yにウェイトwを乗算した信号w・Yを第1受信信号Xから減算する。
また、干渉抑装置310Bは、キャンセルアンテナ300Bに対応し、ウェイト決定手段としてのウェイト決定部311Bと、信号演算手段(受信信号処理手段)としての信号演算部350Bとを備える。ウェイト決定部311Bは、第1受信信号Xから第1アンテナダクト干渉検出部を通して検出した第1ダクト干渉信号(s+s)に含まれる第2ダクト干渉信号成分sの推定値と第2受信信号Yから第2アンテナダクト干渉検出部を通して検出した第2ダクト干渉信号s’とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトwを決定する。信号演算部350Bは、第2受信信号Yにウェイトwを乗算した信号w・Yを第1受信信号Xから減算する。
ウェイト決定部311A,311Bにおける構成及び信号処理は、前述の図1の干渉抑装置310に設けられたウェイト決定部311A,311Bと同様であるので、それらの説明は省略する。
図11は、図1に関連し更に他の実施形態に係る基地局10の全体構成の一例を示す概略構成図である。なお、前述の図1と同様な部分については同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
図11の基地局10は、基地局アンテナ40で受信した第1受信信号Xの信号経路を、信号演算部350A,350Bの減算部を通過する干渉抑圧信号経路と、その減算部を通過しないで迂回する通常信号経路との間で切り替える信号経路切替手段としてのスイッチ373〜376を備えている。
各スイッチ373〜376内の信号経路を図中の実線の経路と破線の経路の間で切り換えることができる。各スイッチ373〜376内の信号経路が図中実線の位置になると、第1受信信号Xの信号経路は、信号演算部350A,350Bの減算部を経由する干渉抑圧信号経路になる。一方、各スイッチ373〜376内の信号経路が図中破線の位置になると、第1受信信号Xの信号経路は、信号演算部350A,350Bの減算部を経由しないで迂回する通常信号経路になる。
スイッチ373〜376による信号経路の切り替えは、制御手段としての制御部377で制御することができる。例えば、制御部377は、内部クロックの日時情報に基づいて現在時刻がダクト干渉波が到来する予め設定した時期・時間帯内であるかを判断する。ここで、ダクト干渉波が到来する時期・時間帯(例えば、3月〜11月、18時〜5時)内であれば、制御部377は、第1受信信号Xの信号経路を前記干渉抑圧信号経路にするように制御する。一方、ダクト干渉波が到来しない時期・時間帯(例えば、12月〜2月、6時〜17時)内であれば、制御部377は、第1受信信号Xの信号経路を前記通常信号経路にするように制御する。このとき、消費電力を低減するために、干渉抑圧装置310への電力供給をオフにするように制御してもよい。
また、制御部377は、外部から受信した遠隔制御情報に基づいて、第1受信信号Xの信号経路の切り替え及び干渉抑圧装置310への電力供給の制御を行ってもよい。例えば、ダクト干渉波が到来しない予め設定した時期・時間帯(例えば、12月〜2月、6時〜17時)内に突然、ダクト干渉波が発生した場合に、干渉抑圧システム30に対して外部から遠隔制御情報を送信することにより、第1受信信号Xの信号経路を干渉抑圧信号経路にするとともに干渉抑圧装置310への電力供給をオンするように制御してもよい。この場合、突然発生したダクト干渉波による干渉信号を確実に抑制することができる。
図12は、図10に関連し更に他の実施形態に係る基地局10の全体構成の一例を示す概略構成図である。なお、前述の図10と同様な部分については同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
図12の基地局10は、基地局アンテナ40で受信した第1受信信号Xの信号経路を、各干渉抑装置310A,310Bの信号演算部350A,350Bの減算部を通過する干渉抑圧信号経路と、その減算部を通過しないで迂回する通常信号経路との間で切り替える信号経路切替手段としてのスイッチ373〜376を備えている。
各スイッチ373〜376内の信号経路を図中の実線の経路と破線の経路の間で切り換えることができる。各スイッチ373〜376内の信号経路が図中実線の位置になると、第1受信信号Xの信号経路は各干渉抑装置310A,310Bの信号演算部350A,350Bの減算部を経由する干渉抑圧信号経路になる。一方、各スイッチ373〜376内の信号経路が図中破線の位置になると、第1受信信号Xの信号経路は、各干渉抑装置310A,310Bの信号演算部350A,350Bの減算部を経由しないで迂回する通常信号経路になる。
スイッチ373〜376による信号経路の切り替えは、制御手段としての制御部377で制御することができる。例えば、制御部377は、内部クロックの日時情報に基づいて現在時刻がダクト干渉波が到来する予め設定した時期・時間帯内であるかを判断する。ここで、ダクト干渉波が到来する時期・時間帯(例えば、3月〜11月、18時〜5時)内であれば、制御部377は、第1受信信号Xの信号経路を前記干渉抑圧信号経路にするように制御する。一方、ダクト干渉波が到来しない時期・時間帯(例えば、12月〜2月、6時〜17時)内であれば、制御部377は、第1受信信号Xの信号経路を前記通常信号経路にするように制御する。このとき、消費電力を低減するために、干渉抑圧装置310への電力供給をオフにするように制御してもよい。
また、制御部377は、外部から受信した遠隔制御情報に基づいて、第1受信信号Xの信号経路の切り替え及び干渉抑圧装置310への電力供給の制御を行ってもよい。例えば、ダクト干渉波が到来しない予め設定した時期・時間帯(例えば、12月〜2月、6時〜17時)内に突然、ダクト干渉波が発生した場合に、干渉抑圧システム30に対して外部から遠隔制御情報を送信することにより、第1受信信号Xの信号経路を干渉抑圧信号経路にするとともに干渉抑圧装置310への電力供給をオンするように制御してもよい。この場合、突然発生したダクト干渉波による干渉信号を確実に抑することができる。
以上、本実施形態によれば、ダクト現象が発生してダクト干渉波が基地局10に到来したとき、基地局10の垂直面内の合成指向特性におけるヌル方向をダクト干渉波の到来方向に向けることができるため、ダクト干渉信号を抑することができる。また、ダクト干渉波の到来方向が変化した場合でも、その変化したダクト干渉波の到来方向の方向に合成指向特性におけるヌル方向を向けることができるため、ダクト干渉信号を抑することができる。このように発生時間が不定期で垂直面内の特定の方向から到来するダクト干渉波に起因したダクト干渉信号を適応的に抑圧することができる。しかも、垂直面内の到来方向が変化してもその到来方向にヌル方向を変化させるためにキャンセルアンテナ及びその給電回路を調整したり交換したりする必要がなく、オペレーションの煩雑さを回避することができる。
また、本実施形態によれば、既存の基地局の構成にキャンセルアンテナ300及び干渉抑装置310を追加することでダクト干渉信号を抑することができるようになるため、既存の基地局における基地局装置及び基地局アンテナを変更する必要がない。
また、本実施形態によれば、ダクト干渉波が基地局10に到来していないときには、基地局10の指向特性を元の基地局アンテナ40の指向特性にすることができる。
更に、本実施形態によれば、水平面内の互いに異なる複数方向からダクト干渉波が到来している場合でも、基地局10の合成指向特性におけるヌル方向を各ダクト干渉波の到来方向に向けることができるため、複数方向からのダクト干渉信号を抑することができる。
しかも、水平面内のダクト干渉波が到来していない方向では合成指向特性におけるヌルを生成しないように制御できるため、ダクト干渉波が到来していない方向に位置している通信端末80の希望信号の通信品質の劣化を防止できる。
また、本実施形態によれば、ダクト干渉が発生していない場合には、干渉抑装置310の減算部を迂回する信号経路で干渉抑装置310を介さずに、基地局アンテナ40で受信した受信信号を基地局装置20に直接出力することができるので、干渉抑装置310の影響による希望信号の品質低下を抑制できる。
しかも、本実施形態によれば、ダクト干渉が発生していない場合には、干渉抑圧装置310への電力供給を停止することにより、消費電力の低減を図ることができる。
なお、上記各実施形態では、ダクト干渉信号を抑する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、本発明は、基地局10の基地局アンテナ40で受信する受信信号にダクト干渉信号以外の到来方法が変化する可能性がある干渉信号が含まれる場合にも同様に適用することができ、同様な効果が得られるものである。
また、本明細書で説明された処理工程並びに基地局における基地局装置、干渉抑装置及び干渉抑システムの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
ハードウェア実装については、実体(例えば、基地局装置、干渉抑装置、干渉抑システム、通信端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
10 基地局
20 基地局装置
30 干渉抑圧システム
40 基地局アンテナ
40a 位相中心点
80 通信端末
300A,300B キャンセルアンテナ
300aA,300aB 位相中心点
310(310A,310B) 干渉抑圧装置
311A,311B ウェイト決定部
320A 第1アンテナダクト干渉検出部
330A 第2アンテナダクト干渉検出部
340A ウェイト計算部
350A,350B 信号演算部
373〜376 スイッチ
377 制御部
特開2001−267942号公報

Claims (9)

  1. MCA(マルチチャネルアクセスシステム)の通信端末と無線通信する業務用無線に用いられる基地局であって、
    気象条件により電波が遠くに届くダクト現象が不定期に発生する周波数帯で通信端末と前記MCAの業務用無線通信をするための第1アンテナと、
    前記第1アンテナの位相中心点を通過する仮想鉛直線上の該第1アンテナの位相中心点から上方向又は下方向に所定距離だけ離れた位置に位相中心点を有し、前記ダクト現象によって水平面内の互いに異なる方向から到来する複数の干渉波に対し、それぞれの干渉波の到来方向を中心としてその干渉波の到来広がり角に対応した水平面内半値角を有する複数の第2アンテナと、を備え、
    前記複数の第2アンテナのそれぞれについて、
    前記第1アンテナで受信した第1受信信号から、前記複数の干渉波に対応する第1干渉信号を分離して検出する第1干渉信号検出手段と、
    前記第2アンテナで受信した第2受信信号から、前記複数の干渉波のうち該第2アンテナで受信される干渉波に対応する第2干渉信号を分離して検出する第2干渉信号検出手段と、
    前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれているか否かを判定する干渉有無判定手段と、
    前記干渉有無判定手段で前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていると判定した場合は、前記第1受信信号から検出した第1干渉信号と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とから前記第1受信信号に含まれる第2干渉信号成分を推定し、その第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトを計算し、前記干渉有無判定手段で前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていないと判定した場合は、前記ウェイトをゼロに設定するウェイト計算手段と、
    前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する信号演算手段と、を備えることを特徴とする基地局。
  2. 請求項1の基地局において、
    前記信号演算手段は、
    前記第1アンテナで受信した第1受信信号の信号経路を、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する減算部を通過する干渉抑圧信号経路と、前記減算部を通過しないで迂回する通常信号経路との間で切り替える信号経路切替手段を備えることを特徴とする基地局。
  3. 通信端末と無線通信するMCA(マルチチャネルアクセスシステム)の業務用無線に用いられる基地局であって、
    気象条件により電波が遠くに届くダクト現象が不定期に発生する周波数帯で通信端末と前記MCAの業務用無線通信をするための第1アンテナと、
    前記第1アンテナの位相中心から上方向又は下方向に所定距離だけ離れた位相中心を有し、前記ダクト現象によって水平面内の互いに異なる方向から到来する複数の干渉波に対し、それぞれの干渉波の到来方向を中心としてその干渉波の到来広がり角に対応した水平面内半値角を有する複数の第2アンテナと、を備え、
    前記複数の第2アンテナのそれぞれに対応するように複数の干渉抑圧装置を前記第1アンテナと基地局装置との間に従属接続して設け、
    前記複数の干渉抑圧装置はそれぞれ、
    前記第1アンテナで受信した第1受信信号から、前記複数の干渉波に対応する第1干渉信号を分離して検出する第1干渉信号検出手段と、
    前記第2アンテナで受信した第2受信信号から、前記複数の干渉波のうち該第2アンテナで受信される干渉波に対応する第2干渉信号を分離して検出する第2干渉信号検出手段と、
    前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれているか否かを判定する干渉有無判定手段と、
    前記干渉有無判定手段で前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていると判定した場合は、前記第1受信信号から検出した第1干渉信号と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とから前記第1受信信号に含まれる第2干渉信号成分を推定し、その第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトを計算し、前記干渉有無判定手段で前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていないと判定した場合は、前記ウェイトをゼロに設定するウェイト計算手段と、
    前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する信号演算手段と、を備えることを特徴とする基地局。
  4. 請求項の基地局において、
    前記複数の干渉抑圧装置の前記信号演算手段はそれぞれ、
    前記第1アンテナで受信した第1受信信号の信号経路を、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する減算部を通過する干渉抑圧信号経路と、前記減算部を通過しないで迂回する通常信号経路との間で切り替える信号経路切替手段を備えることを特徴とする基地局。
  5. 通信端末と無線通信するMCA(マルチチャネルアクセスシステム)の業務用無線に用いられる基地局で受信される受信信号に含まれる干渉信号を抑圧する干渉抑圧装置であって、
    気象条件により電波が遠くに届くダクト現象が不定期に発生する周波数帯で通信端末と前記MCAの業務用無線通信をするための第1アンテナの位相中心点を通過する仮想鉛直線上の該第1アンテナの位相中心点から上方向又は下方向に所定距離だけ離れた位置に位相中心点を有し、前記ダクト現象によって水平面内の互いに異なる方向から到来する複数の干渉波に対し、それぞれの干渉波の到来方向を中心としてその干渉波の到来広がり角に対応した水平面内半値角を有する複数の第2アンテナのそれぞれについて、
    前記第1アンテナで受信した第1受信信号から、前記複数の干渉波に対応する第1干渉信号を分離して検出する第1干渉信号検出手段と、
    前記第2アンテナで受信した第2受信信号から、前記複数の干渉波のうち該第2アンテナで受信される干渉波に対応する第2干渉信号を分離して検出する第2干渉信号検出手段と、
    前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれているか否かを判定する干渉有無判定手段と、
    前記干渉有無判定手段で前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていると判定した場合は、前記第1受信信号から検出した第1干渉信号と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とから前記第1受信信号に含まれる第2干渉信号成分を推定し、その第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトを計算し、前記干渉有無判定手段で前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていないと判定した場合は、前記ウェイトをゼロに設定するウェイト計算手段と、
    前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する信号演算手段と、を備えることを特徴とする干渉抑圧装置。
  6. 請求項の干渉抑圧装置において、
    前記信号演算手段は、
    前記第1アンテナで受信した第1受信信号の信号経路を、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する減算部を通過する干渉抑圧信号経路と、前記減算部を通過しないで迂回する通常信号経路との間で切り替える信号経路切替手段を備えることを特徴とする干渉抑圧装置。
  7. 気象条件により電波が遠くに届くダクト現象が不定期に発生する周波数帯で通信端末と無線通信するMCA(マルチチャネルアクセスシステム)の業務用無線に用いられる基地局で受信される受信信号に含まれる干渉信号を抑圧する干渉抑圧システムであって、
    気象条件により電波が遠くに届くダクト現象が不定期に発生する周波数帯で通信端末と前記MCAの業務用無線通信をするための第1アンテナの位相中心点を通過する仮想鉛直線上の該第1アンテナの位相中心点から上方向又は下方向に所定距離だけ離れた位置に位相中心点を有し、前記ダクト現象によって水平面内の互いに異なる方向から到来する複数の干渉波に対し、それぞれの干渉波の到来方向を中心としてその干渉波の到来広がり角に対応した水平面内半値角を有する複数の第2アンテナそれぞれに対応するように複数の干渉抑圧装置を前記第1アンテナと基地局装置との間に従属接続して設け、
    前記複数の干渉抑圧装置はそれぞれ、
    前記第1アンテナで受信した第1受信信号から、前記複数の干渉波に対応する第1干渉信号を分離して検出する第1干渉信号検出手段と、
    前記第2アンテナで受信した第2受信信号から、前記複数の干渉波のうち該第2アンテナで受信される干渉波に対応する第2干渉信号を分離して検出する第2干渉信号検出手段と、
    前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれているか否かを判定する干渉有無判定手段と、
    前記干渉有無判定手段で前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていると判定した場合は、前記第1受信信号から検出した第1干渉信号と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とから前記第1受信信号に含まれる第2干渉信号成分を推定し、その第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトを計算し、前記干渉有無判定手段で前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていないと判定した場合は、前記ウェイトをゼロに設定するウェイト計算手段と、
    前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する信号演算手段と、を備えることを特徴とする干渉抑圧システム。
  8. 請求項の干渉抑圧システムにおいて、
    前記複数の干渉抑圧装置の前記信号演算手段はそれぞれ、
    前記第1アンテナで受信した第1受信信号の信号経路を、前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算する減算部を通過する干渉抑圧信号経路と、前記減算部を通過しないで迂回する通常信号経路との間で切り替える信号経路切替手段を備えることを特徴とする干渉抑圧システム。
  9. 通信端末と無線通信するMCA(マルチチャネルアクセスシステム)の業務用無線に用いられる基地局で受信される受信信号に含まれる干渉信号を抑圧する干渉抑圧方法であって、
    気象条件により電波が遠くに届くダクト現象が不定期に発生する周波数帯で通信端末と前記MCAの業務用無線通信をするための第1アンテナの位相中心点を通過する仮想鉛直線上の該第1アンテナの位相中心点から上方向又は下方向に所定距離だけ離れた位置に位相中心点を有し、前記ダクト現象によって水平面内の互いに異なる方向から到来する複数の干渉波に対し、それぞれの干渉波の到来方向を中心としてその干渉波の到来広がり角に対応した水平面内半値角を有する複数の第2アンテナのそれぞれについて、
    前記第1アンテナで受信した第1受信信号から、前記複数の干渉波に対応する第1干渉信号を分離して検出することと、
    前記第2アンテナで受信した第2受信信号から、前記複数の干渉波のうち該第2アンテナで受信される干渉波に対応する第2干渉信号を分離して検出することと、
    前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれているか否かを判定することと、
    前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていると判定した場合は、前記第1受信信号から検出した第1干渉信号と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とから前記第1受信信号に含まれる第2干渉信号成分を推定し、その第2干渉信号成分の推定値と前記第2受信信号から検出した第2干渉信号とが互いに同じ振幅及び位相になるようにウェイトを計算し、前記第2受信信号に前記第2干渉信号が含まれていないと判定した場合は、前記ウェイトをゼロに設定することと、
    前記第2受信信号に前記ウェイトを乗算した信号を前記第1受信信号から減算することとを含むことを特徴とする干渉抑圧方法。
JP2016160436A 2016-08-18 2016-08-18 基地局、干渉抑圧装置、干渉抑圧システム及び干渉抑圧方法 Active JP6393715B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016160436A JP6393715B2 (ja) 2016-08-18 2016-08-18 基地局、干渉抑圧装置、干渉抑圧システム及び干渉抑圧方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016160436A JP6393715B2 (ja) 2016-08-18 2016-08-18 基地局、干渉抑圧装置、干渉抑圧システム及び干渉抑圧方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018029272A JP2018029272A (ja) 2018-02-22
JP6393715B2 true JP6393715B2 (ja) 2018-09-19

Family

ID=61248601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016160436A Active JP6393715B2 (ja) 2016-08-18 2016-08-18 基地局、干渉抑圧装置、干渉抑圧システム及び干渉抑圧方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6393715B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10608760B2 (en) * 2018-04-12 2020-03-31 Gogo Llc Systems and methods for detecting satellite-based communication interference

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000323915A (ja) * 1999-03-11 2000-11-24 Mitsubishi Electric Corp 干渉波抑圧装置
JP2012090034A (ja) * 2010-10-19 2012-05-10 Sony Corp 通信装置、通信方法、及びプログラム
JP5836790B2 (ja) * 2011-12-22 2015-12-24 三菱電機株式会社 干渉波抑圧装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018029272A (ja) 2018-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230413146A1 (en) Interference mitigation in an air-to-ground wireless communication network
US9887717B2 (en) Methods and systems for processing received signals for a wireless network receiver
US8005237B2 (en) Sensor array beamformer post-processor
JP5371248B2 (ja) レーダ装置
Thazeen et al. Conventional and Subspace Algorithms for Mobile Source Detection and Radiation Formation.
US9929790B2 (en) Receiver circuit
Kolodziej et al. Simultaneous transmit and receive (STAR) system architecture using multiple analog cancellation layers
US11070397B2 (en) Adaptive OTA leakage cancellation for mmWave radar
JP6393715B2 (ja) 基地局、干渉抑圧装置、干渉抑圧システム及び干渉抑圧方法
JP6180596B1 (ja) 基地局、干渉抑圧装置及び干渉抑圧方法
US9325550B1 (en) Frequency-domain windowing for precision position, navigation, and timing (PNT) estimation
JP6272955B2 (ja) 基地局及び干渉抑圧装置
JP2015130573A (ja) 地球局アンテナ装置および地球局アンテナ制御方法
JP6374045B1 (ja) 基地局、干渉抑圧装置及び干渉抑圧方法
JP6374044B1 (ja) 基地局、干渉抑圧装置及び干渉抑圧方法
US11728861B2 (en) Wireless communication device that implements beamforming
JP2023036222A (ja) 制御装置、システムおよび制御方法
JP2014109548A (ja) 与干渉緩和支援装置
US20180309536A1 (en) Method and device for suppressing interfering signals in a satellite payload signal
JP7317015B2 (ja) アンテナシステムの位相分布に基づく混信軽減
JP2023036221A (ja) 制御装置、システムおよび制御方法
JP4594370B2 (ja) 移動局、通信制御方法
Abdulrazak Coexistence of IMT-Advanced Systems for Spectrum Sharing with FSS Receivers in C-Band and Extended C-Band
JP2014093598A (ja) 干渉抑圧装置
Liu et al. Full-Duplex Analog Beamforming Design for mm-Wave Integrated Sensing and Communication

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6393715

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350