JP6393041B2 - 下肢アシストスーツ - Google Patents

下肢アシストスーツ Download PDF

Info

Publication number
JP6393041B2
JP6393041B2 JP2014036312A JP2014036312A JP6393041B2 JP 6393041 B2 JP6393041 B2 JP 6393041B2 JP 2014036312 A JP2014036312 A JP 2014036312A JP 2014036312 A JP2014036312 A JP 2014036312A JP 6393041 B2 JP6393041 B2 JP 6393041B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
walking
sensor
joint angle
measured
knee joint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014036312A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015159927A (ja
Inventor
山本 元司
元司 山本
佐藤 正平
正平 佐藤
橋本 和信
和信 橋本
孝弘 小松
孝弘 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Kyushu University NUC
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Kyushu University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd, Kyushu University NUC filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2014036312A priority Critical patent/JP6393041B2/ja
Publication of JP2015159927A publication Critical patent/JP2015159927A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6393041B2 publication Critical patent/JP6393041B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rehabilitation Tools (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Description

本発明は、装用者の下肢に歩行動作の補助力を及ぼす下肢アシストスーツに係り、歩行状態に応じて下肢に及ぼす補助力が制御されるようにした下肢アシストスーツに関するものである。
従来から、装用者の歩行を補助する補助力を下肢に及ぼす下肢アシストスーツがある。下肢アシストスーツは、例えば、特開2012−143448号公報(特許文献1)に示されているように、装用者の下半身に装着されて、下肢に電動モータなどのアクチュエータによる補助力を及ぼすことにより、歩行動作を小さな筋力で行い得るようにアシストするものである。
ところで、下肢アシストスーツは、平地歩行や坂道および階段の昇降歩行などといった歩行状態の違いに応じて、下肢に及ぼされる補助力が調節されることが望ましい。そこで、歩行状態を判定するための歩行状態判定手段を備える場合もある。即ち、特許文献1では、2つの接地センサと5つの姿勢センサとの各検出結果を組み合わせることで、歩行状態を判定し、判定結果に応じた補助力が下肢に及ぼされるようになっている。
しかしながら、特許文献1の構造では、多様な歩行状態を判定するために多数のセンサが設けられていることから、構造の複雑化や量産性の低下、高コスト化などが問題となり易かった。しかも、検出結果に基づく歩行状態の判定プロセスも複雑になり易いという不具合があった。
特開2012−143448号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、簡単な構造によって特に段差上り歩行を精度良く判定して、補助力を制御することができる、新規な構造の下肢アシストスーツを提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、装用者の下肢に歩行動作の補助力を及ぼす下肢アシストスーツであって、大腿部の傾斜角度を測定可能とされた第一のセンサと、下腿部の傾斜角度を測定可能とされた第二のセンサと、胴部の上下変位を測定可能な第三のセンサとを、備えており、該第一のセンサと該第二のセンサによって測定される股関節角度および膝関節角度と、該第三のセンサによって測定される胴部の上下変位とに基づいて、歩行状態を判定する歩行状態判定手段を備えると共に、該歩行状態判定手段は、該第一のセンサによって測定される股関節角度の最大値を、予め設定された平地歩行時の股関節角度の最大値と比較すると共に、該第三のセンサによって測定される胴部の上下変位量を、予め設定された平地歩行時の胴部の上下変位量閾値と比較することにより、平地歩行と坂道又は段差歩行との何れであるかを判定する平地歩行判定手段と、該第一のセンサと該第二のセンサによって測定される股関節角度および膝関節角度と、装用者の大腿部および下腿部の長さと、想定される段差の蹴上寸法とに基づく段差上り閾値を設定して、該段差上り閾値と該各センサの測定結果との対比によって段差上り歩行を判定する段差上り判定手段とを、備えており、該平地歩行判定手段および該段差上り判定手段を備える該歩行状態判定手段の判定に応じて補助力を制御する補助力制御手段を備えることを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた下肢アシストスーツによれば、歩行停止や平地歩行、上り歩行、下り歩行などの各種の歩行状態に応じて、適切な補助力を下肢に及ぼすことができて、装用者が意図する歩行動作に対して違和感を与えることなく、歩行を有効に補助することができる。
さらに、段差上り歩行と坂道上り歩行を判別する段差上り判定手段を設けることにより、大きな補助力を要する上り歩行において、補助力をより高精度に制御して、有効な補助力を歩行状態に応じて適切に付与することができる。しかも、段差上り判定手段が、股関節角度および膝関節角度と、大腿部および下腿部の長さと、想定される段差の蹴上寸法とに基づいて、段差上り閾値を設定し、第一のセンサと第二のセンサと第三のセンサの測定結果を段差上り閾値と対比させて、段差上り歩行を判定することにより、段差上り歩行と坂道上り歩行などとを優れた精度をもって確実に判別することができる。
加えて、本態様によれば、少ないセンサによって、歩行状態を有効に判定することができ、特に段差上り歩行を簡単な構造で高精度に判定することが可能となる。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された下肢アシストスーツにおいて、前記段差上り閾値が、大腿部および下腿部の長さと、想定される段差の蹴上寸法とに基づいて設定される膝関節角度閾値とされており、前記段差上り判定手段が、前記第一のセンサと前記第二のセンサによって測定される膝関節角度が該膝関節角度閾値を超える場合に段差上り歩行を判定するようにしたものである。
第二の態様によれば、段差上り閾値として膝関節角度閾値を設定して、膝関節角度と膝関節角度閾値の対比によって、段差上り歩行と坂道上り歩行などとを、十分な精度で簡単に判別することができる。
本発明の第三の態様は、第一の態様に記載された下肢アシストスーツにおいて、前記段差上り閾値が、前記第一のセンサと前記第二のセンサによって測定される膝関節角度と、大腿部および下腿部の長さとに基づいて設定される段差の蹴上寸法閾値とされており、前記段差上り判定手段が、前記第一のセンサと前記第二のセンサによって測定される脚上げ高さが該段差の蹴上寸法閾値を超える場合に段差上り歩行を判定するようにしたものである。
第三の態様によれば、段差上り閾値として段差の蹴上寸法閾値を設定して、上り歩行時の脚上げ高さを蹴上寸法閾値と対比することで、段差上り歩行と坂道上り歩行などとを、十分な精度で簡単に判別することができる。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れかの態様に記載された下肢アシストスーツにおいて、前記歩行状態判定手段が、前記第三のセンサによって検出される胴部の変位が下向きの変位で、且つ、該第三のセンサによって測定される胴部の上下変位量の絶対値が予め設定された閾値に比して大きい場合に下り歩行を判定する手段を有しているものである。
本発明によれば、第一のセンサと第二のセンサと第三のセンサの測定結果と、大腿部および下腿部の長さと、想定される段差の蹴上寸法とに基づいて、歩行状態を判定することができ、特に、上り歩行における段差上り歩行を、少ないセンサで高精度に判定することが可能とされて、適切な補助力を下肢に及ぼすことができる。
本発明の一実施形態としての下肢アシストスーツを装用状態で示す側面図。 図1に示す下肢アシストスーツを構成する第一〜第三のセンサと制御装置とアクチュエータの機能ブロック図。 歩行状態判定手段による判定処理手順の一例を説明するフローチャート。 膝関節角度閾値の設定方法を説明する歩行姿勢のモデル図。 段差上り歩行時の第一〜第三のセンサの測定結果と閾値を示すグラフ。 坂道上り歩行時の第一〜第三のセンサの測定結果と閾値を示すグラフ。 平地歩行時の第一〜第三のセンサの測定結果と閾値を示すグラフ。 膝関節角度閾値の別の設定方法を説明する歩行姿勢のモデル図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態としての下肢アシストスーツ10が、装用者の下半身に装用された状態で示されている。下肢アシストスーツ10は、装用者の下肢に補助力を及ぼして歩行動作をアシストするものであって、スーツ本体12に第一〜第三のセンサ14,16,18と制御装置20が取り付けられた構造とされている。
より詳細には、スーツ本体12は、腰部および脚部を覆うタイツ状とされており、電動モータなどで構成されるアクチュエータ22の駆動力を、図示しない補助力伝達部によって下肢に伝達することで、歩行時の下肢の動作を補助する補助力が作用するようになっている。なお、スーツ本体12としては、特開2013−208397号公報に示された歩行運動補助具などが好適に採用され得る。
第一のセンサ14は、大腿部24に取り付けられており、例えばジャイロセンサとされて、股関節の動きによる大腿部24の角速度を測定可能とされており、かかる測定結果に基づいて大腿部24の鉛直方向に対する傾斜角度である股関節角度(θhip )が実質的に測定される。即ち、第一のセンサ14によって測定される大腿部24の角速度を、制御装置20において積分することにより、股関節角度を算出できる。
第二のセンサ16は、下腿部26に取り付けられたジャイロセンサであって、膝関節の動きによる下腿部26の角速度を測定可能とされており、第一のセンサ14の測定結果と第二のセンサ16の測定結果とに基づいて、下腿部26の大腿部24に対する傾斜角度である膝関節角度(θknee)が実質的に測定される。即ち、制御装置20において、第一のセンサ14によって測定される大腿部24の角速度と、第二のセンサ16によって測定される下腿部26の角速度との差を積分することにより、膝関節角度を算出できる。
なお、第一のセンサ14と第二のセンサ16は、継続的に測定を行うとドリフトによる誤差が生じることから、誤差の累積を防ぐために、歩行周期の特定タイミングで、第一,第二のセンサ14,16の検出値を0にする初期化を実行することが望ましい。
第三のセンサ18は、胴部(腰部)28の背面に取り付けられており、例えば加速度センサとされて、胴部28の上下加速度を測定可能とされている。そして、第三のセンサ18によって測定された加速度から重力加速度成分を除いて積分することにより、胴部28の上下変位量を算出することができる。
制御装置20は、図示しないCPU(central processing unit)やROM(read only memory)、RAM(random access memory)、記憶装置、インターフェースなどを備えた電子演算装置であって、胴部28の側面に取り付けられている。そして、制御装置20が、第一〜第三のセンサ14,16,18の測定結果に基づいて、アクチュエータ22を制御することで、下肢に作用する補助力を制御可能とされている。また、制御装置20は、図2に示すように、センサ情報取得手段30と、補助力制御手段32と、歩行状態判定手段34とを、備えている。
センサ情報取得手段30は、第一〜第三のセンサ14,16,18に電気的に接続されて、第一〜第三のセンサ14,16,18の測定結果を取得可能とされている。
補助力制御手段32は、アクチュエータ22に電気的に接続されており、アクチュエータ22に制御信号を出力することにより、アクチュエータ22の発生力(下肢に及ぼされる補助力)を制御する。
また、補助力制御手段32が出力するアクチュエータ22の制御信号は、歩行状態判定手段34の判定結果に対応して生成される。歩行状態判定手段34は、第一のセンサ14および第二のセンサ16によって測定されて、センサ情報取得手段30から取得される股関節角度および膝関節角度と、第三のセンサ18によって測定される胴部28の上下加速度とに基づいて、歩行中であるか否かと歩行面(路面や床面など)の態様とを含む歩行状態を判定する。
具体的には、歩行状態判定手段34は、第三のセンサ18の測定結果から得られる胴部28の上下移動量を算出し、その大きさと変化によって、歩行中であるか否かと、平地歩行と上り又は下り歩行の何れであるかとを、判定する。更に、歩行状態判定手段34は、第一, 第二のセンサ14,16の測定結果から得られる股関節角度と膝関節角度の大きさの組み合わせによって、坂道上り歩行と、段差上り歩行と、坂道下り歩行と、段差下り歩行との何れであるかを判定する。特に、歩行状態判定手段34は、段差上り歩行を坂道上り歩行と高精度に判別する段差上り判定手段36を備えている。
以下に、図3に示すフローチャートを用いて、歩行状態判定手段34による歩行状態の判定プロセスの一例を説明する。なお、各センサ14,16,18による上下変位や上下変位や股関節角の検出は、歩行周期を考慮して行うことが好ましく、例えば、上下変位と同期した股関節角の変化の検出によって行われる。
先ず、ステップ(以下、S)1において、歩行動作が行われているか否かを判定する。即ち、第三のセンサ18によって検出される胴部28の上下変位が無く、且つ第一のセンサ14によって測定される股関節角度の最大値が、予め設定された平地歩行時の股関節角度の最大値よりも小さい場合に、歩行停止状態であると判定する。この場合には、S2において、歩行停止に対応する補助力(補助力無し)を決定する。なお、第三のセンサ18によって検出される胴部28の上下変位が、予め設定された上限値を上回り或いは下限値を下回り、且つ第一のセンサ14によって測定される股関節角度の最大値が、予め設定された平地歩行時の股関節角度の最大値よりも小さい場合に、エレベータやエスカレータなどを用いた歩行以外の手段による昇降移動を検出するようにしても良い。この場合にも、歩行停止に対応する補助力が決定される。
また、上記した歩行停止判定以外の場合、換言すれば歩行判定の場合には、S3において、平地歩行であるか否かを判定する。この平地歩行判定は、例えば、平地歩行時の股関節角度の最大値を予め設定しておいて、第一のセンサ14によって測定される股関節角度の最大値を、平地歩行時の股関節角度の最大値と比較すると共に、第三のセンサ18によって測定される胴部28の上下変位量を、予め測定された平地歩行時の胴部28の上下変位量に基づく上下変位量閾値と比較することにより、実現される。そして、第一のセンサ14によって測定される股関節角度の最大値が、平地歩行時の股関節角度の最大値と略等しく、胴部28の上下変位量が上下変位量閾値を超えない場合には、平地歩行であると判定して、S4において、平地歩行に対応する補助力を決定する。
S3において、平地歩行以外であると判定された場合には、次に、S5において、下り歩行であるか否かを判定する。即ち、第三のセンサ18によって検出される胴部28の変位が下向きの変位を示すと共に、変位量の絶対値が平地歩行に比して大きい場合に、下り歩行であると判定して、S6において、段差を下る歩行であるか、段差以外(坂道など)を下る歩行であるかを判定し、判定結果に応じた補助力をそれぞれ決定する(S7,S8)。
一方、S5において、下り歩行ではないと判定された場合には、上り歩行であると判定して、S9において、段差を上る歩行であるか、段差以外(坂道など)を上る歩行であるかを判定し、判定結果に応じた補助力をそれぞれ決定する(S10,S11)。なお、以上の如き歩行状態の判定は、一歩行周期の略50%の時間で速やかに実行される。
ここにおいて、S9の段差上り判定において、段差上り判定手段36は、第一, 第二のセンサ14,16によって測定される膝関節角度を、予め設定された段差上り閾値としての膝関節角度閾値と対比して、膝関節角度が膝関節角度閾値よりも大きい場合に、段差上りであると判定する。
この段差上り判定に用いられる膝関節角度閾値は、図4に示す段差歩行時の特定の姿勢に着目して、股関節角度(θhip )と、大腿部24の長さ(Lt )および下腿部26の長さ(Ll )と、想定される段差の蹴上寸法(R)とに基づいて設定されている。即ち、段差上り歩行では、段差を上る際に、一方の脚38が、股関節角度と膝関節角度の両方が0°の直立状態になる一方、他方の脚40が、膝関節を前方に突き出して屈曲させた状態で、足首が前後方向で一方の脚38と略重なると共に、足首の高さが段差の蹴上寸法と略同じになる姿勢をとる。この図4の姿勢において、一方の脚38の足首の位置を原点として、他方の脚40の足首の鉛直方向での位置と水平方向での位置とが、以下の[数1]として示される。なお、数式中のLt 、Ll 、θhip 、θkneeは、装用者の大腿部24の長さ、下腿部26の長さ、股関節角度、膝関節角度を、それぞれ示す。
Figure 0006393041
また、[数1]に示す二式から、図4に示す姿勢における膝関節角度を、[数2]に示す数式として求めることができる。
Figure 0006393041
そして、[数2]の数式において、装用者の大腿部24および下腿部26の長さと、想定される段差の蹴上寸法とを入力することにより、段差上り判定手段36の判定に用いられる膝関節角度の閾値が設定される。装用者の大腿長および下腿長は、直接測定して入力しても良いが、装用者の身長と相関性があることから、身長を入力することで対応する長さが設定されるようにしても良い。
なお、図5,6には、平地歩行から上り歩行への移行時の股関節角度と、膝関節角度と、胴部28の上下変位量との測定結果が示されており、それによる段差上り歩行と坂道上り歩行の判定方法の概略が示されている。図5〜7の測定は、装用者の右脚に第一,第二のセンサ14,16を取り付けて実施されており、図5〜7中のRTOが右つま先の接地タイミングを、RHCが右踵の接地タイミングを、それぞれ示す。
すなわち、図5では、股関節角度の最大値が大きくなると共に、胴部28の上下変位量が、平地歩行時の胴部28の上下変位量に基づいて定められた上下変位量閾値よりも大きくなっており、且つ、膝関節角度が[数2]で算出される膝関節角度閾値を超えて大きくなっている。これらによって、図5の測定結果からは、平地歩行から段差上り歩行への移行が推定されて、それに伴って補助力が制御される。
一方、図6では、股関節角度の最大値が大きくなると共に、胴部28の上下変位量が、平地歩行時の胴部28の上下変位量に基づいて定められた上下変位量閾値よりも大きくなっているが、膝関節角度は、[数2]で算出される膝関節角度閾値を超えることなく閾値よりも小さくなっている。これらによって、図6の測定結果からは、平地歩行から段差上り歩行への移行ではなく、平地歩行から坂道上り歩行への移行が推定されて、それに伴って補助力が制御される。
このように、段差上り判定手段36は、段差上り閾値としての膝関節角度閾値を、股関節角度と、大腿部24および下腿部26の長さと、想定される段差の蹴上寸法とに基づいて設定し、第一, 第二のセンサ14,16によって測定される膝関節角度を、かかる膝関節角度閾値と対比する。これにより、段差上り歩行を坂道上り歩行と高精度に判別することができて、段差上り歩行と坂道上り歩行とで異なる要求に対応する補助力を、それぞれ有効に作用させることができる。特に、大きな筋力を要する上り歩行において、下肢アシストスーツ10による補助力を高精度に制御可能となることで、歩行を効率的に且つ違和感なく補助することができる。
すなわち、上り歩行は、下り歩行に比して大きな筋力が必要とされるが、坂道上り歩行と段差上り歩行では、必要とされる筋力のパターンが異なり、補助力の有効な作用パターンが相違する。具体的には、坂道上り歩行では、大きな補助力を歩行周期中の長い期間に亘って及ぼすことが有効であるのに対して、段差上り歩行では、より大きな補助力を歩行周期中の短い期間に瞬発的に及ぼすことが有効である。そして、このような歩行態様の相違に応じて補助力の作用パターンを切り替えて制御することで、より効率的で且つ違和感のない歩行アシストが実現可能となるのである。
なお、[数2]で算出される膝関節角度閾値を用いて、平地歩行を判定することも可能である。具体的には、図7には、平地歩行時の股関節角度と、膝関節角度と、胴部28の上下変位量との測定結果が示されている。これによれば、胴部28の上下変位量が、平地歩行時の胴部28の上下変位量に基づいて定められた上下変位量閾値よりも小さく、且つ、膝関節角度が[数2]による膝関節角度閾値を超えることなく閾値よりも小さくなっている。それ故、測定された胴部28の変位が上向きであっても、図5,6に示された上り歩行とは異なることが判定されて、平地歩行であることが推定される。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、段差上り判定手段36において、段差上り閾値は、図5に示す姿勢に着目して設定されるものに限定されるものではない。
具体的には、段差上り歩行において、図8に示すように、一方の脚38を直立状態とすると共に、他方の脚40を段差上面に直角に接地させた姿勢に着目すれば、一方の脚38の足首の位置を原点として、他方の脚40の足首の鉛直方向での位置(座標)について、[数3]の数式が成立する。
Figure 0006393041
図8の姿勢において、θkneeはθhip と等しいことから、[数3]をθhip について解くことにより、[数4]に示す膝関節角度閾値を設定することができる。
Figure 0006393041
また、段差上り閾値は必ずしも膝関節角度閾値に限定されるものではなく、段差上り判定手段36において膝関節角度と膝関節角度閾値の対比以外によって、段差上りが判定されるようにしても良い。例えば、[数1]の連立方程式を段差の蹴上寸法(R)について解くと共に、段差上りにおいて想定される股関節角度又は膝関節角度を設定することにより、他方の脚40の上方変位量(脚上げ高さ)の閾値(蹴上寸法閾値)を、股関節角度又は膝関節角度と、大腿部24および下腿部26の長さとに基づいて設定して、段差上り閾値として設定することもできる。そして、段差上り判定手段36が、第一,第二のセンサ14,16の検出結果から算出される他方の脚40の上方変位量が、蹴上寸法閾値を超える場合に、段差上り歩行であると判定するようにしても良い。
また、前記実施形態では、第一〜第三のセンサ14,16,18の測定結果によって、歩行状態が推定されるようになっているが、例えば、4つ以上のセンサを設けて、歩行の有無や平地歩行、下り歩行などの判定精度を向上させることも可能である。
10:下肢アシストスーツ、12:スーツ本体、14:第一のセンサ、16:第二のセンサ、18:第三のセンサ、32:補助力制御手段、34:歩行状態判定手段、36:段差上り判定手段

Claims (4)

  1. 装用者の下肢に歩行動作の補助力を及ぼす下肢アシストスーツであって、
    大腿部の傾斜角度を測定可能とされた第一のセンサと、下腿部の傾斜角度を測定可能とされた第二のセンサと、胴部の上下変位を測定可能な第三のセンサとを、備えており、
    該第一のセンサと該第二のセンサによって測定される股関節角度および膝関節角度と、該第三のセンサによって測定される胴部の上下変位とに基づいて、歩行状態を判定する歩行状態判定手段を備えると共に、
    該歩行状態判定手段は、
    該第一のセンサによって測定される股関節角度の最大値を、予め設定された平地歩行時の股関節角度の最大値と比較すると共に、該第三のセンサによって測定される胴部の上下変位量を、予め設定された平地歩行時の胴部の上下変位量閾値と比較することにより、平地歩行と坂道又は段差歩行との何れであるかを判定する平地歩行判定手段と、
    該第一のセンサと該第二のセンサによって測定される股関節角度および膝関節角度と、装用者の大腿部および下腿部の長さと、想定される段差の蹴上寸法とに基づく段差上り閾値を設定して、該段差上り閾値と該各センサの測定結果との対比によって段差上り歩行を判定する段差上り判定手段と
    を、備えており、
    該平地歩行判定手段および該段差上り判定手段を備える該歩行状態判定手段の判定に応じて補助力を制御する補助力制御手段を備えることを特徴とする下肢アシストスーツ。
  2. 前記段差上り閾値が、大腿部および下腿部の長さと、想定される段差の蹴上寸法とに基づいて設定される膝関節角度閾値とされており、前記段差上り判定手段が、前記第一のセンサと前記第二のセンサによって測定される膝関節角度が該膝関節角度閾値を超える場合に段差上り歩行を判定するようにした請求項1に記載の下肢アシストスーツ。
  3. 前記段差上り閾値が、前記第一のセンサと前記第二のセンサによって測定される膝関節角度と、大腿部および下腿部の長さとに基づいて設定される段差の蹴上寸法閾値とされており、前記段差上り判定手段が、前記第一のセンサと前記第二のセンサによって測定される脚上げ高さが該段差の蹴上寸法閾値を超える場合に段差上り歩行を判定するようにした請求項1に記載の下肢アシストスーツ。
  4. 前記歩行状態判定手段が、前記第三のセンサによって検出される胴部の変位が下向きの変位で、且つ、該第三のセンサによって測定される胴部の上下変位量の絶対値が予め設定された閾値に比して大きい場合に下り歩行を判定する手段を有している請求項1〜3の何れか1項に記載の下肢アシストスーツ。
JP2014036312A 2014-02-27 2014-02-27 下肢アシストスーツ Active JP6393041B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014036312A JP6393041B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 下肢アシストスーツ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014036312A JP6393041B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 下肢アシストスーツ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015159927A JP2015159927A (ja) 2015-09-07
JP6393041B2 true JP6393041B2 (ja) 2018-09-19

Family

ID=54183463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014036312A Active JP6393041B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 下肢アシストスーツ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6393041B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI615129B (zh) * 2016-02-19 2018-02-21 財團法人資訊工業策進會 步態分析系統及方法
CN110051362A (zh) * 2019-06-04 2019-07-26 常州迪普医疗器械科技有限公司 关节运动智能测量系统及测量方法
CN113907748B (zh) * 2021-09-07 2023-05-16 安徽工程大学 一种辅助纠正走路姿势的装置及方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3833921B2 (ja) * 2001-10-18 2006-10-18 本田技研工業株式会社 歩行状態判定装置及び方法
JP4178185B2 (ja) * 2004-02-17 2008-11-12 国立大学法人 筑波大学 装着式動作補助装置、及び装着式動作補助装置における駆動源の制御方法、及びプログラム
JP5979703B2 (ja) * 2012-02-23 2016-08-31 国立大学法人 筑波大学 装着式動作補助装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015159927A (ja) 2015-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3833921B2 (ja) 歩行状態判定装置及び方法
CN106466219B (zh) 步态状态确定设备、步态状态确定方法以及步行训练设备
JP3908735B2 (ja) 歩行状態判定装置及び方法
KR102503910B1 (ko) 기립 보조 방법 및 장치
Trkov et al. Inertial sensor-based slip detection in human walking
KR102146363B1 (ko) 착용형 로봇 및 그 제어 방법
US20190336383A1 (en) Movement assistance system and method thereof
US20040158175A1 (en) Torque imparting system
EP1832269A1 (en) External force control method, external force control system and external force control program
US20170156895A1 (en) Movement assistance system and method thereof
KR101787557B1 (ko) 보행보조기를 이용한 보행자 넘어짐 판단방법
JP6393041B2 (ja) 下肢アシストスーツ
JP2006014837A (ja) 運動測定方法、運動測定装置及び運動測定プログラム
KR101476889B1 (ko) 보행 보조 장치 및 그 구동 방법
JP2014128870A (ja) ロボットの歩行制御方法およびシステム
JP2012161402A (ja) 運動特性評価システムおよび運動特性評価方法
JP5610294B2 (ja) 歩行支援装置、及び歩行支援プログラム
JP2014027978A (ja) 歩行装置、及び歩行プログラム
JP2013048701A (ja) 歩行支援装置、及び歩行支援プログラム
JP7352516B2 (ja) 脚運動認識装置及び脚運動補助装置
JP7132159B2 (ja) 動作支援装置の制御装置
JP6333059B2 (ja) 歩行支援装置及びこれを利用した転倒防止方法
KR101940901B1 (ko) 하지외골격 로봇의 자세 안정화 제어방법
KR101815766B1 (ko) 사용자의 보행패턴에 의해 외골격 로봇의 전방 지면환경을 인식하는 방법 및 장치
Chung et al. Walking speed intention model using soleus electromyogram signal of nondisabled and post-stroke hemiparetic patients

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170818

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6393041

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150