JP6390443B2 - 光ファイバ装置 - Google Patents

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Description

本発明は光ファイバ装置に関し、特に光ファイバ側面からの漏れ光を利用する光ファイバ装置に関する。
従来、光ファイバの側面からの漏れ光を照明等に利用する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。また、このように側面から光を漏れさせることのできる光ファイバについては、例えば特許文献2等に記載がある。この特許文献2によれば、光損失を小さくするために、光ファイバに対してできるだけまっすぐ光を入射することで明るさを均一に保つことが開示されている。
特開2000−140579号公報 特開平7−84128号公報
本発明者らの鋭意研究によれば、光ファイバ内において白色光を生成すべく、赤、緑、青の各色の半導体レーザ素子からの光を光ファイバに入射させると、光ファイバ内における光入射端面側から光軸方向に離れるに連れ光ファイバ内における発光色が異なることを確認した。このような場合、光軸方向に関して色が変化してしまうため、例えばこの光ファイバを側面発光を利用した照明に用いると、場所に応じて光の色が異なってしまい、照明における色ムラが生じる。
なお、光源としては、半導体レーザ素子に限らず、LED素子等の特定の波長域の光を射出する光源を用い、各光源から射出される光の波長を異ならせて光ファイバ内において混合する場合において、同様の問題が生じることが確認された。
本発明は、上記の課題に鑑み、波長の異なる複数の光源からの射出光を光ファイバ内で混合する場合において、光ファイバ内における発光色の変化を抑制した光ファイバ装置を実現することを目的とする。
本発明の光ファイバ装置は、
互いに異なる波長の光を射出する複数の光源と、
前記複数の光源から射出された光が入射され、側面から漏光させることのできる光ファイバとを備え、
前記複数の光源は、
前記光ファイバの光入射端面に対して同一の入射角度で光を入射させた場合において、前記光ファイバ内における減衰率が高い光を射出する第一光源と、前記第一光源よりも減衰率が低い光を射出する第二光源とを備え、
前記第一光源から射出された光の前記光ファイバの光入射端面における入射角度が、前記第二光源から射出された光の前記光ファイバの光入射端面における入射角度よりも小さくなるように配置されていることを特徴とする。
本発明者らの鋭意研究により、光ファイバ内における光の減衰率は、当該光ファイバに入射される光の波長だけでなく、当該光ファイバの光入射端面における光の入射角度に応じて異なることを見出した。この点は、「発明を実施するための形態」の項で後述される。
ここで、光ファイバの光入射端面に対して同一の入射角度で光を入射させた場合において、当該光ファイバ内における減衰率が高い光(上記にいう「第一光源」からの射出光に対応)というのは、光ファイバ内を進行するに連れて光の漏れ又は吸収の程度が大きく、減衰しやすい性質を有しているものと考えられる。他方、光ファイバの光入射端面に対して同一の入射角度で光を入射させた場合において、当該光ファイバ内における減衰率が低い光(上記にいう「第二光源」からの射出光)というのは、前述の光と比べて光ファイバ内を進行する間に吸収や漏れの程度が小さく、前記第一光源からの射出光に比べて減衰しにくい性質を有しているものと考えられる。
そして、上記光ファイバ装置においては、光ファイバ内で減衰しやすい光については、光ファイバの光入射端面における入射角度が小さくされる一方、光ファイバ内で減衰しにくい光については、光ファイバの光入射端面における入射角度が大きくされる。これにより、両者の光ファイバ内における減衰率を相互に近づけることができ、従来よりも光軸方向に係る色ムラが抑制される。
この理由としては、以下の点が推察される。光ファイバの光入射端面における入射角度を小さくして光を入射させた場合と、入射角度を大きくして光を入射させた場合とを比べると、光軸方向に係る同一の距離だけ光ファイバ内を進行するために、実際に光ファイバ内で反射を繰り返しながら進行した光の進行距離は、後者よりも前者の方が短い。つまり、上記の構成によれば、光ファイバ内で減衰しやすい光については光ファイバ内における実際の進行距離を短くし、光ファイバ内で減衰しにくい光については光ファイバ内における実際の進行距離を前者よりも長くすることになる。これにより、光ファイバ内において光軸方向に係る所定の距離を進行させるまでの、前記2つの光の減衰の程度を近づけることができるため、光軸方向に係る光ファイバ内の発光色の変化が抑制される。
なお、上記の構成において、複数の光源が「第一光源」と「第二光源」を備えるものとしているが、これは光源の数が2つである場合を限定して指しているものではなく、複数の光源のうち、ある光源(これが第二光源であってもよい)と比べて光ファイバ内で減衰しやすい光を射出する光源を「第一光源」と定義し、この第一光源と比べて光ファイバ内で減衰しにくい光を射出する光源を「第二光源」と定義したものである。つまり、前記複数の光源は、光ファイバ内における減衰のしやすさに差が生じるような異なる光を射出する構成である。
ここで、複数の光源の配置位置を調整することで、各光源から射出される光の入射角度を調整して、複数の光源から射出された光の光ファイバ内における減衰率を相互に等しくするものとしても構わない。
ここで、減衰率を相互に等しくするとは、光軸方向に係る光ファイバ内の発光色を等しくすることと等価である。そして、発光色が等しいとは、各色をCIEのxy色度図上に表した場合に、マクアダムの楕円で3ステップ以内に含まれることを意味するものとしても構わない。かかる構成によれば、光軸方向に関して光ファイバからの発光色が肉眼上で均一化された光ファイバ装置が実現される。
前記複数の光源は、互いに異なる色の可視光を射出する光源で構成されているものとして構わない。一例としては、複数の光源として、赤色光(R)を射出する光源、緑色光(G)を射出する光源、及び青色光(B)を射出する光源を用いることができる。この場合、光ファイバ内において白色光が生成されて側面から射出される。ただし、本発明は白色光を光ファイバの側面から射出する場合に限られるものでないことは言うまでもない。例えば青色光を射出する光源と緑色光を射出する光源を用いて、シアンに近い色の光を生成して光ファイバの側面から射出する場合においても本発明の技術を適用することができる。
各光源としては、ランプ等のように広い波長域の光を射出するものではなく、半導体レーザ素子やLED素子を初めとする狭い波長域の光を射出する光源が想定される。
前記光ファイバは、プラスチック製又はガラス製の光ファイバで構成されているものとしても構わない。
「発明を実施するための形態」の項で後述されるが、プラスチック製ファイバと、ガラス製ファイバでは、波長に応じて光ファイバ内における光の減衰のしやすさ(しにくさ)が異なる性質を示す。これらの光ファイバについて、上記の構成を実現することで、光軸方向に係る光ファイバ内での発光色の色ムラが抑制される。
なお、上記構成において、前記複数の光源から射出された光を集光して前記光ファイバの光入射端面に導く光学系を備えるものとしても構わない。
本発明の光ファイバ装置によれば、波長の異なる複数の光源からの射出光を光ファイバ内で混合する場合において、光ファイバ内での光軸方向に係る発光色の変化を抑制することができる。
本実施形態の光ファイバ装置を模式的に示すブロック図の一例である。 光ファイバ装置において、光学系の光入射端面を光軸方向に見た時の各光源から射出された光の入射位置を模式的に示す図面である。 図2の場合における、光ファイバの光入射端面での各射出光の入射角度を模式的に示す図面である。 検証に用いた装置を模式的に示すブロック図である。 光源部2から赤色光のみを射出させた場合と緑色光のみを射出させた場合のそれぞれにおいて、光ファイバ側面の測定箇所別の輝度の変化をプロットしたグラフである。 図5を曲線で近似したグラフである。
本発明の光ファイバ装置について図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
図1は、本実施形態の光ファイバ装置を模式的に示すブロック図の一例である。光ファイバ装置1は、複数の光源(21,22,23)を含む光源部2と、光源部2から射出された光が入射される光ファイバ13とを備える。なお、以下では、本実施形態の光ファイバ装置1が、光源部2からの光が光学系11を介して光ファイバ13の光入射端面13aの中心に向けて集光されて、光ファイバ13へと導かれる構成である場合について説明される。しかし、光源部2から射出される光が光ファイバ13の光入射端面13aの中心近傍(すなわちコア部領域)に導かれる構成であれば、必ずしも光を集光するための光学系11を備えなくても構わない。
そして、この複数の光源(21,22,23)からの光は、光ファイバ13内に導かれた後、光ファイバ13の側面からの漏れ光49として取り出され、例えば照明等に利用される。
光源21は、レーザ素子やLED素子といった、ランプよりも射出される光の波長域の狭い固体光源素子21aと、当該固体光源素子21aから射出された光を平行光に変換するコリメートレンズ21bとを含む。光源22も同様に、固体光源素子22a及びコリメートレンズ22bを含む。光源23も同様に、固体光源素子23a及びコリメートレンズ23bを含む。なお、各光源(21,22,23)がコリメートレンズ(21b,22b、23b)を備えるか否かは任意である。また、図1においては光軸を符号5で示している。なお、各光源(21,22,23)は不図示の点灯回路から電流が供給され、当該電流量に応じた光量の光を射出する構成である。
本実施形態の光源装置1では、光ファイバ13内を光が進行する間における減衰のしやすさ(しにくさ)の大小に応じて、光ファイバ13の光入射端面13aにおける光の入射角度を異ならせている。より詳細には、光ファイバ13内で減衰しやすい光ほど光入射端面13aにおける入射角度が小さくなるように、また、光ファイバ13内で減衰しにくい光ほど光入射端面13aにおける入射角度が大きくなるように、光源部2は構成されている。
光入射端面13aにおける光の入射角度の調整は、図1のように集光用の光学系11を備える構成においては、例えば光源(21,22,23)の位置を調整して当該光学系11に光が入射される位置を調整することで実現できる。なお、光源部2が不図示のミラーを備える場合には、このミラーの位置を調整することで光学系11に光が入射される位置を調整するものとしても構わない。また、光学系11を備えずに光源(21,22,23)からの光が直接光ファイバ13に入射される場合においても、光源(21,22,23)や不図示のミラーの位置を調整することで、光入射端面13aにおける入射角度を調整することができる。
本実施形態の光源装置1では、一例として、光ファイバ13をプラスチック製の光ファイバで構成している。そして、光源21は青色光を射出する光源であり、光源22は赤色光を射出する光源であり、光源23は緑色光を射出する光源である。後述するように、プラスチック製の光ファイバにおいては、赤色光は青色光及び緑色光よりも減衰しやすく、青色光と緑色光の減衰のしやすさは同程度である。このため、図1に模式的に示すように、赤色光の光源22からの射出光42については、青色光の光源21からの射出光41及び緑色光の光源23からの射出光43に比べて、光入射端面13aにおける入射角度が小さくなるように各光源(21,22,23)が配置されている。この実施形態では、赤色光の光源22が「第一光源」に対応し、青色光の光源21及び緑色光の光源23が「第二光源」に対応する。
図2は、光学系11の光入射端面を光軸方向に見た時の各光(41,42,43)の入射位置を模式的に示す図面である。上述したように、本実施形態では、光学系11によって各光源(21,22,23)からの光が光ファイバ13の光入射端面13aの中心に向けて集光される構成である。従って、光学系11の光入射端面における入射位置と、光軸5との距離の長短によって、光入射端面13aにおける入射角度が変化する。図2の例では、光学系11の光入射端面における光入射位置に関し、赤色光の光源22からの射出光42については光軸5に近い位置であり、青色光の光源21からの射出光41及び緑色光の光源23からの射出光43については、射出光42に比べて光軸5から離れた位置となっている。図3は、図2の場合における、光ファイバ13の光入射端面13aでの各射出光(41,42,43)の入射角度(θ41,θ42,θ43)を模式的に示す図面であり、θ41及びθ43に比べてθ42が小さくなっていることが図示されている。
[検証]
このように、光入射端面13aにおける光の入射角度を、当該光の波長に応じて異ならせることで、光ファイバ13内での光軸5の方向に係る発光色の変化が抑制される点につき、以下検証する。
(検証方法)
図4は、検証に用いた装置を模式的に示すブロック図である。本検証においては、光源部2、光伝送部材51、光学系52、アパーチャ53、光学系11、光ファイバ13、及び輝度測定部54が用いられる。
光源部2は、上述したように、赤色光、青色光、及び緑色光をそれぞれ射出することのできる複数の光源素子を備えている。なお、図4に示す検証装置では、光源部2からの射出光を、光伝送部材51、光学系52、及びアパーチャ53を介して集光レンズとしての光学系11へと導いている。光学系52は、光伝送部材51からの放射光を平行光にする目的で設けられている。アパーチャ53は、スリット56の位置を調整することのできる光学部材であり、このスリット56の位置を変化させることで、光学系11の光入射端面への光の入射位置が調整され、もって光ファイバ13の光入射端面13aにおける光の入射角度が調整される。
輝度測定部54は、光ファイバ13の外側に配置されることで、当該配置箇所の近傍における光ファイバ13の側面から射出される漏れ光の輝度を測定することができる。本検証では、後述するように、輝度測定部54によって光ファイバ13の測定箇所60から射出される漏れ光の輝度を測定すると共に、光入射端面13aからの測定箇所60までの距離61と、測定された輝度の関係を調べた。
なお、本検証では、アパーチャ53のスリット56の間隔を0.2mmとした。このアパーチャ53によって光ファイバ13に対して入射される光の量が制限される。よって、実際の検証においては、光源部2から入射される光量のパワーを予めパワーメータで測定しておき、輝度測定部54で測定された輝度値を入射光量の値で規格化した値によって測定箇所60毎の位置別の比較を行った.
(検証1)
光ファイバ13として、プラスチック製光ファイバを用いた。プラスチック製光ファイバとは、コアにプラスチックを用い、クラッドにプラスチック特殊樹脂が用いられている光ファイバである。より具体的には、本検証1においては、光ファイバ13として、コア径12.6mm、クラッド径13.5mm、ジャケット径17.5m、開口数0.65の、ファイバ長10mの住友スリーエム社製のプラスチック光ファイバ(製品型式:LF120HL)が用いられた。
図5は、(a)光源部2から赤色光のみを射出させた場合と、(b)光源部2から緑色光のみを射出させた場合のそれぞれにおいて、入射角度θを変えながら測定箇所別の輝度の変化をプロットしたグラフである。ここでは、光源部2から射出される光に関し、赤色光については中心波長が638nmの光が利用され、緑色光については中心波長が523nmの光が利用された。
図5によれば、赤色光、緑色光の双方共に、光入射端面13aにおける光の入射角度を小さくすると、光ファイバ13の光入射端面13aに近い位置における光ファイバ13側面の輝度が低くなっている(すなわち漏れ光量が少なくなっている)ものの、光入射端面13aから遠ざかることによる輝度の低下の度合いは小さいことが分かる。これに対し、図5によれば、赤色光、緑色光の双方共に、光入射端面13aにおける光の入射角度を大きくすると、光ファイバ13の光入射端面13aに近い位置における光ファイバ13側面の輝度が高くなっている(すなわち漏れ光量が多くなっている)ものの、光入射端面13aから遠ざかることによる輝度の低下の度合いも大きいことが分かる。
つまり、図5によれば、光ファイバ13の光入射端面13aにおける光の入射角度に応じて、光ファイバ13内における輝度の低下の度合い(すなわち減衰率)も変化することが確認される。
図6は、図5で示した結果を曲線で近似したグラフである。各曲線は、輝度をL、光入射端面13aから測定箇所までの距離をlとすると、所定の正の数α及びβを用いて、L=αe−β・lという曲線で近似されることが確認された。ここで、βの大きさが近似曲線の傾きに対応しており、βの大きさが大きいほど、光入射端面13aから離れるに連れて輝度が大きく低下すること、すなわち減衰率が高いことを意味する。
図6によれば、赤色光、緑色光のいずれにおいても、入射角度θを大きくするほど輝度が減衰しやすくなっている(減衰率が高くなっている)ことが確認される。ただし、図6の両グラフを比較すると、同じ入射角度θにおいても、赤色光の方が緑色光よりも減衰しやすいことが示唆されている。例えば、入射角度θ=18.7°において、赤色光の近似曲線の傾きβの値は0.417であるのに対し、緑色光の近似曲線の傾きβの値は0.179である。このことから、本検証に用いた光ファイバ13に、赤色光と緑色光を同じ入射角度で入射した場合、光入射端面13aから光軸5の方向に進むに連れ、緑色に比べて赤色の輝度が低下するため、光軸5の方向にわたって色が変化することが分かる。
一方、例えば本検証に用いた光ファイバ13に、赤色光と緑色光を入射するに際し、光入射端面13aにおける赤色光の入射角度を7.5°とし、光入射端面13aにおける緑色光の入射角度を18.7°とすると、赤色光の近似曲線の傾きβの値と緑色光の近似曲線の傾きβの値をほぼ一致させることができる。このとき、赤色光と緑色光の減衰率がほぼ一致するため、光ファイバ13の光軸5方向にわたって発光色をほとんど均一にすることができる。
つまり、上記の検証によれば、光ファイバ13内を光が進行することによる光量の減衰の程度は、光入射端面13aにおける光の入射角度及び光の波長に応じて変化する。よって、各光の光ファイバ13内における減衰率がほぼ一致(又は近似)するように、光の波長に応じて光入射端面13aにおける光の入射角度を調整することが可能である。そして、このように光の入射角度を調整することで、光ファイバ13内での各光の光量の減衰の程度を合わせられるため、光ファイバ13内での光軸方向に係る発光色の変化を抑制することができる。
ここで、光軸5方向に係る光ファイバ13内の発光色が等しくなるように、光ファイバ13内における各色の光の減衰率を等しくさせる(若しくは近似させる)ものとするのが好適である。一例としては、各色をCIEのxy色度図上に表した場合に、マクアダムの楕円で3ステップ以内に含まれることをもって発光色が等しいと判断することができる。
(検証2)
検証1で用いた光ファイバ13に対し、光入射端面13aにおける発光色がDCI規格上の白色、すなわちx=0.314,y=0.351になるように,発光部2から出力3.0Wの赤色光、2.0Wの緑色光、1.3Wの青色光を射出させた。
そして、各光の光ファイバ13の光入射端面13aにおける入射角度については、赤色光を7.5°とし、緑色光を18.7°とし、青色光を18.7°とした。このとき、光ファイバ13の光入射端面13aから10m先の終端まで、2m間隔で測定箇所60における色度を色度計で測定したところ、全ての測定箇所において、光入射端面13aの発光色に対してマクアダムの楕円で3ステップ以内に色度があることが確認された。
(検証3)
光ファイバ13として、複合材料系光ファイバを用いた。複合材料系光ファイバとは、コアに石英ガラスを用い、クラッドにシリコン樹脂や特殊フッ素樹脂が用いられている光ファイバである。より具体的には、光ファイバ13として、コア径1mm、クラッド径1.035mm、コーティング径1.4m、開口数0.39の、ファイバ長10mのFiberguide社製の複合材料系光ファイバ(製品型式:SPCH1000/1035/1400Z)を用いた。
そして、光入射端面13aにおける発光色がDCI規格上のシアンに近い色、すなわちx=0.12,y=0.35になるように,発光部2から出力1.5Wの緑色光、1.2Wの青色光を射出させた。
そして、各光の光ファイバ13の光入射端面13aにおける入射角度については、緑色光を19°とし、青色光を7.5°とした。このとき、光ファイバ13の光入射端面13aから10m先の終端まで、2m間隔で測定箇所60における色度を色度計で測定したところ、全ての測定位置で、光入射端面13aの発光色に対してマクアダムの楕円で3ステップ以内に色度があることが確認された。
すなわち、検証3で用いられた光ファイバ13は、緑色光よりも青色光の方が減衰しやすい性質を有することが確認された。これに対し、検証1及び2で用いられた光ファイバ13は、緑色光及び青色光は減衰のしやすさがほぼ同じであり、赤色光は、緑色光及び青色光よりも減衰しやすい性質を有することが確認された。つまり、光ファイバ13の特性に応じて、減衰のしやすさの傾向が異なるため、この傾向に応じて光ファイバ13の光入射端面13aにおける光の入射角度が決定される。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉 上記の実施形態では、光源部2から赤色光、緑色光及び青色光のうちの少なくとも2つの色の光が光ファイバ13に入射される場合について説明したが、本発明は入射される光の色について限定されるものではなく、少なくとも2種類の波長の光が光ファイバ13内において混合される場合に適用可能な技術である。
〈2〉 上述したように、光ファイバ13内における各光の減衰率が等しくなるように、光ファイバ13の光入射端面13aにおける各光の入射角度を調整するのが好ましい。しかし、必ずしも減衰率を完全に一致させる必要はなく、各光の減衰率の値の差が、所定の範囲内に留められていれば、光ファイバ13の光軸5の方向に係る発光色の変化を抑制する効果が得られる。特に、この場合において、上述したように、光ファイバ13の光入射端面13aにおける発光色と、光ファイバ13の終端における発光色をそれぞれCIEのxy色度図上に表した場合に、マクアダムの楕円で3ステップ以内に含まれていれば、肉眼で色の変化を確認することができない程度に発光色の変化が抑制されているため、好ましい。
1 : 光ファイバ装置
2 : 光源部
5 : 光軸
11 : 光学系
13 : 光ファイバ
13a : 光ファイバの光入射端面
21,22,23 : 光源
21a,22a,23a : 光源素子
21b,22b,23b : コリメートレンズ
41 : 青色光
42 : 赤色光
43 : 緑色光
49 : 光ファイバの側面からの漏れ光
50 : 光源
51 : 光伝送部材
52 : 光学系
53 : アパーチャ
54 : 輝度測定部
56 : スリット
60 : 測定箇所

Claims (5)

  1. 互いに異なる波長の光を射出する複数の光源と、
    前記複数の光源から射出された光が入射され、側面から漏光させることのできる光ファイバとを備え、
    前記複数の光源は、
    前記光ファイバの光入射端面に対して同一の入射角度で光を入射させた場合において、前記光ファイバ内における減衰率が高い光を射出する第一光源と、前記第一光源よりも減衰率が低い光を射出する第二光源とを備え、
    前記第一光源から射出された光の前記光ファイバの光入射端面における入射角度が、前記第二光源から射出された光の前記光ファイバの光入射端面における入射角度よりも小さくなるように配置されていることを特徴とする光ファイバ装置。
  2. 前記複数の光源は、当該複数の光源から射出された光の前記光ファイバ内における減衰率が相互に等しくなるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ装置。
  3. 前記複数の光源は、互いに異なる色の可視光を射出する光源で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ装置。
  4. 前記光ファイバは、プラスチック製又はガラス製の光ファイバであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバ装置。
  5. 前記複数の光源から射出された光を集光して前記光ファイバの光入射端面に導く光学系を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバ装置。
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