JP6390221B2 - Dnaチップ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、DNAチップ及びその製造方法に関するものである。
生物は多くの生体物質(核酸、タンパク質、多糖などの生体高分子や、それらの構成要素など)から構成され、これらの生体物質が機能することにより生命現象が成り立っている。従って、生体物質が体内でどのような働きをするのかを把握することが自然界の現象の把握や医療分野の発展にとって重要となる。
特に、生体の最小単位である細胞の働きを把握することは、生体の働きを把握することに繋がることから、DNAの理解が最も重要とされており、1990年代から世界中でゲノム(遺伝子情報を含む染色体)配列の解読が行われ、2003年には、ヒトゲノム(人間の持つ全ての遺伝子)の解読が完了した。
これにより、個人レベルでの遺伝子情報が明らかとなり、個人が持つ遺伝子に応じた、病気のリスク及び薬剤に対する感受性(反応性)や副作用の発症リスク等が明らかとなってきた。そして、患者一人一人の病状を正確に把握した上で、個人差に配慮して各個人に最適な医療を提供するテーラーメイド医療が提案され始めている。
上記のような背景から、個人の有する生体物質を検出可能なバイオチップの開発が進められている。バイオチップとは、生体分子が固定化され、その分子に対して他の化合物又は生体分子を作用させた際に生じる特異的な相互作用を検出するデバイスであって、同時平行的に相互作用させることにより高スループット化を可能にしたものである。
バイオチップには、DNAチップ、プロテインチップ、及びセルチップなどの種類がある。このうち、DNAチップは、基板上にDNAやRNA等の核酸を高密度に固定化し、固定化した核酸と分析対象の核酸との反応を検出することによりDNAやRNAを検出するものである。
このようなDNAチップ用の基板として、シリコン基板を用いるものが提案されている。シリコン基板は平坦度が高いため、DNA挙動を把握するために必要な、例えば表面プラズモン共鳴法といった高感度の光学的検出が可能であり、また、大口径のシリコン基板を用いることにより、スループットを増大させることができる。さらに、シリコン基板を用いることにより、DNA検出デバイスと電子デバイス(MOS、CIS、MEMS)との融合が可能になり、電気的検出が高感度で実施可能となる。ここで、DNAやRNAは、負電荷状態となるリン酸を含むため、リン酸同士の斥力が作用してDNAチップへの安定した固定が困難であるという問題がある。
これに対し、シリコン基板上に形成され、アミノ基を含み正電荷を有する膜を有するDNAチップが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−195465号公報
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、正電荷量が膜表面を構成するアミノ基の数によって決まるため、膜と核酸との反応性を向上させるために電荷量を増大させることに限界がある。また、アミノ基以外の膜を形成することができないという問題があった。従って、従来の手法では、核酸との反応性をさらに向上させる余地があった。
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、その目的は、高感度のDNAチップ及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、シリコン基板上に、分析対象の核酸とアミド結合又はペプチド結合又はカルボキシル結合可能な反応性膜を付与し、かつ、その反応性膜に正電荷を付与することにより、上記の目的を有利に達成することができるという新規知見を得て本発明を完成させるに至った。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その要旨構成は、以下の通りである。
本発明のDNAチップは、シリコン基板を備え、
前記シリコン基板上に、珪素と、窒素及び/又は炭素と、を元素として含み、前記元素の共有結合を含有する反応性膜を有し、
前記反応性膜は、正電荷を帯電していることを特徴とする。
この構成によれば、分析対象の核酸と、反応性膜とを、アミド結合、ペプチド結合、又はカルボキシル結合、並びに、イオン結合させることができ、高感度に核酸を検出することができる。
ここで、本発明のDNAチップでは、前記反応性膜は、SiNC膜であることが好ましい。
また、本発明のDNAチップでは、前記反応性膜は、SiNC膜であることが好ましい。
さらに、本発明のDNAチップでは、前記反応性膜は、SiC膜であることが好ましい。
そして、本発明のDNAチップにおいては、前記シリコン基板の抵抗率は、1×10Ω・cm〜2.3×10Ω・cmであることが好ましい。
ここで、本発明のDNAチップの製造方法は、シリコン基板上に、珪素と、窒素及び/又は炭素と、を元素として含み、前記元素の共有結合を含有する反応性膜を形成する工程と、
前記反応性膜に正電荷を帯電させる工程と、を含むことを特徴とする。
これによれば、分析対象の核酸と、反応性膜とを、アミド結合、ペプチド結合、又はカルボキシル結合、並びに、イオン結合させることができ、高感度に生体物質を検出することができるDNAチップを製造することができる。
また、本発明のDNAチップの製造方法では、前記反応性膜は、SiNC膜であることが好ましい。
また、本発明のDNAチップの製造方法では、前記反応性膜は、SiN膜であることが好ましい。
さらに、本発明のDNAチップの製造方法では、前記反応性膜は、SiC膜であることが好ましい。
そして、本発明のDNAチップの製造方法においては、前記シリコン基板の抵抗率は、1×10Ω・cm〜2.3×10Ω・cmであることが好ましい。
加えて、本発明のDNAチップの製造方法においては、水素イオン、ヘリウムイオン、ネオンイオン、アルゴンイオン、クリプトンイオン、キセノンイオン、ラドンイオンのうちいずれか一種以上を、前記反応性膜に注入又は照射することにより、前記反応性膜に正電荷を帯電させることが好ましい。
また、本発明のDNAチップの製造方法においては、水素イオンを前記反応性膜に注入又は照射することにより、前記反応性膜に正電荷を帯電させることが好ましい。
本発明によれば、高感度のDNAチップ及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかるDNAチップを示す模式図である。 本発明の一実施形態にかかるDNAチップの製造方法のフロー図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
<DNAチップ>
図1は、本発明の一実施形態にかかるDNAチップを示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態のDNAチップ1は、シリコン基板2を備えている。そして、シリコン基板1上に、反応性膜3が形成されている。この反応性膜3は、珪素と、窒素及び/又は炭素と(珪素、窒素、炭素、あるいは、珪素、窒素、あるいは、珪素、炭素)を元素として含み、これら元素の共有結合を含有するものである。そして、反応性膜3は、正電荷を帯電している。
本実施形態のDNAチップ1によれば、反応性膜3が珪素と、窒素及び/又は炭素と、を含む元素の共有結合で形成されているため、この反応性膜3が、分析対象の核酸(DNA及びRNA)と、アミド結合、ペプチド結合、又はカルボキシル結合することができる。さらに、DNAやRNAは、水溶液中で負に帯電するところ、本実施形態のDNAチップ1によれば、反応性膜3が、正電荷を帯電しているため、反応性膜3と分析対象の核酸とがイオン結合することもできる。このため、反応性膜3が分析対象の核酸と強固に結合することが可能であり、従って高感度に核酸を検出することができる。
また、本発明のDNAチップは、シリコン基板を用いているため、大口径化により、高スループット化が可能である。さらに、シリコン基板は、高平坦度が可能であるという点から光学的検出に適しており、また、電子デバイスとの融合が可能になり、電気的検出にも適している。
ここで、本発明のDNAチップにあっては、反応性膜3は、具体的には、SiN膜、SiC膜、SiNC膜とすることが好ましく、SiNC膜とすることが特に好ましい。
反応性膜3を、Si−N結合を含むSiN膜とすることにより、分析対象の核酸とアミド結合やペプチド結合する反応性膜3とすることができ、これらは強固な結合であるため、高感度に核酸を検出することができる。
また、反応性膜3を、Si−C結合を含むSiC膜とすることにより、分析対象の核酸とアミド結合、ペプチド結合、又はカルボキシル結合する反応性膜3とすることができ、これらは強固な結合であるため、高感度に核酸を検出することができる。
さらに、反応性膜3を、Si−N結合とSi−C結合との両方を含むSiNC膜とすることにより、より一層、分析対象の核酸とアミド結合、ペプチド結合、又はカルボキシル結合をし易い反応性膜3とすることができ、特に高感度に核酸を検出することができる。
また、本発明のDNAチップにあっては、シリコン基板2は、高抵抗であることが好ましく、具体的には、シリコン基板2の抵抗率は、1×10Ω・cm〜2.3×10Ω・cmであることが好ましい。
すなわち、シリコン基板2の抵抗率を1×10Ω・cm以上とすることにより、反応性膜3の正の電荷がシリコン基板の裏面へと移動するのを抑制して、反応性膜3と核酸とをイオン結合させる効果を確保することができ、また、シリコン基板2にドープされた(例えばボロンやリン等の)ドーパントが、反応性膜3に混入して、上記アミド結合、ペプチド結合、又はカルボキシル結合を阻害してしまうのを抑制することができるからである。なお、シリコン結晶の特性上、製造可能なシリコン基板2の抵抗率は2.3×10Ω・cmが限界である。
また、高抵抗シリコン基板を用いる場合は、酸素ドナーが発生してシリコン基板2の抵抗が大きく低下してしまう場合があるため、酸素ドナーの発生を抑制すべく、シリコン基板2に対して熱処理(ドナーキラー熱処理)を行うか、あるいは、酸素濃度(ASTM F121−1979)が、6×1017atoms/cm以下の低酸素シリコン基板2を用いることが好ましく、FZ法により製造された極低酸素のシリコン基板を用いてもよい。これにより、酸素ドナーによる抵抗率変動を抑制することができる。
なお、本発明のDNAチップでは、シリコン基板2の窒素濃度は、1×1013atoms/cm以下とすることが好ましい。1×1013atoms/cm以下とすることにより、抵抗率変動の原因となる酸素ドナーの発生を抑制することができるからである。
また、シリコン基板2の炭素濃度(ASTM F123−1981)は、1×1016atoms/cm以下とすることが好ましい。1×1016atoms/cm以下とすることにより、抵抗率変動の原因となる酸素ドナーの発生を抑制することができるからである。
ここで、反応性膜3の膜の厚さは、1〜10μmとすることが好ましい。
1μm以上とすることにより、シリコン基板2にドープされた(例えばボロンやリン等の)ドーパントが、反応性膜3の表面付近にまで混入して、上記アミド結合、ペプチド結合、又はカルボキシル結合を阻害してしまうのを抑制することができるからである。また、分析対象の核酸と反応させる目的からは膜厚は、さほど厚くする必要はなく、10μm以下で十分だからである。
さらに、本発明にあっては、光学的検出の精度を向上させる観点から、シリコン基板の平坦度は、GBIR(Global Backside Ideal Range)で、0.5μm以下であることが好ましい。
ここでいう、GBIRは、シリコン基板の裏面を完全に吸着したと仮定した場合におけるシリコン基板の裏面を基準として、シリコンウェーハ全体の最大変位と最小変位との差を算出することにより求められる。
<DNAチップの製造方法>
図2は、本発明の一実施形態にかかるDNAチップの製造方法のフロー図である。
図2に示すように、本実施形態では、まず、シリコン基板2を用意する(ステップS101)。ここで用意するシリコン基板2は、上述した理由により、抵抗率が、1×10Ω・cm〜2.3×10Ω・cmであることが好ましい。また、シリコン基板2の酸素濃度は、6×1017atoms/cm以下とすることが好ましく、炭素濃度は、1×1016atoms/cm以下とすることが好ましく、窒素濃度は、1×1013atoms/cm以下とすることが好ましい。
このようなシリコン基板は、既知の手法で作製することができ、例えば、炭素や窒素などの不純物をドープしない、酸素濃度が6×1017atoms/cm以下のシリコン単結晶をチョクラルスキー法に引き上げたシリコン単結晶インゴットをスライスすることにより作製することができる。
これにより、ドーパント濃度を調整することによって抵抗率を上記の範囲に制御して高抵抗のシリコン基板としつつも、酸素ドナーの発生を抑制して抵抗率変動を抑制することができる。
また、シリコン基板の平坦度(GBIR)は、0.5μm以下であることが好ましい。
次いで、シリコン基板2上に、珪素と、窒素及び/又は炭素と、を元素として含み、これらの元素の共有結合を含有する反応性膜3を形成する(ステップS102)。
上述したように、反応性膜3は、具体的には、SiN膜、SiC膜、SiNC膜とすることが好ましく、SiNC膜とすることが特に好ましい。
反応性膜3を形成する方法としては、蒸着、CVD法、エピタキシャル成長法、パルスレーザーアブレーション法など、任意の既知の手法を用いることができる。
特に、SiN膜、SiC膜、SiNC膜を形成する場合には、特には限定しないが、例えばプラズマCVD法を用いて反応性膜3を形成することができる。
プラズマCVD法を用いてSiN膜、SiC膜、SiNC膜を形成するには、例えば、シリコン基板2をチャンバ内に配置し、チャンバ内の圧力を50Pa以下とし、チャンバ内に原料ガスを流入させる。
SiN膜を形成する場合には、例えば原料ガスとして、トリメチルシランを40〜60sccm、窒素を100〜150sccmの流量で流入させ、また、SiC膜を形成する場合には、例えば原料ガスとして、トリメチルシランを20〜30sccm、メタンを100〜150sccmの流量で流入させ、SiNC膜を形成する場合には、例えば原料ガスとして、トリメチルシランを20〜30sccm、窒素を100〜150sccm、及びメタンを5〜15sccmの流量で流入させることができる。
そして、高周波電圧を印加して、チャンバ内の上記原料ガスをプラズマ化させ、シリコン基板2上に反応性膜3を堆積させることができる。なお、上述したように、反応性膜3の厚さは、1〜10μmとすることが好ましく、プラズマCVD法による処理時間は、所期する膜の厚さに応じて決定することができる。また、処理温度は、100〜250℃とすることが好ましい。
次いで、反応性膜3に正電荷を帯電させる(ステップS103)。反応性膜3に正電荷を帯電させる方法としては、任意の既知の手法を用いることができるが、水素イオン、ヘリウムイオン、ネオンイオン、アルゴンイオン、クリプトンイオン、キセノンイオン、ラドンイオンのうちいずれか一種以上を、反応性膜3に注入又は照射することが好ましく、水素イオンを用いることが特に好ましい。
例えば、水素イオンを反応性膜3に注入する場合は、チャンバ内の圧力を50Pa以下に保ったまま、チャンバ内を水素ガスのみとする。このとき、水素ガスを50〜180sccmの流量でチャンバ内に流入させることができる。
そして、高周波電圧を印加して、プラズマ処理を行い、水素イオンを反応性膜3に注入することができる。このときの処理温度は、80〜150℃とすることが好ましく、処理時間は、1〜5分とすることが好ましい。
このようにして、シリコン基板2上に、珪素と、窒素及び/又は炭素と、を元素として含み、これらの元素の共有結合を含有し、かつ、正電荷を帯電した反応性膜3を有するDNAチップ1を製造することができる。
本実施形態の製造方法によれば、分析対象の核酸と、反応性膜とを、アミド結合、ペプチド結合、又はカルボキシル結合、あるいは、イオン結合させることができ、高感度に核酸を検出することができるDNAチップを製造することができる。また、上記実施形態により製造されたDNAチップは、シリコン基板を用いているため、大口径化により、高スループット化が可能である。さらに、シリコン基板は、高平坦度が可能であるという点から光学的検出に適しており、また、電子デバイスとの融合が可能になり、電気的検出にも適している。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、この実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の効果を確かめるため、以下のように、シリコン基板上に、正電荷を帯電したSiNC膜、正電荷を帯電したSiN膜、正電荷を帯電したSiC膜、正電荷を有しないDLC膜、正電荷を有しないSiN膜、正電荷を有しないSiC膜をそれぞれ形成した、DNAチップを作製して、DNAの検出精度を評価する試験を行った。
まず、シリコン基板は、不純物をドープしない、酸素濃度が6×1017atoms/cm以下の6×10Ω・cmのシリコン結晶を作製し、その結晶を加工することにより、用意した。
そして、プラズマCVD法により、チャンバ内に、用意したシリコン基板を配置し、チャンバ内の圧力を25〜50Paとし、原料ガスを流入させた。
各DNAチップにおける、ガス種及びその流量は、以下の表1に示している。なお、表1において、水素は反応性膜に正電荷を帯電させる次工程での流量を意味する。
その後、高周波電圧を印加し、成膜温度150℃処理時間50分で、抵抗率1×10Ω・cmの各反応性膜を5μm形成した。
Figure 0006390221
上記反応性膜の形成に連続して、発明例にかかるDNAチップについて、チャンバ内のガス種を水素のみとし、チャンバ圧力や温度はそのままに保ち、プラズマ処理による反応性膜への水素イオンの注入を行った。処理時間は5分間とした。なお、水素の流量は、表1に示したとおりである。
以上のようにして作製された各DNAチップの表面に、検出用DNA(蛍光標識オリゴヌクレオチド)を塗布した。
次いで、純水洗浄により、未反応のタンパク質を除去するクリーニング処理を行った。
次いで、クリーニング処理を行った各DNAチップの表面に、DNA(日立ソフトウェアエンジニアリング社製:SPBIO2000)を塗布し、検出用DNAと反応させた。
次いで、純水洗浄により、未反応のDNAを除去した。
そして、蛍光スキャナー(富士フィルム社製:蛍光スキャナーFLA8000)を用いて、DNAチップと反応したDNAを蛍光画像により検出した。
DNAチップと反応したDNA量を評価するために、蛍光画像の蛍光シグナル強度を測定した結果を以下の表2に示す。
Figure 0006390221
表2に示すように、SiNC膜、SiN膜、SiC膜に正電荷を付与した反応性膜を有する発明例にかかるDNAチップは、いずれも従来例にかかるDNAチップより、DNAに対して高感度の検出ができたことがわかる。
特に、正電荷を付与したSiNC膜を用いた発明例は、正電荷を付与したSiN膜や正電荷を付与したSiC膜を用いた他の発明例よりもさらに高感度の検出ができたことがわかる。
本発明によれば、高感度のDNAチップ及びその製造方法を提供することができる。
1 DNAチップ
2 シリコン基板
3 反応性膜

Claims (10)

  1. 1×10 3 Ω・cm〜2.3×10 5 Ω・cmの抵抗率のシリコン基板を備え、
    前記シリコン基板の表面上に、分析対象の核酸と結合する、SiNC膜、SiN膜、及びSiC膜のいずれかからなる単層の反応性膜を有し、
    前記反応性膜は、正電荷を帯電していることを特徴とする、DNAチップ。
  2. 前記反応性膜は、SiNC膜である、請求項1に記載のDNAチップ。
  3. 前記反応性膜は、SiN膜である、請求項1に記載のDNAチップ。
  4. 前記反応性膜は、SiC膜である、請求項1に記載のDNAチップ。
  5. 1×10 3 Ω・cm〜2.3×10 5 Ω・cmの抵抗率のシリコン基板の表面上に、分析対象の核酸と結合する、SiNC膜、SiN膜、及びSiC膜のいずれかからなる単層の反応性膜を形成する工程と、
    前記反応性膜に正電荷を帯電させる工程と、を含む、DNAチップの製造方法。
  6. 前記反応性膜は、SiNC膜である、請求項に記載のDNAチップの製造方法。
  7. 前記反応性膜は、SiN膜である、請求項に記載のDNAチップの製造方法。
  8. 前記反応性膜は、SiC膜である、請求項に記載のDNAチップの製造方法。
  9. 水素イオン、ヘリウムイオン、ネオンイオン、アルゴンイオン、クリプトンイオン、キセノンイオン、ラドンイオンのうちいずれか一種以上を、前記反応性膜に注入又は照射することにより、前記反応性膜に正電荷を帯電させる、請求項のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
  10. 水素イオンを前記反応性膜に注入又は照射することにより、前記反応性膜に正電荷を帯電させる、請求項のいずれか一項に記載のDNAチップの製造方法。
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