JP6389073B2 - 接点装置およびこれを使用した電磁接触器 - Google Patents
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そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、開極時に固定接触子および可動接触子間で発生するアークの一方の根元の速やかな移動を可能とした接点装置およびこれを使用した電磁接触器を提供することを目的としている。
また、上記効果を有する接点装置を使用して電磁接触器を構成するので、固定接触子および可動接触子間でのアークの停滞を防止して、高電圧・大電流の遮断が可能で、長寿命化を図ることができる電磁接触器を提供できる。
図1は本発明に係る電磁開閉器の外観を示す斜視図、図2は図1の外装ケースを除いた接点装置および電磁石ユニットの斜視図、図3は図1のA−A線上における接点装置の断面図である。図4は図1のB−B線上における接点装置の断面図である。
図中、10は電磁接触器であり、この電磁接触器10は図2に示すように接点機構を内装した接点装置100と、この接点装置100を駆動する電磁石ユニット200とが一体化された電磁接触器本体300と、この電磁接触器本体300を覆う外装ケース400とで構成されている。
外装ケース400は、図1に示すように、2分割された下部ケース400aと上部ケース400bとで構成されている。
接点収納ケース101内には接点機構105が収納されている。この接点機構105は、左右一対の固定接触子106aおよび106bと、これら固定接触子106aおよび106bの接点部114aおよび114bに接離可能に配置された可動接触子120とを備えている。
C字状接点部107aおよび107bのそれぞれは、外部接続端子108aおよび108bに接続される上板部110aおよび110bと、これら上板部110aおよび110bに対して外側端部連結される連結板部111aおよび111bを介して連結され、上板部110aおよび110bと平行に内方に延長する接点台部112aおよび112bとで構成されている。
接点台部112aおよび112bには、接点材料で構成された円柱状のアーク誘導柱113aおよび113bが固定されている。このアーク誘導柱113aおよび113bの先端には、可動接触子120に形成された第1の接点部120aおよび120bに所定のギャップを保って対向する第2の接点部114aおよび114bが形成されている。ここで、アーク誘導柱113aおよび113bと第2の接点部114aおよび114bは同一接点材料で構成することが好ましい。
C字状接点部107aおよび107bの接点台部112aおよび112bを除く側板部および上板部の内周面が絶縁カバー109aおよび109bで覆われている。
そして、磁気ヨーク201の開放端となる上端間に上部磁気ヨーク210が固定されている。この上部磁気ヨーク210には、中央部にスプールの中央円筒部に対向する貫通孔が形成されている。
そして、接点収納ケース101内に水素ガス、窒素ガス、水素および窒素の混合ガス、空気、SF6等のガスが封入されている。
今、固定接触子106aが例えば大電流を供給する電力供給源に接続され、固定接触子106bが負荷に接続されているものとする。
この状態で、電磁石ユニット200における励磁コイル208が非励磁状態にあって、電磁石ユニット200で可動プランジャ(図示せず)を下降させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。この釈放状態では、可動プランジャ(図示せず)が復帰スプリング(図示せず)によって、上部磁気ヨーク210から離れる上方向に付勢される。
このため、可動プランジャ(図示せず)に連結軸211を介して連結されている接点機構105の可動接触子120の接点部120aが固定接触子106aおよび106bの接点部114aおよび114bから上方に所定距離だけ離間している。このため、固定接触子106aおよび106b間の電流路が遮断状態にあり、接点機構105が開極状態となっている。
このように、可動プランジャ(図示せず)が下降することにより、可動プランジャ(図示せず)に連結軸211を介して連結されている可動接触子120も下降し、その接点部120aが固定接触子106aおよび106bの接点部114aおよび114bに接触スプリング212の接触圧で接触する。
この接点機構105の閉極状態から、負荷への電流供給を遮断する場合には、電磁石ユニット200の励磁コイル208の励磁を停止する。
これによって、電磁石ユニット200で可動プランジャ(図示せず)を下方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ(図示せず)が復帰スプリング(図示せず)の付勢力によって上昇する。
この開極状態となると、固定接触子106aおよび106bの接点部114aおよび114bと可動接触子120の接点部120aとの間にアークが発生し、このアークによって電流の通電状態が継続される。
さらに、固定接触子106aおよび106bの接点部114aおよび114bが半球状に形成されているので、アーク130の根元の移動をより速やかに行うことができ、アークの再発弧を確実に防止することができる。
また、上記効果を奏する接点装置100を使用して電磁接触器10を構成するので、固定接触子および可動接触子間でのアークの停滞を防止して、高電圧・大電流の遮断が可能で、長寿命化を図ることができる電磁接触器10を提供できる。
この第2の実施形態は、アーク誘導柱を可動接触子側に配置したものである。
すなわち、第2の実施形態では、図5および図6に示すように、前述した第1の実施形態において、固定接触子106aおよび106bの接点台部112aおよび112bに形成したアーク誘導柱113aおよび113bと接点部114aおよび114bとを省略して接点台部112aおよび112bに平坦な第1の接点部141aおよび141bを形成している。
一方、可動接触子120には、第1の接点部141aおよび141bに対応する下面位置に、下方に延長する例えば接点材料で形成された円柱状のアーク誘導柱151aおよび151bを配置している。これらアーク誘導柱151aおよび151bの下端に第1の接点部141aおよび141bに対して所定の接点ギャップを介して対向する第1の接点部152aおよび152bを形成している。
この第2の実施形態によると、可動接触子120側にアーク誘導柱151aおよび151bと第1の接点部152aおよび152bとが設けられていることを除いては前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。
このため、固定接触子106aおよび106bから可動接触子120が離間する開極時に、固定接触子106aおよび106bの接点台部112aおよび112bに形成された第1の接点部141aおよび141bと、可動接触子120のアーク誘導柱151aおよび151bに設けられた第1の接点部152aおよび152bとの間にアーク130が発生する。
さらに、可動接触子120の第1の接点部152aおよび152bが半球状に形成されているので、アーク130の根元の移動をより速やかに行うことができ、アークの再発弧を確実に防止することができる。
なお、上記第1および第2の実施形態においては、第1の接点部120aおよび120b,141aおよび141bを平坦面とし、第2の接点部114aおよび114b,152aおよび152bを半球状に形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、接点構成としては任意の構成を適用することができる。
次に、本発明の第3の実施形態を図16および図17について説明する。
この第3の実施形態は、前述した第1の実施形態における可動接触子にも固定接触子106aおよび106bのアーク誘導柱113aおよび113bと同様のアーク誘導柱を設けるようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、図16および図17に示すように、固定接触子106aおよび106bの第2の接点部114aおよび114bを上端に形成したアーク誘導柱113aおよび113bの高さが前述した第1の実施形態における高さより低い半分程度に設定されている。
アーク誘導柱113aおよび113bの第2の接点部114aおよび114bとアーク誘導柱190aおよび190bとの間には、電磁石ユニット200が釈放状態にあるときに、固定接触子106aおよび106b間の電流路が遮断状態となる接点機構105が開極状態となるように所定長さのギャップが形成されている。
この第3の実施形態によると、固定接触子106aおよび106bに固定したアーク誘導柱113aおよび113bと同様に可動接触子120にもアーク誘導柱190aおよび190bを形成している。
このため、電磁石ユニット200の励磁コイル208を励磁状態として可動プランジャ(図示せず)を復帰スプリング(図示せず)の付勢力に抗して下方に押し下げて可動接触子120を下降させると、アーク誘導柱190aおよび190bの半球部が固定接触子106aおよび106bのアーク誘導柱113aおよび113bに形成された第2の接点部114aおよび114bに接触スプリング132の接触圧で接触する。したがって、外部電力供給源の大電流が固定接触子106a、可動接触子120、および固定接触子106bを通じて負荷に供給される閉極状態となる。
この開極状態となると、固定接触子106aおよび106bの接点部114aおよび114bと可動接触子120のアーク誘導柱190aおよび190bの半球状部との間に図17に示すようにアーク130が発生すると、発生したアーク130は図17に示す接点収納ケース101の外表面側における可動接触子120の長手方向の中央部に配置されたアーク消弧用永久磁石131aおよび131bの磁束と、固定接触子106aおよび106bおよび可動接触子120に流れる電流とによって生じるローレンツ力によって図17に示す可動接触子120の長手方向と直交する方向に形成されたアーク消弧室135aおよび135bの何れかに引き伸ばされる。ここで、アーク消弧用永久磁石131aおよび131bは、接点収納ケース101側がN極に、その反対側となる外側がS極に着磁されている。
同様に、可動接触子120でもアーク誘導柱190aおよび190bが形成されているので、図17で一点鎖線図示のようにアーク130の根元が瞬時にアーク誘導柱190aおよび190bを伝って接点板部121に移動して移動距離を急速に拡大することができる。
これに伴って、アークジェットによる金属蒸気が接点ギャップ上に停滞することを確実に防止することができる。したがって、伸長したアーク130が接点ギャップに戻らずにアーク伸長を継続してアーク遮断へ移行することができ、アークを確実に遮断することができる。
なお、上記第3の実施形態においては、固定接触子106aおよび106bのアーク誘導柱113aおよび113bにのみ第2の接点部114aおよび114bを形成した場合について説明した。しかしながら、本発明は上記構成に限定されるものではなく、図18に示すように、可動接触子120のアーク誘導柱190aおよび190bの第2の接点部114aおよび114bに対向する位置に例えば半球状の第1の接点部191aおよび191bを形成するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、第2の接点部114a,114b、第1の接点部152a,152b、および第1の接点部191a,19bの材質には限定していないが、これら接点部については、Cu、CuW、アルミナ分散銅、AgWなどの任意の接点材料を適用することができる。また、アーク誘導柱113a,113b、151a、151bおよび190a,190bについては、上述した接点部と同じ材料で形成したり、異なる接点材料や異なる導電材料で形成するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、アーク誘導柱113a,113b,151a,151bおよび190a,190bが円柱状に形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、三角柱、五角柱等の多角柱や円筒体,多角筒体を適用することができる。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、接点装置100および電磁石ユニット200について一例を説明したに過ぎず、接点装置100および電磁石ユニット200の内部構成は任意の構成とすることができる。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、接点収納ケース101内にガスを封入する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、遮断する電流が低い場合にはガス封入を省略するようにしてもよい。
Claims (10)
- 一対の固定接触子に対して可動接触子が接離可能に配置された接点装置であって、
前記一対の固定接触子は、上板部と該上板部の下側に所定間隔を保って平行に配置される接点台部と前記上板部および前記接点台部間を連接する連結板部とで互いに対向する内方側を開放したC字状接点部を有し、前記連結板部の長さがアークを消弧するために必要とするアーク長を確保するために必要とする長さに設定され、
前記固定接触子の接点台部および前記可動接触子の何れか一方に、他方に形成された第1の接点部に向かって延長し、前記アークの根元を当該第1の接点部から離れる方向に誘導するアーク誘導柱が形成され、該アーク誘導柱の先端に前記第1の接点部に接触可能な第2の接点部が形成されていることを特徴とする接点装置。 - 一対の固定接触子に対して可動接触子が接離可能に配置された接点装置であって、
前記一対の固定接触子は、上板部と該上板部の下側に所定間隔を保って平行に配置される接点台部と前記上板部および前記接点台部間を連接する連結板部とで互いに対向する内方側を開放したC字状接点部を有し、前記連結板部の長さがアークを消弧するために必要とするアーク長を確保するために必要とする長さに設定され、
前記固定接触子の接点台部および前記可動接触子の双方に、互いに対向してギャップを形成するアーク誘導柱が形成され、該アーク誘導柱の少なくとも一方の自由端に接点部が形成され、
前記アーク誘導柱は前記アークの根元を前記ギャップから離れる方向に移動させることを特徴とする接点装置。 - 前記アーク誘導柱は、接点材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接点装置。
- 前記アーク誘導柱は、前記固定接触子の接点台部および前記可動接触子の何れか一方に一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接点装置。
- 前記アーク誘導柱は、前記固定接触子の接点台部および前記可動接触子に一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の接点装置。
- 前記第1の接点部および第2の接点部の形状が開極時に発生するアークの再発弧を抑制する形状に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の接点装置。
- 前記第1の接点部および第2の接点部の形状が開極時に発生するアークの電界強度の低下を抑制する形状に設定されていることを特徴とする請求項1に記載に接点装置。
- 前記接点部およびこれに対向するアーク誘導柱の形状が開極時に発生するアークの再発弧を抑制する形状に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の接点装置。
- 前記接点部およびこれに対向するアーク誘導柱の形状が開極時に発生するアークの電界強度の低下を抑制する形状に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の接点装置。
- 前記請求項1から9の何れか1項に記載の接点装置と、該接点装置の可動接触子を可動する電磁石ユニットとを備えたことを特徴とする電磁接触器。
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