JP6388961B2 - ガスタービン排気システム - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、発電システム、特にガスタービンエンジンを備えるシステムに関する。本発明は特にコンバインドサイクルシステムに関するが、これに限定されるわけではない。
発明の背景
現代の発電システムは、シングルサイクルであるかコンバインドサイクルであるかに関わらず、通常はガスタービンエンジンを利用する。タービンブレードセクションから出てHRSGまたは排気煙突に向かって流れる高温の排ガスの圧力を回収するために、比較的長い直線的なディフューザを提供するのが一般的である。これは、ディフューザを支持し、かつロータ荷重を地面に伝達するために、いわゆるホットストラット(すなわち、高温排ガスの流路に位置決めされた構造的な部材)の使用を必要としていた。ディフューザ内、および排ガスの主流路におけるストラットのこのような配置は、圧力損失の原因となり、かつガス流に乱流を誘発する。熱に関する懸念を解決する場合、付加的な性能の懸念および設計の複雑さが生じる。すなわち、その設計は多くの場合、ストラットの周囲に冷却空気およびシールドの提供を必要とし、これにより、これらの構成部材の温度または著しくよりコストのかかる材料の使用を制限する。作動温度は、後方のロータ軸受(すなわち、タービンブレードセクションの下流に位置決めされている)をも高レベルの熱に曝し、この熱は、ストラットまたは下流に配置されたストラットの付加的なセットにおけるポートを通じて噴射された冷却空気によって打ち消されていた。冷却空気の量は、ガス流の許容できない妨害を生じることなく流路に配置することができるストラットの数によって制限される。構成部材を十分に冷却することができないと、ロータの偏心、き裂または構造的な故障をも生じる可能性がある。
流体力学におけるその他の懸念も従来の設計から生じる。例えば、高温ガスがブレードセクションからHRSGへ移動するときの環状の流れから円形の流れへの移行は、ダンプタイプディフューザセクションを必要とする。非効率をもたらす他、このセクションには、望ましくない流れ成分を除去しかつHRSG内への均一な流れを保証するために極めて長いディフューザが続かなければならない。幾つかのディフューザ設計は、ダンプタイプディフューザに達する前に流速が極めて低速になるように、極めて長いセンターボディを有する。これは損失を低減するが、振動、付加される材料による増大したコスト、および高温ガス流路に付加的な支持ストラットを配置する必要性を含む、その他の問題を生じる。
既存の設計構成のさらに別の特徴は、ベース負荷でブレードセクションから出る排ガスにおけるスワールを軽減または実質的に排除する必要性である。ベース負荷でスワールを低減するように設計されたシステムは、部分負荷においてスワールを有しており、このスワールは、非効率性、流れにおける不安定性、およびHRSGにおいて部品を故障させ得る問題を生じる。一般的に、スワールの減少、およびその他の要求を課すことは、ガスタービンエンジンの性能に不利に影響し、メンテナンスおよびコストに影響する複雑さをもたらす。例えば、後方ロータ軸受が流路に位置決めされていると、熱の効果をより受けやすく、より多くのメンテナンスを必要とする。さらに、長いディフューザの必要性は、メンテナンスのために後方ロータ軸受にアクセスすることをより困難にする。
これらの欠点を排除する代替的な設計を見いだすことが望ましい。さもなければ、これらのエンジンの排気システムにおける性能を高める努力が、良くても困難になるであろう。
図面の簡単な説明
以下の説明では、本発明を図面に関連して説明する。
本発明を取り入れた発電システムにおけるガスタービンエンジンおよびその他の構成部材を示す概略図である。 図1のガスタービンエンジンおよび関連する排気拡散管路の特徴を示す、ロータ軸線に沿って見た図である。 中央移行部分および渦巻形部分を有するボリュートの形式の排気拡散管路の1つのセクションを示す、ロータ軸線の方向で見た横断面図を示している。 図1に示したHRSGに関連する排気拡散管路の立面図である。 能動的なブレード間隙制御システムの一部を概略的に示す図である。 ブレード間隙制御システムのロータ調節サブシステムを概略的に示している。 図2に示したエンジンのタービンセクションにおいて典型的なブレードの列の周囲に位置決めされた一連の間隙センサを示す軸方向の図である。 本発明によるプラントレイアウトを示す平面図である。 本発明によるプラントレイアウトを示す平面図である。
同じ構成部材を示すために複数の図面を通じて同じ符号が用いられている。複数の構成部材が概略的に示されており、本発明の特徴を強調するために、明白な性質の様々な詳細、接続および構成部材は示されていないことが理解される。図示された様々な特徴は、発明の特徴を強調するために実寸では示されていない。
発明の詳細な説明
本発明の実施の形態による典型的な方法、システムおよび構成部材を詳細に説明する前に、本発明は主に、構成部材およびプロセスステップの新規で自明でない組合せにあるということに留意されたい。当業者にとって容易に明らかな詳細によって開示を不明瞭にしないように、幾つかの従来の構成部材およびステップは省略されているかまたはより大まかに提示されているのに対し、図面および明細書は、本発明を理解することに関係する要素およびステップをより詳細に示している。さらに、以下の実施の形態は、本発明による構造または方法に関して制限を規定するのではなく、強制的ではなく許容的で、かつ排他的ではなく例示的である特徴を含む例を提供している。
図1を参照すると、本発明の原理を取り入れた典型的な石炭ガス化複合サイクル(Integrated Gasification Combined Cycle,IGCC)発電システム10が示されている。本発明は、IGCCに関連して説明されるが、その概念は、一般的にはコンバインドサイクルシステム、およびガスタービンエンジンを利用するシングルサイクルシステムを含む多くの発電システム用途に適用可能である。システム10は、ガスタービンエンジン1、排熱回収ボイラ(“HRSG”)、蒸気タービン3および凝縮器4を含む多くの公知の構成部材を有する。ガスタービンエンジン1は、圧縮機6と、ロータ8に接続されたタービンブレードセクション7と、燃焼器9とを有する。ロータ8は、動力を圧縮機6および発電機24に伝達するようにブレードセクションを接続している。燃焼器は、この実施の形態ではガス化システム12であるソースから燃料を受け取る。
HRSG2は、過熱器13、蒸発器14、蒸気ドラム18およびエコノマイザ16を有する。蒸気タービン3は、ケーシング33内で回転して流路を形成するように取り付けられたロータ38を有し、蒸気は、複数の回転するブレード34と固定のベーン37とを横切って移動し、動力を伝達する。
作動中、圧縮機6は周囲空気40を引き込み、加熱および圧縮された空気のソースを提供し、この空気は燃焼器9へ送られ、気体燃料42(例えば、ガス化システム12から受け取られた合成ガス)と反応する。反応の際に発生された高温の圧縮ガス44は、排気流路45に沿ってタービンブレードセクション7へ送られ、タービンブレードセクション7において膨張し、ロータ8に機械的動力を発生させ、ロータ8は圧縮機および発電機24を駆動する。次いで、膨張したガス46はタービンブレードセクション7から排出され、流路45を辿って管路48を通過する。管路48は、膨張した排ガス46をHRSG2へも送りながら、拡散セクションとして機能する。HRSGにおいて、ガス46は、過熱器13、蒸発器14およびエコノマイザ16を次々に流れる。膨張したガスの一部47は、ガス化システムの高温熱交換器などのその他の構成部材へ送られてもよい。HRSG2を通って流れた後、冷却された膨張したガス46は次いで、鉛直の排気煙突19を介して大気中へ放出される。HRSG2において、膨張したガス46は、その熱のかなりの部分を給水に移転させ、ガスを冷却し、給水を蒸気へ変化させる。
ガスタービン1によって排出された膨張したガス46に加え、HRSG2は、ポンプ20によって加圧された、凝縮器4からの給水50の流れを受け取る。給水はまず、エコノマイザ16の伝熱管を通って流れ、伝熱管において給水の熱は飽和温度近くまで上昇させられる。エコノマイザ16からの加熱された給水は次いで、蒸気ドラム18へ送られる。蒸気ドラム18から、水は、蒸発器14の伝熱管を通って循環させられ、蒸発器14は給水を飽和した蒸気52に変換する。飽和した蒸気52は、次いで、過熱器13へ送られ、過熱器13において蒸気温度は過熱域まで上昇させられ、次いで、蒸気室22へ提供され、蒸気室22は蒸気を蒸気タービン3の入口へ分配する。
蒸気タービン3内で、蒸気54は、ケーシング33を通って、回転するブレード34および固定のベーン37の複数の列にわたって流れる。図1にはその幾つかの列のみが示されている。この移動において、蒸気54は膨張し、軸動力を発生する。軸動力はロータ38を駆動し、ロータ38自体は第2の発電機26を駆動する。代替的に、蒸気タービンロータ38は、1つの発電機を駆動するようにガスタービンロータ8に沿って一体的に形成することができる。蒸気タービン3から排出された膨張した蒸気58は、凝縮器4へ送られ、最終的にHRSG2へ戻される。膨張した蒸気58の一部分59が、ガス化システム12における低温熱交換器へ逸らされてもよい。
図2は、典型的なタービンセクションおよび排気管路の詳細を示す、水平の基面G上に位置決めされたガスタービンエンジン1の部分的な破断図である。タービンブレードセクション7は、固定のブレードおよび回転可能なブレードの4つの列71,72,73,74を有しており、列74は最後の最も下流の列である。ブレード列を通る排ガス46の移動は、流路45に沿った軸方向移動に加えて、スワール(すなわち、ロータの周囲でのガスの回転運動)を生じる。従来、タービンセクションは、静圧を回収するためにガスがディフューザセクションに流入する前に回転成分を除去する。例えば、ブレードセクションの最終列における翼形状は、通常、排ガス46がブレードセクションから出る前または出る時にスワールを低減または排除するように設計されている。スワールのこの除去は、従来の排気のディフューザセクションに実質的に軸方向の流れを提供していた。本発明の実施の形態は、部分的にタービンセクション7が、スワールを軽減するように設計された特徴を有さないことにより、この配列と異なる。特に、最後のブレード列、例えばブレード列74も、他のブレード列のいずれも、それらを通る排ガスの移動により生じるスワールを除去するように設計されていない。
ブレードセクション7および排気管路48は、スワール角、すなわちガス流の周方向速度ベクトルと軸方向速度ベクトルとの間の角度を排除または最小限に減じることにより生じる損失を受けることなく静圧を回収するように設計されている。本明細書で使用される場合、周方向という用語は、例えば外側境界またはその他の周縁に対応する選択された円周に沿っていることを意味する。周縁は、回転するブレードの先端部によって、または、タービンケーシング、例えばブレードシュラウドに沿った表面の内径によって規定された経路であってもよい。最小周速は、スワール角と呼ばれる排ガスの軸方向流速に対して表されてもよい速度である。システム10の典型的な最小スワール角は30°である。
図2および図3を参照すると、ブレードセクション7とHRSG2との間の流路の一部を規定する管路48は、排ガス46の回転する成分を、比較的短いディフューザセクション74内へ受け取る。ディフューザセクション74は、ブレードセクション7を、ボリュートの形式の管路48のセクション80に接続している。ボリュートは、(i)中央移行部分80tであって、この中央移行部分80t内へロータ8が延びており、高温の排ガスを受け取る中央移行部分80tと、(ii)渦巻形部分80sと、を有する。ロータ8の回転軸線である軸線Aの方向に見た図3の横断面図を参照されたい。
ディフューザセクション74は、ロータ8の周囲に軸方向に、管路48のセクション80の中央移行部分80t内へ延びた半径方向内壁74iを有する。内壁74iは、高温の排ガス46をロータ、およびロータ軸受などの関連する構成部材から隔離している。ディフューザセクション74の半径方向外壁74oは、エンジンケーシング76の内側に沿って、ロータから離れる方向へ延びており、ディフューザセクション74に円錐台形を与えている。有利な特徴は、流路45の渦巻形セグメントが、ブレードセクション7から出る流れの方向と直交する平面において渦巻形部分80sに沿って延びているということである。図4を参照されたい。ブレードセクション7が最小スワール速度、例えば30度を生じることにより、セクション80は、静圧を最適に回収するようにスワールの周速を受け取るように適合させられている。タービンセクション7から出た後、膨張した排ガス46のスワール角は、最小限の妨害でセクション80の渦巻形部分80s内へ継続する。
ボリュートの形式のセクション80の1つの実施の形態は、図3に示されたスクロール形状のダクトセクションである。このセクション80の渦巻形部分80s内のらせん形流路45の部分は、軸線Aと一致するセクション80の中心軸線から離れる方向に延びている。渦巻形セクション80sによって規定された経路45の部分の横断面の面積は、経路がこの軸線から外方へ向かって渦形を描くにしたがって増大している。例えば、開口82の近くの第1の位置P1における渦巻形部分80sの横断面の面積は、図4に示す円錐形ディフューザ81へ渦巻形部分80sが移行している所の近くの第2の位置Pにおける経路45の横断面の面積よりも小さい。
セクション80は、2つの同心状の内側および外側の環状の体積84i,84oとして形成された、軸線Aを中心とする中央開口82を有する。ロータ8および関連する機械的な構成部材は内側の体積84i内へ延びているのに対し、外側の体積84oは、ディフューザセクション74から渦巻形部分80s内への高温排ガス46の移行を提供するように流路45に位置決めされており、渦巻形部分80sに沿って流路45がセクション80内で延びている。ディフューザセクション74の内壁74iは渦巻形部分80内へ延びており、これにより、内側の体積84i内に位置決めされた機械的な構成部材を、外側の体積84oを通って流れる高温排ガス46から隔離している。図3の軸方向の図は、セクション80の渦巻形部分80sに沿った流路の部分に対する、内側および外側の体積84i,84oの関係を示している。環状の外側体積84oは、実線セグメントと破線との組合せによって形成された円形によって図に示されており、破線は、外側の体積84oがセクション80の渦巻形部分80sへ開放していることを示している。
再び図2を参照すると、ロータ8の後方、すなわち下流の端部86aは、低温軸受88に支持されて示されている。ロータ端部86aおよび軸受88の双方は、流路45の外側に位置決めされており、例えば、内側体積84i内に位置決めされており、ディフューザセクション内壁74iが軸受およびロータ端部を流路から隔離している。図示していないが、ロータ端部86aおよび軸受88はさらに、絶縁材料によって高温流路から隔離されているか、またはストラットまたは下流のストラットの第2のセットを介して流入する冷却空気を受け取ってもよい。
エンジン1の関連する荷重は、基面から鉛直方向上方へ延びるポスト90によって支持されている。ポスト90と一体に形成されてもよい軸受ハウジング92は、軸受88およびロータ端部86aを閉じ込める収容部を提供するようにポストから水平方向に延びている。従来の設計とは対照的に、ポスト90、軸受ハウジング92、軸受88およびロータ後方端部86aは全て流路45の外側に位置決めされており、これらの構成部材の全ておよびストラットをエンジンケーシング76内で高温排ガス流の通路に位置決めするのではない。流路の外側にこの構造を位置決めすることにより、高温ストラットおよび軸受を維持するための設計的特徴は、低減または排除される。
エンジン1の作動中、環状の外側体積84oは、渦巻形部分80s内へ通じる、流路における移行セグメントとして機能する。これは、渦巻形部分80s内への排ガス46の妨害の少ない移動を促進し、渦巻形部分80sに沿って流路45がセクション80内で延びている。ガスが渦巻形部分80sを通って排気煙突19に向かって流れるとき、排ガス46の周方向速度成分の中断されない継続が存在する。
本発明の別の実施の形態によれば、図5および図6は、軸受が高温空気によって包囲されず、かつ排ガス46から軸受へ熱が転移させられたときに生じる高温環境に曝されないように、図2に概略的に示したように、有利には流路の外側にかつ流路から離れて軸受88、後方ロータ端部86a、軸受ハウジング92およびエンジン支持ポスト90を位置決めすることに基づく、閉ループアクティブブレード間隙制御システム100を示している。例示した実施の形態では、軸受88の少なくとも後方部分は、管路が流路を包囲する代わりに、包囲する大気および比較的低温の空気へ開放している。この構成は、軸受88への比較的低温のオイルの供給、およびハウジング92への周囲空気の提供を単純化する。例えば、図2は、ポート87,89の対を示している。オイルライン(図示せず)は、オイルをポート87のうちの1つを通じて軸受88へ搬送し、別の1つのポート87を通じて排出することができる。別のポート89は、冷却を容易にするために、軸受ハウジング92内へのおよび軸受ハウジング92外への周囲空気の受動的または能動的な流れを可能にすることができる。
図6は、軸受ハウジング92内へのブレード間隙制御システム100のロータ調節サブシステム100aの組込みを示すための、ロータ端部86aおよび軸受88の端面図を提供している。少なくとも2つの自由度を有するU字形の可動プレート104は、軸受ハウジング92と軸受88との間に配置されている。図示したように、軸受の曲率半径と一致する曲率半径を有するプレート104は、ロータ軸受88に対して固定されていてもよく、これにより、軸受ハウジング92に対するプレートの移動は、ハウジング92に対する軸受88およびロータ8の双方の移動を生じる。プレートは、ロータ軸受88に堅く接続されており、軸受ハウジング内での位置決めを変化させるために軸受ハウジングに可動に接続されている。プレート104が2つの自由度を有することにより、平面、例えばロータ軸線に直交する平面においてロータ8をあらゆる方向に移動させるようにプレートに力を加えることができる。各方向での移動は、電気アクチュエータまたは液圧式アクチュエータによって行われてよい。例えば、基面Gに対して平行な水平軸線に沿って、2つの水平方向液圧式アクチュエータ106,108がプレート104の互いに反対側に位置決めされてもよく、これにより、それぞれがプレートを水平軸線に沿って2つの反対方向のうちの一方へ移動させてもよい。プレート104の下方に位置決めされた第3の液圧式アクチュエータ110は、プレートを(例えば基面に対して鉛直方向に沿って)持ち上げることができ、または基面に向かってプレートの制御された下降を可能にすることができる。軸受88の外面に合致する曲率半径を有するU字形を有するように示されているが、プレート104は、平坦であるかまたは別の形状であってもよく、軸受88に固定されていてもよい。
図5も参照すると、ロータ8を上流軸方向へ移動させるために、第4のアクチュエータ112が後方ロータ端部86aに対して位置決めされている。同様に、第5のアクチュエータ114は、ロータを下流軸方向へ移動させるためにロータ8の前方、すなわち上流端部86fに対して位置決めされている。単純に示すために、軸受ハウジングと、前方ロータ端部86fが位置する軸受とは、図5には示されていない。
システム100は、複数の間隙センサ118を有する。1つの実施の形態では、ブレード先端部とシュラウドとの間の間隙を測定するために、センサのセットが、複数のブレード列(例えば、列71および72)のそれぞれに沿って配置されている。1つのこのような列71のために図7に概略的に示したように、その列におけるブレード先端部128とシュラウド122との間の間隙126を測定するために、4つの間隙センサ118が、シュラウド122に沿って90度離れて取り付けられている。付加的なセンサが圧縮機段に沿って位置決めされてもよい。センサ118は、キャパシタベースのブレード先端部間隙測定または光学式ブレード先端部間隙測定などの公知の技術を採用してもよい。
システム100は、さらに、制御装置130を有する。制御装置130は、複数のセンサ118のそれぞれからのデータライン132またはRF伝送を介して、センサ118から間隙情報を受け取る。間隙を求め、いずれかの間隙を調節するかどうかを判定するための判断基準を適用するために、制御装置は、圧縮機段を監視するセンサを含む全てのセンサからのデータを周期的に処理する。調節は、制御装置がフィードバックループを提供することによって行われる。フィードバックループは、判断基準が満たされたことが間隙の判定によって確認されるまで、調節信号を1つまたは複数のアクチュエータへ送信する。
流れを方向転換するための中央移行部分に続いて、ディフューザとして機能する(例えば、ボリュートの形式の)拡開した渦巻形ダクトを有する管路を採用することにより、高温ガス流を、ブレードセクションから出る軸方向流れに対して90度回転、すなわち方向転換させることができる。この配列により、支持構造を高温排ガスの流路に配置する必要がない。これは、流れの妨害および冷却の必要性を排除する。これは、多くの構成部材の寿命を延ばし、運転効率を高める。
渦巻形ダクトの中央領域にまたはダクトを超えて軸受を位置決めすることにより(例えば、渦巻形ダクトが軸受とブレードセクションとの間に位置決めされることにより)、軸受は、完全にかつより容易にアクセス可能であり、メンテナンスコストを減じる。また、冷却空気が後方軸受を維持するために有益である限り、これは、ガスタービン性能に不利に影響することなく構成部材に直接に提供することができる。流路45からストラットを排除することにより、ストラットによる大きな損失が排除されるので、部分負荷におけるエンジンの性能が高められる。
高温ガス流を90度回転させることができる渦巻形ダクトを使用することによって生じる別の特徴は、単純サイクルおよびコンバインドサイクル発電システムの双方に関する。単純サイクルシステムでは、渦巻形ダクトからの出口は、排気煙突と効率的に一体化することができ、これにより、プラント設置面積の全体的なサイズおよび材料コストを減じる。コンバインドサイクル発電システムでは、渦巻形ダクトは、図4に示されたようなHRSGへ流れを接続するディフューザと一体化することができる。すなわち、ボリュートの形式の渦巻形ダクトの使用は、ブレードセクションから出た環状の流れを均一な管流に変換するための効率的な方法を提供し、これにより、システム損失を低減し、ダンプタイプディフューザによって提供されるような急激な移行から生じる移行の不安定性を最小限に減じる。本発明による設計は、タービンセクションにおいて発生した高レベルの出口スワールを保持し、これにより、改良されたタービン設計を可能にし、その結果、運転効率が高められる。
HRSGに進入する前に高温ガス流を90度回転させることができる渦巻形ダクトを採用することによって生じるさらに別の特徴は、コンバインドサイクル発電システムのレイアウト面積をよりコンパクトにすることができるということである。コンバインドサイクル発電システムの従来のレイアウトでは、燃焼器、ブレードセクション、ディフューザ段およびHRSGは、全てロータ軸線と整列させられている。図4の立面図に示したように、本発明は、排気拡散管路、例えばディフューザ81が、ロータ8が回転する軸線Aに対して垂直な方向に延びることを可能にする。この配列により、HRSG2は、軸線Aに対して垂直な方向に移動する高温排ガス46を受け取るように位置決めすることができ、HRSGは、もはやロータ軸線Aと同軸に整列させられる必要がない。
図8に示した実施の形態では、渦巻形セクション80sは、1つの平面に沿って、軸線Aに対して垂直な方向に軸線Aから離れるように延びており、ディフューザ81は、排ガス46がHRSG2に達するための経路を完成させている。また、図3に示したように、例えば渦巻形セクションによってらせん形流路を挿入することによって、スワールを有する排ガスは、軸線Aに対して垂直な1つの平面に沿った経路において移動する必要はない。むしろ、渦巻形セクション80sおよびディフューザ81は、軸線Aに対して垂直な平面に制限されない湾曲した経路を辿るように変更することができる。これは、軸線Aに対して90度以外の角度でのHRSG2の配置を可能にする。例えば、渦巻形セクション80sは、軸線Aに対して垂直な平面から外れるように曲がっていてもよいし、ディフューザは、排ガスが湾曲した経路に沿って移動するように曲げ部を有していてもよく、これは、軸線Aに対して90度ではなく任意の位置にHRSGを配置することを可能にする。
図8Aは、ディフューザが排ガス46を軸線Aに対して垂直な方向に搬送する1つの実施の形態を示している。この「L字形」レイアウト構成は、プラント機器専用の土地面積を減じる形式で、それぞれがガスタービンエンジン1、HRSG2および蒸気タービン3を含む複数のコンバインドサイクルシステム140の集合化を可能にする。例えば、図8Bに示す単純化された概略的な配列を参照すると、2つのコンバインドサイクルシステム140a,140bが、他方の軸線Aに対して平行なロータ軸線Aをそれぞれが有する矩形パターン144で位置決めされている。さらに、各システムは、各軸線Aに対して垂直な方向に延びるディフューザ81を有しており、これにより、2つのHRSGが対角方向で互いに反対側に位置する一方、2つのガスタービンエンジン1(それぞれがタービンブレードセクション7を含む)も対角方向で互いに反対側に位置している。
コンバインドサイクルシステム140a,140bの対によって包囲された矩形パターン144の中央セクション148は、例えばボイラ、ポンプおよび冷却オイルのリザーバ、タービンエンジン1およびHRSG2の近くの空気供給部を含む、運転サポート機器を統合するために使用される。
一連の実施の形態によれば、ガスタービンエンジンが、燃焼器と、ブレードセクションと、軸受に支持された第1の端部を有するロータとを備える、発電システムが記載されている。ブレードセクションは、ロータを回転させるために燃焼器から流路に沿って移動する高温排ガスを受け取るための、複数列の固定および回転可能なブレードを有する。ブレードセクションは、軸方向速度成分と、ブレードセクションの下流の流路の一部を区切る円周に沿った第1の周方向の回転速度成分とを、排ガスに付与する。ブレードセクションは、少なくとも30度の円周に沿って周速と軸方向速度との間に最小限のスワール角を提供するように設計されている。スワール角は、最小で35度または最小で40度であってもよい。煙突は、ブレードセクションから流路に沿って移動する排ガスを受け取るように位置決めされている。煙突は、基面の上方に鉛直方向に排気を排出するように向けられている。管路の1つのセクションは、(i)中央移行部分であって、この中央移行部分内へロータが延びている、高温排ガスを受け取る中央移行部分と、(ii)中央部分から離れるように高温排ガスを搬送するための流路のらせん形セクションを提供するように中央部分から外方へ延びたらせん形流れセクションを含む渦巻形部分と、を有する。らせん形流れセクションに沿った流路の一部は、流れセクションに沿った位置に関して増大する横断面積を有する。
燃焼器と、ロータと、複数の固定ブレードおよび回転可能なブレードと、排気管路の1つのセクションとを備える発電システムの1つの実施の形態も説明されている。固定ブレードおよび回転可能なブレードは、燃焼器から排ガスを受け取り、ブレードから離れるように第1の流れ方向に関して軸方向速度成分をガスに付与するように、ロータの周囲に位置決めされている。管路のセクションは、中央移行部分および渦巻形部分を有する。ロータは、中央移行部分内へ延びている。中央移行部分は、ブレードセクションから流れる高温排ガスを受け取るように位置決めされている。渦巻形部分は、流路のらせん形セクションを提供するように中央部分から外方へ延びた、らせん形流れセクションを有する。これは、中央部分から離れるように高温排ガスを搬送する。らせん形流れセクションに沿った流路の一部分は、流れセクションに沿った位置に関して増大する横断面積を有する。渦巻形部分は、流れの第1の方向と直交する方向に排気を方向転換するように位置決めされている。複数のブレードと、管路の中央移行部分との間にディフューザが位置決めされてもよい。管路の渦巻形部分とHRSGとの間にディフューザが配置されてもよい。
ガスタービンエンジンを備える発電システムの性能を高めるための関連する方法の1つの実施の形態によれば、流路に沿ってエンジンのブレードセクションから出た排ガスに、30度の最小スワール角が付与される。中央移行部分および渦巻形部分を有する管路のセクションが設けられている。ロータは、中央移行部分内へ延びている。中央移行部分は、高温排ガスをも受け取る。渦巻形部分は、ロータ軸線から外方へ延びた、らせん形流れセクションを有する。管路のこのセクションは、流路にらせん形セクションを提供し、これにより、高温排ガスを中央移行部分から離れるように、ロータ軸線に直交する方向へ案内するように位置決めされている。
別の一連の実施の形態によれば、ガスタービンエンジンは、回転構成部材と固定構成部材との間の間隙を調節する制御システムを備える。エンジンは、軸線を中心に回転するように位置決めされたロータと、タービンブレードセクションと、軸受ハウジングとを有する。タービンブレードセクションは、ロータの周囲に位置決めされた固定ブレードおよび回転可能ブレードの複数の列を有しており、流路に沿って移動する排ガスを受け取り、ロータを回転させる。ロータは、流路を超えて延びた後方端部を有する。軸受ハウジングは、流路の外側に位置決めされている。軸受は、ハウジングにおいて、流路の外側に位置決めされており、ロータの後方端部は軸受に支持されている。ポストは、流路の外側に位置決めされており、軸受ハウジングと、後方ロータ端部と、エンジンのその他の構成部材とを支持している。調節システムは、流路の外側に位置決めされていて、少なくとも2つの自由度を提供しており、これにより、後方ロータ端部の位置決めを変化させ、ひいては、回転可能なブレード先端部と固定構成部材との間の間隙を変化させる。
さらに別の一連の実施の形態によれば、燃焼器と、ブレードセクションと、軸受と、中心軸線に沿って延びたロータとを備えるガスタービンエンジンを含む発電システムにおいて使用するための、間隙調節システムが説明されている。ロータは、軸受に支持された第1の端部を有しており、ブレードセクションは、ロータの周囲に位置決めされた固定ブレードおよび回転可能ブレードの複数の列を有しており、タービン燃焼器から流路に沿って移動する排ガスを受け取る。流路は、排ガスの流れを所定の境界内に閉じ込める。間隙調節システムは、軸受およびロータの第1の端部を支持するために流路の境界の外側に位置決めされた構造物を有する。調節可能プレートは、ロータの第1の端部と支持構造との間において、流路の境界の外側に位置決めされている。プレートはロータに機械的に接続されており、このプレートの移動が、回転可能ブレードの先端部と、ブレードセクションにおける1つまたは複数の固定構成部材との間の間隙を変化させる。
発明は、例としての実施の形態に関して説明されているが、様々な他の形式で適用されてもよい。発明から逸脱することなく、多くの均等物、代替例および変更例が明らかになるであろう。本発明の様々な実施の形態が本明細書中で図示および説明されているが、これらは単に例として提供されている。本明細書における本発明から逸脱することなく、多数の改変、変更および代用がなされ得る。したがって、本発明は、添付の請求項の思想および範囲によってのみ限定されることが意図されている。

Claims (8)

  1. 水平の基面に沿って位置決めされた発電システム(10)であって、
    燃焼器(9)と、
    ロータ(8)と、
    ブレードセクション(7)であって、固定のブレードおよび回転可能なブレードの複数の列を有し、前記ブレードは、前記燃焼器(9)から排ガスを受け取り、かつガスに前記ブレードから離れる第1の流れ方向に関して軸方向速度成分を付与するように、前記ロータ(8)の周囲に位置決めされている、ブレードセクション(7)と、
    管路(48)の1つのセクション(80)であって、該セクション(80)は、(i)中央移行部分(80t)であって、該中央移行部分(80t)内に前記ロータ(8)が延びており、かつ高温の排ガスを受け取るように位置決めされている、中央移行部分(80t)と、(ii)前記高温の排ガスを前記中央移行部分(80t)から離れるように搬送するために流路のらせん形セクションを提供するように、前記中央移行部分(80t)から外方へ延びるらせん形流れセクションを含む渦巻形部分(80s)と、を有し、前記らせん形流れセクションに沿った前記流路の一部は、前記流れセクションに沿った位置に関して増大する横断面積を有し、前記渦巻形部分(80s)は、前記第1の流れ方向と直交する方向に排気を方向転換するように位置決めされている、管路(48)の1つのセクション(80)と、
    を備え
    前記管路(48)の前記渦巻形部分(80s)は、複数のブレードとHRSG(2)との間に流路を提供するように位置決めされており、前記管路(48)の前記渦巻形部分(80s)と前記HRSG(2)との間にディフューザ(81)が位置決めされていることを特徴とする、発電システム(10)。
  2. 前記複数のブレードと前記管路(48)の前記中央移行部分(80t)との間にディフューザセクション74)が位置決めされている、請求項記載の発電システム(10)。
  3. 前記ロータ(8)は、前記基面の上方において軸受に支持された第1の端部を有し、前記ブレードセクション(7)は、
    (i)前記燃焼器(9)から流路に沿って移動する高温の排ガスを受け取り、前記ロータ(8)を回転させるように、該ロータ(8)の周囲に位置決めされており、
    (ii)前記排ガスの流れに、軸方向速度成分と、前記ブレードセクション(7)の下流の流路の一部を仕切る円周に沿った第1の周方向の回転速度成分と、を付与するように構成されており、
    (iii)少なくとも30度の円周に沿って、周速と、軸方向速度との間に最小スワール角を提供するように設計されており、
    当該発電システムは、前記流路に沿って前記ブレードセクション(7)から移動する排気を受け取るように接続された排気煙突(19)であって、受け取った排気を前記基面の上方に鉛直方向に放出するように向けられた排気煙突(19)をさらに備える、請求項1または2記載の発電システム(10)。
  4. 増大する横断面積を有する前記流れセクションの部分は、流れる排ガスの拡散を提供し、ガスが経路に沿って流れる速度を低下させる、請求項記載の発電システム(10)。
  5. 前記ブレードの列(71,72,73,74)のいずれも、前記最小スワール角を減じるための特徴を有さない、請求項記載の発電システム(10)。
  6. 前記らせん形の流路(45)は、前記排ガスが前記ブレードセクション(7)から出る時の回転速度成分の方向と一致する第1の周方向に渦を描いている、請求項記載の発電システム(10)。
  7. 前記ロータ(8)は、ボリュート(80)内へまたはボリュート(80)を通って延びている、請求項記載の発電システム(10)。
  8. 支持体をさらに備え、前記ロータの第1の端部が支持されている軸受は、前記支持体に取り付けられており、前記軸受および前記支持体は両方とも前記流路の外側に位置決めされている、請求項記載の発電システム(10)。
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