以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図1を含む以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表されている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る空気調和装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る空気調和装置の設置例を示す概略図である。図1に基づいて、空気調和装置の設置例について説明する。この空気調和装置は、冷媒回路500A、500B、500C、及び熱媒体回路400を有している。この空気調和装置では、冷媒回路500A、500B、500C、及び熱媒体回路400を利用することで、室内機200A、200B、200Cのそれぞれが冷房運転又は暖房運転を互いに独立して選択できるようになっている。
冷媒回路500A、500B、500Cは、それぞれ室内機200A、200B、200Cと中継機300との間で冷媒を循環させる回路である。熱媒体回路400は、中継機300と室外機100との間で熱媒体を循環させる回路である。各冷媒回路500A、500B、500C及び熱媒体回路400については後段で詳細に説明する。
図1において、本実施の形態に係る空気調和装置は、1台の室外機100と、複数台の室内機200A、200B、200Cと、室外機100と室内機200A、200B、200Cとの間に介在する中継機300と、を有している。中継機300は、冷媒の作用で熱媒体から吸熱して熱媒体を冷却し、又は熱媒体に放熱して熱媒体を加熱する。室外機100は、建物600の室外空間に放熱又は吸熱して熱媒体を冷却又は加熱する。室内機200A、200B、200Cは、中継機300から搬送された冷媒の作用で室内空間の空調負荷をまかなう。
室外機100と中継機300とは、熱媒体を導通する熱媒体配管401、402で接続されている。熱媒体配管401、402は、熱媒体回路400の一部を構成するものである。中継機300と室内機200A、200B、200Cのそれぞれとは、冷媒を導通する冷媒配管で接続されている。具体的には、中継機300と室内機200Aとは、冷媒回路500Aの一部を構成する冷媒配管501A、502Aで接続されている。中継機300と室内機200Bとは、冷媒回路500Bの一部を構成する冷媒配管501B、502Bで接続されている。中継機300と室内機200Cとは、冷媒回路500Cの一部を構成する冷媒配管501C、502Cで接続されている。室外機100で生成された冷熱又は温熱は、中継機300を介して室内機200A、200B、200Cに供給されるようになっている。冷媒としては、運転中に二相変化をするもの、又は運転中に超臨界状態となるものが用いられている。また、熱媒体としては、例えば、運転中に二相変化をせず超臨界状態にもならない水又は不凍液等の液状熱媒体が用いられている。
室外機100は、例えば室外(図1に示す例では、建物600の屋上)に設置されている。室内機200A、200B、200Cは、例えば建物600内の室内に設置されている。
中継機300は、室外機100及び室内機200A、200B、200Cから離れた位置に設置可能であり、熱媒体配管401、402及び冷媒配管501A、502A、501B、502B、501C、502C等の配管経路において、室外機100と室内機200A、200B、200Cとの間となる位置に配置されている。中継機300は、1つの筐体で構成されていてもよいし、複数の筐体で構成されていてもよい。中継機300が複数の筐体で構成されている場合、その筐体間は、冷媒が流れる2本、3本又は4本の冷媒配管で接続されていてもよいし、熱媒体が流れる2本、3本又は4本の熱媒体配管で接続されていてもよい。中継機300が複数の筐体で構成されている場合、それぞれの筐体は互いに近接した位置に設置されてもよいし、離れた位置に設置されてもよい。
図1に示すように、本実施の形態に係る空気調和装置においては、室外機100と中継機300とが2本の熱媒体配管401、402を用いて接続されており、中継機300と室内機200A、200B、200Cとがそれぞれ2本の冷媒配管501A、502A、501B、502B、501C、502Cを用いて接続されている。このように、本実施の形態に係る空気調和装置では、それぞれ2本の配管(2本の冷媒配管又は2本の熱媒体配管)を用いて各ユニット(室外機100、室内機200A、200B、200C及び中継機300)が接続されるため、施工が容易であり工事性がよい。
なお、図1においては、中継機300が、建物600の内部ではあるが室内空間とは別の空間である天井裏等の空間に設置されている状態を例示している。中継機300は、その他、エレベーター等がある共用空間や機械室等に設置することも可能である。また、図1においては、室内機200A、200B、200Cが天井カセット型であり、本体が天井裏にあり、吹出口が室内空間に露出している場合を例示しているが、これに限定するものではない。室内機200A、200B、200Cは、壁掛型のように、本体が室内空間に設置されているものであってもよいし、天井埋込型や天井吊下型等のように、室内空間にダクト等を介して空気を吹き出せるようになっているものであってもよい。室内機200A、200B、200Cは、室内空間に暖房用空気あるいは冷房用空気を吹き出し、室内空間の空調負荷をまかなえるようなものであれば、どんな種類のものでもよい。
図1においては、室外機100が室外空間に設置されている場合を例示しているが、これに限定するものではない。例えば、室外機100は、換気口付きの機械室等の囲まれた空間に設置されていてもよい。また、排気ダクトで廃熱を建物の外に排気することができるのであれば、室外機100を建物の内部に設置することもできる。また、他の熱媒体と熱交換する熱交換装置を用いる場合にも、室外機100を建物の内部に設置することができる。
また、中継機300は、室外機100から離れた位置に設置することが可能な構成となっているが、建物600の外に設置することもでき、室外機100の近傍に設置することもできる。さらに、室外機100、室内機200A、200B、200C及び中継機300の接続台数は、図1に示す台数に限定するものではない。室外機100、室内機200A、200B、200C及び中継機300の接続台数は、例えば、空気調和装置が設置される建物600に応じて決定すればよい。
図2は、本実施の形態に係る空気調和装置の構成の一例を示す概略回路構成図である。図2に基づいて、空気調和装置のより詳しい構成について説明する。図2に示すように、室外機100と中継機300とは、熱媒体回路400の熱媒体配管401、402により、室内機200A、200B、200Cを経由せずに接続されている。中継機300と室内機200Aとは、冷媒回路500Aの冷媒配管501A、502Aにより、室外機100及び室内機200B、200Cを経由せずに接続されている。中継機300と室内機200Bとは、冷媒回路500Bの冷媒配管501B、502Bにより、室外機100及び室内機200A、200Cを経由せずに接続されている。中継機300と室内機200Cとは、冷媒回路500Cの冷媒配管501C、502Cにより、室外機100及び室内機200A、200Bを経由せずに接続されている。冷媒回路500A、500B、500Cには、それぞれ圧縮機511A、511B、511C、冷媒流路切換装置512A、512B、512C、冷媒熱交換器513A、513B、513Cの冷媒流路、絞り装置514A、514B、514C、及び室内熱交換器515A、515B、515Cが環状に接続されている。
[室外機]
室外機100には、熱媒体回路400に熱媒体を循環させるためのポンプ101(熱媒体送出装置)が設けられている。なお、ポンプ101は、例えば容量制御可能なポンプ等で構成するとよい。
また、室外機100には、熱媒体と室外空気との熱交換を行う室外熱交換器102と、室外熱交換器102に室外空気を送風する送風機103と、が設けられている。熱媒体を導通する熱媒体配管は、室外熱交換器102の入口102a及び出口102bに接続されている。室外熱交換器102の入口102aに接続されている熱媒体配管は、熱媒体配管402を介して中継機300と接続されている。室外熱交換器102の出口102bに接続されている熱媒体配管は、ポンプ101及び熱媒体配管401を介して、中継機300と接続されている。
[室内機]
室内機200A、200B、200Cには、それぞれ室内熱交換器515A、515B、515Cと、絞り装置514A、514B、514Cと、送風機201A、201B、201Cと、が搭載されている。室内機200Aの室内熱交換器515A、515B、515Cは、冷媒配管によって、中継機300の冷媒流路切換装置512A、512B、512Cと冷媒熱交換器513A、513B、513Cとに接続されている。室内熱交換器515A、515B、515Cは、送風機201A、201B、201Cからそれぞれ供給される空気と冷媒との間で熱交換を行い、室内空間に供給するための暖房用空気あるいは冷房用空気を生成するものである。絞り装置514A、514B、514Cは、減圧弁や膨張弁としての機能を有し、冷媒を減圧して膨張させるものである。なお、絞り装置514A、514B、514Cは、開度が可変に制御可能なもの、例えば電子式膨張弁等で構成するとよい。図2では、3台の室内機200A、200B、200Cが1台の中継機300に接続されている構成を例示している。また、図2では、室内機200A、200B、200Cのそれぞれに1つの室内熱交換器が設けられた構成を例示している。なお、図1と同様に、室内機200A、200B、200Cの接続台数は、図2に示す台数に限定するものではない。
[中継機]
中継機300には、圧縮機511A、511B、511Cと、冷媒流路切換装置512A、512B、512Cと、冷媒熱交換器513A、513B、513Cとが、冷媒配管で接続されて搭載されている。圧縮機511A、511B、511C、冷媒流路切換装置512A、512B、512C、及び冷媒熱交換器513A、513B、513Cは、室内機200A、200B、200Cに収容された室内熱交換器515A、515B、515C及び絞り装置514A、514B、514C等と共に、中継機300と室内機200A、200B、200Cとの間で冷媒を循環させる冷媒回路500A、500B、500Cをそれぞれ構成している。
圧縮機511A、511B、511Cは、冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温高圧の状態にするものである。圧縮機511A、511B、511Cは、例えば容量制御可能なインバータ圧縮機等で構成するとよい。
冷媒流路切換装置512A、512B、512Cは、冷媒回路500A、500B、500Cのそれぞれにおける冷媒の流れ方向を冷房運転モード又は暖房運転モードで切り換えるものである。冷房運転モードでは、冷媒熱交換器513A、513B、513Cが凝縮器(放熱器の一例)として動作し、室内熱交換器515A、515B、515Cが蒸発器として動作する。これにより、冷媒は、室内空気の熱を吸熱するとともに、吸熱した熱を熱媒体に放熱する。暖房運転モードでは、冷媒熱交換器513A、513B、513Cが蒸発器として動作し、室内熱交換器515A、515B、515Cが凝縮器(放熱器の一例)として動作する。これにより、冷媒は、熱媒体の熱を吸熱するとともに、吸熱した熱を室内空気に放熱する。冷媒流路切換装置512A、512B、512Cとしては、例えば四方弁等が用いられる。
冷媒熱交換器513A、513B、513Cは、凝縮器又は蒸発器として動作する熱交換器(例えば、水−冷媒熱交換器)である。冷媒熱交換器513A、513B、513Cは、冷媒を流通させる冷媒流路と熱媒体を流通させる熱媒体流路とを備えており、冷媒と熱媒体との熱交換を行うことにより冷媒の冷熱又は温熱を熱媒体に伝達させるものである。冷媒熱交換器513A、513B、513Cは、冷媒の流れにおいてそれぞれ冷媒流路切換装置512A、512B、512Cと室内熱交換器515A、515B、515Cとの間に設けられており、熱媒体の冷却又は加熱に供するものである。
また、中継機300には、分岐部301(第1のヘッダータンクの一例)、混合分岐部302(第2のヘッダータンクの一例)、合流部303(第3のヘッダータンクの一例)、熱媒体バイパス配管304、二方弁305及び熱媒体流路切換装置310が収容されている。これらの分岐部301、混合分岐部302、合流部303、熱媒体バイパス配管304、二方弁305及び熱媒体流路切換装置310は、室外機100に収容されたポンプ101及び室外熱交換器102等と共に、中継機300と室外機100との間で熱媒体を循環させる熱媒体回路400を構成している。
分岐部301は、熱媒体を室外機100から中継機300に供給する熱媒体配管401に接続されるヘッダータンクである。分岐部301は、熱媒体流路切換装置310を介して、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱媒体流路の一端部513A1、513B1、513C1に接続されている。分岐部301は、後述する全冷房運転モード及び全暖房運転モードにおいて、室外機100から供給された熱媒体を、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱媒体流路に分配するものである。また、分岐部301は、後述する冷暖房混在運転モードにおいて、室外機100から供給された熱媒体を、冷房運転を行う冷媒回路の冷媒熱交換器に分配するものである。
混合分岐部302は、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱媒体流路の他端部513A2、513B2、513C2に接続されるヘッダータンクである。混合分岐部302は、熱媒体バイパス配管304を介して合流部303にも接続されている。混合分岐部302は、全冷房運転モード及び全暖房運転モードにおいて、冷媒熱交換器513A、513B、513Cから流出した熱媒体を混合し、熱媒体バイパス配管304を介して合流部303に送るものである。また、混合分岐部302は、冷暖房混在運転モードにおいて、冷房運転を行う冷媒回路の冷媒熱交換器から流出した熱媒体を混合し、暖房運転を行う冷媒回路の冷媒熱交換器に分配するものである。
合流部303は、熱媒体を中継機300から室外機100に戻す熱媒体配管402に接続されるヘッダータンクである。合流部303は、熱媒体流路切換装置310を介して、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱媒体流路の一端部513A1、513B1、513C1に接続されている。合流部303は、全冷房運転モード及び全暖房運転モードにおいて、混合分岐部302から送られた熱媒体を室外機100に戻すものである。また、合流部303は、冷暖房混在運転モードにおいて、暖房運転を行う冷媒回路の冷媒熱交換器から流出した熱媒体を合流させて、室外機100に戻すものである。
熱媒体バイパス配管304は、混合分岐部302と合流部303とを接続するものである。熱媒体バイパス配管304には、二方弁305が設けられている。二方弁305は、後述する制御装置350の制御により、熱媒体バイパス配管304内の流路を開閉するものである。
熱媒体流路切換装置310は、制御装置350の制御により、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱媒体流路が分岐部301又は合流部303のいずれと連通するかを切り換えるものである。本例の熱媒体流路切換装置310は、冷媒熱交換器513A、513B、513Cの設置台数に応じた個数(本例では、3つ)の三方切換弁311A、311B、311C等を備えている。三方切換弁311A、311B、311Cはそれぞれ、第1ポート311A1、311B1、311C1と、第2ポート311A2、311B2、311C2と、弁体の動作によって第1ポート又は第2ポートのいずれかと連通する第3ポート311A3、311B3、311C3と、を有している。
三方切換弁311Aの第1ポート311A1は分岐部301に接続されており、第2ポート311A2は合流部303に接続されており、第3ポート311A3は冷媒熱交換器513Aの一端部513A1に接続されている。これにより、冷媒熱交換器513Aの一端部513A1は、分岐部301又は合流部303のいずれかと連通するようになっている。
三方切換弁311Bの第1ポート311B1は分岐部301に接続されており、第2ポート311B2は合流部303に接続されており、第3ポート311B3は冷媒熱交換器513Bの一端部513B1に接続されている。これにより、冷媒熱交換器513Bの一端部513B1は、分岐部301又は合流部303のいずれかと連通するようになっている。
三方切換弁311Cの第1ポート311C1は分岐部301に接続されており、第2ポート311C2は合流部303に接続されており、第3ポート311C3は冷媒熱交換器513Cの一端部513C1に接続されている。これにより、冷媒熱交換器513Cの一端部513C1は、分岐部301又は合流部303のいずれかと連通するようになっている。
中継機300には、制御装置350が設けられている。制御装置350は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート等を備えたマイクロコンピュータを有している。制御装置350は、室外機100及び各室内機200A、200B、200Cにそれぞれ設けられた制御装置(図示せず)との間で通信できるようになっている。
なお、本例では、三方切換弁311A、311B、311Cのそれぞれと、分岐部301、混合分岐部302及び合流部303と、が別体に設けられているが、これらは必ずしも別体である必要はない。熱媒体流路切換装置310は、冷媒熱交換器513A、513B、513Cの一端部513A1、513B1、513C1に接続される熱媒体の流路を、それぞれ独立して分岐部301又は合流部303のいずれかに切り換える機能を有していればよい。したがって、熱媒体流路切換装置310(例えば、三方切換弁311A、311B、311C)は、分岐部301、混合分岐部302又は合流部303のいずれか、又はこれらの全てと一体に形成されていてもよい。
次に、本実施の形態の空気調和装置で実行される各運転モードについて説明する。本実施の形態の空気調和装置は、各室内機からの指示に基づいて、各室内機で独立して冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になっている。つまり、空気調和装置は、室内機の全部で同一運転を行うことができるとともに、室内機のそれぞれで異なる運転を行うこともできるようになっている。
本実施の形態の空気調和装置で実行される運転モードには、駆動している室内機の全てが冷房運転を行う全冷房運転モードと、駆動している室内機の全てが暖房運転を行う全暖房運転モードと、冷房運転と暖房運転とが混在する冷暖房混在運転モードと、が含まれる。以下、各運転モードについて、冷媒及び熱媒体の流れと共に説明する。
[全冷房運転モード]
図3は、本実施の形態に係る空気調和装置の全冷房運転モードにおける冷媒及び熱媒体の流れを示す図である。図3では、冷媒及び熱媒体が流れる配管を太線で示している。また、図3では、冷媒の流れ方向を破線矢印で示しており、熱媒体の流れ方向を実線矢印で示している。
図3に示す全冷房運転モードの場合、室外機100では、室外機100の制御装置の制御によりポンプ101が駆動する。これにより、熱媒体が熱媒体回路400を循環する。中継機300では、制御装置350の制御により、室外機100から中継機300に送られた熱媒体が冷媒熱交換器513A、513B、513Cに分配されるように、熱媒体流路切換装置310が切り換えられる。すなわち、三方切換弁311A、311B、311Cは、第1ポート311A1、311B1、311C1と第3ポート311A3、311B3、311C3とがそれぞれ連通するように切り換えられる。また、制御装置350の制御により、二方弁305が全開となる。これにより、混合分岐部302と合流部303とが熱媒体バイパス配管304を介して連通する。さらに、中継機300では、制御装置350の制御により、圧縮機511A、511B、511Cから吐出された冷媒がそれぞれ冷媒熱交換器513A、513B、513Cに流入するように冷媒流路切換装置512A、512B、512Cが切り換えられる。
まず、熱媒体回路400における熱媒体の流れについて説明する。ポンプ101で加圧されて流出した熱媒体は、室外機100から流出し、熱媒体配管401を通って中継機300に流入する。中継機300に流入した熱媒体は、中継機300内の分岐部301で分岐され、三方切換弁311A、311B、311Cを介して冷媒熱交換器513A、513B、513Cに供給される。冷媒熱交換器513A、513B、513Cに供給される熱媒体は、一端部513A1、513B1、513C1側から冷媒熱交換器513A、513B、513Cの熱媒体流路にそれぞれ流入する。この熱媒体は、冷媒熱交換器513A、513B、513Cで冷媒との熱交換によって加熱され、他端部513A2、513B2、513C2側から流出する。冷媒熱交換器513A、513B、513Cから流出した熱媒体は、混合分岐部302で混合され、熱媒体バイパス配管304及び合流部303を通って中継機300から流出する。中継機300から流出した熱媒体は、熱媒体配管402を通って室外機100に戻る。室外機100に戻った熱媒体は、室外熱交換器102に流入し、送風機103によって供給される室外空気との熱交換により冷却されて、再びポンプ101に流入する。
次に、冷媒回路500A、500B、500Cにおける冷媒の流れについて説明する。全冷房運転モードでは、駆動している冷媒回路500A、500B、500Cの全てで冷房運転が行われる。以下の説明では冷媒回路500Aを例に挙げるが、冷媒回路500B、500Cにおいても同様に冷媒が流れる。
中継機300内の圧縮機511Aで圧縮された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切換装置512Aを経由して冷媒熱交換器513Aの冷媒流路に流入する。冷房運転時には、冷媒熱交換器513Aは凝縮器として動作する。すなわち、冷媒熱交換器513Aの冷媒流路を流通する冷媒は、熱媒体への放熱によって凝縮液化し、高圧の液冷媒となる。冷媒熱交換器513Aから流出した液冷媒は、中継機300から流出し、冷媒配管502Aを通って室内機200Aに流入する。室内機200Aに流入した液冷媒は、絞り装置514Aで膨張させられて低温低圧の二相冷媒となる。絞り装置514Aから流出した二相冷媒は、室内熱交換器515Aに流入する。冷房運転時には、室内熱交換器515Aは蒸発器として動作する。すなわち、室内熱交換器515Aに流入した二相冷媒は、送風機201Aによって供給される室内空気から吸熱して蒸発ガス化し、低温低圧のガス冷媒となる。一方、室内熱交換器515Aを通過した室内空気は、冷媒の吸熱作用によって冷却されて冷風となる。
室内熱交換器515Aから流出したガス冷媒は、室内機200Aから流出し、冷媒配管501Aを通って中継機300に流入する。中継機300に流入したガス冷媒は、冷媒流路切換装置512Aを通り、圧縮機511Aに再び吸入される。
[全暖房運転モード]
図4は、本実施の形態に係る空気調和装置の全暖房運転モードにおける冷媒及び熱媒体の流れを示す図である。図4では、冷媒及び熱媒体が流れる配管を太線で示している。また、図4では、冷媒の流れ方向を破線矢印で示しており、熱媒体の流れ方向を実線矢印で示している。
図4に示す全暖房運転モードの場合、室外機100では、室外機100の制御装置の制御によりポンプ101が駆動する。これにより、熱媒体が熱媒体回路400を循環する。中継機300では、制御装置350の制御により、室外機100から中継機300に送られた熱媒体が冷媒熱交換器513A、513B、513Cに分配されるように、熱媒体流路切換装置310が切り換えられる。すなわち、三方切換弁311A、311B、311Cは、第1ポート311A1、311B1、311C1と第3ポート311A3、311B3、311C3とがそれぞれ連通するように切り換えられる。また、制御装置350の制御により、二方弁305が全開となる。これにより、混合分岐部302と合流部303とが熱媒体バイパス配管304を介して連通する。さらに、中継機300では、制御装置350の制御により、圧縮機511A、511B、511Cから吐出された冷媒がそれぞれ室内熱交換器515A、515B、515Cに流入するように冷媒流路切換装置512A、512B、512Cが切り換えられる。
まず、熱媒体回路400における熱媒体の流れについて説明する。ポンプ101で加圧されて流出した熱媒体は、室外機100から流出し、熱媒体配管401を通って中継機300に流入する。中継機300に流入した熱媒体は、中継機300内の分岐部301で分岐され、三方切換弁311A、311B、311Cを介して冷媒熱交換器513A、513B、513Cに供給される。冷媒熱交換器513A、513B、513Cに供給される熱媒体は、一端部513A1、513B1、513C1側から冷媒熱交換器513A、513B、513Cの熱媒体流路にそれぞれ流入する。この熱媒体は、冷媒熱交換器513A、513B、513Cで冷媒との熱交換によって冷却され、他端部513A2、513B2、513C2側から流出する。冷媒熱交換器513A、513B、513Cから流出した熱媒体は、混合分岐部302で混合され、熱媒体バイパス配管304及び合流部303を通って中継機300から流出する。中継機300から流出した熱媒体は、熱媒体配管402を通って室外機100に戻る。室外機100に戻った熱媒体は、室外熱交換器102に流入し、送風機103によって供給される室外空気との熱交換により加熱されて、再びポンプ101に流入する。
次に、冷媒回路500A、500B、500Cにおける冷媒の流れについて説明する。全暖房運転モードでは、駆動している冷媒回路500A、500B、500Cの全てで暖房運転が行われる。以下の説明では冷媒回路500Aを例に挙げるが、冷媒回路500B、500Cにおいても同様に冷媒が流れる。
中継機300内の圧縮機511Aで圧縮された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切換装置512Aを経由して中継機300から流出し、冷媒配管501Aを通って室内機200Aに流入する。室内機200Aに流入したガス冷媒は、室内熱交換器515Aに流入する。暖房運転時には、室内熱交換器515Aは凝縮器として動作する。すなわち、室内熱交換器515Aに流入したガス冷媒は、送風機201Aによって供給される室内空気に放熱して凝縮液化し、高圧の液冷媒となる。一方、室内熱交換器515Aを通過した室内空気は、冷媒の放熱作用によって加熱されて温風となる。
室内熱交換器515Aから流出した液冷媒は、絞り装置514Aで膨張させられて低温低圧の二相冷媒となる。絞り装置514Aから流出した二相冷媒は、室内機200Aから流出し、冷媒配管502Aを通って中継機300に流入する。中継機300に流入した二相冷媒は、冷媒熱交換器513Aの冷媒流路に流入する。暖房運転時には、冷媒熱交換器513Aは蒸発器として動作する。すなわち、冷媒熱交換器513Aの冷媒流路を流通する冷媒は、熱媒体からの吸熱によって蒸発ガス化し、低温低圧のガス冷媒となる。冷媒熱交換器513Aから流出したガス冷媒は、冷媒流路切換装置512Aを通り、圧縮機511Aに再び吸入される。
[冷暖房混在運転モード]
図5は、本実施の形態に係る空気調和装置の冷暖房混在運転モードにおける冷媒及び熱媒体の流れを示す図である。図5では、室内熱交換器515Aで冷熱負荷が発生し、室内熱交換器515B、515Cで温熱負荷が発生している場合を示している。すなわち、冷媒回路500Aでは冷房運転が行われ、冷媒回路500B、500Cでは暖房運転が行われる。図5では、冷媒及び熱媒体が流れる配管を太線で示している。また、図5では、冷媒の流れ方向を破線矢印で示しており、熱媒体の流れ方向を実線矢印で示している。
図5に示す冷暖房混在運転モードの場合、室外機100では、室外機100の制御装置の制御によりポンプ101が駆動する。これにより、熱媒体が熱媒体回路400を循環する。中継機300では、制御装置350の制御により、三方切換弁311A、311B、311Cが切り換えられる。冷暖房混在運転モードでは、冷房運転を行う冷媒回路500Aに対応する三方切換弁311Aと、暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cに対応する三方切換弁311B、311Cとが、互いに異なる状態に設定される。すなわち、冷房運転を行う冷媒回路500Aに対応する三方切換弁311Aは、全冷房運転モード及び全暖房運転モードと同様に、第1ポート311A1と第3ポート311A3とが連通する状態に設定される。一方、暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cに対応する三方切換弁311B、311Cは、それぞれ第2ポート311B2、311C2と第3ポート311B3、311C3とが連通する状態に設定される。また、制御装置350の制御により、二方弁305が全閉となる。これにより、室外機100から中継機300に送られた熱媒体は、冷房運転を行う冷媒回路500Aの冷媒熱交換器513Aに供給される。暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cの冷媒熱交換器513B、513Cには、冷媒熱交換器513Aから流出した熱媒体が混合分岐部302を介して供給される。
さらに、冷房運転を行う冷媒回路500Aの冷媒流路切換装置512Aは、制御装置350の制御により、圧縮機511Aから吐出された冷媒が冷媒熱交換器513Aに流入するように切り換えられる。暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cの冷媒流路切換装置512B、512Cは、制御装置350の制御により、圧縮機511B、511Cから吐出された冷媒が室内熱交換器515B、515Cに流入するように切り換えられる。
まず、熱媒体回路400における熱媒体の流れについて説明する。ポンプ101で加圧されて流出した熱媒体は、室外機100から流出し、熱媒体配管401を通って中継機300に流入する。中継機300に流入した熱媒体は、中継機300内の分岐部301及び三方切換弁311Aを介して、冷房運転を行う冷媒回路500Aの冷媒熱交換器513Aに供給される。冷媒熱交換器513Aに供給される熱媒体は、一端部513A1側から冷媒熱交換器513Aの熱媒体流路に流入する。この熱媒体は、冷媒熱交換器513Aで冷媒との熱交換によって加熱され、他端部513A2側から流出して混合分岐部302に流入する。混合分岐部302に流入した熱媒体は、暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cの冷媒熱交換器513B、513Cに分岐して供給される。冷媒熱交換器513B、513Cに供給される熱媒体は、他端部513B2、513C2側から冷媒熱交換器513B、513Cの熱媒体流路に流入する。この熱媒体は、冷媒熱交換器513B、513Cで冷媒との熱交換によって冷却され、一端部513B1、513C1側から流出する。冷媒熱交換器513B、513Cから流出した熱媒体は、三方切換弁311B、311Cを通って合流部303で合流し、中継機300から流出する。中継機300から流出した熱媒体は、熱媒体配管402を通って室外機100に戻る。室外機100に戻った熱媒体は、室外熱交換器102に流入し、送風機103によって供給される室外空気との熱交換により温熱又は冷熱の授受を行って、再びポンプ101に流入する。
次に、冷房運転を行う冷媒回路500Aにおける冷媒の流れについて説明する。中継機300内の圧縮機511Aで圧縮された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切換装置512Aを経由して冷媒熱交換器513Aの冷媒流路に流入する。冷房運転時には、冷媒熱交換器513Aは凝縮器として動作する。すなわち、冷媒熱交換器513Aの冷媒流路を流通する冷媒は、熱媒体への放熱によって凝縮液化し、高圧の液冷媒となる。冷媒熱交換器513Aから流出した液冷媒は、中継機300から流出し、冷媒配管502Aを通って室内機200Aに流入する。室内機200Aに流入した液冷媒は、絞り装置514Aで膨張させられて低温低圧の二相冷媒となる。絞り装置514Aから流出した二相冷媒は、室内熱交換器515Aに流入する。冷房運転時には、室内熱交換器515Aは蒸発器として動作する。すなわち、室内熱交換器515Aに流入した二相冷媒は、送風機201Aによって供給される室内空気から吸熱して蒸発ガス化し、低温低圧のガス冷媒となる。一方、室内熱交換器515Aを通過した室内空気は、冷媒の吸熱作用によって冷却されて冷風となる。
室内熱交換器515Aから流出したガス冷媒は、室内機200Aから流出し、冷媒配管501Aを通って中継機300に流入する。中継機300に流入したガス冷媒は、冷媒流路切換装置512Aを通り、圧縮機511Aに再び吸入される。
次に、暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cにおける冷媒の流れについて説明する。以下の説明では冷媒回路500Bを例に挙げるが、冷媒回路500Cにおいても同様に冷媒が流れる。
中継機300内の圧縮機511Bで圧縮された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切換装置512Bを経由して中継機300から流出し、冷媒配管501Bを通って室内機200Bに流入する。室内機200Bに流入したガス冷媒は、室内熱交換器515Bに流入する。暖房運転時には、室内熱交換器515Bは凝縮器として動作する。すなわち、室内熱交換器515Bに流入したガス冷媒は、送風機201Bによって供給される室内空気に放熱して凝縮液化し、高圧の液冷媒となる。一方、室内熱交換器515Bを通過した室内空気は、冷媒の放熱作用によって加熱されて温風となる。
室内熱交換器515Bから流出した液冷媒は、絞り装置514Bで膨張させられて低温低圧の二相冷媒となる。絞り装置514Bから流出した二相冷媒は、室内機200Bから流出し、冷媒配管502Bを通って中継機300に流入する。中継機300に流入した二相冷媒は、冷媒熱交換器513Bの冷媒流路に流入する。暖房運転時には、冷媒熱交換器513Bは蒸発器として動作する。すなわち、冷媒熱交換器513Bの冷媒流路を流通する冷媒は、熱媒体からの吸熱によって蒸発ガス化し、低温低圧のガス冷媒となる。冷媒熱交換器513Bから流出したガス冷媒は、冷媒流路切換装置512Bを通り、圧縮機511Bに再び吸入される。
[熱媒体配管]
以上のように、本実施の形態に係る空気調和装置は、幾つかの運転モードを具備している。これらの運転モードにおいて、室外機100と中継機300とを接続する2本の熱媒体配管401、402には、水や不凍液等の熱媒体が流れる。
[冷媒配管]
また、本実施の形態に係る空気調和装置が実行する幾つかの運転モードにおいて、中継機300と室内機200A、200B、200Cとを接続するそれぞれ2本の冷媒配管501A、502A、501B、502B、501C、502Cには、冷媒が流れる。
以上説明した通り、全冷房運転モードにおいては、室内熱交換器515A、515B、515Cは蒸発器として作用して室内空気を冷却し、冷媒熱交換器513A、513B、513Cは凝縮器として作用して熱媒体を加熱する。全暖房運転モードにおいては、室内熱交換器515A、515B、515Cは凝縮器として作用して室内空気を加熱し、冷媒熱交換器513A、513B、513Cは蒸発器として作用して熱媒体を冷却する。冷暖房混在運転モードにおいては、室内熱交換器515Aは蒸発器として作用して室内空気を冷却し、冷媒熱交換器513Aは凝縮器として作用して熱媒体を加熱する。また、同モードにおいて、室内熱交換器515B、515Cは凝縮器として作用して室内空気を加熱し、冷媒熱交換器513B、513Cは蒸発器として作用して熱媒体を冷却する。
また、室外機100は複数台設置されていてもよい。この場合、例えば、各室外機100から流出した熱媒体を合流させて熱媒体配管を流通させ、1台又は複数台の中継機300に流入するようにシステムを構成してもよい。
また、本実施の形態では、1つの筐体内に全ての部品が収容された中継機300について説明したが、中継機300は複数の筐体に分かれていてもよい。図6は、本実施の形態に係る空気調和装置の構成の第1変形例を示す概略回路構成図である。図6に示すように、本変形例では、中継機300は、4つの筐体300a、300b、300c、300dを有している。筐体300aには、圧縮機511A、冷媒流路切換装置512A及び冷媒熱交換器513A等が収容されている。筐体300bには、圧縮機511B、冷媒流路切換装置512B及び冷媒熱交換器513B等が収容されている。筐体300cには、圧縮機511C、冷媒流路切換装置512C及び冷媒熱交換器513C等が収容されている。筐体300dには、分岐部301、混合分岐部302、合流部303、熱媒体バイパス配管304、二方弁305及び熱媒体流路切換装置310等が収容されている。筐体300a、300b、300cのそれぞれと筐体300dとの間は、2本の熱媒体配管で接続されている。筐体300a、300b、300c、300dは、互いに離れた位置に設置されていてもよい。
本変形例によれば、建物600の天井裏や機械室等の非空調空間における容積、高さ、重量制限又は場所等を考慮して、中継機300の筐体300a、300b、300c、300dを設置することができる。したがって、空気調和装置の工事性や配置自由度が向上する効果が得られる。
また、本実施の形態では、分岐部301又は混合分岐部302から冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれに供給される熱媒体の流量を制御していない構成について説明したが、熱媒体の流量を制御してもよい。図7は、本実施の形態に係る空気調和装置の構成の第2変形例を示す概略回路構成図である。図7に示すように、本変形例では、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱媒体流路の一方の出入口(すなわち、冷媒熱交換器513A、513B、513Cと三方切換弁311A、311B、311Cとの間)に設けられた温度センサー321A、321B、321Cと、他方の出入口(すなわち、冷媒熱交換器513A、513B、513Cと混合分岐部302との間)に設けられた温度センサー322A、322B、322Cと、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱媒体流路に供給される熱媒体の流量を調整する熱媒体流量調整装置320A、320B、320Cと、が設けられている。
温度センサー321A、321B、321Cは、それぞれ、三方切換弁311A、311B、311Cと冷媒熱交換器513A、513B、513Cとの間を流通する熱媒体の温度(熱媒体の温度を推定可能な配管温度を含む)を検出し、検出信号を制御装置350に出力するものである。温度センサー322A、322B、322Cは、それぞれ、冷媒熱交換器513A、513B、513Cと混合分岐部302との間を流通する熱媒体の温度(熱媒体の温度を推定可能な配管温度を含む)を検出し、検出信号を制御装置350に出力するものである。熱媒体流量調整装置320A、320B、320Cは、例えば、開度(開口面積)を制御できる二方弁や、流量可変のポンプ等を用いて構成することができる。熱媒体流量調整装置320Aは、制御装置350により、温度センサー321Aの検出温度と温度センサー322Aの検出温度との温度差が大きくなるほど熱媒体の流量が大きくなるように制御される。熱媒体流量調整装置320B、320Cについても同様に制御される。本変形例によれば、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱交換量に応じて熱媒体の流量を調整できるため、ポンプ動力を削減でき、より効率良く空気調和装置を運転できる効果が得られる。
なお、熱媒体流量調整装置320A、320B、320Cとしては、ステッピングモーター駆動式で熱媒体の流量を制御できるものを使用するとよい。また、熱媒体流量調整装置320A、320B、320Cとしては、二方弁以外にも、三方弁や四方弁の不使用のポートを閉止したものを用いることもできる。
また、本実施の形態では、ポンプ101が室外機100に設けられた構成について説明したが、ポンプ101を中継機300に設け、中継機300のポンプ101によって室外機100と中継機300との間で熱媒体を循環させるようにしてもよい。
図8は、本実施の形態に係る空気調和装置の構成の第3変形例を示す概略回路構成図である。図8に示すように、本変形例の中継機300にはポンプ101が設けられている。さらに中継機300には、中継機300内で熱媒体を循環させるための第2の熱媒体バイパス配管330及び第2の熱媒体流路切換装置331が設けられている。
熱媒体バイパス配管330の一端は、中継機300内の熱媒体回路400のうち、熱媒体の流れにおいて分岐部301よりも上流側に接続されている。図8に示す例では、ポンプ101が分岐部301よりも上流側に設けられているため、熱媒体バイパス配管330の一端は、ポンプ101よりもさらに上流側に接続されている。熱媒体バイパス配管330の他端は、中継機300内の熱媒体回路400のうち、熱媒体の流れにおいて合流部303よりも下流側に接続されている。
熱媒体流路切換装置331は、熱媒体配管401、402を介して中継機300と室外機100との間で熱媒体を循環させる流路と、熱媒体バイパス配管330を介して中継機300内で熱媒体を循環させる流路と、を制御装置350の制御によって切り換えるものである。熱媒体流路切換装置331としては、三方弁を用いてもよいし、複数の二方弁を用いてもよい。
本変形例によれば、全ての室内機200A、200B、200Cにおける冷房負荷と暖房負荷とがほぼ等しい場合などに、熱媒体を室外機100へ送ることなく中継機300内で熱媒体を循環させることができる。したがって、ポンプ動力を低減できる効果が得られる。
図9は、本実施の形態に係る空気調和装置の構成の第4変形例を示す概略回路構成図である。図9に示すように、本変形例では、ポンプ101が中継機300に設けられていることに加え、室外機100には送風機103が設けられておらず室外熱交換器102だけが設けられている。本変形例では、室外熱交換器102として、地中に埋設される熱交換パイプ104が用いられている。本変形例によれば、比較的温度変化が小さい地中熱を用いることができるため、空気調和装置を効率良く運転することができる。また、本変形例によれば、室外機100にポンプ及び送風機を収容する必要がないことに加え、室外機100への電力供給が不要になるため、室外機100の構造を簡素化でき、室外機100の工事性を向上できる。
また、本実施の形態で説明した熱媒体流路切換装置310には、三方切換弁311A、311B、311Cが用いられているが、熱媒体流路切換装置310には流路を開閉する二方弁(開閉弁)を複数組み合わせて用いてもよいし、流路を切り換えられる構成であればどのようなものを用いてもよい。また、熱媒体流路切換装置310には、ステッピングモーター駆動式の混合弁等のように三方流路の流量を変化させられるものを用いてもよいし、電子式膨張弁等の二方流路の流量を変化させられるものを2つ組み合わせて用いてもよい。この場合、流路が急激に開閉されることによるウォーターハンマーを防ぐこともできる。
また、本実施の形態では、冷媒流路切換装置512A、512B、512Cとして四方弁を例に挙げたが、二方弁や三方切換弁を複数個用い、四方弁と同様の流路の切換えができるように構成してもよい。
また、本実施の形態では、室内熱交換器及び絞り装置が複数組接続された空気調和装置を例に挙げたが、室内熱交換器及び絞り装置が1組しか接続されていない空気調和装置にも本発明を適用可能であることは言うまでもない。さらに、冷媒熱交換器及び絞り装置として、同じ動きをするものが複数個設置されていても、当然問題ない。
また、本実施の形態では、絞り装置514A、514B、514Cが室内機200A、200B、200Cに内蔵されている構成を例に挙げたが、絞り装置514A、514B、514Cは、中継機300に内蔵されていてもよいし、室内機200A、200B、200C及び中継機300とは別体に構成されていてもよい。
また、本実施の形態では、圧縮機511A、511B、511C及び冷媒流路切換装置512A、512B、512Cが中継機300に内蔵されている構成を例に挙げたが、圧縮機511A、511B、511C及び冷媒流路切換装置512A、512B、512Cは、室内機200A、200B、200Cに内蔵されていてもよいし、室内機200A、200B、200C及び中継機300とは別体に構成されていてもよい。
一般に、HFO−1234yfやHFO−1234ze(E)等のように低圧側のガス密度が小さい冷媒を使用する場合には、冷媒の圧力損失により空気調和装置の性能は大きく低下する。これに対し、本実施の形態では、室外機100から中継機300までの熱輸送に液状の熱媒体を用いるため、圧力損失による空気調和装置の性能低下を抑えることができる。ただし、本実施の形態に用いられる冷媒は、上記の冷媒には限られない。例えば、R22、HFO−134a、R32等の単一冷媒、R410A、R404A等の擬似共沸混合冷媒、R407C等の非共沸混合冷媒、CO2等の自然冷媒を用いることができるし、これらを含む混合冷媒を用いることもできる。なお、冷媒熱交換器513A、513B、513Cが放熱器として動作する冷房運転において、二相変化をする冷媒が用いられている場合には、当該冷媒は冷媒熱交換器513A、513B、513Cで凝縮液化する。一方、CO2等の超臨界状態となる冷媒が用いられている場合には、当該冷媒は冷媒熱交換器513A、513B、513Cで超臨界状態のまま冷却される。しかしながら、どちらの冷媒が用いられていてもその他は同じ動きをするため、本実施の形態では、二相変化をする冷媒又は超臨界状態となる冷媒のいずれが用いられても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態の空気調和装置において、中継機300及び室内機200A、200B、200Cは主に建物600内に設置される。このため、冷媒として、R22、HFO−134a、R410A、R404A、R407C等の不燃性の冷媒が用いられると、空気調和装置の安全性をより高めることができる。
また、本実施の形態では、冷媒回路500A、500B、500Cが複数に分けられているため、冷媒の漏洩が生じたとしても、室内への冷媒漏洩量を小さくすることができる。したがって、冷媒として、HFO−1234yf、HFO−1234ze(E)、R32等の微燃性冷媒(ASHRAE(American Society of Heating,Refrigerating and Air−Conditioning Engineers)の区分でA2Lに分類される冷媒)が用いられる場合においても、高い安全性が得られる。さらに、CO2等の高圧側で超臨界状態となる冷媒、プロパン(R290)等の強燃性冷媒、又はその他の冷媒が用いられる場合であっても、同様の効果が得られる。
空気調和装置に可燃性冷媒が使用される場合、冷媒回路に封入する冷媒量は、その空気調和装置が設置される空間(部屋)の容積によって上限値が定められている。空間の冷媒濃度がLFL(燃焼下限界。Lower Flammable Limit)を超えており、かつ当該空間に着火源があると、冷媒が着火する。ASHRAEの規定では、可燃性冷媒の封入量がLFL[kg/m3]×4[m3]以下である場合は、機器を設置する空間の容積に規定はなく、どんな大きさの空間に設置してもよいと定められている。
可燃性冷媒のうち、R32、HFO−1234yf、HFO−1234ze(E)等の微燃性冷媒が使用される場合、機器に封入された冷媒量がLFL[kg/m3]×4[m3]×1.5以下であれば、機器を設置する空間の容積に規定はなく、どんな大きさの空間に設置してもよいと定められている。例えば、R32のLFLは0.306kg/m3であるため、封入量が1.836kg以下であれば、機器の設置位置の制約がなくなる。また、HFO−1234yfのLFLは0.289kg/m3であるため、封入量が1.734kg以下であれば、機器の設置位置の制約がなくなる。
本実施の形態では、冷媒回路500A、500B、500Cが複数に分けられているため、冷媒回路500A、500B、500Cのそれぞれに、R32の場合は1.8kg以下、HFO−1234yfの場合は1.7kg以下の冷媒を封入するようにするとよい。R32とHFO−1234yfとの混合冷媒の場合は、混合比率で計算される限界冷媒量以下の冷媒を封入するようにするとよい。このようにすれば、冷媒回路500A、500B、500Cの設置位置に制約がなくなり、どこにでも設置できるようになる。
可燃性が強い強燃性冷媒(ISO及びASHRAEの区分でA3)であるプロパン(R290)のLFLは、0.038kg/m3である。このため、プロパンを使用する場合、冷媒回路500A、500B、500Cのそれぞれに封入する冷媒量を0.152kg以下にすれば、機器の設置位置の制約がなくなるとともに安全に使用できる。
冷媒回路内に封入する冷媒量を少なくするためには、要素機器の容量を小さくする必要がある。よって、中継機300に搭載する圧縮機511A、511B、511Cは、使用する冷媒がR32の場合は1.8kg以下、HFO−1234yfの場合は1.7kg以下、プロパンの場合は0.15kg以下の封入冷媒量となるような容量(冷却能力)の圧縮機とするのが望ましい。中継機300が発揮できる能力(冷却熱量又は加熱熱量)よりも建物の空調負荷が大きい場合は、1台の室外機100に複数台の中継機300を接続するようにすればよい。
一般的に、可燃性冷媒には、GWP(地球温暖化係数。Global Warming Potential)が小さいものが多い。例えば、強燃性冷媒であるプロパン(R290)のGWPは6であり、微燃性冷媒であるHFO−1234yfのGWPは4であり、HFO−1234ze(E)のGWPは6である。
熱媒体としては、例えばブライン(不凍液)や水、ブラインと水の混合液、水と防食効果が高い添加剤との混合液等を用いることができる。このように、熱媒体には安全性の高いものを用いることができるため、中継機300から熱媒体が漏洩したとしても、安全性を確保することができる。また、室外機100と中継機300との間を、冷媒ではなく熱媒体を循環させているため、システム全体での冷媒量を少なくすることができる。
また、本実施の形態では、熱媒体として、運転中に二相変化もせず超臨界状態にもならない水や不凍液を使用する場合について説明した。しかしながら、熱媒体としては、冷媒を使用することもでき、冷媒回路500A、500B、500Cに用いられる冷媒と同様の種類の冷媒を使用することもできる。その場合、ポンプ101として冷媒ポンプを使用する。ポンプ101は、室外機100と中継機300との間で温熱又は冷熱を搬送するものであり、これは冷媒ポンプを使用した場合でも同様である。圧縮機は、圧縮機の前後の圧力差が所定値以上でないと動作に不具合が出る構造となっているが、ポンプは、熱搬送媒体としての冷媒を搬送するものであるため、ポンプの前後であまり大きな圧力差が生じない状態でも運転できる構造となっている。
また、本実施の形態では、室外機100と中継機300とを設置し、室外機100と中継機300とを熱媒体配管401、402で接続する場合について説明した。しかし、室外機100の設置場所の確保が困難な場合、又は室外機100から中継機300まで熱媒体配管401、402を引き回すのが困難な場合等には、空気調和装置を設置する建物に水道等の水源が完備されていれば、室外機100を設置せずに水道等の水源を直接中継機300に接続し、水源から供給される水を熱媒体として使用するようにしてもよい。ただし、この場合、冷媒熱交換器513A、513B、513Cを流れる熱媒体の温度は水源によって決まるため、熱媒体の温度を調整することができない。そのため、水源の温度が変化すると、冷媒回路500A、500B、500Cの高圧及び低圧が変動する。よって、室外機100を使用する場合に比べて、空気調和装置としての動作は多少不安定になるが、この場合でも、冷媒回路500A、500B、500Cを用いて空調対象空間の空気を冷却及び加熱することはできる。
図10は、本実施の形態に係る空気調和装置の構成の第5変形例を示す概略回路構成図である。図10に示すように、本変形例では、室外機100に設けられる室外熱交換器として、冷却塔105が用いられている。冷却塔105は、熱媒体と室外空気とを直接接触させて熱交換を行う直接接触式熱交換器である。本変形例によれば、熱媒体と室外空気との熱交換を高効率で行うことができるため、より効率良く空気調和装置を運転できる効果が得られる。
図11は、本実施の形態に係る空気調和装置の構成の第6変形例を示す概略回路構成図である。図11に示すように、本変形例では、室外機100内で熱媒体を循環させるように接続した室外機側熱媒体バイパス配管106と、三方弁又は2つの二方弁などからなる室外機側熱媒体流路切換装置107と、が室外機100に設けられている。室外機側熱媒体バイパス配管106は、熱媒体を室外機100内で循環させる循環流路を構成するものである。室外機側熱媒体流路切換装置107は、室外機100の制御装置の制御により、熱媒体を中継機300にまで循環させる流路と、熱媒体を室外機側熱媒体バイパス配管106にバイパスさせる流路と、を切り換えるものである。
室外機側熱媒体バイパス配管106及び室外機側熱媒体流路切換装置107が設けられていることにより、熱媒体を室外機100内で循環させることができる。このため、全暖房運転モード又は冷暖房混在運転モードにおいて室外熱交換器102に発生した霜を、ポンプ101の発熱等によって溶融させることができる。さらに、熱媒体を室外機100内で循環させる循環流路には、ヒーター、ボイラー又はヒートポンプ等の加熱装置108が設けられていてもよい。加熱装置108は、例えば、室外機100の制御装置の制御により動作する。加熱装置108が設けられることにより、室外熱交換器102に発生した霜をさらに短時間で溶融させることができる。
また、本実施の形態では、冷媒回路500A、500B、500Cのそれぞれに1台の室内機200A、200B、200Cが接続された構成について説明したが、これに限るものではない。冷媒回路500A、500B、500Cの少なくとも1つには、同一の運転モード(冷房/暖房)で駆動する複数台の室内機が接続されていてもよい。
図12は、本実施の形態に係る空気調和装置の構成の第7変形例を示す概略回路構成図である。図12に示すように、本変形例では、複数の冷媒回路のうちの少なくとも1つの冷媒回路500Cに、複数台の室内機200C1、200C2が接続されている。また、冷媒回路500Cには、冷房運転モードで駆動する室内機へ供給する冷媒と、暖房運転モードで駆動する室内機へ供給する冷媒と、を各室内機200C1、200C2の運転モードに応じて切り換える冷媒分流装置520が設けられている。この構成によれば、冷媒回路500Cに接続された複数の室内機200C1、200C2においても、冷房運転と暖房運転とを混在させることができる。
また、本実施の形態の室外機100には、室外熱交換器102に室外空気を送風して熱媒体と室外空気との伝熱を促進させる送風機103が設けられており、本実施の形態の室内機200A、200B、200Cには、室内熱交換器515A、515B、515Cに室内空気を送風して冷媒と室内空気との伝熱を促進させる送風機201A、201B、201Cが設けられているが、本発明はこれらの構成に限るものではない。例えば、室内熱交換器515A、515B、515Cとしては、放射を利用したパネルヒータのようなものを用いることができるし、室外熱交換器102としては、水又は不凍液により熱を移動させる水冷式の熱交換器を用いることができる。このように、室外熱交換器102及び室内熱交換器515A、515B、515Cとしては、外部流体等に対して吸熱又は放熱を行うことができる構造であればどのようなものでも用いることができる。
また、本実施の形態では、中継機300内の各冷媒回路500A、500B、500Cにおいて、圧縮機511A、511B、511Cの吸入側にアキュムレータがない構成としたが、これに限るものではない。各冷媒回路500A、500B、500Cは、圧縮機511A、511B、511Cの吸入側にアキュムレータを備えていてもよい。
また、本実施の形態では、冷媒回路500A、500B、500Cのそれぞれに1つの冷媒熱交換器513A、513B、513Cが接続された構成について説明したが、これに限るものではない。熱媒体との熱交換により冷媒を加熱又は冷却できるように構成されていれば、冷媒回路500A、500B、500Cのそれぞれに複数の冷媒熱交換器が接続されていてもよい。
また、本実施の形態では、室外機100に1台のポンプ101が設けられた構成について説明したが、室外機100から中継機300に至る熱媒体配管に1つ又は複数のポンプが設けられていてもよい。
また、熱媒体を導通させる熱媒体配管は、主に屋外空間に配置されている。このため、特に寒冷地において、屋外空間の温度が低下する冬期には、熱媒体配管内の熱媒体が凍結する可能性がある。したがって、熱媒体としては、ブライン等の不凍液を用いるのが望ましい。
本実施の形態によれば、室外機100と中継機300との間の熱媒体回路400に熱媒体を循環させることにより、冷媒回路500A、500B、500Cにおける冷媒配管の配管長を短くすることができる。したがって、冷媒の充填量を低減できるとともに、冷媒配管の配管径を小さくすることができる。
また、本実施の形態では、冷媒回路が複数の冷媒回路500A、500B、500Cで構成されているため、1つの冷媒回路における冷媒充填量をより少なくすることができる。したがって、万一、冷媒の漏洩が生じたとしても、室内への冷媒漏洩量を少なくすることができる。
また、本実施の形態では、中継機300と室内機200A、200B、200Cのそれぞれとが2本の冷媒配管で接続されるため、空気調和装置を設置する際の工事性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、冷房で発生した排熱を暖房に利用することができるため、冷暖房混在運転を効率良く行うことができる。
また、本実施の形態では、室外熱交換器102と室内熱交換器515A、515B、515Cとの間における熱の授受を、熱媒体と冷媒との1回の熱交換を介して行うことができる。したがって、室外熱交換器と室内熱交換器との間における熱の授受を複数回の熱交換を介して行う空気調和装置(例えば、中継機内に2段の熱交換器が設けられ、1段目の熱交換器で第1の熱媒体と冷媒との熱交換を行い、さらに2段目の熱交換器で冷媒と第2の熱媒体との熱交換を行う空気調和装置)と比較すると、冷房及び暖房の効率を高めることができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る空気調和装置について説明する。図13は、本実施の形態に係る空気調和装置の構成の一例を示す概略回路構成図である。なお、本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
[中継機]
中継機300には、混合分岐部302と合流部303とを接続する熱媒体バイパス配管304と、熱媒体バイパス配管304内を流れる熱媒体の流量を調整する熱媒体バイパス流量調整弁306と、分岐部301と混合分岐部302とを接続する熱媒体バイパス配管307と、熱媒体バイパス配管307内を流れる熱媒体の流量を調整する熱媒体バイパス流量調整弁308と、が搭載されている。制御装置350は、全冷房運転モード及び全暖房運転モードの場合には、熱媒体バイパス流量調整弁306、308が全閉となるように制御する。また、制御装置350は、他の運転モード(例えば、後述する冷房主体運転モード及び暖房主体運転モード)の場合、全ての室内機200A、200B、200Cにおける冷房負荷と暖房負荷とのバランス等に基づいて、熱媒体バイパス流量調整弁306、308の開度を制御する。
後述するように、中継機300には、任意の構成要素である差圧センサー341、342が搭載されていてもよい。その他の構成については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
次に、本実施の形態の空気調和装置で実行される各運転モードについて説明する。本実施の形態の空気調和装置は、各室内機からの指示に基づいて、各室内機で独立して冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になっている。つまり、空気調和装置は、室内機の全部で同一運転を行うことができるとともに、室内機のそれぞれで異なる運転を行うこともできるようになっている。
本実施の形態の空気調和装置で実行される運転モードには、駆動している室内機の全てが冷房運転を行う全冷房運転モードと、駆動している室内機の全てが暖房運転を行う全暖房運転モードと、冷房運転と暖房運転とが混在し冷房負荷が暖房負荷よりも大きい冷房主体運転モードと、冷房運転と暖房運転とが混在し暖房負荷が冷房負荷よりも大きい暖房主体運転モードと、が含まれる。以下、主に冷房主体運転モード及び暖房主体運転モードについて、冷媒及び熱媒体の流れと共に説明する。なお、全冷房運転モード及び全暖房運転モードでは、熱媒体バイパス流量調整弁306、308がいずれも全閉となるため、熱媒体が熱媒体バイパス配管304、307を流れなくなる。これにより、熱媒体及び冷媒は、図3及び図4に示した実施の形態1の全冷房運転モード及び全暖房運転モードと同様に流れる。したがって、全冷房運転モード及び全暖房運転モードについての説明は省略する。
[冷房主体運転モード]
図14は、本実施の形態に係る空気調和装置の冷房主体運転モードにおける冷媒及び熱媒体の流れを示す図である。図14では、室内熱交換器515A、515Bで冷熱負荷が発生し、室内熱交換器515Cで温熱負荷が発生している場合を示している。すなわち、冷媒回路500A、500Bでは冷房運転が行われ、冷媒回路500Cでは暖房運転が行われる。図14では、冷媒及び熱媒体が流れる配管を太線で示している。また、図14では、冷媒の流れ方向を破線矢印で示しており、熱媒体の流れ方向を実線矢印で示している。
図14に示す冷房主体運転モードの場合、室外機100では、室外機100の制御装置の制御によりポンプ101が駆動する。これにより、熱媒体が熱媒体回路400を循環する。中継機300では、制御装置350の制御により、冷房運転を行う冷媒回路500A、500Bに対応する三方切換弁311A、311Bが、それぞれ第1ポート311A1、311B1と第3ポート311A3、311B3とが連通する状態に設定される。一方、暖房運転を行う冷媒回路500Cに対応する三方切換弁311Cは、第2ポート311C2と第3ポート311C3とが連通する状態に設定される。これにより、室外機100から中継機300に送られた熱媒体は、冷房運転を行う冷媒回路500A、500Bの冷媒熱交換器513A、513Bに供給される。暖房運転を行う冷媒回路500Cの冷媒熱交換器513Cには、冷媒熱交換器513A、513Bから流出した熱媒体が混合分岐部302を介して供給される。
また、中継機300では、制御装置350の制御により、熱媒体バイパス流量調整弁308が全閉となり、熱媒体バイパス流量調整弁306が所定の開度に設定される。熱媒体バイパス流量調整弁306の開度は、全ての室内機200A、200B、200Cにおける冷房負荷と暖房負荷とのバランス等に基づき調整される。これにより、分岐部301と混合分岐部302との間における熱媒体バイパス配管307を介した熱媒体の流れは遮断され、混合分岐部302と合流部303との間は熱媒体バイパス配管304を介して連通する。
さらに、冷房運転を行う冷媒回路500A、500Bの冷媒流路切換装置512A、512Bは、制御装置350の制御により、圧縮機511A、511Bから吐出された冷媒が冷媒熱交換器513A、513Bに流入するように切り換えられる。暖房運転を行う冷媒回路500Cの冷媒流路切換装置512Cは、制御装置350の制御により、圧縮機511Cから吐出された冷媒が室内熱交換器515Cに流入するように切り換えられる。
まず、熱媒体回路400における熱媒体の流れについて説明する。ポンプ101で加圧されて流出した熱媒体は、室外機100から流出し、熱媒体配管401を通って中継機300に流入する。中継機300に流入した熱媒体は、中継機300内の分岐部301で分岐され、三方切換弁311A、311Bを介して、冷房運転を行う冷媒回路500A、500Bの冷媒熱交換器513A、513Bに供給される。冷媒熱交換器513A、513Bに供給される熱媒体は、一端部513A1、513B1側から冷媒熱交換器513A、513Bの熱媒体流路にそれぞれ流入する。この熱媒体は、冷媒熱交換器513A、513Bで冷媒との熱交換によって加熱され、他端部513A2、513B2側から流出して混合分岐部302に流入する。
混合分岐部302に流入した熱媒体のうちの一部は、暖房運転を行う冷媒回路500Cの冷媒熱交換器513Cに供給される。冷媒熱交換器513Cに供給される熱媒体は、他端部513C2側から冷媒熱交換器513Cの熱媒体流路に流入する。この熱媒体は、冷媒熱交換器513Cで冷媒との熱交換によって冷却され、一端部513C1側から流出する。冷媒熱交換器513Cから流出した熱媒体は、三方切換弁311Cを通って合流部303に流入する。一方、混合分岐部302に流入した熱媒体のうちの残りは、熱媒体バイパス配管304を通って合流部303に流入する。合流部303では、冷媒熱交換器513Cを通過した熱媒体と、熱媒体バイパス配管304を通過した熱媒体とが合流する。合流部303で合流した熱媒体は、中継機300から流出し、熱媒体配管402を通って室外機100に戻る。室外機100に戻った熱媒体は、室外熱交換器102に流入し、送風機103によって供給される室外空気との熱交換により温熱又は冷熱の授受を行って、再びポンプ101に流入する。
冷房運転を行う冷媒回路500A、500Bにおける冷媒の流れは、実施の形態1の冷暖房混在モードの冷媒回路500Aと同様である。暖房運転を行う冷媒回路500Cにおける冷媒の流れは、実施の形態1の冷暖房混在モードの冷媒回路500B、500Cと同様である。よって、冷媒の流れについては説明を省略する。
[暖房主体運転モード]
図15は、本実施の形態に係る空気調和装置の暖房主体運転モードにおける冷媒及び熱媒体の流れを示す図である。図15では、室内熱交換器515Aで冷熱負荷が発生し、室内熱交換器515B、515Cで温熱負荷が発生している場合を示している。すなわち、冷媒回路500Aでは冷房運転が行われ、冷媒回路500B、500Cでは暖房運転が行われる。図15では、冷媒及び熱媒体が流れる配管を太線で示している。また、図15では、冷媒の流れ方向を破線矢印で示しており、熱媒体の流れ方向を実線矢印で示している。
図15に示す暖房主体運転モードの場合、室外機100では、室外機100の制御装置の制御によりポンプ101が駆動する。これにより、熱媒体が熱媒体回路400を循環する。中継機300では、制御装置350の制御により、冷房運転を行う冷媒回路500Aに対応する三方切換弁311Aが、第1ポート311A1と第3ポート311A3とが連通する状態に設定される。一方、暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cに対応する三方切換弁311B、311Cは、それぞれ第2ポート311B2、311C2と第3ポート311B3、311C3とが連通する状態に設定される。これにより、室外機100から中継機300に送られた熱媒体は、冷房運転を行う冷媒回路500Aの冷媒熱交換器513Aに供給される。暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cの冷媒熱交換器513B、513Cには、冷媒熱交換器513Aから流出した熱媒体が混合分岐部302を介して供給される。
また、中継機300では、制御装置350の制御により、熱媒体バイパス流量調整弁308が所定の開度に設定され、熱媒体バイパス流量調整弁306が全閉となる。熱媒体バイパス流量調整弁308の開度は、全ての室内機200A、200B、200Cにおける冷房負荷と暖房負荷とのバランス等に基づき調整される。これにより、分岐部301と混合分岐部302との間は熱媒体バイパス配管307を介して連通し、混合分岐部302と合流部303との間における熱媒体バイパス配管304を介した熱媒体の流れは遮断される。
さらに、冷房運転を行う冷媒回路500Aの冷媒流路切換装置512Aは、制御装置350の制御により、圧縮機511Aから吐出された冷媒が冷媒熱交換器513Aに流入するように切り換えられる。暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cの冷媒流路切換装置512B、512Cは、制御装置350の制御により、圧縮機511B、511Cから吐出された冷媒が室内熱交換器515B、515Cに流入するように切り換えられる。
まず、熱媒体回路400における熱媒体の流れについて説明する。ポンプ101で加圧されて流出した熱媒体は、室外機100から流出し、熱媒体配管401を通って中継機300の分岐部301に流入する。分岐部301に流入した熱媒体のうちの一部は、三方切換弁311Aを介して、冷房運転を行う冷媒回路500Aの冷媒熱交換器513Aに供給される。冷媒熱交換器513Aに供給される熱媒体は、一端部513A1側から冷媒熱交換器513Aの熱媒体流路に流入する。この熱媒体は、冷媒熱交換器513Aで冷媒との熱交換によって加熱され、他端部513A2側から流出して混合分岐部302に流入する。分岐部301に流入した熱媒体のうちの残りは、熱媒体バイパス配管307を通って混合分岐部302に流入する。混合分岐部302では、冷媒熱交換器513Cを通過した熱媒体と、熱媒体バイパス配管307を通過した熱媒体とが合流して混合される。
混合分岐部302で混合された熱媒体は、暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cの冷媒熱交換器513B、513Cに供給される。冷媒熱交換器513B、513Cに供給される熱媒体は、他端部513B2、513C2側から冷媒熱交換器513B、513Cの熱媒体流路にそれぞれ流入する。この熱媒体は、冷媒熱交換器513B、513Cで冷媒との熱交換によって冷却され、一端部513B1、513C1側から流出する。冷媒熱交換器513B、513Cから流出した熱媒体は、三方切換弁311B、311Cを通って合流部303で合流し、中継機300から流出する。中継機300から流出した熱媒体は、熱媒体配管402を通って室外機100に戻る。室外機100に戻った熱媒体は、室外熱交換器102に流入し、送風機103によって供給される室外空気との熱交換により温熱又は冷熱の授受を行って、再びポンプ101に流入する。
冷房運転を行う冷媒回路500Aにおける冷媒の流れは、実施の形態1の冷暖房混在モードの冷媒回路500Aと同様である。暖房運転を行う冷媒回路500B、500Cにおける冷媒の流れは、実施の形態1の冷暖房混在モードの冷媒回路500B、500Cと同様である。よって、冷媒の流れについては説明を省略する。
本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。すなわち、本実施の形態では、分岐部301と混合分岐部302との間、及び混合分岐部302と合流部303との間で、運転モードに応じて熱媒体の一部を熱媒体バイパス配管307、304を介してバイパスさせることができる。これにより、冷房主体運転モードの場合には、冷媒熱交換器513Cで生じる熱媒体の圧力損失を低減でき、暖房主体運転モードの場合には、冷媒熱交換器513Aで生じる熱媒体の圧力損失を低減できる。したがって、冷暖房混在運転を効率良く行うことができる。
また、図13〜図15に示したように、中継機300には、任意の構成要素である差圧センサー341、342が搭載されていてもよい。差圧センサー341は、混合分岐部302内の熱媒体と合流部303内の熱媒体との差圧を検出し、検出信号を制御装置350に出力するものである。差圧センサー342は、分岐部301内の熱媒体と混合分岐部302内の熱媒体との差圧を検出し、検出信号を制御装置350に出力するものである。制御装置350は、例えば、差圧センサー341、342からの検出信号に基づいて熱媒体バイパス流量調整弁306、308の開度を制御することができる。
例えば、制御装置350は、差圧センサー341で検出される混合分岐部302及び合流部303間の差圧が、予め設定された閾値以下である場合には、熱媒体バイパス流量調整弁306を全閉にする。上記の閾値はゼロであってもよい。また、制御装置350は、混合分岐部302及び合流部303間の差圧が上記の閾値よりも大きい場合には、差圧が大きくなるほど熱媒体バイパス流量調整弁306の開度が大きくなるように熱媒体バイパス流量調整弁306を制御する。これにより、熱媒体バイパス配管304を流れる熱媒体の流量を調整できる。
同様に、制御装置350は、差圧センサー342で検出される分岐部301及び混合分岐部302間の差圧が、予め設定された閾値以下である場合には、熱媒体バイパス流量調整弁308を全閉にする。上記の閾値はゼロであってもよい。また、制御装置350は、分岐部301及び混合分岐部302間の差圧が上記の閾値よりも大きい場合には、差圧が大きくなるほど熱媒体バイパス流量調整弁308の開度が大きくなるように熱媒体バイパス流量調整弁308を制御する。これにより、熱媒体バイパス配管307を流れる熱媒体の流量を調整できる。
このように、差圧センサー341、342が設けられた構成によれば、冷媒熱交換器で生じる圧力損失を低減できるとともに、熱媒体バイパス配管304、307に必要以上の流量の熱媒体が流れるのを防ぐことができる。したがって、冷暖房の混在した運転モードを効率良く実行することができる。
以上説明したように、上記実施の形態に係る空気調和装置は、室外機100、中継機300及び複数の室内機200A、200B、200Cと、液状熱媒体を室外機100と中継機300との間で循環させる熱媒体回路400と、運転中に二相変化する冷媒、又は運転中に超臨界状態となる冷媒を中継機300と複数の室内機200A、200B、200Cのそれぞれとの間で循環させる複数の冷媒回路500A、500B、500Cと、を備え、複数の冷媒回路500A、500B、500Cのそれぞれには、圧縮機511A、511B、511Cと、冷媒と液状熱媒体との熱交換を行う冷媒熱交換器513A、513B、513Cと、絞り装置514A、514B、514Cと、室内熱交換器515A、515B、515Cと、が接続されており、複数の冷媒回路500A、500B、500Cのそれぞれは、室内熱交換器515A、515B、515Cが蒸発器として動作する冷房運転と、室内熱交換器515A、515B、515Cが放熱器として動作する暖房運転と、を行うことが可能であり、熱媒体回路400には、ポンプ101と、室外熱交換器102と、複数の冷媒熱交換器513A、513B、513Cと、第1のヘッダータンク(本例では、分岐部301)と、第2のヘッダータンク(本例では、混合分岐部302)と、第3のヘッダータンク(本例では、合流部303)と、熱媒体流路切換装置310と、が接続されており、室外熱交換器102は、室外機100に収容されており、複数の冷媒熱交換器513A、513B、513C、第1のヘッダータンク(本例では、分岐部301)、第2のヘッダータンク(本例では、混合分岐部302)、第3のヘッダータンク(本例では、合流部303)及び熱媒体流路切換装置310は、中継機300に収容されており、室内熱交換器515A、515B、515Cは、複数の室内機200A、200B、200Cのそれぞれに収容されており、第1のヘッダータンク(本例では、分岐部301)は、室外機100から中継機300に液状熱媒体を供給する第1の熱媒体配管401に接続されるとともに、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱媒体流路の一端部513A1、513B1、513C1に熱媒体流路切換装置310を介して接続されており、第2のヘッダータンク(本例では、混合分岐部302)は、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱媒体流路の他端部513A2、513B2、513C2に接続されており、第3のヘッダータンク(本例では、合流部303)は、中継機300から室外機100に液状熱媒体を戻す第2の熱媒体配管402に接続されるとともに、冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれの熱媒体流路の一端部513A1、513B1、513C1に熱媒体流路切換装置310を介して接続されており、熱媒体流路切換装置310は、冷房運転を行う冷媒回路と暖房運転を行う冷媒回路とが混在する冷暖房混在運転モードにおいて、冷房運転を行う冷媒回路に接続された冷媒熱交換器(図5に示す例では、冷媒熱交換器513A)の熱媒体流路と第1のヘッダータンク(本例では、分岐部301)とが連通し、暖房運転を行う冷媒回路に接続された冷媒熱交換器(図5に示す例では、冷媒熱交換器513B、513C)の熱媒体流路と第3のヘッダータンク(本例では、合流部303)とが連通するように切り換えられるものである。
この構成によれば、室外機100と中継機300との間の熱媒体回路400には熱媒体が循環し、中継機300と室内機200A、200B、200Cとの間の冷媒回路500A、500B、500Cには冷媒が循環する。これにより、冷媒配管の配管長を短くすることができるため、冷媒の充填量を低減できるとともに、冷媒配管の配管径を小さくすることができる。
また、この構成によれば、冷暖房混在運転モードにおいて、冷房運転を行う冷媒回路に接続された冷媒熱交換器513Aには、室外機100からの熱媒体が分岐部301及び熱媒体流路切換装置310を介して供給される。冷媒熱交換器513Aに供給された熱媒体は、冷媒から吸熱して冷媒熱交換器513Aから流出する。暖房運転を行う冷媒回路に接続された冷媒熱交換器513B、513Cには、冷媒熱交換器513Aから流出した熱媒体が混合分岐部302を介して供給される。冷媒熱交換器513B、513Cに供給された熱媒体は、冷媒に放熱して冷媒熱交換器513B、513Cから流出する。冷媒熱交換器513B、513Cから流出した熱媒体は、熱媒体流路切換装置310及び合流部303を介して室外機100に戻り、室外熱交換器102で外部流体との間で温熱又は冷熱の授受を行う。これにより、冷房で発生した排熱を暖房に利用することができるため、冷暖房混在運転を効率良く行うことができる。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、室外機100と中継機300とは、第1の熱媒体配管401及び第2の熱媒体配管402を含む2本の熱媒体配管で接続されていてもよい。
この構成によれば、室外機100と中継機300とが2本の熱媒体配管で接続されるため、空気調和装置を設置する際の工事性を向上させることができる。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、中継機300と複数の室内機200A、200B、200Cのそれぞれとは、2本の冷媒配管で接続されていてもよい。
この構成によれば、中継機300と室内機200A、200B、200Cのそれぞれとが2本の冷媒配管で接続されるため、空気調和装置を設置する際の工事性を向上させることができる。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、中継機300は、第1の筐体300d及び第2の筐体300a、300b、300cを有しており、分岐部301、混合分岐部302、合流部303及び熱媒体流路切換装置310は、第1の筐体300dに収容されており、冷媒熱交換器513A、513B、513Cは、第2の筐体300a、300b、300cに収容されており、第1の筐体300dと第2の筐体300a、300b、300cとは、2本の熱媒体配管で接続されていてもよい。
この構成によれば、建物600の天井裏や機械室等の非空調空間における容積、高さ、重量制限又は場所等を考慮して、中継機300の筐体300a、300b、300c、300dを設置することができる。したがって、空気調和装置の工事性や配置自由度が向上する効果が得られる。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、熱媒体回路400には、熱媒体流路切換装置310と複数の冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれとの間を流通する熱媒体の温度を検出する第1の温度センサー321A、321B、321Cと、複数の冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれと混合分岐部302との間を流通する熱媒体の温度を検出する第2の温度センサー322A、322B、322Cと、複数の冷媒熱交換器513A、513B、513Cのそれぞれを流通する熱媒体の流量を調整する熱媒体流量調整装置(本例では、二方弁305)と、が設けられており、第1の温度センサー321A、321B、321Cで検出された温度と第2の温度センサー322A、322B、322Cで検出された温度との温度差に基づいて熱媒体流量調整装置(本例では、二方弁305)を制御する制御装置350をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、冷媒熱交換器513A、513B、513Cの熱交換量に応じて熱媒体の流量を調整できるため、ポンプ動力を削減でき、より効率良く空気調和装置を運転できる。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、室外熱交換器は、熱媒体と室外空気とを直接接触させて熱交換を行う冷却塔105であってもよい。
この構成によれば、熱媒体との室外空気との熱交換効率を高めることができるため、より効率良く空気調和装置を運転できる。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、室外機100には、熱媒体回路400の熱媒体を室外機100内で循環させる室外機側熱媒体バイパス配管106及び室外機側熱媒体流路切換装置107が収容されていてもよい。
この構成によれば、熱媒体を室外機100内で循環させることができるため、全暖房運転モードや冷暖房混在運転モードにおいて室外熱交換器102に発生した霜を、ポンプ101の発熱等によって効率良く溶融させることができる。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、室外機100には、室外機100内で循環する熱媒体を加熱する加熱装置108が収容されていてもよい。
この構成によれば、室外熱交換器102に発生した霜をより短時間で溶融させることができる。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、熱媒体回路400には、混合分岐部302と合流部303とを接続する第1の熱媒体バイパス配管304と、第1の熱媒体バイパス配管304を流れる熱媒体の流量を調整する第1の熱媒体バイパス流量調整弁306と、分岐部301と混合分岐部302とを接続する第2の熱媒体バイパス配管307と、第2の熱媒体バイパス配管307を流れる熱媒体の流量を調整する第2の熱媒体バイパス流量調整弁308と、が設けられていてもよい。
この構成によれば、冷媒熱交換器513A、513B、513Cで生じる圧力損失を低減できるとともに、熱媒体の無駄なバイパスを抑制することができる。したがって、冷暖房混在運転を効率良く行うことができる。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、熱媒体回路400には、混合分岐部302内の熱媒体と合流部303内の熱媒体との差圧を検出する第1の差圧センサー341と、分岐部301内の熱媒体と混合分岐部302内の熱媒体との差圧を検出する第2の差圧センサー342と、が設けられており、第1の差圧センサー341で検出された差圧に基づいて第1の熱媒体バイパス流量調整弁306を制御するとともに、第2の差圧センサー342で検出された差圧に基づいて第2の熱媒体バイパス流量調整弁308を制御する制御装置350をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、冷媒熱交換器513A、513B、513Cで生じる圧力損失をさらに低減できるとともに、熱媒体バイパス配管304、307に必要以上の流量の熱媒体が流れるのを防ぐことができる。したがって、冷暖房混在運転をさらに効率良く行うことができる。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、ポンプ101は、中継機300に収容されていてもよい。
この構成によれば、室外機100にポンプを収容する必要がないことに加え、室外機100のポンプへの電力供給が不要になるため、室外機100の構造を簡素化できる。
上記の各実施の形態や変形例は、互いに組み合わせて実施することが可能である。