JP6388256B2 - 車両用通話システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両用通話システムに係り、特に車両の乗員が外部のオペレータとの間でハンズフリー通話可能な車両用通話システムに関する。
従来、車両の乗員が外部との間でハンズフリー通話可能な音入力制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置では、緊急時(例えば、衝突時等)において、乗員はハンズフリー通話が可能であり、乗員の発した音声は、車両天井付近に設置されたマイクにより収音されるようになっている。
特許文献1では、マイクには、音入力指向性を制御可能なアレイマイクが採用されており、通常時及び緊急時において、適宜にマイクの音入力指向性を制御して、乗員の発する音声を収音することができるように構成されている。
特開2014−175696号公報
しかしながら、アレイマイクは高価であり、さらに状況に応じて適宜に音入力指向性を制御しても確実に乗員の音声を収音できるとは限らなかった。また、本発明者は、緊急時等において、通話中に乗員の位置や姿勢が変わると、スピーカから音響エコーが生じるおそれがあることを見出した。特に、衝突等が発生した緊急時には、運転者の姿勢が通常時とは異なる場合があり、緊急時における通話において、音響エコーを抑制することが要請される。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、乗員に起因する条件が変化しても音響エコーの発生を抑制することが可能な車両用通報システムを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、車外通話装置と通話するための車両用通話システムであって、車両内に配置されたマイクにより収音された送話信号を受け取ると共に、車外通話装置から受け取った受話信号を車両内に配置されたスピーカへ出力して音声出力を発生させる音処理部と、音処理部を制御する制御部と、を備え、音処理部は、所定の制御パラメータによって設定可能な音響エコー除去特性を有するエコー除去部を有し、このエコー除去部により少なくとも送話信号に含まれる音響エコー成分を除去するように構成されており、制御部は、少なくともマイク及びスピーカに対する運転席の乗員の位置を含む車両状態に応じて制御パラメータを補正することにより、音響エコー除去特性を設定し、車両状態は、運転席の乗員の姿勢を含み、更に運転席の乗員の姿勢は、乗員の頭部の車両前後方向位置及び車両左右方向位置並びに頭部の向きを含み、制御部は、運転席の乗員を撮像する車載カメラから受け取る乗員の画像データに基づいて、運転席の乗員の頭部の車両前後方向位置及び車両左右方向位置並びに頭部の向きを判定し、判定した運転席の乗員の頭部の車両前後方向位置及び車両左右方向位置並びに頭部の向きに応じて、制御パラメータを補正することを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、車内の乗員が車両用通話システムを用いて車外通話装置との間でハンズフリー通話する際に、音処理部のエコー除去部によって、少なくとも送話信号に含まれる音響エコー成分を除去することができる。本発明では、このエコー除去部が有する音響エコー除去特性を運転席の乗員の位置に応じて変更するように構成している。従来、話者である乗員の位置が変わると、車内に固定的に配置されているマイク及びスピーカと乗員との間の位置関係が大きく変わってしまうため、適応性フィルタのような技術で音響エコー除去特性を微調整しても音響エコー成分を十分に除去することが難しかった。しかしながら、本発明では、少なくとも乗員の位置に応じて音響エコー除去特性を制御パラメータによって変更することにより、乗員の位置を含む車両状態に合わせて音響エコー成分を効率よく除去することができる。
また、本発明によれば、乗員の位置に加えて、音響エコーの生成に影響を与える乗員の姿勢(乗員の頭部の車両前後方向位置及び車両左右方向位置並びに頭部の向き)に応じて、制御パラメータを補正することにより、更に効果的に音響エコー除去特性を最適化することができる。
また、本発明において好ましくは、運転席の乗員の位置に対応して制御パラメータのパラメータ値が設定された制御パラメータテーブルを更に備え、制御部は、運転席の乗員の位置に応じて制御パラメータテーブルから対応するパラメータ値を選択することにより、制御パラメータを補正する。
このように構成された本発明によれば、乗員の位置に応じて予め制御パラメータが設定された制御パラメータテーブルを用いることにより、乗員の位置に応じて、制御パラメータを簡単な処理で補正することができる。
具体的には、制御部は、運転席のシートスライド位置を検出するシート位置センサから受け取るシート位置信号に基づいて、運転席の乗員の位置を判定することができる。
また、本発明において好ましくは、車両状態は、車両窓の開閉位置を含み、制御部は、車両窓の開閉位置を検出する窓位置センサから受け取る窓位置信号に基づいて、車両窓の開閉位置を判定し、判定した車両窓の開閉位置に応じて、制御パラメータを補正する。
このように構成された本発明によれば、乗員の位置に加えて、音響エコーの生成に影響を与える車両窓の開閉位置に応じて、制御パラメータを補正することにより、更に効果的に音響エコー除去特性を最適化することができる。
また、本発明において好ましくは、エコー除去部は、エコーキャンセラ回路を含み、エコーキャンセラ回路は、受話信号に所定のゲインを乗算して疑似エコー信号を生成し、受話信号の放音タイミングから所定の遅れ時間後に、送話信号から疑似エコー成分を差し引くように構成されており、制御部は、制御パラメータとして、ゲインの大きさと遅れ時間の長さを補正する。
また、本発明において好ましくは、エコー除去部は、エコーサプレッサ回路を含み、エコーサプレッサ回路は、少なくとも送話信号又は受話信号を所定の減衰量で減衰させる減衰部を備え、制御部は、制御パラメータとして、減衰量を補正する。
本発明によれば、乗員に起因する条件が変化しても音響エコーの発生を抑制することが可能な車両用通報システムを提供することができる。
本発明の実施形態の緊急通報システムの説明図である。 本発明の実施形態の緊急通報装置の電気ブロック図である。 本発明の実施形態の緊急通報装置の関連ユニットの配置を示す説明図である。 本発明の実施形態の緊急通報装置の音処理部の説明図である。 本発明の実施形態の緊急通報装置の制御パラメータテーブルの説明図である。 本発明の実施形態の緊急通報装置の制御パラメータ選択処理の処理フローである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の車両用通話システムは、車外通話装置との間でハンズフリー通話を行うための通話システムであり、以下の実施形態では、車両に搭載された緊急通報装置に適用した例を説明する。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の実施形態の緊急通報システム及び緊急通報装置の概要を説明する。図1は緊急通報システムの説明図、図2は緊急通報装置の電気ブロック図、図3は緊急通報装置の関連ユニットの配置を示す説明図である。
図1に示すように、緊急通報装置10を備えた車両1は、緊急時(例えば、車両衝突や乗員の急病等)、基地局3及び通信回線網4を介して緊急通報センター2の通話装置(車外通話装置)との間で通信回線を確立可能に構成されている。車両1は、GPS衛星5を用いて自車の現在位置情報を取得し、確立された通信回線を介して、現在位置情報や車両識別情報等をデータ通信する。また、乗員と緊急通報センター2のオペレータとの間で音声通話が可能となる。これにより、緊急通報センター2を介して、救急車の手配等の必要な処置を迅速に行うことができる。
図2に示すように、緊急通報装置10は、制御部11と、測位モジュール12と、無線通信処理部13と、記憶部14と、手動通報スイッチ18と、補助バッテリ19と、電源部20と、音処理部30とを備えている。また、緊急通報装置10には、マイク16,スピーカ17,シート位置センサ40,車載カメラ41,窓位置センサ42等が接続されている。
制御部11は、例えばCPU等で構成されており、車両緊急信号に応答して、以下に説明する緊急通報処理を実行する。
測位モジュール12は、GPS衛星5からGPS信号を受信して現在位置情報を取得する。無線通信処理部13は、基地局3及び通信回線網4を介して、緊急通報センター2との間で無線通信(データ通信及び音声通信)を行う。記憶部14は、車両識別情報、緊急通報センター2の通信アドレス(電話番号)、後述する制御パラメータテーブル14a等を格納する。
音処理部30は、車内の所定位置に配置されたマイク16及びスピーカ17に接続されており、乗員が緊急通報センター2のオペレータと通話する際に、音声信号を処理する。具体的には、音処理部30は、運転席60の乗員6の発した音声をマイク16により収音し音声信号(送話信号)を受け取る。緊急通報装置10は、この送話信号を緊急通報センター2へ送信する。一方、音処理部30は、緊急通報センター2から受信された音声信号(受話信号)をスピーカ17へ入力し音声として出力する。また、音処理部30は、音声信号から音響エコー成分を除去するための音響エコー除去処理を実行するように構成されている。
マイク16は、車室内において運転席60上方の規定位置に固定的に取り付けられており、主に乗員6の発する音声を収音するように指向性が設定されている(図3参照)。また、スピーカ17は、車室内において運転席60前方のインストルメントパネルの規定位置に固定的に取り付けられており、主に乗員6に向けて放音するように設定されている(図3参照)。
手動通報スイッチ18は、乗員の急病等により緊急通報センター2へ通報する必要が生じた場合に、乗員が操作することにより、車両緊急信号を制御部11へ入力可能に構成されている。
補助バッテリ19は、一次バッテリであり、常時は使用されることなく、外部電源消失時に、外部電源に代わって所定期間だけ緊急通報処理等のための電源として機能することができる。
電源部20は、車両1に搭載された車両バッテリ54に接続されており、常時は、車両バッテリ54から電力供給を受けて、制御部11,測位モジュール12,無線通信処理部13,記憶部14,音処理部30等に、それぞれ所定の電力を供給する。
また、緊急通報装置10は、図示しないインタフェース回路を介して車内通信回線50(例えば、車内LAN;Local Area Network)であるCAN)に接続されている。車内通信回線50には、車両1内の種々のECUが接続されており、これらECUは車内通信回線50を介して通信データの送受信を行う。例えば、車内通信回線50には、エアバッグECU55が接続されている。
エアバッグECU55は、図示しない加速度センサ等を用いて車両1の衝突を検知する車両衝突検知センサを備え、車両衝突を検知した場合に、エアバッグを所定の態様で展開するように構成されている。このとき、エアバッグECU55は、車両緊急信号である衝突検知信号を車内通信回線50を介して送信する。緊急通報装置10は、車内通信回線50上の衝突検知信号を車両緊急信号として読み取ることができる。
緊急通報装置10は、車両緊急信号の受信に応答して緊急通報処理を実行する。具体的には、制御部11は、無線通信処理部13を介して、記憶部14に格納されていた通信アドレスの緊急通報センター2と車両1との間の通信回線を確立し、所定のデータ通信(現在位置情報、車両識別情報等)を行うと共に、緊急通報センター2との音声通話を可能とする。そして、例えば、緊急通報センター2のオペレータが電話機をオンフックして、通信回線が切断されると、緊急通報センター2との間の緊急通報が終了する。
シート位置センサ40は、運転席60を含む車両用シートのシートスライド位置を検出し、シートスライド位置を表すシート位置信号Ssを緊急通報装置10へ送信する。車両用シートは、車両1のフロアパネル上に配置されたシートレール61上を車両前後方向にスライド可能に配置されている。シートスライド位置は、シートレール61の前端位置からの距離xで特定される(図3参照)。
車載カメラ41は、運転席60に着座している乗員6を撮像するように車室内に配置されており(図3参照)、乗員6を含む画像データSiを緊急通報装置10へ送信する。
窓位置センサ42は、車両1の開閉可能な窓ガラスの開閉位置を検出し、この開閉位置を表す窓位置信号Swを緊急通報装置10へ送信する。
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態の緊急通報装置の音処理部について説明する。図4は音処理部の説明図、図5は制御パラメータテーブルの説明図である。
まず、音響エコーについて簡単に説明する。乗員6が緊急通報センター2のオペレータとの間でハンズフリー通話を行うとき、オペレータの音声はスピーカ17から放音されるが、一部が音響エコー成分としてマイク16へ回り込み、同じ伝送路を経由して、オペレータ側へ戻り得る(図4参照)。また、乗員6の音声も同様にオペレータ側を経由して戻り得る。戻ってきた音声は、話者の音声よりも時間遅れが生じ、音響エコーとして感知される。本実施形態の音処理部30は、このような音響エコーを除去又は低減するため、所定の音響エコー除去特性を有するエコー除去部(即ち、エコーキャンセラ回路31、エコーサプレッサ回路35)を備えている。
エコーキャンセラ回路31は、原理的には、受話信号を参照して生成した疑似エコー信号を送話信号から差し引くことにより、音響エコー成分を除去するように構成されている。このため、エコーキャンセラ回路31は、疑似エコー生成部32と、減算器33とを備えている。
疑似エコー生成部32は、受話信号に所定のゲインGを乗算することにより、疑似エコー信号を生成し、受話信号がスピーカ17により放音されたタイミングから所定の遅れ時間Dの後に減算器33へ出力する。即ち、音響エコー成分は、受話信号の一部が車室内で反射することにより、伝搬経路に応じた時間遅れをもってマイク16へ回り込み送話信号に混入したものであるから、受話信号に所定のゲインGを乗算することにより、音響エコー成分を推定した疑似エコー信号を生成することができる。減算器33は、受話信号から疑似エコー信号を差し引いて、音響エコー成分が低減された受話信号を出力する。なお、本実施形態の疑似エコー生成部32は、適応性フィルタを利用して構成してもよい。
エコーサプレッサ回路35は、エコーキャンセラ回路31によって除去しきれない音響エコー成分の発生を抑制するように構成されている。本実施形態では、乗員6とオペレータとの間で双方向通話が行われる。このため、通話状態として、乗員6とオペレータの両方が発声するダブルトーク状態と、一方が発声するシングルトーク状態と、両方が音声を発しない無音状態が存在する。
例えば、オペレータのみが発声しているシングルトーク状態や、ダブルトーク状態(特に、オペレータの方が乗員6よりも大声で発生している)では、送話信号には音響エコー成分が含まれる可能性が高くなる。したがって、送話信号を所定のゲイン(減衰量)だけ減衰させることにより、音響エコーを抑制することができる。このため、エコーサプレッサ回路35は、比較部36と、減衰部37とを有している。
比較部36は、送話信号と受話信号の信号レベルを比較し、受話信号の信号レベルの方が送話信号の信号レベルよりも大きい場合に、減衰部37へ減衰指令を出力するように構成されている。
また、減衰部37は、比較部36から減衰指令を受け取ると、送話信号を所定の減衰量Kで減衰するように構成されている。
なお、本実施形態では、減衰部は送話信号のみを減衰するように構成されているが、送話信号と受話信号の両方を減衰可能に構成してもよい。このため、送話側の減衰部37に加えて、受話側の減衰部を設けることができる。この場合、例えば、送話信号の信号レベルの方が受話信号の信号レベルよりも大きいと比較部が判定した場合に、受話側の減衰部が受話信号を減衰量Kで減衰するように構成することができる。
また、本実施形態では、音処理部30は、送話信号をエコーキャンセラ回路31で処理した後、エコーサプレッサ回路35で処理するように構成されているが、これに限らず、先にエコーサプレッサ回路35で送話信号が処理されるように構成されていてもよい。
制御部11は、エコーキャンセラ回路31の制御パラメータであるゲインG及び遅れ時間Dと、エコーサプレッサ回路35の制御パラメータである減衰量Kを音処理部30へ出力する。詳しくは、制御部11は、シート位置センサ40からの運転席60のシート位置信号Ss、車載カメラ41からの乗員6の画像データSi、窓位置センサ42からの窓位置信号Swに基づいて、記憶部14に格納された制御パラメータテーブル14aから、ゲインG,遅れ時間D,及び減衰量Kからなる制御パラメータセットを選択し、選択した制御パラメータセットを音処理部30へ出力する。
本発明者は、マイク16及びスピーカ17が所定の固定位置に配置されていても、乗員6の着座位置(シートスライド位置)、乗員6の通話姿勢、車両窓の開閉状態によって、音響エコーの生成条件(伝達関数)が変わることを見出した。このため、本実施形態の緊急通報装置10では、車両状態に応じて、即ち、マイク16及びスピーカ17に対する運転席60の乗員の位置,姿勢,車両環境に応じて、音処理部30の音響エコー除去特性を設定可能な制御パラメータを適宜に補正又は選択して用いるように構成されている。
例えば、運転席60の位置が変わると、乗員6の頭部とマイク16とスピーカ17の相対位置関係が変わるので、スピーカ17により放音された受話信号の音声及び乗員6の発した音声の伝達経路が変更される。また、乗員6の頭部及び頭部以外の部分の位置が変わると、音声の反射具合が変わるので同様に伝達経路に影響を与える。
また、乗員6の姿勢(例えば、運転席60に着座し、顔をヘッドレスト前方で正面に向けている「通常姿勢」、衝突等により頭部がステアリングホイール上に覆いかぶさった「前のめり姿勢」、衝突等の衝撃により上体がのけぞり、顔を天井側を向けた「のけぞり姿勢」)が変わることによっても伝達経路が変更される。
また、車両窓(例えば、乗員6の側方のドア窓)の開閉状態に応じても音声の反射具合が変わるため、やはり伝達経路が変更される。
本発明者は、このような伝達経路の違いに応じて、制御パラメータ(G,D,K)を最適化した。即ち、車両状態(シート位置、運転者姿勢、車両窓の開閉位置)の組み合わせ毎に、音響エコー成分を除去するのに最適なG,D,Kからなる制御パラメータセットを実験的に求め、制御パラメータテーブル14aを作成した。これにより、本実施形態では、車両状態に応じて制御パラメータセットを選択し、選択した制御パラメータセットによって音処理部30の各制御パラメータを補正することにより、最適化された音響エコー除去特性を設定することができる。
したがって、制御パラメータテーブル14aは、車両状態、即ち、シート位置、乗員姿勢、窓開閉状態を特定することにより、ゲインG(Ga〜Gr)、遅れ時間D(Da〜Dr)、減衰量K(Ka〜Kr)の組み合わせからなる制御パラメータセット(A〜R)を特定することができるように構成されている。
本実施形態では、乗員姿勢は、上述の「通常姿勢」、「前のめり姿勢」、「のけぞり姿勢」の3段階で設定されている。また、シート位置は、「前位置」(距離x<所定閾値S)、「中位置」(S≦x<所定閾値T)、「後位置」(T≦x)の3段階で設定されている。また、窓開閉状態は、乗員6側の窓が少しでも開いている「開位置」、完全に閉じている「閉位置」の2段階で設定されている。なお、本実施形態では、各車両状態の変数が2段階又は3段階で設定されているが、これに限らず、任意の多段階(2段階〜無数段階)で設定してもよい。
なお、本実施形態では、音響エコーの生成条件に影響を与える車両環境として、車両窓の開閉状態を採用しているが、これに限らず、騒音レベルセンサによる車内又は車外騒音レベル(エンジン回転数センサや速度センサによる測定値から推測してもよい)、レインセンサによる雨量レベル、加速度計による加速度の変動(例えば、路面状況又は悪路状況を加速度変動により推定する)、温度センサによる車室内温度、乗員検知センサによる運転席60の乗員6以外の乗員の有無を車両環境として付加してもよい。
また、本実施形態では、乗員6の位置をシート位置によって簡易に推定しているが、シート位置以外で特定してもよい。例えば、同じシート位置であっても、異なる体格の乗員6が着座すると、体格差に応じて乗員6の頭部の位置が変わり得る。具体的には、背筋を伸ばした状態の乗員と猫背になった乗員では、頭部及び上半身の前後方向位置が異なる。また、乗員6が運転席60の中央に着座している場合と、左右どちらかに上半身を傾けている場合とでは、頭部及び上半身の左右方向位置が異なる。したがって、例えば、車載カメラ41により撮像した画像データから乗員の位置(左右位置、前後位置)を判別して、乗員の位置を特定してもよい。
また、本実施形態では、車両状態の変数として、シート位置、乗員姿勢、窓開閉状態の組み合わせに基づいて、制御パラメータを選択するように構成されているが、これに限らず、シート位置のみに基づいて制御パラメータを選択するように構成してもよいし、シート位置と乗員姿勢又は窓開閉状態の一方の組み合わせに基づいて制御パラメータを選択するように構成してもよいし、さらには、シート位置、乗員姿勢、窓開閉状態、その他の車両環境条件のいずれか1つ又は任意の組み合わせに基づいて制御パラメータを選択するように構成してもよい。このような場合、制御パラメータテーブル14aとして、車両状態として用いる変数に応じたテーブルを新たに作成することができる。
次に、図6を参照して、本実施形態の緊急通報装置の制御パラメータ選択処理について説明する。図6は制御パラメータ選択処理の処理フローである。
本実施形態では、車両緊急信号の入力により、緊急通報装置10が緊急通報処理を開始すると、図6の処理を実行する。なお、この処理は、緊急通報処理による音声通話中に繰り返し実行される。
まず、制御部11は、車載カメラ41から受信した画像データSiに基づいて、乗員6の姿勢を検出する(ステップS10)。このとき、制御部11は、画像データSiを画像処理し、乗員6の頭部の位置及び向きを判定し、乗員姿勢が「通常姿勢」、「前のめり姿勢」、「のけぞり姿勢」のいずれの姿勢であるかを判定する。
次に、制御部11は、窓位置センサ42から受信した窓位置信号Swに基づいて、車両窓の開閉位置が、「開位置」、「閉位置」のいずれの位置であるかを判定する(ステップS11)。さらに、制御部11は、シート位置センサ40から受信したシート位置信号Ssに基づいて、運転席60のシートスライド位置が「前位置」、「中位置」、「後位置」のいずれの位置であるかを判定する(ステップS12)。
次に、制御部11は、ステップS10〜S12の各処理において判定した乗員姿勢、車両窓の開閉位置、シート位置に基づいて、制御パラメータテーブル14aから1つの制御パラメータセットを選択し(ステップS13)、処理を終了する。
制御部11は、選択した制御パラメータセットの制御パラメータ(G,D,K)を音処理部30へ出力する。これにより、音処理部30のエコーキャンセラ回路31、エコーサプレッサ回路35は、緊急通話中に、車両状態に応じた制御パラメータによって規定される音響エコー除去特性によりエコー除去処理を実行することができる。
例えば、図5を参照すると、乗員姿勢が「通常姿勢」、車両窓の開閉位置が「閉位置」、シート位置が「中位置」であった場合は、制御パラメータセットE(ゲインGe、遅れ時間De、減衰量Ke)が選択される。よって、音処理部30の音響エコー除去特性は、制御パラメータセットEによって規定される。
次に、本実施形態の緊急通報装置の作用について説明する。
本実施形態では、車内の乗員6が緊急通報装置10を用いて車外通話装置との間でハンズフリー通話する際に、音処理部30のエコー除去部(エコーキャンセラ回路31,エコーサプレッサ回路35)によって、少なくとも送話信号に含まれる音響エコー成分を除去することができる。本実施形態では、このエコー除去部が有する音響エコー除去特性を運転席60の乗員6の位置に応じて変更するように構成している。従来、話者である乗員6の位置が変わると、車内に固定的に配置されているマイク16及びスピーカ17と乗員6との間の位置関係が大きく変わってしまうため、適応性フィルタのような技術で音響エコー除去特性を微調整しても音響エコー成分を十分に除去することが難しかった。しかしながら、本実施形態では、少なくとも乗員6の位置に応じて音響エコー除去特性を制御パラメータG,D,Kによって変更することにより、乗員の位置を含む車両状態に合わせて音響エコー成分を効率よく除去することができる。
また、本実施形態では、乗員6の位置に応じて予め制御パラメータG,D,Kが設定された制御パラメータテーブル14aを用いることにより、乗員6の位置に応じて、制御パラメータG,D,Kを簡単な処理で補正することができる。
例えば、制御部11は、運転席60のシートスライド位置を検出するシート位置センサ40から受け取るシート位置信号Ssに基づいて、運転席60の乗員6の位置を判定することができる。
また、本実施形態では、乗員6の位置に加えて、音響エコーの生成に影響を与える乗員6の姿勢に応じて、制御パラメータG,D,Kを補正することにより、更に効果的に音響エコー除去特性を最適化することができる。
また、本実施形態では、乗員6の位置に加えて、音響エコーの生成に影響を与える車両窓の開閉位置に応じて、制御パラメータG,D,Kを補正することにより、更に効果的に音響エコー除去特性を最適化することができる。
また、本実施形態では、エコー除去部は、エコーキャンセラ回路31を含み、エコーキャンセラ回路31は、受話信号に所定のゲインGを乗算して疑似エコー信号を生成し、受話信号の放音タイミングから所定の遅れ時間D後に、送話信号から疑似エコー成分を差し引くように構成されており、制御部11は、制御パラメータとして、ゲインGの大きさと遅れ時間Dの長さを補正する。
また、本実施形態では、エコー除去部は、エコーサプレッサ回路35を含み、エコーサプレッサ回路35は、少なくとも送話信号又は受話信号を所定の減衰量Kで減衰させる減衰部37を備え、制御部11は、制御パラメータとして、減衰量Kを補正する。
1 車両
2 緊急通報センター
6 乗員
10 緊急通報装置
11 制御部
14 記憶部
14a 制御パラメータテーブル
16 マイク
17 スピーカ
30 音処理部
31 エコーキャンセラ回路
32 疑似エコー生成部
33 減算器
35 エコーサプレッサ回路
36 比較部
37 減衰部
40 シート位置センサ
41 車載カメラ
42 窓位置センサ
50 車内通信回線
60 運転席
61 シートレール
D 遅れ時間
G ゲイン
K 減衰量
Si 画像データ
Ss シート位置信号
Sw 窓位置信号
x 距離

Claims (6)

  1. 車外通話装置と通話するための車両用通話システムであって、
    車両内に配置されたマイクにより収音された送話信号を受け取ると共に、車外通話装置から受け取った受話信号を車両内に配置されたスピーカへ出力して音声出力を発生させる音処理部と、前記音処理部を制御する制御部と、を備え、
    前記音処理部は、所定の制御パラメータによって設定可能な音響エコー除去特性を有するエコー除去部を有し、このエコー除去部により少なくとも前記送話信号に含まれる音響エコー成分を除去するように構成されており、
    前記制御部は、少なくとも前記マイク及び前記スピーカに対する運転席の乗員の位置を含む車両状態に応じて前記制御パラメータを補正することにより、前記音響エコー除去特性を設定
    前記車両状態は、前記運転席の乗員の姿勢を含み、更に前記運転席の乗員の姿勢は、乗員の頭部の車両前後方向位置及び車両左右方向位置並びに頭部の向きを含み、
    前記制御部は、前記運転席の乗員を撮像する車載カメラから受け取る乗員の画像データに基づいて、前記運転席の乗員の頭部の車両前後方向位置及び車両左右方向位置並びに頭部の向きを判定し、判定した前記運転席の乗員の頭部の車両前後方向位置及び車両左右方向位置並びに頭部の向きに応じて、前記制御パラメータを補正する、車両用通話システム。
  2. 前記運転席の乗員の位置に対応して前記制御パラメータのパラメータ値が設定された制御パラメータテーブルを更に備え、
    前記制御部は、前記運転席の乗員の位置に応じて前記制御パラメータテーブルから対応するパラメータ値を選択することにより、前記制御パラメータを補正する、請求項1に記載の車両用通話システム。
  3. 前記制御部は、前記運転席のシートスライド位置を検出するシート位置センサから受け取るシート位置信号に基づいて、前記運転席の乗員の位置を判定する、請求項1又は2に記載の車両用通話システム。
  4. 前記車両状態は、車両窓の開閉位置を含み、
    前記制御部は、車両窓の開閉位置を検出する窓位置センサから受け取る窓位置信号に基づいて、前記車両窓の開閉位置を判定し、判定した前記車両窓の開閉位置に応じて、前記制御パラメータを補正する、請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用通話システム。
  5. 前記エコー除去部は、エコーキャンセラ回路を含み、
    前記エコーキャンセラ回路は、前記受話信号に所定のゲインを乗算して疑似エコー信号を生成し、前記受話信号の放音タイミングから所定の遅れ時間後に、前記送話信号から前記疑似エコー成分を差し引くように構成されており、
    前記制御部は、前記制御パラメータとして、前記ゲインの大きさと前記遅れ時間の長さを補正する、請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用通話システム。
  6. 前記エコー除去部は、エコーサプレッサ回路を含み、
    前記エコーサプレッサ回路は、少なくとも前記送話信号又は前記受話信号を所定の減衰量で減衰させる減衰部を備え、
    前記制御部は、前記制御パラメータとして、前記減衰量を補正する、請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用通話システム。
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