JP6387953B2 - 空気流量測定装置 - Google Patents
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Description
この空気流量測定装置は、吸気管の挿入孔から吸気通路内に挿入することにより設置される。また、空気流量測定装置は、吸気通路を流れる空気の一部を取り込むバイパス流路を形成する筐体、この筐体内に設置される流量センサ、および筐体の外側に設置される湿度センサを備えている。
そこで、特許文献1の空気流量測定装置においては、筐体の外壁からの輻射熱の影響を受け難くするという目的で、センシング部が筐体の外壁側に対して逆側に向くように湿度センサを設置している。
ここで、筐体は、吸気管の挿入孔の内壁に嵌合する嵌合部、およびこの嵌合部の下端面から吸気通路内に向かって延びる筐体本体を有している。
そして、保護部材は、嵌合部の下端面から筐体本体の外側面に対して平行な方向に突き出すように設けられている。
また、嵌合部の下面に保護部材を設置するための領域が必要となるので、嵌合部の幅方向の寸法が筐体の幅方向の外側に大きくなる。このため、筐体が大型化してしまうという問題が生じている。
したがって、吸気通路を流れる空気の圧力損失を増大させることなく、しかも筐体の大型化を招くことなく、空気の流量とともに空気の湿度を精度良く測定することができる。
図1ないし図6は、本発明を適用した実施形態1を示したものである。
空気流量測定装置1は、エンジンの吸気管2の外側から挿入孔3を貫通して吸気通路4内に挿し込まれて設置されている。この空気流量測定装置1は、挿入孔3を貫通して吸気通路4内に突出するように吸気管2に固定される筐体5と、この筐体5の内部を流れる吸気の流量を検出する流量センサ6と、吸気通路4を流れる吸気の湿度を検出する湿度センサ7とを備えている。
筐体本体8の内部には、吸気通路4を流れる吸気の一部が取り込まれて通り抜けるバイパス流路11、12が形成されている。
コネクタケース10は、嵌合部9を介して、筐体本体8と一体的に形成されている。このコネクタケース10は、吸気管2の外側に配置されている。
バイパス流路11は、吸気通路4を流れる吸気の流れ方向に平行となるように形成されている。このバイパス流路11は、流路入口13から取り込んだ吸気を流路出口15から排出する。
バイパス流路12は、分岐部14から取り込んだ吸気を流路出口16から排出する。このバイパス流路12は、吸気の流れ方向が180度以上変化する曲がり流路を構成している。
センシング部21は、バイパス流路12を通り抜ける吸気の流量に対応した電気信号を、電子制御装置(以下ECU)に対して出力する。
センシング部21は、バイパス流路12を流れる吸気の流れ方向と平行となるように配置された平板状のシリコン半導体基板(以下シリコン基板)の表面上にメンブレンが形成されたセンサチップを備えている。
ヒータ抵抗体の中心にして吸気の流れ方向の上下流側には、メンブレンの上下流の空気温度を検出する複数の薄膜抵抗体(以下空気温度抵抗体)が配置されている。
また、ヒータ抵抗体の影響を受けない場所には、周囲の空気温度を検出する薄膜抵抗体(以下吸気温度抵抗体)が配置されている。
処理回路チップは、センシング部21とともにリードフレームの各アイランド上に実装されている。
リードフレームは、金属導体板がプレス加工やエッチング加工されて所定の形状に形成されている。このリードフレームは、センシング部21および処理回路チップとともに、モールド樹脂等の封止材23によって気密封止されている。また、リードフレームの一部は、吸気の流れ方向に平行となるように並列配置された複数の流量センサターミナル25を構成している。
そして、流量センサ6は、ヒータ抵抗体よりも上流側の空気温度抵抗体によって検出した空気温度と、ヒータ抵抗体よりも下流側の空気温度抵抗体によって検出した空気温度との温度差を算出して吸気の流量を測定する。
各流量センサターミナル25の一端側には、ボンディングワイヤを介して処理回路チップの電極部(以下電極パッド群)が導通接合されている。
各流量センサターミナル25の他端側には、溶接等を用いて複数のコネクタターミナル26の一端側が導通接合されている。
複数の流量センサターミナル25および複数のコネクタターミナル26は、導電性を有する金属薄板をプレス成形機で打ち抜き成形を行い、この打ち抜き成形と同時または打ち抜き成形後に所定の部位で折り曲げ成形を行うことで製造される。
複数のコネクタターミナル26は、複数の流量センサターミナル25と同様に、吸気の流れ方向に平行となるように並列配置されている。
各コネクタターミナル26の他端側は、コネクタ部27のキャビティ28内に突出して露出している。そして、各コネクタターミナル26は、ワイヤハーネス等の電線を介して、ECUや外部電源等の外部回路との電気的な接続を行うための外部接続端子を構成している。
吸気管2には、空気流量測定装置1をボルト31により締結固定するための円筒状の取付ボス部32が設けられている。このボルト31は、取付ボス部32の雌螺子孔33に螺合する。これにより、筐体5が取付ボス部32に固定される。
取付ボス部32には、吸気管2の内外を連通する円形状の挿入孔3が形成されている。この挿入孔3は、吸気通路4を流れる吸気の流れ方向に対して垂直な幅方向に沿った孔幅(孔径とも言う)を有している。
また、筐体5は、その外側を吸気が通過する外壁36を備えている。
筐体5は、嵌合部9とコネクタケース10との間にフランジ37を有している。このフランジ37は、ボルト31が挿通する挿通孔38を有している。
センシング部41は、例えば静電容量式のものが使用され、平板状のシリコン半導体基板(以下シリコン基板)の表面上に絶縁膜が形成されている。この絶縁膜上には、同一面上に離間して対向するように一対の櫛歯状電極が形成されている。これらの櫛歯状電極の上には、保護膜が形成されている。そして、保護膜上には、両櫛歯状電極の表面を覆うように、湿度に応じて容量値が変化する感湿膜が形成されている。
センシング部41は、感湿膜中に水分が浸入すると、水分子は誘電率が大きいために、浸入した水分量に応じて感湿膜の誘電率も大きく変化する。その結果、両櫛歯状電極間の容量値も変化するようになる。このように感湿部においては、センシング部41の表面42周囲の湿度変化に応じて一対の櫛歯状電極間の容量値が変化するため、この容量値変化に基づいて湿度検出が可能となっている。
処理回路チップは、センシング部41とともにリードフレームの各アイランド上に実装されている。
リードフレームは、金属導体板がプレス加工やエッチング加工されて所定の形状に形成されている。このリードフレームは、センシング部41および処理回路チップとともに、モールド樹脂等の封止材43によって気密封止されている。また、リードフレームの一部は、吸気の流れ方向に平行となるように並列配置された複数の湿度センサターミナル45を構成している。
各湿度センサターミナル45の一端側には、ボンディングワイヤを介して処理回路チップの電極部(以下電極パッド群)が導通接合されている。
各湿度センサターミナル45の他端側には、溶接等を用いて複数のコネクタターミナル46の一端側が導通接合されている。
複数の湿度センサターミナル45および複数のコネクタターミナル46は、導電性を有する金属薄板をプレス成形機で打ち抜き成形を行い、この打ち抜き成形と同時または打ち抜き成形後に所定の部位で折り曲げ成形を行うことで製造される。
複数のコネクタターミナル46は、複数の湿度センサターミナル45と同様に、吸気の流れ方向に平行となるように並列配置されている。
各コネクタターミナル46の他端側は、コネクタ部27のキャビティ28内に突出して露出している。そして、各コネクタターミナル46は、ワイヤハーネス等の電線を介して、ECUや外部電源等の外部回路との電気的な接続を行うための外部接続端子を構成している。
また、各コネクタターミナル46は、各コネクタターミナル26とともに、外部機器に対して一括で接続できるように、所定の間隔を隔てて並列配置されている。また、各コネクタターミナル46は、各コネクタターミナル26とともに、吸気の流れ方向に平行に並んでいる。
コネクタ部27は、コネクタケース10を形成する絶縁性のモールド樹脂によって成形されている。また、コネクタ部27は、複数の流量センサターミナル25および複数のコネクタターミナル26をモールド樹脂によるインサート成形により埋設保持している。また、コネクタ部27は、複数の流量センサターミナル25と複数のコネクタターミナル26との各導通接合部を被覆して保護している。
また、コネクタ部27は、複数の湿度センサターミナル45および複数のコネクタターミナル46をモールド樹脂によるインサート成形により埋設保持している。また、コネクタ部27は、複数の湿度センサターミナル45と複数のコネクタターミナル46との各導通接合部を被覆して保護している。
ここで、吸気通路4を流れる吸気の流れ方向と平行な方向を筐体5の前後方向とし、この筐体5の前後方向に対して垂直な方向を筐体5の幅方向とする。
隙間Sは、筐体5の幅方向と平行な方向に形成されている。また、隙間Sは、挿入孔3の孔径よりも狭くなっている。また、隙間Sは、吸気通路4の通路断面積を絞って吸気の流速を高める絞り効果を得ることが可能な寸法で、且つ外壁36からの輻射熱の影響を小さくすることが可能な寸法を有している。
なお、隙間Sは、0.5mm以上で、且つ10mm以下に設定している。
以上のように、本実施形態の空気流量測定装置1においては、湿度センサ7のセンシング部41の表面42が、筐体5の外壁36との間に隙間Sを隔てて対向して設置されている。これにより、センシング部41の表面側を保護する保護部材を筐体5に設けることなく、空気流量測定装置1を吸気管2の外側から挿入孔3を貫通して吸気通路4内に挿入する組付時に、センシング部41の表面が挿入孔3の内壁に接触して損傷する等の不具合を防止することができる。
したがって、吸気管2の吸気通路4を流れる吸気の圧力損失を増大させることなく、しかも筐体5の大型化を招くことなく、吸気の流量とともに吸気の湿度を精度良く測定することができる。
逆に、隙間が10mmよりも広い場合には、センシング部41の表面42と外壁36との間に作業者の指が入る恐れがある。
また、センシング部41を封止樹脂により気密封止する構造を採用した場合には、スリット状または格子状の被覆部を筐体5に一体成型することはできない。このため、筐体5に対して別体部品の接着等が必要となるので、湿度センサ7の周辺構造の複雑化およびコストアップが発生する。
しかし、センシング部41の表面上の空気が、吸気管2の吸気通路4を流れる吸気によって掃気され難くなるため、湿度変化時における湿度計測の応答性が遅くなるという不具合がある。
そこで、本実施形態の空気流量測定装置1においては、センシング部41の表面を、筐体5に対向させることにより、湿度計測の応答性を犠牲にすることなく、センシング部41を保護することができる。
また、コネクタケース10には、吸気の流れ方向に対して平行に並列配置された複数のコネクタターミナル26、46を一括保持する1つのコネクタ部27が形成されている。これにより、各コネクタターミナル26および各コネクタターミナル46を同じコネクタ部27に一括して集中配線しているので、各コネクタターミナル26および各コネクタターミナル46を別々のコネクタ部に配線した場合と比べて部品点数を削減することができる。
図7ないし図9は、本発明を適用した実施形態2を示したものである。
ここで、実施形態1と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
複数の中継ターミナル48は、複数の湿度センサターミナル45と同様に、吸気の流れ方向に平行となるように並列配置されている。
複数の接続ターミナル29は、複数のコネクタターミナル26に隣接するように配置されている。また、各接続ターミナル29は、複数のコネクタターミナル26と同様に、吸気の流れ方向に平行となるように並列配置されている。また、各接続ターミナル29は、各流量センサターミナル25と同様に、流量センサ6のリードフレームの一部を構成している。
なお、各接続ターミナル29は、封止材23の保持部49に保持されている。
そして、流量センサ6のコネクタターミナル26および接続ターミナル29も吸気の流れ方向に対して平行に並んでいるため、湿度センサ7の中継ターミナル48を平行に並べることにより、各流量センサターミナル25と各コネクタターミナル26との導通接合時、および各湿度センサターミナル45と各接続ターミナル29との導通接合時における治具等を入れ易くなるので、溶接行程が容易になる。
以上のように、本実施形態の空気流量測定装置1においては、実施形態1と同様な効果を奏する。
図10ないし図12は、本発明を適用した実施形態3を示したものである。
ここで、実施形態1及び2と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
以上のように、本実施形態の空気流量測定装置1においては、実施形態1及び2と同様な効果を奏する。なお、本実施形態の空気流量測定装置1においては、実施形態1又は2と同様なセンサターミナル構造およびコネクタターミナル構造を備えている。
図13および図14は、本発明を適用した実施形態4を示したものである。
ここで、実施形態1〜3と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
以上のように、本実施形態の空気流量測定装置1においては、実施形態1〜3と同様な効果を奏する。なお、本実施形態の空気流量測定装置1においては、実施形態1又は2と同様なセンサターミナル構造およびコネクタターミナル構造を備えている。
図15ないし図17は、本発明を適用した実施形態5を示したものである。
ここで、実施形態1〜4と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
そして、溝54により、センシング部41の表面42と外壁36との距離が実施形態1及び2よりも離れるため、外壁36からの輻射熱RHの影響に伴う空気温度の上昇を低減し、静電容量式の湿度センサ7における湿度検出誤差を小さくすることができる。
以上のように、本実施形態の空気流量測定装置1においては、実施形態1〜4と同様な効果を奏する。なお、本実施形態の空気流量測定装置1においては、実施形態1又は2と同様なセンサターミナル構造およびコネクタターミナル構造を備えている。
図18ないし図20は、本発明を適用した実施形態6を示したものである。
ここで、実施形態1〜5と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
そして、突起55によって乱流TBを引き起し、掃気を促進することができるので、センシング部41の湿度応答性が速くなる。
以上のように、本実施形態の空気流量測定装置1においては、実施形態1〜5と同様な効果を奏する。なお、本実施形態の空気流量測定装置1においては、実施形態1又は2と同様なセンサターミナル構造およびコネクタターミナル構造を備えている。
本実施形態では、流量センサ6のセンシング部21として、シリコン基板上に所定のパターンで形成される薄膜状のヒータ抵抗体および薄膜状の空気温度抵抗体を採用しているが、流量センサ6のセンシング部21として、円筒状のボビン、一対のリードワイヤ、抵抗線、保護膜等によって構成されるヒータ抵抗体および1つまたは複数の空気温度抵抗体を採用しても良い。
なお、一対のリードワイヤは、ボビンの両端に挿入される部品である。また、抵抗線は、ボビンの外周に巻き付けられてリードワイヤに電気接続される部品である。また、保護膜は、抵抗線およびリードワイヤを保護するものである。
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
2 吸気管
3 挿入孔
4 吸気通路
5 筐体
6 流量センサ
7 湿度センサ
36 筐体の外壁
41 湿度センサのセンシング部(湿度検出部)
42 センシング部の表面
Claims (7)
- エンジンの吸気管(2)の内外を連通する挿入孔(3)から吸気通路(4)内に挿し込まれて設置された空気流量測定装置(1)において、
前記吸気通路を流れる空気の一部を取り込むバイパス流路を有する筐体(5)と、
前記筐体の内部に配置されて、前記バイパス流路を流れる空気の流量を検出する流量検出部(21)を有する流量センサ(6)と、
前記筐体の外側に配置されて、前記吸気通路を流れる空気の湿度を検出する湿度検出部(41)を有する湿度センサ(7)と
を備え、
前記湿度検出部の表面(42)は、前記筐体の壁との間に隙間(S)を隔てて対向して設置されていることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1に記載の空気流量測定装置において、
前記挿入孔は、前記吸気通路を流れる空気の流れ方向に対して垂直な幅方向に沿った孔幅を有し、
前記隙間は、前記挿入孔の孔幅よりも狭くなっていることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の空気流量測定装置において、
前記筐体の壁は、前記湿度検出部の表面と対向する対向面(51)を有し、
前記対向面は、前記湿度検出部の表面側に突き出した突起(52、53)を有していることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
前記筐体の壁は、前記湿度検出部の表面と対向する対向面(51)を有し、
前記対向面は、前記湿度検出部の表面側に対して逆側に窪む溝(54)を有していることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
前記筐体の壁は、前記湿度検出部の表面よりも上流側に、前記筐体の外側に突き出した突起(55)を有していることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
前記流量センサは、空気の流れ方向に平行となるように並列配置された複数の流量センサターミナル(25)を有し、
前記湿度センサは、空気の流れ方向に平行となるように並列配置された複数の湿度センサターミナル(45)を有していることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項6に記載の空気流量測定装置において、
前記複数の流量センサターミナルおよび複数の湿度センサターミナルと電気接続する複数のコネクタターミナル(26、46)を備え、
前記筐体は、前記複数のコネクタターミナルが集中配線される1つのコネクタ部(27)を有していることを特徴とする空気流量測定装置。
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