JP6386629B2 - 核医学骨画像解析技術 - Google Patents

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Description

本発明は、骨組織用の放射性トレーサーを用いる核医学画像を解析する技術に関する。
発明の背景
骨組織の病変を検査する技術として普及しているものの一つに骨シンチグラフィがある。この技術は、骨組織に集積し易い放射性トレーサーを体内に投与して、体内から放出されるガンマ線をシンチレーションカメラで検出して画像化する技術である。しかし、骨シンチグラフィでは2次元の画像しか撮影することができないため、病変の奥行き方向の位置の情報を得ることが難しかった。そこで、人体を3次元的に撮影可能なSPECT(単一光子放射断層撮影)技術やPET(陽電子放射断層撮影)技術を用いて骨組織の検査を行う試みが注目を集めつつある(特許文献1参照)。骨組織の検査を目的として行われるSPECTを骨SPECTと称する場合があるが、本明細書においても同様に称する場合がある。
SPECTやPETで得られる画像は、組織に集積した放射性同位元素(RI)の量を反映したものであり、直接的には組織から放射されるガンマ線のカウント値を反映したものである。しかしカウント値は、断層撮影装置の性能や特徴によって大きく変化し、また特定の個人でも検査時の組織機能状態によって変化する。このためカウント値に基づいて形成された画像は、複数の検査例の間での相互比較に適したものとはいえない。
また従来、SPECT画像やPET画像に表示されている骨組織中の病変部位の特定は、観察者の経験に任されていた。しかし、病変部位の、少なくとも候補となりうる箇所を自動的に提示することができれば、病変部位の特定作業を容易にすることになり、非常に便利であろう。
特開2006−047152号公報
本発明は、SPECTを用いた骨組織の画像診断において、上述の課題の少なくとも一つを解決することを目的としてなされたものである。
本発明の好適な実施形態の一種類は、骨組織用の放射性トレーサーを用いる単一光子放射断層撮影または陽電子放射断層撮影に基づいて得られた三次元画像データにおいて骨領域に由来した少なくとも1つの画素につき、次の式で表される正規化骨取込量を計算することを含む。
[式1]
上記正規化骨取込量は、骨領域由来の各画素の放射能濃度を、(被験者に投与した放射能量/被験者の体重)で規格化した量であり、つまり、投与した放射能が全身に均一に分布し且つ排泄されていないという状況を仮定した場合と比べて当該画素の放射能濃度が何倍となるかを示す量である。上記正規化骨取込量を導入することにより、異なる検査例から得られる複数のSPECT画像またはPET画像を、均一分布仮定という共通条件からのずれの大きさという観点で比較することが可能になる。また上記の実施形態によれば、上記正規化骨取込量を導入することにより、その大小に基づいて複数の検査例を比較することが可能になる。
従来は、骨組織への取込量に基づいた視覚的評価が主に行われていた。これに対し、正規化骨取込量は、単位組織当たりの取込量の値に正規化されているので、上述した異なる検査例から得られる画像間での比較(施設間データ比較、同一被験者における経過観察等)が可能となる。上記式1によって求められる正規化骨取込量の値は、被験者の体重によって骨領域由来の信号強度を正規化した値である。被験者の体重は、通常の検査において測定される値であるので、この正規化骨取込量は、各検査施設において、簡便に求めることが可能である。
式1における放射能濃度とは、画素のカウント値に換算係数を乗ずることにより放射能濃度に変換した値である。放射能量が予め判っている較正具を用いて放射能濃度とカウント値の関係を予め調べておくことで、上記の換算係数を定めることができる。
本発明の好適な実施形態の別の種類は、骨組織用の放射性トレーサーを用いる単一光子放射断層撮影または陽電子放射断層撮影に基づいて得られた三次元画像データにおける骨領域の少なくとも1つの画素につき、次の式で表される骨正規化骨取込量を計算することを含む。
[式2]
骨正規化骨取込量は、骨重量で正規化した骨領域への放射能取込量を表す造語である。骨正規化骨取込量は、骨領域由来の画素の放射能濃度を、(被験者に投与した放射能量/被験者の骨重量)で規格化した量であり、つまり、投与した放射能が骨組織に均一に分布し且つ排泄されていないという状況を仮定した場合と比べて当該画素の放射能濃度が何倍となるかを示す量である。骨正規化骨取込量を導入することにより、異なる検査例から得られる複数のSPECT画像またはPET画像を、骨組織均一分布仮定という共通条件からのずれの大きさという観点で比較することが可能になる。
骨領域を特定する方法として最も信頼性のある方法は、X線CTを利用する方法である。X線CTは、SPECT画像やPET画像に比べて骨領域を明確に写しだすことができる。特許文献1にも記載されているが、幸いにして現在は、SPECTやPETとX線CTを一体化し、SPECTやPETとCTを一度の検査で撮影して、それぞれの手法で得られた画像を重ね合わせることができる装置が市販されている。このような装置を利用すれば、CT画像の情報から、SPECT画像やPET画像中の骨領域を明確に特定することができ、また被験者の骨重量をも求めることができる。
式2における、骨領域由来画素の放射能濃度とは、画素のカウント値に換算係数を乗ずることにより放射能濃度に変換した値である。前述のように、放射能量が予め判っている較正具を用いて放射能量とカウント値の関係を予め調べておくことで、上記の換算係数を定めることができる。
本発明の好適な実施形態の一例は、コンピュータの処理手段で実行されることにより、前記コンピュータに少なくとも次の処理:骨組織用の放射性トレーサーを用いる単一光子放射断層撮影または陽電子放射断層撮影に基づいて得られた三次元画像データにアクセスすることと;前記単一光子放射断層撮影または陽電子放射断層撮影を行うために被験者に投与した放射能量に関する値をメモリに記憶すること;前記被験者の体重に関する値をメモリに記憶すること;前記三次元画像データの少なくとも1つの骨領域由来画素の画素値をメモリに記憶すること、ただし前記値は放射能濃度を表す、前記記憶すること;前記少なくとも1つの画素につき、上記式1で表される正規化骨取込量を計算することと;前記計算した正規化骨取込量に関する値をメモリに記憶すること;を実行させる命令を備える、骨画像変換処理プログラムである。
本発明の好適な実施形態の別の例は、骨組織用の放射性トレーサーを用いる単一光子放射断層撮影または陽電子放射断層撮影に基づいて得られた三次元画像データにアクセスする手段と;前記単一光子放射断層撮影または陽電子放射断層撮影を行うために被験者に投与した放射能量に関する値をメモリに記憶する手段と;前記被験者の体重に関する値をメモリに記憶する手段と;前記三次元画像データの少なくとも1つの画素の値であって、骨領域由来画素の放射能濃度を表す値をメモリに記憶する手段と;前記少なくとも1つの画素につき、上記式1で表される正規化骨取込量を計算する手段と;前記計算した正規化骨取込量に関する値をメモリに記憶する手段と;を備える装置である。
本発明の好適な実施形態は、上記の正規化骨取込量又は骨正規化骨取込量に関する値が、他の1つ又は複数の画素よりも統計的に高い画素を特定するようにされていることが好ましい。また、特定した画素または該特定した画素から計算した画素の周りに関心領域(ROI)を自動的に設定するようにされていることが好ましい。さらに、特定した画素や設定したROIをディスプレイに表示できるようにされていることが好ましい。これらの特徴のいずれか一つ以上を有することにより、骨組織中で病変が存在する可能性のある部位の情報が観察者に提供されるので、病変部位の特定が容易になる。
本発明の好適な実施形態の別の例は、コンピュータの処理手段で実行されることにより、前記コンピュータに少なくとも次の処理:骨組織用の放射性トレーサーを用いる単一光子放射断層撮影または陽電子放射断層撮影に基づいて得られた三次元画像データにアクセスすることと;前記三次元画像データ中の基準領域を特定する情報を取得することと;病変候補画素を特定するための検出パラメータに関する情報を取得することと;前記受け取った基準領域および検出パラメータを用いて病変候補画素を特定することと;前記病変候補画素の周りの領域を病変関心領域として設定することと;を実行させる命令を備える、コンピュータプログラムである。
前記基準領域を特定する情報を取得することは、
・ 前記三次元画像データの特定のスライスを表示すると共に、前記表示されたスライス上のユーザー選択を認識すること;
・ 前記三次元画像データのうち所定の閾値条件を満たす画素を特定すること;
・ 前記基準領域を特定する既定の情報を読み込むことと;
のいずれかを含んでもよい。
前記検出パラメータは、前記基準領域の平均画素値からのずれに関するものであってもよい。
前記病変候補画素を特定することは、前記基準領域の平均画素値からのずれの大きさに基づいて、前記病変候補画素を特定することを含んでもよい。
前記病変関心領域を設定することは、前記病変候補画素の集合の重心座標からの距離に基づいて、前記病変関心領域を設定することを含んでもよい。
前記病変関心領域を設定することは、
・ 前記病変候補画素の集合の重心座標を計算することと;
・ 前記重心座標から三次元放射状に前記三次元画像データの画素値の変化を調べることと;
・ 前記変化を調べる各方向において変曲点を調べることと;
・ 前記変曲点の少なくともいくつかをつないで前記病変関心領域を設定することと;
を含んでもよい。
前記三次元画像データは、各画素の画素値が、次の式:
で表される正規化骨取込量となっている画像データであってもよい。
前記三次元画像データは、各画素の画素値が、次の式:
で表される骨正規化骨取込量となっている画像データであってもよい。
本発明の好適な実施形態には、上述のいずれか一つ以上の課題解決手段を備える装置、方法、コンピュータプログラムなどが含まれる。
本発明の好適な実施形態のいくつかを、添付の特許請求の範囲に含まれる請求項に特定した。しかし、本願の明細書及び図面によって開示される新規な技術思想の全てが請求項に特定されているとは限らない。本願に開示される技術思想の範囲は、本願明細書及び図面、並びに特許請求の範囲の全体から把握されるべきものである。
本明細書で開示される様々な処理を実行するためのシステム100の主な構成を説明するための図である。 骨画像変換処理プログラム124に従う処理の一部を説明するためのフローチャートである。 骨画像変換処理プログラム124に従う処理の一部を説明するためのフローチャートである。 表示例や基準ROI設定例を説明するための図である。 特定された病変候補の表示例を説明するための図である。 病変ROIの設定例を説明するための図である。 骨正規化骨取込量を求める実施形態の処理の流れを説明するための図である。
好適な実施形態の説明
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態の例を具体的に説明する。なお、以下の説明では主にSPECT画像を処理する場合を例にとって説明するが、PET画像の場合であっても、同様の処理にて本発明を実施することが可能である。
図1は、本明細書で開示される様々な処理を実行するためのシステム100の主な構成を描いた図である。図1に描かれるように、システム100は、ハードウェア的には一般的なコンピュータと同様であり、CPU102,主記憶装置104,補助記憶装置106,ディスプレイ・インタフェース108,周辺機器インタフェース109,ネットワーク・インタフェース110などを備えることができる。CPU102は主記憶装置104よりもさらに高速なアクセスを提供するキャッシュメモリ103を搭載していることができる。システム100は、単一の筐体にほぼ全ての構成要素が搭載される装置として提供されてもよいし、物理的に異なる複数の筐体から構成されるものであってもよい。一般的なコンピュータと同様に、主記憶装置104としては高速なRAM(ランダムアクセスメモリ)を使用することができ、補助記憶装置106としては、安価で大容量のハードディスクやフラッシュメモリ、SSDなどを用いることができる。実施形態によっては、補助記憶装置106は、物理的に異なる複数の記憶装置から構成されている場合や、システム100とは物理的に異なる筐体に収められてシステム100と適当なインタフェースで接続された記憶システムである場合もある。システム100には、情報表示のためのディスプレイを接続することができ、これはディスプレイ・インタフェース108を介して接続される。またシステム100には、情報入力のためのユーザ・インタフェースを接続することができ、これは周辺機器インタフェース109を介して接続される。かかるユーザ・インタフェースは、例えばキーボードやマウス、タッチパネルであることができる。また周辺機器インタフェース109は、例えばUSBインタフェースであることができる。ネットワーク・インタフェース110は、ネットワークを介して他のコンピュータやインターネットに接続するために用いられることができる。システム100の最も基本的な機能は、補助記憶装置106に格納されるオペレーティングシステム122がCPU102に読み込まれて実行されることにより提供される。また、補助記憶装置106に格納される各種のプログラムがCPU102に読み込まれて実行されることにより、オペレーティングシステム122で提供される機能以外の機能が提供される。
補助記憶装置106は、オペレーティングシステム122以外に、骨画像変換処理プログラム124を格納している。このプログラムが、本実施例が提供する画像変換処理機能の中心的な要素である。本明細書で開示される様々な処理は、特に断わりのない限り、プログラム124が備える各種命令がCPU102に読み込まれて実行されることにより遂行される。各処理において、CPU102は、プログラム124などの命令に従って記憶装置からデータを読み出して演算を行い、得られた結果のデータを記憶装置に格納する。格納されたデータは、プログラム124などの命令に従って、別の処理に用いられたり、補助記憶装置106へ保存されたりする。すなわち補助記憶装置106は、画像データ124を処理して得られたデータを格納する媒体や、処理の途中のデータを格納する媒体としても用いられることができる。
図示されるように、実施形態によっては、骨画像変換処理プログラム124は、それぞれ固有の機能を提供する複数のプログラムモジュールを備えていてもよい。本実施例では、骨画像変換処理プログラム124は、データ読み込みモジュール125,放射能濃度換算モジュール126,正規化骨取込量計算モジュール127,ROI抽出モジュール128,表示モジュール129などを備えている。CPU102は、これらのプログラムモジュールの命令に従って動作することにより、各モジュールの機能を提供・実現する。
データ読み込みモジュール125は、画像診断の対象となる画像データ130を読み込む命令を提供するプログラムモジュールである。本実施例において画像診断の対象となる画像データ130は、骨組織用の放射性トレーサーを用いた3次元SPECT画像データである。SPECTやPET,CT,MRIなどにより得られる3次元画像データのフォーマットは、DICOMなど標準化されたフォーマットが存在する。モジュール125は、そのような画像フォーマットの一つ又は複数を扱えるように構成される。
放射能濃度換算モジュール126は、画像データ130の各画素の値を放射能濃度に換算する命令を提供するプログラムモジュールである。モジュール126は、画素値の放射能濃度への換算のために、CPU102に換算係数143を読み込ませる命令を備えていてもよい。
正規化骨取込量計算モジュール127は、前述の正規化骨取込量を計算する命令を提供するプログラムモジュールである。モジュール127は、正規化骨取込量の計算のために、画像データ130に対応する被験者の体重情報141や、画像データ130を得るために当該被験者に投与された放射能量情報142を読み込む命令を備えていてもよい。正規化骨取込量計算モジュール127はまた、減弱や散乱の影響を補正するための情報144を読み込む命令を備えていてもよく、また、正規化骨取込量の計算にこれらの影響を勘案するように構成されていてもよい。図示されるように、正規化骨取込量計算モジュール127は、各画素値を正規化骨取込量に変換した後の画像データ150を、補助記憶装置106に保存するように構成されてもよい。
体重情報141,放射能量情報142,換算係数143,補正情報144等は、実施形態によっては、周辺機器インタフェース109を介してユーザにより入力された情報であってもよく、図示されるように、それぞれ補助記憶装置106等の記憶装置に個別に格納されていてもよい。実施形態によっては、これらの情報は、SPECTのデータ収集時に自動又は手動で入力され、画像データ130のフォーマットの中に取り込まれていてもよい。
ROI抽出モジュール128は、各画素値が正規化骨取込量に変換された画像データ150の画素の中で、正規化骨取込量またはそれを補正した値が他の1つ又は複数の画素よりも統計的に高い画素を特定する命令を提供する。またROI抽出モジュール128は、特定した画素または該特定した画素から計算した座標(例えば特定した複数の画素の重心座標)の周りにROIを自動的に設定する命令を提供する。これらの処理の具体的な例については後に詳述する。
表示モジュール129は、正規化骨取込量計算モジュール127やROI抽出モジュール128によって計算された諸情報を表示する命令を提供する。
なお、骨画像変換処理プログラム124の図示されるようなモジュール構成は、単なる例であって、プログラム124をこのようにプログラミングしなければならないという訳では全くない。プログラム124のソースコードがモジュール構造を有していなくとももちろん構わず、また、モジュール構造を有していたとしても、各モジュールが明確に分離していない場合もある。また、プログラム124は、単一の実行可能ファイルとして実装される場合もあるが、複数の実行可能ファイルからなるプログラムセットとして実装される場合もある。またプログラム124は、他の実行ファイルを呼び出したり、または他の実行ファイルから呼び出されて実行されたりしうるように構成されてもよい。プログラミングの手法は人によって様々であり、プログラム124のプログラミングの形態が本明細書や図面に紹介した例によって制限されることは決してないことを念のために記しておく。
さらに、実施形態によっては、プログラム124による処理の一部を、専用のハードウェア回路やプログラマブルロジックなどによって実装してもよい。このような実施形態も、本発明の範囲に含まれるものである。
図1においては、オペレーティングシステム122や骨画像変換処理プログラム124、画像データ130等は、全て同じ補助記憶装置106に格納されているように図示されているが、実施形態によっては、これらの一つ又は複数のデータは、物理的に異なる記憶装置に格納されていてもよい。例えば実施形態によっては、骨画像変換処理プログラム124は、CD−ROMやDVD−ROMなどの光ディスクに格納されていてもよい。また骨画像変換処理プログラム124は、光ディスク媒体やUSBメモリなどの持ち運びが容易な記憶媒体に格納されて、システム100とは別個に提供・販売されてもよい。また骨画像変換処理プログラム124は、ネットワークを通じたダウンロードなどの形態で、提供・販売されてもよい。
記憶装置106は、骨画像変換処理プログラム124による処理の対象となる画像データを複数格納していてもよい。図1の例では、特に、画像データ130ほかに画像データ131が示されており、これは、画像データ130と同一被験者から異なる時期に撮影された画像データであってもよいし、異なる被験者の画像データであってもよい。図1の例では、画像データ130,131の二つしか描かれていないが、無論、もっと多くの画像データが記憶装置106に格納されていてもよい。表示モジュール129は、これら複数の画像データを比較可能に表示するように構成されていてもよい。
システム100は、図1に描かれた要素のほかにも、電源や冷却装置など、通常のコンピュータが備える装置と同様の構成を備えることができる。また、処理手段102や記憶手段104,106の実装形態には、物理的に単一のCPUや物理的に単一の記憶媒体を用いるものから、複数のCPUや複数の記憶媒体を用いるもの、これらをそれぞれ異なる筐体に収めて適当なインタフェースやネットワークを利用して接続して構成するもの、仮想化技術を用いて仮想的に実現するもの、など様々な実装形態が知られている。本発明を実施するコンピュータシステムの形態としては、これら既存の如何なる実装形態を利用してもよく、コンピュータシステムの形態によって本発明の範囲が制限されることは決してないことを念のために記しておく。
したがって、一般的に、本発明は、(1)処理手段に実行されることにより、当該処理手段を備える装置またはシステムに、本明細書で説明される各種の処理を遂行させるように構成される命令を備えるプログラム、(2)当該処理手段が当該プログラムを実行することにより実現される装置またはシステムの動作方法、(3)当該プログラム及び当該プログラムを実行するように構成される処理手段を備える装置またはシステム、などとして具現化されうる。本発明を具現化したプログラムは、CD−ROMなどの媒体に格納されて販売されたり、ネットワークを通じたダウンロードなどの形態により販売されたりすることができる。
次に、図2を参照して、骨画像変換処理プログラム124がCPU102に実行されることによりシステム100が遂行する処理のうち、正規化骨取込量の計算処理の流れを説明する。
ステップ200は処理の開始を示す。ステップ202は、プログラム124による処理の対象となる画像データへのアクセスを開始する段階である。このときCPU102は、データ読み込みモジュール125の命令に従って、補助記憶装置106から画像データ130の少なくとも一部を主記憶装置104へとロードしてもよい。(なおこのとき、プログラム124自体も既に主記憶装置104へロードされているだろう。)
プログラム124による処理の対象となる画像データ130は、前述のように、骨組織用の放射性トレーサーを被験者に投与して撮影された3次元骨SPECT画像を表すデータであり、各画素がガンマ線のカウント数に対応した値を有する3次元の画像データである。骨組織用の放射性トレーサーとしては、99mTc-HMDP(ヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム)や99mTc-MDP(メチレンジホスホン酸テクネチウム)がよく知られている。99mTc-HMDPや99mTc-MDPは、投与後主に骨組織に集積し、血液や内臓等からは速やかに消失するという性質を有するため、骨組織のSPECT画像を得るために非常に適している。SPECT装置で撮影された画像データのオリジナルの画素数は、SPECT装置の性能に起因して、横断面(axial)スライスあたり64×64や128×128であることが多いが、本実施例で処理の対象となる画像データ130は、補間処理により画素数を増やされたものであってもよい。
ステップ204では、画像データ130を得るために被験者に投与された放射能量のデータ142が読み込まれる。ステップ206では当該被験者の体重のデータ141が読み込まれ、ステップ208では、カウント値を放射能濃度に換算するための換算係数143が読み込まれる。図2において、ステップ208で読み込まれる情報がBCFと表記されているが、これは、Becquerel Calibration Factorの略であり、ベクレル単位への較正係数を表す造語である。BCFは、予め放射能量(ベクレル値)が判明している較正具を用いてSPECT装置による測定を行い、画像データを構築して、既知の放射線濃度に対して各画素のカウント数がどのような値をとるかを調べることにより得られる情報である。このような情報を用いることにより、各画素のカウント値を単位容量当たりの放射線量に変換することができる。
このほか、フローチャートに図示されていないが、時間による放射能量の減弱や、散乱などの影響を補正するための情報144を読み込むステップが存在してもよい。
情報142を読み込む処理は、放射能濃度換算モジュール126の命令によってCPU102が行う処理であってもよい。情報141,143,144を読み込む処理は、正規化骨取込量計算モジュール127の命令によってCPU102が行う処理であってもよい。実施形態によって、情報141〜144は、補助記憶装置106などの記憶装置にそれぞれ個別に記憶されている場合もあれば、画像データ130にその一部として組み込まれている場合もある。プログラム124またはモジュール126,127は、データ読み込みモジュール125により読み込まれた画像データ130のヘッダ情報等を参照して、情報141〜144の読み込み先を判断してもよい。読み込まれた情報141〜144は、それぞれ主記憶装置104又はキャッシュメモリ103に記憶される。情報141〜144が読み込まれ記憶されるステップの順序は、図示されているものに限らず、いかなる順番で行われてもよく、また、並列的に行われてもよい。
ステップ210からステップ220のループでは、画像データ130の各画素が一つずつ処理されて正規化骨取込量が計算される。図2では、画像データ130のx,y,z方向の画素数を仮にI,J,K個とし、各画素を画素ijkと表記している。ステップ212では、ある画素ijkの画素値がキャッシュメモリ103又は主記憶装置104へロードされる(すなわち記憶される)。この画素値は、通常、カウント値(カウント数)を反映した値となっている。ステップ214では、このカウント値に換算係数143を乗じることにより、カウント値を単位容積当たりの放射能量(放射能濃度)に変換する。変換後の値も改めてキャッシュメモリ103又は主記憶装置104に記憶される。この変換処理は、放射能濃度換算モジュール126の命令によってCPU102が行う処理であってもよい。実施形態によっては、画像データ130が既に、各画素の画素値が放射能濃度に変換されている場合もあり、そのような場合には、ステップ214は省略されるであろう。ステップ216では、ステップ214で計算された放射能濃度と、ステップ204及び206でそれぞれ読み込まれた被験者の体重及び放射能投与量を用いて、前述の正規化骨取込量が計算される。正規化骨取込量の計算式を再掲する。
[式1]
正規化骨取込量の計算は、正規化骨取込量計算モジュール127の命令によってCPU102が行う処理であってもよい。
上述のように、画像データ130は、主に骨組織に集積する放射性トレーサーを用いて得られたデータであるため、一定以上の画素値を有する画素は、その多くが骨領域に由来するガンマ線のカウント値を画素値とした画素であると考えられる。従って、骨領域由来画素の特定は、画素値についての適当な閾値を用いて画素を分別することにより、比較的容易に特定することができる。もちろん、骨領域以外の場所にも閾値を超える画素値を有する画素は存在することがあるので、形態的な情報を併せて利用することにより、より高精度に骨領域由来の情報を有する画素を抽出することができる。X線CTは骨領域をより正確に特定できるので、その情報を用いて骨領域由来画素の特定を行ってもよい。実施形態によっては、ステップ214,216は、骨領域に由来するガンマ線カウントデータを有していない画素については、画素値を単に0とする処理に置き換えてしまってもよい。 フローチャートには現れていないが、正規化骨取込量計算モジュール127はさらに、計算した正規化骨取込量を、時間による放射能量の減弱などを考慮した値とするために、情報144を用いて上記正規化骨取込量を補正するようにCPU102を動作させてもよい。ステップ218は、計算された正規化骨取込量がキャッシュメモリ103や主記憶装置104、補助記憶装置106のいずれかに記憶される段階を表す。ステップ210からステップ220のループが終了し、画像データ130の全画素について正規化骨取込量の計算が終わったとき、図1に示されるように、補助記憶装置106には、各画素が画素値として正規化骨取込量を有する3次元画像データ150が構築されていてもよい。ステップ222は正規化骨取込量計算処理の終了を示す。
なお上述の実施例では、画素毎に放射能量への変換と正規化骨取込量の計算を連続して行ったが、実施形態によっては、まず全ての画素の画素値を放射能濃度に変換し、その後に画素毎に正規化骨取込量を計算してもよい。前述のように、図2のフローチャートのステップの順番には多くのバリエーションが存在してもよい。
次に図3を用いて、骨画像変換処理プログラム124がCPU102に実行されることによりシステム100が遂行する処理のうち、正規化骨取込量画像の表示や病変候補部位の表示に関する処理の流れを説明する。
ステップ300は処理の開始を示す。ステップ302では、各画素の画素値が正規化骨取込量に変換された3次元SPECT画像データ150が、例えば補助記憶装置106から主記憶装置104へロードされる。ステップ304では、ロードされた画像データ150をディスプレイに表示するための信号が生成される。画像データ150の表示は、3次元的に行われてもよいし、axial,coronal,sagittalのそれぞれの向きについて任意のスライスを表示するものであってもよい。また、特定方向のスライスを重ね合わせて表示することにより、2次元のシンチグラフィで撮影された画像のような表示を形成してもよい。各画素について正規化骨取込量の大小に応じて濃淡や色をつけることにより、画像データを視覚的に表示することが可能になる。ステップ302及び304の処理は、表示モジュール129の命令に従ってCPU102が行う処理であってもよい。
図示されていないが、ロードした画像データ150の各画素の正規化骨取込量に対して、減弱や散乱の影響が補正されていない場合は、ステップ304で表示を行なう前に、これらの補正を行うようにしてもよい。骨画像変換処理プログラム124又はそのプログラムモジュールは、そのような補正をCPU102に行わせるように構成されてもよい。
本実施例において、病変候補部位の特定は、基準領域の情報に基づいて行われてもよい。例えば基準領域の正規化骨取込量平均値から標準偏差(σ)の所定倍だけ離れた正規化骨取込量を有する画素を、病変候補部位としてもよい。このような処理を行うべく、まずステップ306では、上記の基準領域(基準ROI)を設定する。ROI抽出モジュール128は、ユーザが基準ROIを設定することを可能とするユーザ・インタフェースを実現すべく、ディスプレイ・インタフェース108を通じて信号を提供したり、周辺機器インタフェース109からの入力信号を取得したりしうるように構成されていることが好ましい。例えば、ユーザが所望のスライス上で所望の領域をマウス等で囲むなどの手法で基準ROIを設定できるようにすることが好ましい。
図4は、ステップ304で生成された信号により、ディスプレイ・インタフェース108に接続されるディスプレイなどに表示されうる画面と、基準ROIの設定の手法の一例を説明するための図である。画面401,402,403は、それぞれ、画像データ150の特定のaxial,coronal,sagittalスライスである。画像の濃淡は正規化骨取込量の大小を反映している。いずれも骨組織が綺麗に映し出されていることが分かる。画面404は、MIP (Maximum Intensity Projection) 処理した3次元表示したもので、あたかも2次元のシンチグラフィで投影された他方向から観察可能な画像になっている。しかしながら、通常の2次元シンチグラフィでは、coronal方向の撮影しか行わないので、画面404のようなsagittal方向の透視画像やaxial方向の透視画像を作ることはできないことに注意されたい。
図4の画面において、ユーザは、例えばマウスを用いて画面上の所望の領域をドラッグして囲むことにより、上記の基準領域を設定することができる。図4では、ユーザによって設定された基準領域の例が領域411として示されている。
なお基準ROIの設定方法は、上記の例に限られるわけではない。例えば、正規化骨取込量が所定の値以上や所定の値以下、又は所定の範囲に含まれる画素全てを基準ROIとするなど、プログラム124(ROI設定モジュール128)が自動的に設定してもよい。そのほかにも、予め特定の骨領域を基準ROIとしたり、画素全てを基準ROIとしたりするなどのバリエーションがあってもよい。
ステップ308では、プログラム124(ROI設定モジュール128)が、病変候補画素を特定するための検出パラメータをユーザが設定するためのユーザ・インタフェースを提供するように、CPU102を動作させる。このようなユーザ・インタフェースを実現するための表示信号がディスプレイ・インタフェース108を通じて提供され、周辺機器インタフェース109を通じてユーザの入力が受け取られる。検出パラメータとしては、例えば基準ROIにおける平均正規化骨取込量からのずれの量とすることができる。例えば、基準ROIにおける平均正規化骨取込量から何σ以上離れたら病変候補画素とするかのようなパラメータを用いることができる。また、基準ROIにおける平均正規化骨取込量より何%大きければ病変候補画素とするかのようなパラメータを用いることができる。実施形態によってはステップ308は省略されてもよく、ROI設定モジュール128が有するデフォルト値を用いることとしてもよい。
ステップ310では、プログラム124(ROI設定モジュール128)が、基準ROIの情報と検出パラメータを用いて病変候補画素を特定するようにCPU102を動作させる。基準ROIの情報は、例えば、基準ROIにおける正規化骨取込量の平均値と標準偏差(σ)であってもよい。検出パラメータは、例えば2σ、すなわち基準ROIにおける正規化骨取込量平均値から2σ以上大きな値を有する画素を、病変候補画素とすることとしてもよい。もちろん2σというのは例示であり、実施形態によっては例えば3σや4σを用いてもよいし、上述のようにユーザが任意に設定できるように構成されることが好ましい。しかし、発明者が調べたところによると、2σの条件を用いることで、多くの例において良好に病変部位を特定できるようである。
特定された病変候補画素は画面上に表示されることが好ましい。図5はそのような例を示した図であり、図4の画面のそれぞれのスライス上に、特定された病変候補画素が421〜424のように黒塗りで示されている。この例における病変候補画素の検出条件は、基準ROIにおける正規化骨取込量平均値から2σ以上大きな値を有する画素というものであった。図5のように病変候補画素が自動的に表示されれば、画像診断を行う者が病変部位の特定を行う際に有用な助けとなるであろう。
また図示していないが、プログラム124(ROI設定モジュール128)は、黒塗りされた病変候補画素領域がマウス等でクリックされたことを検出すると、その領域の正規化骨取込量の平均値や標準偏差を、基準ROIの正規化骨取込量の平均値や標準偏差と共に、数値で表示するように構成されてもよい。このような機能があれば、視覚的のみならず数値としても基準ROIとの差を把握することができ、画像診断の有用な助けになるだろう。
ステップ312では、観察者の注意を促すべく、病変候補画素の周りの領域を病変ROIとして設定する処理が行われる。病変ROIの設定処理は、例えば、病変候補画素の集合の重心座標の周りに所定の半径の円を描くということでもよい。また病変ROIの設定処理は、例えば次のように行われてもよい。
(ステップ1)病変候補画素の集合の重心座標を求める。ここで重心座標とは、ひとかたまりの病変候補画素のx,y,z座標の平均値を意味する。
(ステップ2)上記重心座標から所定の角度ステップで放射状に正規化骨取込量の変化を調べる。
(ステップ3)病変候補画素が存在する領域から外側に向かって正規化骨取込量の変化を調べれば、正規化骨取込量は徐々に減少していくことが予想されるが、その減少の仕方が変わる点(例えば変曲点)を特定し、そのような点をつないで病変ROIとして表示する。
図6は、上述のステップ1−3によって設定した病変ROIを、coronal方向の断面画像にROI領域を重ね合わせて表示した例である。符号602や604で示されているように、病変が存在する可能性のある候補領域(病変ROI)が骨SPECT画像上に重ねて示されるため、画像診断を行う者が病変部位の特定を行う際に有用な助けとなるであろう。
なお、実施形態によっては、正規化骨取込量の変化を調べる基準点を、重心座標ではなく、正規化骨取込量が最大となる画素や、その他の基準としてもよい。また、病変ROIの周縁部の特定方法として、変曲点ではなく、例えば病変候補画素の集合の正規化骨取込量平均値より例えば30%だけ正規化骨取込量が小さくなった画素などと特定してもよい。
上に紹介した実施形態によれば、3次元的に骨組織の様子を観察しうるという利点を有する骨SPECTを用いた画像診断において、さらに、各画素の値を正規化骨取込量に変換することにより、他の骨SPECT画像との相互比較を行うことが可能になる。また、骨組織中で病変を含む可能性のある部位の候補を自動的に抽出し表示したり、注意すべき領域を病変ROIとして表示したりするので、画像診断において病変部位の特定を行う際に有用な助けが提供される。
上に紹介した実施形態では、他の骨SPECT画像との相互比較を行うために式1で定義した正規化骨取込量を用いたが、本発明の実施形態には、発明の概要の欄で説明した骨正規化骨取込量を利用する実施形態も存在する。骨正規化骨取込量とは次のような量であった。
[式2]
骨正規化骨取込量を利用する実施形態は、SPECTと一緒にX線CTも実施する場合に好適に適用されうる。現在は、SPECTとX線CTを一体化した装置が発売されており、放射性トレーサーが骨組織に取り込まれるのに必要な時間を利用してSPECTの施行前にX線CTを施行することにより、被験者を動かさずに一回のルーチンでSPECTとCTの両方の撮像を行うことができるようになっている。このような装置はSPECT画像とCT画像とを重ね合わせることができるようになっていることが多いので、CT画像の情報を利用して、SPECT画像のどの画素が骨領域に属するのかを判別することができる。また、CT画像からは骨領域を高い精度で抽出することができるので、その情報を用いて被験者の骨重量を推定することができる。骨正規化骨取込量を利用する場合、システム100の補助記憶装置106などの記憶装置には、骨SPECT画像データ130に対応するCT画像データ160が格納されていてもよい。また、CT画像データ160から推定した被験者の骨重量の情報162も格納されていてもよい。
次に、図7を用いて骨正規化骨取込量を求める実施形態の処理の流れを説明する。
図7は、骨画像変換処理プログラム124がCPU102に実行されることによりシステム100が遂行しうる処理の一部であって、3次元骨SPECT画像データの画素値を骨正規化骨取込量に変換する処理を説明するためのフローチャートである。ステップ700は処理の開始を示す。ステップ702は、プログラム124による処理の対象となる画像データ130へのアクセスを開始する段階であり、図2のステップ202と同様である。ステップ704は、画像データ130を取得するために被験者に投与された放射能量のデータ142を読み込む段階であり、図2のステップ204と同様である。
ステップ706では、骨SPECT画像データ130に対応するCT画像データ160が開かれる。ステップ708では被験者の骨重量情報162が読み込まれる。ステップ710では、骨組織に属する画素のカウント値を放射能濃度に変換する換算因子が読み込まれる。このステップは図2のステップ208と同様である。
ステップ712からステップ726のループでは、画像データ130の各画素が一つずつ処理されて骨正規化骨取込量が計算される。図2の例と同様、画像データ130の各画素を画素ijkと表記している。ステップ714では、ある画素ijkの画素値がキャッシュメモリ103又は主記憶装置104へロードされる。ステップ716では、画素ijkが骨領域に属する画素か否かの判定が行われる。この判定は、ステップ706でロードされたCT画像160を利用して行われる。例えば、画素ijkに対応するCT画像160の画素の画素値が所定の閾値以上であれば、画素ijkを骨領域とみなすこととしてもよい。他にも様々な方法で画素ijkが骨領域に属するか否かを判定してもよい。画素ijkが骨領域に属すると判断された場合、ステップ718において当該画素の画素値を、ステップ710で読み込んだBCFを用いて放射能濃度に変換し、ステップ720で、式2のように骨正規化骨取込量を計算する。ステップ722では、計算した骨正規化骨取込量が保存される。
一方、ステップ716において、画素ijkは骨領域に属さないと判定された場合、当該画素の骨正規化骨取込量は、例えば0としてしまってもよい。
全ての画素ijkについて上記の処理を終えたら、ステップ712から726のループを抜けて、骨正規化骨取込量の計算処理が終了する(ステップ728)。
このような計算処理により、各画素値が骨正規化骨取込量に変換された3次元骨SPECT画像データが得られる。この画像データについても、例えば図4−6を用いて説明したような手法で、骨組織中で病変を含む可能性のある部位の候補を自動的に抽出し表示したり、注意すべき領域を病変ROIとして表示したりするために用いることができる。また骨正規化骨取込量は、発明の概要の欄で説明したように、骨組織均一分布仮定という共通条件からのずれという値であるため、他の骨SPECT画像との相互比較が可能な量である。従って本実施形態によっても、異なる測定に基づく複数の骨SPECT画像の相互比較が可能となる。
本発明の実施形態を好適な例を用いて説明してきたが、これらの例は本発明の範囲を限定するために紹介されたわけではなく、特許法の要件を満たし、本発明の理解に資するために紹介されたものである。本発明は様々な形態で具現化されることができ、本発明の実施形態には、ここに例示した以外にも多くのバリエーションが存在する。説明された各種の実施例に含まれている個々の特徴は、その特徴が含まれることが直接記載されている実施例と共にしか使用できないものではなく、ここで説明された他の実施例や説明されていない各種の具現化例においても、組み合わせて使用可能である。例えば図2や図7のフローチャートで紹介された処理の順番も、必ず紹介された順番で実行しなければならないわけではなく、実施するものの好みに応じて、順序を入れ替えたり並列的に同時実行したりするように実装してもよい。これらのバリエーションは全て本発明の範囲に含まれるものであり、例えば請求項に特定される処理の記載順は、実際の処理の順番を特定しているわけではなく、請求項に係る発明の範囲は異なる処理順をも包含するものである。現在の特許請求の範囲で特許請求がなされているか否かに関わらず、出願人は、本発明の思想を逸脱しない全ての形態について、特許を受ける権利を有することを主張するものであることを記しておく。
100 システム
102 処理手段
103 キャッシュメモリ
104 主記憶装置
106 補助記憶装置
108 ディスプレイ・インタフェース
109 周辺機器インタフェース
110 ネットワーク・インタフェース
122 オペレーティングシステム
124 画像変換処理プログラム
125 データ読み込みモジュール
126 放射能濃度換算モジュール
127 計算モジュール
128 抽出モジュール
129 表示モジュール
130,131 骨SPECT画像データ
141 体重情報
142 放射能量情報
143 換算係数
144 補正情報
150 画像データ
150 画素値が正規化骨取込量に変換された骨SPECT画像データ
160 CT画像データ
162 骨重量情報

Claims (7)

  1. コンピュータの処理手段で実行されることにより、前記コンピュータに少なくとも次の処理:
    骨組織用の放射性トレーサーを用いる単一光子放射断層撮影または陽電子放射断層撮影に基づいて得られた三次元画像データにアクセスすることと;
    前記三次元画像データ中の基準領域を特定する情報を取得することと;
    病変候補画素を特定するための検出パラメータに関する情報を取得することと;
    前記受け取った基準領域および検出パラメータを用いて病変候補画素を特定することと;
    前記病変候補画素の周りの領域を病変関心領域として設定することと;
    を実行させる命令を備える、コンピュータプログラムであって、
    前記三次元画像データは、各画素の画素値が、次の式:
    で表される正規化骨取込量となっている画像データであり、
    前記検出パラメータは、前記基準領域の平均画素値からのずれに関する、
    コンピュータプログラム
  2. コンピュータの処理手段で実行されることにより、前記コンピュータに少なくとも次の処理:
    骨組織用の放射性トレーサーを用いる単一光子放射断層撮影または陽電子放射断層撮影に基づいて得られた三次元画像データにアクセスすることと;
    前記三次元画像データ中の基準領域を特定する情報を取得することと;
    病変候補画素を特定するための検出パラメータに関する情報を取得することと;
    前記受け取った基準領域および検出パラメータを用いて病変候補画素を特定することと;
    前記病変候補画素の周りの領域を病変関心領域として設定することと;
    を実行させる命令を備える、コンピュータプログラムであって、
    前記三次元画像データは、各画素の画素値が、次の式:
    で表される骨正規化骨取込量となっている画像データであり、
    前記検出パラメータは、前記基準領域の平均画素値からのずれに関する、
    コンピュータプログラム。
  3. 前記基準領域を特定する情報を取得することは、
    ・ 前記三次元画像データの特定のスライスを表示すると共に、前記表示されたスライス上のユーザー選択を認識すること;
    ・ 前記三次元画像データのうち所定の閾値条件を満たす画素を特定すること;
    ・ 前記基準領域を特定する既定の情報を読み込むことと;
    のいずれかを含む、請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
  4. 前記病変候補画素を特定することは、前記基準領域の平均画素値からのずれの大きさに基づいて、前記病変候補画素を特定することを含む、請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
  5. 前記病変関心領域を設定することは、前記病変候補画素の集合の重心座標からの距離に基づいて、前記病変関心領域を設定することを含む、請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
  6. 前記病変関心領域を設定することは、
    ・ 前記病変候補画素の集合の重心座標を計算することと;
    ・ 前記重心座標から三次元放射状に前記三次元画像データの画素値の変化を調べることと;
    ・ 前記変化を調べる各方向において変曲点を調べることと;
    ・ 前記変曲点の少なくともいくつかをつないで前記病変関心領域を設定することと;
    を含む、請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
  7. 処理手段と記憶手段とを備えるコンピュータであって、前記記憶手段が請求項1からのいずれかに記載のコンピュータプログラムを記憶する、コンピュータ。
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