以下、添付図面を参照し、本発明の机セットを一実施形態の机セットを例にあげて、詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態の机セットは、2種類の異なる高さの机を有する机セットとして示しているが、本発明の机セットは、以下に示す実施形態に限定されるものではなく、たとえば、3種類以上の異なる高さの机を備えていてもよい。また、本実施形態の机セットは、たとえば、旅館、ホテルなどの宴会場などにおいて用いられるお膳として機能する机に適用されるが、他の用途に適用することもできる。
本実施形態の机セットSは、図1に示されるように、2種類以上の高さの異なる第1脚部材11および第2脚部材21と、第1脚部材11および第2脚部材21に共通で使用される天板Pとを備えている。なお、図1中、壁Wよりも左側の空間は、たとえば、旅館やホテルなどの宴会場など、机が並べられる空間を示しており、壁Wよりも右側の空間は、倉庫など、第1および第2脚部材11、21などを収納するスペースを示している。
第1脚部材11は、図1に示されるように、第2脚部材21よりも高さが低く、高さの低い第1脚部材11と天板Pとを組み合わせると座卓として用いられる第1の机1となる。第1の机1の高さ(第1脚部材11の接地面から天板Pの上面までの高さ)は、座卓として用いることができる高さであれば特に限定されないが、たとえば、300〜400mmとすることができる。また、第1脚部材11よりも高さの高い第2脚部材21と天板Pとを組み合わせると椅子用のテーブル(椅子とともに用いられる高さのテーブル)として用いられる第2の机2となる。第2の机2の高さ(第2脚部材21の接地面から天板Pの上面までの高さ)は、椅子用のテーブルとして用いることができる高さであれば特に限定されないが、たとえば、500〜750mmとすることができる。
以下、第1脚部材11および第2脚部材21の構成についてまとめて説明する。
本実施形態では、第1脚部材11および第2脚部材21は、図2〜図5、図7〜図9に示されるように、天板Pが取り付けられる枠体11a、21aと、枠体11a、21aに接続される脚部11b、21bとを有している。枠体11a、21aは、本実施形態では、天板P側の水平材として形成されている。また、脚部11b、21bは、図2〜図5、図7〜図9に示されるように、第1および第2脚部材11、21の接地面に接地するように設けられた接地部11c、21cと、枠体11a、21aと接地部11c、21cとを連結する連結部11d、21dとを有している。また、詳細は後述するが、天板Pおよび第1脚部材11、天板Pおよび第2脚部材21は、図1および図7に示されるように、互いに脱着可能な接続部分Cを有している。第1の机1の接続部分Cは、本実施形態では、図2に示されるように、天板側接続部(後述する第1および第2の取付部材Pa、Pb)と、第1脚部材側接続部(後述する第1の部分P1および第2の部分P2)とを備え、天板側接続部と第1脚部材側接続部とが接続されることにより、天板Pと第1脚部材11とが接続される。また、第2の机2の接続部分Cは、図7に示されるように、本実施形態では、天板側接続部(後述する第1および第2の取付部材Pa、Pb)と、第2脚部材側接続部(後述する第1の部分P1および第2の部分P2)とを備え、天板側接続部と第2脚部材側接続部とが接続されることにより、天板Pと第2脚部材21とが接続される。本実施形態では、天板Pの後述する第1および第2の取付部材Pa、Pb(図11(a)および(b)参照)が、天板側接続部を構成し、天板Pの第1および第2の取付部材Pa、Pbに接続される枠体11a、21aの一部(第1の部分P1および第2の部分P2)が第1および第2脚部材側接続部を構成している。なお、天板側接続部および第1および第2脚部材側接続部の構造や形状は、図示するものに限定されず、他の構造や形状であっても構わない。
枠体11a、21aは、図2〜図5、図7〜図9に示されるように、第1および第2脚部材11、21の天板P側の骨組となる部材である。枠体11a、21aは、天板Pとの間の接続部分Cが少なくとも2か所形成されるように、水平面内において、略平行に離間して配置された第1の部分P1および第2の部分P2を有している。枠体11a、21aの形状は、天板Pとの接続部分Cを確保することができれば、その形状は特に限定されないが、本実施形態では、図2、図5、図7および図9に示されるように、略矩形の環状(略ロ字状)に形成されている。より具体的には、枠体11a、21aは、横断面(垂直方向の断面)が円形のパイプ状の部材が、略矩形環状に曲げ加工され溶接されることにより形成されている。枠体11a、21aは、たとえば、矩形環状ではなく、円環状、C字状、U字状としてもよいし、第1および第2の机1、2の奥側および手前側に、互いに平行な2本の棒状またはパイプ状の部材を設けて枠体としてもよいし、互いに平行な2本の棒状またはパイプ状の部材を、別の連結部材により連結したものであっても構わない。なお、本明細書において、奥側という場合、着座者から見たときの着座者から離れた側をいい、手前側というときは、着座者から見たときの着座者に近い側をいい、着座者から見たときの左右方向を左右という。
接地部11c、21cは、第1および第2の机1、2が床面上に置かれたときに、床面に接地する部分である。接地部11c、21cは、畳擦れとして機能し、和室などで用いられたときに、畳を傷めにくい。接地部11c、21cは床面に接地するものであれば、特にその形状は限定されないが、本実施形態では、図2、図5、図7および図9に示されるように、第1脚部材11、21の接地側の水平材として、略コ字状に形成されている。より具体的には、本実施形態の接地部11c、21cは、横断面が円形のパイプ状の部材が、コ字状に曲げ加工されて形成されている。接地部11c、21cが略コ字状に形成されることにより、床面との接地面積が増えて安定するとともに、接地部11c、21cのうち、着座者が座る側となる机の手前側(図5および図9中、上側)が開放されることとなるため、着座者の足が接地部11c、21cと干渉することがない。
連結部11d、21dは、枠体11a、21aと接地部11c、21cとを連結する。連結部11d、21dのそれぞれの数は特に限定されないが、本実施形態では、複数の連結部11d、21d(第1脚部材11においては、4本(図2参照)。第2脚部材21においては、6本(図7参照))により、枠体11a、21aと接地部11c、21cとが連結されている。複数の連結部11d、21dにより枠体11a、21aと接地部11c、21cとが連結されることにより、第1および第2脚部材11、21の剛性が向上する。連結部11d、21dは本実施形態では断面が円形の棒状またはパイプ状に形成されているが、板状の連結部であっても構わない。
本実施形態では、略矩形環状に形成された枠体11a、21aと、略コ字状の接地部11c、21cとが複数の連結部11d、21dにより連結されている。略コ字状の接地部11c、21cは、図5および図9に示されるように、上面視で枠体11a、21aよりも外側に一回り大きくなるように形成され、図2〜図5および図7〜図9に示されるように、連結部11d、21dは枠体11a、21aから接地部11c、21cに向かうにつれて外側に張り出すように傾斜して設けられている。連結部11d、21dの本数や、位置は特に限定されないが、本実施形態では、連結部11dは、第1脚部材11の左右両側にそれぞれ1本設けられ、第1脚部材11の奥側に2本設けられている。また、連結部21dは、第2脚部材21の左右両側にそれぞれ2本設けられ、第2脚部材21の奥側に2本設けられている。
なお、本実施形態では、第1脚部材11は、第2脚部材21よりも低いため、図2および図7から理解できるように、第1脚部材11の連結部11dは、第2脚部材21の連結部21dよりも短い。また、本実施形態では、後述するように、枠体11aと枠体21aとが同一の形状および大きさを有し(図5および図9参照)、接地部11cと接地部21cとが同一の形状および大きさを有しているため、連結部11dと接地部11cとの間の角度は、連結部21dと接地部21cとの間の角度よりも小さくなっている(図4および図8参照)。
天板Pは、第1脚部材11と第2脚部材21とで共通して用いられ、第1および第2脚部材11、21のいずれにも取り付けることができる。天板Pは、図11(a)および(b)に示されるように、天板本体Bと、天板本体Bの下面、すなわち、枠体11a、21aへの取付面に、天板側接続部(第1および第2の取付部材Pa、Pb)を有している。天板本体Bは、図2および図7に示されるように、枠体11a、21aから外側に張り出す大きさであり、天板本体Bの大きさを広く確保している。本実施形態では、天板Pは、図11(a)および(b)に示されるように、天板側接続部となる、第1および第2の取付部材Pa、Pbが、第1および第2脚部材側接続部となる、枠体11a、21aの第1の部分P1および第2の部分P2に係合することにより、取り付けられる。これにより、天板Pの枠体11a、21aへの取り付けを容易にすることができるとともに、簡単に天板Pが枠体11a、21aから外れることを防止する。
本実施形態では、天板側接続部は、図11(a)および(b)に示されるように、構造が異なる第1の取付部材Paと、第2の取付部材Pbとが、略平行に配置された枠体11a、21aの第1の部分P1および第2の部分P2(本実施形態では、机の奥側が第1の部分P1であり(図2および図7参照)、机の手前側が第2の部分P2となっている(図2および図7参照))にそれぞれ取り付けられる。第1の取付部材Paおよび第2の取付部材Pbの構造は、天板Pを枠体11a、21aに取り付けることができれば、特に限定されないが、本実施形態では、図11(a)および(b)に示されるように、第1の取付部材Paは、天板Pの奥側に向かって開放し、枠体11a、21aの第1の部分P1に係合する係合部Eを備えている。また、図11(a)および(b)に示されるように、第2の取付部材Pbは、枠体11a、21aの第2の部分P2を挟持する、弾性変形可能な一対の挟持部Sa1、Sa2を備えている。
係合部Eは、天板Pの奥側に向かって開放し、図11(a)、(b)、図12(a)および(b)に示されるように、係合部E自体の断面が略C字状または、天板本体Bの下面と係合部Eとにより、略C字状となるように構成されている。本実施形態では、係合部Eにより、または係合部Eと天板本体Bの下面とにより形成される内側の空間に枠体11a、21aの第1の部分P1が入るような大きさに形成されている。より詳細に説明すると、係合部Eを含む第1の取付部材Paは、図12(a)および(b)に示されるように、天板Pに取り付けられる平板部Pa1と、平板部Pa1から延びる係合部Eとを備えている。係合部Eは、図12(b)に示されるように、平板部Pa1から略垂直方向に延びた後、天板Pの奥側に向かって延びて、係合部Eの奥側に向かって、平板部Pa1との間の間隔が広くなるように傾斜して延びている。これにより、枠体11a、11bの第1の部分P1に取り付けるときに取り付けやすくなっている。また、本実施形態では、係合部Eの手前側の幅は、第1および第2脚部材11、21の奥側に設けられた2本の連結部11d、21dの間の間隔に対応している。これにより、係合部Eが第1の部分P1に係合し、天板Pが枠体11a、21aに取り付けられたときに、天板Pの左右方向のずれを防止することができる。また、本実施形態では、図12(a)に示されるように、係合部Eは、係合部Eの奥側に向かって、左右方向の幅が狭くなるように構成されている。これにより、係合部Eを2本の連結部11d、21dの間に差し込むときに、容易に差し込むことができる。
挟持部Sa1およびSa2は、本実施形態では、弾性変形することにより、断面が円形の枠体11a、21aの一部である第2の部分P2を挟み込んで係合するように構成されている。挟持部Sa1およびSa2との先端は、挟持部Sa1およびSa2の間の間隔が枠体11a、21aの外径よりも小さくなるように構成され、枠体11a、21aに向かって押し込むことにより、一時的に間隔が広がった後、さらに押し込むと間隔が狭くなり、枠体11a、21aの第2の部分P2を挟持する。
本実施形態の係合部Eを有する第1の取付部材Paと、挟持部Sa1、Sa2を有する第2の取付部材Pbとを、枠体11a、21aの第1の部分P1および第2の部分P2に取り付ける場合は、図11(a)に示されるように(図11(a)では、第1脚部材11の枠体11aに天板Pを取り付ける場合について示している)、まず、たとえば、床面に載置された第1脚部材11の枠体11aに向かって、天板Pを斜めにした状態で、係合部Eを第1の部分P1に係合させる。係合部Eを第1の部分P1に係合させ、第1脚部材11の奥側を係合した後、天板Pの手前側を、図11(b)の状態となるように、係合部Eと第1の部分P1との係合箇所を支点として旋回させて、天板Pを下方に向かって下ろす。これにより、天板Pを下ろして下方へ押し込むと、挟持部Sa1、Sa2が枠体11aの第2の部分P2を挟持して、天板Pの枠体11aへの取り付けが完了する(図11(b)参照)。なお、天板Pを、第2脚部材21の枠体21aに取り付ける場合も同様である。このような構造により、本実施形態の天板Pは、第1および第2脚部材11、21への取り付けが非常に簡単である。天板Pの取り外し時は、上述した動作と反対の動作をすることにより、天板Pを第1および第2脚部材11、21から取り外すことができ、天板Pの取り外しも非常に簡単である。
さらに、本実施形態では、第1および第2の机1、2の手前側に挟持部Sa1、Sa2を設け、第1および第2の机1、2の奥側に係合部Eを設けている。着座者は、第1および第2の机1、2に座ったときに、天板Pの手前側に手や肘を載せたり、立ち上がるときなどに、天板Pの手前側に体重をかけてしまうことがある。このような場合に、たとえば手前側、奥側の両方が挟持部Sa1、Sa2により、取り付けられていたり、手前側が係合部Eで、奥側が挟持部Sa1、Sa2である場合には、天板Pの手前側に体重をかけた場合に、手前側、すなわち、枠体11a、21aの第2の部分P2を支点として、天板Pが旋回してしまい、天板Pが外れる可能性がある。一方、本実施形態の場合、天板Pが第2の部分P2を支点として回転しようとしても、係合部Eの下側の部分が枠体11a、21aの第1の部分P1と係合して、第2の部分P2を支点として回転することがない。したがって、天板Pに体重がかかったときの天板Pの外れを防止することができる。したがって、天板Pの枠体11a、21aへの容易な取り付けができ、容易な着脱が可能であるにも拘らず、天板Pの手前に手や肘をついて立ち上がるときに天板Pが外れることを防止することができる。
なお、上記実施形態では、天板Pの左右方向のずれを、係合部Eの手前側の幅を、第1および第2脚部材11、21の奥側に設けられた2本の連結部11d、21dの間の間隔に対応させることにより防いでいるが、天板Pの左右方向のずれは他の方法により防止しても構わない。図13は、天板Pを下面側から見た図であり、二点鎖線により枠体11aを示しており、天板Pが枠体11aに取り付けられたときに、枠体11aに対して天板Pが左右方向へずれることを防止するために、図13に示されるように、横ずれ防止突起3を、天板Pおよび枠体11a、21aのうちの一方に設け(図13では、枠体11a側に設けている)、横ずれ防止突起3が嵌まり込む嵌入穴4を、天板Pおよび枠体11a、21aのうちの他方(図13では、天板P側)に設けてもよい。これにより、横ずれ防止突起3が、嵌入穴4に嵌りこみ、天板Pが枠体11aに対して左右方向にずれようとしても、横ずれ防止突起3が嵌入穴4に嵌合するため、簡単な構造で天板Pの横ずれを防止することができる。また、この場合、第1の取付部材Paの左右方向の幅を短くすることができる。なお、左右方向への天板Pのずれは、たとえば、天板Pの下面に枠体11aの左右両側の部分(図13では、枠体11aの上下の直線部分)に係合する係合部(図示せず)をさらに設けるなど、他の方法により横ずれを防止しても構わない。
つぎに、天板Pの枠体11a、21aへの取付構造の他の態様を、図14および図15に示す。なお、図14および図15においては、第1脚部材11の枠体11aへの取り付けを例にあげて説明するが、枠体21aの場合も同様である。
図14および図15に示す他の態様の第1および第2の取付部材Pa、Pbは、第1の部分P1に取り付けられる第1の取付部材Paが、第2の取付部材Pbに向かう方向とは逆の方向において開放し、枠体11aの第1の部分P1に係合する係合部Eを備えている。また、第2の部分P2に取り付けられる第2の取付部材Pbは、枠体11aの第2の部分P2に係合可能な被操作部Pb1と、被操作部Pb1を、第2の部分P2に係合する係合位置(図14参照)と、第2の部分P2との係合を解除する係合解除位置(図15参照)との間で操作する操作部Pb2と、被操作部Pb1を係合位置に向かって付勢する付勢部材Pb3とを備えている。
第1の取付部材Paの係合部Eは、図11(a)および(b)に示す実施形態とほぼ同様の構成を有しているため、説明は省略する。第2の取付部材Pbは、図14および図15に示されるように、レバーとして示された操作部Pb2を操作することにより、被操作部Pb1が操作されて、枠体11aの第2の部分P2に着脱可能に構成されている。より具体的には、被操作部Pb1は、天板Pの下面に設けられた基台Pb4に、旋回軸Pb5回りに回転可能に取り付けられている。被操作部Pb1は、断面円形の枠体11aに係合できるように、略C字状の形状を呈し、被操作部Pb1の旋回軸Pb5とは反対側の端部近傍と、天板Pの奥側から手前側に向かう方向に進退可能な操作部Pb2との間にリンクを介して接続されている。操作部Pb2は、バネとして示された付勢部材Pb3により、被操作部Pb1が係合する方向に付勢されており、係合状態の維持が可能になっている。
この図14および図15に示す実施形態においては、図11(a)および(b)に示した実施形態と同様に、係合部Eを第1の部分P1に係合させ、第1脚部材11の奥側を係合した後、操作部Pb2を操作して、被操作部Pb1を係合解除状態(図15の状態)に移動させながら、天板Pの手前側を、下方に向かって下ろすように、係合部Eと第1の部分P1との係合箇所を支点として旋回させる。天板Pが水平な状態まで降りると、操作部Pb2から手を離す。操作部Pb2から手を離すと、付勢部材Pb3の付勢力により、被操作部Pb1が旋回軸Pb5回りに旋回し、第2の部分P2に被操作部Pb1が係合し、天板Pの取り付けが完了する(図14参照)。このような構造により、本実施形態の天板Pは、第1および第2脚部材11、21への取り付けが非常に簡単である。天板Pの取り外し時は、上述した動作と反対の動作をすることにより、天板Pを第1および第2脚部材11、21から取り外すことができ、天板Pの取り外しも非常に簡単である。また、この他の実施形態においても、天板Pに体重がかかったときの天板Pの外れをより強固に防止することができる。したがって、天板Pの枠体11a、21aへの容易な取り付けができ、天板Pの容易な着脱が可能であるにも拘らず、天板Pが枠体11a、21aから外れることを防止することができる。
つぎに、本実施形態の机セットSの効果について図1を用いて説明する。
まず、机セットSを使用していないときについて説明する。机セットSを使用しないときは、図1の壁Wよりも右側の収納スペースに複数の第1脚部材11、第2脚部材21、および天板Pが収納される。本実施形態の第1および第2脚部材11、21は、それぞれ、天板Pを外した状態で、垂直に複数スタッキング可能となっている。図1に示されるように、第1および第2の机1、2を構成する各部を収納するときに、本実施形態では、天板Pが着脱可能であるため、天板Pが取り外されて、複数の第1脚部材11は、図1および図6に示されるように、第1脚部材11同士でスタッキングされ、複数の第2脚部材21は、図1および図10に示されるように、第2脚部材21同士で垂直にスタッキングされる。また、天板Pは、第1脚部材11と第2脚部材21とで共通(枠体11a、21aの形状および大きさが、第1脚部材11と第2脚部材21とで共通)しているため、天板Pの置き場所を第1脚部材11と第2脚部材21とで区別する必要がなく、図1に示されるように、同じ場所に保管することができる。したがって、第1脚部材11と第2脚部材21とを、天板Pがない状態でスタッキングすることにより、コンパクトに収納することができ、天板Pの置き場所もかさばらないため、全体として非常にコンパクトな収納が可能となる。従来のお膳などは、スタッキングする際に積み重ね用の器具が必要であったり、天板がある状態でスタッキングされていたため、スタッキング時に垂直方向の高さが高くなりコンパクトに収納することができず、スタッキング時に安定しないという問題があったが、本実施形態では、天板Pを外した状態で第1および第2の机1、2の、第1および第2脚部材11、21がスタッキングされるため、スタッキング時の垂直方向の高さを、天板Pがある机を積み重ねる場合と比較して低くすることができ、スタッキング時も安定する。また、本実施形態では、第1および第2脚部材11、21の接地部11c、21cが略コ字状となっており、水平方向で一方が開放している。したがって、既にスタッキングされた第1および第2脚部材11、21の上にさらにもう1つの第1または第2脚部材11、21を積み重ねようとするときに、積み重ねようとする第1または第2脚部11、21の接地部11c、21cを既にスタッキングされた第1および第2脚部材11、21の枠体よりも上方に持ち上げてから積み重ねる必要がなく、これから積み重ねようとする第1または第2脚部材11、21を水平方向に移動させることにより、スタッキングが可能となる。そのため、背の低い者でも、第1および第2脚部材11、21のスタッキングが容易となり、高くスタッキングされた第1および第2脚部材11、21の上にさらに第1および第2脚部材11、21をスタッキングする場合でも、容易にスタッキングすることができる。また、最も上の第1または第2脚部材11、21を取り外すときも、スタッキングされた状態から、少し垂直方向に最も上の第1または第2脚部材11、21を持ち上げて、その後水平方向に第1または第2脚部材11、21を移動させれば第1または第2脚部材11、21を取り外すことができるため、高くスタッキングされた最も上の第1または第2脚部材11、21の取り外しも容易となる。
また、本実施形態では、図6および図10に示されるように、連結部11d、21dの少なくとも一部に、第1および第2脚部材11、21のスタッキング時のずれを防止するための保持部Hが設けられている。保持部Hは、図16に示されるように、連結部11d、21dに固定される断面略C字状の固定部H1と、略C字状の固定部H1から延びる一対の張り出し部H2とを有している。一対の張り出し部H2の間隔は、張り出し部H2の自由端側に向かって広がるように構成されている。なお、張り出し部H2の形状は、図16では、断面において直線状に延びているが、湾曲していても構わない。この保持部Hは、たとえば、図6および図10に示されるように、連結部11d、21dの上部側に固定され、積み重ねられた第1および第2脚部材11、21の連結部11d、21dが、保持部Hに保持されることにより、第1および第2脚部材11、21のずれが防止される。なお、本実施形態では、保持部Hは、第1および第2脚部材11、21の左右の連結部11d、21dに設けられているが、奥側の連結部11d、21dに設けられていてもよい。
なお、図1では、天板Pを概略的に示しているため、天板Pの下面側の第1の取付部材Paおよび第2の取付部材Pbは省略している。天板Pは、図1に示されるように、垂直に積み重ねてもよいし、天板Pを立てた状態(床面に略垂直な方向)で保管しても良い。なお、天板Pを図1のように積み重ねる場合、たとえば、第1の取付部材Paおよび第2の取付部材Pbの天板Pの下面からの突出量を同じとしてもよいし、天板Pの下面の四隅に、第1および第2の取付部材Pa、Pbより高さが高い、同じ高さの突出部(図示せず)を設けてもよい。
つぎに、第1の机1および第2の机2を用意する場合について説明する。
たとえば、複数の団体客の中で2名の客の足腰が悪く、椅子を使って座ることを希望した場合、2つの第2の机2が必要となる。その場合、収納された机セットSの中から、高さが高い2つの第2脚部材21を用意し、それ以外は第1脚部材11を用意する。スタッキングされた第1および第2脚部材11、21から、所定の数を取り出した後、客間に並べる。このとき、接地部11c、21cが略コ字状に形成されていることにより、第1および第2の机1、2の手前側が容易に判断でき、着座者側に略コ字状の接地部11c、21cの開放した側が向くように第1および第2脚部材11、21を並べる。第1脚部材11および第2脚部材21が並べられると、第1および第2脚部材11、21の両方に共通する天板Pを、第1および第2脚部材11、21の枠体11a、21aに取り付ける。天板Pは、第1および第2脚部材11、21に共通しているため、天板Pを取り出す際に、第1脚部材11の天板Pと第2脚部材21の天板Pとを区別する必要がなく、天板Pの大きさなどを確認する必要がないため、天板Pの取り出しと取り付け作業が容易かつ迅速となる。
また、本実施形態では、天板Pが第1脚部材11および第2脚部材21で共通しているため、天板Pの製造時のコストを低減することができ、特に、枠体11a、21aおよび接地部11c、21cの形状および大きさが、第1脚部材11と第2脚部材21とで共通する場合には、天板P、枠体11a、21a、接地部11c、21cの全てが共通するため、製造コストを大幅に低減することができる。