JP6385171B2 - 整流器 - Google Patents

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Description

本発明は、広範囲の入力電力で高いRF−DC(高周波−直流)変換効率を実現する整流器に関するものである。
従来の整流器として、高周波の高入力電力時に高いRF−DC変換効率が得られる高入力電力整流手段と、高周波の低入力電力時に高いRF−DC変換効率が得られる低入力電力整流手段とを備え、これらを入力電力の値に応じて切り替えるようにしたものがあった(例えば、非特許文献1参照)。
Wide Power Range Operable 3-stage S-Band Microwave Rectifier WithAutomatic Selector Based on Input Power Level,IMS2013 WE3G-4 Jun 2013
しかしながら、従来の整流器においては、入力電力に応じた整流手段の切替を、外部において入力電力を電力モニタで検波し、その検波結果に応じて1入力2出力(SPDT)スイッチを制御していたため、電力モニタや制御回路のために電力損失が生じるといった問題と、回路規模またはサイズが大きくなるなどの問題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、簡易な回路構成で、広範囲の入力電力で高いRF−DC変換効率を実現する整流器を得ることを目的とする。
この発明に係る整流器は、第1及び第2の整流手段と、第1及び第2の整流手段の入力側にそれぞれ接続された第1及び第2の切替手段と、第1及び第2の整流手段の出力側にそれぞれ接続された第3及び第4の切替手段と、少なくとも入力波の基本波を短絡する高周波短絡手段と、第1及び第2の整流手段によって得られる直流電圧を帰還して第1から第4の切替手段を制御するアナログ回路による直流電圧帰還手段とを備え、高周波短絡手段の入力端子は、第3及び第4の切替手段の出力端子の接続点に接続され、高周波短絡手段の出力端子は負荷に接続されて前記直流電圧を供給し、第1の整流手段は、高周波を直流に変換する効率の最高値が第2の整流手段よりも高い入力電力で得られる整流手段であり、直流電圧の変化に伴い第1の整流手段への入力電力と第2の整流手段への入力電力との分配比が変化し、第1から第4の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも直流電圧が低いとき、第2の整流手段への入力電力の分配比が第1の整流手段より大きく、直流電圧が高いとき、第1の整流手段への入力電力の分配比が第2の整流手段より大きく、第1及び第2の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも第1と第2の整流手段で得られる直流電圧が低い程、第1の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、前記直流電圧が高い程、前記第2の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、第1の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第1及び第2の伝送線路と、直流を遮断する第1のキャパシタと、直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第1のスイッチとを備え、第2の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第5の伝送線路と、直流を遮断する第3のキャパシタと、直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第3のスイッチとを備え、第2の伝送線路と第5の伝送線路の入力端子はそれぞれ整流器の入力端子に接続され、第2の伝送線路の出力端子は第1の伝送線路の一端と第1の切替手段の出力端子とに接続され、第1の伝送線路の他端はグランドとの間に第1のキャパシタと第1のスイッチの直列回路を備え、第5の伝送線路の出力端子はグランドとの間に第3のキャパシタと第3のスイッチの直列回路を備え、かつ第2の切替手段の出力端子に接続され、第1及び第3のスイッチは、制御電圧が第1の設定値より低いときに開放、制御電圧が第1の設定値より高い第2の設定値より高いときに短絡となるようにしたものである。
この発明の整流器は、並列に接続された高入力電力でRF−DC変換効率の高い第1の整流手段と、低入力電力でRF−DC変換効率の高い第2の整流手段で得られる直流電圧を帰還して、第1の整流手段と第2の整流手段への入力電力の分配比をRF−DC変換効率が高くなるように自律的に制御するので、簡易な回路構成で広範囲の入力電力に対応することができ、かつ高いRF−DC変換効率を実現することができる。
この発明の実施の形態1に係る整流器の第1の例を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る整流器の第2の例を示す構成図である。 この発明の実施の形態1におけるダイオードの電流―電圧特性とダイオード端子間電圧の時間波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態1の整流器におけるVDC≦Vのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態1の整流器におけるV≦VDC≦Vのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態1の整流器におけるVDC≧Vのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態1の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る高周波短絡手段の第1の例を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る高周波短絡手段の第2の例を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る高周波短絡手段の第3の例を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る高周波短絡手段の第4の例を示す構成図である。 この発明の実施の形態2に係る整流器の構成図である。 この発明の実施の形態2の整流器におけるVDC≦Vのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態2の整流器におけるV≦VDC≦Vのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態2の整流器におけるVDC≧Vのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態2の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態3に係る整流器の構成図である。 この発明の実施の形態3の整流器における基準電圧源に対して直流の電圧VDCが低いときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態3の整流器における基準電圧源に対して直流の電圧VDCが高いときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態3の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態3の整流器における直流電圧帰還手段の他の例の構成図である。 この発明の実施の形態4に係る整流器の構成図である。 この発明の実施の形態4の整流器における第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ及び第4のスイッチの状態と直流の電圧VDCとの関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態4の整流器におけるVDC≦VLOWのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態4の整流器におけるVLOW≦VDC≦VHIGHのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態4の整流器におけるVDC≧VHIGHのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態4の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態4の整流器における第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ及び第4のスイッチにそれぞれエンハンスメント形FETを適用した場合の整流器の構成図である。 この発明の実施の形態5に係る整流器の構成図である。 この発明の実施の形態5の整流器の第5のスイッチ、第6のスイッチ、第7のスイッチ及び第8のスイッチの状態と直流の電圧VDCとの関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態5の整流器におけるVDC≧VHIGHのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態5の整流器におけるVLOW≦VDC≦VHIGHのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態5の整流器におけるVDC≦VLOWのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態5の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態5の整流器の第5のスイッチ、第6のスイッチ、第7のスイッチ及び第8のスイッチにそれぞれデプレッション形FETを適用した場合の整流器の構成図である。 この発明の実施の形態6に係る整流器を示す構成図である。 この発明の実施の形態6の整流器における基準電圧源に対して直流の電圧VDCが低いときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態6の整流器における基準電圧源に対して直流の電圧VDCが高いときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態6の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態6の整流器における第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ及び第4のスイッチにそれぞれエンハンスメント形FETを適用した場合の整流器の構成図である。 この発明の実施の形態7に係る整流器を示す構成図である。 この発明の実施の形態7の整流器における基準電圧源に対して負の直流の電圧―VDCが高いときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態7の整流器における基準電圧源に対して負の直流の電圧―VDCが低いときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態7の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態7の整流器における第5のスイッチ、第6のスイッチ、第7のスイッチ及び第8のスイッチにそれぞれデプレッション形FETを適用した場合の整流器の構成図である。 この発明の実施の形態8に係る整流器の第1の例を示す構成図である。 この発明の実施の形態8に係る整流器の第2の例を示す構成図である。 この発明の実施の形態8に係る整流器における第1の出力フィルタ及び第2の出力フィルタにそれぞれ、入力される高周波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有する伝送線路を適用した場合の整流器の構成図である。 この発明の実施の形態8の整流器におけるVDC≦Vのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態8の整流器におけるV≦VDC≦Vのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態8の整流器におけるVDC≧Vのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態8の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態9に係る整流器を示す構成図である。 この発明の実施の形態9の整流器におけるVDC≦VLOWのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態9の整流器におけるVLOW≦VDC≦VHIGHのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態9の整流器におけるVDC≧VHIGHのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態9の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態9の整流器における第1のスイッチ及び第3のスイッチにそれぞれエンハンスメント形FETを適用した場合の整流器の構成図である。 この発明の実施の形態10に係る整流器の構成図である。 この発明の実施の形態10の整流器におけるVDC≧VHIGHのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態10の整流器におけるVLOW≦VDC≦VHIGHのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態10の整流器におけるVDC≦VLOWのときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態10の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態10の整流器における第5のスイッチ及び第7のスイッチにそれぞれデプレッション形FETを適用した場合の整流器の構成図である。 この発明の実施の形態11に係る整流器の構成図である。 この発明の実施の形態11の整流器における基準電圧源に対して直流の電圧VDCが低いときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態11の整流器における基準電圧源に対して直流の電圧VDCが高いときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態11の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態11の整流器における第1のスイッチ及び第3のスイッチにそれぞれエンハンスメント形FETを適用した場合の整流器の構成図である。 この発明の実施の形態12に係る整流器の構成図である。 この発明の実施の形態12の整流器における基準電圧源に対して直流の電圧のVDCが高いときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態12の整流器における基準電圧源に対して直流の電圧VDCが低いときの入力波の経路を示す説明図である。 この発明の実施の形態12の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す説明図である。 この発明の実施の形態12の整流器における第5のスイッチ及び第7のスイッチにそれぞれデプレッション形FETを適用した場合の整流器の構成図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による整流器を示す構成図である。
図1に示す整流器は、入力側高入力電力切替手段1、出力側高入力電力切替手段2、入力側低入力電力切替手段3、出力側低入力電力切替手段4、高入力電力整流手段5、低入力電力整流手段6、直流電圧帰還手段7、入力端子8、出力端子9、高周波短絡手段10を備えている。
高入力電力整流手段5及び低入力電力整流手段6は、入力された高周波を直流に変換(RF−DC変換)する第1及び第2の整流手段である。高入力電力整流手段5において高周波を直流に変換する変換効率の最高値が得られる高周波の電力は、低入力電力整流手段6において高周波を直流に変換する変換効率が得られる高周波の電力よりも高いものとする。入力側高入力電力切替手段1及び入力側低入力電力切替手段3は、高入力電力整流手段5及び低入力電力整流手段6への入力波の電力の分配比を変化させる第1及び第2の切替手段である。出力側高入力電力切替手段2及び出力側低入力電力切替手段4は、直流を通過させ、かつ入力インピーダンスが入力波の基本波周波数で開放であり、かつ出力インピーダンスが制御電圧に応じて可変する第3及び第4の切替手段である。高周波短絡手段10は、少なくとも入力波の基本波周波数で短絡とする手段である。設計によって、高周波短絡手段10は、入力波の基本波周波数に加えて、入力波の高次高調波の周波数においても短絡として良い。直流電圧帰還手段7は、入力側高入力電力切替手段1、出力側高入力電力切替手段2、入力側低入力電力切替手段3及び出力側低入力電力切替手段4の切替を制御する手段である。
ここでは、入力側高入力電力切替手段1及び入力側低入力電力切替手段3は共に入力端子8に接続され、入力側高入力電力切替手段1の出力端子は高入力電力整流手段5の入力端子に接続され、入力側低入力電力切替手段3の出力端子は低入力電力整流手段6の入力端子に接続されている。高入力電力整流手段5の出力端子は出力側高入力電力切替手段2を介して高周波短絡手段10の入力端子に接続され、低入力電力整流手段6の出力端子は出力側低入力電力切替手段4を介して高周波短絡手段10の入力端子に接続されている。すなわち、高周波短絡手段10の入力端子は、出力側高入力電力切替手段2の出力端子と出力側低入力電力切替手段4の出力端子との接続点100に接続されている。
直流電圧帰還手段7に入力される電圧は、高入力電力整流手段5及び低入力電力整流手段6のうち少なくともいずれかで生じる直流電圧VDCであり、この直流の電圧VDCに応じて直流電圧帰還手段7から制御電圧が出力され、高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6に入力される高周波の電力の通過量を制御する構成である。
ここでは、高入力電力整流手段5及び低入力電力整流手段6においてRF−DC変換効率の最高値が得られるときの直流の電圧をそれぞれV、Vとし、出力端子9に生じる直流電圧VDCがVより低い(VDC≦V)とき、直流電圧帰還手段7により入力波の入力側高入力電力切替手段1の通過量が小さくて反射量が大きく、かつ入力波の入力側低入力電力切替手段3の通過量が大きくなるように制御し、さらに出力側高入力電力切替手段2の出力インピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、かつ出力側低入力電力切替手段4の入力インピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となるように制御する。
直流電圧VDCが高くなる(V≦VDC≦V)につれて、直流電圧帰還手段7により、入力側高入力電力切替手段1に入力される高周波電力の分配量が大きくなるように制御する。
直流電圧VDCがVより高い(VDC≧V)とき、直流電圧帰還手段7により入力波の入力側高入力電力切替手段1の通過量が大きく、かつ入力波の入力側低入力電力切替手段3の通過量が小さくて反射量が大きくなるように制御し、さらに出力側高入力電力切替手段2の入力インピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、かつ出力側低入力電力切替手段4の出力インピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となるように制御する。
整流器の出力端子9で直流を取り出すため、高周波短絡手段10の入出力端子間では直流がグランドに対して短絡しない構成とする。
図1では、高周波短絡手段10の入力端子と直流電圧帰還手段7の入力端子とを接続した構成を示したが、図2に示すように、高周波短絡手段10の出力端子と直流電圧帰還手段7の入力端子とを接続した構成でも良い。
次に、実施の形態1に係る整流器の動作について説明する。
図3にダイオードの電流-電圧特性とダイオード端子間電圧の時間波形を示す。整流器の入力端子8に高周波が入力されると、高入力電力整流手段5または低入力電力整流手段6の整流素子(例えば、ダイオード)は半周期毎にオンとオフを繰り返すことで高調波が生じ、ダイオードの極性に応じた方向に電圧(オフセット)が生じる。このオフセット値が直流であり、電圧波形を高周波短絡手段10における高周波ショート用容量素子により平滑化することで、負荷が接続された出力端子9で直流を取り出せる。この出力端子9で取り出せる直流の電圧VDCの大きさは入力される高周波の電力が高い程、大きくなる。
この直流の電圧VDCに応じて、直流電圧帰還手段7から制御電圧が出力され、入力側高入力電力切替手段1、出力側高入力電力切替手段2、入力側低入力電力切替手段3及び出力側低入力電力切替手段4における入力波の電力の通過量を制御する。
整流器に入力される高周波の電力が低い(VDC≦V)とき、直流電圧帰還手段7により、入力波の入力側高入力電力切替手段1の通過量が小さくて反射量が大きく、かつ入力波の入力側低入力電力切替手段3の通過量が大きくなるように制御するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波のほとんどは入力側低入力電力切替手段3に入力される。
さらに、直流電圧帰還手段7により、出力側低入力電力切替手段4の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、かつ出力側高入力電力切替手段2の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放なるように制御することから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
図4に実施の形態1の整流器におけるVDC≦Vのときの入力波の経路を示す。図4において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図4に示すように、入力側低入力電力切替手段3及び低入力電力整流手段6による経路を辿る。
これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、VDC≦Vの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
整流器に入力される高周波の電力が高くなる(V≦VDC≦V)につれて、直流電圧帰還手段7により、入力側高入力電力切替手段1に入力される高周波の電力の分配量が大きくなるように制御される。
図5に実施の形態1の整流器におけるV≦VDC≦Vのときの入力波の経路を示す。図5において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図5に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路と、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路に分配される。
これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6及び高入力電力整流手段5において直流に変換される。
さらに整流器に入力される高周波の電力が高い(VDC≧V)とき、直流電圧帰還手段7により、入力波の入力側高入力電力切替手段1の通過量が大きく、かつ入力波の入力側低入力電力切替手段3の通過量が小さくて反射が大きくなるように制御するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波のほとんどは入力側高入力電力切替手段1に入力される。
さらに、直流電圧帰還手段7により、出力側高入力電力切替手段2の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、かつ出力側低入力電力切替手段4の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるように制御することから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
図6に実施の形態1の整流器におけるVDC≧Vのときの入力波の経路を示す。図6において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図6に示すように、入力側高入力電力切替手段1及び高入力電力整流手段5による経路を辿る。
これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5において直流に変換されることから、VDC≧Vの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図7に実施の形態1の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図7において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態1の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図7に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
尚、高周波短絡手段10は、図8に示すように、入力された高周波の基本波周波数及び高次高調波の周波数を短絡する高周波ショート用容量素子101を備えた構成としても良い。高周波ショート用容量素子101は、一端が接地され、他端が高周波短絡手段10の入力端子と出力端子に接続されており、グランドに対して直流は開放、かつ入力された高周波の基本波周波数及び高次高調波の周波数で短絡となる素子である。
図8に示す高周波ショート用容量素子101は、低周波数帯など寄生成分の影響が十分に小さい場合は理想的に動作するが、寄生のインダクタ成分の影響がみえる高周波数帯では短絡からずれてしまう。そこで、高周波短絡手段10は、入力端子8に入力された高周波の基本波周波数、または基本波周波数に加えて1つ以上の高次高調波の周波数で短絡となるようにそれぞれ誘導素子と容量素子で構成された直列共振回路を備えた構成としても良い。
図9では、入力された高周波の基本波周波数で直列共振する誘導素子と容量素子で構成された直列共振回路102と、入力された高周波の2次高調波の周波数で直列共振する誘導素子と容量素子で構成された直列共振回路103と、寄生インダクタを考慮した高周波ショート用容量素子101とで構成され、直列共振回路102及び103の一端がそれぞれ接地され、直列共振回路102及び103の他端がそれぞれ高周波短絡手段10の入力端子に接続された構成を示している。寄生インダクタを考えた場合、高周波ショート用容量素子101は高次の高調波では短絡とならないが、高周波を平滑化して直流を得る役割がある。平滑化コンデンサは別途負荷に並列に備えられていても良い。
図9に示した高周波短絡手段10の構成よりも、出力側高入力電力切替手段2の出力端子と出力側低入力電力切替手段4の出力端子の接続点100でより短絡にし易い構成として、図10に示すように、入力端子8に入力された高周波の基本波周波数、または基本波周波数に加えて1つ以上の高次高調波周波数で短絡となるようにそれぞれ1/4波長の電気長を有するオープンスタブを高周波短絡手段10の入力端子に備えた構成としても良い。
図10では、入力された高周波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有するオープンスタブ104と入力された高周波の2次高調波の周波数で1/4波長の電気長を有するオープンスタブ105と高周波ショート用容量素子101とで構成され、オープンスタブ104及び105がそれぞれ高周波短絡手段10の入力端子に接続された構成を示している。
また、高周波短絡手段10は図9と図10の組み合わせとして、入力端子8に入力された高周波の基本波周波数、または基本波周波数に加えて1つ以上の高次高調波の周波数で短絡となるようにそれぞれ1/4波長の電気長を有するオープンスタブと入力された高周波の基本波周波数、または基本波周波数に加えて1つ以上の高次高調波の周波数で短絡となるようにそれぞれ直列共振する誘導素子と容量素子で構成された直列共振回路とを備えた構成としても良い。
図11では、入力された高周波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有するオープンスタブ104と入力された高周波の2次高調波の周波数で直列共振する誘導素子と容量素子で構成された直列共振回路103と高周波ショート用容量素子101で構成され、オープンスタブ104が高周波短絡手段10の入力端子に接続され、直列共振回路103の一端が接地され、直列共振回路103の他端が高周波短絡手段10の入力端子に接続された構成を示している。
以上説明したように、実施の形態1の整流器によれば、第1及び第2の整流手段と、第1及び第2の整流手段の入力側にそれぞれ接続された第1及び第2の切替手段と、第1及び第2の整流手段の出力側にそれぞれ接続された第3及び第4の切替手段と、少なくとも入力波の基本波を短絡する高周波短絡手段と、第1及び第2の整流手段によって得られる直流電圧を帰還して第1から第4の切替手段を制御する直流電圧帰還手段とを備え、高周波短絡手段の入力端子は、第3及び第4の切替手段の出力端子の接続点に接続され、高周波短絡手段の出力端子は負荷に接続されて直流電圧を供給し、第1の整流手段は、高周波を直流に変換する効率の最高値が第2の整流手段よりも高い入力電力で得られる整流手段であり、第1から第4の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも直流電圧が低いとき、第2の整流手段への入力電力の分配比が第1の整流手段より大きく、直流電圧が高いとき、第1の整流手段への入力電力の分配比が第2の整流手段より大きくなるよう構成したので、簡易な回路構成で、広範囲の入力電力で高いRF−DC変換効率を実現することができる。
また、実施の形態1の整流器によれば、第1及び第2の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも第1と第2の整流手段で得られる直流電圧が低い程、第1の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、直流電圧が高い程、第2の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づくようにしたので、簡易な回路構成で、広範囲の入力電力で高いRF−DC変換効率を実現することができる。
また、実施の形態1の整流器によれば、第1及び第2の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも、第1と第2の整流手段で得られる直流電圧が低い程、第3の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、直流電圧が高い程、第4の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づくようにしたので、簡易な回路構成で、広範囲の入力電力で高いRF−DC変換効率を実現することができる。
また、実施の形態1の整流器によれば、入力波に加えて、入力波の2次以上の高調波を短絡する高周波短絡手段を備えるようにしたので、条件に応じてより高いRF−DC変換効率を実現することができる。
また、実施の形態1の整流器によれば、高周波短絡手段は、高周波ショート用容量素子を備え、高周波ショート用容量素子は、直流は開放、かつ高周波の基本波周波数及び高次高調波の周波数で短絡となる素子で有り、高周波ショート用容量素子の一端が接地され、他端が高周波短絡手段の入力端子と出力端子に接続されたので、簡易な構成で高周波短絡手段を実現することができる。
また、実施の形態1の整流器によれば、高周波短絡手段は、高周波の基本波周波数または基本波周波数に加えて1つ以上の高次高調波の周波数で短絡となるよう直列共振する誘導素子と容量素子で構成される直列共振回路を複数備え、複数の直列共振回路の一端は接地され、複数の直列共振回路の他端は高周波短絡手段の入力端子と出力端子に接続されたので、簡易な構成で高周波短絡手段を実現することができる。
また、実施の形態1の整流器によれば、高周波短絡手段は、高周波の基本波周波数または基本波周波数に加えて1つ以上の高次高調波の周波数で短絡となるように、基本波周波数において1/4波長の電気長を有した基本波オープンスタブと、基本波オープンスタブに加えて高次高調波において1/4波長の電気長を有した高調波オープンスタブとを備えたので、簡易な構成で高周波短絡手段を実現することができる。
また、実施の形態1の整流器によれば、高周波短絡手段は、高周波の基本波の周波数において1/4波長の電気長を有した基本波オープンスタブまたは高次高調波において1/4波長の電気長を有した高調波オープンスタブと、高周波の基本波周波数、または高次高調波の周波数で直列共振する誘導素子と容量素子で構成された直列共振回路とを組み合わせて備えることにより、高周波の基本波周波数、または基本波周波数に加えて1つ以上の高次高調波の周波数で短絡としたので、簡易な構成で高周波短絡手段を実現することができる。
実施の形態2.
図12はこの発明の実施の形態2に係る整流器を示す構成図である。実施の形態2に係る整流器は、高入力電力整流手段5、低入力電力整流手段6及び直流電圧帰還手段7の構成がより具体的な例として示される。それ以外は図1に示した実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
高入力電力整流手段5を構成する整流素子51は、図12に示すように、低入力電力整流手段6を構成する整流素子51を直列接続した素子である。これにより、同一の負荷で、高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6のRF−DC変換効率の最高値はおおよそ等しく、高入力電力整流手段5においてRF−DC変換効率の最高値が得られる高周波電力は、低入力電力整流手段6においてRF−DC変換効率の最高値が得られる高周波電力より、6dB高くなる。これは、高入力電力整流手段5のように低入力電力整流手段6と同じダイオードを接続した場合、ダイオード1つよりも耐電圧が2倍になり、入力電力が6dB(4倍)高いときに電圧2倍、電流2倍となって整流手段のインピーダンスがおおよそ等しくなるためである。
ここでは、高入力電力整流手段5及び低入力電力整流手段6においてRF−DC変換効率の最高値が得られるときの直流の電圧をそれぞれV、Vとする。
直流電圧帰還手段7は、図12に示すように、直流フィード用誘導素子71と高周波ショート用容量素子72とを備え、直流フィード用誘導素子71は直流が通過し、かつ入力波の基本波周波数及び高次高調波の周波数で高いインピーダンスをもつ素子であり、高周波ショート用容量素子72は、グランドに対して直流で開放となり、かつ入力波の基本波周波数及び高次高調波の周波数で短絡となる素子である。直流フィード用誘導素子71の一端は直流電圧帰還手段7の入力端子に接続され、高周波ショート用容量素子72の一端は接地され、直流フィード用誘導素子71の他端と高周波ショート用容量素子72の他端は直流電圧帰還手段7の出力端子と接続される。したがって、接続点100から入力側高入力電力切替手段1、出力側高入力電力切替手段2、入力側低入力電力切替手段3及び出力側低入力電力切替手段4へは高周波は漏洩せず、直流のみが通過する。
高入力電力整流手段5または低入力電力整流手段6により生じる直流の電圧VDCを直流電圧帰還手段7を介して、入力側高入力電力切替手段1、出力側高入力電力切替手段2、入力側低入力電力切替手段3及び出力側低入力電力切替手段4に出力する。
次に、実施の形態2に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低い(VDC≦V)とき、直流電圧帰還手段7により、入力波の入力側高入力電力切替手段1の通過量が小さくて反射量が大きく、かつ入力波の入力側低入力電力切替手段3の通過量が大きくなるように制御するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波のほとんどは入力側低入力電力切替手段3に入力される。
さらに、直流電圧帰還手段7により、出力側低入力電力切替手段4の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、かつ出力側高入力電力切替手段2の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるように制御することから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
図13に実施の形態2の整流器におけるVDC≦Vのときの入力波の経路を示す。図13において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図13に示すように、入力側低入力電力切替手段3及び低入力電力整流手段6による経路を辿る。
これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、VDC≦Vの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
整流器に入力される高周波の電力が高くなる(V≦VDC≦V)につれて、直流電圧帰還手段7により、入力側高入力電力切替手段1に入力される高周波の電力の分配量が大きくなるように制御される。
図14に実施の形態2の整流器におけるV≦VDC≦Vのときの入力波の経路を示す。図14において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図14に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路と、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路に分配される。
これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6及び高入力電力整流手段5において直流に変換される。
さらに整流器に入力される高周波の電力が高い(VDC≧V)とき、直流電圧帰還手段7により、入力波の入力側高入力電力切替手段1の通過量が大きく、かつ入力波の入力側低入力電力切替手段3の通過量が小さくて反射が大きくなるように制御するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波のほとんどは入力側高入力電力切替手段1に入力される。
さらに、直流電圧帰還手段7により、出力側高入力電力切替手段2の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、かつ出力側低入力電力切替手段4の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるように制御することから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
図15に実施の形態2の整流器におけるVDC≧Vのときの入力波の経路を示す。図15において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図15に示すように、入力側高入力電力切替手段1及び高入力電力整流手段5による経路を辿る。
これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5において直流に変換されることから、VDC≧Vの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図16に実施の形態2の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図16において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態2の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図16に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
尚、高周波短絡手段10は他に図9から図11に示した構成のうちいずれかの構成としても良い。
また、図12において、整流手段を整流素子のみで示したが、整合回路、高効率なRF−DC変換を得るために高調波を反射させる高調波処理用の回路などを備えていても良い。これは以降で説明する他の実施の形態においても同様である。
以上説明したように、実施の形態2の整流器によれば、第1の整流手段は、第2の整流手段の整流素子を直列接続するようにしたので、同一の負荷を用いて、広い入力電力範囲にわたって高いRF−DC変換効率を得ることができる。
また、実施の形態2の整流器によれば、直流電圧帰還手段は、直流フィード用誘導素子と高周波ショート用容量素子とを備え、直流フィード用誘導素子は直流が通過し、かつ高周波の基本波周波数及び高次高調波の周波数で高いインピーダンスをもつ素子であり、高周波ショート用容量素子は、グランドに対して直流で開放となり、かつ高周波の基本波周波数及び高次高調波の周波数で短絡となる素子であり、直流フィード用誘導素子の一端は直流電圧帰還手段の入力端子に接続され、高周波ショート用容量素子の一端は接地され、直流フィード用誘導素子の他端と高周波ショート用容量素子の他端は直流電圧帰還手段の出力端子と接続されたので、簡易な構成で直流電圧帰還手段を実現することができる。
実施の形態3.
図17は、実施の形態3に係る整流器を示す構成図である。実施の形態3に係る整流器は、直流電圧帰還手段7の構成が実施の形態2とは異なる。それ以外は図12に示した実施の形態2と同様であるため、対応する部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態3の直流電圧帰還手段7は、図17に示すように、基準電圧源73と電圧比較手段74とを備えた構成である。電圧比較手段74の第1の入力端子は直流電圧帰還手段7の入力端子に接続され、基準電圧源73は電圧比較手段74の第2の入力端子に接続され、電圧比較手段74の出力端子は直流電圧帰還手段7の出力端子に接続される。高入力電力整流手段5または低入力電力整流手段6によって高周波から変換された直流の電圧VDCが電圧比較手段74の第1の入力端子に入力されて、基準電圧源73と比較され、基準電圧源73に対する直流の電圧VDCの高低により、入力側高入力電力切替手段1、出力側高入力電力切替手段2、入力側低入力電力切替手段3及び出力側低入力電力切替手段4の通過量を制御する電圧が電圧比較手段74から出力される。
ここでは、基準電圧源73の電圧値は、高入力電力整流手段5においてRF―DC変換効率の最高値が得られる高周波の電力P(dBm)と低入力電力整流手段6においてRF−DC変換効率の最高効率が得られる高周波の電力P(dBm)の中間の高周波の電力(例えば、(P+P)/2)(dBm)が整流器に入力されたときに、出力端子9に生じる直流の電圧値とする。
ここでは、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いとき、直流電圧帰還手段7により入力側高入力電力切替手段1は入力波を遮断し、かつ入力側低入力電力切替手段3は入力波を通過させるように制御され、併せて出力側低入力電力切替手段4は直流を高周波短絡手段10を介して負荷に出力しつつ、入力波の基本波周波数で入力インピーダンスが開放となって負荷側への入力波の漏洩を抑圧し、出力側高入力電力切替手段2は入力波の基本波周波数で出力インピーダンスが開放となって出力側低入力電力切替手段4の出力から高周波的に見えないように制御される。
一方、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いとき、直流電圧帰還手段7により入力側高入力電力切替手段1は入力波を通過させ、かつ入力側低入力電力切替手段3は入力波を遮断するように制御され、併せて出力側高入力電力切替手段2は直流を高周波短絡手段10を介して負荷に出力しつつ、入力波の基本波周波数で入力インピーダンスが開放となって負荷側への入力波の漏洩を抑圧し、出力側低入力電力切替手段4は入力波の基本波周波数で出力インピーダンスが開放となって出力側高入力電力切替手段2の出力から高周波的に見えないように制御される。
次に、実施の形態3に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低く、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いときは、入力側高入力電力切替手段1は入力波を遮断し、かつ入力側低入力電力切替手段3は入力波を通過させるため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側低入力電力切替手段3に入力される。
さらに、直流電圧帰還手段7により、出力側低入力電力切替手段4の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放でとなり、かつ出力側高入力電力切替手段2の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるように制御されることから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
図18に実施の形態3の整流器における基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いときの入力波の経路を示す。図18において、太線が高周波の経路を示している。入力波は、図18に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低い場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
一方、整流器に入力される高周波の電力が高く、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いときは、入力側高入力電力切替手段1は入力波を通過させ、かつ入力側低入力電力切替手段3は入力波を遮断するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側高入力電力切替手段1に入力される。
さらに、出力側高入力電力切替手段2の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放であり、かつ直流電圧帰還手段7により、出力側低入力電力切替手段4の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるように制御することから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
図19に実施の形態3の整流器における基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いときの入力波の経路を示す。図19において、太線が高周波の経路を示している。入力波は、図19に示すように、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5において直流に変換さえることから、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高い場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図20に実施の形態3の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図20において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態3の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図20に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
尚、実施の形態3に係る整流器は、入力された高周波の電力に応じて、高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6とを切り替えることができる。これにより、高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6との切替において中間状態がなく、入力されたほぼ全ての高周波の電力を最適な整流手段で直流に変換できるため、実施の形態2よりも安定して高いRF−DC変換効率を得ることができる。
また、直流電圧帰還手段7は、図21に示すように、直流電圧帰還手段7の入力端子75に直流フィード用誘導素子71と高周波ショート用容量素子72を追加しても良い。直流フィード用誘導素子71の一端は直流電圧帰還手段7の入力端子75に接続され、高周波ショート用容量素子72の一端は接地され、直流フィード用誘導素子71の他端と高周波ショート用容量素子72の他端は共に電圧比較手段74の第1の入力端子に接続される。図中、76は直流電圧帰還手段7の出力端子である。
尚、高周波短絡手段10は他に図9から図11に示した構成のうちいずれかの構成としても良い。
以上説明したように、実施の形態3の整流器によれば、直流電圧帰還手段は、電圧比較手段と基準電圧源とを備え、電圧比較手段の第1の入力端子は直流電圧比較手段の入力端子に接続され、基準電圧源は電圧比較手段の第2の入力端子に接続され、電圧比較手段の出力端子は直流電圧帰還手段の出力端子に接続され、電圧比較手段は、直流電圧帰還手段の入力端子の電圧と基準電圧源の電圧とを比較し、比較結果に応じた電圧を直流電圧帰還手段の出力端子より出力するようにしたので、安定して高いRF−DC変換効率を得ることができる。
実施の形態4.
図22は、この発明の実施の形態4に係る整流器を示す構成図である。実施の形態4に係る整流器は、実施の形態2に係る整流器の入力側高入力電力切替手段1、出力側高入力電力切替手段2、入力側低入力電力切替手段3及び出力側低入力電力切替手段4の構成がより具体的な例として示される。それ以外は図12に示した実施の形態2と同様であるため、対応する部分に同一符号を付して説明を省略する。また、高入力電力整流手段5及び低入力電力整流手段6における整流素子51は、出力端子9に正の直流電圧VDCが生じる向きに接続されているものとする。
第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41の制御端子には、出力端子9で得られる正の直流の電圧VDCが直流電圧帰還手段7を介して入力される。
図23に第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41の状態と直流の電圧VDCとの関係を示す。
ここでは、直流の電圧VDCが低く、VDC≦VLOWのとき、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41のインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放(オフ)となり、直流の電圧VDCが大きくVDC≧VHIGHのとき、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41のインピーダンスは入力波の基本波周波数で短絡(オン)となり、VLOW≦VDC≦VHIGHのときは、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41における入力波の基本波周波数のインピーダンスは短絡(オン)と開放(オフ)の中間値であるとする。
入力側高入力電力切替手段1は、制御電圧に応じてインピーダンスが変化する第1のスイッチ11と第1の直流ブロック用容量素子12と入力波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有する第1の伝送線路13及び第2の伝送線路14とを備える。第1のスイッチ11は制御電圧がVHIGHより高いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡(オン)となり、制御電圧がVLOWより低いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる素子である。第1の直流ブロック用容量素子12は直流で開放であり、かつ入力波の基本波周波数及び高次高調波の周波数が通過する素子である。
第1のスイッチ11の制御端子は直流電圧帰還手段7の出力端子に接続され、第1のスイッチ11の一端は接地され、第1のスイッチ11の他端は第1の直流ブロック用容量素子12の一端に接続される。第1の直流ブロック用容量素子12の他端は第1の伝送線路13の一端に接続され、第2の伝送線路14の一端は入力側高入力電力切替手段1の入力端子に接続され、第1の伝送線路13の他端と第2の伝送線路14の他端は共に入力側高入力電力切替手段1の出力端子に接続される。
出力側高入力電力切替手段2は、制御電圧に応じてインピーダンスが変化する第2のスイッチ21と第2の直流ブロック用容量素子22と入力波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有する第3の伝送線路23及び第4の伝送線路24とを備える。第2のスイッチ21は制御電圧がVHIGHより高いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡(オン)となり、制御電圧がVLOWより低いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる素子である。第2の直流ブロック用容量素子22は直流で開放であり、かつ入力波の基本波周波数及び高次高調波の周波数が通過する素子である。
第2のスイッチ21の制御端子は直流電圧帰還手段7の出力端子に接続され、第2のスイッチ21の一端は接地され、第2のスイッチ21の他端は第2の直流ブロック用容量素子22の一端に接続される。第2の直流ブロック用容量素子22の他端は第3の伝送線路23の一端に接続され、第4の伝送線路24の一端は出力側高入力電力切替手段2の出力端子に接続され、第3の伝送線路23の他端と第4の伝送線路24の他端は共に出力側高入力電力切替手段2の入力端子に接続される。
入力側低入力電力切替手段3は、制御電圧に応じてインピーダンスが変化する第3のスイッチ31と第3の直流ブロック用容量素子32と入力波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有する第5の伝送線路34とを備える。第3のスイッチ31は制御電圧がVHIGHより高いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡(オン)となり、制御電圧がVLOWより低いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる素子である。第3の直流ブロック用容量素子32は直流で開放であり、かつ入力波の基本波周波数及び高次高調波の周波数が通過する素子である。
第3のスイッチ31の制御端子は直流電圧帰還手段7の出力端子に接続され、第3のスイッチ31の一端は接地され、第3のスイッチ31の他端は第3の直流ブロック用容量素子32の一端に接続される。第5の伝送線路34の一端は入力側低入力電力切替手段3の入力端子に接続され、第5の伝送線路34の他端と第3の直流ブロック用容量素子32の他端は共に入力側低入力電力切替手段3の出力端子に接続される。
出力側低入力電力切替手段4は、制御電圧に応じてインピーダンスが変化する第4のスイッチ41と第4の直流ブロック用容量素子42と入力波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有する第6の伝送線路44とを備える。第4のスイッチ41は制御電圧がVHIGHより高いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡(オン)となり、制御電圧がVLOWより低いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる素子である。第4の直流ブロック用容量素子42は直流で開放であり、かつ入力波の基本波周波数及び高次高調波の周波数が通過する素子である。
第4のスイッチ41の制御端子は直流電圧帰還手段7の出力端子に接続され、第4のスイッチ41の一端は接地され、第4のスイッチ41の他端は第4の直流ブロック用容量素子42の一端に接続される。第6の伝送線路44の一端は出力側低入力電力切替手段4の出力端子に接続され、第6の伝送線路44の他端と第4の直流ブロック用容量素子42の他端は共に出力側低入力電力切替手段4の入力端子に接続される。
次に、実施の形態4に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低い(VDC≦VLOW)とき、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41のインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる。
このとき、入力側高入力電力切替手段1では、第1のスイッチ11のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、第1の伝送線路13によりインピーダンスが反転するため、第1の伝送線路13の他端と第2の伝送線路14の他端との接続点15では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第2の伝送線路14によりインピーダンスが反転するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側高入力電力切替手段1には入力されない。
出力側高入力電力切替手段2では、第2のスイッチ21のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、第3の伝送線路23によりインピーダンスが反転するため、第3の伝送線路23の他端と第4の伝送線路24の他端との接続点25では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第4の伝送線路24によりインピーダンスが反転するため、出力側高入力電力切替手段2の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となることから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
入力側低入力電力切替手段3では、第3のスイッチ31のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となることから、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波にとって第3のスイッチ31と第3の直流ブロック用容量素子32の回路は見えなくなる。
出力側低入力電力切替手段4では、第4のスイッチ41のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となることから、入力波にとって第4のスイッチ41と第4の直流ブロック用容量素子42の回路は見えなくなる。さらに、接続点100では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第6の伝送線路44によりインピーダンスが反転するため、出力側低入力電力切替手段4の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。
これにより、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波のほとんどが、入力側低入力電力切替手段3を通過して、低入力電力整流手段6において直流に変換される。
図24に実施の形態4の整流器におけるVDC≦VLOWのときの入力波の経路を示す。図24において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図24に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、VDC≦VLOWの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
整流器に入力される高周波の電力が高くなる(VLOW≦VDC≦VHIGH)につれて、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41における入力波の基本波周波数のインピーダンスは短絡(オン)と開放(オフ)の中間値となるため、入力波は入力側低入力電力切替手段3と入力側高入力電力切替手段1に分配される。
図25に実施の形態4の整流器におけるVLOW≦VDC≦VHIGHのときの入力波の経路を示す。図25において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図25に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路と、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路に分配される。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6及び高入力電力整流手段5で直流に変換される。
さらに整流器に入力される高周波の電力が高い(VDC≧VHIGH)とき、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41のインピーダンスは入力波の基本波周波数で短絡(オン)となる。
このとき、入力側低入力電力切替手段3では、第3のスイッチ31のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡のため、第5の伝送線路34の他端と第3の直流ブロック用容量素子32の他端との接続点35では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第5の伝送線路34によりインピーダンスが反転するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側低入力電力切替手段3には入力されない。
出力側低入力電力切替手段4では、第4のスイッチ41のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡のため、第6の伝送線路44の他端と第4の直流ブロック用容量素子42の他端との接続点45では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第6の伝送線路44によりインピーダンスが反転するため、出力側低入力電力切替手段4の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となることから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
入力側高入力電力切替手段1では、第1のスイッチ11のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡となり、第1の伝送線路13によりインピーダンスが反転するため、接続点15から第1の直流ブロック用容量素子12を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるため、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波にとって第1のスイッチ11と第1の直流ブロック用容量素子12及び第1の伝送線路13の回路は見えなくなる。
出力側高入力電力切替手段2では、第2のスイッチ21のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡となり、第3の伝送線路23によりインピーダンスが反転するため、接続点25から第2の直流ブロック用容量素子22を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるため、入力波にとって第2のスイッチ21と第2の直流ブロック用容量素子22及び第3の伝送線路23の回路は見えなくなる。さらに、接続点100では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第4の伝送線路24によりインピーダンスが反転するため、出力側高入力電力切替手段2の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。
これにより、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波のほとんどが、入力側高入力電力切替手段1を通過して、高入力電力整流手段5において直流に変換される。
図26に実施の形態4の整流器におけるVDC≧VHIGHのときの入力波の経路を示す。図26において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図26に示すように、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5において直流に変換されることから、VDC≧VHIGHの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図27に実施の形態4の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図27において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態4の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図27に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
図22に記載の整流器では、出力端子9に正の直流電圧が生じる向きに接続された構成とし、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41における入力波の基本波周波数のインピーダンスは正の電圧値で短絡(オン)と開放(オフ)が切り替わる構成とした。これにより、第1のスイッチに11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ及び第4のスイッチ41にはエンハンスメント形FETが適用できる。
図28に、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41に、第1のエンハンスメント形FET16、第2のエンハンスメント形FET26、第3のエンハンスメント形FET36及び第4のエンハンスメント形FET46を適用した場合の整流器の構成を示す。
尚、図28の整流器の動作は、図22の整流器と等しいため、ここでの説明は省略する。
また、高周波短絡手段10は他に図9から図11に示した構成としても良い。
以上説明したように、実施の形態4の整流器によれば、第1の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第1及び第2の伝送線路と、直流を遮断する第1のキャパシタと、前記直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第1のスイッチとを備え、第2の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第5の伝送線路と、直流を遮断する第3のキャパシタと、直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第3のスイッチとを備え、第2の伝送線路と第5の伝送線路の入力端子はそれぞれ整流器の入力端子に接続され、第2の伝送線路の出力端子は第1の伝送線路の一端と第1の切替手段の出力端子とに接続され、第1の伝送線路の他端はグランドとの間に第1のキャパシタと第1のスイッチの直列回路を備え、第5の伝送線路の出力端子はグランドとの間に第3のキャパシタと前記第3のスイッチの直列回路を備え、かつ第2の切替手段の出力端子に接続され、第1及び第2のスイッチは、制御電圧が第1の設定値より低いときに開放、制御電圧が前記第1の設定値より高い第2の設定値より高いときに短絡となるようにしたので、簡易な回路構成で広範囲の入力電力に対応することができ、かつ高いRF−DC変換効率を実現することができる。
また、実施の形態4の整流器によれば、第3の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第3及び第4の伝送線路と、直流を遮断する第2のキャパシタと、直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第2のスイッチとを備え、第4の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第6の伝送線路と、直流を遮断する第4のキャパシタと、直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第4のスイッチとを備え、第4の伝送線路と第6の伝送線路の出力端子はそれぞれ高周波短絡手段の入力端子に接続され、第4の伝送線路の入力端子は第3の伝送線路の一端と第3の切替手段の入力端子とに接続され、第3の伝送線路の他端はグランドとの間に第2のキャパシタと第2のスイッチの直列回路を備え、第6の伝送線路の入力端子はグランドとの間に第4のキャパシタと第4のスイッチの直列回路を備え、かつ第4の切替手段の入力端子と接続され、第3及び第4のスイッチは制御電圧が第1の設定値より低いときに開放、制御電圧が前記第1の設定値より高い第2の設定値より高いときに短絡となるようにしたので、簡易な回路構成で広範囲の入力電力に対応することができ、かつ高いRF−DC変換効率を実現することができる。
実施の形態5.
図29は、この発明の実施の形態5に係る整流器を示す構成図である。実施の形態5に係る整流器は、入力側高入力電力切替手段1、出力側高入力電力切替手段2、入力側低入力電力切替手段3及び出力側低入力電力切替手段4の構成と、高入力電力整流手段5及び低入力電力整流手段6を構成する整流素子51の接続の向きが実施の形態4とは異なる。それ以外は図22に示した実施の形態4と同様であるため、対応する部分に同一符号を付して説明を省略する。
整流素子51は、図29に示すように、出力端子に負の直流の電圧VDC(<0)が生じる向きに接続されているものとする。このとき、出力端子9で取り出せる負の直流の電圧VDCは入力される高周波の電力が高い程、低くなる。つまり、|VDC|が大きくなる。
第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47の制御端子には、出力端子9で得られる負の直流の電圧VDCが直流電圧帰還手段7を介して入力される。
図30に第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47の状態と直流の電圧VDCとの関係を示す。
ここでは、直流の電圧VDCが高く(|VDC|が小さく)、VDC≧VHIGHのとき、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47のインピーダンスは入力波の基本波周波数で短絡(オン)となり、直流の電圧VDCが低く(|VDC|が大きく)、VDC≦VLOWのとき、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47のインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放(オフ)となり、VLOW≦VDC≦VHIGHのときは、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47における入力波の基本波周波数のインピーダンスは短絡(オン)と開放(オフ)の中間値であるとする。
入力側高入力電力切替手段1は、制御電圧に応じてインピーダンスが変化する第5のスイッチ17と第1の直流ブロック用容量素子12と入力波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有する第2の伝送線路14とを備える。第5のスイッチ17は制御電圧がVHIGHより高いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡(オン)となり、制御電圧がVLOWより低いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる素子である。第1の直流ブロック用容量素子12は直流で開放であり、かつ入力波の基本波周波数及び高次高調波の周波数が通過する素子である。
第5のスイッチ17の制御端子は直流電圧帰還手段7の出力端子に接続され、第5のスイッチ17の一端は接地され、第5のスイッチ17の他端は第1の直流ブロック用容量素子12の一端に接続される。第2の伝送線路14の一端は入力側高入力電力切替手段1の入力端子に接続され、第2の伝送線路14の他端と第1の直流ブロック用容量素子12の他端は共に入力側高入力電力切替手段1の出力端子に接続される。
出力側高入力電力切替手段2は、制御電圧に応じてインピーダンスが変化する第6のスイッチ27と第2の直流ブロック用容量素子22と入力波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有する第4の伝送線路24とを備える。第6のスイッチ27は制御電圧がVHIGHより高いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡(オン)となり、制御電圧がVLOWより低いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる素子である。第2の直流ブロック用容量素子22は直流で開放であり、かつ入力波の基本波周波数及び高次高調波の周波数が通過する素子である。
第6のスイッチ27の制御端子は直流電圧帰還手段7の出力端子に接続され、第6のスイッチ27の一端は接地され、第6のスイッチ27の他端は第2の直流ブロック用容量素子22の一端に接続される。第4の伝送線路24の一端は出力側高入力電力切替手段2の出力端子に接続され、第4の伝送線路24の他端と第2の直流ブロック用容量素子22の他端は共に出力側高入力電力切替手段2の入力端子に接続される。
入力側低入力電力切替手段3は、制御電圧に応じてインピーダンスが変化する第7のスイッチ37と第3の直流ブロック用容量素子32と入力波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有する第7の伝送線路33及び第5の伝送線路34とを備える。第7のスイッチ37は制御電圧がVHIGHより高いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡(オン)となり、制御電圧がVLOWより低いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる素子である。第3の直流ブロック用容量素子32は直流で開放であり、かつ入力波の基本波周波数及び高次高調波の周波数が通過する素子である。
第7のスイッチ37の制御端子は直流電圧帰還手段7の出力端子に接続され、第7のスイッチ37の一端は接地され、第7のスイッチ37の他端は第3の直流ブロック用容量素子32の一端に接続される。第3の直流ブロック用容量素子32の他端は第7の伝送線路33の一端に接続され、第5の伝送線路34の一端は入力側低入力電力切替手段3の入力端子に接続され、第7の伝送線路33の他端と第5の伝送線路34の他端は共に入力側低入力電力切替手段3の出力端子に接続される。
出力側低入力電力切替手段4は、制御電圧に応じてインピーダンスが変化する第8のスイッチ47と第4の直流ブロック用容量素子42と入力波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有する第8の伝送線路43及び第6の伝送線路44とを備える。第8のスイッチ47は制御電圧がVHIGHより高いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡(オン)となり、制御電圧がVLOWより低いときインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる素子である。第4の直流ブロック用容量素子42は直流で開放であり、かつ入力波の基本波周波数及び高次高調波の周波数が通過する素子である。
第8のスイッチ47の制御端子は直流電圧帰還手段7の出力端子に接続され、第8のスイッチ47の一端は接地され、第8のスイッチ47の他端は第4の直流ブロック用容量素子42の一端に接続される。第4の直流ブロック用容量素子42の他端は第8の伝送線路43の一端に接続され、第6の伝送線路44の一端は出力側低入力電力切替手段4の出力端子に接続され、第8の伝送線路43の他端と第6の伝送線路44の他端は共に出力側低入力電力切替手段4の入力端子に接続される。
次に、実施の形態5に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低い(VDC≧VHIGH)とき、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47のインピーダンスは入力波の基本波周波数で短絡(オン)となる。
このとき、入力側高入力電力切替手段1では、第5のスイッチ17のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡であるため、第2の伝送線路14の他端と第1の直流ブロック用容量素子12の他端との接続点18では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第2の伝送線路14によりインピーダンスが反転するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側高入力電力切替手段1には入力されない。
出力側高入力電力切替手段2では、第6のスイッチ27のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡であるため、第4の伝送線路24の他端と第2の直流ブロック用容量素子22の他端との接続点28では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第4の伝送線路24によりインピーダンスが反転するため、出力側高入力電力切替手段2の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となることから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
入力側低入力電力切替手段3では、第7のスイッチ37のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡となり、第7の伝送線路33によりインピーダンスが反転するため、第7の伝送線路33の他端と第5の伝送線路34の他端との接続点38から第7の伝送線路33を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるため、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波は第7のスイッチ37と第3の直流ブロック用容量素子32及び第7の伝送線路33の回路は見えなくなる。
出力側低入力電力切替手段4では、第8のスイッチ47のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡となり、第8の伝送線路43によりインピーダンスが反転するため、第8の伝送線路43の他端と第6の伝送線路44の他端との接続点48から第8の伝送線路43を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるため、入力波にとって第8のスイッチ47と第4の直流ブロック用容量素子42及び第8の伝送線路43の回路は見えなくなる。さらに、接続点100では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第6の伝送線路44によりインピーダンスが反転するため、出力側低入力電力切替手段4の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。
これにより、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波のほとんどが、入力側低入力電力切替手段3を通過して、低入力電力整流手段6において直流に変換される。
図31に実施の形態5の整流器におけるVDC≧VHIGHのときの入力波の経路を示す。図31において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図31に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、VDC≧VHJGHの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
整流器に入力される高周波の電力が高くなる(VLOW≦VDC≦VHIGH)につれて、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47における入力波の基本波周波数のインピーダンスは短絡(オン)と開放(オフ)の中間値となるため、入力波は入力側低入力電力切替手段3と入力側高入力電力切替手段1に分配される。
図32に実施の形態5の整流器におけるVLOW≦VDC≦VHIGHのときの入力波の経路を示す。図32において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図32に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路と、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路に分配される。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6及び高入力電力整流手段5において直流に変換される。
さらに整流器に入力される高周波の電力が高い(VDC≦VLOW)とき、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47のインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる。
このとき、入力側低入力電力切替手段3では、第7のスイッチ37のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放で、第7の伝送線路33によりインピーダンスが反転するため、接続点38では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第5の伝送線路34によりインピーダンスが反転するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側低入力電力切替手段3には入力されない。
出力側低入力電力切替手段4では、第8のスイッチ47のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、第8の伝送線路43によりインピーダンスが反転するため、接続点48では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第6の伝送線路44によりインピーダンスが反転するため、出力側低入力電力切替手段4の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となることから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
入力側高入力電力切替手段1では、第5のスイッチ17のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放であるため、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波にとって第5のスイッチ17と第1の直流ブロック用容量素子12の回路は見えなくなる。
出力側高入力電力切替手段2では、第6のスイッチ27のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放であるため、入力波にとって第6のスイッチ27と第2の直流ブロック用容量素子22の回路は見えなくなる。さらに、接続点100では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第4の伝送線路24によりインピーダンスが反転するため、出力側高入力電力切替手段2の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。
これにより、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波のほとんどが、入力側高入力電力切替手段1を通過して、高入力電力整流手段5において直流に変換される。
図33に実施の形態5の整流器におけるVDC≦VLOWのときの入力波の経路を示す。図33において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図33に示すように、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5で直流に変換されることから、VDC≦VLOWの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図34に実施の形態5の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図34において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態5に係る整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図34に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
図29に記載の整流器では、出力端子9に負の直流電圧が生じる向きに接続された構成とし、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47における入力波の基本波周波数のインピーダンスは負の電圧値で短絡(オン)と開放(オフ)が切り替わる構成とした。これにより、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47にはデプレッション形FETが適用できる。
図35に、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47に、第1のデプレッション形FET19、第2のデプレッション形FET29、第3のデプレッション形FET39及び第4のデプレッション形FET49をそれぞれ適用した場合の整流器の構成を示す。
尚、図35の整流器の動作は、図29の整流器と等しいため、ここでの説明は省略する。
また、高周波短絡手段10は、他の図9から図11に示した構成としても良い。
以上説明したように、実施の形態5の整流器によれば、第1の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第2の伝送線路と、直流を遮断する第1のキャパシタと、直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第5のスイッチとを備え、第2の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第5及び第7の伝送線路と、直流を遮断する第3のキャパシタと、直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第7のスイッチとを備え、第2の伝送線路と第5の伝送線路の入力端子はそれぞれ整流器の入力端子に接続され、第5の伝送線路の出力端子は第7の伝送線路の一端と第2の切替手段の出力端子とに接続され、第7の伝送線路の他端はグランドとの間に第3のキャパシタと第7のスイッチの直列回路を備え、第2の伝送線路の出力端子はグランドとの間に第1のキャパシタと第5のスイッチの直列回路を備え、かつ第1の切替手段の出力端子と接続され、第1及び第2のスイッチは、制御電圧が第1の設定値より低いときに短絡、制御電圧が第1の設定値より高い第2の設定値より高いときに開放となるようにしたので、簡易な回路構成で広範囲の入力電力に対応することができ、かつ高いRF−DC変換効率を実現することができる。
また、実施の形態5の整流器によれば、第3の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第4の伝送線路と、直流を遮断する第2のキャパシタと、直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第6のスイッチとを備え、第4の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第6及び第8の伝送線路と、直流を遮断する第4のキャパシタと、直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第8のスイッチとを備え、第4の伝送線路と第6の伝送線路の出力端子はそれぞれ高周波短絡手段の入力端子に接続され、第6の伝送線路の入力端子は第8の伝送線路の一端と第4の切替手段の入力端子とに接続され、第8の伝送線路の他端はグランドとの間に第4のキャパシタと第8のスイッチの直列回路を備え、第4の伝送線路の入力端子はグランドとの間に第2のキャパシタと第6のスイッチの直列回路を備え、かつ第3の切替手段の入力端子と接続され、第3及び第4のスイッチは制御電圧が第1の設定値より低いときに短絡、制御電圧が第1の設定値より高い第2の設定値より高いときに開放となるようにしたので、簡易な回路構成で広範囲の入力電力に対応することができ、かつ高いRF−DC変換効率を実現することができる。
実施の形態6.
図36は、実施の形態6に係る整流器を示す構成図である。
実施の形態6に係る整流器は、実施の形態4の整流器において、直流電圧帰還手段7の構成を実施の形態3の構成としたものである。それ以外は図22に示した実施の形態4と同様であるため、対応する部分に同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、この発明の実施の形態6に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低く、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いとき、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41のインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる電圧が電圧比較手段74から出力される。
このとき、入力側高入力電力切替手段1では、第1のスイッチ11のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、第1の伝送線路13によりインピーダンスが反転するため、第1の伝送線路13の他端と第2の伝送線路14の他端との接続点15では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第2の伝送線路14によりインピーダンスが反転するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側高入力電力切替手段1には入力されない。
出力側高入力電力切替手段2では、第2のスイッチ21のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、第3の伝送線路23によりインピーダンスが反転するため、第3の伝送線路23の他端と第4の伝送線路24の他端との接続点25では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第4の伝送線路24によりインピーダンスが反転するため、出力側高入力電力切替手段2の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となることから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
入力側低入力電力切替手段3では、第3のスイッチ31のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放のため、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波にとって第3のスイッチ31と第3の直流ブロック用容量素子32の回路は見えなくなる。
出力側低入力電力切替手段4では、第4のスイッチ41のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放のため、入力波にとって第4のスイッチ41と第4の直流ブロック用容量素子42の回路は見えなくなる。さらに、接続点100では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第6の伝送線路44によりインピーダンスが反転するため、出力側低入力電力切替手段4の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。
これにより、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波は、入力側低入力電力切替手段3を通過して、低入力電力整流手段6において直流に変換される。
図37に実施の形態6の整流器における基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いときの入力波の経路を示す。図37において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図37に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低い場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
一方、整流器に入力される高周波の電力が高く、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いとき、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41のインピーダンスは入力波の基本波周波数で短絡(オン)となる。
このとき、入力側低入力電力切替手段3では、第3のスイッチ31のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡のため、第5の伝送線路34と第3の直流ブロック用容量素子32との接続点35では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第5の伝送線路34によりインピーダンスが反転するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側低入力電力切替手段3には入力されない。
出力側低入力電力切替手段4では、第4のスイッチ41のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡のため、第6の伝送線路44と第4の直流ブロック用容量素子42との接続点45では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第6の伝送線路44によりインピーダンスが反転するため、出力側低入力電力切替手段4の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となることから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
入力側高入力電力切替手段1では、第1のスイッチ11のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡で、第1の伝送線路13によりインピーダンスが反転するため、接続点15から第1の伝送線路13を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波にとって第1のスイッチ11と第1の直流ブロック用容量素子12及び第1の伝送線路13の回路は見えなくなる。
出力側高入力電力切替手段2では、第2のスイッチ21のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡となり、第3の伝送線路23によりインピーダンスが反転するため、接続点25から第3の伝送線路23を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるため、入力波にとって第2のスイッチ21と第2の直流ブロック用容量素子22及び第3の伝送線路23の回路は見えなくなる。さらに、接続点100では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第4の伝送線路24によりインピーダンスが反転するため、出力側高入力電力切替手段2の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。
これにより、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波は、入力側高入力電力切替手段1を通過して、高入力電力整流手段5において直流に変換される。
図38に実施の形態6の整流器における基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いときの入力波の経路を示す。図38において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図38に示すように、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5において直流に変換されることから、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高い場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図39に実施の形態6に係る整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図39において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態6の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図39に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
尚、実施の形態6に係る整流器は、入力された高周波の電力に応じて、高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6とを切り替えることができる。これにより、高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6との切替において中間状態がなく、入力されたほぼ全ての高周波の電力を最適な整流手段で直流に変換できるため、実施の形態4よりも安定して高いRF−DC変換効率を得ることができる。
図36に記載の整流器では、出力端子9に正の直流電圧が生じる向きに接続された構成とし、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41における入力波の基本波周波数のインピーダンスは正の電圧値で短絡(オン)と開放(オフ)が切り替わる構成とした。これにより、第1のスイッチに11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ及び第4のスイッチ41にはエンハンスメント形FETが適用できる。
図40に、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41に、第1のエンハンスメント形FET16、第2のエンハンスメント形FET26、第3のエンハンスメント形FET36及び第4のエンハンスメント形FET46をそれぞれ適用した場合の整流器の構成を示す。
尚、図40の整流器の動作は、図36の整流器と等しいため、ここでの説明は省略する。
また、高周波短絡手段10は他に図9から図11に示した構成としても良い。
実施の形態7.
図41は、実施の形態7に係る整流器を示す構成図である。
実施の形態7に係る整流器は、実施の形態5の整流器において、直流電圧帰還手段7の構成を実施の形態3の構成としたものである。それ以外は図29に示した実施の形態5と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
次に、実施の形態7に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低く、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いとき、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47のインピーダンスは入力波の基本波周波数で短絡(オン)となる。
このとき、入力側高入力電力切替手段1では、第5のスイッチ17のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡であるため、第2の伝送線路14の他端と第1の直流ブロック用容量素子12の他端との接続点18では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第2の伝送線路14によりインピーダンスが反転するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側高入力電力切替手段1には入力されない。
出力側高入力電力切替手段2では、第6のスイッチ27のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡であるため、第4の伝送線路24の他端と第2の直流ブロック用容量素子22の他端との接続点2825では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第4の伝送線路24によりインピーダンスが反転するため、出力側高入力電力切替手段2の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となることから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
入力側低入力電力切替手段3では、第7のスイッチ37のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡となり、第7の伝送線路33によりインピーダンスが反転するため、第7の伝送線路33の他端と第5の伝送線路34の他端との接続点38から第7の伝送線路33を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるため、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波にとって第7のスイッチ37と第3の直流ブロック用容量素子32及び第7の伝送線路33の回路は見えなくなる。
出力側低入力電力切替手段4では、第8のスイッチ47のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡となり、第8の伝送線路43によりインピーダンスが反転するため、第8の伝送線路43の他端と第6の伝送線路44の他端との接続点48から第8の伝送線路43を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるため、入力波にとって第8のスイッチ47と第4の直流ブロック用容量素子42及び第8の伝送線路43の回路は見えなくなる。さらに、接続点100では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第6の伝送線路44によりインピーダンスが反転するため、出力側低入力電力切替手段4 の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。
これにより、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波は、入力側低入力電力切替手段3を通過して、低入力電力整流手段6において直流に変換される。
図42に実施の形態7の整流器における基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いときの入力波の経路を示す。図42において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図42に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高い場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
一方、整流器に入力される高周波の電力が高く、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いとき、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47のインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる。
このとき、入力側低入力電力切替手段3では、第7のスイッチ37のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、第7の伝送線路33によりインピーダンスが反転するため、接続点38では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第5の伝送線路34によりインピーダンスが反転するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側低入力電力切替手段3には入力されない。
出力側低入力電力切替手段4では、第8のスイッチ47のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、第8の伝送線路43によりインピーダンスが反転するため、接続点48では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第6の伝送線路44によりインピーダンスが反転するため、出力側低入力電力切替手段4の出力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となることから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
入力側高入力電力切替手段1では、第5のスイッチ17のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放であるため、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波にとって第5のスイッチ17と第1の直流ブロック用容量素子12の回路は見えなくなる。
出力側高入力電力切替手段2では、第6のスイッチ27のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放であるため、入力波にとって第6のスイッチ27と第2の直流ブロック用容量素子22の回路は見えなくなる。さらに、接続点100では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第4の伝送線路24によりインピーダンスが反転するため、出力側高入力電力切替手段2の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、負荷側へ入力波の漏洩は抑圧される。
これにより、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波のほとんどが、入力側高入力電力切替手段1を通過して、高入力電力整流手段5においてで直流に変換される。
図43に実施の形態7の整流器における基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いときの入力波の経路を示す。図43において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図43に示すように、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5において直流に変換されることから、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低い場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図44に実施の形態7の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図44において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態7の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図44に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
尚、実施の形態7に係る整流器は、入力された高周波の電力に応じて、高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6とを切り替えることができる。これにより、高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6との切替において中間状態がなく、入力されたほぼ全ての高周波の電力を最適な整流手段で直流に変換できるため、実施の形態5よりも安定して高いRF−DC変換効率を得ることができる。
図41に記載の整流器では、出力端子9に負の直流電圧が生じる向きに接続された構成とし、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47における入力波の基本波周波数のインピーダンスは負の電圧値で短絡(オン)と開放(オフ)が切り替わる構成とした。これにより、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47にはデプレッション形FETが適用できる。
図45に、第5のスイッチ17、第6のスイッチ27、第7のスイッチ37及び第8のスイッチ47に、第1のデプレッション形FET19、第2のデプレッション形FET29、第3のデプレッション形FET39及び第4のデプレッション形FET49をそれぞれ適用した場合の整流器の構成を示す。
尚、図45の整流器の動作は、図41の整流器と等しいため、ここでの説明は省略する。
また、高周波短絡手段10は、他の図9から図11に示した構成としても良い。
以上の実施の形態1〜7の整流器において、さらなる小型化及び高効率化を図るため、出力側高入力電力切替手段2及び出力側低入力電力切替手段4をそれぞれ第1の出力フィルタ220及び第2の出力フィルタ240とした場合の実施の形態を以下に記す。
実施の形態8.
図46は、この発明の実施の形態8に係る整流器の構成図である。
実施の形態8に係る整流器は、実施の形態1の整流器において、出力側高入力電力切替手段2及び出力側低入力電力切替手段4をそれぞれ第1の出力フィルタ(第1の出力回路)220及び第2の出力フィルタ(第2の出力回路)240とし、直流電圧帰還手段7の出力端子は入力側高入力電力切替手段1及び入力側低入力電力切替手段3のみに接続された構成としたものである。それ以外は図1に示した実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一の符号を付してその説明を省略する。
出力側高入力電力切替手段2及び出力側低入力電力切替手段4をそれぞれ第1の出力フィルタ220及び第2の出力フィルタ240とすることで、スイッチとその制御に必要な制御線を削減することができ、実施の形態1に係る整流器と比較して小型化が図れる。
さらにスイッチの削減により、スイッチでの高周波の損失量が低減するため、実施の形態1と比較して、高効率化が図れる。
図46では、高周波短絡手段10の入力端子と直流電圧帰還手段7の入力端子とを接続した構成を示したが、図47に示すように、高周波短絡手段10の出力端子と直流電圧帰還手段7の入力端子とを接続した構成でも良い。
ここでは、図48にこの発明の実施の形態8に係る整流器における第1の出力フィルタ220及び第2の出力フィルタ140にそれぞれ、入力端子8から入力される高周波の基本波周波数で1/4波長の電気長を有する伝送線路(第9の伝送線路221、第10の伝送線路241)を適用した場合の整流器の構成図を示す。
次に、実施の形態8に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低い(VDC≦V)のとき、直流電圧帰還手段7により、入力波の入力側高入力電力切替手段1の通過量が小さくて反射量が大きく、かつ入力波の入力側低入力電力切替手段3の通過量が大きくなるように制御するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波のほとんどは入力側低入力電力切替手段3に入力される。
第1の出力フィルタ220と第2の出力フィルタ240の接続点200では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第10の伝送線路241によりインピーダンスが反転するため、低入力電力整流手段6から見た第10の伝送線路241の入力インピーダンスは基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。さらに接続点200では基本波周波数で短絡であることから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
これにより、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波のほとんどが、入力側低入力電力切替手段3を通過して、低入力電力整流手段6において直流に変換される。
図49に実施の形態8の整流器におけるVDC≦Vのときの入力波の経路を示す。図49において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図49に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、VDC≦VLOWの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
整流器に入力される高周波の電力が高くなる(V≦VDC≦V)につれて、直流電圧帰還手段7により、入力側高入力電力切替手段1に入力される高周波の電力の分配量が大きくなるように制御される。
図50に実施の形態8の整流器におけるV≦VDC≦Vのときの入力波の経路を示す。図50において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図50に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路と、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路に分配される。
これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6及び高入力電力整流手段5において直流に変換される。
さらに整流器に入力される高周波の電力が高い(VDC≧V)とき、直流電圧帰還手段7により、入力波の入力側高入力電力切替手段1の通過量が大きく、かつ入力波の入力側低入力電力切替手段3の通過量が小さくて反射が大きくなるように制御するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波のほとんどは入力側高入力電力切替手段1に入力される。
接続点200では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第9の伝送線路221によりインピーダンスが反転するため、高入力電力整流手段5から見た第9の伝送線路221の入力インピーダンスは基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。さらに接続点200では基本波周波数で短絡であることから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
図51に実施の形態8の整流器におけるVDC≧Vのときの入力波の経路を示す。図51において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図51に示すように、入力側高入力電力切替手段1及び高入力電力整流手段5による経路を辿る。
これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5において直流に変換されることから、VDC≧Vの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図52に実施の形態8の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図52において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態1の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図52に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
以上説明したように、実施の形態8の整流器によれば、第1の整流手段及び第2の整流手段と、第1及び第2の整流手段の入力側にそれぞれ接続された第1及び第2の切替手段と、第1及び第2の整流手段の出力側にそれぞれ接続された第1及び第2の出力回路と、少なくとも入力波の基本波を短絡する高周波短絡手段と、第1及び第2の整流手段によって得られる直流電圧を帰還して第1及び第2の切替手段を制御する直流電圧帰還手段とを備え、高周波短絡手段の入力端子は第1及び第2の出力回路の出力端子の接続点に接続され、高周波短絡手段の出力端子は負荷に接続されて直流電圧を供給し、第1及び第2の出力回路の入力インピーダンスを入力波の基本波で開放とし、第1の整流手段は、高周波を直流に変換する効率の最高値が第2の整流手段よりも高い入力電力で得られる整流手段であり、第1及び第2の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも直流電圧が低いとき第2の整流手段への入力電力の分配比が第1の整流手段より大きく、直流電圧が高いとき第1の整流手段への入力電力の分配比が第2の整流手段より大きくなるようにしたので、実施の形態1と同様の効果を奏すると共に、実施の形態1の整流器のスイッチとその制御線を削減したため、実施の形態1と比較して小型化を図ることができる。さらにスイッチの削減により、スイッチでの高周波の損失量が低減するため、実施の形態1と比較して、高効率化を図ることができる。
また、実施の形態8の整流器によれば、第1及び第2の出力回路は、入力波の基本波で1/4波長となる第9及び第10の伝送線路でそれぞれ構成されたので、実施の形態1と比較して小型化を図ることができる。
実施の形態9.
図58は、この発明の実施の形態9に係る整流器を示す構成図である。実施の形態9に係る整流器は、実施の形態8の整流器において、入力側高入力電力切替手段1、入力側低入力電力切替手段3、高入力電力整流手段5、低入力電力整流手段6、直流電圧帰還手段7及び高周波短絡手段10の構成を実施の形態4の構成をとしたものである。それ以外は図48に示した実施の形態8と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
次に、実施の形態9に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低い(VDC≦VLOW)とき、第1のスイッチ11及び第3のスイッチ31のインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる。
このとき、入力側高入力電力切替手段1では、第1のスイッチ11のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、第1の伝送線路13によりインピーダンスが反転するため、第1の伝送線路13の他端と第2の伝送線路14の他端との接続点15では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第2の伝送線路14によりインピーダンスが反転するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波のほとんどは入力側低入力電力切替手段3に入力される。
入力側低入力電力切替手段3では、第3のスイッチ31のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となることから、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波にとって第3のスイッチ31と第3の直流ブロック用容量素子32の回路は見えなくなる。
接続点200では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第10の伝送線路241によりインピーダンスが反転するため、低入力電力整流手段6から見た第10の伝送線路241の入力インピーダンスは基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。さらに接続点200では基本波周波数で短絡であることから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
これにより、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波のほとんどが、入力側低入力電力切替手段3を通過して、低入力電力整流手段6において直流に変換される。
図54に実施の形態9の整流器におけるVDC≦VLOWのときの入力波の経路を示す。図54において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図54に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、VDC≦VLOWの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
整流器に入力される高周波の電力が高くなる(VLOW≦VDC≦VHIGH)につれて、第1のスイッチ11及び第3のスイッチ31における入力波の基本波周波数のインピーダンスは短絡(オン)と開放(オフ)の中間値となるため、入力波は入力側低入力電力切替手段3と入力側高入力電力切替手段1に分配される。
図55に実施の形態9の整流器におけるVLOW≦VDC≦VHIGHのときの入力波の経路を示す。図55において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図55に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路と、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路に分配される。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6及び高入力電力整流手段5で直流に変換される。
さらに整流器に入力される高周波の電力が高い(VDC≧VHIGH)とき、第1のスイッチ11及び第3のスイッチ31のインピーダンスは入力波の基本波周波数で短絡(オン)となる。
このとき、入力側低入力電力切替手段3では、第3のスイッチ31のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡のため、第5の伝送線路34の他端と第3の直流ブロック用容量素子32の他端との接続点35では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第5の伝送線路34によりインピーダンスが反転するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波のほとんどは入力側高入力電力切替手段1に入力される。
入力側高入力電力切替手段1では、第1のスイッチ11のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡となり、第1の伝送線路13によりインピーダンスが反転するため、接続点15から第1の直流ブロック用容量素子12を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるため、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波にとって第1のスイッチ11と第1の直流ブロック用容量素子12及び第1の伝送線路13の回路は見えなくなる。
接続点200では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第9の伝送線路221によりインピーダンスが反転するため、高入力電力整流手段5から見た第9の伝送線路221の入力インピーダンスは基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。さらに接続点200では基本波周波数で短絡であることから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
これにより、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波のほとんどが、入力側高入力電力切替手段1を通過して、高入力電力整流手段5において直流に変換される。
図56に実施の形態9の整流器におけるVDC≧VHIGHのときの入力波の経路を示す。図56において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図56に示すように、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5において直流に変換されることから、VDC≧VHIGHの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図57に実施の形態9の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図57において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態9の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図57に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
実施の形態9に係る整流器は、実施の形態4の整流器のスイッチとその制御線を削減したため、実施の形態4と比較して小型化が図れる。さらにスイッチの削減により、スイッチでの高周波の損失量が低減するため、実施の形態4と比較して、高効率化が図れる。
図53に記載の整流器では、出力端子9に正の直流電圧が生じる向きに接続された構成とし、第1のスイッチ11及び第3のスイッチ31における入力波の基本波周波数のインピーダンスは正の電圧値で短絡(オン)と開放(オフ)が切り替わる構成とした。これにより、第1のスイッチに11及び第3のスイッチにはエンハンスメント形FETが適用できる。
図58に、第1のスイッチ11及び第3のスイッチ31に、第1のエンハンスメント形FET16及び第3のエンハンスメント形FET36を適用した場合の整流器の構成を示す。
尚、図58の整流器の動作は、図53の整流器と等しいため、ここでの説明は省略する。
また、高周波短絡手段10は他に図9から図11に示した構成としても良い。
実施の形態10.
図59は、この発明の実施の形態10に係る整流器を示す構成図である。実施の形態10に係る整流器は、実施の形態8の整流器において、入力側高入力電力切替手段1、入力側低入力電力切替手段3、高入力電力整流手段5、低入力電力整流手段6、直流電圧帰還手段7及び高周波短絡手段10の構成を実施の形態5の構成をとしたものである。それ以外は図48に示した実施の形態8と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
次に、実施の形態10に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低い(VDC≧VHIGH)とき、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37のインピーダンスは入力波の基本波周波数で短絡(オン)となる。
このとき、入力側高入力電力切替手段1では、第5のスイッチ17のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡であるため、第2の伝送線路14の他端と第1の直流ブロック用容量素子12の他端との接続点18では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第2の伝送線路14によりインピーダンスが反転するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波のほとんどは入力側低入力電力切替手段3に入力される。
入力側低入力電力切替手段3では、第7のスイッチ37のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡となり、第7の伝送線路33によりインピーダンスが反転するため、第7の伝送線路の他端と第5の伝送線路34の他端との接続点38から第7の伝送線路33を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるため、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波は第7のスイッチ37と第3の直流ブロック用容量素子32及び第7の伝送線路33の回路は見えなくなる。
接続点200では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第10の伝送線路241によりインピーダンスが反転するため、低入力電力整流手段6から見た第10の伝送線路241の入力インピーダンスは基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。さらに接続点200では基本波周波数で短絡であることから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
これにより、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波のほとんどが、入力側低入力電力切替手段3を通過して、低入力電力整流手段6において直流に変換される。
図60に実施の形態10の整流器におけるVDC≧VHIGHのときの入力波の経路を示す。図60において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図60に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、VDC≧VHJGHの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
整流器に入力される高周波の電力が高くなる(VLOW≦VDC≦VHIGH)につれて、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37における入力波の基本波周波数のインピーダンスは短絡(オン)と開放(オフ)の中間値となるため、入力波は入力側低入力電力切替手段3と入力側高入力電力切替手段1に分配される。
図61に実施の形態10の整流器におけるVLOW≦VDC≦VHIGHのときの入力波の経路を示す。図61において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図61に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路と、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路に分配される。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6及び高入力電力整流手段5において直流に変換される。
さらに整流器に入力される高周波の電力が高い(VDC≦VLOW)とき、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37のインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる。
このとき、入力側低入力電力切替手段3では、第7のスイッチ37のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放で、第7の伝送線路33によりインピーダンスが反転するため、接続点38では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第5の伝送線路34によりインピーダンスが反転するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波のほとんどは入力側高入力電力切替手段1に入力される。
入力側高入力電力切替手段1では、第5のスイッチ17のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放であるため、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波にとって第5のスイッチ17と第1の直流ブロック用容量素子12の回路は見えなくなる。
接続点200では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第9の伝送線路221によりインピーダンスが反転するため、高入力電力整流手段5から見た第9の伝送線路221の入力インピーダンスは基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。さらに接続点200では基本波周波数で短絡であることから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
図62に実施の形態10の整流器におけるVDC≦VLOWのときの入力波の経路を示す。図62において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図62に示すように、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5で直流に変換されることから、VDC≦VLOWの場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図63に実施の形態10の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図63において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態10の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図63に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる
実施の形態10に係る整流器は、実施の形態5の整流器のスイッチとその制御線を削減したため、実施の形態5と比較して小型化が図れる。さらにスイッチの削減により、スイッチでの高周波の損失量が低減するため、実施の形態4と比較して、高効率化が図れる。
図59に記載の整流器では、出力端子9に負の直流電圧が生じる向きに接続された構成とし、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37における入力波の基本波周波数のインピーダンスは負の電圧値で短絡(オン)と開放(オフ)が切り替わる構成とした。これにより、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37にはデプレッション形FETが適用できる。
図64に、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37に、第1のデプレッション形FET19及び第3のデプレッション形FET39をそれぞれ適用した場合の整流器の構成を示す。
尚、図64の整流器の動作は、図59の整流器と等しいため、ここでの説明は省略する。
また、高周波短絡手段10は他に図9から図11に示した構成としても良い。
実施の形態11.
図65は、この発明の実施の形態11に係る整流器を示す構成図である。
実施の形態11に係る整流器は、実施の形態9の整流器において、直流電圧帰還手段7の構成を実施の形態3の構成としたものである。それ以外は図53に示した実施の形態9と同様であるため、対応する部分に同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、この発明の実施の形態11に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低く、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いとき、第1のスイッチ11及び第3のスイッチ31のインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる電圧が電圧比較手段74から出力される。
このとき、入力側高入力電力切替手段1では、第1のスイッチ11のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、第1の伝送線路13によりインピーダンスが反転するため、第1の伝送線路13の他端と第2の伝送線路14の他端との接続点15では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第2の伝送線路14によりインピーダンスが反転するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側低入力電力切替手段3に入力される。
入力側低入力電力切替手段3では、第3のスイッチ31のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放のため、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波にとって第3のスイッチ31と第3の直流ブロック用容量素子32の回路は見えなくなる。
接続点200では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第10の伝送線路241によりインピーダンスが反転するため、低入力電力整流手段6から見た第10の伝送線路241の入力インピーダンスは基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。さらに接続点200では基本波周波数で短絡であることから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
これにより、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波は、入力側低入力電力切替手段3を通過して、低入力電力整流手段6において直流に変換される。
図66に実施の形態11の整流器における基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いときの入力波の経路を示す。図66において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図66に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低い場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
一方、整流器に入力される高周波の電力が高く、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いとき、第1のスイッチ11、第2のスイッチ21、第3のスイッチ31及び第4のスイッチ41のインピーダンスは入力波の基本波周波数で短絡(オン)となる。
このとき、入力側低入力電力切替手段3では、第3のスイッチ31のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡のため、第5の伝送線路34と第3の直流ブロック用容量素子32との接続点35では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第5の伝送線路34によりインピーダンスが反転するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側高入力電力切替手段1に入力される。
入力側高入力電力切替手段1では、第1のスイッチ11のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡で、第1の伝送線路13によりインピーダンスが反転するため、接続点15から第1の伝送線路13を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波にとって第1のスイッチ11と第1の直流ブロック用容量素子12及び第1の伝送線路13の回路は見えなくなる。
接続点200では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第9の伝送線路221によりインピーダンスが反転するため、高入力電力整流手段5から見た第9の伝送線路221の入力インピーダンスは基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。さらに接続点200では基本波周波数で短絡であることから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
これにより、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波は、入力側高入力電力切替手段1を通過して、高入力電力整流手段5において直流に変換される。
図67に実施の形態11の整流器における基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いときの入力波の経路を示す。図67において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図67に示すように、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5において直流に変換されることから、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高い場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図68に実施の形態11に係る整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図68において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態11の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図68に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
尚、実施の形態11に係る整流器は、入力された高周波の電力に応じて、高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6とを切り替えることができる。これにより高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6との切替において中間状態がなく、入力されたほぼ全ての高周波の電力を最適な整流手段で直流に変換できるため、実施の形態9よりも安定して高いRF−DC変換効率を得ることができる。
実施の形態11に係る整流器は、実施の形態6の整流器のスイッチとその制御線を削減したため、実施の形態6と比較して小型化が図れる。
さらにスイッチの削減により、スイッチでの高周波の損失量が低減するため、実施の形態4と比較して、高効率化が図れる。
図65に記載の整流器では、出力端子9に正の直流電圧が生じる向きに接続された構成とし、第1のスイッチ11及び第3のスイッチ31における入力波の基本波周波数のインピーダンスは正の電圧値で短絡(オン)と開放(オフ)が切り替わる構成とした。これにより、第1のスイッチに11及び第3のスイッチにはエンハンスメント形FETが適用できる。
図69に、第1のスイッチ11及び第3のスイッチ31に、第1のエンハンスメント形FET16及び第3のエンハンスメント形FET36をそれぞれ適用した場合の整流器の構成を示す。
尚、図69の整流器の動作は、図65の整流器と等しいため、ここでの説明は省略する。
また、高周波短絡手段10は他に図9から図11に示した構成としても良い。
実施の形態12.
図70は、この発明の実施の形態12に係る整流器を示す構成図である。
実施の形態12に係る整流器は、実施の形態10の整流器において、直流電圧帰還手段7の構成を実施の形態3の構成としたものである。それ以外は図53に示した実施の形態9と同様であるため、対応する部分に同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、この発明の実施の形態12に係る整流器の動作について説明する。
整流器に入力される高周波の電力が低く、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いとき、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37のインピーダンスは入力波の基本波周波数で短絡(オン)となる。
このとき、入力側高入力電力切替手段1では、第5のスイッチ17のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡であるため、第2の伝送線路14の他端と第1の直流ブロック用容量素子12の他端との接続点18では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第2の伝送線路14によりインピーダンスが反転するため、入力側高入力電力切替手段1の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側低入力電力切替手段3に入力される。
入力側低入力電力切替手段3では、第7のスイッチ37のインピーダンスが入力波の基本波周波数で短絡となり、第7の伝送線路33によりインピーダンスが反転するため、第7の伝送線路33の他端と第5の伝送線路34の他端との接続点38から第7の伝送線路33を見たインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となるため、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波にとって第7のスイッチ37と第3の直流ブロック用容量素子32及び第7の伝送線路33の回路は見えなくなる。
接続点200では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第10の伝送線路241によりインピーダンスが反転するため、低入力電力整流手段6から見た第10の伝送線路241の入力インピーダンスは基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。さらに接続点200では基本波周波数で短絡であることから、入力波にとって高入力電力整流手段5の回路は見えなくなる。
これにより、入力側低入力電力切替手段3に入力された高周波は、入力側低入力電力切替手段3を通過して、低入力電力整流手段6において直流に変換される。
図71に実施の形態12の整流器における基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高いときの入力波の経路を示す。図71において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図71に示すように、入力側低入力電力切替手段3と低入力電力整流手段6による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、低入力電力整流手段6において直流に変換されることから、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが高い場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
一方、整流器に入力される高周波の電力が高く、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いとき、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37のインピーダンスは入力波の基本波周波数で開放(オフ)となる。
このとき、入力側低入力電力切替手段3では、第7のスイッチ37のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放となり、第7の伝送線路33によりインピーダンスが反転するため、接続点38では入力波の基本波周波数で短絡となる。さらに、第5の伝送線路34によりインピーダンスが反転するため、入力側低入力電力切替手段3の入力インピーダンスは入力波の基本波周波数で開放となり、入力波は入力側高入力電力切替手段1に入力される。
入力側高入力電力切替手段1では、第5のスイッチ17のインピーダンスが入力波の基本波周波数で開放であるため、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波にとって第5のスイッチ17と第1の直流ブロック用容量素子12の回路は見えなくなる。
接続点200では高周波短絡手段10により入力波の基本波周波数で短絡され、第9の伝送線路221によりインピーダンスが反転するため、高入力電力整流手段5から見た第9の伝送線路221の入力インピーダンスは基本波周波数で開放となり、負荷側への入力波の漏洩は抑圧される。さらに接続点200では基本波周波数で短絡であることから、入力波にとって低入力電力整流手段6の回路は見えなくなる。
これにより、入力側高入力電力切替手段1に入力された高周波は、入力側高入力電力切替手段1を通過して、高入力電力整流手段5において直流に変換される。
図72に実施の形態12の整流器における基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低いときの入力波の経路を示す。図72において、太線が入力波の経路を示している。入力波は、図72に示すように、入力側高入力電力切替手段1と高入力電力整流手段5による経路を辿る。これにより、整流器に入力された高周波は、高入力電力整流手段5において直流に変換されることから、基準電圧源73に対して直流の電圧VDCが低い場合でも高いRF−DC変換効率が得られる。
図73に実施の形態12の整流器におけるRF−DC変換効率の入力電力依存性を示す。図73において、点線が高入力電力整流手段5単体におけるRF−DC変換効率、破線が低入力電力整流手段6単体におけるRF−DC変換効率、実線が実施の形態12の整流器におけるRF−DC変換効率を示す。
図73に示すように、入力される高周波の電力に応じて、入力波の経路が自律的に切り替わることで、広い電力範囲で高いRF−DC変換効率が得られる。
尚、実施の形態12に係る整流器は、入力された高周波の電力に応じて、高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6とを切り替えることができる。これにより高入力電力整流手段5と低入力電力整流手段6との切替において中間状態がなく、入力されたほぼ全ての高周波の電力を最適な整流手段で直流に変換できるため、実施の形態10よりも安定して高いRF−DC変換効率を得ることができる。
実施の形態12に係る整流器は、実施の形態7の整流器のスイッチとその制御線を削減したため、実施の形態7と比較して小型化が図れる。さらにスイッチの削減により、スイッチでの高周波の損失量が低減するため、実施の形態7と比較して、高効率化が図れる。
図70に記載の整流器では、出力端子9に負の直流電圧が生じる向きに接続された構成とし、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37における入力波の基本波周波数のインピーダンスは負の電圧値で短絡(オン)と開放(オフ)が切り替わる構成とした。これにより、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37にはデプレッション形FETが適用できる。
図74に、第5のスイッチ17及び第7のスイッチ37に、第1のデプレッション形FET19及び第3のデプレッション形FET39をそれぞれ適用した場合の整流器の構成を示す。
尚、図74の整流器の動作は、図70の整流器と等しいため、ここでの説明は省略する。
また、高周波短絡手段10は他の図9から図11に示した構成としても良い。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 入力側高入力電力切替手段、2 出力側高入力電力切替手段、3 入力側低入力電力切替手段、4 出力側低入力電力切替手段、5 高入力電力整流手段、6 低入力電力整流手段、7 直流電圧帰還手段、8 入力端子、9 出力端子、10 高周波短絡手段、11,21,31,41 スイッチ、12,22,32,42 直流ブロック用容量素子、13,14,23,24,33,34,43,44 伝送線路、15,25,35,45、100,200 接続点、16,26,36,46 エンハンスメント形FET、17,27,37,47 スイッチ、18,28,38,48 接続点、19,29,39,49 デプレッション形FET、71 直流フィード用誘導素子、72 高周波ショート用容量素子、73 基準電圧源、74 電圧比較手段、75 直流電圧帰還手段の入力端子、76 直流電圧帰還手段の出力端子、101 高周波ショート用容量素子、102,103 直列共振回路、104,105 オープンスタブ、220,240 出力フィルタ、221,241 伝送線路。

Claims (11)

  1. 第1及び第2の整流手段と、
    前記第1及び第2の整流手段の入力側にそれぞれ接続された第1及び第2の切替手段と、
    前記第1及び第2の整流手段の出力側にそれぞれ接続された第3及び第4の切替手段と、
    少なくとも入力波の基本波を短絡する高周波短絡手段と、
    前記第1及び第2の整流手段によって得られる直流電圧を帰還して前記第1から第4の切替手段を制御するアナログ回路による直流電圧帰還手段とを備え、
    前記高周波短絡手段の入力端子は、前記第3及び第4の切替手段の出力端子の接続点に接続され、前記高周波短絡手段の出力端子は負荷に接続されて前記直流電圧を供給し、
    前記第1の整流手段は、高周波を直流に変換する効率の最高値が前記第2の整流手段よりも高い入力電力で得られる整流手段であり、
    前記直流電圧の変化に伴い前記第1の整流手段への入力電力と前記第2の整流手段への入力電力との分配比が変化し、前記第1から第4の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも前記直流電圧が低いとき、前記第2の整流手段への入力電力の分配比が前記第1の整流手段より大きく、前記直流電圧が高いとき、前記第1の整流手段への入力電力の分配比が前記第2の整流手段より大きく、
    前記第1及び第2の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも前記第1と第2の整流手段で得られる直流電圧が低い程、前記第1の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、前記直流電圧が高い程、前記第2の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、
    前記第1の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第1及び第2の伝送線路と、直流を遮断する第1のキャパシタと、前記直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第1のスイッチとを備え、
    前記第2の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第5の伝送線路と、直流を遮断する第3のキャパシタと、前記直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第3のスイッチとを備え、
    前記第2の伝送線路と前記第5の伝送線路の入力端子はそれぞれ整流器の入力端子に接続され、
    前記第2の伝送線路の出力端子は前記第1の伝送線路の一端と前記第1の切替手段の出力端子とに接続され、
    前記第1の伝送線路の他端はグランドとの間に前記第1のキャパシタと前記第1のスイッチの直列回路を備え、
    前記第5の伝送線路の出力端子はグランドとの間に前記第3のキャパシタと前記第3のスイッチの直列回路を備え、かつ前記第2の切替手段の出力端子に接続され、
    前記第1及び第3のスイッチは、制御電圧が第1の設定値より低いときに開放、制御電圧が前記第1の設定値より高い第2の設定値より高いときに短絡となることを特徴とする整流器。
  2. 第1及び第2の整流手段と、
    前記第1及び第2の整流手段の入力側にそれぞれ接続された第1及び第2の切替手段と、
    前記第1及び第2の整流手段の出力側にそれぞれ接続された第3及び第4の切替手段と、
    少なくとも入力波の基本波を短絡する高周波短絡手段と、
    前記第1及び第2の整流手段によって得られる直流電圧を帰還して前記第1から第4の切替手段を制御するアナログ回路による直流電圧帰還手段とを備え、
    前記高周波短絡手段の入力端子は、前記第3及び第4の切替手段の出力端子の接続点に接続され、前記高周波短絡手段の出力端子は負荷に接続されて前記直流電圧を供給し、
    前記第1の整流手段は、高周波を直流に変換する効率の最高値が前記第2の整流手段よりも高い入力電力で得られる整流手段であり、
    前記直流電圧の変化に伴い前記第1の整流手段への入力電力と前記第2の整流手段への入力電力との分配比が変化し、前記第1から第4の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも前記直流電圧が低いとき、前記第2の整流手段への入力電力の分配比が前記第1の整流手段より大きく、前記直流電圧が高いとき、前記第1の整流手段への入力電力の分配比が前記第2の整流手段より大きく、
    前記第1及び第2の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも前記第1と第2の整流手段で得られる直流電圧が低い程、前記第1の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、前記直流電圧が高い程、前記第2の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、
    前記第3の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第3及び第4の伝送線路と、直流を遮断する第2のキャパシタと、前記直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第2のスイッチとを備え、
    前記第4の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第6の伝送線路と、直流を遮断する第4のキャパシタと、前記直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第4のスイッチとを備え、
    前記第4の伝送線路と前記第6の伝送線路の出力端子はそれぞれ前記高周波短絡手段の入力端子に接続され、
    前記第4の伝送線路の入力端子は前記第3の伝送線路の一端と前記第3の切替手段の入力端子とに接続され、
    前記第3の伝送線路の他端はグランドとの間に前記第2のキャパシタと前記第2のスイッチの直列回路を備え、
    前記第6の伝送線路の入力端子はグランドとの間に前記第4のキャパシタと前記第4のスイッチの直列回路を備え、かつ前記第4の切替手段の入力端子と接続され、
    前記第2及び第4のスイッチは制御電圧が第1の設定値より低いときに開放、制御電圧が前記第1の設定値より高い第2の設定値より高いときに短絡となることを特徴とする整流器。
  3. 第1及び第2の整流手段と、
    前記第1及び第2の整流手段の入力側にそれぞれ接続された第1及び第2の切替手段と、
    前記第1及び第2の整流手段の出力側にそれぞれ接続された第3及び第4の切替手段と、
    少なくとも入力波の基本波を短絡する高周波短絡手段と、
    前記第1及び第2の整流手段によって得られる直流電圧を帰還して前記第1から第4の切替手段を制御するアナログ回路による直流電圧帰還手段とを備え、
    前記高周波短絡手段の入力端子は、前記第3及び第4の切替手段の出力端子の接続点に接続され、前記高周波短絡手段の出力端子は負荷に接続されて前記直流電圧を供給し、
    前記第1の整流手段は、高周波を直流に変換する効率の最高値が前記第2の整流手段よりも高い入力電力で得られる整流手段であり、
    前記直流電圧の変化に伴い前記第1の整流手段への入力電力と前記第2の整流手段への入力電力との分配比が変化し、前記第1から第4の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも前記直流電圧が低いとき、前記第2の整流手段への入力電力の分配比が前記第1の整流手段より大きく、前記直流電圧が高いとき、前記第1の整流手段への入力電力の分配比が前記第2の整流手段より大きく、
    前記第1及び第2の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも、前記第1及び第2の整流手段で得られる直流電圧が低い程、前記第3の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、前記直流電圧が高い程、前記第4の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、
    前記第1の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第2の伝送線路と、直流を遮断する第1のキャパシタと、前記直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第5のスイッチとを備え、
    前記第2の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第5及び第7の伝送線路と、直流を遮断する第3のキャパシタと、前記直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第7のスイッチとを備え、
    前記第2の伝送線路と前記第5の伝送線路の入力端子はそれぞれ整流器の入力端子に接続され、
    前記第5の伝送線路の出力端子は前記第7の伝送線路の一端と前記第2の切替手段の出力端子とに接続され、
    前記第7の伝送線路の他端はグランドとの間に前記第3のキャパシタと前記第7のスイッチの直列回路を備え、
    前記第2の伝送線路の出力端子はグランドとの間に前記第1のキャパシタと前記第5のスイッチの直列回路を備え、かつ前記第1の切替手段の出力端子と接続され、
    前記第5及び第7のスイッチは、制御電圧が第1の設定値より低いときに開放、制御電圧が前記第1の設定値より高い第2の設定値より高いときに短絡となることを特徴とする整流器。
  4. 第1及び第2の整流手段と、
    前記第1及び第2の整流手段の入力側にそれぞれ接続された第1及び第2の切替手段と、
    前記第1及び第2の整流手段の出力側にそれぞれ接続された第3及び第4の切替手段と、
    少なくとも入力波の基本波を短絡する高周波短絡手段と、
    前記第1及び第2の整流手段によって得られる直流電圧を帰還して前記第1から第4の切替手段を制御するアナログ回路による直流電圧帰還手段とを備え、
    前記高周波短絡手段の入力端子は、前記第3及び第4の切替手段の出力端子の接続点に接続され、前記高周波短絡手段の出力端子は負荷に接続されて前記直流電圧を供給し、
    前記第1の整流手段は、高周波を直流に変換する効率の最高値が前記第2の整流手段よりも高い入力電力で得られる整流手段であり、
    前記直流電圧の変化に伴い前記第1の整流手段への入力電力と前記第2の整流手段への入力電力との分配比が変化し、前記第1から第4の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも前記直流電圧が低いとき、前記第2の整流手段への入力電力の分配比が前記第1の整流手段より大きく、前記直流電圧が高いとき、前記第1の整流手段への入力電力の分配比が前記第2の整流手段より大きく、
    前記第1及び第2の切替手段の切替動作を規定する閾値電圧よりも、前記第1及び第2の整流手段で得られる直流電圧が低い程、前記第3の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、前記直流電圧が高い程、前記第4の切替手段の入力インピーダンスが開放に近づき、
    前記第3の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第4の伝送線路と、直流を遮断する第2のキャパシタと、前記直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第6のスイッチとを備え、
    前記第4の切替手段は、入力波の基本波で1/4波長となる第6及び第8の伝送線路と、直流を遮断する第4のキャパシタと、前記直流電圧帰還手段の出力電圧で制御される第8のスイッチとを備え、
    前記第4の伝送線路と前記第6の伝送線路の出力端子はそれぞれ前記高周波短絡手段の入力端子に接続され、
    前記第6の伝送線路の入力端子は前記第8の伝送線路の一端と前記第4の切替手段の入力端子とに接続され、
    前記第8の伝送線路の他端はグランドとの間に前記第4のキャパシタと前記第8のスイッチの直列回路を備え、
    前記第4の伝送線路の入力端子はグランドとの間に前記第2のキャパシタと前記第6のスイッチの直列回路を備え、かつ前記第3の切替手段の入力端子と接続され、
    前記第6及び第8のスイッチは制御電圧が第1の設定値より低いときに開放、制御電圧が前記第1の設定値より高い第2の設定値より高いときに短絡となることを特徴とする整流器。
  5. 前記第1の整流手段は、前記第2の整流手段の整流素子を直列接続してなることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の整流器。
  6. 前記高周波短絡手段は、高周波ショート用容量素子を備え、
    前記高周波ショート用容量素子は、直流は開放、かつ前記高周波の基本波周波数及び高次高調波の周波数で短絡となる素子で有り、
    前記高周波ショート用容量素子の一端が接地され、他端が前記高周波短絡手段の入力端子と出力端子に接続されたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の整流器。
  7. 前記高周波短絡手段は、前記高周波の基本波周波数または前記基本波周波数に加えて1つ以上の高次高調波の周波数で短絡となるよう直列共振する誘導素子と容量素子で構成される直列共振回路を複数備え、
    前記複数の直列共振回路の一端は接地され、
    前記複数の直列共振回路の他端は前記高周波短絡手段の入力端子と出力端子に接続されたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の整流器。
  8. 前記高周波短絡手段は、前記高周波の基本波周波数または前記基本波周波数に加えて1つ以上の高次高調波の周波数で短絡となるように、前記基本波周波数において1/4波長の電気長を有した基本波オープンスタブと、前記基本波オープンスタブに加えて前記高次高調波において1/4波長の電気長を有した高調波オープンスタブとを備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の整流器。
  9. 前記高周波短絡手段は、前記高周波の基本波の周波数において1/4波長の電気長を有した基本波オープンスタブまたは高次高調波において1/4波長の電気長を有した高調波オープンスタブと、
    前記高周波の基本波周波数、または前記高次高調波の周波数で直列共振する誘導素子と容量素子で構成された直列共振回路とを組み合わせて備えることにより、前記高周波の基本波周波数、または前記基本波周波数に加えて1つ以上の高次高調波の周波数で短絡としたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の整流器。
  10. 前記直流電圧帰還手段は、直流フィード用誘導素子と高周波ショート用容量素子とを備え、
    前記直流フィード用誘導素子は直流が通過し、かつ前記高周波の基本波周波数及び高次高調波の周波数で高いインピーダンスをもつ素子であり、
    前記高周波ショート用容量素子は、グランドに対して直流で開放となり、かつ前記高周波の基本波周波数及び高次高調波の周波数で短絡となる素子であり、
    前記直流フィード用誘導素子の一端は前記直流電圧帰還手段の入力端子に接続され、
    前記高周波ショート用容量素子の一端は接地され、
    前記直流フィード用誘導素子の他端と前記高周波ショート用容量素子の他端は前記直流電圧帰還手段の出力端子と接続されたことを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の整流器。
  11. 前記直流電圧帰還手段は、電圧比較手段と基準電圧源とを備え、
    前記電圧比較手段の第1の入力端子は前記直流電圧帰還手段の入力端子に接続され、
    前記基準電圧源は前記電圧比較手段の第2の入力端子に接続され、
    前記電圧比較手段の出力端子は前記直流電圧帰還手段の出力端子に接続され、
    前記電圧比較手段は、前記直流電圧帰還手段の入力端子の電圧と前記基準電圧源の電圧とを比較し、当該比較結果に応じた電圧を前記直流電圧帰還手段の出力端子より出力することを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の整流器。
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