以下、本発明の実施の形態に係る電球形ランプについて、図面を参照しながら説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
また、以下で説明する実施の形態およびその変形例は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態およびその変形例で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態およびその変形例における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
以下の実施の形態およびその変形例では、照明用光源の一例として、電球形ランプ(LED電球)について説明する。
[電球形ランプの全体構成]
まず、本実施の形態に係る電球形ランプ1の全体構成について、図1〜図3を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る電球形ランプ1の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る電球形ランプ1の分解斜視図である。
図3は、実施の形態に係る電球形ランプ1が取り付けられた照明器具の断面概要を示す図である。
なお、図2において、紙面上下方向に沿って描かれた一点鎖線は電球形ランプ1のランプ軸J(中心軸)を示している。ランプ軸Jとは、電球形ランプ1を照明器具のソケットに取り付ける際の回転中心となる軸であり、本実施の形態では口金90の回転軸と一致している。
また、図2では、駆動回路40が備える電子部品および駆動回路40に接続されたリード線等の要素の図示は省略されている。
また、図3では、照明器具の構造の概要が分かり易いように、照明器具は断面で図示されており、かつ、電球形ランプ1は側面で図示されている。
図1〜図3に示すように、本実施の形態に係る電球形ランプ1は、発光モジュール10と筐体50とを備える。
発光モジュール10は、本実施の形態において筐体50に収容された駆動回路40から供給される電力によって発光する装置であり、基板11と、基板11に実装された複数の発光素子12とを備える。基板11は、本実施の形態では平面視において略円形の板状基板であり、第一筒体60の開口部に配置されている。
基板11の種類としては、金属ベース基板、または、アルミナ等からなるセラミックス基板等が例示される。
本実施の形態では、基板11の片面上に複数個(本実施の形態では18個)の発光素子12が実装されている。
本実施の形態では、発光素子12として、表面実装(SMD:Surface Mount Device)型LED素子が採用されている。
SMD型LED素子である発光素子12は、図2に示すように、容器12aと、容器12a内に実装されたLEDチップ12bと、LEDチップ12bからの光の波長を変換する波長変換材を含む封止部材12cとを有する。
本実施の形態では、LEDチップ12bとして、例えば青色光を発する青色LEDチップが採用される。青色LEDチップとしては、例えばInGaN系の材料によって構成された、中心波長が440nm〜470nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子が採用される。この場合、白色光を得るために、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系の黄色蛍光体粒子が波長変換材として採用される。
駆動回路40は、図示しない一対のリード線によって接続された口金90から交流電力を受け取って直流電力に変換し、変換後の直流電力を図示しない一対のリードを介して発光モジュール10に供給する。駆動回路40は、回路基板と、当該回路基板に実装された複数の電子部品(図示せず)とを有している。
駆動回路40は、本実施の形態では、第二筒体70内に収容されており、ねじ止め、接着、または係合などにより第二筒体70に固定されている。なお、本実施の形態では、駆動回路40は、回路基板の主面がランプ軸Jと平行する姿勢で配置されているが、駆動回路40が配置される姿勢に特に限定はない。
また、駆動回路40は、交流電力を直流電力に変換する機能を持たなくてもよい。例えば照明器具から電球形ランプ1に直接直流電力が供給される場合、駆動回路40は、口金90から供給される直流電力を、発光モジュール10に適した特性の直流電力に調整するための回路を有すればよい。
また、電球形ランプ1に、口金90を介して発光モジュール10に適した特性の直流電力が供給される場合、電球形ランプ1は、駆動回路40を備えなくてもよい。この場合、口金90と発光モジュール10とが一対のリード線によって接続される。
本実施の形態における筐体50は、第一筒体60と、第一筒体60に挿入され、第一筒体60に対して軸方向の移動が可能に配置された第二筒体70とを有する。第一筒体60および第二筒体70の素材は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂である。
なお、本実施の形態において、ともに円筒形状である第一筒体60および第二筒体70それぞれの軸方向は一致し、いずれもZ軸に平行な方向である。そのため、第一筒体60および第二筒体70の組み合わせによって構成される筐体50の軸方向もZ軸に平行な方向である。
第一筒体60は、第二筒体70の最大外径よりも小さい内径を形成する小径部61を有する。小径部61は、第二筒体70の最大外径を形成する部分と小径部61とが当接するように第一筒体60が第二筒体70に対して軸回りに回動されることで第二筒体70を径方向に挟持する。
つまり、小径部61は、第二筒体70を挟持していない状態において、第二筒体70の最大外径よりも小さい内径を形成する部分である。
小径部61が、第二筒体70を径方向に挟持することで、第一筒体60および第二筒体70の軸方向の相対的な移動が規制される。
本実施の形態では、小径部61は、一対の当接部62を有し、第二筒体70の最大外径を形成する大径部71を径方向に挟持する。大径部71は、第二筒体70の外周に配置された一対の突出部72を有する。一対の突出部72は、第二筒体70の外周の一部であって、第二筒体70が小径部61に挟持された状態において、小径部61から径方向かつ内側への押圧力を受ける部分である。
筐体50は、上記構成を有することで、筐体50の軸方向の長さの調節および調節後の長さの安定的な維持を可能としている。筐体50の詳細については、図4〜図9Bを用いて後述する。
なお、上記のように筐体50は軸方向に伸縮し、また、第一筒体60が第二筒体70に対して軸回りに回動可能である。そのため、第二筒体70に固定されている駆動回路40と、発光モジュール10とは、これら伸縮または回動の動作によって電気的な接続が断たれないように、例えば十分な長さのリード線で接続されている。
また、本実施の形態では、例えば図2に示すように、第一筒体60の、発光モジュール10が配置された側の端部に、内面に反射板を有するカバー80が取り付けられている。カバー80の、発光モジュール10とは反対側の開口には、光透過性を有する光学部材81が配置されている。
光学部材81は、例えば、発光モジュール10から放出される光を拡散させて透過させる部材である。光学部材81が有する光拡散機能は、例えば、光学部材81を形成する樹脂に含まれるシリカまたは炭酸カルシウム等の光拡散材によって実現される。また、光学部材81を形成する樹脂またはガラスの内面または外面に、細かな凹凸を形成することで光拡散機能を実現してもよい。
なお、光学部材81が光拡散機能を持つことは必須ではなく、光学部材81は、外部から発光モジュール10を視認することができる程度の透明性を有していてもよい。
口金90は、外部から受けた電力を駆動回路40に供給する。口金90には、例えばAC100Vの商用電源から交流電力が供給される。
口金90は、金属製の有底筒体形状ある。本実施の形態では、口金90は、第二筒体70の第一筒体60から露出した端部に配置されている。例えば、第二筒体70の当該端部に、外周面にネジ山が形成された取付部(図示せず)が設けられており、口金90の内部に、この取付部がねじ入れられることで、第二筒体70に口金90が取り付けられる。口金90の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ねじ込み型のエジソンタイプ(E型)の口金を用いている。口金90として、例えば、E26形またはE17形、あるいはE16形等の口金が採用される。
上記構成を有する電球形ランプ1は、図3に示すように、例えば建物の天井200に埋設される、埋込型の照明器具3に取り付けられる。つまり、天井側から下方(廊下または壁等)に照明光を放出するダウンライトとして、電球形ランプ1を用いることができる。
照明器具3は、電球形ランプ1を収容する空間を形成する本体部5と、電源に接続されたソケット4とを備える。ソケット4は、電球形ランプ1の口金90がねじ入れられることで、口金90と電気的および機械的に接続し、口金90に、例えば商用電源からの交流電力を供給する。
ここで、ソケット4は、E26形またはE17形等のエジソンタイプ(E型)の口金を取り付け可能なソケットであり、照明器具3には、一般的な電球形ランプ等の電球形ランプが取り付け可能である。
つまり、本実施の形態に係る電球形ランプ1は、一般的な電球形ランプが取り付け可能な一般的な照明器具を利用して、照明光を提供することができる装置である。
また、図3に示す照明器具3を含め、一般に、埋込型照明器具は、本体部の深さ(図3におけるZ軸方向の幅)は様々である。従って、電球形ランプを埋込型照明器具に取り付けた場合、電球形ランプの先端(グローブの頂点)の位置が、例えば天井面に対してどの位置にあるかは、埋込型照明器具の種類によって異なる。
しかし、本実施の形態に係る電球形ランプ1は、伸縮可能な筐体50を有し、かつ、ガタつき等が抑制された安定的な状態を維持することが可能である。
従って、例えば図3に示すように、電球形ランプ1の光照射面(光学部材81の外面)を、できるだけ天井200に近づくように、筐体50の長さを調節することが可能である。
以下、上記特徴を有する筐体50の詳細について、図4〜図9Bを用いて説明する。
[筐体の詳細]
図4は、実施の形態に係る筐体50の分解斜視図である。
図5Aは、実施の形態に係る第一筒体60の下面図であり、図5Bは、実施の形態に係る第二筒体70の下面図である。具体的には、図5Aおよび図5Bは、図4における下方(Z軸マイナス側、以下同じ)から見た場合の、第一筒体60および第二筒体70の外観を示している。
図6は、実施の形態に係る第一筒体60の当接部62および抜け止め部64の外観を示す斜視図である。具体的には、図6では、当接部62および抜け止め部64を明確に示すために、第一筒体60を軸方向に沿って約半分に切断した状態を図示している。
図7は、実施の形態に係る筐体50の下面図である。具体的には、図7は、図4における下方から見た場合の、第一筒体60と第二筒体70とを組み合わせた状態における筐体50の外観を示している。
図8は、第一筒体60と第二筒体70とが組み合わされた状態における筐体50の内部を示す斜視図である。具体的には、図8では、筐体50を軸方向に沿って約半分に切断した状態を図示している。
図4に示すように、第二筒体70は、第一筒体60の、抜け止め部64が配置されていない側の開口から挿入される。
図5Aに示されるように、第一筒体60は、小径部61を有し、小径部61は、内径D1の筒体の内面において対向する位置に配置された一対の当接部62を有する。これら当接部62によって形成される内径Dsは、第二筒体70の最大外径よりも小さい。
具体的には、図5Bに示されるように、第二筒体70は、大径部71を有し、大径部71は、外径がD2(D2<D1)の外周に配置された一対の突出部72を有する。これら突出部72によって第二筒体70の最大外径Dxが形成されており、第一筒体60における内径Dsは、第二筒体70の最大外径Dxよりも小さい。
なお、本実施の形態では、小径部61は、第二筒体70の外周の一部と嵌り合う嵌合部62aを有する。具体的には、一対の当接部62のそれぞれに凹状に形成された嵌合部62aが設けられており、小径部61が第二筒体70を挟持する状態において、嵌合部62aは第二筒体70の突出部72と嵌め合わされる。嵌合部62aと突出部72との嵌合については、図9Bを用いて後述する。
また、第二筒体70の最大外径Dxは、第一筒体60の内径D1以下である。具体的には、第二筒体70の最大外径Dxが、第一筒体60の内径D1より小さくなるように、第一筒体60および第二筒体70が設計される。
そのため、図4に示すように第二筒体70が第一筒体60に挿入されることで、第二筒体70と第一筒体60とが組み合わされた場合、図7に示すように、第一筒体60と第二筒体70とは相対的に軸回りに回動することが可能である。
また、図8に示すように、軸方向についても第一筒体60と第二筒体70とは相対的に軸方向の移動が可能である。また、第一筒体60は、軸方向における小径部61の両側のうちの一方の側に配置され、小径部61における内径よりも小さな内径を形成する抜け止め部64を備える(図1、図5Aおよび図8参照)。具体的には、本実施の形態では、第一筒体60に発光モジュール10が配置されており、抜け止め部64は、軸方向における小径部61の両側のうちの発光モジュール10とは反対側に配置されている。
本実施の形態では、この抜け止め部64が、第二筒体70の大径部71(一対の突出部72)と当接することで、第二筒体70が第一筒体60から抜け出ることが防止される。
つまり、第二筒体70は、大径部71が抜け止め部64と当接しない範囲において第一筒体60に対して軸方向に移動可能であり、これにより、筐体50の軸方向の長さが無段階で変更可能である。
さらに、第二筒体70が、第一筒体60に対していずれかの位置(軸方向の位置)にある場合に、第二筒体70を第一筒体60に対して軸回りに、90°以下の角度回動させることで、第二筒体70の、第一筒体60に対する位置の固定が可能である。
図9Aは、第一筒体60と第二筒体70との相対的な回転位置の第1の例を示す図であり、図9Bは、第一筒体60と第二筒体70との相対的な回転位置の第2の例を示す図である。
例えば図9Aに示すように、第二筒体70を軸回りに回動しないように固定し、第一筒体60を図9Aにおける右回りに回動させた場合、第一筒体60の小径部61が有する一対の当接部62のそれぞれは、第二筒体70の突出部72に当接する。
この状態から、第一筒体60をわずかに右回りに回動させた場合、第一筒体60は、一対の当接部62と、一対の突出部72との間の摩擦力により、第二筒体70に対して仮固定(仮留め)された状態となる。
この仮固定の状態を利用した、電球形ランプ1の照明器具3(図3参照)に対する取り付け手順の一例を以下に説明する。
例えば、電球形ランプ1を照明器具3に取り付ける場合、一対の突出部72が抜け止め部64に当接するまで第二筒体70を第一筒体60から引き出した状態で、第一筒体60を第二筒体70に対して仮固定する。さらに、その状態で、口金90を、照明器具3のソケット4にねじ入れるように、第一筒体60を右回りに回動させる。なお、第一筒体60を回動させる場合、具体的には、第一筒体60に取り付けられたカバー80を回動させる。
この場合、第一筒体60の一対の当接部62のそれぞれは、第二筒体70の突出部72に当接した状態であり、これにより、第一筒体60の回動に伴って口金90が取り付けられた第二筒体70も右回りに回動する。その結果、口金90のソケット4に対するねじ入れが完了またはほぼ完了する。
その後、電球形ランプ1のカバー80が照明器具3の本体部5の開口周縁に当接するまで、カバー80を照明器具3(天井200)の方向に押し込む。これにより、第二筒体70に対して仮固定されていた第一筒体60が軸方向に移動し、筐体50の軸方向の長さ(電球形ランプ1の軸方向の長さ)が、天井200に埋設された照明器具3に適した長さとなる。
さらに、この状態で、第一筒体60を右回りに回動させる。この場合、口金90がソケット4によって回動が規制された状態であるため第二筒体70の回動は規制され、これにより、第一筒体60は、第二筒体70に対して右回りに回動する。
これにより、第一筒体60および第二筒体70の少なくとも一部が弾性変形または塑性変形し、例えば図9Bに示すように、第一筒体60の当接部62が第二筒体70を径方向に挟持した状態となる。つまり、第一筒体60が第二筒体70に対して本固定された状態となる。その結果、第二筒体70の第一筒体60に対する軸方向の移動が規制され、筐体50の長さは安定的に維持される。
また、第二筒体70が、第一筒体60の内面に対して径方向に突っ張るように存在するため、第一筒体60の第二筒体70に対するガタつきも抑制される。これにより、例えば風等によって第一筒体60がガタつくことで生じる異音の発生が抑制される。
また、本実施の形態では、第二筒体70は、外周に配置され、嵌合部62aと嵌り合う1以上の突出部72であって、第二筒体70が小径部61に挟持された状態において、小径部61からの押圧力を受ける部分である1以上の突出部72を有する。より詳細には、図9Bに示すように、第二筒体70の大径部71が有する一対の突出部72のそれぞれが、第一筒体60の当接部62が有する嵌合部62aと嵌り合う。
これにより、例えば、第一筒体60を第二筒体70に対して本固定させるために第一筒体60を回動させる場合において、第一筒体60が過剰に回動することが抑制される。つまり、突出部72および嵌合部62aが、第一筒体60の第二筒体70に対する本固定のための回動角の目安となり、かつ、回動角を規制する部位として機能する。なお、突出部72は少なくとも1つあればよい。つまり、第二筒体70が突出部72を1つのみ有する場合であっても、1つの突出部72が嵌合部62aと嵌り合うことで、例えば第一筒体60の回動角を規制することが可能である。
このように本実施の形態に係る電球形ランプ1は、発光モジュール10を収容する筐体50を備え、筐体50は、外側の第一筒体60と内側の第二筒体70とを有し、第一筒体60と第二筒体70とは軸方向の相対的な移動が可能である。
また、第一筒体60は小径部61を有し、第一筒体60が第二筒体70に対して軸回りに回動されることで、小径部61が第二筒体70を径方向に挟持する状態となる。このときの回動角は90°以下である。
この構成により、電球形ランプ1では、筐体50の軸方向の長さを無段階に変更することが可能であり、かつ、変更後の長さの安定的な維持が可能である。また、この特徴は、電球形ランプ1の筐体50が有する第一筒体60と第二筒体70との構造上の関係によって生み出されており、当該特徴を生むための複雑な機構は不要である。つまり、電球形ランプ1では、第一筒体60および第二筒体70以外の部材を用いずに、筐体50の軸方向の長さの調節および調節後の固定を行うことができる。
ここで、筐体50の長さの変更後の固定を、例えば筐体50の側面からのネジ止めによって行う場合を想定する。この想定下において、電球形ランプ1を照明器具3(図4参照)に取り付ける場合、電球形ランプ1を照明器具3に取り付けて筐体50の長さを調節した後に、一旦、電球形ランプ1を照明器具3から取り外してネジを回す必要がある。
しかしながら、本実施の形態に係る電球形ランプ1では、筐体50の長さの変更後の固定は、第一筒体60を第二筒体70に対して回動させることで行われる。そのため、上述のように、筐体50の長さの変更後に、一旦、照明器具3から電球形ランプ1を取り外す必要がない。つまり、筐体50の長さ調節および調節後の長さの固定を、電球形ランプ1の照明器具3への取り付け作業の流れの中で行うことができる。
以上のように、本実施の形態に係る電球形ランプ1は、簡易な構造で全体を伸縮させることができる照明用光源である。
また本実施の形態に係る電球形ランプ1において、小径部61は一対の当接部62を有し、一対の当接部62によって第二筒体70を挟持する。そのため、例えば、第一筒体60の第二筒体70に対する固定をより確実に行わせることができる。また、例えば、一対の当接部62それぞれのサイズ等を変更することで、第一筒体60の外形を変えずに、第一筒体60の第二筒体70に対する固定力を調整することが可能である。
また、電球形ランプ1は、筐体50に収容された、発光モジュール10を発光させるための駆動回路40と、第二筒体70の第一筒体60から露出した端部に配置された口金90であって、外部から受けた電力を駆動回路40に供給する口金90とを備える。口金90としては、例えば一般家庭で用いられる電球形ランプと共通するE26形等の一般的な口金を採用することができる。
そのため、例えば、一般の住宅の備えられた照明器具に、電球形ランプ1を取り付けることが可能であり、かつ、全長が無段階に調節可能であることで、例えば照明器具のサイズに応じた適切な長さに調節することができる。
なお、上記説明された、電球形ランプ1の照明器具3に対する取り付けの手順は一例であり、電球形ランプ1は、他の手順で各種の照明器具に取り付けることが可能である。例えば、第一筒体60を第二筒体70に対して仮固定せずに、口金90を、照明器具のソケットにねじ入れることも可能である。
つまり、第一筒体60を第二筒体70に対して仮固定していない場合、第一筒体60を回動させることで、第一筒体60の一対の当接部62のそれぞれが、第二筒体70の突出部72に当接した状態となる。その後は、第一筒体60の右回りの回動に追随して第二筒体70も右回りに回動するため、口金90のソケットへのねじ入れは可能である。
この場合、口金90をソケットにねじ入れた後に、第一筒体60を第二筒体70に対して軸方向に移動させ、かつ、第一筒体60をさらに右回りに回動させる。これにより、筐体50の長さの調節および調節後の長さの固定が完了する。
また、実施の形態に係る筐体50の構造は、図1〜図9Bによって示される構造以外であってもよい。そこで、筐体50についての各種の変形例を、図10〜図12を用いて説明する。
(変形例1)
上記実施の形態に係る筐体50において、第一筒体60の当接部62は、第二筒体70の外周の一部と嵌り合う嵌合部62aを有している。この嵌合部62aの形状は、図5Aに示される形状に限定されない。
例えば、第一筒体60の当接部62は、第二筒体70の一方向の回動を規制し、逆方向の回動を許容しやすい形状の嵌合部を有してもよい。
図10は、実施の形態の変形例1に係る嵌合部62bの形状を示す下面図である。
例えば図10に示すように、第一筒体60の当接部62に、第一筒体60の径方向に平行または略平行な内面と、径方向に対して斜めの内面とを有する嵌合部62bを設ける。この場合、第二筒体70の外周に、図10に示すような、第二筒体70の径方向に平行または略平行な側面を有する突出部72aを設ける。
この場合、図10において、第一筒体60を右回りに回動させることで、嵌合部62bに突出部72aが嵌め合わされた場合、嵌合部62bと突出部72aとは、第一筒体60の回動における接線方向に直交する面同士で当接する。そのため、第一筒体60を第二筒体70に対してさらに右回りに回動させることは、実質的に不可能である。
これにより、第一筒体60を第二筒体70に対して本固定させるために第一筒体60を回動させる場合において、第一筒体60の過剰な回動がより確実に抑制される。
その一方で、第一筒体60を第二筒体70に対して左回りに回動させる場合、嵌合部62bと突出部72aとは、第一筒体60の回動における接線方向に近い傾きの面同士で当接している。つまり、左回りに回動させる場合において、嵌合部62bと突出部72aとの掛かり合いが浅い状態で嵌めあわされているため、第一筒体60を第二筒体70に対して左回りに回動させやすい。
これにより、一旦、第一筒体60が第二筒体70に対して本固定された状態となった後に、本固定の状態を解除することが容易化される。そのため、例えば、電球形ランプ1が取り付けられた照明器具を変更する場合などにおいて必要となる、筐体50の長さの再調節のための作業が容易化される。
(変形例2)
上記実施の形態に係る筐体50において、第一筒体60の当接部62は凹状の嵌合部62aを有し、嵌合部62aに第二筒体70の突出部72が挿入されることで、当接部62と突出部72とが嵌め合わされている。しかし、凸状の当接部が、突出部に設けられた凹状の部位に挿入されることで、当接部と突出部とが嵌め合わされてもよい。
図11は、実施の形態の変形例2に係る当接部65および突出部75の形状を示す下面図である。
例えば図11に示すように、第一筒体60の内周に径方向に凸状の当接部65を設ける。また、第二筒体70の外周に、当接部65が挿入可能なサイズおよび形状の凹状の部位を有する突出部75を設ける。
この場合であっても、一対の当接部65を有する小径部61は、一対の突出部75を有する大径部71を径方向に挟み込むことは可能である。つまり、第一筒体60の小径部61は、第二筒体70を径方向に挟持することで、第二筒体70の軸方向の移動を規制することができる。
また、当接部65と突出部75とが嵌め合わされるため、例えば、第一筒体60を第二筒体70に対して本固定させるために第一筒体60を回動させる場合において、第一筒体60の過剰な回動が抑制される。
(変形例3)
上記実施の形態に係る筐体50において、第一筒体60および第二筒体70の、軸方向に直交する断面の基本形状は円形状である。また、第一筒体60および第二筒体70それぞれに、径方向に凹または凸の部位を設けることで、第一筒体60の小径部61が第二筒体70を径方向に挟持する構造を実現している。
しかしながら、第一筒体60および第二筒体70の、軸方向に直交する断面の基本形状は円形状である必要はなく、例えば、当該断面が楕円であってもよい。
図12は、実施の形態の変形例3に係る第一筒体160および第二筒体170の断面形状およびこれらの関係を示す断面図である。
本変形例に係る筐体50は、第一筒体160と、第一筒体160挿入され、第一筒体160に対して軸方向の移動が可能に配置された第二筒体170とを備える。
第一筒体160の内周の、軸方向に垂直な断面は楕円形状である。また、第二筒体170の外周の、軸方向に垂直な断面は楕円形状である。
このような形状の第一筒体160は、図12の(a)および(b)に示すように、第二筒体170の最大外径よりも小さい内径を形成する小径部161を有する。小径部161は、第二筒体170の最大外径を形成する部分と小径部161とが当接するように、第一筒体160が第二筒体170に対して軸回りに回動されることで、第二筒体150を径方向に挟持する。
具体的には、第二筒体170の最大外径Dxは、第二筒体170の楕円形状である外周における長径に相当する長さである。つまり、第二筒体170における長軸の両端部分によって本変形例における大径部171が形成されている。
また、小径部161おける一対の当接部162は、第一筒体160の楕円形状である内周における短軸Aの両端に位置する部分である。また、小径部161における内径(短軸Aの長さ)は、最大外径Dxの長さよりも小さい。
このような形状およびサイズを有する第一筒体160および第二筒体170において、図12の(a)に示される状態では、第一筒体160は、第二筒体170に対する軸方向の移動が可能である。この状態から、第一筒体160を例えば右回りに回動させた場合、図12の(b)に示されるように、第一筒体160の小径部161(一対の当接部162)は、第二筒体170を径方向に挟持する状態となる。
これにより、第一筒体160および第二筒体170の軸方向の相対的な移動は規制され、筐体50の軸方向の長さは安定的に維持される。
従って、電球形ランプ1が、本変形例に係る筐体50を備える場合であっても、簡易な構造で全体を伸縮させることができる電球形ランプ1が実現される。また、第一筒体160および第二筒体170は、全体的な形状(楕円の筒形状)を利用して互いの移動を規制するため、例えば、当該規制のための凹状または凸状の部位を形成する必要ない。
なお、第一筒体160の断面形状は、内周が楕円形状であればよく、例えば外周が円形状であってもよい。また、第二筒体170の断面形状は、外周が楕円形状であればよく、例えば内周が円形状であってもよい。
(実施の形態の補足)
上記実施の形態において、筐体50は、2つの筒体(第一筒体60および第二筒体70)を有しているとした、しかし、筐体50は3以上の筒体を有してもよい。つまり、筐体50は、3以上の筒体を有し、例えばテレスコピック構造によって伸縮してもよい。
筐体50は、3以上の筒体を有する場合であっても、互いに当接しあう2つの筒体が、第一筒体60および第二筒体70と同様の、一方が他方に挟持される構造を採用すればよい。これにより、筐体50が3以上の筒体を有する電球形ランプ1であって、簡易な構成で伸縮を可能とすることができる電球形ランプ1を実現することも可能である。
また、上記実施の形態では、第一筒体60に発光モジュール10が配置され、第一筒体60に挿入される第二筒体70に口金90が配置されるとした。しかし、第一筒体60に口金90が配置され、第一筒体60に挿入される第二筒体70に発光モジュール10が配置されてもよい。
つまり、軸方向に相対的に移動する第二筒体70および第一筒体60の一方に発光モジュール10が配置され、他方に口金90が配置されることで、口金90と発光モジュール10との間の距離の変更は可能である。
また、発光モジュール10は、筐体50に直接的に取り付けられる必要はない。例えば、筐体50に直接的または間接的に固定された基台または支柱等に発光モジュール10が固定されてもよい。また、例えば、カバー80に発光モジュール10が固定されてもよい。
また、第一筒体60に備えられる小径部61は、3以上の当接部を有してもよい。つまり、第二筒体60は、3以上の当接部によって径方向に挟持されてもよい。
また、発光モジュール10が配置される第一筒体60とカバー80とは別体である必要はなく、例えば、樹脂の一体成形によって、カバー80を一体に備える第一筒体60が作製されてもよい。
また、第一筒体60の抜け止め部64に、第二筒体70の突出部72以外の部分が当接することで、第二筒体70が第一筒体60から抜け出ることが防止されてもよい。つまり、突出部72が、第二筒体70の第一筒体60からの抜け出し防止のための役割を担う必要はない。
また、電球形ランプ1が備えるカバー80および光学部材81の形状および大きさに特に限定はなく、さらに、電球形ランプ1はカバー80および光学部材81を備えなくてもよい。
また、上記の実施の形態において、発光素子12は、SMD型LED素子であるとしたが、これに限らない。例えば、ベアチップが基板上に直接実装されたCOB(Chip On Board)型の発光モジュールが、電球形ランプ1に採用されてもよい。
この場合、例えば、複数のLEDチップを一括または個別に封止する封止部材であって、上述の黄色蛍光体等の波長変換材を含む封止部材を配置することで、複数のLEDチップからの光の波長を所定の波長に変換させてもよい。
また、上記の実施の形態において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)または無機EL等の固体発光素子を用いてもよい。
その他、上記実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態および変形例における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。