JP6383481B1 - 風洞回転羽根 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より高回転域まで回転を上げることのでき、且つ高トルクの回転力が得られる風洞回転羽根を提供する。【解決手段】 風洞を、風の抜ける方向に対して、上記回転羽根設置位置部分の風洞とその上段の風洞の少なくとも二段2a及び2bに分けると共に、各段の入り側開口近傍部側両側に、同じく風を受け止め易い形状に成形された受風面を少なくとも片面側に有する複数枚の縦ブレードで構成され、風洞開口部側から見た場合、両側の各受風面が風洞中央部側で風を受けて回転し、その回転で風を風洞側へ押し込むことができるように、風押込回動体3a及び3bと30a及び30bが夫々設けられ、且つ各上下段に分かれた風洞の同じ位置に配した風押込回動体の軸を繋げて同軸にする。【選択図】 図1

Description

本発明は、風洞に設置されて、発電に使用される風洞回転羽根に関する。
本出願の発明者は、後述する特許文献1で、先端側に風を受け止め易い受風面を有し、軸寄りの(軸に近い)側に、特定の条件の場合に風を通す開口部(通風孔乃至通風スリット)を設けて、風下側にある他の受風面でその風を受けてより回転し易くする風洞回転羽根を考案した。
その後も、後述する特許文献2や3の提案を行い、これらの改良に努めた。
特許第5240883号 特許第5768234号 特許第5877458号
しかし、これらの特許発明は、これまでよりその効果は認められるものの、350回転/分位までの回転数にとどまり、500回転/分以上の実用的な回転数が得られるようなものではなく、このような高回転域で且つ高トルクの回転力が得られる風洞回転羽根の実用化が望まれていた。その中でも、近年航続距離の延長が望まれている電気自動車は、走りながら発電と充電が行える、当該構成の改良が待ち望まれている。
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたものであって、特許文献1の発明構成を前提に、より高回転域まで回転を上げることのでき、且つ高トルクの回転力が得られる風洞回転羽根を提供せんとするものである。
上記特許文献2及び3を見ても明らかなように、本発明者は、この風洞回転羽根の回転数を上げようとして、該回転羽根のブレードに設けられる受風面に工夫を凝らしてきた。そして、その後も、該受風面に改良を加えて実験を何度も行ってきたが、新しい知見は得られるものの、どうしても350回転/分範囲内までの回転数にとどまり、それ以上の、例えば自動車や列車に用いられた場合に発電し、その電気をこれらの走行や他の目的に使える実用的な発電力が得られる構成とすることが出来ず、受風面に工夫を加えるこれまでの発想に限界を感じていた。
そこで、本発明者は、根本的な発想の転換を試み、上記受風面に工夫を凝らすことからの発想から脱却し、構造全体として、新しい構成のものを一から考えることにした。
新しい発想は、風洞を吹き抜ける風のトータルな量を如何に増やし、その圧を高めることに、その照準を定めた。即ち、風洞を吹き抜ける風の圧力を高めることで、上記回転羽根の回転数を実用域まで高めることである。
そのため、発明者は、風洞の風の入り側で如何に風を風洞内に押し込めることができるかを考えた。そこでもその基本となる発想に基づく構成だけではどうしてもその目的に至ることは出来なかった。
以上の経緯から、本発明者は次のような構成からなる本発明を発明にするに至った。即ち、本発明に係る構成は、
風洞に設置された時に、該風洞に1乃至複数枚突き出るブレードによって、上記風洞を吹き抜ける風を受けて回転する共に、上記風洞を吹き抜ける風を上記ブレードに受けてその力によって回わる回転羽根の回転力を用いて発電器に発電させる風洞回転羽根であって、上記回転羽根は、その軸より離れた位置で、上記風を受けるブレード部分が風を受け止め易い形状に成形された受風面として形成されており、該受風面より軸寄り部分が、風洞を吹き抜ける風に対して直交する位置に回転移動して来た時に、その軸寄り部分から風が吹き抜け、吹き抜けたその風が、上記風洞の、より風下側にある別のブレードの受風面に受けられる位置に来るように、手前のブレードの軸寄り部分の位置に、通風孔乃至通風スリットが穿設された風洞回転羽根において、
上記風洞を、風の抜ける方向に対して、上記回転羽根設置位置部分の風洞とその上段の風洞の少なくとも二段に分け、上段側の風洞については、風が吹き抜けるだけで、他に抵抗を受けない構成とすると共に、
各段の入り側開口近傍部側両側に、同じく風を受け止め易い形状に成形された受風面を少なくとも片面側に有する複数枚の縦ブレードで構成され、風洞開口部側から見た場合、両側の各受風面が風洞中央部側で風を受けて回転し、その回転で風を風洞側へ押し込むことができるように、風押込回動体が夫々設けられ、且つ各上下段に分かれた風洞の同じ位置に配した風押込回動体の軸を繋げて同軸にしたことを基本的特徴としている。
当初の構成は、風洞開口部両側に、縦ブレードで構成される風押込回動体を単に設けて、風洞を吹き抜ける風を押し込むだけの構成としたが、そのような構成だけでは、風洞の後方にある、回っている回転羽根自身が抵抗になり、押し込まれた空気が、その後方へ効率よく抜けることが出来ないことが判明した。
そこで、もっと風の吹き抜けを良くする構成を考え、風洞を上下方向に複数段とし、最下段に、上記回転羽根を置き、その上段の風洞は基本的に風を吹き抜けさせる構成、すなわち、上段側の風洞については、風が吹き抜けるだけで、他に抵抗を受けない構成としたのである。
上段側の風洞は吹き抜けるだけで、他に抵抗となるものは特にないので、当然そこを吹き抜ける風の量は多くなる。この上段の風洞を流れる風の力を利用しない手はない。そこで、最下段だけでなく、その上段側の開口部両側に、縦ブレードで構成される風押込回動体を同時に設けて、上段側の風洞を吹き抜ける風を押し込まさせて、それらの風洞を吹き抜ける量をその押込によって、より増やすと共に、上段側で良く回る該風押込回動体の軸を、最下段にある風押込回動体の軸に繋げることで、これまで、上記風洞回転羽根があるために抵抗となって、最下段の風量が落ちていたのを、上段から最下段までの風押込回動体の軸を繋げて回すことで、上段側風洞の増大させた風の吹き込み量による力を、最下段の風押込回動体の軸に伝達させることで、その風押込回動体の回転力をより一層高めることで、最下段の風洞を吹き抜ける風をより強い力で押し込んで、上記風洞回転羽根に送り込み、該風洞回転羽根の回転数、並びに回転トルクを上げることが可能となった。結果を見れば、該風洞回転羽根の回転数は、優に550回転/分を超える結果を得られることとなった。
以上の構成からなる本発明によれば、抵抗のほぼない上段側の風洞を自由に吹き抜ける風を利用して、その力を、最下段の風押込回動体に伝え、該最下段の風押込回動体の風を押し込む力を高めて、上記風洞回転羽根を回転せしめているため、自動車や列車等に用いられた場合に発電し、その電気をこれらの走行や他の目的に使える実用的な発電力を得ることが可能となった。ここで、上段側風洞を吹き抜ける風について、通過中にほとんど抵抗を受けないことが、ここを通過する風によって、最終的に下段側の風押込回動体を強く回すことになる。
以上の風押込回動体につき、上段の風洞両側に備えられる風押込回動体の径を最下段の風洞両側に備えられる風押込回動体の径より大きくすると良い。これは、風洞への風の抵抗の少ない上段側風洞では、もの凄い勢いで風が吹き抜け、その際に、入り側の風押込回動体も、沢山の量の風を風洞内に押し込めるため、良く回ることになる。その力が、最下段の風押込回動体の回転推進力となり、最下段のそれを回すことになる。そのため、上段の風洞に備えられる風押込回動体の径を最下段の風洞に備えられる風押込回動体の径より大きくすれば、最下段の風押込回動体の回転が高くなって、最下段の風押込回動体の風洞内に風を押し込む力が、仮に上段に風洞がない時に比べ、格段に高くなるからである。
風洞が上下二段になっている実際の構成の場合、そのような構成の場合に、風洞回転羽根の一つが最上方に来た時に、上下段風洞を仕切る板より、わずかにその上端が突出するように、風洞回転羽根の設置位置乃至上記仕切り板の後部の設定が行われていると、より好ましい結果をもたらすことになる。これは、下段の風押込回動体の回転が高くなって、下段の風押込回動体の風洞内に風を押し込む力が高くなるからと言う、上記の効果だけではなく、風洞回転羽根の設置位置乃至上記仕切り板の後部の設定が、風洞回転羽根の一つが最上方に来た時にその上端が突出するように行われていれば、この風洞回転羽根の上端が、抵抗のほとんど無い上段の風洞を吹き抜ける風に押されて、より回転力を増すからである。
他方このような構成を有する風洞回転羽根において、上段の風洞出側下流部分を、上記回転羽根の設置された最下段の風洞出側下流部分にある該回転羽根の後方で滑らかに傾斜させながら絞り、風洞の空気の流れを合流させる構成とすると、より良い結果をもたらすことになる。後方での風洞を流れる空気の合流は、混合されて流れようとするが、最下段の風洞の空気密度が低い状態となり、それにつられて、その密度不足を補うために、最下段の空気がより、後方に引っ張られやすくなるからである。上下段風洞を仕切る板より、風洞回転羽根の一つの上端が突出する構成と組み合わせた構成では、650回転/分を超える回転数を得られる結果となった。
以上の構成が風洞回転羽根の550回転/分以上の回転数を達せられるものであるが、これらの風洞に流れ込んだ風は、後方に抜けていくので、その後方に同様な構成を何段か設けて、複数の、上記風洞回転羽根構成により発電させ、用いることも可能である。すなわち、以上の風洞回転羽根において、これら一体の構成を、最初の風洞回転羽根の風洞風下後方に、複数体連続的に設けて、夫々に発電させる構成とすると、その数だけ発電量は増やすことができることになる。
本発明の一つ目の風洞回転羽根の構成によれば、抵抗のほぼない上段側の風洞を自由に吹き抜ける風を利用して、その力を、最下段の風押込回動体に伝え、該最下段の風押込回動体の風を押し込む力を高めて、上記風洞回転羽根を回転せしめているため、発電力が高められ、実用的な発電力を得ることが可能となるという優れた効果を奏し得ることになる。
本発明の二つ目の構成によれば、風洞への風の抵抗の少ない上段側風洞では、もの凄い勢いで風が吹き抜け、その際に、入り側の風押込回動体も、沢山の量の風を風洞内に押し込めるため、良く回ることになり、その力が、最下段の風押込回動体の回転推進力となって、最下段のそれを回すことになるため、上段の風洞に備えられる風押込回動体の径を最下段の風洞に備えられる風押込回動体の径より大きくすれば、最下段の風押込回動体の回転が高くなり、最下段の風押込回動体の風洞内に風を押し込む力が、仮に上段に風洞がない時に比べ、格段に高くなると言う効果を得ることが可能となる。
本発明の三つ目の構成によれば、風洞回転羽根の設置位置乃至上記仕切り板の後部の設定が、風洞回転羽根の一つが最上方に来た時にその上端が突出するように行われていれば、この風洞回転羽根の上端が、抵抗のほとんど無い上段の風洞を吹き抜ける風に押されて、より回転力を増すため、風洞回転羽根の回転数を上げることが可能となる。
本発明の四つ目の構成によれば、上段の風洞出側下流部分を、上記回転羽根の設置された最下段の風洞出側下流部分にある該回転羽根の後方で滑らかに傾斜させながら絞り、風洞の空気の流れを合流させており、後方での風洞を流れる空気の合流は、混合されて流れようとするが、その際、最下段の風洞の空気密度が低い状態となり、それにつられて、その密度不足を補うために、最下段の空気がより、後方に引っ張られやすくなるので、最終的に、最下段の空気の流れはより多くなり、それにつられて風洞回転羽根の回転効率が上がることになる。この構成と三つ目の構成とを組み合わせることで、650回転/分を超える回転数を得られる結果となった。
本発明の五つ目の構成によれば、一体一体の風洞回転羽根の構成を、最初の風洞回転羽根の風洞風下後方に、複数体連続的に設けて、夫々に発電させる構成とすることで、その数だけ発電量は増やすことができるようになる。
本発明の実施例1に係る構成を示す説明図である。 上記実施例構成を真横からスケルトン状態で示す概略図である。 本発明の実施例2の構成の重要部分を拡大して示す拡大図である。 本発明の実施例2に係る構成を真横からスケルトン状態で示す概略図である。 本発明の実施例3に係る概略構成の説明図である。 本発明の前提となる構成の斜視図である。 上記前提構成の原理説明図である。 同じく前提構成の原理説明図である。 同じく前提構成の原理説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
上記特許文献1の風洞回転羽根の構成は、図6〜図9に示すように、風洞2aに設置された時に、該風洞2aに1乃至複数枚突き出るブレード10によって、上記風洞2aを吹き抜ける風を受けて回転する回転羽根100であり、該ブレード10はその回転羽根100の回転軸から外側に軸寄り部分10bが延出され、さらにその軸寄り部分10b延出方向に風を受け止め易い形状に成形された受風面10aが備えられていて、上記風洞2aを吹き抜ける風を上記ブレード10の受風面10aに受けてその力によって回わる回転羽根の回転力を用いて発電器に発電させる風洞回転羽根100であって、上記回転羽根100は、該受風面10aより軸寄り部分10bが、風洞2aを吹き抜ける風に対して直交する位置に回転移動して来た時に、その軸寄り部分10bから風が吹き抜け、吹き抜けたその風が、上記風洞2aより風下側にある別のブレード10の受風面10aに受けられる位置に来るように、手前のブレード10の軸寄り部分10bの位置にのみ、通風孔乃至通風スリット1が穿設されているというものである。
このような構成によって、風洞2a内で風を受けて回転している回転羽根100の、あるブレード10の受風面10aより軸寄り部分(根元側)10bが、風洞2aを吹き抜ける風に対して直交する位置に回転移動して来た時に、図8に示すように、風洞2a内を吹き抜ける風が、上記通風孔乃至通風スリット1を通って、その風洞2aのより風下側にある別のブレード10の受風面10aに突き当たることになる。この別のブレード10の受風面10aは、一番強い風を受けてから、次第に弱まって来たまさにその時に、新たに、通風孔乃至通風スリット1を通って来た風を受けて、さらに強い回転力が与えられるため、その位置に置いても、より回転力が強まることになる。この際、そのような風の吹き抜けをさせた通風孔乃至通風スリット1を有するブレード10の受風面10aは、間もなく直接風洞2a内を吹き抜ける風を受けることになるので、少なくとも2つのブレード受風面10aで、この風洞回転羽根100は、風洞2aを吹き抜ける風を受けることになり、それによって、より強い回転力が得られるようになる。その一瞬の後、そこから上記の別のブレード10がわずかに回転した位置で、図9に示すように、下方に抜けていた風は、方向を変えて、風洞2aの風下側に吹き抜けていき、風洞2a内をそのまま吹き抜けていく風と合流することになる。これが、オーバーフローを発生させずに、風洞内を吹き抜ける風を利用して発電等を行えるようにする特許文献1の発明の構成であった。
図1及び図2は、上記特許文献1の構成をそのまま利用してさらにその性能を向上させた本発明構成の一つ目及び二つ目の実施例構成を示す説明図である。同図に示すように、本実施例構成は、上記風洞を、風の抜ける方向に対して、上記回転羽根100設置位置部分の風洞2aとその上段の風洞2bの二段に分けている。
また、各段の風洞2a及び2bの入り側開口近傍部側両側に、同じく風を受け止め易い形状に成形された受風面を少なくとも片面側に有する複数枚の縦ブレードで構成され、風洞開口部側から見た場合、両側の各受風面が風洞中央部側で風を受けて回転し、その回転で風を風洞側へ押し込むことができるように、風押込回動体3a及び3bと30a及び30bとが夫々設けられ、且つ各上下段に分かれた風洞2aと2bの同じ位置に配した風押込回動体(3aと30a、3bと30b)の軸を繋げて同軸にし(31aと31b)ている。
以上のような構成を有しているため、上段側の風洞2bについては、風は吹き抜けるだけで、他に特段、抵抗を受けないので、そこを吹き抜ける風の量は当然下段の風洞2aより多くなる。この上段の風洞2bを流れる風の力を利用しようとするのが本願の実施例構成である。そこで、下段の風洞2aの上に上段の風洞2aだけでなく、その上段側の開口部両側に、縦ブレードで構成される風押込回動体30a及び30bを同時に設けて、上段側の風洞2bを吹き抜ける風を押し込まさせて、それらの風洞2bを吹き抜ける量をその押込によって、より増やすと共に、上段側風洞2bで良く回る該風押込回動体30a及び30bの軸を、下段にある風押込回動体3a及び3bの軸に繋げる(31a及び31b)ことで、これまで、上記風洞回転羽根100があるために抵抗となって、下段の風量が落ちていたのを、上段から下段までの風押込回動体(3a及び3bと30a及び30b)の軸を繋げて(31a及び31b)回すことで、上段側風洞2bの増大させた風の吹き込み量による力を、下段の風押込回動体3a及び3bの軸に伝達させることで、その風押込回動体3a及び3bの回転力をより一層高めることで、下段の風洞2aを吹き抜ける風をより強い力で押し込んで、上記風洞回転羽根100に送り込み、該風洞回転羽根100の回転数、並びに回転トルクを上げることが可能となった。実験結果から、該風洞回転羽根100の回転数は、発電機を回しながら(風洞回転羽根100:発電機=1:1)、優に550回転/分を超える結果が得られた。
また、本実施例構成では、図1及び図2に示すように、上段の風洞2b両側に備えられる風押込回動体30a及び30bの径を下段の風洞2a両側に備えられる風押込回動体3a及び3bの径より大きしている。これは、風洞への風の抵抗の少ない上段側風洞2bでは、もの凄い勢いで風が吹き抜け、その際に、入り側の風押込回動体30a及び30bも、沢山の量の風を風洞2b内に押し込めるため、良く回ることになる。その力が、下段の風洞2aの風押込回動体3a及び3bの回転推進力となり、下段のそれ(風押込回動体3a及び3b)を回すことになる。そのため、上段の風洞2bに備えられる風押込回動体30a及び30bの径を下段の風洞2aに備えられる風押込回動体3a及び3bの径より大きくすれば、下段の風押込回動体3a及び3bの回転が高くなって、下段の風押込回動体3a及び3bの風洞2a内に風を押し込む力が、仮に上段に風洞2bがない時に比べ、格段に高くなるからである。
以上の構成からなる本発明に係る一つ目及び二つ目の実施例構成によれば、抵抗のほぼない上段側の風洞2bを自由に吹き抜ける風を利用して、その力を、下段の風押込回動体3a及び3bに伝え、該下段の風押込回動体3a及び3bの風を押し込む力を高めて、上記風洞回転羽根100を回転せしめているため、自動車や列車等に用いられた場合に発電し、その電気をこれらの走行や他の目的に使える実用的な発電力を得ることが可能となった。ここで、上段側の風洞2bを吹き抜ける風について、通過中にほとんど抵抗を受けないことが、ここを通過する風によって、最終的に下段側の風押込回動体3a及び3bを強く回すことになる。
図3及び図4は、本発明構成を有する三つ目及び四つ目の実施例に係る風洞回転羽根100の構成を示している。こららの図面に示すように、風洞が上下二段になっている構成の場合に、風洞回転羽根100の一つが最上方に来た時に、上下段風洞を仕切る仕切り板板20より、わずかにその上端(10aの上端)が突出するように(図3では仕切り板20の延長線が20aと点線で示されている)、風洞回転羽根100の設置位置乃至上記仕切り板20の後部の設定が行われていると、より好ましい結果をもたらすことになる。これは、下段の風押込回動体3a及び3bの回転が高くなって、下段の風押込回動体3a及び3bの風洞2a内に風を押し込む力が高くなるからと言う、実施例1の効果だけではなく、風洞回転羽根100の設置位置乃至上記仕切り板20の後部の設定が、風洞回転羽根の一つが最上方に来た時にその上端が突出する(点線より上に突出している)ように行われていれば、この風洞回転羽根100の上端が、抵抗のほとんど無い上段の風洞2bを吹き抜ける風に押されて、より回転力を増すからである。しかも後述するように、本実施例では、絞り20bの構成により、風洞2b内の圧力が高まり、該風洞回転羽根100の先端を押し込み、はるかに強い回転力をうむことになる。これについては、後述する。
この構成は、元となった、特許文献1の構成の考え方と、コロンブスの卵的な、ある意味共通するコンセプトがある。即ち、前提構成となった特許文献1では、あるブレード10の受風面10aより軸寄り部分(根元側)10bが、風洞2aを吹き抜ける風に対して直交する位置に回転移動して来た時に、図8に示すように、風洞2a内を吹き抜ける風が、上記通風孔乃至通風スリット1を通って、その風洞2aのより風下側にある別のブレード10の受風面10aに突き当たることになる。通風孔乃至通風スリット1を通って来た風を受けて、さらに強い回転力が与えられるため、その位置に置いても、より回転力が強まることになる。この際、そのような風の吹き抜けをさせた通風孔乃至通風スリット1を有するブレード10の受風面10aは、間もなく直接風洞2a内を吹き抜ける風を受けることになるので、少なくとも2つのブレード受風面10aで、この風洞回転羽根100は、風洞2aを吹き抜ける風を受けることになり、それによって、より強い回転力が得られるようになる。
これに対し、本実施例構成では、下段の風押込回動体3a及び3bの回転が高くなって、それによる風洞2a内に風を押し込む力が高くなるからと言う、上記実施例1の効果だけではなく、風洞回転羽根100の設置位置乃至上記仕切り板20の後部が、風洞回転羽根100の一つが最上方に来た時にその上端(10aの上端)が突出するように設定ていれば、この風洞回転羽根の上端が、抵抗のほとんど無い上段の風洞を吹き抜ける風に押されて、より回転力を増すことになり、風洞回転羽根100の回転位置によって、別の力が付勢して、より該風洞回転羽根100を回そうとする力が作用することになるからである。
さらに本実施例では、上段の風洞2b出側下流部分を、上記風洞回転羽根100の設置された下段の風洞2a出側下流部分にある該回転羽根100の後方で滑らかに傾斜させながら絞り(20b)、風洞2a及び2bの空気の流れを合流させる構成としている。この絞り20bの構成により、風洞2b内の圧力が高まることになる。しかもその後方での風洞2a及び2bを流れる空気の合流は、混合されて流れようとするが、下段の風洞2aの空気密度が低い状態となり、それにつられて、その密度不足を補うために、下段の風洞2a内の空気がより、後方に引っ張られやすくなる。これらの要因が、風洞回転羽根100の回転力をより増すことになる。
そればかりではなく、本実施例では、上段の風洞2b出側下流部分の絞り20bに対し、下段の風洞2a出側下流部分を対抗させて絞る20c構成としている。風洞出側の上下から絞り20b及び20cをかける構成としたことで、そこを突き抜ける風の流速は、絞られた分だけ速くなり、風洞後方での空気の流れを合流させて風洞2aの流れを引っ張り出させるだけでなく、合流部分の風の流れがより速くなるため、下段の空気が、更に後方に引っ張られやすくなるので、650回転/分を超える回転数を得られる結果となった。
上記実施例1及び実施例2の構成により、風洞回転羽根100単体で、550回転/分から650回転/分以上の回転数を達せられるようになった。上記構成で風洞2a及び2bの入り側で風の速度が70km/hと測定された時に、その出側での風の速度は63km/hと、なんと約90%の速度がこれらの風洞の風下側に抜けていく。そこで、本実施例では、図5に示すように、その後方に同様な構成を複数体(Xa〜Xd)設けて、複数の、上記風洞回転羽根構成により発電させ、用いることにした。すなわち、以上の風洞回転羽根において、これら一体の構成(X)を、最初の風洞回転羽根の風洞風下後方に、複数体連続的に設けて(Xa〜Xd)、夫々に発電させる構成としている。そのため、後方ほど、発電量は少なくなるものの、その数に応じて、発電量は増やすことができることになる。
尚、本発明の風洞回転羽根は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の風洞回転羽根は、発電用設備など、たとえば、電気自動車やプラグインハイブリッド車、その他自動車以外の電車や船舶などにも、風を利用して発電できるものであれば、他への利用も可能であることは言うまでもない。
1 通風孔乃至通風スリット
2a 下段側風洞
2b 上段側風洞
3a、3b、30a、30b 風押込回動体
10 ブレード
10a ブレード受風面
10b 軸寄り部分
20 仕切り板
20b、20c 絞り
100 風洞回転羽根

Claims (5)

  1. 風洞に設置された時に、該風洞に1乃至複数枚突き出るブレードによって、上記風洞を吹き抜ける風を受けて回転する共に、上記風洞を吹き抜ける風を上記ブレードに受けてその力によって回わる回転羽根の回転力を用いて発電器に発電させる風洞回転羽根であって、上記回転羽根は、その軸より離れた位置で、上記風を受けるブレード部分が風を受け止め易い形状に成形された受風面として形成されており、該受風面より軸寄り部分が、風洞を吹き抜ける風に対して直交する位置に回転移動して来た時に、その軸寄り部分から風が吹き抜け、吹き抜けたその風が、上記風洞の、より風下側にある別のブレードの受風面に受けられる位置に来るように、手前のブレードの軸寄り部分の位置に、通風孔乃至通風スリットが穿設された風洞回転羽根において、
    上記風洞を、風の抜ける方向に対して、上記回転羽根設置位置部分の風洞とその上段の風洞の少なくとも二段に分け、上段側の風洞については、風が吹き抜けるだけで、他に抵抗を受けない構成とすると共に、
    各段の入り側開口近傍部側両側に、同じく風を受け止め易い形状に成形された受風面を少なくとも片面側に有する複数枚の縦ブレードで構成され、風洞開口部側から見た場合、両側の各受風面が風洞中央部側で風を受けて回転し、その回転で風を風洞側へ押し込むことができるように、風押込回動体が夫々設けられ、且つ各上下段に分かれた風洞の同じ位置に配した風押込回動体の軸を繋げて同軸にしたことを特徴とする風洞回転羽根。
  2. 請求項1記載の風洞回転羽根において、上記風押込回動体につき、上段の風洞両側に備えられる風押込回動体の径を最下段の風洞両側に備えられる風押込回動体の径より大きくしたことを特徴とする請求項1記載の風洞回転羽根。
  3. 請求項1乃至2記載の風洞回転羽根において、風洞の段が上下二段の場合に、風洞回転羽根の一つが最上方に来た時に、上下段風洞を仕切る板より、わずかにその上端が突出するように、風洞回転羽根の設置位置乃至上記仕切り板の後部の設定が行われていることを特徴とする請求項1乃至2記載の風洞回転羽根。
  4. 請求項1乃至3記載の風洞回転羽根において、上段の風洞出側下流部分を、上記回転羽根の設置された最下段の風洞出側下流部分にある該回転羽根の後方で滑らかに傾斜させながら絞り、風洞の空気の流れを合流させることを特徴とする請求項1乃至3記載の風洞回転羽根。
  5. 請求項1乃至4記載の風洞回転羽根において、これら一体の構成を、最初の風洞回転羽根の風洞風下後方に、複数体連続的に設けたことを特徴とする請求項1乃至4載の風洞回転羽根。
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