JP6381112B2 - 撮像装置、撮像方法、プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画素ずらしを行って高解像度の合成画像データを生成する撮像装置、撮像方法、プログラムに関する。
画素ピッチの非整数倍の移動量で画素ずらしを行って取得した複数の画像データを合成し、高解像度の合成画像データを生成する技術は、従来より提案されている。
こうした技術においては、複数の画像間の画素ずらしを高い精度で実行する必要があり、手ブレや被写体ブレの影響があると、高解像度の合成画像データを生成することができない。
そこで例えば、特開平7−177424号公報には、画素ずらし撮影において振動を検知し、合成に適した画像が撮影されるまで再露光を繰り返して行う技術が記載されている。
また、特開2006−115074号公報には、露光後の画像転送に要する時間を削減することにより、撮影の時間間隔を短縮する技術が記載されている。そしてこれにより、三脚などの固定手段を用いることなく、画素ずらしによる擬似高解像度化が可能になるとされている。
ところで、画素ずらしは高いレスポンスでの高精度な動きが必要であるために、例えば特開平8−251604号公報に記載されているように、ボイスコイルモータ(VCM)が利用されることがある。
このボイスコイルモータ(VCM)は、対象物(例えば、撮像素子、あるいはレンズ等)を磁力で宙に浮かせて、磁力を制御することにより位置を移動するものとなっている。従って、画素ずらし位置を一定に保とうとしても微小振動が発生する。このとき、何らかの要因により、図22に示すように、ある画素ずらし位置(例えばセンサ位置)からのズレ量が許容範囲を超えてしまうことがある。
ここに図22は、第2フレーム画像F2を露光している最中に、許容範囲を超える位置ズレが発生した様子を示す図である。なお、この図22および後述する図23には、垂直方向のセンサ位置を半画素ピッチHPPずつ画素ずらししながら、露光時間Teで複数のフレーム画像F1,F2,…を撮影する様子を示している。
図示のようにセンサ位置に許容範囲を超える位置ズレが発生すると、位置ズレが発生した画像部分を含む第2フレーム画像F2を、位置ズレが発生していないその他のフレーム画像F1,F3,F4,…と合成して得られる合成画像SPには、アーチファクト領域AFTが生じてしまう。このようなアーチファクト領域AFTでは、解像度の向上も期待することができない。
このために、従来は、例えば図23に示すような処理を行っている。ここに図23は、従来において、許容範囲を超える位置ズレが発生したフレーム画像を再撮影する様子を示す図である。
この図23に示す例では、第2フレーム画像F2の撮影時に許容範囲を超える位置ズレが発生したために、第2フレーム画像F2の撮影が終了した後に、再度、第2フレーム画像の撮影を行ってF2−2を取得している。しかし、再度の第2フレーム画像F2−2の撮影中にも許容範囲を超える位置ズレが発生したために、再々度、第2フレーム画像の撮影を行ってF2−3を取得している。この第2フレーム画像F2−3の撮影中には許容範囲を超える位置ズレは発生しなかったために、その後は続く第3フレーム画像F3、第4フレーム画像F4、等の撮影を行っている。
特開平7−177424号公報 特開2006−115074号公報 特開平8−251604号公報
図23に示したように、合成画像を作成するための複数のフレーム画像を取得する際に、従来は、許容範囲を超えたフレームについて再撮影を行っていたために、撮影時間がフレーム単位で増加し、高解像度の合成画像を取得するまでに長い時間を要していた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、解像感を損なうことのない合成画像を取得するまでの時間を短縮することができる撮像装置、撮像方法、プログラムを提供することを目的としている。
本発明のある態様による撮像装置は、所定の画素ピッチで2次元状に配列された複数の画素を有し、撮影された画像データを所定の読出順序で読み出し、かつ所望の画素領域の画像データのみを読み出し可能な撮像素子と、上記撮像素子と、該撮像素子により受光される光束と、の上記2次元状配列方向の相対位置が、上記画素ピッチの非整数倍の移動量の相対位置を含む、移動量が異なる複数の相対位置となるように画素ずらしを行う画素ずらし部と、上記画素ずらし部に画素ずらしを行わせ、上記複数の相対位置のそれぞれにおいて上記撮像素子に撮影動作を行わせて複数の画像データを取得させる撮像制御部と、上記撮像素子により取得された複数の画像データを合成することにより、該撮像素子から得られる画像データよりも高解像度の合成画像データを生成する画像合成部と、上記撮像素子の画素領域としての特定領域を設定する領域特定部と、上記撮影動作中の上記相対位置を時系列に検出する位置検出部と、を有し、上記領域特定部は、上記位置検出部により検出された上記相対位置が所定の許容範囲内にない場合に、該所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域を含む領域を上記特定領域に設定し、上記撮像制御部は、上記特定領域に対する再撮影動作を上記撮像素子に行わせて該特定領域の画像データを取得させ、上記画像合成部は、上記所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域の画像データに代えて、上記再撮影動作により取得された上記特定領域の画像データを用いて合成画像データを生成する
本発明のある態様による撮像方法は、所定の画素ピッチで2次元状に配列された複数の画素を有し、撮影された画像データを所定の読出順序で読み出し、かつ所望の画素領域の画像データのみを読み出し可能な撮像素子と、該撮像素子により受光される光束と、の上記2次元状配列方向の相対位置が、上記画素ピッチの非整数倍の移動量の相対位置を含む、移動量が異なる複数の相対位置となるように画素ずらしを行う画素ずらしステップと、上記複数の相対位置のそれぞれにおいて上記撮像素子に撮影動作を行わせて複数の画像データを取得させる撮像制御ステップと、上記撮像素子により取得された複数の画像データを合成することにより、該撮像素子から得られる画像データよりも高解像度の合成画像データを生成する画像合成ステップと、上記撮像素子の画素領域としての特定領域を設定する領域特定ステップと、上記撮影動作中の上記相対位置を時系列に検出する位置検出ステップと、を有し、上記領域特定ステップは、上記位置検出ステップにより検出された上記相対位置が所定の許容範囲内にない場合に、該所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域を含む領域を上記特定領域に設定するステップであり、上記撮像制御ステップは、上記特定領域に対する再撮影動作を上記撮像素子に行わせて該特定領域の画像データを取得させるステップであり、上記画像合成ステップは、上記所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域の画像データに代えて、上記再撮影動作により取得された上記特定領域の画像データを用いて合成画像データを生成するステップである。
本発明のある態様によるプログラムは、撮像装置のコンピュータに、以下の各ステップを実行させるためのプログラム、所定の画素ピッチで2次元状に配列された複数の画素を有し、撮影された画像データを所定の読出順序で読み出し、かつ所望の画素領域の画像データのみを読み出し可能な撮像素子と、該撮像素子により受光される光束と、の上記2次元状配列方向の相対位置が、上記画素ピッチの非整数倍の移動量の相対位置を含む、移動量が異なる複数の相対位置となるように画素ずらしを行う画素ずらしステップと、上記複数の相対位置のそれぞれにおいて上記撮像素子に撮影動作を行わせて複数の画像データを取得させる撮像制御ステップと、上記撮像素子により取得された複数の画像データを合成することにより、該撮像素子から得られる画像データよりも高解像度の合成画像データを生成する画像合成ステップと、上記撮像素子の画素領域としての特定領域を設定する領域特定ステップと、上記撮影動作中の上記相対位置を時系列に検出する位置検出ステップと、ここに、上記領域特定ステップは、上記位置検出ステップにより検出された上記相対位置が所定の許容範囲内にない場合に、該所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域を含む領域を上記特定領域に設定するステップであり、上記撮像制御ステップは、上記特定領域に対する再撮影動作を上記撮像素子に行わせて該特定領域の画像データを取得させるステップであり、上記画像合成ステップは、上記所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域の画像データに代えて、上記再撮影動作により取得された上記特定領域の画像データを用いて合成画像データを生成するステップである。
本発明の撮像装置、撮像方法、プログラムによれば、解像感を損なうことのない合成画像を取得するまでの時間を短縮することが可能となる。
本発明の実施形態1におけるデジタルカメラの構成を示すブロック図。 上記実施形態1のデジタルカメラにおけるメイン処理の流れを示すフローチャート。 上記実施形態1のデジタルカメラにおける撮影処理の流れを示すフローチャート。 上記実施形態1のボイスコイルモータ(VCM)による撮像素子のセンタリング位置の例を示す図。 上記実施形態1において、あるフレーム画像を撮影している最中に、許容範囲を超えるセンタリング位置の位置ズレが発生した例を示すタイミングチャート。 上記実施形態1において、位置ズレの影響を含むフレーム画像と再撮影された部分フレーム画像とを合成する処理を説明するための図。 上記実施形態1の合成処理部の構成を示すブロック図。 上記実施形態1において、撮影で得られた8枚のベイヤ画像におけるR,Gr,Gb,Bの基本的な画素配置を示す図。 上記実施形態1において、8枚分の図8に示す画素配置から画素配置部により得られたR画素配置を示す図。 上記実施形態1において、8枚分の図8に示す画素配置から画素配置部により得られたGr画素配置を示す図。 上記実施形態1において、8枚分の図8に示す画素配置から画素配置部により得られたGb画素配置を示す図。 上記実施形態1において、8枚分の図8に示す画素配置から画素配置部により得られたB画素配置を示す図。 上記実施形態1の合成処理部により合成された高解像度のベイヤ画像の画素配置を示す図。 上記実施形態1において、許容範囲を超える位置ズレが発生したフレームの直後に、再撮影領域の再撮影を行う例を示すタイミングチャート。 本発明の実施形態2のデジタルカメラにおける撮影処理の流れを示すフローチャート。 上記実施形態2において、許容範囲を超える位置ズレが発生したことが判明した時点で、位置ズレの影響を受けるライン以降のラインを再撮影する例を示すタイミングチャート。 本発明の上記実施形態3において、画面内に動体領域が含まれているときのデジタルカメラにおけるメイン処理の流れを示すフローチャート。 上記実施形態3において、動体が含まれる範囲をデジタルカメラにより撮影する様子を示す図。 上記実施形態3において、画面内に高周波領域が含まれているときのデジタルカメラにおけるメイン処理の流れを示すフローチャート。 上記実施形態3において、高周波領域が含まれる範囲をデジタルカメラにより撮影する様子を示す図。 上記実施形態3のデジタルカメラにおける撮影処理の流れを示すフローチャート。 従来において、第2フレーム画像を露光している最中に、許容範囲を超える位置ズレが発生した様子を示す図。 従来において、許容範囲を超える位置ズレが発生したフレーム画像を再撮影する様子を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1から図14は本発明の実施形態1を示したものであり、図1はデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
このデジタルカメラは、交換式レンズ1とカメラ本体2とをインタフェース(I/F)3を介して通信可能に接続して構成されている。
交換式レンズ1は、例えばレンズマウントを介してカメラ本体2に対して着脱自在に装着されるようになっており、レンズマウントに形成した電気接点(交換式レンズ1側に設けられた電気接点およびカメラ本体2側に設けられた電気接点)等によりインタフェース3が構成されている。こうして、交換式レンズ1は、インタフェース3を介してカメラ本体2と通信可能となっている。
交換式レンズ1は、レンズ11と、絞り12と、ドライバ13と、フラッシュメモリ14と、マイクロコンピュータ15と、を備えている。
レンズ11は、被写体の光学像をカメラ本体2の後述する撮像素子22上に結像するための撮影光学系である。
絞り12は、レンズ11を通過する光束の通過範囲を制御する光学絞りである。
ドライバ13は、マイクロコンピュータ15からの指令に基づき、レンズ11を駆動してフォーカス位置の調整を行い、レンズ11が電動ズームレンズ等である場合にはさらに焦点距離の変更も行う。加えて、ドライバ13は、マイクロコンピュータ15からの指令に基づき、絞り12を駆動して開口径を変化させる。この絞り12の駆動により、被写体の光学像の明るさが変化し、ボケの大きさなども変化する。なお、後述する画素ずらし超解像撮影モードにおいて画素ずらしを行いながら複数枚の画像データを取得する場合には、絞り12は、最初の画像を取得する前の時点から最後の画像を取得した後の時点まで駆動させず維持される。これは、絞り12を駆動するときの振動が、画素ずらし位置に影響を及ぼさないようにするためである。
フラッシュメモリ14は、マイクロコンピュータ15により実行される制御プログラムや、交換式レンズ1に関する各種の情報を記憶する記憶媒体である。
マイクロコンピュータ15は、いわゆるレンズ側コンピュータであり、ドライバ13、フラッシュメモリ14、およびインタフェース3と接続されている。そして、マイクロコンピュータ15は、インタフェース3を介して後述する本体側コンピュータであるマイクロコンピュータ45と通信し、マイクロコンピュータ45からの指令を受けて、フラッシュメモリ14に記憶されている情報の読出/書込を行い、ドライバ13を制御する。さらに、マイクロコンピュータ15は、この交換式レンズ1に関する各種の情報をマイクロコンピュータ45へ送信する。
インタフェース3は、交換式レンズ1のマイクロコンピュータ15と、カメラ本体2のマイクロコンピュータ45とを、双方向に通信可能に接続する。
次に、カメラ本体2は、メカニカルシャッタ(メカシャッタ)21と、撮像素子22と、ボイスコイルモータ(VCM)23と、アナログ処理部24と、アナログ/デジタル変換部(A/D変換部)25と、バス26と、SDRAM27と、AF処理部28と、AE処理部29と、合成処理部31と、画像処理部32と、JPEG処理部36と、モニタドライバ37と、モニタ38と、ホール素子39と、メモリインタフェース(メモリI/F)41と、記録媒体42と、操作部43と、フラッシュメモリ44と、マイクロコンピュータ45と、を備えている。
メカシャッタ21は、レンズ11からの光束が撮像素子22へ到達する時間を制御するものであり、例えばシャッタ幕を走行させる構成のメカシャッタとなっている。このメカシャッタ21は、マイクロコンピュータ45の指令により駆動されて、光束の撮像素子22への到達時間、つまり撮像素子22による被写体の露光時間を制御する。なお、後述する画素ずらし超解像撮影モードにおいて画素ずらしを行いながら複数枚の画像データを取得する場合には、メカシャッタ21は、最初の画像を取得する前の時点から最後の画像を取得した後の時点まで開いた状態に維持される。これは、メカシャッタ21を開閉するときの振動が、画素ずらし位置に影響を及ぼさないようにするためである。
撮像素子22は、所定の画素ピッチ(図4に示す画素ピッチPを参照)で2次元状に配列された複数の画素を有し、撮像制御部であるマイクロコンピュータ45の制御に基づき、レンズ11および絞り12を介して結像された被写体の光学像を光電変換してアナログ画像信号を生成するものである。この撮像素子22は、撮影された画像データを所定の読出順序(例えば、ローリング読出(あるいはラスタスキャン)の順序)で読み出すものとなっており、さらに、所望の画素領域(例えば、所望のライン群)の画像データのみを読み出し可能となっている。
本実施形態の撮像素子22は、輝度相当色(例えば緑色)を含む複数色の色フィルタを1画素に1色が対応するように配置して構成され、具体的に、垂直方向および水平方向に配列された複数の画素の前面に原色ベイヤー配列のカラーフィルタを配置した単板式の撮像素子として構成されている。なお、撮像素子22は、単板式の撮像素子に限らないことは勿論であり、例えば基板厚み方向に色成分を分離するような積層式の撮像素子であっても良い。
ボイスコイルモータ(VCM)23は、撮像素子22と、この撮像素子22により受光される光束と、の上述した2次元状配列方向の相対位置が、画素ピッチの非整数倍の移動量の相対位置を含む、移動量が異なる複数の相対位置となるように画素ずらしを行う画素ずらし部である。具体的に、ボイスコイルモータ(VCM)23は、撮像素子22を磁力で宙に浮かせて、磁力を制御することにより位置を移動するものとなっている。
そして、図1に示す構成例においては、このボイスコイルモータ(VCM)23は、レンズ11の光軸に垂直な面内で撮像素子22を移動させているが、レンズ11を移動させるようにしても良いし、撮像素子22とレンズ11との両方を移動させても構わない。本実施形態において、このボイスコイルモータ(VCM)23は、撮像素子22から得られる画像データよりも高解像度の合成画像を得るべく複数枚の画像を撮影する際に、画素ピッチの非整数倍の移動量、例えば半画素ピッチ単位の移動量で撮像素子22を移動させるのに用いられる。
なお、ここでは画素ずらし部としてボイスコイルモータ(VCM)23を例に挙げているが、これに限るものではなく、画素ずらしを行うときに所望の相対位置からの位置ズレが発生するような機構の画素ずらし部に対して、本発明を広く適用することが可能である。
アナログ処理部24は、撮像素子22から読み出されたアナログ画像信号に対して、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに目的の明るさとなるようにゲインアップを行う。
A/D変換部25は、アナログ処理部24から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号(以後、画像データという)に変換する。
バス26は、デジタルカメラ内のある場所で発生した各種のデータや制御信号を、デジタルカメラ内の他の場所へ転送するための転送路である。本実施形態におけるバス26は、ボイスコイルモータ(VCM)23と、A/D変換部25と、SDRAM27と、AF処理部28と、AE処理部29と、合成処理部31と、画像処理部32と、JPEG処理部36と、モニタドライバ37と、ホール素子39と、メモリI/F41と、マイクロコンピュータ45と、に接続されている。
A/D変換部25から出力された画像データ(以下では適宜、RAW画像データという)は、バス26を介して転送され、SDRAM27に一旦記憶される。
SDRAM27は、上述したRAW画像データ、あるいは合成処理部31、画像処理部32、JPEG処理部36等において処理された画像データ等の各種データを一時的に記憶する記憶部である。
AF処理部28は、RAW画像データから高周波成分の信号を抽出して、AF(オートフォーカス)積算処理により、合焦評価値を取得する。ここで取得された合焦評価値は、レンズ11のAF駆動に用いられる。なお、AFがこのようなコントラストAFに限定されないことは勿論であり、例えば専用のAFセンサ(あるいは撮像素子22上のAF用画素)を用いて位相差AFを行うようにしても構わない。
AE処理部29は、RAW画像データに基づき、被写体輝度を算出する。ここで算出された被写体輝度は、自動露出(AE)制御、すなわち、絞り12の制御やメカシャッタ21の制御、撮像素子22の露光タイミング制御(あるいは、いわゆる素子シャッタの制御)等に用いられる。なお、被写体輝度を算出するためのデータとして、ここではRAW画像データを利用したが、これに代えて、デジタルカメラに専用の測光センサを設けて得られたデータを利用するようにしても構わない。
合成処理部31は、取得された複数の画像データ(ボイスコイルモータ(VCM)23により撮像素子22を移動させて撮影された複数の画像データ)を合成することにより、該撮像素子から得られる画像データよりも高解像度の合成画像データ(適宜、超解像画像という)を生成する画像合成部である。
画像処理部32は、RAW画像データあるいは合成処理部31により生成された合成画像データに対して種々の画像処理を行うものであり、同時化処理部33、エッジ強調処理部34、ノイズ低減処理部35を含んでいる。
同時化処理部33は、1画素につきRGB成分の内の1色成分のみが存在するベイヤー配列の画像データから、着目画素に存在しない色成分を周辺画素から補間して求めることにより、全画素がRGBの3色成分を全て備える画像データに変換する同時化処理を行う。
エッジ強調処理部34は、画像データにエッジ強調処理を行うものである。
ノイズ低減処理部35は、画像データに空間周波数に応じたコアリング処理などを行うことによりノイズ低減処理を行う。
こうして画像処理部32によって各種の処理が行われた後の画像データは、SDRAM27に再び記憶される。
JPEG処理部36は、画像データを記録する際には、SDRAM27から画像データを読み出して、読み出した画像データをJPEG圧縮方式に従って圧縮し、圧縮した画像データをSDRAM27に一旦記憶させる。こうしてSDRAM27に記憶された圧縮した画像データは、マイクロコンピュータ45により、ファイルを構成するために必要なヘッダが付加されて記録用のデータとして整えられる。そして、マイクロコンピュータ45の制御に基づき、整えられた記録用のデータが、メモリI/F41を介して記録媒体42に記録される。
また、JPEG処理部36は、読み出された画像データの伸張も行う。すなわち、記録済み画像の再生を行う場合には、マイクロコンピュータ45の制御に基づき、例えばJPEGファイルがメモリI/F41を介して記録媒体42から読み出され、SDRAM27に一旦記憶される。JPEG処理部36は、SDRAM27に記憶されたJPEG画像データを読み出して、読み出したJPEG画像データをJPEG伸張方式に従って伸張し、伸張した画像データをSDRAM27に記憶させる。
モニタドライバ37は、SDRAM27に記憶されている画像データを読み出して、読み出した画像データを映像信号へ変換し、モニタ38を駆動制御して映像信号に基づく画像をモニタ38に表示させる。このモニタドライバ37により行われる画像表示には、撮影直後の画像データを短時間だけ表示するレックビュー表示、記録媒体42に記録されたJPEGファイルの再生表示、およびライブビュー表示などが含まれる。
モニタ38は、上述したようなモニタドライバ37の駆動制御により、画像を表示すると共に、このデジタルカメラに係る各種の情報を表示する。
ホール素子39は、ボイスコイルモータ(VCM)23により移動される撮像素子22の撮影動作中の上述した相対位置を時系列に検出する位置検出部である。ここでは位置検出部としてホール素子39を用いているが、ホール素子39に限定されるものでないことは勿論である。
また、本実施形態では撮像素子22をボイスコイルモータ(VCM)23により移動しているために、撮像素子22の位置をホール素子39により検出しているが、レンズ11をボイスコイルモータ(VCM)23により移動する構成を採用する場合には、レンズ11の位置をホール素子39により検出することになる。同様に、撮像素子22とレンズ11との両方をボイスコイルモータ(VCM)23により移動する場合には、撮像素子22の位置を検出するホール素子39と、レンズ11の位置を検出するホール素子39と、の両方を設けることになる。
メモリI/F41は、上述したように、画像データの記録媒体42への書き込み、および記録媒体42からの画像データの読み出しを行う。
記録媒体42は、画像データを不揮発に記憶するものであり、例えばカメラ本体2に着脱可能なメモリカード等により構成されている。ただし、記録媒体42は、メモリカードに限定されるものではなく、ディスク状の記録媒体でも構わないし、その他の任意の記録媒体であっても良い。こうして記録媒体42は、デジタルカメラに固有の構成である必要はない。
操作部43は、このデジタルカメラに対する各種の操作入力を行うためのものであり、デジタルカメラの電源をオン/オフするめの電源ボタン、画像の撮影開始を指示するための例えば1st(ファースト)レリーズスイッチおよび2nd(セカンド)レリーズスイッチを有して構成されている2段式操作ボタンでなるレリーズボタン、記録画像の再生を行うための再生ボタン、デジタルカメラの設定等を行うためのメニューボタン、項目の選択操作に用いられる十字キーや選択項目の確定操作に用いられるOKボタン等の操作ボタンなどを含んでいる。ここに、メニューボタンや十字キー、OKボタン等を用いて設定可能な項目には、撮影モード(通常撮影モード、画素ずらし超解像撮影モード等)、記録モード(JPEG記録モード、RAW+JPEG記録モード等)などが含まれている。この操作部43に対して操作が行われると、操作内容に応じた信号がマイクロコンピュータ45へ出力される。
フラッシュメモリ44は、マイクロコンピュータ45により実行される処理プログラムや、このデジタルカメラに係る各種の情報を不揮発に記憶する記憶媒体である。ここに、フラッシュメモリ44が記憶する情報としては、例えば、エッジ強調処理に用いるパラメータやノイズ低減処理に用いるパラメータ等のデジタルカメラの動作に必要な各種パラメータ、画素ずらし超解像撮影モードにおける画素ずらしの大きさ、方向、順序等の情報、およびデジタルカメラを特定するための製造番号などが幾つかの例として挙げられる。このフラッシュメモリ44が記憶する情報は、マイクロコンピュータ45により読み取られる。
マイクロコンピュータ45は、カメラ本体2内の各部を制御すると共に、インタフェース3を介してマイクロコンピュータ15に指令を送信し交換式レンズ1を制御するものであり、このデジタルカメラを統括的に制御する制御部である。マイクロコンピュータ45は、ユーザにより操作部43から操作入力が行われると、フラッシュメモリ44に記憶されている処理プログラムに従って、フラッシュメモリ44から処理に必要なパラメータを読み込んで、操作内容に応じた各種シーケンスを実行する。
そして、マイクロコンピュータ45は、上述したボイスコイルモータ(VCM)23に画素ずらしを行わせ、画素ずらしを行った複数の相対位置のそれぞれにおいて撮像素子22に撮影動作を行わせ複数の画像データを取得させる撮像制御部としても機能するようになっている。このときマイクロコンピュータ45は、特定領域の画像データと、特定領域以外の画像データと、を異なるタイミングで撮像素子22に取得させるように制御する。具体的に、マイクロコンピュータ45は、ホール素子39により検出された位置に許容範囲を超えたずれがある場合には、所定の許容範囲内にないタイミングが発生したフレームの次のフレームの画像データを取得させる前に、撮像素子22に再度の撮影動作を行わせる制御を行い、特定領域の画像データを取得させる。
さらに、マイクロコンピュータ45は、撮像素子22の画素領域(1つ以上の画素でなる領域)としての特定領域を設定する領域特定部としても機能する。マイクロコンピュータ45は、位置検出部であるホール素子39により検出された相対位置が所定の許容範囲内にない場合に、該所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域を含む領域を特定領域に設定する。すると、マイクロコンピュータ45は撮像制御部として機能して、上述したように、特定領域に対する再撮影動作を撮像素子22に行わせて特定領域の画像データを取得させる。
次に、図2はデジタルカメラにおけるメイン処理の流れを示すフローチャートである。この図2に示す処理は、マイクロコンピュータ45の制御に基づき行われる。
操作部43の電源ボタンがオン操作されてデジタルカメラの電源がオンになると、このメイン処理が開始され、まずデジタルカメラの初期化を行う(ステップS1)。
次に、マイクロコンピュータ45は、操作部43の再生ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS2)。
ここで再生ボタンが操作された場合には、再生・編集処理を行う(ステップS3)。この再生・編集処理は、記録媒体42に記録されているファイルの一覧を表示して、ユーザーからの選択操作を待ち、選択決定されたファイルを再生したり、選択されている画像を編集したりする処理である。
ステップS2において再生ボタンが操作されていないか、あるいはステップS3の処理が行われた場合には、操作部43のメニューボタンが操作されて、デジタルカメラに関するカメラ設定が選択されたか否かを判定する(ステップS4)。
ここでカメラ設定が選択された場合には、カメラ設定を変更するメニューをモニタ38に表示して、カメラ設定を変更するユーザ操作が操作部43からなされるのを待機する。ここに、カメラ設定の幾つかの例としては、上述したような
撮影モード:通常撮影モード、画素ずらし超解像撮影モード
記録モード:JPEG記録モード、RAW+JPEG記録モード
などが挙げられるが、これらに限るものではない。
そして、ユーザ操作がなされた場合には、操作内容に応じてカメラ設定を行う(ステップS5)。
ステップS4においてカメラ設定が選択されていないか、あるいはステップS5の処理が行われた場合には、レリーズボタンがオフから1段階目の押圧状態(いわゆる半押状態)である1stレリーズオンの状態へ遷移したか否かを判定する(ステップS6)。
ここで1stレリーズオンの状態へ遷移した場合には、この遷移したタイミングにおいて、画像を撮影するための自動露出(AE)制御をAE処理部29により行うと共に、自動焦点制御(AF)をAF処理部28により行う(ステップS7)。これにより、1stレリーズボタンが押圧された以降は、いわゆるAEロックおよびAFロックが行われる。
そして、電源ボタンがオフ操作されたか否かを判定し(ステップS8)、オフ操作されていない場合には、ステップS2へ戻って上述したような処理を繰り返して行う。
また、上述したステップS6において1stレリーズオンの状態へ遷移していない場合には、レリーズボタンが2段階目の押圧状態である2ndレリーズオンの状態(いわゆる全押状態)となっているか否かを判定する(ステップS9)。
ここで、2ndレリーズオンの状態となっていない場合には、メカシャッタ21を開放状態にして、ライブビュー用の自動露出(AE)制御をAE処理部29により行い、電子シャッタによる1フレーム(あるいは1フィールド等)の画像撮影を行う(ステップS10)。
こうして撮影された画像に対して、記録画像に対して行う画像処理の幾つかを例えば省略した基本画像処理を行い(ステップS11)、基本画像処理されたフレーム画像をモニタ38にライブビューの1フレームとして表示する(ステップS12)。
その後、上述したステップS8の処理へ移行して電源ボタンがオフ操作されたか否かを判定し、オフ操作されていない場合には、ステップS2へ戻って上述したような処理を繰り返して行う。
一方、上述したステップS9において、2ndレリーズオンの状態となっている場合には、後で図3を参照して説明する撮影処理を実行する(ステップS13)。
続いて、RAW記録モードが設定されているか否かを判定して(ステップS14)、設定されている場合にはRAW画像を記録媒体42に記録する(ステップS15)。
ステップS14においてRAW記録モードが設定されていないか、あるいはステップS15の処理が行われた場合には、撮影により得られた画像に対して画像処理部32により画像処理を行う(ステップS16)。
その後、画像処理された画像をJPEG圧縮してヘッダを付加し、JPEGファイルとして記録媒体42に記録する(ステップS17)。
このステップS17の処理が行われたら、上述したステップS8の処理へ移行して電源ボタンがオフ操作されたか否かを判定する。
こうして、ステップS8において、電源ボタンがオフ操作された場合には、このメイン処理を終了する。
図3は、デジタルカメラにおける撮影処理の流れを示すフローチャートである。
この処理を開始すると、撮影モードが画素ずらし超解像撮影モードに設定されているか否かを判定する(ステップS21)。
ここで、画素ずらし超解像撮影モードに設定されていない場合には、絞り12を駆動しメカシャッタ21を開いて撮像素子22により露光を行い、画像を1枚撮影する通常の撮影処理を行う(ステップS22)。
また、画素ずらし超解像撮影モードに設定されている場合には、レンズ11の光軸に垂直な面内における撮像素子22のセンタリング位置を設定して(ステップS23)、ボイスコイルモータ(VCM)23により撮像素子22を設定したセンタリング位置へ移動する(ステップS24)。
ここに、図4はボイスコイルモータ(VCM)23による撮像素子22のセンタリング位置の例を示す図である。
本実施形態においては、あるセンタリング位置に対して画素ピッチの非整数倍で位置が異なるセンタリング位置を含む、例えば8つの異なるセンタリング位置に撮像素子22を移動して、各センタリング位置において画像を撮影し、撮影して得られた8枚の画像を合成することにより1枚の超解像画像を取得するようになっている。
そして、画素ピッチをPとすると、図4に示す例では、センタリング位置A1に対して、センタリング位置A2は右方向に1Pだけずれた位置、センタリング位置A3は右方向に(1/2)Pかつ下方向に(1/2)Pだけずれた位置、センタリング位置A4は左方向に(1/2)Pかつ下方向に(1/2)Pだけずれた位置、センタリング位置A5は下方向に1Pだけずれた位置、センタリング位置A6は右方向に1Pかつ下方向に1Pだけずれた位置、センタリング位置A7は右方向に(1/2)Pかつ下方向に(3/2)Pだけずれた位置、センタリング位置A8は左方向に(1/2)Pかつ下方向に(3/2)Pだけずれた位置となっている。
従って、センタリング位置A1に対して、センタリング位置A3,A4,A7,A8は画素ピッチの1/2倍または3/2倍(つまり非整数倍)の移動量の相対位置であるが、センタリング位置A2,A5,A6は画素ピッチの1倍(つまり整数倍)の移動量の相対位置となる。このように、センタリング位置は、画素ピッチの非整数倍の移動量の相対位置を少なくとも1つ含む必要があるが、この条件を満たせば、画素ピッチの整数倍の移動量の相対位置をさらに含んでいても構わない。
原色ベイヤー配列の撮像素子22に対してボイスコイルモータ(VCM)23がこの図4に示すような画素ずらしを行うと、複数の相対位置の内の少なくとも2つの相対位置において、輝度相当色(ここでは緑色)の色フィルタに対応する画素であって、異なる画素の位置が重複するように、複数の相対位置が設定される(図10および図11参照)。
ただし、図4に示したセンタリング位置は一例であり、その他の配置や、8以外のセンタリング位置数を採用しても勿論構わない。
そして、移動したセンタリング位置において、絞り12を駆動しメカシャッタ21を開いて撮像素子22により露光を行い、画像を1枚撮影すると共に、ホール素子39により露光中における撮像素子22の位置を検出する(ステップS25)。
続いて、ステップS25における撮影中に、許容範囲を超えるセンタリング位置の位置ズレ(図5等参照)が発生したか否かを判定する(ステップS26)。
ここに、マイクロコンピュータ45は、フレームの露光時間が所定値以上である場合には、位置検出部であるホール素子39の検出結果に関わらず、許容範囲を超えるセンタリング位置の位置ズレは発生しないと判定するようになっている。
ボイスコイルモータ(VCM)23を用いる場合には、下記に説明するように、センタリング位置を一定に保とうとしても微小振動してしまうことになるが、露光時間が所定値以上である場合には、振動が積分されて像としては若干ぼける程度で済み、つまり許容範囲を超えるセンタリング位置の位置ズレが発生しても影響が小さい。このために、ここでは位置ズレが発生しないと判定している。従って、この場合には、特定領域は設定されず、撮像素子22による再撮影動作も行われない。
そして、マイクロコンピュータ45は、フレームの露光時間が所定値未満である場合にのみ、ホール素子39から取得したセンタリング位置の位置ズレを許容範囲(例えば−0.5画素ピッチよりも大きく+0.5画素ピッチよりも小さい範囲を許容範囲とする等)と比較する。この比較の結果、位置ズレが許容範囲を超えた場合には位置ズレが発生したと判定し、位置ズレが許容範囲内である場合には位置ズレが発生していないと判定するようになっている。
画素ずらし部としてボイスコイルモータ(VCM)23を用いた場合には、上述したように撮像素子22が磁力で宙に浮いた状態となるために、センタリング位置を一定に保とうとしても、図5に示すようにある周波数で微小振動してしまう。従って、何らかの要因により、図4に示したようなセンタリング位置の何れか1つからのズレ量が、所定の許容範囲を超えてしまうこともある。
図5は、あるフレーム画像を撮影している最中に、許容範囲を超えるセンタリング位置の位置ズレが発生した例を示すタイミングチャートである。
この図5に示す例では、時刻tsにおいてフレーム画像の露光が開始され、露光時間Teの露光がライン毎に順次、ローリング読出(あるいはラスタスキャン)の順序で行われている。そして、最初のラインの露光が開始されたtsから、最後のラインの露光が終了するまでのフレーム期間Tf内において、時刻tp1〜tp2の間に許容範囲を超える位置ズレが発生している。
こうして、ステップS26において位置ズレが発生していると判定された場合には、位置ズレによって影響を受けるライン群を再撮影領域(特定領域)として設定する(ステップS27)。すなわち、領域特定部として機能するマイクロコンピュータ45は、図5に示す例では、所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域のみを特定領域に設定する。
図5に示す例では、撮像素子22に構成された1〜Lmaxまでの全ラインの内の、位置ズレ開始時刻tp1の影響を受け始めるラインLsが、次の数式1に示すように、
[数1]
Ls=Sf×{tp1−ts−(Te/2)}
であり、位置ズレ終了時刻tp2の影響を受け終わるラインLn(ここに、Ln≧Ls)が、次の数式2に示すように、
[数2]
Ln=Sf×{tp2−ts−(Te/2)}
である。
従って、ステップS27においては、Ls以上Ln以下の各ラインが再撮影領域(特定領域)に設定される。
そして、設定された再撮影領域の再撮影を行いながら、ホール素子39による露光中の撮像素子22の位置検出も行う(ステップS28)。
ここに、図14は許容範囲を超える位置ズレが発生したフレームの直後に、再撮影領域の再撮影を行う例を示すタイミングチャートである。
撮像制御部として機能するマイクロコンピュータ45は、所定の許容範囲内にないタイミングが発生したフレームの画像データの取得が終了した後であって、次のフレームの画像データを取得する前に、再撮影動作を撮像素子22に行わせるようになっている。
この図14に示す例では、第2フレーム画像F2を露光している最中に許容範囲を超える位置ズレが発生したために、第2フレーム画像F2の撮影が終了した直後(従って、第3フレーム画像F3の撮影を行う前)に、再撮影領域の再撮影を行って部分フレーム画像F2−2を取得している。
次に、合成処理部31が、ステップS25において取得された位置ズレの影響を含むフレーム画像(例えばF2)と、ステップS28において取得された再撮影領域の部分フレーム画像(例えばF2−2)と、を画像合成する(ステップS29)。このとき合成処理部31は、所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域の画像データに代えて、再撮影動作により取得された特定領域の画像データを用いて合成画像データを生成する。
ここに、図6は位置ズレの影響を含むフレーム画像と再撮影された部分フレーム画像とを合成する処理を説明するための図である。この図6においては、ライン方向をx方向、ライン方向に垂直な列方向をy方向として座標軸を設定している。なお、図6は、図5の上下を反転して示しているために、上側がライン1(ただし、座標軸には原点0を示している)、下側がラインLmaxとなっている。
ラインLs〜Lnに位置ズレの影響を受けているフレーム画像P1(x,y)と、ラインLs〜Lnに対して再撮影された部分フレーム画像P2(x,y)とは、例えば規格化された重み付け加算により、次の数式3に示すように1つの画像P(x,y)として合成される。
[数3]
P(x,y)=(a−1)×P1(x,y)+a×P2(x,y−Ls)
ここに、重み付け係数aは、y座標に応じて次の数式4に示すように設定される。
[数4]
y<Lsのとき : a=0
Ls≦y<Ls+αのとき : a=(y−Ls)/α
Ls+α≦y<Ln−αのとき: a=1
Ln−α≦y<Lnのとき : a=(Ln−y)/α
Ln<yのとき : a=0
ここに、αは、フレーム画像P1(x,y)と部分フレーム画像P2(x,y)とを合成する際の境界部分を滑らかに接続するための係数であり、滑らかな接続を行うライン数を示し、次の数式5に示す条件を満たしている。
[数5]
0≦α<(Ln−Ls)/2
こうして画像合成を行ったら、位置ズレが残存しているか否か、つまりステップS28において再撮影領域を再撮影している最中に、許容範囲を超えるセンタリング位置の位置ズレが発生したか否かを判定する(ステップS30)。
ここで、位置ズレが発生した場合には、上述したステップS27へ戻って、位置ズレが発生したラインを再撮影領域に設定し、設定した再撮影領域に対してステップS28およびステップS29に示したような処理を行う。
このステップS30において位置ズレが残存していないか、または上述したステップS26において位置ズレが発生していないと判定された場合には、図4に示したような8つのセンタリング位置A1〜A8での処理が全て終了したか否かを判定する(ステップS31)。
このステップS31において、まだ終了していない場合には、ステップS23へ戻って次のセンタリング位置の処理を行い、一方、全てのセンタリング位置の処理が終了した場合には、撮影により得られた8枚の画像を、合成処理部31により以下に説明するように合成処理し、1枚の超解像画像を生成する(ステップS32)。
ステップS32または上述したステップS22の処理が終了したら、この処理から図2に示す処理へリターンする。
次に、図7は、合成処理部31の構成を示すブロック図である。
合成処理部31は、画素配置部51と、画素補間部52と、加算部53と、半値化部54と、ベイヤ画像抽出部55と、を備えている。
画素配置部51は、画素ずらし超解像撮影モードで取得された8枚のベイヤ画像を、R成分、Gr成分(R成分と同一ラインにあるG成分)、Gb成分(B成分と同一ラインにあるG成分)、B成分にそれぞれ分離して、センタリング位置A1〜A8に応じて配置するものである。
ここに、図8は撮影で得られた8枚のベイヤ画像におけるR,Gr,Gb,Bの基本的な画素配置を示す図、図9は8枚分の図8に示す画素配置から画素配置部51により得られたR画素配置を示す図、図10は8枚分の図8に示す画素配置から画素配置部51により得られたGr画素配置を示す図、図11は8枚分の図8に示す画素配置から画素配置部51により得られたGb画素配置を示す図、図12は8枚分の図8に示す画素配置から画素配置部51により得られたB画素配置を示す図である。
画素配置部51は、図8に示すような基本的な画素配置を繰り返して構成されている8枚のベイヤ画像から、R成分を抽出して図4に示したセンタリング位置A1〜A8に応じて再配置し、図9に示すような4×4画素配列中にR1〜R8画素が配列された画素配置のR合成画像を生成する。同様に、画素配置部51は、8枚のベイヤ画像から、Gr,Gb,B成分を各抽出して、センタリング位置A1〜A8に応じて再配置し、図10,図11,図12に各示すような画素配置のGr合成画像,Gb合成画像,B合成画像をそれぞれ生成する。
画素補間部52は、周辺のR画素に基づき、図9に示すx1〜x4画素位置の画素を補間して、R’1〜R’4画素とする。同様に、画素補間部52は、周辺のB画素に基づき、図12に示すy1〜y4画素位置の画素を補間して、B’1〜B’4画素とする。
この画素補間部52による画素補間は、例えば周辺4画素補間を行う場合には、次の数式6,7に示すように表すことができる。
[数6]
R’1=(R1+R4+(上R8)+(左R2)/4
R’2=(R1+R2+R3+(上R7))/4
R’3=(R4+R5+R8+(左R6))/4
R’4=(R3+R5+R6+R7)/4
[数7]
B’1=(B6+B7+B8+B2)/4
B’2=(B5+B8+B1+(右B7))/4
B’3=(B2+B3+B4+(下B6))/4
B’4=(B1+B4+(右B3)+(下B5))/4
ここに、数式6,7中の「上」、「左」、「右」、「下」は、図9または図12に示す4×4画素配列の、上側に位置する4×4画素配列、左側に位置する4×4画素配列、右側に位置する4×4画素配列、下側に位置する4×4画素配列をそれぞれ表している。
加算部53は、図10に示すGr合成画像と、図11に示すGb合成画像とを、対応する画素位置同士で加算する。
半値化部54は、加算部53により加算されたGrGb合成画像を2で割る。
つまり、加算部53および半値化部54により、図10に示すGr合成画像と、図11に示すGb合成画像とが、平均化される。この平均化の処理は、次の数式8に示すように表すことができる。
[数8]
G’1=(Gr2+Gb5)/2
G’2=(Gr1+Gb6)/2
G’3=(Gr3+Gb8)/2
G’4=(Gr4+Gb7)/2
G’5=(Gr6+Gb1)/2
G’6=(Gr5+Gb2)/2
G’7=(Gr7+Gb4)/2
G’8=(Gr8+Gb3)/2
こうして、合成処理部31は、重複する位置において取得した輝度相当色(ここでは緑色)の複数の画素データを平均して、この重複する位置における合成後の画素データとすることにより、ノイズを低減して高画質化を図るようにしている。
ベイヤ画像抽出部55は、画素補間部52により補間されたR’1〜R’4画素、およびB’1〜B’4画素と、半値化部54から出力された平均化されたGrGb合成画像とを、1枚の高解像度のベイヤ画像として合成し、出力する。
ここに、図13は合成処理部31により合成された高解像度のベイヤ画像の画素配置を示す図である。
図13と図8を比較すれば分かるように、画素ずらし超解像撮影モードにおいては、水平方向に2倍かつ垂直方向に2倍の解像度の超解像画像が得られるようになっている。
なお、上述では、合成処理部31は高解像度のベイヤ画像を生成しているが、同時化された高解像度の画像を直接生成するようにしても構わない。つまり、図9に示すR1〜R8画素からx1〜x4画素だけでなくその他の空白画素を補間して同時化された高解像度のR画像を生成し、同様に、図10のGr画像および図11のGb画像を平均して得られるG画像を補間して同時化された高解像度のG画像を生成し、図12に示すB1〜B8画素からy1〜y4画素だけでなくその他の空白画素を補間して同時化された高解像度のB画像を生成するようにしても良い。そして、この場合には、同時化処理部33の処理を省略することも可能となる。
なお、上述では所定の許容範囲内にあるか否かを、ホール素子39の検出結果に基づいて判定していたが、これに限定されるものではなく、例えば基準画像との比較結果に基づき判定するようにしても構わない。
このような実施形態1によれば、特定領域の画像データと、特定領域以外の画像データと、を異なるタイミングで取得するようにしために、合成画像を取得するまでの時間を短縮することが可能となる。
このとき、位置検出部により検出された相対位置が所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域を含む領域を特定領域に設定して、再撮影を行って特定領域の画像データを取得し、再撮影で取得された画像データを用いて合成画像データを生成するようにしたために、取得される合成画像の解像感が損なわれることはない。
具体的に、超解像画像を作成するために複数のフレーム画像を撮影する際に、許容範囲を超えたフレームに係る再撮影をフレーム単位で行っていた(つまり、撮影時間がフレーム単位で増加していた)従来に比して、本実施形態では再撮影領域のみを特定領域として再撮影するようにしたために、超解像画像を作成するのに必要な画像データが揃うまでの時間を短縮することが可能となる。
そして、所定の許容範囲内にないタイミングが発生したフレームの次のフレームの画像データを取得する前に、特定領域の画像データを取得するようにしたために、フレーム画像のタイムラグを小さくすることができる。
このとき、所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域のみを特定領域に設定して、該当フレームの画像データを取得直後に再撮影を行うようにしたために、画素領域単位での再撮影時間の短縮を図ることができる。具体的に、ローリング読出を行う際に画像における許容範囲を超えた移動量が発生したラインのみを再撮影するようにしたために、ライン単位での時間短縮を図ることが可能となる。また、再撮影が1回で済む確立も高くなる利点がある。
さらに、フレームの露光時間が所定値以上である場合には、特定領域を設定せず、再撮影動作を行わないようにしたために、再撮影の必要度が低い場合における無駄な処理を省略して、合成画像を取得するまでの時間短縮を図ることができる。
加えて、特定位置への駆動精度が所定の許容範囲内(例えば−1/2〜+1/2画素ピッチ内)に必ず収まるような高精度のボイスコイルモータ(VCM)23を用いなくても構わないために、部品コストひいては製造コストを低減することが可能となる。
[実施形態2]
図15および図16は本発明の実施形態2を示したものであり、図15はデジタルカメラにおける撮影処理の流れを示すフローチャート、図16は、許容範囲を超える位置ズレが発生したことが判明した時点で、位置ズレの影響を受けるライン以降のラインを再撮影する例を示すタイミングチャートである。
この実施形態2において、上述の実施形態1と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態における領域特定部として機能するマイクロコンピュータ45は、所定の読出順序において、所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域の読出順序を含む以降の読出順序となる画素領域を特定領域に設定するようになっている。さらに、撮像制御部として機能するマイクロコンピュータ45は、所定の許容範囲内にないタイミングが発生した場合には、該フレームの読出順序での読み出しを中止して、再撮影動作を撮像素子22に行わせるようになっている。
図2のステップS13において、図15に示す撮影処理に入ると、上述したような、ステップS21,S22の処理、またはステップS21,S23,S24の処理を行う。
ここで、ステップS24の処理を行った場合には、移動したセンタリング位置において、絞り12を駆動しメカシャッタ21を開いて、1枚の画像を撮影して取り込む動作を例えばライン1から順に開始する(ステップS41)。
そして、ホール素子39により露光中における撮像素子22の位置をリアルタイムで検出する(ステップS42)。
検出された位置に許容範囲を超える位置ズレが発生したか否かを判定し(ステップS43)、発生した場合には、図16に示すように、画像の取込位置を所定量だけ戻して、位置ズレによる影響を受けるラインからの再取込を開始する(ステップS44)。
ここに、図16には、例えば半画素ピッチHPPで撮像素子22のセンタリング位置を移動しながら第1フレーム画像F1から順に画像を撮影する際に、第2フレーム画像F2を露光している途中で許容範囲を超える位置ズレが発生した例を示している。この図16に示すように、ライン毎に順次露光を開始し、露光時間Teが経過したラインから順に画像信号を読み出す際に、途中のラインを露光しているときに位置ズレが発生したために、位置ズレが発生したことが判明した時点で取込を一旦中止して、位置ズレによる影響を受けるラインから再取込を行っている。
こうしてステップS44の処理を行うか、または上述したステップS43において許容範囲を超える位置ズレが発生していないと判定された場合には、ラインLmaxまでの全ラインの取り込みが終了したか否かを判定し(ステップS45)、まだ終了していない場合にはステップS42へ行って上述したような動作を繰り返して行う。
こうしてステップS45において全ラインの取り込みが終了した場合には、上述したようなステップS31,S32の処理を行い、ステップS32またはステップS22の処理が終了したら、この処理から図2に示す処理へリターンする。
このような実施形態2によれば、上述した実施形態1とほぼ同様の効果を奏するとともに、所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域の読出順序を含む以降の読出順序となる画素領域を特定領域に設定して、所定の許容範囲内にないタイミングが発生した場合には、フレームの読出順序での読み出しを中止して、再撮影動作を行うようにしたために、1回目の撮影により取得した非特定領域と再撮影により取得した特定領域とのタイムラグを縮小し、違和感のない画像データを得ることができる。
具体的に、1回目の撮影に係る画素領域と再撮影に係る画素領域とにおいて隣接するライン間の露光時刻のタイムラグを上述した実施形態1よりも小さくすることができるために、露光時刻の相違に起因する画像のズレ等を軽減することが可能となる。
[実施形態3]
図17から図21は本発明の実施形態3を示したものである。この実施形態3において、上述の実施形態1,2と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態において、撮像制御部として機能するマイクロコンピュータ45は、画素ずらし部であるボイスコイルモータ(VCM)23に画素ずらしを行わせて撮像素子22に特定領域の複数の画像データを取得させる制御をまず行い、その後に、撮像素子22に特定領域以外の画像データを取得させる制御を行う。ここに、特定領域以外の画像データの取得は、画素ずらしを行いながらの複数の画像データの取得が好ましいが、後述するような平坦な領域などである場合には、1枚の画像データのみの取得とすることも可能である。1枚の画像データのみを取得する場合には、画像処理により補間等を行って、画像の解像度を特定領域と一致させることになる。
本実施形態は、画面内に動く被写体の領域(動体領域)が含まれている場合と、画面内に空間周波数が高い被写体の領域(高周波領域)が含まれている場合と、に対応するものとなっているが、撮影時の作用は後述する図21に示すように共通しているために、一つの実施形態として説明する。
まず、図17および図18は画面内に動体領域が含まれている場合に係り、図17は画面内に動体領域が含まれているときのデジタルカメラにおけるメイン処理の流れを示すフローチャート、図18は動体が含まれる範囲をデジタルカメラにより撮影する様子を示す図である。
領域特定部として機能するマイクロコンピュータ45は、例えばライブビュー表示用として時系列に取得された複数枚の画像データから動体の存在する動体領域を検出し、動体領域を含む画素領域を特定領域に設定する。
図18は、撮影範囲AA内に、動体領域(図18に示す例では鳥)が存在しており、この動体領域が含まれるように特定領域Amを設定している。特にここでは、撮像素子22がライン単位で露光開始および読み出しが行われることを考慮して、連続する複数ラインに対応する領域を特定領域Amとしている。
そして、このような撮影範囲AAを、例えば三脚Trに固定されたデジタルカメラC(つまり、手ブレ等の影響は考慮しなくて良い状態)で撮影する状況を想定している。
このとき、デジタルカメラのメイン処理において、ステップS12でライブビュー表示を行った後に、ライブビュー用に取得された時系列的な複数の画像に基づいて動体領域が含まれる特定領域Amの判定を行い(ステップS51)、ステップS8の処理に進む。このステップS51の判定結果は、後で図21を参照して説明するように、取込領域の設定に用いられる。
次に、図19および図20は画面内に高周波領域が含まれている場合に係り、図19は画面内に高周波領域が含まれているときのデジタルカメラにおけるメイン処理の流れを示すフローチャート、図20は高周波領域が含まれる範囲をデジタルカメラにより撮影する様子を示す図である。
領域特定部として機能するマイクロコンピュータ45は、画像データから所定の空間周波数よりも高い空間周波数の被写体が存在する高周波領域を検出し、高周波領域を含む画素領域を特定領域に設定するようになっている。この高周波領域の検出は、ハイパスフィルタ等を用いて行っても良いし、エッジ成分を抽出した結果に基づき行っても良いし、フォーカス位置、絞り(被写界深度)、被写体距離から合焦している範囲を判定することにより行っても構わないし、その他の適宜の技術を採用することが可能である。
図20は、撮影範囲AA内に、空間周波数の高い被写体(高周波領域)(図20に示す例では、空や水面等の比較的平坦な被写体に比べて空間周波数が高い山岳)が存在しており、この高周波領域が含まれるように特定領域Ahを設定している。なお、ここでも、撮像素子22がライン単位で露光開始および読み出しが行われることを考慮して、連続する複数ラインに対応する領域を特定領域Ahとしている。
そして、このような撮影範囲AAを、ユーザUsがデジタルカメラCを手持ちで(つまり、手ブレ等が発生すると考えられる状態で)撮影する状況を想定している。
このとき、デジタルカメラのメイン処理において、ステップS12でライブビュー表示を行った後に、ライブビュー用に取得された画像に基づいて高周波領域が含まれる特定領域Ahの判定を行い(ステップS56)、ステップS8の処理に進む。このステップS56の判定結果は、後で図21を参照して説明するように、取込領域の設定に用いられる。
図21は、デジタルカメラにおける撮影処理の流れを示すフローチャートである。
この処理を開始すると、上述したステップS21の処理を行って、撮影モードが画素ずらし超解像撮影モードに設定されているか否かを判定する。
ここで、画素ずらし超解像撮影モードに設定されている場合には、ステップS51において判定された動体領域が含まれる特定領域AmまたはステップS56において判定された高周波領域が含まれる特定領域Ahを取込領域に設定する(ステップS61A)。
次に、上述したステップS23と同様にセンタリング位置を設定し(ステップS62A)、上述したステップS24と同様にセンタリング位置への移動を行い(ステップS63A)、設定されている取込領域の画像を1枚撮影する(ステップS64A)。
そして、上述したステップS31と同様に、図4に示したような8つのセンタリング位置A1〜A8での処理が全て終了したか否かを判定する(ステップS65A)。
このステップS65Aにおいて、まだ終了していない場合には、ステップS62Aへ戻って次のセンタリング位置の処理を行う。
一方、ステップS65Aにおいて、全てのセンタリング位置の処理が終了した場合には、上述したステップS61Aにおいて設定した取込領域以外の領域を、新たに取込領域に設定する(ステップS61B)。なお、ここでは特定領域以外の領域を新たな取込領域に設定したが、全画像領域を新たな取込領域に設定しても(つまり、特定領域について重複して取り込んでも)構わない。
次に、上述したステップS62Aと同様にセンタリング位置を設定し(ステップS62B)、上述したステップS63Aと同様にセンタリング位置への移動を行い(ステップS63B)、上述したステップS64Aと同様に設定されている取込領域の画像を1枚撮影する(ステップS64B)。
そして、上述したステップS65Aと同様に、図4に示したような8つのセンタリング位置A1〜A8での処理が全て終了したか否かを判定する(ステップS65B)。
このステップS65Bにおいて、まだ終了していない場合には、ステップS62Bへ戻って次のセンタリング位置の処理を行う。
こうして、ステップS65Bにおいて、全てのセンタリング位置の処理が終了した場合には、ステップS61A〜S65Aの処理により得られた特定領域Amまたは特定領域Ahの8枚の画像と、ステップS61B〜S65Bの処理により得られた特定領域Am以外の領域の、または特定領域Ah以外の領域の8枚の画像と、を対応するセンタリング位置毎に(つまり、8つのセンタリング位置A1〜A8のそれぞれ毎に)合成して8枚の画像を生成し、さらに生成した8枚の画像を、上述したステップS32と同様に合成処理して1枚の超解像画像を生成する(ステップS66)。
こうしてステップS66または上述したステップS22の処理が終了したら、この処理から図2に示す処理へリターンする。
このような実施形態3によれば、画素ずらしを行って複数の画像データを取得することをまず特定領域について行い、その後に特定領域以外の画像データを取得するようにしたために、ブレの影響を受け易い特定領域の画像データを短いタイムラグで集中的に取得することができ、結果としてブレの影響を軽減することができる。
具体的に、被写体ブレが発生し易い動体領域が含まれる特定領域Am、または手ブレの影響が目立ち易い高周波領域が含まれる特定領域Ahに関して超解像画像を生成するために必要な複数のセンタリング位置での撮影をまず行い、その後にその他の領域に関して複数のセンタリング位置での撮影を行うようにしたために、特定領域Amまたは特定領域Ahの画像を短いタイムラグで集中して取得することができ、動体の被写体ブレの発生を低減し、高周波領域において影響が大きい手ブレの発生を低減することが可能となる。従って、生成される超解像画像の画像解像度を有効に生かし、解像感を維持することができる。
なお、上述では主として撮像装置について説明したが、撮像装置と同様の処理を行う撮像方法であっても良いし、コンピュータに該撮像方法を実行させるための処理プログラム、該処理プログラムを記録するコンピュータにより読み取り可能な一時的でない記録媒体、等であっても構わない。
また、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明の態様を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
1…交換式レンズ
2…カメラ本体
3…インタフェース(I/F)
11…レンズ
12…絞り
13…ドライバ
14…フラッシュメモリ
15…マイクロコンピュータ
21…メカシャッタ(メカニカルシャッタ)
22…撮像素子
23…ボイスコイルモータ(VCM)
24…アナログ処理部
25…A/D変換部
26…バス
27…SDRAM
28…AF処理部
29…AE処理部
31…合成処理部
32…画像処理部
33…同時化処理部
34…エッジ強調処理部
35…ノイズ低減処理部
36…JPEG処理部
37…モニタドライバ
38…モニタ
39…ホール素子
41…メモリインタフェース(メモリI/F)
42…記録媒体
43…操作部
44…フラッシュメモリ
45…マイクロコンピュータ
51…画素配置部
52…画素補間部
53…加算部
54…半値化部
55…ベイヤ画像抽出部

Claims (7)

  1. 所定の画素ピッチで2次元状に配列された複数の画素を有し、撮影された画像データを所定の読出順序で読み出し、かつ所望の画素領域の画像データのみを読み出し可能な撮像素子と、
    上記撮像素子と、該撮像素子により受光される光束と、の上記2次元状配列方向の相対位置が、上記画素ピッチの非整数倍の移動量の相対位置を含む、移動量が異なる複数の相対位置となるように画素ずらしを行う画素ずらし部と、
    上記画素ずらし部に画素ずらしを行わせ、上記複数の相対位置のそれぞれにおいて上記撮像素子に撮影動作を行わせて複数の画像データを取得させる撮像制御部と、
    上記撮像素子により取得された複数の画像データを合成することにより、該撮像素子から得られる画像データよりも高解像度の合成画像データを生成する画像合成部と、
    上記撮像素子の画素領域としての特定領域を設定する領域特定部と、
    上記撮影動作中の上記相対位置を時系列に検出する位置検出部と、
    を有し、
    上記領域特定部は、上記位置検出部により検出された上記相対位置が所定の許容範囲内にない場合に、該所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域を含む領域を上記特定領域に設定し、
    上記撮像制御部は、上記特定領域に対する再撮影動作を上記撮像素子に行わせて該特定領域の画像データを取得させ、
    上記画像合成部は、上記所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域の画像データに代えて、上記再撮影動作により取得された上記特定領域の画像データを用いて合成画像データを生成することを特徴とする撮像装置。
  2. 上記撮像制御部は、上記所定の許容範囲内にないタイミングが発生したフレームの次のフレームの画像データを取得させる前に、上記特定領域の画像データを取得させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 上記領域特定部は、上記所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域のみを上記特定領域に設定し、
    上記撮像制御部は、上記所定の許容範囲内にないタイミングが発生したフレームの画像データの取得が終了した後であって、次のフレームの画像データを取得する前に、上記再撮影動作を上記撮像素子に行わせることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 上記領域特定部は、上記所定の読出順序において、上記所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域の読出順序を含む以降の読出順序となる画素領域を上記特定領域に設定し、
    上記撮像制御部は、上記所定の許容範囲内にないタイミングが発生した場合には、該フレームの上記読出順序での読み出しを中止して、上記再撮影動作を上記撮像素子に行わせることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  5. 上記領域特定部は、フレームの露光時間が所定値以上である場合には、上記位置検出部の検出結果に関わらず上記特定領域を設定せず、
    上記撮像制御部は、上記再撮影動作を上記撮像素子に行わせないことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 所定の画素ピッチで2次元状に配列された複数の画素を有し、撮影された画像データを所定の読出順序で読み出し、かつ所望の画素領域の画像データのみを読み出し可能な撮像素子と、該撮像素子により受光される光束と、の上記2次元状配列方向の相対位置が、上記画素ピッチの非整数倍の移動量の相対位置を含む、移動量が異なる複数の相対位置となるように画素ずらしを行う画素ずらしステップと、
    上記複数の相対位置のそれぞれにおいて上記撮像素子に撮影動作を行わせて複数の画像データを取得させる撮像制御ステップと、
    上記撮像素子により取得された複数の画像データを合成することにより、該撮像素子から得られる画像データよりも高解像度の合成画像データを生成する画像合成ステップと、
    上記撮像素子の画素領域としての特定領域を設定する領域特定ステップと、
    上記撮影動作中の上記相対位置を時系列に検出する位置検出ステップと、
    を有し、
    上記領域特定ステップは、上記位置検出ステップにより検出された上記相対位置が所定の許容範囲内にない場合に、該所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域を含む領域を上記特定領域に設定するステップであり、
    上記撮像制御ステップは、上記特定領域に対する再撮影動作を上記撮像素子に行わせて該特定領域の画像データを取得させるステップであり、
    上記画像合成ステップは、上記所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域の画像データに代えて、上記再撮影動作により取得された上記特定領域の画像データを用いて合成画像データを生成するステップであることを特徴とする撮像方法。
  7. 撮像装置のコンピュータに、以下の各ステップを実行させるためのプログラム、
    所定の画素ピッチで2次元状に配列された複数の画素を有し、撮影された画像データを所定の読出順序で読み出し、かつ所望の画素領域の画像データのみを読み出し可能な撮像素子と、該撮像素子により受光される光束と、の上記2次元状配列方向の相対位置が、上記画素ピッチの非整数倍の移動量の相対位置を含む、移動量が異なる複数の相対位置となるように画素ずらしを行う画素ずらしステップと、
    上記複数の相対位置のそれぞれにおいて上記撮像素子に撮影動作を行わせて複数の画像データを取得させる撮像制御ステップと、
    上記撮像素子により取得された複数の画像データを合成することにより、該撮像素子から得られる画像データよりも高解像度の合成画像データを生成する画像合成ステップと、
    上記撮像素子の画素領域としての特定領域を設定する領域特定ステップと、
    上記撮影動作中の上記相対位置を時系列に検出する位置検出ステップと、
    ここに、上記領域特定ステップは、上記位置検出ステップにより検出された上記相対位置が所定の許容範囲内にない場合に、該所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域を含む領域を上記特定領域に設定するステップであり、
    上記撮像制御ステップは、上記特定領域に対する再撮影動作を上記撮像素子に行わせて該特定領域の画像データを取得させるステップであり、
    上記画像合成ステップは、上記所定の許容範囲内にないタイミングで撮影された画素領域の画像データに代えて、上記再撮影動作により取得された上記特定領域の画像データを用いて合成画像データを生成するステップである。
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