JP6380798B2 - 車両挙動再現システム - Google Patents

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この発明は、車両挙動を再現するための車両挙動再現システムに関する。
特許文献1には、車両用試験装置として、横方向に移動可能な前後一対の横移動架台と、これらの横移動架台上面に左右一組ずつ設けられた4組の6自由度油圧シリンダ群と、これらの6自由度油圧シリンダ群の上端にそれぞれ連結された4つの旋回昇降架台と、これらの4つの旋回昇降架台上にそれぞれ設けられ、車両の4つの車輪が載せられる4つの回転ベルトとを備えた装置が記載されている。
特開2008−175778号公報 特開2011−163938号公報
実車両の加速時、減速時、旋回時等には、車体に慣性力が作用する。特許文献1記載の車両用試験装置では、このような慣性力を車体に与えるためには、回転ベルトを回転駆動させることによって、車輪を支持している回転ベルトに対して車体を相対的に走行させる必要がある。
そこで、本出願人は、実車両の加速時、減速時、旋回時等に車体に作用する慣性力と同様な力を、車輪を支持している部材に対して車体を相対的に走行させることなく、車体に与えることができる車両挙動再現システムを開発している。本出願人が既に開発している車両挙動再現システムは、左前輪、右前輪、左後輪および右後輪の4つの車輪に対応する4つの車軸が取り付けられた車体と、車体を支持しかつ車体に6自由度の運動をさせるための第1モーションベースと、各車軸を支持し、各車軸に6自由度の運動をさせるための4つの第2モーションベースと、各モーションベースを制御する制御装置とを含んでいる。
制御装置は、各モーションベースが発生している6自由度別の力を検出するための力センサと、各モーションベースに発生させるべき6自由度別の力の目標値を生成する目標値生成部と、力センサによって検出された各モーションベースの6自由度別の力が、目標値生成部によって生成された力目標値と等しくなるように、各モーションベースを制御する制御部とを含む。
本出願人が既に開発している車両挙動再現システムでは、システム動作中にいずれかの力センサが故障した場合には、故障した力センサが設けられているモーションベースを正常に制御できなくなる。そこで、力センサに故障が発生したことを検出したときに全てのモーションベースを停止させることが考えられる。しかしながら、一般的に、力センサの故障を検出するためには、力センサの出力信号が所定時間以上継続して変化しなくなったか否かを判定する必要があるため、力センサが実際に故障してから力センサの故障が検出されるまではタイムラグが生じる。このため、力センサの故障を検出したときに全てのモーションベースを停止させたとしても、車体やモーションベースに想定外の大きな荷重がかかるおそれがある。
この発明の目的は、モーションベースが発生している6自由度別の力を検出するための力センサが故障した場合に、車体やモーションベースに想定外の大きな荷重がかかるのを抑制または防止できる車両挙動再現システムを提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、複数の車輪に対応する複数の車軸(21S,22S,23S,24S)が取り付けられた車体(2)と、前記車体を支持し、かつ前記車体に6自由度の運動をさせるための第1モーションベース(3)と、前記各車軸を支持し、前記各車軸に6自由度の運動をさせるための複数の第2モーションベース(4〜7)と、前記各モーションベースを制御するための複数の制御手段とを含む車両挙動再現システム(150)であって、前記各制御手段は、前記対応するモーションベースが発生している6自由度別の力を検出するための力センサ(113〜117)と、前記対応するモーションベースが発生している6自由度別の力を推定する力推定手段(132)と、前記対応するモーションベースに発生させるべき6自由度別の力目標値を生成する力目標値生成手段(91)と、前記力センサによって検出される6自由度別の力と前記力推定手段によって推定される6自由度別の力とを比較することによって、前記力センサに故障が発生したか否かを判定する故障判定手段(133)と、前記故障判定手段によって前記力センサに故障が発生していないと判定されているときには、前記力センサによって検出される6自由度別の力が前記6自由度別の力目標値に近づくように、対応する前記モーションベースの制御指令値を演算し、前記故障判定手段によって前記力センサに故障が発生したと判定されたときには、前記力推定手段によって推定される6自由度別の力が前記6自由度別の力目標値に近づくように、対応する前記モーションベースの制御指令値を演算する制御指令値演算手段(134,135)とを含み、前記力推定手段は、前記制御指令値演算手段によって演算される制御指令値に基いて、前記対応するモーションベースが発生している6自由度別の力を推定するように構成されている、車両挙動再現システムである。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この構成では、モーションベース毎に、力センサによって検出される6自由度別の力と力推定手段によって推定される6自由度別の力とを比較することによって、力センサに故障が発生したか否かが判定される。このため、力センサに故障が発生して、力センサによって検出される6自由度別の力が、力推定手段によって推定される6自由度別の力との差が大きくなり始めた時点で、力センサに故障が発生したことを検出することが可能となる。これにより、力センサの故障の発生を迅速に検出することができる。
また、力センサに故障が発生したと判定されたときには、力推定手段によって推定される6自由度別の力が6自由度別の力目標値に近づくように、モーションベースの制御指令値が演算される。これにより、故障が発生した力センサによって検出される誤った6自由度別の力に基いて、当該モーションベースが制御されるのを回避できる。これにより、車体やモーションベースに想定外の大きな荷重がかかるのを抑制または防止できる。
請求項2記載の発明は、前記各制御手段は、前記故障判定手段によって前記力センサに故障が発生したと判定されたときには、前記力センサに故障が発生したおそれがある旨を操作者に報知させる手段をさらに含む、請求項1に記載の車両挙動再現システムである。
この構成によれば、力センサに故障が発生したときには、そのことを操作者に報知することができる。したがって、操作者は、車両挙動再現システムの動作を停止させることができる。
請求項3記載の発明は、前記力推定手段は、前記対応するモーションベースの動作を模擬するためのシミュレーションモデルである、請求項1または2に記載の車両挙動再現システムである。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両挙動再現システムに用いられる車両挙動再現装置の外観を図解的に示す概略斜視図である。 図2は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す正面図である。 図3は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す側面図である。 図4は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す平面図である。 図5は、車両挙動再現システムの全体的な電気的構成を示すブロック図である。 図6は、モーションベース制御指令値生成部の構成を示すブロック図である。 図7は、センサ故障判定部の動作を示すフローチャートである。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両挙動再現システムに用いられる車両挙動再現装置の外観を図解的に示す概略斜視図である。図2は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す正面図である。図3は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す側面図である。図4は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す平面図である。図4では、試験品搭載用車体は省略されている。
車両挙動再現装置1は、左前輪、右前輪、左後輪および右後輪の4つの車輪に対応する4つの車軸21S,22S,23S,24Sが取り付けられるとともに試験品が搭載される試験品搭載用車体2と、試験品搭載用車体2を支持し、かつ試験品搭載用車体2に6自由度の運動をさせるための第1モーションベース3と、各車軸21S,22S,23S,24Sを支持し、かつ各車軸21S,22S,23S,24Sに6自由度の運動をさせるための4つの第2モーションベース4,5,6,7とを含む。
図1および図3においては、試験品搭載用車体2の前端が符号2fで示され、試験品搭載用車体2の後端が符号2rで示されている。
試験品搭載用車体2の4つの車軸21S,22S,23S,24Sに、車輪は取り付けられていない。試験品搭載用車体2の4つの車軸21S,22S,23S,24Sの外端部には、回転力を車軸に与えるための4つの電動モータ(以下、「外力付加用モータ」という。)31,32,33,34の出力軸が連結されている。各外力付加用モータ31,32,33,34は、実車両が走行しているときに外部から各車軸に加えられる回転力(外力)と同様な回転力を、対応する車軸21S、22S、23S、24Sに個別に付与するためのものである。外力には、たとえば、実車両が走行している場合に路面摩擦等に起因して各車軸に与えられる回転負荷、実車両が坂道を下っている場合に各車軸に路面を介して与えられる回転力等が含まれる。
試験品搭載用車体2には、各種の自動車部品の試験品が搭載される。この実施形態では、試験品搭載用車体2には、電動パワーステアリング装置(EPS:electric power steering)40と、左後輪用の車軸23Sおよび右後輪用の車軸24Sを電動モータによって駆動するための後輪駆動用モジュール50とが試験品として搭載されている。
この実施形態では、EPS40は、コラムアシスト式EPSである。EPS40は、よく知られているように、ステアリングホイール81と、ステアリングホイール81の回転に連動して前輪を転舵するための転舵機構82と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構83とを含んでいる。ただし、この実施形態では、前輪は取り付けられていないので、転舵機構82は前輪に連結されていない。ステアリングホイール81と転舵機構82とは、ステアリングシャフトを介して機械的に連結されている。
転舵機構82は、ステアリングシャフトの下端に設けられたピニオンと、ピニオンと噛み合うラックが設けられたラック軸とからなるラックアンドピニオン機構を含んでいる。操舵補助機構83は、操舵補助力を発生するための電動モータ41(図5参照。以下、「アシストモータ41」という。)と、アシストモータ41の出力トルクをステアリングシャフトに伝達するための減速機構(図示略)とを含む。
さらに、EPS40は、アシストモータを制御するためのECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)42(図5参照。以下、「EPS用ECU」という)と、ラック軸の軸方向の変位位置を検出するための直線変位センサ(図示略)を含んでいる。
後輪駆動用モジュール50は、後輪用の車軸23S,24Sを回転駆動するための電動モータ51(図5参照。以下、「後輪駆動モータ51」という。)と、後輪駆動モータ51の回転力を後輪用の車軸23S,24Sに伝達するための伝達機構(図示略)と、後輪駆動モータ51を制御すためのECU52(図5参照。以下、「後輪駆動モータ用ECU52」という。)と、後輪用車軸23S,24Sの両方またはいずれか一方の回転角を検出するための回転角センサ(図示略)とを含んでいる。伝達機構は、クラッチおよび減速機構を含んでいる。伝達機構は、クラッチおよび減速機構のいずれか一方のみを含んでいてもよい。
各モーションベース3,4,5,6,7は、床上に載置された定盤10上に固定されている。各モーションベース3,4,5,6,7は、よく知られているように、定盤10に固定された固定ベース11と、固定ベース11の上方に配置された可動ベース(ムービンクベース)12と、固定ベース11と可動ベース12との間に連結され、可動ベース12に6自由度の運動(前後、左右、上下、ロール、ピッチおよびヨーの運動)をさせるためのアクチュエータ13と、各アクチュエータ13を制御するモーションコントローラ(図示略)とを含んでいる。この実施形態では、アクチュエータ13は、6個の電動シリンダと、これらの電動シリンダをそれぞれ駆動するための6個のサーボアンプ(モータドライバ)とを含んでいる。各電動シリンダはサーボモータを含んでいる。各電動シリンダには、サーボモータの回転角を検出するためのロータリーエンコーダ等からなる回転角センサ(図示略)が設けられている。回転角センサの出力信号は、サーボアンプに与えられる。
第1モーションベース3の可動ベース12には、試験品搭載用車体2の中央部が載せられた状態で試験品搭載用車体2が固定されている。つまり、第1モーションベース3の可動ベース12の上面に、試験品搭載用車体2の下面の中央部が取り付けられている。
前方左側の第2モーションベース4の可動ベース12には、複数の弾性体15およびモータ取付板16を介して、外力付加用モータ31が取り付けられている。前方右側の第2モーションベース5の可動ベース12には、複数の弾性体15およびモータ取付板16を介して、外力付加用モータ32が取り付けられている。後方左側の第2モーションベース6の可動ベース12には、複数の弾性体15およびモータ取付板16を介して、外力付加用モータ33が取り付けられている。後方右側の第2モーションベース7の可動ベース12には、複数の弾性体15およびモータ取付板16を介して、外力付加用モータ34が取り付けられている。
この車両挙動再現装置1では、試験品搭載用車体2は、第1モーションベース3によって支持されている。また、外力付加用モータ31,32,33,34は、それぞれ第2モーションベース4,5,6,7によって支持されている。言い換えれば、車軸21S,22S,23S,24Sの外端部は、それぞれ外力付加用モータ31,32,33,34を介して、第2モーションベース4,5,6,7に支持されている。
したがって、この車両挙動再現装置1では、第1モーションベース3のアクチュエータ13を駆動制御することによって、各種の車体姿勢を作ることができる。また、第2モーションベース4,5,6,7のアクチュエータ13を個別に駆動制御することによって、各種の路面状態を作ることができる。したがって、各モーションベース3,4,5,6,7のアクチュエータ13を個別に制御することにより、各種の車両走行状態(車両挙動)を再現することが可能である。
また、この車両挙動再現装置1では、実車両が走行しているときに外部から各車軸に加えられる回転力(外力)と同様な回転力を、対応する車軸21S、22S、23S、24Sに個別に付与することができる。これにより、実際の運転状況に応じた駆動負荷、サスペンション挙動を再現することが可能となる。
また、この車両挙動再現装置1では、第2モーションベース4,5,6,7によって各車軸21S〜24Sが支持されている状態で、第1モーションベース3によって試験品搭載用車体2に直接に力を加えることができる。これにより、実車両の加速時、減速時、旋回時等に車体に作用する慣性力と同様な力を、車軸21S〜24Sを支持している部材に対して試験品搭載用車体2を相対的に走行させることなく、試験品搭載用車体2に与えることができる。また、この車両挙動再現装置1では、第1モーションベース3によって、試験品搭載用車体2をヨーイング運動させることができる。これにより、ヨーイング運動を模擬することができる。
この車両挙動再現装置1では、5つのモーションベース3,4,5,6,7によって試験品搭載用車体2および車軸21S〜24Sを支持して動かすことにより、各種の車両走行状態(車両挙動)を再現している。このため、各種の車両走行状態を再現する際には、全てのモーションベース3,4,5,6,7は、それらの車両(試験品搭載用車体2または外力付加用モータ31〜34)への固定点間の相対的な位置関係を保持しながら、連動して動く必要がある。しかしながら、機械要素の個体差や制御性能等によって、固定点間の相対的な位置関係が保持されるように、全てのモーションベース3,4,5,6,7を正確に連動させることができないおそれがある。
この車両挙動再現装置1では、各車軸21S〜24Sが連結された各外力付加用モータ31〜34は、弾性体15を介して対応する第2モーションベース4,5,6,7に取り付けられている。これにより、全てのモーションベース3,4,5,6,7の連動動作に誤差が生じたとしても、その誤差を弾性体15の変形によって吸収することができる。これにより、試験品搭載用車体2に無理な力が働くのを防止できるとともに、各モーションベース3,4,5,6,7の制御装置(たとえば、後述するアクチュエータ制御器90、モーションコントローラ3C〜7C(図5参照))に高い制御性能が要求されなくなる。
以下、車両挙動再現装置1を用いた車両挙動再現システムについて説明する。
図5は、車両挙動再現システムの全体的な電気的構成を示すブロック図である。
この車両挙動再現システム150は、ドライビングシミュレータ60と、車両挙動再現装置1と、アクチュエータ制御器90とを備えている。ドライビングシミュレータ60は、仮想的に車両の運転をシミュレートするものであり、運転者によって操作される。
試験品搭載用車体2には、EPS40と、後輪駆動用モジュール50と、各外力付加用モータ31,32,33,34を制御するためのモータ制御装置35,36,37,38が搭載されている。EPS40は、アシストモータ41と、アシストモータ41を制御するためのEPS用ECU42と、ラック軸の軸方向の変位位置を検出するための直線変位センサ(図示略)とを含んでいる。後輪駆動用モジュール50は、後輪駆動モータ51と、後輪駆動モータ51を制御するための後輪駆動モータ用ECU52と、後輪用車軸23S,24Sの両方またはいずれか一方の回転角を検出するための回転角センサ(図示略)とを含んでいる。
アクチュエータ制御器90は、コンピュータによって構成されており、車両挙動再現装置1の各モーションベース3,4,5,6,7および試験品搭載用車体2に搭載されているモータ制御装置35,36,37,38を制御する。アクチュエータ制御器90は、1または複数のコンピュータとプログラマブルコントローラとを含むものであってもよい。
各モーションベース3,4,5,6,7には、アクチュエータ13に含まれる6つの電動シリンダの発生力を個別に検出するための6つの力センサがそれぞれ設けられている。図5には、各モーションベース3,4,5,6,7に設けられている6つの力センサを、力センサ群113,114,115,116,117として表している。また、各力センサ群113,114,115,116,117から出力されるセンサ群信号を、それぞれF3〜F7で表している。この実施形態では、力センサは、たとえば、ロードセルである。また、各外力付加用モータ31,32,33,34には、外力付加用モータ31,32,33,34に流れるモータ電流I1〜I4を検出するための電流センサ121,122,123,124が設けられている。
ドライビングシミュレータ60からは、ドライビングシミュレータ60の運転操作に応じた操舵角情報(ハンドル角情報)、アクセル開度情報、ブレーキ踏力情報等が出力される。ドライビングシミュレータ60から出力される操舵角情報は、EPS用ECU42に送られる。ドライビングシミュレータ60から出力されるアクセル開度情報は、後輪駆動モータ用ECU52に送られる。ドライビングシミュレータ60から出力されるブレーキ踏力情報は、アクチュエータ制御器90に送られる。ブレーキ踏力情報は、ブレーキ踏込量情報であってもよい。
EPS用ECU42は、ドライビングシミュレータ60から送られてくる操舵角情報に基づいて操舵トルクを決定し、決定した操舵トルクに応じてアシストモータ41を駆動制御する。また、EPS用ECU42は、直線変位センサの出力信号に基づいて、EPS40に含まれているラック軸の軸方向変位量(以下、「ラック軸変位量」という。)およびラック軸の軸方向変位速度(以下、「ラック軸変位速度」という。)を計測して、アクチュエータ制御器90に送る。
後輪駆動モータ用ECU52は、ドライビングシミュレータ60から送られてくるアクセル開度情報に基づいて、後輪駆動モータ51のトルク指令値を決定し、決定したトルク指令値に応じて後輪駆動モータ51を駆動制御する。また、後輪駆動モータ用ECU52は、回転角センサの出力信号に基づいて、後輪用の車軸23S,24Sの回転速度(以下、「車軸回転速度」という。)を測定して、アクチュエータ制御器90に送る。
アクチュエータ制御器90は、車両モデル(力目標値生成手段)91と、5つのモーションベース3〜7に対応した5つのモーションベース制御指令値生成部(MB制御指令値生成部)93〜97と、4つの外力付加用モータ31〜34に対応した4つのモータ制御指令値生成部101〜104とを含む。アクチュエータ制御器90には、操作部(図示略)および表示部140(図6参照)が接続されている。
車両モデル91には、ドライビングシミュレータ60から出力されるブレーキ踏力情報、EPS用ECU42から送られてくるラック軸変位量およびラック軸変位速度および後輪駆動モータ用ECU52から送られてくる車軸回転速度が入力する。車両モデル91は、これらの入力情報に基づいて、ドライビングシミュレータ60によってシミュレートされている運転状況に応じた制御目標値を生成する。車両モデル91によって生成される制御目標値は、各モーションベース3,4,5,6,7に発生させるべき6自由度別の力の目標値(6自由度別の力目標値)と、各外力付加用モータ31,32,33,34に発生させるべきモータトルクの目標値(トルク目標値)である。6自由度別の力は、各モーションベース3,4,5,6,7に固定されたxyz座標系のx方向の力、y方向の力、z方向の力、x軸周りのトルク、y軸周りのトルクおよびz軸周りのトルクからなる。
モーションベース制御指令値生成部93〜97は、対応するモーションベース3〜7に対するモーションベース制御指令値(MB制御指令値)を生成して、対応するモーションコントローラ3C〜7Cに与える。各モーションベース制御指令値生成部93〜97の構成は同様であるので、モーションベース制御指令値生成部93の構成につい説明する。
図6は、モーションベース制御指令値生成部93の構成を示すブロック図である。
モーションベース制御指令値生成部93は、6自由度力演算部131と、力推定部(力推定手段)132と、センサ故障判定部(故障判定手段)133と、切替部134と、モーションベース制御指令値演算部(MB制御指令値演算部)135とを含んでいる。切替部134とモーションベース制御指令値演算部135とによって、制御指令値演算手段が構成されている。
6自由度力演算部131は、対応する力センサ群113によって検出される6つの電動シリンダの発生力(センサ群信号F3)に基づいて、対応するモーションベース3が発生している6自由度別の力を演算する。力推定部132は、この実施形態では、対応するモーションベース3の動作を模擬するためのシミュレーションモデル(モーションベースモデル(MBモデル))によって構成されている。力推定部132は、モーションベース制御指令値演算部135によって演算されるモーションベース制御指令値に基いて、対応するモーションベース3が発生している6自由度別の力を推定する。
センサ故障判定部133は、6自由度力演算部131によって演算された6自由度別の力(以下、「6自由度別の力検出値」という。)と、力推定部132によって推定される6自由度別の力(以下、「6自由度別の力推定値」という。)とを比較することにより、対応する力センサ群113に故障が発生したか否かを判定する。具体的には、センサ故障判定部133は、「6自由度別の力検出値」と「6自由度別の力推定値」との差が小さいときには、力センサ群113に故障が発生していないと判定する。例えば、両者の対応する6種類の力の差の絶対値の全てが所定の閾値以下であるときには、センサ故障判定部133は力センサ群113に故障が発生していないと判定する。
一方、センサ故障判定部133は、「6自由度別の力検出値」と「6自由度別の力推定値」との差が大きいときには、力センサ群113に故障が発生したと判定する。例えば、両者の対応する6種類の力の差の絶対値のうちの少なくとも1つが前記閾値を超えたときには、センサ故障判定部133は力センサ群113に故障が発生したと判定する。
センサ故障判定部133は、センサ故障判定結果に応じて切替部134を制御する。また、センサ故障判定部133は、力センサ群113に故障が発生したと判定した場合には、力センサ群113に故障が発生したことを表示部140に表示する。
切替部134は、センサ故障判定部133による故障判定結果に応じて、「6自由度別の力検出値」および「6自由度別の力推定値」のうちの一方を選択して、モーションベース制御指令値演算部135に与える。具体的には、センサ故障判定部133によって力センサに故障が発生していないと判定されているときには、切替部134は、6自由度力演算部131によって演算される「6自由度別の力検出値」を選択して、モーションベース制御指令値演算部135に与える。一方、センサ故障判定部133によって力センサに故障が発生したと判定されたときには、切替部134は、力推定部132によって推定される「6自由度別の力推定値」を選択して、モーションベース制御指令値演算部135に与える。
モーションベース制御指令値演算部135は、切替部134から与えられる6自由度別の力と車両モデル91によって生成される6自由度別の力目標値(対応するモーションベース3に発生させるべき「6自由度別の力目標値」)との偏差が零に近づくように、モーションベース制御指令値を演算する。具体的には、センサ故障判定部133によって力センサに故障が発生していないと判定されているときには、モーションベース制御指令値演算部135は、「6自由度別の力検出値」と「6自由度別の力目標値」との偏差が零に近づくように、モーションベース制御指令値を演算する。一方、センサ故障判定部133によって力センサに故障が発生したと判定されたときには、モーションベース制御指令値演算部135は、「6自由度別の力推定値」と「6自由度別の力目標値」との偏差が零に近づくように、モーションベース制御指令値を演算する。
モーションベース制御指令値は、たとえば、前記偏差に対して、PI(比例積分)演算またはPID(比例積分微分)演算を行うことによって生成することができる。
モーションベース制御指令値演算部135によって演算されたモーションベース制御指令値は、対応するモーションコントローラ3Cに与えられる。モーションコントローラ3Cは、モーションベース制御指令値演算部135から与えられたモーションベース制御指令値に基づいて、対応するアクチュエータ13に含まれる6つの電動シリンダの発生力を制御する。これにより、対応するモーションベース3から発生される6自由度別の力が、対応する6自由度の力目標値と等しくなるように制御される。
つまり、各モーションコントローラ3C〜7Cは、対応するモーションベース制御指令値生成部93〜97から与えられるモーションベース制御指令値に基づいて、対応するアクチュエータ13に含まれる6つの電動シリンダの発生力を制御する。これにより、各モーションベース3〜7から発生される6自由度別の力が、車両モデル91によって生成される6自由度の力目標値と等しくなるように制御される。
モータ制御指令値生成部101〜104は、それぞれ、車両モデル91によって生成される各外力付加用モータ31〜34のトルク目標値を、対応する外力付加用モータ31〜34の電流目標値に変換する。そして、モータ制御指令値生成部101〜104は、それぞれ、対応する電流センサ121〜124によって検出されるモータ電流と、対応する電流目標値との偏差を零に近づけるための制御指令値(モータ制御指令値)を生成して、対応するモータ制御装置35〜38に与える。各モータ制御装置35〜38は、モータ制御指令値生成部101〜104から与えられるモータ制御指令値に基づいて、対応する外力付加用モータ31〜34を制御する。これにより、各外力付加用モータ31〜34からは、車両モデル91によって生成されるトルク目標値に応じたモータトルクが発生される。
図7は、センサ故障判定部133の動作を示すフローチャートである。図7の処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
センサ故障判定部133は、「6自由度別の力検出値」と「6自由度別の力推定値」との差が小さいか否かを判別する(ステップS1)。両者の差が小さい場合には(ステップS1:YES)、センサ故障判定部133は、対応する力センサに故障が発生していないと判定する。この場合には、センサ故障判定部133は、「6自由度別の力検出値」が選択されるように、切替部134を制御する(ステップS2)。そして、センサ故障判定部133は、今演算周期の処理を終了する。
前記ステップS1において、「6自由度別の力検出値」と「6自由度別の力推定値」との差が大きいと判別された場合には(ステップS1:N0)、センサ故障判定部133は対応する力センサに故障が発生したと判定する。この場合には、センサ故障判定部133は、「6自由度別の力推定値」が選択されるように、切替部134を制御する(ステップS3)。また、センサ故障判定部133は、力センサに故障が発生した旨を表示部140に表示する(ステップS4)。これにより、操作者は、力センサ群113に故障が発生したことを認識できるので、車両挙動再現装置1を適切なタイミングで停止させることができる。ステップS4の後、センサ故障判定部133は、今演算周期の処理を終了する。
前述の実施形態では、モーションベース3〜7毎に、力センサ群113〜117によって検出される6自由度別の力と、力推定部132によって推定される6自由度別の力とを比較することによって、力センサ群113〜117に故障が発生したか否かが判定される。このため、ある力センサ群内の力センサに故障が発生して、当該力センサ群によって検出される「6自由度別の力検出値」と力推定部132によって推定される「6自由度別の力推定値」との差が大きくなり始めた時点で、力センサに故障が発生したことを検出することが可能となる。これにより、力センサの故障の発生を迅速に検出することができる。
また、ある力センサ群内の力センサに故障が発生したと判定されたときには、力推定部132によって推定される「6自由度別の力推定値」が「6自由度別の力目標値」に近づくように、対応するモーションベースの制御指令値が演算される。これにより、故障が発生した力センサを含む力センサ群によって検出される、誤った「6自由度別の力検出値」に基いて、当該モーションベースが制御されるのを回避できる。これにより、試験品搭載用車体2やモーションベース3〜7に想定外の大きな荷重がかかるのを抑制または防止できる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。例えば、前述の実施形態では、各モーションベース3〜7には、アクチュエータ13に含まれる6つの電動シリンダの発生力を個別に検出するための6つの力センサ(力センサ群113〜117)が設けられている。しかし、力センサ群113〜117の代わりに、各モーションベース3〜7の可動ベース12に作用している6自由度別の力を検出するための6軸力センサを用いてもよい。この場合には、6自由度力演算部131は不要である。つまり、6軸力センサによって検出された6自由度別の力は、「6自由度別の力検出値」として、切替部134に与えられる。
また、前述の実施形態では、各車軸21S〜24Sには、それぞれ外力付加用モータ31〜34が連結されている。しかし、各車軸21S〜24Sに外力付加用モータ31〜34を連結することなく、各車軸21S〜24Sに車輪(タイヤ)を装着し、各車輪をそれぞれ第2モーションベース4〜7に載せるようにしてもよい。
なお、この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…車両挙動再現装置、2…試験品搭載用車体、3…第1モーションベース、3C〜7C…モーションコントローラ、4〜7…第2モーションベース、11…固定ベース、12…可動ベース、13…アクチュエータ、21〜24…車輪、21S〜24S…車軸、31〜34…外力付加用モータ、90…アクチュエータ制御器、91…車両モデル、93〜97…モーションベース制御指令値生成部(MB制御指令値生成部)、113,114,115,116,117…力センサ群、131…6自由度力演算部、132…力推定部、133…センサ故障判定部、134…切替部、135…モーションベース制御指令値演算部(MB制御指令値演算部)、150…車両挙動再現システム

Claims (3)

  1. 複数の車輪に対応する複数の車軸が取り付けられた車体と、前記車体を支持し、かつ前記車体に6自由度の運動をさせるための第1モーションベースと、前記各車軸を支持し、前記各車軸に6自由度の運動をさせるための複数の第2モーションベースと、前記各モーションベースを制御するための複数の制御手段とを含む車両挙動再現システムであって、
    前記各制御手段は、
    前記対応するモーションベースが発生している6自由度別の力を検出する力センサと、
    前記対応するモーションベースが発生している6自由度別の力を推定する力推定手段と、
    前記対応するモーションベースに発生させるべき6自由度別の力目標値を生成する力目標値生成手段と、
    前記力センサによって検出される6自由度別の力と前記力推定手段によって推定される6自由度別の力とを比較することによって、前記力センサに故障が発生したか否かを判定する故障判定手段と、
    前記故障判定手段によって前記力センサに故障が発生していないと判定されているときには、前記力センサによって検出される6自由度別の力が前記6自由度別の力目標値に近づくように、対応する前記モーションベースの制御指令値を演算し、前記故障判定手段によって前記力センサに故障が発生したと判定されたときには、前記力推定手段によって推定される6自由度別の力が前記6自由度別の力目標値に近づくように、対応する前記モーションベースの制御指令値を演算する制御指令値演算手段とを含み、
    前記力推定手段は、前記制御指令値演算手段によって演算される制御指令値に基いて、前記対応するモーションベースが発生している6自由度別の力を推定するように構成されている、車両挙動再現システム。
  2. 前記各制御手段は、前記故障判定手段によって前記力センサに故障が発生したと判定されたときには、前記力センサに故障が発生したおそれがある旨を操作者に報知させる手段をさらに含む、請求項1に記載の車両挙動再現システム。
  3. 前記力推定手段は、前記対応するモーションベースの動作を模擬するためのシミュレーションモデルである、請求項1または2に記載の車両挙動再現システム。
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