以下、添付図面を用いて本出願の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。本出願に係る情報機器は第1筐体と第2筐体を備えており、第2筐体に対して第1筐体が着脱可能な着脱機構を、第1筐体と第2筐体の間に備えるものである。ここでは説明を分かり易くするために、一例として第1筐体をタブレット、第2筐体をタブレットに接続して情報の入力を行うキーボード装置として説明するが、第1筐体と第2筐体はこの例に限定されるものではない。
図3(a)は本出願の第1の形態の第1の実施例の着脱機構10を搭載したタブレット1とキーボード装置2を備える情報機器3の外観を示すものであり、キーボード装置2にタブレット1が接続された状態を示している。タブレット1には表示画面4があり、キーボード装置2にはヒンジ機構5とキーボード部6があるが、これらの部材は本願には直接関係がないので、これ以上の説明を省略する。
図3(b)は図3(a)に示した情報機器3のタブレット1とキーボード装置2の、着脱機構10を備えた部分を部分的に拡大したものである。キーボード装置2にはヒンジ機構5が設けられているが、ヒンジ機構5は本願には直接関係がないので以後の説明を省略する。また、図3(c)は図3(b)に示した着脱機構10の構造を、キーボード装置2の筐体を透視して示すものである。また、図4は図3(c)に示した着脱機構10の一部を分解して示すものである。
図4に示すように、着脱機構10には、2つのガイド部材11、2つのフック12、駆動バー13、ラック14、ウォームホイール15、ウォーム16、ギヤヘッド17の付いたモータ18及びコネクタ19がある。ギヤヘッド17は、モータ18の回転を減速して回転トルクを増大させるものである。ウォーム16とウォームホイール15はモータ18の回転を更に減速して回転トルクを増大させる。ガイド部材11は、図3(b)に示すように、タブレット1の下端部1Bに設けられたガイド溝21に挿入され、タブレット1のキーボード装置2に対する位置を合わせ、タブレット1の移動を垂直方向に規制する。フック12はその中央部がキーボード装置2の筐体に突設された回転軸12Aに搖動可能に取り付けられており、下端部12Bが駆動バー13に設けられた孔に連結されている。また、フック12の頭部12Cは鉤状に湾曲している。
駆動バー13にはスライド孔23が2箇所に設けられており、スライド孔23にはキーボード装置2の筐体に突設されたガイドピン24が挿通されている。このため、駆動バー13はスライド孔23の方向に往復動することができる。そして、駆動バー13の両端部にはフック12の下端部12Bが連結されているので、駆動バー13が往復動すると、回転軸12Aを中心にしてフック12の頭部12Cが搖動することができる。
駆動バー13が図の左方向に移動すると、フック12の頭部12Cは回転軸12Aを中心にして右回り(時計回り)に回転する。駆動バー13のスライド孔23の右端にガイドピン24が位置する状態では、図3(b)に示すように、フック12はタブレット1の下端部1Bに設けられた結合溝22と係合する。駆動バー13が図の右方向に移動すると、フック12の頭部12Cは回転軸12Aを中心にして左回り(反時計回り)に回転する。駆動バー13のスライド孔23の左端にガイドピン24が位置する状態では、図5(a)に示すように、フック12の頭部12Cがフック12の回転軸12Aの直上に位置する。この状態では、フック12の頭部12Cがタブレット1の結合溝22の入口部22Aに対向している。
図4に戻って説明を続けると、駆動バー13の側面にはラック14が取り付けられており、このラック14にはウォームホイール15が歯合し、ウォームホイール15にはウォーム16が歯合する。ウォーム16はギヤヘッド17が設けられたモータ18の回転軸に取り付けられている。ラック14、ウォームホイール15、ウォーム16、及びギヤヘッド17が設けられたモータ18は駆動バー13の駆動ユニット20を形成している。駆動バー13はモータ18が正回転(時計回り回転)すると左方向に移動し、逆回転(反時計回り回転)すると右方向に移動する。
また、着脱機構10には、3つのセンサS1,S2L,S2Rが設けられている。センサS1は例えばフォトセンサであり、駆動バー13の往復動範囲の外側に設けられており、キーボード装置2にタブレット1が載置されたか否かを検出する。センサS1はキーボード装置2にタブレット1が載置されたことを検出するとオン信号を出力する(以後オンすると記載する)ものとする。センサS2L,S2Rは駆動バー13の往復動範囲に並んで設けられており、駆動バー13が往復動範囲の左端まで移動したか、或いは右端まで移動したかを検出する。駆動バー13が左に移動してスライド孔23の右端にガイドピン24が位置する時はセンサS2Lがオンし、駆動バー13が右に移動してスライド孔23の左端にガイドピン24が位置する時はセンサS2Rがオンするものとする。
ここで、図5及び図6を用いて、第1の形態の第1の実施例の着脱機構10が、タブレット1をキーボード装置2に結合する動作及びタブレット1をキーボード装置2から分離する動作を説明する。図5(a)はタブレット1とキーボード装置2の結合前の状態を示すものである。駆動バー13は右側に移動した状態であり、ガイドピン24がスライド孔23の左端に位置している。この状態では、前述のように、フック12の頭部12Cがタブレット1の結合溝22の入口部22Aに対向しており、図示を省略したセンサS1はタブレット1の接近を検出していない。
図5(b)は図5(a)に示したタブレット1の下端部1Bがキーボード装置2の着脱機構10の上に載置された状態を示すものであり、センサS1はオンしたが、まだ駆動ユニット20が動作していない状態を示している。なお、図5(c)は図5(b)のA部を部分的に拡大して示すものであり、ラック14とウォームホイール15、ウォーム16及びモータ18の位置を示している。図5(b)に示す状態ではフック12は結合溝22に入っているが、タブレット1はキーボード装置2に結合しておらず、タブレット1とキーボード装置2との間には隙間Gがある。
図6(a)は図5(b)に示した状態において、着脱機構10の駆動ユニット20が動作してタブレット1をキーボード装置2側に引き込む動作を示すものである。駆動ユニット20が動作すると、ラック14が矢印L1で示す方向に移動し、この結果、駆動バー13も矢印L2で示す方向に移動する。駆動バー13が矢印L2で示す方向に移動すると、駆動バー13の両端で駆動バー13に連結するフック12が矢印CWで示す方向に回転する。そして、フック12が矢印CWで示す方向に回転すると、フック12の頭部12Cで結合溝22の下側の内壁が押され、タブレット1が矢印PLで示すようにキーボード装置2側に引き込まれて結合する。駆動バー13が左側に移動しきった状態では、フック12が結合溝22に係合しているので、タブレット1がキーボード装置2から外れることがない。
図示を省略したが、タブレット1にはキーボード装置2に結合されたタブレット1をキーボード装置2から切り離すためのスイッチが設けられている。このスイッチが押されると、着脱機構10の駆動ユニット20が動作してタブレット1をキーボード装置2から切り離す動作を行う。これを図6(b)を用いて説明する。
駆動ユニット20が動作すると、ラック14が矢印R1で示す方向に移動し、この結果、駆動バー13も矢印R2で示す方向に移動する。駆動バー13が矢印R2で示す方向に移動すると、駆動バー13の両端で駆動バー13に連結するフック12が矢印CCWで示す方向に回転する。そして、フック12が矢印CCWで示す方向に回転すると、フック12の頭部12Cで結合溝22の上側の内壁が押され、タブレット1が矢印PUで示すようにキーボード装置2から離れる方向に押し上げられ、フック12と結合溝22との係合も解除される。
図6(b)に示す状態では、フック12と結合溝22との係合が外れているので、タブレット1をキーボード装置2から容易に引き抜くことができる。図6(c)は、図6(b)に示した状態のキーボード装置2からタブレット1が引き抜かれた状態を示すものである。
ここで、図7から図9を用いて第1の形態の第1の実施例の着脱機構10における、フック12の構造と機能を詳しく説明する。図7(a)は着脱機構10を拡大して示すものであり、図7(b)は図7(a)のB部を部分的に拡大して示すものである。駆動ユニットはラック14のみがしめしてある。駆動バー13は左右に往復動可能であるが、その移動範囲はキーボード装置の筐体に固定されたガイドピン24が挿通されている駆動バー13にあるスライド孔23の長さで決定される。
駆動バー13がスライド孔23とガイドピン24に規制されて最も右側に移動した状態では、駆動バー13に設けられた係合孔25に下端部12Bが連結されたフック12の頭部12Cは、回転軸12Aのほぼ直上に位置している。この状態で、タブレット1のガイド溝21の位置をキーボード装置2のガイド部材11の位置に合わせると、フック12の頭部12Cは、結合溝22の入口部22Aの幅Hの範囲内に位置する。また、結合溝22の入口部22Aの内側部分には、隣接するガイド溝21に平行なフック受入部22Bと、受入部22Bの途中からフック12の回転方向に延伸されたフック作用部22Cがある。フック作用部22Cのキーボード装置側の内壁W1はフック12によるタブレット1の係合に使用され、反対側の内壁W2はフック12によるタブレット1の押し上げに使用される。
そして、フック12の頭部12Cはその先端部が円形であり、駆動バー13の移動によりフック12が回転軸12Aを中心にして右回転(時計回りに回転)した時に、円周部がフック作用部22Cの内壁W1に当接してこれを押す形状である。また、この形状により、駆動バー13の移動によりフック12が左回転(反時計回りに回転)した時に、頭部12Cの円周部がフック作用部22Cの内壁W1と反対側の内壁W2に当接してこれを押すことができる。
図8(a)から(e)は、着脱機構10における図7(b)に示したフック12の引き込み動作を示すものである。図8(a)はタブレット1がキーボード装置2に近づいた状態を示すものであり、キーボード装置2のガイド部材11の位置に、タブレット1のガイド溝21がまず合わされる。ガイド部材11とガイド溝21の位置が合った状態でタブレット1をキーボード装置2に近づけてガイド部材11にガイド溝21を挿入していくと、フック12の頭部12Cも結合溝22の入口部22Aからフック受入部22Bに入る。タブレット1を更にキーボード装置2に近づけていくと、やがて図8(b)に示す状態になる。
図8(b)に示す状態では、フック12の頭部12Cが結合溝22のフック受入部22Bの内壁に当接し、タブレット1はこれ以上キーボード装置2に近づけない。一方、図8(b)に示す状態になると、前述のセンサS1がオンになり、駆動ユニットが動作して駆動バー13を図8(c)に示すように矢印L2で示す方向に移動させる。駆動バー13の矢印L2で示す方向への移動により、フック12が矢印CWで示す方向に回転する。
駆動バー13が更に矢印L2で示す方向に移動すると、フック12が矢印CWで示す方向に更に回転し、図8(d)に示すように、フック12の頭部12Cの円周部がフック作用部22Cのキーボード装置側の内壁W1に当接してこれを押す。フック12の頭部12Cの円周部がフック作用部22Cの内壁W1を押すと、タブレット1が矢印PLで示すようにキーボード装置2に近づく。図8(e)は駆動バー13の左方向への移動がスライド孔23とガイドピン24によって止まり、フック12が回転を終了してタブレット1がキーボード装置2に結合された状態を示すものである。
図9(a)は図8(e)と同じ状態を示すものである。この状態において、図示を省略したタブレットの取り出しスイッチが押されたとする。タブレットの取り出しスイッチが押されると、着脱機構10の駆動ユニットが動作してタブレット1をキーボード装置2から切り離す動作を行う。駆動ユニットが動作すると、図9(b)に示すように駆動バー13が矢印R2で示す方向に移動し、フック12がフック作用部22C内で矢印CCWで示す方向に回転する。
フック12がフック作用部22C内で矢印CCWで示す方向に回転し、フック12の頭部12Cが結合溝22の上側の内壁W2を押すと、図9(c)に示すようにタブレット1が矢印PUで示すようにキーボード装置2から離れる方向に押し上げられる。フック12の回転は、図9(d)に示すように、駆動バー13が矢印R2方向に移動して、スライド孔23の左端がガイドピン24に当接するまで継続する。駆動バー13の移動が止まり、フック12の回転が止まった状態では、フック12の頭部12Cは結合孔22のフック受入部22Bの内部に位置する。
図9(d)に示した状態では、フック12と結合溝22との係合が外れ、フック12の頭部12Cが結合孔22のフック受入部22Bの内部に位置しているので、タブレット1は図9(e)に示すように、キーボード装置2から容易に引き抜くことができる。このように、本出願の第1の形態の第1の実施例の着脱機構10を備える情報機器3では、タブレット1とキーボード装置2との着脱を、着脱機構10の電動動作により、自動的に容易に行うことができる。
次に、本出願の第1の形態の第2の実施例の着脱機構10Aを内蔵するタブレット1とキーボード装置2を備える情報機器3の構造と動作を図10を用いて説明する。図10(a)はタブレット1とキーボード装置2に設けられた着脱機構10Aの構造を示すものである。タブレット1とキーボード装置2には、第1の実施例と同様に、キーボード装置2に位置合わせ用のガイド部材11があり、タブレット1にガイド部材11が挿入されるガイド溝21がある点は同様である。また、第2の実施例では、第1の実施例で説明したコネクタ、タブレット1のキーボード装置2への接近を検出するセンサ及びタブレット1のキーボード装置2からの取り出しスイッチの図示は省略してあり、着脱機構10Aの構造だけが示してある。
第2の実施例の着脱機構10Aでは、タブレット1のキーボード装置2と結合する側の辺の2箇所に、雌ネジ26が設けられている。また、キーボード装置2側の着脱機構10Aには、ガイド部材11とガイド溝21によりタブレット1とキーボード装置2の位置が合った状態で、雌ネジ26に対向する位置に雄ネジ27が設けられている。雄ネジ27はモータ28の回転軸に取り付けられ、回転可能になっている。
第2の実施例の着脱機構10Aを内蔵する情報機器3では、図10(a)に示すようにキーボード装置2にタブレット1を近づけ、ガイド溝21にガイド部材11を、図10(b)に示すように挿入する。キーボード装置2に設けられた図示を省略したセンサがタブレット1の近接を検出するとモータ28が駆動され、雄ネジ27が時計回りに回転する。雄ネジ27が雌ネジ26に噛み合うと、タブレット1がキーボード装置2側に引き寄せられる。
タブレット1がキーボード装置2に結合した状態を図10(c)に示す。タブレット1がキーボード装置2に結合した状態は図示を省略したセンサによって検出され、タブレット1とキーボード装置2の結合が完了すると、モータ28の回転が停止される。一方、図10(c)に示した状態で図示を省略した取り出しスイッチが押されると、モータ28が逆方向に回転し、雄ネジ27が反時計方向に回転する。雄ネジ27の反時計方向の回転により、雌ネジ26が雄ネジ27から離れる方向に移動し、雄ネジ27と雌ネジ26の歯合が無くなると、モータ28の回転が止まり、タブレット1をキーボード装置2から取り出せるようになる。
第2の実施例の着脱機構10Aを内蔵する情報機器3によれば、簡素な着脱機構10Aの構造で、キーボード装置2に対するタブレット1の着脱を電動で容易に行うことができる。
以上説明した着脱機構10,10Aはタブレット1とキーボード装置2との着脱を電動によって行うものであった。一方、電動動作のみを行う着脱機構10,10Aでは、キーボード装置2に内蔵されたバッテリの充電量が無くなって電源が消失すると、モータ18を駆動することができなくなり、タブレット1とキーボード装置2との着脱ができなくなる。そこで、第1の形態の第1の実施例の着脱機構10に手動着脱機構30を追加した第3の実施例の着脱機構10Bを搭載した情報機器3を次に説明する。
図11(a)は本出願の第1の形態の第1の実施例の着脱機構10に手動着脱機構30を追加した第3の実施例の着脱機構10Bを搭載した情報機器3の一実施例の外観を示すものである。また、図11(b)は図11(a)に示した情報機器3のタブレット1とキーボード装置2の着脱機構10Bを備えた部分を部分的に拡大したものである。情報機器3はタブレット1とキーボード装置2とから形成されており、キーボード装置2の上面には手動着脱機構30の手動操作レバー31が設けられている。
図11(c)は図11(b)に示した第3の実施例の着脱機構10Bの構造を示す斜視図である。また、図12(a)は図11(c)に示した着脱機構10Bの一部を分解して着脱機構10Bの構造を詳細に示すものである。第3の実施例の着脱機構10Bは、第1の実施例の着脱機構10に手動着脱機構30を追加したものであり、追加した手動着脱機構30以外の構造は第1の実施例の着脱機構10とほぼ同じである。そこで、第3の実施例の着脱機構10Bの構造の説明に際しては、第1の実施例の着脱機構10と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明を省略し、手動着脱機構30の構造について詳しく説明する。
図12(a)に示すように、手動着脱機構30は、手動操作レバー31、押圧レバー32、引張りバネ33、移動ラック34、切欠部35、バネ取付柱36、レバーポスト37、付勢溝38及びレバー孔39を備えている。手動操作レバー31は駆動バー13の側面に突設され、その操作端が図11(b)に示したようにキーボード装置2の筐体から露出している。
押圧レバー32は、図12(b)にその詳細を示すようにL字状をしており、キーボード装置2の筐体に突設されたレバーポスト37に搖動可能に取り付けられている。押圧レバー32の長い方のアームの先端部にはバネ取付柱36が突設されており、バネ取付柱36には図12(a)に示す引張りバネ33の一端が取り付けられる。引張りバネ33の他端は、キーボード装置2の筐体に突設されたバネ取付柱36に取り付けられる。また、押圧レバー32の短い方のアームの先端部に取り付けられたピン32Pは、駆動バー13の上端部に設けられた付勢溝38に係合している。更に、駆動バー13にはキーボード装置2の筐体に突設されたレバーポスト37を挿通するためのレバー孔39が設けられている。駆動バー13はスライドするので、レバー孔39は駆動バー13がスライドしてもレバーポスト37に当接しないように長孔となっている。
ここで、図13を用いて押圧レバー32、引張りバネ33、バネ取付柱36、レバーポスト37、付勢溝38及びレバー孔39を備えた付勢機構40が駆動バー13を付勢する動作について説明する。図13(a)は図12(b)と同じ状態の付勢機構40を備えた着脱機構10Bを示すものである。この状態では、駆動バー13が最も右側に移動しており、フック12が左側に回転した状態にあり、キーボード装置2の着脱機構10Bにタブレット1を載置することができる。
図13(b)は、タブレット1がキーボード装置2の着脱機構10Bに載置されたが、結合されていない状態における付勢機構40の動作を説明するものである。駆動バー13が最も右側に移動した状態では、ガイドピン24は駆動バー13にあるスライド孔23の左端の位置にある。この状態では押圧レバー32のバネ取付柱36はレバーポスト37より下側にあり、2つのバネ取付柱36の間に掛け渡された引張りバネ33の引張力Fsにより、押圧レバー32は矢印Tで示す方向に回転力(トルク)を発生している。この回転力により押圧レバー32の短いアームの先端部(図12(b)で説明したように押圧レバー32に突設されたピン32Pが、駆動バー13の付勢溝38に係合している)が、付勢溝38を介して駆動バー13に矢印Fで示す力を印加している。よって、駆動バー13は付勢機構40によって右側に付勢されている。
図13(c)は、図13(b)に示した状態からモータが回転し、駆動バー13が最も左側に移動した状態を示すものである。駆動バー13が最も右側に移動した状態では、ガイドピン24は駆動バー13にあるスライド孔23の右端の位置にある。この状態では押圧レバー32のバネ取付柱36はレバーポスト37より上側にあり、2つのバネ取付柱36の間に掛け渡された引張りバネ33の引張力Fsにより、押圧レバー32は矢印Taで示す方向に回転力(トルク)を発生している。この回転力により押圧レバー32の短いアームの先端部が、付勢溝38を介して駆動バー13に矢印Faで示す力を印加している。よって、駆動バー13は付勢機構40によって左側に付勢されている。
移動ラック34は、第1の実施例の着脱機構10におけるラック14を、駆動バー13の長手方向に相対移動可能にしたものであり、図12(c)に示すように駆動バー13には移動ラック34を移動させるための切欠部35が設けられている。駆動バー13の長手方向における切欠部35の長さは、移動ラック34の長さよりも長く、移動ラック34が切欠部35の一端に位置する時に、他端には隙間Lが空くようになっている。隙間Lの長さは、駆動バー13が往復動する長さに等しく形成すれば良い。移動ラック34はウォームホイール15に歯合しており、ウォームホイール15の回転により切欠部35の内部を往復動することができる。
ウォームホイール15は取付板15Bの一端に突設された回転軸15Aに回転自在に取り付けられており、取付板15Bはキーボード装置2の筐体に突設された取付ポスト15Pに固着されている。ウォームホイール15はギヤヘッド17を備えるモータ18の回転軸に取り付けられたウォーム16に歯合しており、モータ18が回転すると回転して移動ラック34を移動させる。
このように、第1の形態の第3の実施例の着脱機構10Bでは、モータが回転して移動ラック34が駆動バー13を移動させた後に、付勢機構40により、駆動バー13は移動した方向の付勢力を受ける。このため、駆動バー13を移動させた移動ラック34がその後も同じ位置に留まる必要がなく、切欠部35内のどこに移動しても駆動バー13は移動した状態を保持することになる。
第1の形態の第3の実施例の着脱機構10Bを備える情報機器3では、タブレット1とキーボード装置2の着脱を、図14に示すように、電動動作でも手動操作でも行うことができる。即ち、電動動作の場合は、タブレット1を電動で引き込んでキーボード装置2に結合することができると共に、電動でタブレット1を押し上げてキーボード装置2から分離することが出来る。また、手動操作の場合は、手動操作レバー31を矢印L方向に移動させてタブレット1を引き込んでキーボード装置2に結合し、手動操作レバー31を矢印R方向に移動させてタブレット1を押し上げてキーボード装置2から分離することが出来る。この電動動作と手動操作については後に詳しく説明する。
図15は第1の形態の第3の実施例の着脱機構10Bを動作させる駆動回路50を示す回路図である。前述のように、着脱機構10Bには、フック12、駆動バー13、移動ラック34、ウォームホイール15、ウォーム16、ギヤヘッド17、モータ18及び手動操作レバー31がある。また、タブレット1には取出しボタン7があり、タブレット1とキーボード装置2の間にはヒンジ機構5が設けられている。着脱機構10Bを電動動作させる駆動回路50は、制御部51、モータドライバ52及び制御部51とモータドライバ52に電力を供給する電源53を備える。
タブレット1のキーボード装置2への接近を検出するセンサS1の出力、駆動バー13の位置を検出するセンサS2L,S2Rの出力、及び移動ラック34の位置を検出するセンサS3の出力は制御部51に入力される。また、制御部51にはタブレット1に設けられた取出しボタン7からの信号も入力される。制御部51はこれらの入力信号に基づいてモータ18の回転を制御する制御信号をモータドライバ52に出力し、モータドライバ52が制御信号に基づいてモータ18を正回転或いは逆回転させる。
以上のような構成を備える駆動回路50による着脱機構10Bの、手動操作を併用可能な駆動制御をタブレット1をキーボード装置2に引き込む動作と、タブレット1をキーボード装置2から押し上げる動作に分けて説明する。なお、この駆動回路50による着脱機構10Bの駆動制御については、図17及び図19に示す着脱機構10Bのモデル10Mを使用して説明する。モデル10Mには、タブレット1とキーボード装置2の結合動作と分離動作に関わる部材のみが示されており、位置合わせ機構や駆動バー13の付勢機構等の部材は図示を省略してある。
まず、図17(a)を用いて着脱機構のモデル10Mの構造を説明する。タブレット1には結合溝22が設けられている。結合溝22には入口部22Aを備えたフック受入部22Bがあり、フック受入部22Bの途中から垂直方向にフック作用部22Cが延伸されて設けられている。結合溝22のキーボード装置2側にある内壁W1がタブレット1をキーボード装置2側に引き込む際に使用され、対向する位置にある内壁W2がキーボード装置2からタブレット1を押し上げる際に使用される。
キーボード装置2には、センサS1,S2L,S2R、S3、フック12、駆動バー13、ウォームホイール15、ウォーム16、モータ18、スライド孔23、ガイドピン24、手動操作レバー31、移動ラック34及び切欠部35が設けられている。センサS1はキーボード装置2へのタブレット1の近接を検出する。センサS2L,S2Rは駆動バー13の位置を検出する。駆動バー13が最も右側に移動してガイドピン24がスライド孔23の左端にある時はセンサS2Rがオンし、駆動バー13が最も左側に移動してガイドピン24がスライド孔23の右端にある時はセンサS2Lがオンする。
フック12はタブレット1がキーボード装置2に近づいた状態では、タブレット1の結合溝22の入口部22Aに対向しており、駆動バー13の左方向への移動により右回転し、右方向への移動により左回転する。手動操作レバー31は駆動バー13の側面に突設されており、先端部がキーボード装置2の上面に露出している。手動操作レバー31の先端部を手動操作で左右に移動させることにより、駆動バー13が左右に移動する。
駆動バー13の中ほどには矩形状の切欠部35が設けられ、切欠部35内を移動ラック34が往復動できるようになっている。切欠部35の長さは、移動ラック34の長さよりも、駆動バー13の左右方向への移動距離分だけ長く形成されている。移動ラック34にはキーボード装置2に軸支されたウォームホイール15が噛み合っており、ウォームホイール15はモータ18の回転軸に取り付けられたウォーム16に噛み合っている。
そして、モータ18が正回転(時計方向に回転)するとウォームホイール15が左回転して移動ラック34が左に移動し、切欠部35の左端を押して移動バーを左方向に移動させる。モータ18が逆回転(反時計方向に回転)するとウォームホイール15が右回転して移動ラック34が右に移動し、切欠部35の右端を押して移動バーを右方向に移動させる。センサS3は移動ラック34の切欠部35の内部の位置を検出するものであり、移動ラック34が切欠部35の右端に位置する時にオンし、左端に位置する時にオフする。
ここで、以上のような構造を備えるモデル10Mにおいて、図15に示した制御部51が、タブレット1をキーボード装置2に引き込む動作を、図16に示すフローチャートと図17(a)〜(d)を用いて説明する。ステップ161では、センサS1がオンになったか否かが判定される。センサS1がオンになっていない場合(NO)はこのままこのルーチンを終了する。この状態では、移動ラック34は図17(a)に示す位置(スタンバイ位置)にあり、移動ラック34は待機中である。
一方、ステップ161においてセンサS1がオンになったと判定された場合(YES)はステップ162に進む。この場合は、タブレット1とキーボード装置2の位置が合わされて、タブレット1がキーボード装置2の着脱機構に載った状態であり、この状態が図17(b)に示される。図17(b)に示す状態は、キーボード装置2のフック12がタブレット1の結合溝22の入口部22Aを通ってフック受入部22Bに入った状態であり、タブレット1とキーボード装置2はまだ結合されていない。また、センサS2Rがオンになっている。センサS2Rがオンになっているので、ステップ162では、制御部51がモータ18を正回転させる。
モータ18が正回転すると、移動ラック34が左に移動して駆動バー13を左に移動させ、この結果、フック12が右回転する。制御部51はステップ162でモータ18を正回転させた後はステップ163でセンサS2Lがオンになったか否かを監視する。そして、センサS2Lがオンになっていない時(NO)は駆動バー13の左方向への移動が終了していないので、ステップ162に戻ってモータ18を正回転させ続ける。モータ18が正回転を続けると、フック12が右回転し、フック12の頭部12Cが結合溝22の内壁W1を押圧してタブレット1をキーボード装置2側に引き込む。
一方、ステップ163においてセンサS2Lがオンになった時(YES)は、駆動バー13の左方向への移動が終了したと判定してステップ164に進み、モータ18の回転を停止させる。この状態が図17(c)に示され、この状態はタブレット1がキーボード装置2に結合した状態であり、駆動バー13は最も左側に移動しており、ガイドピン24がスライド孔23の右端に位置している。また、センサS2Lがオンしており、センサS2Rがオフしている。
ステップ164でモータ18の回転を停止させた後はステップ165に進み、制御部51はモータ18を逆回転させる。この時、センサS3はオフしている。モータ18の逆回転により、移動ラック34が切欠部35内を右側に移動する。制御部51はステップ165でモータ18を逆回転させた後はステップ166でセンサS3がオンになったか否かを監視する。そして、センサS3がオンになっていない時(NO)は移動ラック34の右方向への移動が終了していないので、ステップ165に戻ってモータ18を逆回転させ続ける。
一方、ステップ166においてセンサS3がオンになった時(YES)は、移動ラック34の切欠部35内の最も右側の位置(スタンバイ位置)に達したと判定してステップ167に進み、モータ18の回転を停止させる。この状態が図17(d)に示される。タブレット1はキーボード装置2に結合した状態であり、駆動バー13は最も左側に移動したままであり、変化したのは切欠部35内の移動ラック34の位置だけである。
なお、図17(c)に示す状態から移動ラック34が切欠部35内を右方向に移動しても、駆動バー13は図13で説明したように、付勢機構(図示省略)によって左方向に付勢されているので、タブレット1とキーボード装置2の結合状態は保持されている。タブレット1とキーボード装置2の結合状態では、移動ラック34は切欠部35内のスタンバイ位置で待機している。
次に、タブレット1とキーボード装置2が結合した図17(d)に示す状態から、図15に示した制御部51が、タブレット1をキーボード装置2から押し出す動作を、図18に示すフローチャートと図19(a)〜(d)を用いて説明する。ステップ181では、取り出しボタン7が押されたか否かが判定される。取出しボタン7が押されていない場合(NO)はこのままこのルーチンを終了する。この状態では、移動ラック34はスタンバイ位置にあって待機中である。
一方、ステップ181において取出しボタン7がオンになったと判定された場合(YES)はステップ182に進む。ステップ182では、制御部51がモータ18を逆回転させる。モータ18が逆回転すると、移動ラック34が右に移動して駆動バー13を右に移動させ、この結果、フック12が左回転する。制御部51はステップ182でモータ18を逆回転させた後はステップ183でセンサS2Rがオンになったか否かを監視する。そして、センサS2Rがオンになっていない時(NO)は駆動バー13の右方向への移動が終了していないので、ステップ182に戻ってモータ18を逆回転させ続ける。
モータ18が逆回転を続けると、図19(a)に示すように、フック12が左回転し、フック12の頭部12Cが結合溝22の内壁W2を押圧してタブレット1をキーボード装置2側から押し上げる。ステップ183においてセンサS2Rがオンになった時(YES)は、駆動バー13の右方向への移動が終了したと判定してステップ184に進み、モータ18の回転を停止させる。この状態が図19(b)に示される。この状態はタブレット1とキーボード装置2との結合が解除された状態であり、駆動バー13は最も右側に移動しており、ガイドピン24がスライド孔23の左端に位置している。また、センサS2Lがオフしており、センサS2Rがオンしている。
ステップ184でモータ18の回転を停止させた後はステップ185に進み、センサS1がオフか否かを判定する。センサS1がオンの時(NO)はキーボード装置2からタブレット1が除去されていない状態であり、制御部51はセンサS1がオフされるまで待機する。ステップ185でセンサS1がオフの時(YES)はキーボード装置2からタブレット1が除去された状態であり、この状態が図17(c)に示される。ステップ185でセンサS1がオフの時(YES)はステップ186に進み、制御部51はモータ18を正回転させる。この時、センサS3はオンしている。
モータ18の正回転により、移動ラック34が切欠部35内を左側に移動する。制御部51はステップ186でモータ18を正回転させた後はステップ187でセンサS3がオフになったか否かを監視する。そして、センサS3がオフになっていない時(NO)は移動ラック34の左方向への移動が終了していないので、ステップ186に戻ってモータ18を正回転させ続ける。
一方、ステップ187においてセンサS3がオフになった時(YES)は、移動ラック34は切欠部35内の最も左側の位置(スタンバイ位置)に達したと判定してステップ188に進み、モータ18の回転を停止させる。この状態が図19(d)に示される。タブレット1はキーボード装置2から除去されており、駆動バー13は最も右側に移動した状態であり、移動ラック34は切欠部35内の左端のスタンバイ位置にある。
なお、図19(c)に示す状態から移動ラック34が切欠部35内を左方向に移動しても、駆動バー13は図13で説明したように、付勢機構(図示省略)によって右方向に付勢されているので、最も右側に移動した状態が保持されている。
次に、図17及び図19に示す着脱機構10Bのモデル10Mを使用して着脱機構10Bにおける手動操作によるタブレット1のキーボード装置2との着脱操作について説明する。タブレット1とキーボード装置2の位置が合わされて、タブレット1がキーボード装置2の着脱機構に載った図17(b)に示される状態において、図15に示す電源53が消失している場合を考える。図17(b)に示す状態は、キーボード装置2のフック12がタブレット1の結合溝22の入口部22Aを通ってフック受入部22Bに入った状態であり、タブレット1とキーボード装置2はまだ結合されていない。この状態において電源53が消失していると、制御部51がモータ18を正回転させることができない。
この場合は、図17(b)に示す状態において、手動操作レバー31を手動により左側に移動させる。この時移動ラック34は切欠部35の左端位置にあり、移動ラック34の右側の切欠部35には隙間がある。従って、駆動バー13はこの隙間を無くすように左側に移動可能である。このため、図17(b)に示す状態において、手動操作レバー31を手動により左側に移動させると、移動ラック34が全く動かない状態でも駆動バー13が左側に移動し、フック12が右回転してタブレット1をキーボード装置2に結合させることができる。手動操作レバー31を手動により左側に移動させてタブレット1がキーボード装置2に結合した状態は図17(d)に示す状態と同じである。
逆に、タブレット1とキーボード装置2が結合した図17(d)に示す状態において、図15に示した制御部51が、タブレット1をキーボード装置2から押し出そうとした時に、図15に示す電源53が消失している場合を考える。図17(d)に示す状態において電源53が消失していると、制御部51がモータ18を逆回転させることができない。
この場合は、図17(d)に示す状態において、手動操作レバー31を手動により右側に移動させる。この時移動ラック34は切欠部35の右端位置にあり、移動ラック34の左側の切欠部35には隙間がある。従って、駆動バー13はこの隙間を無くすように右側に移動可能である。このため、図17(d)に示す状態において、手動操作レバー31を手動により右側に移動させると、移動ラック34が全く動かない状態でも駆動バー13が右側に移動し、フック12が左回転する。フック12が左回転すると、その頭部12Cが結合溝22の内壁W2に当接してこれを押し上げ、フック12と結合溝22との結合を解除してタブレット1をキーボード装置2から分離可能にすることができる。手動操作レバー31を手動により右側に移動させてタブレット1がキーボード装置2から分離された状態は図19(b)に示す状態と同じである。
このように、第3の実施例の着脱機構10Bを備える情報機器3では、電動機構によってスムーズにタブレット1とキーボード装置2との着脱を行えると共に、電源消失時には手動操作レバーによりタブレット1とキーボード装置2との着脱を行える。このため、タブレットの使い勝手と信頼性が向上する。
図20(a)は本出願の第2の形態の一実施例の着脱機構60を搭載したタブレット1とキーボード装置2を備える情報機器3の外観を示すものであり、キーボード装置2にタブレット1が接続された状態を示している。なお、第2の形態の着脱機構60を搭載したタブレット1とキーボード装置2を備える情報機器3においては、第1の形態の第1と第3の実施例の着脱機構10,10Bにおける構成部材と同じ構成部材には同じ符号を付して説明する。本実施例では、キーボード装置2に対してタブレット1を左側に移動させて両者を結合する実施例を説明するが、キーボード装置2に対してタブレット1を右側に移動させて両者を結合する実施例も可能である。
図20(b)は図20(a)に示した情報機器3のタブレット1とキーボード装置2の、着脱機構60を備えた部分を部分的に拡大したものである。キーボード装置2にはヒンジ機構5が設けられているが、ヒンジ機構5は本願には直接関係がないので以後の説明を省略する。また、図20(c)は図20(b)に示した着脱機構60の構造を、キーボード装置2の筐体を透視して示すものである。また、図21は図20(c)に示した着脱機構60のタブレット1側の機構とキーボード装置2側の機構を分離して示すものである。
図21に示すように、着脱機構60のタブレット1側には、2つの結合溝62、3つの雌コネクタ59A,59B,59Cが設けられたスライド溝63A,63B,63C及びラック64がある。2つの結合溝62は、第1の形態におけるガイド部材とガイド溝を兼ねるものであり、タブレット1をキーボード装置2に結合する際の位置合わせに使用される。結合溝62には入口部62A,フック挿入部62B及びフック係合部62Cがある。3つの雌コネクタ59A,59B,59Cは、第1の形態における雌コネクタが3分割されたものである。3つの雌コネクタ59A,59B,59Cは、3つのスライド溝63A,63B,63Cの一方の端部に取り付けられている。ラック64はタブレット1のキーボード装置2との結合端に固定して設けられている。
着脱機構60のキーボード装置2側には、2つのフック42、ウォーム16、ギヤヘッド17の付いたモータ18、摩擦クラッチを内蔵するウォームホイール44,46、及び3つの雄コネクタ49A,49B,49Cがある。3つの雄コネクタ49A,49B,49Cは第1の形態における雄コネクタが3分割されたものであり、3つの雌コネクタ59A,59B,59Cに対応している。フック42は、タブレット1の下端部1Bに設けられた結合溝62に挿入され、結合前のタブレット1のキーボード装置2に対する位置を合わせる。フック42はキーボード装置2に固定されており、フック42の頭部42Cは鉤状に湾曲している。
また、着脱機構60には、4つのセンサPS1,PS2、PS3L,PS3Rが設けられている。センサPS1、PS2は例えばフォトセンサであり、着脱機構60の左右に設けられており、キーボード装置2にタブレット1が載置されたか否かを検出する。センサPS1、PS2はキーボード装置2にタブレット1が載置されたことを検出するとオンするものとする。センサPS3L,PS3Rはキーボード装置2に対するタブレット1の移動範囲に並んで設けられており、タブレット1がキーボード装置2との結合位置まで移動したか、或いはキーボード装置2に載置されただけかを検出する。タブレット1がキーボード装置2に載置されただけの時はセンサPS2Rがオンし、タブレット1がキーボード装置2に結合された時はセンサPS3Lがオンするものとする。
3つの雄コネクタ49A,49B,49Cは、2つのフック12がタブレット1にある結合溝62に位置合わせされた時に、タブレット1の3つのスライド溝63A,63B,63Cに挿入されるようになっている。この状態では、3つの雄コネクタ49A,49B,49Cは3つの雌コネクタ59A,59B,59Cに結合していない状態にある。ウォーム16、ギヤヘッド17の付いたモータ18の構造は第1の形態と同じである。
摩擦クラッチを内蔵するウォームホイール44,46は、図22(a)、(b)に示すように、ウォームホイール44がラック64に歯合しており、ウォームホイール46がウォーム16に歯合している。従って、ウォームホイール46が駆動側ウォームホイールであり、ウォームホイール44が従動側ウォームホイールである。また、ウォームホイール44とウォームホイール46は摩擦クラッチ45を介して結合している。図22(c)に示すように、ウォームホイール46がウォーム16によって駆動されると、ウォームホイール44は摩擦クラッチ45の摩擦力によってウォームホイール46の回転に追従して回転し、ラック64を移動させる。
そして、モータ18が正回転(時計回りに回転)すると、図22(c)に示すように摩擦クラッチ45を備えるウォームホイール44,46が左方向に回転(反時計回りに回転)し、ラック64が左方向に移動する。ラック64が左方向に移動させられると、タブレット1も左方向に移動し、フック42が結合溝62のフック係合部62Cに入ってタブレット1とキーボード装置2の結合を行う。また、タブレット1の左方向への移動により、3つの雄コネクタ49A,49B,49Cがスライド溝63A,63B、63Cをスライドしては3つの雌コネクタ59A,59B,59Cに結合する。
一方、ラック64を通じてウォームホイール44に大きな回転力が加わり、その回転力が摩擦クラッチ45の摩擦力を超えると、ウォームホイール44はウォーム16で回転を止められたウォームホイール46に対して回転することができる。
図23は第2の形態の着脱機構60を動作させる駆動回路50を示す回路図である。前述のように、着脱機構60には、フック42、ラック64、ウォームホイール15、ウォーム16、ギヤヘッド17、モータ18及び3つの雄コネクタ49A,49B,49Cと3つの雌コネクタ59A,59B,59Cがある。また、タブレット1には取出しボタン7があり、タブレット1とキーボード装置2の間にはヒンジ機構5が設けられている。着脱機構60を電動動作させる駆動回路50は、制御部51、モータドライバ52及び制御部51とモータドライバ52に電力を供給する電源53を備える。
タブレット1のキーボード装置2への接近を検出するセンサPS1、PS2の出力及びタブレット1のキーボード装置2に対する位置を検出するセンサPS3L,PS3Rの出力は制御部51に入力される。また、制御部51にはタブレット1に設けられた取出しボタン7からの信号も入力される。制御部51はこれらの入力信号に基づいてモータ18の回転を制御する制御信号をモータドライバ52に出力し、モータドライバ52が制御信号に基づいてモータ18を正回転或いは逆回転させる。
以上のような構成を備える駆動回路50による着脱機構60の、手動操作を併用可能な駆動制御をタブレット1をキーボード装置2に結合する動作と、タブレット1とキーボード装置2の結合を解除する動作に分けて説明する。なお、この駆動回路50による着脱機構60の駆動制御については、図26及び図27に示す着脱機構60の動作を併用して説明する。
ステップ241では、センサPS1、PS2がオンになったか否かが判定される。センサPS1、PS2がオンになっていない場合(NO)はこのままこのルーチンを終了する。一方、ステップ241においてセンサPS1、PS2がオンになったと判定された場合(YES)はステップ242に進む。この場合は、タブレット1とキーボード装置2の位置が合わされて、タブレット1がキーボード装置2の着脱機構60に載った状態であり、この状態が図26(a)に示される。
図26(a)に示す状態は、キーボード装置2のフック42がタブレット1の結合溝62の入口部62Aを通ってフック挿入部62Bに入った状態であり、タブレット1とキーボード装置2はまだ結合されていない。また、センサPS3Rがオンになっている。センサPS3Rがオンになっているので、ステップ242では、制御部51がモータ18を正回転させる。
モータ18が正回転すると、図26(b)に示すように、ウォームホイール46が左に回転し、摩擦クラッチ45を通じてウォームホイール44も左に回転し、この結果、ラック64が左に移動する。制御部51はステップ242でモータ18を正回転させた後はステップ243でセンサPS3Lがオンになったか否かを監視する。そして、センサPS3Lがオンになっていない時(NO)はタブレット1の左方向への移動が終了していないので、ステップ242に戻ってモータ18を正回転させ続ける。モータ18が正回転を続けると、タブレット1がキーボード装置2に対して左側に移動し、フック42が結合溝62のフック係合部62Cに入って嵌合する。
タブレット1がキーボード装置2に対して左側に移動し、フック42が結合溝62のフック係合部62Cに入って嵌合した状態ではステップ243の判定がYESになる。ステップ243の判定がYESになると、制御部51はタブレット1の左方向への移動が終了したと判定してステップ244に進み、モータ18の回転を停止させる。この状態が図26(b)に示され、この状態はタブレット1がキーボード装置2に結合した状態であり、3つの雄コネクタ49A,49B,49Cが3つの雌コネクタ59A,59B.59Cに結合している。また、センサPS3Lがオンしており、センサPS3Rがオフしている。
次に、タブレット1とキーボード装置2が結合した図26(b)に示す状態から、図23に示した制御部51が、タブレット1とキーボード装置2との結合を解除する動作を、図25に示すフローチャートと図26(c)、(d)を用いて説明する。ステップ251では、取り出しボタン7が押されたか否かが判定される。取出しボタン7が押されていない場合(NO)はこのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップ251において取出しボタン7がオンになったと判定された場合(YES)はステップ252に進む。ステップ252では、制御部51がモータ18を逆回転させる。モータ18が逆回転すると、図26(c)に示すように、ウォームホイール46が右に回転し、摩擦クラッチ45を通じてウォームホイール44も右に回転し、この結果、ラック64が右に移動する。
制御部51はステップ252でモータ18を逆回転させた後はステップ253でセンサPS3Rがオンになったか否かを監視する。そして、センサPS3Rがオンになっていない時(NO)はタブレット1の右方向への移動が終了していないので、ステップ252に戻ってモータ18を逆回転させ続ける。モータ18が逆回転を続けると、タブレット1がキーボード装置2に対して右側に移動し、フック42が結合溝62のフック係合部62Cから離脱する。
タブレット1がキーボード装置2に対して右側に移動し、フック42が結合溝62のフック挿入部62Bに入った状態ではステップ253の判定がYESになる。ステップ253の判定がYESになると、制御部51はタブレット1の右方向への移動が終了したと判定してステップ254に進み、モータ18の回転を停止させる。この状態が図26(c)に示され、この状態はタブレット1をキーボード装置2から分離できる状態であり、3つの雄コネクタ49A,49B,49Cも3つの雌コネクタ59A,59B.59Cとは結合していない状態である。また、センサPS3Lがオフしており、センサPS3Rがオンしている。この状態では、図26(d)に示すように、タブレット1をキーボード装置2から取り外すことができる。
次に、着脱機構60における手動操作によるタブレット1のキーボード装置2との着脱操作について説明する。タブレット1とキーボード装置2の位置が合わされて、タブレット1がキーボード装置2の着脱機構に載った図27(a)に示される状態において、図23に示す電源53が消失している場合を考える。図27(a)に示す状態は、キーボード装置2のフック42がタブレット1の結合溝62の入口部22Aを通ってフック挿入部62Bに入った状態であり、タブレット1とキーボード装置2はまだ結合されていない。この状態において電源53が消失していると、制御部51がモータ18を正回転させることができない。
この場合は、図27(a)に示す状態において、タブレット1を手動により左側に移動させる。この時、タブレットのラック64はキーボード装置2のウォームホイール44、摩擦クラッチ45及びウォームホイール46を通じてウォーム16に噛み合っている。ウォーム16は電源の消失でモータ18が回転できないために動かない。しかしながら、タブレット1を手動により左側に移動させると、ラック64に噛み合うウォームホイール44にラック64からの回転力が印加され、ウォームホイール44の回転力が摩擦クラッチ45の摩擦力を超えると、ウォームホイール44が回転する。
この結果、ウォームホイール44がウォームホイール46に対して回転し、図27(b)に示すように、タブレット1を手動により左側に移動させることができて、タブレット1をキーボード装置2に結合させることができる。
逆に、タブレット1とキーボード装置2が結合した図27(b)に示す状態において、図23に示した制御部51が、タブレット1とキーボード装置2との結合を解除しようとした時に、図23に示す電源53が消失している場合を考える。図27(b)に示す状態において電源53が消失していると、制御部51がモータ18を逆回転させることができない。
この場合は、図27(c)に示すように、タブレット1を手動により右側に移動させる。この時、タブレットのラック64はキーボード装置2のウォームホイール44、摩擦クラッチ45及びウォームホイール46を通じてウォーム16に噛み合っている。ウォーム16は電源の消失でモータ18が回転できないために動かない。しかしながら、タブレット1を手動により右側に移動させると、ラック64に噛み合うウォームホイール44にラック64からの回転力が印加され、ウォームホイール44の回転力が摩擦クラッチ45の摩擦力を超えると、ウォームホイール44が回転する。
この結果、ウォームホイール44がウォームホイール46に対して右回転し、図27(c)に示すように、タブレット1を手動により右側に移動させることができて、タブレット1とキーボード装置2との結合を解除させることができる。タブレット1とキーボード装置2との結合を解除させた状態では、フック42は結合溝62のフック挿入部62Bに入っているので、図27(d)に示すように、タブレット1をキーボード装置2から取り外すことができる。
このように、第2の形態の着脱機構60を備える情報機器3では、電動機構によってスムーズにタブレット1とキーボード装置2との着脱を行えると共に、電源消失時には手動操作によりタブレット1とキーボード装置2との着脱を行え、使い勝手が向上する。なお、第2の形態の着脱機構60において、手動による着脱が不要な場合には、2つのウォームホイールの間の摩擦クラッチを省略し、ウォームホイールを一体化すれば良い。
以上、本出願を特にその好ましい実施の形態を参照して詳細に説明した。本出願の容易な理解のために、本出願の具体的な形態を以下に付記する。
(付記1) 第1筐体と第2筐体とを備え、着脱機構により前記第1と第2筐体とを結合した状態で使用できる情報機器であって、前記着脱機構が、
前記第1と第2筐体に設けられ、前記第1と第2筐体の結合時に前記第1筐体を前記第2筐体との結合位置にガイドするガイド部材、前記ガイド部材により前記第1筐体が前記第2筐体との結合位置に来た時に前記第1と第2筐体とを結合する結合部材、及び前記結合時に前記第1と第2筐体とを電気的に接続するコネクタと、
前記第2筐体に設けられ、第2筐体側の前記結合部材に第1筐体側の前記結合部材との結合動作と分離動作とを行わせる結合部材駆動機構、前記結合部材駆動機構を動作させる電動駆動ユニット、前記第1筐体の前記第2筐体への接近の程度を検出するセンサ、前記第1と2筐体筐体の分離指令を生成するスイッチ、及び前記電動駆動ユニットと前記センサ及び前記スイッチに接続する制御部とを備え、
前記制御部は、前記センサからの信号により、前記第1筐体が前記第2筐体との結合位置に来た時に、前記電動駆動ユニットを駆動して前記結合部材駆動機構に前記結合動作を行わせ、前記取出しボタンからの信号により、前記電動駆動ユニットを駆動して前記結合部材駆動機構に前記分離除動作を行わせることを特徴とする情報機器。
(付記2) 前記制御部は、前記センサからの信号により、前記第1と2筐体が結合されたことを検出した時、及び前記結合部材の結合が解除されたことを検出した時に、前記電動駆動ユニットの駆動を停止することを特徴とする付記1に記載の情報機器。
(付記3) 前記着脱機構は、前記第1と第2筐体との結合を、前記第1と第2筐体の結合される辺に対して垂直な方向に行うように形成され、前記ガイド部材により前記第1筐体が前記第2筐体との結合位置に来た時に、前記結合部材及び前記コネクタは、前記垂直な方向において対向していることを特徴とする付記1又は2に記載の情報機器。
(付記4) 前記第1筐体側の結合部材が、前記辺に垂直な方向に設けられた矩形状の第1の溝と、前記第1の溝から前記辺に平行な方向に延伸された矩形状の第2の溝とを備える結合溝であり、
前記第2筐体側の結合部材が、前記第1の溝を挿通できる頭部と軸部とを備え、前記軸部はその基部が回転軸で前記第2筐体に軸支された結合フックであり、
前記結合フックは、前記頭部が前記第1の溝に挿通された後の前記軸部の回転によって前記第2の溝に係合して前記第1筐体を前記第2筐体側に移動させ、前記軸部の反対方向への回転によって前記第2の溝に係合して前記第1筐体を前記第2筐体から引き離す方向に移動させることを特徴とする付記3に記載の情報機器。
(付記5) 前記結合部材は、前記辺の前記コネクタが設けられている位置の両側に1つずつ設けられており、
前記結合部材駆動機構は、前記結合部材の結合フックを同時に同じ方向に回転させることができる駆動バーを備えていることを特徴とする付記4に記載の情報機器。
(付記6) 前記結合部材駆動機構に、前記電動駆動ユニットによる動作とは独立して前記駆動バーを移動させることができる手動結合部材駆動機構が設けられており、
前記手動結合部材駆動機構は、前記駆動バーの長手方向に設けられた切欠部と、前記電動駆動ユニットで駆動されて前記切欠部内を前記長手方向に移動可能な駆動バーの作動片と、前記駆動バーに一体的に設けられて外部から印加された力によって前記駆動バーを移動させる駆動バーの移動レバー、及び前記作動片と前記移動レバーによって前記駆動バーが移動させられると変位して前記駆動バーを常に移動させられた方向に付勢する付勢機構とを備え、
前記制御部は、前記電動駆動ユニットを駆動して前記結合部材駆動機構に前記結合動作及び前記分離除動作を行わせる時に、前記電動駆動ユニットにより前記作動片を移動させて前記切欠部の一方の端部を押すことによって前記駆動バーを移動させ、前記駆動バーを移動させた後は、前記前記電動駆動ユニットにより前記作動片を前記切欠部の他方の端部まで移動させることを特徴とする付記5に記載の情報機器。
(付記7) 前記作動片が前記切欠部内を移動できる距離が、前記電動駆動ユニットを駆動して前記結合部材駆動機構に前記結合動作及び前記分離除動作を行わせる時に、前記作動片が前記切欠部の一方の端部を押して前記駆動バーを移動させる距離に等しいことを特徴とする付記6に記載の情報機器。
(付記8) 前記付勢機構が、前記第2筐体に設けられた回転軸と、長いアームと短いアームとを備えて両アームの接続部が前記回転軸に軸支されたL字状レバーと、前記長いアームの先端部を付勢する弾性体と、前記短いアームの先端部に設けられた作動ピンとを備えており、
前記回転軸は前記駆動バーに設けられた長穴を貫通しており、前記作動ピンは前記駆動バーの長手方向の一方の辺に設けられた凹部内に前記駆動バーの短手方向に移動可能に係合しており、
前記駆動バーの移動によって前記作動ピンが前記凹部内を移動すると、前記L字状レバーが回転し、回転終了時の前記弾性体の付勢力により、前記作動ピンが前記駆動バーをその移動方向に付勢することを特徴とする付記6又は7に記載の情報機器。
(付記9) 前記着脱機構は、前記第1と第2筐体との結合を、前記第1と第2筐体の結合される辺に対して平行な方向に行うように形成され、前記結合部材駆動機構の一部が前記第1筐体に設けられ、前記結合部材駆動機構は、前記第1筐体側の結合部材と前記第2筐体側の結合部材の結合動作と分離動作とにおいて、前記第2筐体に対して前記第1筐体を前記平行な方向に移動させることを特徴とする付記1又は2に記載の情報機器。
(付記10) 前記コネクタが複数のコネクタに分割されており、前記複数のコネクタは、前記ガイド部材により前記第1筐体が前記第2筐体との結合位置に来た時に、前記平行な方向において対向していることを特徴とする付記9に記載の情報機器。
(付記11) 前記第1筐体側の結合部材が、前記辺に垂直な方向に設けられた矩形状の第1の溝と、前記第1の溝から前記辺に平行な方向に延伸された第2の溝とを備える結合溝であり、
前記第2筐体側の結合部材が、前記第1の溝を挿通できる頭部と軸部とを備え、前記軸部はその基部が前記辺に平行な方向に移動できる結合フックであり、
前記結合部材は、前記辺の前記複数のコネクタが設けられている領域の両側に1つずつ設けられており、
前記結合部材駆動機構は、前記ガイド部材により前記第1筐体が前記第2筐体との結合位置に来た時に、前記第2筐体に対して前記第1筐体を前記平行な方向に移動させ、
前記結合フックは、前記頭部が前記第1の溝に挿通された後に、前記第1筐体の前記辺に平行な方向への移動によって前記第2の溝に係合し、前記第1筐体の反対方向への移動によって前記第2の溝との係合を解除することを特徴とする付記10に記載の情報機器。
(付記12) 前記結合部材が前記ガイド部材を兼用していることを特徴とする付記7に記載の情報機器。
(付記13) 前記第1筐体に設けられた前記結合部材駆動機構の一部がラックであり、
前記結合部材駆動機構の残りの部分が前記電動駆動ユニットに駆動されるウォームと、前記ラックと前記ウォームとの間に設けられたウォームホイールであることを特徴とする付記9から12の何れかに記載の情報機器。
(付記14) 前記結合部材駆動機構に、前記電動駆動ユニットによる動作とは独立して前記駆動バーを移動させることができる手動結合部材駆動機構が設けられており、
前記手動結合部材駆動機構は、前記ウォームホイールを前記ウォームに螺号する第1のウォームホイールと、前記ラックに螺号する第2のウォームホイール、及び前記第1と第2のウォームホイールの間に設けられた摩擦クラッチから形成されることを特徴とする付記13に記載の情報機器。