JP6378954B2 - 浮体係留装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水上の浮体を係留する浮体係留装置に関する。
例えば石油生産施設、洋上風力発電施設、及び水産施設等の海洋や湖沼、河川等の水面上で運用される浮体式構造物は、カテナリー方式、TLP(Tension Leg Platform)方式、Taut方式等の種々の技術を用いて係留されている。
カテナリー方式では、チェーン等の係留索の重量を利用して浮体構造物を保持する。またTLP方式では、浮体構造物と水底に打設した杭とを鋼管で接続し、浮力によって生じる緊張力を利用して浮体構造物を保持する。さらに、Taut方式では、係留索に初期張力を発生させて係留索を緊張させた状態で係留することで浮体構造物を保持する。
ここで特許文献1には、カテナリー方式の一例として、シンカーと係留索との間にシンカーに対して回転する長尺構造体を設けた方式が開示されている。
特開平9−58575号公報
ところで、この種の係留装置では、暴風時など、浮体に極めて大きい水平力が作用したときには、水平力を逃がすために水平方向に大きく変位させる一方、浮体に小さい水平力が作用した場合には、水平方向の変位を一定に抑えることが望まれている。
しかしながら、上述したカテナリー方式では、暴風時などに備えて水平方向への変位量を大きく確保すると、浮体に小さい水平力が作用した場合に変位を一定に抑え難いという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、浮体を簡易な構造で安定的に係留することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
本発明の請求項1に係る浮体係留装置は、浮体を水底に係留する係留索と、前記係留索と前記浮体または前記水底との間に配置され、一端が前記係留索に固定されるとともに、他端が前記浮体または前記水底に対し、水平方向に延びる第1回転軸回りに回転可能に連結され、水中で浮力を受けて前記第1回転軸回りに回転する長尺部材と、前記長尺部材が前記浮力を受けて回転する方向に回転することを規制するストッパー部と、を備え、前記長尺部材は、水中での浮力により、前記ストッパー部に突き当たった定常位置となる
このような構成によれば、長尺部材は、水中での浮力により、ストッパー部に突き当たった定常位置となる。
そして、浮体に加えられた水平力によって長尺部材にストッパー部から離間する方向の力が作用した場合、この力による第1回転軸回りのモーメントが、長尺部材に作用する浮力による第1回転軸回りのモーメントよりも小さければ、長尺部材は回転せず、ストッパー部に突き当たった定常位置を維持されて、浮体の変位が抑えられる。
一方、浮体に加えられた水平力によって長尺部材に作用する、ストッパー部から離間する方向の力によるモーメントが、長尺部材に作用する浮力によるモーメントよりも大きくなれば、長尺部材が回転して、浮体の変位が許容される。
このように、ストッパー部で長尺部材の回転が規制されることで、長尺部材の回転が規制された状態で係留索を引っ張る場合と、長尺部材を回転させながら係留索を引っ張る場合と、の2つの場合を生じさせ、これらの2つの場合それぞれにおいて、浮体係留装置の特性を異ならせることができる。このようにして、浮体係留装置に非線形的な特性を付与することができる。
本発明の請求項2に係る発明において、上記請求項1に係る浮体係留装置では、前記長尺部材の一端と前記係留索との間に設けられ、前記長尺部材に対し、水平方向に延びる第2回転軸回りに回転可能に連結され、水中で浮力を受けて前記第2回転軸回りに回転する補助部材をさらに備え、前記補助部材は、前記長尺部材の浮力により前記長尺部材に発生する回転モーメントよりも、前記補助部材の浮力により前記補助部材に発生する回転モーメントの方が小さく、前記長尺部材が前記ストッパー部に突き当たった状態を維持しながら前記補助部材が前記第2回転軸回りに回転するよう設けられていてもよい。
このような構成によれば、補助部材においても、浮体に加えられた水平力による第2回転軸回りのモーメントが、補助部材に作用する浮力による第2回転軸回りのモーメントよりも小さければ、補助部材は回転しない。
一方、浮体に加えられた水平力によって補助部材に作用するモーメントが、補助部材に作用する浮力によるモーメントよりも大きくなれば、補助部材が回転する。ここで、補助部材の浮力により補助部材に発生する回転モーメントは、長尺部材の浮力により長尺部材に発生する回転モーメントよりも小さいので、浮体に加えられた水平力によって、補助部材を介して長尺部材にストッパー部から離間する方向の力が作用した場合、補助部材が長尺部材よりも先行して回転する。
請求項1の浮体係留装置によれば、浮体に大きい水平力が作用したときには、浮体の水平力を逃がすために長尺部材が回転して水平方向に大きく変位させる一方、浮体に小さい水平力が作用した場合には、長尺部材は回転せずに水平方向の変位を一定に抑える。このようにして、簡易な構造で浮体を安定的に係留することが可能となる。
請求項2の浮体係留装置によれば、浮力に基づく回転モーメントが長尺部材よりも小さい補助部材を備えることで、浮体に水平力が作用した場合には、補助部材が先行して変位する。これにより、浮体をより安定的に係留することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る浮体及び浮体係留装置の全体図である。 本発明の第一実施形態に係る浮体係留装置の連結部を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る浮体係留装置において、係留索の一端に作用する力の水平成分の大きさと、係留索の一端の水平変位量との関係を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る浮体係留装置を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る浮体係留装置において、係留索の一端に作用する力の水平成分の大きさと、係留索の一端の水平変位量との関係を示す図である。 本発明の第三実施形態に係る浮体係留装置を示す図である。 本発明の第四実施形態に係る浮体係留装置を示す図である。 本発明の第四実施形態に係る浮体係留装置を備えた浮体を上方から見た図である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態に係る浮体係留装置1Aについて、図面を参照して説明する。
図1に示すように、浮体係留装置1Aは、一端2aが水面上に浮く浮体3に固定される係留索2と、水底Gと係留索2の他端2bとの間に配される連結部4Aと、を備えている。そして、浮体3と浮体係留装置1Aとにより、水底Gに係留された構造体が構成されている。なお、浮体係留装置1Aが適用される浮体3の形状や寸法は何ら限定されるものではない。
浮体3は、例えば石油生産施設、洋上風力発電施設、及び水産施設等を上部に備え、水面上に浮かべられて運用される施設一般を指す。また、浮体3が運用される水面は、海洋、湖沼、河川のいずれであってもよい。
連結部4Aは、水底Gに固定されたベース部5と、回転支持部6を介してベース部5に支持されるとともに、ベース部5から離間する方向に沿って延びる長尺部材7と、ベース部5に支持されたストッパー部8と、を有する。
連結部4Aの長尺部材7はおおむね柱状に形成された部材であり、一方の端部(他端)は上述の回転支持部6によってベース部5に接続されている。回転支持部6は、水面に沿う方向に延びる第1回転軸回りに回転可能な状態で長尺部材7を支持する。この回転支持部6としては例えばヒンジ、ユニバーサルジョイント等が用いられる。
本実施形態では長尺部材7の内部は、少なくとも一部が中空に形成されている。また、長尺部材7は、全体として水よりも小さな比重となるように形成されている。これにより、長尺部材7は水に浮くようになっている。なお、ここで言う水とは、浮体3が運用される水面を構成する水全般を指すものであって、海水、淡水を問わない。
上述のように構成された連結部4Aの長尺部材7は、水中で浮力Bを受けて水底G側から水面側に起立して、ベース部5に設けられたストッパー部8と当接する。これにより、長尺部材7が水底G側から水面側に起立する方向への長尺部材7の回転が規制されている。本実施形態においてストッパー部8は、連結部4Aの長尺部材7の延在中途における一部と当接する。これにより、連結部4Aの長尺部材7は、ベース部5から離間するに従って上方(水面に向かう方向)に向かうように傾斜した状態で維持される。
係留索2は、その一端2aが水面上に浮く浮体3に固定されるとともに、一端と反対側の他端2bが、上述の連結部4Aにおける浮体3に近い側の端部(先端部)に接続される。係留索2としては、耐水性、耐食性を有する公知のケーブル状の部材が好適に用いられる。
係留索2は、浮体3を係留した状態において、十分な張力が作用することで緊張した状態とされている。すなわち、係留索2の長さは、水面上の浮体3から水底G上のベース部5までの寸法とおおむね同一となるように設定されている。これにより、係留索2の長さを不必要に長くすることなく、経済的である。また、係留索2が水底Gへの接触と非接触を繰り返しにくく、係留索2が摩耗してしまうのを防ぐことができる。
係留索2が緊張した状態において、水平方向に延びる基準線に対して係留索2が傾斜する角度θは、長尺部材7が前記基準線に対して傾斜する角度よりも小さい。
上記したような浮体係留装置1Aでは、係留索2および連結部4Aからなる1組の係留部材が、少なくとも1つ設けられていればよい。浮体係留装置1Aには、例えば、前記係留部材が、浮体3の周方向に間隔をあけて複数設けられていてもよい。前記係留部材の数は、浮体3に要求される係留力や、水底Gの地形に応じて適宜変更可能である。前記係留部材が周方向に複数設けられた浮体係留装置1Aでは、浮体3に水平力が作用していない標準状態において、各係留部材の係留索2の緊張力により、浮体3が水上の所定の位置に保持される。
図2に示すように、上述のように構成された浮体係留装置1Aにおいては、係留索2は、一端2aが浮体3に接続され、他端2bが連結部4Aを介して水底Gに接続されている。そして、定常位置(図2において実線で示した状態)において、連結部4Aの長尺部材7は、浮力Bを受けてストッパー部8に下方から突き当たった状態となっている。この定常位置では、長尺部材7には、浮力Bによって回転支持部6を中心として長尺部材7がストッパー部8に突き当たる方向の回転モーメントM1が作用している。
この定常位置で、浮体3に水平力Fh(図1参照)が加えられると、水平力Fhによって係留索2に生じる張力Tによって、長尺部材7に回転支持部6を中心とした回転モーメントM2が発生する。
発生した回転モーメントM2が、長尺部材7に作用している浮力Bによる回転モーメントM1よりも小さければ(M2<M1)、長尺部材7は、ストッパー部8に突き当たった定常位置を維持する。その結果、水平力Fhが作用した浮体3は水平方向に変位せず、そのままの位置に係留される。なおこのとき、浮体3が係留索2の伸縮により水平方向に僅かに変位してもよい。
また、浮体3に作用した水平力Fhによって、長尺部材7に発生する回転モーメントM2が、長尺部材7が受ける浮力Bによる回転モーメントM1よりも大きくなると(M2>M1)、長尺部材7は、回転支持部6を中心としてストッパー部8から離間する方向に回転する(図2において二点鎖線で示した状態)。これにより、浮体3は水平力Fhの方向に変位する。
図3は、上記のような挙動を示す浮体係留装置1Aにおいて、係留索2の浮体3との連結点である一端2aに作用する係留力の水平成分の大きさと、係留索2の一端2aの水平変位量との関係を示す図である。このグラフでは、横軸に水平変位量をとり、縦軸に係留力の水平成分の大きさをとっている。
浮体係留装置1Aは、ストッパー部8により長尺部材7の回転が規制され浮体3の水平変位が生じない場合と、係留力の水平成分が高まって長尺部材7を回転させて浮体3の変位が生じる場合と、の2つの場合が生じる。これにより、この図3に示すように、浮体係留装置1Aの係留特性は非線形なものとなる。
上述のような構成によれば、ストッパー部8によって、水底Gから水面に向かう方向への長尺部材7の回転が規制される。これにより、波浪や風等によって浮体3に働く外力が所定の閾値を超過するまでは、長尺部材7を静止させることができる。すなわち、波浪や風が軽度な状況下では長尺部材7は回転しないため、係留索2による張力によって浮体3を安定的に係留することが可能となる。
一方で、波浪や風が卓越し、浮体3に対して所定の閾値以上の外力が加わる状況下では、長尺部材7が回転することで、係留索2に付加される張力を緩和することができる。その結果、簡易な構造で浮体3を安定的に係留することが可能となる。
(第二実施形態)
続いて、本発明の第二実施形態について図面を参照して説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態と支持部材の構成が異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図4に示すように浮体係留装置1Bは、一端2aが水面上に浮く浮体3に固定される係留索2と、水底Gと係留索2の他端2bとの間に配される連結部4Bと、を備えている。
連結部4Bは、水底Gに固定されたベース部5と、回転支持部6を介してベース部5に支持されるとともに、ベース部5から離間する方向に沿って延びる長尺部材7と、長尺部材7の先端部に設けられた補助部材10と、ベース部5に支持されたストッパー部8と、を有する。
補助部材10は、おおむね柱状に形成された部材であり、一方の端部は長尺部材7の先端部に、回転支持部11によって接続されている。回転支持部11は、水面に沿う方向に延びる第2回転軸回りに回転可能な状態で補助部材10を支持する。この回転支持部11としては例えばヒンジ、ユニバーサルジョイント等が用いられる。
補助部材10の他方の端部には、係留索2の他端2bが接続されている。
本実施形態では補助部材10の内部は少なくとも一部が中空に形成されている。また、補助部材10は水よりも小さな比重を有する材料で形成されている。これにより、補助部材10は水に浮くようになっている。
さらに、補助部材10は、長尺部材7の浮力Bによって長尺部材7に作用する回転モーメントM1よりも、補助部材10に作用する浮力Bzによって補助部材10に作用する回転モーメントMzが小さくなるよう、その浮力Bzや長さが設定されている。
長尺部材7は、ベース部5に設けられたストッパー部8と当接し、これにより、回転が規制されている。長尺部材7は、水中で、自らの浮力によりストッパー部8に当接し、ベース部5から離間するに従って上方(水面に向かう方向)に向かうように傾斜した状態で維持される。
上述のように構成された浮体係留装置1Bにおいては、係留索2は、一端2aが浮体3に接続され、他端2bが連結部4Bを介して水底Gに接続されている。そして、定常位置において、連結部4Bの長尺部材7は、浮力Bを受けてストッパー部8に下方から突き当たった状態となっている。また、補助部材10は、水中で、自らの浮力Bzを受けて、長尺部材7の中心軸と同軸状に傾斜した状態を維持する。この定常位置では、長尺部材7、補助部材10には、それぞれ、浮力B,Bzによって、回転支持部6、11を中心として長尺部材7、補助部材10が起立する方向の回転モーメントM1、Mzが作用している。
この定常位置で、浮体3に水平力Fhが作用すると、この水平力Fhにより係留索2に張力Tが生じる。すると補助部材10が、回転支持部11を中心として水底G側に引き倒される方向に回転する。このとき、長尺部材7は、ストッパー部8に突き当たった状態を維持する。これにより、浮体3は水平力Fhの方向に変位する。
さらに、浮体3に作用した水平力Fhによって、長尺部材7に発生する回転モーメントM2が、長尺部材7に作用している浮力Bによる回転モーメントM1よりも大きくなると(M2>M1)、長尺部材7は、回転支持部6を中心としてストッパー部8から離間する方向に回転する。これにより、浮体3は水平力Fhの方向に変位する。
また、浮体係留装置1Bが定常位置に位置した状態で、浮体3に、上記とは逆方向の水平力が作用すると、この水平力により、補助部材10は、回転支持部11を中心として補助部材10を水面側に引き起こす方向に変位する。これにより、係留索2の緊張力が保持されたまま、浮体3の変位が許容される。
図5は、上記のような挙動を示す浮体係留装置1Bにおいて、係留索2の一端2aに作用する係留力の水平成分の大きさと、係留索2の一端2aの水平変位量との関係を示す図である。このグラフでは、横軸に水平変位量をとり、縦軸に係留力の水平成分の大きさをとっている。この図5に示すように、浮体係留装置1Bの係留特性も非線形なものとなる。
上述のような構成によれば、波浪や風等によって浮体3に働く外力が所定の閾値を超過するまでは、長尺部材7を静止させつつ補助部材10を回転させることで、浮体3の変位を一定の範囲内に抑えることができる。
一方で、波浪や風が卓越し、浮体3に対して所定の閾値以上の外力が加わる状況下では、長尺部材7が回転することで、係留索2に付加される張力が高まるのを抑えることができる。その結果、簡易な構造で浮体3を安定的に係留することが可能となる。
(第三実施形態)
続いて、本発明の第三実施形態について図面を参照して説明する。以下に説明する第三実施形態においては、第一実施形態では水底G側に設けた連結部4Aを、浮体3側に設けた構成が異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図6に示すように浮体係留装置1Cは、一端2aが水底Gに固定される係留索2と、水面上に浮く浮体3と係留索2の他端2bとの間に配される連結部4Cと、を備えている。
連結部4Cは、浮体3に固定されたベース部5と、回転支持部6を介してベース部5に支持されるとともに、ベース部5から離間する方向に沿って延びる長尺部材7と、浮体3から独立して設けられたストッパー部8と、を有する。ストッパー部8は、例えば水底Gなどに直接固定することなどができる。
連結部4Cの長尺部材7は、自らの浮力Bを受けてベース部5に設けられたストッパー部8と当接し、長尺部材7が水底G側から水面側に向けて起立する方向への回転が規制されている。これにより、連結部4Cの長尺部材7は、ベース部5から離間するに従って下方(水面に向かう方向)に向かうように傾斜した状態で維持される。なお、係留索2が緊張した状態において、水平方向に延びる基準線に対して係留索2が傾斜する角度θは、長尺部材7が前記基準線に対して傾斜する角度よりも大きい。
上述のように構成された浮体係留装置1Cにおいては、係留索2は、一端2aが水底Gに接続され、他端2bが連結部4Cを介して浮体3に接続されている。そして、定常位置において、連結部4Cの長尺部材7は、浮力Bによりストッパー部8に下方から突き当たった状態となっている。この定常位置では、長尺部材7には、浮力Bによって回転支持部6を中心として長尺部材7がストッパー部8に突き当たる方向の回転モーメントM3が作用している。
この定常位置で、浮体3に水平力Fhが作用すると、水平力Fhによって、係留索2を一端2a回りに水底G側に向けて転倒させる回転モーメントM4が長尺部材7に発生し、係留索2の他端2bが水平方向に引っ張られる。回転モーメントM4は、長尺部材7を、回転支持部6を中心として水底G側に回転させる。
発生した回転モーメントM4が、長尺部材7に作用している浮力Bによる回転モーメントM3よりも小さければ(M4<M3)、長尺部材7は、ストッパー部8に突き当たった定常位置を維持する。その結果、水平力Fhが作用した浮体3は水平方向に変位せず、そのままの位置に係留される。
また、浮体3に作用した水平力Fhによって、長尺部材7に発生する回転モーメントM4が、長尺部材7に作用している浮力Bによる回転モーメントM3よりも大きくなると(M4>M3)、長尺部材7は、回転支持部6を中心としてストッパー部8から離間する方向(水底Gに向かって起立する方向)に回転する。これにより、浮体3は水平力Fhの方向に変位する。
上述のような構成によっても、ストッパー部8によって長尺部材7の浮力Bによる長尺部材7の回転が規制される。これにより、波浪や風等によって浮体3に働く外力が所定の閾値を超過するまでは、長尺部材7を静止させることができる。すなわち、波浪や風が軽度な状況下では長尺部材7は回転しないため、係留索2による張力によって浮体3を安定的に係留することが可能となる。
一方で、波浪や風が卓越し、浮体3に対して所定の閾値以上の外力が加わる状況下では、長尺部材7が回転することで、係留索2に付加される張力を緩和することができる。その結果、簡易な構造で浮体3を安定的に係留することが可能となる。
(第四実施形態)
以下、本発明の第四実施形態に係る浮体係留装置1Dについて、図面を参照して説明する。第三実施形態では長尺部材7を水底G側に向けて傾斜させた状態で維持するようにストッパー部8を設けたのに対し、以下に説明する第四実施形態においては、長尺部材17を水平状態または傾斜させた状態に維持するようにストッパー部12を浮体3に設けており、第一〜第三実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図7、図8に示すように浮体係留装置1Dは、一端2aが水底Gに固定される係留索2と、水面上に浮く浮体3と係留索2の他端2bとの間に配される連結部4Dと、を備えている。
連結部4Dは、回転支持部16を介して浮体3に支持されるとともに、ベース部5から離間する方向に沿って延びる長尺部材17と、ベース部5に支持されたストッパー部12と、を有する。
また、長尺部材17は、回転支持部6側から離間するにしたがってその幅が漸次小さくなるトラス部13と、トラス部13の先端部に設けられたフロート14と、を備えている。
上述のように構成された連結部4Dの長尺部材17は、ベース部5に設けられたストッパー部12と当接し、これにより、長尺部材17が水底G側から水面側に向けて起立する方向への回転が規制されている。そして、長尺部材17は、ストッパー部12に当接した状態で水平状態または傾斜させた状態に維持される。
図8に示すように、このような長尺部材17(前記係留部材)は、浮体3の外周部に、例えば周方向に3基を備えることができる。
上述のように構成された浮体係留装置1Dにおいても、上記第三実施形態と同様、ストッパー部12によって長尺部材17の浮力による長尺部材17の回転が規制される。これにより、波浪や風が軽度な状況下では長尺部材17は回転しないため、係留索2による張力によって浮体3を安定的に係留することが可能となる。一方で、波浪や風が卓越し、浮体3に対して所定の閾値以上の外力が加わる状況下では、長尺部材17が回転することで、係留索2に付加される張力を緩和することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1A〜1D 浮体係留装置
2 係留索
2a 一端
2b 他端
3 浮体
4A〜4D 連結部
5 ベース部
6,11 回転支持部
7 長尺部材
8,12 ストッパー部
10 補助部材
13 トラス部
14 フロート
17 長尺部材

Claims (2)

  1. 浮体を水底に係留する係留索と、
    前記係留索と前記浮体または前記水底との間に配置され、一端が前記係留索に固定されるとともに、他端が前記浮体または前記水底に対し、水平方向に延びる第1回転軸回りに回転可能に連結され、水中で浮力を受けて前記第1回転軸回りに回転する長尺部材と、
    前記長尺部材が前記浮力を受けて回転する方向に回転することを規制するストッパー部と、を備え
    前記長尺部材は、水中での浮力により、前記ストッパー部に突き当たった定常位置となる浮体係留装置。
  2. 前記長尺部材の一端と前記係留索との間に設けられ、前記長尺部材に対し、水平方向に延びる第2回転軸回りに回転可能に連結され、水中で浮力を受けて前記第2回転軸回りに回転する補助部材をさらに備え、
    前記補助部材は、前記長尺部材の浮力により前記長尺部材に発生する回転モーメントよりも、前記補助部材の浮力により前記補助部材に発生する回転モーメントの方が小さく、前記長尺部材が前記ストッパー部に突き当たった状態を維持しながら前記補助部材が前記第2回転軸回りに回転するよう設けられている請求項1に記載の浮体係留装置。
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