JP6378747B2 - キシレン異性体を含有する少なくとも2つの供給流からパラキシレンを回収するための方法 - Google Patents

キシレン異性体を含有する少なくとも2つの供給流からパラキシレンを回収するための方法 Download PDF

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Description

本開示は通常、キシレン異性体を含有する少なくとも2つの供給流からパラキシレンを回収するための、特に、パラキシレン希薄供給流およびパラキシレンリッチ供給流からのパラキシレンの回収の統合のための方法に関する。より具体的には、本開示は、少なくとも1つの結晶域と、任意で少なくとも1つの再スラリー域を備えるパラキシレン回収域の使用が組み込まれている方法に関する。
精製された形のパラキシレン(p−キシレンすなわちpX)が、テレフタル酸の生成には有用である。パラキシレンは一般に、混合キシレンからの分離によって得られる。この業界では、混合キシレンとは、3種のキシレン異性体、オルトキシレン(oX)、メタキシレン(mX)およびパラキシレン(pX)ならびにエチルベンゼン(EB)を含むC8芳香族の、限られた蒸留中間留分を指す。混合キシレンが、沸点がキシレンに近い非芳香族化合物を含有することもある。これらには主に、C9パラフィンおよびナフタレンが含まれる。混合キシレンは一般に、混合キシレン中間留分を生成するために使用される蒸留塔におけるその不完全な分離に起因して存在する低濃度のトルエンおよびC9以上の芳香族も含有する。ASTM(米国材料試験協会)により、パラキシレン原料用キシレンに関する標準仕様(ASTM D 5211−07または後続の版)が発行されているが、これから外れる仕様が、混合キシレンの購入者と供給者との間で規定されていることが多い。
混合キシレン中に存在するキシレン異性体およびエチルベンゼンの比率は、混合キシレン源に応じて変化することになる。混合キシレンは通常、非選択的トルエン不均化(TDP)ユニット、選択的トルエン不均化(STDP)ユニット、非選択的または選択的トルエンアルキル化ユニット、トルエン/芳香族C9以上のトランスアルキル化(TA)、芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニットなど、混合キシレンを生成するために使用される石油精製用触媒改質装置ユニットまたは別のユニットのリフォーメートから得られる、限られた蒸留留分である。トルエンアルキル化ユニットでは、トルエンをメタノールと反応させてキシレン異性体および水を生成するが、メタノールの一部がアルカン類、オレフィン類および他のアルキル化生成物へ変換されるなど、他の副反応が起こることがある。混合キシレンを生成するためのプロセスは、「選択的」であっても、または「非選択的」であってもよい。非選択的プロセスでは一般に、キシレン異性体の平衡近傍分布(パラキシレン:メタキシレン:オルトキシレン)が約1:2:1であるキシレン異性体が生成され、すなわち、パラキシレン対総キシレン異性体比が約0.25である。対照的に、パラキシレンに対して選択的であるプロセスでは、理論上の平衡を上回るパラキシレン濃度がもたらされ、すなわち、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.25よりも大きい。従って、触媒改質装置、従来のTDPユニット、従来の(非選択的)トルエンアルキル化ユニット、およびトルエン/芳香族C9以上のまたは芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニットにおいて生成されるキシレンが一般に、平衡近傍分布で(すなわち、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.25)キシレン異性体を含有する。比較すると、STDPユニットまたは選択的トルエンアルキル化ユニットからの混合キシレン蒸留留分のパラキシレン対総キシレン異性体比は0.7より大きく、より典型的には0.8を上回る、多くの場合0.9を上回る。
従って、パラキシレン製造業者が、パラキシレンユニットへの供給源として混合キシレンを購入することも、またはその中のパラキシレン比率が全て広く異なる他のキシレン異性体源を購入もしくは製造することもある。混合キシレン中のパラキシレンの比率が比較的低い場合には、第1のパラキシレン分離段階を行うことができ、残留パラキシレン枯渇流をさらに処理して追加のパラキシレンを生成することができる。そのようなプロセスをパラキシレンユニットにおいて行うことができるが、このユニットは典型的には3つの部分、パラキシレン回収部、異性化部および分留部から構成されている。パラキシレン回収域の目的は、パラキシレン生成物流と、廃棄物またはラフィネートとして知られているパラキシレン希薄流を生成することである。パラキシレン希薄流は、廃棄物流中のキシレンを平衡近傍分布まで異性化するために使用される反応器と触媒から構成されている異性化部に送る。触媒は、パラキシレンユニット内部で生成される再循環ループにおけるその蓄積を防止するために、混合物中に存在する任意のエチルベンゼンを、分留部において容易に分離することができるキシレンまたは副生成物のいずれかに変換すべきである。存在する任意の非芳香族もまた、その蓄積を防止するために、典型的にはより小さい炭化水素に対するクラッキングによって変換すべきである。
キシレン異性化触媒は通常、エチルベンゼンの変換の仕方によって分類される。例えば、エチルベンゼン異性化型触媒(ナフタレンプール触媒としても知られている)は、C8ナフタレン中間体を介してエチルベンゼンの一部をキシレン異性体に変換する能力がある。エチルベンゼン脱アルキル化型触媒は、主として水素との反応を介してエチルベンゼンを変換して、ベンゼンおよびエタンを形成する。エチルベンゼントランスアルキル化触媒は、主としてエチル基の転移によって、エチルベンゼンを別のエチルベンゼンに、またはキシレンに変換する。これらの触媒は全て、分留部において分離しなければならない、エチルベンゼン変換反応および/または副反応からの副生成物を生成する。これら副生成物としては、ベンゼン、トルエンおよびC9以上の芳香族が挙げられる。ベンゼンは有益な副生成物で、一般に追加の分留機器によって、または抽出もしくは抽出蒸留によって、高純度で回収される。
パラキシレン回収部においてパラキシレンを回収するための2つの普及している方法が、結晶化および選択的吸着である。選択的吸着プロセスとして、R A Meyers(編集者)Handbook of Petroleum Refining Processes、第3版(2004)に記載されているUOPパレックス(Parex)プロセス、およびG Ashら、Oil and Gas Technology、49(5)、541〜549頁(2004)に記載されているAxens Eluxylプロセスが挙げられる。
パラキシレン結晶化回収部には一般的に、最終生成物純度を実現し、また効率を向上させるために数段階含まれる。例として、結晶化段階を2つ備える2段階パラキシレン結晶化回収部、結晶化段階を3つ備える3段階パラキシレン結晶化回収部、結晶化段階を2つと、再スラリー段階1つとを備えるシングル再スラリーパラキシレン結晶化回収部、および結晶化段階を1つと、再スラリー段階を2つとを備えるダブル再スラリーパラキシレン結晶化回収部が挙げられる。
公知の一プロセスにおいて、トルエン不均一化プロセスからなど、上記平衡パラキシレン濃度を有する供給源からパラキシレンを生成するために単一温度結晶化生成物段階が使用される。パラキシレン回収率を上昇させるために、スカベンジャ段階も使用する。このプロセスでは、1つまたは複数の晶析装置容器を並行して備える単一温度生成物段階が使用され、すなわち、再スラリー段階にではなく、結晶化段階にパラキシレンリッチ流が供給される。
さらなる公知のプロセスでは、高濃度のC8芳香族と、また低濃度の含酸素種と同時にパラキシレンを精製するために結晶化技術が使用される。このプロセスは、最大限の回収のために非常に低温でパラキシレン供給が冷却され、結晶化され、分離される第1の段階を含み、その段階に続き、より温かい温度で結晶が溶融され、再結晶化され、分離される。
米国特許第6,565,653号は、少なくとも55〜60重量%のパラキシレンを含む供給源から高純度パラキシレンを生成するためのプロセスに関し、高純度パラキシレンの最初の部分が、さらなる再スラリーおよび結晶化の必要なしに、約−12℃(10°F)〜約13℃(55°F)で第1の結晶化工程において得られ、高純度パラキシレン生成物の別の部分が再スラリー工程に続いて得られるが、この再スラリー工程では、後続のより低温の結晶化から得られる結晶性パラキシレンを温めて、さらなる冷却の必要なしに約−12℃(10°F)〜約13℃(55°F)でスラリーを得る。開示のプロセスは結晶化段階および再スラリー段階を備えるが、このプロセスの第1の段階では、第1の晶析装置においてパラキシレンリッチ供給流を結晶化する。
米国特許第7,405,340号は、パラキシレンを回収するためのプロセスに関し、このプロセスは、少なくとも1つの冷蔵結晶化段階における炭化水素原料を冷却することを含み、炭化水素原料は、アンモニアを含むほぼ液体の流れの少なくとも一部を蒸発させることによって、間接的に冷蔵される。このプロセスは、各段階が晶析装置で構成されている、パラキシレンリッチSTDPキシレンからキシレンを回収するための結晶化パラキシレン回収部を用いて行われるとされているが、この結晶化パラキシレン回収部では、アンモニア冷媒と間接的に接触させることにより晶析装置から熱を取り除くことができる。このアンモニア冷凍サイクルは、アンモニア吸収冷凍サイクルである。
米国特許出願公開第2010/0041936号は、混合キシレンスラリーからパラキシレンなど、固−液スラリーから固体を分離するためのプロセスに関し、結晶化段階と、1つまたは複数の再スラリー段階が組み込まれている。特定の一実施形態においては、このプロセスは再スラリー段階を2つ備えるとされ、各段階の生成物におけるパラキシレン対総キシレン異性体比は、通常プロセスを通して上昇するとされている。
C8芳香族炭化水素供給からパラキシレンを分離する際には、吸着および蒸留よりも結晶化が好まれることが多い。というのも結晶化には費用のかかる吸着剤(吸着プロセスにおいて見られるような)が必要とされないため、また不適切にキシレン異性体およびエチルベンゼンは似たような沸点(蒸留を困難にする)を有するが、劇的に異なる融点を有するためである。純粋なパラキシレンは56°F(13℃)で凝固し、純粋なメタキシレンは−54°F(−48℃)で凝固し、純水なオルトキシレンは−13°F(−25℃)で凝固し、純粋なエチルベンゼンは−139°F(−95℃)で凝固する。そのような混合供給流に低濃度でパラキシレンが存在する場合、結晶化によって供給流からパラキシレンを効果的に回収するためには、一般的には非常に低い温度が必要となる。
パラキシレンの混合供給流からのパラキシレンの回収を最適化しようとするプロセスを見つけ出す必要性が依然としてある。
本発明の一態様においては、キシレン異性体を含有する少なくとも2つの供給流からパラキシレンを回収するための方法が提供される。この方法は、
パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50以下であるパラキシレン希薄供給流を、結晶化域を少なくとも1つ備えるパラキシレン回収域に送ること、
パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50よりも大きいパラキシレンリッチ供給流を、パラキシレン回収域に送ること、および
パラキシレン対総キシレン異性体比がpXリッチ供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比よりも大きい生成物流を含有するパラキシレンを、パラキシレン回収域から回収することを含む。
本発明の一例において、パラキシレンリッチ供給流は、第2のパラキシレン回収域、例えば、少なくとも1つの結晶化域および/または少なくとも1つの再スラリー域を備えるパラキシレン回収域下流の流出物の少なくとも一部を含む。第2のパラキシレン回収域からのパラキシレンリッチ供給流を、第1のパラキシレン回収域における供給流として使用すると、少なくとも第1のパラキシレン回収域の効率および/または費用対効果が、好ましくは両パラキシレン回収域の効率および/または費用対効果全体が向上する。
上記態様は、本発明によって実現することができる態様の例示であって、実現することができる可能性のある利点を網羅または限定することを意図するものではない。従って、本発明のこれらの態様および他の態様が、共に本明細書中で具体化されるように、または当業者には明らかかもしれない任意の変化を考慮して変更されるように、本明細書中の説明から明らかとなるであろう、または本発明を実施することから習得することができる。
本開示のより完全な理解のため、下記の詳細な説明および添付図面を参照すべきである。
パラキシレン回収のための方法の一実施形態を説明するフロー図である。 パラキシレン回収のための方法の別の実施形態を説明するフロー図である。 パラキシレン希薄供給流およびパラキシレンリッチ供給流がパラキシレン回収域において処理される結晶化/再スラリープロセスの一実施形態を説明するプロセスフロー図である。 結晶化および再スラリー段階を備える第1のパラキシレン回収域と、結晶化段階を備える第2のパラキシレン回収域とを備えるプロセスの一実施形態を説明するプロセスフロー図である。
開示のプロセスは、様々な形の実施形態が可能であるが、開示は例示を意図するものであって、本明細書中で記載し説明する具体的な実施形態に本発明を限定することを意図するものではないという理解の下で、発明の具体的な実施形態を図面に説明する(また以下に記載する)。
本発明の一実施形態による方法が、キシレン異性体を含有する少なくとも2つの供給流からパラキシレンを回収するためのプロセスを対象とする。このプロセスは、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50以下であるパラキシレン希薄供給流を、パラキシレン回収域に送ることを含み、パラキシレン回収域は結晶化域を少なくとも1つ備える。このプロセスはまた、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50よりも大きいパラキシレンリッチ供給流を、パラキシレン回収域に送ることも含む。このプロセスはさらに、パラキシレン対総キシレン異性体比がパラキシレンリッチ供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比よりも大きい生成物流を含有するパラキシレンを、パラキシレン回収域から回収することを含む。
本明細書中で使用する用語「パラキシレン対総キシレン異性体比」は、画分として表されるキシレンの異性体全て(すなわち、パラキシレン、メタキシレンおよびオルトキシレン)総重量で除した、パラキシレンの重量を意味する。
本明細書中で使用する用語、特定の源「の下流の流出物」とは、その源に直接または間接由来する流出物を意味する。従って、例えば、非選択的トルエン不均化ユニット下流の流出物とは、そのようなユニットに源を発するが、続いて他の1つまたは複数のユニットにおいて処理されたかもしれない流出物を指す。具体的には、異性化域において生じ、続いて分留域において処理された流れは、異性化域下流の流出物と称することができる。
2つの供給流が送られるこのパラキシレン回収域(以後、第1の回収域と称することがある)は、結晶化域を少なくとも1つ有し、特定の一実施形態において、パラキシレン希薄供給流の少なくとも一部(任意で全て)が、この少なくとも1つの結晶化域に送られる。
結晶化域は、パラキシレンと、例えば、メタキシレン、オルトキシレンおよび/またはエチルベンゼンを含めたさらなる成分とを含む供給流から液体パラキシレンが結晶化される域である。パラキシレンは一般に、パラキシレンの凝固点を下回るが、好ましくは供給流中の他の成分の凝固点を上回る温度まで供給流を冷却することによって結晶化させる。特に、この温度は、例えば、パラキシレンが凝固するが共晶温度(共晶温度は、パラキシレン以外のキシレン異性体が共結晶化し始める温度である)を上回る温度を選択することによって、パラキシレンの結晶化の最適化を図るように選択する。パラキシレン−メタキシレン共晶温度と、パラキシレン−オルトキシレン共晶温度とは、晶析装置内の組成によっては近くなることがあるため、メタキシレンまたはオルトキシレンのいずれかが、共結晶化し始める最初の異性体であってよい。非選択的原料では、共晶温度は通常−88°F(−67℃)前後から−94°F(−70℃)前後である。
結晶化域は単一の結晶化容器(晶析装置)を備えることも、または後続の結晶化容器毎により低温まで冷却される複数の結晶化容器を順次使用することもできる。
キシレン混合物からパラキシレンを結晶化させるために必要となる低温は通常、ディープ冷媒(Deep Refrigerant)を用いたカスケード型(cascaded)蒸気圧縮冷媒系によって実現される。空冷または水冷によって凝縮することできる圧力レベルまで、その蒸気または気体を圧縮することが一般的には不可能、または経済的ではない冷媒として、ディープ冷媒が定義される。エチレンは、その臨界温度が49°F(9.5℃)、またその臨界圧力が50.76バールであるため、ディープ冷媒である。従って、地上の大半の場所では、1年のうち少なくとも一時期、エチレンは、周囲温度でその臨界温度を上回ると気体であるが、空冷または水冷によりエチレンを凝縮することは不可能である。冷媒として使用する場合、エチレンは通常、ハイレベル冷媒(High Level Refrigerant)に熱を伝えることによって凝縮される。空気または水に対してその蒸気を凝縮することが可能である冷媒として、ハイレベル冷媒が定義される。従って、カスケード型エチレン/プロピレン、エチレン/プロパンまたはエチレン/アンモニア冷凍システムを使用して、パラキシレン結晶化に必要とされる低温を実現することができる。
結晶化域からの流出物が通常、18重量%前後のパラキシレン固体を含有し、従って1つまたは複数の固−液分離デバイスにおいてこれら固体を分離するためには、その流出物が通常必要である。適切な分離デバイスとして、ろ過カラム、洗浄カラム、遠心分離機、または当技術分野で公知である他の任意のタイプの固−液分離機を挙げることができる。
ろ過カラムとは、懸濁液を濃縮するための固−液分離装置である。適切なろ過カラムの例が、参照によりその開示が本明細書中に援用される米国特許出願公開第2005/0056599号および第2007/0225539号に開示されている。適切なろ過カラムが中空シリンダを備え、この中空シリンダは、規定の外径を有し中空シリンダ内で軸方向に延在する1つまたは複数のチューブ含む。各チューブの壁面は、チューブの内部と中空シリンダの内部との間に直接の接続のみを形成するフィルタを少なくとも1つ備える。このろ過カラムは、固−液懸濁液(例えば、母液中に懸濁している固体生成物成分)をろ過カラムの第1端部へ向かわせることによって、懸濁液における液体から固体を分離する。置換流体(例えば、懸濁液とは非相溶性である気体または液体)により、ろ過カラムの第2端部に背圧が加えられることで、懸濁液の一部がフィルタを通ってチューブ内部へと追い込まれてろ過カラムチューブからろ液(例えば、母液)として抜き取られるよう役立ち、それにより中空シリンダ内およびチューブの周りに固体の濃縮懸濁液(すなわち、床)が形成される。固体の濃縮懸濁液は、例えば、少量の懸濁液(例えば、母液)および/または置換流体を含有する濃縮生成物の形で、生成物オーバーフローシュートを介してろ過カラムの第2端部から抜き取られる。
洗浄カラム(または水圧洗浄カラム)とは、懸濁液を濃縮するための固−液分離装置である。固−液懸濁液(例えば、母液中に懸濁している固体生成物成分)を洗浄カラムの第1端部へ、また洗浄液を洗浄カラムの第2端部へ、懸濁液への向流を利用して向かわせることによって、洗浄カラムが懸濁液における液体から固体を分離し、それにより固体の床が形成される。洗浄カラムへ導入された洗浄液は、床を再度スラリー化し、また回収した固体の一部を溶融させることができる。
固−液分離機としての使用に適している遠心分離機は特に限定されず、例えば、ろ過遠心分離機、特に、スクリーンボウル型遠心分離機、デカンタ式遠心分離機および/またはプッシャー遠心分離機など、当技術分野で一般的に公知である遠心分離機が挙げられる。適切な遠心分離機が一般に、分離すべき固−液懸濁液(例えば、母液中に懸濁している固体生成物成分)用の入口と、濃縮固体懸濁液(例えば、生成物ろ過ケーキ)用の第1の出口と、入口懸濁液からのろ過液体(例えば、母液)用の第2の出口とを備える。一部の実施形態(例えば、スクリーンボウル型遠心分離機が使用される場合)において、遠心分離機は、入口懸濁液からのろ過液体用の第3の出口を備え、第2および第3の出口の流れは、各々に含有される固体(例えば、回収されていない副生成物成分)の相対量が異なる。そのような実施形態においては、第2の出口は低固形分ろ液流、第3の出口は高固形分ろ液流とすることができる。
結晶化域から流出物を分離すると、ろ液および比較的パラキシレンリッチなケーキが生じる。共晶形成により結晶化域におけるパラキシレン回収が制限され、従って、ろ液が少なくとも一部のパラキシレンを含有する。あるいは、または加えて、異性化区域にろ液の少なくとも一部を送って、さらなるパラキシレンを生成および/またはプロセスからエチルベンゼンと任意の非芳香族とを除去することができる。
結晶化段階から流出物を分離することによって得たケーキは、エチルベンゼン、他のキシレン異性体、回収されていないパラキシレンおよび供給流の他の成分を含有する母液が付着したパラキシレン結晶を含有する。従って、好ましくは、ケーキをさらに処理して、パラキシレン含有量の純度を向上させる。
特定の一実施形態において、パラキシレン回収域はさらに、再スラリー域を少なくとも1つ備える。
再スラリー域には1つまたは複数の再スラリードラムが組み込まれ、これら再スラリードラムにおいて、生成物成分結晶の上流ろ過ケーキの、追加の(液体)生成物成分を含む通常より温かい希釈流との平衡を保って、下流の加工に適しているスラリーを提供する。適切な再スラリードラムおよび再スラリー域が、参照によりその開示が本明細書中に援用される米国特許第6,565,653号および米国特許出願第2012/0178980に開示されている。生成物成分結晶の固定ケーキと、液体生成物および二次成分を共に含有する液体希釈剤とが、適切な再スラリードラムの入口に供給される。これら固体ケーキおよび液体希釈剤は、別々に(すなわち、2つの異なる供給ラインを介して)再スラリードラムに添加することも、あるいは再スラリードラムの上流で混合し、単一の供給ラインを介してドラムに添加することもできる。再スラリードラムは、生成物成分結晶が入っている溜め(reservoir)であり、溜めにおける生成物成分結晶の液体生成物成分との平衡を保つために、十分な容積/滞留時間を有する。再スラリードラムの内容物は、好ましくは平衡を保ちながら撹拌される。スラリー(すなわち、固−液懸濁液)流出物が、出口を通って再スラリードラムから出る。スラリー流出物は、液体二次成分と、非結晶化液体生成物成分の一部とを含む液体に分散している生成物成分結晶を有する。
パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50未満であるパラキシレン希薄供給流を、任意の適切な源から得ることができる。特定の一実施形態において、パラキシレン希薄供給流は、非選択的混合キシレン源下流の流出物の少なくとも一部を含む。そのような非選択的混合キシレン源は、石油精製用触媒改質装置、非選択的トルエン不均化ユニット、非選択的なトルエン/芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニット、非選択的な芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニットおよび非選択的トルエンメチル化ユニットを備えることができる。
パラキシレン希薄供給流は、非選択的混合キシレン源から直接得ることができるか、あるいは、本発明のプロセスにおいて使用する前にさらに処理して、例えば供給流中のキシレン異性体および/または他の成分の比率を変更した供給流でもよい。従って、特定の一実施形態において、パラキシレン希薄供給流は、異性化域下流の流出物の少なくとも一部を含む。さらに、パラキシレン希薄供給流は、分留域下流の流出物の少なくとも一部を含むことができる。
一般に、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50よりも大きいパラキシレンリッチ供給流は、パラキシレンを高い割合で含む混合物を生成することができる任意の適切な源から得ることができる。適切な源として、選択的トルエン不均化(STDP)ユニットおよび選択的トルエンアルキル化ユニットが挙げられる。別の実施形態において、パラキシレンリッチ供給流は、第2のパラキシレン回収域下流の流出物の少なくとも一部を含むことができる。第2のパラキシレン回収域は、当技術分野で公知である任意の従来のパラキシレン回収域でよいが、好ましい一実施形態において、第2のパラキシレン回収域は、少なくとも1つの晶析装置を備える結晶化域を少なくとも1つ含む。第2のパラキシレン回収域の結晶化域は任意の適切な結晶化域でよいが、好ましくは第1のパラキシレン回収域に関して本明細書中に開示したように、単一または多段階結晶化域である。
第2のパラキシレン回収域の少なくとも1つの晶析装置は、任意のやり方で冷却することができるが、好ましくはプロピレン、プロパン、アンモニアなどのハイレベル冷媒によって冷却される。
あるいは、または加えて、第2のパラキシレン回収域は再スラリー域を少なくとも1つ含むことができる。第2のパラキシレン回収域の再スラリー域は、当技術分野で公知である任意の適切な再スラリー域でよいが、好ましくは第1のパラキシレン回収域に関して本明細書中で論じたように、再スラリードラムを備える。
あるいは、または加えて、第2の回収域は、任意の従来公知のパラキシレン吸着域などの選択的吸着域を、少なくとも1つ含むことができる。
選択的吸着ゾーンには、供給流からメタキシレンおよびオルトキシレンに対してより選択的であるか、あるいはパラキシレンに対してより選択的であるいずれかの吸着剤が含まれる。いずれの場合にも、2つの流れが生成され、第1の流れはパラキシレン枯渇流、第2の流れはパラキシレン富化流である。
パラキシレンリッチ供給流が、第2のパラキシレン回収域下流の流出物の少なくとも一部を含む場合、第2のパラキシレン回収域の流出物のうち任意の割合を、第1のパラキシレン回収域へ向かわせることができる。好ましくは、少なくとも第1のパラキシレン回収域の生成率および/または全費用対効果が向上するように、第1のパラキシレン回収域へと向かわせる第2のパラキシレン回収域の流出物の割合を選択する。例えば、第1のパラキシレン回収域のパラキシレン回収率は、5%以上から50%以上まで、例えば、10%または38%増大させることができる。例えば、第1のパラキシレン回収域における加熱または冷却要件を修正することによって、例えば、再スラリー段階の1つまたは複数に対する再循環流の1つまたは複数の加熱を低減させることによって、費用対効果を向上させることができる。最も好ましくは、パラキシレン回収域の組合せの全パラキシレン生成効率および/または費用対効果が向上する。
一実施形態において、パラキシレン希薄供給流は、パラキシレン対総キシレン異性体比が好ましくは0.4以下である。あるいは、または加えて、パラキシレン希薄供給流は、パラキシレン対総キシレン異性体比が好ましくは0.15以上である。
一実施形態において、パラキシレンリッチ供給流は、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.55以上、好ましくは0.70以上、さらに好ましくは0.80以上、さらに一層好ましくは0.90以上である。
特定の一実施形態において、生成物流を含有するパラキシレンのパラキシレン濃度は少なくとも99.0重量%、好ましくは少なくとも99.5重量%、より好ましくは少なくとも99.7重量%である。
特定の一実施形態においては、パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部を、第1のパラキシレン回収域の少なくとも1つの再スラリー域へと向かわせる。これは、第1のパラキシレン回収域の再スラリー域へと向かわせることができる第1のパラキシレン回収域の結晶化域の任意の生成物に対して付加的であってよい。2種の供給を再スラリー域へと向かわせる場合には、別々に供給することも、または再スラリー域に入る前に混合することもできる。
パラキシレン回収域が再スラリー域を少なくとも1つ含む特定の一実施形態において、少なくとも1つの再スラリー域は、少なくとも1つの効率段階と、その少なくとも1つの効率段階の下流にある生成物段階とを備えることができ、パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部を生成物段階へと向かわせる。「効率段階」が第1の再スラリー段階であって、この段階では通常、中間段階生成物が生成され、「生成物段階」が後続の再スラリー域であって、この段階では通常最終生成物が生成される。この生成物段階へ向かわせるパラキシレンリッチ供給流は、結晶化段階または第1のパラキシレン回収域の効率段階に直接または間接由来する流れなど、生成物段階へと向かう流れを含有する他の任意のパラキシレンに対して付加的であってよい。2つまたはそれ以上の供給流を生成物段階へ向かわせる場合には、それぞれ生成物段階へ直接供給することも、または生成物段階へ供給される前に混ぜ合わせることもできる。
好ましくは、パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部が、その生成物段階への導入よりも前に冷却される。あるいは、パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部を、その生成物段階への導入よりも前に温めることができる。しかしながら、一部の実施形態においては、温度調節の必要はない。
第1のパラキシレン回収域の再スラリー域の効率段階は通常、1つまたは複数のスラリードラムを備え、このスラリードラムでは、例えば、結晶化域の生成物の固−液分離によって得られるパラキシレンケーキが、例えば、効率段階からの廃棄物ろ液により再スラリー化される。効率段階再スラリードラムの温度は通常約25°F(−10℃)から約0°F(−18℃)である。
効率段階再スラリードラムのからの流出物の固形分は通常、40重量%前後から50重量%前後に制御される。従って、この流れは、例えば、ろ過カラム、洗浄カラム、遠心分離機などの固/液分離デバイスへと送ることができる。結晶化段階からの流出物の分離に関して本明細書中で論じたように、任意の適切な固/液分離デバイスを使用することができる。固/液分離デバイスから得られる液体流出物は、系から取り除くことができるが、好ましくは少なくとも一部が効率段階再スラリードラムへ再循環され、かつ/または少なくとも一部が結晶化域へ再循環される。固/液分離デバイスから得られる固体流出物はパラキシレンを含み、一般にはそのパラキシレン濃度がスラリー域への供給中の濃度よりも高いが、パラキシレン濃度は、例えば、生成物段階においてさらに再スラリー化することによって上昇させることができる。固体流出物は、他のpX異性体を、また固/液分離デバイスへの供給に含有される他の不純物を含む付着液体を含有することができる。
第1のパラキシレン回収域の生成物段階は、好ましくは1つまたは複数のスラリードラムを備え、このスラリードラムでは、効率段階からの固体流出物が、好ましくは生成物段階からの液体再循環流により再スラリー化される。任意の適切な再スラリードラムを使用することができ、生成物段階は通常、約39°F(−4℃)から約44°F(℃)の温度で稼働させる。
生成物段階再スラリードラムからの流出物は、ろ過カラム、洗浄カラム、遠心分離機などの固/液分離デバイスにおいてさらに処理することができる。任意の適切な固/液分離デバイスは、例えば、効率段階または結晶化域に関して本明細書中で論じたようなデバイスを使用することができる。分離デバイスにおける生成物段階流出物から液体が抽出され、また系からの取り除くことができるが、好ましくは少なくとも一部が生成物段階再スラリードラムへ再循環され、かつ/または少なくとも一部が効率段階スラリードラムへ再循環される。
固/液分離デバイスにおいて得られる生成物段階スラリードラムの流出物の固体成分を溶融させて、パラキシレン対総キシレン異性体比がパラキシレンリッチ供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比よりも大きい生成物流を含有するパラキシレンを形成することができるが、溶融した固体成分の少なくとも一部を、固/液分離デバイスへ再循環させることができる。
少なくとも1つの実施形態において、パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部が、好ましくはパラキシレン回収域へ向かう前に、ハイレベル冷媒によって冷却される。プロピレン、プロパン、アンモニアなど、任意のハイレベル冷媒が適切である。
別の実施形態においては、パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部が、好ましくはパラキシレン回収域へ向かう前に、冷水または冷却グリコール溶液によって冷却される。
特定の一実施形態において、パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部を、第1のパラキシレン回収域の少なくとも1つの結晶化域へと向かわせることができる。これは、再スラリー域など第1のパラキシレン回収域の他の任意の部分への、パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部の方向付けに対して代替、または付加的であってよい。
有利には、第1のパラキシレン回収域の少なくとも1つの結晶化域は、少なくとも2つの段階を順に備え、パラキシレンリッチ供給流は、第1段階以外の段階へと向かう。例えば、結晶化域は3つの結晶化段階を備えることができ、パラキシレンリッチ供給流を第2または第3の段階へと向かわせることができる。
好ましくは、パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部を少なくとも1つの結晶化域へ向かわせる場合、その結晶化域への導入前にハイレベル冷媒により冷却する。プロピレン、プロパンおよびアンモニアを含めた任意の適切なハイレベル冷媒を使用することができる。
あるいは、パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部を少なくとも1つの結晶化域へ向かわせる場合、その結晶化域への導入前に間接冷却媒体により冷却することができる。任意の適切な間接冷却媒体、例えば、冷水または冷却グリコール溶液を使用することができる。
図1に示す実施形態においては、異性化ユニット10が炭化水素含有供給流12を受け取る。炭化水素含有供給流12はキシレン異性体(好ましくは少なくとも80重量%)を含み、エチルベンゼンを含むこともできるが、パラキシレン含有量は非常に少ない(通常、総キシレンに対して12重量%未満のパラキシレン)。異性体ユニット10においては、第1のパラキシレン供給流14を生成するために適切な条件下で、炭化水素含有供給流12を異性化触媒に接触させる。第1のパラキシレン供給流14は、パラキシレン希薄供給流である。すなわち、炭化水素含有供給流12に対してパラキシレン富化で、パラキシレン対総キシレン異性体比は0.50以下、通常0.4以下である。任意で、第1のパラキシレン供給流14をさらに処理して(16)、第1のパラキシレン供給流14から副生成物18を回収することができる。典型的な副生成物18としては、分留など標準的な方法によって第1のパラキシレン供給流14から単離することができるベンゼン、トルエン、トリメチルベンゼン、メチル(エチル)ベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態においては、第1のパラキシレン供給流14を処理して(16)、ベンゼン副生成物および/またはトルエン副生成物を回収する。処理域16から出た流出物は、パラキシレン回収域24へ導入される。パラキシレン回収域24に第2のパラキシレン供給流19を導入することもできる。第2のパラキシレン供給流19もまたパラキシレンが希薄で、第1のパラキシレン供給流14と第2のパラキシレン供給流19とを組み合わせたパラキシレン対総キシレン異性体比が0.50以下となるようなパラキシレン含有量を有する。第2のパラキシレン供給流19は、石油精製用触媒改質装置、非選択的トルエン不均化ユニット、非選択的なトルエン/芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニット、非選択的な芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニット、非選択的トルエンメチル化ユニットなど、任意の非選択的混合キシレン源から得ることができる。第2のパラキシレン供給流19は、分留域からの下流の流出物を含むこともできる。
第1のパラキシレン供給流14の処理16を行う場合、処理16前または処理16後のいずれかで第1のパラキシレン供給流14と第2のパラキシレン供給流19とを混ぜ合わせることができる。第1のパラキシレン供給流14と第2のパラキシレン供給流19とを処理16前に混ぜ合わせる場合、これにより、異性化域10において生成される副生成物だけでなく、第2のパラキシレン供給流19中に存在する任意のC8でない芳香族成分の一部も回収が可能となる。例えば、第2のパラキシレン供給流19が、改質装置から切り離されたC8以上の蒸留物である場合には、処理16により、異性化域10において生成される副生成物だけでなく、C8以上のリフォーメート流中に存在するC9以上の成分の除去も可能となる。
パラキシレン回収域24へは第3のパラキシレン供給流20も導入される。
第3のパラキシレン供給流20は、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50よりも大きいパラキシレンリッチ供給流である。第3のパラキシレン供給流20は、STDPユニット下流の供給流、選択的トルエンアルキル化ユニットまたは第2のパラキシレン回収域を含めた、任意の適切な源から得ることができる。
パラキシレン回収域24は、結晶化域を少なくとも1つ備える。パラキシレン回収域24においては、パラキシレン対総キシレン異性体比が第2のパラキシレン供給流よりも大きいパラキシレン生成物流26が、またパラキシレン対総キシレン異性体比が第1のパラキシレン供給流14のパラキシレン対総キシレン異性体比よりも小さい炭化水素含有供給流12が形成される。
図2に示す実施形態においては、2つのパラキシレン回収域を一体化して、効率および/または費用対効果の改善をもたらす。第1のパラキシレン回収域24は、図1に示す実施形態において論じたように稼働するが、図2に示すように、第3のパラキシレン供給流20は第2のパラキシレン回収域40から得られる。
第2のパラキシレン回収域40は、任意の従来のパラキシレン回収域でよい。例えば、第2のパラキシレン回収域40は、結晶化ユニット、再スラリーユニットおよび/または吸着ユニットを含めた1つまたは複数の構成要素を備えることができる。第2のパラキシレン回収域40には、第4のパラキシレン供給流32および第5のパラキシレン供給流38が供給される。第4のパラキシレン供給流32は、第2の異性化ユニット28において生成される。第2の異性化ユニット28は、少なくとも80重量%のキシレン異性体を含むがパラキシレン対総キシレン異性体比が0.12以下である第2の炭化水素含有供給流30を受け取る。第2の異性化反応器28においては、第4のパラキシレン供給流32を生成するために適切な条件下で、第2の炭化水素含有供給流30を異性化触媒と接触させる。第4のパラキシレン供給流32は、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50以下であるが第2の炭化水素含有供給流30のパラキシレン対総キシレン異性体比よりも大きいパラキシレン希薄供給流である。任意で、第のパラキシレン供給流32をさらに処理して(34)、第のパラキシレン供給流32から副生成物36を回収することができる。典型的な副生成物36としては、第1のパラキシレン供給流14に関して記載した副生成物18が挙げられるが、これらに限定されない。
第5のパラキシレン供給流38は任意のパラキシレン源を含むことができるが、通常、第4のパラキシレン供給流32と第5のパラキシレン供給流38とのパラキシレン対総キシレン異性体比が0.50以下となるようなパラキシレン含有量を有するパラキシレン希薄供給流である。第5のパラキシレン供給流38は、石油精製用触媒改質装置、非選択的トルエン不均化ユニット、非選択的なトルエン/芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニット、非選択的な芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニット、非選択的トルエンメチル化ユニットなど、任意の非選択的混合キシレン源から得ることができる。第5のパラキシレン供給流38は、分留域からの下流の流出物を含むこともできる。図1に示す実施形態に関して論じたように、任意なさらなる処理ステップ34の前または後に第4のパラキシレン供給流32と第5のパラキシレン供給流38を混合することができる。
第4のパラキシレン供給流32と第5のパラキシレン供給流38を別々に、または混ぜ合わせてのいずれかで第2の分離ユニット40へ向かわせ、ユニット40において分離して第3のパラキシレン供給流20および第2の炭化水素含有供給流30を形成する。第3のパラキシレン供給流20は、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50よりも大きいパラキシレンリッチ供給流で、第1のパラキシレン回収域24へと向かわせる。第2の炭化水素含有供給流30は第2の異性化ユニット28へ再循環させて、さらなるパラキシレンを生成する。
図1および図2に例示した方法は、バッチ、半連続または連続運転で行うことができる。
図3は、キシレン異性体を含有する少なくとも2つの供給流から生成物流を含有する固体(結晶性)パラキシレンを回収するための少なくとも1つの固/液分離に関連して、結晶化段階105、その後に続く第1の再スラリー段階125および第2の再スラリー段階145を用いる結晶化/再スラリープロセス100を示し、固体生成物成分はその後溶融させて、実質的には純粋な液体パラキシレン流を形成することができる。キシレン異性体を含有する2つの供給流の一方は、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50以下、他方の供給流はパラキシレン対総キシレン異性体比が0.50よりも大きいが、生成物流を含有するパラキシレンは、パラキシレン対総キシレン異性体比がパラキシレンリッチ供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比よりも大きい。結晶化段階105は、晶析装置110および分離ユニット120を備える。結晶化段階105の後には、再スラリードラム130と分離ユニット140とを備える第1の(「効率」)再スラリー段階125が続く。第1の再スラリー段階125の後には、再スラリードラム150と分離ユニット160とを備える第2の(または「生成物」もしくは「最終」)再スラリー段階145が続く。
図3に例示した実施形態において、パラキシレン精製回収プロセスは、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.5以下である液体パラキシレン希薄供給流296を晶析装置110に供給することよって始まる。供給流204は、他のキシレン異性体(すなわち、オルトキシレンおよびメタキシレン)と共に、液体パラキシレンを、またエチルベンゼン(共に本明細書中では「液体二次成分」と称される)を、また場合によっては他の成分(沸点がキシレン、トルエンおよび芳香族C9以上の化合物に近い非芳香族化合物など)を含む。パラキシレン希薄供給流204の正確な組成はその源に依存することになるが、この源は、石油精製用触媒改質装置、非選択的トルエン不均化ユニット、非選択的なトルエン/芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニット、非選択的な芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニットなど、任意の非選択的混合キシレン源を備えることができる。パラキシレン希薄供給流204は、異性化域180下流の流出物の少なくとも一部および/または分留域(図示せず)からの下流流出物を含むこともできる。
晶析装置110は、パラキシレン結晶も供給流の液体二次成分も共に含むスラリー流出物208を形成するために、パラキシレン希薄供給流204からのパラキシレンの少なくとも一部を結晶化させるために十分な温度で稼働する。例えば、供給流204が約22重量%のパラキシレンを含む場合、適切な結晶化温度および大気圧は約−89°F(−67℃)、または約−91°F(−68℃)の二元共晶温度よりも約2°F(1.1℃)温かい。連続パラキシレン精製プロセスにおいて、晶析装置110における滞留時間は好ましくは、供給流204中のパラキシレン成分のかなりの部分、例えば、供給流204中の液体生成物成分の少なくとも約50重量%(より好ましくは少なくとも約70重量%)を結晶化させるためには十分である。
スラリー流出物208はその後、分離ユニット120に供給される。この分離ユニット120はろ過カラム、洗浄カラムまたは遠心分離機でよい。この分離ユニット120は、パラキシレン結晶とスラリー流出物208の液体二次成分とを少なくとも部分的に分離して、ろ過ケーキ212およびろ液216を形成する。ろ過ケーキ212は、大部分がパラキシレン結晶の固体ケーキである。好ましくは、スラリー流出物208からのパラキシレン結晶の実質的に全てが、ろ過ケーキ212において回収され、このろ過ケーキ212の総パラキシレン重量濃度(すなわち、液体を固体と合わせて)がろ液216の濃度よりも高い。ろ過ケーキ212は、通常液体二次成分も液体パラキシレンも共に含めた少量の液体も含む。具体的には、ろ過ケーキ212は好ましくは、任意の液体を含めたろ過ケーキの総重量に基づき、約50重量%〜約99重量%(より好ましくは、約75重量%〜約88重量%)のパラキシレン結晶を含む。ろ液216は、大部分が液体二次成分の液体流であるが、好ましくはスラリー流出物からの液体二次成分の実質的に全てが、ろ液216において回収される。しかしながら、ろ液216は、少量の液体パラキシレンおよび/またはパラキシレン結晶を含むことができる。一般に、ろ液216は、廃棄物流として廃棄することも、または好ましくは、さらなる処理のために再循環させることもできる。
ろ過ケーキ212および再スラリー希釈剤240はその後、流れ220を介して第1の再スラリードラム130へと供給される。再スラリー希釈剤240は、液体パラキシレンも液体二次成分も共に含む液体流である。図3に例示するように、ろ過ケーキ212および再スラリー希釈剤240は、第1の再スラリードラム130の上流で混合され、その後単一流220を介してそこへ供給される。しかしながら、代替の一実施形態(図示せず)においては、ろ過ケーキ212および再スラリー希釈剤240を、2つの別々の流れとして第1の再スラリードラム130へと供給することができる。
第1の再スラリードラム130は、パラキシレン結晶、液体パラキシレンおよび液体二次成分を含む固−液スラリーが入っている溜めである。スラリードラム130においては、パラキシレン結晶は、再スラリー流出物224を形成するために十分な時間、液体パラキシレンおよび液体二次成分と平衡が保たれている。この平衡により、ろ過ケーキ212の温度に対して再スラリー流出物が温められる。連続プロセスにおいては、再スラリードラム130の容積ならびにろ過ケーキ212および再スラリー希釈剤240の供給速度を、平衡に十分な滞留時間を提供するように選択することができる。
再スラリー流出物224はその後分離ユニット140へと供給され、分離ユニット140は分離ユニット120と類似して稼働する。分離ユニット140は、ろ過カラム、洗浄カラムまたは遠心分離機とすることができる。分離ユニット140は、ろ過ケーキ228およびろ液232を形成する。ろ液232は廃棄物流として廃棄することができるが、好ましくはさらなる処理のために再循環させる。図3に例示するように、ろ液232の一部236が、再スラリー希釈剤240として第1の再スラリードラム130へと再循環され(その場合、ろ液232は少なくとも一部、液体パラキシレンを含む)、ろ液232の一部244が、液体供給流204への寄与因子として晶析装置110へと再循環される。再スラリー希釈剤240を希釈剤ヒータ242により加熱することで、第1の再スラリードラム130中の固−液スラリーの結果としてもたらされる温度が所望の値に調整されるよう選択される入熱を提供することができる。
ろ過ケーキ228および再スラリー希釈剤272はその後、流れ248を介して第2の再スラリードラム150へと供給される。加えて、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50よりも大きいパラキシレンリッチ供給流も、第2の再スラリードラム150へ供給される。図3に示すように、パラキシレンリッチ供給流310を、流れ248を介して第2の再スラリードラム150へと供給する前に、ろ過ケーキ228および再スラリー希釈剤272と混ぜ合わせることができる。あるいは、パラキシレンリッチ供給流310を、第2の再スラリードラム150へ直接、すなわち、分離流(図示せず)により供給することもできる。
あるいは、または加えて、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50よりも大きい1つまたは複数のパラキシレンリッチ供給流を、第2再スラリードラム150上流の他の位置で、例えば、流れ220を介して第1の再スラリードラム130へ供給されるろ過ケーキ212と混ぜ合わせて、かつ/あるいは第1の再スラリードラム130および/または晶析装置110に直接、パラキシレン希薄供給流204と混ぜ合わせて、または別の流れ(図示せず)を介して、第1の結晶化/再スラリープロセス100へ供給することができる。
パラキシレンリッチ供給流310は、STDPユニット下流の流出物、選択的トルエンアルキル化ユニットまたは第2のパラキシレン回収域を含めた、任意の適切な源から得ることができる。
第2の再スラリードラム150は第1の再スラリードラム130と類似して稼働し、従ってパラキシレン結晶、液体パラキシレンおよび液体二次成分を含む再スラリー流出物252が形成される。
再スラリー流出物252はその後、図3の例示実施形態における最終分離ユニット160へ供給される。この最終分離ユニット160は、ろ過カラム、洗浄カラム、遠心分離機などの固−液分離機である。分離ユニット160は、第1の出力としてろ液268(他の上流ろ液216および232と類似している)を含む。ろ液268は、液体パラキシレンも液体二次成分も共に含有する液体流であるが、少量のパラキシレン結晶を含むことができる。ろ液268は、廃棄物流として廃棄することができるが、好ましくはさらなる処理のために再循環される。図3に例示するように、ろ液268の一部が、再スラリー希釈剤272として第2の再スラリードラム150へと再循環され、ろ液268の一部276が、再スラリー希釈剤240への寄与因子として第1の再スラリードラム130へと再循環される。再スラリー希釈剤272を希釈剤ヒータ274により加熱することで、再スラリードラム150中の固−液スラリーの結果としてもたらされる温度が所望の値に調整されるよう選択される入熱を提供することができる。分離ユニット160は、生成物流256を含むこともできる。生成物流256中の任意の残留パラキシレン結晶を溶融させるために、ヒータ170を好ましくは使用する。溶融生成物流256の一部が好ましくは、洗液260として分離ユニット160へと再循環され、またパラキシレン対総キシレン異性体比がパラキシレンリッチ供給流310のパラキシレン対総キシレン異性体比よりも大きい精製パラキシレン流である最終生成物流264として、一部が抜き取られる。好ましくは、洗液260および/または最終生成物流264が、少なくとも約99.5重量%(好ましくは少なくとも約99.7重量%、より好ましくは少なくとも約99.8重量%、例えば、約99.9重量%)の重量濃度で液体パラキシレンを含有する。
開示のプロセスの収率は、結晶化段階分離ユニット120からのろ液を、液体二次成分の少なくとも一部をパラキシレンに変換することができる化学反応器へ再循環させることによって増大させることができ、このパラキシレンはその後、結晶化段階105へと再循環させることができる。例えば、分離ユニット120からのろ液216を異性化ユニット180(すなわち、化学反応器)へ再循環させて、液体二次成分(すなわち、オルトキシレン、メタキシレンおよび/またはエチルベンゼン)を液体パラキシレンに変換し、これによりプロセス100全体の潜在収率を増大させることができる。
図3に例示するように、パラキシレン枯渇ろ液216(例えば、最大約15重量%のパラキシレンを含む)および水素供給280が異性化ユニット180に供給される。異性化ユニット180における触媒反応により、入口のオルトキシレン、メタキシレンおよび/またはエチルベンゼンがパラキシレンに変換され、またより重質または軽質の炭化水素成分も生成される。反応生成物は、異性化ユニット180の蒸留部において分離されて、軽質炭化水素廃棄物流288(例えば、C1〜C7の脂肪族および芳香族炭化水素を含む)、重質炭化水素流290(例えば、C9以上の脂肪族芳香族炭化水素を含む)および異性化体(isomerate)284を形成する。異性化体流284は通常、下記C8芳香族炭化水素混合物、約20重量%〜約25重量%(例えば、約22重量%)のパラキシレン、約15重量%〜約30重量%のオルトキシレン、約40重量%〜55重量%のメタキシレンおよび約5重量%〜約15重量%のエチルベンゼンを含む。図3に例示するように、異性化体流284を混合キシレン供給292と混合して、結晶化段階供給296を形成することができる。結晶化段階供給296およびろ液232の再循環部分244はその後混ぜ合わされて、晶析装置110への供給流204を形成する。
パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50よりも大きいパラキシレンリッチ供給流310をプロセス100に供給することによって、より多くのパラキシレン生成物が精製されるが、異性化反応器180では少しの供給しか処理されず、一方晶析装置110において使用される冷却能力(refrigeration duty)が増大しない。
図4は、結晶化/再スラリープロセス100および結晶化/分離プロセス100’を備える、開示の追加の実施形態を例示する。結晶化/再スラリープロセスは、全体的に、図3に例示するプロセスに対応する第1のパラキシレン回収域100において行われる。結晶化/分離プロセス100’は、結晶化ユニットにおいて行われる。
に例示するように、パラキシレン供給流204’は晶析装置110’において結晶化される。パラキシレン供給流204’は、任意の適切な源から得ることができ、例えば、パラキシレン対総キシレン異性体比が0.70以下であるパラキシレン希薄供給流またはパラキシレンリッチ供給流でよい。晶析装置110’は任意の適切な結晶化ユニットであるが、適切にはプロパン、プロピレン、アンモニアなどのハイレベル冷媒によって冷却される。結晶化ユニット110’から回収される流出物208’は分離機120’に向かわせるが、この分離機120’は、ろ過カラム、洗浄カラム、遠心分離機など、任意の適切な分離機でよい。流出物208’は分離機120’において分離されて、パラキシレンリッチケーキ212’およびろ液216’を形成する。パラキシレンケーキ212’を、パラキシレン回収域100の生成物再スラリードラム150に向かわせ、ろ液216’の少なくとも一部を効率再スラリードラム130および/またはパラキシレン回収域100の晶析装置110に向かわせる。加えて、大量のパラキシレンリッチ供給流が入手可能である場合には、一部を晶析装置110’に向かわせることができるが、パラキシレン回収域100の効率段階再スラリードラム130および生成物段階再スラリードラム150の一方または両方には直接さらなる一部が送られる。
実施例1では、実質的には本発明および図3に従うパラキシレンの精製プロセスを例示する。
この実施例では、パラキシレンリッチ供給流の割合増大が加わった、実質的には図3に例示するような、パラキシレン回収域におけるパラキシレン希薄供給流の分離を例示する。
パラキシレン希薄供給流は以下の組成を有していた。
非芳香族6.19重量%
ベンゼン0.26重量%
トルエン0.48重量%
エチルベンゼン6.49重量%
パラキシレン21.90重量%
メタキシレン44.12重量%
オルトキシレン20.02重量%
芳香族C9以上0.54重量%
パラキシレン希薄供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比は0.25であった。
パラキシレンリッチ供給流のパラキシレン濃度は95.00重量%、パラキシレン対総キシレン異性体比は0.9588であった。
全ての場合において、冷却圧縮機の力を定める第1段階冷却能力は、パラキシレン希薄供給1000ポンド当たり0.03592MMBTU(何百万ものBTU)で固定されていた。効率段階再スラリーヒータの能力は、0.0112MMBTU/klbパラキシレン希薄供給に設定され、稼働する毎にこの絶対量で固定されていた。
パラキシレンリッチ供給流は、65°F(18.3℃)の温度で供給された。
表1は、生成物再スラリー段階に様々な量のパラキシレンリッチ供給流を添加する効果を示す。
表1に示すように、生成物段階希釈剤ヒータ能が0に達する前に、生成物段階再スラリードラムへ相対的な量が0.0621のパラキシレンリッチ供給量を供給することができる。ゼロを下回る能力では、生成物段階において同じ温度を維持するためにさらなる冷却能力が必要となるはずである。
この流れをその供給温度18.3℃を下回って冷却した場合には、さらに一層パラキシレンリッチ供給量に対応することができた。
やはり表1に示すように、パラキシレンリッチ流の中のパラキシレンのより高い画分(89%を超える)が、第1段階冷却能力の変化なしで回収された。さらに、生成物再スラリー段階にパラキシレンリッチ供給量を供給することによって、第1段階冷却能力の変化なしで、従って本質的にはエチレンおよびプロパン圧縮機の力の変化なしで、パラキシレン生成率を約38.4%増大させることができた。
さらなる利点として、相対的比率が0.0621のパラキシレンリッチ供給量を使用した場合、パラキシレン廃棄物ろ液率が約4.2%減少した。これにより、異性化および分留部分のユーティリティ消費をより少なくすることができ、また一部の配列においては、パラキシレン生成のさらに大きな増加を可能とすることができた。
Figure 0006378747

Claims (47)

  1. キシレン異性体を含有する少なくとも2つの供給流からパラキシレンを回収するための方法であって、
    パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50以下であるパラキシレン希薄供給流を、結晶化域を少なくとも1つ備えるパラキシレン回収域に向かわせる工程と、
    パラキシレン対総キシレン異性体比が0.50よりも大きいパラキシレンリッチ供給流を、前記パラキシレン回収域に向かわせる工程と、
    パラキシレン対総キシレン異性体比が前記パラキシレンリッチ供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比よりも大きい生成物流を含有するパラキシレンを、前記パラキシレン回収域から回収する工程と
    を含み、
    前記パラキシレン回収域はさらに、再スラリー域を少なくとも1つ備え、
    前記少なくとも1つの再スラリー域は、第1の再スラリー段階と、前記第1の再スラリー段階の下流にある生成物段階とを備え、前記パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部を前記生成物段階に向かわせる方法。
  2. 前記パラキシレン希薄供給流の少なくとも一部、前記少なくとも1つの結晶化域に向かわせる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記パラキシレンリッチ供給流および前記パラキシレン希薄供給流の少なくとも一方が、非選択的混合キシレン源下流の流出物の少なくとも一部を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記パラキシレンリッチ供給流および前記パラキシレン希薄供給流の少なくとも一方が、石油精製用触媒改質装置下流の流出物の少なくとも一部を含む、請求項に記載の方法。
  5. 前記パラキシレンリッチ供給流および前記パラキシレン希薄供給流の少なくとも一方が、非選択的トルエン不均化ユニット下流の流出物の少なくとも一部を含む、請求項に記載の方法。
  6. 前記パラキシレンリッチ供給流および前記パラキシレン希薄供給流の少なくとも一方が、非選択的なトルエン/芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニット下流の流出物の少なくとも一部を含む、請求項に記載の方法。
  7. 前記パラキシレンリッチ供給流および前記パラキシレン希薄供給流の少なくとも一方が、非選択的な芳香族C9以上のトランスアルキル化ユニットまたは非選択的メチル化ユニット下流の流出物の少なくとも一部を含む、請求項に記載の方法。
  8. 前記パラキシレン希薄供給流は、異性化域下流の流出物の少なくとも一部を含む、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  9. 前記パラキシレン希薄供給流は、分留域下流の流出物の少なくとも一部を含む、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  10. 前記パラキシレンリッチ供給流は、第2のパラキシレン回収域下流の流出物の少なくとも一部を含む、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  11. 前記第2のパラキシレン回収域は、晶析装置を少なくとも1つ備える結晶化域を少なくとも1つを備える、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第2のパラキシレン回収域の前記少なくとも1つの晶析装置はハイレベル冷媒によって冷却される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2のパラキシレン回収域は、少なくとも1つの結晶化域と、少なくとも1つの再スラリー域とを備える、請求項10に記載の方法。
  14. 前記第2のパラキシレン回収域は、選択的吸着域を少なくとも1つ備える、請求項10に記載の方法。
  15. 前記パラキシレン希薄供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比が0.4以下である、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記パラキシレン希薄供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比が0.15以上である、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記パラキシレンリッチ供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比が0.55以上である、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記パラキシレンリッチ供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比が0.70以上である、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記パラキシレンリッチ供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比が0.80以上である、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記パラキシレンリッチ供給流のパラキシレン対総キシレン異性体比が0.90以上である、請求項1から19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記パラキシレン含有生成物流のパラキシレンの濃度が少なくとも99.0重量%である、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記パラキシレン含有生成物流のパラキシレンの濃度が少なくとも99.5重量%である、請求項1から21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記パラキシレン含有生成物流のパラキシレンの濃度が少なくとも99.7重量%である、請求項1から22のいずれかに記載の方法。
  24. 前記パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部、前記少なくとも1つの再スラリー域に向かわせる、請求項に記載の方法。
  25. 前記パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部が、前記生成物段階へのその導入の前に冷却される、請求項1から24のいずれかに記載の方法。
  26. 前記パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部が、ハイレベル冷媒によって冷却される、請求項1から25のいずれかに記載の方法。
  27. 前記パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部、前記少なくとも1つの結晶化域に向かわせる、請求項1から26のいずれかに記載の方法。
  28. 前記少なくとも1つの結晶化域は少なくとも2つの段階を備え、前記パラキシレンリッチ供給流第1の段階以外の段階に向かわせる、請求項27に記載の方法。
  29. 前記パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部が、その前記少なくとも1つの結晶化域への導入前に、ハイレベル冷媒により冷却される、請求項27または28に記載の方法。
  30. 前記パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部が、その前記少なくとも1つの結晶化域への導入前に、間接冷却媒体により冷却される、請求項27または28に記載の方法。
  31. 前記間接冷却媒体は、冷水または冷却グリコール溶液を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記間接冷却媒体はプロパンを含む、請求項30に記載の方法。
  33. 前記間接冷却媒体はプロピレンを含む、請求項30に記載の方法。
  34. 前記間接冷却媒体はアンモニアを含む、請求項30に記載の方法。
  35. 前記ハイレベル冷媒はプロパンを含む、請求項12に記載の方法。
  36. 前記ハイレベル冷媒はプロピレンを含む、請求項12に記載の方法。
  37. 前記ハイレベル冷媒はアンモニアを含む、請求項12に記載の方法。
  38. 前記パラキシレンリッチ供給流の少なくとも一部が、冷水または冷却グリコール溶液によって冷却される、請求項1から25のいずれかに記載の方法。
  39. 前記ハイレベル冷媒はプロパンを含む、請求項26に記載の方法。
  40. 前記ハイレベル冷媒はプロピレンを含む、請求項26に記載の方法。
  41. 前記ハイレベル冷媒はアンモニアを含む、請求項26に記載の方法。
  42. 前記ハイレベル冷媒はプロパンを含む、請求項29に記載の方法。
  43. 前記ハイレベル冷媒はプロピレンを含む、請求項29に記載の方法。
  44. 前記ハイレベル冷媒はアンモニアを含む、請求項29に記載の方法。
  45. 前記パラキシレンリッチ供給流は、選択的混合キシレン源下流の流出物の少なくとも一部を含む、請求項1に記載の方法。
  46. 前記選択的混合キシレン源は、選択的トルエン不均化(STDP)ユニットを備える、請求項45に記載の方法。
  47. 前記選択的混合キシレン源は選択的トルエンアルキル化ユニットを備える、請求項45に記載の方法。
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