本実施形態の通信システムは、時分割複信(TDD: Time Division Duplex)方式が適用される。セルアグリゲーションの場合には、複数のセルの全てに対してTDD方式が適用されてもよい。また、セルアグリゲーションの場合には、TDD方式が適用されるセルと周波数分割複信(FDD: Frequency Division Duplex)方式が適用されるセルが集約されてもよい。TDDが適用されるセルとFDDが適用されるセルとが集約される場合に、TDDが適用されるセルに対して本発明を適用することができる。
設定された複数のサービングセルは、1つのプライマリーセルと1つまたは複数のセカンダリーセルとを含む。プライマリーセルは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャが行なわれたサービングセル、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージャを開始したサービングセル、または、ハンドオーバプロシージャにおいてプライマリーセルと指示されたセルである。RRCコネクションが確立された時点、または、後に、セカンダリーセルが設定されてもよい。
本実施形態では、端末装置2は、複数のセルが設定される。端末装置2が複数のセルを介して通信する技術をセルアグリゲーション、またはキャリアアグリゲーションと称する。端末装置2に対して設定される複数のセルのそれぞれにおいて、本発明が適用されてもよい。また、設定された複数のセルの一部において、本発明が適用されてもよい。端末装置2に設定されるセルを、サービングセルとも称する。
本実施形態において、“X/Y”は、“XまたはY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“XおよびY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“Xおよび/またはY”の意味を含む。
(物理チャネル)
LTEおよびLTE−Aで使用される主な物理チャネル(または物理信号)について説明する。チャネルとは、信号の送信に用いられる媒体を意味する。物理チャネルとは、信号の送信に用いられる物理的な媒体を意味する。物理チャネルは、LTEおよびLTE−Aおよびそれ以降の規格リリースにおいて、今後追加、または、その構造やフォーマット形式が変更または追加される可能性があるが、そのような場合でも本発明の各実施形態の説明に影響しない。
LTEおよびLTE−Aでは、物理チャネルのスケジューリングについて無線フレームを用いて管理している。1無線フレームは10msであり、1無線フレームは10サブフレームで構成される。さらに、1サブフレームは2スロットで構成される(すなわち、1スロットは0.5msである)。また、物理チャネルが配置されるスケジューリングの最小単位としてリソースブロックを用いて管理している。リソースブロックとは、周波数軸を複数サブキャリア(例えば、12サブキャリア)の集合で構成される一定の周波数領域と、一定の送信時間間隔(例えば、1スロット、7シンボル)で構成される領域で定義される。
物理チャネルは、上位層から出力される情報を伝送するリソースエレメントのセットに対応する。物理信号は、物理層で使用され、上位層から出力される情報を伝送しない。つまり、無線リソース制御(RRC: Radio Resource Control)メッセージやシステム情報(SI: System Information)などの上位層の制御情報は、物理チャネルで伝送される。
下りリンク物理チャネルには、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)、物理報知チャネル(PBCH: Physical Broadcast Channel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH: Physical Multicast Channel)、物理制御フォーマットインディケータチャネル(PCFICH: Physical Control Format Indicator Channel)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)、物理ハイブリットARQインディケータチャネル(PHICH: Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)、拡張物理下りリンク制御チャネル(EPDCCH: Enhanced Physical Downlink Control Channel)がある。また、下りリンク物理信号は、種々の参照信号と種々の同期信号がある。下りリンク参照信号には、セル固有参照信号(CRS: Cell specific Reference Signal)、端末装置固有参照信号(UERS: UE specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS: Channel State Information Reference Signal)がある。同期信号には、プライマリー同期信号(PSS: Primary Synchronization Signal)とセカンダリー同期信号(SSS: Secondary Synchronization Signal)がある。
上りリンク物理チャネルには、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH: Physical UplinkShared Channel)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control Channel)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH: Physical Random Access Channel)がある。また、上りリンク物理信号には、種々の参照信号がある。上りリンク参照信号には、復調参照信号(DMRS: Demodulation Reference Signal)とサウンディング参照信号(SRS: Sounding Reference Signal)がある。
同期信号(Synchronization Signal)は、3種類のプライマリー同期信号(PSS: Primary Synchronization Signal)と、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリー同期信号(SSS: Secondary Synchronization Signal)とで構成され、プライマリー同期信号とセカンダリー同期信号との組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(PCI: Physical layer Cell Identity, Physical Cell Identity, Physical Cell Identifier)と無線同期のためのフレームタイミングが示される。端末装置2は、セルサーチによって受信した同期信号のセル識別子を特定する。
物理報知チャネル(PBCH: Physical Broadcast Channel)は、セル内の端末装置2で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報やシステムインフォメーション)を通知する目的で送信される。また、PBCHで通知されない報知情報(例えば、SIB1や一部のシステムインフォメーション)は、DL−SCHを介して、PDSCHで送信される。報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(CGI: Cell Global Identifier)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(TAI: Tracking Area Identifier)、ランダムアクセス設定情報(送信タイミングタイマーなど)、共通無線リソース設定情報(共有無線リソース設定情報)などが通知される。
下りリンク参照信号は、その用途によって複数のタイプに分類される。例えば、セル固有参照信号(Cell-specific reference signals; CRS)は、セル毎に所定の電力で送信されるパイロット信号であり、所定の規則に基づいて周波数領域および時間領域で周期的に繰り返される下りリンク参照信号である。端末装置2は、セル固有参照信号を受信することでセル毎の受信品質を測定する。また、端末装置2は、セル固有参照信号と同じアンテナポートで送信される物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調のための参照信号としてもセル固有参照信号を使用する。セル固有参照信号に使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。この系列は、擬似ランダム系列に基づいて生成されてもよい。また、この系列は、Zadoff−Chu系列に基づいて生成されてもよい。また、この系列は、ゴールド系列に基づいて生成されてもよい。
また、下りリンク参照信号は下りリンクの伝搬路変動の推定にも用いられる。伝搬路変動の推定に用いられる下りリンク参照信号のことをチャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signals; CSI-RS)あるいはCSI参照信号と呼称してもよい。また、実際には信号の送られない、または、ゼロパワーで送信されるCSI参照信号は、ゼロパワーチャネル状態情報参照信号(Zero Power Channel State Information Reference Signals; Zero Power CSI-RS)あるいはゼロパワーCSI参照信号と呼称してもよい。また、実際に信号が送信されるCSI参照信号は、非ゼロパワーチャネル状態情報参照信号(Non Zero Power Channel State Information Reference Signals; Zero Power CSI-RS)あるいは非ゼロパワーCSI参照信号と呼称してもよい。
また、干渉成分を測定するために用いられる下りリンクリソースの事をチャネル状態情報干渉測定リソース(Channel State Information - Interference Measurement Resource: CSI-IMR)あるいはCSI−IMリソースと呼称してもよい。CSI−IMリソースに含まれるゼロパワーCSI参照信号を用いて、端末装置2はCQIの値を算出するために干渉信号の測定を行なってもよい。また、端末装置2毎に個別に設定される下りリンク参照信号は、端末装置固有参照信号(UERS: UE specific Reference Signals)または専用参照信号(Dedicated Reference Signals)、下りリンク復調参照信号(DL DMRS: Downlink Demodulation Reference Signals)などと称され、物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調に用いられる。
物理下りリンク共用チャネル(Physical Downlink Shared Channel; PDSCH)は、下りリンクデータ(DL−SCH)を送信するために使用される。また、PDSCHは、システムインフォメーションがDL−SCHで送信される場合にも使用される。物理下りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。また、PDSCHは、下りリンクと上りリンクに関するパラメータ(情報要素、RRCメッセージ)を通知するためにも使用される。
物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel; PDCCH)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボルで送信され、端末装置2に対して基地局装置1のスケジューリングに従ったリソース割り当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する目的で使用される。端末装置2は、レイヤー3メッセージ(ページング、ハンドオーバコマンド、RRCメッセージなど)を送受信する前に自局宛の物理下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラント(下りリンクアサインメントとも呼称される)と呼ばれるリソース割り当て情報を自局宛の物理下りリンク制御チャネルから取得する必要がある。なお、物理下りリンク制御チャネルは、上述したOFDMシンボルで送信される以外に、基地局装置1から端末装置2に対して個別(dedicated)に割り当てられるリソースブロックの領域で送信されるように構成することも可能である。この基地局装置1から端末装置2に対して個別(dedicated)に割り当てられるリソースブロックの領域で送信される物理下りリンク制御チャネルはエンハンスト物理下りリンク制御チャネル(EPDCCH: EnhancedPDCCH)と呼称される場合もある。また、上述したOFDMシンボルで送信されるPDCCHは第1の制御チャネルと呼称される場合もある。また、EPDCCHは第2の制御チャネルと呼称される場合もある。また、PDCCHが割り当て可能なリソース領域は第1の制御チャネル領域、EPDCCHが割り当て可能なリソース領域は第2の制御チャネル領域と呼称される場合もある。なお、以降に記述するPDCCHには基本的にEPDCCHを含んでいる。
基地局装置1は、スペシャルサブフレームのDwPTSにおいて、PCFICH、PHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、同期信号、下りリンク参照信号を送信してもよい。また、基地局装置1は、スペシャルサブフレームのDwPTSにおいて、PBCHを送信しなくてもよい。
また、端末装置2は、スペシャルサブフレームのUpPTSにおいて、PRACH、およびSRSを送信してもよい。また、端末装置2は、スペシャルサブフレームのUpPTSにおいて、PUCCH、PUSCH、およびDMRSを送信しなくてもよい。
また、端末装置2は、スペシャルサブフレームがGPおよびUpPTSのみによって構成されている場合には、スペシャルサブフレームのUpPTSにおいて、PUCCHおよび/またはPUSCHおよび/またはDMRSを送信してもよい。
ここで、端末装置2は、PDCCH候補(PDCCH candidates)および/またはEPDCCH候補(EPDCCH candidates)のセットをモニタする。以下、説明の簡略化のために、PDCCHは、EPDCCHを含む。PDCCH候補とは、基地局装置1によって、PDCCHがマップおよび送信される可能性のある候補を示している。また、PDCCH候補は、1つまたは複数の制御チャネル要素(CCE: Control Channel Element)から構成される。また、モニタとは、モニタされる全てのDCIフォーマットに応じて、PDCCH候補のセット内のPDCCHそれぞれに対して、端末装置2がデコード(復号)を試みるということを意味する。
ここで、端末装置2が、モニタするPDCCH候補のセットは、サーチスペースとも称される。サーチスペースとは、基地局装置1によってPDCCHの送信に用いられる可能性のあるリソースのセットである。PDCCH領域には、コモンサーチスペース(CSS: Common Search Space)と端末装置スペシフィックサーチスペース(USS: UE-specific Search Space)が構成(定義、設定)される。
CSSは、複数の端末装置2に対する下りリンク制御情報の送信に用いられる。すなわち、CSSは、複数の端末装置2に対して共通のリソースによって定義される。また、USSは、ある特定の端末装置2に対する下りリンク制御情報の送信に用いられる。すなわち、USSは、ある特定の端末装置2に対して個別に設定される。また、USSは、複数の端末装置2に対して重複して設定されてもよい。
下りリンク制御情報(DCI)は、特定のフォーマット(構成、形式)で基地局装置1から端末装置2へ送信される。このフォーマットをDCIフォーマットと呼称してもよい。なお、DCIフォーマットを送信するとは、あるフォーマットのDCIを送信することを含む。DCIフォーマットは、DCIを送信するためのフォーマットと言い換えることができる。基地局装置1から端末装置2へ送信されるDCIフォーマットには複数のフォーマットが用意されている(例えば、DCIフォーマット0/1/1A/1B/1C/1D/2/2A/2B/2C/2D/3/3A/4)。
基地局装置1は、複数の端末装置2に対して共通のDCI(単一のDCI)をあるDCIフォーマットで送信する場合には、PDCCH(またはEPDCCH)CSSで送信し、端末装置2に対して個別にDCIをあるDCIフォーマットで送信する場合には、PDCCH(またはEPDCCH)USSで送信する。
DCIフォーマットで送信されるDCIには、PUSCHやPDSCHのリソース割り当て、変調符号化方式、サウンディング参照信号要求(SRSリクエスト)、チャネル状態情報要求(CSIリクエスト)、単一のトランスポートブロックの初送または再送の指示、PUSCHに対する送信電力制御コマンド、PUCCHに対する送信電力制御コマンド、UL DMRSのサイクリックシフトおよびOCC(Orthogonal Code Cover)のインデックスなどがある。この他にも種々のDCIは仕様書によって定義されている。
上りリンク送信制御(例えば、PUSCHのスケジューリングなど)に用いられるフォーマットを上りリンクDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット0/4)または上りリンクに関連するDCIと呼称してもよい。下りリンク受信制御(例えば、PDSCHのスケジューリングなど)に用いられるフォーマットを下りリンクDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット1/1A/1B/1C/1D/2/2A/2B/2C/2D)または下りリンクに関連するDCIと呼称してもよい。複数の端末装置2それぞれの送信電力を調整するために用いられるフォーマットをグループトリガリングDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット3/3A)と呼称してもよい。
例えば、DCIフォーマット0は、1つのサービングセルにおける1つのPUSCHのスケジューリングを行なうために必要なPUSCHのリソース割り当てに関する情報や変調方式に関する情報、PUSCHに対する送信電力制御(TPC: Transmit Power Control)コマンドに関する情報などを送信するために用いられる。また、これらのDCIはPDCCH/EPDCCHで送信される。DCIフォーマットは、少なくとも1つのDCIで構成されていると言える。
端末装置2は、PDCCH領域のCSSおよび/またはUSSにおいてPDCCHをモニタし、自装置宛てのPDCCHを検出する。
また、下りリンク制御情報の送信(PDCCHでの送信)には、基地局装置1が端末装置2に割り当てたRNTIが利用される。具体的には、DCIフォーマット(下りリンク制御情報でも良い)に巡回上長検査(CRC: Cyclic Redundancy check)パリティビットが付加され、付加された後に、CRCパリティビットがRNTIによってスクランブルされる。
端末装置2は、RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマットに対してデコードを試み、CRCが成功したDCIフォーマットを、自装置宛のDCIフォーマットとして検出する(ブラインドデコーディングとも呼称される)。すなわち、端末装置2は、RNTIによってスクランブルされたCRCを伴うPDCCHに対してデコードを試み、CRCが成功したPDCCHを、自装置宛のPDCCHとして検出する。
ここで、RNTIには、C−RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)が含まれる。C−RNTIは、RRC接続およびスケジューリングの識別に対して使用されるユニークな(一意的な)識別子である。C−RNTIは、動的にスケジュールされるユニキャスト送信のために利用される。
また、RNTIには、Temporary C−RNTIが含まれる。Temporary C−RNTIは、ランダムアクセスプロシージャに対して使用される識別子である。例えば、端末装置2は、Temporary C−RNTIによってスクランブルされたCRCが付加された上りリンクに関連するDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット0)を、CSSのみでデコードしてもよい。また、端末装置2は、Temporary C−RNTIによってスクランブルされたCRCが付加された下りリンクに関連するDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット1A)を、CSSおよびUSSでデコードを試みてもよい。
また、基地局装置1は、DCIをCSSで送信する場合、DCI(DCIフォーマット)にTemporary C−RNTIまたはC−RNTIでスクランブルしたCRCパリティビットを付加し、DCIをUSSで送信する場合、DCI(DCIフォーマット)にC−RNTIでスクランブルしたCRCを付加してもよい。
物理上りリンク共用チャネル(Physical Uplink Shared Channel; PUSCH)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御情報(Uplink Control Information; UCI)を送信するために用いられる。PUSCHで送信されるUCIは、チャネル状態情報(CSI: ChannelState Information)、および/または、ACK/NACKを含む。また、PUSCHで送信されるCSIは、アピリオディックCSI(A-CSI: Aperiodic CSI)とピリオディックCSI(P-CSI: Periodic CSI)を含む。また、下りリンクの場合と同様に物理上りリンク共用チャネルのリソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。また、ダイナミックスケジューリンググラントによってスケジュールされるPUSCHは、上りリンクデータを伝送する。また、ランダムアクセスレスポンスグラントによってスケジュールされるPUSCHは、ランダムアクセスに関連した自局の情報(例えば、端末装置2の識別情報、メッセージ3)を送信する。また、検出したグラントの種類に応じて、PUSCHでの送信に対する送信電力をセットするために使用されるパラメータが異なってもよい。なお、制御データは、チャネル品質情報(CQIおよび/またはPMI)、HARQ−ACK、およびRIという形で送信される。つまり、制御データは、上りリンク制御情報という形で送信される。
物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel; PUCCH)は、物理下りリンク共用チャネルで送信された下りリンクデータの受信確認応答(Acknowledgement/Negative Acknowledgement; ACK/NACK)や下りリンクの伝搬路情報(チャネル状態情報)の通知、上りリンクのリソース割り当て要求(無線リソース要求)であるスケジューリングリクエスト(Scheduling Request; SR)を行なうために使用される。チャネル状態情報(CSI: Channel State Information)は、チャネル品質指標(CQI: Channel Quality Indicator)、プリコーディングマトリックス指標(PMI: Precoding Matrix Indicator)、プリコーディングタイプ指標(PTI: Precoding Type Indicator)、ランク指標(RI: Rank Indicator)を含む。各インディケータ(Indicator)は、インディケーション(Indication)と表記される場合もあるが、その用途と意味は同じである。また、送信するUCIに応じて、PUCCHのフォーマットを切り替えてもよい。例えば、UCIがHARQ ACKおよび/またはSRから構成される場合、UCIはフォーマット1/1a/1b/3のPUCCHで送信されてもよい。また、UCIがピリオディックCSIから構成される場合、UCIはフォーマット2のPUCCHで送信されてもよい。
CSI報告には、周期的またはCSI報告をトリガーするためのイベント条件が満たされた場合に、チャネル状態情報を報告するピリオディックCSI報告と、DCIフォーマットに含まれているCSIリクエストによって、報告が要求された場合にチャネル状態情報を報告するアピリオディックCSI報告がある。ピリオディックCSI報告は、PUCCHまたはPUSCHで行なわれ、アピリオディックCSI報告は、PUSCHで行なわれる。端末装置2は、DCIフォーマットに含まれる情報(CSIリクエスト)に基づいて指示された場合、PUSCHで上りリンクデータを伴わないCSIを送信することもできる。
上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal)は、基地局装置1が、物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび/または物理上りリンク共用チャネルPUSCHを復調するために使用する復調参照信号(Demodulation Reference Signal; DMRS)と、基地局装置1が、主に、上りリンクのチャネル状態を推定するために使用するサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal; SRS)が含まれる。また、サウンディング参照信号には、上位層によって周期的に送信するように設定される周期的サウンディング参照信号(P-SRS: Periodic SRS)と、下りリンク制御情報フォーマットに含まれるSRSリクエストによって送信が要求される非周期的サウンディング参照信号(A-SRS: Aperiodic SRS)とがある。上りリンク参照信号は、上りリンクパイロット信号、上りリンクパイロットチャネルと呼称する場合もある。
また、周期的サウンディング参照信号をピリオディックサウンディング参照信号、トリガータイプ0サウンディング参照信号(Trigger Type 0 SRS)と呼称する場合もある。また、非周期的サウンディング参照信号をアピリオディックサウンディング参照信号、トリガータイプ1サウンディング参照信号(Trigger Type 1 SRS)と呼称する場合もある。
さらに、非周期的サウンディング参照信号は、協調通信において、上りリンクのチャネル推定用に特化した信号(例えば、トリガータイプ1aSRSと呼称される場合もある)と、TDDにおけるチャネル相反性(channel reciprocity)を利用してチャネル状態(CSI,CQI,PMI,RI)を基地局装置1に測定させるために使用される信号(例えば、トリガータイプ1bSRSと呼称される場合もある)とに分けられてもよい。なお、DMRSはPUSCHとPUCCHそれぞれに対応して、設定される。また、DMRSは、PUSCHまたはPUCCHと同じサブフレームで時間多重されて、送信される。
また、DMRSは、PUSCHに対する場合とPUCCHに対する場合で、時間多重方法が異なってもよい。例えば、PUSCHに対するDMRSは、7シンボルで構成される1スロット内に1シンボルだけ配置されるのに対して、PUCCHに対するDMRSは、7シンボルで構成される1スロット内に3シンボル配置される。
また、サウンディング参照信号は、上位層シグナリング(higher layer signaling)によって通知されるサウンディング参照信号の設定に含まれる送信サブフレームに関する情報に従って、サウンディング参照信号を送信するサブフレームが決定される。送信サブフレームに関する情報には、セル固有に設定される情報(共有情報)と端末装置固有に設定される情報(専用情報)とがある。セル固有に設定される情報には、セル内のすべての端末装置2が共有するサウンディング参照信号が送信されるサブフレームを示す情報が含まれる。また、端末装置固有に設定される情報には、セル固有に設定されるサブフレームのサブセットとなるサブフレームオフセットと周期(periodicity)を示す情報が含まれる。これらの情報によって、端末装置2は、サウンディング参照信号を送信することができるサブフレーム(SRSサブフレーム、SRS送信サブフレームと呼称する場合もある)を決定することができる。また、端末装置2は、セル固有に設定されたサウンディング参照信号が送信されるサブフレームにおいて、物理上りリンク共用チャネルを送信する場合、サウンディング参照信号が送信されるシンボル分だけ物理上りリンク共用チャネルの時間リソースをパンクチャし、該時間リソースで物理上りリンク共用チャネルを送信することができる。このことにより、端末装置2間の物理上りリンク共用チャネルの送信とサウンディング参照信号の送信の衝突を回避することができる。物理上りリンク共用チャネルを送信する端末装置2にとっては、特性劣化を防ぐことができる。また、サウンディング参照信号を送信する端末装置2にとっては、チャネル推定精度を確保することができる。ここで、端末装置固有に設定される情報は、周期的サウンディング参照信号と非周期的サウンディング参照信号とで独立に設定されてもよい。第1の上りリンク参照信号は、上位層シグナリングによって種々のパラメータが設定された場合に、設定された送信サブフレームに基づいて周期的に送信される。また、第2の上りリンク参照信号は、下りリンク制御情報フォーマットに含まれる第2の上りリンク参照信号の送信要求に関するフィールド(SRSリクエスト)によって、送信要求が指示される場合に、非周期的に送信される。端末装置2は、ある下りリンク制御情報フォーマットに含まれるSRSリクエストがポジティブまたはポジティブに相当するインデックス(値)を示している場合、所定の送信サブフレームでA−SRSを送信する。また、端末装置2は、検出したSRSリクエストがネガティブまたはネガティブに相当するインデックス(値)を示す場合、所定のサブフレームでA−SRSを送信しない。なお、セル固有に設定される情報(共有パラメータ、共有情報)は、システムインフォメーションまたは専用制御チャネル(DCCH: Dedicated Control Channel)を用いて通知される。また、端末装置固有に設定される情報(専用パラメータ、個別パラメータ、専用情報、個別情報)は、共有制御チャネル(CCCH: Common Control Channel)を用いて通知される。これらの情報は、RRCメッセージで通知されてもよい。RRCメッセージは、上位層によって通知されてもよい。
物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel; PRACH)は、プリアンブル系列を通知するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを有する。プリアンブル系列は、64種類のシーケンスを用意して6ビットの情報を表現するように構成されている。物理ランダムアクセスチャネルは、端末装置2の基地局装置1へのアクセス手段として用いられる。端末装置2は、スケジューリング要求(SR: Scheduling Request)に対する物理上りリンク制御チャネル未設定時の無線リソース要求や、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要な送信タイミング調整情報(タイミングアドバンス(Timing Advance; TA)とも呼称される)を基地局装置1に要求するために物理ランダムアクセスチャネルを用いる。
具体的には、端末装置2は、基地局装置1より設定された物理ランダムアクセスチャネル用の無線リソースを用いてプリアンブル系列を送信する。送信タイミング調整情報を受信した端末装置2は、報知情報によって共通的に設定される(またはレイヤー3メッセージで個別に設定される)送信タイミング調整情報の有効時間を計時する送信タイミングタイマーを設定し、送信タイミングタイマーの有効時間中(計時中)は送信タイミング調整状態、有効期間外(停止中)は送信タイミング非調整状態(送信タイミング未調整状態)として上りリンクの状態を管理する。レイヤー3メッセージは、端末装置2と基地局装置1の無線リソース制御(RRC: Radio Resource Control)層でやり取りされる制御平面(C-plane: Control-plane)のメッセージであり、RRCシグナリングまたはRRCメッセージと同義の意味で使用される。また、RRCシグナリングは、上位層シグナリングや専用シグナリング(Dedicated signaling)と呼称する場合もある。
ランダムアクセスプロシージャには、コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャ(Contention based Random Access procedure)とノンコンテンションベースのランダムアクセスプロシージャ(Non-contention based Random Access procedure)の2つのランダムアクセスプロシージャが含まれる。コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャは、複数の端末装置2間で衝突が発生する可能性のあるランダムアクセスである。
また、ノンコンテンションベースのランダムアクセスプロシージャは、複数の端末装置2間で衝突が発生しないランダムアクセスである。
ノンコンテンションベースのランダムアクセスプロシージャは、3ステップから成り、下りリンクの専用シグナリング(Dedicated signaling)によって、ランダムアクセスプリアンブルアサインメント(Random Access Preamble assignment)が基地局装置1から端末装置2に通知される。その際、ランダムアクセスプリアンブルアサインメントは、基地局装置1が端末装置2に対してノンコンテンション用のランダムアクセスプリアンブルを割り当て、ハンドオーバに対するソース基地局装置(Source eNB)によって送信され、ターゲット基地局装置(Target eNB)によって生成されたハンドオーバコマンド、または、下りリンクデータアライバルの場合PDCCHによってシグナルされる。
そのランダムアクセスプリアンブルアサインメントを受信した端末装置2は、上りリンクにおいてRACHでランダムアクセスプリアンブル(メッセージ1)を送信する。その際、端末装置2は、割り当てられたノンコンテンション用のランダムアクセスプリアンブルを送信する。
ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局装置1は、下りリンクデータ(DL-SCH: Downlink Shared Channel)でランダムアクセスレスポンスを端末装置2へ送信する。また、ランダムアクセスレスポンスで送信される情報には、ハンドオーバに対する最初の上りリンクグラント(ランダムアクセスレスポンスグラント)とタイミング調整情報(Timing Alignment information)、下りリンクデータアライバルに対するタイミング調整情報、ランダムアクセスプリアンブル識別子が含まれる。下りリンクデータは下りリンク共用チャネルデータ(DL−SCHデータ)と呼称される場合もある。
ここで、ノンコンテンションベースのランダムアクセスプロシージャは、ハンドオーバ、下りリンクデータアライバル、ポジショニングに対して適用される。コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャは、RRC_IDLEからの初期アクセス、RRCコネクションの再確立、ハンドオーバ、下りリンクデータアライバル、上りリンクデータアライバルに対して適用される。
本実施形態に関わるランダムアクセスプロシージャは、コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャである。コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャの例を説明する。
端末装置2は、基地局装置1によって送信されたシステムインフォメーションブロックタイプ2(SIB2)を取得する。SIB2は、セル内における全ての端末装置2(または、複数の端末装置2)に対して共通の設定(共通の情報)である。例えば、該共通の設定には、PRACHの設定が含まれる。
端末装置2は、ランダムアクセスプリアンブルの番号をランダムに選択する。また、端末装置2は、選択した番号のランダムアクセスプリアンブル(メッセージ1)を、PRACHを用いて基地局装置1に送信する。基地局装置1は、ランダムアクセスプリアンブルを用いて上りリンクの送信タイミングを推定する。
基地局装置1は、PDSCHを用いてランダムアクセスレスポンス(メッセージ2)を送信する。ランダムアクセスレスポンスには、基地局装置1によって検出されたランダムアクセスプリアンブルに対する複数の情報が含まれる。例えば、該複数の情報には、ランダムアクセスプリアンブルの番号、Temporary C−RNTI、TAコマンド(Timing Advance Command)、および、ランダムアクセスレスポンスグラントが含まれる。
端末装置2は、ランダムアクセスレスポンスグラントを用いてスケジューリングされたPUSCHで、上りリンクデータ(メッセージ3)を送信(初期送信)する。該上りリンクデータには、端末装置2を識別するための識別子(InitialUE-IdentityまたはC-RNTIを示す情報)が含まれる。
基地局装置1は、上りリンクデータの復号に失敗した場合、Temporary C−RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマットを用いて、上りリンクデータの再送信を指示する。端末装置2は、該DCIフォーマットによって上りリンクデータの再送信を指示された場合、Temporary C−RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマットを用いてスケジュールされたPUSCHで、同一の上りリンクデータを再送信する。
また、基地局装置1は、上りリンクデータの復号に失敗した場合、PHICH(NACK)を用いて、上りリンクデータの再送信を指示することができる。端末装置2は、該NACKによって上りリンクデータの再送信を指示された場合、PUSCHで、同一の上りリンクデータを再送信する。
基地局装置1は、上りリンクデータの復号に成功し、上りリンクデータを取得することによって、何れの端末装置2がランダムアクセスプリアンブルおよび上りリンクデータの送信を行なっていたかを知ることができる。すなわち、基地局装置1は、上りリンクデータの復号に成功する前は、何れの端末装置2がランダムアクセスプリアンブルおよび上りリンクデータの送信を行なっているかを知ることはできない。
基地局装置1は、InitialUE-Identityを含むメッセージ3を受信した場合、受信したInitialUE-Identityに基づいて生成したコンテンションレゾリューション識別子(contention resolution identity)(メッセージ4)を、PDSCHを用いて端末装置2に送信する。端末装置2は、受信したコンテンションレゾリューション識別子と、送信したInitialUE-Identityがマッチした場合に、(1)ランダムアクセスプリアンブルのコンテンションレゾリューションに成功したとみなし、(2)Temporary C−RNTIの値をC−RNTIにセットし、(3)Temporary C−RNTIを破棄し、(4)ランダムアクセスプロシージャが正しく完了したとみなす。
また、基地局装置1は、C−RNTIを示す情報を含むメッセージ3を受信した場合、受信したC−RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマット(メッセージ4)を、端末装置2に送信する。端末装置2は、C−RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマットをデコードした場合に、(1)ランダムアクセスプリアンブルのコンテンションレゾリューションに成功したとみなし、(2)Temporary C−RNTIを破棄し、(3)ランダムアクセスプロシージャが正しく完了したとみなす。
すなわち、基地局装置1は、コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャの一環として(as part of contention based random access procedure)、ランダムアクセスレスポンスグラントを用いて、PUSCHをスケジュールする。
端末装置2は、ランダムアクセスレスポンスグラントを用いてスケジュールされたPUSCHで、上りリンクデータ(メッセージ3)を送信する。すなわち、端末装置2は、コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャの一環として、ランダムアクセスレスポンスグラントに対応するPUSCHでの送信を行なう。
また、基地局装置1は、コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャの一環として、Temporary C−RNTIによってスクランブルされたCRCが付加されたDCIフォーマットを用いて、PUSCHをスケジュールする。また、基地局装置1は、コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャの一環として、PHICH(NACK)を用いて、PUSCHでの送信をスケジュール/指示する。
端末装置2は、Temporary C−RNTIによってスクランブルされたCRCが付加されたDCIフォーマットを用いてスケジュールされたPUSCHで、上りリンクデータ(メッセージ3)を送信(再送信)する。また、端末装置2は、PHICHの受信に応じて、スケジュールされたPUSCHで、上りリンクデータ(メッセージ3)を送信(再送信)する。すなわち、端末装置2は、コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャの一環として、同一の上りリンクデータ(トランスポートブロック)の再送信に対応するPUSCHでの送信を行う。
以下、論理チャネルについて説明する。論理チャネルは、RRCメッセージや情報要素を伝送するために用いられる。また、論理チャネルは、トランスポートチャネルを介して、物理チャネルで送信される。
報知制御チャネル(BCCH: Broadcast Control Channel)は、システム制御情報を報知するために用いられる論理チャネルである。例えば、システム情報や初期アクセスに必要な情報は、このチャネルを用いて送信される。MIB(Master Information Block)やSIB1(System Information Block Type 1)は、この論理チャネルを用いて伝送される。
共有制御チャネル(CCCH: Common Control Channel)は、ネットワークとRRCコネクションを持たない端末装置とネットワーク間で制御情報を送信するために用いられる論理チャネルである。例えば、端末固有の制御情報や設定情報は、この論理チャネルを用いて送信される。
専用制御チャネル(DCCH: Dedicated Control Channel)は、RRCコネクションを持つ端末装置とネットワーク間を双方向で専用制御情報を送信するために用いられる論理チャネルである。例えば、セル固有の再設定情報は、この論理チャネルを用いて送信される。
CCCHやDCCHを用いるシグナリングをRRCシグナリングと総称する場合もある。
上りリンク電力制御に関する情報は、報知情報として通知される情報と、同じセル内の端末装置2間で共有される情報(共有情報)として通知される情報と、端末装置固有の専用情報として通知される情報と、がある。端末装置2は、報知情報として通知される情報のみ、または、報知情報/共有情報として通知される情報と、専用情報として通知される情報に基づいて送信電力をセットする。
無線リソース制御設定共有情報は、報知情報(またはシステム情報)として通知されてもよい。また、無線リソース制御設定共有情報は、専用情報(モビリティ制御情報)として通知されてもよい。
無線リソース設定は、ランダムアクセスチャネル(RACH)設定、報知制御チャネル(BCCH)設定、ページング制御チャネル(PCCH)設定、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)設定、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)設定、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)設定、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)設定、サウンディング参照信号(SRS)設定、上りリンク電力制御に関する設定、上りリンクサイクリックプレフィックス長に関する設定などを含む。つまり、無線リソース設定は、物理チャネル/物理信号を生成するために用いられるパラメータを通知するために設定される。報知情報として通知される場合と再設定情報として通知される場合で、通知されるパラメータ(情報要素)は異なっていてもよい。
種々の物理チャネル/物理信号(PRACH,PUCCH,PUSCH、SRS,UL DMRS、CRS,CSI−RS、PDCCH、PDSCH、PSS/SSS,DL DMRS,PBCH,PMCHなど)に関するパラメータを設定するために必要な情報要素は、同一セル内の端末装置2間で共有する共有設定情報と、端末装置2毎に設定される専用設定情報で構成される。共有設定情報は、システムインフォメーションで送信されてもよい。また、共有設定情報は、再設定を行なう場合には、専用情報として送信されてもよい。これらの設定は、パラメータの設定を含む。パラメータの設定とは、パラメータの値の設定を含む。また、パラメータの設定とは、パラメータがテーブル管理されている場合、インデックスの値を含む。
上記物理チャネルのパラメータに関する情報は、RRCメッセージを用いて端末装置2へ送信される。つまり、端末装置2は、受信したRRCメッセージに基づいて、各物理チャネルのリソース割り当てや送信電力を設定する。RRCメッセージには、報知チャネルに関するメッセージ、マルチキャストチャネルに関するメッセージ、ページングチャネルに関するメッセージ、下りリンクの各チャネルに関するメッセージ、上りリンクの各チャネルに関するメッセージなどがある。各RRCメッセージは、情報要素(IE: Information element)を含んで構成されてもよい。また、情報要素は、パラメータに相当する情報が含まれてもよい。なお、RRCメッセージは、メッセージと呼称される場合もある。また、メッセージクラスは、1つ以上のメッセージのセットである。メッセージには、情報要素が含まれてもよい。情報要素には、無線リソース制御に関する情報要素、セキュリティ制御に関する情報要素、モビリティ制御に関する情報要素、測定に関する情報要素、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS: Multimedia Broadcast Multicast Service)に関する情報要素などがある。また、情報要素には、下位の情報要素が含まれてもよい。情報要素は、パラメータとして設定されてもよい。また、情報要素は、1つ以上のパラメータを示す制御情報として定義されてもよい。
情報要素(IE: Information Element)は、システムインフォメーション(SI: System Information)または専用シグナリング(Dedicated signaling)で種々のチャネル/信号/情報に対するパラメータを規定(指定、設定)するために使われる。また、ある情報要素は、1つ以上のフィールドを含む。情報要素は、1つ以上の情報要素で構成されてもよい。なお、情報要素に含まれるフィールドをパラメータと呼称する場合もある。つまり、情報要素は、1種類(1つ)以上のパラメータを含んでもよい。また、端末装置2は、種々のパラメータに基づいて無線リソース割り当て制御や上りリンク電力制御、送信制御等を行なう。また、システムインフォメーションは情報要素として定義されてもよい。
情報要素を構成するフィールドには、情報要素が設定されてもよい。また、情報要素を構成するフィールドには、パラメータが設定されてもよい。
RRCメッセージは、1つ以上の情報要素を含む。また、複数のRRCメッセージがセットされたRRCメッセージをメッセージクラスと呼称する。
システムインフォメーションを用いて端末装置2に通知される上りリンク送信電力制御に関するパラメータには、PUSCHに対する標準電力、PUCCHに対する標準電力、伝搬路損失補償係数α、PUCCHフォーマット毎に設定される電力オフセットのリスト、プリアンブルとメッセージ3の電力オフセットがある。さらに、システムインフォメーションを用いて端末装置2に通知されるランダムアクセスチャネルに関するパラメータには、プリアンブルに関するパラメータ、ランダムアクセスチャネルの送信電力制御に係るパラメータ、ランダムアクセスプリアンブルの送信制御に係るパラメータがある。これらのパラメータは、初期アクセス時または無線リンク障害(RLF: Radio Link Failure)発生後の再接続/再確立時に使用される。
送信電力を設定するために用いられる情報は、報知情報として端末装置2に通知されてもよい。また、送信電力を設定するために用いられる情報は、共有情報として端末装置2に通知されてもよい。また、送信電力を設定するために用いられる情報は、専用情報(個別情報)として端末装置2に通知されてもよい。
(第1の実施形態の基本形態)
以下、本発明の第1の実施形態の基本形態について説明する。第1の実施形態の基本形態における通信システムは、基地局装置1(以下、アクセスポイント、ポイント、送信ポイント、受信ポイント、セル、サービングセル、送信装置、受信装置、送信局、受信局、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、受信アンテナ群、受信アンテナポート群、通信装置、通信端末、eNodeBとも呼称される)として、プライマリー基地局装置(マクロ基地局装置、第1の基地局装置、第1の通信装置、サービング基地局装置、アンカー基地局装置、第1のアクセスポイント、第1のポイント、第1の送信ポイント、第1の受信ポイント、マクロセル、第1のセル、プライマリーセルとも呼称される)を備える。さらに、第1の実施形態における通信システムは、セカンダリー基地局装置(RRH(RemoteRadio Head)、リモートアンテナ、張り出しアンテナ、分散アンテナ、第2のアクセスポイント、第2のポイント、第2の送信ポイント、第2の受信ポイント、参照点、小電力基地局装置(LPN: Low Power Node)、マイクロ基地局装置、ピコ基地局装置、フェムト基地局装置、スモール基地局装置、ローカルエリア基地局装置、ファントム基地局装置、家庭(屋内)向け基地局装置(Home eNodeB, Home NodeB, HeNB, HNB)、第2の基地局装置、第2の通信装置、協調基地局装置群、協調基地局装置セット、協調基地局装置、マイクロセル、ピコセル、フェムトセル、スモールセル、ファントムセル、ローカルエリア、第2のセル、セカンダリーセルとも呼称される)を備えてもよい。また、第1の実施形態に係る通信システムは、端末装置2(以下、移動局、移動局装置、移動端末、受信装置、送信装置、受信端末、送信端末、第3の通信装置、受信アンテナ群、受信アンテナポート群、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、ユーザ装置、ユーザ端末(UE: User Equipment)とも呼称される)を備える。ここで、セカンダリー基地局装置は、複数のセカンダリー基地局装置として示されてもよい。例えば、プライマリー基地局装置とセカンダリー基地局装置は、ヘテロジーニアスネットワーク配置を利用して、セカンダリー基地局装置のカバレッジの一部または全てが、プライマリー基地局装置のカバレッジに含まれ、端末装置と通信が行なわれてもよい。
また、第1の実施形態の基本形態に係る通信システムは、基地局装置1と端末装置2とで構成される。単一の基地局装置1は、1つ以上の端末装置2を管理してもよい。また、単一の基地局装置1は、1つ以上のセル(サービングセル、プライマリーセル、セカンダリーセル、フェムトセル、ピコセル、スモールセル、ファントムセル)を管理してもよい。また、単一の基地局装置1は、1つ以上の周波数帯域(コンポーネントキャリア、キャリア周波数)を管理してもよい。また、単一の基地局装置1は、1つ以上の小電力基地局装置(LPN: Low Power Node)を管理してもよい。また、単一の基地局装置1は、1つ以上の家庭(屋内)向け基地局装置(HeNB: Home eNodeB)を管理してもよい。また、単一の基地局装置1は、1つ以上のアクセスポイントを管理してもよい。基地局装置1間は、有線(光ファイバ、銅線、同軸ケーブル)または無線(X2インタフェース、X3インタフェース)で接続されてもよい。また、複数の基地局装置は、ネットワークで管理されてもよい。また、単一の基地局装置1は、1つ以上の中継局装置(Relay)を管理してもよい。
また、第1の実施形態の基本形態に係る通信システムは、複数の基地局装置または小電力基地局装置または家庭用基地局装置で協調通信(CoMP: Coordination Multiple Points)を実現してもよい。つまり、第1の実施形態の基本形態に係る通信システムは、端末装置2と通信を行なうポイント(送信ポイントおよび/または受信ポイント)をダイナミックに切り替えるダイナミックポイントセレクション(DPS: Dynamic Point Selection)を行なってもよい。また、第1の実施形態の基本形態に係る通信システムは、協調スケジューリング(CS: Coordinated Scheduling)や協調ビームフォーミング(CB: Coordinated Beamforming)を行なってもよい。また、第1の実施形態の基本形態に係る通信システムは、ジョイント送信(JT: Joint Transmission)やジョイント受信(JR: Joint Reception)を行なってもよい。
また、近くに配置された複数の小電力基地局装置またはスモールセルは、クラスタリング(クラスター化、グループ化)されてもよい。クラスタリングされた複数の小電力基地局装置は、同じ設定情報を通知してもよい。また、クラスター化されたスモールセルの領域(カバレッジ)をローカルエリアと呼称する場合もある。
下りリンク送信において、基地局装置1は、送信点(TP: Transmission Point)と呼称される場合もある。また、上りリンク送信において、基地局装置1は、受信点(RP: Reception Point)と呼称される場合もある。また、下りリンク送信点および上りリンク受信点は、下りリンクパスロス測定用のパスロス参照点(Pathloss Reference Point, Reference Point)になりうる。また、パスロス測定用の参照点は、送信点や受信点とは独立に設定されてもよい。
また、スモールセルやファントムセル、ローカルエリアセルは、第3のセルとして設定されてもよい。また、スモールセルやファントムセル、ローカルエリアセルは、プライマリーセルとして再設定されてもよい。また、スモールセルやファントムセル、ローカルエリアセルは、セカンダリーセルとして再設定されてもよい。スモールセルやファントムセル、ローカルエリアセルは、サービングセルとして再設定されてもよい。また、スモールセルやファントムセル、ローカルエリアセルはサービングセルに含まれてもよい。
スモールセルを構成可能な基地局装置1は必要に応じて、間欠受信(DRX: Discrete Reception)や間欠送信(DTX: Discrete Transmission)を行なってもよい。また、スモールセルを構成可能な基地局装置1は、断続的に、電源のオン/オフを行なってもよい。
マクロセルを構成する基地局装置1とスモールセルを構成する基地局装置1とは、独立な識別子(ID: Identity, Identifier)が設定される場合がある。つまり、マクロセルとスモールセルの識別子は、独立に設定される場合がある。例えば、セル固有参照信号(CRS: Cell specific Reference Signal)がマクロセルおよびスモールセルから送信される場合、送信周波数および無線リソースが同じであっても、異なる識別子でスクランブルされる場合もある。マクロセルに対するセル固有参照信号は物理レイヤセルID(PCI: Physical layer Cell Identity)でスクランブルされ、スモールセルに対するセル固有参照信号は仮想セルID(VCI: Virtual Cell Identity)でスクランブルされてもよい。マクロセルでは物理レイヤセルID(PCI: Physical layer Cell Identity)でスクランブルされ、スモールセルではグローバルセルID(GCI: Global Cell Identity)でスクランブルされてもよい。マクロセルでは第1の物理レイヤセルIDでスクランブルされ、スモールセルでは第2の物理レイヤセルIDでスクランブルされてもよい。マクロセルでは第1の仮想セルIDでスクランブルされ、スモールセルでは第2の仮想セルIDでスクランブルされてもよい。ここで、仮想セルIDは、物理チャネル/物理信号に設定されるIDであってもよい。また、仮想セルIDは、物理レイヤセルIDとは独立に設定されるIDであってもよい。また、仮想セルIDは、スクランブルのために使用されるIDであってもよい。
また、スモールセルまたはスモールセルとして設定されたサービングセルまたはスモールセルに対応するコンポーネントキャリアでは、一部の物理チャネル/物理信号が送信されなくてもよい。例えば、セル固有参照信号(CRS: Cell specific Reference Signal(s))や物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)が送信されなくてもよい。また、スモールセルまたはスモールセルとして設定されたサービングセルまたはスモールセルに対応するコンポーネントキャリアでは、新しい物理チャネル/物理信号が送信されてもよい。
第1の実施形態の基本形態では、基地局装置1は、端末装置2に第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を送信する。端末装置2は、第1の設定に関する情報または第2の設定に関する情報を受信する(すなわち、第1の設定または第2の設定の何れか一方がセットされる)場合、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットする。端末装置2は、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報を受信する(すなわち、第1の設定および第2の設定がセットされる)場合、状況に応じて、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータまたは第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットする。例えば、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットするためには、端末装置2は、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの情報を受信する必要がある場合がある。また、端末装置2は、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力がセット可能であると判断した場合には、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットする。例えば、基地局装置1から第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの情報が送信される場合、つまり、端末装置2に第2の上りリンク電力制御に関するパラメータが設定される場合、端末装置2は、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットし、基地局装置1から第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの情報が送信されなかった場合、つまり、端末装置2に第2の上りリンク電力制御に関するパラメータが設定されなかった場合、端末装置2は、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットしない。この際、端末装置2は、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。
なお、本発明において、上りリンク電力制御に関するパラメータは、上りリンク電力制御に関するパラメータのセットが含まれてもよい。すなわち、上りリンク電力制御に関するパラメータは、少なくとも1つのパラメータが含まれている。言い換えると、上りリンク電力制御に関するパラメータは、複数のパラメータが含まれてもよい。また、本発明において、上りリンク電力制御に関するパラメータは、上りリンク電力制御に関する情報で基地局装置1から端末装置2へ通知されてもよい。また、本発明において、上りリンク電力制御に関する情報は、RRCメッセージやシステムインフォメーションで通知されてもよい。
図1は、本発明の基地局装置1の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、基地局装置1は、上位層処理部101、制御部103、受信部105、送信部107、チャネル測定部109、および、送受信アンテナ111、を含んで構成される。また、受信部105は、復号化部1051、復調部1053、多重分離部1055と無線受信部1057を含んで構成される。また、基地局装置1の受信処理は、上位層処理部101、制御部103、受信部105、送受信アンテナ111で行なわれる。また、送信部107は、符号化部1071、変調部1073、多重部1075、無線送信部1077と下りリンク参照信号生成部1079を含んで構成される。また、基地局装置1の送信処理は、上位層処理部101、制御部103、送信部107、送受信アンテナ111で行なわれる。
上位層処理部101は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(PDCP: Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC: Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC: Radio Resource Control)層の処理を行う。
上位層処理部101は、下りリンクの各チャネルに配置する情報を生成、又は上位ノードから取得し、送信部107に出力する。また、上位層処理部101は、上りリンクの無線リソースの中から、端末装置2が上りリンクのデータ情報である物理上りリンク共用チャネル(PUSCH: Physical Uplink Shared Channel)を配置する無線リソースを割り当てる。また、上位層処理部101は、下りリンクの無線リソースの中から、下りリンクのデータ情報である物理下りリンク共用チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)を配置する無線リソースを決定する。
上位層処理部101は、当該無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報を生成し、送信部107を介して、端末装置2に送信する。
上位層処理部101は、PUSCHを配置する無線リソースを割り当てる際に、チャネル測定部109から入力された上りリンクのチャネル測定結果を基に、チャネル品質のよい無線リソースを優先的に割り当てる。つまり、上位層処理部101は、ある端末装置またはあるセルに対して各種下りリンク信号の設定に関する情報および各種上りリンク信号の設定に関する情報を生成する。
また、上位層処理部101は、種々の下りリンク信号の設定に関する情報および種々の上りリンク信号の設定に関する情報をセル毎に生成してもよい。また、上位層処理部101は、種々の下りリンク信号の設定に関する情報および種々の上りリンク信号の設定に関する情報を端末装置2毎に生成してもよい。
また、上位層処理部101は、ある端末装置2またはあるセルに対して、つまり、端末装置固有および/またはセル固有に、第1の設定に関する情報から第nの設定に関する情報(nは自然数)を生成し、送信部107を介して、端末装置2へ送信してもよい。例えば、下りリンク信号および/または上りリンク信号の設定に関する情報とは、リソース割り当てに関するパラメータを含んでもよい。
また、下りリンク信号および/または上りリンク信号の設定に関する情報とは、系列算出に使用するパラメータを含んでもよい。なお、これらの無線リソースを時間周波数リソース、サブキャリア、リソースエレメント(RE: Resource Element)、リソースエレメントグループ(REG: Resource Element Group)、制御チャネル要素(CCE: Control Channel Element)、リソースブロック(RB: Resource Block)、リソースブロックグループ(RBG: Resource Block Group)などと呼称する場合もある。
これらの設定情報および制御情報を情報要素として定義してもよい。また、これらの設定情報および制御情報をRRCメッセージとして定義してもよい。また、これらの設定情報および制御情報をシステム情報で端末装置2へ送信してもよい。また、これらの設定情報および制御情報を専用シグナリングで端末装置2へ送信してもよい。
また、上位層処理部101は、システムインフォメーションブロックタイプ1に少なくとも1つのTDD UL/DL設定(TDD UL/DL configuration(s), TDD config, tdd-Config, uplink-downlink configuration(s))を設定する。TDD UL/DL設定は、図3のように定義されてもよい。インデックスを設定することによって、TDDの構成を示してもよい。さらに、下りリンク参照として、第2のTDD UL/DL設定を設定してもよい。また、システムインフォメーションブロックは複数のタイプを用意してもよい。例えば、システムインフォメーションブロックタイプ1には、TDD UL/DL設定に関する情報要素が含まれる。
また、システムインフォメーションブロックタイプ2には、無線リソース制御に関する情報要素が含まれる。なお、ある情報要素の中に、その情報要素に係るパラメータが情報要素として含まれてもよい。例えば、物理層では、パラメータと呼称されるものが、上位層では、情報要素として定義されてもよい。
なお、本発明では、identity, identifier, identificationをID(識別子、識別符号、識別番号)と呼称する。端末固有に設定されるID(UEID)には、C−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier),SPS C−RNTI(Semi-persistentScheduling C-RNTI),Temporary C−RNTI,TPC−PUSCH RNTI,TPC−PUCCH RNTI、コンテンションレゾリューションのためのランダム値がある。これらのIDは、セル単位で使用される。これらのIDは、上位層処理部101によって設定される。
また、上位層処理部101は、端末装置2に対して種々の識別子を設定し、送信部107を介して、端末装置2へ通知する。例えば、RNTIを設定し、端末装置2へ通知する。また、物理セルIDまたは仮想セルIDまたは仮想セルIDに相当するIDを設定し、通知する。例えば、仮想セルIDに相当するIDとして、物理チャネル固有に設定可能なID(PUSCH ID,PUCCH ID,スクランブリング初期化ID,参照信号ID(RSID)など)がある。物理セルIDや仮想セルIDは物理チャネルおよび物理信号の系列生成に用いることがある。
上位層処理部101は、端末装置2から物理上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control Channel)で通知された上りリンク制御情報(UCI: Uplink Control Information)、および端末装置2から通知されたバッファの状況や上位層処理部101が設定した端末装置2各々の各種設定情報(RRCメッセージ、システムインフォメーション、パラメータ、情報要素)に基づき、受信部105および送信部107の制御を行うために制御情報を生成し、制御部103に出力する。なお、UCIには、ACK/NACK、スケジューリング要求(SR: Scheduling Request)、チャネル状態情報(CSI: ChannelState Information)のうち少なくとも一つが含まれる。なお、CSIには、CQI,PMI,RIのうち少なくとも一つが含まれる。
上位層処理部101は、上りリンク信号(PRACH、PUCCH、PUSCH、UL DMRS、P−SRS、およびA−SRS)の送信電力および送信電力に関するパラメータを設定する。また、上位層処理部101は、下りリンク信号(CRS、DL DMRS、CSI−RS、PDSCH、PDCCH/EPDCCHなど)の送信電力および送信電力に関するパラメータを、送信部107を介して、端末装置2に送信する。つまり、上位層処理部101は、上りリンクおよび下りリンクの電力制御に関する情報を、送信部107を介して、端末装置2に送信する。言い換えると、上位層処理部101は、基地局装置1および端末装置2の送信電力制御に関する情報を生成する。例えば、上位層処理部101は、基地局装置1の送信電力に関するパラメータを端末装置2に送信する。
また、上位層処理部101は、端末装置2の最大送信電力PCMAX,cおよび総最大出力電力PCMAXに設定するために用いられるパラメータを端末装置2に送信する。また、上位層処理部101は、種々の物理チャネルの送信電力制御に関する情報を端末装置2に送信する。
また、上位層処理部101は、隣接する基地局装置からの干渉量を示す情報、隣接する基地局装置から通知された隣接する基地局装置1に与えている干渉量を示す情報、またチャネル測定部109から入力されたチャネルの品質などに応じて、PUSCHなどが所定のチャネル品質を満たすよう、また、隣接する基地局装置1への干渉を考慮し、端末装置2の送信電力をセットし、これらの設定を示す情報を、送信部107を介して、端末装置2に送信する。
具体的には、上位層処理部101は、端末装置2間で共有する情報(上りリンク電力制御に関する共有パラメータの情報)または端末装置2間で共通なパラメータとして設定される情報として、PUSCHとPUCCHそれぞれに対する標準電力(PO_NOMINAL_PUSCH,PO_NOMINAL_PUCCH)、伝搬路損失補償係数(減衰係数)α、メッセージ3用の電力オフセット、PUCCHフォーマット毎に規定される電力オフセットなどをシステムインフォメーションで送信する。その際、PUCCHフォーマット3の電力オフセットおよびデルタPUCCHフォーマット1bCSの電力オフセットを追加して通知してもよい。また、これらの共有パラメータの情報は、RRCメッセージで通知されてもよい。
また、上位層処理部101は、端末装置2毎に設定可能な情報(上りリンク電力制御に関する専用パラメータの情報)として、端末装置固有PUSCH電力P0_UE_PUSCH、デルタMCSが有効か否かを指示するパラメータ(deltaMCS-Enabled)、アキュムレーションが有効か否かを指示するパラメータ(accumulationEnabled)、端末装置固有PUCCH電力P0_UE_PUCCH、P−SRS電力オフセットPSRS_OFFSET(0)、フィルタ係数をRRCメッセージで通知する。その際、各PUCCHフォーマットにおける送信ダイバーシチの電力オフセット、A−SRS電力オフセットPSRS_OFFSET(1)を通知してもよい。なお、ここで述べるαとはパスロス値と共に送信電力をセットするために用いられ、パスロスを補償する度合いを表す係数、言い換えるとパスロスに応じてどの程度送信電力を増減させるか(つまり、どの程度送信電力を補償するか)を決定する係数(減衰係数、伝送路損失補償係数)である。αは通常0から1の値をとり、0であればパスロスに応じた電力の補償は行なわず、1であればパスロスの影響が基地局装置1において生じないよう端末装置2の送信電力を補償する。これらの情報は、再設定情報として端末装置2へ送信されてもよい。なお、これらの共有パラメータおよび専用パラメータは、プライマリーセルとセカンダリーセルまたは複数のサービングセルでそれぞれ独立に設定されてもよい。
また、上位層処理部101は、端末装置2毎に下りリンク信号/上りリンク信号の送信電力または送信電力に関するパラメータを設定してもよい。また、上位層処理部101は、端末装置2間で共通の下りリンク/上りリンク信号の送信電力または送信電力に関するパラメータを設定してもよい。上位層処理部101は、これらのパラメータに関する情報を上りリンク電力制御に関する情報(上りリンク電力制御に関するパラメータの情報)および/または下りリンク電力制御に関する情報(下りリンク電力制御に関するパラメータの情報)として端末装置2へ送信してもよい。上りリンク電力制御に関するパラメータの情報および下りリンク電力制御に関するパラメータの情報には、少なくとも1つのパラメータが含まれて端末装置2へ送信される。
上位層処理部101は、種々の物理チャネル/物理信号に係る種々のIDの設定を行ない、制御部103を介して、受信部105および送信部107へIDの設定に関する情報を出力する。例えば、上位層処理部101は、下りリンク制御情報フォーマットに含まれるCRCをスクランブルするRNTI(UEID)の値を設定する。
また、上位層処理部101は、C−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier),Temporary C−RNTI,P−RNTI(Paging-RNTI),RA−RNTI(Random Access-RNTI),SPS C−RNTI(Semi-Persistent Scheduling C-RNTI)などの種々の識別子の値を設定してもよい。
また、上位層処理部101は、物理セルIDや仮想セルID、スクランブル初期化IDなどのIDの値を設定する。これらの設定情報は、制御部103を介して、各処理部へ出力される。また、これらの設定情報は、RRCメッセージやシステムインフォメーション、端末装置固有の専用情報、情報要素として端末装置2へ送信されてもよい。また、一部のRNTIはMAC CE(Control Element)を用いて送信されてもよい。
制御部103は、上位層処理部101からの制御情報に基づいて、受信部105、および送信部107の制御を行なう制御信号を生成する。制御部103は、生成した制御信号を受信部105、および送信部107に出力して受信部105、および送信部107の制御を行う。
受信部105は、制御部103から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ111を介して端末装置2から受信した受信信号を分離、復調、復号し、復号した情報を上位
層処理部101に出力する。無線受信部1057は、送受信アンテナ111を介して受信した上りリンクの信号を、中間周波数(IF: Intermediate Frequency)に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部1057は、変換したディジタル信号からガードインターバル(GI: Guard Interval)に相当する部分を除去する。無線受信部1057は、ガードインターバルを除去した信号に対して高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)を行ない、周波数領域の信号を抽出し多重分離部1055に出力する。
多重分離部1055は、無線受信部1057から入力された信号をPUCCH、PUSCH、UL DMRS、SRSなどの信号に、それぞれ分離する。尚、この分離は、予め基地局装置1が決定して各端末装置2に通知した無線リソースの割り当て情報に基づいて行われる。また、多重分離部1055は、チャネル測定部109から入力された伝送路の推定値から、PUCCHとPUSCHの伝送路の補償を行なう。また、多重分離部1055は、分離したUL DMRSおよびSRSをチャネル測定部109に出力する。
復調部1053は、PUSCHを逆離散フーリエ変換(IDFT: Inverse Discrete Fourier Transform)し、変調シンボルを取得し、PUCCHとPUSCHの変調シンボルそれぞれに対して、2位相偏移変調(BPSK: Binary Phase Shift Keying)、4相位相偏移変調(QPSK: Quadrature Phase Shift Keying)、16値直交振幅変調(16QAM: 16 Quadrature Amplitude Modulation)、64値直交振幅変調(64QAM: 64 Quadrature Amplitude Modulation)等の予め定められた、または基地局装置1が端末装置2各々に下りリンク制御情報で予め通知した変調方式を用いて受信信号の復調を行なう。
復号化部1051は、復調したPUCCHとPUSCHの符号化ビットを、予め定められた符号化方式の、予め定められた、又は基地局装置1が端末装置2に上りリンクグラント(UL grant)で予め通知した符号化率で復号を行ない、復号したデータ情報と、上りリンク制御情報を上位層処理部101へ出力する。
チャネル測定部109は、多重分離部1055から入力された上りリンク復調参照信号UL DMRSとSRSから伝送路の推定値、チャネルの品質などを測定し、多重分離部1055および上位層処理部101に出力する。また、チャネル測定部109は、第1の信号から第nの信号の受信電力および/または受信品質を測定し、多重分離部1055および上位層処理部101に出力する。
送信部107は、制御部103から入力された制御信号に基づいて、下りリンクの参照信号(下りリンク参照信号)を生成し、上位層処理部101から入力されたデータ情報、下りリンク制御情報を符号化、および変調し、PDCCH(EPDCCH)、PDSCH、および下りリンク参照信号を多重して、送受信アンテナ111を介して端末装置2に下りリンク信号を送信する。
符号化部1071は、上位層処理部101から入力された下りリンク制御情報、およびデータ情報を、ターボ符号化、畳み込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行う。変調部1073は、符号化ビットをQPSK、16QAM、64QAM等の変調方式で変調する。下りリンク参照信号生成部1079は、基地局装置1を識別するためのセル識別子(Cell ID, Cell Identity, Cell Identifier, Cell Identification)などを基に予め定められた規則で求まる、端末装置2が既知の系列で下りリンク参照信号として生成する。多重部1075は、変調した各チャネルと生成した下りリンク参照信号を多重する。
無線送信部1077は、多重した変調シンボルを逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)して、OFDM方式の変調を行ない、OFDM変調されたOFDMシンボルにガードインターバルを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号から中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送受信アンテナ111に出力して送信する。
図2は、本実施形態に係る端末装置2の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、端末装置2は、上位層処理部201、制御部203、受信部205、送信部207、チャネル測定部209、および、送受信アンテナ211、を含んで構成される。また、受信部205は、復号化部2051、復調部2053、多重分離部2055と無線受信部2057を含んで構成される。端末局装置2の受信処理は、上位層処理部201、制御部203、受信部205、送受信アンテナ211で行なわれる。また、送信部207は、符号化部2071、変調部2073、多重部2075と無線送信部2077を含んで構成される。また、端末装置2の送信処理は、上位層処理部201、制御部203、送信部207、送受信アンテナ211で行なわれる。
上位層処理部201は、ユーザの操作等により生成された上りリンクのデータ情報を、送信部に出力する。また、上位層処理部201は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(PDCP: Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC: Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC: Radio Resource Control)層の処理を行なう。
上位層処理部201は、自局の各種設定情報の管理を行なう。また、上位層処理部201は、上りリンクの各チャネルに配置する情報を生成し、送信部207に出力する。上位層処理部201は、基地局装置1からPDCCHで通知された下りリンク制御情報、およびPDSCHで通知された無線リソース制御情報が設定された上位層処理部201が管理する自局の各種設定情報に基づき、受信部205、および送信部207の制御を行うために制御情報を生成し、制御部203に出力する。また、上位層処理部201は、基地局装置1から通知された第1の設定に関する情報から第nの設定に関する情報に基づいて、各信号の種々のパラメータ(情報要素、RRCメッセージ)をセットする。また、それらのセットした情報を生成し、制御部203を介して、送信部207に出力する。
上位層処理部201は、基地局装置1が報知しているSRSを送信するための無線リソースを予約するサブフレームであるサウンディングサブフレーム(SRSサブフレーム、SRS送信サブフレーム)、およびサウンディングサブフレーム内でSRSを送信するために予約する無線リソースの帯域幅を示す情報、および、基地局装置1が端末装置2に通知したピリオディックSRSを送信するサブフレームと、周波数帯域と、ピリオディックSRSのCAZAC系列に用いるサイクリックシフトの量と、を示す情報、および、基地局装置1が端末装置2に通知したアピリオディックSRSを送信する周波数帯域と、アピリオディックSRSのCAZAC系列に用いるサイクリックシフトの量と、を示す情報を受信部205から取得する。
上位層処理部201は、前記情報に従ってSRS送信の制御を行なう。具体的には、上位層処理部201は、前記ピリオディックSRSに関する情報に従ってピリオディックSRSを1回または周期的に送信するよう送信部207を制御する。また、上位層処理部201は、受信部205から入力されたSRSリクエスト(SRSインディケータ)においてアピリオディックSRSの送信を要求された場合、アピリオディックSRSに関する情報に従ってアピリオディックSRSを予め定められた回数(例えば、1回)だけ送信する。
上位層処理部201は、基地局装置1から送信される種々の上りリンク信号の送信電力制御に関する情報に基づいて、PRACH、PUCCH、PUSCH、ピリオディックSRS、およびアピリオディックSRSの送信電力の制御を行なう。具体的には、上位層処理部201は、受信部205から取得した種々の上りリンク電力制御に関する情報に基づいて種々の上りリンク信号の送信電力を設定する。例えば、SRSの送信電力は、P0_PUSCH、α、ピリオディックSRS用の電力オフセットPSRS_OFFSET(0)(第1の電力オフセット(pSRS-Offset))、アピリオディックSRS用の電力オフセットPSRS_OFFSET(1)(第2の電力オフセット(pSRS-OffsetAp))、およびTPCコマンドに基づいて制御される。なお、上位層処理部201は、PSRS_OFFSETに対してピリオディックSRSかアピリオディックSRSかに応じて第1の電力オフセットか第2の電力オフセットかを切り替える。
また、上位層処理部201は、ピリオディックSRSおよび/またはアピリオディックSRSに対して第3の電力オフセットが設定されている場合、第3の電力オフセットに基づいて送信電力をセットする。なお、第3の電力オフセットは、第1の電力オフセットや第2の電力オフセットよりも広い範囲で値が設定されてもよい。第3の電力オフセットは、ピリオディックSRSおよびアピリオディックSRSそれぞれに対して設定されてもよい。つまり、上りリンク電力制御に関するパラメータの情報とは、種々の上りリンク物理チャネルの送信電力の制御に係るパラメータが含まれる情報要素やRRCメッセージのことである。
また、上位層処理部201は、あるサービングセルおよびあるサブフレームにおいて、第1の上りリンク参照信号の送信電力と物理上りリンク共用チャネルの送信電力の合計が端末装置2に設定される最大送信電力(例えば、PCMAXやPCMAX,c)を超える場合、物理上りリンク共用チャネルを送信するように、制御部203を介して送信部207に指示情報を出力する。
また、上位層処理部201は、あるサービングセルおよびあるサブフレームにおいて、第1の上りリンク参照信号の送信電力と物理上りリンク制御チャネルの送信電力の合計が端末装置2に設定される最大送信電力(例えば、PCMAXやPCMAX,c)を超える場合、物理上りリンク制御チャネルを送信するように、制御部203を介して送信部207に指示情報を出力する。
また、上位層処理部201は、あるサービングセルおよびあるサブフレームにおいて、第2の上りリンク参照信号の送信電力と物理上りリンク共用チャネルの送信電力の合計が端末装置2に設定される最大送信電力を超える場合、物理上りリンク共用チャネルを送信するように、制御部203を介して送信部207に指示情報を出力する。
また、上位層処理部201は、あるサービングセル(例えば、サービングセルc)およびあるサブフレーム(例えば、サブフレームi)において、第2の上りリンク参照信号の送信電力と物理上りリンク制御チャネルの送信電力の合計が端末装置2に設定される最大送信電力を超える場合、物理上りリンク制御チャネルを送信するように、制御部203を介して送信部207に指示情報を出力する。
また、上位層処理部201は、同じタイミング(例えば、サブフレーム)で複数の物理チャネルの送信が生じる場合、種々の物理チャネルの優先度に応じて、種々の物理チャネルの送信電力を制御したり、種々の物理チャネルの送信を制御したりすることもできる。上位層処理部201は、制御部203を介してその制御情報を送信部207に出力する。
また、上位層処理部201は、複数のサービングセルまたは複数のサービングセルそれぞれに対応する複数のコンポーネントキャリアを用いるキャリアアグリゲーションを行なう場合、物理チャネルの優先度に応じて、種々の物理チャネルの送信電力を制御したり、種々の物理チャネルの送信を制御したりすることもできる。
また、上位層処理部201は、セルの優先度に応じて、該セルから送信される種々の物理チャネルの送信制御を行なってもよい。上位層処理部201は、制御部203を介してその制御情報を送信部207に出力する。
上位層処理部201は、基地局装置1から通知された上りリンク参照信号の設定に関する情報に基づいて上りリンク参照信号の生成等を行なうように制御部203を介して送信部207に指示情報を出力する。つまり、参照信号制御部2013は、制御部203を介して、上りリンク参照信号の設定に関する情報を上りリンク参照信号生成部2079へ出力する。
制御部203は、上位層処理部201からの制御情報に基づいて、受信部205、および送信部207の制御を行なう制御信号を生成する。制御部203は、生成した制御信号を受信部205および送信部207に出力して、受信部205および送信部207の制御を行なう。
受信部205は、制御部203から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ211を介して基地局装置1から受信した受信信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部201に出力する。
受信部205は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を受信するか否かによって、適切な受信処理を行なう。例えば、第1の設定に関する情報または第2の設定に関する情報のうち、何れか一方を受信している場合には、受信した下りリンク制御情報フォーマットから第1の制御情報フィールドを検出し、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報を受信している場合には、受信した下りリンク制御情報フォーマットから第2の制御情報フィールドを検出する。
無線受信部2057は、各受信アンテナを介して受信した下りリンクの信号を、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部2057は、変換したディジタル信号からガードインターバルに相当する部分を除去し、ガードインターバルを除去した信号に対して高速フーリエ変換を行ない、周波数領域の信号を抽出する。
多重分離部2055は、抽出した信号を物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)、PDSCH、および下りリンク参照信号(DRS: Downlink Reference Signal)に、それぞれ分離する。尚、この分離は、下りリンク制御情報で通知された無線リソースの割り当て情報などに基づいて行われる。また、多重分離部2055は、チャネル測定部209から入力された伝送路の推定値から、PDCCHとPDSCHの伝送路の補償を行なう。また、多重分離部2055は、分離した下りリンク参照信号をチャネル測定部209に出力する。
復調部2053は、PDCCHに対して、QPSK変調方式の復調を行ない、復号化部2051へ出力する。復号化部2051は、PDCCHの復号を試み、復号に成功した場
合、復号した下りリンク制御情報を上位層処理部201に出力する。復調部2053は、PDSCHに対して、QPSK、16QAM、64QAM等の下りリンク制御情報で通知された変調方式の復調を行ない、復号化部2051へ出力する。復号化部2051は、下りリンク制御情報で通知された符号化率に対する復号を行い、復号したデータ情報を上位層処理部201へ出力する。
チャネル測定部209は、多重分離部2055から入力された下りリンク参照信号から下りリンクのパスロスを測定し、測定したパスロスを上位層処理部201へ出力する。また、チャネル測定部209は、下りリンク参照信号から下りリンクの伝送路の推定値を算出し、多重分離部2055へ出力する。また、チャネル測定部209は、参照信号制御部2013から制御部203を介して通知された測定に関する種々の情報、測定報告に関する種々の情報に従って、第1の信号および/または第2の信号の受信電力測定や受信品質測定を行なう。その結果を上位層処理部201に出力する。また、チャネル測定部209は、第1の信号および/または第2の信号のチャネル評価を行なうことを指示された場合、それぞれの信号のチャネル評価に関する結果を上位層処理部201に出力してもよい。ここで、第1の信号や第2の信号は、参照信号(パイロット信号、パイロットチャネル、基準信号)であり、第1の信号や第2の信号の他に第3の信号や第4の信号があってもよい。つまり、チャネル測定部209は、1つ以上の信号のチャネルを測定する。また、チャネル測定部209は、上位層処理部201から、制御部203を介して、通知された制御情報に従って、チャネル測定を行なう信号を設定する。
送信部207は、制御部203から入力された制御信号(制御情報)に基づいて、上りリンク復調参照信号(UL DMRS)および/またはサウンディング参照信号(SRS)を生成し、上位層処理部201から入力されたデータ情報を符号化および変調し、PUCCH、PUSCH、および生成したUL DMRSおよび/またはSRSを多重し、PUCCH、PUSCH、UL DMRS、およびSRSの送信電力を調整し、送受信アンテナ211を介して基地局装置1に送信する。
また、送信部207は、上位層処理部201から測定結果に関する情報が出力された場合、送受信アンテナ211を介して基地局装置1に送信する。
また、送信部207は、上位層処理部201からチャネル評価に関する結果であるチャネル状態情報が出力された場合、そのチャネル状態情報を基地局装置1へフィードバックする。つまり、上位層処理部201は、チャネル測定部209から通知された測定結果に基づいてチャネル状態情報(CSI、CQI、PMI、RI)を生成し、制御部203を介して基地局装置1へフィードバックする。
送信部207は、受信部205において、所定のグラント(または所定の下りリンク制御情報フォーマット)が検出されると、所定のグラントに対応する上りリンク信号を、グラントを検出したサブフレームから所定のサブフレーム以降の最初の上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信する。例えば、サブフレームiでグラントを検出すると、サブフレームi+k以降の最初の上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信することができる。
また、送信部207は、上りリンク信号の送信サブフレームがサブフレームiである場合、サブフレームi−kで受信したTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。ここで、電力制御調整値f(i)(またはg(i))は、TPCコマンドにセットされた値に対応付けられた補正値または絶対値に基づいて設定される。アキュムレーションが有効な場合、TPCコマンドにセットされた値に対応付けられた補正値を累算し、その累算結果を電力制御調整値として適用する。アキュムレーションが有効でない場合、単一のTPCコマンドにセットされた値に対応付けられた絶対値を電力制御調整値として適用する。
送信部207は、受信部205において第1の設定に関する情報または第2の設定に関する情報のうち、何れか一方を受信する場合には、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットし、受信部205において第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報を受信する場合には、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットし、上りリンク信号を送信する。
符号化部2071は、上位層処理部201から入力された上りリンク制御情報、およびデータ情報を、ターボ符号化、畳み込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行う。変調部2073は、符号化部2071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の変調方式で変調する。
上りリンク参照信号生成部2079は、上りリンク参照信号の設定に関する情報に基づいて上りリンク参照信号を生成する。つまり、上りリンク参照信号生成部2079は、基地局装置1を識別するためのセル識別子、上りリンク復調参照信号、第1の上りリンク参照信号、第2の上りリンク参照信号を配置する帯域幅などを基に予め定められた規則で求まる、基地局装置1が既知のCAZAC系列を生成する。また、上りリンク参照信号生成部2079は、制御部203から入力された制御信号に基づいて、生成した上りリンク復調参照信号、第1の上りリンク参照信号、第2の上りリンク参照信号のCAZAC系列にサイクリックシフトを与える。
上りリンク参照信号生成部2079は、上りリンク復調参照信号および/またはサウンディング参照信号、上りリンク参照信号の基準系列を所定のパラメータに基づいて初期化してもよい。所定のパラメータは各参照信号で同じパラメータであってもよい。また、所定のパラメータは各参照信号に独立に設定されたパラメータであってもよい。つまり、上りリンク参照信号生成部2079は、独立に設定されたパラメータがなければ、同じパラメータで各参照信号の基準系列を初期化することができる。
多重部2075は、制御部203から入力された制御信号に基づいて、PUSCHの変調シンボルを並列に並び替えてから離散フーリエ変換(DFT: Discrete Fourier Transform)し、PUCCHとPUSCHの信号と生成したUL DMRSおよびSRSを多重する。
無線送信部2077は、多重した信号を逆高速フーリエ変換して、SC−FDMA方式の変調を行い、SC−FDMA変調されたSC−FDMAシンボルにガードインターバルを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号から中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数(無線周波数)の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送受信アンテナ211に出力して送信する。
図4は、第1の実施形態の基本形態に係る端末装置2の処理手順を示すフローチャートである。端末装置2は、基地局装置1から送信された情報によって、条件Aを満たすか条件Bを満たすかを識別する(ステップS401)。端末装置2は、条件Aを満たす場合、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットする(ステップS402)。端末装置2は、条件Bを満たす場合、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットする(ステップS403)。ここで、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータおよび第2の上りリンク電力制御に関するパラメータ
は、全ての上りリンクサブフレームに対して適用されてもよい。
ここで、条件Aとは、端末装置2が第1の設定に関する情報または第2の設定に関する情報の何れか一方のみを受信することであり、条件Bとは、端末装置2が第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報を受信することである。
なお、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータおよび第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの一例については、後述の変形例を用いて説明する。
なお、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報の詳細については後述する。
第1の実施形態では、ある情報と上りリンク電力制御を関連付けることで、通信状況に応じた送信電力制御を適切に行なうことができる。
(第1の実施形態の変形例1)
次に、第1の実施形態の変形例1について説明する。第1の実施形態の変形例1では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、第1の設定または第2の設定の何れか一方のみが設定される端末装置2に対しては、下りリンク制御情報(DCI: Downlink Control Information)フォーマットに第1の送信電力制御(TPC: Transmit Power Control)コマンドに関するフィールドを含めて、送信することができる。また、基地局装置1は、第1の設定および第2の設定がセットされる端末装置2に対しては、DCIフォーマットに第2のTPCコマンドに関するフィールドを含めて、送信することができる。
端末装置2は、第1の設定に関する情報または第2の設定に関する情報を受信する場合、基地局装置1から送信されるDCIフォーマットに伴うTPCコマンドに関するフィールドを第1のTPCコマンドに関するフィールドとして受信処理(例えば、復調・復号処理、信号検出処理、情報抽出処理)を行ない、第1のTPCコマンドに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報を受信する場合、基地局装置1から送信されるDCIフォーマットに伴うTPCコマンドに関するフィールドを第2のTPCコマンドに関するフィールドとして受信処理を行ない、第2のTPCコマンドに基づいて、上りリンク信号の送信電力をセットする。
ここで第1の実施形態の基本形態に基づいて説明すると、第1のTPCコマンドに関するフィールドと第2のTPCコマンドに関するフィールドとの違いは、DCIフォーマットに含まれるTPCコマンドに関するフィールドを拡張するか否かであってもよい。つまり、TPCコマンドに関するフィールドを構成するビットサイズ(ビット数)が第1のTPCコマンドに関するフィールドと第2のTPCコマンドに関するフィールドで異なる。例えば、第1のTPCコマンドに関するフィールドは2ビットで構成され、第2のTPCコマンドに関するフィールドは3ビットで構成されてもよい。つまり、端末装置2は、第2の設定がセットされると、TPCコマンドに関するフィールドが拡張されたと認識し、復調・復号処理を行ない、上りリンク送信電力をセットする。端末装置2は、TPCコマンドに関するフィールドが拡張されると、拡張される前よりも広い範囲の電力補正をダイナミックに制御することができる。なお、ここで示すビットサイズについては一例であるため、この例とは異なるビットサイズで拡張されてもよい。
また、第1の実施形態の変形例1では、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、TPCコマンドに関するフィールドが拡張されると認識してもよい。ここで、TPCコマンドに関するフィールドが拡張されるとは、TPCコマンドに関するフィールドに割り当てられるビット数が拡張されることを含む。また、TPCコマンドに関するフィールドが拡張されるとは、TPCコマンドによって、適用可能な補正値または絶対値が拡張される前のTPCコマンドで適用可能な値に比べ、より高い値またはより低い値まで適用可能になることを含む。つまり、TPCコマンドに関するフィールドを構成するビット数は変わらず、適用可能な値が変わる。
なお、第1の設定に関する情報と第2の設定に関する情報は、同じRRCメッセージ(またはシステムインフォメーション)で端末装置2に送信されてもよい。
また、第1の設定に関する情報と第2の設定に関する情報は、異なるRRCメッセージ(またはシステムインフォメーション)で端末装置2に送信されてもよい。
また、第1の設定と第2の設定は、異なる情報要素(パラメータ)としてセットされてもよい。つまり、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、拡張されたTPCコマンドに関するフィールドを復調・復号することができ、上りリンク電力制御の範囲を拡張することができる。つまり、端末装置2は、サブフレーム単位でより広範囲の(より大きな)電力補正をダイナミックに行なうことができる。
また、端末装置2は、第1のTPCコマンドに係るテーブルと第2のTPCコマンドに係るテーブルを事前に設定されてもよい。図5と図6は、第1のTPCコマンドに関するフィールドおよび第2のTPCコマンドに関するフィールドによって指示されるTPCコマンドの構成の一例である。図5は、第1のTPCコマンドに関するフィールドと第2のTPCコマンドに関するフィールドとでビットサイズ(ビット数)が拡張された場合を示している。ビットサイズが拡張されることで、第2のTPCコマンドに関するフィールドでは、より多段階かつより広範囲での電力補正を行なうことができる。また、図6は、第1のTPCコマンドに関するフィールドと第2のTPCコマンドに関するフィールドとで同じビットサイズで構成されるが、選択可能な補正値または絶対値が異なる。第1のTPCコマンドに関するフィールドと第2のTPCコマンドに関するフィールドとで設定可能な補正値または絶対値は、少なくとも1つは異なってもよい。
また、第1のTPCコマンドに関するフィールドと第2のTPCコマンドに関するフィールドがそれぞれ異なるサブフレームセットに対応している場合、第1のTPCコマンドに関するフィールドと第2のTPCコマンドに関するフィールドは、同じビットサイズで構成されてもよい。つまり、サブフレームセット毎に独立にアキュムレーションが行なわれてもよい。また、サブフレームセット毎に独立にアキュムレーションが有効か否かを判定されてもよい。つまり、あるサブフレームセットでは、アキュムレーションを有効にし、また別のサブフレームセットでは、アキュムレーションを有効にしなくてもよい。なお、サブフレームセットは、サブフレームサブセットやサブフレームタイプと呼称されてもよい。
端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされることによって、TPCコマンドが拡張される場合、拡張されたTPCコマンドフィールドを含むDCIフォーマットはPDCCHの端末固有検索領域(USS: UE-specific Search Space)、EPDCCHの共有検索領域(CSS: Common Search Space)、EPDCCHのUSSのうち、少なくとも1つにはマッピングされる。
基地局装置1の上位層処理部101は、第2の設定がセット可能な端末装置2に対して、拡張したTPCコマンドを伴うDCIフォーマットを送信してもよい。
また、基地局装置1は、第1の設定および第2の設定がセットされる端末装置2に対して、同じDCIフォーマットに第1のTPCコマンドに関するフィールドと第2のTPCコマンドに関するフィールドを含めて送信してもよい。
また、基地局装置1は、第1の設定および第2の設定がセットされる端末装置2に対して、同じDCIフォーマットの第1のTPCコマンドに関するフィールドを第2のTPCコマンドに関するフィールドとして設定して送信してもよい。つまり、基地局装置1は、第1のTPCコマンドに関するフィールドから第2のTPCコマンドに関するフィールドに入れ替えて送信してもよい。
また、基地局装置1は、第1の設定および第2の設定がセットされる端末装置2に対して、一部の制御情報フィールドを第2のTPCコマンドに関するフィールドとして設定して送信してもよい。端末装置2は、基地局装置1が設定したDCIフォーマットから第2のTPCコマンドに関するフィールドを検出することができる。なお、第2のTPCコマンドを適用できるか否かは、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報とは異なる制御情報で端末装置2に示されてもよい。
(第1の実施形態の変形例2)
次に、第1の実施形態の変形例2について説明する。第1の実施形態の変形例2では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、第1の設定および第2の設定がセットされる端末装置2に対して、DCIフォーマットに所定の電力オフセットを上りリンク電力に適用するか否かを指示するフィールドを含めて、送信する。
また、基地局装置1は、第1の設定および第2の設定がセットされる端末装置2に対して、所定の電力オフセットに関する情報を送信する。端末装置2は、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報を受信する場合には、DCIフォーマットに所定の電力オフセットを上りリンク電力に適用するか否かを指示するフィールドが含まれていると認識し、DCIフォーマットの受信処理(復調・復号処理、検出処理)を行なう。そのフィールドで所定の電力オフセットを適用することが指示される場合には、端末装置2は、上りリンク信号の送信電力を所定の電力オフセットに基づいてセットし、上りリンク信号を基地局装置1へ送信する。例えば、所定の電力オフセットとは、第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットで送信される上りリンク信号の送信電力の電力比であってもよい。所定の電力オフセットとは、所定の値が設定された電力比であってもよい。また、所定の電力オフセットとは、第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットで送信される上りリンク信号の送信電力の電力差であってもよい。また、所定の電力オフセットとは、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる送信電力と第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる送信電力の電力比であってもよい。また、所定の電力オフセットとは、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる送信電力と第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる送信電力の電力差であってもよい。また、所定の電力オフセットが0である場合、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる送信電力と第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる送信電力は同じになってもよい。
また、端末装置2に所定の電力オフセットが設定される場合、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータとの違いは、DCIフォーマットに所定の電力オフセットを上りリンク電力に適用するか否かであってもよい。つまり、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、DCIフォーマットに所定の電力オフセットを上りリンク電力に適用するか否かを指示するフィールドが含まれると認識し、受信処理を行なう。端末装置2は、所定の電力オフセットが上りリンク電力に適用されると指示される場合には、所定の電力オフセットに基づいて上りリンク電力をセットする。なお、所定の電力オフセットは、RRCメッセージ(情報要素)に含まれて端末装置2に通知されてもよく、この時、DCIフォーマットに含まれるそのフィールドは、1ビットのオン/オフのトリガービットとして設定されてもよい。また、所定の電力オフセットは、所定の電力オフセットを上りリンク電力に適用するか否かを指示するフィールドによってどの程度オフセットするかが設定されてもよい。つまり、DCIフォーマットに上りリンク電力制御に関する新しいフィールドが含まれてもよい。新しいフィールドが設定されたDCIフォーマットは、PDCCHまたはEPDCCHのUSS、EPDCCHのCSSのうち、少なくとも1つに割り当てられてもよい。
また、所定の電力オフセットに関するフィールドが2ビットで構成される場合、所定の電力オフセットを上りリンク電力に適用するか否かを判定するためだけに用いるだけでなくてもよい。例えば、所定の電力オフセットに関するフィールドに第1の値がセットされている場合、第1の電力オフセットを適用し、所定の電力オフセットに関するフィールドに第2の値がセットされている場合、第2の電力オフセットを適用し、所定の電力オフセットに関するフィールドに第3の値がセットされている場合、第3の電力オフセットを適用し、所定の電力オフセットに関するフィールドに第4の値がセットされている場合、所定の電力オフセットを適用しなくてもよい。なお、第1の電力オフセットから第3の電力オフセットは、独立に値がセットされ、基地局装置1から端末装置2へ通知される。また、第1の電力オフセットから第3の電力オフセットが設定された場合、端末装置2は、DCIフォーマットに2ビットの所定の電力オフセットに関するフィールドが含まれていると認識し、受信処理を行なってもよい。
(第1の実施形態の変形例3)
次に、第1の実施形態の変形例3について説明する。第1の実施形態の変形例3では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、第1の設定および第2の設定がセットされる端末装置2に対しては、下りリンク制御情報(DCI: Downlink Control Information)フォーマットに第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドを含めて、送信する。基地局装置1は、そのフィールドにおいて第1の上りリンク電力制御に関するパラメータを適用することを指示する場合、端末装置2に対して第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットすることができ、そのフィールドにおいて第2の上りリンク電力制御に関するパラメータを適用することが指示される場合、端末装置2に対して第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットすることができる。
なお、本実施形態では、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドとしているが、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータから第3の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドであってもよい。また、3つ(3セット)以上の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドであってもよい。
端末装置2は、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報を受信する場合には、基地局装置1から送信されるDCIフォーマットに第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドが含まれていると認識し、受信処理を行ない、そのフィールドの指示に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。なお、このフィールドが2ビット以上で構成される場合、複数(複数セット)の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示することができる。例えば、このフィールドが2ビットで構成される場合、第1の値(例えば、“00”)が示されていれば、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第2の値(例えば、“01”)で示されていれば、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第3の値(例えば、“10”)で示されていれば、第3の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第4の値(例えば、“11”)で示されていれば、第4の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットしてもよい。この際、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータから第4の上りリンク電力制御に関するパラメータは事前に設定されている。なお、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータ(のセット)から第4の上りリンク電力制御に関するパラメータ(のセット)は、RRCメッセージで基地局装置1から端末装置2へ通知されてもよい。
端末装置2に第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータがセットされる場合、第1の設定および/または第2の設定がセットされることによって用いられる第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの違いは、DCIフォーマットに第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドが含まれるか否かであってもよい。つまり、第1の設定および第2の設定がセットされる場合には、DCIフォーマットに2つの上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドが含まれている。上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドにセットされた値が第1の値(第1のインデックス)の場合、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク送信電力をセットし、上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドに設定された値が第2の値(第2のインデックス)の場合、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク送信電力をセットする。基地局装置1は、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータおよび第2の上りリンク電力制御に関するパラメータを端末装置2へ送信する。
なお、上りリンク電力制御に関するパラメータには、上りリンク信号(上りリンク物理チャネル)に係る電力制御パラメータが少なくとも1つは含まれる。また、端末装置2が第2の上りリンク電力制御に関するパラメータが設定されていない場合、第1の設定および第2の設定がセットされてもDCIフォーマットに第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドが含まれていると認識しない。
また、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータのうち、何れか一方しかセットできない端末装置2は、第2の設定に関する情報を受信することを期待しない。
この際、基地局装置1は、端末装置2に対して、複数の上りリンク電力制御に関する情報でそれぞれのパラメータを通知する。複数設定されるパラメータは、セル固有の情報で通知されるパラメータであってもよい。また、複数設定されるパラメータは、端末装置固有の情報で通知されるパラメータであってもよい。また、複数設定されるパラメータは、セル固有の情報および端末固有の情報で通知されるパラメータであってもよい。また、複数設定されるパラメータは、セル固有の情報または端末固有の情報で通知される特定のパラメータであってもよい。例えば、上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータは、PUSCHの送信電力やPUCCHの送信電力、SRSの送信電力を制御するためのパラメータまたはパラメータセットを少なくとも1つは含まれている。つまり、第2の上りリンク電力制御に関する情報で通知されていないパラメータは、第1の上りリンク電力制御に関する情報で通知されているパラメータを代用してもよい。
例えば、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータとで独立にセル固有の上りリンク電力制御に関するパラメータ(セット)を設定し、上りリンク信号の送信電力をセットしてもよい。また、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータとで独立に端末固有の上りリンク電力制御に関するパラメータ(セット)を設定し、上りリンク信号の送信電力をセットしてもよい。また、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータとで独立にセル固有または端末固有の上りリンク電力制御に関するパラメータ(セット)を設定し、上りリンク信号の送信電力をセットしてもよい。また、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータとで、独立のループのTPCコマンドのアキュムレーションによって得られた電力制御調整値が適用されてもよい。
図7は、第1の上りリンク電力制御に関する情報(UplinkPowerControl)に含まれるパラメータの一例を示す図である。第1の上りリンク電力制御に関する情報には、セル固有(セル内の端末装置2間で共有)の情報として設定される共有パラメータ(上りリンク電力制御に関する共有パラメータ(UplinkPowerControlCommon))と端末装置2毎に設定される専用パラメータ(上りリンク電力制御に関する専用情報(UplinkPowerControlDedicated))がある。共有パラメータとしては、セル固有に設定可能なPUSCH電力である標準PUSCH電力(p0-NominalPUSCH)、フラクショナル送信電力制御の減衰係数(伝送路損失補償係数)α(alpha)、セル固有に設定可能なPUCCH電力である標準PUCCH電力(p0-NominalPUCCH)、PUCCHフォーマット毎の電力調整値(電力オフセット)ΔF_PUCCHは(deltaFList-PUCCH)、プリアンブルメッセージ3が送信される場合の電力調整値(電力オフセット)(deltaPreambleMsg3)がある。また、専用パラメータとしては、端末装置固有に設定可能なPUSCH電力である端末固有PUSCH電力(p0-UE-PUSCH)、変調符号化方式による電力調整値Ksを有効にするか否かを指示するパラメータ(deltaMCS-Enabled)、アキュムレーションが有効か否かを指示するパラメータ(accumulationEnabled)、端末装置固有に設定可能なPUCCH電力である端末固有PUCCH電力(p0-UE-PUCCH)、ピリオディックSRSおよびアピリオディックSRSの電力オフセットPSRS_OFFSET(pSRS-Offset、pSRS-OffsetAp)、参照信号の受信電力(RSRP: Reference Signal Received Power)のフィルタ係数(filterCoefficient)がある。これらのパラメータは、プライマリーセルに対して設定可能であるが、セカンダリーセルに対しても同様の設定を通知することができる。さらに、セカンダリーセルに対する専用パラメータでは、プライマリーセルかセカンダリーセルのパスロス測定用参照信号を用いてパスロスの計算を行なうことを指示するパラメータ(pathlossReferenceLinking)が含まれてもよい。
図8は、第2の上りリンク電力制御に関する共有情報の一例を示す図である。第2の(プライマリーセルに対する)上りリンク電力制御に関する共有情報または第2のセカンダリーセルに対する上りリンク電力制御に関する共有情報で通知されるパラメータは、図8に示したパラメータがすべて含まれて通知されてもよい。また、第2の(プライマリーセルに対する)上りリンク電力制御に関する共有情報または第2のセカンダリーセルに対する上りリンク電力制御に関する共有情報に含まれる情報要素は、図8に示したパラメータのうち少なくとも一つのパラメータが含まれてもよい。また、第2の(プライマリーセルに対する)上りリンク電力制御に関する共有情報または第2のセカンダリーセルに対する上りリンク電力制御に関する共有情報で通知されるパラメータは、一つも含まれてなくてもよい。この場合には、基地局装置1は、解放を選択し、その共有情報を端末2へ送信する。また、第2の上りリンク電力制御に関する共有情報で通知されなかったパラメータは、第1の上りリンク電力制御に関する共有情報と同じ設定をしてもよい。なお、共有情報で通知されるパラメータは共有パラメータと呼称される場合がある。
図9は、第1の上りリンク電力制御に関する専用情報と第2の上りリンク電力制御に関する専用情報の一例を示す図である。第1のプライマリーセル/セカンダリーセルに対する上りリンク電力制御に関する専用情報で通知されるパラメータには、パスロスを測定する下りリンク参照信号(下りリンク無線リソース)を指示するパスロス参照リソースが含まれてもよい。また、第2のプライマリーセル/セカンダリーセルに対する上りリンク電力制御に関する専用情報で通知されるパラメータには、図7で示したパラメータに加え、パスロス参照リソースが含まれてもよい。第2の(プライマリーセルに対する)上りリンク電力制御に関する専用情報または第2のセカンダリーセルに対する上りリンク電力制御に関する専用情報で通知されるパラメータは、図9に示したパラメータがすべて含まれてもよい。また、第2の(プライマリーセルに対する)上りリンク電力制御に関する専用情報または第2のセカンダリーセルに対する上りリンク電力制御に関する専用情報で通知されるパラメータは、図9に示したパラメータのうち少なくとも一つのパラメータが含まれていればよい。また、第2の(プライマリーセルに対する)上りリンク電力制御に関す専用情報または第2のセカンダリーセルに対する上りリンク電力制御に関する専用情報で通知されるパラメータは、一つも設定されていなくてもよい。この場合には、基地局装置1は、解放を選択し、その情報を端末装置2へ送信する。また、第2の上りリンク電力制御に関する専用情報で通知されないパラメータは、第1の上りリンク電力制御に関する専用情報で通知されたパラメータと同じ設定をしてもよい。例えば、第2の上りリンク電力制御に関する専用情報においてパスロス参照リソースが通知されなかった場合には、第1の上りリンク電力制御に関する専用情報で通知されているパスロス参照リソースに基づいてパスロスの計算を行なってもよい。また、第2の上りリンク電力制御に関する専用情報において端末装置固有PUSCH電力が通知されなかった場合には、第1の上りリンク電力制御に関する専用情報で通知されている端末装置固有PUSCH電力に基づいて送信電力をセットしてもよい。なお、専用情報で通知されるパラメータは専用パラメータと呼称される場合がある。
なお、第1の上りリンク電力制御に関する情報および第2の上りリンク電力制御に関する情報は同じ情報要素または同じRRCメッセージに含まれて端末装置2へ送信されてもよい。
(第1の実施形態の変形例4)
次に、第1の実施形態の変形例4について説明する。第1の実施形態の変形例4では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、DCIフォーマット3/3Aに拡張したTPCコマンドを含むDCIフォーマット3Bを設定して端末装置2へ送信する。端末装置2は、第1の設定および第2の設定の両方がセットされている場合、受信したDCIフォーマット3/3AをDCIフォーマット3Bとして読み替えることができる。端末装置2は、第1の設定または第2の設定のうち、何れか一方のみがセットされている場合、拡張前のTPCコマンドを指示するDCIフォーマットに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第1の設定および第2の設定の両方がセットされている場合、拡張後のTPCコマンドを指示するDCIフォーマットに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットすることができる。
端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、拡張されるTPCコマンドのビットサイズに応じて、DCIフォーマット3Bに含まれるTPCコマンドナンバーを認識する。例えば、DCIフォーマット0のペイロードサイズをLとし、TPCコマンドナンバーをN、ビットサイズをMとすると、DCIフォーマット3Bに設定されるTPCコマンドナンバーは、N=FLOOR(L/M)で求められる。DCIフォーマット3Bは、DCIフォーマット3/3Aとは独立にTPCインデックスが設定される。なお、DCIフォーマット3Bは、EPDCCHのCSSにのみ割り当てられてもよい。また、DCIフォーマット3Bは、PDCCHまたはEPDCCHのUSSに割り当てられてもよい。
また、拡張されたTPCコマンドに関する新しいDCIフォーマット(DCIフォーマット3B)に対して、TPCコマンドに関するDCIフォーマットを識別するための識別子(TPC−RNTI)がDCIフォーマット3/3Aとは独立に設定されてもよい。また、DCIフォーマット3BのTPCインデックスは、DCIフォーマット3/3Aと独立に設定されてもよい。
第1の実施形態では、第1の設定および第2の設定に基づいて、2つのサブフレームセットが設定される場合であっても、端末装置2は、異なるサブフレームセット間で共通の送信電力制御を行なうことができる。
第1の実施形態の変形例1から変形例4では、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、DCIフォーマットが拡張されたと認識して処理してもよい。また、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、DCIフォーマットの一部のフィールドが読み替えられたと認識し、処理してもよい。また、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、DCIフォーマットに新しいフィールド(制御情報フィールド、制御フィールド、情報ビットフィールド、ビットフィールド)が含まれていると認識して、処理してもよい。
なお、第1の実施形態では、端末装置2に第1の設定および第2の設定がセットされる場合に、新しい制御情報フィールドが含まれていないDCIフォーマットを第1のDCIフォーマットとし、新しい制御情報フィールドが設定されるDCIフォーマットを第2のDCIフォーマットとすると、第2のDCIフォーマットは、PDCCH(第1の下りリンク制御チャネル領域)および/またはEPDCCH(第2の下りリンク制御チャネル領域)の端末固有探索領域(USS: UE-specific Search Space)で送信されてもよい。また、第2のDCIフォーマットは、EPDCCHの共有探索領域(CSS: Common Search Space)で送信されてもよい。つまり、端末装置2に第1の設定および第2の設定がセットされる場合であっても、第1のDCIフォーマットは、PDCCHのCSSで送信される。
端末装置2に設定された情報(条件)に応じて、端末装置2は、送信サブフレームの設定に因らず、上りリンク信号の送信電力制御を切り替えることによって、適切な送信電力制御を行なうことができる。
(第2の実施形態の基本形態)
次に、第2の実施形態の基本形態について説明する。第2の実施形態の基本形態では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。端末装置2は、第1の設定または第2の設定の何れか一方がセットされる場合、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、第1の設定および第2の設定に基づいて第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットを設定し、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットする。
図10は、第2の実施形態の基本形態に係るフローチャートである。端末装置2は、第1の条件を識別する(ステップS1001)。条件Aの場合、端末装置2は、全ての上りリンクサブフレームに対して第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットする(ステップS1002)。条件Bの場合、さらに、第2の条件を識別する(S1003)。条件B1の場合、端末装置2は、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対して第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットする(S1004)。条件B2の場合、端末装置2は、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対して第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットする(ステップS1005)。ここで、条件Aとは、第1の設定または第2の設定のうち、何れか一方が設定されている場合であり、条件Bとは、第1の設定および第2の設定がセットされている場合である。さらに、条件B1は、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンク電力制御に関するパラメータが独立にセットされている場合であり、条件B2は、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンク電力制御に関するパラメータが独立にセットされている場合である。ここで、第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットは、第1の設定および第2の設定に基づいて設定されてもよい。
上りリンク電力制御のための新たな制御情報フィールドが下りリンク制御情報フォーマットに設定される場合、第2の実施形態では、特定のサブフレームに対する送信に対してのみ設定される。つまり、第1の設定または第2の設定の何れか一方のみがセットされる場合には、下りリンク制御情報フォーマットに新たな制御情報フィールドは含まれない。第1の設定および第2の設定がセットされる端末装置2に対して第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対応する下りリンク制御情報フォーマットに、新たな制御情報フィールドは含まれない。また、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる端末装置2に対して第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対応する下りリンク制御情報フォーマットに、新たな制御情報フィールドが含まれてもよい。
(第2の実施形態の変形例1)
次に、第2の実施形態の変形例1について説明する。第2の実施形態の変形例1では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信するための上りリンクグラント(下りリンク制御情報フォーマット)に含まれるTPCコマンドに関するフィールドを第1のTPCコマンドに関するフィールドであると認識し、受信処理を行ない、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信するための上りリンクグラント(下りリンク制御情報フォーマット)に含まれるTPCコマンドに関するフィールドを第2のTPCコマンドに関するフィールドであると認識し、受信処理を行なう。端末装置2は、第1のTPCコマンドまたは第2のTPCコマンドによって得られた電力制御調整値に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。
端末装置2は、第1の設定または第2の設定のうち、何れか一方のみが設定される場合には、全ての上りリンクサブフレームに対して、第1のTPCコマンドに関するフィールドに基づいて送信電力をセットする。また、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされる場合には、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を第1のTPCコマンドに関するフィールドによって得られる電力制御調整値に基づいてセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を第2のTPCコマンドに関するフィールドによって得られる電力制御調整値に基づいてセットする。なお、第1のTPCコマンドと第2のTPCコマンドについては、第1の実施形態の変形例1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
TPCコマンドのアキュムレーションをサブフレームセット毎に行なう場合、それぞれのサブフレームセットに対応するDCIフォーマットのTPCコマンドで独立に行なわれてもよい。例えば、第1のサブフレームセットに対応するDCIフォーマットのTPCコマンドフィールドと第2のサブフレームセットに対応するDCIフォーマットのTPCコマンドフィールドは異なる大きさ(ビットサイズ)であってもよい。この際、DCIフォーマットのビットサイズ自体は第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットで同じであってもよい。また、TPCコマンドフィールドが拡張された分だけ、DCIフォーマットも拡張されてもよい。
(第2の実施形態の変形例2)
次に、第2の実施形態の変形例2について説明する。第2の実施形態の変形例2では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、所定の電力オフセットに関する情報を端末装置2へ送信する。端末装置2は、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報を受信する場合、さらに、所定の電力オフセットに関する情報を受信していれば、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力は所定の電力オフセットに基づいてセットされる。なお、所定の電力オフセットに関する情報を受信していない場合、端末装置2は、第1のサブフレームセットおよび第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を所定の電力オフセットを考慮せずにセットする。例えば、所定の電力オフセットとは、第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットで送信される上りリンク信号の送信電力の電力比である。また、所定の電力オフセットとは、第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットで送信される上りリンク信号の送信電力の電力差であってもよい。
また、第1の設定または第2の設定の何れか一方のみが設定されると、全ての上りリンクサブフレームに対して、所定の電力オフセットを考慮せずに、上りリンク信号の送信電力をセットし、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を所定の電力オフセットを考慮せずにセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を所定の電力オフセットに基づいてセットする。
なお、所定の電力オフセット以外の上りリンク電力制御に関するパラメータは第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットで共通であってもよい。つまり、所定の電力オフセット以外のパラメータについては、同じ上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータに基づいて設定されてもよい。
さらに別の例として、第1の設定または第2の設定の何れか一方のみが設定されると、全ての上りリンクサブフレームに対する上りリンクに関連する下りリンク制御情報フォーマット(例えば、DCIフォーマット0)に、所定の電力オフセットを適用するか否かを指示するフィールドは含まれない。また、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンクに関連する下りリンク制御情報フォーマット(例えば、DCIフォーマット0)に、所定の電力オフセットを適用するか否かを指示するフィールドが追加されず、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンクに関連する下りリンク制御情報フォーマット(例えば、DCIフォーマット0)に、所定の電力オフセットを適用するか否かを指示するフィールドが追加されたと認識することもできる。端末装置2は、DCIフォーマットで上りリンク電力オフセットを適用すると指示される場合、上りリンク電力オフセットに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。なお、所定の電力オフセットは、フレキシブルサブフレーム(特定のサブフレームタイプ)に相当するサブフレームで上りリンク信号を送信する場合にのみ適用されてもよい。ここで、第1の設定および第2の設定がそれぞれ、同じサブフレーム(1つのサブフレーム)に対して上りリンクサブフレームと下りリンクサブフレーム、または、下りリンクサブフレームとスペシャルサブフレーム、または、上りリンクサブフレームとスペシャルサブフレームのように、異なる種類のサブフレームが設定される場合、そのようなサブフレームをフレキシブルサブフレームと呼称する場合もある。つまり、フレキシブルサブフレームは、状況に応じて、異なる種類のサブフレームとして処理可能なサブフレームのことである。
(第2の実施形態の変形例3)
次に、第2の実施形態の変形例3について説明する。第2の実施形態の変形例3では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、第1の上りリンク電力制御に関する情報および/または第2の上りリンク電力制御に関する情報を端末装置2へ送信する。端末装置2は、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報を受信する場合、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータおよび第2の上りリンク電力制御に関するパラメータが設定されていれば、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットする。なお、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータまたは第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの何れか一方のみが設定されている場合、端末装置2は、第1のサブフレームセットおよび第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を受信した上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットする。つまり、全ての上りリンクサブフレームに対して、1つ(1セット)の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。この際、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータおよび第2の上りリンク電力制御に関するパラメータが設定されている場合には、何れか一方の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。なお、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータおよび第2の上りリンク電力制御に関するパラメータについては第1の実施形態の変形例3で示したものと同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号の送信電力を第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットする。
なお、第2の上りリンク電力制御に関する情報で通知されていないパラメータがある場合、端末装置2は、第1の上りリンク電力制御に関する情報で通知されているパラメータを用いて上りリンク信号の送信電力をセットしてもよい。なお、第2の上りリンク電力制御に関する情報で、サブフレーム(またはサブフレームセット)間の電力オフセットに関するパラメータが通知されてもよい。
第2の実施形態の変形例3では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、第1の上りリンク電力制御に関する情報および/または第2の上りリンク電力制御に関する情報を端末装置2へ送信する。端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、端末装置2は、第1の設定と第2の設定に基づいて、第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットを設定することができる。さらに、端末装置2は、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータおよび第2の上りリンク電力制御に関するパラメータが設定されると、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信する場合、第1の上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信する場合、第2の上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。
さらに別の例として、第1の設定または第2の設定の何れか一方のみが設定されると、全ての上りリンクサブフレームに対する上りリンクに関連する下りリンク制御情報フォーマット(例えば、DCIフォーマット0やDCIフォーマット4)に、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドが含まれず、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされると、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンクに関連する下りリンク制御情報フォーマット(例えば、DCIフォーマット0やDCIフォーマット4)に、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドが含まれず、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンクに関連する下りリンク制御情報フォーマット(例えば、DCIフォーマット0やDCIフォーマット4)に、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの切り替えを指示するフィールドが含まれていると認識することもできる。
なお、第2の実施形態の変形例3において、サブフレームセット毎にTPCコマンドのアキュムレーションを行なうか否かが独立に設定されてもよい。つまり、サブフレームセット毎にTPCコマンドによる送信電力制御(アキュムレーション送信電力制御、アブソリュート送信電力制御)が独立に行なわれてもよい。その際、各サブフレームセットにおけるアキュムレーション送信電力制御は、各サブフレームセットに対応する上りリンク電力制御に関する情報に含まれる端末装置2毎に設定される物理チャネル(PUSCH、PUCCH)の電力(PO_UE_PUSCH,PO_UE_PUCCH)が再設定される場合、端末装置2は、TPCコマンドのアキュムレーションによって得られる電力制御調整値(累算値、累積値、積算値、加算値)を初期化(リセット)してもよい。また、各サブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対応する下りリンクサブフレームでランダムアクセスレスポンスメッセージを受信する場合、端末装置2は、各サブフレームセットに対応するTPCコマンドのアキュムレーションによって得られる電力制御調整値(各サブフレームセットに対応する電力制御調整値)を初期化(リセット)してもよい。なお、電力制御調整値をリセットすることは、アキュムレーションをリセットすることと同義であってもよい、
(第2の実施形態の変形例4)
次に、第2の実施形態の変形例4について説明する。第2の実施形態の変形例4では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、第1の設定および第2の設定がセット可能な端末装置2に対しては、拡張したTPCコマンドに対して値がセットされたDCIフォーマット(DCIフォーマット3B)をPDCCH/EPDCCHに配置して送信することができる。端末装置2は、第1の設定または第2の設定のうち、何れか一方のみがセットされている場合、拡張前のTPCコマンドが含まれているDCIフォーマット(DCIフォーマット3/3A)として受信処理し、DCIフォーマット3/3Aに含まれているTPCコマンドから得られた電力制御調整値に基づいて上りリンク信号の送信電力をセット
し、第1の設定および第2の設定がセットされている場合、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対しては、DCIフォーマット3/3Aに含まれているTPCコマンドから得られた電力制御調整値に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対しては、拡張後のTPCコマンドが含まれているDCIフォーマット(DCIフォーマット3B)に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。DCIフォーマット3Bの定義は、第1の実施形態の変形例4と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(第3の実施形態の基本形態)
次に、第3の実施形態の基本形態について説明する。第3の実施形態の基本形態では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、第1のグラントを含む物理下りリンク制御チャネル(PDCCH、EPDCCH)および/または第2のグラントを含む物理下りリンク制御チャネルおよび/または第3のグラントを含む物理下りリンク制御チャネルを端末装置2へ送信する。ここで、グラントとは、DCIフォーマットであってもよい。また、グラントを含む物理下りリンク制御チャネルとは、グラントを伴う物理下りリンク制御チャネルと同じ意味であってもよい。すなわち、物理下りリンク制御チャネルにおいて(物理下りリンク制御チャネルを経由して)グラントが送信される。端末装置2は、第1の設定または第2の設定の何れか一方がセットされる場合、第1のグラントによって上りリンク信号(上りリンク物理チャネル)の送信が指示される(送信用のリソースが割り当てられる、上りリンク信号がスケジュールされる)と、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。また、端末装置2は、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、第1のグラントによって上りリンク信号(上りリンク物理チャネル)の送信が指示される(送信用のリソースが割り当てられる、上りリンク信号がスケジュールされる)と、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータまたは第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの何れか一方に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。この際、第2のグラントによって送信が指示される上りリンク信号の送信電力は、第1のグラントによって送信が指示される上りリンク信号の送信電力制御と同様に制御されてもよい。また、第3のグラントによって送信が指示される上りリンク信号の送信電力は、通知される情報に因らず、第3の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされてもよい。
つまり、端末装置2は、同じ種類のグラントであっても端末装置2に設定される情報に応じて、複数の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットすることができる。つまり、端末装置2は、第1の設定または第2の設定の何れか一方がセットされる場合、第1のグラントに対応する上りリンク信号(上りリンク物理チャネル)の送信電力は、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされ、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、第1のグラントに対応する上りリンク信号の送信電力は、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータまたは第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの何れか一方に基づいてセットされる。この際、第3のグラントに対応する上りリンク信号の送信電力は、第1の設定および/または第2の設定がセットされているかに因らず、常に第3の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる。
例えば、上りリンクに関するグラント(上りリンクグラント)には、セミパーシステントグラント(Semi-persistent grant, semi-persistent scheduling grant)、ダイナミックスケジュールドグラント(Dynamic scheduled grant)、ランダムアクセスレスポンスグラント(Random Access Response grant)がある。セミパーシステントグラントは、周期的(定期的、準静的)なデータの送信を指示するために用いられる。ここで、セミパーシステントグラントとは、SPS C−RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマットが含まれる。ダイナミックスケジュールドグラントは、ユーザデータの送信およびリソース割り当てを指示するために用いられる。ここで、ダイナミックスケジュールドグラントとは、C−RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマットが含まれる。ランダムアクセスレスポンスグラントは、基地局装置1から送信されたランダムアクセスレスポンスに対してユーザ情報(端末装置2の情報)を含むデータの送信およびそのリソース割り当てを指示するために用いる。上述したように、ランダムアクセルレスポンスグラントには、コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャにおけるランダムアクセスレスポンスグラントが含まれる。これらのデータの送信はPUSCHを用いて行なわれる。つまり、これらのグラントは、PUSCHのリソース割り当ておよびPUSCHの送信指示、PUSCHのスケジューリングを含んでいる。
ここで、セミパーシステントグラントによるPUSCHの送信の指示には、セミパーシステントグラントによってPUSCHのリソース割り当てが指示されること、またはPUSCHがスケジュールされることが含まれる。ダイナミックスケジュールドグラントによるPUSCHの送信の指示には、ダイナミックスケジュールドグラントによってPUSCHのリソース割り当てが指示されること、またはPUSCHがスケジュールされることが含まれる。ランダムアクセスレスポンスグラントによるPUSCHの送信の指示には、ランダムアクセスレスポンスグラントによってPUSCHのリソース割り当てが指示されることまたはPUSCHがスケジュールされることが含まれる。つまり、各グラントにおけるPUSCHの送信の指示とは、各グラントに対応するPUSCHのリソース割り当てが指示されること、またはPUSCHがスケジュールされることを含む。
例えば、端末装置2は、受信した情報に基づいて第1の設定または第2の設定の何れか一方のみがセットされる場合、ダイナミックスケジュールドグラントによってPUSCHがスケジュールされると、第1の上りリンク電力制御(第1の上りリンク電力制御方法、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータ)に基づいて前記PUSCHの送信電力はセットされ、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、ダイナミックスケジュールドグラントによってPUSCHがスケジュールされると、第2の上りリンク電力制御(第2の上りリンク電力制御方法、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータ)に基づいてPUSCHの送信電力はセットされる。この際、同じグラントによってSRSの送信が要求される(ポジティブSRSリクエストを検出する)場合、PUSCHに適用される上りリンク電力制御に基づいてSRSの送信電力はセットされる。また、セミパーシステントグラントによってPUSCHがスケジュールされる場合もそのPUSCHの送信電力は同様の処理を行なってセットされてもよい。ここで、第1の上りリンク電力制御に関する情報や第2の上りリンク電力制御に関する情報に含まれる種々の電力制御パラメータは、図7や図8、図9と同じパラメータであってもよい。
また、ランダムアクセスレスポンスグラントによってスケジュールされるPUSCHの送信電力を、受信した情報に基づいて第1の設定または第2の設定の何れか一方がセットされる場合、第3の上りリンク電力制に関するパラメータに基づいてセットし、受信した情報に基づいて第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合であっても、第3の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる。つまり、この場合、端末装置2はセットした設定に因らず、共通の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてランダムアクセスレスポンスグラントによってスケジュールされる送信電力をセットする。
なお、第1の上りリンク電力制御に関する情報、第2の上りリンク電力制御に関する情報、第3の上りリンク電力制御に関する情報およびその情報で通知される種々のパラメータは、それぞれ独立に通知されてもよい。また、第1の上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータ、第2の上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータは図7や図8、図9で示した例に基づいて通知されてもよい。また、第3の上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータは、ランダムアクセスチャネルの設定に関する情報で通知されてもよい。
ランダムアクセスレスポンスグラントに対応する上りリンク信号の送信電力制御に関する情報には、独立なパラメータ(preambleInitialReceivedTargetPower(PO_PRE)、ΔPREAMBLE_Msg3)が設定されてもよい。また、ランダムアクセスレスポンスグラントに対応する上りリンク送信電力には、専用のTPCコマンド(δmsg2)が適用されてもよい。
ランダムアクセスレスポンスグラントに対応する上りリンク信号の送信電力制御に関する情報が独立に複数設定される場合、他のグラントに対応する上りリンク信号の送信電力制御と同様に処理してもよい。
すなわち、受信したグラントの種類に応じて、1つの上りリンク電力制御か2つの上りリンク電力制御かが切り替えられる。
第3の実施形態の基本形態では、第1の設定と第2の設定の両方がセットされているか否かによって、2つの上りリンク電力制御方法を切り替えられるグラントと第1の設定と第2の設定の両方がセットされているか否かに因らず同一の上りリンク電力制御方法が適用されるグラントがある。干渉を考慮して適切な電力制御を行なうグラントと干渉を考慮せずに電力制御を行なうグラントを分けることができる。
第1の設定または第2の設定の何れか一方がセットされた端末装置2は、ダイナミックスケジュールドグラントまたはセミパーシステントグラントによって上りリンク信号がスケジュールされると、第1の上りリンク電力制御方法(第1の上りリンク電力制御に関するパラメータ)に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第1の設定および第2の設定の両方がセットされた端末装置2は、ダイナミックスケジュールドグラントまたはセミパーシステントグラントによって上りリンク信号がスケジュールされると、第2の上りリンク電力制御方法(第2の上りリンク電力制御に関するパラメータ)に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。また、端末装置2は、ランダムアクセスレスポンスグラントによって上りリンク信号がスケジュールされると、セットされた設定に因らず、常に第3の上りリンク電力制御方法(第3の上りリンク電力制御に関するパラメータ)に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。
(第3の実施形態の変形例)
次に、第3の実施形態の変形例について説明する。第3の実施形態の変形例では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、第1のグラントを含む物理下りリンク制御チャネル(PDCCH、EPDCCH)および/または第2のグラントを含む物理下りリンク制御チャネルおよび/または第3のグラントを含む物理下りリンク制御チャネルを端末装置2へ送信する。端末装置2は、受信した情報に基づいて第1の設定または第2の設定の何れか一方がセットされる場合、第1のグラントによって上りリンク信号(上りリンク物理チャネル)の送信が指示される(送信用のリソースが割り当てられる、上りリンク信号がスケジュールされる)と、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。また、端末装置2は、受信した情報に基づいて第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットを設定することができ、第1のグラントによって第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンク信号(上りリンク物理チャネル)の送信が指示される(送信用のリソースが割り当てられる、上りリンク信号がスケジュールされる)と、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第1のグラントによって第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンク信号(上りリンク物理チャネル)の送信が指示される(送信用のリソースが割り当てられる、上りリンク信号がスケジュールされる)と、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。
ここで、第1の設定および第2の設定がセットされる場合、端末装置2は、ランダムアクセスレスポンスメッセージを受信すると、第1の上りリンク電力制御および/または第2の上りリンク電力制御に含まれるTPCコマンドのアキュムレーションによって得られる電力制御調整値を初期化(リセット)してもよい。また、端末装置2に対して、第1の上りリンク電力制御に関する情報および第2の上りリンク電力制御に関する情報にそれぞれ端末装置固有の電力パラメータ(PO_UE_PUSCH、PO_UE_PUCCH)が設定されている場合、それらの電力パラメータが再設定(値が変更)されると、それぞれの上りリンク電力制御に含まれるTPCコマンドのアキュムレーションによって得られる電力制御調整値は初期化(リセット)してもよい。すなわち、端末装置2は、ある条件を満たすと、各上りリンク電力制御に対応している電力制御調整値をリセットする。
ここで、ランダムアクセスレスポンスグラントによってスケジュールされる上りリンク信号の送信電力制御が第1のサブフレームセットおよび第2のサブフレームセット、すなわち、複数のサブフレームセットで共通である場合、端末装置2は、ランダムアクセスメッセージを受信すると、アキュムレーションによって得られる電力制御調整値をリセットする。つまり、複数のサブフレームセットで独立にアキュムレーションによる電力制御が行なわれていたとしても、各アキュムレーションによって得られた累算値はリセットされてもよい。
また、第1の上りリンク電力制御に関する情報および第2の上りリンク電力制御に関する情報で通知される端末固有の電力パラメータ(PO_UE_PUSCH、PO_UE_PUCCH)が共通である場合、端末固有の電力パラメータが再設定(値が変更)されると、アキュムレーションによる累算値をリセットする。つまり、複数のサブフレームセットに対して独立にアキュムレーションによる電力制御が行なわれていたとしても、各アキュムレーションによって得られた累算値はリセットされてもよい。
端末装置2は、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、セミパーシステントグラントによってPUSCHがスケジュールされると、PUSCHの送信サブフレームが固定サブフレーム(第1のサブフレーム)であれば、すなわち、固定サブフレームに対してPUSCHがスケジュールされていれば、第1の上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータ(例えば、PO_NOMINAL_PUSCH、PO_UE_PUSCH、α)に基づいてセミパーシステントグラントに対応するPUSCHの送信電力を設定し、PUSCHの送信サブフレームがフレキシブルサブフレーム(第2のサブフレーム)であれば、すなわち、フレキシブルサブフレームに対してPUSCHがスケジュールされていれば、第2の上りリンク電力制御に関する情報に設定されているパラメータ(例えば、PO_NOMINAL_PUSCH、PO_UE_PUSCH、α)に基づいてセミパーシステントグラントに対応するPUSCHの送信電力をセットする。
端末装置2は、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、ダイナミックスケジュールドグラントによってPUSCHがスケジュールされると、PUSCHの送信サブフレームが固定サブフレーム(第1のサブフレーム)であれば、すなわち、固定サブフレームに対してPUSCHがスケジュールされていれば、第1の上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータ(例えば、PO_NOMINAL_PUSCH、PO_UE_PUSCH)に基づいてダイナミックスケジュールドグラントに対応するPUSCHの送信電力を設定し、PUSCHの送信サブフレームがフレキシブルサブフレーム(第2のサブフレーム)であれば、すなわち、フレキシブルサブフレームに対してPUSCHがスケジュールされていれば、第2の上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータ(例えば、PO_NOMINAL_PUSCH、PO_UE_PUSCH、α)に基づいてダイナミックスケジュールドグラントに対応するPUSCHの送信電力をセットする。
端末装置2は、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、ランダムアクセスレスポンスグラントによってPUSCHがスケジュールされると、PUSCHの送信サブフレームが固定サブフレームまたはフレキシブルサブフレームに因らず、同一の上りリンク電力制御に関する情報で通知されるパラメータに基づいてランダムアクセスレスポンスグラントに対応するPUSCHの送信電力をセットする。
第3の実施形態の変形例では、上りリンク信号の送信電力は、対応するグラントによって、サブフレームセットに応じて、上りリンク電力制御方法を切り替えられたり、第2のグラントに対応する上りリンク信号の送信電力は、サブフレームセットに因らず、同一の上りリンク電力制御方法が適用されたりする。
ここで、グラントとDCIフォーマット3/3Aが同一サブフレームで検出された場合、端末装置2は、グラントがどのサブフレームの上りリンク信号をスケジュールしているかによって、グラントにセットされているTPCコマンドを適用するかDCIフォーマット3/3Aで伝送されるTPCコマンドを適用するかを切り替えることができる。
例えば、グラントとDCIフォーマット3/3Aが同一サブフレームで検出された場合、端末装置2は、グラントが固定サブフレームのサブセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンク信号をスケジュールしていれば、グラントに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値を用いてグラントに対応する上りリンク信号の送信電力をセットし、グラントがフレキシブルサブフレームのサブセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンク信号をスケジュールしていれば、グラントに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値を用いてグラントに対応する上りリンク信号の送信電力をセットし、DCIフォーマット3/3Aに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値を用いて固定サブフレームに対する上りリンク信号の仮想送信電力をセットする。
セミパーシステントグラントとDCIフォーマット3/3Aが同一サブフレームで検出される場合、端末装置2は、セミパーシステントグラントに対応するPUSCHの送信サブフレームが固定サブフレームかフレキシブルサブフレームに因らず、セミパーシステントグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて送信電力をセットする。
ダイナミックスケジュールドグラントとDCIフォーマット3/3Aが同一サブフレームで検出される場合、端末装置2は、ダイナミックスケジュールドグラントに対応するPUSCHの送信サブフレームが固定サブフレームであれば、ダイナミックスケジュールドグラントに含まれているTPCコマンドに基づいて送信電力をセットし、ダイナミックスケジュールドグラントに対応するPUSCHの送信サブフレームがフレキシブルサブフレームであれば、ダイナミックスケジュールドグラントに含まれているTPCコマンドに基づいて送信電力をセットし、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドに基づいて仮想送信電力をセットする。
ランダムアクセスレスポンスグラントとDCIフォーマット3/3Aが同一サブフレームで検出される場合、端末装置2は、ランダムアクセスレスポンスグラントに対応するPUSCHの送信サブフレームが固定サブフレームかフレキシブルサブフレームに因らず、ランダムアクセスレスポンスグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて送信電力をセットする。
端末装置2に対して、第1の設定および第2の設定がセットされる場合、共有探索領域(CSS: Common Search Space)で検出した下りリンク制御情報(DCI)フォーマットで上りリンク信号がスケジュールされる場合と、端末装置固有探索領域(USS: UE specificSearch Space)で検出した下りリンク制御情報フォーマットで上りリンク信号がスケジ
ュールされる場合とで、独立な上りリンク電力制御方法が適用されてもよい。つまり、端末装置2は、第1の設定および第2の設定の両方がセットされている場合、CSSで検出したDCIフォーマットで上りリンク信号がスケジュールされると、第1の上りリンク電力制御方法に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、USSで検出したDCIフォーマットで上りリンク信号がスケジュールされると、第2の上りリンク電力制御方法に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。また、USSで検出したDCIフォーマットで上りリンク信号がスケジュールされると、第1の上りリンク電力制御方法または第2の上りリンク電力制御方法に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットしてもよい。
また、USSで検出されたDCIフォーマットが第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対して上りリンク信号をスケジュールする場合と第2のサブフレームセットに含まれる上りリンクサブフレームに対して上りリンク信号をスケジュールする場合でDCIフォーマットにセットされるTPCコマンドによる送信電力制御(アキュムレーション送信電力制御、アブソリュート送信電力制御)は独立に行なわれてもよい。
また、CSSで検出されたDCIフォーマットが上りリンク信号をスケジュールしている場合には、端末装置2は、第1のサブフレームセットおよび第2のサブフレームセットに因らず、共通パラメータに基づいて送信電力をセットしてもよい。
(第4の実施形態の基本形態)
次に、第4の実施形態の基本形態について説明する。第4の実施形態の基本形態では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、下りリンク制御情報(DCI: Downlink Control Information)フォーマットに第1の識別子によってスクランブルされるCRCパリティビット(Cyclic Redundancy Check parity bit(s))または第2の識別子によってスクランブルされるCRCパリティビットを付加し、物理下りリンク制御チャネル(PDCCHまたはEPDCCH)で端末装置2へ送信する。端末装置2は、受信した情報に基づいて第1の設定または第2の設定の何れか一方がセットされる場合、DCIフォーマットに付加されたCRCパリティビットが第1の識別子でスクランブルされているとすると、第1の上りリンク電力制御に基づいて上りリンク信号の送信電力を設定し、DCIフォーマットに付加されたCRCパリティビットが第2の識別子でスクランブルされているとすると、第2の上りリンク電力制御に基づいて上りリンク信号の送信電力を設定する。また、端末装置2は、受信した情報に基づいて第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、DCIフォーマットに付加されたCRCパリティビットが第1の識別子でスクランブルされているとすると、第3の上りリンク電力制御に基づいて上りリンク信号の送信電力を設定し、DCIフォーマットに付加されたCRCパリティビットが第2の識別子でスクランブルされているとすると、第2の上りリンク電力制御に基づいて上りリンク信号の送信電力を設定する。つまり、端末装置2は、設定される情報およびDCIフォーマットに付加されたCRCパリティビットをスクランブルしている識別子の種類に応じて、上りリンク電力制御を切り替えることができる。なお、CRCパリティビットを単にCRCと呼称してもよい。
また、第1の識別子を用いてスクランブルされたCRCを第1のCRC、第2の識別子を用いてスクランブルされたCRCを第2のCRC、第nの識別子(nは自然数)を用いてスクランブルされたCRCを第nのCRCと呼称する場合もある。
また、第1のCRCが付加されたDCIフォーマットを第1のDCIフォーマット、第2のCRCが付加されたDCIフォーマットを第2のDCIフォーマット、第nのCRCが付加されたDCIフォーマットを第nのDCIフォーマットと呼称する場合もある。
なお、本発明において、CRCをスクランブルするために用いる識別子をスクランブル識別子と呼称する場合もある。
(第4の実施形態の変形例)
次に、第4の実施形態の変形例について説明する。第4の実施形態の変形例では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、下りリンク制御情報(DCI: Downlink Control Information)フォーマットに第1の識別子によってスクランブルされるCRCパリティビット(Cyclic Redundancy Check parity bit(s))または第2の識別子によってスクランブルされるCRCパリティビットを付加し、物理下りリンク制御チャネル(PDCCHまたはEPDCCH)で端末装置2へ送信する。端末装置2は、第1の設定または第2の設定の何れか一方がセットされる場合、DCIフォーマットに付加されたCRCが第1の識別子(第1のRNTI)を用いてスクランブルされているとすると、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットし、DCIフォーマットに付加されたCRCが第2の識別子(第2のRNTI)を用いてスクランブルされているとすると、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットし、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットを設定し、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームにおいて、上りリンク信号を送信することを指示するDCIフォーマットに付加されたCRCが第1の識別子を用いてスクランブルされているとすると、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームにおいて上りリンク信号を送信することを指示するDCIフォーマットに付加されたCRCが第1の識別子を用いてスクランブルされているとすると、第3の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットし、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームにおいて上りリンク信号を送信することを指示するDCIフォーマットに付加されたCRCが第2の識別子を用いてスクランブルされているとすると、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームにおいて上りリンク信号を送信することを指示するDCIフォーマットが付加されたCRCが第2の識別子を用いてスクランブルされているとすると、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットする。なお、第1の識別子は、C−RNTIであってもよい。第2の識別子は、Temporary C−RNTIであってもよい。ここで、上述したように、Temporary C−RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマットは、コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャにおいて使用される。また、第1の識別子は、第1のC−RNTI、第2の識別子は、第2のC−RNTIであってもよい。なお、第1の上りリンク電力制御および第3の上りリンク電力制御に用いられる電力パラメータはそれぞれセル固有のパラメータ(共有情報(またはシステムインフォメーション)に含まれるパラメータ)および/または端末装置固有のパラメータ(専用情報に含まれるパラメータ)が含まれる。第2の上りリンク電力制御に用いられる電力パラメータはセル固有のパラメータのみが含まれる。
なお、第2のサブフレームセットにおいて、TPCコマンドによるアキュムレーションが可能な場合、第2のTPCコマンドは、特定の識別子を用いてスクランブルされたCRCが付加されたDCIフォーマットに含まれてもよい。
つまり、第4の実施形態の変形例では、端末装置2は、第1の設定または第2の設定の何れか一方がセットされる場合、第1のDCIフォーマットによって上りリンク信号の送信が指示されると、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、第1のサブフレームセットおよび第2のサブフレームセットを設定することができ、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対して第1のDCIフォーマットによって上りリンク信号の送信が指示されると、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対して第1のDCIフォーマットによって上りリンク信号の送信が指示されると、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。
例えば、同一の上りリンクデータ(トランスポートブロック)に対するPUSCHの再送信においては、PUSCHの再送信を指示するDCIフォーマットに付加されているCRCは、C−RNTIを用いてスクランブルされている場合とTemporary C−RNTIを用いてスクランブルされている場合がある。CRCがC−RNTIを用いてスクランブルされている場合、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームにおいては、PUSCHの送信電力は、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされ、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームにおいては、PUSCHの送信電力は、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる。CRCがTemporary C−RNTIを用いてスクランブルされている場合、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームおよび第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームにおいては、PUSCHの送信電力は、同じ上りリンク電力制御(例えば、第3の上りリンク電力制御)に関するパラメータに基づいてセットされる。
また、端末装置2は、再送信が指示されたDCIフォーマットを検出する場合、サブフレームセットに因らず、同一の上りリンク電力制御方法に基づいて再送信する上りリンク信号の送信電力をセットしてもよい。
C−RNTIでスクランブルされたCRCが付加されたDCIフォーマットを含むPDCCH(EPDCCH)によって上りリンク信号(例えば、PUSCH)の送信が指示される(上りリンク信号のリソースが割り当てられる)場合、上りリンク信号の送信が第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームであるとすると、上りリンク信号の送信電力は第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされ、上りリンク信号の送信が第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームであるとすると、上りリンク信号の送信電力は第2の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる。この際、他の上りリンク信号(例えば、SRS)の送信が指示される場合、他の上りリンク信号の送信電力は、上りリンク信号の送信電力と同じ上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる。また、Temporary C−RNTIでスクランブルされたCRCが付加されたDCIフォーマットを含むPDCCH(EPDCCH)によって上りリンク信号(例えば、PUSCH)の送信が指示される場合、上りリンク信号の送信が第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームであるとすると、上りリンク信号の送信電力は第3の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされ、上りリンク信号の送信が第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームであるとすると、上りリンク信号の送信電力は第3の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる。
端末装置2は、複数の条件を満たすことにより、複数のサブフレームセットでの上りリンク信号の送信電力を共通の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットする場合と独立な上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットする場合とを切り替えることができる。
端末装置2は、特定の識別子に対しては、第1の設定および/または第2の設定がセットされるかによって、上りリンク電力制御に関するパラメータ(パラメータのセット)を切り替えることができ、また別の識別子に対しては、第1の設定および/または第2の設定がセットされるかに因らず、所定の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて送信電力をセットする。
端末装置2は、第1の設定および第2の設定の両方がセットされている場合、C−RNTIを伴う上りリンク信号の送信を行なうとすると、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームでは、第1の上りリンク電力制御方法に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームでは、第2の上りリンク電力制御方法に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。Temporary C−RNTIを伴う上りリンク信号の送信を行なうとすると、第1のサブフレームセットまたは第2のサブフレームセットに係わらず、共通の上りリンク電力制御方法に基づいて上りリンク信号の送信電力をセットする。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、基地局装置1は、第1の設定に関する情報、第2の設定に関する情報、下りリンク制御情報(DCI)フォーマットを端末装置2へ送信する。例えば、端末装置2は、第1の設定または第2の設定がセットされている場合、同一サブフレームでDCIフォーマット0/4とDCIフォーマット3/3Aを検出すると、DCIフォーマット0/4にセットされた送信電力制御(TPC)コマンドの値を用いて上りリンク信号の送信電力をセットし、上りリンク信号を基地局装置1へ送信する。また、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされている場合、同一サブフレームでDCIフォーマット0/4とDCIフォーマット3/3Aを検出すると、DCIフォーマット0/4によって上りリンク信号がスケジュールされている上りリンクサブフレームが固定サブフレーム(第1のサブフレーム)であれば、DCIフォーマット0/4で提供された送信電力制御(TPC)コマンドによって得られた電力制御調整値を用いて上りリンク信号の送信電力をセットし、DCIフォーマット0/4によって上りリンク信号がスケジュールされている上りリンクサブフレームがフレキシブルサブフレーム(第2のサブフレーム)であれば、DCIフォーマット0/4に定められた送信電力制御(TPC)コマンドから得られた電力制御調整値とDCIフォーマット3/3Aを独立に用いてそれぞれのDCIフォーマットに対応する上りリンク信号の送信電力をセットする。例えば、端末装置2は、同一サブフレームでDCIフォーマット0/4とDCIフォーマット3/3Aを検出し、DCIフォーマット0/4によって上りリンク信号がスケジュールされている上りリンクサブフレームが固定サブフレーム(第1のサブフレーム)である場合には、DCIフォーマット3/3Aをドロップしてもよい。なお、DCIフォーマット0/4は1つの上りリンクセルに対するPUSCHのスケジューリングに対して用いられる。また、DCIフォーマット3/3AはPUCCHまたはPUSCHに対するTPCコマンドを伝送(通知)するために用いられる。第1のサブフレームは、第1のサブフレームセットとして構成されてもよい。第2のサブフレームは、第2のサブフレームセットとして構成されてもよい。つまり、複数のサブフレームは、第1のサブフレームセットまたは第2のサブフレームセットとして構成されてもよい。ここで、DCIフォーマット0/4は、DCIフォーマット0またはDCIフォーマット4を示してもよい。また、DCIフォーマット3/3Aは、DCIフォーマット3またはDCIフォーマット3Aを示してもよい。
端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされている場合、DCIフォーマット0/4がどのサブフレームに対してスケジュールしているかによって、同一サブフレームで検出したDCIフォーマット3/3AにセットされているTPCコマンドを適用するか否かを決定することができる。すなわち、端末装置2は、DCIフォーマット0/4を使用して固定サブフレームにおける上りリンク信号の送信がスケジュールされているのか、フレキシブルサブフレームにおける上りリンク信号の送信がスケジュールされているのか、に基づいて、同一サブフレームで検出したDCIフォーマット3/3AにセットされているTPCコマンドを適用するか否かを決定することができる(DCIフォーマット3/3Aに対する処理を切り替える)。すなわち、端末装置2は、第1の送信電力制御方法(第1の上りリンク電力制御方法)を実行するのか、第2の送信電力制御方法(第2の上りリンク電力制御方法)を実行するのかに応じて、同一サブフレームで検出したDCIフォーマット3/3AにセットされているTPCコマンドを適用するか否かを決定することができる。例えば、端末装置2は、同一サブフレームでDCIフォーマット0/4とDCIフォーマット3/3Aを検出し、DCIフォーマット0/4に基づいて第1の送信電力制御方法を実行する場合には、DCIフォーマット3/3AにセットされているTPCコマンドを適用しない。すなわち、DCIフォーマット0/4に基づいた第1の送信電力制御方法のみを実行する。また、端末装置2は、同一サブフレームでDCIフォーマット0/4とDCIフォーマット3/3Aを検出し、DCIフォーマット0/4に基づいて第2の送信電力制御方法を実行する場合には、DCIフォーマット3/3AにセットされているTPCコマンドを適用する。すなわち、端末装置2は、DCIフォーマット3/3AにセットされているTPCコマンドに基づいて第1の送信電力制御方法を実行する。すなわち、端末装置2は、DCIフォーマット0/4に基づいて第2の送信電力制御方法を実行するとともに、DCIフォーマット3/3Aに基づいて第1の送信電力制御方法を実行する。
言い換えると、第1の送信電力制御方法では、DCIフォーマット0/4およびDCIフォーマット3/3AにセットされているTPCコマンドを用いて上りリンク信号の送信電力を設定し、第2の送信電力制御方法では、DCIフォーマット0/4にセットされているTPCコマンドを用いて上りリンク信号の送信電力を設定する。
複数のDCIフォーマットにTPCコマンドが設定されている場合、優先度を設定することで適切な送信電力制御を行なうことができる。
サブフレームセットとDCIフォーマットにセットされるTPCコマンドが紐付けされてもよい。
なお、上記各実施形態において、受信処理とは、検出処理(Detection)を含んでもよい。また、受信処理とは、復調処理(Demodulation)を含んでもよい。また、受信処理とは、復号処理(Decode, Decoding)を含んでもよい。
なお、上記各実施形態において、サブフレームセットは、例えば、10サブフレームで構成される無線フレームにおいて、特定のサブフレームのグループのことを指してもよい。一例として、第1のサブフレームセットは、#0、#1、#2、#5、#6、#7のサブフレームで構成され、第2のサブフレームセットは、#3、#4、#8、#9のサブフレームで構成されてもよい。これらのサブフレームセットは、特定の情報に基づいて構成されてもよい。
上記各実施形態において、基地局装置1は、サブフレームセットを構成するためのサブフレーム設定に関する情報を端末装置2へ送信する。また、基地局装置1は、上りリンク電力制御に関する情報を端末装置2へ送信する。端末装置2は、サブフレーム設定に関する情報に基づいて2つのサブフレームセットを構成する。また、端末装置2は、上りリンク電力制御に関する情報に基づいて、第1のサブフレームセットの上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信する場合には、第1の上りリンク電力制御を行ない、第2のサブフレームセットの上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信する場合には、第2の上りリンク電力制御を行なう。
上記各実施形態で、基地局装置1は、サブフレームセットを構成するためのサブフレーム設定に関する情報を端末装置2へ送信してもよい。また、基地局装置1は、上りリンク電力制御に関する情報を端末装置2へ送信する。端末装置2は、サブフレーム設定に基づいて2つのサブフレームセットを構成する。また、端末装置2は、上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいて、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信する場合には、第1の上りリンク電力をセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信する場合には、第2の上りリンク電力をセットする。
上記実施形態において、電力制御に関するパラメータには、少なくとも1つのパラメータが含まれる。言い換えると、1つ以上のパラメータが含まれてもよい。つまり、電力制御に関するパラメータは、電力制御に関するパラメータのセットを意味してもよい。
上記各実施形態において、端末装置2は、第1の設定および第2の設定に基づいて、第1のサブフレームセットと第2のサブフレームセットを構成してもよい。ここで、第1のサブフレームセットとは、第1の設定および第2の設定において、同じサブフレームで同じ種類のサブフレーム(上りリンクサブフレームと上りリンクサブフレーム、下りリンクサブフレームと下りリンクサブフレーム、スペシャルサブフレームとスペシャルサブフレーム)が設定されるサブフレームのセットのことであり、第2のサブフレームセットとは、第1の設定および第2の設定において、同じサブフレームで異なる種類のサブフレーム(下りリンクサブフレームと上りリンクサブフレーム、下りリンクサブフレームとスペシャルサブフレーム、上りリンクサブフレームとスペシャルサブフレーム)が設定されるサブフレームのセットのことである。例えば、第1の設定と第2の設定は、TDD UL/DL設定に基づいてセットされてもよい。
上記各実施形態において、第1の設定および第2の設定の両方がセットされる場合、端末装置2は、第1の設定に関する情報に基づいて上りリンク信号を送信するサブフレーム(上りリンクサブフレーム)をセットし、第2の設定に基づいて下りリンク信号を受信するサブフレーム(下りリンクサブフレーム)をセットしてもよい。ここで、第1の設定によって上りリンクサブフレームと設定したサブフレームが第2の設定によって下りリンクサブフレームと設定したサブフレームと同じである場合、つまり、同一サブフレームで上りリンクサブフレームと下りリンクサブフレームの両方がセットされている場合、そのサブフレームをフレキシブルサブフレームと呼称する場合もある。フレキシブルサブフレームで上りリンク信号を送信する場合、その送信電力制御は、他の上りリンクサブフレームとは独立に行なわれてもよい。
なお、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報に基づいて、第1のサブフレームセットおよび第2のサブフレームセットを構成する場合、上記の設定方法の他に、第1の設定に関する情報と第2の設定に関する情報の何れか一方に、TDD UL/DL設定に関する情報が含まれ、もう一方の情報には、フレキシブルサブフレームを指示する情報または固定サブフレームを指示する情報が含まれて設定されてもよい。なお、固定サブフレームを指示する情報とは、第1の設定に関する情報において、フレキシブルサブフレームとして処理しないサブフレームを指示する情報である。また、特定の種類のサブフレームを指示する情報であってもよい。
なお、第1の設定と第2の設定と、が同じ(または同じ設定を示す)場合、複数のサブフレームセットは設定されなくてもよい。
端末装置2は、物理チャネルの種類に応じて送信する物理チャネル/物理信号の優先度が設定または事前に定義されてもよい。
なお、上記各実施形態では、端末装置2は、第2の下りリンク参照信号に基づく受信電力の測定結果を基地局装置1へ報告してもよい。端末装置2は、その報告を周期的に行なってもよい。また、端末装置2は、その報告をある条件を満たした場合に行なってもよい。
なお、上記各実施形態では、端末装置2は、第2の下りリンク参照信号に基づく受信電力を測定する場合、その受信電力に基づいて上りリンク信号の送信電力制御を行なってもよい。また、端末装置2は、下りリンクパスロスをその受信電力に基づいて決定してもよい。
なお、上記各実施形態では、端末装置2は、第1の上りリンク参照信号および/または第2の上りリンク参照信号の送信電力を含む種々の上りリンク信号の送信電力の合計が端末装置2に設定される最大送信電力を超える場合、第1の上りリンク参照信号および/または第2の上りリンク参照信号を送信しなくてもよい。
なお、上記各実施形態は、それぞれ組み合わせて実現されてもよい。例えば、第1の実施形態の変形例1と第1の実施形態の変形例3を組み合わせてもよい。第2の実施形態の変形例1と第2の実施形態の変形例3を組み合わせてもよい。
なお、上記各実施形態では、実際に上りリンク信号を送信するサブフレームおよび/または下りリンク信号を受信するサブフレームを第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報とは独立に設定される情報(例えば、第3の設定に関する情報)に基づいて設定されてもよい。
なお、上記各実施形態では、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報は、システムインフォメーションブロックタイプ1(SIB1)またはRRCメッセージで通知されてもよい。また、第1の設定に関する情報と第2の設定に関する情報は、同じSIB1またはRRCメッセージで通知されてもよい。
なお、上記各実施形態では、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報は、同じRRCメッセージまたは同じシステムインフォメーションまたは同じ情報要素に設定されてもよい。また、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報は、異なるRRCメッセージまたは異なるシステムインフォメーションまたは異なる情報要素に設定されてもよい。また、第1の設定に関する情報と第2の設定に関する情報は、異なるパラメータとして独立に設定される。
ここで、上記各実施形態において、第1の設定に関する情報がシステムインフォメーションブロックタイプ1(SIB1)またはRRCメッセージで通知されるTDD UL/DL設定である場合、第2の設定に関する情報は、追加TDD UL/DL設定(第2のTDD UL/DL設定)であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、フレキシブルサブフレームを指示する情報(flexible subframe pattern)であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、固定サブフレームを指示する情報(fixed subframepattern)であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、リリース12(Release12, r12)またはヴァージョン12(version12, v12)に関する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、前述した第1のサブフレームセットに対応するサブフレームパターンを指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、前述した第2のサブフレームセットに対応するサブフレームパターンを指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、フレキシブルサブフレームに対するTPCコマンドを伴うPDCCH/EPDCCH(DCIフォーマット)が割り当て可能なサブフレームパターンを指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、CRSが受信可能なサブフレームのパターンを指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、CSI−RSが受信可能なサブフレームのパターンを指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、チャネル状態情報(CSI、CQI、PMI、RI)の報告が可能なサブフレームのパターン(セット)を指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、プライマリーセルでの測定(受信電力RSRP、受信品質RSRQ、無線リンクモニタリング)に対して時間領域での測定を制限するサブフレームのパターンを指示する情報であってもよい。つまり、第2の設定に関する情報は、測定を行なうサブフレームのパターンを指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、隣接セルでの測定に対して時間領域での測定を制限するサブフレームのパターンを指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、セカンダリーセルでの測定に対して時間領域での測定を制限するサブフレームのパターンを指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、測定サブフレームパターンに基づいて設定されてもよい。
また、第2の設定に関する情報は、下りリンク信号が受信可能なサブフレームのパターンを指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、追加可能な情報であってもよい。
また、第1の設定に関する情報は、第2のセル(セカンダリーセル)で物理上りリンク制御チャネルの送信可否に関する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、あるチャネル状態情報の報告に関連付けられたサブフレームのパターン(セット)を指示する情報であってもよい。
また、第2の設定に関する情報は、第2の設定とは異なるあるチャネル状態情報の報告に関連付けられたサブフレームのパターン(セット)を指示する情報とは別に設定された情報あってもよい。つまり、第3の設定と第4の設定が、第2の設定とは別に設定され、そのいずれもが第2の設定と同様にサブフレームのパターン(セット)を指示する情報であってもよい。つまり、第3の設定と第4の設定が、第2の設定とは別に設定され、そのいずれもがあるチャネル状態情報の報告に関連付けられたサブフレームのパターン(セット)を指示する情報とは別に設定された情報あってもよい。また、その報告は、関連付けられたサブフレームパターン(セット)に含まれるCSI-RSおよび、またはゼロパワーCSI−RSおよび、またはCSI−IMリソースに基づいて算出されたチャネル状態情報であってもよい。同様の事が、前述の全ての第nの設定に適用されても良い。また前記第2の設定が複数設定され、そのいずれかに基づいて、第1の上りリンク電力制御と第2の上りリンク電力制御が切り替えられても良い。すなわち第2の設定に関する情報は、追加TDD UL/DL設定(第2のTDD UL/DL設定)であり、さらにあるチャネル状態情報の報告に関連付けられたサブフレームのパターン(セット)を指示する情報が設定されてもよい。なお、第2の設定に関する情報は、システムで一意に決定されてもよい。また、第2の設定は、共有情報またはシステム情報として報知されてもよい。また、第2の設定は、端末装置固有の専用情報として端末装置2毎に個別に通知されてもよい。第2の設定をセットできるか否かを示す情報(UE capability)が端末装置2から基地局装置1へ通知されてもよい。
ここで、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報は、ビットマップで設定されてもよい。さらにそのビットマップは、40ビットもしくは80ビットで構成されていても良い。
ここで、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報は、テーブルに基づいて上りリンクサブフレーム、下りリンクサブフレーム、スペシャルサブフレームの構成をインデックス(またはインデックスを表す情報ビット、ビット系列)で指定されてもよい。例えば、テーブルとは、TDD UL/DL設定(TDD UL/DL configurations)であってもよい。TDD UL/DL設定を表すテーブルは図3のように構成されてもよい。
なお、上記各実施形態では、第2の設定に関する情報は、追加TDD UL/DL設定(第2のTDD UL/DL設定)であってもよい。また、第2の設定に関する情報とは、ブランクサブフレームを指示する情報であってもよい。また、第2の設定に関する情報は、フレキシブルサブフレームを指示する情報(flexible subframe pattern)であってもよい。また、第2の設定に関する情報は、固定サブフレームを指示する情報(fixed subframe pattern)であってもよい。このとき、上りリンク参照UL−DL設定と下りリンク参照UL−DL設定は、テーブルなどを用いて、第1の設定に関する情報と第2の設定に関する情報から算出されても構わない。言い換えると、第1の設定に関する情報と第2の設定に関する情報に加え、第3の設定に関する情報としてテーブルなどを用いて、上りリンク参照UL−DL設定と下りリンク参照UL−DL設定を決定してもよい。
なお、上記各実施形態では、基地局装置1または端末装置2は、第1の設定に関する情報と第2の設定に関する情報のうち、一方を上りリンク参照UL−DL設定として設定し、もう一方を下りリンク参照UL−DL設定として設定してもよい。例えば、端末装置2は、第1の設定に関する情報と第2の設定に関する情報の2つを受信してから上りリンク参照UL−DL設定と下りリンク参照UL−DL設定に設定してもよい。なお、上りリンクに関連するDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット0/4)は、上りリンク参照UL−DL設定で設定されている下りリンクサブフレームで送信されてもよい。
また、上りリンク参照UL−DL設定と下りリンク参照UL−DL設定は同じテーブルを使用してそれぞれ設定されてもよい。ただし、同じテーブルに基づいて上りリンク参照UL−DL設定と下りリンク参照UL−DL設定のインデックスが設定される場合、上りリンク参照UL−DL設定と下りリンク参照UL−DL設定は異なるインデックスで設定されることが好ましい。つまり、上りリンク参照UL−DL設定と下りリンク参照UL−DL設定は、異なるサブフレームパターンが設定されることが好ましい。
上記各実施形態では、第1の設定および第2の設定がともにTDD UL/DL設定で示される場合には、条件に応じて、何れか一方を上りリンク参照UL−DL設定として設定し、もう一方を下りリンク参照UL−DL設定として設定してもよい。なお、上りリンク参照UL−DL設定は、少なくとも物理下りリンク制御チャネルが配置されるサブフレームと前記物理下りリンク制御チャネルが対応する物理上りリンク共用チャネルが配置されるサブフレームとの対応を決定するために用いられ、実際の信号の送信方向(つまり、上りリンクまたは下りリンク)とは異なっても構わない。下りリンク参照UL−DL設定は、少なくとも物理下りリンク共用チャネルが配置されるサブフレームと前記物理下りリンク共用チャネルに対応するHARQ−ACKが送信されるサブフレームとの対応を決定するために用いられ、実際の信号の送信方向(つまり、上りリンクまたは下りリンク)とは異なっても構わない。すなわち、上りリンク参照UL−DL設定は、PDCCH/EPDCCH/PHICHが配置されるサブフレームnと前記PDCCH/EPDCCH/PHICHが対応するPUSCHが配置されるサブフレームn+kとの対応を特定(選択、決定)するために用いられる。1つのプライマリーセルが設定されている場合、または、1つのプライマリーセルおよび1つのセカンダリーセルが設定され、プライマリーセルに対する上りリンク参照UL−DL設定およびセカンダリーセルに対する上りリンク参照UL−DL設定が同じ場合は、2つのサービングセルのそれぞれにおいて、対応する上りリンク参照UL−DL設定が、PDCCH/EPDCCH/PHICHが配置されるサブフレームと前記PDCCH/EPDCCH/PHICHが対応するPUSCHが配置されるサブフレームとの対応を決定するために用いられる。また、下りリンク参照UL−DL設定は、PDSCHが配置されるサブフレームnと前記PDSCHに対応するHARQ−ACKが送信されるサブフレームn+kとの対応を特定(選択、決定)するために用いられる。1つのプライマリーセルが設定されている場合、または、1つのプライマリーセルおよび1つのセカンダリーセルが設定され、プライマリーセルに対する下りリンク参照UL−DL設定およびセカンダリーセルに対する下りリンク参照UL−DL設定が同じ場合は、2つのサービングセルのそれぞれにおいて、対応する下りリンク参照UL−DL設定が、PDSCHが配置されるサブフレームnと前記PDSCHに対応するHARQ−ACKが送信されるサブフレームn+kとの対応を特定(選択、決定)するために用いられる。
また、端末装置2は、上りリンク送信参照用のTDD UL/DL設定(第1のTDD UL/DL設定)と下りリンク送信参照用のTDD UL/DL設定(第2のTDD UL/DL設定)が設定され、さらに、上りリンク送信電力制御に関する情報が設定されると、第1のTDD UL/DL設定と第2のTDD UL/DL設定で同じ種類のサブフレームが設定されている場合には、そのサブフレームの上りリンク電力制御は第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに基づいてセットされ、第1のTDD UL/DL設定と第2のTDD UL/DL設定で異なる種類のサブフレームが設定されている場合には、そのサブフレームの上りリンク電力は第2の送信電力制御に関するパラメータに基づいてセットされる。
端末装置2は、第2の設定に関する情報として、第2のTDD UL/DL設定(例えば、tdd-Config-v12, tdd-Config-r12, tdd-ConfigULreference-v12, tdd-ConfigDLreference-r12)がパラメータとして設定/追加される場合、第1のTDD UL/DL設定に基づいて上りリンク信号を送信し、第2のTDD UL/DL設定に基づいて下りリンク信号を受信してもよい。あるサブフレームにおいて、上りリンク信号の送信と下りリンク信号の受信が生じる場合、送信方向設定情報(第3の設定に関する情報)に基づいて、どちらを優先するか決定してもよい。
なお、上記各実施形態では、第1の設定および/または第2の設定は、TDD UL/DL設定(TDD UL/DL configuration, TDD configuration, tdd-Config, uplink-downlink configuration(s))であってもよい。また、第1の設定および/または第2の設定は、ビットマップによって示されるサブフレームパターンであってもよい。また、第1の設定に関する情報と第2の設定に関する情報のうち、何れか一方が上りリンクサブフレームを指示する情報であり、もう一方が下りリンクサブフレームを指示する情報であってもよい。これらの指示情報は、テーブルで定義されてもよいし、ビットマップで定義されてもよい。
なお、基地局装置1は、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報が通知可能な端末装置2に対しては、第1の設定に関する情報または第2の設定に関する情報のうち、何れか一方で上りリンクサブフレームを指示し、もう一方で下りリンクサブフレームを指示してもよい。また、端末装置2は、第1の設定または第2の設定のうち何れか一方のみがセットされる場合、指示されたサブフレーム以外のサブフレームを異なる種類のサブフレームと認識し、送受信処理を行なう。例えば、第1の設定に関する情報で上りリンクサブフレーム、第2の設定に関する情報で下りリンクサブフレームが指示される場合、第1の設定のみがセットされる端末装置2は、第1の設定に基づいて指示される上りリンクサブフレーム以外のサブフレームを下りリンクサブフレームまたはスペシャルサブフレームと認識し、受信処理/送信処理を行なう。また、第2の設定のみがセットされる端末装置2は、第2の設定に基づいて指示される下りリンクサブフレーム以外のサブフレームを上りリンクサブフレームまたはスペシャルサブフレームと認識し、送信処理/受信処理を行なう。なお、第1の設定および第2の設定で、同一サブフレームに対して上りリンクサブフレームおよび下りリンクサブフレームがセットされてもよい。
例えば、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされる場合には、第1の設定に基づいて上りリンク信号の送信を行ない、第2の設定に基づいて下りリンク信号の受信を行なってもよい。また、端末装置2は、第1の設定および第2の設定がセットされる場合には、第1の設定に基づいて下りリンク信号の受信を行ない、第2の設定に基づいて上りリンク信号の送信を行なってもよい。どちらかの設定に基づいて上りリンク信号の送信および下りリンク信号の受信を行なうかは第3の設定に基づいて決定してもよい。
ここで、第1の設定に関する情報がTDD UL/DL設定だとすると、第2の設定に関する情報は、フレキシブルサブフレームを指示する情報であってもよい。なお、第2の設定に関する情報は、テーブル管理されてもよい。また、第2の設定に関する情報は、ビットマップによってフレキシブルサブフレームとして設定するサブフレームを指示する情報であってもよい。
なお、上記各実施形態では、フレキシブルサブフレームは、上りリンクサブフレームであり、下りリンクサブフレームであるサブフレームのことである。また、フレキシブルサブフレームは、下りリンクサブフレームであり、スペシャルサブフレームであるサブフレームのことである。また、フレキシブルサブフレームは、上りリンクサブフレームであり、スペシャルサブフレームであるサブフレームのことである。つまり、フレキシブルサブフレームは、第1のサブフレームであり、第2のサブフレームであるサブフレームのことである。例えば、また、フレキシブルサブフレームとして設定されるサブフレームは、条件1の場合、第1のサブフレーム(例えば、上りリンクサブフレーム)として処理され、条件2の場合、第2のサブフレーム(例えば、下りリンクサブフレーム)として処理される。
なお、フレキシブルサブフレームは、第1の設定および第2の設定に基づいてセットされてもよい。例えば、あるサブフレームiに対して第1の設定では上りリンクサブフレーム、第2の設定では下りリンクサブフレームとして設定された場合、サブフレームiはフレキシブルサブフレームとなる。フレキシブルサブフレームは、フレキシブルサブフレームのサブフレームパターンを指示する情報に基づいて設定されてもよい。
また、上記各実施形態では、第1の設定および第2の設定は、2つのTDD UL/DL設定ではなく、1つのTDD UL/DL設定とフレキシブルサブフレームパターン(下りリンク候補サブフレームパターンまたは上りリンク候補サブフレームパターン、追加サブフレーム)であってもよい。端末装置2は、フレキシブルサブフレームパターンで示されるサブフレームインデックスにおいては、TDD UL/DL設定で上りリンクサブフレームと示されていてもそのサブフレームで上りリンク信号を送信することがなければ、下りリンク信号を受信することができるし、TDD UL/DL設定で下りリンクサブフレームと示されていても事前にそのサブフレームで上りリンク信号を送信することを指示されていれば、上りリンク信号を送信することができる。特定のサブフレームに対して上りリンク/下りリンク候補のサブフレームとして指示されてもよい。
端末装置2は、第1の設定に関する情報および第2の設定に関する情報の両方が設定されると、ある条件に基づいて、何れか一方を上りリンクのためのサブフレームセットと認識し、もう一方を下りリンクのためのサブフレームセットと認識してもよい。ここで、上りリンクのためのサブフレームセットとは、PUSCHおよびPHICHの送信のために設定されるサブフレームのセットであり、下りリンクサブフレームセットとは、PDSCHおよびHARQの送信のために設定されるサブフレームのセットである。PUSCHとPHICHのサブフレームの関連を示す情報とPDSCHとHARQのサブフレームの関連を示す情報が端末装置2に事前に設定されてもよい。つまり、第1の設定に関する情報または第2の設定に関する情報のうち、何れか一方を上りリンクサブフレームのサブフレームパターンを指示する情報であり、もう一方を下りリンクサブフレームのサブフレームパターンを指示する情報であってもよい。これらの情報は、ビットマップで設定されてもよい。
なお、上記各実施形態では、複数のサブフレームセットが設定される場合、TPCコマンドのアキュムレーションを有効にするか否かはサブフレームセット毎に設定されてもよい。例えば、第1のサブフレームセットでは、TPCコマンドのアキュムレーションを有効にし、第2のサブフレームセットでは、TPCコマンドのアキュムレーションを有効にしなくてもよい。言い換えると、第1のサブフレームに属する上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信する場合には、TPCコマンドフィールドにセットされている値に対応する補正値を累算することによって得られる電力制御調整値に基づいて、上りリンク信号の送信電力をセットし、第2のサブフレームに属する上りリンクサブフレームで上りリンク信号を送信する場合には、TPCコマンドフィールドにセットされている値に対応する絶対値から得られる電力制御調整値に基づいて、上りリンク信号の送信電力をセットする。ここで、TPCコマンドのアキュムレーションが有効な場合の送信電力制御をアキュムレーション(累算)送信電力制御と呼称してもよい。TPCコマンドのアキュムレーションが有効でない場合の送信電力制御をアブソリュート(絶対)送信電力制御と呼称してもよい。
アキュムレーション送信電力制御は、過去に受信したTPCコマンドによって得られた電力制御調整値を考慮して送信電力をセットする。また、アブソリュート送信電力制御は、過去に受信したTPCコマンドによって得られた電力制御調整値を考慮せず、単一のTPCコマンドによって得られた電力制御調整値のみを考慮して送信電力をセットする。
なお、上記各実施形態において、電力制御には、電力制御方法、電力制御プロシージャ、電力制御プロセスなどが含まれてもよい。つまり、第1の上りリンク電力制御には、第1の上りリンク電力制御方法や第1の上りリンク電力制御プロシージャなどが含まれてもよい。
なお、上記各実施形態において、1つのサービングセル(プライマリーセル、セカンダリーセル、キャリア周波数、送信周波数、コンポーネントキャリア)に対して複数のサブフレームセットが設定されてもよい。複数のサブフレームセットが設定されるセルと複数のサブフレームセットが設定されないセルがあってもよい。
なお、上記各実施形態において、第1の設定および第2の設定がセットされることにより、2つ以上のサブフレームセットが独立に構成される場合、それぞれのサブフレームセットに対して、端末装置2毎に設定される最大送信電力(PCMAX、PCMAX,c)が設定されてもよい。つまり、端末装置2は、独立した最大送信電力を複数設定してもよい。つまり、1つのサービングセルに対して、複数の最大送信電力(PCMAX、PCMAX,c)がセットされてもよい。また、1つのサービングセルに対して、複数の最大許容出力電力(PEMAX,c)が設定されてもよい。
また、種々の上りリンク信号のリソース割り当てが同じ場合、基地局装置1は、各上りリンク信号の信号系列の違いによって、種々の上りリンク信号を検出することができる。つまり、基地局装置1は、受信した上りリンク信号の信号系列の違いによって、各上りリンク信号を識別することができる。また、基地局装置1は、受信した上りリンク信号の信号系列に違いによって、自局宛ての送信か否かを判定することができる。
さらに、端末装置2は、基地局装置1から第2の下りリンク参照信号による受信電力測定が指示された場合、その測定結果に基づいて下りリンクパスロスを算出し、上りリンク送信電力制御に用いてもよい。
ここで、受信電力測定は、参照信号受信電力(RSRP: Reference Signal Received Power)測定や受信信号電力測定と呼称する場合もある。また、受信品質測定は、参照信号受信品質(RSRQ: Reference Signal Received Quality)測定や受信信号品質測定と呼称する場合もある。
また、第2の下りリンク参照信号のリソース割り当て(Resource allocation, mappingto resource elements, mapping to physical resources)は、周波数シフトされてもよい。第2の下りリンク参照信号の周波数シフトは、物理セルIDに基づいて決定されてもよい。また、第2の下りリンク参照信号の周波数シフトは、仮想セルIDに基づいて決定されてもよい。
一例として、基地局装置1から端末装置2に対して、第2の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なうか否かを指示する情報が通知される。端末装置2は、その指示情報が第
2の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なうことができると指示している場合、第2の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なう。この時、端末装置2は、パラレルに第1の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なってもよい。端末装置2は、その指示情報が第2の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なうことができないと指示している場合、端末装置2は、第1の下りリンク参照信号のみの受信電力測定を行なう。さらに、この指示情報には、第2の下りリンク参照信号の受信品質測定を行なうか否かを指示する情報が含まれてもよい。また、第3の下りリンク参照信号は、この指示情報によらず、受信電力測定を行なってもよい。
また、別の例として、基地局装置1から端末装置2に対して、第1の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なうか第2の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なうかを指示する情報が通知される。端末装置2は、その指示情報が第1の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なうことを指示している場合、第1の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なう。端末装置2は、その指示情報が第2の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なうことを指示している場合、第2の下りリンク参照信号の受信電力測定を行なう。つまり、この指示情報は、受信電力測定の切り替えを指示する情報である。また、この指示情報には、受信品質測定を行うか否かを指示する情報が含まれてもよい。この例では、この指示情報は、2つの下りリンク参照信号の受信電力測定の切り替えを指示する情報であることを述べたが、3つ以上の下りリンク参照信号の受信電力測定の切り替えを指示する情報であってもよい。また、第3の下りリンク参照信号は、この指示情報によらず、受信電力測定を行なってもよい。また、第2の下りリンク参照信号の送信電力および/または第3の下りリンク参照信号の送信電力は、第1の下りリンク参照信号の送信電力に基づいてセットされてもよい。例えば、第1の下りリンク参照信号と第2の下りリンク参照信号(または第3の下りリンク参照信号)間の電力の比(電力オフセット)が設定されてもよい。
下りリンクの場合、第1のサブフレームセットに属する下りリンクサブフレームでは、電力オフセットを考慮せずに、下りリンク信号の受信電力測定を行ない、第2のサブフレームセットに属する下りリンクサブフレームでは、電力オフセットを考慮した下りリンク信号の受信電力測定を行なってもよい。この電力オフセットは、事前に基地局装置1から通知されてもよい。また、この電力オフセットは、下りリンクに関するDCIフォーマットで通知されてもよい。
なお、上記各実施形態において、第1の設定および第2の設定がセットされる場合であっても複数のサブフレームセットが構成されなければ、アキュムレーション/アブソリュート送信電力制御は共通であってもよい。
なお、上記各実施形態において、特定の情報が端末装置2に通知されていない場合には、複数のサブフレームセットが設定されていても、アキュムレーション/アブソリュート送信電力制御はサブフレームセット間で共通であってもよい。
なお、上記各実施形態において、端末装置2において、フレキシブルサブフレームでは、フレキシブルサブフレームとして設定されていない上りリンクサブフレーム/下りリンクサブフレーム/スペシャルサブフレームとは異なる電力制御(上りリンク電力制御、下りリンク電力制御)を行なってもよい。また、フレキシブルサブフレームと上りリンクサブフレーム/下りリンクサブフレーム/スペシャルサブフレームで独立に閉ループ送信電力制御(アキュムレーション送信電力制御)を行なってもよい。例えば、そのサブフレームでは、他の上りリンクサブフレームまたは下りリンクサブフレームと異なるパラメータを用いて電力を制御してもよい。また、フレキシブルサブフレームと上りリンクサブフレーム/下りリンクサブフレームで、信号生成に用いられるパラメータが独立に設定されてもよい。例えば、仮想セルIDやスクランブルIDなどが独立に設定されてもよい。ここで、信号を生成するとは、信号系列を生成する、を含む。また、信号を生成するとは、信号を割り当てる無線リソースを決定する、を含む。
なお、上記各実施形態において、第1のサブフレームセットは、端末装置2にとって干渉源が少ない(つまり、干渉が小さい、弱い)サブフレームで構成されてもよい。第2のサブフレームセットは、端末装置2にとって干渉源の多い(つまり、干渉が大きい、強い)サブフレームで構成されてもよい。ここで、干渉源の少ないサブフレームとは、下りリンクサブフレームと上りリンクサブフレームが同一サブフレームに設定されないサブフレームのことである。また、干渉源の多いサブフレームとは、下りリンクサブフレームと上りリンクサブフレームが同一サブフレームに設定されるサブフレームのことである。
なお、上記各実施形態において、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータとして同じRSRPおよびパスロス値を適用してもよい。受信電力測定制御は2つのサブフレームセットに属する下りリンクサブフレームで共有してもよい。
なお、上記各実施形態において、フレキシブルサブフレームでPUSCHとPUCCHの送信が生じる場合、それらの送信電力の合計が端末装置2に設定される最大送信電力を超える場合、PUSCHの送信電力の最大値は、最大送信電力からPUCCHの送信電力値を引いた値としてもよい。
なお、上記各実施形態において、複数の上りリンク電力制御に関するパラメータセット間で共通で使用されるパラメータがあってもよい。つまり、一部のパラメータについては、複数の上りリンク電力制御に関するパラメータセット間で共通であってもよい。例えば、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータのセットにだけ設定されたパラメータを必要に応じて第2の上りリンク電力制御に関するパラメータのセットや第3の上りリンク電力制御に関するパラメータのセットとして用いることができる。
また、上記各実施形態において、基地局装置1は、上りリンクインデックスを用いて、上りリンクサブフレームと下りリンクサブフレームが衝突するサブフレームと衝突しないサブフレームで上りリンク信号を送信するように端末装置2を制御してもよい。
2つのサブフレームセットで、アキュムレーション制御を共有してもよい。アキュムレーションは、サブフレームセットに因らず、共通であってもよい。
なお、上記各実施形態において、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの1つとして用いられるPUSCHに対するTPCコマンド(TPC command for (scheduled) PUSCH)は、DCIフォーマット0/4またはDCIフォーマット3/3Aにセットされ、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの1つとして用いられるPUSCHに対するTPCコマンドは、DCIフォーマット0/4で通知される。また、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの1つとして用いられるPUCCHに対するTPCコマンド(TPC command for PUCCH)は、DCIフォーマット1/1A/1B/1D/2/2A/2B/2C/2D/3/3Aで通知され、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの1つとして用いられるPUCCHに対するTPCコマンドは、例えば、DCIフォーマット1/1A/1B/1D/2/2A/2B/2C/2Dで通知される。例えば、検出したTPCコマンドがどのサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームで送信する上りリンク信号に対応しているかによって、同じTPCコマンドであっても、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータに対応するか第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの1つに対応するかが切り替えられてもよい。DCIフォーマット0に含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値が第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対応している場合と第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対応している場合とで独立にアキュムレーション制御されてもよい。例えば、端末装置2は、同一サブフレームでDCIフォーマット0とDCIフォーマット3を検出した場合、DCIフォーマット0が第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンク信号をスケジュールしているとすると、DCIフォーマット0に含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて上りリンク電力をセットし、DCIフォーマット0が第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対する上りリンク信号をスケジュールしているとすると、DCIフォーマット0に含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて上りリンク電力をセットし、さらに、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対応する上りリンク信号の送信電力は、DCIフォーマット3に含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいてセットされる。つまり、第1の設定および第2の設定がセットされると、サブフレームセットとDCIフォーマットは関連付けられてもよい。
2つのサブフレームセットで、RSRP測定結果を共有してもよい。RSRPはサブフレームセットに因らず、共通であってもよい。
また、アキュムレーション制御をサブフレームセットで独立に行なってもよい。固定サブフレームで受信したTPCコマンドによるアキュムレーションとフレキシブルサブフレームで受信したTPCコマンドによるアキュムレーションは独立に制御される。
例えば、第1の設定および第2の設定がセットされる場合には、サブフレームセット毎に独立にアキュムレーション送信電力制御(累算送信電力制御、閉ループ送信電力制御)を行なってもよい。
アキュムレーション送信電力制御をサブフレームセット毎に行なう場合、それぞれのTPCコマンドフィールドを含むDCIフォーマットを受信するタイミングは事前に定義されてもよい。
また、RSRP測定結果をサブフレームセットで独立であってもよい。固定サブフレームの下りリンクサブフレームで受信したCRSによるRSRPとフレキシブルサブフレームで受信したCRSによるRSRPの測定は独立に行なってもよい。
第1の設定および第2の設定に基づいて2つのサブフレームセットが設定される場合、第2のサブフレームセットがフレキシブルサブフレームのサブフレームパターンであるとすると、第2の設定に関する情報は、フレキシブルサブフレームに対するTPCコマンドフィールドを含むDCIフォーマットを受信可能なサブフレームのパターンを指示する情報であってもよい。
第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対して適用可能なTPCコマンドが送信されるサブフレームのパターンと第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレームに対して適用可能なTPCコマンドが送信されるサブフレームのパターンがそれぞれ設定されてもよい。上りリンクサブフレームとその上りリンクサブフレームに対するTPCコマンドを含むDCIフォーマットが送信される下りリンクサブフレームの対応付け(紐付け)がテーブル管理されてもよい。
なお、上記各実施形態において、第1の設定に関する情報および/または第2の設定に関する情報は、上りリンクと下りリンクの切り替え周期と各サブフレームの構成を指示する情報であってもよい。
なお、上記各実施形態において、上りリンク信号および/または下りリンク信号は、フレキシブルサブフレームとそれ以外のサブフレームで異なる送信電力制御を行なってもよい。
なお、上記各実施形態では、端末装置2は、第1の設定がセットされる場合、第1の設定がセットされるセル(サービングセル)に対して第1の上りリンク参照信号(例えば、P−SRS)を送信しなくてもよい。また、上記各実施形態では、端末装置2は、第1の設定がセットされる場合、上位層によって固有の送信サブフレームが設定される上りリンク参照信号を送信しなくてもよい。
なお、上記各実施形態では、種々の上りリンク信号や下りリンク信号のマッピング単位としてリソースエレメントやリソースブロックを用い、時間方向の送信単位としてシンボル、サブフレームや無線フレームを用いて説明したが、これに限るものではない。任意の周波数と時間で構成される領域および時間単位をこれらに代えて用いても、同様の効果を得ることができる。なお、上記各実施形態では、プリコーディング処理されたRSを用いて復調する場合について説明し、プリコーディング処理されたRSに対応するポートとして、MIMOのレイヤーと等価であるポートを用いて説明したが、これに限るものではない。この他にも、互いに異なる参照信号に対応するポートに対して、本発明を適用することにより、同様の効果を得ることができる。例えば、Precoded RSではなくUnprecoded(Nonprecoded) RSを用い、ポートとしては、プリコーディング処理後の出力端と等価であるポートあるいは物理アンテナ(あるいは物理アンテナの組み合わせ)と等価であるポートを用いることができる。
なお、上記各実施形態において、ある下りリンクサブフレームでDCIフォーマット3/3Aのみを受信した場合、DCIフォーマット3/3Aに含まれているTPCコマンドフィールドにセットされている値に対応する補正値(または絶対値)は、下りリンクサブフレームがどのサブフレームセットに属しているかに因らず、特定のサブフレームセットで送信されるPUSCHの送信電力に対する電力制御調整値に対して適用される。ある下りリンクサブフレームでDCIフォーマット3/3Aのみを受信した場合、DCIフォーマット3/3Aに含まれているTPCコマンドのアキュムレーションは、特定のサブフレームセットで送信されるPUSCHに対する送信電力に用いられる電力制御調整値に対して適用されてもよい。なお、特定のサブフレームセットは、固定サブフレームのセットであってもよいし、フレキシブルサブフレームのセットでもよいし、任意のサブフレームのセットでもよい。
なお、上記各実施形態では、上りリンク電力制御に関するパラメータとは、上りリンク物理チャネル/物理信号(PUSCH、PUCCH、PRACH、SRS、DMRSなど)の送信電力制御に用いられるパラメータのことであり、送信電力制御に用いられるパラメータには、種々の上りリンク物理チャネルの送信電力の設定に用いられる種々のパラメータの切り替えまたは(再)設定に関する情報を含んでいる。また、下りリンク送信電力制御に関するパラメータとは、下りリンク物理チャネル/物理信号(CRS,UERS(DL DMRS),CSI−RS,PDSCH,PDCCH/EPDCCH,PBCH,PSS/SSS,PMCH,PRSなど)の送信電力制御に用いられるパラメータのことであり、送信電力制御に用いられるパラメータには、種々の下りリンク物理チャネルの送信電力の設定に使用する種々のパラメータの切り替えまたは(再)設定に関する情報を含んでいる。
なお、上記各実施形態では、基地局装置1は、1つの端末装置2に対して複数の仮想セルIDを設定できるようにしてもよい。例えば、基地局装置1および少なくとも1つの基地局装置1を含むネットワークは、物理チャネル/物理信号毎に独立に仮想セルIDを設定できるようにしてもよい。また、1つの物理チャネル/物理信号に対して複数の仮想セルIDを設定できるようにしてもよい。つまり、各物理チャネル/物理信号の設定毎に仮想セルIDがセットできるようにしてもよい。また、複数の物理チャネル/物理信号で仮想セルIDは共有されてもよい。
本発明では、上りリンク電力について説明してきたが、下りリンク電力についても同様に適用されてもよい。
本発明では、上りリンク電力制御について説明してきたが、下りリンクのチャネル推定制御についても同様に制御されてもよい。また、本発明では、上りリンク電力制御について説明してきたが、チャネル状態情報報告の制御に適用されてもよい。本発明では、上りリンク電力制御について説明してきたが、受信電力測定の制御に適用されてもよい。
なお、上記各実施形態の説明では、例えば、電力をセットすることは電力の値をセットすることを含み、電力を計算することは電力の値を計算することを含み、電力を測定することは電力の値を測定することを含み、電力を報告することは電力の値を報告することを含む。このように、電力という表現は、適宜電力の値という意味も含まれる。
なお、上記各実施形態の説明では、例えば、パスロスを計算することはパスロスの値を計算することを含む。このように、パスロスという表現には、適宜パスロスの値という意味も含まれる。
なお、上記各実施形態の説明では、種々のパラメータを設定することは種々のパラメータの値を設定することを含む。このように、種々のパラメータという表現には、適宜種々のパラメータの値という意味も含まれる。
本発明に関わる基地局装置1および端末装置2で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における基地局装置1および端末装置2の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。基地局装置1および端末装置2の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
なお、本願発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。本願発明の端末装置は、移動局への適用に限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型または非可動型の電子機器、例えば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などに適用できることは言うまでもない。また、本発明は、無線基地局装置や無線端末装置や無線通信システムや無線通信方法に用いて好適である。
(まとめ)
本明細書には、少なくとも以下の発明についても記載されている。
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による端末装置は、基地局装置と通信を行なう端末装置であって、第1の設定に関する情報、第2の設定に関する情報、下りリンク制御情報(DCI)フォーマットを受信する受信部と、前記DCIフォーマットに基づいて上りリンク信号がスケジュールされている場合、前記上りリンク信号を前記基地局装置へ送信する送信部と、を備え、前記送信部は、前記第1の設定および前記第2の設定の両方がセットされている場合、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレーム(第1のサブフレーム)で送信される上りリンク信号の送信電力を、上りリンク信号のスケジュールに用いられるDCIフォーマット(第1のDCIフォーマット)または送信電力制御(TPC)コマンドの伝送に用いられるDCIフォーマット(第2のDCIフォーマット)に含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいてセットし、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレーム(第2のサブフレーム)で送信される上りリンク信号の送信電力を、前記第1のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいてセットすることを特徴とする。
(2)また、本発明の一態様による端末装置は、上記の端末装置であって、前記送信部は、前記受信部において、前記第1のDCIフォーマットと前記第2のDCIフォーマットが同一サブフレームで検出されると、前記第1のDCIフォーマットが前記第1のサブフレームに対して上りリンク信号をスケジュールしている場合には、前記第1のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて前記上りリンク信号の送信電力をセットし、前記第1のDCIフォーマットが前記第2のサブフレームに対して上りリンク信号をスケジュールしている場合には、前記第1のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて前記上りリンク信号の送信電力をセットし、さらに独立して、前記第2のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて送信電力をセットすることを特徴とする。
(3)また、本発明の一態様による端末装置は、上記の端末装置であって、前記送信部は、前記受信部において、前記第2のDCIフォーマットのみ検出されると、前記第2のDCIフォーマットが検出されたサブフレームに因らず、前記第2のサブフレームで送信される上りリンク信号の送信電力に対して、前記第2のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値を適用することを特徴とする。
(4)また、本発明の一態様による通信方法は、基地局装置と通信を行なう端末装置の方法であって、基地局装置と通信を行なう端末装置の通信方法であって、第1の設定に関する情報、第2の設定に関する情報、下りリンク制御情報(DCI)フォーマットを受信するステップと、前記DCIフォーマットに基づいて上りリンク信号がスケジュールされている場合、前記上りリンク信号を前記基地局装置へ送信するステップと、前記送信するステップは、前記第1の設定および前記第2の設定の両方がセットされている場合、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレーム(第1のサブフレーム)で送信される上りリンク信号の送信電力を、上りリンク信号のスケジュールに用いられるDCIフォーマット(第1のDCIフォーマット)または送信電力制御(TPC)コマンドの伝送に用いられるDCIフォーマット(第2のDCIフォーマット)に含まれているTPCコマンドに基づいてセットするステップと、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレーム(第2のサブフレーム)で送信される上りリンク信号の送信電力を、前記第1のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドに基づいてセットするステップと、を含むことを特徴とする。
(5)また、本発明の一態様による通信方法は、上記の通信方法であって、前記第1のDCIフォーマットと前記第2のDCIフォーマットが同一サブフレームで検出されると、前記第1のDCIフォーマットが前記第1のサブフレームに対して上りリンク信号をスケジュールしている場合には、前記第1のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて前記上りリンク信号の送信電力をセットするステップと、前記第1のDCIフォーマットが前記第2のサブフレームに対して上りリンク信号をスケジュールしている場合には、前記第1のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて前記上りリンク信号の送信電力をセットし、さらに独立して、前記第2のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて送信電力をセットするステップと、を含むことを特徴とする。
(6)また、本発明の一態様による通信方法は、上記の通信方法であって、前記第2のDCIフォーマットのみ検出されると、前記第2のDCIフォーマットが検出されたサブフレームに因らず、前記第2のサブフレームで送信される上りリンク信号の送信電力に対して、前記第2のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値を適用するステップと、を含むことを特徴とする。
(7)また、本発明の一態様による集積回路は、基地局装置と通信を行なう端末装置に搭載される集積回路であって、第1の設定に関する情報、第2の設定に関する情報、下りリンク制御情報(DCI)フォーマットを受信する機能と、前記DCIフォーマットに基づいて上りリンク信号がスケジュールされている場合、前記上りリンク信号を前記基地局装置へ送信する機能と、前記送信する機能は、前記第1の設定および前記第2の設定の両方がセットされている場合、第1のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレーム(第1のサブフレーム)で送信される上りリンク信号の送信電力を、上りリンク信号のスケジュールに用いられるDCIフォーマット(第1のDCIフォーマット)または送信電力制御(TPC)コマンドの伝送に用いられるDCIフォーマット(第2のDCIフォーマット)に含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいてセットする機能と、第2のサブフレームセットに属する上りリンクサブフレーム(第2のサブフレーム)で送信される上りリンク信号の送信電力を、前記第1のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいてセットする機能と、を前記端末装置に発揮させることを特徴とする。
(8)また、本発明の一態様による集積回路は、上記の集積回路であって、前記第1のDCIフォーマットと前記第2のDCIフォーマットが同一サブフレームで検出されると、前記第1のDCIフォーマットが前記第1のサブフレームに対して上りリンク信号をスケジュールしている場合には、前記第1のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて前記上りリンク信号の送信電力をセットする機能と、前記第1のDCIフォーマットが前記第2のサブフレームに対して上りリンク信号をスケジュールしている場合には、前記第1のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて前記上りリンク信号の送信電力をセットし、さらに独立して、前記第2のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値に基づいて送信電力をセットする機能と、を前記端末装置に発揮させることを特徴とする。
(9)また、本発明の一態様による集積回路は、上記の集積回路であって、前記第2のDCIフォーマットのみ検出されると、前記第2のDCIフォーマットが検出されたサブフレームに因らず、前記第2のサブフレームで送信される上りリンク信号の送信電力に対して、前記第2のDCIフォーマットに含まれているTPCコマンドによって得られる電力制御調整値を適用する機能と、を前記端末装置に発揮させることを特徴とする。
このことにより、端末装置は、適切な送信電力制御を行なうことができる。