JP6377527B2 - 高圧タンパク質リフォールディングのための方法およびシステム - Google Patents

高圧タンパク質リフォールディングのための方法およびシステム Download PDF

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Description

優先権の主張
本出願は、2011年12月1日に出願された米国仮特許出願第61/565,768号の優先権および利益を主張するものであり、上記仮特許出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の開示は、大規模なタンパク質製造のために、安定化したタンパク質封入体調製物または分散液として調製される封入体から、組み換えタンパク質を高圧脱凝集およびリフォールディングすることに関する。
大腸菌における組み換えタンパク質の商業用生産が多くの利点を持つ一方で、このシステムではタンパク質が間違ってフォールドするものがいくつかあり、天然構造への可溶化およびリフォールディングを要する封入体(IB)を形成する。このリフォールディング処理は、しばしば、タンパク質の平均収率を15〜25%の範囲にとどめる障害となる。Zhangら、Modeling of protein refolding from inclusion bodies、Acta Biochim、Biophys Sin 1044−1052(2009)を参照されたい。封入体からリフォールドしたタンパク質の収率を増加させる方法が望まれる。
尿素および塩化グアニジウムといったカオトロープを含み、ドデシル硫酸ナトリウム(「SDS」)といった変性界面活性剤を含む、化学変性剤が、従来、封入体からタンパク質を可溶化およびリフォールドするために使われており、この場合、これら作用剤の高濃度(たとえば、6MグアニジンHCl、8M尿素、0.1%SDSまで)によって、熱力学的にタンパク質を変性する。リフォールディングは、通常、希釈、透析、またはダイアフィルトレーションを介して、封入体および/または凝集体の解離後に、カオトロープまたは界面活性剤を取り除くことで達成される。封入体の性質およびサイズは、リフォールディング前に混合タンク中で大規模に溶解および変性されるため、これらのシステムで、リフォールディング収率に対して取るに足らない影響を有する。
高静水圧も、潜在的に効果的なタンパク質リフォールディング手段であり、米国特許第7,064,192号および第6,489,450号に記載されており、これら明細書も、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。従来のカオトロープ中心のリフォールディングとは対照的に、高圧技術は、タンパク質の天然構造に好都合である状況下でタンパク質集合体を解離することができ、カオトロープまたは強結合界面活性剤の不在下で実施することができ、下流精製を促進する。しかし、静水圧は、大きな商業規模では、実際に行われることがより少なく、特にカオトロープおよび変性界面活性剤の使用が好ましくない場合は、封入体からリフォールドするタンパク質において、低下したまたは許容できない収率につながる可能性がある。
本発明は、組み換えタンパク質の製造のための、および、特に封入体からの組み換えタンパク質の製造のための方法およびシステムを提供する。本発明は、大規模で適用可能であり、封入体から組み換えタンパク質を商業的に製造することを補助する。たとえば、ある態様では、前記方法は、封入体を含むタンパク質調製物を提供し、安定した封入体調製物または分散液を調製し、前記封入体分散液を圧力容器内で高圧に曝露することを含み、それによって、組み換えタンパク質を天然(たとえば、活動性の)構造に脱凝集およびリフォールドする。
様々な実施形態において、本発明は、機械的せん断および溶液の化学的性質の選択を利用し、安定した封入体調製物または分散液を作る。封入体分散液は、実質的に均一小サイズの封入体を含み、そのため、沈降速度は1時間あたり約5cm未満であり、または、いくつかの実施形態では、1時間あたり約1cm未満であり、またはブラウン運動(すなわち、粒子が約2.2μm未満である結果として)のために沈降速度は無視できる程度である。この方法では、高圧リフォールディング反応に添加され、加圧処理される封入体は、圧力容器の底に沈降する前に、脱凝集および可溶化されるのに十分な時間を有する。様々な実施形態において、封入体調製物または分散液は非変性であり、すなわち、界面活性剤(たとえば、SDS)またはカオトロピック剤(たとえば、尿素または塩化グアニジニウム)を、変性を起こす量で含まない、またはそのような作用剤を全く含まない。分散液は、高圧処理前に、封入体からタンパク質を可溶化および沈殿させることなく作られる。いくつかの実施形態では、分散液は、高圧処理前に、実質的な沈降または再分散処理の必要なく、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、または少なくとも約1か月間、安定である。調製物または分散液は、1つ以上の凍結/解凍工程有りおよび1つ以上の凍結/解凍工程無しの双方の場合で安定である。したがって、本発明は、リフォールディング収率における低下がない、または、リフォールディング収率において有意な改善を伴う、工程能率を提供できる。封入体の分散剤は、大規模なリフォールディングを含む高圧リフォールディングの間、向上した収率を可能にし、それはとりわけ、高圧処理の間に封入体の沈降を避け、および/または、封入体粒子の凝集化傾向を低減することで、可能になる。
いくつかの態様および実施形態では、溶液pHを変更し、または、非変性界面活性剤、リフォールディング添加剤および/または増粘剤の添加を通して溶液誘電率を変えることで、封入体粒子のサイズ、それらの沈降速度、および/または凝集化傾向を調節する。
さらに他の様態および実施形態では、圧力容器の水平軸は、垂直軸の少なくとも2倍である。大きな水平表面積を有する圧力容器は、高圧リフォールディングを通して、より大きな収率を補助する。垂直搭載高圧力容器は、一般的に、高圧実験および食品の低温殺菌を実施するために使われてきた。
本発明の他の様態および実施形態は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1は、4つの封入体調製物の粒度分布を示す。目視検査で観察される通り、およびストークス流によって予測される通り、試料はすべて急速な沈降を示した。 図2は、FlowCAM画像処理を使い、rhG−CSF封入体の粒度分布を示す。結果はコールターカウンター分析と相互関係を示し、さらに具体的には、5〜50μmのサイズ範囲の粒子が大量に存在する。 図3は、粒度の関数として、および、ストークス流によって決定される、封入体の沈降距離を示す。直径5μmを超える粒子は、十分沈降し、30分後の撹拌していない高圧リフォールドにおいてタンパク質濃度勾配をもたらす。 図4は、高圧均質化後の4つの封入体調製物の粒度分布を示す。目視検査で観察される通り、および、ストークス流および数式3によって予測される通り、試料は分散しており、沈降しなかった。 図5は、リフォールディング前の封入体の分散が、リフォールディング収率を、規模に依存しない方法で、有意に増加させることを示す。 図6は、rhG−CSF封入体の封入体高圧均質化によって、リフォールディング収率が増加し、規模の影響を最小にすることを示す。 図7は、20℃でFab1664凍結/解凍の間に20%グリセロールを添加することで、凝集が阻止されることを示す。 図8は、分散液を作る試みにおいて、均質化技術の、Fab1664の粒度に対する効果を示す。
本発明は、組み換えタンパク質の製造のための、および、特に封入体からの組み換えタンパク質の製造のための方法およびシステムを提供する。たとえば、ある態様では、その方法は、封入体を含むタンパク質調製物を提供し、安定した封入体調製物または分散液を調製し、および前記封入体分散液を圧力容器内で高圧に曝露することを含み、封入体タンパク質を脱凝集およびリフォールドする。高圧処理前に安定した封入体分散液を調製することで、本発明は、高いタンパク質濃度勾配およびタンパク質溶解度における限度によって、特に大規模なリフォールディングの際にもたらされる、リフォールディング収率の低下を避ける。
リフォールディング反応内のタンパク質濃度は、少なくとも2通りの方法でリフォールディング収率に影響を与える。第一に、リフォールディング反応が高タンパク質濃度で行われた場合、フォールディング反応が1次である一方、凝集反応次数は約2.6だと報告されているため、有害な再凝集反応がさらに頻繁に起こる。第二に、溶液内で得ることができる最大タンパク質濃度は、タンパク質溶解度によって支配されている。タンパク質の溶解度は、所与のタンパク質分子および溶液熱力学(たとえば、pH、イオン強度、誘電体)の特性の関数である。リフォールディング反応を溶解限度の超えたタンパク質濃度で試みる場合、その収率は、飽和濃度におけるタンパク質の沈殿によって、悪影響を受けるであろう。
凝集反応に対するタンパク質濃度の基本的な効果は、高圧リフォールディング中に、経験的に観察されてきた。たとえば、2000バールで24時間のインキュベーション後の集合体からの可溶性単量体rhGH(組み換えヒト成長ホルモン)収率は、本質的に、0.87〜8.7mg/mlの範囲のタンパク質濃度には依存していない(St.John,Carpenterら、1999)。しかし、他のタンパク質は高圧リフォールディング間、タンパク質濃度に対してより高感度を示す。組み換えヒト胎盤ビクニンは、0.0625mg/mlのタンパク質濃度で96%のリフォールディング収率を示し、2mg/mlの濃度では44%に下がった収率を伴った(Seefeldt,Ouyangら、2004)。高静水圧を使用してリフォールドされたリゾチームは、0.25および2mg/mlのタンパク質濃度で、それぞれ80%および65%の収率を有した(St.John,Carpenterら、1999)。したがって、タンパク質濃度は、高圧リフォールディング収率の調節において、重要な変数になり得る。
高圧リフォールディング室は、封入体といった不溶性物質に当該技術が適用され得る方法に影響を与える、撹拌能力を伴わないバッチ式で管理される。封入体は、大腸菌内での組み換え発現中に形成され、細胞機構がポリペプチドを正しく処理およびリフォールドできないことから生じる、ミスフォールドされて発現したポリペプチドの密構造として、特徴づけられる。封入体は、約0.5〜約1μmのサイズ範囲であると測定されており、超音波処理または高圧ホモジナイザーを使って細菌細胞から回収することができる。処理、遠心分離および保管中は、封入体調製物の多くは、凝集および集合し、そのサイズを有意に増加させる。凝集の程度は、採取液の、細胞破片の量(たとえば、残渣DNA)、pHおよび溶液条件に依存する。ある実施例では、封入体調製物のためのゼータ電位が、約−9.8mVと観察された(米国特許第2011/0268773号参照)。−10mV〜+10mV間の値は、一般的に、高い凝集化傾向を伴う不安定な溶液を特徴づけると考えられている。一度凝集すると、封入体は水性リフォールディング溶液の底に沈降し、特に大規模なリフォールディング反応で、リフォールディング収率に顕著な影響を与える可能性がある。この沈降問題は、圧力容器の領域で、タンパク質濃度勾配および高タンパク質見かけ濃度につながる。さらに詳細には、リフォールド中のタンパク質見かけ濃度は、封入体沈降のために、実際の試料濃度よりももっと高い。封入体の無限充填があるとすれば、容器底のタンパク質濃度は〜1260mg/ml(封入体におけるタンパク質密度を踏まえて)になるであろう。充填の非効率性は、一般的に20〜100mg/mlの範囲である封入体スラリーのタンパク質濃度につながる。この高タンパク質濃度形態の形成に必要な時間は、封入体粒子、たとえば、ブラウン運動によって支配されない約2.2μmを超える粒子、のストークス流(式1)によって支配され、
Figure 0006377527
式中、Vは速度、Dは粒径、gは引力定数、μは溶液粘度、そして、ρは粒子および流体それぞれの密度である(de Nevers 1970)。
1分子あたりの平均的な運動エネルギーは(式2)によって数量化され、:
式2 E=1.5
式中、Eは1分子あたりの運動エネルギー、kはボルツマン定数、そして、Tは温度(K)である(LaidlerおよびMeiser、1995)。
重力(式1)およびブラウン運動による運動力(式2)から粒子のエネルギーバランスを解析する場合、次の関係性が展開され(式3)、
Figure 0006377527
式中、1を超える値は、重力の力が支配して粒子沈降が一般的にストークス流によって特徴づけられることを意味し、1未満の値では、分子の動的運動に関連した圧倒する力のために沈降がもはや起こっていない分散を意味する(DuffyおよびHill、2011)。約1.25g/mlの密度を有するほぼ球形の封入体のための式3を解くと、直径約2.2μmを超える粒子はストローク流で説明される通りに沈降し、直径2.2μm未満の粒子は、解がブラウン運動によって指示されるので、沈降の起こらないコロイドを形成する、という一般的概算につながる。いくつかの封入体の非球形の性質に関連した形状因子があり、上で特定されたパラメーターの周りでの流体動の性質分布につながる。
このように、本発明に従い、封入体の安定した分散液を調製する。高圧処理の際に、封入体は沈降せず、それにより、カオトロープを伴う可溶化は不要となるので、向上したリフォールディング収率および/または工程能率を供給する。封入体分散液は、たとえば、高圧均質化または高せん断応力を伴う他の技術で調製されてよい。
本明細書で使用される「分散液」または「安定したタンパク質調製物」は同じ意味で使われ、固体微粒子が均一に分散している実質的に水性であるシステムを指す。したがって、調製物または分散液は、2相液体システムであり、1つの相は、実質的に水である第2の相の至るところに分布される不溶性封入体の微細粒子から成る。不溶性封入体は、少なくとも2種類の粒子から成り得る。第一に、分散液は、サイズが約2.2μm未満である粒子を含み得り、前粒子は、コロイドと定義され、沈降がブラウン運動のために実質的に起こらない。第二に、分散液は、サイズが約2.2μmを超えるが約10μm未満、または、ある実施形態では、約5μm未満である粒子を含み得、この場合、ストークス流のために沈降は起こるが、その速度は大規模な高圧リフォールディングを向上するのに十分ゆっくりである。微粒子のサイズは実質的に均一で、封入体粒子の大部分は、質量で5μm未満のサイズを有し、実質的にはばらつきはない。たとえば、少なくとも75%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%の封入体粒子は、5μmサイズのウィンドウを伴う。いくつかの実施形態では、少なくとも75%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%の封入体粒子は、2μmサイズのウィンドウ内である。封入体微粒子の小さなサイズおよびサイズ分布は、分散液を、高圧処理中沈降しないでさらに安定にする。さらに、いくつかの実施形態では、分散液における封入体粒子は、低下した凝集化傾向を示し、全体の処理をバッチ間でさらに効率的、実用的および一貫したものにする。いくつかの実施形態では、分散液は、ゼータ電位を変えることで分散液の安定性を高める、pH、イオン強度、選択的排除性化合物、界面活性剤およびポリマーの使用によって、さらに安定させる。したがって、いくつかの実施形態では、封入体分散液は、約10μm未満または約5μm未満のサイズである粒子から本質的に成るように調製され、沈降を阻止する、または、沈降速度がストークス流で記載される通り最小になるのに十分小さい。様々な実施形態では、これらの粒子は、±10、±20または±30の範囲外であるゼータ電位を有し、凝集化傾向を避ける。
本明細書で開示される、リフォールディング収率を導くのに十分な、封入体の粒径およびそれらの分布は、コールターカウンター、画像処理、レーザー回折および動的光散乱または類似した技術の少なくとも1つの使用を通して定量化することができる。高圧下の水性システムにおける封入体調製の実際の挙動(たとえば、沈降)は、以前に特徴づけられたことがなく、規模の効果および収率低下に対する関連は知られていなかった。たとえば、高圧処理は潜在的に封入体凝集の速度を速める可能性があり、または、その代わりに沈降を促進する可能性がほとんどないように凝集物を速く解体する可能性があるので、封入体サイズおよび凝集状態の寄与は、高圧下での実際のサイズをあいまいする。組み換えタンパク質−タンパク質相互作用および細胞破片との相互作用の双方に関連する凝集は、タンパク質、細胞破壊のための方法および条件、緩衝条件および処理工程によって、変化し得る。さらに、封入体の凝集状態は、従来特徴づけされておらず、というのも、封入体がカオトロピック剤または変性界面活性剤で可溶化される部分にほぼ無関係であるからである。凝集を考慮に入れた時、封入体は、約1μmから50μm以上の範囲でサイズに大きなばらつきを有する可能性がある。高圧下での凝集物の挙動、封入体の特定の凝集物状態およびバッチ間の凝集のばらつきによって、特に大きな体積では、収率の大幅な低下および高圧リフォールドの一貫性の低下の可能性がある。
封入体の関連サイズおよび/または物理的性質は、特徴づけするのが難しい可能性があり、一部分は凝集化傾向のためである。たとえば、封入体のサイズは約1μmとして特徴づけされており[PeternelおよびKomel、Isolation of biologically active nanomaterial(inclusion bodies)from bacterial cells.Microbial Cell Factories 2010 9:66;Balduinoら、Refolding by High Pressure of a Toxin Containing Seven Disulfide Bonds:Bothropstoxin−1 from Bothrops jararacussu、Mol.Biotechnol.48:228−234(2011)]、これは、高圧リフォールディングに好適である非変性条件での沈降速度を提唱しているであろう。50μmまでのさらに大きな粒度の原因なり得る凝集の、高圧リフォールディング中の沈降速度に対する影響は、特徴づけられていない。しかし、本明細書で示される通り、封入体のサイズは、圧力リフォールディングの収率に実質的に影響するのに十分であり、封入体調製物の安定した分散は、特により高いリフォールディング体積で、非変性条件下でさえも、リフォールディング収率に有意に有益な効果を有する。
以前の高圧リフォールドの報告は小規模で実施されたので、見かけのタンパク質濃度は、より大きな規模に比べ、リフォールディング収率に重要ではなかった。封入体が高圧でリフォールドされた報告はいくつかあるが、毎回粒度の特徴づけがなく、または粒度を調節する試みがなく、および凝集または処理に対するその効果への参照なしである。ある研究では、ヒドロキシエチルデンプンの使用を通して、高圧UV分光測定中の沈降を阻止しようと試み、選択的排除のために低下したリフォールディング収率につながった(St.John、Carpenterら、2001;Seefeldt、Crouchら、2007)。INF−beta−1b封入体の大規模リフォールディングを試みた際、封入体沈降は大変著しく、封入体からのリフォールド処理は効果的ではなく、収率は5%未満であった。本問題は、化学物質に基づいた可溶化技術を圧力処理の前に取り入れることで回避された。参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第8,273,561号を参照されたい。本発明者らは、高圧処理中の封入体沈降を回避するために他の方法を試み、それらの方法は、圧力下で撹拌または混ぜる装置の開発を含むが、これらの労力は、見積もるのが難しいものとなった。たとえば、米国特許第7,767,795号および第2009/0215998号を参照し、これらはその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書は、安定した封入体分散液を調製し、高圧処理中の封入体粒子の沈降を避ける。封入体はしばしば、−10mV未満のゼータ電位で簡単に凝集し(いくつかの例では高圧下であっても)、一般的に、プロセス誘導集合体またはタンパク質沈殿物といった他の種類のタンパク質集合体とは異なる挙動をする。たとえば、半可視の微粒子はしばしば0.2〜10μmの範囲であるが、これら粒子は、サイズ調節処理工程を必要とせず、それは、たとえば、任意の顕著なタンパク質濃度勾配を作るには低すぎる、これら粒子の極端に低い広まり(一般的に2%未満)のためである。さらに、非封入体タンパク質集合体は通常よりきれいな物質であり、よりゆるく結合し、凝集の可能性はさらに低く、低いせん断力で壊れ得るので、プロセス誘導集合体を作る可能性を有する厳しい処理の必要はない。
特定の実施形態では、本発明は、実質的な凝集を有する封入体調製物の安定した分散液を作ることに関連する。たとえば、分散の前に、封入体調製物は、約1μm未満〜約20μm超、または約30μm超、約40μm超、約50μm超もしくは約100μm超の広い粒度範囲を有してよい。いくつかの実施形態では、約10%超、約25%超、または約50%超の粒子は、約10μmより大きい、または約5μmより大きく、したがって、高圧リフォールディング収率に有意に影響し得る。
コールターカウンター、画像処理、レーザー回折および動的光散乱といった装置を使用して、封入体分散液の粒度を特徴づけ、粒度が適切なサイズ範囲にあることを確実にしてバッチ間の一貫性を維持することができる。たとえば、コールターカウンター装置は、高圧リフォールディングのための封入体サイズの正確な測定を供給する。コールターカウンターは、粒子が固定の断面を通り抜ける際の導電性におけるかく乱を測定することで、粒径および分布を測定する。重力は良く定義された定数である。粒子および流体(水)の溶液粘度および密度は、溶質組成の関数である。これらの計算がなされた後に、適切なリフォールディング緩衝液における全粒子の沈降速度を得ることができる。
いくつかの実施形態において、本発明は封入体の機械的せん断の工程を組み込んで封入体分散液を調製し、たとえば、高圧ホモジナイザーの使用を通してである。封入体のサイズおよび/または直径ならびに分散後の凝集状態は、沈降速度が1時間あたり約1cm未満であるようにしている。この方法で、高圧リフォールドに搭載され、圧力処理される封入体は、圧力容器の底への沈降前に可溶化されるのに十分な時間を有する。本明細書で示される通り、高圧均質化は、大規模でも含め、高圧リフォールディング収率を向上させるのに効果的な手段である。リフォールディング溶液条件が不在下での高圧処理が圧力誘導集合体を形成することが示され、その集合体はさらに密構造であり、高圧リフォールディングに修正可能ではないことが示された(Seefeldt、Crouchら、2007)一方で、本開示は、高圧均質化で処理された封入体は通常そのような性質を示さないことを説明する。
驚くことに、高圧リフォールディング前に封入体分散液を作ることで、実質的に向上した収率を得ることができる。様々な実施形態で、約30%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、または100%に接近したリフォールディング収率を得ることができる。そのような収率は、非変性条件下でも、および大規模でも、得ることができる。以前は、そのような結果は可能ではなかった。いくつかの実施形態では、高圧リフォールディングのために使用された圧力容器の容積は、約5L以上である。いくつかの実施形態では、高圧リフォールディングのために使用された圧力容器の容積は、約10L以上である。いくつかの実施形態では、高圧リフォールディングのために使用された圧力容器の容積は、約15L以上、または少なくとも25L以上、または少なくとも50L以上、または少なくとも100L以上、または少なくとも125L以上、または少なくとも150L以上、または少なくとも200L以上である。
したがって、様々な実施形態において、封入体分散液は非変性であり、すなわち、分散液は変性を起こす量の界面活性剤(たとえばSDS)またはカオトロピック剤(たとえば尿素またはグアニジウムHCl)を含まない。いくつかの実施形態では、変性剤は、分散液中に存在せず、それらの下流除去を不必要にする。いくつかの実施形態では、より高い濃度で変性を起こす界面活性剤または他の作用剤の非変性濃度を利用してもよい。たとえば、リフォールド緩衝システムにおける界面活性剤または他の作用剤は、封入体を可溶化するのに十分でない。
いくつかの実施形態において、本発明は、凝集を制限し、リフォールディング前の封入体の保管中に安定した分散液を提供できる、pH、イオン強度、界面活性剤、選択的排除性化合物およびポリマーのうち少なくとも1つを含む、溶液条件を選択することを包含する。いくつかの実施形態では、選択される溶液条件は、高静水圧化でタンパク質をリフォールドするのにも効果的である。いくつかの実施形態では、溶液条件は封入体回収中に選択することができ、再均質化技術の必要性を阻止する。理論に束縛されたくないが、溶液条件は、封入体粒子のゼータ電位が約±10mV、約±20mV、約±30mVまたは約±40mVの範囲外になるように増やすように選択され、安定したコロイド分散を促進することができる(DuffyおよびHill、2011)。
封入体を通して生成されるタンパク質は、任意のタンパク質、たとえば、製造規模で生成される任意のタンパク質であってよい。様々な実施形態では、タンパク質は、産業用酵素または治療用タンパク質である。治療用タンパク質は、ヒト用または獣医用治療のためのタンパク質である。いくつかの実施形態では、タンパク質は、約100mg/ml未満(たとえば、pH7または約pH7の水性溶液において)、または約50mg/ml未満、または約20mg/ml未満、または約10mg/ml未満、または約5mg/ml未満の溶解限度を有する。これらのまたは他の実施形態では、タンパク質は、1つ以上のジスルフィド結合を含む。
タンパク質は、組み換えタンパク質治療剤でもよく、たとえば、免疫グロブリン(たとえば、モノクローナル抗体で、キメラでもヒト化でもよい)、抗原結合性領域もしくは単鎖抗体、Fc領域含有タンパク質(たとえばENBREL)または他の治療用タンパク質である。タンパク質が抗体または抗体領域を有する部分で、その抗体または領域は、IgGアイソタイプといった、任意のヒトアイソタイプのものでよい。治療用タンパク質の例としては、インターロイキンまたはインターフェロン(たとえば、インターフェロン−アルファ、インターフェロン−ベータまたはインターフェロン−ガンマ)、タンパク質もしくはペプチドホルモンもしくは成長因子(たとえば、インスリン、GLP、エリトロポエチン、GM−CSFまたはヒト成長ホルモン)、凝固因子(たとえば、第VII因子、第VIII因子)または補充療法のための酵素(たとえば、ウリカーゼ、MYOZYME、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ)がある。治療用タンパク質は、全長タンパク質またはその機能部を含んでいてもよく、分子の活性および/または安定性を高めるための当該技術分野で公知の修飾を含んでいてもよい。
組み換え治療用タンパク質は、1つ以上のサブユニットの大きなタンパク質であってよい。たとえば、タンパク質は、約500kDa、400kDa、200kDa、100kDa、75kDa、50kDa、40kDa、30kDa、20kDa、10kDa、5kDa、2kDaまたは0.25kDaより大きいサイズを有してもよい。特定の実施形態では、組み換えタンパク質は複数のポリペプチド鎖を含み、前記ポリペプチド鎖は、1つ以上のジスルフィド結合で結合されていてもよい。
治療用タンパク質の例としては、次のものを含む:インターフェロン−アルファ;インターフェロン−アルファ2a(ロフェロン−A;ペガシス);インターフェロン−ベータIb(ベタセロン);インターフェロン−ベータIa(アボネックス);インスリン(たとえばヒューマリン−R、ヒューマログ);DNAアーゼ(プルモザイム);ニューポジェン;エポジェン;プロクリット(エポエチンアルファ);アラネスプ(第2世代プロクリット);イントロンA(インターフェロン−アルファ2b);リツキサン(リツキシマブ抗CD20);IL−2(プロロイキン);IL−I ra(キネレット);BMP−7(オステオジェニン);TNF−アルファIa(ベロマン(Beromun));HUMIRA(抗TNF−アルファMAB);tPA(テネクテプラーゼ);PDGF(レグラネックス);インターフェロン−ガンマIb(アクティミューン);uPA;GMCSF;第VII因子、第VIII因子;レミケード(インフリキシマブ);エンブレル(エタネルセプト);ベタフェロン(インターフェロンベータ−Ia);サイゼン(ソマトトロピン);アービタックス(セツキシマブ);ノルディトロピン(ソマトロピン);ニュートロピン(ソマトロピン);ジェノトロピン(ソマトロピン);ヒューマトロープ(ソマトロピン);レビフ(インターフェロンベータIa);ハーセプチン(トラスツズマブ);アバタセプト(オレンシア)およびヒュミラ(アダリムマブ);ゾレア(オマリズマブ);アバスチン(ベバシズマブ);ニューラスタ(ペグフィルグラスチム);セレザイム(イミグルセラーゼ);ならびにモタビズマブ。そのような治療用タンパク質のアミノ酸配列および/または構造は当該技術分野では公知であり、そのような配列/構造は参照によって本明細書に組み込まれる。
タンパク質調製物は、不溶性形態の宿主細胞(たとえば、封入体)から回収され、いくつかの実施形態では、商業規模である。封入体におけるタンパク質発現はよく知られている。宿主細胞は、大腸菌のように、封入体として組み換えタンパク質を発現する微生物細胞である。高圧ホモジナイザーは、封入体を回収するための細胞溶解を行うために市販で販売されている。たとえば、宿主細胞を、マントン−ゴーリンホモジナイザーまたはフレンチプレスといった機械的手段で破壊することができる。破壊処理は、宿主生物からの細胞破片がよく破壊されており、封入体を沈降するのに十分な低速度遠心分離下で、ホモジネート液から沈降し損ねるように行われるのが好ましい。封入体は再懸濁、洗浄、再び遠心分離されてもよい。上澄みは捨てられ、実質的に純粋な封入体調製物を得る。たとえば、細胞溶解のために高圧ホモジナイザーを使用する際は、全細胞を、処理前に、たとえば20mMトリス、2mMのEDTA緩衝剤中で再懸濁することができる。他の実施形態では、化学的方法および/または超音波処理が使用され、細胞を破壊し、封入体を回収する。細胞破壊条件は、封入体の性質に影響を与え[Van Heeら、Relation between cell disruption conditions, cell debris particle size, and inclusion body release、Biotechnol.Bioeng.5;88(1):100−10(204)参照]、したがって、細胞破壊は本発明に従ってリフォールドされる対象となる特定のタンパク質に関して最適化されるべき一因子である。封入体の粒度は、従来組み換えタンパク質生成の方法の問題ではなく、なぜならその方法はいつも封入体の可溶化工程を含むからである。
封入体分散液は、特定のタンパク質のために調節し、および本明細書に記載される不可欠な性質を生成するために必要とされる、任意の好適な技術によって調製されてもよい。様々な実施形態では、分散技術は、高速ブレンダー、高圧ホモジナイザー、フレンチプレス、コロイドミル、高シアー(sheer)分散機または膜ホモジナイザーといった機械的せん断を生じさせることで作用する。適切な分散を得るために、装置を複数通過することが必要となり得る。封入体分散は、変性剤または可溶化化合物によって実質的に補助されず、封入体は、高圧処理の前に可溶化および沈殿させる必要はない。
どんな特定の均質化技術または装置のための処理条件も、本明細書で開示される通りに粒度を測定することで設定すべきである。様々な実施形態では、分散液における封入体粒子は1時間あたり10cm以下の沈降速度を有すると予想され(本明細書で開示される通りに決定することができる粒子の平均サイズに従って)、高圧処理によるリフォールディング収率に対する沈降の影響を緩和する。いくつかの実施形態では、封入体粒子1時間あたり5cm以下の沈降速度、または1時間あたり1cm以下の沈降速度を有する。このように、封入体粒子の大部分は、質量で10μm以下のサイズを有し、または、他の実施形態では、封入体粒子の大部分は、質量で5μm以下のサイズを有し、または、他の実施形態では、封入体粒子の大部分は、質量で3μm以下のサイズもしくは2μm以下のサイズを有する。いくつかの実施形態では、分散液の粒子は本質的に、分散液のコロイド的性質を支える、サイズが約2.2μm未満の粒子から成り、さらに、高圧リフォールド反応中では実質的に沈降しない、サイズが約2.2μm〜約5μmの範囲である粒子から成る。いくつかの実施形態では、粒子の大部分は約2.2μm未満である。いくつかの実施形態では、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%の粒子が約2.2μmのサイズ未満である。一般的に、封入体粒子のサイズは、実質的に均質であり、実質的に、約5μm、約4μm、約3μmまたは約2μmを超えてばらつかない(たとえば、約5%、約10%または約20%の外れ値しか伴わない)。
封入体分散液を、凝集した封入体調製物の回収後または分散後のいずれかに安定化させることができ、それらの沈降速度はpH,イオン強度、非変性剤または増粘剤といった、ゼータ電位を変更する化学物質の添加によって調節できる。多くの増粘試薬は、集合体構造を安定させ、およびタンパク質体積を調節する、選択的排除性化合物でもあり、封入体の可溶化およびリフォールディングを妨害する(ArakawaおよびTimasheff 1982;Timasheff 1992;Timasheff 1993;Qoronfleh,Hesterbergら、2007;Seefeldt,Crouchら、2007)。しかし、いくつかの態様および実施形態における本発明は、脱凝集しないように封入体粒子を実質的に安定させることなく分散液を安定させる(たとえば、沈降および/または凝集を避ける)ことと高圧下でリフォールディングすることとの釣り合いに関連する。増粘剤は、たとえば、グリセロール、スクロース、トレハロース、ポリエチレングリコールを含み、これらはまた水の構造を破壊する。いくつかの実施形態では、そのような作用剤は、とりわけ、凍結−解凍工程が高圧処理の前に含まれる場合に添加され、凝集を阻止する。ゼータ電位を変更する化学物質は当該技術分野ではよく知られており、増加する電荷−電荷反発をもとに作用する。約±20、約±30、または約±40のゼータ電位が様々な実施形態でコロイド分散液を安定させるのに十分であり、pH、イオン強度および荷電リフォールディング剤によって変更することができる。ゼータ電位は、光散乱技術によって定量化することができる。
いくるかの実施形態では、分散液は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも1か月、または少なくとも2か月の間、高圧リフォールディング前にさらなる再分散もなく、安定である。
分散液における封入体粒子が実質的に沈降しないので、タンパク質の見かけ濃度は、高圧処理の間、タンパク質溶解限度未満で保たれる。たとえば、いくつかの実施形態では、高圧力容器全体にわたるタンパク質の見かけ濃度は、高圧処理の間、約50mg/mL未満である。他の実施形態では、圧力容器全体にわたるタンパク質の見かけ濃度は約30mg/mL未満、または約10mg/mL未満またはそれ以下、または約5mg/mL未満またはそれ以下である。
いくつかの実施形態では、封入体分散液を約1000バール〜約5,000バールの高圧に供する。いくつかの実施形態では、封入体分散液の高圧処理は封入体の可溶化および/または沈殿なしで起こる。
一般的に、リフォールディングは圧力窓で起こる。いくつかの実施形態では、圧力窓は、約1000バール〜約2500バール、または、約1000バール〜約2000バールである。他の実施形態では、前記窓は約1250バール〜約2250バール、または約1500バール〜約2000バールであってもよい。通常、調製物は、圧力窓内で高圧に曝露し、脱凝集およびリフォールディングにつながる。通常、高圧は、タンパク質を不可逆的に変性するよりは低い。高圧条件は、凝集を誘導しないように選択され、この場合、前記条件は、本明細書で記載される、高圧の大きさ、高圧処理の継続時間、タンパク質濃度、温度、pH、イオン強度、カオトロープ濃度(使用される場合)、界面活性剤濃度、緩衝剤濃度、選択的排除性化合物濃度または他の溶液パラミーターを含む。
本明細書で使われる「高圧」という語は、少なくとも約250バールの圧力を意味する。本発明の実施形態に従った高圧処理は、少なくとも約250バールの圧力、少なくとも約400バールの圧力、少なくとも約500バールの圧力、少なくとも約1kバールの圧力、少なくとも約2kバールの圧力、少なくとも約3kバールの圧力、少なくとも約5kバールの圧力または少なくとも約10kバールの圧力であってよい。「大気」「周囲」または「標準」圧力は1平方インチ(psi)あたりおよそ15ポンド、またはおよそ1バールすなわちおよそ100,000パスカルと定義される。高圧のための条件の選択は、リフォールディング収率および活性タンパク質を評価するために適した技術で導くことができ、他の技術の中でも、活性アッセイ、ELISA’s、SDS−PAGE、逆相クロマトグラフィー(RP)、他のHPLC系アッセイ、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、逆相クロマトグラフィー(RP)、他のHPLC系アッセイ、光散乱/オブスキュレーションを含む。
高圧力容器は市販されている(たとえば、ハイプレッシャーイクイップメント(High Pressure Equipment)社、ペンシルベニア州、エリー)。高圧技術は、米国特許第6,489,450号および第7,064,192号、米国特許出願公開第2004/0038333号および国際特許出願WO第02/062827号で説明されており、これらに記載される高圧を生成するための方法は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。特定の装置も開発されており、それらは特に高圧下でタンパク質をリフォールディングするのに好適であり、国際特許出願公開WO第2007/062174号を参照し、前記特許出願は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。好ましい高圧処理のために調節される条件パラミーターは、下に記載される。水平容器は、利用できる形態として、ナショナルキャリブレーション(National Calibration)株式会社(アリゾナ州、フェニックス)であり得る。
本発明のいくつかの態様および実施形態では、圧力容器の水平軸は垂直軸の少なくとも2倍である。本明細書で示される通り、大きな水平表面積を有する圧力容器は、高圧フォールディングを通して、より大きな収率を補助する。垂直搭載高圧力容器は、一般的に、高圧実験および食品の低温殺菌を実施するために使われてきた。これら従来の容器は処理試料および圧力伝達流体の双方で簡単に満たされる。流体は、単純な弁の適用によって、満たしている間にシステム内で保持することができる。また、フープ応力、およびそれゆえの圧力容器の強度が容器の外部または内部直径の割合によって支配され、多くの容器の容積が容器の直径ではなく容器の高さを変えることで最も簡単に調整される結果となる現象がある。これら特質の組み合わせが、寸法では「狭い」垂直圧力容器の自然な開発につながり、特定の容積のために直径を最小にする一方で高さを最大にする。
高圧リフォールドが拡大するにつれ、タンパク質の見かけ濃度が圧力容器の増加する高さとともに増加するため、垂直搭載圧力容器はますます問題となる。前記問題は、高圧低温殺菌法は容器内の食物の場所に依存しないため、高圧リフォールディングに独特である。他の高圧反応の多くは、一定の密度を伴う溶液内で生じる。いくつかの態様において、本発明は大規模リフォールディングのために水平搭載容器を実施することを提唱し、圧力容器の高さを減らし、容器の底の表面積を増やし、したがって垂直に搭載された容器と比較してタンパク質の見かけ濃度を低下させる。ここまで、垂直構成である圧力容器のみが利用可能であった。大規模における水平搭載圧力容器の出現は、高圧リフォールディングに特に好適であり、それは典型的な適用である増加した搭載率のためではなく、むしろリフォールディングシステムにおける見かけ濃度を減らす能力のためである。
高圧処理にかけられる封入体分散液のタンパク質濃度は、通常、約0.1mg/ml〜約50mg/ml、たとえば少なくとも約1.0mg/ml、少なくとも約5.0mg/ml、少なくとも約10mg/ml、または少なくとも約20mg/mlの範囲であってよいが、タンパク質の溶解限度に依存するだろう。
高圧処理の継続時間は、リフォールド収率をもとに選択されてよい。通常、高圧処理は約15分〜約50時間、またはおそらくそれ以上の間、実施されてよい。いくつかの実施形態では、高圧処理の継続時間は約1週間以下、約5日、約4日、約3日などである)。したがって、いくつかの実施形態では、リフォールディングのために十分な継続時間は、約2〜約30時間、約2〜約24時間、約2〜18時間または約1〜約10時間である。
溶液の成分は、1つ以上の安定剤、1つ以上の緩衝剤、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の対のジスフィルドシャッフリング剤、1つ以上の塩、または前述の成分の2つ以上の組み合わせから選択される1つ以上の作用剤であってよい。そのような構成成分が薬剤的に許容されない場合、添加される構成成分は薬剤としての投与前にタンパク質調製物から取り除くことが可能であるべきである。そのような成分は、透析またクロマトグラフィーで取り除かれてよい。いくつかの実施形態では、封入体分散液はカオトロープまたは変性剤を含まない。薬剤の例としては、緩衝剤(リン酸緩衝剤、ホウ酸塩緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、HEPES、MEPSが例として含まれるが、これらに限定されない)、塩(塩化物、硫酸塩、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、アンモニウムおよびカリウムの炭酸塩が例として含まれるが、これらに限定されない)、カオトロープ(使用された場合、尿素、塩酸グアニジン、硫酸グアニジンおよびサルコシンが例として含まれる)および安定剤(たとえば、選択的排除性化合物など)が含まれるが、これらに限定されない。溶液成分はまた、リフォールディングを促進し、封入体分散を安定させるように選択されてもよい。
アミノ酸を使用して再凝集を阻止し、水素結合の解離を促進することができる。使用することができる一般的なアミノ酸は、限定はせず、アルギニン、リジン、プロリン、グリシン、ヒスチジンおよびグルタミンまたは前述の2つ以上の組み合わせである。いくつかの実施形態では、自由なアミノ酸が約0.1mMからアミノ酸のおよその溶解限度までの濃度で存在し、いくつかの変形では、約0.1mM〜約2Mである。最適濃度は、所望するタンパク質の関数であり、天然構成に有利に働くである。アミノ酸は溶液および脱離基のpKaの関数として関連した電荷を有し、溶液のイオン強度および誘電体を調節することで、ゼータ電位に影響を与え、したがって分散液の安定性にも影響を与える。
選択的排除性化合物を使用して、対象のタンパク質の天然構成を安定させることができる。あり得る選択的排除性化合物は、スクロース、ヘキシレングリコール、糖(たとえば、スクロース、トレハロース、デキストロース、マンノース)およびグリセロールを含むが、これらに限定されない。使用できる濃度範囲は、0.1mMから特定化合物の溶解限度の最大濃度までである。濃度の例としては生理的浸透圧に一致したものが含まれる。最適な選択的排除性化合物は、対象タンパク質の関数である。多くの増粘試薬は、集合体構造を安定させ、およびタンパク質体積を調節する選択的排除性化合物でもあり、封入体の可溶化およびリフォールディングを妨害する(ArakawaおよびTimasheff 1982;Timasheff 1992;Timasheff 1993;Qoronfleh,Hesterbergら、2007;Seefeldt,Crouchら、2007)。しかし、いくつかの実施形態では、本発明は1つ以上の選択的排除性化合物の濃度を適用することで、凝集および沈降を阻止するが、他の点では封入体粒子を安定させ、さらに高圧処理耐性とする可能性がある選択的排除性化合物の濃度を避けることの釣り合いを達成することに関連する。
所望するpH値またはpH範囲を維持するために、緩衝剤が存在してもよい。多くの好適な緩衝剤が当業者には公知であり、対象タンパク質の天然(単量体)の構成に有利に働く(または少なくとも不利には働かない)pHに基づいて選択されるべきである。無機緩衝剤または有機緩衝剤のいずれかが使われてよい。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの無機質緩衝剤が使われる(たとえば、ホスフェート、カルボネートなど)。特定の実施形態では、少なくとも1つの有機緩衝剤が使われる(たとえば、シトレート、アセテート、トリス、MOPS、MES、HEPESなど)。追加される有機および無機緩衝剤は、当該技術分野では公知である。緩衝成分は溶液のpHを調節し、封入体微粒子上の実効電荷および電荷分布を調整する。緩衝剤成分も荷電すると、それらは溶液のイオン強度も変更する。双方の因子はゼータ電位に影響を与え、それらの分散の安定性に対する影響を測定するために試験するべきである。
水の表面張力を低下させるために、界面活性剤、表面活性化合物も使用してもよい。界面活性剤も、対象タンパク質の可溶性を向上させることができる。界面活性剤は、それらの臨界ミセル濃度(CMC)を超えるまたは未満の濃度で使用されてよく、たとえば、CMCを約5%〜約20%を超えるまたは約5%〜約20%低くてよい。しかし、これらの値は選ばれた界面活性剤によって変化し、たとえばベータ−オクチルグルコ−ピラノシドといった界面活性剤は、たとえばTWEEN−20(ポリソルベート20)といった界面活性剤よりも、低い濃度で効果的である可能性がある。最適濃度は、それぞれのCMCを有する各界面活性剤の関数である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は使用されない。使われる場合、可能性のある界面活性剤は、非イオン性(t−オクチルフェノキシポリエトキシ−エタノールおよびポリオキシエチレンソルビタンを含むが、これらに限定されない)、陰イオン(たとえばドデシル硫酸ナトリウム)およびカチオン性(たとえば塩化セチルピリジニウム)ならびに両性剤を含む。好適な界面活性剤は、デオキシコレート、オクチル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエーテル、コール酸ナトリウム、オクチルチオグルコピラノシド、n−オクチルグルコピラノシド、アルキルトリメチルアンモニウム、ブロミド、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、非界面活性スルホベタインおよびナトリウムビス(2エチルヘキシル)スルホサクシネートが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、界面活性剤はポリソルベート80、ポリソルベート20、サルコシル、トリトンX−100、β−オクチル−グルコピラノシドまたはBrij35であってよい。界面活性剤もゼータ電位に強く影響を及ぼすことが示されているが、それらはタンパク質の疎水性および電荷の双方を変更するので、それぞれ独立して試験されなくてはいけない。ゼータ電位は、溶液中の陰イオン性界面活性剤の量にも左右される。MalhotraおよびCoupland,The effect of surfactants on the solubility,zeta potential,and viscosity of soy protein isolates,Food Hydrocolloids 18(2004)101−108を参照されたい。
所望するタンパク質が天然構成でジスルフィド結合を含む場合、少なくとも1つの対のジスルフィドシャッフリング剤を混合物中に含むと、一般的に有利である。チオール反応性化合物の濃度は、ゼータ電位を有意に変更させないよう十分低い。
本明細書で記載される方法は、対象の特定タンパク質によって、範囲のある温度値で行われてもよい。たとえば、タンパク質は様々な温度でリフォールドすることができ(たとえば、脱凝集する)、約室温、約25℃、約30℃、約37℃、約50℃、約75℃、約100℃、または約125℃を含む。一般的に、温度は約0〜約50℃、約10〜約37℃、または約20〜約30℃の範囲である。
いくつかの実施形態では、室温に戻す前に混合物は凍結しない温度に供されるという条件で、対象タンパク質に悪影響を及ぼすことなく、温度は約20℃〜約100℃の範囲に及ぶ可能性がある。
上昇した温度はしばしばタンパク質の凝集をもたらすために使用されるが、増加した静水圧と一緒に使用されると、温度が不可逆的な変性をもたらすほど高くはないという条件で、上昇した温度は、高圧処理によってもたらされるリフォールディング回収を促進することができる。一般的に、リフォールディングのために上昇した温度は、活性の不可逆的損失が起こる温度よりも約20℃低くあるべきである。比較的高い温度(たとえば、約60℃〜約125℃)が、減圧前にふさわしい低温度まで下げられる限り、溶液が圧力下にある間使用されてもよい。そのようなふさわしい低温度は、大気条件で熱誘導変性または凝集が起こるよりも低い温度として定義される。温度における上昇は、溶液のブラウン運動の影響を増加し、いくつかの分散液の安定性を高める可能性がある。
圧力の低下が連続的な方法で行われる場合、圧力低下の速度は一定であってもよく、または圧力が低下する期間の間、増加または低下してもよい。いくつかの変形では、圧力低下速度は1秒あたり約5000から2000バールから4日間あたり(または約3日間、約2日間、約1日)約5000から2000バールである。いくつかの実施形態では、試料が保持される装置を単に開き、圧力をすぐに解放するだけで圧力が解放される場合、圧力低下はおよそ瞬間であってもよい。
圧力低下が段階的な方法で行われる場合、その方法は、使用される最も高い圧力から、少なくとも、最高レベルと大気圧力の間で中程度である第2段階まで圧力を落とすことを含む。目標は、タンパク質が所望する構成を受け入れることを可能にするこの中間気圧領域で、またこの中間気圧領域周囲で、インキュベーションまたは保持期間を提供することである。
いくつかの実施形態では、少なくとも2段階の圧力低下がある場合、介在する段階間で、定圧での保持期間があってもよい。保持期間は約10分〜約50時間(またはそれ以上、対象タンパク質の性質による)であってもよい。いくつかの実施形態では、保持期間は約2〜約24時間、約2〜約18時間、または約1〜約10時間であってもよい。
特定の実施形態では、段階低下後の定圧は、段階的圧力低下直前の圧力のおよそ5分の4から、段階的圧力低下前のおよそ10分の1である。たとえば、定圧は、段階的圧力低下直前の圧力の、約5分の4〜約5分の1、約3分の2〜約10分の1、約3分の2〜約5分の1の圧力である。1つ以上の段階的圧力低下段階がある場合、言及される圧力は、最後の圧力低下直前の圧力である(たとえば、2000バールが1000バールに低下し、500バールに低下する場合、500バールの圧力は、前の低下にすぐに先立つ圧力(1000バール)の2分の1である)。
圧力が段階的な方法で低下する場合、圧力低下の速度(たとえば、保持期間前および後の圧力低下の期間)は、連続的低下(たとえば、非段階的な方法で)として記載された圧力低下の速度と同じ範囲であってもよい。本質的に、段階的圧力低下は、連続的な方法で圧力を中間定圧まで低下し、続いて、保持期間、次いでさらに連続的な方法で圧力を低下することである。各保持期間前および後の連続的圧力低下の期間は、連続的圧力低下の各期間に対して同じ連続的速度であってよく、または各期間は異なる圧力速度を有していてもよい。いくつかの実施形態では、連続的圧力低下および保持期間の2つの期間がある。
特定の実施形態では、各連続的圧力低下期間は、同じ圧力低下速度を有する。他の実施形態では、各期間は、異なる圧力低下速度を有する。具体的な実施形態では、保持期間は約8〜約24時間である。いくつかの実施形態では、保持期間は約12〜約18時間である。
本発明の様々な実施形態に従ったリフォールディング収率は、50%超、60%超、75%超、80%超、もしくは90%超、またはいくつかの実施形態では100%に近くてもよい。リフォールディング収率は、溶液の集合体の特徴づけをふくむ、様々な技術で測定されてよい。技術は、他の技術の中でも、活性アッセイ、ELISA’s、SDS−PAGE、逆相クロマトグラフィー(RP)、他のHPLC系アッセイ、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、逆相クロマトグラフィー(RP)、他のHPLC系アッセイ、光散乱/オブスキュレーションを含む。
タンパク質調製物は、サイズ排除クロマトグラフィーおよびゲル浸透クロマトグラフィーで測定してもよく、これらは、タンパク質の分子量および集合体の数を見積もることができる。また、そのような技術は、様々なタンパク質集合体を分離する。Wu,C−S.(編)、Handbook of Size Exclusion Chromatography and Related Techniques,Second Edition(Chromatographic Science)、マーセルデッカー:ニューヨーク,2004(特に第15章ページ439−462、Bakerら、“Size Exclusion Chromatography of Proteins”)およびWu,C−S.(編)、Column Handbook for Size Exclusion Chromatography,San Diego:アカデミックプレス、1999(特に第2章および第18章)を参照されたい。
光オブスキュレーションも、調製物のタンパク質集合体を測定するために使うことができる;Seefeldtら、Protein Sci.14:2258(2005);Kimら、J.Biol.Chem.276:1626(2001);およびKimら、J.Biol.Chem.277:27240(2002)を参照されたい。
多くのゲル電気泳動の方法(たとえば、変性または非変性PAGE)を使用してタンパク質およびタンパク質集合体を分析することができる。未変性PAGE(非変性PAGE)を使って非共有結合集合体を調べることができる。たとえば、Hermelingら、J.Phar.Sci.95:1084−1096(2006);Kilicら、Protein Sci.12:1663(2003);Westermeier,R.、Electrophoresis in Practice:A Guide to Methods and Applications of DNA and Protein Separations、第4版、ニューヨーク:ジョンワイリー&サンズ、2005;およびHames,B.D.(編)、Gel Electrophoresis of Proteins:A Practical Approach、第3版、ニューヨーク:オックスフォード大学出版局、アメリカ、1998を参照されたい。
いくつかの実施形態では、米国特許第7,829,681号で記載される通り、本発明は封入体の組み換え融合タンパク質のプロテアーゼ切断とともに使用され、上記特許は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本発明はNproオートプロテアーゼ技術(ベーリンガーインゲルハイム)とともに使われる。たとえば、封入体タンパク質はプロテアーゼ切断部位を有する融合タンパク質として発現してもよく、また、前記封入体タンパク質は、プロテアーゼ切断が対象タンパク質を解放するのに十分なプロテアーゼと一緒に高圧処理に供せられてもよい。融合タンパク質は、対象タンパク質(たとえば、治療用タンパク質または産業用酵素)およびプロテアーゼを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、プロテアーゼはペスチウィルスプロテアーゼである。
これらまたは他の実施形態で、融合タンパク質は、またはより多くのHIS−タグ、マルトース結合タンパク質、チオレドキシン、グルタチオン−s−トランスフェラーゼ、DsbA、gphD、FLAG、カルモジュリン結合タンパク質、strepタグII、ペスチウィルスプロテアーゼ、HAタグ、Sofタグ1、Sofタグ3、c−myc、T7−タグ、S−タグ、NusA、キチン結合領域、キシナラーゼ10A、タバコエッチ病ウィルスおよびユビキチンを含んでいてよい。
実施例1:封入体調製物
はじめに、以下で述べるように、4つの封入体(IB)試料を、既知の技術を使って、次に続く高圧リフォールディングの際の、粒度、沈降速度、および収率への効果を比較する基盤として、(1)陰性対照として未処理のIBタンパク質調製物;および、(2)本発明に従った安定したタンパク質調製物または分散液として高せん断機械処理の工程を追加した、この場合、非制限的な実施例として、NIRO Panda処理を使った高せん断均質化を追加した、処理済みのIBタンパク質調製物を使って、製造した。予想に反し、高せん断機械処理を追加したIBタンパク質調製物の追加処理は、高圧リフォールディング中、さらに低いまたは低減した粒度、沈降速度および/またはタンパク質の見かけ濃度につながり、リフォールドされたタンパク質収率は有意に上昇した。
これらの実験において、前記4つのIBタンパク質は、次のものを含んでいた:(i)グラニュライトコロニー刺激因子(rhG−CSF),(ii)Fab1664(自社のFab構築物)、(iii)封入体A、および(iii)封入体B。大腸菌の細胞質中にある各IBタンパク質調製物のための封入体の発現を、標準的な実験方法を使って行った。Fab1664およびrhG−CSFのためのIBタンパク質の調製は、均質化によって行った。均質化した後、封入体を、10,000xgの遠心分離によって、50mMのトリス、pH8.0、1mMのEDTAを含む洗浄緩衝液中で3回洗浄および再懸濁を行うことにより精製し、その封入体を使用前に−20℃で保管した。Fab1664およびrhG−CSFの製造のための洗浄プロトコルも、既知の方法に従った。各タンパク質のための凍結細胞ペーストを、溶解緩衝液(50mMトリス緩衝液、pH8.0、1mMのEDTAおよび1mMのPMSF)中で、ペレット:緩衝液を1:10の比率で(w/v)、再懸濁した。14,000psiの圧力で微細流動装置M−110Pを使い、rhG−CSFを含む封入体またはrhG−CSFを、細胞から回収した。遠心分離に先立って、ライセートの1:2希釈を行い、粘度を低減し、封入体のより良い収率を得た。得られたライセート溶液を、4℃で30分間、48,000xgで遠心分離にかけ、Thermo Sorvall RC6+遠心分離機を使って、その封入体をペレットにした。上澄み液を捨て、封入体を含む画分を3段階洗浄方法に供し、宿主細胞のエンドトキシン、タンパク質およびDNAを除去した。全工程において、ペレットを、室温で、1:40(w/v)比率である一連の洗浄緩衝液中で懸濁し、30分間撹拌し、遠心分離によって再びペレットにした。第1の緩衝液は、50mMトリス、pH8.0、5mMのEDTAおよび2%トリトン×−100から成った。第2の緩衝液の組成は、50mMトリス、pH8.0、5mMのEDTA、1%デオキシコール酸ナトリウムであった。第3の洗浄工程において、洗浄緩衝液は、50mMトリス緩衝剤、pH8.0、5mMのEDTAおよび1MのNaClを含んでいた。遠心分離後、封入体を、15mg/mlの濃度の水中で再懸濁するまで、4℃で保管した。封入体AおよびBタンパク質調製物も、本明細書で述べられたプロトコルおよび/またはIB生成のための既知の方法に従った方法で、生成した。
実施例2:封入体サイズの特徴づけ
4つのIBタンパク質調製物のそれぞれの封入体粒度を、ベックマンが製造するLS230コールターパーティクルカウンターを使用して測定した。本装置を0.22μmで濾過した水で洗浄し、バックグラウンドは減算した。封入体懸濁液をボルテックスし、沈降を阻止するために50〜70%の範囲のポンプ速度で粒子数が35〜60%PIDの間になるまで、全量ピペットを使って粒子を本探知機に移した。分析のため、超音波処理は試料室で行わなかった。粒度分布を計算するために使われたモデルは、屈折率1.33(水に対して)溶液および屈折率1.5(タンパク質に対して)の試料を使った。実施ごとに、390秒で平均した粒度分布を4つのIBタンパク質調製物それぞれのために取り出し、3つの試料にまたがって得られた平均値で0.4〜2000μm間で粒子分布を測定し、95%信頼区間として示した。サイズ分布を体積パーセンテージとして示した。一定の密度であると踏まえ、体積パーセンテージも質量パーセンテージとして解釈することができる。4つの封入体調製物に対するサイズ分布を図1に示す。封入体調製物の平均粒度(質量パーセンテージをもとに)は、封入体Fab 1664、rhG−CSF、封入体Aおよび封入体B調製物に対して、それぞれ133+/−14、13.4+/−2.4、108+/−3、および171+/−9μmであった。
は4つの封入体調製物の粒度分布を示す。目視検査で観察される通り、およびストークス流によって予測される通り、試料はすべて急速な沈降を示した。
コールターカウンターの結果を確証するために、粒子計数および粒度測定を、FlowCAM(Fluid Imaging Technologies)装置を使用して、rhG−CSF封入体上で行った。本装置は、封入体懸濁液を流して溶液の顕微鏡写真を撮り、光学測定によって粒度を決定する。0.15mL/分で300ミクロンのフローセルを通って流れた200μLの希釈溶液を分析することで、分析を行った。FlowCAMの暗さ設定は15で明るさ設定は17であった。測定された最小粒度は2ミクロンであり、測定された最大は10,000ミクロンであった。得られたサイズ分布を図に示す。FlowCAM分析は、rhG−CSF封入に対し、粒度が5〜50μmの範囲に及び、コールターカウンターの結果に合っていることを示した。
実施例3:封入体調製物の沈降速度
不動液体中のストークス粒子の沈降は、完全にストークス式(de Nevers 1970)によって特徴づけられ、式中、Vは粒子の速度、Dは粒径、gは引力定数、ρpartは粒子の密度、ρfluidは流体の密度である。Middleburgによる研
究は、封入体1つの密度は1.26g/mlだと示した(Thomas, Middelbergら、1990)。水密度として1g/mlを用いて沈降時間を30分と踏まえ、粒径の関数として粒子が移動した距離を図に示す。ストークス式は直径5μmの粒子は30分を通して0.6cm沈降することを示し、リフォールド反応中にタンパク質濃度勾配を生成するのに十分な距離である。本発明に従った追加処理のないFab 1664、rhG−CSF、封入体Aおよび封入体B試料タンパク質調製物に対する沈降距離は、それぞれ、429、4.5、307および734cmであると測定され、封入体が30分後に撹拌していない高圧リフォールド反応の底に境界層を形成するのに十分であり、さらにリフォールドしたタンパク質収率の低下につながるであろう。目視検査によって、試料はすべて急速に沈降したことが観察された。
実施例4:本発明に従った封入体調製物の安定したタンパク質調製物または分散液の調製
実施例2で示される封入体タンパク質調製物(Fab1664、rhG−CSF、封入体Bおよび封入体A)を、非制限的な実施例として、背圧1000バールのNIRO Panda Processor(第1段階のみ)を使い、高せん断均質化として高せん断機械処理を加えることで、本発明に従って再処理した。安定したタンパク質調製物または分散液を提供するために本発明に従って処理された各IBタンパク質調製物試料を回収し、次いで5時間以下の間25℃で保管し、実施例3で示されたものと同じ方法で静置した(未処理IB調製物と比較して、予想に反した、および/または向上したサイズ分布を示すため)。本発明に従った高せん断機械処理後のサイズ分布を図に示す。予想に反し、未処理IB調製物と際立って対照的に、本発明に従った4つのタンパク質の安定したタンパク質調製物または分散液の封入体粒子すべてが、サイズにおいて2μm未満であり、粒子の大部分はサイズにおいて1μm未満である。ストークス式および式3に基づくと、これら粒子は30分後、1μm未満の沈降速度を有し、一般的な撹拌しない高圧リフォールディング反応の過程でタンパク質境界層または濃度勾配の形成を阻害し、また、リフォールディング後のタンパク質収率を増加することも発見された。全調製物は、目視検査によると、分散後均質に保たれていた。
実施例5:本発明に従ったFab1664の高圧リフォールディングに対する粒度分布の影響
Fab1664封入体(本発明の高せん断機械処理前(未処理で指定される「非均質化」)および後(「均質化」として指定され、本発明通り処理された))を、SDS−PAGEを標準試料として精製したFab1664と一緒に用いたデンシトメトリーによってタンパク質濃度のために定量化した。定量化は、分散処理がタンパク質濃度を変化させなかったことを確認するために行われた。Fab1664の重鎖および軽鎖のリフォールド懸濁液(およそ1:1質量割合)を50mMのCHES(pH9.0)、4mMシステイン、350mMアルギニンを含む緩衝液中で1.6g/の一定タンパク質濃度にし、30分間3000バールで加圧処理して集合体解離を促進させ、4時間1500バールまで減圧して鎖集合を促進させ、大気圧で一晩インキュベートし、ジスルフィド形成を促進させた。1.45mmの内径を伴う試料容器中で凝集および高せん断機械加工処理された(「均質化した」)封入体のために、0.5および1mlのリフォールディング体積を選択し、リフォールド収率に対する規模の依存を示した。0.5mlリフォールドは、2.8cmの高さを有する一方、1mlリフォールドは5.6cmの高さを有し、4つの試料はすべて垂直位置で加圧処理された。凝集した試料に関しては、0.5mlおよび1mlリフォールドは、それぞれ、0.8および1.6mgのタンパク質が試料容器の底に薄い膜を形成するに至った。高圧リフォールディング後、Fab1664リフォールディング収率を、カチオン交換クロマトグラフィー(CEX)を使って測定した。CEXは、280nm検知を伴うアギレント1100HPLC上で実施された。分離は、1%B/分で増加する勾配を伴うDionex ProPac WCX−10 4X250mmカラムを使って実施され、この場合、緩衝液Aは50mMのMES(pH6.3)を含み、緩衝液Bは50mMのMES(pH6.3)および250mMのNaClを含む。Fab1664封入体粒度の関数としてのリフォールディング収率およびリフォールド体積を図で示す。本発明に従ったリフォールディング前の安定したタンパク質調製物または分散液は、予想に反して規模に依存しない方法で、リフォールディング収率を有意にあげることがわかる。
特に、高圧リフォールディング前に、安定したタンパク質調製物または分散液を提供するために高せん断機械処理を用いた、本発明に従ったIBタンパク質調製物の処理(「非均質化」)は、予想に反し、いくつかの実施形態では規模に依存して、Fab1664の高圧リフォールディング収率を5%から25%まで向上することがわかる。対照的に、Fab1664封入の未処理IB調製物(「非均質化」)は、予想に反して沈降が速すぎて、タンパク質の見かけ濃度を1.6g/Lをはるかに超えるまで下げ、おおよそ5%のリフォールディング収率につながる。リフォールディング体積が1mlに増加し、リフォールド容器の高さを5.6cmに増やして境界層におけるタンパク質が1.6mgに至る場合、リフォールディング収率はさらに低下する。
実施例6−本発明に従ったrhG−CSFの高圧リフォールディングに対する粒度分布の影響
rhG−CSF(高圧均質化前および後)を、タンパク質濃度のために、SDS−PAGEを標準試料として精製したrhG−CSFと一緒に用いたデンシトメトリーによって定量化した。定量化は、本発明のIB調製物の高せん断機械処理がタンパク質濃度を変化させなかったことを確認するために行われた。
リフォールド懸濁液を50mMのCHES(pH10.0)、1M尿素、0.01%トリトンX−100および4mMのシステインの最適化されていない高圧リフォールディング条件で0.45mg/mlの一定タンパク質濃度にした。本発明による、処理された(「均質化した」)rhG−CSF安定タンパク質調製物または分散液を試料の調製後懸濁したままで、一方で、未処理対照(非均質化した)調製物は容器の底に沈降した。試料は200μL、600μL、1000μLおよび10mlの体積で、16時間2500バールで加圧処理した。
リフォールディング後、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC−HPLC)、逆相クロマトグラフィー(RP−HPLC)および標準試料としてrhG−CSFを伴うSDS−PAGEを用いたデンシトメトリーを使って収率を測定した。平均的に、本発明の処理された(「均質化した」)安定したタンパク質調製物または分散液の高圧リフォールディングは、22%の収率につながり、対照の未処理(「非均質化した」)IB調製物の使用はSDS−PAGEによって収率を7%まで減らした。20mMホスフェート(pH6.8)、150mMのNaClおよび標準試料としてrhG−CSFを伴う3000SWXLカラムとしてのTosohaと一緒に移動相として0.01%Tween20を使って、SEC分析を実施した。安定したタンパク質調製物または分散液の関数としての正規化されたリフォールディング収率およびリフォールディング体積を図で示す。rhG−CSF封入体の安定したタンパク質調製物または分散液は、リフォールディング収率を増やし、規模の影響を最小にする。
200μL体積において観察されるより低いリフォールディング収率は、高圧処理中に可溶化され、レドックスの化学的性質を変化する気泡の結果であると予想される。600および10,000μLの間のリフォールディング体積を伴う試料に関して、2つの結論が導かれる。第一に、rhG−CSF封入体の分散は全体積にたいしてリフォールディング収率を増加させる。第二に、本発明に従って作られた、処理された(「均質化した」)試料に対して、収率は600〜10000μLで維持され、一方で、未処理対照(「非均質化した」)封入体調製物の場合は体積が増えるにつれて収率は減少する。低下した収率は、タンパク質境界層の形成およびタンパク質の見かけ濃度の増加の結果だと考えられる。
実施例7:凍結/解凍中に凝集を阻止するためのグリセロールの使用
Middelbergおよびその他による研究は、封入体を含む細胞ホモジネートは、0.2〜0.6μmのサイズ範囲の粒子を有することを示す(Thomas、Middelbergら、1990;Bowden,Paredesら、1991)。遠心分離、洗浄および凍結/解凍を含む処理中、封入体は凝集し、大きな粒度分布につながり得る(図1)。
IBタンパク質調製物、たとえばFab1664、の凝集は、リフォールディング前に15〜30%、たとえば20%、グリセロール溶液中でIBタンパク質調製物を凍結すれば防ぐことができるということが今はわかっている(図)。対照的に、水中で凍結したFab1664封入体は有意に凝集した。凝集後の再分散に代わる手段として、pH、イオン強度、界面活性剤ならびに誘電性および粘度修飾因子の少なくとも1つには限定されない添加剤および溶液の化学的性質を加えて、処理中の凝集を阻害することができる。グリセロールは、凍結/解凍サイクルの間に水の構造を破壊する、さらなる利点を有し得る。
参照
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Bowden,G.A.,A.M.Paredesら(1991).“Structure and morphology of protein inclusion−bodies in escherichia coli.”Biotechnology 9(8):725−730.
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Duffy,D.およびA.Hill(2011).Suspension Stability:Why Particle Size,Zeta Potential and Rheology are Important,www.malvern.comf.
Laidler,K.およびJ.Meiser編(1995).Physical Chemistry 2nd Edition.マサチューセッツ州、ボストン、ホートン・ミフリン社.
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Thomas,J.C.,A.P.J.Middelbergら(1990).“Sizing Biological Samples by Photosedimentation Techniques.”Biotechnology Progress 6:255−261.
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Timasheff,S.N.(1993).“The Control of Protein Stability and Association by Weak−Interactions with Water−How Do Solvents Affect These Processes.”Annual Review of Biophysics and Biomolecular Structure 22:67−97.
実施例8:本発明に従うタンパク質リフォールディング後の粒度分布および増加収率に対する異なる安定したタンパク質調製物または分散液アプローチの影響
凝集したFab1664封入体を、プローブソニケーター(1ml規模)および800psiのNiro Panda(50ml規模)を使用して処理し、IBタンパク質調製物を提供した。処理後、図で示される通り、封入体を粒度のために測定した。用いた処理アプローチはサイズ分布を変化させ、超音波処理は、不完全な分散および2〜4μmのサイズ範囲で存在する粒子のより高いパーセンテージにつながった。2〜4μmサイズの粒子のより高い割合は、500uLリフォールドにおいて顕著であり、全リフォールド高さはたった2.8cmであり、2および4μm粒子はそれぞれ0.1および0.4cmの距離を沈降し、リフォールド工程中のタンパク質見かけ濃度の増加につながる。実施例5で記載されたものと同じ条件で加圧処理された、凝集し、超音波処理し、Niroで均質化したFab1664リフォールディング収率のためのリフォールディング収率は、5.9%+/−0.7%、13.8%+/−0.2%および25.2%+/−0.5%の収率につながった。超音波処理後の不完全な分散は、粒子サイズのより大きな割合につながり、さらに単分散した試料と比較して収率を低下させた。したがって、超音波処理はタンパク質リフォールディング収率を低下させることを思いがけなくも発見し、よって、超音波処理なしで高い収率をもたらす本発明に従った方法を提供することは、超音波処理を含む方法よりも好ましい。
実施例9:分散溶液の安定性を最大にするための実験計画
溶液の化学的性質を適用し、細胞回収、処理または保管中に封入体の凝集を阻害すること、または、分散技術が使用されたのちに封入体を懸濁することのいずれかが可能である。タンパク質調製物および分散液は、凝集を阻止するために絶対ゼータ電位を上昇させる、または、粒子−粒子衝突を遅くするために溶液粘度を増加させることで、安定化させることができる。ゼータ電位を、除外した体積、静電相互作用、ファンデルワールス力、エントロピー力および立体力で調節し、+/−30mVを超える値は溶液の安定性を付与する。各タンパク質はその独立したpIを持つので、各タンパク質の電荷反発はpHの関数として最適化されなくてはいけない。タンパク質のpIから離して溶液のpHを調節すると、電荷反発およびコロイド安定性は増加する。4〜10のpHは、長期保管は化学的変性またはアミド分解には至らないことに注意して試験されるべきである。溶液のイオン強度は、低い緩衝液濃度(10mM)で、0.5および1MのNaClを添加して試験されるべきである。荷電界面活性剤の使用は、ゼータ電位を劇的に増加させるが、しばしば変性をおこす(たとえば、SDS)。非イオン性界面活性剤はゼータ電位において穏やかな変化をもたらす可能性があり、CMC超または未満で段階的な方法で試験されるべきである。選択的排除性化合物およびグリコールの使用は、溶液誘電率を調節し、したがってゼータ電位を調節し、0.25Mずつの増加で、0〜1Mの範囲で試験されるべきである。実験作業は、段階形式またはハイスループットスクリーニング、一部実施法および他の統計的デザインの使用を通して行われてもよい。封入体が様々な溶液条件で分散された後、ゼータ電位を、動的光散乱を通して測定し、電位が正荷電または負荷電のいずれかを通して最大になる時を決定する。試験された各溶液条件に対して、ゼータ電位を試験すべきであり、粒子分布は測定されるべきであり、および、試料を25℃、4℃および凍結−解凍サイクルを通して1、2および4週間保管場所に置き、次いで、コールターカウンターまたは他の方法を用いて粒子分布をもう一度試験すべきである。
粘度改質剤も、タンパク質−タンパク質衝突を遅くすることで凝集物を安定させるために使われてもよいが、それらは通常選択的排除性化合物であるのでリフォールド反応を修正しないという注意を確実にしておかなくてはいけない。粘度改質剤は、封入体をリフォールド緩衝液に混ぜる際に希釈すると、有効に使うことができるだろう。試験される粘度改質剤の非排他的なリストとしては、ガウア、キサンタンガム、ヒドロキシ−エチル−デンプン、PEGおよび寒天が含まれる。

Claims (27)

  1. 封入体からタンパク質を製造するための方法であり、
    a)封入体粒子を含むタンパク質調製物を提供すること、
    b)安定な封入体分散液を調製することであって、前記分散液中の封入体粒子の50%超が1時間あたり10cm以下の沈降速度を有すること、および
    c)前記封入体分散液を、容積が5L以上の圧力容器内で高圧に曝露すること、
    を含み、それによって、前記封入体タンパク質を脱凝集およびリフォールディングする、方法。
  2. 前記封入体分散液が、非変性である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記封入体分散液が、高圧の不在下で封入体を可溶化するのに十分なカオトロープおよび/または界面活性剤を含まない、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記圧力容器の体積が、10L以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記圧力容器の体積が、50L以上である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記タンパク質が、抗原結合領域または抗体Fc領域を含む治療用タンパク質である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記封入体粒子の50%超が、10μm以下のサイズを有する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記封入体粒子の50%超が、5μm以下のサイズを有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記封入体粒子の50%超が、3μm以下のサイズを有する、請求項7に記載の方法。
  10. 前記封入体粒子の50%超、2.2μm以下のサイズを有する、請求項7に記載の方法。
  11. 分散前の前記封入体の調整物が、相当な数の20μmより大きい封入体粒子を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 分散前の前記封入体の調製物が、30μmより大きい封入体粒子を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 分散前の前記封入体の調製物が、50μmより大きい封入体粒子を含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記封入体分散液が、機械的せん断によって、または高圧均質化によって調製された、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記分散液の化学的性質が非変性界面活性剤、緩衝剤、塩、リフォールディング併用剤、増粘剤、または選択的排除性化合物の1つ以上を加えることで調節される、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記粒子のゼータ電位が、±10の範囲外になるよう調節される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記粒子のゼータ電位が、±20の範囲外になるよう調節される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記粒子のゼータ電位が、±30の範囲外になるよう調節される、請求項16に記載の方法。
  19. 選択的排除性化合物が、凝集を阻止する濃度で加えられる、請求項15に記載の方法。
  20. 前記封入体分散液が、凍結/解凍に供され、凝集しない、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 封入体タンパク質が、プロテアーゼ切断部位を有する融合タンパク質であり、プロテアーゼ切断に十分なプロテアーゼと一緒に高圧に供せられる、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記プロテアーゼが、ペスチウィルスプロテアーゼである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記圧力容器の1つの軸が、前記圧力容器の第2の軸の少なくとも2倍であり、長い方の軸が水平になるよう前記圧力容器が配置される、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 10Lを超える圧力容器内でのタンパク質リフォールディングのための方法であり、
    (a)封入体調製物として、封入体を含むタンパク質調製物を提供すること;
    (b)高圧処理中の沈降速度が1時間あたり5cm未満になるように機械的せん断によって封入体の直径を縮小すること;
    (c)pH、イオン強度および誘電率の1つ以上に基づいてリフォールディング溶液の化学的性質を選択すること;
    (d)前記封入体タンパク質調製物を圧力容器内で高圧に曝露すること、
    を含む、方法。
  25. 前記機械的せん断が、高圧均質化、微細流動装置、または固定オリフィスもしくは定圧処理機によって生成される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記封入体タンパク質が、HIS−タグ、マルトース結合タンパク質、チオレドキシン、グルタチオン−s−トランスフェラーゼ、DsbA、gphD、FLAG、カルモジュリン結合タンパク質、strepタグII、ペスチウィルスプロテアーゼ、HA−タグ、Sofタグ1、Sofタグ3、c−myc、T7−タグ、S−タグ、NusA、キチン結合領域、キシナラーゼ10A、タバコエッチ病ウィルスおよびユビキチンから選択される融合パートナーを1つ以上伴う融合タンパク質として発現される、請求項24または25に記載の方法。
  27. 前記融合タンパク質が、プロテアーゼを含む、請求項26に記載の方法。
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