JP6376689B2 - 粉粒体の加熱処理装置及び処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば廃石膏ボード等を破砕処理して得られる粉粒体をロータリーキルンを用いて加熱処理する粉粒体の加熱処理装置及び処理方法に関する。
各種の粉粒体を加熱処理するにあたり、加熱効率に優れ連続投入の可能なロータリーキルンが採用されることも多く、例えば、建築物の解体などに伴って多量に発生する二水石膏の状態にある廃石膏ボードを破砕処理により粉粒体とし、これを前記ロータリーキルンのキルン本体内に投入してバーナから供給される高温の燃焼ガスにより所定温度に加熱処理し、II型無水石膏等に転位させてセメントの原材料等として再生処理するようにしている。
上記II型無水石膏等のように比較的高温での加熱処理を要する場合、キルン本体の内壁は耐熱性のキャスター等での保護が必須となり、被加熱物として投入される粉粒体はキルン本体の回転に伴いキルン本体内底部付近にて若干のせり上がりと崩壊とを繰り返しながら前記キャスター内壁面上に沿って流動しつつ(キルンアクション)、その間に高温雰囲気に晒されることで加熱処理されていく。
特許文献1(特開平10−61907号公報)には、キルン本体の内壁に耐熱性のキャスターを周設した粉粒体加熱処理用のロータリーキルンにおいて、キルン本体内の中心部付近を通過する高温のガス流をキルン本体内周部のキャスター内壁面や、該キャスター内壁面上に沿って流動する粉粒体に向けて偏流させることにより、加熱効率を向上させるようにしたものが記載されている。
特開平10−61907号公報
しかしながら、上記従来装置のような構成を採用することでもそれなりに加熱効率の向上は期待できるものの、長尺構造のロータリーキルンにあっては設置スペース等の面から装置の小型化が求められることもあり、そのためにはより加熱効率に優れたものが望ましい。
本発明は上記の点に鑑み、粉粒体を加熱処理するロータリーキルンの加熱効率を高めて、装置の小型化が図れるようにした粉粒体の加熱処理装置及び処理方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載の粉粒体の加熱処理装置では、バーナから供給される燃焼ガス流と被加熱物である粉粒体の流下方向とが対向する向流加熱方式のロータリーキルンを用いた粉粒体の加熱処理装置であって、バーナ設置側であるキルン本体前半部側の内壁に耐熱性のキャスターを周設する一方、後半部側の内壁には複数の掻き上げ羽根を周設し、キルン本体の略中央部にはキルン本体の途中より粉粒体の投入を可能とする中間投入部を備えると共に、キルン本体下流の排気ダクトにはガス流に随伴して流出する粉粒体を捕捉する集塵機を備え、該集塵機にて捕捉した粉粒体を前記中間投入部よりキルン本体前半部側へ再投入させるように構成したことを特徴としている。
また、請求項2記載の粉粒体の加熱処理装置では、前記キルン本体の全長に対して掻き上げ羽根を周設する範囲の長さの比率を30〜70%としたことを特徴としている。
また、請求項3記載の粉粒体の加熱処理装置では、前記中間投入部は、キルン本体の周壁に円周方向に沿って所定間隔にて複数の透孔を穿設し、該透孔を包囲するようにキルン本体外周部に略環状のカバー体を周設し、該カバー体には前記集塵機にて捕捉した粉粒体をカバー体内に投入させる投入口を備えると共に、前記透孔のキルン本体外周側にはカバー体内に投入される粉粒体を透孔に案内してキルン本体内へ送り込むガイドシュートを備えて成ることを特徴としている。
また、請求項4記載の粉粒体の加熱処理方法では、バーナから供給される燃焼ガス流と被加熱物である粉粒体の流下方向とが対向する向流加熱方式のロータリーキルンを用いた粉粒体の加熱処理方法であって、バーナ設置側であるキルン本体前半部側の内壁に耐熱性のキャスターを周設する一方、後半部側の内壁には複数の掻き上げ羽根を周設し、該キルン本体後半部側では投入した粉粒体を掻き上げ羽根にて繰り返し掻き上げ・落下させながらガス流と接触させて加熱する一方、キルン本体前半部側では粉粒体をキャスター内壁面上に沿って流動させながら高温雰囲気に晒して加熱し、ガス流に随伴してキルン本体下流へ流出する粉粒体は集塵機にて捕捉してキルン本体の略中央部から前記キルン本体前半部側へ直接再投入させて加熱するようにしたことを特徴としている。
本発明に係る請求項1記載の粉粒体の加熱処理装置によれば、バーナ設置側であるキルン本体前半部側の内壁に耐熱性のキャスターを周設する一方、後半部側の内壁には複数の掻き上げ羽根を周設し、キルン本体の略中央部には中間投入部を備え、キルン本体下流の集塵機にて捕捉される粉粒体を前記中間投入部よりキルン本体前半部側へ再投入させるように構成したので、キルン本体後半部側に周設した掻き上げ羽根にて粉粒体を繰り返し掻き上げ・落下させることによりガス流との接触機会を増やせ、それによって加熱効率を効果的に向上させることができて装置の小型化が図れると共に、粉粒体の掻き上げ・落下に伴って飛散を生じた粉粒体がキルン本体より流出しても、集塵機にて捕捉してキャスター構造のキルン本体前半部側に再投入させることができ、再飛散を抑えながら所望温度まで加熱処理できて収率良く処理することができる。
また、請求項2記載の粉粒体の加熱処理装置によれば、キルン本体の全長に対して掻き上げ羽根を周設する範囲の長さの比率を30〜70%としたので、キルン本体より導出される燃焼ガスが凝縮を生じない範囲で、ロータリーキルンの加熱効率を好適に高めることができる。
また、請求項3記載の粉粒体の加熱処理装置によれば、前記中間投入部は、キルン本体の周壁に円周方向に沿って複数の透孔を穿設し、該透孔を包囲するようにカバー体を周設し、該カバー体には集塵機にて捕捉した粉粒体をカバー体内へ投入させる投入口を備えると共に、前記透孔にはカバー体内に投入された粉粒体を透孔に案内してキルン本体内へ送り込むガイドシュートを備えて成るので、集塵機にて捕捉した粉粒体をキルン本体の途中からでも噴き出しや外気の侵入等の不具合なく投入することができる。
また、請求項4記載の粉粒体の加熱処理方法によれば、バーナ設置側であるキルン本体前半部側の内壁に耐熱性のキャスターを周設する一方、後半部側の内壁には複数の掻き上げ羽根を周設し、該キルン本体後半部側では投入した粉粒体を掻き上げ羽根にて繰り返し掻き上げ・落下させながらガス流と接触させて加熱する一方、キルン本体前半部側では粉粒体をキャスター内壁面上に沿って流動させながら加熱し、ガス流に随伴してキルン本体より流出する粉粒体は集塵機にて捕捉後、キルン本体の略中央部からキルン本体前半部側へ直接再投入させて加熱するようにしたので、キルン本体後半部側において粉粒体とガス流との接触機会を増やせ、それによって加熱効率を効果的に向上させることができて装置の小型化が図れると共に、粉粒体の掻き上げ・落下に伴って飛散を生じた粉粒体がキルン本体より流出しても、集塵機にて捕捉後、キャスター構造のキルン本体前半部側へ直接再投入させることができ、再飛散を抑制しながら所望温度まで加熱処理できる。
本発明に係る粉粒体の加熱再生処理装置及び処理方法の一実施例を示す概略説明図である。 図1の一部省略したA−A断面図である。 図1の一部省略したB−B断面図である。
本発明に係る粉粒体の加熱処理装置及び処理方法にあっては、回転自在に傾斜支持したキルン本体の上端側に被加熱物である粉粒体の投入部を、下端側に加熱処理した粉粒体の排出部と燃焼ガス供給用のバーナとをそれぞれ備え、バーナから供給される高温の燃焼ガス流と対向する方向に粉粒体を流下させ、前記排出部より排出される加熱処理した粉粒体の温度に基づいてバーナ燃焼量を制御する向流加熱方式のロータリーキルンを採用している。
近接するバーナからの燃焼ガスにより高温雰囲気に晒されるキルン本体前半部側(下端側)の内壁には掻き上げ機能を有さない耐熱性のキャスターを周設しており、キルン本体の回転に伴い粉粒体をキルン本体内底部付近にて若干のせり上がりと崩壊とを繰り返させながらキャスター内壁面上に沿って流動させるキルンアクション領域を形成している一方、燃焼ガス温度が低くなるキルン本体後半部側(上端側)の内壁にはキャスターを周設せずに複数の掻き上げ羽根を直に周設しており、キルン本体の回転に伴い粉粒体をキルン本体内の上部まで繰り返し掻き上げながらベール状に落下させるフライトアクション領域を形成している。
また、前記キルンアクション領域とフライトアクション領域との境界部分に位置するキルン本体の略中央部には、キルン本体の途中より粉粒体の投入を可能とする中間投入部を備えている一方、キルン本体下流の排気ダクトにはキルン本体内を通過するガス流に随伴して流出する粉粒体を捕捉する集塵機を備えており、該集塵機にて捕捉した粉粒体はエア圧送等により前記中間投入部へ供給してキルン本体前半部側のキルンアクション領域へ再投入可能なように構成している。
前記中間投入部は、キルン本体の周壁に所定間隔にて複数の透孔を穿設し、該透孔を包囲するように略環状のカバー体を周設し、該カバー体には前記集塵機にて捕捉した粉粒体をカバー体内に投入させる投入口を備えていると共に、各透孔の外方側にはカバー体内に投入された粉粒体を透孔に案内してキルン本体内へ送り込むガイドシュートを備えて成り、集塵機にて捕捉した粉粒体をキルン本体の途中から再投入させる際に、キルン本体からの粉塵等の噴き出しや外気の侵入等の不具合なく投入可能なようにしている。
そして、上記構成の装置を用いて粉粒体を加熱処理するときには、キルン本体上端側の投入部より粉粒体をキルン本体内に投入すると、投入した粉粒体は先ずキルン本体後半部側のフライトアクション領域に供給され、キルン本体の回転に伴い複数の掻き上げ羽根によってキルン本体内上部まで繰り返し掻き上げられながらベール状に落下し、キルン本体内を通過するガス流と接触しながら加熱処理されていく。このとき、キルン本体後半部側にはキルン本体前半部側の通過によって温度の低下したガス流が供給されてくるが、フライトアクションによって粉粒体との接触機会を増やしていることにより効率よく加熱処理できる。
次いで、粉粒体がキルン本体前半部側のキルンアクション領域に到達すると、粉粒体はキルン本体内底部付近にてキルンアクションを伴いながらキャスター内壁面上に沿って徐々に流動していき、その間に近接するバーナからの高温の燃焼ガスによる高温雰囲気に晒されて所望温度まで加熱処理された後、キルン本体下端側の排出部より順次排出される。このとき、粉粒体の加熱処理温度が比較的高温であっても、粉粒体はキルンアクション領域手前のフライトアクション領域にてある程度加熱(予熱)処理されているため、加熱効率面で劣るキルンアクション領域の長さをあまり長く取らなくても所望温度まで確実に加熱処理することができる。
一方、キルン本体後半部でのフライトアクションなどに伴い、投入された粉粒体の一部はガス流に随伴してキルン本体下流の排気ダクトへと流出していくが、該排気ダクトに備えた集塵機にて捕捉・回収された後、エア圧送等により前記中間投入部に供給されてキルン本体前半部側のキルンアクション領域へと再投入され、飛散せずにフライトアクション領域を通過してきた粉粒体と共に加熱処理される。このとき、中間投入部より再投入される粉粒体はキルン本体後半部側のフライトアクション領域を介さずにキルン本体前半部側の掻き上げ機能を有さないキルンアクション領域に直接投入されるため、再飛散が生じにくく所望温度まで好適に加熱処理できる。
このように、向流加熱方式のロータリーキルンにおいて、バーナ設置側であるキルン本体前半部側の内壁には保護用に耐熱性のキャスターを周設する一方、燃焼ガス温度が低くなるキルン本体後半部側の内壁にはキャスターを周設せずに、加熱効率面では優れるものの粉粒体の飛散・流出の増加を招くおそれのある掻き上げ羽根を敢えて周設するようにしたことにより、通常では燃焼ガス温度の低下に伴って加熱効率の落ちてくるキルン本体後半部側においても効率よく加熱処理することができ、それによってロータリーキルンの小型化が可能となってコストダウンや省スペース化等が期待できるものとなる一方、掻き上げ羽根によるフライトアクションに伴ってキルン本体から流出した粉粒体については、下流の集塵機にて捕捉・回収して、キルン本体の略中央部に備えた中間投入部より再投入し、キルン本体から流出せずに加熱処理された粉粒体と同等に加熱処理でき、収率の低下を防ぐことができる。
なお、前記キルン本体の全長に対してフライトアクション領域の長さの比率を大きく取るほどロータリーキルンの加熱効率は高められるが、それに伴ってキルン本体より導出される燃焼ガスの温度が低下するため、少なくとも燃焼ガスに凝縮が生じない範囲で大きくすると良く、例えば、30〜70%程度に調整すると好適に加熱効率を高めることができる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図中の1は、例えば、廃石膏ボード等を破砕処理して得られる二水石膏の粉粒体を加熱処理し、II型無水石膏に転位させてセメントの原料等として再生処理する粉粒体の加熱処理装置であって、被加熱物の流下方向と、バーナから供給される燃焼ガスの流下方向とが対向し、加熱処理して排出される被加熱物の温度に基づいてバーナ燃焼量を制御する向流加熱方式のロータリーキルン2を主体に構成している。
前記ロータリーキルン2は、基台3上に円筒状のキルン本体4を回転自在に傾斜支持し、駆動用モータ(図示せず)により所定の速度で回転駆動させるようにしており、前記キルン本体4の上端側にはコールドホッパ5を備え、該コールドホッパ5には被加熱物である粉粒体状の二水石膏を投入させる投入部6を備えている一方、キルン本体4の下端側にはホットホッパ7を備え、該ホットホッパ7には燃焼ガス供給用のバーナ8と、加熱処理により二水石膏から転位させた粉粒体状のII型無水石膏を排出する排出部9、及びロータリーバルブ10を備えている。
図中の11は前記バーナ8の燃焼量を制御するバーナ燃焼制御器であって、前記排出部9に備えた温度センサ12にて検出される材料温度の検出値と、予め設定した温度設定値とを比較しながらその差値量に基づいてバーナ8の燃焼量を制御するようにしている。なお、前記温度設定値としては、II型無水石膏を再生処理するのに適した約350〜800℃程度の温度を設定すると良い。
また、前記コールドホッパ5には燃焼ガス導出用の排気ダクト13を連結しており、該排気ダクト13の下流には燃焼ガスに随伴してキルン本体4より流出する二水石膏等を捕捉する集塵機であるバグフィルタ14を備えていると共に、その下流側には排風量調整用のメインダンパー15、排風機16及び煙突17を備えている。
近接するバーナ8からの燃焼ガスにより高温雰囲気に晒されるキルン本体4前半部側(下端側)の内壁には、耐火レンガ等の耐熱性のキャスター18を周設してキルンアクション領域4aを形成している一方、バーナ8からの燃焼ガス温度が低くなるキルン本体4後半部側(上端側)の内壁には、キャスター18を周設せずに、図2に示されるように、掻き上げ容量の比較的大きい断面略L字形状の掻き上げ羽根19aと、掻き上げ容量の比較的少ない断面略I字形状の掻き上げ羽根19bとを交互に複数周設してフライトアクション領域4bを形成しており、被加熱物である二水石膏の投入量にかかわらず、キルン本体4内に安定して隙間の少ない二水石膏のベールを形成可能としている。
また、前記キルンアクション領域4aとフライトアクション領域4bとの境界部分に位置するキルン本体4の略中央部には、キルン本体4の途中より二水石膏を投入可能とする中間投入部20を備えており、前記バグフィルタ14にて捕捉される二水石膏を前記中間投入部20よりキルン本体4前半部側のキルンアクション領域4aへ再投入可能なように構成している。
前記中間投入部20は、図3に示すように、キルン本体4の周壁に円周方向に沿って所定間隔にて複数の透孔21を穿設し、該透孔21を包囲するようにキルン本体4の外周部に略環状のカバー体22を周設し、該カバー体22の接線方向に沿って二水石膏をカバー体22内に投入させる投入口23を備えていると共に、各透孔21の外方側にはカバー体22内に投入される二水石膏を透孔21に案内してキルン本体4内へ送り込むガイドシュート24を備えて成り、開口部である透孔21をカバー体22にて包囲して略密閉構造とすることで噴き出しや外気侵入などの不具合なく二水石膏を投入可能なようにしていると共に、前記ガイドシュート24の回転軌跡がカバー体22の内壁面に近接するようにしており、投入口23より投入される二水石膏がカバー体22内にこぼれ落ちてもガイドシュート24にて掬い上げて透孔21より投入できるように図っている。
また、透孔21の内方側には透孔開口部を覆うように、かつキルン本体4の回転方向下流側(図3中の矢印の反対側)にのみスリット状の開口部を有した略ポケット形状のガイド板25を備えており、透孔21よりキルン本体4内に投入されてくる二水石膏をキルン本体4の中心側に飛び出させずに、キルン内壁面に沿わせるように投入可能として、キルン本体4中心側を通過するガス流による飛散を生じにくいように図っていると共に、キルン本体4後半部側のキルンアクション領域4bより流下してくる二水石膏が中間投入部20を通過する際に、透孔21上部のガイド板25を乗り越えられるようにして、カバー体22内に極力こぼれ落ちないように図っている。
なお、バグフィルタ14にて捕捉される二水石膏をキルン本体4のキルンアクション領域4aとフライトアクション領域4bとの境界部分に直接投入させる手段として、本実施例においては、キルン本体4の略中央部に透孔21等から成る中間投入部20を備えるようにしているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えばキルン本体4後端側(コールドホッパ5側)開口部よりスクリュコンベア等の搬送手段を貫入させ、その搬送端を前記キルンアクション領域4aとフライトアクション領域4bとの境界部分に臨ませるようにしたものでも良い。
図中の26は前記バグフィルタ11にて捕捉した二水石膏を前記中間投入部20へ供給させるためのエア配管であって、バグフィルタ14にて捕捉した二水石膏をスクリュコンベア27にて順次送り出し、その終端部の下位に備えたロータリーバルブ28より排出し、下位のエア圧送装置29にて前記エア配管26を介して中間投入部20上位のサイクロン式回収機30に供給可能としている。前記サイクロン式回収機30ではエア圧送によって搬送される搬送物から二水石膏を回収し、下位のロータリーバルブ31より中間投入部20の投入口23へと排出し、カバー体22内へ投入するようにしている。なお、前記サイクロン式回収機30にて二水石膏が回収された後の空気は、例えば前記バグフィルタ14手前の排気ダクト13へ合流させると良い。
また、前記ホットホッパ7の隅部にはキルン本体4内部の静圧を検出する静圧センサ32を備えており、該静圧センサ32にて検出される静圧値に基づいて排気ダクト13下流のメインダンパー15の開度(または排風機16の回転数)を調整して排風量を可変制御する静圧/排風量制御器33を備えている。前記静圧/排風量制御器33では、キルン本体4内部の静圧が外気圧に対してほぼ同じか、或いは若干負圧になるように排風量を制御し、キルン本体4端部の隙間からの噴き出しを防止すると共に、外気の侵入を抑制して省エネの向上を図っている。
また、前記ホットホッパ7の排出部9の下位にはエア圧送装置34を備えており、前記排出部9下端部のロータリーバルブ10より排出されるII型無水石膏の粉粒体を前記エア圧送装置34にてエア配管35を介して貯蔵ビン(図示せず)へと搬送するようにしている。なお、貯蔵ビンまでの搬送手段は特にこれに限定されるものではなく、例えばスクリュコンベア等も好適に採用することができる。
そして、上記構成の粉粒体の加熱処理装置1を使用して粉粒体状の二水石膏を加熱処理するときは、予めバーナ燃焼制御器11にII型無水石膏を再生処理するのに適した温度設定値を設定登録した上で、バーナ8から高温の燃焼ガスをキルン本体4内に供給しつつ、投入部6より二水石膏をキルン本体4内に投入していく。キルン本体4内に投入した二水石膏は、先ずキルン本体後半部側のフライトアクション領域4bにて複数の掻き上げ羽根16a、16bによって繰り返し掻き上げられながらベール状に落下し、キルン本体4内を通過するガス流と接触しながら効率よく加熱(予熱)処理されていく。
前記フライトアクション領域4bにてある程度加熱(予熱)処理された二水石膏が中間投入部20を通過してキルン本体前半部側のキルンアクション領域4aに到達すると、二水石膏はキルン本体内底部付近のキャスター18内壁面上に沿ってキルンアクションを伴いながら徐々に流動していき、その間に近接するバーナ8からの高温の燃焼ガスによる高温雰囲気と、高温に蓄熱されたキャスター18からの輻射熱とに晒されて所望温度まで加熱処理されてII型無水石膏に転位した後、ホットホッパ7下端部の排出部9より順次排出され、エア配管35を介して貯蔵ビンへと搬送される。
一方、フライトアクション領域4bでのフライトアクションなどに伴い、投入された二水石膏の一部は十分に加熱処理されないままガス流に随伴してキルン本体4下流の排気ダクト13へと流出していくが、排気ダクト13下流のバグフィルタ14にて捕捉・回収された後、エア配管26を介して中間投入部20へと供給され、ガイドシュート24、透孔21等を通じてキルン本体前半部側のキルンアクション領域4aへ送り込まれ、前記同様に加熱処理されてII型無水石膏として排出され、前記貯蔵ビンに搬送・貯蔵される。
このように、向流加熱方式のキルン本体4のバーナ8設置側である前半部側内部を掻き上げ機能のないキャスター18構造とする一方、燃焼ガス温度が低くなる後半部側内部にはキャスター18を周設せずに複数の掻き上げ羽根19a、19bを周設してフライトアクション領域4bとしたので、特に燃焼ガス温度が低くなるキルン本体4後半部側での加熱効率を効果的に向上させることができてロータリーキルン2の小型化が可能となると共に、キャスター18構造のキルン本体4前半部側では粉粒体の飛散を抑えながら所望温度まで確実に加熱処理できる。また、フライトアクションに伴い加熱処理が不十分なまま飛散・流出する二水石膏については、バグフィルタ14にて捕捉・回収後、キルン本体4の略中央部に備えた中間投入部20から飛散の少ないキャスター18構造のキルン本体前半部側に再投入させてII型無水石膏への転位に必要な所定温度まで加熱処理することができ、収率良く好適に処理できる。
なお、加熱効率に優れるフライトアクション領域4bの長さを排ガスに凝縮が生じない範囲でできるだけ大きくするようにすれば、ロータリーキルンの小型化を不具合無く、かつ効果的に達成でき、例えばキルン本体4の全長に対して30〜70%程度に調整すると良い。
1…粉粒体の加熱処理装置 2…ロータリーキルン
4…キルン本体
4a…キルンアクション領域 4b…フライトアクション領域
8…バーナ 13…排気ダクト
14…バグフィルタ(集塵機) 18…キャスター
19a、19b…掻き上げ羽根 20…中間投入部
21…透孔(中間投入部) 22…カバー体(中間投入部)
23…投入口(中間投入部) 24…ガイドシュート(中間投入部)
25…ガイド板(中間投入部) 26…エア配管

Claims (4)

  1. バーナから供給される燃焼ガス流と被加熱物である粉粒体の流下方向とが対向する向流加熱方式のロータリーキルンを用いた粉粒体の加熱処理装置であって、バーナ設置側であるキルン本体前半部側の内壁に耐熱性のキャスターを周設する一方、後半部側の内壁には複数の掻き上げ羽根を周設し、キルン本体の略中央部にはキルン本体の途中より粉粒体の投入を可能とする中間投入部を備えると共に、キルン本体下流の排気ダクトにはガス流に随伴して流出する粉粒体を捕捉する集塵機を備え、該集塵機にて捕捉した粉粒体を前記中間投入部よりキルン本体前半部側へ再投入させるように構成したことを特徴とする粉粒体の加熱処理装置。
  2. 前記キルン本体の全長に対して掻き上げ羽根を周設する範囲の長さの比率を30〜70%としたことを特徴とする請求項1記載の粉粒体の加熱処理装置。
  3. 前記中間投入部は、キルン本体の周壁に円周方向に沿って所定間隔にて複数の透孔を穿設し、該透孔を包囲するようにキルン本体外周部に略環状のカバー体を周設し、該カバー体には前記集塵機にて捕捉した粉粒体をカバー体内に投入させる投入口を備えると共に、前記透孔のキルン本体外周側にはカバー体内に投入される粉粒体を透孔に案内してキルン本体内へ送り込むガイドシュートを備えて成ることを特徴とする請求項1または2記載の粉粒体の加熱処理装置。
  4. バーナから供給される燃焼ガス流と被加熱物である粉粒体の流下方向とが対向する向流加熱方式のロータリーキルンを用いた粉粒体の加熱処理方法であって、バーナ設置側であるキルン本体前半部側の内壁に耐熱性のキャスターを周設する一方、後半部側の内壁には複数の掻き上げ羽根を周設し、該キルン本体後半部側では投入した粉粒体を掻き上げ羽根にて繰り返し掻き上げ・落下させながらガス流と接触させて加熱する一方、キルン本体前半部側では粉粒体をキャスター内壁面上に沿って流動させながら高温雰囲気に晒して加熱し、ガス流に随伴してキルン本体下流へ流出する粉粒体は集塵機にて捕捉してキルン本体の略中央部から前記キルン本体前半部側へ直接再投入させて加熱するようにしたことを特徴とする粉粒体の加熱処理方法。
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