JP6376625B1 - オフィス診断システム、オフィス診断用プログラム、及び、オフィス診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】オフィスにおいてモノの量が適正か否かを把握することができるオフィス診断システム等を提供する。【解決手段】オフィスを診断対象とするオフィス診断システム10は、複数の質問の各々に対する回答を受け付ける回答受付部14と、回答受付部14によって受け付けられた回答に基づいて診断対象のオフィスタイプを診断するタイプ診断部16とを備え、複数の質問は、オフィスにおける整理対象物の量が適正か否かを分析するための質問を含み、タイプ診断部16は、整理対象物の量が適正か否かを分析するための質問に対する回答に基づいて、整理対象物の量の適正度合いを指標として分類された複数のオフィスタイプの中から該当するオフィスタイプを判定する。【選択図】図3
Description
本発明は、複数の質問を用いてオフィスを診断するオフィス診断システム等に関する。
従来から、複数の質問を用いたオフィス診断が行われている。特許文献1には、オフィス環境の評価方法が記載されている。特許文献1に記載の評価方法では、オフィス環境の評価に影響を及ぼす各因子について実施したアンケートデータを用いて、ニューラルネットワークによる評価システムが構築される。そして、その評価システムに環境データが入力されて、オフィス環境の快適度が評価される。
また、特許文献2には、事務所の快適性評価システムが記載されている。特許文献2に記載のシステムは、オフィスの快適性を評価する際の評価項目として、「満足度」に関する評価項目、「印象度」に関する評価項目、及び「快適度」に関する評価項目が設けられている。「満足度」に関する評価項目としては、「室内の明るさ」や「室内空気質の状態」などの評価項目が設けられている。
また、特許文献3には、オフィス環境分析装置が記載されている。特許文献3に記載の分析装置は、オフィスに関するアンケート結果に基づいて、オフィスシーンとオフィス環境構成要素との2つの面について評価を行うことで、オフィスの物理的な側面の他に、雰囲気等の精神的な面も含めた評価を行うことができるようにしている。オフィスシーンは、オフィスの設備・建物等の物理的な構成要素を対象として、複数の項目に分類されている。オフィス環境構成要素は、オフィスの設備・建物に付加される環境の要素を対象として複数の項目に分類されている。
ところで、従来は、オフィス寸法(床面積など)やオフィス設備(照明器具や空調など)といった物理的環境、オフィス空間の明るさや空気の清浄度といった空間的環境、或いは、コミュニケーションの取りやすさなどのオフィスの雰囲気に着目して、オフィスの診断や評価が行われている。さらに、特許文献1に記載の評価方法では、オフィスにおける書棚の整理状態を評価要因の1つにして、アンケート調査が実施されている。
一方で、オフィス空間では、事務用品などの整理収納の対象となる整理対象物(以下、カタカナで「モノ」と記載する場合がある。)が必要以上に多くなることは適正ではなく、生産性などを考えると好ましくない。しかし、従来のオフィス診断は、書棚の整理状態に着目しているものの、モノの「量」に着目しておらず、診断結果を見てもオフィスにおいてモノの量が適正である否かを把握することができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、オフィスにおいてモノの量が適正な状態(例えば、モノの量が必要以上に多くならない状態)であるか否かを把握することができるオフィス診断システム等を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、オフィスを診断対象とするオフィス診断システムであって、複数の質問の各々に対する回答を受け付ける回答受付部と、回答受付部によって受け付けられた回答に基づいて診断対象のオフィスタイプを診断するタイプ診断を実行するタイプ診断部とを備え、複数の質問は、オフィスにおいて整理収納の対象となる整理対象物の量が適正か否かを分析するための質問を含み、タイプ診断部は、整理対象物の量が適正か否かを分析するための質問に対する回答に基づいて、整理対象物の量の適正度合いを指標として分類された複数のオフィスタイプの中から該当するオフィスタイプを判定する。
第2の発明は、第1の発明において、複数の質問は、整理対象物を廃棄させるための仕組みの有無に関する質問を含み、タイプ診断部は、オフィスタイプの判定結果を含むオフィス診断結果に対し、仕組みの有無に関する質問に対する回答を反映させる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、複数の質問は、オフィスを用いる企業の企業文化の浸透度合いを分析するための質問を含み、タイプ診断部は、企業文化の浸透度合いを分析するための質問に対する回答にも基づいて、整理対象物の量の適正度合い及び企業文化の浸透度合いを指標として分類された複数のオフィスタイプの中から該当するオフィスタイプを判定する。
第4の発明は、第3発明において、タイプ診断部は、整理対象物の量の適正度合いについて、複数の回答の中に肯定的な回答が多いほど高評価となる第1評価点を与え、該第1評価点が第1閾値を超える場合に整理対象物の量の適正度合いについて良好な評価を与え、タイプ診断部は、企業文化の浸透度合いについて、複数の回答の中に肯定的な回答が多いほど高評価となる第2評価点を与え、該第2評価点が第2閾値を超える場合に企業文化の浸透度合いについて良好な評価を与え、第1閾値と第2閾値とでは第2閾値の方が、満点に対し低い水準に設定されている。
第5の発明は、第1乃至第4発明の何れか1つにおいて、診断対象のオフィス快適度を診断する快適度診断部をさらに備え、タイプ診断に用いる複数の質問の各々を主質問とした場合に、複数の質問は、主質問に加えて、オフィス快適度の診断に用いる副質問を含み、タイプ診断部は、主質問の回答及び副質問の回答のうち主質問の回答だけに基づいてタイプ診断を実行し、快適度診断部は、主質問の回答及び副質問の回答の両方に基づいてオフィス快適度を診断する。
第6の発明は、オフィス診断をコンピュータに実行させるオフィス診断用プログラムであって、コンピュータに、複数の質問の各々に対する回答を受け付ける回答受付ステップと、回答受付ステップにおいて受け付けられた回答に基づいて、診断対象のオフィスタイプを診断するタイプ診断ステップとを実行させ、複数の質問は、オフィスにおいて整理収納の対象となる整理対象物の量が適正か否かを分析するための質問を含み、タイプ診断ステップでは、整理対象物の量が適正か否かを分析するための質問に対する回答に基づいて、整理対象物の量の適正度合いを指標として分類された複数のオフィスタイプの中から該当するオフィスタイプを判定する。
第7の発明は、コンピュータによってオフィス診断を実行するオフィス診断方法であって、コンピュータが、複数の質問の各々に対する回答を受け付ける回答受付ステップと、回答受付ステップにおいて受け付けられた回答に基づいて、診断対象のオフィスタイプを診断するタイプ診断ステップとを実行し、複数の質問は、オフィスにおいて整理収納の対象となる整理対象物の量が適正か否かを分析するための質問を含み、タイプ診断ステップでは、整理対象物の量が適正か否かを分析するための質問に対する回答に基づいて、整理対象物の量の適正度合いを指標として分類された複数のオフィスタイプの中から該当するオフィスタイプを判定する。
第1、第6、及び第7の各発明では、タイプ診断において、オフィスにおけるモノの量の適正度合いを指標としてオフィスタイプが診断される。そのため、タイプ診断の結果として分かったオフィスタイプを通じて、オフィスの利用者(経営者、従業者など)はモノの量が適正か否かを把握することができ、改善ポイントを把握することができる。
また、第2の発明では、複数の質問の中に、モノを廃棄させるための仕組みの有無に関する質問が含まれている。ここで、不要なモノを直ぐに捨てることができる人もいれば、なかなか捨てることができない人もいる。そのため、モノの量が適正ではないことを把握して一時的にモノの量を減らしたとしても、再びモノの量が増える虞がある。第2の発明では、モノを廃棄させるための仕組みの有無に関する質問に対する回答が、オフィス診断結果に反映される。そのため、オフィスの利用者はモノの量に関して仕組みの重要性を認識することができるため、モノが増えないようにする仕組みの導入の検討機会をオフィスの利用者に提供することができる。
また、第3の発明では、タイプ診断の際に、モノの量の適正度合いに加えて、企業文化の浸透度合いが指標として用いられる。ここで、企業文化とは、企業が独自に持つ価値観や行動規範のことを言う。企業文化の浸透度合いを分析するための質問としては、例えば「会社のビジョンが社内で共有されているか?」又は「会社の理念がオフィスに表れているか?」といった質問などを用いることができる。企業文化の浸透度合いが高いほど、オフィスにおいてルール・仕組みの運用レベルも高くなる傾向がある。第3の発明によれば、タイプ診断の結果を通じて、オフィスの利用者は企業文化の浸透度合いを把握できる。そして、この把握が企業文化の浸透度合いの向上に繋がれば、上述の仕組みの運用レベルも向上する。従って、モノの量が適正な状態にオフィスを維持することに貢献することができる。
また、第4の発明では、オフィスタイプの診断において、モノの量の適正度合いの良否の判定基準である第1閾値に比べて、企業文化の浸透度合いの良否の判定基準である第2閾値の方が、満点に対し低い水準に設定されている。ここで、本願発明者は、モノの量の適正度合いに比べて企業文化の浸透度合いの良否は、属人的な要素が高く、第2閾値の方を低い水準の値に設定した方が適切にオフィスタイプを分類できると考えた。第4の発明では、属人的要素の強い第2閾値の評価基準を下げることで、企業文化の浸透度合いを指標として含むタイプ診断で改善ポイントを適切に抽出できるようにしている。
また、第5の発明では、オフィスの利用者は、オフィスタイプに加えてオフィス快適度も把握できる。また、主質問の回答及び副質問の回答のうち主質問の回答だけに基づいてタイプ診断が実行され、主質問の回答及び副質問の回答の両方に基づいてオフィス快適度の診断が実行される。つまり、主質問は、タイプ診断とオフィス快適度の診断とに兼用される。従って、2種類の診断を実行するにあたって質問の個数が増えることを抑えつつ、オフィスの改善にさらに貢献できる診断結果を提供することができる。
以下、図1−図5を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
[1.オフィス診断システムの基本構成等]
オフィス診断システム10は、オフィスを診断対象とするシステムである。オフィス診断システム10は、オフィス診断として、複数のオフィスタイプの何れに該当するかを判定するタイプ診断と、オフィスの快適度を診断する快適度診断とを実行することができる。オフィス診断システム10は、オフィス診断用プログラムがインストールされたコンピュータ(例えば、ユーザ側端末)によって構成されている。
オフィス診断システム10は、オフィスを診断対象とするシステムである。オフィス診断システム10は、オフィス診断として、複数のオフィスタイプの何れに該当するかを判定するタイプ診断と、オフィスの快適度を診断する快適度診断とを実行することができる。オフィス診断システム10は、オフィス診断用プログラムがインストールされたコンピュータ(例えば、ユーザ側端末)によって構成されている。
オフィス診断システム10は、図1に示すように、機能ブロックとして、ユーザインタフェイス30を介して回答者に複数の質問を提示する質問提示部12と、ユーザインタフェイス30を介して回答者から入力された複数の回答(提示した質問に対する回答)を受け付ける回答受付部14と、回答受付部14により受け付けられた回答の内容に基づいてタイプ診断を実行するタイプ診断部16と、回答受付部14により受け付けられた回答の内容に基づいて快適度診断を実行する快適度診断を行う快適度診断部18と、オフィス診断に用いる情報(オフィス診断に用いる複数の質問など)を格納する情報格納部20とを備えている。なお、各機能ブロックは、例えば、コンピュータのCPUがオフィス診断用プログラムを実行及び解釈することによって実現される。また、ユーザインタフェイス30は、例えば、画面上に情報を提示し、マウスなどの入力デバイスを用いて情報を入力する方式を採用することができる。
まず情報格納部20に格納されている質問について説明を行う。情報格納部20には、複数の質問(例えば100個の質問)が予め格納されている。複数の質問は、表1〜5に示す複数の大分類(本実施形態では、「快適性」、「信頼性」、「生産性」、「品格性」、「満足度」の5つの大分類)に分類されている。表1には大分類「快適性」の質問が記載され、表2には大分類「信頼性」の質問が記載され、表3には大分類「生産性」の質問が記載され、表4には大分類「品格性」の質問が記載され、表5には大分類「満足度」の質問が記載されている。これらの大分類の中では、「生産性」に関する質問が最も多くなっている。
また、各大分類は、複数の中分類に分類されている。いずれの中分類にも複数の質問が設けられている。各大分類は、各表における中分類を集約したものとなる。なお、表1〜5には、全質問を記載しておらず、一部の質問の記載を省略している。
また、情報格納部20に格納されている全ての質問は、タイプ診断と快適度診断の両方に用いる主質問と、タイプ診断と快適度診断のうち快適度診断だけに用いる副質問とにも分類することができる。本実施形態では、タイプ診断だけに用いられる質問はなく、タイプ診断に用いる全質問が快適度診断にも用いられる。主質問の個数(例えば20個)は、副質問の個数(例えば80個)よりも少ない。
ここで、タイプ診断は、「オフィスで整理収納の対象となる整理対象物の量(モノの量)の適正度合い」という第1指標、「オフィス環境の整備度合い」という第2指標、及び「企業文化の浸透度合い・企業風土の熟成度合い」という第3指標によって分類された複数のオフィスタイプの中から、該当するオフィスタイプが判定される。本実施形態では、後述する表6に示す8つのオフィスタイプに分類されている。なお、整理対象物は、オフィスに設けられた設備以外のモノ(書類や事務用品など)である。
タイプ診断に用いる質問は、各指標に対応して準備されている。表1〜5では、「タイプ診断用」の列に、第1指標を分析するための質問は「モノの量」と記載され、第2指標を分析するための質問は「環境整備」と記載され、第3指標を分析するための質問は「企業文化・風土」と記載されている。
第1指標に対しては、モノの量について見た目の多さ、増え方、又は、機能阻害などに着目した複数の質問が設けられている。第2指標に対しては、居住性、美感、保健衛生、清潔、設備、安全性、又は、セキュリティなどに着目した複数の質問が設けられている。第3指標に対しては、社風、コミュニケーション、CSR、仕組み、又は、システムなどに着目した複数の質問が設けられている。
また、タイプ診断に用いる質問は、不要なモノを廃棄させるための仕組み・ルール(モノが必要以上に増えないようにするための仕組み・ルール)の有無に関する質問(表3における「モノの量が増えない工夫をして、仕組み化している」という質問)を含む。この質問は第1指標の質問に含まれている。また、タイプ診断に用いる質問は、社員のやる気を向上さえるための仕組み・ルールの有無に関する質問(表4における「社員を表彰する仕組みや制度がある」という質問)を含む。この質問は第3指標の質問に含まれている。
質問提示部12は、ユーザインタフェイス30を介してユーザに、情報格納部20に格納された複数の質問を回答者に提示する。例えば、質問提示部12は、コンピュータの画面上に質問を所定の順番で表示することにより質問を回答者に提示する。各質問は、選択肢形式(「〇」又は「×」)の回答入力欄と共に画面に表示される。なお、質問提示部12は、音声で質問を回答者に提示するように構成されていてもよい。
回答受付部14は、ユーザインタフェイス30を介して回答者からの回答が入力されると、回答者によって入力された回答を受け付け、その回答の内容を情報格納部20に記録する。なお、タイプ診断は1人の回答者(例えばオフィスの代表者など)からの回答に基づいて実行されるが、快適度診断は複数の回答者からの回答に基づいて実行される。情報格納部20では、全回答者の各々に対し、全質問に対する回答がデータベース化されて記録される。なお、回答受付部14は、回答者が発する声を検知して回答を受け付けるように構成されていてもよい。
タイプ診断部16は、診断対象について、第1〜第3指標を分析するための質問に対する回答に基づいて、8つのオフィスタイプの中から該当するオフィスタイプを判定するタイプ診断を実行する。タイプ診断は、オフィス診断のために準備された一部の質問(主質問の回答だけ)を用いて実行される。上述したように、タイプ診断は、情報格納部20に格納された1人の回答者の回答内容に基づいて実行される。なお、タイプ診断は、情報格納部20に格納された複数の回答者(例えば、快適度診断よりも少ない人数の回答者)の回答内容に基づいて実行されてもよい。この場合、各指標の分析結果としては、例えば、複数の回答者における回答の平均値を用いることができる。
快適度診断部18は、全質問に対する回答(主質問の回答及び副質問の回答)に基づいて、診断対象について快適度診断を実行し、診断結果としてオフィスの評価点などを算出する。上述したように、快適度診断は、情報格納部20に格納された全回答者の回答内容に基づいて実行される。
[2.オフィス診断方法について]
図2のフローチャートを参照にして、オフィス診断方法について説明する。
図2のフローチャートを参照にして、オフィス診断方法について説明する。
まずコンピュータの画面上に表示されたアイコンをクリックすると、オフィス診断用プログラムを起動させることができる。オフィス診断用プログラムが起動すると、基本情報(メールアドレス、企業名、性別、年齢層、事務所所在地、業種、所属部署、社員数、回答者が働く場所(フロアー)の人数など)を入力するための画面が表示される。基本情報が入力されると、ステップS1に移行する。なお、図2では、基本情報の表示・入力についての記載は省略している。
ステップS1では、質問提示部12が、情報格納部20から質問を読み出して画面に表示させる。画面には、「○」又は「×」の二択で回答を行うことができるように回答入力欄が表示される。例えば、回答者は回答入力欄のチェックボックスなどを用いて回答を行う。そうすると、ステップS2において、回答受付部14は、回答者が入力した回答を受け付け、その回答の内容を情報格納部20に記録し、ステップS3に移行する。
ステップS3では、回答受付部14が、全ての質問(又は最後の質問)に対する回答を受け付けか否かを判定する。そして、全ての質問に対する回答を受け付けたと判定された場合にステップS4に移行する。一方、全ての質問に対する回答を受け付けていないと判定された場合はステップS1に戻る。この場合、質問提示部12が次の質問をその回答入力欄と共に表示する。ステップS1〜S3は、全ての質問に対する回答が受け付けられるまで繰り返される。
ステップS4では、快適度診断部18が、その時点における回答者の人数に基づいて快適度診断が可能であるか否かを判定する。快適度診断部18は、回答者の人数が設定人数X(例えばX=5人)を超える場合に快適度診断が可能と判定し、ステップS5に移行する。一方、回答者の人数が所定の人数X以下の場合は快適度診断が実行可能ではないと判定し、ステップS6に移行する。なお、快適度診断を実行するか否かはユーザが選択できるようにしてもよい。また、設定人数Xは、例えばオフィスの規模に応じて変更可能としてもよい。
続いて、ステップS5では、快適度診断部18が、全回答者の回答に基づいて、診断対象について快適度診断を実行する。具体的に、快適度診断部18は、快適度診断において総合評価と分類毎評価とを実行する。
総合評価について、快適度診断部18は、全質問の各々について「〇」の回答者数を全回答者数で割ることにより質問毎の平均点を算出する。そして、快適度診断部18は、全質問の平均点を合計したオフィス総合点を算出する。また、快適度診断部18は、全回答者の各々について「〇」の回答数を集計した個人別点数を算出する。例えば、質問の個数が全部で100個ある場合、オフィス総合点も個人別点数も100点が満点となる。なお、総合評価の方法は、この方法に限定されない。例えば、各質問の点数を重要度などに応じて重み付けをしてもよい。
次に、分類毎評価について、快適度診断部18は、各大分類と、各大分類に属する各中分類との評価を実行する。具体的に、快適度診断部18は、各大分類について、大分類に属する全質問について全回答者における「〇」の割合(正答率)を算出する。さらに、快適度診断部18は、各大分類における各中分類について、中分類に属する全質問について全回答者における正答率を算出する。以上により快適度診断は終了する。
ステップS6では、タイプ診断部16が、オフィスの代表者の回答に基づいて、表6に示す複数のオフィスタイプの中から該当するオフィスタイプを判定するタイプ診断を実行する。具体的に、タイプ診断部16は、各指標について、その指標の質問に対する回答として「○」が得られた割合(正答率)を算出する。そして、タイプ診断部16は、第1指標及び第2指標の各々については、正答率が70%を超える場合に良好な評価を与え、第3指標については、正答率が64%を超える場合に良好な評価を与える。そして、タイプ診断部16は、診断対象のオフィスタイプとして、全指標の正答率が表6の数値範囲に含まれているオフィスタイプを選定する。例えば、第1指標の正答率が80%で、第2指標の正答率が90%で、第3指標の正答率が50%であれば、タイプ2と判定される。
本実施形態では、第1指標について、正答率が「第1評価点」に相当し、表6における小さい方の数値範囲(0〜70%)の上限値が「第1閾値」に相当する。また、第3指標について、正答率が「第2評価点」に相当し、表6における小さい方の数値範囲(0〜64%)の上限値が「第2閾値」に相当する。第1閾値と第2閾値とでは第2閾値の方が、満点(100%)に対し低い水準に設定されている。
タイプ診断が終了すると、ステップS7において、診断結果の表示が行われる。タイプ診断の診断結果としては、表6及び図3と共に、タイプ診断部16によって判定されたオフィスタイプが文字で表示される。また、図3では、各指標について正答率に応じた位置にプロットがなされる。図3のプロットを見た利用者は、モノの量の適正度合い、オフィス環境の整備度合い、及び、企業文化の浸透度合い・企業風土の熟成度合いの3つの指標について、自らのオフィスの現状を定量的に把握することができる。
また、快適度診断の診断結果としては、オフィス総合点、各大分類の正答率、各大分類における各中分類の正答率と共に、図4及び/又は図5が表示される。なお、ユーザが画面で選択した場合に、大分類の正答率又は中分類の正答率などの診断結果が表示されるようにしてもよい。また、全質問の各々について平均点を表示してもよいし、各大分類や各中分類について経営者の分析結果(正答率など)と従業者の分析結果を対比して表示してもよい。また、レーダーチャートなどの図表を用いて診断結果を表示してもよい。
[3.実施形態の効果など]
本実施形態では、タイプ診断において、「モノの量の適正度合い」、「オフィス環境の整備度合い」、及び「企業文化の浸透度合い・企業風土・熟成度合い」の各々を指標として、オフィスタイプが診断される。そのため、タイプ診断の結果として分かったオフィスタイプを通じて、オフィスの利用者(経営者、従業者など)は、各指標についてのオフィスの現状を把握することができ、改善ポイントを把握することができる。
本実施形態では、タイプ診断において、「モノの量の適正度合い」、「オフィス環境の整備度合い」、及び「企業文化の浸透度合い・企業風土・熟成度合い」の各々を指標として、オフィスタイプが診断される。そのため、タイプ診断の結果として分かったオフィスタイプを通じて、オフィスの利用者(経営者、従業者など)は、各指標についてのオフィスの現状を把握することができ、改善ポイントを把握することができる。
また、本実施形態では、複数の質問の中に、モノを廃棄させるための仕組みの有無に関する質問が含まれ、モノを廃棄させるための仕組みの有無に関する質問に対する回答が、オフィス診断結果(第1指標の正答率)に反映される。そのため、オフィスの利用者はモノの量に関して仕組みの重要性を認識するため、モノが増えないようにする仕組みの導入の検討機会をオフィスの利用者に提供することができる。また、タイプ診断の結果(第3指標の正答率など)が企業文化の浸透度合いの向上に繋がれば、上述の仕組みの運用レベルも向上する。従って、モノの量が適正な状態にオフィスを維持することに貢献することができる。
また、本実施形態では、オフィスの利用者は、オフィスタイプに加えてオフィス快適度も把握できる。また、主質問の回答及び副質問の回答のうち主質問の回答だけに基づいてタイプ診断が実行され、主質問の回答及び副質問の回答の両方に基づいてオフィス快適度の診断が実行される。つまり、主質問は、タイプ診断とオフィス快適度の診断とに兼用される。従って、2種類の診断を実行するにあたって質問の個数が増えることを抑えつつ、オフィスの改善にさらに貢献できる診断結果を提供することができる。
また、本実施形態では、オフィスタイプの診断において、モノの量の適正度合いの良否の判定基準である第1閾値に比べて、企業文化の浸透度合いの良否の判定基準である第2閾値の方が、満点に対し低い水準に設定されている。本実施形態では、属人的要素の強い第2閾値の評価基準を下げることで、企業文化の浸透度合いを指標として含むタイプ診断で改善ポイントを適切に抽出できるようにしている。
[4.その他の変形例]
上述の実施形態では、オフィス診断システム10が、タイプ診断と快適度診断の両方を実行したが、タイプ診断だけを実行する構成してもよい。
上述の実施形態では、オフィス診断システム10が、タイプ診断と快適度診断の両方を実行したが、タイプ診断だけを実行する構成してもよい。
また、上述の実施形態では、モノを廃棄させるための仕組みの有無に関する質問に対する回答が第1指標の分析結果(正答率)に反映されているが、この分析結果に反映させずに、画面に「モノを廃棄させるための仕組みの有無」の回答内容をオフィス診断結果として表示してもよい。
また、上述の実施形態では、第1指標〜第3指標の3つの指標を用いてオフィスタイプを分類しているが、第1指標と第2指標だけを用いてオフィスタイプを分類してもよいし、第1指標と第3指標だけを用いてオフィスタイプを分類してもよい。また、第2指標について、「オフィス環境の整備度合い」の代わりに他の内容を指標としてもよい。また、第3指標について、「企業文化の浸透度合い」を指標に用いるにあたって、「企業風土の熟成度合い」を含ませて1つの指標としているが、「企業風土の熟成度合い」を含めなくてもよいし、他の内容を含ませてもよい。
また、上述の実施形態では、オフィス診断システム10が質問提示部12を備えているが、質問提示部12を省略することもできる。この場合、オフィス診断用の複数の質問を印刷した紙媒体を用いて。回答者が紙媒体を見ながら回答を入力する。
また、上述の実施形態では、回答入力欄は「〇」又は「×」の二択であったが、「担当者ではないため分からない」との選択肢をさらに設けてもよい。
また、上述の実施形態では、ユーザ側端末でオフィス診断用プログラムが実行されるが、インターネットなどのネットワークを介してユーザ側端末と通信可能なクラウドサーバでオフィス診断用プログラムが実行されるようにしてもよい。この場合、クラウドサーバは、オフィス診断システム10の一部を構成する。クラウドサーバは、1つ又は複数のコンピュータ(サーバ側端末)によって構成される。
本発明は、複数の質問を用いてオフィスを診断するオフィス診断システム等に適用可能である。
10 オフィス診断システム
12 質問提示部
14 回答受付部
16 タイプ診断部
18 快適度診断部
20 情報格納部
12 質問提示部
14 回答受付部
16 タイプ診断部
18 快適度診断部
20 情報格納部
Claims (7)
- オフィスを診断対象とするオフィス診断システムであって、
複数の質問の各々に対する回答を受け付ける回答受付部と、
複数の指標を用いて分類された複数のオフィスタイプの中から、前記回答受付部によって受け付けられた回答に基づいて診断対象のオフィスタイプを選定するタイプ診断を実行するタイプ診断部とを備え、
前記複数の質問は、前記各指標に対して設けられて該指標を分析するために用いる質問を含み、
前記複数の指標は、オフィスにおいて整理収納の対象となる整理対象物の量の適正度合いについての指標を含み、
前記タイプ診断部は、前記回答受付部によって受け付けられた回答に基づいて、前記各指標について評価点を算出した後に、前記各指標について算出した前記評価点に基づいて前記オフィスタイプを選定することを特徴とする、オフィス診断システム。 - 前記整理対象物の量の適正度合いについての指標に対して設けられた質問は、前記整理対象物を廃棄させるための仕組みの有無に関する質問を含み、
前記タイプ診断部は、前記整理対象物の量の適正度合いについての指標の評価点の算出に、前記仕組みの有無に関する質問に対する回答を反映させることを特徴とする、請求項1に記載のオフィス診断システム。 - 前記複数の質問は、オフィスを用いる企業の企業文化の浸透度合いを分析するための質問を含み、
前記複数のオフィスタイプは、前記整理対象物の量の適正度合いについての指標と、前記企業文化の浸透度合いについての指標とを用いて分類されており、
前記タイプ診断部は、前記企業文化の浸透度合いを分析するための質問に対する回答にも基づいて、前記複数のオフィスタイプの中から該当するオフィスタイプを選定することを特徴とする、請求項1又は2に記載のオフィス診断システム。 - 前記タイプ診断部は、前記整理対象物の量の適正度合いについて、複数の回答の中に肯定的な回答が多いほど高評価となる第1評価点を前記整理対象物の量の適正度合いについての指標の評価点として与え、該第1評価点が第1閾値を超える場合に前記整理対象物の量の適正度合いについて良好な評価を与え、
前記タイプ診断部は、前記企業文化の浸透度合いについて、複数の回答の中に肯定的な回答が多いほど高評価となる第2評価点を前記企業文化の浸透度合いについての指標の評価点として与え、該第2評価点が第2閾値を超える場合に前記企業文化の浸透度合いについて良好な評価を与え、
前記第1閾値と前記第2閾値とでは前記第2閾値の方が、満点に対し低い水準に設定されていることを特徴とする、請求項3に記載のオフィス診断システム。 - 前記診断対象のオフィス快適度を診断する快適度診断部をさらに備え、
前記タイプ診断に用いる複数の質問の各々を主質問とした場合に、前記複数の質問は、前記主質問に加えて、前記オフィス快適度の診断に用いる副質問を含み、
前記タイプ診断部は、前記主質問の回答及び前記副質問の回答のうち前記主質問の回答だけに基づいて前記タイプ診断を実行し、
前記快適度診断部は、前記主質問の回答及び前記副質問の回答の両方に基づいて前記オフィス快適度を診断することを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1つに記載のオフィス診断システム。 - オフィス診断をコンピュータに実行させるオフィス診断用プログラムであって、
前記コンピュータに、
複数の質問の各々に対する回答を受け付ける回答受付ステップと、
複数の指標を用いて分類された複数のオフィスタイプの中から、前記回答受付ステップにおいて受け付けられた回答に基づいて、診断対象のオフィスタイプを選定するタイプ診断ステップとを実行させ、
前記複数の質問は、前記各指標に対して設けられて該指標を分析するために用いる質問を含み、
前記複数の指標は、オフィスにおいて整理収納の対象となる整理対象物の量の適正度合いについての指標を含み、
前記タイプ診断ステップでは、前記回答受付ステップにおいて受け付けられた回答に基づいて、前記各指標について評価点を算出した後に、前記各指標について算出した前記評価点に基づいて前記オフィスタイプを選定することを特徴とするオフィス診断用プログラム。 - コンピュータによってオフィス診断を実行するオフィス診断方法であって、
前記コンピュータが、
複数の質問の各々に対する回答を受け付ける回答受付ステップと、
複数の指標を用いて分類された複数のオフィスタイプの中から、前記回答受付ステップにおいて受け付けられた回答に基づいて、診断対象のオフィスタイプを選定するタイプ診断ステップとを実行し、
前記複数の質問は、前記各指標に対して設けられて該指標を分析するために用いる質問を含み、
前記複数の指標は、オフィスにおいて整理収納の対象となる整理対象物の量の適正度合いについての指標を含み、
前記タイプ診断ステップでは、前記回答受付ステップにおいて受け付けられた回答に基づいて、前記各指標について評価点を算出した後に、前記各指標について算出した前記評価点に基づいて前記オフィスタイプを選定することを特徴とする、オフィス診断方法。
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