JP6376514B2 - 燃料電池の検査方法 - Google Patents
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Description
本発明は、燃料電池の検査方法に関する。
燃料電池は、複数の単位電池が積層された燃料電池スタック等をケースに収容して構成されている。燃料電池は例えば車両に搭載される車載発電システムとして利用されている。燃料電池車の走行中の衝突や路面の状態による干渉により、燃料電池に衝撃が加わることがあり、そのような場合に燃料電池に発生する異常を検知することが必要である。
このような方法として、例えば特許文献1では、衝撃に起因する異常の一つである燃料電池スタックの積層ずれ(隣接する単位電池間のずれ)を検知する方法が開示されている。より具体的には、燃料電池スタックの一端から各単位電池を積層方向に貫通する検査孔に、この検査孔よりも小径の検査棒を挿入し、その挿入可能量に基づいて積層ずれの発生有無を検査することが提案されている。
しかしながら、この方法では、検査棒を挿入するために燃料電池スタックを一旦ケースから取り出さなければならない。これによりケース内に異物が混入する虞がある。また、検査後に燃料電池スタックをケースに再度収容する際には、水漏れ等を防止するためにケースのシール部材等の交換も必要になる。
また、燃料電池に衝撃が加わった場合に発生しうる異常は積層ずれだけではない。衝撃によりケースに防水シール不良が生じたり、ケースに設けられる換気膜に埃や泥が入って性能が低下したりすることが考えられる。したがって、これらの異常の有無も併せて検査し、燃料電池の性能を保証する必要がある。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池を分解することなく、燃料電池スタックの積層ずれ、ケースの換気膜異常及びケースの防水シール不良を検知することのできる検査方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の好ましい一態様によれば、複数の単位電池が積層された燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックを収容し換気膜を有するケースとを備える燃料電池の検査方法であって、前記ケース内を加圧するステップと、加圧中の前記ケース内の圧力上昇速度を測定するステップと、加圧後の前記ケース内の圧力を測定するステップと、加圧後の前記ケース内の圧力降下速度を測定するステップと、を備え、前記圧力上昇速度が規定範囲よりも小さい又は前記圧力が規定範囲よりも小さい場合は、前記燃料電池スタックの前記単位電池間に積層ずれがあると検知し、前記圧力上昇速度が規定範囲よりも大きい場合は、前記換気膜に異常があると検知し、前記圧力降下速度が規定範囲よりも大きい場合は、前記ケースに防水シール不良があると検知する、燃料電池の検査方法を提供する。
上記方法によれば、燃料電池のケース内を加圧してその圧力の変動(加圧中の圧力上昇速度、加圧後の圧力、加圧後の圧力降下速度)を測定することで、燃料電池の異常が検知される。すなわち、燃料電池の異常を検知するために、燃料電池を分解する作業(燃料電池スタックや換気膜をケースから取り外す等)は必要とされない。したがって、ケース内に異物が混入することを防止でき、また燃料電池に異常がなかった場合は、ケースのシール部材等の交換をすることなくそのまま利用を継続できる。
加圧中の圧力上昇速度の測定により、ケースの換気膜に異常があるのかが検知される。また、加圧中の圧力上昇速度又は加圧後の圧力の測定により、燃料電池スタックの積層ずれが起きているのかが検知される。さらに、加圧後の圧力降下速度の測定により、ケースの防水シール不良が検知される。すなわち、本方法では、衝撃の加わった際に燃料電池に起こりうる、燃料電池スタックの積層ずれ、ケースの換気膜異常及びケースの防水シール不良を識別できる。これにより、最初から異常個所を特定できるので、異常が見つかった場合であっても修復作業が容易になる。また、交換部品を最小限にすることができる。
本発明によれば、燃料電池を分解することなく、燃料電池スタックの積層ずれ、ケースの換気膜異常及びケースの防水シール不良を検知することのできる検査方法を提供することができる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態に係る検査方法について説明する。なお、本実施形態においては、車両に搭載される燃料電池を検査する方法を例に説明するが、本発明の検査方法は、車両のみならず、例えば、ロボット、船舶、航空機等といった自走式の移動体に搭載された燃料電池や、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用燃料電池の検査方法としても用いることが可能である。
<燃料電池及び検査装置の概略構成>
はじめに、図1を用いて燃料電池1と検査装置100の概略構成について説明する。燃料電池1は、燃料電池スタック10、配管系20、ケース30等を備えている。
はじめに、図1を用いて燃料電池1と検査装置100の概略構成について説明する。燃料電池1は、燃料電池スタック10、配管系20、ケース30等を備えている。
燃料電池スタック10は、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電する単位電池を積層し、積層方向の両端を一対のエンドプレートで挟んで構成したスタック構造を有している。単位電池はいずれも図示省略したが、イオン交換膜からなる電解質膜と、電解質膜を両面から挟んだ一対のアノードおよびカソードとで構成されている。カソードには、配管系20により酸化ガスとしての空気が供給される。アノードには配管系20により燃料ガスとしての水素が供給される。この両ガス(水素及び酸素)の電気化学反応により各単位電池の起電力が得られる。燃料電池スタック10で発生した電力は、図示しないDC‐DCコンバータやインバータ等から構成されるPCU(Power Control Unitを介して車両のトラクションモータに供給され、車両の主動力源を構成する。
配管系20は、燃料電池スタック10に対して給排される流体が流れる管を備え、例えば、燃料電池スタック10に対して酸化ガスを供給・排出する燃料ガス供給管及び排出管、燃料電池スタック10に対して燃料ガスを供給・排出する燃料ガス供給管及び排出管、燃料電池スタック10に対して冷却用の冷媒(例えば水)を供給・排出する冷媒供給管及び排出管等を備えている(なお、図1においては煩雑さを避けるため供給系の管と排気系の管を一つずつ示しているが実際は上述した複数の供給管、排出管が燃料電池スタック10にそれぞれ接続されている)。
各配管は、ケース30の外部と接続するために、ケース30を貫通して外部に延出している。これらの貫通箇所にはそれぞれ防水フランジやガスケット等のシール部材22が設けられており、ケース内側と外側とを防水シールして、ケース外への水漏れ、ケースの中への水の浸入を防止するようになっている。なお、配管系20は、その他、例えば水素ポンプ、エアコンプレッサ、気液分離器、廃棄排水弁等の補機類も含むが、これらの詳細については、従来の構成と同様であるため説明は省略する。
ケース30は、燃料電池スタック10や配管系20(外部へ延出する配管部分を除く)を収容するケースである。上述のとおり、ケース30は、外部への水漏れや外部からの水の浸入を防止すべく、配管の挿通部分等がシール部材22により防水シールされている。
ケース30には、換気部32が設けられている。換気部32は、ケース30に設けられた開口と、この開口を覆うように配置された換気膜とで構成されている。換気部32は、燃料電池スタック10から漏洩する水素をケース30の外部に透過・拡散させる。換気膜は液体や異物などの侵入を防ぐために気体のみを選択的に透過させる膜で、水は透過しないが水素や空気等の気体は透過する材料、例えばポアフロン(登録商標)等の多孔質材料により形成される。
検査装置100は、加圧部110、圧力測定部120及び制御部130等で構成される。
加圧部110は、装着部材112、配管114、バルブ116、ガスボンベ118等から構成される。装着部材112は、燃料電池1の換気部32に装着可能であり、装着時に換気部32を密閉して覆うようになっている。バルブ116は、制御部130からの指示に基づいて開閉される。ガスボンベ118には、例えば窒素ガスが充填されている。制御部130からの指示に基づいてバルブ116が開くと、加圧部110は、ガスボンベ118から供給されるガスを配管114及び装着部材112介して燃料電池1のケース30に供給し、ケース30内を加圧するようになっている。
圧力測定部120は、圧力センサで構成され、制御部130からの指示に基づいて、配管114内を流れるガスの圧力(換気部32の気体透過性により、換気部32に目詰まり等の異常がない限りケース30内の圧力と一致又は連動する)を測定する。これにより、加圧中の燃料電池1のケース30内の圧力上昇速度、加圧後のケース30内の圧力、加圧後のケース30内の圧力降下速度を測定する。
制御部130は、検査装置100の各部を統合的に制御するためのコンピュータシステムであり、CPUや記憶部(ROM、RAM等)等を有している。記憶部には加圧中の圧力変動、加圧後の圧力変動の規定範囲(燃料電池1に異常がない場合の圧力変動の許容範囲)についてのデータが保存されている。制御部130は、バルブ116の開閉を制御することで、ケース30内部の加圧の開始、終了を制御する。
制御部130は、燃料電池1に異常があるか否かを検査する検査部として機能する。すなわち、制御部130は、圧力測定部120からの圧力測定結果と、制御部130の記憶部に保存されている圧力変動の規定範囲とに基づいて、燃料電池1に異常があるか否かについて検査する。以下、この検査方法について図2乃至図5を用いて説明する。
<燃料電池の異常検査方法>
図2は、本発明の一実施形態に係る検査方法を説明するためのフローチャートである。
図2は、本発明の一実施形態に係る検査方法を説明するためのフローチャートである。
燃料電池1を搭載する燃料電池車両(FC車)は、車両の自己診断機能(ダイアグノーシス)の一環として、その走行中(ステップS1)に燃料電池1の性能に影響を及ぼす程度の衝撃が燃料電池1に作用したか否か(例えば、車両の衝突や路面の状態による干渉があったか否か)を継続的にモニタリングする(ステップS2)。
燃料電池車両は、燃料電池1に衝撃が加わったと判断した場合(ステップS2:Yes)は、車両のダイアグランプを点滅させる等してユーザに燃料電池1に異常が発生している可能性(燃料電池1の検査の必要性)を通知する(ステップS3)。燃料電池1に衝撃が加わっていないと判断した場合(ステップS2:No)は、このような通知はされず、ステップS1に戻って車両の走行及びモニタリングが継続される。
次に、燃料電池1は、例えば修理工場等において車両から取り出され、検査装置100に装着される(ステップS4)。具体的には、燃料電池1のケース30の換気部32に、検査装置100の装着部材112が装着される(図1参照)。
次に、検査装置100の制御部130は、バルブ116を開け、ガスボンベ118から供給されるガスを配管114及び装着部材112介して燃料電池1のケース30に供給し、ケース30内の加圧を開始する(ステップS5)。
次に、検査装置100の制御部130は、加圧中のケース30内の圧力上昇速度が規定範囲よりも大きいか、小さいか又は規定範囲内にあるのかを検知する(ステップS6)。これは次のような知見に基づく。
すなわち、本発明者らは、図3に示すように、加圧中のケース30内の圧力上昇速度が規定範囲(図3の点線L1及びL2で囲まれた領域)よりも小さい場合(例えば、図3のA2)は、燃料電池スタック10に積層ずれ(隣接する単位電池間のずれ)が生じており、規定範囲よりも大きい場合(例えば、図3のA1)は、換気部32の換気膜に異常があり、規定範囲内にある場合(例えば、図3のA3)は積層ずれ及び換気膜異常は起きていないという知見を得た。これは、次のような理由による。
燃料電池スタック10に積層ずれがない場合は、ケース30内の空間容積は、ケース30内部の容積から燃料電池スタック10の容積を引いたものである(「ケース30の空間容積=ケース30内部の容積−燃料電池スタック10の容積」)。これに対し、燃料電池スタック10に積層ずれがある場合は、ケース30に供給されたガスが燃料電池スタック10の内部にまで侵入してしまうため、ケース30内の空間容積は、燃料電池スタック10内部の空間容積分だけ大きくなる(「ケース30の空間容積=ケース30内部の容積−燃料電池スタック10の容積+燃料電池スタック10の内部の容積」)。
燃料電池スタック10に積層ずれがある場合は、ケース30内の空間容積が大きくなるので、ケース30にガスを供給しても圧力がなかなか上昇しない、すなわち、圧力上昇速度が規定範囲よりも小さくなる。したがって、上述のとおり、加圧中のケース30内の圧力上昇速度が規定範囲よりも小さい場合は、燃料電池スタック10に積層ずれが生じていると判別できる。なお、シール不良によりケース30から勢いよくガスが漏れている場合も圧力上昇速度が規定範囲より小さくはなり得るが、本実施形態においてはそのような勢いでケース30からガスが漏れ出るケースは想定しておらず、圧力上昇速度が規定範囲よりも小さい場合は、積層ずれがあると判別する。
一方、換気部32に異常がある場合、例えば、換気膜に埃や泥等が付着してその性能が低下すると、ガスボンベ118から供給されるガスが思うようにケース30に流入されず、検査装置100の配管114の圧力が急上昇し、圧力測定部120による圧力上昇速度が規定範囲よりも大きくなる。したがって、上述のとおり、加圧中のケース30内の圧力上昇速度が規定範囲よりも大きい場合は、換気部32の換気膜に異常があると判別できる。
図2のステップS6に戻って説明を続ける。上記知見に基づき、本実施形態においては、検査装置100の制御部130は、加圧中のケース30内の圧力上昇速度が規定範囲より小さい場合は積層ずれがあると判断し(ステップS7)、大きい場合は換気膜異常があると判断し(ステップS8)、ステップS10に進む。一方、加圧中のケース30内の圧力上昇速度が規定範囲内にある場合(ステップS6:No)は、積層ずれ及び換気膜異常はないと判断し(ステップS9)、ステップS10に進む。
ステップS10において、検査装置100の制御部130は、加圧後のケース30内の圧力が規定範囲より小さいか否かを検知する。これは次のような知見に基づく。
すなわち、本発明者らは、図4に示すように、加圧後(加圧直後の時間t1以降)のケース30内の圧力が規定範囲(図4の点線M1及びM2で囲まれた領域)より小さい場合(例えば、図4のB1、B3)は、燃料電池スタック10に積層ずれがおきており、規定範囲内にある場合(例えば、図4のB2)は、積層ずれはおきていないという知見を得た。これは、燃料電池スタック10に積層ずれがある場合は、上述のとおりケース30内の空間容積が大きくなるため、加圧後のケース30内の圧力が規定範囲より小さくなるためである。
このステップS10は、特に、換気膜異常に加えて積層ずれがある場合を検知するのに有効である。すなわち、ステップS6では、換気膜異常に加えて積層ずれがある場合は、当初の圧力上昇速度が規定範囲よりも大きくなるので、換気膜異常と判断され、積層ずれもあるとは判別されない。換気膜異常と積層ずれがある場合は、加圧当初は圧力上昇速度が規定範囲より大きく、その後緩やかになり、加圧後の圧力は規定範囲よりも小さくなる(例えば、図4のB3)。したがって、ステップS10において加圧後の圧力が規定範囲より小さいか否かを検知することで、換気膜異常に加えて積層ずれがある場合を判別することができる。
図2のステップS10に戻って説明を続ける。上記知見に基づき、本実施形態においては、検査装置100の制御部130は、加圧後のケース30内の圧力が規定範囲より小さい場合(ステップS10:Yes)は、積層ずれがあると判断する(ステップS11)。一方、加圧後のケース30内の圧力が規定範囲内にある場合(ステップS10:No)は、積層ずれはないと判断する(ステップS12)。なお、本実施形態においては、ステップS6による判定の結果、換気膜異常の有無が判明している場合(ステップS8、ステップS9)でも、ステップS10を行っているが、このような場合はステップS10をスキップして、ステップS13に進んでもよい。
次に、検査装置100の制御部130は、加圧後のケース30内の圧力降下速度が規定範囲よりも大きいか否かを検知する(ステップS13)。これは次のような知見に基づく。
すなわち、本発明者らは、図5に示すように、加圧後(加圧直後の時間t1以降)のケース30内の圧力降下速度が規定範囲(図5の点線Nより上側の領域)より大きい場合(例えば、図5のC1)は、燃料電池1のケース30に防水シール不良があり、規定範囲内にある場合(例えば、図5のC2)は、ケース30に防水シール不良はないという知見を得た。これは、ケース30に防水シール不良がある場合(例えばシール部材22の締結が緩んでいる場合)は、防水シール不良のある個所からガス漏れが起きて加圧後の圧力降下速度が大きくなるからである。
図2のステップS13に戻って説明を続ける。上記知見に基づき、本実施形態においては、検査装置100の制御部130は、加圧後のケース30内の圧力降下速度が規定範囲外にある場合(ステップS13:Yes)防水シール不良があると判断し(ステップS14)、検査を終了する。一方、加圧後のケース30内の圧力降下速度が規定範囲内にある場合(ステップS13:No)は、防水シール不良はないと判断し(ステップS15)検査を終了する。
この検査方法によれば、燃料電池1のケース30内を加圧してその圧力の変動(加圧中の圧力上昇速度、加圧後の圧力、加圧後の圧力降下速度)を測定することで、燃料電池1の異常が検知される。すなわち、検査のために燃料電池1を分解する作業(配管系20のシール部材22の締結を緩めて補機等を取り出し燃料電池スタック10をケース30から取り出すことや、換気部32の換気膜をケース30から取り外す等)は必要とされない。これにより、検査中にケース30内に異物が混入することを防止できる。したがって、検査の終了後、燃料電池1に異常がみつからなかった場合は、ケース30のシール部材22等の交換をすることなくそのまま利用を継続できる。
この検査方法によれば、加圧中のケース30内の圧力上昇速度又は加圧後の圧力に基づいて、燃料電池スタック10の積層ずれが起きているのかが検知される。また加圧中のケース30内の圧力上昇速度に基づいて、換気部32の換気膜に異常があるのかが検知される。さらに、加圧後の圧力降下速度に基づいて、ケース30の防水シール不良が検知される。すなわち、本方法では、衝撃の加わった際に燃料電池1に起こりうる、燃料電池スタック10の積層ずれ、ケース30の換気膜異常及びケース30の防水シール不良を識別できる。これにより、最初から異常個所を特定できるので、異常が見つかった場合であっても修復作業が容易になりまた交換部品を最小限にすることができる。
<変形例>
以上本発明の実施形態を示したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な態様での実施が可能である。
以上本発明の実施形態を示したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な態様での実施が可能である。
例えば、上記実施形態においては、ケース30は、燃料電池スタック10と配管系20(外部へ延出する配管部分を除く)を一体的に収容する構成として説明したが、ケースの内部空間が流体的に連続している(ケースを構成する各部材が互いに密閉されていない)限り、ケースの構造については特に限定はない。
例えば、ケースを複数のカバー部材の集合体としてもよく、例えば、燃料電池スタック10を覆うスタックカバーに加えて、配管系20の水素ポンプ等の補機類を覆う補機カバーを燃料電池スタック10のエンドプレートの一端に設けて、スタックカバーと補機カバーとでケース30を構成してもよい。
1……燃料電池、10……燃料電池スタック、20……配管系、22……シール部材、30……ケース、32……換気部、100……検査装置、110……加圧部、112……装着部材、114……配管、116……バルブ、118……ガスボンベ、120……圧力測定部、130……制御部
Claims (1)
- 複数の単位電池が積層された燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックを収容し換気膜を有するケースとを備える燃料電池の検査方法であって、
前記ケース内を加圧するステップと、
加圧中の前記ケース内の圧力上昇速度を測定するステップと、
加圧後の前記ケース内の圧力を測定するステップと、
加圧後の前記ケース内の圧力降下速度を測定するステップと、を備え、
前記圧力上昇速度が規定範囲よりも小さい又は前記圧力が規定範囲よりも小さい場合は、前記燃料電池スタックの前記単位電池間に積層ずれがあると検知し、
前記圧力上昇速度が規定範囲よりも大きい場合は、前記換気膜に異常があると検知し、
前記圧力降下速度が規定範囲よりも大きい場合は、前記ケースに防水シール不良があると検知する、燃料電池の検査方法。
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