JP6376397B2 - ディファレンシャルケーシングを備えるマルチディスクロック - Google Patents

Description

本発明は、ディファレンシャルケーシングを備えるマルチディスクロックに関するものである。このディファレンシャルケーシング内には、ディファレンシャルピニオンが軸方向傘歯車の間に配置され、マルチディスクセットが軸方向傘歯車とディファレンシャルケーシングと間に配置され、さらに回動不能であるが、しかし軸方向に移動可能に案内されるプレッシャリングが配置されている。ここでマルチディスクセットの外側ディスクが前記ディファレンシャルケーシングと回動不能に結合されており、その内側ディスクが前記軸方向傘歯車と回動不能に結合されており、これによって、負荷の下で前記ディファレンシャルピニオンの傾斜当接面に発生する軸方向力によりマルチディスクセットを共に圧縮するために、導入駆動トルクが前記ディファレンシャルピニオンを介して前記プレッシャリングに伝達可能である。この種のマルチディスクロックは、セルフロックディファレンシャルとも称される。

この種のセルフロックディファレンシャルは、Ｄｒｅｘｌｅｒ（登録商標）、すなわち圧力角を備えるマルチディスクロックとして公知である。

さらに本発明は、マルチディスクロック、とりわけＤｒｅｘｌｅｒ（登録商標）としての圧力角を備えるマルチディスクロックの駆動方法に関する。

本発明の基礎とする課題は、この種のマルチディスクロックをさらに改善すること、およびマルチディスクロックの新規の駆動方法を提供することである。

この課題は、装置的には、請求項１の特徴を備えるマルチディスクロックによって解決される。

アクチュエータが回転運動を形成し、この回転運動が中間ギヤおよびカムディスクを介してストローク運動を形成すると有利である。

マルチディスクロックは、ストローク運動をマルチディスクセットに伝達するために圧力部材を有することができる。

好ましい実施例では、マルチディスクロックが制御機器を有し、この制御機器が制御信号を介してアクチュエータを制御する。

この場合、制御機器は有利にはソフトウエアを有し、このソフトウエアは車両ＣＡＮバスから到来する信号を制御ロジックにしたがって制御信号に変換する。

マルチディスクロックはベアリングを有することができ、このベアリングは軸方向傘歯車のベベルギヤから発生する軸方向力をプレッシャリングに伝達する。このベアリングは好ましくは、ニードルベアリングである。

本発明の基礎とする課題は、アクチュエータによってマルチディスクロックのマルチディスクセットに作用される方法によっても解決される。ここではアクチュエータが、ソフトウエアを有する制御機器によって制御され、このソフトウエアは車両ＣＡＮバスから到来する信号を制御ロジックにしたがって、アクチュエータに対する制御信号に変換する。

一実施例が図面に示されており、以下詳細に説明する。

概略的に図示された制御部を備えるマルチディスクロックの断面図である。

負荷に依存する所要のロックは、ディファレンシャルピニオン１を介して２つのプレッシャリング２，３に伝達される導入駆動トルクから生じる。これら２つのプレッシャリングは回動不能に、しかし軸方向に移動可能にディファレンシャルケーシング４内に案内される。負荷の下でディファレンシャルピニオン１の傾斜当接面５にはプレッシャリング２，３への軸方向力が発生し、この軸方向力はマルチディスクセット６，７を共に圧縮する。外側ディスク８，９はディファレンシャルケーシング４と回動不能に結合されており、内側ディスク１０，１１は軸方向傘歯車１２，１３と回動不能に結合されている。

アクチュエータ１４が制御機器２０によって制御される。制御機器２０はソフトウエア２１を有し、このソフトウエアは車両ＣＡＮバス２２から到来する信号を制御ロジックにしたがって制御信号２３に変換し、この制御信号によってアクチュエータ１４が制御される。

アクチュエータ（電気モータ）により駆動されて、中間ギヤ１５とカムディスク１６を介してアクチュエータ１４の回転運動が軸方向のストローク運動に変換される。

このストローク運動は圧力部材１７によりさらに伝達され、これにより、Ｄｒｅｘｌｅｒ（登録商標）、すなわち圧力角を備えるマルチディスクロックのマルチディスクセット６，７への軸方向ストローク運動の軸方向力が調整される。

付加的に、軸方向傘歯車１２，１３のベベルギヤから生じる軸方向力がニードルベアリング１８，１９を介してプレッシャリング２，３に伝達され、これによりマルチディスクセット６，７に付加的に力印加される。

Claims (2)

1. ディファレンシャルケーシング（４）を備えるマルチディスクロックであって、
   該ディファレンシャルケーシング内には、ディファレンシャルピニオン（１）が軸方向傘歯車（１２，１３）間に配置され、マルチディスクセット（６，７）が前記軸方向傘歯車（１２，１３）と前記ディファレンシャルケーシング（４）との間に配置され、さらに前記ディファレンシャルケーシング（４）に対して回動不能であるが、軸方向に移動可能に案内されるプレッシャリング（２，３）が配置されており、
   前記マルチディスクセット（６，７）の外側ディスク（８，９）が前記ディファレンシャルケーシング（４）に対して回動不能に結合されており、前記マルチディスクセットの内側ディスク（１０，１１）が前記軸方向傘歯車（１２，１３）と回動不能に結合されており、これによって、負荷の下で前記ディファレンシャルピニオン（１）の傾斜当接面（５）に発生する軸方向力により前記マルチディスクセット（６，７）を共に圧縮するために、導入駆動トルクが前記ディファレンシャルピニオン（１）を介して前記プレッシャリング（２，３）に伝達可能である、マルチディスクロックにおいて、
   少なくとも１つのマルチディスクセット（６，７）と前記ディファレンシャルケーシング（４）との間に、軸方向に移動可能な圧力部材（１７）が配置されており、これによって、アクチュエータ（１４）によって引き起こされるストローク運動が前記マルチディスクセット（６，７）に伝達され、
   前記アクチュエータ（１４）は回転運動を形成し、該回転運動は中間ギヤ（１５）およびカムディスク（１６）を介してストローク運動を形成し、
   前記マルチディスクロックは、前記ストローク運動を前記マルチディスクセット（６，７）に伝達するために、前記マルチディスクロックは圧力部材（１７）を有し、前記マルチディスクロックは、制御信号（２３）を介して前記アクチュエータ（１４）を制御する制御機器（２０）、および、前記軸方向傘歯車（１２，１３）のベベルギヤから発生する軸方向力を前記プレッシャリング（２，３）に伝達するベアリングを有し、
   前記制御機器（２０）はソフトウエア（２１）を有し、前記アクチュエータ（１４）が前記マルチディスクロックのマルチディスクセット（６，７）に作用するように、前記ソフトウエア（２１）は車両ＣＡＮバス（２２）から到来する信号を制御ロジックにしたがって制御信号（２３）に変換し、
   前記アクチュエータ（１４）は制御機器（２０）によって制御され、前記ソフトウエア（２１）は車両ＣＡＮバス（２２）から到来する信号を制御ロジックにしたがって、前記アクチュエータ（１４）に対する制御信号（２３）に変換する、ことを特徴とするマルチディスクロック。
2. 前記ベアリングはニードルベアリング（１８，１９）である、ことを特徴とする請求項１に記載のマルチディスクロック。