JP6376076B2 - 試験機 - Google Patents
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Description
本発明は、CVTユニットを構成する無段変速部の伝達効率を計測する試験機に関するものである。
CVT(Continuously Variable Transmission)ユニット(無段変速機)においては、入力軸に取り付けられた入力側プーリと、出力軸に取り付けられた出力側プーリと、これらに巻き掛けられたCVTベルトと、で構成される無段変速部における損失を低減することが必須となっている。このため、CVTユニットでは、無段変速部の伝達効率を把握することが重要となっている。そこで、従来から、専用の試験機を用いて、CVTユニットを構成する無段変速部の性能を評価することが行われている。
このような試験機としては、入力軸に接続される駆動モータと入力側プーリとの間に設けられたトルク計と、出力軸に接続される吸収モータと出力側プーリとの間に設けられたトルク計と、を備え、駆動モータおよび吸収モータを制御しながら、両トルク計によって計測されたトルク値に基づいて、無段変速部の性能を評価するものが知られている。
例えば特許文献1には、試験機にセットされた状態において、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の試験結果を得ることができるように、駆動モータ等の駆動状態に応じて、入力軸および出力軸に設置した軸受けを径方向に移動させることが開示されている。この特許文献1の試験機によれば、軸受けを径方向に移動させることで、入力軸の方向と出力軸の方向とが同一平面内でずれている平行度誤差や、入力軸と出力軸とが同一平面にない食い違い誤差等を実現することにより、CVTユニット(実機)に組み付けられた状態と同等の試験結果を得ることができるとされている。
ところで、CVTユニットにおいては、通常、入力側プーリおよび出力側プーリに対して、入力軸および出力軸がそれぞれ同じ側に延びている(例えば、上記特許文献1の図1参照)。換言すると、入力軸と出力軸とが並列に配置されている。また、上記試験機において、入力軸および出力軸に取付けられるトルク計は、ある程度の大きさを有している。このため、入力軸と出力軸とが近接する、相対的に小さい無段変速部では、トルク計を並べて配置することが困難になるおそれがある。換言すると、2つのトルク計を並べて配置した試験機は、入力軸と出力軸との間隔が相対的に大きい無段変速部にしか適用できず、汎用性が低いという問題がある。
そこで、入力側プーリおよび出力側プーリに対して、入力軸および出力軸がそれぞれ反対側に延びている(入力軸とプーリと出力軸とが略Z状をなす)無段変速部を別途製作し、入力側プーリおよび出力側プーリを挟んで、2つのトルク計を対向するように配置することが考えられる。
しかしながら、このような実機の構造を反映しない専用治具化された無段変速部を用いて伝達効率を測定しても、本来の伝達率評価にはならないという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、無段変速部の伝達効率を計測する試験機において、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の伝達効率を計測することができるとともに汎用性の高い試験機を実現することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る試験機では、無段変速部に、入力軸に対して出力軸よりも離れた位置に設けられた出力部材を有する減速ギヤを設置するとともに、出力軸における出力側プーリと減速ギヤとの間に第3のトルク計を設けるようにしている。
具体的には、本発明は、入力軸に取付けられる入力側プーリと、当該入力軸と並列に配置される出力軸に取付けられる出力側プーリと、これら入力側および出力側プーリに巻き掛けられる無端状のベルトと、を有する無段変速部の伝達効率を計測する試験機を対象としている。
そして、上記無段変速部は、上記出力軸と接続されるとともに、当該出力軸よりも上記入力軸から径方向に離れた位置に設けられた出力部材に、当該出力軸の回転を減速して出力する減速ギヤをさらに有しており、上記入力軸に入力されるトルクを計測する第1トルク計と、上記出力部材から出力されるトルクを計測する第2トルク計と、上記出力軸における上記出力側プーリと上記減速ギヤとの間に設けられ、計測された歪値を無線出力可能な歪ゲージと、を備え、上記第1および第2トルク計によって計測されたトルク値と、上記歪ゲージによって計測された上記出力軸の歪値と、に基づいて、上記減速ギヤを含む上記無段変速部の全体または一部の伝達効率を取得することを特徴とするものである。
この構成によれば、無段変速部は、出力軸よりも入力軸から径方向に離れた位置に設けられた出力部材に、出力軸の回転を減速して出力する減速ギヤを有していることから、入力軸と第1トルク計とを接続するとともに、出力部材と第2トルク計とを接続することで、入力軸と出力軸とが近接していても、第1および第2トルク計を並べて配置することができる。これにより、入力軸と出力軸との間隔が狭い無段変速部にも適用可能な汎用性の高い試験機を実現することができる。そうして、CVTユニット(実機)においては無段変速部と減速ギヤとがセットになっているところ、第1および第2トルク計によって計測されたトルク値に基づいて、減速ギヤを含む無段変速部全体の伝達効率を、換言すると、より実機に近い状態での伝達効率を取得することができる。
ここで、第1および第2トルク計によって計測されたトルク値に基づいて取得される伝達効率には、ベルト部の伝達効率のみならず、減速ギヤの伝達効率も含まれることになるが、本発明では、出力軸における出力側プーリと減速ギヤとの間に歪ゲージを設けることで、ベルト部の伝達効率と減速ギヤの伝達効率とを切り分けることが可能となっている。
具体的には、出力側プーリと減速ギヤとの間にトルク計を設けることはスペース上困難なことから、出力軸における出力側プーリと減速ギヤとの間に、計測された歪値を無線出力可能な歪ゲージを設けている(貼り付けている)。そうして、この歪ゲージから出力される出力軸の歪値を例えば計測アンプ等を用いてトルク換算することで、減速ギヤに入力されるトルク値(ベルト部から出力されるトルク値)を計測することが可能となっている。これにより、本発明では、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の状態で、無段変速部全体の伝達効率を取得することが可能になるのみならず、第1トルク計のトルク値と出力軸の歪値とに基づいてベルト部の伝達効率を取得することも、第2トルク計のトルク値と出力軸の歪値とに基づいてギヤの伝達効率を取得することも可能となる。
以上、説明したように本発明に係る試験機によれば、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の伝達効率を計測することができるとともに汎用性の高い試験機を実現することできる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る試験機1を示す図であり、同図(a)は試験機1の概略構成を示す図であり、同図(b)はテストボックス12内の無段変速部20を模式的に示す概略図である。この試験機1は、図1(a)に示すように、テストボックス12内に収容された無段変速部20を、駆動モータ2および吸収モータ3で駆動させるとともに、第1トルク計4、第2トルク計5および第3トルク計6によって計測されたトルク値に基づいて、無段変速部20の伝達効率を計測するものである。試験機1の説明に先立ち、計測対象である無段変速部20について説明する。
−無段変速部−
無段変速部20は、CVTユニットを構成するものであり、図1(b)に示すように、入力軸22と、入力軸22と並列に配置される出力軸26と、入力軸22に取付けられる入力側プーリ21と、出力軸26に取付けられる出力側プーリ25と、これら入力側および出力側プーリ21,25に巻き掛けられる無端状のCVTベルト29と、出力軸26の回転を減速して出力する減速ギヤ30と、を有している。
無段変速部20は、CVTユニットを構成するものであり、図1(b)に示すように、入力軸22と、入力軸22と並列に配置される出力軸26と、入力軸22に取付けられる入力側プーリ21と、出力軸26に取付けられる出力側プーリ25と、これら入力側および出力側プーリ21,25に巻き掛けられる無端状のCVTベルト29と、出力軸26の回転を減速して出力する減速ギヤ30と、を有している。
図1(b)に示すように、入力側プーリ21は、有効径が可変な可変プーリであって、入力軸22に固定された固定シーブ23と、入力軸22に軸方向のみの摺動が可能な状態で配設された可動シーブ24とによって構成されている。
出力側プーリ25も、入力側プーリ21と同様に有効径が可変な可変プーリであって、出力軸26に固定された固定シーブ28と、出力軸26に軸方向のみの摺動が可能な状態で配設された可動シーブ27とによって構成されている。
この無段変速部20では、油圧制御装置11によって可動シーブ24,27に油圧を供給することにより、入力側プーリ21および出力側プーリ25の各V溝幅が変化してCVTベルト29の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γが連続的に変化するとともに、入力側および出力側プーリ21,25とCVTベルト29との間の摩擦力(ベルト挟圧力)が制御されるようになっている。このような制御は、制御装置10が油圧制御装置11に油圧指令を送信することによって実行される。
減速ギヤ30は、出力軸26における出力側プーリ25とは反対側の端部に設けられたドライブギヤ31と、出力軸26よりも入力軸22から径方向に離れた位置に設けられたシャフト状の出力部材33と、出力部材33に取付けられ、ドライブギヤ31と噛み合うドリブンギヤ32と、を有している。ドリブンギヤ32はドライブギヤ31よりも大径であり、これにより、出力軸26の回転を減速して出力部材33から出力することが可能となっている。なお、以下では、説明の便宜上、無段変速部20のうち減速ギヤ30を除く部分をCVTベルト部とも称する。
入力軸22、出力軸26および出力部材33は、軸受け34,35,36等を介してハウジング20a(図2参照)に回転自在に支持されており、当該ハウジング20aごとテストボックス12内にセット可能となっている。
以上のように構成された無段変速部20では、図1(b)の白抜き矢印で示すように入力軸22に入力されたトルク(回転)が、CVTベルト部において適宜の変速比γで増大または減少(減速または増速)されて出力軸26から出力され、減速ギヤ30で増大(減速)されて、図1(b)の黒塗り矢印で示すように出力部材33から出力されるようになっている。
−試験機−
試験機1は、図1に示すように、本体部1aと、制御装置10と、油圧制御装置11と、第3トルク計6の一部であるトルク変換器9と、を備えている。本体部1aは、駆動モータ2と、吸収モータ3と、第1トルク計4と、第2トルク計5と、第3トルク計6の一部である歪ゲージ7およびテレメータ8と、無段変速部20を収容するテストボックス12とを有している。
試験機1は、図1に示すように、本体部1aと、制御装置10と、油圧制御装置11と、第3トルク計6の一部であるトルク変換器9と、を備えている。本体部1aは、駆動モータ2と、吸収モータ3と、第1トルク計4と、第2トルク計5と、第3トルク計6の一部である歪ゲージ7およびテレメータ8と、無段変速部20を収容するテストボックス12とを有している。
駆動モータ2は、制御装置10から送信される制御信号によって制御されて、車両に実際に搭載されるエンジンに代えて、その実エンジンの回転を模擬的に出力するものである。駆動モータ2のモータ軸2aは、無段変速部20の入力軸22に接続されており、これにより、実エンジンによって駆動される状態と近い状態で入力軸22が回転するようになっている。このモータ軸2aには、振動を減衰するダンパー13と、車載されているシャフト等の長さによる影響を反映するように、モータ軸2aを延長する中間軸14が設けられており、これらにより、無段変速部20の伝達効率が、車両に実際に搭載された状態により一層近づくようになっている。
一方、吸収モータ3は、制御装置10から送信される制御信号によって制御されて、CVTユニットに加わる走行時の抵抗を無段変速部20に模擬的に与えるものである。吸収モータ3のモータ軸3aは、無段変速部20の出力部材33に接続されており、これにより、出力部材33に駆動モータ2による回転力と反対向きの回転力が付与されるようになっている。このモータ軸3aには、振動を減衰するダンパー13と、ドライブシャフト(図示せず)の長さによる影響等を反映するように、モータ軸3aを延長する中間軸14が設けられている。
第1トルク計4は、駆動モータ2のモータ軸2aに設けられており、入力軸22に入力されるトルクを計測し、計測されたトルク値を制御装置10に送信する。また、第2トルク計5は、吸収モータ3のモータ軸3aに設けられており、出力部材33から出力されるトルクを計測し、計測されたトルク値を制御装置10に送信する。これら第1および第2トルク計4,5によるトルクの計測タイミングは、後述する第3トルク計6の計測タイミングと一致するように制御装置10により制御される。
図1(a)に示すように、第1および第2トルク計4,5は、ある程度の大きさを有していることから、入力軸22と出力軸26とが近接する、相対的に小さい無段変速部では、第1および第2トルク計4,5を並べて配置することが困難になる場合がある。この点、本実施形態では、出力軸26よりも入力軸22から径方向に離れた位置に設けられた出力部材33を有する減速ギヤ30を設けるとともに、かかる出力部材33にモータ軸3aを介して第2トルク計5を取り付けることから、入力軸22と出力軸26とが近接していても、第1および第2トルク計4,5を並べて配置することができる。これにより、入力軸22と出力軸26と間隔が狭い無段変速部にも適用可能な汎用性の高い試験機を実現することができるとともに、CVTユニットに組み付けられた状態により近い状態での伝達効率を取得することが可能となっている。
このように、第1および第2トルク計4,5を設けることで、第1および第2トルク計4,5によって計測されたトルク値に基づいて、無段変速部20全体の伝達効率を取得することが可能となるが、このようにして取得される伝達効率には、CVTベルト部の伝達効率のみならず、減速ギヤ30の伝達効率も含まれることになる。このため、本実施形態では、CVTベルト部の伝達効率と減速ギヤ30の伝達効率との切り分けを可能とすべく、減速ギヤ30に入力されるトルク(CVTベルト部から出力されるトルク)を計測可能な第3トルク計6を設けるようにしている。
具体的には、出力側プーリ25と減速ギヤ30との間にトルク計を設けることはスペース上困難なことから、出力軸26における出力側プーリ25と減速ギヤ30との間に、計測された歪値を無線出力可能な歪ゲージ7を設け、この歪ゲージ7から無線出力される出力軸26の歪値を、トルク変換器9を用いてトルク換算することで、減速ギヤ30に入力されるトルク(CVTベルト部から出力されるトルク)を計測するようにしている。
図2は、歪ゲージ7およびテレメータ8の取付け構成を模式的に示す図である。なお、図2では、図を見易くするために、CVTベルト29を図示省略している。歪ゲージ7は、当該歪ゲージ7に発生している伸長と収縮との力に対し、電気抵抗が変動する公知のものであり、図2に示すように、出力軸26における出力側プーリ25と減速ギヤ30との間に貼り付けられている。テレメータ8は、アンテナ機能を有する公知のテレメータ送信機であり、歪ゲージ7の近傍に設けられているとともに、歪ゲージ7と電気的に接続されている。テレメータ8は、出力軸26の回転中も歪ゲージ7で測定された歪値を無線送信可能に構成されていて、測定された出力軸26の歪値をテストボックス12外に設置したトルク変換器9に送信するようになっている。トルク変換器9は、歪ゲージ7の測定値、すなわち、出力軸26のトルクに応じたねじれ量(表面せん断応力)を電圧に変換することによって、減速ギヤ30に入力されるトルクを正確に変換し、変換されたトルク値を制御装置10に送信するように構成されている。
つまり、本実施形態では、歪ゲージ7およびテレメータ8が、本発明で言うところの「計測された歪値を無線出力可能な歪ゲージ」に相当する。また、本実施形態の第3トルク計6は、歪ゲージ7と、歪ゲージ7によって計測された歪値を送信可能なテレメータ8と、歪値をトルク換算するトルク変換器9とで構成されている。
これら歪ゲージ7、テレメータ8およびトルク変換器9からなる第3トルク計6を用いて、減速ギヤ30に入力されるトルク値を計測することで、第1トルク計4によって計測されたトルク値と第3トルク計6によって計測されたトルク値とに基づいてCVTベルト部の伝達効率を取得することも、第2トルク計5によって計測されたトルク値と第3トルク計6によって計測されたトルク値とに基づいて減速ギヤ30の伝達効率を取得することも可能となっている。
制御装置10は、模擬のスロットル指令が入力されると、かかるスロットル指令に基づいて油圧制御装置11に油圧指令を送信し、油圧制御装置11によって可動シーブ24,27に油圧を供給して無段変速部20の変速比γおよび挟圧力を変更する。また、制御装置10は、駆動モータ2を制御して、エンジンの爆発変動トルクを模擬させるとともに、出力軸26からタイヤにかけて加わる慣性モーメントやタイヤの路面に対する抵抗などを考慮して吸収モータ3を制御し、車両の動特性変動トルクを模擬させる。
加えて、制御装置10は、第1および第2トルク計4,5によるトルク値の計測と、歪ゲージ7、テレメータ8およびトルク変換器9によるトルク値の計測とが時間同期するように、各部位を制御するロガー機能を備えている。
−伝達効率の演算−
以上のように構成された試験機1では、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の状態を再現しながら、制御装置10が、無段変速部20の各部における入力側での伝達仕事量と出力側での伝達仕事量とを比較して伝達効率を算出する。具体的には、制御装置10は、下記の(式1)を用いて、無段変速部20の各部における伝達効率を算出する。
伝達効率=100×(出力回転数×出力トルク)/(入力回転数×入力トルク)…(式1)
<伝達効率(全体)>
先ず、駆動モータ2のモータ軸2aの入力回転数Ninと、第1トルク計4によって測定された入力トルクTinと、吸収モータ3のモータ軸3aの出力回転数Noutと、第2トルク計5によって測定された出力トルクToutとを、上記の(式1)に当てはめることにより、下記の(式2)が得られる。
伝達効率(全体)=100×(Nout×Tout)/(Nin×Tin)…(式2)
この(式2)から、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の伝達効率である、減速ギヤ30を含む無段変速部20全体の伝達効率を算出することができる。
以上のように構成された試験機1では、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の状態を再現しながら、制御装置10が、無段変速部20の各部における入力側での伝達仕事量と出力側での伝達仕事量とを比較して伝達効率を算出する。具体的には、制御装置10は、下記の(式1)を用いて、無段変速部20の各部における伝達効率を算出する。
伝達効率=100×(出力回転数×出力トルク)/(入力回転数×入力トルク)…(式1)
<伝達効率(全体)>
先ず、駆動モータ2のモータ軸2aの入力回転数Ninと、第1トルク計4によって測定された入力トルクTinと、吸収モータ3のモータ軸3aの出力回転数Noutと、第2トルク計5によって測定された出力トルクToutとを、上記の(式1)に当てはめることにより、下記の(式2)が得られる。
伝達効率(全体)=100×(Nout×Tout)/(Nin×Tin)…(式2)
この(式2)から、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の伝達効率である、減速ギヤ30を含む無段変速部20全体の伝達効率を算出することができる。
<伝達効率(ベルト)>
次に、減速ギヤ30の影響を無視すれば、換言すると、減速ギヤ30による伝達状態が完全(100%)であれば、減速ギヤ30の入力側の回転数は、減速ギヤ30の出力側の回転数×ギヤ比と等しい関係にある。このことから、減速ギヤ30の影響を無視すれば、吸収モータ3のモータ軸3aの出力回転数Noutと、減速ギヤ30のギヤ比Grとの積(Nout×Gr)は、減速ギヤ30の入力側の回転数、すなわち、CVTベルト部の出力側の回転数と等しくなる。なお、減速ギヤ30のギヤ比Gr=(ドリブンギヤ32の歯数/ドライブギヤ31の歯数)である。
次に、減速ギヤ30の影響を無視すれば、換言すると、減速ギヤ30による伝達状態が完全(100%)であれば、減速ギヤ30の入力側の回転数は、減速ギヤ30の出力側の回転数×ギヤ比と等しい関係にある。このことから、減速ギヤ30の影響を無視すれば、吸収モータ3のモータ軸3aの出力回転数Noutと、減速ギヤ30のギヤ比Grとの積(Nout×Gr)は、減速ギヤ30の入力側の回転数、すなわち、CVTベルト部の出力側の回転数と等しくなる。なお、減速ギヤ30のギヤ比Gr=(ドリブンギヤ32の歯数/ドライブギヤ31の歯数)である。
よって、駆動モータ2のモータ軸2aの入力回転数Ninと、第1トルク計4によって測定された入力トルクTinと、吸収モータ3のモータ軸3aの出力回転数Noutと、減速ギヤ30のギヤ比Grと、第3トルク計6によって測定されたトルクT3とを、上記の(式1)に当てはめることにより、下記の(式3)が得られる。
伝達効率(ベルト)=100×(Nout×Gr×T3)/(Nin×Tin)…(式3)
この(式3)から、第1トルク計4によって計測されたトルク値Tinと第3トルク計6によって計測されたトルク値T3とに基づいて、無段変速部20におけるCVTベルト部のみの伝達効率を容易に算出することができる。
伝達効率(ベルト)=100×(Nout×Gr×T3)/(Nin×Tin)…(式3)
この(式3)から、第1トルク計4によって計測されたトルク値Tinと第3トルク計6によって計測されたトルク値T3とに基づいて、無段変速部20におけるCVTベルト部のみの伝達効率を容易に算出することができる。
<伝達効率(ギヤ)>
同様に、CVTベルト部の影響を無視すれば、換言すると、CVTベルト部による伝達状態が完全(100%)であれば、CVTベルト部の入力側の回転数/変速比γは、CVTベルト部の出力側の回転数と等しい関係にある。このことから、CVTベルト部の影響を無視すれば、駆動モータ2のモータ軸2aの入力回転数Ninと変速比γとの商(Nin÷γ)は、CVTベルト部の出力側の回転数、すなわち、減速ギヤ30の入力側の回転数と等しくなる。なお、CVTベルト部の変速比γは、入力側プーリ21の可動シーブ24に供給される油圧等に基づいて、制御装置10により容易に算出することが可能となっている。
同様に、CVTベルト部の影響を無視すれば、換言すると、CVTベルト部による伝達状態が完全(100%)であれば、CVTベルト部の入力側の回転数/変速比γは、CVTベルト部の出力側の回転数と等しい関係にある。このことから、CVTベルト部の影響を無視すれば、駆動モータ2のモータ軸2aの入力回転数Ninと変速比γとの商(Nin÷γ)は、CVTベルト部の出力側の回転数、すなわち、減速ギヤ30の入力側の回転数と等しくなる。なお、CVTベルト部の変速比γは、入力側プーリ21の可動シーブ24に供給される油圧等に基づいて、制御装置10により容易に算出することが可能となっている。
よって、駆動モータ2のモータ軸2aの入力回転数Ninと、CVTベルト部の変速比γと、第3トルク計6によって測定されたトルクT3と、吸収モータ3のモータ軸3aの出力回転数Noutと、第2トルク計5によって測定された出力トルクToutとを、上記の(式1)に当てはめることにより、下記の(式4)が得られる。
伝達効率(ギヤ)=100×(Nout×Tout)/(Nin/γ×T3)…(式4)
この(式4)から、第2トルク計5によって計測されたトルク値Toutと第3トルク計6によって計測されたトルク値T3とに基づいて、無段変速部20における減速ギヤ30のみの伝達効率を容易に算出することができる。
伝達効率(ギヤ)=100×(Nout×Tout)/(Nin/γ×T3)…(式4)
この(式4)から、第2トルク計5によって計測されたトルク値Toutと第3トルク計6によって計測されたトルク値T3とに基づいて、無段変速部20における減速ギヤ30のみの伝達効率を容易に算出することができる。
−効果−
以上のように、本実施形態の試験機1によれば、出力軸26よりも入力軸22から径方向に離れた位置に設けられた出力部材33を有する減速ギヤ30を設けるとともに、かかる出力部材33にモータ軸3aを介して第2トルク計5を取り付けることから、入力軸22と出力軸26とが近接していても、第1および第2トルク計4,5を並べて配置することができる。これにより、例えば、入力側プーリ21および出力側プーリ25に対して、入力軸22および出力軸26がそれぞれ反対側に延びているような、実機を反映しない専用治具化された無段変速部を製作することなく、従来の試験機を用いて無段変速部20の伝達効率を取得することができる。したがって、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の伝達効率を計測することができるとともに汎用性の高い試験機1を実現することが可能となる。
以上のように、本実施形態の試験機1によれば、出力軸26よりも入力軸22から径方向に離れた位置に設けられた出力部材33を有する減速ギヤ30を設けるとともに、かかる出力部材33にモータ軸3aを介して第2トルク計5を取り付けることから、入力軸22と出力軸26とが近接していても、第1および第2トルク計4,5を並べて配置することができる。これにより、例えば、入力側プーリ21および出力側プーリ25に対して、入力軸22および出力軸26がそれぞれ反対側に延びているような、実機を反映しない専用治具化された無段変速部を製作することなく、従来の試験機を用いて無段変速部20の伝達効率を取得することができる。したがって、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の伝達効率を計測することができるとともに汎用性の高い試験機1を実現することが可能となる。
また、試験機1によれば、出力軸26における出力側プーリ25と減速ギヤ30との間に歪ゲージ7を設けることで、CVTベルト部の伝達効率と減速ギヤ30の伝達効率とを切り分けることが可能となる。このように、CVTベルト部の伝達効率と減速ギヤ30の伝達効率との切り分けができることから、CVTベルト部の伝達効率の計測ばらつきと減速ギヤ30の伝達効率の計測ばらつきとが重畳しないので、CVTベルト部の伝達効率を正確に把握することが可能となる。
さらに、CVTベルト部の伝達効率と減速ギヤ30の伝達効率との切り分けができることから、定期交換品である減速ギヤ30を保全交換しても、換言すると、減速ギヤ30に製品誤差があり伝達効率にばらつきがあっても、CVTベルト部単体での伝達効率を正確に測定することができる。
また、無段変速部20全体の伝達効率とCVTベルト部の伝達効率と減速ギヤ30の伝達効率とを切り分けることができることから、試験機1を構成するテストボックス12やモータ軸2a,3a等の経時変化による伝達効率への影響についても、経時変化部分を切り分けることが可能となる。
また、実機ではCVTベルト部と減速ギヤ30とが一体となっているところ、本実施形態の試験機1は、減速ギヤ30を含む無段変速部20の伝達効率を計測することができることから、例えば開発品をテストボックス12内にセットするだけで、開発品の伝達効率の評価を容易に行うことが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、歪ゲージ7とテレメータ8とを組み合わせることで「計測された歪値を無線出力可能な歪ゲージ」としたが、これに限らず、例えばアンテナ配線が埋め込まれた無線ひずみゲージを用いてもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、CVTユニットに組み付けられた状態と同等の伝達効率を計測することができるとともに汎用性の高い試験機を実現することできるので、無段変速部の伝達効率を計測する試験機に適用して極めて有益である。
1 試験機
4 第1トルク計
5 第2トルク計
7 歪ゲージ
8 テレメータ
20 無段変速部
21 入力側プーリ
22 入力軸
25 出力側プーリ
26 出力軸
29 CVTベルト
30 減速ギヤ
33 出力部材
4 第1トルク計
5 第2トルク計
7 歪ゲージ
8 テレメータ
20 無段変速部
21 入力側プーリ
22 入力軸
25 出力側プーリ
26 出力軸
29 CVTベルト
30 減速ギヤ
33 出力部材
Claims (1)
- 入力軸に取付けられる入力側プーリと、当該入力軸と並列に配置される出力軸に取付けられる出力側プーリと、これら入力側および出力側プーリに巻き掛けられる無端状のベルトと、を有する無段変速部の伝達効率を計測する試験機であって、
上記無段変速部は、上記出力軸と接続されるとともに、当該出力軸よりも上記入力軸から径方向に離れた位置に設けられた出力部材に、当該出力軸の回転を減速して出力する減速ギヤをさらに有しており、
上記入力軸に入力されるトルクを計測する第1トルク計と、
上記出力部材から出力されるトルクを計測する第2トルク計と、
上記出力軸における上記出力側プーリと上記減速ギヤとの間に設けられ、計測された歪値を無線出力可能な歪ゲージと、を備え、
上記第1および第2トルク計によって計測されたトルク値と、上記歪ゲージによって計測された上記出力軸の歪値と、に基づいて、上記減速ギヤを含む上記無段変速部の全体または一部の伝達効率を取得することを特徴とする試験機。
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