以下、診断支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における診断支援装置1のブロック図である。
診断支援装置1は、センサ101、判断情報格納部102、判断部103、及び出力部104を備えている。
センサ101は、センサ部1011と、インピーダンス変換器1012と、A/D変換器1013とを備えている。
センサ101は、被検体の体液である唾液または涙の分泌量を示す情報を経時的に検出する。被検体とは、検査対象であり、通常は、人であるが、人以外の動物であっても良い。被検体の体液とは、被検体が分泌する体液である。分泌量を示す情報とは、例えば、分泌量に応じて変化する値、例えば、分泌量に比例して増減する値である。分泌量を示す情報は、例えば、センサ101の出力値、例えば電圧等であってもよい。また、センサ101の出力値から算出された分泌量の値であってもよい。分泌量を示す情報は、例えば、デジタルデータであってもよく、アナログデータであっても良い。
分泌量を示す情報を経時的に検出するということは、例えば、予め指定された時間間隔ごとに、分泌量を示す情報を検出することである。ここでの検出は取得と考えてもよい。かかることは以下においても同様である。経時的に検出された分泌量を示す情報は、例えば、異なる時刻にそれぞれ取得された複数の分泌量を示す情報であり、例えば、異なる時刻と対応づけられた2以上の分泌量を示す情報である。また、分泌量を示す情報を経時的に検出するということは、分泌量を示す情報を連続的に取得することであってもよい。
センサ101は、例えば、湿度センサである。湿度センサとは、湿度を検出するセンサである。例えば、この場合、センサ101が検出する唾液または涙の分泌量を示す情報は、湿度を示す情報、具体的には湿度を示す値である。例えば、センサ101が検出する唾液または涙の分泌量を示す情報は、唾液または涙に由来すると考えられる湿度を示す値である。なお、センサ101が検出した情報は、湿度等を表す値に変換した値であっても良いし、センサ101の検出した電圧値等の値であっても良く、その単位等は問わない。湿度は、例えば、相対湿度である。
例えば、唾液の分泌量を示す情報は、被検体の口腔内で検出された口腔内の湿度を示す値である。また、涙の分泌量を示す情報は、例えば、被検体の眼の近傍において検出された眼の近傍の湿度を示す値である。
センサ101は、例えば、センサ部1011とインピーダンス変換器1012と、A/D変換器1013とを備えたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等で実現するようにしてもよい。
センサ部1011は、例えば、唾液または涙の分泌量に対応する物理量を電気的な信号に変換する手段である。センサ部1011は、例えば、唾液または涙の分泌量を示す情報を経時的に取得する手段である。センサ部1011は、例えば、トランスデューサと考えてもよい。例えば、センサ部1011は、センサ素子等である。
センサ部1011は、例えば、湿度を検出するセンサ部(以下、湿度センサ部と称す)である。センサ部1011としては、例えば、抵抗式の湿度センサ部と、静電容量式の湿度センサ部とが利用可能である。ただし、センサ部1011は、抵抗式や静電容量式以外の方式の湿度を検出するセンサ部であっても良い。
抵抗式の湿度センサ部は、例えば、接触しないように向かい合って配置された2つの電極間(図示せず)に感湿膜(図示せず)を設け、この感湿膜の水分の吸脱湿により変化する抵抗値によって変化する電極間に流れる電流の変化により、湿度を検出するようにしたセンサである。感湿膜は、水分を吸湿する膜であり、例えば、親水性高分子ポリマーやセラミック素材等が用いられる。例えば、抵抗式の湿度センサ部においては、感湿膜の湿度が高くなると、抵抗値が小さくなって、電極間に電流が流れやすくなる。向かい合って配置された電極は、例えば、歯が交互に配列されるよう配置された櫛形の電極である。
静電容量式の湿度センサ部は、例えば、感湿膜を挟んで配置された二つの板状、あるいはシート状の電極で構成されるセンサ部であり、この感湿膜の水分の吸脱湿による電極間の静電容量の変化を湿度として示すものである。
本実施の形態においては、一例として、センサ部1011が抵抗式の湿度センサ部である場合を例に挙げて説明する。
図2は、本実施の形態の診断支援装置1のセンサ部1011の一例を示す平面図(図2(a))、及び側面図(図2(b))である。
センサ部1011は、抵抗式の湿度センサ部である。センサ部1011は、基板1011aの表面に、互いに接触しないよう向かい合って配置された二つの櫛形電極1011b及び1011cとを備えている。櫛形電極1011b及び1011cは、端子1011d及び1011eによりインピーダンス変換器1012と接続される。基板1011aは、例えば、セラミック基板である。ただし、基板1011aの材質等は問わない。基板1011aの表面上には、電極1011b及び1011c上を覆うように、感湿膜、例えば、親水性高分子ポリマーが配置されている。ここでは、例えば、感湿膜としてポリビニルアルコールを塗布している。この基板1011aは、幅約10mm、長さ約20mm、厚さ約1.5mmである。
なお、センサ部1011は、櫛形電極1011b及び1101c間の抵抗値に応じて変化する電圧をとりだすための、櫛形電極1011bまたは1011cと直列接続された抵抗(図示せず)や配線(図示せず)等を有していても良い。
インピーダンス変換器1012は、センサ部1011のインピーダンスと、A/D変換器1013等のインピーダンスとの整合をとるためにインピーダンス変換を行う。インピーダンス変換器1012については、公知の技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
A/D変換器1013は、センサ101からインピーダンス変換器1012を介して出力されるセンサ101が経時的に検出した分泌量を示す情報をデジタル信号に変換する。A/D変換器1013の構成については、公知技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、本実施の形態においては、センサ101がインピーダンス変換器1012及びA/D変換器1013を有している場合について説明したが、インピーダンス変換器1012は、インピーダンス変換が不要である場合等においては適宜省略してもよい。また、A/D変換器1013は、センサ101が検出した出力をデジタル信号に変換する必要がない場合等においては適宜省略してもよい。また、センサ101は、センサ部1011が検出した値を増幅するためのアンプ(図示せず)や、電池等の電源(図示せず)等をさらに有していても良い。
判断情報格納部102には、1または2以上の判断情報が格納される。判断情報は、センサ101が出力する変化情報が、正常な変化情報であるか否かを判断するために用いられる情報である。変化情報とは、センサ101が経時的に検出した情報である。判断情報は、変化情報が、正常な変化情報であるか否かを判断するために用いられる条件を示す情報であってもよい。一の被検体から検出された変化情報は、通常、2以上の異なる時点で検出された2以上の情報を有している。正常な変化情報とは、例えば、正常な被検体から取得された変化情報である。正常な変化情報は、例えば、被検体が正常であることを示す変化情報である。正常な変化情報であるか否かを判断することは、例えば、異常な変化情報であるか否かを判断することも含む概念である。判断情報は、例えば、異常な情報であるか否かを判断するための情報と考えてもよい。判断情報は、例えば、被検体の唾液、または涙の分泌が正常であるか否かを判断するために用いられる情報である。
判断情報は、例えば、変化情報が正常な変化情報であるか否かを判断するための閾値等の情報である。判断情報は、例えば、変化情報が示す値が、予め指定された第一の値から、予め指定された第二の値に達するまでの時間についての閾値である。例えば、判断情報は、センサ101が検出した変化情報が示す唾液または涙の分泌量を示す情報が示す値が、予め指定された第一の値になった時点から、予め指定された第二の値になるまでの時間の閾値である。この唾液または涙の分泌量を示す情報が示す値は、例えば、湿度センサであるセンサ101が検出する湿度を示す値である。なお、第一の値や第二の値を示す情報もここでは判断情報と考えてもよい。第一の値や第二の値の例については後述する。
また、判断情報は、例えば、変化情報の、予め指定された時点における傾きや微分した値についての閾値であってもよい。
また、判断情報は、例えば、正常な被検体の変換情報や異常な被検体の変化情報、あるいはこの変化情報を示す曲線や関数等であっても良い。このような変化情報や、変化情報を示す曲線や関数は、例えば、複数の正常な被検体の変化情報や、複数の異常な被検体の変化情報を、統計的に処理することにより取得された変化情報や、曲線や、関数である。なお、判断情報の具体例については後述する。なお、判断情報は、正常な変化情報の範囲を示す曲線や関数やグラフや、異常である変化情報の範囲を示す曲線や関数やグラフ等であっても良い。また、判断情報は、正常な被検体や異常な被検体の変化情報を示す曲線に対して、予め指定された幅を持たせた情報であっても良い。
判断情報格納部102には、例えば、異なる時間帯と対応づけられた複数の判断情報が格納されていても良い。唾液や涙の分泌量の正常値、あるいは異常値は、時間帯によって異なることから、このように時間帯に対応づけられた判断情報から、判断を行う時間帯に対応した判断情報を取得して、この取得した判断情報を用いて判断を行うことで、変化情報に対して適切な判断を行うことが可能となる。
また、判断情報格納部102には、例えば、判断対象となる体液が、唾液である場合と、涙である場合とについて、それぞれ、異なる判断情報が格納される。
なお、判断情報は、上述したような閾値や、変化情報や、曲線や関数を示す情報であっても良いし、判断処理を行うアルゴリズムに組み込まれた情報であってもよい。判断情報が、アルゴリズムに組み込まれた情報である場合、判断情報格納部102には、判断処理を行うアルゴリズムが格納されていると考えてもよい。
また、図示しない格納部等に、閾値等の判断情報を取得するための算出式等の関数等が格納されており、この関数を用いて後述する判断部103等が取得した判断情報が判断情報格納部102に蓄積されるようにしても良い。例えば、図示しない格納部に、現在の気温、あるいは現在の気温と湿度とを引数として、湿度についての判断情報を算出するための算出式が予め格納されており、この算出式に、現在の気温、または現在の気温と湿度とを入力することで、判断部103等が判断情報を算出し、算出した判断情報を、判断情報格納部102に蓄積するようにしても良い。現在の気温や湿度等はユーザ等が入力してもよいし、診断支援装置1に設けられた図示しない温度計や湿度計から取得するようにしても良い。
判断情報格納部102は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。かかることは、他の格納部についても同様である。
判断部103は、判断情報を用いて、変化情報が正常であるか否かを判断する。変化情報が正常であるということは、例えば、変化情報が示す被検体が正常であることである。変化情報が正常であるということは、例えば、変化情報が示す被検体の唾液または涙の分泌状況が正常であることである。正常であるか否かを判断することは、例えば、異常であるか否かを判断することも含む概念である。
判断部103は、具体的には、センサ101が経時的に検出した情報である変化情報をセンサ101から受け取って、図示しない格納部等に蓄積し、判断情報格納部102から判断情報を読出し、この判断情報を用いて、蓄積した変化情報が正常であるか否かを判断する。図示しない格納部に変化情報を蓄積する際に、判断部103は、例えば、変化情報を構成する複数の分泌量を示す情報に、それぞれ、取得した順番や取得した時刻を示す情報を対応づけて蓄積しても良い。また、変化情報を構成する唾液または涙の分泌量を示す値が、湿度を示す値である場合、判断部103は、この値を湿度の値に変換してから蓄積しても良い。
判断部103は、判断情報を用いて、どのように変化情報が正常であるか否かを判断してもよい。判断部103は、通常、判断情報に対応した判断を行う。
以下、判断部103が行う判断処理について例を挙げて説明する。
(A)判断情報が、分泌量を示す情報が第一の値から第二の値に達するまでの時間の閾値である場合
判断部103は、センサ101が検出した変化情報が示す唾液または涙の分泌量を示す値が、予め指定された第一の値になった時点から予め指定された第二の値になるまでの時間が、判断情報が示す閾値よりも大きいか否かにより、判断情報が正常であるか否かを判断する。例えば、この唾液または涙の分泌量を示す値は、例えば、湿度センサであるセンサ101が検出する湿度を示す値である。
例えば、判断部103は、湿度センサであるセンサ101が検出した変化情報が示す湿度を示す値が、予め指定された第一の値になった時点から、予め指定された第二の値になるまでの時間が、判断情報が示す閾値よりも大きい場合、変化情報が異常であると判断し、閾値より大きくない場合、変化情報が正常であると判断する。例えば、いわゆるドライマウスやドライアイのように、唾液や涙の分泌量が少ない場合、即ち分泌量が異常である場合、湿度の上昇が遅くなるため、正常な場合に比べて第二の値になるまでの時間が遅くなることから、第二の値に達するまでの時間によって、正常であるか否かを判断することが可能となる。
第一の値は、例えば、分泌量の検出が行われる環境下における検出開始時の湿度(例えば相対湿度)の値を0%、検出開始後、湿度の値が一定となった際の湿度の値を100%とした場合の、検出開始時の湿度に対して10%上昇した湿度を示す値とすることが好ましく、第二の値は、検出開始時の湿度に対して90%上昇した湿度を示す値とすることが好ましい。ここでの一定となった際の湿度とは、例えば、誤差程度の変動を有していても良い。ただし、この第一の値、第二の値は一例であり、他の値であってもよい。なお、第二の値は、第一の値よりも大きい値とする。また、この場合の検出開始時の湿度の値や、湿度の値が一定となった際の湿度の値としては、一または複数の実験結果等から取得された値を用いる用にしても良い。なお、この第一の値及び第二の値が示す湿度を示す値は、センサ101が変化情報から取得した相対湿度の値であっても良いし、湿度センサであるセンサ101の出力する値、例えば、電圧の値や、センサ部1011の抵抗値等であっても良い。
なお、この場合、判断部103は、変化情報を構成する予め指定された期間内の複数の湿度を示す値から、湿度を示す値が、第一の値から第二の値まで変化する時間を予測し、この予測した時間を用いて、上記と同様の判断処理、即ち変化情報が正常であるか否かの判断処理を行うようにしてもよい。このように予測をすることで、短時間の検出により唾液または涙の分泌が正常であるか否かを判断することが可能となる。なお、このような予測は、例えば、複数の測定データ等を用いて取得した算出式を用いることで実現可能である。また、このような予測は、例えば、電子体温計等の温度予測の技術を利用することで実現可能である。
(B)判断情報が、変化情報の傾きの閾値である場合
判断部103は、センサ101が検出した変化情報について、予め指定された時点における傾きの値を取得し、取得した傾きの値が、判断情報である閾値よりも大きいか否かを判断する。傾きが判断情報が示す閾値よりも大きい場合、変化情報が正常であると判断し、大きくない場合、変化情報が異常であると判断する。傾きは、例えば、予め指定された時点における値の増加量である。傾きの値は、例えば、予め指定された時点における微分値と考えてもよい。例えば、いわゆるドライマウスやドライアイのように、唾液や涙の分泌量が少ない場合、即ち分泌量が異常である場合、湿度の上昇が遅くなるため、正常な場合に比べて湿度を示す変化情報の傾きの値が小さいなることから、変化情報の傾きによって、正常であるか否かを判断することが可能となる。
例えば、予め指定された時点は、変化情報が一定になるよりも前の時点に設定する。予め指定された時点は、例えば、検出開始から予め指定された時刻が経過した時点、あるいは予め指定された回数の検出が行われた時点であっても良いし、変化情報の値が、予め指定された条件を満たす値となった時点や、その時点から予め指定された時刻が経過した時点あるいは予め指定された回数の検出が行われた時点であっても良い。予め指定あれた条件を満たす値となった時点とは、例えば、センサ101が湿度センサである場合、検出開始時の湿度に対して10%上昇した湿度を示す値となった時点である。この予め指定された時点を示す情報も、変化情報に含まれていても良い。
(C)判断情報が、正常な場合の変化情報と異常な場合の変化情報である場合
判断部103は、センサ101が検出した変化情報と、判断情報が示す正常な場合の変化情報との距離、及びセンサ101が検出した変化情報と、判断情報が示す異常な場合の変化情報との距離をそれぞれ取得し、センサ101が検出した変化情報が、判断情報が示す正常な場合の変化情報と、判断情報が示す異常な場合の変化情報とのいずれに近いかを判断し、正常な場合の変化情報に近ければ、センサ101が検出した変化情報が正常であると判断し、異常な場合の変化情報に近ければ、センサ101が検出した変化情報が異常であると判断する。変化情報間の距離としては、例えば、同じ時点に対応づけられている分泌量を示す情報同士の値の差の絶対値の合計や平均値が利用可能である。
なお、変化情報が、時間帯と対応づけて格納されている場合、判断部103は、例えば、図示しない時計等から現在時刻を取得し、取得した時刻を含む時間帯と対応づけられた判断情報を取得して、この取得した判断情報を用いて、変化情報に対する判断を行う。例えば、唾液や涙については、時間帯によって分泌量が異なることから、このような時間帯毎に対応づけられた判断情報を用いて判断を行うことで、唾液または涙の分泌量が正常であるか否かを、より正確に判断することが可能となる。
判断部103は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。判断部103の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
出力部104は、センサ101が経時的に検出した情報である変化情報に応じた情報を出力する。出力部104は、例えば、変化情報に応じた値として、変化情報そのものを出力しても良い。また、出力部104は、例えば、変化情報に応じた値として、判断部103の判断結果を出力するようにしてもよい。
ここでの出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。例えば、ここでの出力は、正常であることを示す判断結果や、異常であることを示す判断結果に応じたLEDやランプ等の点灯や消灯や点滅や特定色の出力等であってもよいし、変化情報の度合いに応じたLEDやランプ等の点灯や消灯や点滅や特定色の出力等であってもよい。
出力部104は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部104は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
図3は、本実施の形態による診断支援装置1の一例を示す図であり、唾液の分泌量を経時的に検出するセンサを備えた診断支援装置1のセンサ101近傍の構造の一例を示す平面図(図3(a))、側面図(図3(b))、図3(a)のIIIc−IIIc線による断面図(図3(c))、斜視図(図3(d))、及びセンサ101を内部に有する保護部材を口腔内に配置した状態を示す模式図(図3(e))である。ここでは、センサ101が湿度センサである場合について説明する。
診断支援装置1は、センサ101が被検体に直接接触しないようにするための保護部材105を備えている。例えば、唾液の分泌量を経時的に検出するセンサを備えた診断支援装置1においては、図3に示すように、保護部材105は筒状の形状を有している。保護部材105は、中空の容器であり、センサ101は保護部材105内に配置されている。保護部材105の、センサ101が配置されている部分の近傍、好ましくはセンサ部1011の電極1011b及び1011cに対向する位置に、1または2以上の貫通孔1051が設けられている。図3においては、例えば、直径が2mmの5つの貫通孔1051が2mm間隔で十字状に設けられている。この貫通孔1051により、センサ101は、保護部材105の外部の空気と接触可能であり、湿度を検出することが可能となっている。A/D変換器1013は、信号線1016によって、保護部材105の外部の判断部103や出力部104と接続されている。ただし、図示しない近距離無線通信等の無線通信の手段を設けて、無線通信により外部の判断部103や出力部と接続するようにしても良い。保護部材105の材質は問わない。
図3(e)に示すように、保護部材105の貫通孔1051が設けられた部分がふさがれることなく口腔内に位置するよう保護部材105を被検体の口腔に配置して、口腔内の湿度に関する情報の検出が行われる。
このような保護部材105により、センサ101、特にセンサ部1011が被検体に接触しないことで、唾液が直接センサ101に接触しないようにして、口腔内の唾液による湿度を適切に検出することが可能となる。
なお、ここでは、インピーダンス変換器1012やA/D変換器1013を保護部材105内に設けるようにしたが、これらは、保護部材105の外部に設けるようにして、例えば、図示しない信号線等によりセンサ部1011と接続するようにしても良い。
図4は、本実施の形態による診断支援装置1の一例を示す図であり、本実施の形態による涙の分泌量を経時的に検出するセンサを備えた診断支援装置1のセンサ101近傍の構造の一例を示す斜視図(図4(a))、及び、センサ101を内側に有する保護部材を眼を覆うように配置した状態を示す模式図(図4(b))である。ここでは、センサ101が湿度センサである場合について説明する。また、ここでは、保護部材106が、透明な材質、例えば透明なプラスチックである場合を例に挙げて示している。
診断支援装置1は、センサ101が被検体に直接接触しないようにするための保護部材106を備えている。例えば、涙の分泌量を経時的に検出するセンサを備えた診断支援装置1においては、図3に示すように、保護部材106は、アイカップ形状を有しており、センサ101は、アイカップ形状の保護部材106の内側、好ましくは図4に示すように、内側の底部に配置されている。アイカップ形状とは、例えば、眼の周辺に当接可能なカップ状の形状である。アイカップ形状とは、例えば、ゴーグルや、目の洗浄等に用いられるいわゆるアイカップと同様の形状である。ここでは、保護部材106が、透明な材質である場合を例に挙げたが、透明な材質でなくてもよく、保護部材106の材質等は問わない。保護部材106は、眼に密着しやすいよう弾性を有する材質であっても良い。また、保護部材106の開口している部分は、目の周りに当接させやすいよう、弾性を有する材質や、変形可能な材質であることが好ましい。保護部材106は、開口している部分を眼の周辺に押し当てた状態で、密封可能な形状を有するものであることが好ましい。センサ101は、保護部材106の内側の底面に配置されている。A/D変換器1013は、例えば、保護部材106の底面を貫通するよう設けられた信号線1016と接続されている。この信号線1016を介して、センサ101は、保護部材105の外部の判断部103や出力部104と接続されている。ただし、近距離無線通信等の無線通信の手段を設けて、無線通信により外部の判断部103や出力部と接続するようにしても良い。保護部材106の材質は問わない。
図4(b)に示すように、保護部材106の開口している部分を眼の周りに当接することによって保護部材106で眼を覆うことにより、センサ101を保護部材106で覆われた空間内に配置して、眼の近傍の涙による湿度に関する情報の検出が行われる。
このような保護部材106によって、眼の近傍を覆うことで、眼から蒸発する涙の水分により変化する湿度をセンサ101で検出することが可能となる。また、センサ101、特にセンサ部1011が被検体に接触しないことで、涙が直接センサ101に接触しないようにして、眼の湿度を適切に検出することが可能となる。
なお、ここでは、インピーダンス変換器1012やA/D変換器1013を保護部材106の内側に設けるようにしたが、これらは、保護部材106の外部に設けるようにして、例えば、図示しない信号線等によりセンサ部1011と接続するようにしても良い。
なお、本実施の形態においては、上記以外の構造等を有する診断支援装置1を用いるようにしてもよいが、センサ101が被検体に直接接触しないようにするための保護部材を設けるようにすることが好ましい。
次に、診断支援装置1の動作の一例について図5のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、判断情報格納部102に、時間帯毎に対応した複数の判断情報が格納されている場合を例に挙げて説明する。
(ステップS101)センサ101は、唾液または涙の分泌量を示す情報を取得するタイミングであるか否かを判断する。例えば、センサ101は、予め指定された時間が経過した場合に、取得するタイミングであると判断する。取得するタイミングである場合、ステップS102に進み、取得するタイミングでない場合、ステップS101に戻る。
(ステップS102)センサ101は、分泌量に関する情報を検出する。例えば、センサ部1011が検出した電圧等の値を、インピーダンス変換器1012でインピーダンス変換し、変換した値を、A/D変換部1013がデジタルデータに変換する。
(ステップS103)判断部103は、センサ101が検出した分泌量に関する情報を、例えば、図示しない時計等から取得した現在の時刻と対応づけて、図示しない格納部に蓄積する。
(ステップS104)判断部103は、分泌量に関する情報の取得を終了するタイミングであるか否かを判断する。終了するタイミングである場合、ステップS105に進み、終了するタイミングでない場合、ステップS101に戻る。判断部103は、例えば、予め指定された時間が経過した場合に、終了するタイミングであると判断する。また、判断部103は、取得した分泌量に関する情報の値が一定の値となったと判断した場合に、終了するタイミングであると判断する。なお、分泌量に関する情報の取得は、少なくとも2回以上繰り返すようにする。この繰り返しにより取得された分泌量に関する情報が、変化情報である。
(ステップS105)判断部103は、現在の時刻を図示しない時計等から取得する。
(ステップS106)判断部103は、ステップS105で取得した現在の時刻に対応づけられた判断情報を判断情報格納部102から読み出す。
(ステップS107)判断部103は、ステップS106で読み出した判断情報を用いて、ステップS103で蓄積した変化情報が正常であるか否かを判断する。正常である場合、ステップS108に進み、正常でない場合、ステップS109に進む。
(ステップS108)出力部104は、正常であることを示す情報を出力する。そして、処理を終了する。
(ステップS109)出力部104は、異常であることを示す情報を出力する。そして、処理を終了する。
以下、本実施の形態における診断支援装置1について具体例を挙げて説明する。
(具体例1)
ここでは、図3に示したような保護部材105が取り付けられたセンサ101を用いて、口腔内の唾液の分泌量を示す情報を取得する場合の具体例について説明する。
まず、本具体例の診断支援装置1の原理を説明するための、以下のようにして、口腔内を模擬した環境において実験を行った。密封可能な2つの容器、容器A及び容器Bを用意し、容器Aには、1.0mlの水、容器Bには0.5mlの水を注入し、湿度センサであるセンサ101を、水に接触しないように各容器内に配置後、各容器を密封して、センサ101により、各容器内の湿度の経時的な変化を、出力が一定するまで測定した。なお、各容器の容量は80ml、水温は37℃、室温は25℃、測定開始時の相対湿度は40%とした。また、ここでは、センサ101から測定結果として取得する湿度を示す値は、電圧であるとする。
図6は、上記の実験による実験結果の一例を示すグラフである。図6において、縦軸は、センサ101の出力電圧(mV)、横軸は、時間(秒)を示している。線10は、容器Aについての測定結果を示し、線20は、容器Bについての測定結果を示す。
図6に示されているように、容器Bのほうが、出力の増加が遅く、出力が一定になるまでに要する時間が長い。また、それぞれの容器の測定結果における出力電圧が一定になった場合の出力電圧の値を100%、測定開始時の出力電圧の値を0%とした場合、図6に示すように、それぞれの容器における出力電圧が10%になってから、出力電圧が90%になるまでの時間は大きく異なっており、容器Bのほうが容器Aに比べて出力電圧が90%に達する時間が明確に遅くなっている。
つまり、容器内の水分量が少ないと、センサ101が検出する湿度を示す値の増加率等が小さく、湿度を示す値が予め指定された出力に達するまでの時間が短いことがわかる。
このことから、上記の実験に用いた容器を、人間の口腔内を考えた場合、口腔内の水分量、即ち口腔内の唾液の分泌量が少ないと、口腔内の唾液の分泌量が多い場合に比べて、センサ101が検出する湿度を示す値の増加率等が小さく、湿度を示す値が予め指定された出力に達するまでの時間が短いと考えられる。つまり、センサ101が検出する湿度を示す値の経時的な変化から、唾液の分泌量が少ないという口腔内の唾液の分泌の異常を検出することが可能となる。
このため、本具体例の診断支援装置1においては、口腔内の湿度を示す値が、予め指定された第一の値から、予め指定された第二の値(第一の値<第二の値)に達するまでの時間について閾値を判断情報として、センサ101が検出した経時的な口腔内の湿度を示す値(即ち、変化情報)を用いて取得される、口腔内の湿度を示す値が予め指定された第一の値から、予め指定された第二の値(ただし、第一の値<第二の値とする)に達するまでの時間が、この閾値よりも大きい場合は、変化情報が異常であると判断し、閾値よりも大きくなければ、変化情報が正常であると判断するようにした。なお、ここでは、第一の値、及び第二の値を、上述したように、変化情報の湿度を示す値が一定になった場合の湿度を100%、測定開始時の湿度を0%とした場合の湿度で表す場合について説明する。このようにすることで、湿度を示す値が一定になった際の値のばらつき等を考慮して適切な判断を行うことが可能となる。また、ここでは、第一の値を10%、第二の値を90%として判断処理を行う場合を例に挙げて説明するが、これらの値は、他の値であってもよい。ただし、正常であるか異常であるかを精度良く判断するためには、この第一の値は、0から20%程度の範囲内の値、第一の値は80から95%程度の範囲内の値に設定することが好ましい。また、判断情報である時間についての閾値は、口腔内の唾液の分泌量が正常である複数の被検体と、異常である複数の被検体について測定した測定結果を統計処理すること等により得られた値を用いることが好ましい。
また、口腔内の湿度の時間帯毎の変化を調べるために、センサ101を唾液の分泌が正常である一の被検体である人間の口腔内に、口腔内に直接接触しないよう配置して、被検体の口腔内の湿度を示す値を経時的に検出し、この検出した値、即ち、変化情報を用いて、口腔内の湿度が、予め指定された第一の値から、予め指定された第二の値に達するまでの時間を取得した。ここでは、第一の値は10%、第二の値は90%とした。ただし、この値は、上述したように、湿度を示す値が一定になった場合の値を100%とした値であり、相対湿度の値ではない。
図7は、13時に測定した変化情報を示すグラフ(図7(a))、及び異なる時間帯における口腔内の湿度を示す値が、第一の値である10%から、第二の値である90%に達するまでの時間(秒)を示すグラフ(図7(b))である。図7(a)において、縦軸は、湿度を示す値を示し、横軸は時間(秒)を示す。ただし、ここでの縦軸の湿度を示す値は、センサ101の出力する電圧を、相対湿度に換算した値である。なお、この湿度は、上述したような湿度を示す値が一定になった場合の値を100%とした湿度を示す値ではない。
図7からわかるように、時間帯によって、口腔内の湿度を示す値が、第一の値である10%から、第二の値である90%に達するまでの時間が大きく変化する。
このため、本具体例においては、判断情報である閾値を、時間帯毎に設定し、この判断情報を、時間帯を示す情報と対応づけて判断情報格納部102に格納するようにした。なお、時間帯毎の閾値は、例えば、唾液の分泌が正常である複数の被検体及び異常である複数の被検体についてそれぞれ時間帯毎に測定した口腔内の湿度を示す値を用いて得られた値を用いることが好ましい。また、時間帯を示す情報は、例えば、時間帯の開始時刻と終了時刻との組み合わせや、時間帯の開始時刻または終了時刻と、時間帯の長さを示す情報との組み合わせで示される。
図8は、判断情報格納部102に格納されている判断情報を管理する判断情報管理表である。判断情報管理表は、「時間帯」という属性と、「判断情報」という属性とを有している。「時間帯」は時間帯を示す情報であり、ここでは、時間帯の開始時刻と終了時刻とを示している。なお、終了時刻はその時刻の直前までの時刻を示すものとする。「判断情報」は、判断情報であり、ここでは、上述したような時間の閾値であり、単位は秒であるとする。なお、「判断情報」の値であるX1、X2等は、実際の測定結果等を利用して設定された閾値であり、任意の値であるとする。
次に、診断支援装置1を用いて、唾液の分泌に関して正常であるか否かの判断を行う処理を具体的に説明する。
まず、図3(e)に示すように、保護部材105を備えたセンサ101を被検体である人間の口腔内に配置する。例えば、保護部材105の貫通孔1051を塞がないように貫通孔1051が口腔内に位置するように保護部材を105をくちびるで挟んで保持する。
そして、センサ101を用いて経時的に湿度を示す値の検出を開始する。湿度を示す値の検出は、例えば、予め指定された時間毎、例えば、n分の1秒(nは、1以上の値)毎に行われる。例えば、センサ101のセンサ部1011が湿度を示す値として、図2に示したような電極1011b及び1011c間の電圧を検出すると、検出された電圧が、順次、インピーダンス変換器1012でインピーダンス変換され、変換された電圧の値が、A/D変換器1013によりデジタルデータに変換されて順次センサ101から出力される。センサ101から順次出力される湿度を示す値は、判断部103により、測定時刻と対応づけられて、図示しない格納部に蓄積される。ここでの測定時刻は、標準時等の絶対時刻であっても良いし、測定開始から経過時刻のような相対時刻であっても良い。ここでは、測定開始から経過時刻が対応づけて蓄積される。
上記のような測定が複数回繰り返される。そして、ここでは、測定により得られた湿度を示す値が一定となった時点で測定を終了する。例えば、一のタイミングにおける測定により得られた湿度を示す値と、その直前のタイミングにより得られた湿度を示す値との差が、値の変化がほぼ存在しない、あるいは、誤差の範囲であると判断可能な、予め指定された値以下となった時点で測定を終了する。なお、測定開始から、予め指定された時間が経過後に、測定を終了しても良い。この場合の時間は、唾液の分泌に異常を有する被検体であっても充分に、検出される湿度を示す値が一定となるような時間とする。
図9は、判断部103が蓄積したセンサ101により経時的に検出された湿度を示す値である変化情報を管理する変化情報管理表である。変化情報管理表は、「時刻」と「湿度」という属性を有している。「時刻」は、測定時刻である。「湿度」は、センサ101により検出された湿度を示す値であり、例えば、センサ101が検出した湿度を示す電圧の値である。なお、「時刻」のT1,T2等は、予め指定された時間間隔を有する連続した時刻を示す値であるとする。また、「湿度」のV1,V2等は、湿度を示す任意の値であるとする。
次に、判断部103は、図示しない時計等から現在の時刻を取得する。例えば、取得した現在の時刻が、「13時35分」であったとする。判断部103は、この時刻「13時35分」を含む時間帯を示す「時間帯」の値を有するレコード(行)、具体的には、「時間帯」の属性値が「13:00〜15:00」であるレコードを、図8に示した判断情報管理表から検出し、検出したレコードの「判断情報」の値「X3」を取得する。
次に、判断部103は、図9に示した変化情報において、湿度を示す値、即ち「湿度」の値が一定となった時点の「湿度」の値を取得する。取得した値は、例えばVmであったとする。また、測定開始時、即ち「時刻」が「T1」である「湿度」の値「V1」を取得し、このVmの値を湿度100%を示す値とし、V1の値を湿度0%を示す値とした場合における湿度10%、及び湿度90%である場合の湿度を示す値、例えば電圧値を取得する。例えば、湿度10%の時の湿度を示す値をV10%、湿度90%の時の湿度を示す湿度を示す値をV90%とすると、V10%は、例えば、
V10%=V1+{(Vm−V1)×10/100}
で表される式により取得可能である。また、V90%は、例えば、
V90%=V1+{(Vm−V1)×90/100}
で表される式により取得可能である。
次に、判断部103は、図9に示した変化情報管理表において、「時刻」の属性値の中から、V10%を超える属性値であって、値が最も小さい属性値を検索し、検出した「時刻」の値を取得する。検出した「時刻」の値が、ここでは「T10%」であったとする。また、同様に、図9に示した変化情報管理表において、「時刻」の属性値の中から、V90%を超える属性値であって、値が最も小さい属性値を検索し、検出した「時刻」の値を取得する。検出した「時刻」の値が、ここでは「T90%」であったとする。
次に、判断部103は、上記で検出した「T90%」から「T10%」を減算し、減算して得られた値「T90%−T10%」が、上記で取得した判断情報の値「X3」よりも大きいか否かを判断する。つまり、湿度が10%になってから、湿度が90%を超えるまでの時間が、閾値「X3」よりも長いか否かを判断する。ここでは、値「T90%−T10%」が、「X3」よりも大きくなかったとすると、判断部103は、被検体から取得した変化情報が正常であると判断する。
そして、出力部104は、変化情報が正常であることを示す情報を出力する。ここでは、変化情報が正常であることを示す情報として、被検体の唾液の分泌状況が正常であることを示す予め用意されている情報を、図示しないモニタに表示する。
図10は、出力部104による変化情報が正常であることを示す情報の表示例を示す図である。
このようにして、被検体の唾液の分泌状況が正常であることを示すことができる。
ここで、仮に、値「T90%−T10%」が、「X3」よりも大きかったとすると、判断部103は、被検体から取得した変化情報が異常であると判断し、出力部104は、被検体の唾液の分泌状況が異常であることを示す情報を図示しないモニタに表示する。これにより、被検体の唾液の分泌状況が異常であることを示すことができる。
(具体例2)
上記具体例においては、図3に示すような保護部材105が取り付けられたセンサ101を備えた診断支援装置1により唾液の分泌状況を判断する場合について説明したが、この具体例においては、図4に示すような保護部材106が取り付けられたセンサ101を備えた診断支援装置1により、涙の分泌状況を判断する場合について説明する。
この具体例の原理については、上記の具体例と同様であるので、ここでは説明は省略する。なお、判断情報格納部102には、涙の分泌状況を判断するための、湿度を示す値についての閾値が判断情報として予め格納しておくようにする。
まず、図4(b)に示すように、被検体の片眼を覆うように、アイカップ状の保護部材106の開口部を目の周りに軽く押し当てる。これにより、眼の周辺がアイカップ状の保護部材106で密封された状態となり、眼から分泌される涙が蒸散することで変化する湿度を示す値を保護部材106の内側に設けられたセンサ101で測定することが可能となる。
そして、保護部材106を当てた状態で、センサ101による湿度を示す値の経時的な検出を開始する。これにより、上記の具体例と同様に、経時的な湿度を示す値である変化情報を取得することが可能となる。
その後の処理については、上記具体例と同様であるので説明は省略する。
このようにすることで、涙の分泌状況が正常であるか否かを示すことが可能となる。
以上、本実施の形態によれば、センサ101により唾液または涙の分泌量の変化を捉えて、適切に被検体の診断を支援することができる。
また、判断情報を用いて、センサ101が経時的に検出した変化情報を判断することにより、被検体の唾液または涙の分泌状況が正常であるか否かを示すことができる。
なお、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、格納部(例えば、ハードディスクやメモリ等の記録媒体)にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。
なお、上記各実施の形態における診断支援装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、被検体の体液である唾液または涙の分泌量を示す情報を経時的に検出するセンサが経時的に検出した情報である変化情報に応じた情報を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図11は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による診断支援装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図11において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図12は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図12において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による診断支援装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921に記憶されて、CD−ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による診断支援装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。