上述した本発明の実施例について説明する。以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.遊技ホールのネットワーク構成:
B.パチンコ機の構成:
B−1.装置前面側の構成:
B−2.遊技盤の構成:
B−3.制御回路の構成:
B−4.信号の外部出力:
C.データ表示機の構成:
C−1.装置構成:
C−2.表示制御処理:
C−3.表示例
D.ホールコンピュータの構成:
D−1.装置構成:
D−2.管理制御処理:
D−3.表示例
E.パチンコ機の遊技制御処理:
F.変形例:
A.遊技ホールのネットワーク構成 :
図1は、本実施例の遊技ホールのネットワーク構成を示す説明図である。図1に示すように、遊技ホールには複数のパチンコ機1が設置されている。これら複数のパチンコ機1では、遊技球を利用した遊技が行われる。
各パチンコ機1の側方(本実施例では左方)には、遊技者の残金情報を管理するカードユニット60が設けられている。このカードユニット60はパチンコ機1と通信可能に接続されており、パチンコ機1で遊技球の貸し出しを求める貸出操作が行われた場合には、カードユニット60で残金情報が確認され、残金が所定金額以上であればパチンコ機1にて所定数の遊技球を貸し出す処理が実行される。本実施例のカードユニット60は、紙幣の投入を受け付ける紙幣投入口を有しており、この紙幣投入口に紙幣が投入されるとその金額情報を記憶する。そして、この金額情報に基づいて遊技球の貸し出しが行われる。また、カードユニット60は、タッチパネル式の操作パネルと、プリペイドカードの受付および返却を行うカード挿入口とを有しており、操作パネルによって返却操作が行われると、予めストックされたプリペイドカードに残金情報を記録して、カード挿入口からプリペイドカードを返却する。
各パチンコ機1の上方には、パチンコ機1の遊技に関する情報(以下、遊技情報ともいう)を遊技者に対して表示するデータ表示機70が設けられている。データ表示機70は中継装置90を介してパチンコ機1およびカードユニット60と通信可能に接続されており、データ表示機70ではパチンコ機1およびカードユニット60から取得した情報に基づいて遊技情報が表示される。
これらのパチンコ機1や、カードユニット60、データ表示機70などは、中継装置90を介してホールコンピュータ100に接続されており、ホールコンピュータ100によって各種情報の管理や設定の変更などが行われる。また、ホールコンピュータ100では、パチンコ機1およびカードユニット60から取得した情報に基づいて遊技情報が管理され、この管理された情報は遊技ホールの管理者などに対して表示される。
B.パチンコ機の構成 :
B−1.装置前面側の構成 :
図2は、上述したパチンコ機1の正面図である。図2に示すように、パチンコ機1の前面側には、前面枠4が設けられている。前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aには合成樹脂製の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20(図3参照)の遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20のセグメント表示部50(図3参照)を視認可能である。詳しくは後述するが、セグメント表示部50とは、複数のLEDの組合せによって遊技に係る情報を表示する表示部である。
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの周縁部における右部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの周縁部における左部には左サイドランプ5cが設けられている。また、前面枠4の中央に大きく開口した窓部4aの左右上方には上部スピーカー6aが設けられており、本体枠の下部の前面(遊技者から見てパチンコ機1の一番下の位置)には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、パチンコ機1に対応して設けられたカードユニット60の残金情報に基づいて貸し出される遊技球や、パチンコ機1から賞球として払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図5参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニットに伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーター262(図5参照)が回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
前面枠4の背面側には中枠および本体枠が設けられている。前面枠4および中枠は、一端(図2における左側)が本体枠に対して軸支されており、前面枠4は中枠および本体枠に対して前方側に回動可能に支持され、中枠は本体枠に対して前方側に回動可能に支持されている。本体枠は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1はこの本体枠が島設備に取り付けられることで遊技ホールに設置される。中枠の前面側には遊技盤20が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠に対してパチンコ機1前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出された状態となる。
B−2.遊技盤の構成 :
図3は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。図3に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21の周囲には、発射装置ユニット261(図5参照)から発射された遊技球を遊技領域21へ案内する案内通路が、外レール22と内レール23とによって形成されている。発射装置ユニット261から発射された遊技球は、この案内通路を通過して遊技領域21に放出される。
遊技領域21に放出された遊技球は、遊技領域21の上部から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40のほぼ中央には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は液晶表示器を有しており、この液晶表示器の表示画面上には、演出用の種々の画像を表示することが可能である。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である第1始動口24が設けられている。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(図5参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化する入球口(始動口)である第2始動口25が設けられている。第2始動口25は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉26を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(図5参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知することが可能となっている。
また、遊技領域21において中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知するゲートセンサー27s(図5参照)が設けられている。普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過した場合には、普図当り判定が行われる。そして、普図当り判定の結果、普図当りであった場合には、上述した開閉扉26が開放状態となる。
また、遊技領域21における第1始動口24の右方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28(可変入球口)が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図3では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(図5参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。上述した第1始動口24または第2始動口25に遊技球が入球すると大当り判定が行われ、大当り判定の結果が大当りであった場合に、遊技者にとって有利な大当り状態へ移行する。そして、大当り状態に移行すると、大入賞口28が開放状態となる。
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が入球可能な一般入球口(図示省略)や、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイールや多数の障害釘(図示省略)が設けられている。
第1始動口24、第2始動口25、一般入球口の何れかに遊技球が入球した場合は、3個の遊技球が遊技者に払い出され、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、13個の遊技球が遊技者に払い出される。払い出される遊技球が通過する通路には払出検知センサー249(図5参照)が設けられており、払い出された遊技球を検知可能である。
遊技領域21の最下部であって第2始動口25の下方には、アウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、一般入球口の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏面側に排出される。
第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、一般入球口、アウト口33から遊技盤20の裏面側に排出された遊技球は、排出球計数器49(図6参照)にて計数される。排出球計数器49には、10個の遊技球が排出されると1回転する排出機構と、この排出機構が1回転したことを検知するアウト球検知センサーとが設けられており、このアウト球検知センサーによって排出球を10個単位で検知することが可能である。
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図2参照)を通して遊技者に視認される。
セグメント表示部50には、上述した普図当り判定の結果を表示する普図表示部が設けられている。普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過して、その遊技球がゲートセンサー27sによって検知されると、所定の判定乱数(後述する普図当り判定乱数)を取得し、該判定乱数に基づいて普図当りであるか外れであるかを判定する普図当り判定を行う。そして、この普図当り判定の結果に基づいて、普図表示部にて識別情報である普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる。本実施例のパチンコ機1では、普図表示部には2個のLEDが配置されており、普通図柄は、これら2個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、2個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。また、普通図柄として、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた普図当り図柄と、右のLEDを点灯させた普図外れ図柄との2種類の図柄を停止表示可能である。普図当り判定の結果が普図当りである場合は普通図柄が普図当り図柄で停止表示され、普図当り判定の結果が普図外れである場合は普通図柄が普図外れ図柄で停止表示される。こうして普通図柄を普通当り図柄または普通外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(確定表示)を行う。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が開放状態となった後に閉鎖状態となる普図当り状態が設定される。
こうして普図当り状態が設定されると、前述した開閉扉26が開放状態となり、第2始動口25への入球が可能となる(または入球しやすくなる)。また、本実施例のパチンコ機1では、第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態と、第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態とのうち何れか一方が選択的に設定可能となっている。第2始動口25への遊技球の入球頻度を異ならせる方法としては、普通図柄の変動時間を異ならせる方法、普図当り判定における当選確率を異ならせる方法、普図当りとなった場合に開放状態とする開放時間を異ならせる方法、および普図当りとなった場合に開放状態とする回数を異ならせる方法のうち、何れか1つの方法または複数の方法の組み合わせを採用することができる。
セグメント表示部50には、普通図柄作動ゲート27への遊技球の通過に伴って取得された判定乱数(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示部が設けられている。普図当り判定や変動表示は、判定乱数の取得後(遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過後)に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を普図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した普図保留に基づいて普図当り判定や普通図柄の変動表示を行う。このような普図保留は4個を上限として記憶される。こうして記憶された普図保留の数(普図保留数)が、普図保留表示部に表示される。例えば、普図保留表示部には2個のLEDが配置されており、この普図保留表示部では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで普図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで普図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで普図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで普図保留数が4個であることを示す。尚、本実施例のパチンコ機1では、普図保留が記憶されている場合において、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中、普図当り状態中の何れでもなければ、最先に記憶された普図保留に係る普図当り判定および普通図柄の変動表示を行う。
セグメント表示部50には、第1始動口24への入球に伴って実行された大当り判定の結果を表示する第1特図表示部が設けられている。第1始動口24に遊技球が入球して、第1始動口センサー24sによって検知されると、所定の判定乱数(後述する大当り判定乱数、変動パターン選択乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、第1特図表示部に識別情報としての第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)を変動表示させた後に、大当り判定の結果に応じた第1特図を停止表示させる。第1特図の変動表示については、後述の「特別図柄の変動表示」で詳しく説明する。
セグメント表示部50には、第1始動口24への遊技球の入球に伴って取得された判定乱数(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示部が設けられている。第1始動口24に遊技球が入球すると、上述したように大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示は、遊技球が第1始動口24に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第1特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第1特図保留に基づいて大当り判定や第1特図の変動表示を行う。このような第1特図保留は4個を上限として記憶される。こうして記憶された第1特図保留の数(第1特図保留数)が、第1特図保留表示部に表示される。例えば、第1特図保留表示部には2個のLEDが配置されており、この第1特図保留表示部では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第1特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第1特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第1特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第1特図保留数が4個であることを示す。
セグメント表示部50には、第2始動口25への入球に伴って実行された大当り判定の結果を表示する第2特図表示部が設けられている。第2始動口25に遊技球が入球して、第2始動口センサー25sによって検知されると、所定の判定乱数(後述する大当り判定乱数、変動パターン選択乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、第2特図表示部に識別情報としての第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)を変動表示させた後に、大当り判定の結果に応じた第2特図を停止表示させる。第2特図の変動表示については、後述の「特別図柄の変動表示」で詳しく説明する。
セグメント表示部50には、第2始動口25への遊技球の入球に伴って取得された判定乱数(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示部が設けられている。第2始動口25に遊技球が入球すると、上述したように大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示は、遊技球が第2始動口25に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第2特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第2特図保留に基づいて大当り判定や第2特図の変動表示を行う。このような第2特図保留は4個を上限として記憶される。こうして記憶された第2特図保留の数(第2特図保留数)が、第2特図保留表示部に表示される。例えば、第2特図保留表示部には2個のLEDが配置されており、この第2特図保留表示部では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第2特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第2特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第2特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第2特図保留数が4個であることを示す。
<特別図柄の変動表示>
上述したように、第1始動口24に遊技球が入球すると、第1特図表示部で第1特図が変動表示され、第2始動口25に遊技球が入球すると、第2特図表示部で第2特図が変動表示される。第1特図表示部および第2特図表示部には、それぞれ8個のLEDが配置されている。第1特図および第2特図(以下、これらを特に区別をしない場合は、まとめて「特別図柄」という)は、それぞれの表示部において、8個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示される。
特別図柄の変動パターンは、予め記憶された変動パターン選択テーブルを参照して選択される。ここで、変動パターンとは、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)である。
特別図柄の変動表示が開始されてから、選択された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、8個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで、特別図柄が停止表示される。第1特図としては、大当り図柄1〜100、外れ図柄101の101種類の図柄を停止表示可能であり、第2特図としては、大当り図柄201〜300、外れ図柄301の101種類の図柄を停止表示可能である。また、これらの図柄の種類は、点灯するLEDの組合せの相違によって識別可能である。遊技球が第1始動口24に入球することに基づく大当り判定(以下「第1特図についての大当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第1特図が大当り図柄1〜100の何れかで停止表示され、第1特図についての大当り判定の結果が外れである場合は、第1特図が外れ図柄101で停止表示される。また、遊技球が第2始動口25に入球することに基づく大当り判定(以下「第2特図についての大当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第2特図が大当り図柄201〜300の何れかで停止表示され、第2特図についての大当り判定の結果が外れである場合は第2特図が外れ図柄301で停止表示される。こうして特別図柄(第1特図または第2特図)を大当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。以下では、特別図柄が変動表示を開始してから、所定の変動時間の経過によって当該変動表示が終了して、特別図柄が大当り図柄または外れ図柄で確定表示されるまでの遊技、すなわち1回の変動表示の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」と表現する。
尚、本実施例のパチンコ機1では、何れかの特別図柄の変動表示中や、何れかの特別図柄の確定表示中、大当り状態中は、第1特図保留や第2特図保留が記憶されていても、これらの保留に係る図柄変動遊技は行わない。また、第1特図保留および第2特図保留のうち第1特図保留のみが記憶されている場合は、最先に記憶された第1特図保留に係る図柄変動遊技を行うが、第2特図保留が記憶されている場合は第1特図保留が記憶されているか否かに拘わらず、最先に記憶された第2特図保留に係る図柄変動遊技を行う。すなわち、第2特図を第1特図に優先して変動表示させる(いわゆる第2特図の優先変動機能を有する)。
第1特図または第2特図が何れかの大当り図柄で停止表示(確定表示)されると、大入賞口28が開放状態となるラウンド遊技が複数回行われる大当り状態に移行する。尚、大当り状態が本発明の「特定状態」に相当する。
セグメント表示部50には、大当り状態の種類を表示するラウンド表示部が設けられている。本実施例のパチンコ機1では、遊技者にとっての有利度合いが互いに異なる複数種類の大当り状態が実行可能となっており、大当り状態中は、実行中の大当り状態の種類がラウンド表示部に表示される。本実施例のパチンコ機1では、複数種類の大当り状態として、ラウンド遊技の実行回数が異なる複数種類の大当り状態が実行可能となっており、その一例として、4回のラウンド遊技が行われる4ラウンド大当り状態、8回のラウンド遊技が行われる8ラウンド大当り状態、および16回のラウンド遊技が行われる16ラウンド大当り状態の3種類の大当り状態が実行可能となっている。そして、ラウンド表示部には3個のLEDが配置されており、このラウンド表示部では、3個のLEDのうち左のLEDを点灯することで4ラウンド大当り状態中であることを示し、中のLEDを点灯することで8ラウンド大当り状態中であることを示し、右のLEDを点灯することで16ラウンド大当り状態中であることを示す。
また、本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類によって、実行される大当り状態の種類、すなわち1回の大当り状態で実行されるラウンド遊技の回数が異なる。例えば、第1特図が大当り図柄1〜50で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、4ラウンド大当り状態に移行し、第1特図が大当り図柄51〜90で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)、8ラウンド大当り状態に移行し、第1特図が大当り図柄91〜100で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は10%の確率で)、16ラウンド大当り状態に移行する。また、第2特図が大当り図柄201〜225で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は25%の確率で)4ラウンド大当り状態に移行し、第2特図が大当り図柄226〜250で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は25%の確率で)8ラウンド大当り状態に移行し、第2特図が大当り図柄251〜300で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)16ラウンド大当り状態に移行する。
本実施例のパチンコ機1において、1回のラウンド遊技は、9個の遊技球が入球した場合(9カウント)または30秒が経過した場合に終了するので、ほとんどの場合において1回のラウンド遊技では117個(9カウント×払出球数13個)の遊技球が払い出される。従って、当然ながら、ラウンド遊技回数の多い大当り状態の方が、ラウンド遊技回数が少ない大当り状態よりも遊技者に多くの遊技球が払い出されることとなる。このため、ラウンド遊技回数の比較的多い大当り状態が設定されることを遊技者に期待させることができる。
大当り状態が終了すると、遊技状態の設定が行われる。ここでは、上述した電サポ状態が設定される。これにより、第2始動口25への遊技球の入球頻度が高まる。また、本実施例のパチンコ機1では、「大当り判定において大当りと判定される確率が低い(299.9分の1の確率である)低確率状態」および「大当り判定において大当りと判定される確率が高い(60.0分の1の確率である)高確率状態」のうち何れか一方が設定可能とされており、最初は低確率状態が設定されているが、大当り状態の終了に伴って、高確率状態が設定される。すなわち、大当り状態が終了すると、高確率状態と電サポ状態とが設定される。高確率状態と電サポ状態とが設定されるとき、これらの遊技状態が設定された状態で実行可能な図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)の回数(以下「高確回数」という)が90回に設定される。その後、図柄変動遊技が実行されるごとに高確回数が1ずつ減算され、0になると低確率状態と非電サポ状態とが設定される。また、高確率状態と電サポ状態とが設定された状態で大当りと判定された場合においても、大当り状態終了後に高確回数が90回に再設定される。尚、低確率状態と非電サポ状態とが設定された状態を、以下では通常遊技状態ともいう。
遊技の進行態様としては、本実施例のパチンコ機1では、最初に非電サポ状態から開始される。すなわち、第2始動口25への入球頻度が低い状態から開始されるので、まずは第1始動口24へ入球させるように遊技が行われる。遊技者は、発射ハンドル9の回転角度を調整することで遊技球の発射強度を調整することができ、中央装置40の左右に打ち分けることができる。第1始動口24は中央装置40の左側の遊技領域21に放出された遊技球が入球可能となっているため、非電サポ状態では、左側の遊技領域21に遊技球を放出させる左打ちが行われる。第1始動口24に遊技球が入球して大当り判定が行われ、その結果、大当りになると、大当り状態へ移行する。大当り状態へ移行すると大入賞口28が開放状態となる。大入賞口28は、中央装置40の右側の遊技領域21に放出された遊技球が入球可能となっているため、大当り状態では、右側の遊技領域21に遊技球を放出させる右打ちが行われる。大当り状態が終了すると、高確率状態と電サポ状態とが設定される。電サポ状態では、第2始動口25への入球頻度が高くなるので、第2始動口25および該第2始動口25を開放状態とするための普通図柄作動ゲート27へ入球させるように遊技が行われる。第2始動口25および普通図柄作動ゲート27はともに、右側の遊技領域21に放出された遊技球が入球可能となっているため、電サポ状態では右打ちが行われる。そして、電サポ状態が終了すると、非電サポ状態となるので左打ちに戻される。
<演出表示装置41の表示内容>
本実施例のパチンコ機1では、上述したような遊技の進行に合わせて、演出表示装置41に種々の画像を表示する演出を行う。例えば、演出表示装置41では、第1特図または第2特図の変動表示(図柄変動遊技)に合わせた各種の演出(以下「図柄変動演出」という)が行われる。すなわち、第1特図表示部または第2特図表示部にて特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示(図柄変動遊技)の開始タイミングと同期して、演出表示装置41においても3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を一斉に開始し、その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了タイミング(特別図柄の停止表示)と同期して3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を終了する。本実施例のパチンコ機1では、識別図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄を表示可能である。
図4(a)には、3つの識別図柄41a,41b,41cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄41aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、右識別図柄41cが停止表示され、最後に中識別図柄41bが停止表示される。これら演出表示装置41で停止表示される3つの識別図柄41a,41b,41cの組合せは、前述した第1特図表示部または第2特図表示部で停止表示される特別図柄(第1特図または第2特図)と対応するように構成されている。例えば、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は、演出表示装置41の3つの識別図柄41a,41b,41cが同じ図柄となる図柄組合せ(以下「ゾロ目」ともいう)で停止表示される。また、第1特図または第2特図が「外れ図柄」で停止表示される場合は、3つの識別図柄41a,41b,41cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(以下「バラケ目」ともいう)で停止表示される。尚、停止表示された識別図柄41a、41b、41cは、特別図柄の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる(確定表示される)。
このように、第1特図表示部または第2特図表示部で表示される特別図柄と、演出表示装置41で表示される3つの識別図柄41a,41b,41cとは、表示内容が互いに対応しており、変動表示中の特別図柄が停止表示する際には、3つの識別図柄41a,41b,41cも停止表示するようになっている。しかも、図3に示すように、演出表示装置41は、第1特図表示部または第2特図表示部(セグメント表示部50)よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置41の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、図4(b)に示すように、演出表示装置41の表示画面上で初めに停止表示される左識別図柄41aと、続いて停止表示される右識別図柄41cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄41bも同じ図柄で停止して、「大当り状態に移行するのではないか」と、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように、2つの識別図柄を同じ図柄(ゾロ目となり得る態様)で停止させて最後の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。
また、演出表示装置41の表示画面上の下部には、第1特図保留数を示すための第1保留表示領域41dと、第2特図保留数を示すための第2保留表示領域41eとが設定されている。本実施例のパチンコ機1では、第1保留表示領域41dに第1特図保留数と同数の「保留図柄(図中、小さい円形の図柄)」を表示することで第1特図保留数を示し、第2保留表示領域41eに第2特図保留数と同数の「保留図柄」を表示することで第2特図保留数を示す。従って、図4に示す例では、第1特図保留数および第2特図保留数が共に4個であることが示されている。尚、当然ながら、演出表示装置41の表示画面上に表示された保留図柄によって示される保留数と、セグメント表示部50の第1特図保留表示部および第2特図保留表示部にて示される保留数とは一致する。
B−3.制御回路の構成 :
図5は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(CPU201、221、241等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(ROM202、222、242等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(203、223、243等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、普通図柄作動ゲートを通過する遊技球を検知するゲートセンサー27s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、ゲートセンサー27s、大入賞口センサー28sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて出力する。また、主制御基板200は、中継装置90を介して、データ表示機70やホールコンピュータ100と接続されており、中継装置90を介して、データ表示機70やホールコンピュータ100に遊技に関する情報を出力する。データ表示機70やホールコンピュータ100に向けて出力する情報については、後ほど詳しく説明する。
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた開閉扉26に開閉動作を行わせるための(第2始動口25を開放状態、閉鎖状態にするための)始動口ソレノイド26mや、大入賞口28に設けられた開閉扉29に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大入賞口ソレノイド29mなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対しては、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信し、ランプ制御基板226に対しては、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信することによって、遊技の演出を行う。
払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
また、払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン245(図2では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット60、遊技球を払い出す払出装置247などが接続されている。球貸ボタン245が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット60に伝達される。カードユニット60は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出装置247の払出モーター248を駆動して遊技球の貸し出しを行う。
さらに、払出制御基板240には主制御基板200が接続されており、主制御基板200のCPU201が、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、ゲートセンサー27s、大入賞口センサー28sなどから遊技球の検知信号を受信すると、払出制御基板240に対して遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが出力される。払出制御基板240は、この払出コマンドを受信すると、遊技球を払い出すための制御を行う。
例えば、主制御基板200から出力される払出コマンドには、払い出す遊技球の数を示す情報が含まれており、この払出コマンドを受信した払出制御基板240は、その払出コマンドに基づいて払い出す遊技球の数を特定し、RAM243の残払出数カウンタに加算して記憶する。そして、払出装置247の払出モーター248を駆動して遊技球の払い出しを行わせる。払出装置247には、払い出した遊技球を検知する払出検知センサー249が設けられており、払い出された遊技球を検知するごとに、検知信号が払出制御基板240に出力される。払出制御基板240は、この検知信号を受信するごとに、上記残払出数カウンタの値から1を減算して、残払出数カウンタの値が0になると、払出モーター248の駆動を停止する。このようにして、入球に応じた遊技球の払い出しが行われる。
また、払出制御基板240は、所定数(本実施例では10)の遊技球を払い出すごとに、主制御基板200に向けて払出信号を出力する。例えば、払出制御基板240は、払出検知センサー249からの検知信号を受信するごとに、RAM243の端数カウンタの値に1を加算する。そして、端数カウンタの値が所定数(本実施例では10)になると0にクリアするとともに、主制御基板200に向けて払出信号を1パルス出力する。主制御基板200は、この払出信号を受信すると、所定のタイミングで、データ表示機70やホールコンピュータ100に向けて出力する。
尚、遊技球が本発明の「遊技価値」に相当し、遊技球を払い出す払出装置が本発明の「遊技価値付与手段」に相当し、外部の装置に向けて払出信号を出力する機能を実現している主制御基板200が本発明の「遊技価値信号出力手段」に相当する。
B−4.信号の外部出力 :
本実施例のパチンコ機1では、上述したように、主に遊技に関する情報をパチンコ機1の外部で管理などができるように、遊技に関する情報などがパチンコ機1の外部に出力される。図6は、パチンコ機1および上述した排出球計数器49から遊技に関する情報を含む信号が出力され、これらの信号が中継装置90を経由してデータ表示機70またはホールコンピュータ100に出力される様子を概念的に示した説明図である。ここで、パチンコ機1および排出球計数器49から外部に出力される信号について説明する。
まず、パチンコ機1から出力される信号について説明する。上述した第1始動口センサー24によって遊技球が検知された場合には、第1始動口に遊技球が入球したことを示す第1入球信号が出力される。第1入球信号は、第1始動口センサー24によって遊技球が検知される毎に、第1入球信号用端子から1パルス出力される。パチンコ機1外部の装置では、この第1入球信号を受信することによって、第1始動口24に遊技球が入球したことを把握することができる。
上述した第2始動口センサー25によって遊技球が検知された場合には、第2始動口に遊技球が入球したことを示す第2入球信号が出力される。第2入球信号は、第2始動口センサー25によって遊技球が検知される毎に、第2入球信号用端子から1パルス出力される。パチンコ機1外部の装置では、この第2入球信号を受信することによって、第2始動口25に遊技球が入球したことを把握することができる。
前述した払出検知センサー249によって所定数(本実施例では10個)の遊技球が検知された場合には、払出制御基板240から主制御基板200に払出信号が1パルス出力される。主制御基板200はこの払出信号を受信する毎に、払出信号用端子からパチンコ機1の外部に払出信号を1パルス出力する。パチンコ機1外部の装置では、払出信号を受信することによってパチンコ機1から賞球として払い出された遊技球の数を上記所定数(本実施例では10個)単位で把握することができる。
上述した特別図柄の確定表示が終了した場合に、図柄変動遊技が終了したことを示す図柄確定信号が出力される。図柄確定信号は、図柄変動遊技が終了(特別図柄の確定表示が終了)する毎に図柄確定信号用端子から1パルス出力される。パチンコ機1外部の装置では、この図柄確定信号を受信することによって図柄変動遊技が終了したことを把握することができる。
前述した大当り状態中では、大当り状態であることを示す大当り信号が出力される。従って、大当り信号を外部に出力する機能を実現している主制御基板200が本発明の「特定信号出力手段」に相当する。大当り信号は、大当り信号用端子から出力されて、大当り状態ではHIレベルとなり、非大当り状態(大当り状態以外の遊技状態)ではLOWレベルとなる。すなわち、大当り信号の出力を開始するとは、大当り信号の出力状態をLOWレベルからHIレベルに切り替えることを意味し、大当り信号の出力を停止するとは、大当り信号の出力状態をHIレベルからLOWレベルに切り替えることを意味する。また、大当り信号の出力中とは、大当り信号がHIレベルで出力されている状態を意味し、大当り信号の非出力中とは、大当り信号がLOWレベルで出力されている状態を意味する。パチンコ機1外部の装置では、この大当り信号を受信することによって大当り状態であるか否かを判定することができる。
上述した高確率状態においては、高確率状態であることを示す確変信号が出力される。確変信号は、確変信号用端子から出力されて、高確率状態中ではHIレベルとなり、高確率状態以外の遊技状態中(低確率状態および大当たり遊技中)ではLOWレベルとなる。すなわち、確変信号の出力を開始するとは、確変信号の出力状態をLOWレベルからHIレベルに切り替えることを意味し、確変信号の出力を停止するとは、確変信号の出力状態をHIレベルからLOWレベルに切り替えることを意味する。また、確変信号の出力中とは、確変信号がHIレベルで出力されている状態を意味し、確変信号の非出力中とは、確変信号がLOWレベルで出力されている状態を意味する。パチンコ機1外部の装置では、この確変信号を入力することによって高確率状態であるか否かを判定することができる。尚、本実施例では電サポ状態が高確率状態と常に同時に発生するため、確変信号を受信することによって電サポ状態であるか否かについても判定することができる。
続いて、排出球計数器49から出力される信号について説明する。排出球計数器49では、排出検知センサーによって排出機構の回転が検知された場合に、所定数(本実施例では10個)の遊技球が排出されたことを示す打込信号が出力される。打込信号は、排出検知センサーによって排出機構の回転が検知される毎に1パルス出力される。パチンコ機1外部の装置では、この打込信号を受信することによって排出された遊技球の数を所定数(本実施例では10個)単位で把握することができる。
データ表示機70またはホールコンピュータ100は、これらの信号を受信することによって、パチンコ機1の遊技情報を表示させることが可能となっている。
C.データ表示機の構成 :
C−1.装置構成 :
図7は、上述したデータ表示機70の正面図である。図7に示すように、データ表示機70の略中央には液晶表示部71が設けられている。液晶表示部71では、パチンコ機1での遊技に関する各種情報が表示される。液晶表示部71の周囲には、左右上方に亘って、パチンコ機1の遊技状態などを示すランプ72が設けられている。液晶表示部71の下方には、遊技ホールの従業員を呼び出すための呼出ボタン73が設けられている。また、呼出ボタン73の右方には、液晶表示部71の表示内容を切り替えるための操作ボタン74が設けられている。
図8は、本実施例のデータ表示機70における制御回路の構成を示したブロック図である。図8に示すように、データ表示機70の制御回路には、各種制御を行う制御基板80が設けられている。この制御基板80には、各種論理演算および算出演算を実行するCPU81や、CPU81で実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM82、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM83などが搭載されている。
データ表示機70の制御回路には、信号の入出力を行う入出力ポート84が設けられている。入出力ポート84は上述した中継装置90と接続されており、制御基板80は、入出力ポート84を介してパチンコ機1から出力される第1入球信号、第2入球信号、払出信号、図柄確定信号、大当り信号、確変信号、および排出球計数器49から出力される打込信号(以下、これらの信号の一部または全部をまとめて「遊技信号」ともいう)を受信することが可能となっている。制御基板80は遊技信号を受信することによってパチンコ機1での遊技情報を特定することができる。
制御基板80には、上述した液晶表示部71およびランプ72が接続されている。制御基板80では、パチンコ機1の遊技情報を液晶表示部71に表示させる制御や、ランプ72の点灯態様をパチンコ機1の遊技状態に応じて変更させる制御が行われる。また、制御基板80には、呼出ボタン73が接続されている。この呼出ボタン73が操作されると、遊技ホールの従業員のインカムに呼出信号を出力するとともに、ランプ72を赤色に点灯させる制御が行われる。更に、制御基板80には操作ボタン74が接続されており、制御基板80は、操作ボタン74の操作に応じて液晶表示部71の表示内容を変更させる制御を行う。
C−2.表示制御処理 :
データ表示機70では、CPU81において液晶表示部71の表示内容およびランプ72の点灯態様を制御する表示制御処理が実行される。図9は、この表示制御処理のフローチャートである。
<表示側第1入球信号対応処理>
表示制御処理では、図9に示すように、先ず表示側第1入球信号対応処理(S1100)が実行される。表示側第1入球信号対応処理(S1100)では、第1入球信号を受信すると、第1特図保留数を示すRAM83の表示側第1特図保留数カウンタに1を加算する。また、表示側第1特図保留数カウンタの値は、第1特図に係る図柄変動遊技が実行されると1が減算される。上述したように、本実施例のパチンコ機1は第2特図の優先変動機能を有しているため、表示側第1特図保留数カウンタの値は、第2特図保留数を示すRAM83の表示側第2特図保留数カウンタの値が0の状態で図柄確定信号を受信した場合に、第1特図に係る図柄変動遊技が実行されたと判定して1が減算される。このようにして、データ表示機70ではパチンコ機1における第1特図保留の数が管理される。
<表示側第2入球信号対応処理>
続いて、表示制御処理では、表示側第2入球信号対応処理(S1200)が実行される。表示側第2入球信号対応処理(S1200)では、第2入球信号を受信すると、上述した表示側第2特図保留数カウンタの値に1を加算する。また、表示側第2特図保留数カウンタの値は、第2特図に係る図柄変動遊技が実行されると1が減算される。従って、表示側第2特図保留数カウンタの値は、1以上の状態で図柄確定信号を受信した場合に、第2特図に係る図柄変動遊技が実行されたと判定して1が減算される。このようにして、データ表示機70ではパチンコ機1における第2特図保留の数が管理される。
<表示側払出信号対応処理>
続いて、表示制御処理では、表示側払出信号対応処理(S1300)が実行される。表示側払出信号対応処理(S1300)では、払出信号の受信に基づいて、パチンコ機1から払い出された遊技球の数が特定される。本実施例では、所定数の遊技球が払い出されるごとに1パルスの払出信号が出力されるので、払出信号の受信回数にこの所定数(本実施例では10個)を乗じることによって、パチンコ機1で払い出された遊技球の数が特定される。また、払い出された遊技球の数のうち、大当り状態中に払い出された遊技球の数は区別して特定される。大当り状態中に払い出された遊技球の数の特定方法としては、大当り状態中であることを示すRAM83の表示側大当り中フラグが1に設定されている状態で受信された払出信号の受信回数に上記所定数を乗じることで特定する方法などがある。このように特定された大当り状態中の払出球数が上記液晶表示部71に表示される。
<表示側図柄確定信号対応処理>
続いて、表示制御処理では、表示側図柄確定信号対応処理(S1400)が実行される。表示側図柄確定信号対応処理(S1400)では、図柄確定信号の受信状況に基づいて、図柄変動遊技が実行された回数が更新される。上述したように、図柄確定信号は、図柄変動遊技が終了したことを示すので、図柄確定信号の受信回数に基づいて、図柄変動遊技が実行された回数を認識することができる。本実施例では、直近の大当り状態が終了してからの図柄変動遊技の実行回数が計数され、液晶表示部71に表示される。
<表示側大当り信号対応処理>
続いて、表示制御処理では、表示側大当り信号対応処理(S1500)が実行される。表示側大当り信号対応処理(S1500)では、大当り信号の受信状況に基づいて、大当り状態中であるか否かの判定がされる。また、その判定結果に基づいて、大当り状態の発生回数や、大当り状態中の払出球数などが特定され、液晶表示部71に表示される。この表示側大当り信号対応処理について、詳しくは後述する。
<表示側確変信号対応処理>
続いて、表示制御処理では、表示側確変信号対応処理(S1600)が実行される。表示側確変信号対応処理(S1600)では、確変信号の受信状況に基づいて、高確率状態中であるか否かの判定が行われる。上述したように、確変信号は、高確率状態中にHIレベルとなり、高確率状態以外の遊技状態中(低確率状態および大当たり遊技中)にLOWレベルとなるため、HIレベルとなっている状態では高確率状態と判定し、LOWレベルとなっている状態では低確率状態と判定する。これによって、液晶表示部71の表示内容を高確率状態に応じた表示内容とすることができる。また、高確率状態と低確率状態(通常遊技状態)とを識別することが可能となるため、低確率状態(通常遊技状態)での大当り判定で当選した回数(初当りの発生回数)が計数され、液晶表示部71に表示される。
<表示側打込信号対応処理>
続いて、表示制御処理では、表示側打込信号対応処理(S1700)が実行される。表示側打込信号対応処理(S1700)では、打込信号の受信状況に基づいて、遊技盤20から排出された遊技球の数、すなわち、発射装置ユニット261から発射された遊技球の数が特定される。上述したように、打込信号は、所定数(10個)の遊技球が遊技盤20から排出される毎に1パルス出力されるため、打込信号の受信回数に上記所定数を乗じることで排出された遊技球の数(発射された遊技球の数)を特定することができる。
<表示側入力操作対応処理>
続いて、表示制御処理では、表示側入力操作対応処理(S1800)が実行される。表示側入力操作対応処理(S1800)では、データ表示機70に設けられた各種ボタン(呼出ボタン73、操作ボタン74)が操作された場合に、その操作に応じた処理が実行される。例えば、呼出ボタン73が操作された場合には、上述したように、遊技ホールの従業員を呼び出す信号を外部に出力するとともに、ランプ72を赤色に点灯させる制御が行われる。また、操作ボタン74が操作された場合には、液晶表示部71の表示内容を変更させる制御が行われる。
<表示側大当り信号対応処理>
上述した表示側大当り信号対応処理(S1500)では、パチンコ機1から受信した大当り信号に基づいて大当り状態中であるか否かを判定する処理が実行される。図10および図11は、この表示側大当り信号対応処理(S1500)を示すフローチャートである。図10および図11に示す例では、まずパチンコ機1が大当り状態に移行したか否かを判定するために、受信中の大当り信号がLOWレベルからHIレベルに切り替わったか否かを判定する(S1501)。LOWレベルからHIレベルに切り替わった場合には(S1501:yes)、今回の切り替わりがノイズの発生などによる一時的な切り替わりであるか否かを判定するために、RAM83の表示側ノイズ用タイマーが作動中であるか否かを判定する。
ここで、表示側ノイズ用タイマーとは、受信中の大当り信号がHIレベルからLOWレベルに切り替わった場合に、大当り状態の終了によるものなのか、あるいはノイズの発生などによって一時的に切り替わったものなのかを判定するためのタイマーである。大当り状態中であっても、ノイズの発生などによって一時的にLOWレベルに切り替わってしまうことがある。但し、こうした場合にはすぐにHIレベルに戻るため、短時間でHIレベルに復帰した場合には、大当り状態が継続しているものと判定することができる。そこで、本実施例では、CPU81は、受信中の大当り信号がHIレベルからLOWレベルに切り替わった場合に計時を開始し、所定の表示側規定保留時間Thh(本実施例では、3秒)が経過する前にHIレベルに戻った場合には大当り状態が継続していると判定する。一方、LOWレベルのまま表示側規定保留時間Thhが経過した場合には大当り状態が終了したと判定する。すなわち、表示側ノイズ用タイマーの作動中は、受信中の大当り信号はHIレベルからLOWレベルに切り替わって、大当り状態が終了したか否かを判定している期間中(以下、大当り状態終了判定中)であることを意味している。
表示側ノイズ用タイマーは初期設定では停止しており、表示側ノイズ用タイマーが停止している場合には(S1502:no)、大当り状態中であることを示すRAM83の表示側大当り中フラグを1に設定する(S1503)。その後、大当り状態の発生回数を示すRAM83の大当り回数カウンタに1を加算して、液晶表示部71に表示される大当り状態の発生回数を更新する(S1504)。その後、図10および図11の表示側大当り信号対応処理(S1500)を終了する。
受信中の大当り信号がLOWレベルからHIレベルに切り替わっていなかった場合には(S1501:no)、大当り状態が終了したか否かを判定する。図11に示す例では、大当り状態が終了したか否かを判定するために、HIレベルからLOWレベルに切り替わったか否かを判定する(図11のS1506)。そして、HIレベルからLOWレベルに切り替わった場合には(S1506:yes)、ノイズの発生などによる一時的な切り替わりであるか否かを判定するために、上述した表示側ノイズ用タイマーを初期値にリセットしてから作動を開始する(S1507)。その後、図10および図11の表示側大当り信号対応処理(S1500)を終了する。
これに対して、受信中の大当り信号がLOWレベルからHIレベルに切り替わっておらず(S1501:no)、受信中の大当り信号がHIレベルからLOWレベルにも切り替わっていない場合には(S1506:no)、大当り状態の終了判定中であるか否かを判定するために、表示側ノイズ用タイマーが作動中であるか否かを判定する(S1508)その結果、表示側ノイズ用タイマーが作動中である場合には(S1508:yes)、表示側規定保留時間Thhが経過したか否かを判定する(S1509)。そして、表示側規定保留時間Thhが経過した場合には(S1509:yes)、大当り状態が終了したと判定し、表示側ノイズ用タイマーの作動を停止して(S1510)、表示側大当り中フラグを0に設定する(S1511)。その後、図10および図11の表示側大当り信号対応処理(S1500)を終了する。これに対し、表示側規定保留時間Thhが経過していない場合には(S1509:no)、そのまま図10および図11の表示側大当り信号対応処理(S1500)を終了する。
すなわち、表示側規定保留時間Thhが経過する前に、受信中の大当り信号がLOWレベルからHIレベルに復帰した場合には(S1501:yesかつS1502:yes)、ノイズの発生などによる一時的な切り替わりであったと判定して、表示側ノイズ用タイマーの作動を停止する(S1505)。これに対して、受信中の大当り信号がLOWレベルの状態で表示側規定保留時間Thhが経過した場合には(S1501:no、S1506:no、S1508:yes、S1509:yes)、大当り状態が終了したと判定して、表示側大当り状態中フラグを0に設定する。
尚、受信中の大当り信号がLOWレベルからHIレベルに切り替わっておらず(S1501:no)、HIレベルからLOWレベルにも切り替わっておらず(S1506:no)、表示側ノイズ用タイマーが作動していない場合には(S1508:no)、図10および図11の表示側大当り信号対応処理(S1500)を終了する。
図12は、大当り信号に基づいて大当り状態中であるか否かを判定する様子を示したタイミングチャートである。図12では、大当り信号の出力レベルの変化に基づいて、表示側ノイズ用タイマー、および表示側大当り中フラグが変化する様子が示されている。図12では、非大当り状態においてLOWレベルの大当り信号を受信している状態から始まっており、この状態では、表示側ノイズ用タイマーは非作動中であり、表示側大当り中フラグは0に設定されている(タイミングta0)。
その後、大当り信号のレベルがLOWレベルからHIレベルに切り替わると(タイミングta1)、表示側大当り中フラグが1に設定される。その後、ノイズの発生によって大当り信号がLOWレベルに切り替わると(タイミングta2)、表示側ノイズ用タイマーが作動を開始する。但し、大当り信号は、表示側ノイズ用タイマーの作動時間が表示側規定保留時間Thhを経過する前にHIレベルに復帰しているため(タイミングta3)、大当り中フラグを1に維持したまま、表示側ノイズ用タイマーを停止する。
その後、大当り状態の終了によって大当り信号がLOWレベルに切り替わると(タイミングta4)、表示側ノイズ用タイマーが作動を開始する。そして、表示側ノイズ用タイマーの作動時間が上述した表示側規定保留時間Thhに到達すると(タイミングta5)、大当り状態が終了したと判定して、表示側大当り中フラグを0に設定する。
このように、本実施例のデータ表示機70では、大当り状態が終了したことを判定する方法として、大当り信号がHIレベルからLOWレベルに切り替わった場合に直ちに大当り状態が終了したことを判定するのではなく、LOWレベルに切り替わったまま上記表示側規定保留時間Thhが経過した場合に大当り状態が終了したと判定する方法を採用している。このため、ノイズの発生などによって一時的に大当り信号のレベルがLOWレベルに立ち下がった場合に、大当り状態が終了したと誤判定することが抑制されている。このようにして判定した大当り状態の情報を利用して、データ表示機70の液晶表示部71には、様々な遊技情報が表示される。
C−3.表示例 :
図13は、データ表示機70の液晶表示部71に遊技情報が表示されている様子を例示的に示した説明図である。図13(a)は、非大当り状態で遊技情報が表示されている様子を例示的に示した説明図である。図13(a)に示すように、非大当り状態では、当日の大当り状態の発生回数(大当)、当日の初当りの発生回数(初当)、一日で発生した大当り状態の最高記録(過去最高大当)、前回の大当り状態が終了してからの図柄変動遊技の実行回数(スタート)、当日に行われた図柄変動遊技の実行回数(累計スタート)などが表示される。
図13(b)は、大当り状態で遊技情報が表示されている様子を例示的に示した説明図である。図13(b)に示すように、大当り状態では、当日の大当り状態の発生回数(大当)、当日の初当りの発生回数(初当)、一日で発生した大当り状態の最高記録(過去最高大当)、大当り状態中であることを示す表示(「大当り中」の文字)、実行中の大当り状態中に払い出されている遊技球の数(大当り中の獲得球数)などが表示される。
る。
このように、データ表示機70は、遊技者に対して様々な遊技情報を提供している。また、これとは別に、遊技ホールの管理者などが確認する遊技情報はホールコンピュータ100で管理される。
D.ホールコンピュータの構成 :
D−1.装置構成 :
図14は、ホールコンピュータ100の正面図である。図14に示すように、ホールコンピュータ100は、制御基板111(図15参照)を有する本体部110や、キーボードやマウスなどの入力操作部120、ディスプレイからなる表示部130などを有している。
図15は、ホールコンピュータ100の電気的構成を示すブロック図である。本体部110の制御基板111には、各種論理演算および算出演算を実行するCPU112や、CPU81で実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM113、プログラムの実行に際してCPU112が一時的なデータを記憶するRAM114などが搭載されている。
また、本体部110には、信号の入出力を行う入出力ポート115が設けられている。入出力ポート115は上述した中継装置90と接続されており、制御基板111は、入出力ポート115を介してパチンコ機1から出力される遊技信号を受信することが可能となっている。制御基板111は遊技信号を入力することによってパチンコ機1での遊技情報を特定することができる。
本体部110の入出力ポート115には、入力操作部120および表示部130が接続されており、本体部110の制御基板111は、入出力ポート115を介して入力操作部120からの入力信号を受信することができ、また、表示部130に所定の情報を表示出力させることができる。例えば、入力操作部120によって、遊技機ごとの遊技情報を表示させる操作が行われると、遊技機ごとの遊技情報が表示部130に表示出力される。
D−2.管理制御処理 :
ホールコンピュータ100のCPU112では、パチンコ機1から受信した遊技信号に基づいて、遊技ホールの管理に必要な遊技情報を算出したり、算出した遊技情報を表示部130に表示させたりする管理制御処理が実行される。図16は、ホールコンピュータ100で実行される管理制御処理のフローチャートである。
<管理側第1入球信号対応処理>
管理制御処理では、図16に示すように、先ず管理側第1入球信号対応処理(S2100)が実行される。管理側第1入球信号対応処理(S2100)では、第1入球信号を受信すると、第1特図保留数を示すRAM114の管理側第1特図保留数カウンタの値に1を加算する。また、管理側第1特図保留数カウンタの値は、第1特図に係る図柄変動遊技が実行されると1が減算される。上述したように、本実施例のパチンコ機1は第2特図の優先変動機能を有しているため、管理側第1特図保留数カウンタの値は、第2特図保留数を示すRAM114の管理側第2特図保留数カウンタの値が0の状態で図柄確定信号を受信した場合に、第1特図に係る図柄変動遊技が実行されたと判定して1が減算される。このようにして、ホールコンピュータ100ではパチンコ機1における第1特図保留の数が管理される。
<管理側第2入球信号対応処理>
続いて、管理制御処理では、管理側第2入球信号対応処理(S2200)が実行される。管理側第2入球信号対応処理(S2200)では、第2入球信号を受信すると、上述した管理側第2特図保留数カウンタの値に1を加算する。また、管理側第2特図保留数カウンタの値は、第2特図に係る図柄変動遊技が実行されると1が減算される。従って、管理側第2特図保留するカウンタの値は、1以上の状態で図柄確定信号を受信した場合に、第2特図に係る図柄変動遊技が実行されたと判定して1が減算される。このようにして、ホールコンピュータ100ではパチンコ機1における第2特図保留の数が管理される。
<管理側払出信号対応処理>
続いて、管理制御処理では、管理側払出信号対応処理(S2300)が実行される。管理側払出信号対応処理(S2300)では、払出信号の受信に基づいて、パチンコ機1から払い出された遊技球の数が特定される。本実施例では、所定数の遊技球が払い出されるごとに1パルスの払出信号が出力されるので、払出信号の受信回数にこの所定数(本実施例では10)を乗じることによって、パチンコ機1で払い出された遊技球の数が特定される。また、この払出球数の情報を利用して、大当り状態中に払い出された遊技球の数や出玉率などが特定される。
<管理側図柄確定信号対応処理>
続いて、管理制御処理では、管理側図柄確定信号対応処理(S2400)が実行される。管理側図柄確定信号対応処理(S2400)では、図柄確定信号の受信状況に基づいて、図柄変動遊技が実行された回数が更新される。上述したように、図柄確定信号は、図柄変動遊技が終了したことを示すので、ホールコンピュータ100は、図柄確定信号の受信回数に基づいて、図柄変動遊技が実行された回数を認識することができる。本実施例では、直近の大当り状態が終了してからの図柄変動遊技の実行回数が計数され、液晶表示部71に表示される。
<管理側大当り信号対応処理>
続いて、管理制御処理では、管理側大当り信号対応処理(S2500)が実行される。管理側大当り信号対応処理(S2500)では、大当り信号の受信状況に基づいて、大当り状態中であるか否かの判定がされる。また、その判定結果に基づいて、大当り状態の発生回数や、大当り状態中の払出球数などが特定され、表示部130に表示される。この管理側大当り信号対応処理については、後ほど詳しく説明する。
<管理側確変信号対応処理>
続いて、管理制御処理では、管理側確変信号対応処理(S2600)が実行される。管理側確変信号対応処理(S2600)では、確変信号の受信状況に基づいて、高確率状態中であるか否かの判定が行われる。上述したように、確変信号は、高確率状態中にHIレベルとなり、高確率状態以外の遊技状態中(低確率状態および大当たり遊技中)にLOWレベルとなるため、HIレベルとなっている状態では高確率状態と判定し、LOWレベルとなっている状態では低確率状態と判定する。これによって、液晶表示部71の表示内容を高確率状態に応じた表示内容とすることができる。また、高確率状態と低確率状態(通常遊技状態)とを識別することが可能となるため、低確率状態(通常遊技状態)での大当り判定で当選した回数(初当りの発生回数)が計数され、液晶表示部71に表示される。
<管理側打込信号対応処理>
続いて、管理制御処理では、管理側打込信号対応処理(S2700)が実行される。管理側打込信号対応処理(S2700)では、打込信号の受信状況に基づいて、遊技盤20から排出された遊技球の数、すなわち、発射装置ユニット261から発射された遊技球の数が特定される。上述したように、打込信号は、所定数(10個)の遊技球が遊技盤20から排出される毎に1パルス出力されるため、打込信号の受信回数に上記所定数を乗じることで排出された遊技球の数(発射された遊技球の数)を特定することができる。
<管理側入力操作対応処理>
続いて、管理制御処理では、管理側入力操作対応処理(S2800)が実行される。管理側入力操作対応処理(S2800)では、入力操作部120が操作された場合に、その操作に応じた処理が実行される。例えば、表示部130には、遊技機ごとの遊技情報や機種ごとの遊技情報などの表示項目が選択ボタンとして表示されており、マウスで何れかの表示項目が選択されると、その表示項目に応じた遊技情報を表示部130に表示させる処理が実行される。
<管理側大当り信号対応処理>
上述した管理側大当り信号対応処理(S2500)では、パチンコ機1から受信した大当り信号に基づいて大当り状態中であるか否かを判定する処理が実行される。図17および図18は、この管理側大当り信号対応処理(S2500)を示すフローチャートである。図17および図18に示す例では、まずパチンコ機1が大当り状態に移行したか否かを判定するために、受信中の大当り信号がLOWレベルからHIレベルに切り替わったか否かを判定する(S2501)。LOWレベルからHIレベルに切り替わった場合には(S2501:yes)、今回の切り替わりが大当り状態に移行したことによるものなのか、あるいはノイズの発生などによる一時的な切り替わりであるかを判定するために、RAM114の管理側ノイズ用タイマーが作動中であるか否かを判定する。
ここで、管理側ノイズ用タイマーとは、上述した表示側ノイズ用タイマーと同じく、受信中の大当り信号がHIレベルからLOWレベルに切り替わった場合に、大当り状態の終了によるものなのか、あるいはノイズの発生などによって一時的に切り替わったものなのかを判定するためのタイマーである。従って、CPU112は、受信中の大当り信号がHIレベルからLOWレベルに切り替わった場合に管理側ノイズ用タイマーによる計時を開始し、所定の管理側規定保留時間Thk(本実施例では、3秒)が経過する前にHIレベルに復帰した場合には大当り状態が継続していると判定する。一方、LOWレベルのまま管理側規定保留時間Thkが経過した場合には大当り状態が終了したと判定する。
管理側ノイズ用タイマーは初期設定では停止しており、管理側ノイズ用タイマーが停止している場合には(S2502:no)、大当り状態中であることを示すRAM114の管理側大当り中フラグを1に設定する(S2503)。その後、大当り状態に関する管理情報を更新する(S2504)。例えば、大当り状態の発生回数を示すRAM114の管理側大当り回数カウンタに1を加算して、表示部130に表示される大当り状態の発生回数を更新する。その後、図17および図18に示した管理側大当り信号対応処理(S2500)を終了する。
受信中の大当り信号がLOWレベルからHIレベルに切り替わっていなかった場合には(S2501:no)、大当り状態が終了したか否かを判定する。図18に示す例では、大当り状態が終了したか否かを判定するために、HIレベルからLOWレベルに切り替わったか否かを判定する(S2506)。そして、HIレベルからLOWレベルに切り替わった場合には(S2506:yes)、ノイズの発生などによる一時的な切り替わりであるか否かを判定するために、上述した管理側ノイズ用タイマーを初期値にリセットしてから作動を開始する(S2507)。その後、図17および図18の管理側大当り信号対応処理(S2500)を終了する。
受信中の大当り信号がLOWレベルからHIレベルに切り替わっておらず(S2501:no)、受信中の大当り信号がHIレベルからLOWレベルにも切り替わっていない場合には(S2506:no)、大当り状態の終了判定中であるか否かを判定するために、管理側ノイズ用タイマーが作動中であるか否かを判定する(S2508)。管理側ノイズ用タイマーが作動中でない場合には(S2508:no)、大当り状態の終了判定中でないため、そのまま図17および図18の管理側大当り信号対応処理(S2500)を終了する。
管理側ノイズ用タイマーが作動中である場合には(S2508:yes)、管理側規定保留時間Thkが経過したか否かを判定する(S2509)。そして、管理側規定保留時間Thkが経過した場合には(S2509:yes)、大当り状態が終了したと判定し、管理側ノイズ用タイマーの作動を停止して(S2510)、管理側大当り中フラグを0に設定する(S2511)。その後、図17および図18の管理側大当り信号対応処理(S2500)を終了する。これに対し、管理側規定保留時間Thkが経過していない場合には(S2509:no)、そのまま図17および図18の管理側大当り信号対応処理(S2500)を終了する。
すなわち、表示側規定保留時間Thkが経過する前に、受信中の大当り信号がLOWレベルからHIレベルに復帰した場合には(S2501:yesかつS2502:yes)、ノイズの発生などによる一時的な切り替わりであったと判定して、管理側ノイズ用タイマーの作動を停止する(S2505)。これに対して、受信中の大当り信号がLOWレベルの状態で管理側規定保留時間Thkが経過した場合には(S2501:no、S2506:no、S2508:yes、S2509:yes)、大当り状態が終了したと判定して、管理側大当り中フラグを0に設定する。
D−3.表示例 :
このようにして判定した大当り状態の情報を利用して、ホールコンピュータ100では様々な遊技情報が管理され、表示部130に表示される。図19は、ホールコンピュータ100の表示部130に表示される遊技情報を例示的に示した説明図である。図19(a)は、遊技機ごとの遊技情報を例示的に示した説明図である。図19(a)に示すように、遊技機ごとの遊技情報としては、以下の遊技情報などが表示される。
「遊技機No」…ホールコンピュータ100で設定された各遊技機の整理番号。
「大当り回数」…当日における大当り状態の発生回数。遊技状態が大当り状態へ移行したことを判定するごとにRAM114の管理側大当り回数カウンタの値に1を加算することによって、管理側大当り回数カウンタの値を大当り状態の発生回数として特定する。
「初当り回数」…当日における低確率状態(通常遊技状態)から大当り状態へ移行した回数。高確率状態であることを示すRAM114の管理側高確率状態フラグが0に設定された状態で大当り状態へ移行したことを判定するごとに、RAM114の管理側初当り回数カウンタの値に1を加算することによって、管理側初当り回数カウンタの値を初当り回数として特定する。
「累計スタート回数」…当日における図柄変動遊技の実行回数。図柄確定信号を受信するごとにRAM114の管理側累計スタートカウンタに1を加算することによって、管理側累計スタートカウンタの値を累計スタート回数として特定する。
「大当り確率」…当日における大当り状態の発生回数。「累計スタート回数」を「大当り回数」で除した値。
尚、これら遊技機ごとの遊技情報は、所定期間分(本実施例では過去14日分)記憶されており、表示画面を切り替えることで過去の日ごとの遊技情報についても閲覧することができる。
図19(b)は、遊技機のグループ(本実施例では機種)ごとの遊技情報が表示されている様子を例示的に示した説明図である。図19(b)に示すように、機種ごとの遊技情報としては、以下の遊技情報などが表示される。
「機種名」…ホールコンピュータ100で設定された機種名。ホールコンピュータ100で各遊技機と機種名とを紐付けることで、遊技機が機種別に分類される。
「大当り1回あたりの大当り中打込球数」…大当り状態1回あたりに発射された遊技球数を所定期間内(本実施例では過去14日間)で平均した値。上記所定期間における大当り状態中の打込球数を大当り状態の発生回数で除算することによって算出する。
「大当り1回あたりの大当り中払出球数」…大当り状態1回あたりに払い出された遊技球数を所定期間内(本実施例では過去14日間)で平均した値。上記所定期間における大当り状態中の払出球数を大当り状態の発生回数で除算することによって算出する。
「大当り1回あたりの大当り中差球数」…大当り状態1回あたりの差球数(払出球数−打込球数)を所定期間内(本実施例では過去14日間)で平均した値。上記所定期間における大当り状態中の差球数を大当り状態の発生回数で除算することによって算出する。
「出玉率」…所定期間(本実施例では過去14日分)内での出玉率(払出球数を打込球数で除した値)。
「低確率状態(通常遊技状態)中の出玉率」…低確率状態中(通常遊技状態中)の出玉率を所定期間内(本実施例では過去14日間)で平均した値。
このように、本実施例のデータ表示機70およびホールコンピュータ100では、大当り信号に基づいて大当り状態に関する様々な情報を表示部(液晶表示部71または表示部130)に表示している。そして、大当り状態の判定では、ノイズの発生などによる大当り信号の一時的な立ち下がりによって大当り状態の終了タイミングを誤判定しないように、大当り信号が立ち下がったまま規定保留時間Th(上述した表示側規定保留時間Thhまたは管理側規定保留時間Thk)が経過した場合に、大当り状態が終了したと判定している。
しかし、このような判定方法を採用した場合、以下のような問題がある。すなわち、パチンコ機1で大当り状態が終了した後、上記規定保留時間Thよりも短い間隔で次の大当り状態が発生した場合に、データ表示機70では、大当り状態が継続していると誤判定してしまい、大当り状態に関する情報が不正確になってしまうという問題がある。そこで、本実施例では、これらの問題のうち少なくとも一部を解決する構成がパチンコ機1に搭載されており、この構成について以下に説明する。
E.パチンコ機の遊技制御処理 :
図20は、主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。遊技制御処理は、主制御基板200のCPU201によって、所定周期毎(例えば4msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200のCPU201が行う遊技制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
<出力処理>
図20に示すように、主制御基板200のCPU201は遊技制御処理を開始すると先ず、出力処理(S3100)を行う。本実施例のパチンコ機1では、各種処理において、サブ制御基板220や払出制御基板240などの各種制御基板あるいは外部の装置に向けて送信する各種コマンドをRAM203に確保された出力バッファに記憶する。出力処理(S3100)では、このように出力バッファに記憶された各種コマンドを各種制御基板や外部の装置に向けて出力する。こうすることにより、例えば、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになり、払出制御基板240では、払出モーター248を駆動して遊技球の払い出しが行われることとなる。また、外部の装置で各種遊技情報が管理されたり表示されたりすることとなる。
<乱数更新処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、乱数更新処理(S3200)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、大当り判定や普図当り判定は所定の判定乱数に基づいて行われる。詳しくは、大当り判定は「大当り判定乱数」に基づいて行われ、普図当り判定は「普図当り判定乱数」に基づいて行われる。また、本実施例のパチンコ機1における特別図柄の変動表示は変動パターンに基づいて行われるが、この変動パターンは「変動パターン選択乱数」に基づいて選択される。また、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定結果が大当りである場合は、100種類の大当り図柄のうち何れかの大当り図柄が停止表示されるが、この大当り図柄の種類は「図柄選択乱数」に基づいて選択される。乱数更新処理(S3200)では、これらの乱数を更新する。尚、これらの乱数の更新は、乱数更新処理(S3200)においてだけでなく、遊技制御処理を終了してから次の遊技制御処理を開始する(次のタイマ割り込み)までの期間にも行うこととしてもよい。また、乱数更新の専用回路を設けて、この専用回路で乱数を更新することとしてもよい。
<始動口等センサー検出処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、始動口等センサー検出処理(S3300)を行う。始動口等センサー検出処理(S3300)では、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s等からの検知信号に基づいて、始動口24、第2始動口25への遊技球が入球したか否かを判定する。そして、遊技球が入球したと判定した場合には、入球に応じて払い出す遊技球の数を含む払出コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。払出コマンドが出力バッファに記憶されると、次回の出力処理(S3100)で払出制御基板240に出力される。払出コマンドを受信した払出制御基板240では、遊技球の払い出しが行われる。
また、始動口等センサー検出処理(S3300)では、ゲートセンサー27sからの検知信号に基づいて、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したか否かを判定する。その結果、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したと判定した場合には、普図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判定する。そして、普図保留数が4個に達していなければ、普図当り判定乱数を取得すると共に該普図当り判定乱数を普図保留として記憶する。普図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された普図保留記憶領域に記憶される。
さらに、始動口等センサー検出処理(S3300)では、第1始動口センサー24sからの検知信号に基づいて、遊技球が第1始動口24に入球したか否かを判定する。その結果、遊技球が第1始動口24に入球したと判定した場合は、第1特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判定する。そして、第1特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第1特図保留として記憶する。第1特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第1特図保留記憶領域に記憶される。
こうして第1特図保留の記憶に係る処理を行ったら、続いて、第2始動口センサー25sからの検知信号に基づいて、遊技球が第2始動口25に入球したか否かを判定する。その結果、遊技球が第2始動口25に入球した場合は、第2特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判定する。そして、第2特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第2特図保留として記憶する。第2特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第2特図保留記憶領域に記憶される。
<普通動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、普通動作処理(S3400)を行う。この普通動作処理(S3400)では、普通図柄を変動表示させたり、普図当り状態へ移行させたりする処理が行われる。本実施例の普通動作処理(S3400)では、普通動作ステータスが1〜4の4段階で設定されており、設定された普通動作ステータスによって実行される処理が選択される。例えば、普通動作ステータスが1の状態では、普通図柄の変動開始条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定した場合に変動表示を開始する普図変動待機処理が選択され、普通動作ステータスが2の状態では、変動表示中の普通図柄を停止表示させる普図変動中処理が選択され、普通動作ステータスが3の状態では、普通図柄の確定表示を行い、普図当り図柄が確定表示された場合には普図当り状態へ移行させる普通図柄確定処理が選択され、普通動作ステータスが4の状態では、普図当り状態への移行に伴い開閉扉26を開閉させる普図電動役物処理が選択される。選択された何れかの処理が実行された後は、普通動作処理(S3400)を終了する。すなわち、普通動作ステータスが切り替わるまで、普通動作処理(S3400)が実行される度に同じ処理が繰り返されることとなる。
普通動作ステータスは初期値として1が設定されている。このため、最初は普図変動待機処理が実行される。普図変動待機処理では、先ず上述の普図保留記憶領域に普図保留が記憶されているか否かを判定する。普図保留が記憶されていない場合には、普図変動待機処理を終了する。すなわち、普図保留が記憶されるまで待機状態となる。一方、普図保留が記憶されている場合には、記憶されている普図保留のうち最先に記憶された普図保留を読み出す。そして、読み出した普図保留(普図当り判定乱数)に基づいて普図当り判定を行う。普図当り判定の結果、普図当りであった場合には、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図当り図柄を記憶する。これに対して、普図当り判定の結果が普図外れである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図外れ図柄を記憶する。こうして今回の普通図柄の変動表示の結果を記憶したら、普通図柄の変動時間を設定して、普通図柄の変動表示を開始する。そして、今回の普図当り判定の対象となった普図保留を普図保留記憶領域から消去する。その後、次回の普通動作処理(S3400)で普図変動中処理が実行されるように、普通動作ステータスを2に設定し、普図変動待機処理を終了する。
普通動作ステータスが2に設定されると、上述した普図変動中処理が実行される。この普図変動中処理では、変動表示中の普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。その結果、変動時間が経過していない場合には、そのまま普図変動中処理を終了する。すなわち、変動時間が経過するまで、この普図変動中処理を繰り返すこととなる。そして、変動時間が経過すると、変動表示中の普通図柄を予め記憶しておいた態様で停止表示する。すなわち、普図当り判定の結果が普図当りであった場合は普図表示部の左のLEDを点灯した状態とし(普図当り図柄を停止表示し)、普図当り判定の結果が外れであった場合は普図表示部の右のLEDを点灯した状態とする(外れ図柄を停止表示する)。このように普通図柄が停止表示した後、普通図柄の確定表示時間を設定して、普通図柄の確定表示を開始する。そして、次回の普通動作処理(S3400)で普通図柄確定処理が実行されるように普通動作ステータスを3に設定し、普図変動中処理を終了する。
普通動作ステータスが3に設定されると、上述した普通図柄確定処理が実行される。この普通図柄確定処理では、上述の普図変動中処理で設定された確定表示時間が経過したか否かを判定する。その結果、確定表示時間が経過していない場合には、そのまま普通図柄確定処理を終了する。すなわち、確定表示時間が経過するまで、この普通図柄確定処理を繰り返すこととなる。そして、確定表示時間が経過すると、今回停止表示(確定表示)された普通図柄が普図当り図柄(普図表示部の左のLEDの点灯)であるか否かを判定する。その結果、停止表示された普通図柄が外れ図柄であった場合には、次回の普通動作処理(S3400)で普図変動待機処理が実行されるように、普図動作ステータスを1に戻す。これに対して、停止表示された普通図柄が普図当り図柄であった場合には、普図当り状態における第2始動口25の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定した後、普図当り状態に移行させる。その後、次回の普通動作処理(S3400)で普通電動役物処理が実行されるように特別動作ステータスを4に設定し、普通図柄確定処理を終了する。
普通動作ステータスが4に設定されると、上述した普通電動役物処理が実行される。この普通電動役物処理では、上述の開放パターンで第2始動口25が開放状態・閉鎖状態となるように、始動口ソレノイド26mを制御して開閉扉26を動作させる。そして、この開放パターンに従う制御が終了したら普図当り状態を終了する。その後、次回の普通動作処理(S3400)で普通電動役物処理が実行されるように特別動作ステータスを4に設定し、普通図柄確定処理を終了する。
また、本実施例のパチンコ機1では、上述したように、電サポ状態および非電サポ状態のうち何れか一方が選択的に設定される。この電サポ状態および非電サポ状態は以下のようにして実現される。
すなわち、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、普図当り判定の結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が短く、普図当り状態における第2始動口25の開放時間が長く設定される。従って、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、第2始動口25が高頻度で開放状態になるとともに該開放状態にある期間が長くなるので、第2始動口25への遊技球の入球頻度が高くなる(高頻度状態)。例えば、非電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の1の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の1の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を20秒に設定し、普図当り状態における第2始動口25の開放時間を0.3秒(0.1秒×3回開放)に設定する。これに対して、電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の99の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の99の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を1秒に設定し、普図当り状態における第2始動口25の開放時間を4.5秒(1.5秒×3回開放)に設定する。
<特別動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、特別動作処理(S3600)を行い、図20の遊技制御処理を終了する。特別動作処理(S3600)では、特別図柄(第1特図または第2特図)を変動表示させたり、大当り状態に移行させたりする処理が行われる。図21は、特別動作処理(S3600)のフローチャートである。
図21に示すように、本実施例の特別動作処理(S3600)では、特別動作ステータスが1〜4の4段階で設定されており、設定された特別動作ステータスによって実行される処理が選択される。すなわち、図21に示すように、特別動作ステータスが1の状態では(S3601:1)、特別図柄の変動開始条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定した場合に特別図柄の変動表示を開始する特図変動待機処理(S3700)が選択され、特別動作ステータスが2の状態では(S3601:2)、変動表示中の特別図柄を停止表示させる特図変動中処理(S3800)が選択され、特別動作ステータスが3の状態では(S3601:3)、特別図柄の確定表示を行う特別図柄確定処理(S3900)が選択され、特別動作ステータスが4の状態では(S3601:4)、特図当り遊技の実行に伴い開閉扉29を開閉させる特図電動役物処理(S4000)が選択される。選択された何れかの処理が実行された後は、特別動作処理(S3600)を終了する。すなわち、特別動作ステータスが切り替わるまで、特別動作処理(S3600)が実行される度に同じ処理が繰り返されることとなる。
<特別図柄待機処理>
特別動作ステータスの初期値は1となっており、この場合には(S3601:1)、上述した特別図柄待機処理(S3700)が行われる。図22は、特別図柄待機処理(S3700)のフローチャートである。上述したように、本実施例のパチンコ機1では、第1特図保留よりも第2特図保留が優先的に消化される。このため、図22に示すように、特別図柄待機処理(S3700)では、先ず第2特図保留があるか否かを判定する(S3701)。第2特図保留がある場合には(S3701:yes)、第2特図大当り判定処理(S3702)が行われる。第2特図大当り判定処理(S3702)では、最先に記憶された第2特図保留の大当り判定乱数(大当り判定乱数、図柄選択乱数、変動パターン選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第2特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づいて大当り判定を行う。
第2特図保留がない場合には(S3701:no)、第1特図保留があるか否かを判定する(S3703)。第1特図保留がある場合には(S3703:yes)、第1特図大当り判定処理(S3704)が行われる。第1特図大当り判定処理(S3704)では、最先に記憶された第1特図保留の大当り判定乱数(大当り判定乱数、図柄選択乱数、変動パターン選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第1特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づいて大当り判定を行う。尚、第1特図保留もない場合には(S3703:no)、図22の特別図柄待機処理(S3700)を終了する。
ここで、本実施例のパチンコ機1では、前述したように、大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態は「大当り判定において大当りと判定される確率が低い(299.9分の1の確率である)低確率状態」または「大当り判定において大当りと判定される確率が高い(60.0分の1の確率である)高確率状態」に設定される。このような低確率状態あるいは高確率状態の設定は次のように実現される。すなわち、低確率状態が設定されている場合は、第1特図保留または第2特図保留として取得可能な大当り判定乱数のうち299.9分の1の乱数を大当りとし、高確率状態が設定されている場合は、第1特図保留または第2特図保留として取得可能な大当り判定乱数のうち60.0分の1の乱数を大当りとする。
第2特図大当り判定処理(S3702)または第1特図大当り判定処理(S3704)が終了すると、大当り判定の結果(図柄選択乱数)に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する図柄の種類が選択される(S3705)。例えば、大当り判定の結果が大当りであった場合には、今回読み出した第1特図保留または第2特図保留に含まれる図柄選択乱数に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する大当り図柄の種類を選択する。すなわち、上述したように本実施例のパチンコ機1では、第1特図としては大当り図柄1〜100が停止表示可能であり、第2特図としては大当り図柄201〜300が停止表示可能である。そこで、第1特図保留を読み出した場合は、大当り図柄1〜100に図柄選択乱数が割り振られた図柄選択テーブル(図示省略)を参照して、第1特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。また、第2特図保留を読み出した場合は、大当り図柄201〜300に図柄選択乱数が割り振られた図柄選択テーブルを参照して、第2特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。尚、図柄選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
大当り判定の結果が外れである場合においては、第1特図保留を読み出した場合は外れ図柄101を停止表示する図柄として選択し、第2特図保留を読み出した場合は外れ図柄301を停止表示する図柄として選択する。尚、停止表示する図柄として選択された大当り図柄、および外れ図柄は、RAM203に確保された停止図柄記憶領域に記憶される。
停止表示する図柄が選択されると、続いて特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)の変動パターンが選択される(S3706)。変動パターンとは、前述したように、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)であり、各変動パターンには他の変動パターンと識別するための情報(変動パターンID)が付されている。変動パターンを選択する処理では変動パターン選択テーブル(図示省略)を参照する。変動パターン選択テーブルとは、複数の変動パターン(変動パターンID、変動時間)に変動パターン選択乱数が割り振られたテーブルである。変動パターンを選択する処理では、このような変動パターン選択テーブルにおいて、今回第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン選択乱数に対応する変動パターンを、今回の変動パターンとして決定する。従って、各変動パターンが選択される確率は、取得可能な変動パターン選択乱数のうち各変動パターンに割り振られた乱数の割合によって決定される。
また、参照する変動パターン選択テーブルは、大当り判定の結果のみによって決定されるのではなく、特別図柄の種類(第1特図または第2特図)や、現在設定されている遊技状態、大当り判定の結果、記憶されている第1特図保留および第2特図保留の数などの種々の遊技進行状況に対応する変動パターン選択テーブルが選択される。こうすることで、種々の遊技進行状況に対応する変動パターンを選択可能となり、ひいては、サブ制御基板220のCPU221は種々の遊技進行状況に対応する演出パターンで図柄変動演出を実行可能となる。
変動パターンを選択した後は、今回の大当り判定の対象となった第1特図保留または第2特図保留を、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域から消去してから(S3707)、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)が開始される(S3708)。そして、次回の特別動作処理(図21のS3600)で特図変動中処理(図21のS3800)が行われるように、特別動作ステータスを2に更新してから(S3709)、図22の特別図柄待機処理(S3700)を終了する。
<特図変動中処理>
特別図柄の変動表示が開始されると、図21を用いて上述した特図変動中処理(S3800)が行われる。図23は特図変動中処理(S3800)のフローチャートである。特図変動中処理(S3800)では、変動終了タイミングとなったか否かを判定する(S3801)。すなわち、特別図柄の変動表示が開始されてからの時間が、上記特別図柄待機処理(図22のS3700)で選択された変動時間に達したか否かを判定する。変動終了タイミングとなっていない場合には(S3801:no)、特別図柄の変動表示を継続させるため、そのまま図23の特図変動中処理(S3800)を終了する。一方、変動終了タイミングとなった場合には(S3801:yes)、上記特別図柄待機処理(図22のS3700)で選択された図柄が停止表示される(S3802)。例えば、大当り判定の結果が大当りであった場合には上記特別図柄待機処理(図22のS3700)で選択された大当り図柄を停止表示し、大当り判定の結果が外れであった場合には上記特別図柄待機処理(図22のS3700)で選択された外れ図柄を停止表示する。そして、図柄の確定表示を開始し(S3803)、特別図柄を確定表示させる確定表示時間を設定する。その後、次回の特別動作処理(図21のS3600)で特別図柄確定処理(図21のS3900)が行われるように、特別動作ステータスを3に更新してから(S3804)、図23の特図変動中処理(S3800)を終了する。
<特別図柄確定処理>
特別動作ステータスが3に更新されると、図21を用いて上述したように特別図柄の確定表示を行う特別図柄確定処理(S3900)が行われる。図24は、特別図柄確定処理のフローチャートである。特別図柄確定処理(S3900)では、特図変動中処理(図23のS3800)で設定された確定表示時間が経過したか否かを判定する(S3901)。その結果、確定表示時間が経過していない場合には(S3901:no)、確定表示を継続させるためにそのまま図24の特別図柄確定処理(S3900)を終了する。
確定表示時間が経過すると(S3901:yes)、停止表示(確定表示)された図柄が大当り図柄であるか否かを判定し(S3902)、大当り図柄である場合には(S3902:yes)、大当り状態の開始に向けた処理を行う(S3903)。例えば、大当り状態における大入賞口28の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。その後、大当り信号の出力開始設定が行われる(S3904)。大当り信号の出力開始設定(S3904)では、大当り信号の出力を開始するための情報がRAM203の出力バッファに記憶され、その後、出力処理(図20のS3100)で所定の出力開始条件が成立したと判定された場合に、データ表示機70およびホールコンピュータ100に向けて大当り信号の出力が開始される。大当り信号の出力開始タイミングについて、詳しくは後述の「出力処理」で説明する。
大当り信号の出力開始設定(S3904)が終了すると、高確率状態であるか否かを判定し(S3905)、高確率状態である場合には(S3905:yes)、確変信号の出力を停止すべく、確変信号の出力停止設定を行う(S3906)。確変信号の出力停止設定(S3906)では、出力中の確変信号を停止させるための情報がRAM203の出力バッファに記憶され、次回の出力処理(図20のS3100)で、確変信号の出力が停止される。確変信号の出力停止設定(S3906)が終了した後、または低確率状態である場合には(S3905:no)、次回の特別動作処理(図21のS3600)で特別電動役物処理(S4000)が行われるように、特別動作ステータスを4に更新する(S3907)。
その後、図柄確定信号の出力設定が行われる(S3908)。図柄確定信号の出力設定(S3908)では、図柄確定信号を出力するための情報がRAM203の出力バッファに記憶され、次回の出力処理(図20のS3100)で、データ表示機70に向けて図柄確定信号が出力される。図柄確定信号の出力設定(S3908)が終了した後、図24の特別図柄確定処理(S3900)を終了する。
一方、停止表示(確定表示)された図柄が外れ図柄である場合には(S3902:no)、高確率状態であるか否かを判定する(S3909)。高確率状態である場合には(S3909:yes)、高確率状態の終了条件が成立したか否かを判定する(S3910)。すなわち、図柄変動遊技が実行される毎に高確率状態の残り実行回数を示す高確回数カウンタの値から1を減算し、高確回数カウンタの値が0となった場合に高確率状態の終了条件が成立したと判定する。高確率状態の終了条件が成立した場合には(S3910:yes)、確変信号の出力を停止すべく、確変信号の出力停止設定を行う(S3911)。確変信号の出力停止設定(S3911)では、出力中の確変信号を停止させるための情報がRAM203の出力バッファに記憶され、次回の出力処理(図20のS3100)で、確変信号の出力が停止される。確変信号の出力停止設定(S3911)が終了した後は、通常遊技状態を設定する(S3912)。その後、または高確率状態でない場合(S3909:no)、若しくは高確率状態の終了条件が成立していない場合(S3910:no)には、図柄変動遊技の待機状態に戻すために特別動作ステータスを1に更新してから(S3913)、上述した図柄確定信号の出力設定が行われる(S3908)。その後、図24の特別図柄確定処理(S3900)を終了する。
<特別電動役物処理>
特別動作ステータスが4に更新されると、図21を用いて上述したように大当り状態への移行に伴って大入賞口28の開閉動作を行う特別電動役物処理(S4000)が行われる。図25は特別電動役物処理(S4000)のフローチャートである。特別電動役物処理(S4000)では、先ず上述したラウンド遊技の開始条件(以下、「ラウンド開始条件」ともいう)が成立したか否かを判定する(S4001)。本実施例では、1回目のラウンド遊技については、大当り状態が開始されたことがラウンド開始条件となっており、2回目以降のラウンド遊技については、直前のラウンド遊技が終了してから所定時間が経過したことがラウンド開始条件となっている。このラウンド開始条件が成立した場合には(S4001:yes)、ラウンド遊技が開始となるため、大入賞口28を開放する(S4002)。
その後、またはラウンド開始条件が成立していない場合には(S4001:no)、ラウンド遊技の終了条件(以下、「ラウンド終了条件」ともいう)が成立したか否かを判定する(S4003)。ラウンド終了条件は、上述したように、大入賞口28に9個の遊技球が入球したこと(9カウント)または30秒が経過したこととなっている。ラウンド終了条件が成立していない場合には(S4003:no)、そのまま図25の特別電動役物処理(S4000)を終了する。一方、ラウンド終了条件が成立した場合には(S4003:yes)、ラウンド遊技が終了となるため、大入賞口28を閉鎖して(S4004)、ラウンド遊技の残り実行回数を示すラウンドカウンタの値から1を減算する(S4005)。そして、ラウンドカウンタの値が0になったか否かを判定する(S4006)。ラウンドカウンタの値が0でない場合には(S4006:no)、大当り状態を継続させるため、そのまま図25の特別電動役物処理(S4000)を終了する。
ラウンドカウンタの値が0である場合には(S4006:yes)、大当り状態が終了となるため、出力中の大当り信号を停止させるべく、大当り信号の出力停止設定が行われる(S4007)。大当り信号の出力停止設定(S4007)では、大当り信号の出力を停止するための情報がRAM203の出力バッファに記憶され、次回の出力処理(図20のS3100)で、大当り信号の出力が停止される。大当り信号の出力停止設定(S4007)が終了すると、高確率状態かつ電サポ状態を設定し(S4008)、確変信号の出力開始設定が行われる(S4009)。確変信号の出力開始設定(S4009)では、確変信号の出力を開始するための情報がRAM203の出力バッファに記憶され、次回の出力処理(図20のS3100)で、データ表示機70に向けて確変信号の出力が開始される。確変信号の出力開始設定(S4009)が終了すると、図柄変動遊技の待機状態に戻すために特別動作ステータスを1に更新してから(S4010)、図25の特別電動役物処理(S4000)を終了する。
尚、大当り状態へ移行させる機能を実現している主制御基板200が本発明の「特定状態移行手段」に相当する。
<出力処理>
このように、特別動作処理(S3600)では、大当り状態へ移行した場合に、大当り状態であることを示す大当り信号の出力開始設定が行われ、大当り状態が終了した場合に大当り信号の出力停止設定が行われる。図20を用いて上述した出力処理(S3100)では、これら大当り信号の出力開始設定および出力停止設定を受けて、大当り信号などの遊技信号が以下のようにして外部に出力される。
図26は、出力処理(S3100)のフローチャートである。出力処理(S3100)では、大当り信号の出力開始設定が行われたことに基づいて、大当り信号を外部出力する。そこで、まず上述した特別動作処理(S3600)にて、大当り信号の出力開始設定が行われたか否かを判定する(S3101)。そして、大当り信号の出力開始設定が行われた場合には(S3101:yes)、直ちに大当り信号の出力を開始するのではなく、遅延タイマーの作動を開始させる(S3102)。本実施例のパチンコ機1では、大当り信号の出力開始タイミングを所定の規定遅延時間Tcだけ遅延させる処理が行われるようになっており、遅延タイマーの計時時間、すなわち、大当り信号の出力開始設定が行われてからの経過時間がこの規定遅延時間Tcを経過した後に、出力が開始される。
遅延タイマーの作動を開始した後、規定遅延時間Tcが経過して出力開始タイミングとなったか否かを判定するために、遅延タイマーが作動中であるか否かを判定する(S3103)。その結果、遅延タイマーが作動中である場合に(S3103:yes)、規定遅延時間Tcが経過したか否かを判定する(S3104)。そして、規定遅延時間Tcが経過した場合には(S3104:yes)、遅延タイマーの作動を停止して(S3105)、大当り信号の出力を開始する(S3106)。
大当り信号の出力を開始した後、大当り信号の出力停止タイミングとなったか否かを判定するために、上述した特別動作処理(S3600)で大当り信号の出力停止設定が行われたか否かを判定する(S3107)。その結果、大当り信号の出力停止設定が行われていた場合には(S3107:yes)、大当り信号の出力を停止させる(S3108)。その後、払出信号出力条件の成立に応じて払出信号を出力する払出信号出力処理(S3120)を行ってから、本実施例の出力処理(S3100)を終了する。
尚、前回の出力処理(S3100)が実行されてから今回の出力処理(S3100)が実行されるまでの間に大当り信号の出力開始設定が行われていない場合には(S3101:no)、遅延タイマーが作動中であるか否かを判定する処理に移る(S3103)。遅延タイマーが作動中でない場合(S3103:no)、または遅延タイマーは作動しているが規定遅延時間Tcが経過していない場合には(S3103:yes、S3104:no)、大当り信号の出力停止設定が行われたか否かを判定する処理に移る(S3107)。前回の出力処理(S3100)が実行されてから今回の出力処理(S3100)が実行されるまでの間に大当り信号の出力停止設定が行われていない場合には(S3107:no)、払出信号出力処理(S3120)を実行してから図26の出力処理を終了する。
このように、本実施例のパチンコ機1では、大当り信号の出力開始タイミングが規定遅延時間Tcだけ遅延される。このため、大当り信号の出力が停止されてから次の出力が開始されるまでの時間間隔が少なくとも規定遅延時間Tc以上となる。従って、大当り状態が連続して発生した場合であっても、大当り信号が出力される時間間隔が規定遅延時間Tc以上となるので、上述のノイズ対策を施したデータ表示機70やホールコンピュータ100が同一の大当り状態であると誤判定することを抑制することが可能となる。
また、このように大当り状態の出力開始タイミングを遅延させる構成では、遅延中に生じた遊技情報が大当り状態中の遊技情報として外部の装置に認識させるために、別の信号についても、大当り信号の出力開始後まで遅延させることが好ましい。そこで、本実施例では、払出信号を以下のように出力している。
図27は、上述した払出信号出力処理(S3120)を示すフローチャートである。主制御基板200のCPU201は、上述したように払出制御基板240からの払出信号を受けたことに基づいて、外部に向けて払出信号を出力する。そこで、払出信号出力処理(S3120)では、先ず払出制御基板240から払出信号を受信したか否かを判定する(S3121)。そして、払出信号を受信した場合には(S3121:yes)、遅延タイマーの作動中であるか否かを判定する(S3122)。遅延タイマーの作動中でない場合には(S3122:no)、大当り状態であれば大当り信号を出力している状態であり、非大当り状態であれば大当り信号を出力していない状態であるから、直ちに払出信号を出力する(S3123)。これに対し、遅延タイマーが作動中である場合には(S3122:yes)、パチンコ機1が大当り状態であるにも関わらず大当り信号を出力しておらず、外部の装置は非大当り状態であると認識している状態であるから、一旦、払出信号をストックする。本実施例では、払出信号のストック数を管理するRAM203の払出信号ストックカウンタに1を加算する(S3124)。
払出信号を出力した後、または払出信号をストックした後、もしくは払出制御基板240から払出信号を受信していない場合には(S3121:no)、ストックした信号の出力タイミングとなったか否かを判定するために、まず遅延タイマーの作動中か否かを判定する(S3125)。その結果、遅延タイマーの作動中でない場合には(S3125:no)、払出信号がストックされているか否かを判定するために、払出信号ストックカウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S3126)。払出信号ストックカウンタの値が1以上である場合には(S3127:yes)、外部に向けて払出信号を1パルス出力して(S3127)、払出信号ストックカウンタから1を減算し(S3128)、図27の払出信号出力処理(S3120)を終了する。こうすることで、大当り信号の出力開始後に、払出信号ストックカウンタの値が0になるまで1パルスずつ払出信号を出力することができる。従って、遅延中に払出制御基板240から払出信号を受信した場合であっても、払出信号の出力タイミングを大当り信号の出力開始後に遅延させることができ、その結果、外部の装置で、大当り状態中の遊技情報として認識させることが可能となる。尚、遅延タイマーが作動中である場合(S3125:yes)、または払出信号ストックカウンタの値が0である場合には(S3126:no)、そのまま図27の払出信号出力処理(S3120)を終了する。
図28は、大当り状態への移行に伴って出力される大当り信号の出力開始タイミングおよび払出信号の出力タイミングの一例を示したタイミングチャートである。図28では、遊技状態が非大当り状態から大当り状態へ移行した場合に、遅延タイマーがどのように作動し、大当り信号および払出信号がどのように出力されるかが示されている。図28に示した最初のタイミングtb0では、遊技状態が非大当り状態となっており、遅延タイマーが非作動中で、大当り信号はLOWレベル、払出制御基板240からの払出信号は受信しておらず、外部に向けて払出信号を出力中ではなく、払出信号ストックカウンタは0となっている。
その後、tb1のタイミングで、主制御基板200は払出制御基板240から払出信号を受信する。このタイミングtb1では、遅延タイマーが作動していないため、直ちにタイミングtb2で払出信号が外部に出力される。その後、タイミングtb3で大当り状態へ移行すると、これに伴って遅延タイマーの作動が開始される。遅延タイマーの作動中には、払出信号を受信しており、1回目の受信(タイミングtb4)に伴って払出信号ストックカウンタの値が1に更新され、2回目の受信(タイミングtb5)に伴って払出信号ストックカウンタの値が2に更新されている。その後、遅延タイマーの計時時間が規定遅延時間Tcを経過すると(タイミングtb6)、遅延タイマーの作動が停止されるとともに、大当り信号の出力が開始され(HIレベルに切り替えられ)、ストックされた払出信号が1パルスずつ出力される。
尚、大当り信号の出力開始タイミングを遅延させる機能を実現している主制御基板200が本発明の「遅延手段」に相当する。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機1では、大当り信号の出力開始タイミングが所定の規定遅延時間Tcだけ遅延される。このため、大当り信号の出力が停止されてから次の出力が開始されるまでの時間間隔が少なくとも規定遅延時間Tc以上となる。従って、大当り状態が連続して発生した場合であっても、大当り信号が出力される時間間隔が規定遅延時間Tc以上となるので、上述のノイズ対策を施したデータ表示機70やホールコンピュータ100が同一の大当り状態であると誤判定することを抑制することが可能となる。特に、規定遅延時間Tcがノイズ用タイマーによって計時する規定保留時間Thよりも長い場合には、ノイズ用タイマーに起因した誤判定を確実に防止することが可能となる。
さらに、本実施例では、遅延中に受信した払出信号については、直ちに外部へ出力せず、大当り信号の出力開始後まで遅延させている。このため、遅延中に生じた払出球数の情報を大当り状態中の遊技情報として、外部の装置に認識させることが可能となる。
尚、遅延中に生じた情報の出力タイミングを大当り信号の出力後まで遅延させる構成については、払出信号に限らず、別の信号を遅延させてもよい。例えば、打込信号を遅延させるようにしてもよい。こうすれば、遅延中に生じた打込球数の情報を大当り状態中の情報として外部の装置に認識させることができる。尚、打込信号を遅延させる構成としては、例えば、発射された遊技球(もしくは排出された遊技球)を検知するセンサーをパチンコ機1に設け、主制御基板200などで打込球数を認識可能とすることで、本実施例の払出信号と同じように遅延させる方法がとりうる。
F.変形例 :
上述した実施例では、大当り信号の出力開始タイミングを所定時間遅延させることで、大当り信号間の時間間隔が所定時間以上となるようにしたが、大当り信号間の時間間隔が所定時間以上となる構成であれば、別の構成を採用してもよい。例えば、前回の大当り信号の出力が終了してからの時間が所定のインターバル時間を越えていた場合には遅延させくことなく大当り信号の出力を開始する一方、上記インターバル時間を越えていない場合には遅延させるようにしてもよい。本変形例ではその一例について説明する。尚、上述した実施例と共通する構成については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本変形例では、上記実施例の出力処理(S3100)に代えて、出力処理(S4100
)を実行する。図29および図30は、出力処理(S4100)のフローチャートである。図29に示すように、出力処理(S4100)では、先ず大当り信号の出力を停止するか否かを判定するために、大当り信号の出力停止設定が行われたか否かを判定する(S4101)。その結果、大当り信号の出力停止設定が行われた場合には(S4101:yes)、大当り信号の出力を停止して(S4102)、インターバルタイマーの作動を開始する(S4103)。すなわち、本変形例では、大当り信号の出力が停止されたタイミングを起点としてインターバルタイマーの作動が開始される。このインターバルタイマーは規定インターバル時間Tiを経過すると作動が停止される。
インターバルタイマーの作動を開始した後、または大当り信号の出力停止設定が行われなかった場合には(S4101:no)、大当り信号の出力開始設定が行われたか否かを判定する(S4104)。大当り信号の出力開始設定が行われた場合には(S4104:yes)、インターバルタイマーが作動中であるか否かを判定し(S4105)、作動中でない場合には(S4105:no)、大当り信号の出力を開始する(S4106)。これに対し、インターバルタイマーの作動中である場合には(S4105:yes)、直ちに大当り信号の出力を開始するのではなく、大当り信号の出力の開始を待機している状態であることを示すRAM203の待機フラグを1に設定する(S4107)。
大当り信号の出力を開始した後、または待機フラグを1に設定した後、もしくは大当り信号の出力開始設定が行われなかった場合には(S4104:no)、規定インターバル時間Tiが経過したか否かを判定するために、先ずインターバルタイマーが作動中であるか否かを判定する(図30のS4110)。その結果、インターバルタイマーが作動中である場合には(S4110:yes)、規定インターバル時間Tiが経過したか否かを判定する(S4111)。そして、規定インターバル時間Tiが経過した場合には(S4111:yes)、大当り信号の出力の開始を待機している状態であるか否かを判定するために、待機フラグが1に設定されているか否かを判定する(S4112)。その結果、待機フラグが1に設定されている場合には(S4112:yes)、大当り信号の出力を開始して(S4113)、待機フラグを0にクリアし(S4114)、インターバルタイマーの作動を停止させる(S4115)。待機フラグが0であった場合には(S4112:no)、そのままインターバルタイマーの作動を停止させる(S4115)。一方、インターバルタイマーの作動を停止した後、または、そもそもインターバルタイマーが作動していなかった場合(S4110:no)、もしくは規定インターバル時間Tiが経過していない場合には(S4111:no)、払出信号出力処理(S4120)を実行した後、図29および図30に示した出力処理(S4100)を終了する。
図31は、上述した払出信号出力処理(S4120)のフローチャートである。主制御基板200のCPU201は、上述したように払出制御基板240からの払出信号を受けたことに基づいて、外部に向けて払出信号を出力する。そこで、払出信号出力処理(S4120)では、先ず払出制御基板240から払出信号を受信したか否かを判定する(S4121)。そして、払出信号を受信した場合には(S4121:yes)、待機フラグが1に設定されているか否かを判定する(S4122)。待機フラグが0に設定されている場合には(S4122:no)、大当り状態であれば大当り信号を出力している状態であり、非大当り状態であれば大当り信号を出力していない状態であるから、直ちに払出信号を出力する(S4123)。これに対し、待機フラグが1に設定されている場合には(S4122:yes)、パチンコ機1が大当り状態であるにも関わらず大当り信号を出力しておらず、外部の装置は非大当り状態であると認識している状態であるから、一旦、払出信号をストックする。本実施例では、払出信号のストック数を管理するRAM203の払出信号ストックカウンタに1を加算する(S4124)。
払出信号を出力した後、または払出信号をストックした後、もしくは払出制御基板240から払出信号を受信していない場合には(S4121:no)、ストックした信号の出力タイミングとなったか否かを判定するために、まず待機フラグが1に設定されているか否かを判定する(S4125)。その結果、待機フラグが0に設定されている場合には(S4125:no)、払出信号がストックされているか否かを判定するために、払出信号ストックカウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S4126)。払出信号ストックカウンタの値が1以上である場合には(S4127:yes)、外部に向けて払出信号を1パルス出力して(S4127)、払出信号ストックカウンタから1を減算し(S4128)、図31の払出信号出力処理(S4120)を終了する。こうすることで、大当り信号の出力開始後に、払出信号ストックカウンタの値が0になるまで1パルスずつ払出信号を出力することができる。従って、遅延中に払出制御基板240から払出信号を受信した場合であっても、払出信号の出力タイミングを大当り信号の出力開始後に遅延させることができ、その結果、外部の装置で、大当り状態中の遊技情報として認識させることが可能となる。尚、待機フラグが0に設定されている場合(S4125:yes)、または払出信号ストックカウンタの値が0である場合には(S4126)、そのまま図31の払出信号出力処理(S4120)を終了する。
図32および図33は、大当り状態への移行に伴って出力される大当り信号の出力開始タイミングおよび払出信号の出力タイミングの一例を示したタイミングチャートである。
図32は、大当り信号の出力開始タイミングが遅延される場合のタイミングチャートである。図32の最初のタイミングtc0では、遊技状態が大当り状態で、インターバルタイマーが作動しておらず、大当り信号が出力中で、払出制御基板240からの払出信号を受信しておらず、払出信号の外部出力もしておらず、払出信号のストックカウンタの値が0となっている。図32に示すように、大当り状態が終了して非大当り状態になると(タイミングtc1)、大当り信号はLOWレベルに立ち下がりインターバルタイマーの作動が開始される。その後、タイミングtc2で払出制御基板240からの払出信号を受信し、待機フラグが0であるため、直ちに払出信号を外部出力する(タイミングtc3)。その後、大当り状態に移行するが(タイミングtc4)、インターバルタイマーが作動中であるため、直ちに大当り信号の出力を開始することはせず、待機フラグが1に設定される。その後、払出制御基板240からの払出信号を受信するものの(タイミングtc5)、待機フラグが1に設定されているため、直ちに払出信号を外部出力することなく、払出信号ストックカウンタに1を加算する。そして、規定インターバル時間Tiが経過すると(タイミングtc6)、大当り信号の出力を開始するとともに、待機フラグが0にクリアされ、ストック分の払出信号が外部出力される。
図33は、大当り信号の出力開始タイミングが遅延されない場合のタイミングチャートである。図33の最初のタイミング(タイミングtd0)では、遊技状態が大当り状態で、インターバルタイマーが作動しておらず、大当り信号が出力中で(HIレベル)、払出制御基板240からの払出信号を受信しておらず、払出信号の外部出力もしておらず、払出信号のストックカウンタの値が0となっている。図33に示すように、大当り状態が終了して非大当り状態になると(タイミングtd1)、大当り信号はLOWレベルに立ち下がりインターバルタイマーの作動が開始される。その後、タイミングtd2,td4で払出制御基板240からの払出信号を受信しており、待機フラグが0であるため、直ちに払出信号が外部出力されている(タイミングtd3,td5)。その後、規定インターバル時間Tiが経過し(td6)、その後に大当り状態へ移行している(タイミングtd6)。このため、遅延されることなく、直ちに大当り信号の出力が開始される。
尚、インターバルタイマーの作動中であるか否かを判定する機能を実現している主制御基板200が本発明の「インターバル期間判定手段」に相当する。
以上説明したように、本変形例の構成によれば、前回の大当り信号の出力が停止されてから規定インターバル時間Tiが経過した後に大当り状態へ移行した場合には、大当り状態への移行後、直ちに大当り信号の出力を開始することができる。また、前回の大当り信号の出力が停止されてから規定インターバル時間Tiが経過する前に大当り状態へ移行した場合にであっても、規定インターバル時間Tiの経過後に大当り信号の出力を開始することができる。このため、大当り信号間の時間間隔を所定時間以上あけることによって外部装置の誤判定を抑制することが可能となるだけでなく、遅延させる時間を抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
上記の実施例では規定遅延時間Tc、変形例では規定インターバル時間Tiがそれぞれ予め規定された時間となっているが、これらの時間を遊技ホールの管理者等が設定することができるようにしてもよい。データ表示機70やホールコンピュータ100などでノイズ用タイマーの時間が設定可能となっている場合には、このノイズ用タイマーの設定時間に合わせて、外部の装置で大当り状態を誤判定しないように、且つ規定遅延時間Tcまたは規定インターバル時間Tiを必要最小限の時間に設定することが可能となる。尚、設定方法としては、各遊技機に設けられた操作部を操作することで遊技機ごとに設定できるようにしてもよいし、ホールコンピュータ100などの外部の装置から遊技機ごとまたは複数の遊技機に対して一括で設定できるようにしてもよい。
上記の実施例および変形例では、大当り状態を本発明の特定状態としたが、別の遊技状態としてもよい。例えば、大当り状態が開始してから高確率状態または電サポ状態が終了するまでの状態を特定状態としてもよい。
上記実施例では、遊技機として、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
上記実施例では、遊技機をパチンコ機として説明したが、いわゆるスロットマシンとしてもよい。