<第1実施形態>
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機PY1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から見た(正面視の)左右上下方向のことである。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PY1の前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン40kが設けられている。第1演出ボタン40kの操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが第1演出ボタン装置40を避けるように形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体、右側装飾体、および左側装飾体が設けられている。上部装飾体の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカ52が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。右側装飾体の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン41kが設けられている。第2演出ボタン41kの操作部分は棒状に成形されている。また、右側装飾体から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に沿った湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、7個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎなども構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態では、遊技盤1と画像表示装置50との間で隠れている。待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。よって、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認できるよう配されている(図3(A)参照)。そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
また、回転部材55k1は、中心に設けられた回転軸を中心に回転運動することが可能である(図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図4に示すように、表示器類には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、所定個数を上限として、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示を実行する権利が留保される。この留保された権利のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて留保された特図1抽選、および特図1の可変表示を実行する権利を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて留保された特図2抽選、および特図2の可変表示を実行する権利を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち留保されている特図1抽選および特図1の可変表示を実行する権利の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち留保されている特図2抽選、および特図2の可変表示を実行する権利の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」や「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13の通過を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、第1実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5~図6に基づいて、パチンコ遊技機PY1の電気的な構成を説明する。パチンコ遊技機PY1は、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の進行に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を備えている。遊技制御基板100、演出制御基板120、および払出制御基板170等は、ユニット化されて盤用演出ユニットEUの背面側に設置されている。
なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。また、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
また、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。一方、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図5に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)103、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、始動入賞コマンド特定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連情報と特図2関連情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限数は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限数は「4」に設定されている。なお、特図1保留数の上限数および特図2保留数の上限数は適宜に設定しても良い。また特図1保留数の上限数および特図2保留数の上限数を設けなくても良い。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種ソレノイド類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。また、演出用RAM124には、始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125が設けられている。
演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類や駆動源となる各種ソレノイド類やモータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種ソレノイド類やモータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタン検知センサ40a、および第2演出ボタン検知センサ41aが含まれている。第1演出ボタン検知センサ40aは、第1演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタン検知センサ41aは、第2演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタン検知センサ40a、および第2演出ボタン検知センサ41aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検出内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
演出制御基板120に接続された各種モータ類には、回転部材用モータ55m1、および昇降部材用モータ55m2が含まれている。回転部材用モータ55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。昇降部材用モータ55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」を総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技制御基板100による遊技の説明
次に、遊技制御基板100により行われる遊技について説明する。最初に普図に関わる遊技について説明する。遊技制御基板100は、発射された遊技球がゲート13に入賞すると、普図の可変表示または補助遊技が行われていないことを条件に、普図抽選を行う。遊技制御基板100は、普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13への入賞に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13への入賞に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13に入賞することを「普図変動始動条件の成立」という。
遊技制御基板100は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関連判定情報を取得する。取得する普図関連判定情報には、図7(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。普通図柄乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、普通図柄乱数の範囲は、0~65535である。
次に、普図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。最初に、当たり判定について説明する。当たり判定は、図8(A)に示す当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。
次に、普図の変動パターン判定(普図変動パターン判定)について説明する。普図変動パターン判定は、図8(B)に示す普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンは、普図変動時間などの普図の変動表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普通図柄毎に1つ格納されている。すなわち、遊技制御基板100は、非時短状態においては、ハズレの普通図柄(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、遊技制御基板100は、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図変動表示が、普図表示器82で行われる。
このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。そして、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると、補助遊技が実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。すなわち、補助遊技構成要素は、各遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられた補助遊技制御テーブルに格納されている。遊技制御基板100は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図8(C)に示す補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。よって、遊技制御基板100は、当たり図柄が停止表示されると、遊技状態に応じた補助遊技を実行する。ここで、遊技状態に応じた補助遊技について説明する。
非時短状態における補助遊技では、電チュー12Dが1回開放する。このときの開放時間は0.2秒である。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を第2始動口12に入賞させるのは困難である。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう
時短状態における補助遊技では、電チュー12Dが2回開放する。1回目の開放時間は2.5秒である。そして、1回目の開放が終了し、一旦電チュー12Dが閉鎖してから1.0秒のインターバル時間を挟んで2回目の開放が行われる。2回目の開放時間は2.5秒である。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を第2始動口12に入賞させるのは容易である。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
次に、特図に関わる遊技について説明する。発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1保留数(U1)が4未満であることを条件に、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2保留数(U2)が4未満であることを条件に、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、特図1保留数(U1)が4未満であるときに遊技球が第1始動口11に入賞することを「第1始動条件の成立」といい、特図2保留数(U2)が4未満であるときに遊技球が第2始動口12に入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普通図柄のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
遊技制御基板100は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関連判定情報を取得し、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図7(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、特別図柄乱数の範囲は、0~65535である。大当たり図柄種別乱数の範囲は、0~9である。リーチ乱数の範囲は、0~99である。特図変動パターン乱数の範囲は、0~99である。なお、各種乱数の範囲は、これらに限られず適宜に設定することができる。
次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。最初に、大当たり判定について説明する。大当たり判定は、図9(A)に示す大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、後述する通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。遊技制御基板100は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図9(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
次に、大当たり図柄種別判定について説明する。大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図9(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別には、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典(通常よりも遊技者に有利になる有利遊技状態の内容)などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。
第1始動口11に入賞した場合の(特図1に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄が設けられている。一方、第2始動口12に入賞した場合の(特図2に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄が設けられている。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
なお、大当たりの当選確率および大当たり図柄種別の振分率(%)は図9(A)および図9(B)に限られず、適宜に設定することができる。また、大当たり図柄の種別は、図9(B)に示す6種類の大当たり図柄に限らず、適宜に設定することができる。例えば、第1大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、3種類より多い又は少ない種類の大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。また、第2大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、3種類より多い又は少ない大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。
次に、リーチ判定について説明する。リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図9(C)に示すリーチ判定テーブルを用いてリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。ここで、リーチについて説明するために、リーチの前提となる特図変動演出について説明する。
特図の可変表示が行われると、当該特図の可変表示に応じて、特図変動演出が行われる。特図変動演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、および盤可動装置55などの様々な演出装置を用いて行われる。特図変動演出では、画像表示装置50の表示部50aにおいて、当該特図の可変表示に同期または略同期した演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、特図の変動表示に伴って演出図柄の変動表示が行われ、特図の変動停止(停止表示)に伴って、演出図柄の変動停止(停止表示)が行われる。なお、演出図柄の可変表示が行われているときには、表示部50aで行われる特図変動演出として、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄とは異なる演出画像(静止画や動画)の表示が行われる。
演出図柄は、例えば、表示部50aにおいて、相対的に左側に表示される左演出図柄EZ1と、相対的に真ん中に表示される中演出図柄EZ2と、相対的に右側に表示される右演出図柄EZ3とで構成される(図27など参照)。なお、以下において、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を総称する場合に「演出図柄EZ1~EZ3」という場合もある。
演出図柄EZ1~EZ3はそれぞれ、遊技者が識別可能な複数の識別情報で構成される。第1実施形態では、演出図柄EZ1~EZ3は主に「1」~「9」までの数字を含む図柄で構成される。そして、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示においては、演出図柄EZ1~EZ3を構成する数字を含む図柄群が、正面視で上下方向に並んで表示部50aの上から下にスクロールする。このとき、表示部50aに表示され、視認される数字が次々に入れ替わる。
なお、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様に限られず、左右方向(例えば、右から左)にスクロールする態様など他の態様であってもよい。また、スクロール表示ではなく所定の定位置で演出図柄EZ1~EZ3を構成する数字を含む図柄群が次々に入れ替わる(例えば、その定位置で自転する)態様であってもよい。
そして、特図が停止表示されるときに、演出図柄EZ1~EZ3が所定の配列(組み合わせ)で停止表示される。すなわち、変動表示において表示部50a内で次々に入れ替わっていた様々な数字を含む演出図柄EZ1~EZ3が1つに特定される。このとき、停止表示した演出図柄EZ1~EZ3の組み合わせによって、特図表示器81にて停止表示される特図、すなわち特図抽選の結果が、わかりやすく表示される。つまり遊技者は、一般的には特図抽選の結果を特図1表示器81aや特図2表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50の表示部50aにて把握する。
そして、リーチとは、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3を用いて遊技者に大当たりを期待させるための演出である。具体的に、リーチは、演出図柄EZ1~EZ3のうちでスクロール表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、スクロール表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「5↓5」の状態)のことである(図27(D)や図28(A)参照)。
なお、リーチにおいてスクロール表示されていない演出図柄は、表示部50a内の所定位置で仮停止している。仮停止とは、所定の演出図柄が略所定位置で留まり(所定の演出図柄が表示部50a内に表示され続け)、すなわち、異なる演出図柄に入れ替わることはないものの、微小な変動(例えば、多少の上下方向の往復運動の繰り返し、また、多少の揺動の繰り返し、また、拡大と縮小の繰り返しなど)のことである。なお、仮停止の態様はこれらに限られず、適宜に設定しても良い。
ここで、リーチ判定テーブルの説明に戻す。リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
非時短状態と時短状態についての詳細は後述するが、非時短状態と時短状態は、特別図柄の変動表示に要する時間(特図変動表示の開始時から表示結果の導出時までの時間:特図変動時間)に影響を及ぼす遊技状態であり、時短状態では、非時短状態よりも特図変動時間が短くなり易い。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図9(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルの方が、時短用リーチ判定テーブルよりも、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値が多く振り分けられている。
リーチ判定の結果が「リーチ有り(リーチを発生させる)」であると、大抵の場合は特図変動演出でリーチが発生する。一方、リーチ判定の結果が「リーチ無し(リーチを発生させない)」であると、特図変動演出でリーチが発生しない。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。また、後述するように、時短状態においてリーチ有りと判定されても、特図変動演出でリーチが発生しない場合もある。
次に、特別図柄変動パターン判定について説明する。特別図柄変動パターン判定(特図変動パターン判定)は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、図10~図11に示す特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特別図柄の変動表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定である。
特図変動パターンとは、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する情報も含まれている。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる変動表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルは、特図1の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図10)と、特図2の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図11)とに大別される。
そして、特別図柄の種別に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、時短遊技状態に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、その時短遊技状態を発生させた大当たり図柄にも関連付けられている。すなわち、時短用特図1変動パターン判定テーブルには、大当たり図柄A、Dの停止表示により発生した時短状態のときに用いられる第1特図変動パターン判定テーブル(第1特図1変動パターン判定テーブル)と、大当たり図柄B、C、E、Fの停止表示により発生した時短状態のときに用いられる第1特図変動パターン判定テーブル(第2特図1変動パターン判定テーブル)と、がある。一方、時短用特図2変動パターン判定テーブルには、大当たり図柄A、Dの停止表示により発生した時短状態のときに用いられる第2特図変動パターン判定テーブル(第1特図2変動パターン判定テーブル)と、大当たり図柄B、C、E、Fの停止表示により発生した時短状態のときに用いられる第2特図変動パターン判定テーブル(第2特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、第1特図1変動パターン判定テーブル、第2特図1変動パターン判定テーブル、第1特図2変動パターン判定テーブル、および第2特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の非時短用特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の非時短用特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられる非時短用リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、リーチ無しハズレ用の非時短用特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の非時短用特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の非時短用特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
以上のように特別図柄の種別や遊技状態などに関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルでは、特図変動パターン判定の結果である特図変動パターンに、特図変動パターン乱数の判定値(特図変動パターン乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得した特図変動パターン乱数を特図変動パターン判定テーブルに照合して、特図変動パターンを判定する。そして、この判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特別図柄の変動表示が、特図表示器81で行われる。
そして、特別図柄の変動表示が行われているときに、特図変動パターンに基づいた特図変動演出が行われる。特図変動演出には、通常の通常特図変動演出と、通常特図変動演出よりも演出時間が長く、通常特図変動演出よりも大当たり期待度が高い特別特図変動演出とがある。
また、特図変動パターンには、特図変動時間に基づいた特図変動演出の演出内容を構成する演出フローに関する情報が含まれている。この特図変動演出の演出フローは、図10~図11に示す特図変動パターン判定テーブルの右から3番目の項目に示している。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する各演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、突然示唆演出、がある。
通常変動は、基本的には、演出図柄が特別態様になることなく、1つ1つの演出図柄を認識困難な程度に高速で変動表示する演出のことである。そして、通常特図変動演出の全部分(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、特別特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されている。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチおよびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)。
Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わり(Lリーチ専用の映像が流され)。LリーチはNリーチよりも長い時間行われる。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが必殺技を習得するために特訓を行うシーンが表示される(特訓する映像が表示部50aで流れる)。
SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ用の背景画像よりも長い時間の専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。SPリーチはLリーチよりも長い時間行われる。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが所属するAチームと、主人公キャラクタのライバルが所属するBチームとが試合を行うシーンが表示される(試合する映像が表示部50aで流れる)。
なお、Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチにおける「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチにおいてずっとリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。
また、第1突然示唆演出、および第2突然示唆演出は、通常変動から突然、発展的に切り替わって実行される演出であり、大当たりを示唆する。なお、第1突然示唆演出、および第2突然示唆演出においてリーチは成立しない。第1突然示唆演出、および第2突然示唆演出の詳細は後述する。
また、図10~図11の表の右から2番目の欄に示すように、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容に関する情報を含む特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すこととする。
例えば、ハズレに係る特図変動パターン全般のことを「ハズレ変動」ともいい、大当たりに係る特図変動パターン全般のことを「大当たり変動」ともいう。また、リーチ有りハズレに係るハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」ともいい、リーチ無しハズレに係るハズレ変動のことを「リーチ無しハズレ変動」ともいう。また、大当たりおよびハズレに関係なくSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」ともいう。さらに、大当たりおよびハズレに関係なくLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」ともいう。
また、非時短状態で選択可能な通常Aハズレ変動~通常Cハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローはともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が13秒、8秒と4秒とで異なっている。同様に、時短状態で選択可能な短縮Aハズレ変動と短縮Bハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローもともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が6秒と3秒とで異なっている。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。
そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。
各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、これらの各要素は、大当たり遊技制御テーブルに格納されている。図12(A)に示すように、大当たり遊技制御テーブルは、大当たり図柄の種別に対応付けられている。遊技制御基板100は、停止表示された大当たり図柄の種別に対応付けられた大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。すなわち、遊技制御基板100は、大当たり図柄が停止表示されると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。ここで、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が8回行われる。そして、1Rから8Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。なお、以下において、大当たり図柄Aに応じた大当たり遊技を「第1大当たり遊技」という。
大当たり図柄B、および大当たり図柄Cに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が4回行われる。そして、1Rから4Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。なお、以下において、大当たり図柄B、Cに応じた大当たり遊技を「第2大当たり遊技」という。
大当たり図柄D~大当たり図柄Fに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから16Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。なお、以下において、大当たり図柄D~Fに応じた大当たり遊技を「第3大当たり遊技」という。
そして、遊技制御基板100は、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後の遊技状態を新たに設定する。新たに設定される遊技状態は、終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄に対応付けられている。
ここで、パチンコ遊技機PY1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1の遊技状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る遊技状態と、特図変動時間および第2始動口12の開放の容易性に係る遊技状態とがある。前者には、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者には、非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である遊技状態である。一方、高確率状態は大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である遊技状態である。なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。
次に、非時短状態と時短状態について説明する。時短状態は、非時短状態に比べて、特図変動時間が短くなり易い遊技状態である。前述のように、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いように設定された特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われる。その結果、時短状態では、非時短状態に比べて特図保留の消化のペースが速くなり、始動口11、12への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易い遊技状態でもある。第1実施形態では、普図変動時間は、遊技状態に関連付けられた普図変動パターン判定テーブルに基づいて決定される。具体的に、普図変動時間は、非時短状態においては30.0秒に決定され、時短状態においては5.0秒に決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。
さらに、時短状態は、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態でもある。これは、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するからである。
加えて、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易い遊技状態でもある。これは、非時短状態では、当たり判定において6600/66536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/66536の確率で当たりと判定されるからである。
以上のことから、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなるので、第2始動口12への入賞がし易くなる。よって、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。
なお、時短状態では、非時短状態に比べて、当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる普図に係る遊技についての3つの点で、遊技者に有利に設定されるが、この遊技者に有利に設定される点はこれらの中の任意の一部であってもよい。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞がし易くなればよい。
また、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態であるが、この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。大当たり遊技中は、遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、大当たり遊技の開始に伴って、遊技状態がリセットされて、通常遊技状態が設定される。
ここで、大当たり遊技後の遊技状態についての説明に戻す。前述の通り、新たに設定される遊技状態は、終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄に対応付けられている。具体的には、大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、または大当たり図柄Eに対応付けられた新たな遊技状態は、高確率状態且つ時短状態である。すなわち、大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、または大当たり図柄Eが停止表示すると、大当たり遊技の後は、高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する。一方、大当たり図柄C、および大当たり図柄Fに対応付けられた新たな遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態である。すなわち、大当たり図柄C、または大当たり図柄Fが停止表示すると、大当たり遊技の後は、通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する。
なお、以下において、高確率状態且つ時短状態のことを「確変遊技状態」ともいう。一方、通常確率状態且つ時短状態のことを「時短遊技状態」ともいう。
このように、大当たり当選に伴って、大当たり遊技後は新たな遊技状態にて遊技が進行するが、通常遊技状態に比べて遊技者に有利になる新たな遊技状態の期間は規定されている。具体的には、遊技者に有利な新たな遊技状態が設定されて、大当たりに当選することなく特図の可変表示が所定の規定回数、実行されると、遊技者に有利な遊技状態が終了する。この規定回数は、大当たり図柄の種別と、遊技状態の種別とに関連付けられている。
大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dで高確率状態が設定される場合の規定回数は160回に設定されている。また、大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、および大当たり図柄Eで時短状態が設定される場合の規定回数は160回に設定されている。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Fで時短状態が設定される場合の規定回数は100回に設定されている。
そして、高確率状態が設定されて大当たり当選されることなく規定回数の特図の可変表示が実行されると、高確率状態が終了して通常確率状態に移行する。また、時短状態が設定されて大当たり当選されることなく規定回数の特図の可変表示が実行されると、時短状態が終了して非時短状態に移行する。よって、遊技者に有利な高確率状態や時短状態が設定されて、大当たりに当選することなく高確率規定回数や時短規定回数の特図可変表示が実行されることは、遊技者に有利な高確率状態や時短状態が終了するための終了条件ということができる。
なお、以下において、高確率状態に対する規定回数を「高確率規定回数」という。また、時短状態に対する規定回数を「時短規定回数」という。また、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技後に通常確率状態で遊技が進行するが、この遊技状態についての規定回数は設定されていない。
このように、大当たり図柄に応じて新たな遊技状態および規定回数が対応付けられている。遊技制御基板100は、図12(B)に示す遊技状態設定テーブルに基づいて、大当たり遊技後の新たな遊技状態、並びに高確率規定回数、および時短規定回数を設定する。
以上のように、大当たりに当選すると、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技が実行され、大当たり図柄の種別に応じた遊技状態および規定回数が設定される。大当たり遊技の種別、遊技状態の種別および規定回数は、遊技者の遊技利益となるので、大当たり図柄の種別は、遊技者に付与する遊技利益を表しているということができる。ここで、特図1抽選に係る大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cに係る遊技利益と、特図2抽選に係る大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fに係る遊技利益とを比べると、大当たり遊技に係る出玉性能の点から特図2抽選の方が遊技者に有利といえる。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行させる大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行させる大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行させる大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
ところで、遊技制御基板100は、遊技球が始動口11、12に入賞して、特図関連判定情報を取得すると、一旦、遊技用RAM104の特図保留記憶部105とは異なる領域(例えば、バッファ)に記憶し、当該特図関連判定情報に基づいて始動入賞コマンドを特定して演出制御基板120に送信する。
始動入賞コマンドには、取得された特図関連判定情報に基づいて行われる特図変動パターン判定で決定される特図変動パターンの情報(特図変動パターン情報)が含まれている。前述の通り、特図変動パターンには、始動口の種別、言い換えれば、特図の種別に関する情報が含まれているので、始動入賞コマンドには、その始動入賞コマンドを発生させた始動口の種別に関する情報(入賞始動口情報)、言い換えれば、その始動入賞コマンドを発生させた入賞により行われる可変表示の特図の種別(特図種別情報)も含まれている。また、特図変動パターンには、大当たり、またはハズレの何れであるかの情報(当否情報)と、リーチの有無の情報(リーチ情報)も含まれているので、始動入賞コマンドには、当否情報とリーチ情報も含まれていることになる。
遊技制御基板100は、取得した特図関連判定情報に基づいて、図13に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて始動入賞コマンドを特定する。始動入賞コマンド特定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、始動入賞コマンド特定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の始動入賞コマンド特定テーブル(第1始動入賞コマンド特定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の始動入賞コマンド特定テーブル(第2始動入賞コマンド特定テーブル)とがある。
また、始動入賞コマンド特定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、始動入賞コマンド特定テーブルには、非時短状態のときに用いられる始動入賞コマンド特定テーブル(非時短用始動入賞コマンド特定テーブル)と時短状態のときに用いられる始動入賞コマンド特定テーブル(時短用始動入賞コマンド特定テーブル)とがある。
つまり、始動入賞コマンド特定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1始動入賞コマンド特定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1始動入賞コマンド特定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2始動入賞コマンド特定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2始動入賞コマンド特定テーブルと、がある。
なお、始動入賞コマンドは、少なくとも当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜に変更可能である。前述のとおり、特図関連判定情報に基づいて特別図柄の可変表示が行われるが、その特図関連判定情報に基づいて実行される特別図柄の可変表示よりも前に、当否情報などを演出制御基板120に送信することで、所謂「保留変化予告」などの大当たり期待度を示唆する先読み演出を実行可能にし、遊技興趣を向上させる。
4.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図14~図23に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図14に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図14の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検出処理]
次に、図16~図17を用いてセンサ検出処理について説明する。センサ検出処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2始動入賞コマンド特定処理を行う(S212)。第2始動入賞コマンド特定処理では、図13に示す第2始動口用始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1始動入賞コマンド特定処理を行う(S219)。第1始動入賞コマンド特定処理では、図13に示す第1始動口用始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検出処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。第1実施形態では、入賞規定個数は「8」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S222でYES)、センサ検出処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検出処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図18に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図19に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、遊技状態設定テーブルに基づいて、遊技状態を設定する処理である。終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄を遊技状態設定テーブルに照合して、当該大当たり遊技後の遊技状態を設定する。高確率状態を設定する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONする。さらにこのときに、大当たりに当選することなく高確率状態を設定(継続)できる規定回数(高確率規定回数)を、遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、時短状態を設定する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONする。さらにこのときに、大当たりに当選することなく時短状態を設定(継続)できる規定回数(時短規定回数)を、遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図20を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。現在、通常確率状態であれば通常確率状態用第1大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行い、高確率状態であれば高確率状態用第1大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図21を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であったか否かを判定する。大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進み、大当たりでなければ(S1654でNO)、リーチ判定を行う(S1655)。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
次に、ステップS1655でのリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657~ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)におけるその他の処理(S107)において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
その後、遊技制御用マイコン101は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように第1実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして第1実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図22を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理(S1503)ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図23を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、高確率状態(高確率フラグがON)であるか否かを判定する(S1752)。
現在高確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1756に進み、現在、高確率状態であれば(S1752でYES)、高確率状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(高確率残り回数)を計測する高確率残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1753)、高確率残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1754)。高確率残り回数カウンタの値(高確率残り回数)が「0」でなければ(S1754でNO)、ステップS1756に進み、高確率残り回数カウンタの値(高確率残り回数)が「0」であれば(S1754でYES)、高確率状態から通常確率状態に移行させる(高確率フラグをOFFする)(S1755)。
ステップS1756において、遊技制御用マイコン101は、現在、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する。時短状態でなければ(S1756でNO)、ステップS1760に進み、現在、時短状態であれば(S1756でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1757)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1758)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1758でNO)、ステップS1760に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1758でYES)、時短状態から非時短状態に移行させる(時短フラグをOFFする)(S1759)。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1760)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1761)。大当たり図柄でなければ(S1761でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更し(S1765)、特別図柄確定処理を終了する。
一方、ステップS1761において大当たり図柄であれば(S1761でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1762)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1763)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1764)、特別図柄確定処理を終了する。大当たり遊技準備処理では、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
5.演出制御基板120による演出の説明
前述のように、遊技制御基板100は、遊技球が始動口11、12に入賞することによって、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、および遊技状態の設定などを行う。演出制御基板120は、これらの遊技制御基板100が行う遊技の制御に応じて、演出の制御を行う。以下に、演出制御基板120により行われる演出の制御について図24~図30を用いて説明する。
5-1.演出モード
最初に、遊技制御基板100が行う遊技の制御に伴って演出制御基板120が行う演出モードの制御について説明する。演出モードとは、演出、特に変動演出の区分(あるいは、各種個別の演出に関連付けられている属性、演出上の状態)のことである。
第1実施形態では、演出モードとして、演出モードAと、演出モードBと、演出モードCと、が設定されている。演出モードには、後述する変動演出の演出態様、演出図柄の背景として表示される背景画像、およびBGMなどが対応付けられている。
演出モードAは、通常遊技状態において設定される、すなわち通常遊技状態において滞在する演出モードであり、通常遊技状態であることを示唆する。なお、演出モードAは、電源投入時に最初に設定される基本的な通常の演出モードである。演出モードBは、大当たり図柄A、Dに係る大当たり遊技後の確変遊技状態において設定される、すなわち滞在する演出モードであり、確変遊技状態であることを示唆する。演出モードCは、大当たり図柄B、Eに係る大当たり遊技後の確変遊技状態、または大当たり図柄C、Fに係る大当たり遊技後の時短遊技状態において設定される、すなわち滞在する演出モードであり、確変遊技状態、または時短遊技状態の何れかであることを示唆する。言い換えると、演出モードCは、確変遊技状態、または時短遊技状態の何れであるかを判別困難に秘匿する演出モードである。
次に、大当たり当選などの移行条件が成立することによって遊技状態および演出モードが切り替わる遊技フローについて図24を用いて説明する。ここでは、電源投入時に設定される通常遊技状態および演出モードAを起点に説明する。遊技状態が通常遊技状態であり、演出モードが演出モードAであるときは、基本的には左打ちでの遊技が行われ、特図1抽選および特図1の可変表示が行われる。そして、特図1抽選の結果、大当たり図柄に当選したとする。特図1抽選で大当たり図柄に当選すると、大当たり図柄の種別は大当たり図柄A~大当たり図柄Cの何れかに決定される。
ここで、大当たり図柄Aに当選すると、第1大当たり遊技が行われ、第1大当たり遊技が終了する際に確変遊技状態が設定される。この新たな遊技状態の設定に伴って、演出制御基板120は演出モードBを設定する。そして演出制御基板120は、確変遊技状態においては、演出モードBで演出を実行する。一方、大当たり図柄Bまたは大当たり図柄Cに当選すると、第2大当たり遊技が行われ、第2大当たり遊技が終了する際に、確変遊技状態、または時短遊技状態が設定される。新たな遊技状態の設定に伴って、何れの遊技状態であっても演出制御基板120は演出モードCを設定する。そして演出制御基板120は、確変遊技状態、または時短遊技状態において、演出モードCで演出を実行する。
なお、後述するように大当たり図柄Aに当選すると、赤色の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。一方、大当たり図柄B、Cに当選すると、青色の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。以下において、赤色の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示のことを「赤図柄揃い」ともいう。一方、青色の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示のことを「青図柄揃い」ともいう。よって、演出モードAにおいて赤図柄揃いが行われると演出モードBに突入し、青図柄揃いが行われると演出モードCに突入するということができる。
次に、確変遊技状態が設定され、演出モードBが設定されているときには、基本的には右打ちでの遊技が行われ、特図2抽選および特図2の可変表示が行われる。そして、特図2抽選の結果、大当たり図柄に当選したとする。特図2抽選で大当たり図柄に当選すると、大当たり図柄の種別は大当たり図柄D~大当たり図柄Fの何れかに決定される。
ここで、大当たり図柄Dに当選すると、第3大当たり遊技が行われ、第3大当たり遊技が終了する際に確変遊技状態が設定される。この新たな遊技状態の設定に伴って、演出制御基板120は演出モードBを設定する。すなわち、確変遊技状態、および演出モードBが継続する。一方、大当たり図柄Eまたは大当たり図柄Fに当選すると、第3大当たり遊技が行われ、第3大当たり遊技が終了する際に、確変遊技状態、または時短遊技状態が設定される。この新たな遊技状態の設定に伴って、何れの遊技状態であっても演出制御基板120は演出モードCを設定する。すなわち、確変遊技状態が継続した場合であっても、時短遊技状態に移行した場合であっても、外見上は演出モードCに移行する。
なお、後述するように大当たり図柄Dに当選すると、赤色の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。一方、大当たり図柄E、Fに当選すると、青色の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。よって、演出モードBにおいて赤図柄揃いが行われると演出モードBが継続し、青図柄揃いが行われると演出モードCに突入するということができる。
また、大当たり図柄Aに係る大当たり遊技後の確変遊技状態に対する高確率規定回数が160回であり、時短規定回数が160回であり、高確率状態における大当たり当選確率は約1/44であるので、この遊技状態および演出モードが設定されている間に、大当たり当選が発生する可能性は十分にある。しかし、仮にこの遊技状態および演出モードにおいて160回の特図抽選が行われたが大当たり当選できなかった場合は、160回目の特図可変表示の終了に伴って通常遊技状態が設定される。そして、この通常遊技状態の設定に伴って演出制御基板120は演出モードAを設定する。以下において、確変遊技状態において高確率規定回数の特図抽選が実行されたが大当たり当選できずに通常遊技状態になることを「確変抜け」ともいう。
さらに、確変遊技状態、または時短遊技状態が設定され、演出モードCが設定されているときには、基本的には右打ちでの遊技が行われ、特図2抽選および特図2の可変表示が行われる。そして、特図2抽選の結果、大当たり図柄に当選したとする。特図2抽選で大当たり図柄に当選すると、大当たり図柄の種別は大当たり図柄D~大当たり図柄Fの何れかに決定される。
ここで、大当たり図柄Dに当選すると、第3大当たり遊技が行われ、第3大当たり遊技が終了する際に確変遊技状態が設定される。この新たな遊技状態の設定に伴って演出制御基板120は新たに演出モードBを設定する。すなわち、確変遊技状態が継続した場合であっても、新たに確変遊技状態に移行した場合であっても、何れの遊技状態であるか判別困難な演出モードCから、確変遊技状態であることが明確な演出モードBに移行する。言い換えると、演出モードCで赤図柄揃いが行われると演出モードBに突入する。そして演出制御基板120は、確変遊技状態において、演出モードBで演出を実行する。
一方、大当たり図柄Eまたは大当たり図柄Fに当選すると、第3大当たり遊技が行われ、第3大当たり遊技が終了する際に、確変遊技状態、または時短遊技状態が設定され、何れの遊技状態であっても演出モードCが継続する。すなわち、確変遊技状態、または時短遊技状態が継続した場合であっても、新たに確変遊技状態、または時短遊技状態に移行した場合であっても、何れの遊技状態であるか判別困難な演出モードCが継続する。言い換えると、演出モードCで青図柄揃いが行われると演出モードCが継続する。そして演出制御基板120は、確変遊技状態、または時短遊技状態において、演出モードCによる演出を実行する。
なお、大当たり図柄C、Fに係る大当たり遊技後の時短遊技状態に対する時短規定回数が100回であり、通常確率状態における大当たり当選確率は約1/300であるので、この遊技状態および演出モードが設定されている間に、大当たり当選しない可能性が十分にあり得る。そして、この遊技状態および演出モードにおいて100回の特図抽選が行われたが大当たり当選できなかった場合は、100回目の特図可変表示の終了に伴って通常遊技状態が設定される。そして、演出制御基板120は、通常遊技状態の設定に伴って演出モードAを設定することになる。以下において、時短遊技状態において時短規定回数の特図抽選が実行されたが大当たり当選できずに通常遊技状態になることを「時短抜け」ともいう。
また、大当たり図柄B、Eに係る大当たり遊技後の確変遊技状態に対する高確率規定回数が160回であり、時短規定回数が160回であり、高確率状態における大当たり当選確率は約1/44であるので、この遊技状態および演出モードが設定されている間に、大当たり当選する可能性は十分にある。しかし、仮にこの遊技状態および演出モードにおいて160回の特図抽選が行われたが大当たり当選できなかった場合は、160回目の特図可変表示の終了に伴って通常遊技状態が設定される。そして、演出制御基板120は、通常遊技状態の設定に伴って演出モードAを設定することになる。
ここで、同一の演出モードCに滞在していても遊技状態が時短遊技状態であると、当該遊技状態が設定されてから100回の特図可変表示が行われたが大当たり当選できなかった場合は演出モードAに切り替わる。一方、確変遊技状態であると、当該遊技状態が設定されてから100回の特図可変表示が行われたが大当たり当選できなかった場合はその後も確変遊技状態および演出モードCが継続する。よって、大当たり図柄B、Eに係る大当たり遊技後の確変遊技状態において100回の特図可変表示が実行された後の期間については、一見すると確変遊技状態か時短遊技状態の何れか判別困難な演出モードCで演出が実行されるが、事実上は、確変遊技状態であることを容易に認識することができる。
次に、各演出モードにおける演出について説明する。なお、前述の通り、各演出モードによって表示部50aにおいて、演出図柄の背景として表示される背景画像が異なる。そして、第1実施形態では、図25(A)~図25(C)に示すように、演出モードAで用いられる背景画像G100(以下、「通常用背景画像G100」という)、演出モードBで用いられる背景画像G110(以下、「確変専用背景画像G110」という)、演出モードCで用いられる背景画像G120(以下、「確変時短共通背景画像G120」という)が設定されている。
演出制御基板120は、何れの演出モードでも、特別図柄の可変表示が開始されると、特別図柄の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を制御する。特図変動演出では、基本的には、表示部50aにおいて、各演出モードに応じた背景画像に重畳的に、演出図柄の可変表示が行われる。演出図柄の可変表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。演出図柄の変動表示が行われているときには、大当たりに当選したことの可能性(所謂「大当たり期待度」)が示唆されることがある。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
5-2.演出モードAにおける演出
次に、演出モードAにおける特図変動演出について説明する。例えば、図26(A)に示すように、表示部50aにおいて、通常用背景画像G100の上に、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われていない状態から、特別図柄の変動表示が開始されると、図26(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始される。また、図示はされていないが、演出モードAでは、通常遊技状態に応じた演出モードA用の通常用BGMがスピーカ52から特図変動演出の区切りに関係なくシームレスに流れている。
そして、この新たに開始された特別図柄の変動表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動(例えば、通常Aハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。
演出図柄EZ1~EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図26(C)に示すように、左演出図柄EZ1が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止し、次に図26(D)に示すように、右演出図柄EZ3が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、図26(E)に示すように、中演出図柄EZ2が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止する。
そして、最後に、表示部50aの上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1~EZ3が、図26(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる)。
なお、図26の例では、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
次に、リーチが発生する場合の特図変動演出について説明する。この場合も前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図27(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されている状態から、特別図柄の変動表示が開始されて、図27(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始するとする。
そして、例えば図27(C)に示すように、数字「5」からなる左演出図柄EZ1が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止し、次に、図27(D)に示すように、同一の数字「5」からなる右演出図柄EZ3が表示部50aの上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生または成立する)。
なお、図27の例では、リーチが発生する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も表示部50aの上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
次に、リーチが成立した後に、リーチが保持された状態で行われる演出(リーチ演出)について説明する。図27(D)に示すように、リーチが成立すると、その時点からNリーチが開始される。Nリーチでは、図28(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図28(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
ここで、実行中の特図変動演出がNリーチで終了する場合は、このNリーチの状態から、中演出図柄EZ2が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止して特図抽選の結果に応じた演出図柄の停止表示が行われる。実行中の特図変動演出が起因する特図抽選の抽選結果が「ハズレ」であると、ハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。この特図変動演出では、リーチが発生しているので、図28(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図28(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図28(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、言い換えれば、LリーチやSPリーチに発展する場合は、図28(C-2)に示すように、例えばNリーチで終了する場合の中演出図柄EZ2が仮停止するタイミングと大体同じタイミングで、中演出図柄EZ2が再び通常態様の(高速で)変動表示を行い、LリーチやSPリーチへと発展する。
NリーチからLリーチに発展すると、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部50aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部50aの右上に移動する(図29(A-1)参照)。また、通常用背景画像G100からLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像)G101に切り替わる(図29(A-1)参照)。Lリーチ用背景画像G101は、主人公キャラクタが必殺技を習得するために特訓を行う映像(シーン)で構成されている。
一方、NリーチからSPリーチに発展する場合も、Lリーチと同様に、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部50aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部50aの右上に移動する(図29(A-2)参照)。また、通常用背景画像G100からSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像)G102に切り替わる(図29(A-2)参照)。SPリーチ用背景画像G102は、主人公キャラクタが所属するAチームと、主人公キャラクタのライバルが所属するBチームとが試合を行う映像(シーン)で構成されている。
そして、LリーチであってもSPリーチであっても、ハズレであると、最終的には図29(B-1)に示すように、Lリーチ用背景画像G101またはSPリーチ用背景画像G102から通常用背景画像G100に切り替わると共に、ハズレを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われ、次の特図変動演出が行われる。一方、大当たりであると、LリーチであってもSPリーチであっても、最終的には図29(B-2)に示すように、Lリーチ用背景画像G101またはSPリーチ用背景画像G102から通常用背景画像G100に切り替わると共に、大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われ、大当たり遊技演出が行われる。
ここで、大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3について説明する。大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3は、図29(B-2)の「5・5・5」のように、演出図柄EZ1~EZ3のそれぞれが同一の数字で停止表示した際に並ぶ3つの演出図柄EZ1~EZ3の順列で構成される。なお、以下において、大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字を「大当たり演出図柄」という。
大当たり演出図柄は、演出モード、および大当たり図柄に関連づけられている。図30に示すように、演出モードAにおいて、大当たり図柄A、Dであれば大当たり演出図柄は「3」または「7」であり、大当たり図柄B、C、E、Fであれば大当たり演出図柄は「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」または「9」である。大当たり図柄A、Dの場合、および大当たり図柄B、C、E、Fの場合、何れの大当たり演出図柄になるかは抽選によって決定される。そして、大当たり図柄A、Dの場合、および大当たり図柄B、C、E、Fの場合、各大当たり演出図柄に決定される確率は概ね同一である。
また、大当たり図柄A、Dに係る大当たり演出図柄「3」および「7」は赤色で構成されている。一方、大当たり図柄B、C、E、Fに係る大当たり演出図柄「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」および「9」は青色で構成されている。そこで、大当たり図柄A、Dに係る大当たり演出図柄を「赤図柄」と総称する。一方、大当たり図柄A、Dに係る大当たり演出図柄を「青図柄」と総称する。
なお、図30に示すように、演出モードB、および演出モードCにおいては、大当たり図柄A、Dであれば大当たり演出図柄は赤図柄の「7」であり、大当たり図柄B、C、E、Fであれば大当たり演出図柄は青図柄の「9」となる。
5-3.演出モードBにおける演出
次に、演出モードBにおける演出について説明する。図31に示すように、演出モードBでは、基本的には表示部50aにおいて、確変専用背景画像G110を背景画像として、演出モードAと同様に演出図柄EZ1~EZ3の可変表示が行われる。なお、演出モードBが示唆する確変遊技状態では、通常遊技状態に比べて全体的に特図変動時間が短いため、基本的には3つの演出図柄EZ1~EZ3が同時に表示部50aの上下方向中央で急に止まって停止表示する。また、確変専用背景画像G110は、宇宙空間を飛行している様子の映像で構成されている。さらに、演出モードBでは、基本的に右打ちで遊技が行われるので、右打ちが有利であること、または右打ちが適していることを示唆する右打ち示唆画像G1が表示部50aの右上部分に表示される。また、図示はされていないが、演出モードBでは、確変遊技状態に応じた演出モードB用の確変専用BGMがスピーカ52から特図変動演出の区切りに関係なくシームレスに流れている。
そして、特図2抽選の結果がハズレであると、図31(C)に示すように、ハズレ特図が停止表示されるときに、ハズレを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が停止表示される。一方、特図2抽選の結果が大当たりであると、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示中に、最初は図32(A)に示すように、盤可動体55kが表示部50aの中央辺りの高さ位置まで下降し、回転する。このとき、爆発して発生する煙を表す画像G2(以下、「煙画像G2」という)が表示部50aの画面全体に表示される。続いて、図32(B)に示すように、盤可動体55kが待機状態に戻るとともに、煙が徐々に消え去るように煙画像G2が徐々に薄くなり、縮小されていく。
ここで、特図2抽選の結果が大当たり図柄Dであると、煙画像G2が完全になくなるとともに、大当たり演出図柄「7」による大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3が定位置で微振動している状態で出現し、図32(C-1)に示すように、微振動が止まって大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われ、図32(D-1)に示すように、大当たり図柄Dに応じた大当たり遊技演出が実行される。
前述したように、赤図柄揃いが行われると、大当たり遊技後に確変遊技状態であることが確定する。なお、赤図柄揃いに応じた大当たり遊技演出では、大当たり図柄Dに当選したことを示唆する画像G3(以下、「第1大当たりタイトル画像G3」という)が表示部50aの中央に大きく表示される。
一方、特図2抽選の結果が大当たり図柄Eまたは大当たり図柄Fであると、煙画像G2が完全になくなるとともに、大当たり演出図柄「9」による大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3が微振動している状態で出現し、図32(C-2)に示すように、微振動が止まって大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われ、図32(D-2)に示すように、青図柄揃いに応じた大当たり遊技演出が実行される。
前述したように、青図柄揃いが行われると、大当たり遊技後に時短遊技状態であるか確変遊技状態であるかの判別が困難である。なお、青図柄揃いに応じた大当たり遊技演出では、大当たり図柄Eまたは大当たり図柄Fに当選したことを示唆する画像G4(以下、「第2大当たりタイトル画像G4」という)が表示部50aの中央に大きく表示される。
前述のように、演出モードBにおいて、盤可動体55kが表示部50aの中央辺りの高さ位置まで下降し、回転すると共に、表示部50aにおいて煙画像G2が表示される演出は、大当たりの特図変動表示においてのみ実行される。すなわち、この演出は、大当たり当選を示唆している。この盤可動体55kと表示部50aによる演出が、前述の「第1突然示唆演出」を構成する。
5-4.演出モードCにおける演出
次に、演出モードCにおける演出について説明する。図33に示すように、演出モードCでは、基本的には表示部50aにおいて、確変時短共通背景画像G120を背景画像として、演出モードBと同様に演出図柄EZ1~EZ3の可変表示が行われる。確変時短共通背景画像G120は、飛行機が雲の上を飛行している様子の映像で構成されている。また、演出モードCでは、基本的に右打ちで遊技が行われるので、演出モードBと同様に、右打ち示唆画像G1が表示部50aの右上部分に表示される。また、図示はされていないが、演出モードCでは、演出モードC用の確変時短共通BGMがスピーカ52から特図変動演出の区切りに関係なくシームレスに流れている。
さらに、演出モードCにおいては、大当たり遊技の後から特図可変表示が実行される度に更新される更新演出が実行される。更新演出は、最初は表示部50aの左上部分にて行われる。具体的には、「残り○○回」という文字表記からなる第1更新演出画像G5が表示される。この第1更新演出画像G5「○○」の部分には数字が入る。そして第1更新演出画像G5の数字部分は、大当たり遊技が終了して演出モードCが設定された直後は「100」であり、その後、特図可変表示が開始される度に1つずつ減少されていく(図33(A)~図33(D)参照)。
そして、特図2抽選の結果がハズレであると、図33(C)に示すように、ハズレ特図が停止表示されるときに、ハズレを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が停止表示される。一方、特図2抽選の結果が大当たりであると、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示中において、最初は図34(A)に示すように、確変時短共通背景画像G120が、飛行機が少し下降して雲の中に入る内容に切り替わる。
ここで、特図2抽選の結果が大当たり図柄Dであると、図34(B-1)に示すように、確変時短共通背景画像G120が、飛行機がさらに下降して雲から抜け出してベースボールスタジアムの上空に出てくる内容に切り替わり、図34(C-1)に示すように、大当たり演出図柄「7」による大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われ、図34(D-1)に示すように、大当たり図柄Dに応じた大当たり遊技演出が実行される。前述したように、赤図柄揃いが行われると、大当たり遊技後に確変遊技状態であることが確定する。なお、赤図柄揃いに応じた大当たり遊技演出では、演出ボードBの場合と同様に、第1大当たりタイトル画像G3が表示部50aの中央に大きく表示される。
一方、特図2抽選の結果が大当たり図柄Eまたは大当たり図柄Fであると、図34(B-2)に示すように、確変時短共通背景画像G120が、飛行機がさらに下降して雲から抜け出してサッカースタジアムの上空に出てくる内容に切り替わり、図34(C-2)に示すように、大当たり演出図柄「9」による大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われ、図34(D-2)に示すように、大当たり図柄Eまたは大当たり図柄Fに応じた大当たり遊技演出が実行される。前述したように、青図柄揃いが行われると、大当たり遊技後に確変遊技状態であるか時短遊技状態であるかの判別が困難である。なお、青図柄揃いに応じた大当たり遊技演出では、演出ボードBの場合と同様に、第2大当たりタイトル画像G4が表示部50aの中央に大きく表示される。
なお、演出モードCにおいて特図可変表示が100回実行されるまでの間、すなわち、滞在している遊技状態が確変遊技状態、または時短遊技状態の何れであるかが判別困難な期間においては、表示部50aに表示される確変時短共通背景画像G120の一部として飛行機が雲の中を飛行する内容の映像が表示される演出は、大当たりの特図変動表示においてのみ実行される。すなわち、この演出は、大当たり当選を示唆している。以下において、この飛行機が雲の中を飛行する内容の映像が表示される演出が、前述の「第2大当たり示唆演出」を構成している。
次に、遊技状態が時短遊技状態であり、演出モードが演出モードCであるときに、大当たり当選することなく特図可変表示が100回実行され、通常遊技状態、および演出モードAに移行するケースについて説明する。例えば、図35(A)に示すように、時短遊技状態、および演出モードCが設定されてから99回目の特図2抽選の結果がハズレであり、ハズレを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われていたとする。なお、このとき、演出モードCが設定されてから99回の特図可変表示が実行されているので、第1更新演出画像G5の数字部分は、「1」となっている。
続いて、演出モードCが設定されてから100回目の特図可変表示が開始されると、図35(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始され、第1更新演出画像G5の数字部分が「1」減算されて、「0」となる。ここで、この100回目の特図可変表示に係る特図2抽選の結果がハズレであると、図35(C)に示すように、ハズレを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、100回目の特図可変表示が終了したので、この際に時短遊技状態から通常遊技状態に移行すると共に、演出モードCから演出モードAに移行する。
具体的には、100回目の特図可変表示が終えると、例えば、図35(D)に示すように、次の特図可変表示が開始されるときに、背景画像が確変時短共通背景画像G120から通常用背景画像G100に切り替わり、BGMが確変時短共通BGMから通常用BGMに切り替わり、右打ち示唆画像G1、および第1更新演出画像G5が消去される。また、遊技状態が通常遊技状態であることから、左打ちで遊技を進めることが有利で適切であるため、左打ちが有利であること、または左打ちが適していることを示唆する左打ち示唆画像G6が表示部50aの左上に表示される。なお、左打ち示唆画像G6は、表示されてから所定期間(例えば、5秒)経過すると消去される。
次に、遊技状態が確変遊技状態であり、演出モードが演出モードCであるときに、大当たり当選することなく特図可変表示が100回実行され、確変遊技状態、および演出モードCが継続するケースについて説明する。例えば、図36(A)に示すように、確変遊技状態、および演出モードCが設定されてから99回目の特図2抽選の結果がハズレであり、ハズレを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われていたとする。なお、このとき、演出モードCが設定されてから99回の特図可変表示が実行されているので、第1更新演出画像G5の数字部分は、「1」となっている。
次に、演出モードCが設定されてから100回目の特図可変表示が開始されると、図36(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始され、第1更新演出画像G5の数字部分が「1」減算されて、「0」となる。ここで、この100回目の特図可変表示に係る特図2抽選の結果がハズレであると、図36(C)に示すように、ハズレを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。
そして、100回目の特図可変表示が終えたこの後も基本的には演出モードCが継続される。しかし、この前後で変更される点もある。具体的には、例えば、図36(D)に示すように、次の特図可変表示が開始される直前に、更新演出の演出態様が変化し、第1更新演出画像G5から、高確率状態且つ時短状態であることを示唆すると共に、確変遊技状態が終了するまでの特図可変表示の残り回数を認識可能な第2更新演出画像G7に切り替わる。なお、確変時短共通背景画像G120および右打ち示唆画像G1は引き続き表示され、確変時短共通BGMも引き続き出力される。
第2更新演出画像G7は、「試合開始まであと○○分」という文字表記で構成されている。この第2更新演出画像G7「○○」の部分には数字が入る。第1更新演出画像G5から第2更新演出画像G7に切り替わったときに、確変遊技状態が終了するまで実行可能な特図可変表示の回数は、高確率規定回数から100回を減算した60回であるので、切り替わった直後は、数字部分に「60」が表示される。その後、特図可変表示が開始される度に第2更新演出画像G7の数字部分が1つずつ減少されていく。
また、演出モードCであるときに時短遊技状態であれば、当該演出モードCが設定されてから大当たり当選することなく100回の特図可変表示が実行されると、通常遊技状態に設定され、演出モードAに設定される。よって、当該演出モードCが設定されてから大当たり当選することなく100回の特図可変表示が実行されても、演出モードCが継続するということは、確変遊技状態に滞在していることを意味する。
このように、確変遊技状態であり、演出モードCが設定されてから100回の特図可変表示が実行された後は、確変遊技状態であることが判明し、確定している期間であるということができる。以下において、この期間のことを「演出モードC確定期間」という。これに対して、確変遊技状態、または時短遊技状態であり、演出モードCが設定されてから100回の特図可変表示が実行されるまでの期間は、確変遊技状態であるのか時短遊技状態であるのかを特定できず、遊技状態が秘匿されている期間であるということができる。以下において、この期間のことを「演出モードC秘匿期間」という。
ここで、演出モードC確定期間では、ハズレの場合は、演出モードC秘匿期間と同様な特図変動演出が実行されるが、大当たりの場合、演出モードC秘匿期間と異なる態様の特図変動演出が実行される。具体的には、演出モードC確定期間では、大当たり変動において、演出モードBの場合と同様に、第1突然示唆演出が実行される。すなわち、演出モードC秘匿期間では、大当たり変動で第2突然示唆演出が実行される一方、演出モードC確定期間の前は、大当たり変動で第1突然示唆演出が実行される。
例えば、演出モードC確定期間に突入してから30回目の特図変動表示が行われているとする。よって、このとき第2更新演出画像G7は「試合開始まであと30分」となっている。そして、図37(A)に示すように、特図変動演出の途中で、盤可動体55kが表示部50aの中央辺りの高さ位置まで下降し、回転すると共に、煙画像G2が表示部50aの画面全体に表示される。続いて、図37(B)に示すように、盤可動体55kが待機状態に戻るとともに、煙が徐々に消え去るように煙画像G2が徐々に薄くなり、縮小されていく。そして、最後に図37(C-1)~図37(D-1)、または図37(C-2)~図37(D-2)に示すように、大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われてから大当たり遊技演出が行われる。
前述したように、赤図柄揃いが行われると、大当たり遊技後に確変遊技状態であることが確定する。なお、赤図柄揃いに応じた大当たり遊技演出では、大当たり図柄Dに当選したことを示唆する画像G3(以下、「第1大当たりタイトル画像G3」という)が表示部50aの中央に大きく表示される。
以上、演出モードBと演出モードCの演出的な特徴をまとめると図38のようになる。赤図柄揃いで確変遊技状態となって演出モードBで演出が実行されると、表示部50aに宇宙で構成される確変専用背景画像G110が表示され、スピーカ52から確変専用BGMが出力される。また、大当たりのときには、大当たりを示唆する第1突然示唆演出が実行される。
また、青図柄揃いで確変遊技状態、または時短遊技状態となって演出モードCに突入すると、演出モードC秘匿期間では、表示部50aに空で構成される確変時短共通背景画像G120が表示され、スピーカ52から確変時短共通BGMが出力され、更新演出が実行される。また、大当たりのときには、大当たりを示唆する第2大当たり示唆演出が実行される。
さらに、青図柄揃いで設定された確変遊技状態が所定期間続いて、時短遊技状態であれば演出モードCが終了するタイミング以降も演出モードCが継続している演出モードC確定期間でも、表示部50aに空で構成される確変時短共通背景画像G120が表示され、スピーカ52から確変時短共通BGMが出力される。しかしながら、更新演出の演出態様が第1更新演出画像G5から第2更新演出画像G7に切り替わる。また、大当たりのときには、大当たりを示唆する第1突然示唆演出が実行される。
このように、確変遊技状態における演出モードC秘匿期間と演出モードC確定期間とで、特図変動演出において大当たりを示唆する突然示唆演出の演出態様を異ならせることで、演出モードCにおける突然示唆演出の単調化を防ぎ、演出効果を高めることができる。それに加えて、確変遊技状態が明確である演出モードBの全期間と演出モードC確定期間とで、同一の第1突然示唆演出が実行されるので、遊技者に大当たり当選を認識させ易くし、演出効果の低下を抑えることができる。さらに、第1突然示唆演出では、早いテンポで特図変動演出が繰り返し実行されている中で、突然、盤可動体55kを作動させるので、第1突然示唆演出のインパクトを強め、演出効果を向上させることができる。
また、演出モードCにおいて、演出モードC秘匿期間と演出モードC確定期間とで、異なる態様の更新演出が実行される。具体的には、演出モードC秘匿期間では、第1更新演出画像G5によって回数がカウントダウンされる態様(第1態様)の更新演出が実行され、演出モードC確定期間では、第2更新演出画像G7によって時間が減少していく態様(第2態様)の更新演出が実行される。よって、更新演出の単調化を防ぎ、演出効果を高めることができる。また、確変遊技状態でのみ発生可能な演出モードC確定期間でのみ第2態様の更新演出が実行される一方、確変遊技状態または時短遊技状態の何れでも発生可能な演出モードC秘匿期間では第1態様の更新演出が実行されるので、演出モードC確定期間にプレミアム感を与え、演出モードC確定期間の演出効果を高めることができる。また、演出モードC秘匿期間で行われる更新演出は、時短遊技状態であれば通常遊技状態になるタイミングまでの残り期間が示唆されるので、遊技者のドキドキ感を高め、遊技興趣を向上させることができる。また、確変遊技状態の演出モードCにおいて、演出モードC秘匿期間から演出モードC確定演出に切り替わるタイミングで、更新演出の演出態様が変化することは演出モードCが終了せずに継続することを示唆する継続演出が実行されているということができる。そのため、遊技者に安心感を与えると共に、演出モードCの継続を認識し易くして演出効果の低下を防ぐことができる。
また、時短遊技状態および演出モードCが設定されて大当たりに当選することなく時短規定回数の特図可変表示が実行されると、時短遊技状態から通常遊技状態に移行すると共に、演出モードCから演出モードAに移行する。一方、確変遊技状態および演出モードCが設定されて大当たりに当選することなく時短規定回数の特図可変表示が実行されても、確変遊技状態および演出モードCが継続する。このように、演出モードCにおいて、時短遊技状態であれば通常遊技状態になるタイミングを過ぎても演出モードCが継続することで、遊技者に確変遊技状態であることを認知させ、遊技興趣の低下を防ぐことができる。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図39~図43のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図39に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、客待ち演出、および保留演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図40を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタン検知センサ40aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタン検知センサ41aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4207)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4104)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図41を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述する。
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図42~図43を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの抽選を行う。先読み演出には、特図保留数を特別態様で表示する保留演出の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって相互に関連する連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4308に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)、および更新演出に関する更新演出制御処理(S4307)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止演出図柄を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止図柄の種別および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の停止演出図柄に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止演出図柄を決定して、決定した停止演出図柄を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の種類で、中演出図柄EZ2がそれらと異なる種類となるように演出図柄EZ1~EZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3の組み合わせが選択される。
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容である特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットし、特図変動演出パターンを表す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカ52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
また、演出制御用マイコン121は、更新演出制御処理において、演出モードC秘匿期間であるか否かを判定して、演出モードC秘匿期間であれば、第1更新演出画像G5の数字部分を「1」減算させることを示す更新演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた更新演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、第1更新演出画像G5の数字部分を「1」減算させる。なお、演出モードC秘匿期間であるか否かの判定は、例えば、演出制御用マイコン121が後述するステップS4317の演出モード設定処理において、演出モードCを設定する際に演出モードC秘匿期間であることを示すフラグを演出用RAM124の所定領域にONすることによって、そのフラグのON/OFFに基づいて行われるようにしても良い。また、演出制御用マイコン121は、演出モードC秘匿期間であることを示すフラグがONされた場合は、例えば後述するステップS4310の演出モード判定処理において、演出モードCが設定されてから特図可変表示が実行される回数を計数しておき、その回数が100回に達したことを条件にOFFしても良い。
ステップS4308において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4308でNO)、ステップS4311に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4308でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4309)、および演出モードを変更させるか否かの判定を含む演出モード判定処理(S4310)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3を停止)する。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード判定処理では、現在の遊技状態および演出モードを確認して、遊技状態が低確率状態且つ時短状態であり、演出モードが演出モードCであれば、当該演出モードが設定されてから実行された特図可変表示の実行回数を計数し、その回数が100回に達したことを条件に、演出モードAに変更するために、演出モードAに変更されることを示す演出モードA開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた演出モードA開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、特図可変表示が終了するタイミングで、背景画像を通常用背景画像G100に切り替え、BGMを通常用BGMに切り替え、右打ち示唆画像G1および第1更新演出画像G5を消去し、左打ち示唆画像G6を表示する。すなわち、右打ち示唆演出および更新演出を終了させて、左打ち示唆演出を所定時間実行する。
さらに、演出制御用マイコン121は、演出モード判定処理では、遊技状態が高確率状態且つ時短状態であり、演出モードが演出モードCであれば、当該演出モードが設定されてから実行された特図可変表示の実行回数を計数し、その回数が100回に達したことを条件に、更新演出から確変示唆演出に変更するために、確変示唆演出に変更されることを示す確変示唆演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変示唆演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、特図可変表示が終了するタイミングで、第1更新演出画像G5から第2更新演出画像G7に切り替える。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード判定処理では、現在の遊技状態および演出モードを確認して、遊技状態が高確率状態且つ時短状態であり、演出モードが演出モードB、または演出モードCであれば、当該演出モードが設定されてから実行された特図可変表示の実行回数を計数し、その回数が10000回に達したことを条件に、演出モードAに変更するために、演出モードAに変更されることを示す演出モードA開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた演出モードA開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、特図可変表示が終了するタイミングで、背景画像を通常用背景画像G100に切り替え、BGMを通常用BGMに切り替え、右打ち示唆画像G1および第1更新演出画像G5を消去し、左打ち示唆画像G6を表示する。すなわち、右打ち示唆演出および更新演出を終了させて、左打ち示唆演出を所定時間実行する。
なお、演出モードの確認は、演出モードごとに演出モードフラグを設定し、演出用RAM124の所定領域でON/OFF可能にしておき、演出モードを変更するタイミングで、変更する演出モードに応じた演出モードフラグに切り替えてONするようにしても良い。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4311でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4312)。演出制御用マイコン121は、オープニング演出開始処理では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じたオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればオープニング演出の演出内容(オープニング演出パターン)を選択し、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。また、演出制御用マイコン121は、オープニング演出開始処理においてONしている演出モードをOFFにして、一旦演出モードをクリアにしても良い。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4313でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4314)。演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4318に進む一方、大当たりエンディングコマンドを受信していれば(S4315でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4316)および演出モード設定処理(S4317)を行う。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、大当たりエンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定するための処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
例えば、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率状態且つ時短状態を示唆する演出モードBに設定する。例えば、演出モードBを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、演出モードBに設定されることを示す演出モードB開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた演出モードB開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変専用背景画像G110を表示し、BGMとして確変専用BGMを出力し、右打ち示唆画像G1を表示する。すなわち、右打ち報知演出を開始させる。
また、大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄E、または大当たり図柄Fであると、高確率状態且つ時短状態、または通常確率状態且つ時短状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な演出モードCに設定する。例えば、演出モードCを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、演出モードCに設定されることを示す演出モードC開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた演出モードB開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変時短共通背景画像G120を表示し、BGMとして確変時短共通BGMを出力し、右打ち示唆画像G1および第1更新演出画像G5を表示する。すなわち、右打ち報知演出および更新演出を開始させる。
ステップS4318において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4318でNO)、ステップS4320に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4318でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4319)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率状態且つ時短状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常確率状態且つ時短状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4320において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4320でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4320でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4321)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
7.その他の変更例
以下、本発明の遊技機について、第1実施形態で説明した構成以外の変更例について説明する。
また、第1実施形態では、演出モードCは、青図柄揃いに係る確変遊技状態と時短遊技状態とで設定されるが、時短状態のない高確率状態と通常確率状態で設定されるようにしても良い。この場合は、第1の大当たり図柄の場合には大当たり遊技が終了する際に高確率状態且つ非時短状態に設定し、第2の大当たり図柄の場合には大当たり遊技が終了する際に通常確率状態且つ非時短状態に設定するようにする。そして、これらの場合は、第1の大当たり図柄の停止表示および第2の大当たり図柄の停止表示の際に同一の大当たり演出図柄で大当たりを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われることが望ましい。演出モードCで何れの遊技状態であるかの判別を困難にするためである。
また、演出モードBでは、更新演出が実行されていないが、例えば、第1更新演出画像G5を表示する更新演出が実行されても良い。ただし、この場合は、演出モードBが設定されたときに第1更新演出画像G5の数字部分に表示される数字は「160」となる。また、宇宙モードに係る確変遊技状態に滞在しているときに、第1更新演出画像G5の表示とは異なる態様で、確変遊技状態が終了するまでの期間が遊技の進行とともに認識できるようにしても良い。
また、第1突然示唆演出、および第2突然示唆演出の演出態様も第1実施形態に限られない。第1突然示唆演出、および第2突然示唆演出を盤可動装置55および画像表示装置50以外に、スピーカ52や枠ランプ53を用いて行っても良い。さらには、例えば、前扉23の上端部の外側にも作動可能な可動装置を設けておき、その可動装置を用いて第1突然示唆演出や第2突然示唆演出を実行しても良い。
また、例えば、第2突然示唆演出でも盤可動装置55を用いて実行しても良い。例えば、第2突然示唆演出では、昇降部材55k2のみが作動し、回転部材55k1は回転しない態様で行っても良い。また、第2突然示唆演出では、第1突然示唆演出の盤可動体55kの動作に係る一部の要素について同様に作動するが、例えば、昇降部材55k2が下降する速度や回転部材55k1が回転する速度が遅いなど作動に係る速度の要素が異なるようにしても良い。また、第2突然示唆演出では、昇降部材55k2が下降する距離が短い、または回転部材55k1が回転する回数数が少ないなど作動に係る量の要素が異なるようにしても良い。
また、第1実施形態では、第1更新演出画像G5の数字部分からなる回数表示は特図変動演出が開始されるたびに1つずつ減少している(すなわち、カウントダウンしている)が、特図変動演出が開始されるたびに数字が1つずつ増加していく(すなわち、カウントアップしている)態様にしても良い。なお、第2更新演出画像G7の数字部分からなる時間表示についても同様である。また、第1更新演出画像G5や第2更新演出画像G7で更新される対象は数字に限られない。少なくとも、時短遊技状態であれば時短遊技状態が終了するまで実行可能な特図可変表示の回数を遊技者が認識できればよい。例えば、プログレスバーのバーの部分が増加していく、または減少していくなど視覚的に増減を認識できれば良い。さらには、更新演出は、画像表示装置50ではなく、スピーカ52、枠ランプ53、盤可動装置55などを用いて行っても良い。
また、更新演出に係る更新のタイミングも特図変動演出の開始時に限られず、特図変動演出の終了時や特図変動演出の途中などであってもよい。また、更新演出が実行されているときに、第1更新演出画像G5や第2更新演出画像G7によって、所定の事象までの期間を常に正確に認識できなくてもよい。例えば、第1更新演出画像G5や第2更新演出画像G7の数字部分は、毎回の特図変動演出の開始時に更新されるのでなく、所定回数毎に更新されるようにしてもよい。
さらに、演出モードC秘匿期間において、第1更新演出画像G5の大きさが変更される、色彩が変更されるなど、第1更新演出画像G5の表示態様が変化することによって、滞在している遊技状態が確変遊技状態である可能性がある、すなわち時短遊技状態に係る終了条件が過ぎても演出モードCが継続することを示唆する継続演出を実行可能にしても良い。また、別の例として、第1更新演出画像G5の演出態様が変化するのではなく、特図可変表示の実行に伴って数字部分が「1」減少されず、数字部分が変化せずに停止する、あるいは増加するように第1更新演出画像G5の動作態様を変化させるようにしても良い。さらには、第1更新演出画像G5の表示態様や動作態様を含む第1更新演出の演出態様を複数設定し、演出態様に応じて演出モードCが継続する期待度が異なるようにしても良い。
なお、演出モードに関する名称や各種演出に関する名称、または、演出モードに関する具体的な演出内容や各種演出の演出内容は、第1実施形態に限られず、適宜に設定することができる。
また、第1実施形態では、確変遊技状態に係る高確率規定回数および時短規定回数は160回に設定されているが、この回数に代えて、または、この回数に加えて他の回数(例えば、80回、100回、200回など)を設けてもよい。この場合、大当たり図柄種別を増やし、大当たり図柄種別に応じて確変遊技状態に係る高確率規定回数および時短規定回数を異ならせてもよい。時短遊技状態に係る時短規定回数についても同様である。また、特図可変表示の実行回数によって確変遊技状態が終了する規定期間(高確率規定回数と時短規定回数)が設定されているが、規定期間を設けなくてもよい。すなわち、次回の大当たり当選があるまで確変遊技状態が継続するようにしても良い。この場合、赤図柄揃いによる高確率状態および青図柄揃いによる高確率状態の何れか一方または双方に対して規定期間を設けないようにすることができる。
また、確変遊技状態が設定されてから大当たりに当選することなく実行された特図可変表示の回数で規定期間を設定するのではなく、大当たり遊技後の経過時間で設定しても良い。これは時短遊技状態についても同様である。または、確変遊技状態が設定されてから所定のタイミング、例えば、所定回数の特図可変表示が開始される度に確変遊技状態から通常遊技状態に移行させるための抽選を行い、その抽選で通常遊技状態に移行させると判定されたときに通常遊技状態に移行させると共に、演出モードAに移行させるようにしても良い。さらには、遊技球の発射個数などの特図可変表示の実行回数ではない他の要素に基づいて、通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する規定期間を設定してもよい。
第1実施形態では、大当たり遊技で開放可能な大入賞領域として大入賞口14のみが設けられているが、複数の大入賞領域を設けても良い。
また、第1実施形態では、特定の大当たり図柄種別に判定されると、必ず大当たり遊技後に高確率状態にて遊技が進行する。すなわち、高確率状態の設定が大当たり図柄種別に対応付けられている。しかしながら、高確率状態の設定条件を変更してもよい。例えば、大入賞装置14Dとは別に、開閉可能であり、開放時に遊技球が入球可能な第2大入賞装置を遊技領域6の遊技球が到達可能な位置に設けておき、大当たり遊技中の所定のラウンド遊技において第2大入賞装置が開放して第2大入賞装置に入球した遊技球が、その下流側に設けられた特定領域を通過すると、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態が設定されるようにしてもよい。この場合、第2大入賞装置が入球容易な時間(例えば、29.5秒)開放する特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ易い大当たり図柄)と、第2大入賞装置が入球艱難な時間(例えば、0.5秒)開放する非特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ難い大当たり図柄)と、を設けることができる。
また、第1実施形態では、大当たり遊技後の終了に伴って必ず時短状態が設定されるが、大当たり図柄の種別に応じて時短状態が設定されるか否かを決定しても良い。この場合、特図2抽選での方が、大当たり遊技後の終了に伴って時短状態が設定される大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。
また、第1実施形態などでは、大当たり判定において大当たりに当選することによって、大入賞口14の開閉を伴う大当たり遊技が実行されるが、大入賞口14の開閉を伴う遊技として所謂「小当たり遊技」を設けても良い。小当たり遊技は、大当たり判定において、大当たりおよびハズレとは異なる「小当たり」に当選することによって実行される。そして、小当たり遊技における大入賞口14の最大開放時間は1.8秒以下であることが望ましい。また、小当たり遊技の終了に伴い、遊技状態は変化しない。すなわち、小当たり遊技の実行中および実行後は、当該実行前の遊技状態が継続し、小当たり遊技の実行が遊技状態に影響を及ぼさない。すなわち、小当たりに当選すると、大入賞口14の開閉を伴う小当たり遊技が実行されるだけである。
また、第1実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
8.実施形態に開示されている他の発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Cが開示されている。発明A~発明Cの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A4の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~B4の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~C4の総称である。
8-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を行う特別遊技実行手段(ステップS1505などを行う遊技制御用マイコン101)と、
前記特別遊技の後に、遊技者に有利な第1遊技状態(確変遊技状態)で遊技を制御するときと、前記第1遊技状態よりも不利な第2遊技状態(時短遊技状態)で遊技を制御するときと、がある遊技状態制御手段(ステップS1506などを行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行する演出実行手段(ステップS4201などを行う演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記第2遊技状態で遊技を制御した場合、所定の終了条件(大当たりに当選することなく特図可変表示が100回実行されること)が成立するまで継続して前記第2遊技状態で遊技を制御することがあり、
前記第1遊技状態で遊技を制御した場合、前記終了条件が成立してもさらに継続して前記第1遊技状態で遊技を制御することがあり、
前記演出実行手段は、
前記第1遊技状態で遊技が制御されているときに、第1の演出モード(演出モードB)で前記演出を実行するときと、前記第1の演出モードとは異なる第2の演出モード(演出モードC)で前記演出を実行するときと、があり、
前記第2遊技状態で遊技が制御されているときに、前記第2の演出モードで前記演出を実行するときがあり、
前記第1遊技状態で遊技が制御され且つ前記第2の演出モードで前記演出を実行しているときに前記終了条件が成立した場合、その後も前記第2の演出モードを継続して前記演出を実行することがあることを特徴とする。
8-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記第1遊技状態または前記第2遊技状態で遊技が制御されているときに、前記特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段(ステップS1502などを行う遊技制御用マイコン101)を更に備え、
前記演出実行手段は、前記判定にて前記特別遊技を行うと判定された場合、前記特別遊技が行われることを示唆する示唆演出(第1突然示唆演出、第2突然示唆演出)を実行することがあり、
前記示唆演出は、前記第1遊技状態で遊技が制御され且つ前記第2の演出モードで前記演出が実行されているときであって前記終了条件が成立した後と、前記第1遊技状態で遊技が制御され且つ前記第1の演出モードで前記演出が実行されているときとで、少なくとも一部の演出態様が共通していることを特徴とする。
8-1-3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A2に係る遊技機であって、
前記示唆演出は、前記第1遊技状態または第2遊技状態で遊技が制御され且つ前記第2の演出モードで前記演出が実行されているときであって前記終了条件が成立する前と、前記第1遊技状態で遊技が制御され且つ前記第2の演出モードで前記演出が実行されているときであって前記終了条件が成立した後とで、少なくとも一部の演出態様が異なることを特徴とする。
8-1-4.発明A4
発明A4に係る遊技機は、
発明A2に係る遊技機であって、
所定の動作態様で動作可能な可動体(盤可動体55k)を更に備え、
前記演出実行手段は、前記第1遊技状態または第2遊技状態で遊技が制御され且つ前記第2の演出モードで前記演出が実行されているときであって前記終了条件が成立する前に前記示唆演出を実行する場合、および、前記第1遊技状態で遊技が制御され且つ前記第2の演出モードで前記演出が実行されているときであって前記終了条件が成立した後に前記示唆演出を実行する場合、の何れか一方において、前記示唆演出として、前記可動体を前記所定の動作態様で動作させることがあることを特徴とする。
8-2-1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を行うか否かの判定を行う判定手段(ステップS1502などを行う遊技制御用マイコン101)と、
前記特別遊技の後に、遊技者に有利な特定遊技状態(確変遊技状態)で遊技を制御するときがある遊技状態制御手段(ステップS1506などを行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行する演出実行手段(ステップS4201などを行う演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記判定にて前記特別遊技を行うと判定された場合、前記特別遊技が行われることを示唆する示唆演出(第1突然示唆演出、第2突然示唆演出)を実行することがあり、
前記特定遊技状態で遊技が制御されているときであって所定条件(大当たりに当選することなく特図可変表示が100回実行されること)が成立する前と、前記特定遊技状態で遊技が制御されているときであって前記所定条件が成立した後とで、前記示唆演出の少なくとも一部の演出態様を異ならせることが可能であることを特徴とする。
8-2-2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記特定遊技状態で遊技が制御されているときに、第1の演出モード(演出モードB)で前記演出を実行するときと、前記第1の演出モードとは異なる第2の演出モード(演出モードC)で前記演出を実行するときと、があり、
前記示唆演出は、前記第2の演出モードで前記演出が実行されているときであって前記所定条件が成立した後と、前記第1の演出モードで前記演出が実行されているときであって前記所定条件が成立した後とで、少なくとも一部の演出態様が共通していることを特徴とする。
8-2-3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B2に係る遊技機であって、
前記第2の演出モードは、前記特定遊技状態で遊技が制御されていることを明示しない演出モードであることを特徴とする。
8-2-4.発明B4
発明B4に係る遊技機は、
発明B1乃至B3の何れか1つに係る遊技機であって、
所定の動作態様で動作可能な可動体(盤可動体55k)を更に備え、
前記演出実行手段は、前記特定遊技状態で遊技が制御されているときであって前記所定条件が成立する前に前記示唆演出を実行する場合、および、前記特定遊技状態で遊技が制御されているときであって前記所定条件が成立した後に前記示唆演出を実行する場合、の何れか一方において、前記示唆演出として、前記可動体を前記所定の動作態様で動作させることがあることを特徴とする。
8-3-1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を行う特別遊技実行手段(ステップS1505などを行う遊技制御用マイコン101)と、
前記特別遊技の後に、所定の期間(確変遊技状態に係る時短規定回数、時短遊技状態に係る時短規定回数)が終了するまで遊技者に有利な特定遊技状態(時短状態)で遊技を制御するときがある遊技状態制御手段(ステップS1506などを行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行する演出実行手段(ステップS4201などを行う演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記所定の期間の経過に応じて更新される更新演出を実行可能であり、
前記特定遊技状態で遊技が制御されているときに、第1の演出態様(第1更新演出画像G5)で前記更新演出を実行するときと、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様(第2更新演出画像G7)で前記更新演出を実行するときと、があることを特徴とする。
8-3-2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記特定遊技状態には、第1の期間(大当たりに当選することなく160回の特図可変表示が実行される期間)が終了するまで遊技者に有利な状態が継続可能な第1遊技状態(確変遊技状態)と、前記第1の期間よりも短い第2の期間(大当たりに当選することなく100回の特図可変表示が実行される期間)が終了するまで遊技者に有利な状態が継続可能な第2遊技状態(時短遊技状態)と、があり、
前記演出実行手段は、
前記第1遊技状態で遊技が制御されているときに、前記第1の演出態様で前記更新演出を実行するときと、前記第2の演出態様で前記更新演出を実行するときと、があり、
前記第2遊技状態で遊技が制御されているときに、前記第1の演出態様で前記更新演出を実行するときがあることを特徴とする。
8-3-3.発明C3
発明C3に係る遊技機は、
発明C2に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第1遊技状態で遊技が制御され且つ前記第1の演出態様で前記更新演出を実行する場合でも、前記第2遊技状態で遊技が制御され且つ前記第1の演出態様で前記更新演出を実行する場合でも、前記第1の演出態様の前記更新演出において前記第2の期間が終了するまでの期間を示唆することを特徴とする。
8-3-5.発明C4
発明C4に係る遊技機は、
発明C3に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第1遊技状態で遊技が制御され且つ前記第1の演出態様で前記更新演出を実行した場合、前記第2の期間が終了する際に、遊技者に有利な状態が終了しないことを示唆する継続演出を実行することがあることを特徴とする。