JP6371939B1 - 杖 - Google Patents

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Abstract

【課題】 閉脚した脚体を開くための操作がより操作し易い杖を提供する。
【解決手段】 脚体7は開脚するように、管状体3の内側に設けられたコイルばねにより、リンク支持部材9が下方に付勢されている。リンク支持部材9に連結する管状部材3を上方に引き上げると、脚体7は閉脚する。脚体7が閉脚したときには、脚体7の先端部に設けられた磁石13,14と、脚体7の閉脚位置を規制する規制部材11に設けられた磁石15,16とが当接し、磁力により引き合う。それにより、脚体7は閉脚状態に保持される。例えば、磁石13,16の表面磁極はN極であり、磁石14,15の表面磁極はS極である。脚体7が閉脚状態にあるときに、規制部材11を上方に僅かに引き上げると、表面磁極が同極の磁石14と磁石15とが対向し、磁気的反発力により脚体7は規制部材11を離れ、コイルばね29の付勢力により開脚する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、不使用時に自立させることが可能な杖に関する。
従来、この種の杖として、特許文献1に開示されるように、自立を可能にする脚体を下端部分に有するものが知られている。自立用の脚体は、杖としての使用を妨げるものであってはならない。このため、特許文献1に開示される従来技術では、脚体は、杖の使用時には閉じておき、杖を立てておくべき不使用時には、開くことができるように、開閉可能に構成されている。さらに脚体は、手軽なボタン操作をトリガとして、ばねの付勢力により開脚するように構成されている。
しかし、特許文献1に開示される従来技術は、脚体を閉じた状態に維持するのに、開閉する脚体の上端を回動可能に支持する可動連結体を、杖軸上方すなわち柄の方向に引き上げた状態で、操作ボタンに連結した係合部材により、杖軸に係止するように構成されている。このため、可動連結体が係止状態にあって、それにより脚体が閉じた状態にあっても、脚体の僅かな開きを妨げる力は脚体には作用しない。その結果、杖を使用する際には、脚体の僅かな開きを許すことになる。
このことは、ボタン操作をトリガとして、ばねの付勢力により開くように構成された従来周知の傘において、親骨を閉じて下ろくろを係合部材(下はじき)に係止させたときに、親骨の僅かな開きをも許さないためには、閉じられた傘の生地の周りに帯体を巻回し、ホック等にて当該帯体を係止したり、柄の付近に設けられた摺動可能なキャップ(玉留)に親骨の先端(露先)を収納したりすることを要するという、日常における経験からも、容易に理解されるところである。杖を使用しているときに、僅かとはいえ脚体が開いているのでは、見栄えが悪いのに加え、路上の障害物等に脚体の下端部が不用意に当接し易く、使いづらいものとなる。
特許文献1に開示される従来技術は、さらに、脚体を開閉するためのリンク部材が、脚体ごとに2本を要するので、脚体を開閉する機構が複雑であり、コスト高となるという問題点があった。
かかる問題を解決するものとして、本願出願人と同一出願人による特許文献2に開示される従来技術が知られる。しかし、この従来技術では、閉脚した複数の脚体を開くには、例えば手操作にて脚体を開いたり、複数の脚体の閉脚位置を規制する規制部材を捻ったり、あるいは、杖を地面等に勢いを持って突いたり、といった操作を要した。
特開2002−119316号公報 特許第5390724号公報
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、脚体が閉脚した時に僅かな開脚を許さず、かつ脚体を開閉する機構が簡素であるとともに、閉脚した脚体を開くための操作がより操作し易い杖を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様によるものは、杖であって、杖軸と、複数の脚体と、可動部材と、複数のリンク部材と、付勢部材と、規制部材と、を備えている。前記複数の脚体は、前記杖軸の下端部分に、各々の基端部が回動可能に軸支されることにより、下方斜め方向に開脚し、略上方向に閉脚する。前記可動部材は、前記複数の脚体の各々の前記基端部の回動軸よりも上方において、前記杖軸に摺動可能に設けられている。前記複数のリンク部材は、前記複数の脚体の各々の前記基端部と先端部との中間部分に各々の一端が、前記可動部材に各々の他端が、それぞれ回動可能に軸支されている。前記付勢部材は、前記杖軸に対して前記可動部材を下方向に付勢することにより、前記複数の脚体を開脚させ、それにより前記杖軸を自立可能にする。前記規制部材は、前記杖軸に沿った方向に移動可能に設けられるとともに、前記可動部により移動範囲の下限位置が規制され、前記複数の脚体に当接することにより、当該複数の脚体の閉脚位置を、前記付勢部材による付勢力により自然に開脚する位置に規制する。そして、前記複数の脚体の各々と前記規制部材とは、互いの当接部位に磁性体の組を有しており、当該磁性体の組は少なくとも一方が磁石であることにより、前記規制部材が前記下限位置にあるときに、互いに吸着し、それにより前記付勢力に抗して、前記複数の脚体を前記閉脚位置に保持可能であり、前記規制部材を前記下限位置から上方に移動させることにより、互いの吸着が解除され、前記付勢部材の付勢力により前記複数の脚体が開脚する。
この構成によれば、可動部材に作用する付勢部材の付勢力により、リンク部材を通じて、複数の脚体を開脚させることができ、それにより、杖軸を床面・地面等に自立させることが可能となる。可動部材を杖軸上方向に引き上げることにより、リンク部材を通じて、複数の脚体を閉脚させることができる。複数の脚体は、閉脚位置を規制する規制部材に当接するまで閉脚させることができる。移動範囲の下限位置にある規制部材に、複数の脚体が当接すると、互いの当接部位に有する磁性体の組により、互いは吸着し、その結果、複数の脚体は閉脚位置に保持される。複数の脚体は、付勢部材により開脚方向に付勢されるが、これに抗する磁性体の吸着力によって、規制部材への当接を維持することとなる。
さらに、規制部材を下限位置から上方に移動させると、磁性体の組の間の吸着が解除される。その結果、複数の脚体が閉脚位置にあっても、なお開脚方向に作用する付勢部材の付勢力のために、複数の脚体は開脚する。すなわち、複数の脚体を規制部材から引き離す操作を要せず、杖軸に沿った方向に移動可能に設けられた規制部材を、上方に移動させるという、楽な操作により、複数の脚体を開脚させることができる。以上の通り、本構成によれば、脚体が閉脚した時に僅かな開脚を許さず、かつ脚体を開閉する機構が簡素であるとともに、閉脚した脚体を開くための操作がより操作し易い杖が実現する。
本発明のうち第2の態様によるものは、第1の態様による杖であって、前記磁性体の組は、前記複数の脚体の各々に、当該脚体の延在方向に沿って交互に表面磁極を異ならせて配置される複数の磁石と、前記規制部材が前記下限位置にあって、前記複数の脚体が閉脚しているときに、前記複数の脚体の各々に配置される前記複数の磁石のそれぞれに、反対の表面磁極をもって対向するように、前記規制部材に配置される別の複数の磁石と、を有する。
この構成によれば、複数の脚体が、閉脚することにより、移動範囲の下限位置にある規制部材に当接すると、互いの当接部位において互いに対向する、反対表面磁極の磁石により、複数の脚体と規制部材とは、互いに吸着する。その結果、複数の脚体は閉脚位置に、磁力により保持される。一方、規制部材を下限位置から上方に移動させると、互いの当接部位において、同一表面磁極の磁石が互いに対向する。その結果、対向する磁石同士の反発力により、複数の脚体は開脚方向に付勢される。それにより、複数の脚体は勢いを持って規制部材から離れ、さらに開脚方向に作用する付勢部材の付勢力により、複数の脚体は開脚する。すなわち、複数の脚体が閉脚位置にあるときに、開脚方向に作用する付勢部材の付勢力が弱い場合であっても、規制部材を移動させることにより、複数の脚体を素早く開脚させることができる。
本発明のうち第3の態様によるものは、第1又は第2の態様による杖であって、前記可動部材は、前記複数のリンク部材の各々の前記他端を軸支する支持部材と、当該支持部材が下端部に結合し、前記杖軸の周囲に摺動可能に配置され、前記下限位置にある前記規制部材の上方まで延在する長尺体と、を有する。
この構成によれば、可動部材が、支持部材に結合する長尺体を有するので、長尺体のうち、移動範囲の下限位置にある規制部材の上方に延在する部分を把持して、杖軸上方に摺動させることにより、開脚した複数の脚体を閉脚させることができる。
本発明のうち第4の態様によるものは、第3の態様による杖であって、前記長尺体が管状であり、前記杖軸を挿通させるように配置されている。
この構成によれば、長尺体が管状であるので、杖の製造において長尺体の入手が容易である。また、長尺体が杖軸を囲むように配置されることとなるので、長尺体が把持し易くなる。
本発明のうち第5の態様によるものは、第4の態様による杖であって、前記付勢部材が、前記杖軸を取り巻くように当該杖軸と管状の前記長尺体との間に配置されたコイルばねであり、その上端が前記杖軸に規制され、下端が前記支持部材を付勢する。
この構成によれば、付勢部材であるコイルばねが管状の長尺体により囲まれるので、ユーザ等はコイルばねに手指が触れずに済む。
本発明のうち第6の態様によるものは、第1から第5のいずれかの態様による杖であって、前記規制部材は、自重により前記下限位置に納まるように、前記杖軸の軸方向に沿って滑動自在である。
この構成によれば、規制部材は手操作等により引き上げられない限り、下限位置に納まるので、可動部材を引き上げることにより脚体を閉脚させるときに、規制部材を手操作等により下限位置に設定する必要が無い。
本発明のうち第7の態様によるものは、第1から第6のいずれかの態様による杖であって、前記可動部は、前記規制部材の前記移動範囲の上限位置を定めるように、前記規制部材の上方への移動を制止する制止部材を有する。
この構成によれば、規制部材が過度に上方に移動することを防ぐことができる。
本発明のうち第8の態様によるものは、第1から第7のいずれかの態様による杖であって、前記規制部材を第1規制部材とし、前記杖軸を自立可能にするのに十分な開脚を前記複数の脚体に許す所定の位置を超えて、前記可動部材が前記杖軸に対して下方に移動しないように前記可動部材を規制する第2規制部材を、さらに備える。
この構成によれば、複数の脚体を開脚させるときに、これらの脚体が付勢部材の付勢力により過度に下方に延び、それにより杖軸の自立が困難となることを、第2規制部材によって抑えることができる。
本発明のうち第9の態様によるものは、第1から第8のいずれかの態様による杖であって、前記複数の脚体の各々は、その先端部において前記規制部材に当接する。
この構成によれば、複数の脚体の各々が、その先端部において規制部材に当接するので、磁性体の組の磁気的吸引力が、各脚体の閉脚を維持するように有効に作用する。
以上のように本発明によれば、脚体が閉脚した時に僅かな開脚を許さず、かつ脚体を開閉する機構が簡素であるとともに、閉脚した脚体を開くための操作がより操作し易い杖が実現する。
本発明の一実施の形態による杖の構成を示す斜視図である。 図1の杖の構成を示す正面部分断面図である。 図1の杖について、脚体が開脚状態にあるときの脚体付近の正面図である。 図1の杖について、脚体が閉脚状態にあるときの脚体付近の正面図である。 図1の杖について、脚体が閉脚状態にあるときの磁石の組の位置関係を示す説明図である。 図1の杖について、脚体の開脚動作を説明する説明図である。 図1の杖について、脚体を開脚させるときの磁石の組の位置関係を示す説明図である。
図1は、本発明の一実施の形態による杖の構成を示す斜視図である。また、図2は、図1の杖の構成を示す正面部分断面図である。さらに、図3は、脚体が開脚状態にある図1の杖の脚体付近の正面図である。初めに、これら図1〜図3を参照しつつ、本発明の一実施の形態による杖の構成について説明する。
この杖101は、杖としての使用を可能にする杖軸1を有している。杖軸1の上端には、使用時に把持するための把持部27が固定されており、下端には地面あるいは床面等との当接を柔軟なものとするために、プラスチックあるいはゴム等を材料とする緩衝部材17が、筒状体19を介して固定されている。杖軸1は、例えば棒状又は管状であり、管状の一例として、アルミニウム管などの金属管である。筒状体19は、例えばネジにより、杖軸1に固定されている。
図示の例では、杖軸1は、下端から中央部まで延在する管状部71と、管状部71の上端部に固定され、その上方に延在する管状部72と、管状部72に対して伸縮可能に設けられる管状部73と、を有している。管状部72は、管状部71を内側に収容するように配置され、管状部73は管状部72を内側に収容するように配置される。管状部71と管状部72とは、例えばピン(図視略)により互いに固定される。管状部73には、例えば、軸方向に沿って複数の貫通孔75が配列されており、管状部72に形成された貫通孔77を貫通し、スプリング79により付勢されたピン81が、複数の貫通孔75のうちのいずれかに挿入される。それにより、管状部72と管状部73との間の伸縮が制止される。ユーザは、ピン81を管状部73の外側から指で押し込むことにより、制止状態を解除して、管状部73を管状部72に対して軸方向に摺動させることができる。それにより、杖軸1の長さを調節することができる。
杖101は、さらに、閉脚することにより杖としての通常の使用を可能にし、開脚することにより自立を可能にする複数の脚体7を有している。脚体7の先端部には、開脚状態において地面や床面への当たりを和らげるための足部23が取り付けられている。杖軸1は、その下端部分に固定された脚体支持部材5を有しており、複数の脚体7は、それらの基端部において脚体支持部材5に回動可能に軸支されている。それにより、脚体7は、下方斜め方向に開脚し、略上方向に閉脚することが可能となっている。複数の脚体7は、一例として3本であり、杖軸1の軸周りに3回対称となるように配置されている。なお、図2及び図3では、脚体7の構造を分かり易く示すために、便宜上、4本の脚体7が4回対称に配置されているかのように表されている。
脚体7の基端部と先端部との中間部分には、リンク部材8の一端が、回動可能に軸支されている。リンク部材8の他端は、管状部材3の下端部に固定されているリンク支持部材9に回動可能に軸支されている。管状部材3とリンク支持部材9は一体となって、杖軸1に対して摺動可能なように、脚体支持部材5の上方に、かつ杖軸1を挿通させるように配置される。管状部材3及びリンク支持部材9は、本発明の「可動部材」の構成要素の具体例に該当する。
リンク支持部材9は、中心部に筒状部材10を有しており、この筒状部材10が杖軸1の下部をなす管状部材71に摺動可能に案内される。筒状部材10は、その上端に当接するコイルばね29により、杖軸1に対して下方向に付勢されている。コイルばね29は、圧縮コイルばねであり、管状部材71を取り巻くように、かつ可動の管状部材3に囲まれるように配置されている。コイルばね29は、管状部材71及び管状部材3に対して軸方向の動きが妨げられないように配置されている。コイルばね29の上端は、杖軸1の上部をなす管状部72の下端に当接している。コイルばね29は、管状部材3によって覆われているので、ユーザ等は、動く部品であるコイルばね29に手指が触れずに済む。管状部材3の上端部は、管状部材72に摺動可能に案内される。管状部材72は、脚体7が最大限に開脚したときにも、管状部材3の上端部が管状部材72の径方向の外側に位置するように軸方向下方に延びている。
コイルばね29の弾性復元力により、管状部材3とともにリンク支持部材9が、杖軸1に対して下方向に付勢される。その結果、脚体7は、開脚する方向に付勢される。脚体7を開脚させるときに、コイルばね29の付勢力により脚体7が過度に下方に延び、それにより杖軸1を自立させることが容易でなくなることを防ぐために、脚体支持部材5とリンク支持部材9との間に、かつ杖軸1を挿通させるように、筒状体21が配置されている。筒状体21は、本発明の第2規制部材の一具体例に該当する。筒状体21は、杖軸1に固定されていてもよく、固定されていなくてもよい。
リンク支持部材9の上には、規制部材11が載っている。規制部材11は、脚体7が閉脚したときに、脚体7に当接することにより、その閉脚位置を規制する部材である。規制部材11は、管状部材3の径方向外側に配置され、かつ管状部材3に案内されて軸方向に摺動自在である。図示の例では、規制部材11は、管状部材3を囲み、管状部材3に摺動自在に案内される筒状部61と、3本の脚体7に対応して筒状部61の外周面の周方向に沿った3箇所において、突起するように設けられた脚体受け部63とを有している。脚体受け部63は、脚体7が閉脚したときに脚体7に当接する部材である。規制部材11は、これを引き上げたり、杖101を逆さにしたりしない限り、その自重のために、リンク支持部材9に当接することにより制止される位置に安定する。図1〜図3では、規制部材11は、リンク支持部材9に制止される位置に落ち着いている。この位置は、本発明における「移動範囲の下限位置」の具体例に相当する。
脚体7は、その先端部に取り付けられた磁石13、14を有している。磁石13、14は、脚体7の延在方向に配置されている。また、規制部材11は、リンク支持部材9に制止される位置にあるときに、閉脚した脚体7の磁石13、14に当接する部位に取り付けられた磁石15、16を有している。磁石15,16は、規制部材11のうちの脚体受け部63に設置されている。表面に現れる磁極、すなわち表面磁極は、一例として、磁石13ではN極、磁石14ではS極、磁石15ではS極、そして磁石16ではN極である。このため、脚体7が一旦閉脚すると、互いに当接する磁石13、15同士、及び磁石14、16同士が、互いに磁力により引き合う。この磁気的吸引力により、脚体7はコイルばね29の付勢力に抗して、閉脚状態を維持する。
脚体7は、一例として断面「コ」字型のアルミニウム長尺体であり、磁石13,14は、「コ」字形の溝に挿入され、接着剤或いはネジ等により脚体7に固定される。規制部材11は、一例としてアルミニウム製であり、永久磁石15、16は、一例として、規制部材11の外側面に形成された孔に挿入され、接着剤により固着されている。
図4は、脚体7が閉脚状態にあるときの脚体付近の杖101の正面図である。例えば把持部27を一方の手に持ち、管状部材3を他方の手に持ち、管状部材3を杖軸1に沿って上方向に引き上げることにより、コイルばね29の付勢力に抗して、脚体7を閉脚させることができる。脚体7は閉脚時に規制部材11に当接することにより、閉脚の位置すなわち姿勢が定まる。脚体7が閉脚位置に近づくほど、脚体7とリンク部材8とのなす角度は、180度に近付く。それに伴い、コイルばね29の付勢力がリンク部材8を通じて伝えられることにより脚体7を開脚させるように作用する力は弱まる。しかし図4に示すように、規制部材11は、コイルばね29の付勢力が僅かながら、なお脚体7に及び、当該付勢力により自然に開脚する位置に、脚体7の閉脚位置を規制する。
上述した通り、脚体7が一旦閉脚すると、磁石13、15同士、及び磁石14、16同士が引き合うことにより、脚体7はコイルばね29の付勢力に抗して、閉脚状態を維持する。図5は、互いに引き合う磁石13、15同士、及び磁石14、16同士の位置関係を示している。特に、磁石13,14が脚体7の先端部に取り付けられているので、磁石13、15同士、及び磁石14、16同士の磁気的吸引力が、脚体7の閉脚を維持するように有効に作用する。
図6は、杖101について、脚体7の開脚動作を説明する説明図である。また、図7は、杖101について、脚体7を開脚させるときの磁石13,14,15,16の位置関係を示す説明図である。既に述べたように、規制部材11は、リンク支持部材9に制止された位置から、上方に摺動させることができる。脚体7が閉脚しているときに、ユーザの手操作により、規制部材11を上方に摺動させると、図7に示すように、磁石13,14,15,16の位置関係にずれが生じ、磁石14と磁石15とが対向するようになる。磁石14と磁石15は、いずれも対向する表面にS極を有するので、互いに反発する。この反発力により、脚体17は規制部材11から離れ、コイルばね29の付勢力により、脚体7は開脚し、図1〜図3に示した状態となる。このように、規制部材11を上方に僅かに引き上げることにより、脚体7を瞬時に開脚させることができる。すなわち、杖101では、閉脚した脚体7を開くための操作が、特許文献2に開示される従来技術に比べて、一層容易である。また、磁石13、15同士、及び磁石14、16同士が引き合うことにより、脚体7の閉脚状態が維持されるので、脚体が閉脚しているときに僅かに開く、という特許文献1に開示される従来技術における不具合が解消される。さらに、脚体7を開閉するためのリンク部材8は、脚体7毎に1本で足りるので、リンク部材を脚体毎に2本有する、特許文献1に開示される従来技術に比して、脚体を開閉する機構が簡素である。
図6に例示するように、規制部材11が上方に過度に移動しないように規制部材11を制止し、規制部材11の移動範囲の上限位置を定める制止部材83を設けても良い。図示の例では、制止部材83は、管状部材3の周囲に、多重に巻回された粘着テープである。粘着テープの代わりに、管状部材3の側面に突出するピンなどの突起を設けても良い。
杖101に用いられた管状部材3に代えて、杖軸1の外側に配置される複数の棒状体など、他の長尺体を採用することも可能である。また、杖101では、規制部材11は、リンク支持部材9に当接することにより、その移動範囲の下限位置が規制された。これに対して、例えば、管状部材3あるいはそれに代わる長尺体の外側面に突起を形成し、この突起に規制部材11が当接することにより、規制部材11の移動範囲の下限位置が規制されるようにしてもよい。また、管状部材3あるいはそれに代わる長尺体を除去した形態を実施することも可能である。この場合には、例えばリンク支持部材9に手指を掛けて、これを引き上げることにより、脚体7を閉脚させることができる。また、この場合には、規制部材11は、杖軸1に案内されて、杖軸1に対して摺動自在に設けることができる。規制部材11の移動の下限位置は、例えば杖101と同様に、リンク支持部材9に当接することにより規制される。
また、規制部材11は、既に述べた通り、自重によって下限位置に納まるように、杖軸1の軸方向に沿って滑動自在であることが望ましい。これに対して、規制部材11を、手指にて押し上げ、押し下げすることにより、杖軸1の軸方向に沿って移動可能なように構成しても良い。
また、コイルばね29(図2)に代えて、空気ばね等、他の付勢部材を採用することも可能である。また、コイルばね29に代えて、脚体支持部材5(例えば図1)とリンク支持部材9とが互いに引き合うように、杖軸1を取り巻く引張りコイルばねを、脚体支持部材5とリンク支持部材9との間に配置するなど、他の部位に付勢部材を配置することも可能である。
杖101では、脚体7及び規制部材11のそれぞれに、表面磁極の異なる2個の磁石が配置された。これに対して、脚体7及び規制部材11のそれぞれに、3個以上の磁石を表面磁極が交互に異なるように配列してもよい。この場合においても、脚体7が閉脚状態にあるときに、配列する磁石の間隔に相当する距離だけ規制部材11を上方にずらすことにより、規制部材11から離れるように脚体7に反発力を付与することができる。また、脚体7及び規制部材11のそれぞれに、1個の磁石のみを配置しても良い。この場合においても、脚体7が閉脚状態にあるときに、規制部材11を上方にずらすことにより、脚体7と規制部材11との間の吸引力を解消することができる。その結果、コイルばね29の付勢力により、脚体7を開脚させることが可能である。さらには、脚体7及び規制部材11の一方にのみ永久磁石を配置し、他方には永久磁化されていない鋼鉄などの強磁性体を配置してもよい。この場合においても、脚体7が閉脚状態にあるときに、規制部材11を上方にずらすことにより、脚体7と規制部材11との間の吸引力を解消することができる。
杖101は、3本の脚体を有していた。これに対して、4本以上の脚体を有してもよく、2本の脚体を有してもよい。脚体が2本である場合には、例えば、杖軸1を鉛直から幾分傾斜した状態で、2本の脚部と杖軸1の下端部とによって、杖軸1を支持するようにしてもよい。
1 杖軸
3 管状部材(長尺体、可動部材)
5 脚体支持部材
7 脚体
8 リンク部材
9 リンク支持部材(支持部材、可動部材)
10 筒状部
11 規制部材(第1規制部材)
13、14、15、16 磁石
17 緩衝部材
19 筒状体
21 筒状体(第2規制部材)
23 足部
27 把持部
29 コイルばね(付勢部材)
61 筒状部
63 脚体受け部
71,72,73 管状部
75,77 貫通孔
79 スプリング
81 ピン
83 制止部材
101 杖

Claims (9)

  1. 杖軸と、
    前記杖軸の下端部分に、各々の基端部が回動可能に軸支されることにより、下方斜め方向に開脚し、略上方向に閉脚する複数の脚体と、
    前記複数の脚体の各々の前記基端部の回動軸よりも上方において、前記杖軸に摺動可能に設けられた可動部材と、
    前記複数の脚体の各々の前記基端部と先端部との中間部分に各々の一端が、前記可動部材に各々の他端が、それぞれ回動可能に軸支された複数のリンク部材と、
    前記杖軸に対して前記可動部材を下方向に付勢することにより、前記複数の脚体を開脚させ、それにより前記杖軸を自立可能にする付勢部材と、
    前記杖軸に沿った方向に移動可能に設けられるとともに、前記可動部により移動範囲の下限位置が規制され、前記複数の脚体に当接することにより、当該複数の脚体の閉脚位置を、前記付勢部材による付勢力により開脚する位置に規制する規制部材と、を備え、
    前記複数の脚体の各々と前記規制部材とは、互いの当接部位に磁性体の組を有しており、当該磁性体の組は少なくとも一方が磁石であることにより、前記規制部材が前記下限位置にあるときに、互いに吸着し、磁気的吸引力により前記付勢力に抗して前記複数の脚体を前記閉脚位置に、前記規制部材の周方向外側において保持し、前記規制部材を前記下限位置から上方に移動させることにより、互いの吸着が解除され、前記付勢部材の付勢力により前記複数の脚体が開脚する杖。
  2. 前記磁性体の組は、
    前記複数の脚体の各々に、当該脚体の延在方向に沿って交互に表面磁極を異ならせて配置される複数の磁石と、
    前記規制部材が前記下限位置にあって、前記複数の脚体が閉脚しているときに、前記複数の脚体の各々に配置される前記複数の磁石のそれぞれに、反対の表面磁極をもって対向するように、前記規制部材に配置される別の複数の磁石と、を有する、請求項1に記載の杖。
  3. 前記可動部材は、
    前記複数のリンク部材の各々の前記他端を軸支する支持部材と、
    当該支持部材が下端部に結合し、前記杖軸の周囲に摺動可能に配置され、前記下限位置にある前記規制部材の上方まで延在する長尺体と、を有する、請求項1又は2に記載の杖。
  4. 前記長尺体が管状であり、前記杖軸を挿通させるように配置されている請求項3に記載の杖。
  5. 前記付勢部材が、前記杖軸を取り巻くように当該杖軸と管状の前記長尺体との間に配置されたコイルばねであり、その上端が前記杖軸に規制され、下端が前記支持部材を付勢する、請求項4に記載の杖。
  6. 前記規制部材は、自重により前記下限位置に納まるように、前記杖軸の軸方向に沿って滑動自在である、請求項1から5のいずれかに記載の杖。
  7. 前記可動部は、前記規制部材の前記移動範囲の上限位置を定めるように、前記規制部材の上方への移動を制止する制止部材を有する、請求項1から6のいずれかに記載の杖。
  8. 前記規制部材を第1規制部材とし、前記杖軸を自立可能にするのに十分な開脚を前記複数の脚体に許す所定の位置を超えて、前記可動部材が前記杖軸に対して下方に移動しないように前記可動部材を規制する第2規制部材を、さらに備える請求項1から7のいずれかに記載の杖。
  9. 前記複数の脚体の各々は、その先端部において前記規制部材に当接する、請求項1から8のいずれかに記載の杖。
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