JP6369682B2 - 液滴振動装置及び液滴振動方法 - Google Patents

液滴振動装置及び液滴振動方法 Download PDF

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Description

本発明は、液滴振動装置及び液滴振動方法に関する。
電極間に印加する電圧を変動させて電極間の電界を変動させることによって、クーロン
力により基板上の液滴を振動させる装置がある。特許文献1、2では、クーロン力により
液滴を振動させることによって、微少量の試料(液滴)を攪拌することが提案されている
特開2010−119388号公報 特開2012−13598号公報
試料の攪拌を促進させるには、液滴の振幅を大きくさせることが望ましい。但し、液滴
の振動は、様々な要因(液滴の粘度、液適量、表面張力、温度、液滴の大きさ等)で変化
するため、液滴の振幅を大きくさせる最適条件を予め得ることが難しい。このため、作業
者は、狭い電極間に配置された液滴を目視しながら、印加電圧の周波数などの条件を調整
していた。
しかし、作業者が目視によって条件を調整すると、作業者によって調整結果にばらつき
が生じるおそれがある。
本発明は、液滴の振幅を大きくさせる条件を装置が自動で取得可能にすることを目的と
する。
上記目的を達成するための主たる発明は、上電極と、基板を載置可能な下電極と、お互
いに対向する前記上電極と前記下電極との距離を変更する変更機構と、前記基板の、前記
上電極に対向する側に形成される液滴を検出可能なセンサーと、前記上電極と前記下電極
との間に印加される印加電圧を変動させて前記液滴を振動させ、前記液滴が前記センサー
で検出されるか否かを判別するコントローラーと、を備え、前記コントローラーは、前記
印加電圧の周波数又は前記距離の異なる複数の条件で、前記液滴が前記センサーで検出さ
れるか否かをそれぞれ判別し、前記複数の条件のうち、前記液滴が前記センサーで検出さ
れ、且つ前記距離の最も大きい条件の前記周波数及び前記距離にて、前記液滴を振動させ
ることを特徴とする液滴振動装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
図1Aは、液滴振動装置1の全体斜視図である。図1Bは、液滴振動装置1のカバー1Bを開いたときの様子の斜視図である。 図2A及び図2Bは、液滴振動装置1のブロック図である。 図3A及び図3Bは、エリアセンサー30の説明図である。図3Cは、参考例のセンサーの説明図である。 図4A〜図4Cは、基板W上に液滴Sを形成する様子の説明図である。図4Aは、所定の直径の撥水円を基板Wに描くためのテンプレートの説明図である。図4Bは、基板Wに撥水円を描く様子の説明図である。図4Cは、基板W上に液滴Sを形成する様子の説明図である。 図5A〜図5Cは、液滴振動装置1の動作説明図である。 図6A〜図6Cは、液滴Sの振動の説明図である。図6Aは、電極間に電圧を印加する前(電極間の電界の発生前)の液滴Sの状態の説明図である。図6Bは、電極間に高電圧を印加した時(電極間に強電界が生じている時)の液滴Sの状態の説明図である。図6Cは、高電圧の印加を解除した時(若しくは印加電圧を急激に減少させた時)の液滴Sの状態の説明図である。 図7A及び図7Bは、振幅の大きい条件を探索する方法の概要説明図である。 図8は、第1実施形態の条件探索処理のフロー図である。 図9は、第1実施形態の条件探索処理の変形例のフロー図である。 図10は、第2実施形態の条件探索処理のフロー図である。 図11は、第3実施形態の液滴振動処理のフロー図である。 図12は、第3実施形態の液滴振動処理の変形例のフロー図である。 図13A及び図13Bは、第4実施形態の反応装置3のブロック図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
上電極と、基板を載置可能な下電極と、お互いに対向する前記上電極と前記下電極との
距離を変更する変更機構と、前記基板の、前記上電極に対向する側に形成される液滴を検
出可能なセンサーと、前記上電極と前記下電極との間に印加される印加電圧を変動させて
前記液滴を振動させ、前記液滴が前記センサーで検出されるか否かを判別するコントロー
ラーと、を備え、前記コントローラーは、前記印加電圧の周波数又は前記距離の異なる複
数の条件で、前記液滴が前記センサーで検出されるか否かをそれぞれ判別し、前記複数の
条件のうち、前記液滴が前記センサーで検出され、且つ前記距離の最も大きい条件の前記
周波数及び前記距離にて、前記液滴を振動させることを特徴とする液滴振動装置が明らか
となる。
このような液滴振動装置によれば、液滴の振幅を大きくさせる条件を装置が自動で取得
可能である。
前記コントローラーは、前記印加電圧の周波数を第1の周波数に保ちながら前記距離を
徐々に変化させて、前記液滴が前記センサーで検出されるか否かをそれぞれ判別し、前記
印加電圧の周波数を前記第1の周波数から第2の周波数に変更し、前記第2の周波数に保
ちながら前記距離を徐々に変化させて、前記液滴が前記センサーで検出されるか否かをそ
れぞれ判別することが望ましい。これにより、印加電圧の周波数の変更回数を減らすこと
ができる。
前記コントローラーは、前記距離を徐々に変化させて、前記液滴が前記センサーで検出
された状態から検出されない状態になったとき、若しくは、前記液滴が前記センサーで検
出されない状態から検出された状態になったとき、前記印加電圧の周波数を前記第1の周
波数から前記第2の周波数に変更することが望ましい。これにより、液滴が検出領域に達
するか否かを判別する条件の数を減らすことができる。
前記コントローラーは、前記距離を第1の距離に保ちながら前記周波数を徐々に変化さ
せて、前記液滴が前記センサーで検出されるか否かをそれぞれ判別し、前記第1の距離か
ら第2の距離に変更し、前記第2の距離を保ちながら前記周波数を徐々に変化させて、前
記液滴が前記センサーで検出されるか否かをそれぞれ判別することが望ましい。これによ
り、電極間距離の変更回数を減らすことができる。
前記センサーは、前記基板が載置される前記下電極の面に平行な方向に幅を持った検出
領域を有するエリアセンサーであることが望ましい。これにより、液滴の位置が多少ずれ
ても、液滴が検出領域に達したか否かを検出可能になる。
前記液滴が前記センサーで検出され、且つ前記距離の最も大きい条件の前記周波数及び
前記距離にて、前記液滴を振動させているときに、前記液滴が前記センサーで検出されな
くなった場合、前記距離を狭めて前記液滴を振動させることが望ましい。これにより、液
滴の水分の蒸発などによって液滴の振動が変化しても、適切に液滴を振動させることがで
きる。
また、前記下電極に載置される前記基板に液体を液滴として吐出可能な吐出ヘッドをさ
らに備えるとしてもよい。これによれば、下電極に載置された基板に例えば試薬や洗浄液
などの液体を吐出ヘッドから自動で吐出することができる液滴振動装置が明らかとなる。
互いに対向して配置される、上電極と、基板を載置可能な下電極と、を用い、前記上電
極と前記下電極との間に印加される印加電圧を変動させて前記基板上の液滴を振動させる
液滴振動方法であって、前記印加電圧の周波数又は前記上電極と前記下電極との間の距離
の異なる複数の条件で、前記液滴を検出可能なセンサーで前記液滴が検出されるか否かを
それぞれ判別するステップと、前記複数の条件のうち、前記液滴が前記センサーに検出さ
れ、且つ前記距離の最も大きい条件の前記周波数及び前記距離にて、前記液滴を振動させ
るステップと、を含むことを特徴とする液滴振動方法が明らかとなる。
このような液滴振動方法によれば、振幅を大きくさせる条件を装置が自動で取得可能で
ある。
前記液滴を振動させる所定の時間内において、前記センサーで前記液滴が検出されなく
なった場合、前記センサーで前記液滴が検出されるまで前記上電極と前記下電極との間の
距離を所定量ずつ狭めることが望ましい。これによれば、液滴を振動させる最適条件をよ
り正確に取得可能である。
前記液滴を振動させる所定の時間内において、前記センサーで前記液滴が検出されなく
なった場合、前記印加電圧の周波数又は前記距離の異なる複数の条件で前記液滴を振動さ
せ、前記センサーで前記液滴が検出されるか否かをそれぞれ判別するステップを繰り返す
ことが望ましい。これによれば、所定の時間内に例えば液滴の量が変動するなどの変化が
生じても最適条件を自動的に探索して液滴を確実に振動させることができる。
前記液滴を振動させる所定の時間内において、前記センサーで前記液滴が検出されなく
なった場合、前記センサーで前記液滴が検出されるまで前記上電極と前記下電極との間の
距離を所定量ずつ狭め、前記距離が所定値以下となっても前記センサーで前記液滴が検出
されない場合は、エラーとして報知することが望ましい。これによれば、基板上において
液滴が所定の範囲からはみ出してしまったなどの異常事態を察知して、液滴を振動させる
ステップをやり直させることができる。
===第1実施形態===
<液滴振動装置>
図1Aは、液滴振動装置1の全体斜視図である。図1Bは、液滴振動装置1のカバー1
Bを開いたときの様子の斜視図である。図2A及び図2Bは、液滴振動装置1のブロック
図である。
以下の説明では、図1Aに示すように上下方向、前後方向、左右方向を定義する。すな
わち、液滴振動装置1の設置面に垂直な方向を「上下方向」とし、重力が作用する方向を
「下」とし、重力が作用する方向の逆方向を「上」とする。液滴振動装置1のカバー1B
の開く側(液滴振動装置1から見て作業者の側)を「前」とし、逆側を「後」とし、これ
により「前後方向」を定義する。また、液滴振動装置1を操作する作業者から見た方向に
従って「左右方向」、「右」及び「左」を定義する。
液滴振動装置1は、電極間の印加電圧を変動させて電極間の電界を変動させることによ
って、クーロン力により基板W上の液滴Sを振動させる装置である。液滴振動装置1は、
上電極11と、下電極12と、昇降機構21と、エリアセンサー30と、コントローラー
40とを有する。また、液滴振動装置1は、電極に電圧を印加する電源装置22と、上電
極11を前後方向に移動させる移動機構23とを有する。液滴振動装置1のこれらの構成
要素は、筐体1Aに格納されている。筐体1Aの前面には、コントロールパネル24が設
けられている。
上電極11及び下電極12は、お互いに対向して配置される電極である。上電極11は
、下電極12よりも上側に配置される板状の電極である。上電極11の下面は下側を向い
ている(下面が前後方向及び左右方向に平行である)。上電極11は、移動機構23によ
って前後方向に移動する。図1Bに示すように、カバー1Bを開いたときには上電極11
は後側に位置しており、この位置から上電極11が移動機構23によって前側に移動して
、下電極12と対向する。
下電極12は、その上面に基板W(ガラス板又はプラスチック板)を載置可能である。
ここでは6枚の基板Wを載置可能である。下電極12の上面には、前後方向に沿った溝1
2Aが6本形成されており、それぞれの溝12Aに沿って基板Wが載置される。このため
、下電極12に載置される基板Wの長手方向は前後方向に平行になる。後述するように、
下電極12に載置される基板W上には液滴Sが形成される。
電源装置22は、電極に電圧を印加する装置である。ここでは、上電極11を基準電位
とし、電源装置22が下電極12に電位差が4kV程度の矩形波を所定の周波数で印加す
る。電源装置22が電極に所定の周波数の矩形波を印加すると、上電極11と下電極12
との間の電界が変動し、基板W上の液滴Sがクーロン力により振動することになる。なお
、電源装置22は、高圧アンプを備えるとともに、後述するようにコントローラー40か
らの指令に応じて矩形波の周波数を変更可能である。
昇降機構21は、対向する上電極11と下電極12との間の距離を変更する機構である
。ここでは、昇降機構21は下電極12を昇降させることによって、上電極11と下電極
12との間の距離(電極間距離)を変更する。但し、下電極12ではなく上電極11を昇
降させることによって、電極間距離を変更しても良い。以下、上電極11と下電極12と
の間の距離を「電極間距離」と記載する。
エリアセンサー30は、検出領域における障害物(ここでは液滴S)を検出可能なセン
サーである。図3A及び図3Bは、エリアセンサー30の説明図である。各図の上図は液
滴振動装置1を上から見たときのエリアセンサー30及び液滴Sの様子を示しており、下
図は液滴振動装置1を左側から見たときのエリアセンサー30及び液滴Sの様子を示して
いる。エリアセンサー30は、発光部31と受光部32とを有し、発光部31が受光部3
2に向かって検出光34を照射し、受光部32が受光量に応じた検出信号を出力する。発
光部31と受光部32は、ここでは前後方向に対向して配置されており、前後方向に沿っ
て検出光34が照射される。検出光34を遮る障害物が検出領域にあると、受光部32の
受光量が減少し、エリアセンサー30が液滴Sを検出することになる。この際、受光部3
2は、減少した受光量に応じた検出信号を出力する。この結果、エリアセンサー30の検
出信号は、検出領域における障害物の大きさを示す信号になる。
ここで、検出光34とは、発光部31から照射され受光部32に受光可能な光を指し、
受光部32から外れる方向の光は含まれない。発光部31が照射する光は、受光部32が
受光可能な光だけでなく、受光部32から外れる方向の光が含まれていても良い。検出光
34は、赤外光でも良いし、可視光でも良い。また、検出領域とは、発光部31と受光部
32との間で検出光34が照射される領域を指す。
図2に示すように、エリアセンサー30は上電極11の下側に固定されており、エリア
センサー30の検出領域は、上電極11の下面から下方に一定距離(例えば2mm〜3m
m)だけ離れている。これにより、液滴Sの頂部が上電極11の下面に触れる前に、エリ
アセンサー30が液滴Sを検出することが可能である。エリアセンサー30の検出領域と
上電極11との間の距離は一定である。
エリアセンサー30は、上電極11の下側に6個取り付けられている。下電極12には
6枚の基板Wが載置可能であるため、各基板W上の液滴Sをそれぞれ検出するように各エ
リアセンサー30が取り付けられている。このため、6個のエリアセンサー30は、左右
方向に並ぶように配置されている。
エリアセンサー30は、後述するように、液滴Sの振幅の大きさの判別に用いられる。
振幅の大きさを検出する方法として、カメラで撮影された画像を解析する方法もあるが、
この方法では、カメラや画像解析用の高価な演算回路等が必要になってしまう。これに対
し、本実施形態では、安価なエリアセンサー30を採用し、後述するように昇降機構21
の動作と組み合わせることによって液滴Sの振幅の大小を判別可能にしている。
図3A及び図3Bは、エリアセンサー30の説明図である。各図の上図は上から見た様
子を示しており、下図は左側から見た様子を示している。図3Bの上図の斜線のハッチン
グの領域は、上下方向においてエリアセンサー30の検出領域より高い液滴Sの領域(検
出領域に達している液滴Sの領域)を示しており、ここでは検出光34を遮っている液滴
Sの領域を示している。本実施形態では、エリアセンサー30を採用しており、検出領域
が左右方向に幅を持っている。これにより、液滴Sの位置が左右方向に多少ずれても、液
滴Sが検出領域に達したことをエリアセンサー30が検出可能である。
図3Cは、参考例のセンサーの説明図である。参考例では、センサーの検出領域が、左
右方向の幅を持っていない。このため、参考例では、液滴Sの位置が左右方向にずれると
、液滴Sの頂部がセンサーの検出光34より高い位置になっても、センサーが液滴Sを検
出できないことがある。
図2において、コントローラー40は、液滴振動装置1の制御を司る制御部である。コ
ントローラー40は、演算回路41とメモリー42とを有する。演算回路41は、例えば
CPUやMPU等の小型演算回路である。メモリー42は、ROMやRAM等から構成さ
れた記憶手段であり、制御プログラムやデータテーブルを記憶したり、制御プログラムを
展開するための領域を提供したりする。コントローラー40は、メモリー42に記憶され
た制御プログラムを演算回路41が実行することによって、液滴振動装置1の各構成要素
(例えば昇降機構21、電源装置22、移動機構23など)を制御し、各種処理(例えば
、後述する条件探索処理)を実現する。
図4A〜図4Cは、基板W上に液滴Sを形成する様子の説明図である。図4Aは、所定
の直径の撥水円を基板Wに描くためのテンプレートの説明図である。テンプレートは、基
板Wを挿入可能な筒状の部材である。テンプレートの上面には、所定の直径の円形状の穴
が形成されている。
図4Bは、基板Wに撥水円を描く様子の説明図である。基板Wの上面には親水性コーテ
ィングが施されていても良い。作業者は、基板Wをテンプレートに挿入した後、テンプレ
ートの上面の穴に従って撥水ペンで基板Wの上面に撥水円を描く。撥水円の大きさは、液
滴Sの量によって適宜設定される。本実施形態における液滴Sの最小量は150μLであ
り、最大量は600μLである。例えば、150μL又は200μLの液滴Sを形成する
場合には直径12mmの撥水円を描き、400μL又は600μLの液滴Sを形成する場
合には直径20mmの撥水円を描く。
テンプレートを用いるため、所望の直径の撥水円を描くことができる。また、テンプレ
ートを用いるため、基板W上の所定の位置に撥水円を描くことができるので、液滴Sを形
成した基板Wを下電極12に載置したときに、基板W上の液滴Sの左右方向の位置とエリ
アセンサー30の検出領域の左右方向の位置とを合わせることができる。なお、エリアセ
ンサー30の検出光34は前後方向に沿って照射されるので、テンプレートの挿入方向(
基板Wの長手方向:下電極12に載置したときの前後方向)に撥水円がずれて描かれるこ
とは許容される。
図4Cは、基板W上に液滴Sを形成する様子の説明図である。作業者は、基板W上に描
いた撥水円の上に、所定量の液滴S(例えば試薬)を滴下する。撥水円の上に液滴Sを滴
下することによって、基板W上の液滴Sの頂部が盛り上がり、液滴Sがドーム形状になる
(図6A参照)。この結果、液滴Sの頂部にクーロン力が作用しやすくなり、電極間の電
界を変動させたときに液滴Sの振幅を大きくさせやすくなる。
図5A〜図5Cは、液滴振動装置1の動作説明図である。
作業者は、図5Aに示すように、液滴Sを形成した基板Wを下電極12に載置する。カ
バー1Bを開いたときには上電極11は後側に位置しており、下電極12の上方が開放さ
れているので、作業者は、上電極11に邪魔されること無く、基板Wを下電極12に載置
できる。
基板Wが下電極12に載置され、作業者がコントロールパネル24に所定の指示を与え
ると、図5Bに示すように、コントローラー40は、移動機構23を制御して上電極11
を前側に移動させ、上電極11と下電極12とを対向させる。その後、図5Cに示すよう
に、コントローラー40は、昇降機構21を制御して下電極12を上側に上昇させる。こ
れにより、上電極11と下電極12との間の距離が短くなり、電極間により強い電界を発
生させることができる。その後、コントローラー40は、電源装置22を制御して、上電
極11を基準電位として所定の周波数の矩形波を下電極12に印加して、電極間の電界を
変動させて、基板W上の液滴Sを振動させる。
図6A〜図6Cは、液滴Sの振動の説明図である。
図6Aは、電極間に電圧を印加する前(電極間の電界の発生前)の液滴Sの状態の説明
図である。基板W上の液滴Sはドーム形状になっており、液滴Sの頂部が盛り上がってい
る。
図6Bは、電極間に高電圧を印加した時(電極間に強電界が生じている時)の液滴Sの
状態の説明図である。図6Bに示すように、液滴Sの頂部にクーロン力が作用するため、
液滴Sは、頂部が上電極11側に吸引された形状になる。このため、図6Aの液滴Sと比
べると、図6Bの液滴Sの頂部が上側に位置しており、液滴Sの上下方向の長さは長くな
る(液滴Sが高くなる)。
図6Cは、高電圧の印加を解除した時(若しくは印加電圧を急激に減少させた時)の液
滴Sの状態の説明図である。このとき、上側に吸引された部分(図6B参照)が重力によ
って落下するため、液滴Sは、頂部が沈み込んだ形状になる。このため、図6Aの液滴S
と比べると、図6Cの液滴Sの頂部が下側に位置しており、液滴Sの上下方向の長さは短
くなる(液滴Sが低くなる)。
電極間に高電圧が印加されているときには、液滴Sは図6Bに示すような形状になり、
高電圧の印加が解除されたときには、液滴Sは図6Cに示すような形状になる。このため
、所定の周波数の矩形波が下電極12に印加されると、液滴Sは、図6Bの形状と図6C
の形状に交互に変形し、振動する。
液滴Sを振動させることによって、液滴Sが攪拌される。これにより、液滴Sを静置し
た場合と比べて、反応を促進させることができる。このように、液滴振動装置1は、攪拌
装置として利用することができる。
なお、液滴振動装置1及びこれを用いた液滴振動方法において、液滴Sが抗体を含む試
薬である場合は、下電極12に印加される電位の極性がマイナスであることが好ましい。
具体的には、抗体は電荷を持っているが、その極性は液滴Sにおける溶媒のpHに依存す
る。抗体の極性が変わる溶媒のpHの値を等電点といい、溶媒のpHが等電点より小さけ
れば、抗体はプラス(正極性)に帯電する。溶媒のpHが等電点よりも大きければ、抗体
はマイナスに帯電する。免疫組織染色やELISAの工程で用いられる溶媒のpHの値は
、一般的に6.8〜8.0程度であることから、抗体はマイナス(負極性)に帯電するこ
とになる。
免疫組織染色における染色の濃さ、ELISAにおける発色強度は、抗原抗体反応の量
に依存するが、反応にはネガティブコントロール(抗原もしくは抗体を持たない試料を入
れておくこと)が望ましい。その理由は、試験後に得られた結果が抗原抗体反応に由来す
るものなのか、あるいは、抗原抗体反応以外の非特異的な反応に由来するものなのか判断
するためである。一方で、ネガティブコントロールを導入した場合、下電極12に与えら
れる電位の極性がプラス(正極性)であると、下電極12と抗体との引力によって、上記
非特異的な反応が増えてしまうおそれがある。下電極12に与えられる電位の極性をマイ
ナス(負極性)とすれば、下電極12と抗体との間には斥力が働くため上記非特異的な反
応が起こり難くなると考えられる。つまり、ネガティブコントロールが導入された免疫組
織染色やELISAにおいて、非特異的な反応が抑制され、より適正な試験結果が得られ
ることとなる。
<条件探索処理>
液滴S(例えば試薬)の攪拌を促進させるには、液滴Sの振幅を大きくさせることが望
ましい。但し、液滴Sの振動は、様々な要因(液滴Sの粘度、液適量、表面張力、温度、
液滴Sの大きさ等)で変化するため、液滴Sの振幅を大きくさせる最適条件(矩形波の周
波数や電極間距離)を得る必要がある。
図7A及び図7Bは、液滴Sの振幅の大きい条件を探索する方法の概要説明図である。
図中の液滴Sの頂部の矢印の長さは、液滴Sの振幅を示している。図7Aに示す液滴Sの
振幅の方が、図7Bの液滴Sの振幅よりも大きい。
液滴Sの振幅が大きい場合、図7Aに示すように、電極間距離D1(若しくはエリアセ
ンサー30の検出領域と下電極12との間の距離)が大きくても、液滴Sが検出領域に達
することになる。一方、液滴Sの振幅が小さい場合、電極間距離D2を電極間距離D1に
比べて小さくしなければ、液滴Sが検出領域に達しないことになる。このことを利用して
、以下の条件探索処理では、基板W上の液滴Sを振動させながら、液滴Sが検出領域に達
することが可能な電極間距離Dを探索し、その電極間距離Dの最も大きい条件を得ること
によって、液滴Sの振幅を大きくさせる最適条件を得ている。
図8は、第1実施形態の条件探索処理のフロー図である。コントローラー40は、液滴
振動装置1の各構成要素(例えば昇降機構21、電源装置22など)を制御し、この条件
探索処理を実現する。
まず、コントローラー40は、コントロールパネル24から作業者の入力した液量に基
づいて、矩形波の周波数Hの初期値である初期周波数H0と、電極間距離Dの初期値であ
る初期距離D0を決定する(S001)。ここでは、例えば初期周波数H0が20Hz、
初期距離D0は6.0mmとする。
なお、液量と初期周波数H0及び初期距離D0とを対応づけたテーブルは、予めコント
ローラー40のメモリー42に記憶されていても良い。このテーブルには、液量が多いほ
ど、初期周波数H0が低く設定されている。その理由は、液量が多いほど、液滴Sの固有
振動数が低くなるからである。また、液量が多いほど、初期距離D0が長く設定されてい
る。その理由は、液量が多いほど、基板W上に形成される液滴Sの高さが高くなり、液滴
Sが上電極11に接しないように初期距離D0を長くする必要があるからである。
次に、コントローラー40は、最大距離Dmaxを初期化する(S002)。後述する
ように、最大距離Dmaxは、条件探索処理中に液滴Sがエリアセンサー30の検出領域
に達したときの最大の電極間距離Dに更新されていく。この場合、初期化された最大距離
Dmaxの値は「0」である。なお、初期化の値は「0」に限定されず、例えば、液量が
最も少ない液滴Sが滴下された基板Wを下電極12に載置して、下電極12と上電極11
とを対向配置したときに、当該液滴Sの頂部が上電極11に接しない最小の電極間距離D
を初期化の値としてもよい。
次に、コントローラー40は、電源装置22の印加電圧(矩形波)の周波数Hを初期周
波数H0に設定し(S003)、電極間距離Dが初期距離D0になるように昇降機構21
を制御して電極間距離Dを設定する(S004)。
次に、コントローラー40は、初期設定条件(初期周波数H0、初期距離D0)で液滴
Sを振動させる(S005)。具体的には、コントローラー40は、印加電圧の周波数H
を20Hz(=H0)にし、電極間距離Dを6.0mm(=D0)にして、液滴Sを振動
させる。次に、コントローラー40は、エリアセンサー30の出力が変化しているか否か
を判断する(S006)。液滴Sが振動して、液滴Sの頂部がエリアセンサー30の検出
領域に達した状態と達しない状態とを繰り返すと、エリアセンサー30の出力は変化する
。これに対して、液滴Sを振動させても頂部がエリアセンサー30の検出領域に達しなく
なれば、エリアセンサー30の出力は変化しない。初期設定条件では、エリアセンサー3
0の出力が変化するように、テーブルの初期設定条件が予め設定されている。このため、
最初のS006の判断はYESになる。
次に、コントローラー40は、電極間距離Dが、これまでの最大距離Dmaxよりも大
きいか否かを判断する(S007)。最初のS007の判断は、最大距離DmaxがS0
02で初期化されたままなので、YESになる。
S007でYESの場合、コントローラー40は、最大距離Dmaxを現在の電極間距
離Dに更新するとともに、現在の設定条件(周波数H、電極間距離D)を最適条件として
記憶し(S008)、次のS009に進む。なお、S007でNOの場合には、S008
の処理は行われずに、S009に進む。そして、S009において、コントローラー40
は、昇降機構21を制御して、下電極12を所定量αだけ下げる。ここでは、αは0.2
mmに設定されており、コントローラー40は、電極間距離Dを6.0mmから6.2m
mにする。
そして、コントローラー40は、印加電圧の周波数Hを初期周波数20Hz(=H0)
に保ちながら、エリアセンサー30の出力が変化しなくなるまで、電極間距離Dを0.2
mm(=α)ずつ広げていき、最大距離Dmaxが更新されたときの設定条件を記憶する
ことを繰り返す(S005〜S009)。
電極間距離Dを広げていくと、液滴Sの頂部がエリアセンサー30の検出領域に達しな
くなる(S006でNO)。この場合、コントローラー40は、電源装置22の印加電圧
(矩形波)の周波数Hを所定値βだけ下げる(S010)。ここでは、βは1Hzに設定
されており、コントローラー40は、電源装置22の印加電圧の周波数Hを20Hzから
19Hzに設定する。なお、最初のS011の判断はNOになり、コントローラー40は
、電極間距離Dを初期距離D0の6.0mmに戻す(S004)。
次に、コントローラー40は、印加電圧の周波数Hを19Hzに保ちながら、エリアセ
ンサー30の出力が変化しなくなるまで、電極間距離Dを6.0mmから0.2mmずつ
広げていき、最大距離Dmaxが更新されたときの設定条件を記憶することを繰り返す(
S005〜S009)。そして、コントローラー40は、S006でNOになる毎に、電
源装置22の印加電圧の周波数Hを1Hzずつ下げていき、周波数Hが所定の周波数Hli
mitに達するまで、S004〜S009の処理を繰り返す。周波数Hが所定の周波数Hlim
itよりも下がったら(S011でYES)、S008で最後に記憶された設定条件(周波
数H、電極間距離D)を最適条件として、条件探索処理を終了する。
なお、所定の周波数Hlimitは、少なくとも1Hz以上の値であって、例えば基板W上
に滴下された液滴Sに電界が与えられ、液滴Sが振動し始める最少の周波数Hの値である
上記の第1実施形態の条件探索処理によって、コントローラー40は、印加電圧の周波
数H及び電極間距離Dの異なる複数の条件で、液滴Sが検出領域に達するか否かを判別す
ることになる(S005、S006)。そして、条件探索処理で得られる最適条件(周波
数H、電極間距離D)は、液滴Sがエリアセンサー30の検出領域に達した条件のうち、
電極間距離Dが最も大きいときの条件となる。
また、第1実施形態の条件探索処理によれば、印加電圧の周波数Hを保ちながら徐々に
電極間距離Dを変更することによって、複数の条件で液滴Sが検出領域に達するか否かを
判別している。このため、印加電圧の周波数Hの変更回数を減らすことができる。印加電
圧の周波数Hを変更した直後に液滴Sが検出領域に達するか否かを精度良く判別するため
には、直前の周波数Hで振動している液滴Sの残留振動が収まるまで待機時間が必要にな
るので、印加電圧の周波数Hの変更回数を減らせば、この待機時間を削減できる。
また、第1実施形態の条件探索処理によれば、液滴Sがエリアセンサー30の検出領域
に達した状態から達しない状態になったとき(S006でNOになったとき)、コントロ
ーラー40が印加電圧の周波数Hを変更している(S010)。このため、後述する第2
実施形態のように所定の距離の範囲の全ての条件で液滴Sを振動させる場合と比べて、条
件の数を減らすことができ、条件探索処理の時間を短縮できる。
なお、上記の条件探索処理の後、コントローラー40は、最適条件の周波数Hと電極間
距離Dにて、液滴Sを振動させる。これにより、液滴振動装置1は、振幅が最も大きい条
件で液滴Sを振動させることができる。
===第1実施形態の変形例===
図9は、第1実施形態の条件探索処理の変形例のフロー図である。この変形例では、前
述の図8の条件探索処理のS001、S004〜S009の処理が変更されている。前述
の図8の条件探索処理では、印加電圧の周波数Hを保ちながら徐々に電極間距離Dを広げ
ていたが、この変形例では、徐々に電極間距離Dを狭くする。
まず、コントローラー40は、コントロールパネル24から作業者の入力した液量に基
づいて、矩形波の周波数Hの初期値である初期周波数H0と、電極間距離Dの初期値であ
る初期距離D0’を決定する(S001’)。なお、変形例の初期設定条件では、液滴S
を振動させても液滴Sがエリアセンサー30の検出領域に達しないように、テーブルの初
期設定条件が予め設定されている(これに対し、前述の図8の条件探索処理では、初期設
定条件ではエリアセンサー30の出力が変化するように、テーブルの初期設定条件が予め
設定されている)。
次に、コントローラー40は、最大距離Dmaxを初期化し(S002)、電源装置2
2の印加電圧(矩形波)の周波数Hを初期周波数H0に設定し(S003)、電極間距離
Dが初期距離D0’になるように昇降機構21を制御して電極間距離Dを設定する(S0
04’)。これらの処理は、前述の図8の条件探索処理とほぼ同様である。初期化された
最大距離Dmaxの値は「0」である。
次に、コントローラー40は、初期設定条件で液滴Sを振動させ(S005)、エリア
センサー30の出力が変化しているか否かを判断する(S006’)。初期設定条件では
、エリアセンサー30の出力が変化しないように、テーブルの初期設定条件(初期距離D
0’)が予め設定されているため、最初のS006’の判断はNOになり、コントローラ
ー40は、昇降機構21を制御して、下電極12を所定量αだけ上げて、電極間距離Dを
狭める(S009’)。そして、コントローラー40は、エリアセンサー30の出力が変
化するまで(振動する液滴Sの頂部が検出領域に達するまで)、下電極12を徐々に上げ
ていく。下電極12を徐々に上げていくと、振動する液滴Sの頂部が検出領域に達し、エ
リアセンサー30の出力が変化する(S006’でYES)。
次に、コントローラー40は、電極間距離Dが、これまでの最大距離Dmaxよりも大
きいか否かを判断する(S007’)。最初のS007’の判断は、最大距離Dmaxが
S002で初期化されたままなので、YESになる。
S007’でYESの場合、コントローラー40は、最大距離Dmaxを現在の電極間
距離Dに更新するとともに、現在の設定条件(周波数H、電極間距離D)を最適条件とし
て記憶し(S008’)、次のS010に進む。なお、S007’でNOの場合には、S
008’の処理は行われずに、S010に進む。そして、コントローラー40は、電源装
置22の印加電圧(矩形波)の周波数Hを所定値βだけ下げる(S010)。
次に、コントローラー40は、電極間距離Dを初期距離D0に戻し(S004’)、S
010で変更された後の周波数Hを保ちながら、エリアセンサー30の出力が変化するま
で(振動する液滴Sの頂部が検出領域に達するまで)、下電極12を徐々に上げて電極間
距離Dを徐々に狭めていき、エリアセンサー30の出力が変化する毎に(S006’でY
ES)、最大距離Dmaxが更新されていれば設定条件を記憶することを繰り返す(S0
05〜S009’)。そして、コントローラー40は、エリアセンサー30の出力が変化
する毎に(S006’でYES)、電源装置22の印加電圧の周波数Hを徐々に下げてい
き、周波数Hが所定の周波数Hlimitに達するまで、S004’〜S009’の処理を繰
り返す。周波数Hが所定の周波数Hlimitよりも下がったら(S011でYES)、S0
08’で最後に記憶された設定条件(周波数H、電極間距離D)を最適条件として、条件
探索処理を終了する。
この変形例においても、コントローラー40は、印加電圧の周波数H及び電極間距離D
の異なる複数の条件で、液滴Sが検出領域に達するか否かを判別することになる(S00
5、S006’)。そして、条件探索処理で得られる最適条件(周波数H、電極間距離D
)は、液滴Sがエリアセンサー30の検出領域に達した条件のうち、電極間距離Dが最も
大きいときの条件となる。前述の図8の条件探索処理では、印加電圧の周波数Hを保ちな
がら徐々に電極間距離Dを広げていたが、この変形例のように、徐々に電極間距離Dを狭
くしても良い。
また、この変形例においても、コントローラー40は、印加電圧の周波数Hを保ちなが
ら徐々に電極間距離Dを変更することによって、複数の条件で液滴Sが検出領域に達する
か否かを判別している。このため、印加電圧の周波数Hの変更回数を減らすことができる
ので、液滴Sの残留振動が収まるまでの待機時間を削減できる。
また、変形例では、液滴Sがエリアセンサー30の検出領域に達しない状態から達した
状態になったとき(S006’でYESになったとき)、コントローラー40が印加電圧
の周波数Hを変更している(S010)。このため、後述する第2実施形態のように所定
の距離の範囲の全ての条件で液滴Sを振動させる場合と比べて、条件の数を減らすことが
でき、条件探索処理の時間を短縮できる。
===第2実施形態===
図10は、第2実施形態の条件探索処理のフロー図である。前述の第1実施形態では、
印加電圧の周波数Hを保ちながら徐々に電極間距離Dを変更していたが、第2実施形態で
は、電極間距離Dを保ちながら、徐々に周波数Hを変更する。
まず、コントローラー40は、コントロールパネル24から作業者の入力した液量に基
づいて、矩形波の周波数Hの初期値である初期周波数H0と、電極間距離Dの初期値であ
る初期距離D0を決定し(S101)、最大距離Dmaxを初期化する(S102)。こ
れらの処理は、第1実施形態の条件探索処理と同様である。初期化された最大距離Dma
xの値は「0」である。
次に、コントローラー40は、電極間距離Dが初期距離D0になるように昇降機構21
を制御して電極間距離Dを設定する(S103)。このS103の処理は、第1実施形態
のS004と同様である。次に、コントローラー40は、電源装置22の印加電圧(矩形
波)の周波数Hを初期周波数H0に設定する(S104)。このS104の処理は、第1
実施形態のS003と同様である。
次に、コントローラー40は、初期設定条件(初期周波数H0、初期距離D0)で液滴
Sを振動させ(S105)、エリアセンサー30の出力が変化しているか否かを判断する
(S106)。エリアセンサー30の出力が変化していれば(S106でYES)、コン
トローラー40は、電極間距離Dが、これまでの最大距離Dmaxよりも大きいか否かを
判断する(S107)。最初のS107の判断は、最大距離DmaxがS102で初期化
されたままなので、YESになる。S107でYESの場合、コントローラー40は、最
大距離Dmaxを現在の電極間距離Dに更新するとともに、現在の設定条件(周波数H、
電極間距離D)を最適条件として記憶し(S108)、次のS109に進む。なお、S1
06でNOの場合、又は、S107でNOの場合には、S108の処理は行われずに、S
109に進む。そして、S109において、コントローラー40は、電源装置22の印加
電圧(矩形波)の周波数Hを所定値βだけ下げる(S109)。そして、コントローラー
40は、周波数Hが所定の周波数Hlimitになるまでの間、電極間距離Dを保ちながら周
波数Hを徐々に下げていき、最大距離Dmaxが更新されたときの設定条件を記憶するこ
とを繰り返す(S105〜S110)。
周波数Hが所定の周波数Hlimitよりも下がったら(S110でYES)、コントロー
ラー40は、昇降機構21を制御して、下電極12を所定量αだけ下げて、電極間距離D
を変更する。そして、コントローラー40は、電源装置22の印加電圧(矩形波)の周波
数Hを再び初期周波数H0に戻す(S104)。そして、変更後の電極間距離Dを保ちな
がら、再び周波数Hを徐々に下げていき、最大距離Dmaxが更新されたときの設定条件
を記憶することを繰り返す(S105〜S110)。コントローラー40は、S110で
YESになる毎に、下電極12を所定量αだけ下げていき、電極間距離Dが所定距離Dli
mitに達するまで、S104〜S112の処理を繰り返す。電極間距離Dが所定距離Dlim
itよりも下がったら(S112でYES)、S108で最後に記憶された設定条件(周波
数H、電極間距離D)を最適条件として、条件探索処理を終了する。
なお、電極間距離Dの所定距離Dlimitは、例えば最大の液量の液滴Sに十分な振動を
与えることができなくなる電極間距離Dの値である。
第2実施形態においても、コントローラー40は、印加電圧の周波数H及び電極間距離
Dの異なる複数の条件で、液滴Sが検出領域に達するか否かを判別することになる(S1
05、S106)。そして、条件探索処理で得られる最適条件(周波数H、電極間距離D
)は、液滴Sがエリアセンサー30の検出領域に達した条件のうち、電極間距離Dが最も
大きいときの条件となる。
ところで、第2実施形態では、電極間距離Dを保ちながら徐々に印加電圧の周波数Hを
変更することによって、複数の条件で液滴Sが検出領域に達するか否かを判別している。
このため、第2実施形態では、電極間距離Dの変更回数を減らすことができる。昇降機構
21の動作が遅く、電極間距離Dの変更に時間がかかる場合には、第2実施形態の方が第
1実施形態よりも有利である。
なお、第2実施形態の条件探索処理においても、第1実施形態の変形例のように、徐々
に電極間距離Dを広げる代わりに、徐々に電極間距離Dを狭くしても良い。
===第3実施形態===
図11は、第3実施形態の液滴振動処理のフロー図である。前述の実施形態では、条件
探索処理の後、液滴振動装置1は、最適条件で液滴Sを振動させていた。但し、液滴Sを
振動させている間に、水分の蒸発や液滴Sと基板Wとの接触面積が変化すること等によっ
て、液滴Sの振動が変化する。そこで、第3実施形態では、条件探索処理で得られた最適
条件で液滴Sを振動させている間に、液滴Sの振動の変化を検出する。
まず、コントローラー40は、前述の条件探索処理(図8〜図10のいずれか)を実行
して最適条件を取得し(S201)、その最適条件の周波数Hと電極間距離Dにて、液滴
Sを振動させる(S202)。そして、コントローラー40は、所定時間が経過したとき
には(S203でYES)、液滴振動処理を終了する。
一方、所定時間が経過する前に(S203でNO)、液滴Sの水分が蒸発したり、液滴
Sと基板Wとの接触面積が広がったりすることがある。この場合、液滴Sが小さくなった
り、液滴Sの振幅が小さくなったりして、液滴Sを振動させても液滴Sの頂部がエリアセ
ンサー30の検出領域に達しなくなる。
そこで、コントローラー40は、所定時間が経過するまでの間、エリアセンサー30の
出力が変化しているか否かを判断する(S204)。そして、エリアセンサー30の出力
が変化していない場合(S204でNO)、コントローラー40は、電極間距離Dが所定
値以下でなければ(S205でNO)、下電極12を所定量上げて電極間距離Dを狭めて
(S206)、所定時間が経過するまで液滴振動処理を継続する。
なお、エリアセンサー30の出力が変化していない場合(S204でNO)に、既に電
極間距離Dが所定値以下であれば、コントローラー40は、液滴Sの振動の変化に異常が
あると判断して、エラーを報知する(S207)。
なお、この場合の電極間距離Dの所定値は、例えば液滴Sの振動によって液滴Sが上電
極11に接するおそれがあると予測される電極間距離Dの値である。
===第3実施形態の変形例===
図12は、第3実施形態の液滴振動処理の変形例のフロー図である。前述の図11の液
滴振動処理では、条件探索処理で得られた最適条件で液滴Sを振動させている間に、エリ
アセンサー30の出力が変化しなければ、電極間距離Dを狭めて液滴振動処理を継続して
いた。これに対し、この変形例では、条件探索処理で得られた最適条件で液滴Sを振動さ
せている間に、エリアセンサー30の出力が変化しなければ(S204でNO)、メモリ
ー42に記憶されているテーブルの初期周波数H0や初期距離D0を変更した上で(S2
10)、再び条件探索処理を行う(S201)。この変形例によれば、液滴Sの固有振動
数が変化しても、できる限り液滴Sの振幅を大きくさせることが可能である。
液滴Sを最適条件で振動させてもエリアセンサー30が液滴Sを検出しなくなるのは、
例えば液滴Sから溶媒が蒸発して液量が少なくなることが考えられる。液滴Sを振動させ
る電界の周波数Hは液量が少なくなるほど固有振動数の関係から高く(大きく)する必要
がある。一方で、液滴Sの液量が少なくなれば電極間距離Dを小さくする必要がある。す
なわち、液滴Sを振動させている間にエリアセンサー30の出力が変化しなければ、初期
周波数H0の値を高く(大きく)し、初期距離D0の値を小さくするように変更する。
なお、変形例においても、前述の図11の液滴振動処理のように、エラー報知処理(S
205、S207)を行っても良い。
===第4実施形態===
図13A及び図13Bは、第4実施形態の反応装置3のブロック図である。この反応装
置3は、前述の液滴振動装置1と同様に、上電極11と、下電極12と、昇降機構21と
、エリアセンサー30と、コントローラー40とを有し、液滴振動装置1としての機能も
有する。
反応装置3は、ここでは抗原抗体反応を自動的に行う装置である。但し、液滴Sの攪拌
によって反応が促進するものであれば、他の反応を自動的に行う装置であっても良い。
反応装置3は、液滴振動装置1としての構成要素の他に、移動可能な吐出ヘッド51と
、ファン52と、廃液タンク53とを備えている。
吐出ヘッド51は、液体を滴下するノズルを有する。吐出ヘッド51は、左右方向に移
動可能である。上電極11が後側に位置しているときに、吐出ヘッド51は、下電極12
に載置された基板Wに対向する位置まで移動し、基板Wに向かって液体を滴下する。ここ
では、吐出ヘッド51は、一次抗体溶液、二次抗体溶液及び洗浄液等を吐出可能である。
ファン52は、基板Wに向かって後側から前側に風を吹き付ける送風装置である。基板
W上の液滴Sは、ファン52の風によって吹き飛ばされて、廃液タンク53に排出される
ことになる。
作業者は、基板Wには切片化した組織標本を固定し、基板Wを反応装置3の下電極12
に載置して、コントロールパネル24に所定の指示を与える。コントロールパネル24か
らの作業者の指示に応じて、反応装置3のコントローラー40は、基板Wに対向する位置
まで吐出ヘッド51を移動して、吐出ヘッド51から基板Wに所定量の一次抗体溶液を滴
下し、基板W上に液滴Sを形成する。その後、コントローラー40は、吐出ヘッド51を
待避させて、上電極11を前側に移動させ、上電極11と下電極12と対向させる。
次に、コントローラー40は、前述の条件探索処理を実行し、最適条件となる周波数H
と電極間距離Dとを決定する。そして、コントローラー40は、最適条件の周波数Hと電
極間距離Dにて、液滴Sを振動させる。これにより、液滴Sが攪拌されて、一次抗体反応
が促進される。
次に、コントローラー40は、上電極11を後側に移動させた後、ファン52を駆動し
て、基板W上の液滴S(一次抗体溶液)を廃液タンク53に排出する。そして、コントロ
ーラー40は、基板Wに対向する位置まで吐出ヘッド51を移動して、吐出ヘッド51か
ら基板Wに洗浄液を滴下することと、ファン52を駆動して基板W上の液滴S(洗浄液)
を排出することとを繰り返し行い、一次抗体溶液を除去する洗浄処理を行う。
なお、コントローラー40は、基板Wに所定量の洗浄液を滴下し、基板W上に液滴Sを
形成し、この液滴Sを上電極11と下電極12との間で電界を変動させて振動させること
によって、洗浄処理を行っても良い。これにより、洗浄液の量を減らすことができ、廃液
タンク53の小型化を図ることができる。
基板W上の洗浄液を排出した後、コントローラー40は、基板Wに対向する位置まで吐
出ヘッド51を移動して、吐出ヘッド51から基板Wに所定量の二次抗体溶液を滴下し、
基板W上に液滴Sを形成する。その後、コントローラー40は、吐出ヘッド51を待避さ
せて、上電極11を前側に移動させ、上電極11と下電極12と対向させる。
次に、コントローラー40は、前述の条件探索処理を再度実行し、最適条件となる周波
数Hと電極間距離Dとを決定する。そして、コントローラー40は、最適条件の周波数H
と電極間距離Dにて、液滴Sを振動させる。これにより、液滴Sが攪拌されて、二次抗体
反応が促進される。
その後、コントローラー40は、上電極11を後側に移動させた後、ファン52を駆動
して、基板W上の液滴S(二次抗体溶液)を廃液タンク53に排出する。そして、コント
ローラー40は、基板Wに対向する位置まで吐出ヘッド51を移動して、吐出ヘッド51
から基板Wに洗浄液を滴下することと、ファン52を駆動して基板W上の液滴S(洗浄液
)を排出することとを繰り返し行い、二次抗体溶液を除去する洗浄処理を行う。
洗浄後、コントローラー40は、反応終了を作業者に報知する。作業者は、反応装置3
から基板Wを取り出し、基板Wに発色液を滴下して、基板W上で発色させた切片を顕微鏡
にて観察することになる。
本実施形態の反応装置3によれば、静置しただけでは60分以上かかる一次抗体反応や
二次抗体反応を、液滴Sを振動させて反応を促進させることによって5分〜10分程度に
短縮できる。また、一次抗体反応や二次抗体反応のたびに前述の条件探索処理が実行され
るので、様々な要因(液滴Sの粘度、液適量、表面張力、温度、液滴Sの大きさ等)が変
化しても、液滴Sの振幅を大きくさせる最適条件を得ることができる。
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解
釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得
ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<印加電圧について>
前述の実施形態では、印加電圧を矩形波としていた。但し、印加電圧は、矩形波に限ら
れるものではない。例えば、印加電圧をサイン波や三角波にしても良い。なお、図6Bの
ように上側に吸引された部分を図6Cのように重力によって落下させて液滴Sの振幅を大
きくさせるためには、印加電圧を急激に減少させるような波形(例えばノコギリ波)の印
加電圧が望ましい。また、印加電圧は波形の電位差により規定されるものであって、例え
ば4kVの印加電圧を電極間に与える場合、一方の電極の電位を0kVとして、他方の電
極の電位が最大4kVになる波形や、一方の電極の電位を−1kVとして、他方の電極の
電位が最大3kVになる波形としてもよい。
また、前述の実施形態では、印加電圧の周波数Hを変更する場合、周波数Hを下げてい
く形態を示したが、印加電圧の周波数Hを上げていっても良い。
<電極間距離を変更する変更機構について>
前述の実施形態では、対向する上電極11と下電極12との間の電極間距離Dを変更す
る機構として、下電極12を昇降させる昇降機構21が採用されていた。但し、電極間距
離Dを変更する変更機構は、これに限られるものではない。例えば、上電極11を昇降さ
せることによって、電極間距離Dを変更しても良い。この場合、移動機構23は、上電極
11ではなく、下電極12を前後方向に移動させると良い。
<センサーについて>
前述の実施形態では、上電極11の下側に設けられたエリアセンサー30によって、基
板W上の液滴Sが検出領域に達したか否かを検出していた。但し、基板W上の液滴Sが検
出領域に達したか否かを検出するセンサーは、エリアセンサー30に限られるものではな
い。例えば、図3Cの参考例に示したセンサーを用いても、基板W上の液滴Sが検出領域
に達したか否かを検出することは可能である。
また、前述の実施形態では、センサーを上電極11の下側に設けた例を示したが、液滴
を検出できるセンサーであれば、装置本体に設けても良い。
<基板について>
前述の実施形態では、基板Wに撥水円を描き、撥水円の上に液滴Sを形成していた。但
し、基板W上に撥水円を描かずに液滴Sを形成しても良い。
1…液滴振動装置、1A…筐体、1B…カバー、3…反応装置、11…上電極、12…
下電極、12A…溝、21…昇降機構、22…電源装置、23…移動機構、24…コント
ロールパネル、30…エリアセンサー、31…発光部、32…受光部、34…検出光、4
0…コントローラー、41…演算回路、42…メモリー、51…吐出ヘッド、52…ファ
ン、53…廃液タンク、W…基板、S…液滴。

Claims (11)

  1. 上電極と、
    基板を載置可能な下電極と、
    お互いに対向する前記上電極と前記下電極との距離を変更する変更機構と、
    前記基板の、前記上電極に対向する側に形成される液滴を検出可能なセンサーと、
    前記上電極と前記下電極との間に印加される印加電圧を変動させて前記液滴を振動させ
    、前記液滴が前記センサーで検出されるか否かを判別するコントローラーと、を備え、
    前記コントローラーは、前記印加電圧の周波数又は前記距離の異なる複数の条件で、前
    記液滴が前記センサーで検出されるか否かをそれぞれ判別し、前記複数の条件のうち、前
    記液滴が前記センサーで検出され、且つ前記距離の最も大きい条件の前記周波数及び前記
    距離にて、前記液滴を振動させることを特徴とする液滴振動装置。
  2. 請求項1に記載の液滴振動装置であって、
    前記コントローラーは、前記印加電圧の周波数を第1の周波数に保ちながら前記距離を
    徐々に変化させて、前記液滴が前記センサーで検出されるか否かをそれぞれ判別し、前記
    印加電圧の周波数を前記第1の周波数から第2の周波数に変更し、前記第2の周波数に保
    ちながら前記距離を徐々に変化させて、前記液滴が前記センサーで検出されるか否かをそ
    れぞれ判別することを特徴とする液滴振動装置。
  3. 請求項2に記載の液滴振動装置であって、
    前記コントローラーは、前記距離を徐々に変化させて、前記液滴が前記センサーで検出
    された状態から検出されない状態になったとき、若しくは、前記液滴が前記センサーで検
    出されない状態から検出された状態になったとき、前記印加電圧の周波数を前記第1の周
    波数から前記第2の周波数に変更することを特徴とする液滴振動装置。
  4. 請求項1に記載の液滴振動装置であって、
    前記コントローラーは、前記距離を第1の距離に保ちながら前記周波数を徐々に変化さ
    せて、前記液滴が前記センサーで検出されるか否かをそれぞれ判別し、前記第1の距離か
    ら第2の距離に変更し、前記第2の距離を保ちながら前記周波数を徐々に変化させて、前
    記液滴が前記センサーで検出されるか否かをそれぞれ判別することを特徴とする液滴振動
    装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液滴振動装置であって、
    前記センサーは、前記基板が載置される前記下電極の面に平行な方向に幅を持った検出
    領域を有するエリアセンサーであることを特徴とする液滴振動装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液滴振動装置であって、
    前記液滴が前記センサーで検出され、且つ前記距離の最も大きい条件の前記周波数及び
    前記距離にて、前記液滴を振動させているときに、前記液滴が前記センサーで検出されな
    くなった場合、前記距離を狭めて前記液滴を振動させることを特徴とする液滴振動装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の液滴振動装置であって、
    前記下電極に載置される前記基板に液体を液滴として吐出可能な吐出ヘッドをさらに備
    えたことを特徴とする液滴振動装置。
  8. 互いに対向して配置される、上電極と、基板を載置可能な下電極とを用い、前記上電極
    と前記下電極との間に印加される印加電圧を変動させて前記基板上の液滴を振動させる液
    滴振動方法であって、
    前記印加電圧の周波数又は前記上電極と前記下電極との間の距離の異なる複数の条件で
    、前記液滴を検出可能なセンサーで前記液滴が検出されるか否かをそれぞれ判別するステ
    ップと、
    前記複数の条件のうち、前記液滴が前記センサーに検出され、且つ前記距離の最も大き
    い条件の前記周波数及び前記距離にて、前記液滴を振動させるステップと、を含むことを
    特徴とする液滴振動方法。
  9. 請求項8に記載の液滴振動方法であって、
    前記液滴を振動させる所定の時間内において、
    前記センサーで前記液滴が検出されなくなった場合、前記センサーで前記液滴が検出さ
    れるまで前記上電極と前記下電極との間の距離を所定量ずつ狭めることを特徴とする液滴
    振動方法。
  10. 請求項8に記載の液滴振動方法であって、
    前記液滴を振動させる所定の時間内において、
    前記センサーで前記液滴が検出されなくなった場合、前記印加電圧の周波数又は前記距
    離の異なる複数の条件で前記液滴を振動させ、前記センサーで前記液滴が検出されるか否
    かをそれぞれ判別するステップを繰り返すことを特徴とする液滴振動方法。
  11. 請求項8に記載の液滴振動方法であって、
    前記液滴を振動させる所定の時間内において、
    前記センサーで前記液滴が検出されなくなった場合、前記センサーで前記液滴が検出さ
    れるまで前記上電極と前記下電極との間の距離を所定量ずつ狭め、前記距離が所定値以下
    となっても前記センサーで前記液滴が検出されない場合は、エラーとして報知することを
    特徴とする液滴振動方法。
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