JP6369586B1 - 食用シアオレインおよびその製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構成する成分含有量を調整したシアオレインを製造する。
【選択図】なし
Description
(1) 下記(A)〜(C)を全て満たす、シアオレイン、
(A)ヨウ素価が73以上
(B)StOStが2.0重量%以下
(C)ジアシルグリセロール(DG)含有量が10重量%以下
ただし、St:ステアリン酸、O:オレイン酸を示す、
(2) ジアシルグリセロール(DG)含有量が6.5重量%以下である、(1)のシアオレイン、
(3) 下記(A)〜(D)を全て満たす、(2)のシアオレイン、
(A)ヨウ素価が80以上
(B)StOStが1.0重量%以下
(C)StOOが20.0重量%以下
(D)ジアシルグリセロール(DG)含有量が3.0重量%以下
(4) 下記油脂保存試験で15℃7日間保存後清澄な状態である、(1)のシアオレイン、
(油脂保存試験方法)
・80℃で完全に融解させた油脂を試験管に約5g計量する、
・該計量した試験管を60℃で1時間保存後、15℃で保存する、
(5) 下記油脂保存試験で5℃6時間保存後清澄な状態である、(2)のシアオレイン、
(油脂保存試験方法)
・80℃で完全に融解させた油脂を試験管に約5g計量する、
・該計量した試験管を60℃で1時間保存後、5℃で保存する、
(6) 下記油脂保存試験で5℃4日間保存後清澄な状態である、(3)のシアオレイン、
(油脂保存試験方法)
・80℃で完全に融解させた油脂を試験管に約5g計量する、
・該計量した試験管を60℃で1時間保存後、5℃で保存する、
(7) (1)〜(6)のいずれかのシアオレインを用いた食品、
(8) サラダ油またはコーヒークリーマーである、(7)の食品、
(9) ヨウ素価60〜72のシアオレインを原材料とし、分別溶媒としてヘキサンを使用することを特徴とする、シアオレインの製造法、
(10) ヨウ素価50〜65のシアバター、またはヨウ素価60〜72のシアオレインを原材料とし、分別溶媒としてアセトンを使用することを特徴とする、シアオレインの製造法、
(11) (10)で得られたシオレインを原材料とし、化学的処理または酵素的処理によって、DGを減少させる、シアオレインの製造法、である。
好ましい態様として、現行流通しているシアオレインと比較して常温で、液状で流動可能な時間を延長することができる。より好ましい態様としては、低温から常温の幅広い温度帯で、液状で流動可能な時間を延長することができる。
また、さらに好ましい態様として、本発明により、シアオレインの用途を拡大することができる。
(A)ヨウ素価が73以上
(B)StOStが2.0重量%以下
(C)ジアシルグリセロール(以下DGと表記する)含有量が10重量%以下
好ましくは、さらに、DG含有量が6.5重量%以下である。低温において、液状で流動可能な時間を延長することができる。
(A)ヨウ素価が80以上
(B)StOStが1.0重量%以下
(C)StOOが20.0重量%以下
(D)DG含有量が3.0重量%以下である。
(A)ヨウ素価が85以上
(B)StOStが0.5重量%以下
(C)StOOが10.0重量%以下
(D)DG含有量が2.0重量%以下
(A)ヨウ素価が85以上
(B)StOStが0.5重量%以下
(C)StOOが10.0重量%以下
(D)DG含有量が2.0重量%以下
(油脂保存試験方法)
・80℃で完全に融解させた油脂を試験管に約5g計量する。
・該計量した試験管を60℃で1時間保存後、15℃で保存する。
(油脂保存試験方法)
・80℃で完全に融解させた油脂を試験管に約5g計量する。
・該計量した試験管を60℃で1時間保存後、5℃で保存する。
(A)ヨウ素価が80以上
(B)StOStが1.0重量%以下
(C)StOOが20.0重量%以下
(D)ジアシルグリセロール(DG)含有量が3.0重量%以下
シアバターとAcetoneを20:80で混合し、27℃で30分間攪拌しながらガム質を析出させる。その後静置し、沈降してきたガム質を濾過して脱ガムシアバターを得た。
融解したシアオレインとヘキサンが3:7となるように混合し、弱い攪拌を加えながら徐々に温度を下げ、設定分別温度に達したところで30分程度定温保持する。得られた混合液を濾過することで固体部分と液体部分に分け、得られた液体部分からヘキサンを除き、本発明のシアオレインが得られる。
融解したシアオレインとアセトンが2:8(比較例1は18:82)となるように混合し、弱い攪拌を加えながら徐々に温度を下げ、設定分別温度に達したところで30分程度定温保持する。得られた混合液を濾過することで固体部分と液体部分に分け、得られた液体部分からアセトンを除き、本発明のシアオレインが得られる。
得られた液体部分1kgに20wt%程度のNaOH水溶液を0.5mL混合、攪拌し、DGを分解した後、中和、水洗を行なう。
表2記載の条件にて前記分別方法に従って溶剤分別を行なった。原材料のシアバターは前記(脱ガム方法)に従って脱ガム後のシアバターを使用した、ヨウ素価は55.3であった。 DG除去は(DG除去の方法)に従って実施した。なお比較例2のウインタリングは、15℃で2日間保持し、析出した固形脂をろ過して比較例4のシアオレインを得た。
ヨウ素価、HPLC、GCを用いて成分組成、TG組成を分析した。保存試験は、80℃で融解させた後、各油脂を試験管に約5gずつ量りとり、60℃で1時間安定化させ、0、5、10、15℃の恒温槽に保存し、表1の評価基準に則って定期的に固化の度合いを観察することで評価した。全ての評価結果を表2に示す。なおHPLCによる分析は下記方法で実施した。
高速液体クロマトグラフ分析にて対称型、非対称型トリグリセリドの和(例えばStStO含量とStOSt含量の和)として測定した。測定条件は、(カラム;ODS、溶離液;アセトン/アセトニトリル=80/20、液量;0.9ml/分、カラム温度;25℃、検出器;示差屈折計)にて実施した。
表2において、Sは飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸 を示す。
また、USMは、unsaponifiable materialの略で、不鹸化物を意味する。
・実施例1〜実施例4で得られた、シアオレインA〜Dは、保存テスト結果、15℃で7日間保管後でも清澄な状態であった。
・実施例1〜実施例3で得られた、シアオレインA〜Cは、保存テスト結果、5℃で6時間保管後でも清澄な状態であった。
・実施例1〜実施例3で得られた、シアオレインA〜Cは、保存テスト結果、5℃で4日間保管後でも液状で、流動状態が維持できた。なお、実施例2、実施例3の、シアオレインB、Cは、7日間保管後でも清澄な状態であった。
・実施例2、実施例3の、シアオレインB、Cは、0℃で4日間保管後でも清澄な状態であった。
・比較例2は、15℃保管で清澄な状態が維持できるものの、少し温度が低下した10℃では、著しく保存耐性が低下することに加えて、生産性が悪いことから不合格とした。
Claims (9)
- 下記(A)〜(C)を全て満たす、食用シアオレイン。
(A)ヨウ素価が73以上
(B)StOStが2.0重量%以下
(C)ジアシルグリセロール(DG)含有量が10重量%以下
ただし、St:ステアリン酸、O:オレイン酸を示す。 - ジアシルグリセロール(DG)含有量が6.5重量%以下である、請求項1に記載の食用シアオレイン。
- 下記(A)〜(D)を全て満たす、請求項2に記載の食用シアオレイン。
(A)ヨウ素価が80以上
(B)StOStが1.0重量%以下
(C)StOOが20.0重量%以下
(D)ジアシルグリセロール(DG)含有量が3.0重量%以下 - 下記油脂保存試験で15℃7日間保存後清澄な状態である、請求項1に記載の食用シアオレイン。
(油脂保存試験方法)
・80℃で完全に融解させた油脂を試験管に約5g計量する。
・該計量した試験管を60℃で1時間保存後、15℃で保存する。 - 下記油脂保存試験で5℃6時間保存後清澄な状態である、請求項2に記載の食用シアオレイン。
(油脂保存試験方法)
・80℃で完全に融解させた油脂を試験管に約5g計量する。
・該計量した試験管を60℃で1時間保存後、5℃で保存する。 - 下記油脂保存試験で5℃4日間保存後清澄な状態である、請求項3に記載の食用シアオレイン。
(油脂保存試験方法)
・80℃で完全に融解させた油脂を試験管に約5g計量する。
・該計量した試験管を60℃で1時間保存後、5℃で保存する。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のシアオレインを用いた食品。
- サラダ油又はコーヒークリーマーである、請求項7に記載の食品。
- ヨウ素価60〜72のシアオレインを原材料とし、分別溶媒としてヘキサンを使用することを特徴とする、食用シアオレインの製造法。
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