JP6369528B2 - 調光器、撮像素子および表示装置 - Google Patents

調光器、撮像素子および表示装置 Download PDF

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Description

本開示は調光器、撮像素子および表示装置に関し、特に、グラフェンを用いた調光器ならびにこの調光器を用いた撮像素子および表示装置に関する。
撮像素子において、入射する光量を所定の光量に制御することは、ダイナミックレンジを拡大するためには必須である。また、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機ELディスプレイ)などの表示装置において、表示に用いる光量を所定の値に制御することは、階調表現を行うためには必須である。また、これらの光量制御を行うには所定の速度で光量を切り替える必要がある。
従来、電気的に光量を制御する方法としては、例えば、液晶分子の配向を制御する方法や、分子構造の可逆的な変化を利用したエレクトロクロミック材料(酸化タングステンやビオロゲンなど)を利用する方法(例えば、特許文献1、2、非特許文献1参照。)がある。
しかしながら、液晶分子の配向を制御する方法は、液晶分子の配向動作に起因して応答速度が十分に速くなく、液晶分子による透過光量のロスが大きいために透過モードにおける透過率が十分でない。また、液晶ユニットは配向部、電極部が大型化してしまうという問題がある。また、エレクトロクロミック材料を利用する方法では、応答速度がミリ秒単位と、液晶分子の配向を利用する方法と比べても遅く、光量調整できる波長領域に制限が生じる。加えて、これらの方式では、光量制御機構の微細化が困難であるため、例えば固体撮像素子の画素ごとに光量を制御することは困難である。
一方、近年、グラフェンが注目されている。グラフェンは炭素のみからなる単原子層の厚さを持つ2次元材料であり、一般的な半導体と異なりバンド構造が線形となるゼロギャップ半導体である。このグラフェンの表面にドーパントを吸着させる、すなわち化学ドーピングを行うことによってキャリアを誘起させ、グラフェンのフェルミ準位をシフトさせることが可能である。このフェルミ準位のシフト分のエネルギーをΔEFとすると、上記の特有のバンド構造から2|ΔEF|以下のエネルギーの光吸収が禁制となる。
従来、グラフェンの吸収率を電気的に制御する素子として、次のような素子が報告されている(非特許文献2参照。)。この素子では、SiO2膜上にグラフェンを形成し、このグラフェンの一端にソース電極を、他端にドレイン電極を形成する。そして、これらのSiO2膜、ソース電極およびドレイン電極をイオンゲルにより覆い、その上にゲート電極を形成する。ソース電極を接地し、ゲート電極にゲート電圧を印加することにより、イオンゲルを介してグラフェンに電界を印加することにより吸収率を制御する。
また、グラフェンの吸収率を電気的に制御する素子としては、テラヘルツ光通信向けのグラフェンベース導波路集積型光変調器(graphen-based waveguide-integrated optical modulator)も報告されている(非特許文献3参照。)。このグラフェンベース導波路集積型光変調器は、シリコン導波路上に酸化アルミニウム(Al23)を介してグラフェンが形成された構造を有し、シリコン導波路内を伝達する光がグラフェンによって吸収、減衰する度合いを外部電圧の印加によって制御する。このグラフェンベース導波路集積型光変調器では、電圧印加によりグラフェンのフェルミ準位をシフトさせることにより赤外領域の光吸収率を制御している。
特開平6−165003号公報 特開平8−160340号公報
Chem. Mater., 2009, 21 (7), pp.1381-1389 Nature 471, 617 (2011) LETTER (2011) doi:10.1038/nature10067 Adv. Mater. 18, 1657(2006)
しかしながら、非特許文献2で報告された素子では、イオンゲルを介して大きな電圧を印加するとイオンゲルの分解が進んでしまう。このため、例えば、可視光領域全域の光量制御に必要な33μC/cm2以上のキャリアをグラフェンに蓄積することができない。加えて、この素子は微細化が困難である。
また、非特許文献3で報告されたグラフェンベース導波路集積型光変調器は、シリコン導波路を伝播するテラヘルツ領域の光を周辺のグラフェンを用いて減衰させるものに過ぎず、基板にもシリコンを用いているため、外部からの入射光の光量を制御する機能は有していない。
そこで、本開示が解決しようとする課題は、所望の波長領域の光の透過光量を電気的に高速制御することができ、微細化も可能な透過光量制御素子、言い換えると調光器を提供することである。
本開示が解決しようとする他の課題は、上記の調光器を用いた優れた撮像素子および表示装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本開示は、
電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンと誘電体層とにより形成された接合を有し、
上記接合に電圧を印加して上記グラフェンに蓄積される電荷量を制御することにより透過光量を制御する調光器である。
また、本開示は、
電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンと誘電体層とにより形成された接合を有し、上記接合に電圧を印加して上記グラフェンに蓄積される電荷量を制御することにより透過光量を制御する調光器を受光部に有する撮像素子である。
この撮像素子においては、受光部に入射する光の光量が調光器により制御される。撮像素子は、CMOSイメージセンサーやCCDイメージセンサーなどである。
また、本開示は、
電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンと誘電体層とにより形成された接合を有し、上記接合に電圧を印加して上記グラフェンに蓄積される電荷量を制御することにより透過光量を制御する調光器を発光部に有する表示装置である。
この表示装置においては、表示を行うために発光部から放射される光の光量が調光器により制御される。この表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどである。
上記の調光器においては、電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンと誘電体層とにより形成された接合に電圧を印加すると、そのグラフェンに面する誘電体層の面にその電圧の極性に応じて正または負の電荷が誘起され、それによってそのグラフェンに負または正の電荷が蓄積される。こうして蓄積される電荷量に応じてこのグラフェンにより透過率変調が可能な光の波長域が決まり、蓄積電荷量が多い程、より波長の短い波長域の光の透過率変調、すなわち調光が可能となる。調光を行う光の波長域はこの調光器に要求される特性などに応じて適宜選択されるが、例えば、8μm以上あるいは1.4μm以上あるいは380nm以上の波長域の光の調光が可能となるようにすることができる。例えば、一層のグラフェンに1μC/cm2以上の電荷を蓄積させることにより2.2μm以上の波長域の調光が可能であり、33μC/cm2以上の電荷を蓄積させることにより可視光領域全域の調光が可能である。
この調光器においては、電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンは、誘電体層の一方の面だけに設けられてもよいし、誘電体層の両方の面に設けられてもよい。電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンが誘電体層の一方の面だけに設けられる場合、誘電体層の他方の面には、透過率変調層を構成しない電極が設けられる。
上記の少なくとも一層のグラフェンは、一層のグラフェンであっても、複数層のグラフェンが互いに積層された積層グラフェンであってもよい。グラフェン一層当たりの透過率変調幅は2%程度であるので、透過率変調幅(あるいは調光量)を大きくするためには積層グラフェンが用いられる。
上記の少なくとも一層のグラフェンには、必要に応じて化学ドーピングを行うことができ、これによってグラフェンのフェルミ準位を制御することができ、ひいてはグラフェンにキャリアを発生させることができる。こうすることにより、電圧印加により誘起されるキャリアとこの化学ドーピングにより導入される同極性のキャリアとにより、調光を行う光の波長域における透過率変調のためにグラフェンに蓄積させる必要があるキャリア密度を容易に得ることができ、あるいは、調光を行うために印加する必要がある電圧を小さくすることができる。例えば、化学ドーピングによりグラフェンに1μC/cm2以上の電荷を蓄積させた場合には、電圧印加により1μm以下の波長域の調光が可能となる。化学ドーピングを行うためには、具体的には、グラフェン上にドーパント層を形成する。ドーパント層は、電子受容型(p型)のドーパント層であっても、電子供与型(n型)のドーパント層であってもよい。電子供与型のドーパント層を形成したグラフェンには負電荷を有するキャリアである電子が導入されるため、このグラフェン側が負電位側となる電圧を印加することによりこのグラフェンに電子を発生させると、このグラフェンのキャリア密度、従って蓄積電荷量が増加する結果、化学ドーピングを行わない場合に比べて、調光を行うことができる光の波長域を広げることができる。また、電子受容型のドーパント層を形成したグラフェンには正電荷を有するキャリアである正孔が導入されるため、このグラフェン側が正電位側となる電圧を印加することによりホールを発生させると、このグラフェンのキャリア密度、従って蓄積電荷量が増加する結果、化学ドーピングを行わない場合に比べて、調光を行うことができる光の波長域を広げることができる。また、電子供与型のドーパント層を形成したグラフェンにこのグラフェン側が正電位側となる電圧を印加すると、このグラフェンにはホールが発生するため、キャリア密度、従って蓄積電荷量が減少する結果、電圧印加時の透過率が小さくなる。
誘電体層を構成する誘電体は、必要に応じて選択されるが、電圧印加によりグラフェンに蓄積される電荷量を大きくするためには、好適には、比誘電率が大きい誘電体(常誘電体あるいは高誘電体)、例えば比誘電率が2.0以上の誘電体、より好適には比誘電率が4.0以上の誘電体、さらに好適には比誘電率が8.0以上の常誘電体が用いられる。誘電体層を構成する誘電体としては、自発分極を有する強誘電体を用いることもできる。誘電体層を構成する誘電体として強誘電体を用いる場合には、接合に正負の電圧を印加することによりその強誘電体の分極を反転させ、例えば8μC/cm2以上の電荷を蓄積することにより、可視光域の波長の光の調光が可能となる。誘電体層は、典型的には固体であるが、液晶分子、取り分け比誘電率が高い液晶分子からなる液晶層であってもよく、好適には、電圧印加時に透過率が向上する液晶分子からなる液晶層が用いられる。誘電体層として液晶層を用いる場合には、調光器は液晶フィルターであり、グラフェンをこの液晶フィルターの駆動電極に用いることができる。このような液晶フィルターでは、液晶層およびグラフェンの両方で調光を行うことができる。誘電体層を構成する誘電体としてはイオン液体あるいは固体電解質を用いることもできる。
必要に応じて、誘電体層およびその両面に設けられる電極の全体の厚さを、調光する波長の光がこれらの内部で多重反射するように調節するようにしてもよい。こうすることにより、グラフェン一層当たりの透過率変調幅を例えば2.3%以上に大きくすることができる。
必要に応じて、グラフェン上に金属ナノ粒子や金属ナノワイヤーを形成し、それらの表面プラズモンポラリトンを利用することにより、グラフェン一層当たりの透過率変調幅を例えば2.3%以上に大きくすることができる。
必要に応じて、調光量を改善するために生じる調光量の波長依存性を、光学調整層を積層することで解消することも可能である。
必要に応じて、調光器を複数、光の入射方向に配置することにより、透過率変調幅を大きくすることができる。
本開示によれば、所望の波長領域の光の透過光量を電気的に高速制御することができ、微細化も可能な調光器を得ることができる。そして、例えば撮像素子においては、この優れた調光器を受光部に用いることにより、容易にダイナミックレンジを拡大することができ、優れた撮像素子を実現することができる。また、表示装置においては、この優れた調光器を発光部に用いることにより、容易に階調表現を行うことができ、優れた表示装置を実現することができる。
第1の実施の形態による調光器を示す略線図である。 第1の実施の形態による調光器の第1の構成例を示す略線図である。 第1の実施の形態による調光器の第2の構成例を示す略線図である。 第1の実施の形態による調光器の第3の構成例を示す略線図である。 第1の実施の形態による調光器において電極を構成するグラフェンの蓄積電荷量と切り替わり波長との関係を示す略線図である。 合成直後のグラフェンおよび化学ドーピングを行ったグラフェンの透過スペクトルの測定結果を示す略線図である。 真性グラフェンのバンド構造を示す略線図である。 ホールドーピングを行ったグラフェンのバンド構造を示す略線図である。 第1の実施の形態による調光器において電極を構成するグラフェンに1×1014/cm2の濃度の化学ドーピングを行った場合の調光器に印加する電圧Vとグラフェンに蓄積されるキャリア密度nとの関係を示す略線図である。 第1の実施の形態による調光器において電極を構成するグラフェンに2.5×1013/cm2の濃度の化学ドーピングを行った場合の調光器に印加する電圧Vとグラフェンに蓄積されるキャリア密度nとの関係を示す略線図である。 ドーピング量と蓄積電荷変化量ΔQとの関係を示す略線図である。 ドーピング量と蓄積電荷変化量ΔQとの関係を示す略線図である。 ドーピング量と蓄積電荷変化量ΔQとの関係を示す略線図である。 第1の実施の形態による調光器の第4の構成例を示す略線図である。 第1の実施の形態による調光器の第4の構成例において誘電体層として用いられるPZT層のヒステリシス曲線を示す 第1の実施の形態による調光器の第4の構成例において印加される電圧Vとキャリア密度nとの関係を示す略線図である。 実施例1による調光器の構成を示す断面図である。 実施例1による調光器の構成を示す平面図である。 実施例1による調光器において印加する電圧を変化させて透過スペクトルを測定した結果を示す略線図である。 実施例1による調光器において印加する電圧を変化させて透過スペクトルを測定した結果を示す略線図である。 図20に示す透過スペクトルの一部を拡大して示す略線図である。 実施例2による調光器において印加する電圧を変化させて透過スペクトルを測定した結果を示す略線図である。 第5の実施の形態による調光器を示す略線図である。 第5の実施の形態による調光器の構成例を示す略線図である。 第6の実施の形態による調光器を示す略線図である。 第6の実施の形態による調光器の構成例を示す略線図である。 第7の実施の形態による調光器を示す略線図である。 第7の実施の形態による調光器の構成例を示す略線図である。 第8の実施の形態によるイメージセンサーモジュールを示す略線図である。 第9の実施の形態による固体撮像素子を示す略線図である。 第9の実施の形態による固体撮像素子における画素配置の一例を示す略線図である。 第10の実施の形態による固体撮像素子を示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」という。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(調光器、調光器の製造方法および調光器の動作方法)
2.第2の実施の形態(調光器、調光器の製造方法および調光器の動作方法)
3.第3の実施の形態(調光器、調光器の製造方法および調光器の動作方法)
4.第4の実施の形態(調光器、調光器の製造方法および調光器の動作方法)
5.第5の実施の形態(調光器、調光器の製造方法および調光器の動作方法)
6.第6の実施の形態(調光器、調光器の製造方法および調光器の動作方法)
7.第7の実施の形態(調光器、調光器の製造方法および調光器の動作方法)
8.第8の実施の形態(イメージセンサーモジュール、イメージセンサーモジュールの製造方法およびイメージセンサーモジュールの動作方法)
9.第9の実施の形態(固体撮像素子およびその動作方法)
10.第10の実施の形態(固体撮像素子およびその動作方法)
〈1.第1の実施の形態〉
[調光器]
図1は第1の実施の形態による調光器を示す。図1に示すように、この調光器は、誘電体層11とこの誘電体層11の両面(上面および下面)に設けられた電極12、13とを有する。誘電体層11と電極12、13とによりそれぞれ接合が形成されている。
電極12、13は、調光を行う波長域の光に対して透明な材料からなり、それらの一方または両方が一層のグラフェンまたは複数層のグラフェンからなる積層グラフェンからなる。これらの電極12、13のうちの一層または複数層のグラフェンからなるものは透過率変調層を構成する。これらの電極12、13のうちの一層または複数層のグラフェンからなるものには、必要に応じて化学ドーピングを行うことによりキャリアドーピングが行われる。これらの電極12、13のうちのグラフェンを含まないものは、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、インジウム・ガリウムドープ酸化亜鉛(IGZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、二酸化チタン(TiO2)などの透明導電性金属酸化物などの一種または二種類以上を混合したものにより形成することができる。これらの電極12、13は、必要に応じて、調光を行う波長域の光に対して透明な材料からなる基板上に設けられる。
誘電体層11は、調光を行う波長域の光に対して透明な誘電体により構成されている。誘電体層11を構成する誘電体は特に限定されるものではなく、必要に応じて選ばれ、常誘電体であっても、強誘電体であってもよい。誘電体層11を構成する誘電体は、好適には、電極12、13の間に電圧を印加することにより、絶縁破壊を起こすことなく誘電体層11の両面に誘起することができる分極電荷の電荷密度が高いものが用いられる。以下に無機系の誘電体(常誘電体、高誘電体および強誘電体)の例を示す。
誘電体 比誘電率 絶縁耐圧(MV/cm) 電荷密度(μC/cm2
SiO2 4 10 3.5
Al23 8.2 8.2 6.0
h−BN 4 20 7.1
HfO2 18.5 7.4 12.0
ZrO2 29 6 15.4
ZnO 7.9
TiO2 8.5
IGZO 10
SiN 7 40 2.5
GaN 9.5
STO 140 2 24.8
STO 200 2 35.4
BTO 200 0.4 7.1
PZT 700 0.5 30.9
PTO 100−200 0.675 6.1−11.9
PLZT 900 1.4 111
CaF2 6.6 0.3 1.1
ここで、h−BNは六方晶窒化ホウ素、STOはチタン酸ストロンチウム、BTOはチタン酸バリウム、PZTはチタン酸ジルコン酸鉛、PTOはチタン酸鉛、PLZTはチタン酸ジルコン酸ランタン鉛を示す。一般に無機酸化物は高い誘電性と絶縁性とを有する一方で、遠赤外線領域の透過性は低い。遠赤外線領域の調光を行う場合には、誘電体層11を構成する誘電体として、例えば、遠赤外線領域の透過性が高いCaF2などを用いることができる。
誘電体層11を構成する誘電体としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(比誘電率〜10)、アモルファスフッ素樹脂などの有機物、イオン液体、液晶などを用いてもよい。有機系絶縁膜は膜耐久性に劣るものの、塗布形成が可能であり、下地基板へのダメージが少ないといったプロセス上の利点がある。液晶としては、好適には、電圧印加時に乱反射が抑えられ、透過性が向上するノーマリーブラック材料が用いられる。このノーマリーブラックの液晶を誘電体層11を構成する誘電体に用いることにより、電極および透過率変調層を構成するグラフェンの透過率が電圧印加時に向上することと合わせて、調光の相乗効果を得ることができる。
図2に、電極12が一層のグラフェンGからなり、電極13がグラフェンを含まない調光器を示す。一層のグラフェンG当たりの透過率変調幅aは2%程度であるので、この調光器の透過率変調幅ΔTは2%程度である。
図3に、電極12、13の両方が一層のグラフェンGからなる調光器を示す。この調光器の透過率変調幅ΔTはa×2=4%程度である。
図4に、より一般的に、電極12がM層(Mは1以上の整数)のグラフェンGからなり、電極13がN層(Nは1以上の整数、N=MまたはN≠M)のグラフェンGからなる調光器を示す。この調光器は、合計で(M+N)層のグラフェンGを有するため、透過率変調幅はΔT=a×(M+N)である。
電極12、13に蓄積される電荷量の絶対値をQ、電極12、13間に印加される電圧をV、電極12、13間に誘電体層11が挟まれた構造のキャパシターの単位面積当たりの静電容量をCとすると、
Q=CV
C=ε/d(ただし、dは電極12、13間の距離、すなわち誘電体層11の厚さ、εは誘電体層11を構成する誘電体の誘電率)
Q=ne(ただし、eは電子電荷の絶対値、nは電子の数)
である。
グラフェンのフェルミ準位をEFとすると、
F =(n/7.77×10130.5
である。
また、
th=2EF
λth=hc/Eth(=1240/Eth
である。ただし、λthは切り替わり波長(threshold wavelength) であり、λthより短い波長の光の透過率は変調することができないが、λth以上の波長の光の透過率は変調することができる。
図5はグラフェンの蓄積電荷量と切り替わり波長λthとの関係をグラフェンの層数を1〜5の範囲で変えて示したものである。図5から分かるように、グラフェンが一層の場合には、蓄積電荷量が8μC/cm2以上であれば、波長が780nm以上の光、言い換えれば赤外光の透過率を制御することができ、蓄積電荷量が33μC/cm2以上であれば、波長が380nm以上の光、言い換えれば可視光および赤外光の透過率を制御することができる。また、グラフェンの層数が増加するにつれて、同一の蓄積電荷量に対して、切り替わり波長λthは長波長化する。
可視光全域での透過率変調条件は
λth<380nm
(Δn>2.1×1014/cm2
ΔQ>33μC/cm2(片側のグラフェン一層当たり)
赤外光全域での透過率変調条件(可視光は常時透過)は
λth〜780nm
(Δn〜5.0×1013/cm2
ΔQ>8μC/cm2(片側のグラフェン一層当たり)
電極12、13を構成するグラフェンには、必要に応じて、化学ドーピングを行うことができる。この化学ドーピングによるグラフェンの透過率変調の一例について説明する。図6は合成直後(as−made)のグラフェン、酸素ドーピングを行った(oxygen−doped)グラフェン、塩化金(AuCl3)ドーピングを行った(AuCl3−doped)グラフェンの透過スペクトルを示す。図6に示すように、この例では、酸素ドーピングを行ったグラフェンの透過率は、切り替わり波長λth〜830nm以上の波長域において、合成直後のグラフェンの透過率に比べて大きくなり、約1800nm以上の波長域ではΔT〜2.0%である。また、AuCl3ドーピングを行ったグラフェンの透過率は、切り替わり波長λth〜700nm以上の波長域において、合成直後のグラフェンの透過率に比べて大きく、約1000nm以上の波長域ではΔT〜2.0%である。
化学ドーピングによるグラフェンのバンド構造の変化について説明する。図7に示すように、真性(intrinsic)グラフェンのバンド構造(E−k曲線)では、いずれの波数kに対しても価電子帯から伝導帯への電子の遷移が可能である。これに対し、図8に示すように、ホールドーピングを行ったグラフェンのバンド構造では、フェルミ準位EFが低下するため、一定範囲の波数kに対して価電子帯から伝導帯への電子の遷移が禁制となる。
図9はグラフェンのキャリア密度nと電圧Vとの関係を示す。グラフェンに化学ドーピングを行うことによりキャリアドーピングを行うことができ、それによって電荷を蓄積することができるため、調光を行うために電気的に変化させる必要がある電荷量を小さくすることができる。例えば、図3に示すように、電極12、13の両方が一層のグラフェンからなる場合には、電極12を構成するグラフェンに1×1014/cm2の化学ドーピングを行った場合には、電圧Vの制御によりキャリア密度を0〜2×1014/cm2の範囲で変調することができ、電極13を構成するグラフェン一層当たり1×1014/cm2の化学ドーピングを行った場合には電圧Vの制御によりキャリア密度を0〜−2×1014/cm2(負号は上のグラフェンにドーピングを行ったキャリアと逆極性のキャリアがドーピングされることを意味する)の範囲で変調することができる。図9においては、図3の上側の電極12を構成するグラフェンGを上のグラフェン、下側の電極13を構成するグラフェンGを下のグラフェンと称している(以下同様)。この場合の可視光全域での透過率変調条件は
Δn>1.0×1014/cm2
ΔQ>16.5μC/cm2(片側のグラフェン一層当たり)
である。
また、図10に示すように、上のグラフェンに化学ドーピングにより2.5×1013/cm2のキャリアドーピングを行った場合には、電圧Vの制御によりキャリア密度nを0〜5×1013/cm2の範囲で変調することができ、下のグラフェンに化学ドーピングにより−2.5×1013/cm2のキャリアドーピングを行った場合には電圧Vの制御によりキャリア密度nを0〜2.5×1013/cm2の範囲で変調することができる。この場合のグラフェン膜の透過率変調を行う場合に化学ドーピングを施した場合の可視光全域での透過率変調条件は
Δn〜2.5×1013/cm2
ΔQ〜4μC/cm2(片側のグラフェン一層当たり)
である。
ここで、ドーピング量と蓄積電荷変化量ΔQとの関係について説明する。ただし、上のグラフェンまたは下のグラフェンのホールの数と電子の数とは互いに等しいものとする。また、量子キャパシタンスは考慮に入れていない。図11に示すように、上のグラフェンに関しては、ドーピング量が0の場合は、キャリア密度nと電圧Vとの関係を示す直線は原点を通る直線Aとなり、電圧V=0で暗く(透過率が低く)、Vを正の電圧とすると明るく(透過率が高く)なる。ドーピング量を増加させると、キャリア密度nと電圧Vとの関係を示す直線は電圧Vの負側に直線B、C、Dのように平行移動する。直線Dの場合、すなわちドーピング量が3.75×1013/cm2の場合は、電圧印加によりキャリア密度nを変化させることができる範囲が大幅に狭くなり過ぎるため、ドーピングし過ぎである。直線Cの場合、すなわちドーピング量が2.5×1013/cm2の場合は、電圧VをV=0を中心に正負に変化させることにより、キャリア密度を0〜5×1013/cm2の範囲で変化させることができるため、最適ドーピング量である。また、下のグラフェンに関しては、図11に示すように、ドーピング量が0の場合は、キャリア密度nと電圧Vとの関係を示す直線は原点を通る直線Eとなり、電圧V=0で暗く(透過率が低く)、Vを正の電圧とすると明るく(透過率が高く)なる。ドーピング量を増加させると、キャリア密度nと電圧Vとの関係を示す直線は電圧Vの負側に直線F、G、Hのように平行移動する。直線Hの場合、すなわちドーピング量が−3.75×1013/cm2の場合は、電圧印加によりキャリア密度nを変化させることができる範囲が大幅に狭くなり過ぎるため、ドーピングし過ぎである。直線Gの場合、すなわちドーピング量が−2.5×1013/cm2の場合は、電圧VをV=0を中心に正負に変化させることにより、キャリア密度を0〜−5×1013/cm2の範囲で変化させることができるため、最適ドーピング量である。以上のように、ドーピングは動作電圧範囲をシフトさせる効果があり、究極的には直線C、Gの場合のように、ドーピングを行わない場合の半分まで動作電圧を下げることができる。
図12は、上のグラフェンおよび下のグラフェンにいずれもホールをドーピングした場合の電圧Vとキャリア密度nとの関係を示す。図12において、一点鎖線で囲んだ領域は可視光領域のキャリア密度範囲を示す。図12に示すように、この場合には、上のグラフェンおよび下のグラフェンが共に暗くなる(透過率が低くなる)領域がなくなる点で有利である。上のグラフェンおよび下のグラフェンにいずれも電子をドーピングした場合も同様である。
図13は、上のグラフェンにホールを、下のグラフェンに電子をドーピングした場合の電圧Vとキャリア密度nとの関係を示す。図13に示すように、この場合には、ドーピング量が少なくても動作電圧を低減する効果を得ることができるが、低電圧化の効果は電子またはホールの少ない方で制限される。上のグラフェンに電子を、下のグラフェンにホールをドーピングした場合も同様である。
誘電体層11を構成する誘電体として強誘電体を用いた調光器の一例について説明する。ここでは、強誘電体としてPZTを用いる場合について説明する。
図14に示すように、電極12、13が両方とも三層のグラフェンGからなる積層グラフェンからなるとする。誘電体層11はPZT層からなる。
図15にPZT層のヒステリシス曲線を示す(非特許文献4参照。)。
図16は電圧Vと積層グラフェンに蓄積されるキャリア密度nとの関係を示す。各グラフェンGには一層当たり1×1014/cm2の化学ドーピングが行われているものとすると、電圧Vが±2Vの範囲でキャリア密度nを0〜1×1014/cm2の範囲で制御することができる。
PZT層の分極反転により、明状態(透過率が高い状態)と暗状態(透過率が低い状態)とを不連続にスイッチすることができる。この場合、±60μC/cm2の分極反転なら、片側のグラフェン3層、計6層で6×a=12%程度の透過率変調が可能である。±100μC/cm2の分極反転なら、片側6層、計12層で12×a=24%程度の透過率変調が可能である。
誘電体層11を構成する誘電体として強誘電体を用いた調光器における赤外域の波長の光の調光であれば、グラフェン1層当たりの蓄積電荷量は4μC/cm2以下でよい。±60μC/cm2の分極反転なら、片側15層、計30層で30×a=60%程度の透過率変調が可能である。±100μC/cm2の分極反転なら、片側25層、計50層で100%の透過率変調が可能である。
片側だけでも、PZTを用いて容易に得ることができる±30μC/cm2以上の蓄積電荷量で15%以上の透過率変調が可能である。切り替わり波長λthを780nmよりも長波長側にすれば、透過率変調幅はさらに増加する。
[調光器の製造方法]
この調光器を製造するには、第1の基板(図示せず)上に誘電体層11を形成した後、第2の基板(図示せず)上に形成された電極12をこの誘電体層11の上面に貼り合わせる。例えば、電極12が形成された第2の基板は、電極12がグラフェンである場合は、CVD法などによりグラフェンが合成(成長)された銅箔などであってもよいし、銅箔などの基板上に合成されたグラフェンを他の基板に転写したものであってもよい。グラフェンに化学ドーピングを行う場合には、ドーパント層をグラフェン上に形成する。
次に、最初に誘電体層11が形成された第1の基板を誘電体層11から剥離したり、除去したりすることにより誘電体層11の下面を露出させる。
次に、第3の基板(図示せず)上に形成された電極13をこの誘電体層11の下面に貼り合わせる。電極13が形成された基板は、電極13がグラフェンである場合は、CVD法などによりグラフェンが合成された銅箔などであってもよいし、銅箔などの基板上に合成されたグラフェンを他の基板に転写したものであってもよい。グラフェンに化学ドーピングを行う場合には、ドーパント層をグラフェン上に形成する。
この後、必要に応じて、上記の第3の基板を除去する。こうして、目的とする調光器が製造される。
[調光器の動作方法]
図1に示すように、この調光器においては、誘電体層11の両面に設けられた電極12、13の間に直流電源14により電圧Vを印加することにより、その電圧Vに応じて、この調光器への入射光の透過光量を制御し、調光を行う。より具体的には、電極12、13の間に電圧を印加すると、これらの電極12、13のうちの一層または複数層のグラフェンからなるものの透過率が、電極12、13の間に電圧Vを印加しない場合、すなわちV=0の場合に比べて増加するため、調光器に対する入射光の透過光量が増加する。具体例を挙げると、図3に示す調光器では、電圧Vを印加しない時の透過率Tが86%、電圧Vを印加した時の透過率Tが90%で、透過率変調幅ΔTは4%程度である。また、図4に示す調光器において、電極12、13がいずれも2層のグラフェンGからなり、電極12を構成するグラフェンGには電子ドーピングが、電極13を構成するグラフェンGにはホールドーピングが行われている場合には、負の電圧Vを印加した時の透過率Tが82%、正の電圧Vを印加した時の透過率Tが90%で、透過率変調幅ΔTは8%程度である。
〈実施例1〉
以下のようにして図17および図18に示す構成を有する調光器を作製した。ここで、図17は断面図、図18は平面図である。
25mm×25mmにカッティングした厚さ1mmの石英ウェハー21上に、23mm×17mmの大きさの長方形の空隙を有するメタルマスク(図示せず)を配置し、Snの含有量が5%のインジウム−錫酸化物(ITO)のターゲットを用いて、RFスパッタリング法により厚さ90nmのITO電極22を形成した。その後、メタルマスクを取り除いた。
こうしてITO電極22を形成した石英ウェハー21上に、ITO電極22の形成に用いたメタルマスクと同じ形状のメタルマスクをこれらのメタルマスクが全体としてL字形状をなすように配置し、ジルコニア(ZrO2)のターゲットを用いて、RFスパッタリング法により厚さ250nmのZrO2層23を形成した。その後、メタルマスクを取り除いた。
圧延した厚さ36μmの銅箔を電気炉内で水素雰囲気(水素流量20sccm)中において1000℃で焼成し、メタンガスを30sccmの流量で30分供給することで、グラフェンを銅箔上に形成した。
こうして銅箔上に形成されたグラフェン上にポリメチルメタクリレート(PMMA)のアセトン希釈溶液をスピンコートにて塗布した後、溶液を乾燥させてPMMA膜を形成した。
こうしてPMMA膜を形成した銅箔を硝酸鉄水溶液に40分程度浸漬させ、銅箔を除去した。これによって、グラフェン上にPMMA膜が貼り合わされたものが得られた。
このPMMA膜に貼り合わされたグラフェンを上記の石英ウェハー21のZrO2層23上に転写した。
次に、こうしてグラフェンを転写した石英ウェハー21をアセトン溶媒に3分浸漬させてPMMA膜を除去した。図17および図18において、グラフェンを符号24で示す。
この後、ITO電極22およびグラフェン24にワイヤーボンディングにより電極配線(図示せず)を形成した。
以上により、調光器が作製された。この調光器の各部の寸法を図18に示す。
この調光器のITO電極22とグラフェン24との間に、ITO電極22に対してグラフェン24側が高電位となるように電圧を印加して透過率変調を計測した。
図19はこの調光器の透過スペクトル(差分)の測定結果を示す。ここで、透過スペクトル(差分)は、ITO電極22とグラフェン24との間に20V→−20V→5V→−5V→0Vのように電圧を印加した時の透過スペクトルから、ITO電極22とグラフェン24との間の電圧が0Vの時の透過スペクトルを差し引いたものである。図20はこの調光器の透過スペクトル、図21はこの透過スペクトルの一部を拡大した図である。
〈実施例2〉
25mm×25mmにカッティングした厚さ1mmの石英ウェハー上に、23mm×17mmの大きさの長方形の空隙を有するメタルマスク(図示せず)を配置し、Snの含有量が5%のインジウム−錫酸化物(ITO)のターゲットを用いて、RFスパッタリング法により厚さ90nmのITO電極を形成した。その後、メタルマスクを取り除いた。
こうしてITO電極を形成した石英ウェハー上に、ITO電極の形成に用いたメタルマスクと同じ形状のメタルマスクをこれらのメタルマスクが全体としてL字形状をなすように配置し、アルミナ(Al23)のターゲットを用いて、RFスパッタリング法により厚さ250nmのAl23層を形成した。
圧延した厚さ36μmの銅箔を電気炉内で水素雰囲気(水素流量40sccm)中において1000℃で焼成し、メタンガスを30sccmの流量で30分供給することで、グラフェンを銅箔上に形成した。
こうして銅箔上に形成されたグラフェン上にポリメチルメタクリレート(PMMA)のアセトン希釈溶液をスピンコートにて塗布した後、溶液を乾燥させてPMMA膜を形成した。
こうしてPMMA膜を形成した銅箔を硝酸鉄水溶液に40分程度浸漬させ、銅箔を除去した。これによって、グラフェン上にPMMA膜が貼り合わされたものが得られた。
このPMMA膜に貼り合わされたグラフェンを上記の石英ウェハーのAl23層上に転写した。
次に、こうしてグラフェンを転写した石英ウェハー21をアセトン溶媒に3分浸漬させてPMMA膜を除去した。
この後、ITO電極およびグラフェンにワイヤーボンディングにより電極配線(図示せず)を形成した。
以上により、調光器が作製された。この調光器の各部の寸法は図18に示す通りである。
この調光器のITO電極とグラフェンとの間に直流電源を接続し、ITO電極とグラフェンとの間に、グラフェン側が高電位となるように+70Vから−70Vまで電圧を印加することにより赤外領域の透過率変調を計測した。
図22はこの調光器の透過スペクトルの測定結果を示す。図22から分かるように、赤外領域において電圧により透過率を制御することができ、良好な透過率変調特性が得られている。
〈実施例3〉
8インチの透明ガラスウェハー上にグラフェンを実施例1と同様の手法で全面転写形成した。
フォトリソグラフィにより、平行平板型のコンデンサ電極とイメージセンサーの画素形状とに対応したレジストパターンを上記グラフェン上に形成した。
こうして透明ガラスウェハー上に形成したグラフェンに5Wの出力の窒素プラズマ処理を施し、グラフェン上にn型ドーパント層を形成し、電子ドーピングを行った。
こうして電子ドーピングを行ったグラフェン上にアルミナ(Al23)のターゲットを用いて厚さ5nmのAl23層を形成した。
こうしてAl23層を形成したウェハーにPZTのターゲットを用いて厚さ30nmのPZT層を形成した。
このウェハー上にグラフェンを全面転写形成した。
フォトリソグラフィにより、平行平板型のコンデンサ電極とイメージセンサーの画素形状とに対応したレジストパターンを上記グラフェン上に形成した。
このグラフェンにAuCl3のニトロメタン溶液をスプレー成膜し、グラフェン上にp型ドーパント層を形成し、ホールドーピングを行った。
この後、上下部のグラフェン電極に銅の配線を形成した。
〈実施例4〉
ノーマリーブラックとなるネガ型液晶材料として4−メトキシベンジリデン−4' −ブチルアニリン(MBBA)をセルに封入した。
セルの両端にグラフェンを全面転写形成した。
フォトリソグラフィにより、平行平板型のコンデンサ電極とイメージセンサーの画素形状とに対応したレジストパターンを上記グラフェン上に形成した。
こうしてグラフェンを形成したセルに5Wの出力の窒素プラズマ処理を施し、グラフェン上にn型ドーパント層を形成し、n型ドーピングを行った。
このグラフェン上にAuCl3のニトロメタン溶液をスプレー成膜し、グラフェン上にp型ドーパント層を形成し、ホールドーピングを行った。
この後、上下部のグラフェンに銅の配線を形成した。
この第1の実施の形態による調光器によれば、以下のような種々の利点を得ることができる。すなわち、この調光器は、電極12、13間に電圧を印加することにより調光を容易に行うことができる。また、電極12、13のうちの少なくとも一方が一層のグラフェンまたは積層グラフェンからなるので、グラフェンが高い吸収係数を有することにより調光可能な光量域を幅広く設計可能である。また、電極12、13を構成するグラフェンの層数の選択やグラフェンへの化学ドーピングの併用などにより、赤外光から可視光に亘って調光が可能である。また、グラフェンは2次元の高移動度材料であることにより、この調光器は高速動作が可能であり、例えば電極12、13の抵抗が1kΩ以下であれば応答速度は1GHz以上となる。また、この調光器は、メカニカルシャッターなどの大掛かりな駆動部が不要である。また、この調光器は、透過スペクトルがフラットであるため、色相がニュートラルである。また、この調光器に白色光が入射した場合、透過光のロスが液晶と比べて少ない。これは、液晶を用いた場合に発生する液晶分子による乱反射などがないためである。また、この調光器は電圧駆動であるため、消費電力が少ない。また、駆動電圧が低くて済む。また、この調光器は誘電体層11の両面に電極12、13が形成された構造を有するため、薄膜化および微細化が容易である。また、この調光器は、平行平板型のコンデンサ構造を有するため、製造プロセスが簡便である。また、この調光器は、電極12、13のうちの少なくとも一方を構成するグラフェンは原子層の厚さであるため、反射による透過光のロスが少ない。
〈2.第2の実施の形態〉
[調光器]
第2の実施の形態による調光器は、電極12、13のうちの一層のグラフェンまたは積層グラフェンからなるものにおいて、そのグラフェン上に金属ナノ粒子または金属ナノワイヤーが形成されている。そして、これらの金属ナノ粒子または金属ナノワイヤーの表面プラズモンポラリトンを利用することにより、グラフェン一層当たりの透過率変調幅ΔTを例えば2.3%以上に高くする。金属ナノ粒子または金属ナノワイヤーにより得られる効果については従来公知である。この調光器の上記以外のことは第1の実施の形態による調光器と同様である。
[調光器の製造方法]
この調光器の製造方法は、グラフェン上に金属ナノ粒子または金属ナノワイヤーを形成することを除いて、第1の実施の形態による調光器の製造方法と同様である。
[調光器の動作方法]
この調光器の動作方法は第1の実施の形態と同様である。
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈3.第3の実施の形態〉
[調光器]
第3の実施の形態による調光器においては、誘電体層11および電極12、13の全体の厚さを、調光する波長の光がこれらの内部で多重反射するように設定することにより、グラフェン一層当たりの透過率変調幅ΔTを例えば2.3%以上に高くする。この調光器の上記以外のことは第1の実施の形態による調光器と同様である。
[調光器の製造方法]
この調光器の製造方法は、誘電体層11および電極12、13の全体の厚さを上記のように設定することを除いて、第1の実施の形態による調光器の製造方法と同様である。
[調光器の動作方法]
この調光器の動作方法は第1の実施の形態と同様である。
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈4.第4の実施の形態〉
[調光器]
第4の実施の形態による調光器においては、第1の実施の形態による調光器において調光量を改善するために生じる調光量の波長依存性を解消するために、光学調整層を積層する。具体的には、例えば、誘電体層11上に光学調整層を介してグラフェンを形成する。このような光学調整層は、調光量の波長依存性を解消することができるように、屈折率や厚さなどが選択される。光学調整層としては、例えばSiO2膜を用いることができる。この調光器の上記以外のことは第1の実施の形態による調光器と同様である。
[調光器の製造方法]
この調光器の製造方法は、光学調整層を積層することを除いて、第1の実施の形態による調光器の製造方法と同様である。
[調光器の動作方法]
この調光器の動作方法は第1の実施の形態と同様である。
この第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈5.第5の実施の形態〉
[調光器]
図23は第5の実施の形態による調光器を示す。図23に示すように、この調光器は、第1の実施の形態による調光器を光の入射方向に複数段、配置したものである。すなわち、入射光は、一段目の調光器に入射し、一段目の調光器から最終段の調光器まで順に透過し、最終段の調光器から出射される。各調光器同士は直接接触していても、互いに離れていてもよい。図23では調光器を二段配置した例が示されているが、配置する調光器の段数は三段以上の任意の段数であってもよい。
図24に調光器の具体例を示す。図24に示すように、この調光器においては、各調光器の電極12、13の両方が二層のグラフェンからなる積層グラフェンからなる。従って、この調光器におけるグラフェンの総数は8層となり、透過率変調幅ΔTはa×8=16%程度である。
[調光器の製造方法]
この調光器は、第1の実施の形態による調光器を複数段、配置することにより製造することができる。
[調光器の動作方法]
この調光器は、各調光器の電極12、13間に印加する電圧を独立にまたは同時に制御することにより、各調光器の透過率を変調させ、調光を行うことを除いて、第1の実施の形態による調光器と同様である。
この第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点に加えて、調光器の段数に応じて透過率変調幅を大きくすることができるという利点を得ることができる。
〈6.第6の実施の形態〉
[調光器]
図25は第6の実施の形態による調光器を示す。図25に示すように、第6の実施の形態による調光器は、第1の実施の形態による調光器を光の入射方向に複数段、誘電体層31を介して直列接続したものである。すなわち、入射光は、一段目の調光器に入射し、一段目の調光器から誘電体層31を介して最終段の調光器まで順に透過し、最終段の調光器から出射される。図25では調光器を二段配置した例が示されているが、配置する調光器の段数は三段以上の任意の段数であってもよい。すなわち、二つの調光器の間に誘電体層31が挟まれた構造が複数、繰り返された構造であってもよい。
例えば、各調光器の誘電体層11は高誘電体または強誘電体からなり、誘電体層31は低誘電体からなる。
図26に調光器の具体例を示す。図26に示すように、この調光器においては、各調光器の電極12、13の両方が二層のグラフェンからなる積層グラフェンからなる。従って、この調光器におけるグラフェンの総数は8層となり、透過率変調幅ΔTはa×8=16%程度である。
[調光器の製造方法]
この調光器は、第1の実施の形態による調光器を誘電体層31を介して複数段、配置することにより製造することができる。
[調光器の動作方法]
この調光器は、各調光器の電極12、13間に印加する電圧を独立にまたは同時に制御することにより、各調光器の透過率を変調させ、調光を行うことを除いて、第1の実施の形態による調光器と同様である。
この第6の実施の形態によれば、第5の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈7.第7の実施の形態〉
[調光器]
図27は第7の実施の形態による調光器を示す。図27に示すように、この調光器は、第1の実施の形態による調光器を光の入射方向に複数段、直列に配置したものである。すなわち、入射光は、一段目の調光器に入射し、一段目の調光器から最終段の調光器まで順に透過し、最終段の調光器から出射される。互いに隣接する二つの調光器同士の間では、電極13または電極12が兼用されている。図27では調光器を三段配置した例が示されているが、配置する調光器の段数は四段以上の任意の段数であってもよい。
図28に調光器の具体例を示す。図28に示すように、この調光器においては、各調光器の電極12、13の両方が二層のグラフェンからなる積層グラフェンからなる。従って、この調光器におけるグラフェンの総数は8層となり、透過率変調幅ΔTはa×8=16%程度である。
[調光器の製造方法]
この調光器は、第1の実施の形態による調光器を複数段、互いに隣接する二つの調光器同士の間で電極12または電極13を兼用して直列接続することにより製造することができる。
[調光器の動作方法]
この調光器は、各調光器の電極12、13間に印加する電圧を独立にまたは同時に制御することにより、各調光器の透過率を変調させ、調光を行うことを除いて、第1の実施の形態による調光器と同様である。
この第7の実施の形態によれば、第5の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈8.第8の実施の形態〉
[イメージセンサーモジュール]
第8の実施の形態においては、イメージセンサーモジュールについて説明する。
図29はこのイメージセンサーモジュールを示す。図29に示すように、このイメージセンサーモジュールにおいては、Si基板などの半導体基板61上に受光部としてフォトダイオード62が設けられた固体撮像素子上に調光器63が載せられ、その上に集光レンズ64が設けられている。この固体撮像素子においては、実際には画素ごとにフォトダイオードが形成されているが、図29においては、これらのフォトダイオードがまとめて一つのフォトダイオード62として示されている。調光器63としては、第1〜第7の実施の形態による調光器のいずれかを用いることができるが、図29には一例として図4に示す調光器が示されている。
[イメージセンサーモジュールの製造方法]
このイメージセンサーモジュールは、半導体基板61上にフォトダイオード62を形成して固体撮像素子を形成した後、この固体撮像素子上に予め作製された調光器63を載せ、この調光器63の上方に集光レンズ64を設けることにより製造することができる。
[イメージセンサーモジュールの動作方法]
イメージセンサーモジュールの集光レンズ64を介して調光器63に光が入射する。このとき、入射光量に応じた電圧を調光器63の電極12、13の間に印加することにより透過率変調を行い、フォトダイオード62に入射する光量を制御する。
この第8の実施の形態によれば、入射光量を最適光量に電気的に高速制御することができるイメージセンサーモジュールを実現することができる。
〈9.第9の実施の形態〉
[固体撮像素子]
図30は第9の実施の形態による固体撮像素子を示す。図30に示すように、この固体撮像素子においては、Si基板のような半導体基板71上にフォトダイオード72が設けられている。実際には画素ごとにフォトダイオードが形成されているが、図30においては、これらのフォトダイオードがまとめて一つのフォトダイオード72として示されている。このフォトダイオード72上に、マトリクス状に配置された複数の画素ごとにカラーフィルターが形成されている。例えば、赤(R)用の画素、緑(G)用の画素、青(B)用の画素および赤外(IR)用の画素の四つの画素が一つの区画をなしている。カラーフィルターは、画素ごとに、R用のフィルターF1、G用のフィルターF2、B用のフィルター 3 およびIR用のフィルターF4(図30においては図示せず)が所定の配置で形成されている。各画素の配置の例を図31に示す。また、これらのフィルターF1〜F4のそれぞれの上には、マイクロレンズアレイをなす集光レンズ73が形成されている。マイクロレンズアレイ上には低屈折率の絶縁膜からなる平坦化膜74が形成されている。この平坦化膜74上には配線75が形成されている。この配線75は、調光を行う波長の光に対して透明な材料により形成される。この配線75上に調光器76が形成され、その上にガラス板77が形成されている。調光器76は固体撮像素子の受光面全面に形成されている。この調光器76としては、第1〜第7の実施の形態による調光器のいずれかを用いることができる。この調光器76の一方の電極、例えば電極13が配線75と電気的に接続されている。
[固体撮像素子の動作方法]
固体撮像素子のガラス板77を介して調光器76に光が入射する。このとき、入射光量に応じた電圧を調光器76の電極12、13の間に印加することにより透過率変調を行い、画素部に入射する光量を制御する。この場合は、全ての画素について透過率変調幅は同じである。
この第9の実施の形態によれば、入射光量を最適光量に電気的に高速制御することができる固体撮像素子を実現することができる。この固体撮像素子は、例えばCMOSイメージセンサーやCCDイメージセンサーなどとして用いて好適なものである。
〈10.第10の実施の形態〉
[固体撮像素子]
図32は第10の実施の形態による固体撮像素子を示す。図32に示すように、この固体撮像素子においては、Si基板のような半導体基板81のフィルターF1〜F4のそれぞれの直下の部分にフォトダイオード82が形成されている。各フォトダイオード82上には、SiO2膜などからなる層間絶縁膜83、保護膜84および平坦化膜85が順次形成されている。平坦化膜85上に、誘電体層11の両面に電極12、13が設けられた調光器が形成されている。この調光器としては、第1〜第7の実施の形態による調光器のいずれかを用いることができる。R用の画素の調光器上にはフィルターF1が形成され、G用の画素の調光器上にはフィルターF2が形成され、B用の画素の調光器上にはフィルターF3が形成され、IR用の画素の調光器上にはフィルターF4が形成されている。フィルターF1〜F4上にはそれぞれ集光レンズ86が形成されている。なお、調光器は、R用の画素、G用の画素、B用の画素およびIR用の画素の四つの画素からなる区画ごとに設けてもよい。

[固体撮像素子の動作方法]
固体撮像素子に光が入射する。このとき、画素ごとあるいは区画ごとに設けられた調光器において、入射光量に応じた電圧を電極12、13の間に印加することにより透過率変調を行い、各画素あるいは各区画に入射する光量を制御する。
この第10の実施の形態によれば、入射光量を画素ごとあるいは区画ごとに最適光量に電気的に高速制御することができる固体撮像素子を実現することができる。この固体撮像素子は、例えばCMOSイメージセンサーやCCDイメージセンサーなどとして用いて好適なものである。
以上、実施の形態および実施例について具体的に説明したが、本開示は、上述の実施の形態および実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、構造、構成、形状、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、構成、形状、材料などを用いてもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンと誘電体層とにより形成された接合を有し、上記接合に電圧を印加して上記グラフェンに蓄積される電荷量を制御することにより透過光量を制御する調光器。
(2)上記電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンは、上記誘電体層の一方の面または両方の面に設けられている前記(1)に記載の調光器。
(3)上記電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンは、一層のグラフェンまたは複数層のグラフェンが互いに積層された積層グラフェンである前記(1)または(2)に記載の調光器。
(4)上記電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンに化学ドーピングが行われている前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の調光器。
(5)上記電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンにn型ドーパントまたはp型ドーパントがドーピングされている前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の調光器。
(6)上記誘電体層を構成する誘電体は、無機系の誘電体、有機系の誘電体、液晶およびイオン液体からなる群より選ばれた少なくとも一種類の誘電体である前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の調光器。
(7)上記誘電体層を構成する誘電体の比誘電率が2.0以上である前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の調光器。
(8)上記電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンに蓄積させる電荷量が1μC/cm2以上である前記(1)ないし(7)のいずれかに記載の調光器。
(9)上記電極および透過率変調層を構成する少なくとも一層のグラフェンに蓄積させる電荷量が33μC/cm2以上である前記(1)ないし(7)のいずれかに記載の調光器。
11…誘電体層、12、13…電極、14…直流電源、G…グラフェン

Claims (11)

  1. 2つの電極、及び、2つの電極に挟まれた誘電体層を有しており、
    2つの電極の内の少なくとも一方の電極は、少なくとも1層のグラフェンから成り、透過率変調層を構成し、
    グラフェン上には、ドーパント層が形成されており、
    2つの電極に電圧が印加されてグラフェンに蓄積される電荷量が制御されることにより、透過光量が制御される調光器。
  2. 2つの電極は、少なくとも1層のグラフェンから成り、透過率変調層を構成し、
    一方の電極を構成するグラフェン上にはn型ドーパント層が形成されており、
    他方の電極を構成するグラフェン上にはp型ドーパント層が形成されている請求項1に記載の調光器。
  3. グラフェンに蓄積させる電荷量は1μC/cm2以上である請求項1又は請求項2に記載の調光器。
  4. 2つの電極への電圧の印加により、1μm以下の波長域の調光を行う請求項3に記載の調光器。
  5. グラフェンに蓄積させる電荷量は33μC/cm2以上である請求項1又は請求項2に記載の調光器。
  6. 透過率変調層を構成する電極は、複数層のグラフェンから成る請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の調光器。
  7. 誘電体層を構成する誘電体は、無機系の誘電体、有機系の誘電体、液晶及びイオン液体から成る群より選ばれた少なくとも1種類の誘電体である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の調光器。
  8. 誘電体層を構成する誘電体の比誘電率は2.0以上である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の調光器。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の調光器を複数、光の入射方向に配置した調光器。
  10. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の調光器を受光部に有する撮像素子。
  11. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の調光器を発光部に有する表示装置。
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