JP6368874B1 - 成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂と繊維の混合材料による素材から所望の強度および形状を有する成形品を製造することができる成形品の製造方法を提供すること。
【解決手段】樹脂と繊維を混合した混合材料による素材から成形品を製造する方法であって、素材を、金型を用いて、樹脂と繊維を架橋させる第1の加熱温度まで加熱することにより、予備成形品を作る第1成形ステップと、第1成形ステップの後、予備成形品を、金型を用いて、第1の加熱温度よりも高くかつ樹脂同士が架橋して高分子化する第2の加熱温度まで加熱することにより、成形品を作る第2成形ステップと、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、成形品の製造方法に関する。
従来より、炭素繊維と樹脂材料から構成される炭素繊維強化プラスチック(CRPM)を製造する製造方法が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、炭素繊維強化プラスチックの製造方法の一例として、プリプレグと呼ばれる炭素繊維に樹脂が含浸したシート状の材料を用いて炭素繊維強化プラスチックを製造する方法である。特許文献1の製造方法は、シート状体に熱硬化性樹脂組成物を含浸させた後、光を照射することにより、熱硬化性樹脂組成物中の金属ナノ粒子を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる。
特開2013−91728号公報
炭素繊維強化プラスチックは高い強度と軽さを併せ持つ材料であり、所望の強度および形状を有することが求められる。このような炭素繊維強化プラスチックを製造する方法としては、前述した特許文献1のようにプリプレグを用いた方法以外に、炭素樹脂と繊維を混合した混合材料による素材をもとに金型を用いた成形により成形品として製造する方法が考えられる。しかしながら、金型を用いた製造方法によれば、素材の加工が難しく、成形した完成品が多孔質で密度が低いものになる場合も多く、所望の強度および形状を有する炭素繊維強化プラスチックを製造することが難しい。
このように、金型を用いて炭素繊維強化プラスチックなどの成形品を製造する際に、所望の強度および形状を有する成形品を製造することに関して未だ改善の余地があるといえる。
従って、本発明の目的は、前記問題を解決することにあって、樹脂と繊維の混合材料による素材から所望の強度および形状を有する成形品を製造することができる成形品の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の成形品の製造方法は、樹脂と繊維を混合した混合材料による素材から成形品を製造する方法であって、前記素材を、金型を用いて、前記樹脂と前記繊維を架橋させる第1の加熱温度まで加熱することにより、予備成形品を作る第1成形ステップと、前記第1成形ステップの後、前記予備成形品を、金型を用いて、前記第1の加熱温度よりも高くかつ前記樹脂同士が架橋して高分子化する第2の加熱温度まで加熱することにより、成形品を作る第2成形ステップと、を含む。
本発明の成形品の製造方法によれば、所望の強度および形状を有する成形品を製造することができる。
実施の形態1の成形装置の概略斜視図 実施の形態1の成形装置の縦断面図 実施の形態1の成形装置に供給される素材の概略図 実施の形態1の予備成形品および成形品の平面図 実施の形態1の予備金型の固定部および本金型の固定部の平面図 実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための概略図 実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための概略図 実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための概略図 実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための概略図 実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための概略図 実施の形態1の製造方法を実施した際の素材、予備成形品、成形品の温度変化の例を示す図 実施の形態2の予備成形品を示す平面図 実施の形態2の予備成形品を示す側面図 実施の形態2の成形品を示す平面図 実施の形態2の成形品を示す側面図 実施の形態2の予備金型を示す縦断面図 実施の形態2の本金型を示す縦断面図 実施の形態3の成形品を示す平面図 実施の形態3の成形品を示す側面図 実施の形態3の成形品を示す斜視図 実施の形態3の第1の素材を示す平面図 実施の形態3の第2の素材を示す平面図 実施の形態3の予備成形品を示す斜視図 実施の形態4の簡易金型を示す斜視図 実施の形態4の素材を示す斜視図 実施の形態4の粗製品を示す斜視図 実施例1による実験の結果を示す概略図 実施例1による実験の結果を示す概略図 実施例1で用いる第2の成形品の縦断面図 第1の成形品の表面図 第1の成形品の裏面図 第1の成形品の縦断面図 第2の成形品の表面図 第2の成形品の裏面図 第2の成形品の縦断面図 第3の成形品の表面図 第3の成形品の裏面図 第3の成形品の縦断面図 第4の成形品の表面図 第4の成形品の裏面図 第4の成形品の縦断面図 第5の成形品の表面図 第5の成形品の裏面図 第5の成形品の縦断面図 実施例2による実験の結果を示す概略図 実施例2で用いる第5の成形品の縦断面図 実施例3で作成した成形品と同じ形状を有する成形品の表面図 実施例3で作成した成形品と同じ形状を有する成形品の裏面図 実施例3で作成した成形品と同じ形状を有する成形品の縦断面図 実施例3で作成した成形品と類似する形状を有する成形品の表面図 実施例3で作成した成形品と類似する形状を有する成形品の裏面図 実施例3で作成した成形品と類似する形状を有する成形品の縦断面図 破壊試験機を示す図 図28Aに示す破壊試験機を用いて破壊試験を行った結果を示すグラフ
以下、本発明に係る成形品の製造方法の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本発明に含まれる。
(実施の形態1)
実施の形態1における成形品を製造するための成形装置の概略構成について、図1、図2を用いて説明する。図1は、実施の形態1の成形装置2の概略斜視図であり、図2は、成形装置2の縦断面図である。図2は、図1におけるY方向から見た縦断面図である(金型が合わさった状態)。
実施の形態1における成形装置2は、樹脂と繊維を混合した混合材料による素材から、金型を用いて成形品を製造する装置である。実施の形態1における成形装置2は特に、熱硬化性の「フェノール樹脂」と、「炭素繊維」を混合した素材12(図3)を、熱間プレス成形することにより、炭素繊維強化プラスチックの成形品を製造する。
図3は、フェノール樹脂と炭素繊維を混合した素材12の例を示す。素材12は、フェノール樹脂と炭素繊維がそれぞれ常温の固体状態で集められた混合材料である。図3では、素材12が金型で圧縮される前の状態を示す。金型で圧縮された後の状態では、素材12は内部に多数の空隙を有する多孔質な材料となる。
図3に示す素材12を加工・成形する装置として、図1、図2に示す成形装置2は、予備金型(第1の金型)4と、本金型(第2の金型)6とを備える。予備金型4は、素材12から予備成形品14を作るための金型である。本金型6は、予備金型4で作られた予備成形品14をもとに成形品16を作るための金型である。図1では、予備成形品14と成形品16の両方を図示している。以下、予備金型4と本金型6のそれぞれの構成について説明する。
予備金型4は、素材12から予備成形品14を作るように、素材12を圧縮した状態で加熱するように構成された金型である。予備金型4によって、素材12の熱間プレス成形が行われる。
図1、図2に示すように、予備金型4は、可動部4aと、固定部4bとを備える。上方に配置された可動部4aは、下方に配置された固定部4bに対して上下動可能に構成されている。図1は可動部4aと固定部4bが離れた状態を示し、図2は可動部4aと固定部4bが接触した状態を示す。
可動部4aは、その底面から下方に突出した凸状のコア5aを有する。一方で、固定部4bは、その上面から下方に凹んだ凹状のキャビティ5bを有する。コア5aの形状はキャビティ5bの形状に対応しており、図2に示すようにコア5aをキャビティ5bに配置可能である。
図2に示す状態では、キャビティ5bに空洞8が形成されている。空洞8は、素材12を配置して予備成形品14を作るための配置領域(予備成形領域)である。空洞8の立体形状は、図1に示す予備成形品14の立体形状と略同じである。
本金型6は、予備成形品14から成形品16を作るように、予備成形品14を圧縮した状態で加熱するように構成された金型である。本金型6によって、予備成形品14の熱間プレス成形が行われる。
本金型6は、上方に配置された可動部6aと、下方に配置された固定部6bとを備える。可動部6aはコア7aを有し、固定部6bはキャビティ7bを有する。
図2に示すように、コア7aがキャビティ7bに配置された状態において、キャビティ7bには空洞10が形成される。空洞10は、予備成形品14を配置して成形品16を作るための配置領域(本成形領域)である。空洞10の立体形状は、図1に示す成形品16の立体形状と略同じである。
図1に示す予備成形品14および成形品16のそれぞれは、A方向に延在する板状の部材である。予備成形品14および成形品16のそれぞれは、A方向に直交するB方向に幅を有している。
予備成形品14および成形品16の平面視における外形に関して、図4A、4Bを用いて説明する。
図4Aは、予備成形品14および成形品16の平面図である。図4Bは、予備成形品14に対応する予備金型4の固定部4b、および、成形品16に対応する本金型6の固定部6bの平面図である。
平面視における水平断面の外形に関して、図4A、4Bに示すように、予備成形品14の横方向の長さA1および縦方向の長さB1は、図4Bに示すキャビティ5bの横方向の長さA1および縦方向の長さB1とそれぞれ同じである。同様に、図4Aに示す成形品16の横方向の長さA2および縦方向の長さB2は、図4Bに示すキャビティ7bの横方向の長さA2および縦方向の長さB2とそれぞれ同じである。
このような構成において、長さA1は長さA2よりも短く設定されており、長さB1は長さB2よりも短く設定されている(例えば約80%)。また、図4Bの点線で示すように、平面視におけるキャビティ5bの水平断面の外形は、キャビティ7bの水平断面の外形よりも小さく設定されており、キャビティ7bの内側に収まる大きさである。これにより、図4Aの点線で示すように、平面視における予備成形品14の水平断面の外形は、成形品16の水平断面の外形よりも小さくなり、成形品16の内側に収まる大きさとなる。
このような大きさの設定によれば、図4Aに示す予備成形品14の水平断面の外形は、図4Bに示す本金型6におけるキャビティ7bの水平断面の外形よりも小さくなる。よって、予備金型4により作られた予備成形品14を本金型6のキャビティ7bに移す際に、予備成形品14をキャビティ7bに容易に配置することができる。また予備成形品14は後述するように高い強度を有したものとして成形され、変形しにくいものであるため、前述したような外径の設定により、予備成形品14をキャビティ7bにより確実に配置することができる。
成形品16は予備成形品14を厚み方向に圧縮することで作られるため、図4Aに示すように水平方向の外形は縦方向および横方向ともに大きくなる。一方で、図1に示すように、成形品16の厚みC2は予備成形品14の厚みC1よりも小さくなる(例えば約40%)。
上述した形状を有する成形品16は、例えば自動車用のコンロッドに用いることができる。このような用途に炭素繊維強化プラスチックを適用することで、強度と軽量性を両立した材料を適用して安全性と利便性を向上させることができる。
上述した構成を有する成形装置2を用いて素材12から予備成形品14を作り、予備成形品14から成形品16(炭素繊維強化プラスチック)を作る方法の例について、図5A−5Eおよび図6を用いて説明する。
図5A−5Eは、成形装置2による炭素繊維強化プラスチックの製造方法を説明するための概略縦断面図である。図6は、図5A−5Eに示す一連の工程における素材12、予備成形品14および成形品16の温度変化を示す図である。
まず、素材12を準備して、予備金型4に配置する(ステップS1)。具体的には、図3に示した素材12を準備する。素材12は前述したように、フェノール樹脂と炭素繊維の混合材料によるものである。素材12は例えば、フェノール樹脂と炭素繊維のそれぞれを単独で準備した後に両者を混ぜ合わせることで準備することができる。
準備した素材12は、図5Aに示すように、予備金型4の固定部4bのキャビティ5bに配置される。キャビティ5bに配置される際の素材12の温度は常温Tである(図6)。
次に、予備成形を行う(ステップS2)。具体的には、図5Bに示すように、予備金型4の可動部4aを下方に移動させて、可動部4aと固定部4bの間で素材12を加圧する。可動部4aと固定部4bを図示しない熱源により熱することで、加圧状態の素材12を加熱する(熱間プレス成形)。これにより、予備成形品14が作られる。
予備成形品14は、図6に示すように素材12を所定の昇温速度で加熱するとともに、最終的に第1の加熱温度Tまで加熱することで作られる。
第1の加熱温度Tは、素材12を構成するフェノール樹脂と炭素繊維が架橋する温度に設定される。このような温度まで加熱することにより、フェノール樹脂と炭素繊維を化学的に結合し、所定の強度を有する予備成形品14が作られる。
樹脂と繊維による混合材料を加熱して成形する際には、樹脂と繊維が組織的に離れやすいために、最終製品である成形品の内部に多数の空隙が生じ、成形品の密度が小さくなり、強度低下につながりやすい。これに対して、上記方法によれば所定の昇温速度により素材12を加熱しながら、第1の加熱温度Tまで加熱して樹脂と繊維を確実に架橋させている。これにより、素材12の中に含まれるガス(加熱によって素材12自体から生じるガスも含む)を効率的に抜きながら、化学的な結合を形成して強度を向上させることができる。
前述した第1の加熱温度Tは、フェノール樹脂と炭素繊維が架橋を始める第1の架橋開始温度以上に設定される。また第1の加熱温度Tは、炭素繊維と架橋した後の熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)同士が互いに架橋して高分子化を開始する第2の架橋開始温度未満に設定される。このような温度設定によれば、予備成形品14に所定の強度を持たせながら、予備成形品14をさらに加工する余地を持たせることができる。
例えば、フェノール樹脂と炭素繊維の場合、第1の架橋開始温度は約135度であり、第2の架橋開始温度は約150度であるため、前述した第1の加熱温度Tは例えば、135度以上150度未満に設定される。
図6に示すように、予備成形ステップS2における(平均)昇温速度は、後述する本成形ステップS4における(平均)昇温速度よりも遅く設定されている。このような設定によれば、素材12に含まれるガスを効率的に抜きながら予備成形品14を作ることができ、予備成形品14の密度を向上させることができる。
特に素材12を熱間プレス成形した場合、素材12の表面側から中心部に向かって温度が上昇していくため、素材12の内部温度にばらつきが生じる場合がある。これに対して、予備成形ステップS2では素材12の昇温速度を遅く設定しているため、素材12をより均一に加熱することができ、素材12から作られる予備成形品14の密度をより均一化することができる。
次に、予備成形品14を移動させる(ステップS3)。具体的には、予備金型4で作られた予備成形品14を、図5Cに示すように予備金型4から本金型6へ移動させる。予備成形品14の移動には、図示しない搬送手段を用いてもよい。その後、予備成形品14は、本金型6の固定部6bのキャビティ7bに配置される。
予備金型4から本金型6への移動に伴い、予備成形品14の温度は低下する。図6に示すように、予備成形品14の温度は前述した第1の加熱温度Tよりも低い温度Tまで下がる。
次に、本成形を行う(ステップS4)。具体的には、図5Dに示すように、本金型6の可動部6aを下方に移動させて、可動部6aと固定部6bの間で予備成形品14を加圧する。可動部6aと固定部6bを図示しない熱源により熱することで、加圧状態の予備成形品14を加熱する(熱間プレス成形)。これにより、成形品16が作られる。
図6に示すように、成形品16は、予備成形品14を温度Tから所定の昇温速度で加熱しながら、最終的に第2の加熱温度Tまで加熱することで作られる。
第2の加熱温度Tは、炭素繊維と架橋したフェノール樹脂とフェノール樹脂同士が互いに架橋して高分子化する温度に設定される。
第2の加熱温度Tは、単分子のフェノール樹脂同士が架橋を始める第2の架橋開始温度以上に設定される。また高分子化したフェノール樹脂が分解されることを防止するために、第2の加熱温度Tは、高分子化されたフェノール樹脂が分解し始める分解開始温度よりも低い温度に設定される。例えば、フェノール樹脂と炭素繊維の場合、第2の架橋開始温度は約150度であり、分解開始温度は約180度であるため、第2の加熱温度Tは例えば、150度以上160度以下に設定される。
なお、第2の加熱温度Tに到達する直前において、フェノール樹脂と炭素繊維が瞬間的にゲル化して形状が変化しやすくなる状態が存在する。このときに、予備成形品14を本金型6により加圧することで所望の形状の成形品16に加工することができる。
また、所定の強度を持たせた予備成形品14から加工を開始していくため、本成形ステップS4を早くかつ容易に行うことができる。
次に、成形品16を取り出す(ステップS5)。具体的には、図5Eに示すように、本金型6から成形品16を取り出す。取り出された成形品16は、図6に示すように温度が漸減していく。
上記製造方法によれば、炭素繊維とフェノール樹脂の混合材料である素材12から、所望の強度および形状を有する炭素繊維強化プラスチックの成形品16を製造することができる。
上述したように、実施の形態1の製造方法は、フェノール樹脂と炭素繊維を混合した混合材料による素材12から炭素繊維強化プラスチックの成形品16を製造する方法である。実施の形態1の製造方法は、予備成形ステップS2(第1成形ステップ)と、本成形ステップS4(第2成形ステップ)とを含む。予備成形ステップS2は、素材12を、予備金型4を用いて、フェノール樹脂と炭素繊維を架橋させる第1の加熱温度Tまで加熱することにより、予備成形品14を作るステップである。本成形ステップS4は、予備成形ステップS2の後、予備成形品14を、本金型6を用いて、第1の加熱温度Tよりも高くかつフェノール樹脂同士が架橋して高分子化する第2の加熱温度Tまで加熱することにより、成形品16を作るステップである。
上記方法によれば、フェノール樹脂と炭素繊維を架橋させる予備成形ステップS2と、フェノール樹脂同士を架橋させて高分子化する本成形ステップS4を分けて実施している。このような方法によれば、予備成形ステップS2により素材12の中に含まれるガスを抜きながら所定の強度を持たせた予備成形品14を作り、この予備成形品14をもとに本成形ステップS4で所望の形状の成形品16に成形することができる。予備成形ステップS2と本成形ステップS4を分けずに第2の加熱温度Tまで連続的に加熱した場合に比べて、素材12に含まれるガスを効率的に抜いて密度を向上させることができ、所望の強度および形状を有した成形品16を製造することができる。
素材12は前述したように、内部に空隙を多く含んだ多孔質なものであるため、素材12を単純に熱間プレス成形した場合には、作られる成形品の内部に多くのガスが含まれることで密度が低下して、所望の強度が得られない場合がある。これに対して本実施の形態1の製造方法によれば、予備成形ステップS2では素材12を所定の昇温速度で加熱しながら第1の加熱温度Tまで加熱することにより、フェノール樹脂と炭素繊維を架橋させている。これにより、素材12に含まれるガスを精度良く抜きながら、所定の強度を有する予備成形品14を作ることができる。さらに本成形ステップS4では、予備成形品14を第2の加熱温度Tまで加熱することにより、単分子のフェノール樹脂同士を架橋させて高分子化している。このように、高い密度を有した予備成形品14をベースとして最終成形品である成形品16を作ることにより、所望の強度と形状を両立した成形品16を作ることができる。
さらに本実施の形態1では、予備成形ステップS2の平均昇温速度を本成形ステップS4の平均昇温速度よりも遅い値に設定している。このため、素材12の中に含まれるガスをより精度良く抜くことができ、高い密度を有した予備成形品14および成形品16を作ることができる。
また実施の形態1における製造方法は、特許文献1のようにプリプレグを用いた炭素繊維強化プラスチックの製造方法とは異なり、金型を用いた熱間プレス成形による製造方法である。金型を用いた製造方法であるため、炭素繊維強化プラスチックの製造コストを低減することができる。
さらに実施の形態1における製造方法は、予備成形ステップS2と本成形ステップS4で、それぞれ異なる金型(予備金型4、本金型6)を用いている。また予備成形ステップS2と本成形ステップS4の間で、素材12を予備金型4から本金型6へ移動させている。
上記方法によれば、予備成形ステップS2と本成形ステップS4を別々の金型で行うことで、当該ステップで作られる予備成形品14および成形品16のサイズを異ならせることができる。これにより、図4A、4Bを参照しながら説明した予備成形品14と成形品16の外形の設定が可能となり、それぞれのステップに適した所望の形状とすることができる。
さらに実施の形態1における製造方法によれば、それぞれの金型の温度変化域を小さくすることができ、量産時における生産性を向上させることができる。具体的には、図6に示すように、予備成形ステップS2における予備金型4の温度変化域は、常温Tから第1の加熱温度Tまでの範囲であり、本成形ステップS4における本金型6の温度変化域は、温度Tから第2の加熱温度Tまでの範囲である。同じ金型を用いて予備成形ステップS2と本成形ステップS4を連続的に行う場合には、金型の温度変化域が常温Tから第2の加熱温度Tまでという幅広い範囲となる。これに対して、図6に示す予備金型4および本金型6の各温度変化域は小さい範囲であるため、それぞれの金型で1回の成形にかかる加熱時間を短くすることができる。これにより、量産時における1回の成形にかかるタクトタイムを短くすることができ、生産性を向上させることができる。
一般的な樹脂の成形方法として、熱可塑性の樹脂による素材を加熱して溶融させたものを金型内に流動させて成形品を作る方法が知られている。しかしながら、炭素繊維強化プラスチックの場合には樹脂だけでなく炭素繊維も含んだ素材12を使用するため、加熱しても十分な流動性は得られない。よって従来の一般的な方法をそのまま適用して炭素繊維強化プラスチックを製造することは非常に困難である。これに対して、実施の形態1の製造方法は、素材12を流動させるのではなくプレス成形することにより、予備成形品14および炭素繊維プラスチックの成形品16を作る方法である。このように、従来の一般的な樹脂の成形方法とは全く異なる方法により、所望の強度および形状を有する炭素繊維プラスチックを製造することができる。
また従来の一般的な樹脂の成形方法は樹脂を流動させればよいため、1つの金型に樹脂を流し込む。これに対して実施の形態1の製造方法は、予備金型4および本金型6という2つの金型を用いた製造方法であり、従来の一般的な樹脂の成形方法の発想とは大きく異なるものである。
上記の通り、実施の形態1の製造方法によれば、従来非常に難しいとされていた炭素繊維強化プラスチックのプレス成形を容易に行うことができ、不良品の少ない、信頼性に優れた炭素繊維強化プラスチックの製造方法を提供することができる。
以上、実施の形態1の予備成形品14、成形品16の構成およびその製造方法について説明したが、様々な変形例が可能である。例えば、予備成形品14、成形品16の形状については図1、図4Aに示した形状に限らず、様々な変形例が可能である。その具体的な変形例について、以下の実施の形態2、3を参照しながら説明する。実施の形態2、3では、主に実施の形態1と異なる点について説明し、実施の形態1と重複する内容については説明を省略する。
(実施の形態2)
本発明に係る実施の形態2における予備成形品34を図7A、7Bに示し、成形品36を図8A、8Bに示す。図7Aは、予備成形品34の平面図であり、図7Bは、予備成形品34の側面図である。図8Aは、成形品36の平面図であり、図8Bは、成形品36の側面図である。
図8A、8Bに示す成形品36は、自動車のコンロッド(コネクティングロッド)として使用されるものである。このようなコンロッドは一般的に金属などで構成されており、比重が重いために、自動車の加速を妨げるという課題がある。このようなコンロッドに炭素繊維強化プラスチック製の成形品36を使用すれば、コンロッドの必要な強度を保ちながらも大幅な軽量化を実現することができ、安全性を担保しつつ自動車の加速性を向上させることができる。
図7A、7Bに示すように、予備成形品34は、中央部34aと、両端部34bとを備える。中央部34aは板状に形成された部分であり、図7Bに示すように厚みX1を有する。両端部34bは中央部34aの両端で環状に形成された部分であり、円柱状の空洞34cを形成する。図7Bに示すように両端部34bは厚みX2を有する。
図7A、7Bに示す予備成形品34を、実施の形態1で説明した本成形ステップS4と同様の方法で加工することにより、図8A、8Bに示す成形品36を作ることができる。
図8A、8Bに示すように、成形品36は、中央部36aと、両端部36bとを備える。中央部36aは板状に形成された部分であり、図8Bに示すように厚みX3を有する。両端部36bは中央部36aの両端で環状に形成された部分であり、円柱状の空洞36cを形成する。図8Bに示すように両端部36bは厚みX4を有する。
図8A、8Bに示す成形品36の厚みX3、X4は、予備成形品34の厚みX1、X2のそれぞれよりも小さくなっている。
図7A、7Bに示す予備成形品34を製造するための予備金型24、および、図8A、8Bに示す成形品36を製造するための本金型26の構成について、図9、図10を用いて説明する。
図9は、実施の形態1と同様の素材12から予備成形品34を作るための予備金型24の拡大縦断面図であり、図10は、予備成形品34から成形品36を作るための本金型26の拡大縦断面図である。
図9に示すように、予備金型24は、上方の可動部24aと下方の固定部24bが接触した状態において、その間に空洞28を形成する。空洞28は、前述した予備成形品34と略同形状である。このような形状の空洞28を形成するために、可動部24aの底面24cおよび固定部24bの上面24dのそれぞれに凹凸が設けられている。特に、可動部24bの上面24dには、上方に延びるとともに水平方向に間隔を空けて配置された円柱状の2本の突起29が設けられている。突起29を設けることで、図7A、7Bに示す予備成形品34の両端部34bに空洞34cが形成される。
図10に示すように、本金型26は、上方の可動部26aと下方の固定部26bが接触した状態において、その間に空洞30を形成する。空洞30は、前述した成形品36と略同形状である。このような形状の空洞30を形成するために、可動部26aの底面26cおよび固定部26bの上面26dのそれぞれに凹凸が設けられている。特に、可動部26bの上面26dには、上方に延びるとともに水平方向に間隔を空けて配置された円柱状の2本の突起31が設けられている。突起31を設けることで、図8A、8Bに示す成形品36の両端部36bに空洞36cが形成される。
上述した予備金型24における底面24cおよび上面24dの形状、並びに、本金型26における底面26cおよび上面26dの形状を適宜変更すれば、図8A、8Bに示す形状に限らず、様々な用途に応じた所望の形状の炭素繊維プラスチックを製造可能である。
(実施の形態3)
本発明に係る実施の形態3における成形品46を図11A―11Cに示す。
図11Aは、成形品46の平面図であり、図11Bは、成形品46の側面図であり、図11Cは、成形品46の斜視図である。
図11A―11Cに示す成形品46は、実施の形態2の成形品36と同様に、自動車用のコンロッドとして使用されるものである。
実施の形態3の成形品46は、中央部を構成するハニカム部48と、両端部50とを備える。
前述した実施の形態2の成形品36は中央部36aが厚みの略一定な板状であったのに対し(図8B)、実施の形態3の成形品46はハニカム部48が中央部を構成する点が異なる。
図11A、11Cに示すように、ハニカム部48の表面にはハニカム形状52が形成されている。ハニカム形状52は強度補強用のリブ形状である。図11A、11Cでは、ハニカム部48の表面側のみを図示しているが、ハニカム部48の裏面にもハニカム形状52が形成されている。
ハニカム形状52を形成するには、前述した実施の形態2の予備金型24における底面24cおよび上面24dの形状、並びに、本金型26における底面26cおよび上面26dの形状において、ハニカム形状52に対応する凹凸を形成すればよい。
図11A−11Cに示す成形品46およびその予備成形品(図示せず)は、上述した実施の形態1、2の製造方法と同様の製造方法により作ることができる。
実施の形態1、2の製造方法によれば、予備成形品の段階で既に大部分のガスを抜いているため、ハニカム形状52のような微細形状も強度を低下させずに高い強度のものを成形することができる。
このようなハニカム形状52を有するハニカム部48を設けることにより、実施の形態2の成形品36と比べて、成形品46の強度をさらに向上させることができる。これにより、特に高い強度が求められる炭素繊維強化プラスチックにおいてさらに高い強度を実現することができる。
上述したハニカム形状52を有する成形品46を製造するための素材の例について、図12A、12Bについて説明する。図12Aは、第1の素材60を示し、図12Bは、第2の素材62を示す。
本実施の形態3の製造方法では、第1の素材60および第2の素材62という2種類の材料を予備金型に入れてプレス成形することにより、予備成形品を作る。さらに、その予備成形品を本金型に入れてプレス成形することにより、成形品46を製造するものである。
図12Aに示す第1の素材60は、炭素繊維とフェノール樹脂による混合材料を半ゲル状態としたシート状の部材である。図12Aに示す第1の素材60は、内側部分64と、外側部分66とを備える。前述したシート状の混合材料を切断することにより、内側部分64と外側部分66に分けられる。内側部分64は前述した予備金型のキャビティ(図示せず)に収容可能な形状である。一方で、外側部分66は予備金型のキャビティよりも大きな外形を有しており、キャビティに収容することができない。外側部分66は本来では廃材として捨てられる部分であるが、本実施の形態3の製造方法では、廃材である外側部分66を細かく砕くことにより、予備金型のキャビティに収容可能な細切れの形態として利用する(図示せず)。
図12Bに示す第2の素材62は、カーボンクロスとフェノール樹脂と硬化剤による混合材料をシート状とした部材である。カーボンクロスは、炭素繊維を織り込んだものである。図12Bに示す第2の素材62は、内側部分68と、外側部分70とを備える。前述したシート状の混合材料を切断することにより、内側部分68と外側部分70に分けられる。外側部分70は、前述した第1の素材60の外側部分66と同様に廃材として本来では捨てられる部分であるが、外側部分70を細かく砕くことにより、予備金型のキャビティに収容可能な細切れの形態として利用する。
本実施の形態3では特に、下方から順に、内側部分68を2枚、外側部分70を細切れにしたもの、内側部分64を1枚、外側部分66を細切れにしたもの、内側部分64を1枚、外側部分70を細切れにしたもの、内側部分68を2枚、積層する。このように積層したものを予備金型(図示せず)においてプレス成形することにより、図13に示すような予備成形品72を作る。予備成形品72をさらに、本金型(図示せず)に入れてプレス成形することで、図11A−11Cに示すような成形品46を作ることができる。
前述した積層パターンに限らず、第1の素材60および第2の素材62を任意のパターンに組み合わせて積層したものを予備金型でプレス成形してもよい。
上述した製造方法によれば、本来では廃棄される第1の素材60の外側部分66および第2の素材62の外側部分70を細かく砕いて細切れの状態として予備成形品を作る素材として利用することができる。このような廃材の利用によって成形品46の製造コストを低減することができる。
さらに、図12Bに示すカーボンクロスを用いた第2の素材62は第1の素材60に比べて高強度であるため、第2の素材62の内側部分68を上下端部に配置して成形品46を製造することにより、成形品46の表面強度を向上させることができる。一方で、第2の素材62は高価であるため、第1の素材60を内側に配置することにより、第2の素材62によって表面強度を保ちながらコスト低減を図ることができる。
(実施の形態4)
本発明に係る実施の形態4による成形品の製造方法について、図14−16を用いて説明する。
図14は、簡易金型80を示し、図15は、簡易金型80に投入される素材82を示す。図14に示す簡易金型80は、図15に示す素材82をもとに、前述した図1などに示す予備金型4に投入するための素材を成形するための金型である。実施の形態4は、前述した予備金型4および本金型6に加えて簡易金型80を用いる点が、実施の形態1と異なる。
図14に示す簡易金型80は、可動部84と、固定部86とを備える。可動部84はコア84Aを有し、固定部86はキャビティ86Aを有する。図14では、可動部84のコア84Aと固定部86のキャビティ86Aが対向しない状態を示すが、使用時にはコア84Aがキャビティ86Aに対向した状態となる。
図15に示す素材82は、図14に示す予備金型4に投入するための素材である。素材82は、前述の図12Aに示した第1の素材60の外側部分66などと同様に、本来であれば廃材として廃棄される部分である。図15に示す素材82は、第1の素材82Aと、第2の素材82Bと、第3の素材82Cとを備える。第1の素材82A、第2の素材82Bおよび第3の素材82Cは異なる形状に切断されているが、いずれも同じシート状の材料から切断されたものである。具体的には、炭素長繊維にフェノール樹脂を含浸させたシート状の基材を切断することにより、第1の素材82A、第2の素材82Bおよび第3の素材82Cなどに分けられる。
図15に示す素材82のそれぞれを細かく砕いて細切れ状とし、図14に示す簡易金型80の固定部86のキャビティ86Aに投入する。可動部84および固定部86を用いて素材82をプレス成形することにより、図16に示すような粗製品88が作られる。
粗製品88はその後、図1などに示した予備金型4に投入される素材12として使用される。すなわち、粗製品88を素材12として、前述した予備成形品14および成形品16を製造することができる。
(実施例1)
次に、実施例1について説明する。実施例1は、前述した実施の形態3で説明した方法により作成した複数の成形品に関して、寸法精度を検証する実験を行ったものである。
図17A、17Bは、実施例1による実験の結果を示す概略図である。図17A、17Bに示すように、実施例1では、実施の形態3で説明した方法により作成した第1の成形品90および第2の成形品92を用いる。
第1の成形品90は、両面にハニカム面90A、90Bを有する。第2の成形品92は、片面にハニカム面92Aを有し、もう片面に平坦面92Bを有する。
図17A、17Bに示すように、第1の成形品90の両端部90Cおよび第2の成形品92の両端部92Cにそれぞれ2本の試験棒94を挿入する。試験棒94のそれぞれは、挿通部94Aと、ヘッド94Bとを備える。挿通部94Aは、第1の成形品90の両端部90Cおよび第2の成形品92の両端部92Cに挿通される部分である。ヘッド94Bは、挿通部94Aよりも大きな直径を有する部分である。
図17A、17Bに示すように、第1の成形品90および第2の成形品92に対して、2本の試験棒94が同時に挿通されている。第1の成形品90の寸法と第2の成形品92の寸法にわずかな差でもあれば、2本の試験棒94を同時に挿通するのが困難となるのに対して、それぞれの成形品90、92の寸法を略同じ寸法に成形できていることがわかる。
ここで、第2の成形品92の縦断面図を図18に示す。図18に示すように、第2の成形品92の内層には、炭素繊維96と、フェノール樹脂98とが含まれている。第2の成形品92の厚み方向P1におけるそれぞれの層では、炭素繊維96が横方向に概ね分断されずに端部から端部に向かって延びていることがわかる。このように炭素繊維96が配置されることで、第2の成形品92の高い強度を実現することができる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。実施例2は実施例1と同様に、前述した実施の形態3で説明した方法により作成した複数の成形品に関して寸法精度を検証する実験を行ったものである。実施例1では、2つの成形品90、92を用いたのに対して、実施例2では、5つの成形品100、102、104、106、108を用いる点が主に異なる。
5つの成形品100、102、104、106、108のそれぞれを図19A−23Cに示す。具体的には、図19A−19Cに第1の成形品100を示し、図20A−20Cに第2の成形品102を示し、図21A−21Cに第3の成形品104を示し、図22A−22Cに第4の成形品106を示し、図23A−23Cに第4の成形品108を示す。これらの図において、Aは表面図、Bは裏面図、Cは縦断面図に対応する。
図19A−19Cに示すように、第1の成形品100は、両面にハニカム面100A、100Bを有し、さらに両端部100Cを有する。ハニカム面100Aとハニカム面100Bは、略同一パターンのハニカム形状を有する。
図20A−20Cに示すように、第2の成形品102は、両面にハニカム面102A、102Bを有し、さらに両端部102Cを有する。ハニカム面102Aとハニカム面102Bは、略同一パターンのハニカム形状を有する。
図21A−21Cに示すように、第3の成形品104は、片面にハニカム面104Aを有し、もう片面にR面104Bを有し、さらに両端部104Cを有する。図21Cに示すように、R面104Bは下方に向かって僅かに突出しながら滑らかに湾曲した曲面で構成される。
図22A−22Cに示すように、第4の成形品106は、片面にハニカム面106Aを有し、もう片面にR面106Bを有し、さらに両端部106Cを有する。図22Cに示すように、R面106Bは下方に向かって僅かに突出しながら滑らかに湾曲した曲面で構成される。
図23A−23Cに示すように、第5の成形品108は、片面にハニカム面108Aを有し、もう片面にサインカーブ面108Bを有し、さらに両端部108Cを有する。図23Cに示すように、サインカーブ面108Bは、その断面においてサインカーブを描くように湾曲した曲面で構成される。
上述した5つの成形品100、102、104、106、108に対して、実施例1と同様に2本の試験棒110を挿入する。挿入した状態を図24に示す。
図24に示すように、成形品100、102、104、106、108が上から順に並べられるとともに、それぞれの端部を貫通するように2本の試験棒110が同時に挿通されている。これより、それぞれの成形品100、102、104、106、108の寸法を略同じ寸法に成形できていることがわかる。
ここで、第5の成形品108の縦断面図の例を図25に示す。図25に示すように、第5の成形品108の内層には、炭素繊維111と、フェノール樹脂112とが含まれる。第5の成形品108の厚み方向P2におけるそれぞれの層では、炭素繊維111が横方向に概ね分断されずに端部から端部に向かって延びていることがわかる。このように炭素繊維111が配置されることで、第5の成形品108の高い強度を実現することができる。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。実施例3は、実施例2で説明した第5の成形品108と同様に片面にハニカム面を有してもう片面にサインカーブ面を有する成形品を実際に作成した結果を示すものである。実施例3では特に、第5の成形品108と同じ形状を有する成形品120と、第5の成形品108に類似する形状を有する成形品122を作成した。図26A−26Cに成形品120を示し、図27A−27Cに成形品122を示す。これらの図において、Aは表面図、Bは裏面図、Cは縦断面図に対応する。
図26A−26Cに示すように、成形品120は、片面にハニカム面120Aを有し、もう片面にサインカーブ面120Bを有し、さらに両端部120Cを有する。図26Cに示すように、ハニカム面120Aは、成形品120の幅方向X1に並ぶように3本の溝121A、121B、121Cを形成する。
図27A−27Cに示すように、成形品122は、片面に凹凸面122Aを有し、もう片面にサインカーブ面122Bを有し、さらに両端部122Cを有する。図27Cに示すように、凹凸面122Aは、成形品122の幅方向X2に並ぶように2本の溝123A、123Bを形成する。
成形品120の幅方向X1の寸法と、成形品122の幅方向X2の寸法は略同じである。これに対して、成形品120のハニカム面120Aには3本の溝121A、121B、121Cが形成され、成形品122の凹凸面122Aには2本の溝123A、123Bが形成される。
本発明者らが成形品120と成形品122の強度試験を行った結果、成形品120よりも成形品122の方が高い強度を有するという結論に至った。この要因は、成形品120に比べて、成形品122の凹凸面122Aに形成する溝123A、123Bの本数が少ないために、凹凸面122Aの近傍に存在する炭素繊維が幅方向X2に分断されずに延在しやすく、強度を確保しやすいためと考えられる。
また、上述した実施例3の成形品122は、カーボンクロスシート基材とSMCシート基材の複合積層基材から作られる。具体的には、カーボンクロスシート基材を6〜7枚、SMCシート基材(厚み1.5〜2.5mm)を5枚、交互に予備金型4に配置したものを成形して作られる。このような材料から成形することで、カーボンクロスシート基材のみあるいはSMCシート基材のみから積層して作る場合に比べて、炭素繊維をより分断せずに延在させることができ、高い強度の成形品122を作ることができる。
他の実施例では説明を省略したが、実施例3の成形品122と同様にカーボンクロスシート基材とSMCシート基材の複合積層基材から成形して作ることで、成形品の強度を飛躍的に向上させることができる。
また図27Cに示した凹凸面122Aの断面形状およびサインカーブ面122Bの断面形状によれば、成形品122の内部において炭素繊維を横方向に分断せずに沿うように配置することができる。このような表面と裏面の形状の設定、および、上述した材料の選択によって、成形品122の強度を飛躍的に向上させることができる。
このように作られた成形品122の曲げ破壊試験を行った結果について、図28A、28Bを用いて説明する。
図28Aは、曲げ破壊試験機130を示す図である。図28Bは、曲げ破壊試験機130を用いて行った曲げ破壊試験の結果の一例を示すグラフである。
図28Aに示す曲げ破壊試験機130は、下方に配置した成形品122を下方に押圧して、成形品122に対して所定の外力(試験力)を加える機械である。
図28Bに示すグラフは、縦軸に曲げ破壊試験機130の試験力(単位:N)を表し、横軸に曲げ破壊試験機130の上下方向の変位量(単位:mm)を表す。図28Bに示す結果に関して、主な項目を以下の表1に示す。
上記表1の通り、比例限界における試験力は254.00N、変位は1.48mmであった。また、降伏点および最大点における試験力は804.00N、変位は2.73mmであった。また、弾性率は、683.3MPaであった。
上記結果のうち、特に、成形品122の降伏点における試験力が804Nであり、これより、成形品122の降伏強度に関して非常に高い降伏強度を実現できていることがわかる。
上述した方法によれば、予備金型4および本金型6に加えて簡易金型80を用いることにより、より所望の形状の成形品16を製造することが可能となる。
以上、上述の実施の形態1−4を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態1−3に限定されない。例えば、実施の形態1―3では、フェノール樹脂と炭素繊維を混合した素材12をもとに炭素繊維強化プラスチックを成形する場合について説明したが、このような場合に限らない。フェノール樹脂と炭素繊維に限らず、任意の樹脂(例えばエポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂などを含む熱硬化性樹脂)および任意の繊維を混合した素材から、炭素繊維強化プラスチック以外の成形品を製造する場合であってもよい。なお、熱硬化性樹脂の中でも特にフェノール樹脂を用いることで、製造コストを低減することができる。また樹脂と繊維の2種類のみに限らず、その他の材料がさらに混合されてもよい。ただし、実施の形態1−3のように、フェノール樹脂と炭素繊維を混合した素材12から炭素繊維強化プラスチックを成形する場合には、特に高い強度が求められる炭素繊維強化プラスチックにおいて所望の強度および形状を実現することができる。
また実施の形態1−4では、予備金型4と本金型6という2つの金型を用いて予備成形ステップS2と本成形ステップS4を別々に時間間隔を空けて行う場合について説明したが、このような場合に限らない。1つの金型を用いて予備成形ステップS2と本成形ステップS4を同じ金型で実行してもよい。この場合でも、予備成形ステップS2と本成形ステップS4を時間間隔を空けて分けて行うことで、実施の形態1と同様に炭素繊維強化プラスチックの成形品を製造することができる。ただし、実施の形態1のように予備金型4と本金型6の2つの金型に分けて、予備成形ステップS2と本成形ステップS4を別々に行う方が、予備成形品14および成形品16のサイズを変更することができ、それぞれのステップに適した所望の形状とすることができる。また1つの金型で連続的に成形する場合と比べて、それぞれの金型の温度変化域を小さくすることができるため、それぞれの金型における加熱・冷却時間を短くすることができ、1回の成形にかかるタクトタイムを短くし、生産性を向上させることができる。
また実施の形態1−4では、図4Bに示す素材12を配置するためのキャビティ5bの水平断面の外形が、予備成形品14を配置するためのキャビティ7bの水平断面の外形よりも小さく設定される場合について説明したが、このような場合に限らない。それぞれの外形を略同じに設定してもよい。このような場合でも、予備成形品を本金型のキャビティに配置可能である。ただし、実施の形態1のように、キャビティ5bの水平断面の外形をキャビティ7bの水平断面の外形よりも小さく設定した方が、予備成形品14をキャビティ7bに確実に配置することができる。
また実施の形態1−4では、1つの予備成形品14をもとに1つの成形品16を作る場合について説明したが、このような場合に限らず、複数の予備成形品を組み合わせて1つの成形品を作るようにしてもよい。この場合、1つの本金型6に対して複数の予備金型を設ければよい。このような方法によれば、多様な仕様の成形品を作ることができる。ただし、実施の形態1−3のように1つの予備成形品14をもとに1つの成形品16を作った場合、製造プロセスを簡素化することができる。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施の形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
なお、前記様々な実施の形態および変形例のうちの任意の実施の形態あるいは変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、成形品の製造方法であれば適用可能である。
2 成形装置
4 予備金型(第1の金型)
4a 可動部
4b 固定部
5a コア
5b キャビティ
6 本金型(第2の金型)
6a 可動部
6b 固定部
7a コア
7b キャビティ
8 空洞(配置領域)
10 空洞(配置領域)
12 素材
14 予備成形品
16 成形品
24 予備金型(第1の金型)
24a 可動部
24b 固定部
26 本金型(第2の金型)
26a 可動部
26b 固定部
26c 底面
26d 上面
28 空洞
30 空洞
31 突起
34 予備成形品
34a 中央部
34b 両端部
36 成形品
36a 中央部
36b 両端部
46 成形品
48 ハニカム部
50 両端部
52 ハニカム形状
60 第1の素材
62 第2の素材
64 内側部分
66 外側部分
68 内側部分
70 外側部分
72 予備成形品
80 簡易金型
82 素材
82A 第1の素材
82B 第2の素材
82C 第3の素材
84 可動部
84A コア
86 固定部
86A キャビティ
88 粗製品
90 第1の成形品
90A、90B ハニカム面
90C 両端部
92 第2の成形品
92A ハニカム面
92B 平坦面
92C 両端部
94 試験棒
94A 挿通部
94B ヘッド
96 炭素繊維
98 フェノール樹脂
100 第1の成形品
100A、100B ハニカム面
100C 両端部
102 第2の成形品
102A、102B ハニカム面
102C 両端部
104 第3の成形品
104A ハニカム面
104B R面
104C 両端部
106 第4の成形品
106A ハニカム面
106B R面
106C 両端部
108 第5の成形品
108A ハニカム面
108B サインカーブ面
108C 両端部
110 試験棒
111 炭素繊維
112 フェノール樹脂
120 成形品
120A ハニカム面
120B サインカーブ面
120C 両端部
121A、121B、121C 溝
122 成形品
122A 凹凸面
122B サインカーブ面
122C 両端部
123A、123B 溝
130 曲げ破壊試験機

Claims (3)

  1. 熱硬化性樹脂と繊維を混合した混合材料による素材から成形品を製造する方法であって、
    前記素材を、第1の金型を用いて、前記熱硬化性樹脂と前記繊維を架橋させる第1の加熱温度まで加熱することにより、予備成形品を作る第1成形ステップと、
    前記第1成形ステップの後、前記素材を前記第1の金型から前記第1の金型とは異なる第2の金型へ移動させる移動ステップと、
    前記移動ステップの後、前記予備成形品を、前記第2の金型を用いて、前記第1の加熱温度よりも高くかつ前記熱硬化性樹脂同士が架橋して高分子化する第2の加熱温度まで加熱することにより、成形品を作る第2成形ステップと、
    を含み、
    前記第1成形ステップにおける前記素材の昇温速度は、前記第2成形ステップにおける前記予備成形品の昇温速度よりも遅く設定されている、成形品の製造方法。
  2. 前記第1の金型における前記素材の配置領域は、前記第2の金型における前記予備成形品の配置領域よりも水平断面の外形が小さく設定される、請求項に記載の成形品の製造方法。
  3. 前記熱硬化性樹脂はフェノール樹脂、前記繊維は炭素繊維であり、前記成形品は炭素繊維強化プラスチックであり、
    前記第1の加熱温度は135度以上150度未満、前記第2の加熱温度は150度以上160度以下に設定される、請求項1又は2に記載の成形品の製造方法。
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