JP6367622B2 - 導電性部材用組成物 - Google Patents

導電性部材用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6367622B2
JP6367622B2 JP2014134968A JP2014134968A JP6367622B2 JP 6367622 B2 JP6367622 B2 JP 6367622B2 JP 2014134968 A JP2014134968 A JP 2014134968A JP 2014134968 A JP2014134968 A JP 2014134968A JP 6367622 B2 JP6367622 B2 JP 6367622B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
conductive member
catalyst
polyol
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014134968A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016011402A (ja
Inventor
代治郎 白倉
代治郎 白倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2014134968A priority Critical patent/JP6367622B2/ja
Publication of JP2016011402A publication Critical patent/JP2016011402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6367622B2 publication Critical patent/JP6367622B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、導電性部材用組成物に関し、特に、ポリオール、イソシアネート及び触媒を反応させてなるポリウレタンと、イオン導電剤とを含む弾性層を少なくとも一層以上有する導電性部材に用いられる導電性部材用組成物に関する。
従来より、ポリウレタンを含む弾性層を有する導電性部材としての導電性ローラの製造において、ウレタン反応のための触媒(ウレタン反応触媒)として有機錫化合物を用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、前記ポリウレタンを含む弾性層の形成工程において、通常、有機錫化合物、ポリオール及びイオン導電剤の混合物(事前配合物)を調製し、前記調製した事前配合物にイソシアネートを加えて、イオン導電剤含有のポリウレタンを得る。
特開2005−321764号公報
触媒として、例えば有機錫化合物のジブチル錫ジラウレートを用いる場合、事前配合物(ジブチル錫ジラウレート、ポリオール、イオン導電剤の混合物)内で、ジブチル錫ジラウレートとイオン導電剤との間で意図しない反応が生じて、沈殿物が発生するため、事前配合物のポットライフ(保管可能期間)が短く、導電性部材を量産する際の取り扱いが難しいという問題があることがわかった。
よって、ポリウレタンを含む弾性層を有する導電性部材の製造に用いられる、有機錫化合物の選択においては、事前配合物での沈殿物の発生が抑制された触媒が望まれている。
本発明は、触媒とイオン導電剤との反応により生じる沈殿の発生を抑制された導電性部材用組成物を提供することを目的とする。
本発明の導電性部材用組成物は、ポリオール、イソシアネート及び触媒を反応させてなるポリウレタンと、イオン導電剤とを含む弾性層を少なくとも一層以上有する導電性部材に用いられる導電性部材用組成物であって、前記触媒は、錫原子に直接結合する官能基含有部を有する有機錫化合物を含み、前記官能基含有部のうち少なくとも1つの官能基含有部の分子量が、150未満であることを特徴とする。
この構成によれば、触媒とイオン導電剤との反応により生じる沈殿の発生を抑制することができる。
本明細書において、「錫原子に直接結合する官能基含有部」は、特定の官能基を有する錫化合物において、該官能基を含む構造部分であり、錫原子を含まない構造部分を指す。例えば、特定の官能基がエステル基であれば、エステル基を含む構造部分(例えば、下記化学式(1)で表される化合物における、「OCOCH3」の構造部分)を指す。当該化学式(1)で表される化合物は、同一構造の「官能基含有部(OCOCH3)」を2つ有する。
また、下記化学式(2)で表される化合物において、「錫原子に直接結合する官能基含有部」は、「OCOCH=CHCOOCH2CH3」の構造部分を指す。当該化学式(2)で表される化合物は、同一構造の「官能基含有部(OCOCH=CHCOOCH2CH3)」を2つ有する。
本明細書において、「有機錫化合物」は、例えば炭化水素などを有する錫化合物である。
本発明の導電性部材用組成物は、前記官能基含有部がエステル基含有部であることが好ましい。この構成によれば、触媒とイオン導電剤との反応により生じる沈殿の発生を、より抑制することができる。
本発明の導電性部材用組成物は、前記有機錫化合物が、前記錫原子を1つ有し、前記エステル基含有部を2つ有し、前記2つのエステル基含有部の分子量がいずれも150未満であることが好ましい。この構成によれば、触媒とイオン導電剤との反応により生じる沈殿の発生を、さらに抑制することができる。
本発明の導電性部材用組成物は、前記有機錫化合物が、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。この構成によれば、触媒とイオン導電剤との反応により生じる沈殿の発生を、さらにより抑制することができる。
[前記一般式(I)中、
1は、炭素数4〜8の直鎖状炭化水素を表し、
2は、水素、又は炭素数1〜6を有する構造で、エステル結合又は不飽和結合を有していてもよい。]
本発明の導電性部材用組成物は、前記有機錫化合物が、ジオクチル錫ジアセテート及びジオクチル錫ビス(エチルマレート)の少なくともいずれかであることが好ましい。この構成によれば、触媒とイオン導電剤との反応により生じる沈殿の発生を、特に抑制することができる。
本発明の導電性部材用組成物は、前記触媒の前記ポリオールに対する配合量が、0.01〜2.0質量%であることが好ましい。この構成によれば、ポリオールとイソシアネートとの反応を適度に調節することができる。
本発明の導電性部材用組成物は、前記イオン導電剤が、アルカリ金属塩であるであることが好ましい。イオン導電剤がアルカリ金属塩であると沈殿の発生が生じやすい。この構成によれば、イオン導電剤がアルカリ金属塩であっても、なお、沈殿発生を抑制することができる。
本発明の導電性部材用組成物は、帯電部材に用いることが好ましい。本発明の導電性部材用組成物を適用すれば、沈殿発生を抑制して帯電部材を製造することができる。
本発明によれば、触媒とイオン導電剤との反応により生じる沈殿の発生を抑制された導電性部材用組成物を提供することができる。
図1は、本発明の導電性部材用組成物を用いて作製された導電性部材の一例の断面図である。 図2は、比較例1の事前配合物の外観の写真である。
以下に本発明を実施するための形態を例示する。
(導電性部材用組成物)
本発明の導電性部材用組成物は、導電性部材に用いられるものであって、少なくとも、ポリウレタンと、イオン導電剤とを含み、さらに、必要に応じて、その他の成分を含む。
<導電性部材>
上記導電性部材は、少なくとも一層以上の弾性層を少なくとも有し、さらに、必要に応じて、シャフト、表層、その他の部材を有する。
図1は、導電性部材の一例の断面図である。図1に示す導電性部材1は、長さ方向両端部を軸支されて取り付けられるシャフト2と、該シャフト2の半径方向外側に配設された弾性層3とを備える。なお、図1に示す導電性部材1は、弾性層3を一層のみ有するが、弾性層を二層以上有していてもよい。また、図1に示す導電性部材1は、弾性層3の半径方向外側に表層4を備える。また、図1に示す導電性部材1において、表層4は微粒子5を含むが、微粒子を含有することは必須ではない。更に、図1に示す導電性部材1は、表層4を一層のみ有するが、表層を二層以上有していてもよい。
上記導電性部材の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電部材、トナー供給部材、現像部材、転写部材、クリーニング部材、定着部材、などが挙げられる。
これらの中でも、帯電部材に本発明の導電性部材用組成物を適用すれば、帯電部材の品質を維持しながら、製造工程におけるポットライフを長期間にできる点で、製造上の利便性で有利である。
<<弾性層>>
上記導電性部材における弾性層は、少なくとも、ポリウレタンと、イオン導電剤とを含み、さらに、必要に応じて、その他の成分を含む。
−ポリウレタン−
上記ポリウレタンは、少なくとも、ポリオール、イソシアネート及び触媒を反応させて得られる。前記ポリウレタンは、未変性ポリウレタン又は変性ポリウレタンのいずれでもよい。
−−ポリオール−−
上記ポリオールとしては、水酸基(OH基)を複数有する化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、アルキレンオキサイド変性ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−イソシアネート−−
上記イソシアネートとしては、イソシアネート基を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(クルードMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);これらのイソシアヌレート変性物、カルボジイミド変性物、グリコール変性物等;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−触媒−−
上記触媒は、錫原子に直接結合する官能基含有部を有する有機錫化合物を含む。
ここで、前記有機錫化合物は、錫原子を1つ又は複数有してもよい。また、前記有機錫化合物は、官能基含有部を1つの錫原子において1つ又は複数有していてもよい。これらの中でも、錫原子を1つ有し、該錫原子に官能基含有部を2つ有する有機錫化合物が、沈殿発生が生じにくい点で好ましい。
前記官能基含有部の分子量としては、150未満である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50以上150未満が好ましい。
前記官能基含有部の分子量が、150以上であると、イオン導電剤と反応して沈殿が生じ易くなる。一方、前記官能基含有部の分子量が、前記好ましい範囲内であると、触媒とイオン導電剤との反応により生じる沈殿の発生を、さらに抑制することができる点で有利である。
なお、前記有機錫化合物が、錫原子に結合する官能基含有部を複数有する場合、前記複数の官能基含有部のうち少なくとも1つの官能基含有部が、150未満であればよい。
−−−官能基含有部−−−
上記官能基含有部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エステル基含有部、エーテル基含有部、アミド基含有部、イミド基含有部、などが挙げられる。これらは、1種単独でもよいし、2種以上でもよい。
これらの中でも、エステル基含有部が、沈殿発生が生じにくい点で、好ましい。
−−−有機錫化合物の構造−−−
上記有機錫化合物の構造としては、例えば、下記一般式(I)で表される構造が好適に挙げられる。
[前記一般式(I)中、
1は、炭素数4〜8の直鎖状炭化水素を表し、
2は、水素、又は炭素数1〜6を有する構造で、エステル結合又は不飽和結合を有していてもよい。]
−−−−R1−−−−
R1の直鎖状炭化水素の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4〜8が好ましい。
−−−−R2−−−−
R2は、水素、又は炭素数1〜6を有する構造であれば特に制限はなく、例えば、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、などの結合を有してもよいし、構造内に不飽和結合を有してもよい。
−−−有機錫化合物の具体例−−−
上記有機錫化合物の具体例としては、錫原子に直接結合する官能基含有部を有し、官能基含有部のうち少なくとも1つの官能基含有部の分子量が150未満の有機錫化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記化学式(1)で表される化合物ジオクチル錫ジアセテート(例えば、製造会社名:日東化成株式会社、商品名:U820)、下記化学式(2)で表されるジオクチル錫ビス(エチルマレート)(例えば、製造会社名:日東化成株式会社、商品名:U840)、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫ジアセテート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種を併用してもよい。また、これらの有機錫化合物は、環境対応触媒でもあり、製造に用いる触媒として良好である。
これらの中でも、前記ジオクチル錫ジアセテートが、触媒とイオン導電剤との反応により生じる沈殿の発生を、特に抑制することができる点で好ましい。また、他の触媒よりも少量で十分な効果を有することができる点で好ましい。
−−−触媒のポリオールに対する配合量−−−
上記触媒のポリオールに対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜2.0質量%が好ましく、0.2〜1.3質量%がより好ましい。
前記触媒のポリオールに対する配合量が、0.01質量%未満であると、ポリオールとイソシアネートが反応しないことがあり、2.0質量%を超えると、ポリオールとイソシアネートが過度に反応して、生産性が悪くなることがある。一方、前記触媒のポリオールに対する配合量が、前記好ましい範囲内、前記より好ましい範囲内であると、ポリオールとイソシアネートとの反応を適度に調節することができる点で有利である。また、導電性部材の生産性と品質とを両立できる点で有利である。
−イオン導電剤−
イオン導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、四級アンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩、ビス(トリフルオロメタンスルホン酸)イミド塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−アルカリ金属塩−−
アルカリ金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、リチウム塩は、導電性を上げる(抵抗値を下げることができる)点で、好ましい。
−−−リチウム塩−−−
リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホウ酸、スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の、有機酸のリチウム塩;過塩素酸、テトラフルオロホウ酸等の、無機酸のリチウム塩;有機ホウ素錯体リチウム塩;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記リチウム塩の具体的な例としては、例えば、Li[B(C141032]、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3、LiAsF6、LiC49SO3、などが挙げられる。
これらの中でも、有機ホウ素錯体リチウム塩が導電性部材のシャフトに錆を発生させにくい点で有利であり、Li[B(C141032]は、導電性部材のシャフトに錆を確実に発生させにくい点でより有利である。
−その他の成分−
上記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、整泡剤、充填剤、しゃく解剤、発泡剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分離剤、離型剤、増量剤、着色剤、架橋剤、加硫剤、重合開始剤、重合禁止剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<シャフト>>
前記導電性部材は、必要に応じて、シャフトを有する。
前記シャフトとしては、良好な導電性を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属製又は樹脂製の、中空円筒体、中実円柱体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<表層>>
前記導電性部材は、必要に応じて、表層を有する。
表層は、部材の硬度を高めたり、トナーに対する帯電性や付着性を制御したり、感光ドラム及び成層ブレード等との摩擦力を低減したり、弾性層による感光ドラム等の汚染を防止するために、前記弾性層の外周面に形成される。
前記表層に含まれる材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線硬化型樹脂、フッ素含有樹脂、微粒子、シリコン含有樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<その他の部材>>
前記導電性部材は、必要に応じて、その他の部材を有する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(実施例1)
<事前配合物の調製>
ポリオール(製造会社名:旭硝子社、商品名:エクセノール420)100質量部、整泡剤(製造会社名:東レダウコーニング社、商品名:SF2937F)16質量部、イオン導電剤(製造会社名:日本カーリット社、商品名:PEL−46(有機ホウ素錯体リチウム塩))1質量部、及びジオクチル錫ジアセテート(製造会社名:日東化成社、商品名:U820、錫含有量25.7%)0.2質量部を混合し、撹拌し、事前配合物(ポリオール、整泡剤、イオン導電剤、触媒の混合物)を得た。
<導電性部材(ローラ)の作製>
事前配合物100質量部、イソシアネート(製造会社名:旭硝子株式会社、商品名:ポリオール変性TDI)462質量部、及び微粒子(製造会社名:電気化学工業社、商品名:デンカブラック)9質量部とを、事前配合物調製してから14日目に混合し、メカニカルフロス法により発泡させ、更に、シャフトをセットした円筒形状の金型に注入し、RIM成形によって、発泡ポリウレタンからなる弾性層を有する導電性部材を作製した。
上述したように得られた事前配合物、弾性層基材、及び導電性部材について、(i)事前配合物の外観評価、(ii)弾性層基材及び導電性部材の抵抗評価、(iii)弾性層及び導電性部材の硬度評価、(iv)弾性層及び導電性部材の外観評価、及び(v)導電
性部材を用いた画像試験を、以下の方法により、評価した。評価結果を下記表1、2に示す。
<事前配合物の外観評価>
事前配合物を常温で14日間静置保管し、事前配合物を調製した日から、1日経過時、7日経過時、14日経過時に、事前配合物の外観を確認した。事前配合物は、触媒とイオン導電剤とが反応した場合は、白色沈殿物が生じ、目視により沈殿物生成を確認できるため、沈殿物生成の有無を目視で評価した。結果を表1に示す。評価基準は○、△、×にて評価した。○であれば実用上問題ない。
<抵抗評価>
得られた弾性層基材に10Vの印加電圧をかけ、さらに、得られた導電性部材に200Vで印加電圧をかけ、電流値を測定した結果を表2に示す。
<硬度評価>
得られた弾性層基材及び導電性部材のアスカー硬度を、マイクロ硬度計(高分子計器(株)製 MD−1)を用いて測定した結果を表2に示す。
<外観評価>
得られた弾性層基材及び導電性部材の外観を目視により評価した。結果を表2に示す。評価基準は、○×にて評価した。○は、基材表面に凹み(ボイド)等の欠陥を認めない基材を作製できること、×は、基材作製自体が困難であること、又は、基材を作製できても基材表面に凹み(ボイド)等の欠陥を認めること、を意味する。○であれば実用上問題ない。
<画像評価>
導電性部材をカートリッジに組み込み、プリンタに装着し、画出しをして画像不良の有無を評価した。結果を表2に示す。評価基準は、○、×にて評価した。○は、カブリ等の画像不良が発生しにくいローラを作製できること、×は、ローラ作製自体が困難であること、又は、ローラを作製できてもローラでカブリ等の画像不良が発生すること、を意味する。○であれば実用上問題ない。
(実施例2)
実施例1において、ジオクチル錫ジアセテートを用いる代わりに、ジオクチル錫ビス(エチルマレート)(製造会社名:日東化成株式会社、商品名:U840、錫含有量18.8%)0.64質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、事前配合物、弾性層基材及び導電性部材を作製し、同様の評価を行った。評価結果を下記表1、2に示す。
(比較例1)
実施例1において、ジオクチル錫ジアセテートを用いる代わりに、ジブチル錫ジラウレート(製造会社名:日東化成株式会社、商品名:U100)0.32質量部を用いたこと、及びイソシアネート及び微粒子を事前配合物と混和したのが、事前配合物を調製した日から7日目であること以外は、実施例1と同様にして、事前配合物、弾性層基材及び導電性部材を作製し、同様の評価を行った。評価結果を下記表1、2に示す。さらに、事前配合物調製後14日目における外観の写真を図3に示す。
(比較例2)
実施例1において、ジオクチル錫ジアセテートを用いる代わりに、ジブチル錫ビス(オイルマレート)(製造会社名:日東化成株式会社、商品名:U15)0.32質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、事前配合物、弾性層基材及び導電性部材を作製し、同様の評価を行った。評価結果を下記表1、2に示す。
表1に示す通り、実施例1、2の事前配合物は、少なくとも14日経過時において沈殿物は生じなかった。一方、比較例1の事前配合物は、14日経過時に沈殿物が発生した。比較例2の事前配合物は、1日経過時に既に沈殿が生じた。実施例1及び2で用いた触媒は、事前配合物で予期せぬ反応(沈殿反応)が生じないことから、事前配合物のポットライフ(保管可能期間)が延長し、導電性部材の生産性が向上する。
なお、官能基含有部の分子量が150以上である比較例1及び2の触媒が、イオン導電剤と反応するメカニズムの詳細は明らかではないが、イオン導電剤が共存すると触媒が分解することが原因と考えられる。触媒の官能基含有部の分子量は、触媒のSn-Oの共有結合の強度に影響するため、官能基含有部の分子量が150未満の実施例1及び2の触媒は、該共有結合が安定であり、イオン導電剤の影響を受けにくい触媒であると考えられる。
表2に示す通り、実施例1及び2の弾性層基材及び導電性部材は、比較例1と同等の特性(電流値、アスカー硬度、外観、画像評価)を示すことが分かる。
本発明の導電性部材用組成物は、例えば、導電性部材(導電性ローラ)、帯電部材(帯電ローラ)、トナー供給部材(トナー供給ローラ)、現像部材(現像ローラ)、転写部材(転写ローラ)、クリーニング部材(クリーニングローラ)、定着部材(定着ローラ)などに好適に利用可能である。
1 導電性部材
2 シャフト
3 弾性層
4 表層
5 微粒子

Claims (4)

  1. ポリオール、イソシアネート及び触媒を反応させてなるポリウレタンと、イオン導電剤とを含む弾性層を少なくとも一層以上有する導電性部材に用いられる導電性部材用組成物であって、
    前記触媒は、下記一般式(I)
    [前記一般式(I)中、
    は、炭素数4〜8の直鎖状炭化水素を表し、
    は、水素、又は炭素数1〜6を有する構造で、エステル結合又は不飽和結合を有していてもよい。]で表される有機錫化合物を含み、前記一般式(I)中の錫原子に直接結合するO−C(=O)−R のうち少なくとも1つのO−C(=O)−R の分子量が、150未満であり、
    前記イオン導電剤は、有機ホウ素錯体リチウム塩である
    ことを特徴とする導電性部材用組成物。
  2. 前記有機錫化合物が、ジオクチル錫ジアセテート及びジオクチル錫ビス(エチルマレート)の少なくともいずれかである、請求項1に記載の導電性部材用組成物。
  3. 前記触媒の前記ポリオールに対する配合量が、0.01〜2.0質量%である、請求項1又は2に記載の導電性部材用組成物。
  4. 前記導電性部材用組成物が、帯電部材に用いられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の導電性部材用組成物。
JP2014134968A 2014-06-30 2014-06-30 導電性部材用組成物 Active JP6367622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014134968A JP6367622B2 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 導電性部材用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014134968A JP6367622B2 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 導電性部材用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016011402A JP2016011402A (ja) 2016-01-21
JP6367622B2 true JP6367622B2 (ja) 2018-08-01

Family

ID=55228320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014134968A Active JP6367622B2 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 導電性部材用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6367622B2 (ja)

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05331413A (ja) * 1992-05-28 1993-12-14 Kansai Paint Co Ltd 塗料用樹脂組成物
US5259989A (en) * 1993-03-25 1993-11-09 Xerox Corporation Electrically conductive elastomer
US5434653A (en) * 1993-03-29 1995-07-18 Bridgestone Corporation Developing roller and apparatus
JP3446284B2 (ja) * 1994-02-04 2003-09-16 株式会社ブリヂストン 電子写真装置用導電部材
JP2002265549A (ja) * 2001-03-06 2002-09-18 Bridgestone Corp 導電性ポリウレタン発泡体の製造方法
JP4998717B2 (ja) * 2007-05-11 2012-08-15 株式会社ブリヂストン 発泡弾性体及びそれを用いた導電性ローラ
WO2008140020A1 (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Bridgestone Corporation 導電性ローラ
JP4998718B2 (ja) * 2007-05-11 2012-08-15 株式会社ブリヂストン ポリウレタン発泡体及びそれを用いた導電性ローラ
JP5332195B2 (ja) * 2007-12-21 2013-11-06 株式会社ブリヂストン 現像ローラ及び画像形成装置
JP2010083959A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Dic Corp コーティング用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及びフィルム基材
EP2554560A1 (en) * 2010-04-02 2013-02-06 Asahi Glass Company, Limited Flexible polyurethane foam and production method therefor
JP5928001B2 (ja) * 2011-03-18 2016-06-01 株式会社リコー 現像ローラ
JP5718753B2 (ja) * 2011-07-19 2015-05-13 日本パーカライジング株式会社 金属表面処理用水性組成物、これを用いた金属表面処理方法及び皮膜付金属材料の製造方法並びにこれらを用いた金属表面処理皮膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016011402A (ja) 2016-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9599913B2 (en) Electrophotographic member, process cartridge and electrophotographic apparatus
US20180217551A1 (en) Electrophotographic member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP6165621B2 (ja) 電子写真機器用導電性組成物およびこれを用いた電子写真機器用導電性ロール
CN1983053B (zh) 导电性橡胶部件
EP2944659B1 (en) Conductive polymer material, method for producing conductive polymer material, and image forming device member
JP2007199694A (ja) 導電性ロール
US20070107225A1 (en) Toner supply roller and method of manufacturing the same
US20190324383A1 (en) Member for electrophotography, process cartridge and electrophotographic apparatus
EP2820485B1 (en) Charge roller
JP6302796B2 (ja) 導電性発泡ロール
JP6367622B2 (ja) 導電性部材用組成物
JP5144975B2 (ja) トナー供給ローラ
JP2003262997A (ja) 導電性弾性ロール及び画像形成装置
JP4998717B2 (ja) 発泡弾性体及びそれを用いた導電性ローラ
JP2019101374A (ja) 導電性ローラ
JP4998718B2 (ja) ポリウレタン発泡体及びそれを用いた導電性ローラ
JP4925744B2 (ja) 導電性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
US10795277B2 (en) Charging member for electrophotographic apparatus
JP2012032737A (ja) ブレード部材
JP4506833B2 (ja) 電子写真用帯電部材及びそれを用いた電子写真画像形成装置
JP5097085B2 (ja) 電子写真機器用導電性ロールの製法
JP2005121851A (ja) 現像剤担持ローラー、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
JP2007015832A (ja) 紙送りローラ
JP2016186510A (ja) 電子写真機器用導電性発泡ロール
JP2011197649A (ja) 電子写真機器用導電性ロール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180413

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20180420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180612

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6367622

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250