他方、上記した排水効果を高めるために、上記した排水用の孔を筐体ケースの底部分に多数設けることが考えられている。
しかしながら、単に筐体ケースの底部分に上記した排水用の孔を多数設けたのでは、逆に筐体ケース内に、この排水用の孔から水や塵埃が入り易くなってしまう。そのため、このような排水用の孔の数は、上記した排水効果を高めつつ、なるべく最小限の数に留めておくようにしたい。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、電動工具の電源として該電動工具の工具本体に装着可能に構成されるバッテリパックであって、電池セルに蓄電される電気のリークを防止するように筐体ケース内に入った水を筐体ケース外に効率良く排水することができつつ、排水用の孔の数をなるべく少ない数に留めることにある。
上記した課題を解決するにあたって、本発明に係るバッテリパックは次の手段を採用する。すなわち、本発明の第1の発明に係るバッテリパックは、電動工具の電源として該電動工具の工具本体に装着可能に構成されるバッテリパックであって、外装をなす筐体ケースと、該筐体ケース内に装置される複数の電池セルとを備え、前記筐体ケースの底部分には、該筐体ケースの内外を連通する排水孔を具備しつつ該筐体ケース内部に入った水を該筐体ケース外部に排出する機能を有する排水機能形状部が設けられており、前記排水機能形状部の配設位置は、少なくとも前記電池セルの電極に接続される端子部材同士の間に存するように設定されていることを特徴とする。
なお、前記排水機能形状部とは、前記筐体ケースの内外を連通する前記排水孔を具備して構成されるものであればよく、該排水孔のみで構成されるものであっても、該排水孔と該排水孔へ案内する構造を含むように構成されるものであってもよい、ことを意味する。
この第1の発明に係るバッテリパックによれば、筐体ケースの底部分に配設される排水機能形状部の配設位置は、少なくとも電池セルの電極に接続される端子部材同士の間に存するように設定されているので、この端子部材同士の間の水を筐体ケース内部から筐体ケース外部に排出することができる。これによって、少なくとも端子部材同士の間の水が無くなるように排水することができて、端子部材同士が水に浸かることによる互いの電気的接続を防止することができる。つまり、電池セルを支持するように筐体ケース内に適宜のリブ形状が形成されても、このリブ形状による水溜りを許容しつつ、少なくとも端子部材同士が水に浸かることによる電気的な接続を防止することができることとなる。
もって、端子部材同士が水に浸かることによって、互いの端子部材同士の意図しない電気的接続を防止することができる。すなわち、電池セルに蓄電される電気のリークを防止するように、筐体ケース内に入った水を筐体ケース外に効率良く排水することができる。また、配設される排水孔は、端子部材同士の意図しない電気的接続を防止することができる最小限の個所に抑えているので、排水用の孔の数をなるべく少ない数に留めることができる。
第2の発明に係るバッテリパックは、前記第1の発明に係るバッテリパックにおいて、前記排水機能形状部の配設位置を設定する前記端子部材同士は、互いの電極同士が隣接するように並列配置された前記複数の電池セルの電極の隣接方向に沿うように互いの配置関係が隣接し、且つ互いの電位が異なることとなる端子部材同士であることを特徴とする。
この第2の発明に係るバッテリパックによれば、排水機能形状部の配設位置を設定する端子部材同士は、互いの配置関係が隣接し互いの電位が異なる端子部材同士であるので、水が無くなるように排水する個所を、隣接配置関係にあり且つ相違する電位となる端子部材同士の間に設定することができる。これによって、水が無くなるように排水して絶縁状態を保ちたい個所を、端子部材同士の短絡が起こり易い個所に設定することができて、端子部材同士が水に浸かることによる短絡の防止をより確実なものとすることができる。
第3の発明に係るバッテリパックは、前記第1または前記第2の発明に係るバッテリパックにおいて、前記筐体ケース外側に配置される前記排水孔の外部側端縁は、少なくとも該外部側端縁の周囲部分よりも該筐体ケース内に向けて上がった形状に設定されて形成されていることを特徴とする。
この第3の発明に係るバッテリパックによれば、筐体ケース外側に配置される排水孔の外部側端縁は、少なくとも外部側端縁の周囲部分よりも筐体ケース内に向けて上がった形状に設定されて形成されている。これによって、工具本体に取り付けた状態等のバッテリパックを机や地面に載置してバッテリパックの底部分が机や地面の載置面に接触する場合であっても、この排水孔の外部側端縁は載置面よりも浮き上がって位置することとなる。したがって、排水孔が載置面により閉塞されてしまうことを防止することができ、筐体ケース内に入った水を排水孔から筐体ケース外に排出することができる。加えて、この排水孔の外部側端縁と載置面との間には僅かながらの隙間を形成することができるので、この隙間に入り込んだ水の表面張力を利用して筐体ケース内の水を筐体ケース外に導き易くすることができる。もって、筐体ケース内に入った水を筐体ケース外に効率良く排水させることができる。
第4の発明に係るバッテリパックは、前記第1から前記第3のいずれかの発明に係るバッテリパックにおいて、前記排水機能形状部は、水が前記排水孔に向かって流れるように水の流れをガイドする流れガイド手段を具備しており、前記流れガイド手段は、前記排水孔に向かうにしたがって前記筐体ケース内側の前記底部分が該底部分下側に向かって傾斜する排水経路として形成されていることを特徴とする。
この第4の発明に係るバッテリパックによれば、流れガイド手段は、排水孔に向かうにしたがって筐体ケース内側の底部分が底部分下側に向かって傾斜する排水経路として形成されているので、筐体ケース内に入った水を排水経路の傾斜構造により排水孔に向けて流すことができる。これによって、排水孔周辺のみならず排水経路となる部分の排水性も高めることができ、もって排水性を高めたい範囲を拡大することができる。
なお、この排水経路の配設個所としては、電池セルの電極に接続される端子部材同士の間に存するものであってもよいし、この端子部材同士の間以外に存するものであってもよい。また、この排水経路にあっては、前記底部分の内側面について傾斜形状にて形成されるものであればよく、前記底部分の外側面については面一形状にて形成されるものであってよい。
第5の発明に係るバッテリパックは、前記第1から前記第4のいずれかの発明に係るバッテリパックにおいて、前記排水機能形状部は、水が前記排水孔に向かって集まるように水の引込みをガイドする引込みガイド手段を具備しており、前記引込みガイド手段は、前記筐体ケース内側に配置される前記排水孔の内部側端縁から該筐体ケースの内側面に凹溝形状にて延ばされ且つ該排水孔に向けて水を引き込むように作用する引込み溝として形成されていることを特徴とする。
この第5の発明に係るバッテリパックによれば、引込みガイド手段は、筐体ケース内側に配置される排水孔の内部側端縁から筐体ケースの内側面に凹溝形状にて延ばされる引込み溝として形成されているので、内部側端縁の周辺に存する水に対して排水孔に向けて引き込むように作用することができる。これによって、端子部材同士の間の水が無くなるように排水するのを、排水孔の周辺まで及ばせることができる。したがって、端子部材同士が水に浸かることによる互いの電気的接続の防止を、より確実なものとすることができる。
第6の発明に係るバッテリパックは、前記第1から前記第5のいずれかの発明に係るバッテリパックにおいて、前記筐体ケースの内部には、前記排水孔の開口状態を維持した状態で該排水孔の開口形状を該筐体ケースの内部にて横切る異物浸入規制リブが配設されていることを特徴とする。
この第6の発明に係るバッテリパックによれば、筐体ケースの内部には排水孔の開口形状を筐体ケースの内部にて横切る異物浸入規制リブが配設されているので、この排水孔を通じて筐体ケースの外部から内部に異物が浸入しそうな場合でも、この異物浸入規制リブにより異物の浸入を阻止することができる。これによって、筐体ケースの内部をクリーンな状態に維持することができる。
第7の発明に係るバッテリパックは、前記第1から前記第6のいずれかの発明に係るバッテリパックにおいて、前記排水孔の配設位置は、前記端子部材同士の間に存するように設定されており、前記流れガイド手段および前記引込みガイド手段のいずれか一方もしくは両方の配設位置は、前記端子部材同士の間の位置とは相違する位置に設定されていることを特徴とする。
この第7の発明に係るバッテリパックによれば、排水孔の配設位置は、端子部材同士の間に存するように設定されているので、この端子部材同士の間の水を筐体ケースの内部から外部に排水することができる。これによって、流れガイド手段あるいは引込みガイド手段により排水孔周辺の水を排水孔に導くことができながら、これらの端子部材同士の間の水を排水孔の存在により完全に無くすことができて、端子部材同士の意図しない電気的接続を確実に防止することができる。
第8の発明に係るバッテリパックは、前記第1から前記第6のいずれかの発明に係るバッテリパックにおいて、前記流れガイド手段および前記引込みガイド手段のいずれか一方もしくは両方の少なくとも一部は、前記端子部材同士の間に存するように設定されており、前記排水孔の配設位置は、前記端子部材同士の間の位置とは相違する位置に設定されていることを特徴とする。
この第8の発明に係るバッテリパックによれば、排水孔の配設位置は端子部材同士の間の位置とは相違する位置に設定されており、流れガイド手段および引込みガイド手段のいずれか一方もしくは両方の少なくとも一部が端子部材同士の間に存するように設定されている。これによって、端子部材同士の間の水を筐体ケースの内部から外部に排水することができつつ、排水孔の配設位置をバッテリパックの設計に応じて筐体ケースの適宜の部分に設定することができる。したがって、排水孔の配設位置の自由度を高めることができ、バッテリパックの設計上の自由度も高めることができる。
第1の発明に係るバッテリパックによれば、電池セルに蓄電される電気のリークを防止するように筐体ケース内に入った水を筐体ケース外に効率良く排水することができつつ、排水孔の数をなるべく少ない数に留めることができる。
第2の発明に係るバッテリパックによれば、絶縁状態を保ちたい個所を端子部材同士の短絡が起こり易い個所に設定することができて短絡の防止をより確実なものとできる。
第3の発明に係るバッテリパックによれば、排水孔が載置面により閉塞されてしまうことを防止できて、筐体ケース内の水を筐体ケース外に導き易くすることができる。
第4の発明に係るバッテリパックによれば、排水孔周辺のみならず排水経路となる部分の排水性も高めることができ、排水性を高めたい範囲を拡大することができる。
第5の発明に係るバッテリパックによれば、端子部材同士が水に浸かることによる互いの電気的接続の防止を、より確実なものとすることができる。
第6の発明に係るバッテリパックによれば、筐体ケースの内部をクリーンな状態に維持することができる。
第7の発明に係るバッテリパックによれば、端子部材同士の間の水を排水孔の存在により完全に無くすことができて、端子部材同士の意図しない電気的接続を確実に防止することができる。
第8の発明に係るバッテリパックによれば、排水孔の配設位置の自由度を高めることができ、バッテリパックの設計上の自由度も高めることができる。
[第1の実施の形態]
以下に、本発明に係るバッテリパックを実施するための第1の実施の形態について図1〜図10の図面を参照しながら説明する。図1の分解斜視図は、第1の実施の形態のバッテリパック10を示している。この分解斜視図では、バッテリパック本体40の内部が分かる分解状態にてバッテリパック10を示している。なお、以下の説明においては、バッテリパック10の電気接続側が上側として規定しており、バッテリパック10のスライド装着方向を前側として規定している。
バッテリパック10は、例えば電動ドライバに代表される電動工具の工具本体(被装着具)にスライドさせることにより着脱可能に構成される。このバッテリパック10は、装着された工具本体の駆動電源となるものである。そのため、バッテリパック10は、充電量が少なくなると工具本体から取り外して外部の専用充電器(被装着具)にて充電し、この専用充電器にて充電が完了すると工具本体に装着して駆動電源として機能する。
図1の分解斜視図に示すように、バッテリパック10は、概略、筐体ケース20と、バッテリパック本体40とを備える。筐体ケース20は、バッテリパック本体40を内蔵し外装をなすケース状に構成される。また、この筐体ケース20内にはバッテリパック本体40が装置される。
筐体ケース20を説明する前に、バッテリパック本体40の構成について説明する。バッテリパック本体40は、後に詳述する筐体ケース20に内蔵されるものであり、図1に示すように、概略、複数の電池セル41と、接続制御基板51と、雄フック機構55とを備える。
電池セル41は、広く利用される充放電可能な電池セルである。このバッテリパック本体40の電池セル41は、図1に示すように、合計10個の電池セル41を5個ずつ二段にて、互いの電極42同士が隣接するように並列配置している。具体的には、合計10個の電池セル41は、バッテリパック10の左右両側に電池セル41の電極42が位置するように5個ずつ二段にて横並びされている。なお、このように横並びされた電池セル41を説明するにあたっては、バッテリパック10における上側および前側から順に、第1電池セル410、第2電池セル411、第3電池セル412、第2電池セル413、・・・と符号を付している。また、図示する電池セル41の電極42の引出し線の引出し基端は、リード板45における丸ポツ部分となっている。しかしながら、この引出し線は、リード板45の丸ポツ部分に位置する電池セル41の端部に対して引き出すものである。
上記したように横並びされた電池セル41は、バッテリパック10の左右両側端に、それぞれの電極42が位置するようになっている。つまり、バッテリパック10の左右両側端には、電池セル41のそれぞれの電極42が10個ずつ位置するようになっている。これらの電池セル41の電極42のそれぞれには、電気的に接続されるリード板45が取り付けられている。具体的には、左側端に位置する10個の電池セル41の電極42に対しては、電気的に接続された左側リード板46が取り付けられており、右側端に位置する10個の電池セル41の電極42に対しては、電気的に接続された右側リード板47が取り付けられている。これら左側リード板46および右側リード板47は、本発明に係る端子部材に相当し、広く利用される板形端子として機能する。また、このように一側が電池セル41の電極42に接続されるリード板45(左側リード板46および右側リード板47)は、他側が次に説明する接続制御基板51に対して電気的に接続されている。なお、これらの左側リード板46および右側リード板47については後に詳細に説明する。
次に接続制御基板51および雄フック機構55について説明する。接続制御基板51は、充放電可能な電池セル41に対して電気的に接続され、この電池セル41の充放電を制御するものである。すなわち、接続制御基板51は、上記した複数の電池セル41の上側に配置されており、概略、制御基板52と、この制御基板52に配設される接続端子部53とを備える。制御基板52は、電池セル41を充放電する際、適宜の電気的な制御を行う。接続端子部53は、被装着具となる不図示の工具本体や専用充電器に対して電気的に接続される端子となっている。つまり、接続端子部53は、被装着具となる例えば工具本体側のプラス端子と接続されるプラス接続用端子531、例えば工具本体側のマイナス端子と接続されるマイナス接続用端子532、例えば工具本体側の制御端子と接続される制御接続用端子533、の3種類の接続用端子を含む。なお、これらの接続端子部53は、板ばね形の金属端子を対向配置することにより形成されている。
雄フック機構55は、上記した被装着具となる例えば工具本体に対してスライド装着させる場合に、工具本体に対して取外し可能に係止する構造を具備して構成される。そのため、雄フック機構55は、工具本体に対して係止するフック形状および解除操作する指掛かり形状を有して構成される。具体的には、雄フック機構55は、このようなフック形状および指掛かり形状を具備するフック形構造体56と、このフック形構造体56を係止方向に付勢する付勢ばね57とを備える。このように構成される雄フック機構55は、工具本体に対してスライド装着することにより付勢ばね57の付勢力により、工具本体に対して自動的にフック形構造体56を係止させる。また、この付勢ばね57の付勢力に抗して解除操作した場合には、工具本体に対するフック形構造体56の係止を解除させることとなり、この状態でバッテリパック10をスライドさせると、工具本体から取り外すことができる。
次に上記した左側リード板46および右側リード板47について詳細に説明する。左側リード板46および右側リード板47は、それぞれ板形端子により構成され、それぞれ複数の電池セル41の電極42に跨って取り付けられている。
図2の下面図は、下面視したバッテリパック10を示している。図3の断面図は、バッテリパック10の左側に位置する左側リード板46が見えるように、図2におけるバッテリパック10のIII−III断面矢視を示している。図4の断面図は、バッテリパック10の右側に位置する右側リード板47が見えるように、図2におけるバッテリパック10のIV−IV断面矢視を示している。
左側リード板46は、図3に示すように、別個に切り離された3つの板形端子により形成されている。この3つの左側リード板46は、前側から順に、第1左側リード板461、第2左側リード板462、第3左側リード板463、と符号を付している。すなわち図3に示すように、電池セル41の左側端の10個の電極42に対し、第1左側リード板461は、第1電池セル410、第2電池セル411の、2つの左側の電極42に跨って取り付けられている。また、第2左側リード板462は、第3電池セル412、第4電池セル413、第5電池セル414、第6電池セル415の、4つの左側の電極42に跨って取り付けられている。また、第3左側リード板463は、第7電池セル416、第8電池セル417、第9電池セル418、第10電池セル419の、4つの左側の電極42に跨って取り付けられている。
なお逆に言えば、図3に示すように、第1左側リード板461と第2左側リード板462とは、第1電池セル410および第2電池セル411と、第3電池セル412および第4電池セル413とを区分けして分離するように、互いに電気的に非接続となる離間した配置構造となっている。これら互いに配置関係が隣接する第1左側リード板461と第2左側リード板462とは、互いに電位が異なるリード板45となっている。また、第2左側リード板462と第3左側リード板463とは、第5電池セル414および第6電池セル415と、第7電池セル416および第8電池セル417とを区分けして分離するように、互いに電気的に非接続となる離間した配置構造となっている。これら互いに配置関係が隣接する第2左側リード板462と第3左側リード板463とは、互いに電位が異なるリード板45となっている。つまり、左側リード板46(461,462,463)は、個別的には、並列配置された10個の電池セル41の電極42の隣接方向に沿うように互いの配置関係が隣接しており、且つ互いの電位が異なることとなっている。
また、右側リード板47も、図4に示すように、別個に切り離された3つの板形端子により形成されている。この3つの右側リード板47は、前側から順に、第1右側リード板471、第2右側リード板472、第3右側リード板473、と符号を付している。すなわち図4に示すように、電池セル41の右側端の10個の電極42に対し、第1右側リード板471は、第1電池セル410、第2電池セル411、第3電池セル412、第4電池セル413の、4つの右側の電極42に跨って取り付けられている。また、第2右側リード板472は、第5電池セル414、第6電池セル415、第7電池セル416、第8電池セル417の、4つの右側の電極42に跨って取り付けられている。また、第3右側リード板473は、第9電池セル418、第10電池セル419の、2つの右側の電極42に跨って取り付けられている。
なお逆に言えば、図4に示すように、第1右側リード板471と第2右側リード板472とは、第3電池セル412および第4電池セル413と、第5電池セル414および第6電池セル415とを区分けして分離するように、互いに電気的に非接続となる離間した配置構造となっている。これら互いに配置関係が隣接する第1右側リード板471と第2右側リード板472とは、互いに電位が異なるリード板45となっている。また、第2右側リード板472と第3右側リード板473とは、第7電池セル416および第8電池セル417と、第9電池セル418および第10電池セル419とを区分けして分離するように、互いに電気的に非接続となる離間した配置構造となっている。これら互いに配置関係が隣接する第2右側リード板472と第3右側リード板473とは、互いに電位が異なるリード板45となっている。つまり、右側リード板47(471,472,473)も、個別的には、並列配置された10個の電池セル41の電極42の隣接方向に沿うように互いの配置関係が隣接しており、且つ互いの電位が異なることとなっている。
次に上記したバッテリパック本体40を内蔵する筐体ケース20について説明する。筐体ケース20は、バッテリパック10の外装ケースとしての機能を有しつつ、バッテリパック本体40を内蔵する筐体としての機能を有する。この筐体ケース20は、上部が開口された箱形状のケース本体21と、このケース本体21の上蓋としてケース本体21の開口上部を閉塞する上蓋部材31とを備える。このケース本体21と上蓋部材31とは、螺子部材39により互いが螺子締結される。
まず、この筐体ケース20を構成する上蓋部材31について説明する。上蓋部材31は、筐体ケース20のうち、バッテリパック10をスライド装着した際の接続側の外装をなしている。つまり、上蓋部材31は、工具本体等の被装着具に対するスライド装着可能な構造にて形成されている。具体的には、上蓋部材31の中間部分には、スライド装着をガイドするスライドガイド部32が設けられている。また、この上蓋部材31には、被装着具の端子を上記した接続端子部53(接続制御基板51)に接続するための接続用開口部33が設けられている。この上蓋部材31には、被装着具に対して係止するための、フック形構造体56(雄フック機構55)を外部に露出するためのフック露出用開口部34が設けられている。上蓋部材31には、この筐体ケース20の内部を冷却するために風が送られる通風口35が設けられている。この通風口35は、筐体ケース20の内部に冷却風を送るための第1通風口36と、この筐体ケース20の内部に送られた冷却風が電池セル41を冷却したのちに筐体ケース20の外部に排気する第2通風口37とを備える。なお、上記したスライドガイド部32、接続用開口部33等は、バッテリパック10のスライド装着に対応した形状にて形成されている。
次に、この筐体ケース20を構成するケース本体21について説明する。図5の断面図は、図2のバッテリパック10のV−V断面矢視を示している。図6の断面図は、図5のケース本体21のうち排水孔25の配設部分(図5の鎖線丸抜き部分)を拡大して示す断面図である。図7の上面図は、内部が見える状態で上面視したケース本体21を示している。図8の上面図は、図7のケース本体21のうち排水孔25の配設部分(図5の鎖線四角抜き部分)を拡大して示している。なお、図5および図6においては、バッテリパック10は、水平面をなす載置面Fに載置されている。
ケース本体21は、図1にも示すように、上記したバッテリパック本体40を装置することができるように、1つの底壁部分211と4つの側壁部分212とにより囲われ、上部が開口された箱形状をなしている。なお、このケース本体21の底壁部分211は、本発明に係る底部分に相当する。このケース本体21には、図5に示すように、上記した電池セル41を装置することができるように形成されている。このケース本体21の底壁部分211は、図5に示すように外側面221が略面一形状にて形成されているのに対し、内側面222は適宜に凹凸形状をなすリブ23が配設されている。このリブ23は、適宜の凹凸形状をなしてケース本体21の内部に突出するように形成されている。このリブ23は、支持リブ231、導風リブ232、異物浸入規制リブ233の、3種類にて形成されている。支持リブ231は、図5および図6に示すように、主としてケース本体21に装置される電池セル41の装置状態を安定させるために、この装置される電池セル41を支持するリブとして機能する。このため、支持リブ231は、装置される電池セル41の外周曲面形状に対応した凹曲面形状にて形成されている。なお、この支持リブ231は、ケース本体21自体の強度の向上にも寄与している。また、導風リブ232は、図6に示すように、電池セル41を冷却するように第1通風口36から第2通風口37に冷却風を送るにあたって、この冷却風を導くためのガイドとして機能する。このため、この導風リブ232は、ケース本体21の内部に送られた風が電池セル41を効率良く冷却できるような形状が選択されている。なお、この導風リブ232は、上記した支持リブ231と同様の、装置される電池セル41を支持するリブとして機能等も有する。異物浸入規制リブ233については、次に説明するの排水孔25の説明の後に説明する。
このケース本体21には、図3および図4に示すように、筐体ケース20の内部に入った水を筐体ケース20の外部に排出する機能を有する排水孔25が設けられている。なお、この排水孔25は、本発明に係る排水機能形状部に含まれる。この排水孔25は、筐体ケース20の底部分をなす底壁部分211に対して、筐体ケース20の内外を連通するように配設される。この排水孔25の配設位置は、筐体ケース20の底壁部分211に対して、上記した電池セル41の電極42に接続されるリード板45同士の間に存するように設定されている。このため、図2に対して図3および図4を対比して分かるように、排水孔25は、各リード板45同士の4つの間に存するように配設されている。
個別具体的に説明すると、筐体ケース20の底壁部分211の左側部分にあっては、上記した第1左側リード板461と第2左側リード板462との間に第1排水孔251が配設されており、上記した第2左側リード板462と第3左側リード板463との間に第2排水孔252が配設されている。これに対して、筐体ケース20の底壁部分211の右側部分にあっては、上記した第1右側リード板471と第2右側リード板472との間に第3排水孔253が配設されており、上記した第2右側リード板472と第3右側リード板473との間に第4排水孔254が配設されている。
つまり、このケース本体21に配設される排水孔25の合計数は、リード板45の合計数となる6個よりも2つ少なく、電池セル41の合計数となる10個より6つ少ないものとなっている。なお、図8に示すように、これらの排水孔25の孔形状は上面視円形状に設定されており、この排水孔25の孔径の大きさは、大き過ぎない孔径となる直径2.5mmに設定されている。
言い換えると、第1排水孔251は第1左側リード板461と第2左側リード板462との間に存する水を排水し、第2排水孔252は、第2左側リード板462と第3左側リード板463との間に存する水を排水する。また、第3排水孔253は第1右側リード板471と第2右側リード板472との間に存する水を排水し、第4排水孔254は、第2右側リード板472と第4右側リード板473との間に存する水を排水する。
ここで、これら各排水孔25(251,252,253,254)は、次のように設定されて筐体ケース20の底壁部分211に配設されている。この排水孔25について、拡大図となる図6および図8を参照しながら説明する。なお、この排水孔25のうち、筐体ケース20外側に配置される排水孔25の開口端縁を外部側端縁261として設定しており、筐体ケース20内側に配置される排水孔25の開口端縁を内部側端縁262として設定している。すなわち、図6に示すように、排水孔25(251)の外部側端縁261は、この外部側端縁261の周囲部分となる筐体ケース20の支持下面201よりも、筐体ケース20内に向けて僅かに上がった形状に設定されて形成されている。このため、外部側端縁261の周囲部分となる筐体ケース20の支持下面201が当接する載置面Fと、外部側端縁261との間には、隙間Cが形成されることとなる。
また、この筐体ケース20の内部には異物浸入規制リブ233が配設されている。すなわち、図6に示すように、上記した排水孔25の内部側端縁262よりも上側に位置する部分には、この排水孔25の内部側端縁262に対して上側に離間する位置で異物浸入規制リブ233が配設されている。つまり、この異物浸入規制リブ233は、この排水孔25の開口状態を維持した状態で排水孔25の内部側端縁262よりも上側に離間して配設されている。また、この異物浸入規制リブ233は、図8に示すように、筐体ケース20の内部にて排水孔25の開口形状を横切るように配設されている。
このように構成されたバッテリパック10によれば、次のような作用効果を奏することができる。すなわち、上記したバッテリパック10によれば、排水孔25の配設位置は、電池セル41の電極42に接続されるリード板45同士の間に存するように設定されているので、このリード板45同士の間の水を筐体ケース20内部から筐体ケース20外部に排出することができる。これによって、少なくともリード板45同士の間の水が無くなるように排水することができて、リード板45同士が水に浸かることによる互いの電気的接続を防止することができる。つまり、電池セル41を支持するように筐体ケース20内に支持リブ231や導風リブ232等の適宜のリブ23が形成されても、このリブ23による水溜りを許容しつつ、少なくともリード板45同士が水に浸かることによる電気的な接続を防止することができることとなる。もって、リード板45同士が水に浸かることによって、互いのリード板45同士の意図しない電気的接続を防止することができる。すなわち、電池セル41に蓄電される電気のリークを防止するように、筐体ケース20内に入った水を筐体ケース20外に効率良く排水することができる。また、配設される排水孔25は、リード板45同士の意図しない電気的接続を防止することができる最小限の個所に抑えているので、排水用の孔の数をなるべく少ない数に留めることができる。
また、上記したバッテリパック10によれば、排水孔25の配設位置を設定するリード板45同士は、互いの配置関係が隣接し互いの電位が異なるリード板45同士であるので、水が無くなるように排水する個所を、隣接配置関係にあり且つ相違する電位となるリード板45同士の間に設定することができる。これによって、水が無くなるように排水して絶縁状態を保ちたい個所を、リード板45同士の短絡が起こり易い個所に設定することができて、リード板45同士が水に浸かることによる短絡の防止をより確実なものとすることができる。
また、上記したバッテリパック10によれば、筐体ケース20外側に配置される排水孔25の外部側端縁261は、少なくとも外部側端縁261の周囲部分となる支持下面201よりも筐体ケース20内に向けて上がった形状に設定されて形成されている。これによって、不図示の工具本体に取り付けた状態等のバッテリパック10を机や地面に載置してバッテリパック10の底部分となる支持下面201が載置面Fに接触する場合であっても、この排水孔25の外部側端縁261は載置面Fよりも隙間Cだけ浮き上がって位置することとなる。したがって、排水孔25が載置面Fにより閉塞されてしまうことを防止することができ、筐体ケース20内に入った水を排水孔25から筐体ケース20外に排出することができる。加えて、この排水孔25の外部側端縁261と載置面Fとの間には僅かながらの隙間Cを形成することができるので、この隙間Cに入り込んだ水の表面張力を利用して筐体ケース20内の水を筐体ケース20外に導き易くすることができる。もって、筐体ケース20内に入った水を筐体ケース20外に効率良く排水させることができる。
また、上記したバッテリパック10によれば、筐体ケース20の内部には排水孔25の開口形状を筐体ケース20の内部にて横切る異物浸入規制リブ233が配設されているので、この排水孔25を通じて筐体ケース20の外部から内部に異物が浸入しそうな場合でも、この異物浸入規制リブ233により異物の浸入を阻止することができる。これによって、筐体ケース20の内部をクリーンな状態に維持することができる。
次に、この第1の実施の形態のバッテリパック10の2つの変形例について、図9および図10を参照しながら説明する。図9は、排水経路27が設けられた変形例を示すバッテリパック10Aの断面図である。図10は、引込み溝28が設けられた変形例を示す排水孔25Aの拡大上面図である。
図9および図10に示す2つの変形例は、排水孔25の配設位置が上記したようにリード板45同士の間に存するように設定される例である。この2つの変形例は、排水孔25の配設位置を設定するリード板45同士の間の位置とは相違する位置に流れガイド手段、もしくは引込みガイド手段が配設される例である。
なお、これらの流れガイド手段および引込みガイド手段は、本発明に係る排水機能形状部に含まれるものである。これらの流れガイド手段および引込みガイド手段は、筐体ケース20の内部に入った水を筐体ケース20の外部に排出する機能を有した形状が筐体ケース20に対して形成されることにより構成されるものとなっている。
この変形例では、流れガイド手段としての排水経路27の構成、あるいは引込みガイド手段としての引込み溝28の構成が、配設されている点について上記したバッテリパック10と相違する。このため、この相違構成を除いた構成については、上記したバッテリパック10と同一に構成される。これにより上記したバッテリパック10と同一に構成される個所については、上記したバッテリパック10にて説明した符号と同一の符号、あるいは同一の符号に末尾‘A’を付した符号を図面に付すことによりその説明を省略する。
なお、以下に説明する変形例は、上記したバッテリパック10と同様、排水孔25の配設位置はリード板45同士の間に存するように設定されている。これに対し、流れガイド手段としての排水経路27の構成、あるいは引込みガイド手段としての引込み溝28の構成については、リード板45同士の間の位置とは相違する位置に設定されている。
まず、バッテリパック10Aにおいて、排水経路27が設けられる変形例について説明する。図9に示すバッテリパック10Aは、流れガイド手段としての排水経路27が設けられている。この排水経路27は、水が排水孔25に向かって流れるように水の流れをガイドするものである。すなわち、排水経路27は、ケース本体21の底壁部分211のうち筐体ケース20の内側面222となる底面223に形成されている。この排水経路27は、この底面223を排水孔25に向かうにしたがって下側に向かって傾斜させるように形成されている。具体的には、第2左側リード板462の下側に位置する底面223には、前側半分が第1排水孔251に向かうにしたがって下側に向かって傾斜する第1排水経路271として形成され、側半分が第2排水孔252に向かうにしたがって下側に向かって傾斜する第2排水経路272として形成されている。つまり、第2左側リード板462の下側に位置する底面223は、第2左側リード板462の中心下側を頂としてなしつつ前後方向に裾が延びる山型形状をなして形成されている。また、第3左側リード板463の下側に位置する底面223には、前側半分が第2排水孔252に向かうにしたがって下側に向かって傾斜する第3排水経路273が形成されている。つまり、第3左側リード板463の下側に位置する底面223は、第3左側リード板463の中心下側を頂としてなしつつ前方向に裾が延びる半分の山型形状をなして形成されている。なお、このケース本体21の底壁部分211は、内側面222となる底面223について傾斜形状にて形成されるようになっており、上記した載置面Fに当接して支持される外側面221については面一形状にて形成されている。
この変形例のバッテリパック10Aによれば、上記したバッテリパック10により奏する作用効果のほか、次のような作用効果も奏することができる。すなわち、上記したバッテリパック10Aによれば、流れガイド手段としての排水経路27は、排水孔25に向かうにしたがって筐体ケース20の底面223を下側に向かって傾斜させているので、筐体ケース20内に入った水を排水経路27の傾斜構造により排水孔25に向けて流すことができる。これによって、排水孔25周辺のみならず排水経路27となる部分の排水性も高めることができ、もって排水性を高めたい範囲を拡大することができる。また、このバッテリパック10Aによれば、流れガイド手段となる排水経路27により排水孔25周辺の水を排水孔25に導くことができながら、これらのリード板45同士の間の水を排水孔25の存在により完全に無くすことができて、リード板45同士の意図しない電気的接続を確実に防止することができる。
次に、排水孔25Aにおいて、引込み溝28が設けられる変形例について説明する。図10に示す排水孔25Aは、引込みガイド手段としての引込み溝28が設けられている。この引込み溝28は、水が排水孔25Aに向かって集まるように水の引込みをガイドするものである。つまり、引込み溝28は、排水孔25に向けて水を引き込むように作用する。すなわち、引込み溝28は、排水孔25の内部側端縁262から、筐体ケース20の内側面222を放射状に延びるように凹溝形状で形成されている。具体的には、上記したように形成される排水孔25Aの図示左側部分の周辺には、放射状に延びる凹溝形状となる引込み溝28が5本形成されている。この5本の引込み溝28は、周辺の面一に対して適宜に浅い溝深さに切り込まれており、互いは適宜の間隔で形成されている。
この変形例の排水孔25Aによれば、上記したバッテリパック10により奏する作用効果のほか、次のような作用効果も奏することができる。すなわち、引込みガイド手段としての引込み溝28は、排水孔25の内部側端縁262から筐体ケース20の内側面222に放射状に延びるように凹溝形状にて形成されているので、内部側端縁262の周辺に存する水に対して排水孔25に向けて引き込むように作用することができる。これによって、リード板45同士の間の水が無くなるように排水するのを、排水孔25Aの周辺まで及ばせることができる。したがって、上記したリード板45同士が水に浸かることによる互いの電気的接続の防止を、より確実なものとすることができる。また、この排水孔25Aを具備するバッテリパックによれば、引込みガイド手段となる引込み溝28により排水孔25周辺の水を排水孔25Aに導くことができながら、これらのリード板45同士の間の水を排水孔25の存在により完全に無くすことができて、リード板45同士の意図しない電気的接続を確実に防止することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係るバッテリパックを実施するための第2の実施の形態について図11および図12の図面を参照しながら説明する。なお、図11の斜視図は、内部が見える状態で斜視したケース本体21Bを示す斜視図である。また、図12の断面図は、図11のケース本体21BのXII−XII断面矢視を示す断面図である。
すなわち、この第2の実施の形態のバッテリパックは、全体図について図示していないが、上記した第1の実施の形態のバッテリパック10のうちケース本体21の構成のみが相違するものとなっている。つまり、この第2の実施の形態のバッテリパックは、上記した第1の実施の形態の変形例とは異なり、流れガイド手段としての排水経路27Bの構成の一部がリード板45同士の間に存するように設定され、排水孔25Bはリード板45同士の間の位置とは相違する位置に設定されている。
なお、この第2の実施の形態では、流れガイド手段としての排水経路27Bの配設構成と、排水孔25Bの配設構成について上記したバッテリパック10と相違する。このため、この相違構成を除いた構成については、上記したバッテリパック10と同一に構成されるため、上記したバッテリパック10にて説明した符号と同一の符号を図面に付すことにより同一構成の説明を省略する。
すなわち、図11および図12に示すように、本発明に係る底部分に相当するケース本体21Bの底壁部分211には、排水孔25Bが設けられている。この排水孔25Bは、図示するように、底壁部分211の略中央に設けられている。この排水孔25Bは、上記した排水孔25と同様に筐体ケース20の内部に入った水を筐体ケース20の外部に排出する機能を有している。ただ、上記した第1の実施の形態のバッテリパック10の排水孔25の配設位置はリード板45同士の間に存するように設定されていたのに対し、この第2の実施の形態のバッテリパックの排水孔25Bの配設位置は底壁部分211における左右中間位置に設定されている。この排水孔25Bは、上記した排水孔25と同様、筐体ケース20の内外を連通するように配設されている。これに対し、排水経路27Bは、ケース本体21の底壁部分211のうち筐体ケース20の内側面222となる底面223にケース本体21の左右方向に沿って延びるように形成されている。具体的には、排水経路27Bは、上記した第1の実施の形態の第1排水孔251(図11および図12の仮想丸抜き部分)が配設されている個所を頂としてなしつつ、底壁部分211の略中央に設けられる排水孔25Bに向かって下がっていくように傾斜する溝形状に形成されている。つまり、この排水経路27Bの最も高い個所は、上記した第1左側リード板461と第2左側リード板462との間(第1の実施の形態の第1排水孔251が配設されている位置に相当)に位置するように設定されている。また、この排水経路27Bの最も低い個所は、排水孔25Bの配設個所となっている。
この第2の実施の形態のバッテリパックによれば、排水孔25Bの配設位置は底壁部分211の略中央に設定されており、排水経路27Bの頂部分は第1左側リード板461と第2左側リード板462との間(第1の実施の形態の第1排水孔251が配設されている位置に相当)に位置するように設定されている。これによって、リード板45同士の間の水を筐体ケース20の内部から外部に排水することができつつ、排水孔25Bの配設位置をバッテリパックの設計に応じて筐体ケース20の底部分の略中央に設定することができる。したがって、排水孔25Bの配設位置の自由度を高めることができ、バッテリパックの設計上の自由度も高めることができる。
なお、本発明に係るバッテリパックにあっては、上記した実施の形態に限定されるものではなく、次のように適宜個所を変更して構成するようにしてもよい。すなわち、上記した実施の形態にあっては、排水機能形状部の例として、流れガイド手段としての排水経路27の傾斜構造、引込みガイド手段としての引込み溝28の引込み構造、を挙げるものとした。しかしながら、本発明に係る排水機能形状部としては、このような例に限定されることなく、筐体ケースの内外を連通する排水孔を具備しつつ筐体ケース内部に入った水を筐体ケース外部に排出する機能を有するように形成されるものであればよく、例えば、適宜の傾斜や、適宜の溝や、適宜の段差等、さまざまな形状が選択されるものであってよい。また、本発明に係る排水機能形状部としては、上記したように筐体ケース20の内外を連通する排水孔25単独で構成されるものであってもよい。