JP6364678B2 - 作業車両による作業システム - Google Patents

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Description

本発明は、有人走行作業車両及び無人走行作業車両による、無線通信を用いての作業システムに関するものである。
近年、作業効率化等に向けての需要に対応して、無線通信を用いての作業車両による作業システムが開発されている。たとえば、特許文献1に示すように、有人の親作業車に無人の子作業車を追従させて対地作業等の作業を行う作業システムが公知となっている。
一方、近年、特許文献2に示すような多目的運搬車の需要が高まっている。多目的運搬車は、オフロードや凸凹地等での踏破性に優れている一方で、路上走行にも適しており、小回りもきくので、その走行性能を生かして、例えば私有地内の農地への農業用の機械や物資の運搬等に用いられる。
したがって、例えば農作業に臨んで、その作業の大部分についてはトラクタ等を無人走行させて行うものとして、オペレータ自身は、補助的な作業をすべく有人運転にて走行自由度の高い車両を走行させるというような、作業上での無人走行作業車両及び有人走行作業車両の利用形態が考えられる。このような両車両の利用形態を実現させる上で、作業に臨んでは、まず、無人走行作業車両の作業走行経路を画定する必要がある。ここで、上述の特許文献1に開示される技術を用いると、無人走行作業車両の作業走行経路の画定だけのために、その作業走行経路となる道のりを有人走行作業車両がくまなく走行しなければならない。
特表2001−507843号公報 特開2011−11677号公報
本発明は、無人走行作業車両による作業を確実なものとする一方で、有人走行作業車両での走行自由度を高めるべく、無線通信を用いた作業車両による作業システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成すべく構成された、有人走行作業車両である第1車両及び無人走行作業車両である第2車両を用いた作業システムである。該作業システムは、該第1車両と該第2車両との間で情報の伝達を可能とする無線通信システムを構成している。該第2車両は、該無線通信システムにて、該第1車両の走行軌跡に関する走行軌跡情報を受信し、該走行軌跡情報をもとに、該第1車両の走行軌跡が作業領域の境界を画するものとして、該作業領域内における該第2車両の作業走行経路を算出し、算出された該作業走行経路をたどって無人運転にて作業走行可能に構成され、前記作業走行経路中における一つ以上の処理地点が算出され、前記無線通信システムにて、該処理地点に関する情報が該第2車両から該第1車両へと送信されると、該情報を基に第1車両が処理地点に自動で移動して停止する。
前記作業システムにおいては、前記作業走行経路中における一つ以上の処理地点が算出され、前記無線通信システムにて、該処理地点に関する情報が該第2車両から該第1車両へと送信される。
また、前記作業システムにおいては、前記第2車両が走行を停止した場合、前記無線通信システムにて、その停止位置及び停止の原因に関する情報が該第2車両から該第1車両に送信される。
また、前記第1車両には、前記無線通信システムを用いての情報の送受信を可能とする携帯情報端末が設けられている。
前記作業システムにおいては、第2車両の作業走行経路の決定にあたって、オペレータの運転による第1車両の走行が求められるのは、第2車両の作業領域の境界として想定される線上の走行のみであり、その境界で囲まれた作業領域内を占めるように面的に作業走行経路を決定するのは、その作業走行経路に沿って作業走行を行う第2車両の演算手段の演算処理によるものなので、オペレータにとっては、第1車両を運転する距離も時間も短くてすみ、負担の軽いものとなり、その分、第2車両の作業に拘束されない自由な時間を増やすこともできる。
また、前記の如く無人運転の第2車両の作業走行経路中における処理地点が指定され、その情報が第2車両から第1車両に送信されるものとすることで、オペレータは、第1車両を運転して、指定されている一つ以上の処理地点を巡り、効率的な作業を行うことができる。例えば、第2車両である掘取機を装着したトラクタが、地中作物を地上に掘り上げる作業走行をしつつ、後行程で、第1車両である多目的運搬車を待機させる地点として、一つ以上の処理地点を指定するという場合が考えられる。この場合、有人運転の第1車両側では、処理地点に関する情報を受信することで、オペレータは、算出された全ての処理地点を把握できるので、掘り上げられた収穫物の回収・積載に用いられる第1車両を運転して、効率よく指定地点を巡って作業を行うことができる。また、これらの処理地点は、第1車両を用いてのオペレータによる処理作業が効率的に行われるように設定されたものであり、例えば、オペレータが、第2車両が作業走行した跡をたどって掘り上げられた収穫物を回収してコンテナに積み込んでいくと、処理地点まできたときに、丁度、コンテナが収穫物で一杯になり、また、その処理地点に第1車両の多目的運搬車が止まっていて、収穫物で一杯のコンテナを、長い距離かけてオペレータが運ぶということなく、その場で、多目的運搬車の荷台に積み込むことができる。このように、有人走行作業車両を用いての作業の負担が軽減されるのである。
また、前述の如く、無人運転の第2車両の作業走行を停止すべき状況が発生してその走行が停止されると、その情報が第2車両から第1車両へと送信されるものとすることで、オペレータは、無人運転されている第2車両から目の届かないところにいる状態であっても、当該情報の受信により、第2車両の走行停止の事実、停止位置及びその原因を知ることができ、適切な対応を取ることができる。例えば、第2車両が播種作業や施肥作業を行っている最中に、種子ホッパーにおける種子切れや肥料タンクにおける肥料切れが生じると、第2車両は、種子切れや肥料切れが生じたところで走行を停止し、その停止位置と、停止した原因が種子切れや肥料切れである旨とを知らせる情報が、第2送受信手段から第1送受信手段へと送信され、待機所にいるオペレータは、第1送受信手段の受信でその情報内容を知り、第1車両にて、当該停止位置へと予備の種子または肥料を運搬し、当該停止位置で停止している第2車両に対し、種子や肥料の補充という処理を施すのである。あるいは、このような、作業上想定されるような要因でない要因、例えば、エンジントラブルや、第2車両には踏破できない段差等が要因で、第2車両が停止した場合にも、オペレータは、例えば作業対象地から離れて休憩しているときにでも、第2車両の走行停止の事態が生じたという事実、その停止位置及びその原因を把握することができ、走行停止位置に出向いて適切な対応を取ることができる。例えば、走行停止原因が上述の如き段差であれば、第2車両に画像取得手段(カメラ)が設けられていれば、その段差の画像情報が取得され、その情報を第1送受信手段が受信するので、オペレータは、走行停止の原因が段差であること、その段差が、画像で見てどのような状態であるのかを把握でき、例えば第1車両である多目的運搬車に、例えば段差を平らにするためのスコップ等を積んで、走行停止位置まで赴くということが可能となる。
また、第1車両に、無線通信システムを用いての情報の送受信が可能な携帯情報端末を設けることで、オペレータの利便性が向上する。例えば、第2車両の作業領域の境界を画定するための第1車両の走行軌跡情報の第2送受信手段への送信を、第1車両から離れたところで行うことができ、また、第1車両から離れて作業や休憩をしているときにも第2車両の処理地点に関する情報や走行停止に関する情報の受信を把握することができる。
一実施例に係る無線通信システムを用いた有人走行作業車両及び無人走行作 業車両の移動・作業システムの構成を示すブロック図である。 他の実施例に係る無線通信システムを用いた有人走行作業車両及び無人走行 作業車両の移動・作業システムの構成を示すブロック図である。 前記移動・作業システムの適用例としての農家の敷地を示すイメージ図であ る。 有人走行作業車両及び無人走行作業車両の作業対象地への往路走行の様子を 示すイメージ図である。 無人走行作業車両の往路走行制御フローチャート図である。 有人走行作業車両が画定した作業領域の境界内で無人走行作業車両の作業走 行経路を画定する様子を示すイメージ図である 無人走行作業車両の作業走行中に有人走行作業車両用の処理地点を画定する 様子を示すイメージ図である。 作業走行中に無人走行作業車両が走行停止し、その走行停止位置に有人走行 作業車両が出向く様子を示すイメージ図である。 無人走行作業車両の作業走行制御フローチャート図である。 無人走行作業車両の復路走行の様子を示すイメージ図である。 無人走行作業車両の復路走行制御フローチャート図である。
<1.システムの概要>
<1−1システムの構成要素>
図1及び図2により、本発明に係る移動・作業システムの構成要素について説明する。この移動・作業システムは、オペレータの運転にて走行する有人走行作業車両である第1車両10及び無人走行作業車両である第2車両20の、非作業時の拠点(後記第1地点P1)と作業対象地(後記第2地点P2)との間の移動に適用される、無線通信を用いた移動システムであり、また、当該作業対象地における第1車両10及び第2車両20を用いての作業に適用される、無線通信を用いた作業システムである。第2車両20には、自動走行用コントローラ28が備えられ、コントローラ28の自動制御にて第2車両20が無人運転走行する。本実施例では、第1車両10を多目的運搬車とし、第2車両を20農作業用トラクタとする。
第1車両10には、様々な情報を記憶する記憶手段11、及び無線通信にて情報の送受信を行うための送受信手段12が設けられており、第2車両20にも、様々な情報を記憶する記憶手段21、及び無線通信にて情報の送受信を行うための送受信手段22が設けられている。送受信手段12・22同士の間で、無線通信にて情報の送受信が可能である。本実施例では、後に詳述するように、第1車両10の送受信手段12から第2車両20の送受信手段22に情報信号N1(例えば、後記の走行開始指令SS、走行軌跡情報D1a、D3a問題解決情報E1a、E2a、E3a、E4a、E5a)が送信され、第2車両20の送受信手段22から第1車両10の送受信手段12に情報信号N2(例えば、後記の処理地点情報D5a、走行中止情報E1、E4、走行停止情報E2、E3、E5)が送信される。
送受信手段12・22間での情報信号N1・N2の送受信を可能ならしめる無線通信システムとしては、図1に示すように、ネットワーク100に接続された無線通信アンテナ101を介して両者間で前記情報信号N1・N2の送受信がなされるような無線通信システムAを構成してもよく、あるいは、図2に示すように、送受信手段12・22間で直接的に前記情報N1・N2の送受信がなされるような無線通信システムBを構成してもよい。なお、無線通信システムAにおけるネットワーク100には、たとえば管理サーバーを接続して、第1車両10及び第2車両20の走行軌跡等の情報を管理するものとしてもよく、また、第2車両20を遠隔操作するために用いられるものとしてもよい。
本実施例においては、第1車両10に、タブレット型端末機等の携帯情報端末18を着脱自在に取付可能となっており、この携帯情報端末18に、記憶手段11及び送受信手段12が内蔵されている。オペレータが第1車両10に乗った状態で、第1車両10に取り付けた携帯情報端末18における記憶手段11や送受信手段12を取り扱えるだけでなく、該携帯情報端末18を取り外して、第1車両10から降りたオペレータがこれを携帯し、記憶手段11及び送受信手段12を取り扱えるものとしている。また、後に詳述するように、この携帯情報端末18には、GPS機能を利用しての後述の現在位置検出手段13が内蔵されているものであり、また、そのタッチパネル機能を利用する等して、該携帯情報端末18を後述のルート選択手段16として用いることも可能としている。
第1車両10は、記憶手段11にて記憶すべき情報の取得手段として、現在位置検出手段13、車両の傾斜状態を検出する傾斜検出手段14、第1車両10の周辺の状態を認識するための画像取得手段15を備えている。第2車両20にも同様に、記憶手段21にて記憶すべき情報の取得手段として、現在位置検出手段23、車両の傾斜状態を検出する傾斜検出手段24、第2車両20の周辺の状態を認識するための画像取得手段25を備えている。第1車両10における現在位置検出手段13、傾斜検出手段14、画像取得手段15にて検出・取得した情報は、記憶手段11に記憶され、また、これらの情報を、送受信手段12から、第2車両20の送受信手段22へと送信することができる。一方、第2車両20においても、現在位置検出手段23、傾斜検出手段24、画像取得手段25にて検出・取得した情報を、記憶手段21に記憶し、また、これらの情報を、送受信手段22から、第1車両10の送受信手段12へと送信することができる。
現在位置検出手段13、23としては、例えば、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)を用いたものが考えられる。本実施例では、第1車両10における携帯情報端末18がGPS機能を有しており、これを現在位置検出手段13としている。傾斜検出手段14、24としては、各第1車両10及び第2車両20のピッチ角、ロール角、ヨー角を検出するもの(例えば角度センサ)が考えられる。また、このような傾斜の検出により、例えば路面の凹凸度が大きい場合に現れる車両の振動状態等も検出することができる。画像取得手段15、25としては、例えば、図示されるように、第1車両10及び第2車両20の各々の前部及び後部にデジタルカメラを取り付けることが考えられる。また、各車両10・20の前部・後部それぞれに設けられる画像取得手段15・25を、左右一対とすることも考えられる。
第1車両10及び第2車両20は、それぞれ、走行中に、現在位置検出手段13、23にて現在位置を検出(現在位置の情報を取得)し、傾斜検出手段14、24にて、検出される現在位置ごとの第1車両10及び第2車両20の傾斜状態を検出し、また、画像取得手段15、25にて、検出される現在位置ごとの第1車両10及び第2車両20周辺の画像を取得する。現在位置の検出信号を記憶手段11、21に蓄積することで、第1車両10及び第2車両20それぞれの走行軌跡が記憶手段11、21にて記憶され、また、傾斜検出手段14、24及び画像取得手段15、25にて検出・取得した信号を蓄積して、当該軌跡の走行路としての状態に関する情報が記憶手段11、21にて記憶される。
さらに、本実施例では、第2車両20に、障害物検出手段26が設けられており、その検出情報は、記憶手段21に記憶される。障害物検出手段26としては、接触センサや赤外線センサ等が考えられる。なお、各第1車両10及び第2車両20が走行した軌跡上の状況として把握し記憶すべき情報としては、他に、例えば、気温、エンジン温度、エンジン負荷等に関する情報等も考えられる。
なお、無線通信用の送受信手段12、22を利用して、第1車両10及び第2車両20それぞれに車内無線LANを構築し、例えば、第1車両10において、画像取得手段15等の情報取得手段の取得する情報を、無線通信にて送受信手段12に送信し、記憶手段11に記憶させる一方、携帯情報端末18におけるコントローラから送受信手段12を介して画像取得手段15等の情報取得手段に対し指令を送るものとすることが考えられる。第2車両20においても同様である。
さらに、第1車両10及び第2車両20のうち、少なくとも第2車両20には、自己の現在位置検出手段23、傾斜検出手段24、画像取得手段25の取得した情報、及び、送受信手段22にて受信した第1車両10の送受信手段12からの情報に基づき、走行を開始すべきか中止すべきか、あるいは、走行を継続すべきか停止すべきか、を判断する判定手段27が設けられている。また、この判定手段27については、本実施例では、前記記憶手段21と統合された前記コントローラ28として第2車両20に設けるものとし、該コントローラ28は、このような判定に基づいて、エンジンの入り切りや、クラッチやブレーキの制御を行うことで、第2車両20の走行制御を行うものである。さらに、該コントローラ28は、演算手段29を備えており、該演算手段29にて、後述の如く、第1車両10が境界を画定した作業領域内における作業走行経路の割り出しのための演算処理や、処理地点P3の特定のための演算処理等が行われる。
<1−2.システムの適用条件>
以上に述べた本移動・作業システムの第1の適用条件として、第1車両10及び第2車両20が非作業時における拠点となる第1地点P1が設定されているものとする。また、このシステムの第2の適用条件として、第1車両10を運転するオペレータは、異なったいくつかの地点の中から、作業対象地とする第2地点P2を任意に選択することができるものとする。
図3は、本システムの適用条件である第1地点P1・第2地点P2が設定される具体例として、本システムを利用するオペレータの私有地(敷地)を描いている。敷地内には、オペレータの居住する家屋1があり、家屋1に隣接して、農業機械等を格納する倉庫1aが設けられている。家屋1の周囲には、森林2や川6のような自然のままの領域も広がっている一方で、放牧地3、トウモロコシ栽培地4、ジャガイモ栽培地5のような、オペレータにとっての作業地が設けられている。また、敷地内には、家屋1の正面を通る主要道路7が設けられており、家屋1から、放牧地3、トウモロコシ栽培地4、ジャガイモ栽培地5へと順にアクセスできる道路となっている。また、主要道路7の途中からは、森林2を通る迂回路8が分岐している。迂回路8は途中で分岐路8a・8bへと二股分岐し、また迂回路8として合流し、家屋1からは最も遠い作業地であるジャガイモ栽培地5の前で、主要道路7と合流する。
倉庫1aには、非作業時における第1車両10及び第2車両20が格納される。したがって、倉庫1aが第1地点P1となる。なお、少なくとも、後述のように、第1車両10の走行軌跡を第2車両20がたどるという要件を満たせるのであれば、第1車両10にとっての第1地点P1と、第2車両20にとっての第1地点P1とを、別々の場所に設定することも考えられる。例えば、第1車両10は家屋1に隣接する倉庫1aに格納し、主要道路7に沿って、倉庫1aから放牧地3までの途中の位置に設けた別の倉庫に第2車両20を格納するというようなことが考えられる。
オペレータは、作業地3、4、5の中から、その日の作業対象地を選び、第1車両10を運転して、選択した作業対象地へと赴く。このように、作業地3、4、5の中から選択した作業対象地が、その日の第2地点P2となる。なお、オペレータは、薪集め等のために、森林2の中のいずれかの地点を作業対象地である第2地点P2として選択することもある。また、第2地点P2が、オペレータにとって初めて赴く地点であることも考えられる。
<2.往路移動システム(作業対象地までの往路走行)>
以上に述べた移動・作業システムが、往路移動システムとして、作業対象地までの第1車両10及び第2車両20の往路走行において、どのように機能するかを、図1、図2、図3、図4のイメージ図を参照しつつ図5の第2車両20の往路走行制御フローチャートを用いて説明する。
<2−1.第1車両10による作業対象地までの往路走行>
まず、オペレータは、作業対象地とする第2地点P2を任意に選択し、第1地点P1から実際に第1車両10に乗り、第2地点P2まで第1車両10を運転して走行させる。この、第1地点P1から第2地点P2までの第1車両10の走行中に、前述の現在位置検出手段13、傾斜検出手段14、画像取得手段15による情報(これらの手段にて取得する情報を総合して「情報D1」とする)の取得が行われ、情報D1が記憶手段11に蓄積される(ステップS02)。すなわち、第1車両10の有人運転走行中、現在位置検出手段13は、現在位置情報を取得し、第1車両10の状態及び第1車両10の周辺の状態に関する情報を取得する情報取得手段としての傾斜検出手段14及び画像取得手段15は、第1車両10の傾斜状態情報及び第1車両10の周辺の画像情報を取得し、該傾斜状態情報及び該画像情報は、各現在位置情報に関連付けられ、すなわち、各現在位置での第1車両10の傾斜状態及び第1車両10周辺の画像を表す情報とされ、これら現在位置情報、及び該現在位置情報に関連付けられた傾斜状態情報及び画像情報が、情報D1として、記憶手段11に蓄積されるのである。
第1車両10が第2地点P2に到着すると、現在位置検出手段13、傾斜検出手段14、画像取得手段15による情報D1の取得及び蓄積は終了する(ステップS04)。ここまでの記憶手段11における現在位置検出手段13からの検出信号の蓄積は、第1車両10の第1地点P1から第2地点P2までの走行軌跡L1となり、傾斜検出手段14による検出信号の蓄積及び画像取得手段15による画像データの蓄積は、当該走行軌跡上のどの面上に凹凸があるか、また、どの地点に障害物があるか等、後に走行軌跡L1をたどることとなる第2車両20にとっての走行ルートの状態の指標となる。このように、D1を蓄積して生成した、走行軌跡L1及びその状態を示す情報を、走行軌跡情報D1aとする。この走行軌跡情報D1aは、最短でも、後述の如く第2車両20の送受信手段22に送信されるか、または、送受信手段22に送信されることなく代替走行軌跡L2が選択されるまでは、記憶手段11に記憶されている。後日の別の作業のために、代替走行軌跡L2を画定するための情報として走行軌跡情報D1aを記憶手段11に記憶しておくものとしてもよい。
オペレータは、第2車両20の走行を開始するための指令信号と、走行軌跡情報D1aを、送受信手段12から、第2車両20の送受信手段22へと送信する。この送信のタイミングとしては、第1車両10の第2地点P2への走行途中(すなわち、走行軌跡情報L1を生成している途中)から送信を開始してもよいし、あるいは、第2地点P2に到達してから、生成し終えた走行軌跡情報D1aの全部を一度に送信するものとしてもよい。第1車両10が第2地点P2に到達してからさほど時間をおかずに第2車両20が第2地点P2に到達するようにしたい場合には、第1車両10の第2地点P2への走行途中から送信を開始すればよい。また、この送信は、携帯情報端末18を第1車両10内に配置したままの状態で、第1車両10においてオペレータが携帯情報端末18を操作して行うものとしてもよいし、携帯情報端末18をオペレータが携帯して第1車両10から降り、第1車両10から離れた状態で、携帯情報端末18を用いて送信するものとしてもよい。
なお、オペレータは、第2地点P2に向かう走行中、あるいは、第2地点P2に到着した後に、例えば携帯情報端末18を用いた動画再生等で、走行軌跡情報D1aに含まれる画像データ等を把握することができ、これにより、走行軌跡L1が第2車両20の無人運転走行に適しているのか否かをオペレータが判断することができる。あるいは、携帯情報端末18の記憶手段11に第2車両20に関するデータを記憶しておいて、走行軌跡情報D1a中に走行軌跡L1が第2車両20の走行に適さないものとする要素が含まれていることが検出されると、自動的に携帯情報端末18にて画像や音等による警報が発せられるようにすることも考えられる。このようにして、走行軌跡L1が第2車両20の無人運転走行に適さないと判断されれば、オペレータは、走行軌跡情報D1aを第2車両20の送受信手段22に送信せずに、例えば、携帯情報端末18をルート選択手段16として用いて、後述の如く代替走行軌跡L2を走行すべきことの指令情報を送受信手段12から送受信手段22に送信するということも考えられる。図5のフローチャートでは、このような、オペレータによる走行軌跡情報D1aを送信するか否かの選択や、ルート選択の行程については省いており、走行軌跡情報D1aは、送受信手段22に送信されるものとして取り扱われているが、実際には、このように、本移動システムにおいては、オペレータ自身が第1車両10を運転しての体験及び記憶手段11に記憶した走行軌跡情報D1aをもととする第2車両20の走行ルートの選択の機会が提供されるのである。
また、上述のように、第2地点P2に着いてから、あるいは第2地点P2への走行中の走行軌跡情報D1aのチェックや、自身が第1車両10を運転しての実感をもとに、走行軌跡L1上に第2車両20の走行を困難とする原因があることがわかると、オペレータが、その原因の存在する地点まで引き返し、あるいは、その地点で停車して、原因となる事象を除去する(例えば、第2車両20にとっては走行しにくい段差を平らにする等)ことが考えられる。引き返して原因となる事象を除去した場合には、先の走行軌跡情報D1aの中で、当該地点に該当する現在位置での情報D1を、原因除去後のものに置き換える等して、走行軌跡情報D1aを修正することが考えられる。図5のフローチャートにおいて、ステップS01にて、第2車両20の送受信手段22が受信する走行軌跡情報D1aには、このような修正後の走行軌跡情報D1aも含まれるものとする。このように、本移動システムにおいては、第2車両20に走行開始指令を発する前に、オペレータ自身の第1車両10を運転しての体験や記憶手段11に記憶した走行軌跡情報D1aをもとに、走行軌跡L1の状態を修正する(すなわち、走行軌跡情報D1aを修正する)機会が提供されるのである。
<2−2.第2車両20による作業対象地までの往路走行>
第2車両20の送受信手段22が、第2車両20の走行開始指令SS及び走行軌跡情報D1aの信号を受信する(ステップS01)と、当該走行軌跡情報D1aをもとに、判定手段27が、第2車両20の走行を開始すべきか否かを判定する(ステップS02)。走行を開始すべきと判定されれば(ステップS02、YES)、第2車両20は、第1地点P1を出発し、走行軌跡情報D1aに基づき、走行軌跡L1をたどって、第2地点P2まで無人運転走行する(ステップS03)。この走行中に、第2車両20の現在位置検出手段23、傾斜検出手段24、画像取得手段25、障害物検出手段26による情報(これらの手段にて取得する情報を総合して「情報D2」とする)の取得が行われ、情報D2が、記憶手段21に蓄積される(ステップS04)。すなわち、第2車両20の無人運転走行中、現在位置検出手段23は、現在位置情報を取得し、第2車両20の状態及び第2車両20の周辺の状態に関する情報を取得する情報取得手段としての傾斜検出手段24、画像取得手段25及び障害物検出手段26は、第2車両20の傾斜状態情報、第2車両20の周辺の画像情報及び障害物情報を取得し、該傾斜状態情報、該画像情報及び該障害物情報は、各現在位置情報に関連付けられ、すなわち、各現在位置での第2車両20の傾斜状態及び第2車両20周辺の画像及び障害物を表す情報とされ、これら現在位置情報、及び該現在位置情報に関連付けられた傾斜状態情報、画像情報及び障害物情報が、情報D2として、記憶手段21に蓄積されるのである。
この、走行軌跡L1をたどっての走行中に、各現在位置での情報D2の取得ごとに、走行軌跡情報D1aにおける該情報D2を取得した現在位置に該当する現在位置での情報D1と該情報D2との間の差分情報ΔD、すなわち、同じ現在位置(現在位置検出手段23の検出する現在位置と現在位置検出手段13が検出した現在位置とを符合させる)でのD2における傾斜状態情報及び画像情報(傾斜検出手段24及び画像取得手段25の取得する情報)とD1における傾斜状態情報及び画像情報(傾斜検出手段14及び画像取得手段15の取得する情報)とを照合して得た差分情報ΔDとしてのパラメータ値(以下、この値を指して「差分情報ΔD)というものとする)が判定手段27にて算出される(ステップS05)。この差分情報ΔDについては、第2車両20の走行を継続させてよいか否かの判断基準としての許容範囲が設定されており、判定手段27は、該差分情報ΔDが該許容範囲を超えているか否か(ステップS06)に基づいて、走行を継続させるか停止するかを判断する。また、差分情報ΔDの誤差等により走行停止原因の見逃しが生じることのないよう、該差分情報ΔDに基づく判断に加えて、障害物検出手段26が、走行中の第2車両20にとっての障害となる物を検出しているか否か(ステップS07)を見て、走行を継続させるか停止するかを判断する。
差分情報ΔDが許容範囲内であり(ステップS06、YES)、かつ、障害物検出手段26が障害物を検出しない(ステップS07、NO)限り、第1車両10の走行軌跡L1をたどっての第2車両20の無人運転走行が継続される。なお、この、走行軌跡L1をたどっての走行の継続とは、たとえば障害物がある場合にそれを避けるようにして、若干、走行軌跡L1から外れる場合を含むものであり、後述の走行停止の場合における代替走行軌跡L3の選択のように、走行停止した地点から第2車両20が引き返すという行為を伴うケースとは区別される。
第2車両20が第2地点P2に到着する(ステップS08、YES)と、情報D2の取得・蓄積は終了する(ステップS09)。ここまでの記憶手段21における現在位置検出手段23からの検出信号の蓄積は、第2車両20自身の第1地点P1から第2地点P2までの走行軌跡L1aとなり、傾斜検出手段24、画像取得手段25、障害物検出手段26による情報の蓄積は、当該走行軌跡L1aを走行した中で、第2車両20自身の傾斜状態がどうだったか、また、第2車両20自身に対して障害物となるようなものがあったか等の情報となり、これらは、後述の如き第2車両20の復路走行ルートの状態の指標となる。この情報D2の蓄積を、走行軌跡情報D2aとする。したがって、走行軌跡情報D2aは、最短でも、第2車両20の第1地点P1への復路走行までは記憶手段21にて記憶しておかなければならない。
<2−3.第2車両20が往路走行を開始しない場合>
第1地点P1において、判定手段27が、走行軌跡情報D1a中に第2車両20の走行の障害となるものを示す情報が含まれていることを見出して、第2車両20の走行を開始できないものと判断した場合(ステップS02、NO)は、第2車両20の走行は開始されず(走行を中止し)、走行を中止したことを知らせる走行中止情報E1を送受信手段22から送受信手段12へと送信する(ステップS21)。この走行中止情報E1には、走行軌跡情報D1aのうち、第2車両20の走行中止の原因を特定する情報が含まれるものとする。たとえば、走行軌跡L1の中に、第1車両10ならば踏破できたが第2車両20では踏破できない障害物(倒木等)があるような地点が含まれているというような情報である。
送受信手段12にて走行中止情報E1が受信されると、第1車両10を運転中の、あるいは運転して第2地点P2に到達していたオペレータは、この走行中止情報E1をもとに、第2車両20の走行中止の原因を除去するか回避するかにより、第2車両20を第2地点P2まで到達させるための方策を講じることができる。原因が走行軌跡L1中のある地点における障害物であれば、オペレータが第1車両10を運転して(第2地点P2への運転中であれば、バックまたはUターンにより引き返して)その地点に出向き、その障害物を取り除くということが考えられる。このように、走行軌跡L1上の走行中止原因を取り除く(問題を解決する)と、問題解決情報E1aの信号を送受信信号12から送受信信号22へと送信する。この問題解決情報E1aの信号は、走行中止要因が除去されたことを第2車両20に知らせるとともに、第2車両20に走行開始を指令する信号である。走行中止要因の除去されたことを知らせる手段としては、問題が解消した状態でその地点を第1車両10が通過し、そのときの現在位置検出手段13、傾斜検出手段14、画像取得手段15の得る情報を、問題解決情報E1aに含ませることが考えられる。あるいは、問題解決情報E1aの信号は、単に走行中止情報E1をリセットするような信号でもよい。この問題解決信号E1aを送受信手段22にて受信する(ステップS22、YES)と、判定手段27が、再び走行開始が可能か否かを判断し(ステップS02)、走行開始可能と判断されると(ステップS02、YES)、第2地点P2に向かって走行軌跡L1をたどっての走行を開始する(ステップS03)。
走行中止の原因が、たとえば第1車両10では走破できたが第2車両20では走破が困難な傾斜である等、除去できないような場合は、他のルートを選択して第2車両20を走行させるということが考えられる。ここで、記憶手段11、21のうち、少なくともいずれかには、第1地点P1から第2地点P2への、走行軌跡L1とは異なる代替走行軌跡L2及びその状態に関する代替走行軌跡情報D1bが記憶されているものとし、送受信手段12、22により、記憶手段11、21間でその情報を共有できるものする。代替走行軌跡L2としては、第1地点P1から第2地点P2までの過去の第1車両10の走行軌跡、あるいは、第1地点P1から第2地点P2までの第1車両10の走行軌跡をたどっての第2車両20自身の走行軌跡が考えられる。図3をもとにこのような例を上げれば、第1車両10が主要道路7を通って第2地点P2に往路走行して得た走行軌跡情報D1aの中で第2車両20にとっての走行障害に関する情報を判定手段27が見出して走行中止を決定した場合に、過去に、第1車両10が、第1地点P1としての倉庫1aから主要道路7を通って、迂回路8への分岐点まで行き、当該分岐点から迂回路8に入るという経路をたどって、第2地点Pに到達したことがあって、その第1車両の走行軌跡情報、または、その第1車両の走行軌跡をたどっての第2車両の無人走行による走行軌跡情報が、記憶手段11または21に記憶されていれば、その走行軌跡を代替走行軌跡L2とし、その走行軌跡及びその状態に関する情報を代替走行軌跡情報D1bとすることができる。
この代替走行軌跡L2の選択は、第1車両10を運転するオペレータの任意選択によるものとする。ここで、第1車両10における携帯情報端末18には、ルート選択手段16が内蔵されている。これは、例えば、タッチパネルで、図3に示すような地図が表示されるとともに、その上に、今回の走行軌跡L1及び過去の走行軌跡を合わせて、複数の走行軌跡が線状に表示されるものであり、地図上の(今回の走行軌跡L1以外の)一つの走行軌跡を指でタッチすれば、その走行軌跡が代替走行軌跡L2として選択されるというようなものである。このルート選択手段16では、GPSを用いてルートの検索をすることも、記憶手段11または21に記憶しているルートを呼び出すこともできるものとする。こうして代替走行軌跡L2を選択すると、オペレータは、その代替走行軌跡情報D1bとともに走行開始指令SSの信号を、送受信手段12から送受信手段22へと送信する。第2車両20では、問題解決情報E1aの信号を受信しない場合(ステップS22、NO)に、代替走行軌跡情報D1b及び走行開始指令SSの信号を受信する(ステップS23、YES)と、判定手段27が、代替走行軌跡情報D1bをもとに、第2車両20の走行を開始させてよいか否かを判断する(ステップS24)。走行を中止すべきと判断されれば(ステップS24、NO)、その代替走行軌跡情報D1b中に含まれる走行中止原因に関する情報を含めた走行中止情報E1を、送受信手段22から送受信手段12へと送信する(ステップS21)。走行開始可能と判断されれば(ステップS24、YES)、第2車両20は、代替走行軌跡L2をたどって、第2地点P2へと無人運転走行する(ステップS25)。
走行軌跡L1における走行中止原因の除去ができず、かつ、第2地点P2への他のルートをたどっての過去の走行履歴がなくて、代替走行軌跡L2を選択することができない場合は、第2車両20においては、問題解決情報E1aの信号も、代替走行軌跡情報D1b及び走行開始指令SSの信号も、受信しない状態ということになる(ステップS22でNO、ステップS23でNO)。この場合は、走行中止情報E1を受けた第1車両10が、第1地点P1(倉庫1a)まで引き返し、新たなルート(例えば、迂回路8を通って第2地点P2へと至るコース)を走行することで、新たに、第1地点P1から第2地点P2への走行軌跡L1及びその状態に関する走行軌跡情報D1aを生成することとなる。第2車両20では、この新たな走行軌跡情報D1a及び走行開始指令SSの信号が送受信手段22で受信された場合(ステップS01)に、その走行軌跡情報D1aをもとに、走行軌跡L1をたどっての無人走行を開始すべきか否かの判断がなされる(ステップS02)。
なお、代替走行軌跡L2が記憶手段11または21に記憶されている場合に、第2車両20は、前述の如く第1車両10のオペレータが代替走行軌跡L2を選択する操作をしたことに基づく代替走行軌跡情報D1b及び走行開始指令SSの信号の受信(ステップS23)を待たなくても、自動的に、記憶されている代替走行軌跡L2を選択し、それをたどっての無人走行を開始することができるものとしてもよい。この場合に、記憶手段11に代替走行軌跡L2に関する代替走行軌跡情報D1bが記憶されている場合は、第2車両20が、無線通信システム(AまたはB)を用いて、自動的に記憶手段11にアクセスして、代替走行軌跡情報D1bを取得する。
また、前記のルート選択手段16は、そのGPSを用いてのルート検索機能を用いて、第1車両10を第1地点P1から第2地点P2へと走行させるにあたって、どのルートで第1車両10を走行させるかの選択を行うものとしても活用できる。また、前述の如く、第1車両10で第1地点P1から第2地点P2まで走行する中で、オペレータが、無人運転の第2車両20にとっては、今走行しているコースは走行困難な可能性があると判断したような場合に、走行軌跡L1に関する走行軌跡情報D1aは送信せず、ここで、ルート選択手段16を利用して、代替走行軌跡L2の選択を行い、その代替走行軌跡L2に関する情報を送受信手段12から送受信手段22へと送信して、第2車両20に代替走行軌跡L2をたどって走行させるということも考えられる。
代替走行軌跡L2での走行中(ステップS25)は、走行軌跡L1をたどっての走行中と同じく、現在位置検出手段23、傾斜検出手段24、画像取得手段25、障害物検出手段26を用いての情報D2の取得が行われる(ステップS04)。したがって、この場合は、第2地点P2への到着時点(ステップS08、YES)までの現在位置検出手段23にて取得された現在位置情報の蓄積は、代替走行軌跡L2をたどっての第2車両20の走行軌跡L2aを画するものであり、第2地点P2到達時点まで蓄積された情報D2の生成する走行軌跡情報D2aとは、第2車両20が代替走行軌跡L2をたどって取得した走行軌跡L2aとその状態に関する情報の蓄積を意味する(ステップS09)。
なお、この代替走行軌跡L2をたどっての走行中(ステップS25)において、前述の如く、過去に第1車両10または第2車両20が代替走行軌跡L2をたどって走行して得た情報が記憶手段21に記憶されている(あるいは第1車両10側の記憶手段11で記憶されていてその情報を送受信手段12から送受信手段22にて受信している)場合には、図5のステップS05としての「(差分情報)ΔD算出」とは、そのように記憶手段21の記憶または送受信手段22の受信にて得られる過去の代替走行軌跡L2をたどって取得された情報と、現に取得している情報D2との間の差分情報としての値を算出するという意味になり、ステップS06での、走行停止原因があるか否かの判断基準としての差分情報「ΔD」も、この意味の差分情報である。後述の、第2車両20が走行軌跡L1をたどっての往路走行中に走行停止(ステップS31)してから代替走行軌跡L3を選択し直して往路走行する(ステップS38)場合にも同様である。
<2−4.第2車両20が往路走行中に走行を停止する場合>
走行軌跡L1をたどっての第2車両20の走行中に、情報D1・D2間の(すなわち、ある現在位置における傾斜検出手段24や画像取得手段25により得る情報と、走行軌跡情報D1aにおけるその現在位置についての傾斜検出手段14及び画像取得手段15による情報との間の)差分情報ΔDが許容範囲を超えた場合(ステップS06、NO)、または、差分情報ΔDが許容範囲内であっても(ステップS06、YES)、障害物検出手段26が障害物を検出した場合(ステップS07、YES)は、判定手段27は、第2車両20の走行を継続すべきでないものと判断して、第2車両20の走行を停止し(ステップS31)、走行を停止した旨を知らせる走行停止情報E2を送受信手段22から送受信手段12へと送信する(ステップS32)。この走行停止情報E2には、第2車両20の走行停止の原因となった、差分情報ΔD中の、異常(許容範囲を超えた値)に関する情報、または、障害物検出手段26が検出した障害物に関する情報が含まれるものとする。たとえば、第2車両20が走行軌跡L1をたどって走行するうちに、ある地点において、第1車両10の走行中にはなかった障害物が発見されて、第2車両20が障害物を回避してそのまま走行を継続することが不可能と判断された状態を示すような情報である。
送受信手段12にて走行停止信号E2が受信されると、第1車両10を運転して第2地点P2に到達していたオペレータは、この走行停止信号E2に基づく情報をもとに、第2車両20の走行停止の原因を除去するか回避するかにより、第2車両20を第2地点P2まで到達させるための方策を講じることができる。原因が走行軌跡L1中のある地点における障害物であれば、オペレータが第1車両10を運転して第2車両20の走行停止位置まで出向き、その障害物を取り除くということが考えられる。こうして障害物が取り除かれた場合、前述の問題解決情報E1aのように、送受信手段12から送受信手段22へと、第2車両20の走行再開を促す指令や問題が解決したことを知らせる情報である問題解決情報E2aを送信する。なお、この場合には、第1車両10が第2車両20の走行停止位置まで来ているので、障害が除去された状態を、第2車両20の現在位置検出手段23、傾斜検出手段24、画像取得手段25が感知することができる(すなわち、ステップS34の、車両20の走行再開が可能か否かの判断が可能)ので、問題解決情報E2aについては、単に走行再開指令の信号とするとも考えられる。こうして、問題解決情報E2aが送受信手段22にて受信され(ステップS33、YES)、判定手段27が、障害が除去された状態を、第2車両20の現在位置検出手段23、傾斜検出手段24、画像取得手段25が感知することで、走行開始(再開)可能と判断する(ステップS02、YES)と、第2車両20は、第2地点P2に向かって走行軌跡L1をたどっての走行を再開する(ステップS03)。
走行停止の原因が、たとえば土砂崩れ等で第1車両10が走行したときにはなかった傾斜が新たに生じた場合等、すぐには原因となる状態を改善できないような場合は、第2車両20は、過去の第1車両10または第2車両20の走行軌跡である代替走行軌跡L3を利用して第2地点P2へと走行することが考えられる。図3の例でいえば、主要道路7上で障害物に出くわした場合に、迂回路8を通っての第1車両10または第2車両20の走行軌跡が記憶手段11または21に記憶されていれば、これを代替走行軌跡L3として選択し、その代替走行軌跡情報D1cを取得することで、第2車両20は、迂回路8への分岐点まで戻り、迂回路8上の代替走行軌跡L3をたどって第2地点P2へと走行するような場合が考えられる。あるいは、分岐路8a上で障害物に出くわした場合に、迂回路8が分岐路8a・8bに二股に分岐する地点まで戻り、そこから、分岐路8b上の代替走行軌跡L3をたどって第2地点P2へと走行する場合も考えられる。
代替走行軌跡L3の選択は、第2車両20において、記憶手段21での記憶情報から(あるいは記憶手段11に記憶されている情報にアクセスして)取得したものの中から自動的に最適の一つが代替走行軌跡L3として選択されるものとしてもよいが、本実施例では、第1車両10を運転したオペレータが、ルート選択手段16を用いて任意で選択し、その選択結果を、送受信手段12から送受信手段22へと送信することに基づくものとする。すなわち、走行停止して(ステップS31)、走行停止情報E2を送信した(ステップS32)第2車両20は、問題解決情報E2aの信号の受信がない場合において(ステップS33、NO)、代替走行軌跡情報D1c及び走行開始指令SSの信号を受信すると(ステップS34、YES)、判定手段27が、代替走行軌跡情報D1cをもとに、代替走行軌跡L3での走行が可能か否かを判断する(ステップS35)。走行不能と判断すれば(ステップS35、NO)、新たに、代替走行軌跡情報D1c中の走行停止原因に関する情報を含む走行停止情報E2を送受信手段22から送受信手段12へと送信して(ステップS32)、次の第1車両10からの信号の受信を待つ。
ステップS35にて走行可能と判断する(YES)と、車両20は、代替走行軌跡L3の起点(走行軌跡L1と代替走行軌跡L3との合流点)まで、Uターンかバックにて引き返す(ステップS36)。なお、この起点は、第1地点P1である可能性もある。この引き返し走行中に、代替走行軌跡L3の起点と走行停止地点との間で得た情報D2はリセットする(ステップS36)。代替走行軌跡L3の起点に到着すると(ステップS37、YES)、そこから代替走行軌跡L3をたどっての無人運転走行を開始し(ステップS38)、この代替走行軌跡L3をたどっての走行中に、現在位置検出手段23、傾斜検出手段24、画像取得手段25、障害物検出手段26を用いての情報D2の取得が行われる(ステップS04)。つまり、走行軌跡情報D2aを生成すべく第2地点P2到達までに記憶手段22に蓄積される情報D2は、第1地点P1から、走行軌跡L1aの途中となる代替走行軌跡L3の起点までの走行中に取得された情報D2、及び、該引き返し地点から、代替走行軌跡L3を通って第2地点P2までの走行中に取得された情報D2である。
こうして、代替走行軌跡L3を利用して走行した第2車両20が第2地点P2に到達した時点(ステップS08、YES)までの情報D2の蓄積が、第2車両20の第1地点P1から第2地点P2までの走行軌跡L3aを画するものであり、走行軌跡L3a及びその状態に関する走行軌跡情報D2aが生成されることとなる(ステップS09)。
なお、前述の如く、前記引き返し地点と走行停止位置との間での往復路で得た情報D2はリセットされることからわかるように、代替走行軌跡L3を用いた第2車両20の走行による走行軌跡L3aは、第1地点P1から第2地点P2までの往路1方向のみの走行の軌跡を指すものであり、前記の引き返し地点と走行停止位置との間で往復した軌跡は含まない。例えば、前述の如く分岐路8aの途中に障害物があって、そこで第2車両20が走行停止し、迂回路8が分岐路8a・8bに二股分岐する地点まで引き返し、分岐路8bを通って、第2地点P2としてのジャガイモ栽培地5まで走行する場合の代替走行軌跡L3とは、第1地点P1である倉庫1aから、家屋1・倉庫1a前の主要道路7を経て、迂回路8に入り、迂回路8の分岐路8a・8bへの二股分岐点までくると、そこからは迂回路8bをたどってジャガイモ栽培地5まで走行するルートを指すものであり、走行停止位置と迂回路8の二股分岐点との間で実際に第2車両20が往復移動した分岐路8a上のルートは含まれない。これは、第2車両20の往路走行軌跡を記憶する目的が、第2車両20の復路走行経路として利用することであるからである。
したがって、走行軌跡L2aも、走行軌跡L3aも、第1地点P1から途中まで、車両1の走行軌跡L1をたどっての走行軌跡L1aと重複する場合があり、また、走行軌跡L1とは別のルート、あるいは走行軌跡L1の途中から分岐するルートをたどって第1地点P1から第2地点P2までの往路方向の走行軌跡であるという点で共通している。走行軌跡L2aと走行軌跡L3aとの区別は、走行軌跡L2aが、第1地点P1での走行開始前に設定された代替走行軌跡L2を利用して第2地点P2まで走行した結果、画定されたものであるのに対し、走行軌跡L3aは、第1地点P1から第2地点P2への走行途中で走行停止して引き返すという動作のあとに代替走行軌跡L3を利用して第2地点P2まで走行した結果、画定されたものであるという定義上の違いである。
なお、走行停止原因が除去されず(車両20が問題解決情報E2aを受信しない状態(ステップS33、NO))、有効な過去の代替走行軌跡情報D1cが存在しない場合一つの代替走行軌跡L3が選択され、第2車両20がその情報D1cを受信したものの、走行開始不可と判断して、新たに走行停止情報E2を送信し、そのあと、有効な代替走行軌跡L3が存在しない場合を含む)には、第1車両10が新たに代替走行軌跡L3とその情報D1cを生成すべく、走行する必要がある。なお、こうして新たに形成する代替走行軌跡L3が、その起点を、走行軌跡L1の途中ではなく、第1地点P1とする場合もあり得る。しかし、新たに走行軌跡を生成する場合でも、過去の走行軌跡を頼りとする場合と同様に、第2車両20が代替走行軌跡L3の起点まで引き返し、その間に情報D2をリセットする必要があることに変わりはない。したがって、ステップS34の代替走行軌跡情報「D1c」、ステップS36〜38の代替走行軌跡「L3」には、このようにして、新たに第1車両10が別ルートを走行して生成した代替走行軌跡情報D1c及び代替走行軌跡L3が含まれるものである。
なお、代替走行軌跡L3の起点と走行停止位置との間で取得した情報D2をリセットするものとしたが、これをリセットせずに、走行軌跡L3aの情報とは別に、そのルートに走行停止原因があることを知らしめるための情報として記憶しておくことも考えられる。
<3.作業システム(作業対象地での作業)>
有人運転走行第1車両10は、第2車両20が第2地点P2にて作業を開始するための準備として、第2車両20が作業走行すべき領域や経路を画定するために用いられる。無人運転走行第2車両20は、作業対象地である第2地点P2に到達後は、送受信手段12、22間での無線通信を利用して、作業を行う。また、第2車両20の無人運転走行による作業中には、第1車両10は、当該作業から離れて、オペレータが休憩を取ったり、あるいは、例えば前述の如く森林2まで出かけて薪集め等の他の作業をしたりするための移
動手段として用いられたり、第2車両20の作業に対し補佐的な作業を行うために用いられたりする。本作業システムにおいては、このように第2車両20の無人運転走行による作業を確立するうえで必要とされる場面及び領域のみにだけ、オペレータが第1車両10を用いて、第2車両20の作業にかかわるようにして、無人運転第2車両20の作業中におけるオペレータの行動の自由性を確保するもとしており、そのような状態を確保するために用いられるのが、送受信手段12・22間での無線通信である。
このように、第2車両20を用いての作業のために第2車両20と第1車両10(または第1車両10から取り外した携帯情報端末18)との間での無線通信が適用される態様として、第1態様:作業領域または作業経路の画定、第2態様:作業走行中の処理地点の指定、第3態様:作業走行の停止、があり、これらについて、図6乃至図8のイメージ図及び図9の第2車両の作業走行制御フローチャート図により説明する。
<3−1.第1態様:作業領域または作業経路の画定>
第1車両10は、作業対象地である第2地点P2到達後に、作業領域の画定のための走行を行う。これは、図6に示すように、オペレータの運転により第1車両10を走行させて、その走行軌跡L4を、作業領域の境界として画定することにより行う。すなわち、この走行中に、第1車両10の現在位置検出手段13が取得する現在位置に関する情報D3を記憶手段11に蓄積し、当該走行を終えて、情報D3の取得・蓄積を終了することで、ここまでの情報D3の蓄積を、第1車両10の走行軌跡L4を画定する走行軌跡情報D3aとして生成する。なお、好ましくは、この走行軌跡L4を画定するための走行中にも、傾斜検出手段14、画像取得手段15を用いての検出や画像取得を行うことで、作業領域の境界の状態に関する情報も現在位置に関する情報D3と関連付けて収集し、走行軌跡情報D3aに組み入れる。これにより、領域の境界の状態の把握から、領域内の状態も推測され、その推測に基づき、後記の作業走行経路Wの演算精度を高めることができる。
こうして記憶手段11において画定された走行軌跡L4に関する走行軌跡情報D3aは、送受信手段12から第2車両20の送受信手段22へと送信される。第2車両20は、送受信手段22にて走行軌跡情報D3aを受信することで(ステップS41、YES)、該走行軌跡情報D3をもとに作業領域を認識する(すなわち、第1車両10の走行軌跡L4を作業領域の境界と認識し)。そして、前記演算手段29にて、走行軌跡L4で囲まれる作業領域内を、可能な限り全域にわたって作業走行するために、どのような作業走行経路Wをとればよいのかを演算し(ステップS42)、演算にて決定した作業走行経路Wをたどって第2車両20が作業走行する(ステップS43)。なお、作業走行経路Wの演算の結果を受けて、前述の往路走行開始の許可・不許可の判定(図5のステップS02参照)のように、判定手段27が、第2車両20の作業走行の開始について許可・不許可を判断することも考えられる。
以上のように、第2車両20の作業領域及び作業走行経路を画定する行程としては、作業領域の境界となる線上を第1車両10が走行するだけで、第2車両20の作業すべき領域が画定され、自動的に第2車両20が領域内の作業走行経路Wを算出して走行するので、第2車両20の作業走行のためにそれに先立ってオペレータが実際に第1車両10を運転して走行する距離が短くてすみ、第1車両10を運転するオペレータにとっての自由時間の増大につながる
なお、図6に示す実施形態においては、作業領域の境界(走行軌跡L4)画定のための第1車両10の有人運転走行は、第2車両20が作業を開始すべき時までに行っておけばよい。ここで、前述の如き往路走行についての移動システムにより、第2車両20の無人運転走行状態をオペレータが一々気にすることなく、第2車両20に先がけて、第1車両10の有人運転による往路走行にて、オペレータが早く作業対象地である第2地点P2に到達することができ、また、走行軌跡情報D1aの送信タイミングを調整すれば、第2車両20の無人運転による往路走行の時間帯も調整できるので、第2車両20のための作業領域の境界または作業走行経路の画定のために第1車両10を有人運転走行させることについての時間的な余裕も確保できる。つまり、前述の如き往路走行のための移動システムにより、有人運転走行第1車両10の往路移動についての走行自由度の向上という効果が得られ、そのことがまた、作業対象地(P2)における第1車両10を用いての第2車両20の作業のための準備行程に余裕をもたらすという効果を生んでいる。このように、良好な移動システムを確立するのは、良好な作業システムを確立するためでもある。
<3−2.第2態様:作業走行中の処理地点の指定>
図7は、第2態様が適用される例として、本システムを用いての地中作物(ここではジャガイモとする)の収穫作業の様子を図示している。第2車両20としてのトラクタには掘取機20aが装着され、掘取機20aにてジャガイモを地上に掘り起こしながら第2車両20が作業走行経路W上を走行する。第2車両20は、作業走行経路Wをたどっての走行中に、第1車両10が来て処理を行うべき処理地点P3(P3a、P3b、P3c)を指定する。この場合、処理地点P3とは、掘り起こしたジャガイモの量が一つの積載単位(たとえば、コンテナ一杯分)に達した地点を指す。このため、第2車両20は、作業走行しながら、処理地点P3画定のための情報D5を取得し(ステップS44)、前記演算手段29にて該情報D5をもとに演算処理を行い、処理地点P3を画定する(ステップS45)。情報D5としては、例えば、走行距離に対しての作付け量が一定に割り出されるのであれば、現在位置検出手段23や通常の走行距離検出手段等の検出データを情報D5とし、これらを用いて算出した走行距離をもとに、処理地点P3を決定することができる。あるいは、画像取得手段25を用いて、実際に掘り起こした収穫物の画像を情報D5とし、該画像をもとに収穫物の掘り起こし数をカウントし、そのカウント数と現在位置検出手段23にて検出する現在位置の情報をもとに画定するものとしてもよい。あるいは、その作業の種類に適した処理地点P3の画定のための専用の検出手段や演算手段を備えるものとしてもよい。
このような演算処理にて生成された情報は、処理地点P3を画定する処理地点情報D5aとして、送受信手段22から送受信手段12へと送信される(ステップS46)。なお、処理地点情報D5aは、第2車両20による作業の全行程が終了してから送信してもよいし、一つの処理地点P3が指定されるごとに、逐次、その処理地点P3に関する処理地点情報D5aを送信するものとしてもよい。また、携帯情報端末18を用いて、オペレータが処理地点情報D5aの送信タイミングを設定できるものとしてもよい。
なお、処理地点P3(P3a、P3b、P3c)については、第1車両10に設けられている携帯情報端末18の演算機能を用いて、第2車両20が作業走行する前に算出できる場合もあり得る。この場合には、第1車両10側で割り出した処理地点P3の情報を第2車両20の送受信手段22に送信し、記憶手段21に記憶させておき、第2車両20が作業走行する中で、記憶している処理地点P3の情報をもとに、各処理地点P3を通過したことが検出されたら、そのたびに、第2車両20が各処理地点P3を通過したことを知らせる情報を送受信手段12へと送信するものとしてもよい。第1車両10側においては、第2車両20からの処理地点P3の通過についての情報信号を受信するごとに、第2車両20がそこまでの作業を終えたことを認識することができる。
第2車両20の作業走行終了後、あるいは、作業走行中の第2車両20を追いかけるように、オペレータが第1車両10を運転し、作業走行経路Wに沿って地上に掘り起こされている収穫物(ジャガイモ)を第1車両10に積載する。ここで、第1車両10による収穫作業にあたって、送受信手段12にて受信した処理地点情報D5aが用いられる。第1車両10のオペレータは、処理地点P3(P3a、P3b、P3c)を画定する処理地点情報D5aにより、第2車両20による作業がどれだけ進んだのか、第1車両10により処理を行うべき箇所としての処理地点P3がいくつあって、それぞれの処理地点P3a、P3b、P3cがどこなのかを把握することができ、その情報をもとに、第1車両10を運転して各処理地点P3a、P3b、P3cへと向かい、たとえば掘り起こしたジャガイモのコンテナへの回収、第1車両10への積載作業を行う。
具体的には、まず第1車両10を処理地点P3aに止めておき、第2車両20が作業を開始した地点から処理地点P3aまで、作業走行経路W沿いに地面に掘り出されているジャガイモを、第1車両10より降りたオペレータが作業走行経路Wに沿って歩きつつ一つのコンテナに回収する。各処理地点P3は、一つのコンテナが一杯になる地点となるように算出されたものなので、丁度、第2車両20が作業開始した地点から処理地点P3aまでのジャガイモを全て回収したところで、コンテナが一杯になり、オペレータは、第1車両10の荷台にこのコンテナを積み込む。第1車両10が処理地点P3aに止まっているため、オペレータが、ジャガイモで一杯になった重いコンテナを第1車両10の荷台まで運ぶ距離が極めて短くてすみ、人手作業となる掘取られたジャガイモの回収・積み込み作業の負担が軽減される。こうして、処理地点P3aにおける第1車両10へのジャガイモの積み込みが終わると、オペレータは、次の処理地点P3bまで、有人運転走行にて第1車両10を移動させ、処理地点P3bにて第1車両10を止め、第1車両10から降りたオペレータは、処理地点P3aから処理地点P3bまで、作業走行経路Wに沿って地面に掘り上げられているジャガイモをコンテナに回収し、処理地点P3bにてジャガイモで一杯になったコンテナを第1車両10の荷台に積み込む。処理地点P3bでの積み込みが終了すると、処理地点P3cまで第1車両10を移動させ、処理地点P3bから処理地点P3cまでのジャガイモの回収・処理地点P3cでのコンテナの積み込みを行う。このように、各処理地点P3に第1車両10を停車しての収穫物の回収・積載作業とすることで、人手による当該作業の負担が軽減し、効率のよい収穫作業を実現できる。
また、作業第1車両10を各処理地点P3に停車させてのこのような作業を、第2車両20が全作業行程を終えた後とすることで、作業第1車両10を用いての回収・積載作業を開始する時点では、処理地点P3の全てが第1車両10のオペレータに把握され、オペレータは、第1車両10を運転し、効率よく移動できる処理移動経路Tをたどって、最初の処理地点P3aから最後の処理地点P3cまで順に巡り、全ての収穫物の回収・積載を終えることができる。このように、人手作業を軽減できて効率的な収穫物の回収・積込を可能とするような処理地点P3が、第2車両20の演算手段29にて自動的に演算され、その処理地点P3に関する処理地点情報D5aが無線通信にて送受信手段12に送信されてくるので、第1車両10のオペレータは、第2車両20の作業進行度がどのぐらいかをずっとモニターしなくても(例えば、第1車両10にて一つの処理地点に出向いて処理を済ませては、第2車両20の作業中の待機場所に戻り、第2車両20のまた次の処理地点P3bに出向くというような往復走行を繰り返したり、第2車両20に追従するように第2車両20の作業走行経路Wをずっとたどって第1車両10を移動させたりしなくても、)、全作業行程を終えるまで、休憩をとる等、余裕をもって作業を行うことができ、また、オペレータの人手による処理作業自体も効率的に行うことができるのである。
なお、送受信手段12・22間の無線通信を利用しての収穫作業としては、第1車両10を無人走行もできるものとし、作業走行する第2車両20からの位置情報に基づいて、無人走行の第1車両10が第2車両20に伴走し、あるいは第2車両20の作業走行後に、作業走行経路Wをたどって第1車両10が無人走行し、第1車両10の近傍にて、オペレータが地上に掘り起こされた収穫物を回収し、第1車両10に積載するということも考えられる。この場合には、処理地点P3を、第1車両10が自動にて停止するポイントとすることが考えられる。例えば、最初に、処理地点P3aにて第1車両10を停止しておき、オペレータは地上にて収穫物の回収及び第1車両10への収穫物の積載を行う。処理地点P3aに停止している第1車両10に対しての積載作業が済むと、第1車両10から取り外して携帯していた携帯情報端末18にて、第1車両10に、次の処理地点P3bまでの走行を指令し、第1車両10は無人走行にて処理地点P3bまで行って、そこで停止する。オペレータは、処理地点P3bにて停止している第2車両20に積載すべき収穫物を回収して、該第2車両20に積載する。処理地点P3bに停止する第2車両20への収穫物の積載が終了すれば、前記同様に、第2車両20を無人走行させ、処理地点P3cにて停止させ、処理地点P3に停止している第2車両20に対しての収穫物の回収、積載を行うのである。
<3−3:作業走行の停止>
ある原因で、第2車両20が作業走行を停止すると、停止したことと、停止位置P4に関する情報を、送受信手段22から送受信手段12へと送信し、第1車両10のオペレータは、送受信手段12の受信した情報をもとに、第2車両20の停止位置P4へと第1車両10を走行させて、原因を除去する。この走行停止の原因は、大きく二つに分かれる。
一つは、障害物が地上にある場合や、トラクタである第2車両20が装着する作業機の故障等、想定外のトラブルが発生して、第1車両10のオペレータによるトラブル処理等を待たなければならないというケースである。トラブルの把握は、障害物であれば作業走行中における画像取得手段25による画像の取得や障害物センサ26による検出により把握が可能であり、また、エンジントラブルや作業機のトラブル(昇降装置がうまく駆動しない等)の検出手段等、通常のトラクタに備えられているようなトラブル検出手段を第2車両20が備えているのであれば、これを用いてのトラブルの検出が可能である。第1車両10のオペレータは、送受信手段12にて受信した情報により、第2車両20の走行停止の事実とその停止原因のトラブル内容を認識し、第1車両10を運転して停止位置P4へと向かい、トラブルの除去作業を行う。判定手段27は、トラブルが除去されたことを確認して、第2車両20の作業走行の再開を決定するのである。
なお、図9のフローチャートでは、前記の、処理地点P3の指定を行いつつ第2車両20が収穫(土中作物の掘り起こし)作業走行をしている途中で、走行停止原因が発生した場合の原因除去の過程を示している。すなわち、当該作業走行中に第2車両20において、走行停止位置及び走行停止要因を示す走行停止情報E3の信号が取得(検出)されると(ステップS47)、判定手段27は、走行停止すべきものと判断して、第2車両20をそこで停止し(ステップS48)、この停止位置P4の特定及びその停止要因等からなる走行停止情報E3が、送受信手段22から送受信手段12へと送信され(ステップS49)、これにより、走行停止情報E3を把握したオペレータが、第1車両10を運転して停止位置P4へと出向き、走行停止要因を除去する。これにより、走行停止情報E3が解消されると、送受信手段12から送受信手段22へと、走行開始指令及び問題解決(走行停止原因が除去されたこと)に関する情報である問題解決情報E3aが送信される。第2車両20は、問題解決情報E3aが送受信手段22にて受信される(ステップS50、YES)と、(掘り起こし)作業走行を再開し(ステップS43)、該作業走行中に情報D5を取得して処理地点P3を画定する行程を継続する(ステップS44、S45)。
大きな二つの走行停止原因のうちの、もう一つは、現に実施している作業の性質上、必然的に作業走行を停止して、第1車両10が停止位置P4に来て作業再開のための処理を待たなければならないというケースである。たとえば、図8は、播種機、施肥機、または施肥播種機等の、施肥作業または播種作業用の作業機20bを装着したトラクタである第2車両20の無人走行による播種作業または施肥作業の様子を示している。このような播種作業中や施肥作業中において、第2車両20に装着している作業機20bである播種機の種子ホッパーや施肥機の肥料容器が空になると、第2車両20は作業走行を停止し、その停止位置P4に、オペレータが第1車両10にて駆けつけて、種子や肥料の補充を行うのである。この場合、第2車両20には、種子量や肥料量等を検出する検出手段が設けられていて、該検出手段により種子や肥料等の欠乏が検出されると、判定手段27が走行を停止すべきことを判断し、送受信手段22から送受信手段12へと、走行を停止したこと、走行を停止した原因、停止位置P4に関する走行停止情報E3を送信する。第1車両10のオペレータは、送受信手段12にて受信した情報により、第2車両20の種子や肥料の欠乏を認識し、第1車両10を運転して停止位置P4へと向かい、種子や肥料の補充作業を行う。判定手段27は、これら補充作業が完了したことを確認して、第2車両20の作業走行の再開を決定するのである。
なお、以上の説明でわかるように、図9のフローチャート図は、第1態様の流れの一例として、図6に示すような、第1車両10が作業領域の境界を画定した後に第2車両20が境界内の作業領域における作業走行経路を画定する流れと、第2態様の流れの一例として、図7に示すような、第2車両20が土中作物(ジャガイモ)の掘起し作業走行をして、第1車両10がその回収・積載に用いられるという収穫作業の流れとを組み合わせたものであり、第3態様については、第2態様としての第2車両20の当該掘起し作業走行の中で、第2車両20が走行停止要因の発生にて走行停止するか否かを判断する場合を想定しての流れとしている。このように、図9のフローチャート図は、第1様態、第2様態、第3様態それぞれの一例を組み合わせたものである。この一方、前述の播種または施肥作業のように、作業の種類によっては、第2態様が現れず、第1態様と第3態様との組み合わせとなるものもある。
ここで、見方を変えると、播種作業や施肥作業における種子や肥料の補充は、その作業を成立させるために第1車両10を運転するオペレータが行う処理作業なので、このような種子や肥料の補充地点としての停止位置P4とは、一種の処理地点ともいえる。つまり、前述の収穫作業で画定する処理地点P3と同様に、第1車両10が行ってそこで処理作業を行うのであるが、その処理作業は、第2車両20を停止させておかなければいけないものなので、結果として、その処理地点が、トラブル処理の場合と同様に、走行停止位置P4となるのである。いいかえれば、この作業システムを用いて、無人運転走行の第2車両20が作業走行し、有人運転走行の第1車両10がその作業を補佐するという形で成り立つ作業として、図7に示す収穫作業と、図8に示す播種または施肥作業とがあるところ、収穫作業は、第2車両20が作業走行を継続しつつ処理地点P3を指定する第二態様に属するものであり、播種または施肥作業は、第2車両20が作業走行を停止する停止位置P4を指定する第三態様に属するものである。そして、もう一つの第三態様に属するトラブル処理のための停止位置P4の指定に関しては、図9に示すように第二態様に属する収穫作業走行中にもあり得るし、第三態様に属する播種または施肥作業走行中にもあり得る。
したがって、第2車両20の播種や施肥作業走行については、フローチャートとして図示されていないが、図9のステップS41〜S43、そして、ステップS47〜S50のフローが用いられる。ここで、走行停止情報E3(停止位置P4の画定)には、種子や肥料の補充のための走行停止情報も、その他のトラブル処理のための走行停止情報も含まれるものである。
以上のように、作業走行中の第2車両20が走行停止したことと、その停止位置P4と、その走行停止の原因に関する情報を、送受信手段12の受信により知ることができるので、オペレータは、例えば、敷地内のいずれかに設けた休憩所等で第1車両から降りて休憩をとる際に、第1車両10から取り外した携帯情報端末18を携帯しておけば、携帯情報端末18の送受信手段12の受信した情報を把握することができ、走行停止している第2車両20について、適切に対処することができる。
<4.復路移動システム(作業対象地からの復路走行)>
たとえば前述の如きジャガイモの収穫作業であれば、第2車両20が全ての掘り起こし作業を終えてから、オペレータの運転による第1車両10での収穫・積載作業となるので、作業対象地である第2地点P2における第1車両10での作業中に、第2車両20を第1地点P1へと復路走行させることが考えられる。すなわち、第1車両10にさきだって、第2車両20を無人運転にて復路走行させるのである。そこで、図10図11に示すような、無線通信を用いての復路移動システムが適用される。
第2車両20の復路走行にあたって、第2車両20の記憶手段21においては、前述の走行軌跡情報D2a、すなわち、第1車両10の走行軌跡L1をたどっての第2車両20の往路走行の軌跡L1aとその状態、あるいは代替走行軌跡L2やL3をたどっての走行軌跡L2aまたはL3aとその状態に関する情報が記憶されている。そこで、第1車両10のオペレータが第2車両20に向けて走行開始指令SSを発し、送受信手段22にて走行開始指令SSの信号が受信されると(図11においてステップS61、YES)、第2車両20は、走行軌跡情報D2aを読み取る(図11において、ステップS62)。ここで、例えば走行軌跡L1a、L2aまたはL3a上に段差がある場合、段差の形状等によっては、往路走行では走破できてもその逆方向の復路走行では走破できないような場合もあるので、往路走行時と同様に、走行開始前に、判定手段27にて走行を開始すべきか否かを判断し(ステップS63)、走行開始してよいと判断した場合(ステップS63、YES)に、第2車両20は第2地点P2を出発し、往路走行時に得た走行軌跡L1a、L2aまたはL3aを逆にたどって、第1地点P1までの復路走行を行う(ステップS64)。
第2車両20は、往路の走行軌跡情報D2aをもとに、往路の走行軌跡L1a、L2a、L3aを逆にたどっての復路走行中に、現在位置検出手段23、傾斜検出手段24、画像取得手段25、障害物検出手段26を用いての情報D6の収集を行い(ステップS65)、その情報D6と、往路走行時に取得し記憶手段21に蓄積している走行軌跡情報D2a中の相当する情報D2と(すなわち、同じ現在位置における情報D6の傾斜状態・画像・障害物情報と情報D2の傾斜状態・画像・障害物情報と)を照らし合わせて、両情報間の差分情報ΔDaとしてのパラメータ値(以下、単に「差分情報ΔDa」)を算出し(ステップS66)、差分情報ΔDaが、走行停止すべきか否かの基準となる許容範囲内にあり(ステップS67、YES)、かつ、障害物検出手段26も障害物を検出しない(ステップS68、NO)場合は、第1地点P1に向けて走行軌跡L1a、L2aまたはL3aをたどっての走行を継続する。第2車両20が第1地点P1に到達したら(ステップS69、YES)、位置検出手段23、傾斜検出手段24、画像取得手段25による情報D6の取得は終了する(ステップS70)。また、好ましくは、送受信手段22から送受信手段12への送信にて、第1車両10が第1地点P1に到達した旨をオペレータに知らせる。
<4−1.第2車両20が復路走行を開始しない場合>
第2地点P2において、判定手段27が走行を開始すべきでないと判断すれば(ステップS63、NO)、走行中止情報E4が送受信手段22から送受信手段12へと送信される(ステップS71)。オペレータは、送受信手段12にて受信する走行中止情報E4により、第2車両20の復路走行が開始されない原因を知ることができる。オペレータが第1車両10でその原因となる事象が発生している地点まで行って問題解決し、問題解決された旨を知らせる問題解決情報E4aを送受信手段12より送信する。送受信手段22が問題解決情報E4aを受信し(ステップS72、YES)、判定手段27が走行開始を許可する(ステップS63、YES)と、第2車両20は、往路走行軌跡を逆にたどって復路走行すべく(ステップS64)、第2地点P2を出発する。また、走行中止情報E4を把握したオペレータは、問題の解決(走行停止原因の除去)よりも、ルート選択手段16を用いての別ルートの選択という手段を講じることもあり得る(別ルートの選択は、第2車両20において自動的に行われることも考えられる)。
この別ルートについても、往路走行時と同様に、過去の第1車両10の走行軌跡及び第2車両20の走行軌跡のうちの一つが代替走行軌跡L2bとして選択される。なお、第1車両10の走行軌跡を代替走行軌跡L2bとした場合は、帰路走行は、第1車両10の走行軌跡を逆にたどることとなる。また、代替走行軌跡L2bとして選択できるような過去の走行軌跡が得られない場合は、第1車両10が第2車両20に先がけて、第1地点P1まで移動し、それで生成される走行軌跡を代替走行軌跡L2cとする。この場合、往路走行と同様に、第1車両10の走行軌跡をたどって第2車両20が第1地点P1まで無人運転走行することとなるが、復路走行においては、第2地点P2での走行開始前に、往路走行で得た走行軌跡L1a、L2a、L3a以外から選択された走行軌跡の全てを、代替走行軌跡L2bと称するものとする。
こうして代替走行軌跡L2cが選択され、送受信手段22にて、その走行軌跡情報D2b及び走行開始指令SSの信号が受信されると、判定手段27による走行開始の許可・不許可の判断がなされ(ステップS74)、走行開始可能と判断されると(ステップS74、YES)、第2車両20は、この代替走行軌跡L2cをたどって復路走行する(ステップS75)。また、代替走行軌跡L2cをたどっての走行中も、走行停止の要因がないかの確認のための差分情報ΔDa(この場合は、代替走行軌跡情報D2bとの比較により算出される)を算出する等のために、情報D6の取得が行われる(ステップS65、S66)。
<4−2.第2車両20が復路走行中に走行を停止する場合>
前述の如く、第2車両20の復路走行中に算出した差分情報ΔDaの中に、許容範囲を超えるような値が検出されるか(ステップS67、NO)、または、障害物検出手段26にて障害物が検出される(ステップS68、YES)と、判定手段27は、走行継続不能と判断し、第2車両20をその場にて走行停止させる(ステップS81)。そして、走行停止の旨、走行停止した位置及び走行停止の要因等の情報を含む走行停止情報E5が送受信手段22から送受信手段12へと送信され(ステップS82)、第1車両10のオペレータに、復路における第2車両20の走行停止の状態を認識させる。オペレータは、送受信手段12の受信情報に基づき、第1車両10を運転して第2車両20の走行停止位置まで出向き(または、全ての作業行程を終えての第1車両10の復路走行の途中で、第2車両20の走行停止位置で停止し)、第2車両20の走行停止の要因を除去した場合には、少なくとも走行開始指令の信号を含む問題解決情報E5aの信号を第2車両20へと送信する。第2車両20では、問題解決情報E5aを受信する(ステップS83)と、走行開始が可能か否かを判定手段27にて判断し(ステップS63)、走行開始可能と判断されれば(ステップS63、YES)、走行軌跡L1a、L2aまたはL3aを逆にたどっての無人走行を再開する(ステップS64)。
また、オペレータは、走行停止情報E5における情報をもとに、そのルートでの走行停止要因が除去できないものであることを判断して、前述のルート選択手段16を用いる等して、代替走行軌跡L3bを選択した場合には、その代替走行軌跡情報D2cを送信する。第2車両20では、代替走行軌跡情報D2cを受信すると(ステップS84、YES)、その代替走行軌跡情報D2cをもとに、走行開始可能な否かが判定手段27にて判断される(ステップS85)。走行可能と判断されれば(ステップS85、YES)、車両20は、代替走行軌跡L3bの起点(走行軌跡L1a、L2aまたはL3aと代替走行軌跡L3bとの合流点)まで、Uターンかバックにて引き返す(ステップS86)。代替走行軌跡L3bの起点に到着すると(ステップS87、YES)、そこから代替走行軌跡L3bをたどっての無人運転走行を開始し(ステップS88)、この代替走行軌跡L3bをたどっての走行中に、現在位置検出手段23、傾斜検出手段24、画像取得手段25、障害物検出手段26を用いての情報D6の取得が行われ(ステップS65)、差分情報ΔDa(この場合は、代替走行軌跡情報D2cと情報D6との間での差分情報ΔDa)の算出が行われる。
代替走行軌跡L3bとしては、代替走行軌跡L2bと同様に、過去の第1車両10の走行軌跡や第2車両20の走行軌跡で取得可能なものの中から選択する。有効な過去の走行軌跡の記憶がない場合は、新たに第1車両10が復路走行して、代替走行軌跡L3b及びその情報D2cを生成し、その代替走行軌跡情報D2cを第2車両20へと送信するものとする。
なお、第2地点P2から第1地点P1への第2車両20の復路走行の軌跡を、後々の同じ第2地点P2からの復路走行についての代替走行軌跡として記憶しておくことも考えられる。この場合には、往路走行中に走行停止した場合の理由と同じ理由で、走行停止位置から代替走行軌跡L3bの起点までの引き返し(ステップS86)分の情報D6を削除するものとしてもよい。あるいは、前述の如く、その分の情報D6を、走行停止の原因が存在するルートであることを知らしめるための情報として、記憶しておくものとしてもよい。
本発明に係る有人走行作業車両と無人走行作業車両による無線通信を用いての作業システムは、開示の実施例以外にも、様々な分野や用途においての適用が考えられる。
10 第1車両(有人走行作業車両)
20 第2車両(無人走行作業車両)
11、21 記憶手段
12、22 送受信手段
13、23 現在位置検出手段
14、24 傾斜検出手段
15、25 画像取得手段
16 ルート選択手段
18 携帯情報端末
26 障害物検出手段
27 判定手段
29 演算手段
D3a 走行軌跡情報
L4 (車両10の)走行軌跡
P3(P3a、P3b、P3c) 処理地点
P4 停止位置
T (車両10の)処理走行経路
W (車両20の)作業走行経路

Claims (3)

  1. 有人走行作業車両である第1車両及び無人走行作業車両である第2車両を用いた作業システムであって、
    該第1車両と該第2車両との間で情報の伝達を可能とする無線通信システムを構成しており、
    該第2車両は、該無線通信システムにて、該第1車両の走行軌跡に関する走行軌跡情報を受信し、該走行軌跡情報をもとに、該第1車両の走行軌跡が作業領域の境界を画するものとして、該作業領域内における該第2車両の作業走行経路を算出し、算出された該作業走行経路をたどって無人運転にて作業走行可能に構成され、
    前記作業走行経路中における一つ以上の処理地点が算出され、前記無線通信システムにて、該処理地点に関する情報が該第2車両から該第1車両へと送信されると、該情報を基に第1車両が処理地点に自動で移動して停止することを特徴とする作業車両による作業システム。
  2. 前記第2車両が走行を停止した場合、前記無線通信システムにて、その停止位置及び停止の原因に関する情報が該第2車両から該第1車両に送信されることを特徴とする請求項1に記載の作業車両による作業システム。
  3. 前記第1車両には、前記無線通信システムを用いての情報の送受信を可能とする携帯情報端末が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業車両による作業システム。
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