JP6364645B2 - バイオマス処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、バイオマスを効率よく加熱処理するためのバイオマス処理システムに関する。
超臨界状態でバイオマスを分解処理して燃料ガスを得るバイオマス処理システムが知られている。例えば、特許文献1には、非金属系触媒を含んだバイオマスのスラリー体を温度374℃以上、圧力22.1MPa以上の条件下で水熱処理し、生成された生成ガスを利用して発電装置で発電し、発電装置からの排熱を利用してスラリー体を加熱するバイオマスガス化発電システムが記載されている。
特開2008−246343号公報
このバイオマスである原料として代表的なものの一つに、焼酎残渣がある。図7は、一般的なバイオマス処理システムで焼酎残渣を加熱してガス化する場合を説明する図である。同図に示すように、このバイオマス処理システム1は、加熱部3、及び気液分離部4を含んで構成される。このうち加熱部3は、焼酎残渣、活性炭、及び水の混合物から生成されたスラリー体を加熱する熱交換器5と、スラリー体をさらに加熱する加熱機構6とを備える。気液分離部4は、ガス化反応が終了した超臨界状態の流体(超臨界流体という)を減圧、冷却した後、気液分離してガスを得るものである。気液分離部4で分離されたガスは、例えば燃焼ガスとして用いられる。
ここで熱交換器5としては、例えば二重管式熱交換器が挙げられる。図8は二重管式熱交換器における二重管の構成を説明する図である。同図に示すように、二重管7は、内側の配管9で形成される低温側流路と、外側の配管12で形成される高温側流路とを備えている。そして、低温側流路にはスラリー体8が導入される。また、高温側流路には、スラリー体8と熱交換される超臨界流体11が導入される。
ところで、内側の配管9の内壁面には、焼酎残渣の成分に由来するタールが付着することがある。図9は、焼酎残渣を含有する混合物を熱交換した後の二重管の断面写真である。同図に示すように、内側の配管9(低温側流路)には黒色ないし褐色のタール13が付着している。低温側流路において、焼酎残渣を含有する混合物は超臨界状態又は亜臨界状態の高温流体と熱交換されて昇温される。ここで、焼酎残渣にはタンパク質や脂質や食物繊維といった有機物が多く含まれている。これらの有機物は加熱されると熱分解され、これによりタールが生成されるものと考えられる。生成されたタールは低温側流路を閉塞して原料の流通を妨げる。その結果、熱交換量が低下してガスの収率の低下がもたらされる。そして、このようなタールによる配管の閉塞は、熱交換器内に限らず、原料を加熱処理するその他の加熱過程における配管においても起こる可能性がある。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、バイオマスを効率よく加熱処理するためのバイオマス処理システムを提供することにある。
前述の目的を達成するための本発明は、バイオマスを含む原料から生成されたスラリー体を加熱処理するバイオマス処理システムであって、前記原料から、タンパク質、脂質、及び食物繊維のうち少なくともいずれかを含む有機物を第1分離物として分離する分離部を備え、前記分離部により前記第1分離物が分離された後の残余物である第2分離物に基づき前記スラリー体を生成し、生成した前記スラリー体を加熱処理する。
原料であるバイオマスには、タンパク質、脂質や食物繊維(リグニン等)の有機物が多く含まれており、これらの有機物は、原料から生成したスラリー体を加熱処理する過程において、各種配管に付着し、タールを生成する原因となる可能性がある。そこで本発明のように、原料から、タンパク質、脂質、及び食物繊維(リグニン等)のうち少なくともいずれかを含む有機物を第1分離物(タール原因物質)分離し、第1分離物を分離後の残余物(第2分離物)から生成されたスラリー体を加熱処理することにより、上記配管におけるタールの生成を抑制し、これにより、当該配管の閉塞を防止することができる。これにより、バイオマスを効率よく加熱処理することができる。
なお、ここでいう加熱処理とは、スラリー体を超臨界水と熱交換してバイオマスをガス化できるような高温高圧下での加熱処理(なお、このような加熱処理が行える温度を、以下、ガス化反応温度という)のみならず、超臨界以下の温度ないし圧力条件下での加熱処理(例えば水熱処理であって、亜臨界状態や、ガス化反応温度以下の温度の状態での加熱処理)を含む概念である。
なお、前記各発明において、前記原料は、例えば焼酎残渣である。これによれば、焼酎残渣を、タール原因物質を多く含む固形分と、タール原因物質を含まない液分とに容易に分離することができる。これにより、焼酎残渣を効率よく加熱処理することができる。
なお、本発明においては、前記分離部は、例えば、分離部は、比重の違いに基づき前記原料から前記第1分離物を分離する。また、前記各発明において、前記分離部は、例えば、前記第1分離物を固相に、前記第2分離物を液相にそれぞれ分離してもよい。また、両者を併用してもよい。
さらに、本発明においては、前記分離部により分離された前記第1分離物を乾燥させてもよい。バイオマスから分離した第1分離物にはタンパク質や脂質や食物繊維が多く含まれるので、第1分離物を乾燥させることで、その乾燥物を長期保管が可能で輸送費が安価な飼料として用いることができる。
さらに、本発明においては、前記分離部により分離された前記第1分離物を、前記バイオマス処理システムからの排熱を用いて乾燥させてもよい。第1分離物の乾燥を、バイオマス処理システムからの排熱により行えば、バイオマス処理システムで発生する熱を有効に利用できる。
また、前記バイオマス処理システムにおいては、前記第2分離物に基づき前記スラリー体を生成する原料調製部と、前記原料調製部から導入された前記スラリー体を超臨界流体と熱交換させることにより当該スラリー体を加熱する熱交換器と、前記熱交換器で加熱された前記スラリー体を超臨界状態までさらに加熱してガス化させるガス化反応器とを備え、前記原料調製部で生成したスラリー体を、前記熱交換器及び前記ガス化反応器により加熱することにより前記バイオマスをガス化するようにしてもよい。これによれば、スラリー体が熱交換器やガス化反応器を流通し、ガス化反応温度まで原料が昇温する過程において、それらの機器における配管が閉塞することを確実に防止できる。これにより、バイオマスを効率よくガス化することができる。
本発明によれば、バイオマス処理システムにおいて、バイオマスを効率よく加熱処理することができる。
本実施形態に係るバイオマス処理システムの構成を説明する図である。 二重管における気液二相流を説明する図である。 分離実験を実施した場合と実施しない場合における、二重管における気液二相流の違いを説明する図である。 分離実験の手順を説明する図である。 焼酎残渣に六条麦焼酎を用いた場合における、分離実験の実験結果を説明する図である。 焼酎残渣に二条麦焼酎を用いた場合における、分離実験の実験結果を説明する図である。 一般的なバイオマス処理システムで焼酎残渣をガス化する場合を説明する図である。 二重管式熱交換器における二重管の構成を説明する図である。 焼酎残渣を含有する混合物を熱交換した後の二重管の断面写真である。
図1は、本実施形態に係るバイオマス処理システムの構成を説明する図である。同図に示すように、バイオマス処理システム20は、原料調製部30、熱処理部40、及び気液分離部50を有する。バイオマス処理システム20は、原料である焼酎残渣を加熱加圧することにより燃焼ガスを生成するシステム(ガス化システム)である。なお、この場合の焼酎は、麦焼酎、芋焼酎、米焼酎、そば焼酎、またはこれらの組み合わせのうちいずれでもよい。
原料調製部30は、原料を調製する部分である。原料調製部30は、分離装置31、調製タンク33、粉砕機34、及び供給ポンプ35を備える。
分離装置31は、原料である焼酎残渣から、タンパク質、脂質、及び食物繊維のうち少なくともいずれかを含む有機物(以下、第1分離物という)を分離する装置である。分離装置31により、焼酎残渣に含まれていたタンパク質や脂質や食物繊維が除去される。
第1分離物は、分離装置31で第1分離物を分離後の残余物(以下、第2分離物という)よりも、タンパク質、脂質、食物繊維を多く含んでいる。なお、本実施形態において、第1分離物は固形分であり、第2分離物は液分である。このような分離装置31の詳細は後述する。
調製タンク33は、分離装置31で分離された第2分離物と、水と、非金属系触媒(本実施形態では活性炭とする)とを混合し、これにより混合物を調製するタンクである。活性炭は、例えば平均粒径200μm以下の多孔質の粒子を用いる。なお、上記液分、水、及び活性炭の混合割合は、焼酎残渣の種類、量、含水率などに応じて調節される。
粉砕機34は、調製タンク33で得られた混合物を粉砕することにより、焼酎残渣を予め均一な大きさ(好ましくは平均粒径が500μm以下、より好ましくは平均粒径が300μm以下)にするための装置である。粉砕機34により得られた混合物を、以下、スラリー体と呼ぶ。供給ポンプ35は、粉砕機34から排出されたスラリー体を熱処理部40に供給する装置である。
熱処理部40は、原料調製部30で調製されたスラリー体を加熱してガス化する部分である。熱処理部40は、高圧ポンプ43、熱交換器44、加熱器45、ガス化反応器46、及び飼料タンク47を備える。
供給ポンプ35により熱処理部40に送られてきたスラリー体は、高圧ポンプ43により熱交換器44に送られる。
熱交換器44は、高圧ポンプ43からのスラリー体が導入され、このスラリー体をさらに加熱する装置である。熱交換器44は二重管48を備える二重管式熱交換器であり、高圧ポンプ43から送られてきたスラリー体が流通する低温流路48aと、ガス化反応器46から導入される、当該ガス化反応器46で生成された超臨界状態の流体(ガス化反応器46でガス化が終了したスラリー体。以下、処理後流体という)が流通する高温流路48bとを備える。当該スラリー体は、低温流路48aにおいて処理後流体と熱交換することにより昇温される。
なお、処理後流体の熱交換器44への導入時の温度は、例えば600℃程度であり、処理後流体の熱交換器44からの排出温度は例えば120℃程度である。一方、スラリー体の熱交換器44からの排出温度は例えば約450℃である。スラリー体の圧力は前記高圧ポンプ43によって臨界圧力22.1MPaを超えているため、スラリー体は超臨界状態になることになる。熱交換器44で加熱されたスラリー体は、加熱器45に送られる。
加熱器45は、熱交換器44から送られてくるスラリー体を加熱する装置である。加熱器45は燃焼装置45aを備え、気液分離部50から送られてくる生成ガス(後述)を当該燃焼装置45aにより燃焼させ、スラリー体を加熱する。加熱器45に導入されたスラリー体は、例えば約600℃程度までに昇温される。昇温されたスラリー体は、ガス化反応器46に送られる。
ガス化反応器46は、加熱器45から送られてきたスラリー体を加熱し、スラリー体に含まれる有機物を水熱処理する装置である。ガス化反応器46は燃焼装置46aを備えており、気液分離部50から送られてくる生成ガスを燃焼装置46aにより燃焼させてスラリー体の水熱処理を行う。この水熱処理においてスラリー体は、例えば600℃、25MPaの条件下で、1〜2分間にわたって水熱処理される。水熱処理されるスラリー体は超臨界状態であり、処理後流体として熱交換器44に導入される。
飼料タンク47は、バイオマス処理システム20における副生成物である飼料を蓄えるためのタンクである。飼料タンク47に蓄えられる飼料については後述する。
ガス化反応器46から熱交換器44に導入された処理後流体は、前述のように、低温流路48aに導入されたスラリー体と熱交換され、高い圧力を維持したまま温度が下がって亜臨界状態となる。例えば、当該スラリー体は、25MPaの圧力を維持したまま温度が300℃程度まで下がる。
熱交換器44において処理後流体は、超臨界状態から亜臨界状態に変化して気体と液体とに分離し、いわゆる気液二相流の状態となる場合がある。
図2は、この気液二相流を説明する図である。同図に示すように、二重管48の高温流路48bでは、処理後流体61が、上方部分の気相部分61aと、下方部分の液相部分61bとに分離する。気相部分61a、及び液相部分61bのそれぞれが、低温流路48aを流れるスラリー体62と熱交換される。
このようにして、スラリー体との熱交換が行われた処理後流体は、気液分離部50に送られる。
次に、図1に示すように、気液分離部50は、減圧機構51、気液分離器52、ガスタンク53、及び排液処理装置54を備える。
減圧機構51は、熱処理部40から送られてきた処理後流体を減圧する部分であり、例えばキャピラリーチューブによって構成される。
気液分離器52は、減圧機構51から送られてきた処理後流体を、液体成分(活性炭や灰分を含む液体)と、気体成分(水素やメタン等のガス)とに分離する部分である。気液分離器52からは、常温で0.3MPa程度のガスが排出される。
ガスタンク53は、気液分離器52で分離したガス(生成ガス)を貯留する容器である。ガスタンク53に貯留された生成ガスは、加熱器45、及びガス化反応器46に供給される。
排液処理装置54は、気液分離器52によって分離された溶液に含まれている活性炭や灰分を、当該溶液から分離する装置である。排液処理装置54は、例えば、固形物を含む溶液を液分と固形分とに分離する分離装置を含む。排液処理装置54より分離された液分は、排液として所定の排水路に排出される。
ところで、熱交換器44の二重管内(具体的には低温流路48a)では、スラリー体が加熱される際、焼酎残渣の有機物(タンパク質や脂質や食物繊維(リグニン等)。以下、タール原因物質という。)が熱分解してタールが生成され、これが低温流路48aを区画する内側の配管の内壁面に付着することがある(例えば、スラリー体の温度が150℃〜450℃になっている箇所)。付着したタールは、やがて低温流路48aを閉塞し、スラリー体の流通を妨げる。その結果、気液分離部50におけるガスの収率は低下することとなる。
これと同様の現象が、熱交換器44以外の配管でも起きる可能性がある。すなわち、熱処理部40における加熱器45、ガス化反応器46、及びこれらの接続配管など、スラリー体が加熱処理される他の箇所においても同様に、タールが生成して当該配管を閉塞するおそれがある。結局、スラリー体が超臨界水と熱交換してガス化するような高温高圧下(超臨界状態下)での加熱処理を行う場合だけでなく、超臨界以下の温度ないし圧力条件下でスラリー体の加熱処理(例えば水熱処理であって、亜臨界状態や、ガス化反応温度以下の温度の状態での加熱処理)を行う場合にも、その処理過程における配管が閉塞するおそれがあるということができる。
そこで、本実施形態のバイオマス処理システム20では、このような事態を防ぐべく、図1に示すように、原料調製部30に分離装置31を設け、主原料である焼酎残渣からタール原因物質を分離するようにしている。
すなわち、分離装置31は、原料を、タール原因物質を多く含む第1分離物(本実施形態では固形分)と、タール原因物質を含まない(または、少なくとも第1分離物よりは含有量が少ない)第2分離物(本実施形態では液分)とに分離する。
分離装置31は、例えば、重力や遠心力を用いて、比重の違いに基づき、原料を第1分離物と第2分離物に分離する装置(例えば、重力沈降により分離させる静置用貯溜槽やデキャンタ等の遠心分離機)や、フィルタなどを用いて原料を第1分離物と第2分離物に分離する装置(例えば、フィルタプレス)である(例えば、第1分離物は固相として分離され、第2分離物は液相として分離される)。なお、分離装置31はこれらの装置を組み合わせたものでもよい。
分離装置31により分離された第2分離物(焼酎残渣の液分)は、同図に示すように調製タンク33に送られ、水と活性炭と共に混合される。
一方、分離装置31によって分離された第1分離物(焼酎残渣の固形分)は、熱処理部40の加熱器45に導入される。加熱器45に導入された固形分は、加熱器45における排熱(燃焼装置45aによる燃焼の際に生じる排熱)により加熱、乾燥される。この乾燥後の固形分はタンパク質を多く含むため、飼料として用いることができる。この乾燥後の固形分は、飼料として飼料タンク47に蓄えられる。
以上のように、本実施形態のバイオマス処理システム20では、分離装置31(分離部)により、原料から、タンパク質、脂質、及び食物繊維(リグニン等)のうち少なくともいずれかを含む有機物(第1分離物。タール原因物質)を分離し、第1分離物を分離後の残余物(第2分離物)から生成されたスラリー体を加熱処理することにより、原料から生成したスラリー体を加熱処理する過程における各種配管におけるタールの生成を抑制し、これにより、当該配管の閉塞を防止することができる。これにより、バイオマスを効率よく加熱処理することができる。
特に、本実施形態では、生成したスラリー体を熱交換器44の低温流路48aに導入し、高温流路48bに導入された処理後流体と熱交換させているので、熱交換器44におけるタールの生成を防止することができる。これにより、タールによる熱交換器44の配管の閉塞を防ぐことができ、効率よく加熱処理を行うことができる。
また、焼酎残渣から分離した第1分離物(固形分)には高濃度のタンパク質や脂質や食物繊維が含まれるので、本実施形態のバイオマス処理システム20のように、この固形分を加熱し乾燥させることで、確実に水分を取り除き、その乾燥物を安価で長期保管可能で栄養豊富な、質の良い飼料として活用できる。また乾燥することで腐敗を防ぎ長期保管が可能となるばかりか重量が減るため輸送コストも安価となる。
また、上記の固形物の乾燥は、加熱器45の排気ガスが持つ排熱により行っているので、バイオマス処理システム20で発生する熱を有効に利用できる。
また、タンパク質は窒素を多く含むため、焼酎残渣からタンパク質を取り除くことにより、排液処理装置54において排出される排液の窒素濃度(例えばアンモニア濃度)を低下させることができる。公共用水域等への窒素分の排出は環境負荷(富栄養化等)をもたらすため、本実施形態のバイオマス処理システム20によれば、そのような環境負荷の増大を防ぐことができる。
また、本実施形態のバイオマス処理システム20では、以下のような効果も奏されると考えられる。図3は熱交換器44の二重管48に流れる処理後流体を説明する図である。分離装置31による分離を行うと、タールの原因である有機物が焼酎残渣から取り除かれる分、その有機物を水熱処理することにより得られる生成ガスは減少する。そのため、符号63で示すように、亜臨界状態の処理後流体61における気液二相流の気相部分61aも減少する。これに伴い、液相部分61bは増えるため、スラリー体62と(配管を介して)伝熱する液相部分61bの伝熱面積が増え、結果として処理後流体61と低温流路48aのスラリー体62との交換熱量が増大し、スラリー体62を効率よく加熱できる。これは、気体よりも液体の方が、比熱が大きいためである。したがって、加熱器45とガス化反応器46で使用する燃料ガスが減るためシステム全体において生成ガスを有効に活用することができる。
なお、本実施形態のバイオマス処理システム20では、分離した固形分の加熱及び乾燥を加熱器45からの排熱により行っているが、加熱器45以外の、排熱が発生する他の装置、例えば、ガス化反応器46や減圧機構51から排出される熱を用いて固形物の乾燥を用いてもよい。このように構成しても、バイオマス処理システム20で発生する熱は有効に再利用される。
<焼酎残渣を用いた分離実験>
以上に説明したバイオマス処理システム20の構成によって、焼酎残渣からタールの原因物質(タンパク質や脂質や食物繊維)を確実に除去できることを、発明者らは以下のような分離実験で確かめた。
この分離実験は、焼酎残渣から脂質やタンパク質や食物繊維を分離すると共に、その分離物等の成分を分析する実験である。図4は、この分離実験の手順を説明する図である。同図に示すように、この分離実験には、焼酎残渣を収容する試験容器71、及び濾過容器72を用いた。
まず、焼酎残渣73を投入した試験容器71を48時間程度静置し、沈殿物74が沈殿するのを待った。その後、試験容器71の上澄み液を取り出すと共に、試験容器71の底に残った沈殿物74を濾過容器72に導入した。
濾過容器72にはフィルタ75(目開2mmの金網)が設けられており、このフィルタ75の上面に前述の沈殿物74を導入した。濾過後、フィルタ75に残った濾過後沈殿物76を取り出した。
そして、分離前の焼酎残渣、上澄み液、濾過後沈殿物のそれぞれについて、pHと、水分、脂質、タンパク質及び食物繊維(リグニン等)の含有量とを分析した。以上の分離実験は、六条麦の焼酎残渣、及び二条麦の焼酎残渣について行った。
図5、6は、分離実験において得られた上澄み液、及び濾過後沈殿物76の分析結果を示す図である。まず図5に示すように、六条麦の焼酎残渣では、実験を行う前の焼酎残渣において、pHは3.8、水分は焼酎残渣100gあたり88.2g、脂質は焼酎残渣100gあたり0.6g、タンパク質は焼酎残渣100gあたり3.8g、食物繊維が焼酎残渣100gあたり1.4gであった。また、試験容器71の上澄み液については、pHが4.0、水分が焼酎残渣100gあたり89.8g、脂質が焼酎残渣100gあたり0.1g未満、タンパク質が焼酎残渣100gあたり3.5g、食物繊維が焼酎残渣100gあたり0.2gであった。濾過後沈殿物76については、pHが4.0、水分が焼酎残渣100gあたり83.4g、脂質が焼酎残渣100gあたり1.6g、タンパク質が焼酎残渣100gあたり4.6g、食物繊維が焼酎残渣100gあたり4.4gであった。
一方、二条麦の焼酎残渣では、図6に示すように、実験を行う前の焼酎残渣において、pHは3.7、水分は焼酎残渣100gあたり89.6g、脂質は焼酎残渣100gあたり0.7g、タンパク質は焼酎残渣100gあたり3.3g、食物繊維が焼酎残渣100gあたり1.7gであった。また、試験容器71の上澄み液については、pHが3.8、水分が焼酎残渣100gあたり91.6g、脂質が焼酎残渣100gあたり0.1g未満、タンパク質が焼酎残渣100gあたり3.0g、食物繊維が焼酎残渣100gあたり0.3gであった。濾過後沈殿物76については、pHが3.8、水分が焼酎残渣100gあたり83.9g、脂質が焼酎残渣100gあたり1.6g、タンパク質が焼酎残渣100gあたり3.9g(うちグルタミン酸が0.75g)、食物繊維が焼酎残渣100gあたり6.3gであった。
以上の実験結果により、焼酎残渣として六条麦及び二条麦の焼酎残渣のいずれを用いた場合でも、分離する前の焼酎残渣に比べて分離した後の液分は、その食物繊維、脂質、及びタンパク質の濃度が有意に低いことがわかる。逆に、分離後の沈殿物(固形分)には、高濃度の食物繊維、脂質、及びタンパク質が含まれていることがわかる。すなわち、焼酎残渣から、タンパク質や脂質や食物繊維を含む固形分を容易に分離することができることがわかる。
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。
例えば、バイオマスの原料は、焼酎残渣以外であってもよく、例えば、採卵鶏糞、下水汚泥他の含水性バイオマスでもよい。
また、本実施形態では、スラリー体を生成する際に第2分離物に水や触媒を混合することとしたが、これらは混合しなくてもよい。
また、本実施形態では、第1分離物は固形分であったが、第1分離物は固形分でない場合もあり、そのような場合であっても、分離装置31に遠心分離機等を適宜用いることで、分離は可能である。同様に、第2分離物が液体でない場合であっても、分離は可能である。
また、第1分離物を加熱する熱源は、加熱器45の排気ガス以外の、バイオマス処理システム20の廃熱や、別途据え付けている蒸気ボイラ等の機器の廃熱でも構わない。
また、本実施形態ではバイオマス(焼酎残渣)をガス化するバイオマス処理システムにおける形態を説明したが、ガス化以外の加熱処理を行う場合であっても本発明は適用できる。例えば、熱交換器以外の加熱機器が存在する場合でも、その機器におけるタールによる配管の閉塞を防止できる。また、ガス化反応温度以下の温度において水熱処理を行う場合でも、配管の閉塞を防止し、効率よく水熱処理を行うことができる。
1 バイオマス処理システム、3 加熱部、4 気液分離部、5 熱交換器、6 加熱機構、7 二重管、8 スラリー体、9 内側の配管、11 超臨界流体、12 外側の配管、13 タール、20 バイオマス処理システム、30 原料調製部、31 分離装置、33 調製タンク、34 粉砕機、35 供給ポンプ、36 保管容器、40 熱処理部、43 高圧ポンプ、44 熱交換器、45 加熱器、45a 燃焼装置、46 ガス化反応器、46a 燃焼装置、47 飼料タンク、48 二重管、48a 低温流路、48b 高温流路、50 気液分離部、51 減圧機構、52 気液分離器、53 ガスタンク、54 排液処理装置、61 処理後流体、61a 気相部分、61b 液相部分、62 スラリー体、71 試験容器、72 濾過容器、73 焼酎残渣、74 沈殿物、75 フィルタ、76 濾過後沈殿物

Claims (6)

  1. 焼酎残渣を含む原料から生成されたスラリー体を、前記生成されたスラリー体が流れ150℃〜400℃となる低温流路と、加熱され超臨界流体となった前記スラリー体が流入し、その後の熱交換によって気液二相流に変化する高温流路とを備え、前記低温流路のスラリー体を、前記高温流路の前記超臨界流体及び前記気液二相流と熱交換させる熱交換器を用いて加熱処理するバイオマス処理システムであって、
    前記原料から、タンパク質、脂質、及び食物繊維のうち少なくともいずれかを含む有機物を第1分離物として分離する分離部を備え、
    前記分離部により前記第1分離物が分離された後の残余物である第2分離物に基づき前記スラリー体を生成し、生成した前記スラリー体を加熱処理する、バイオマス処理システム。
  2. 前記分離部は、比重の違いに基づき前記原料から前記第1分離物を分離する、請求項1に記載のバイオマス処理システム。
  3. 前記分離部は、前記第1分離物を固相に、前記第2分離物を液相にそれぞれ分離する、請求項1又は2に記載のバイオマス処理システム。
  4. 前記分離部により分離された前記第1分離物を乾燥させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のバイオマス処理システム。
  5. 前記分離部により分離された前記第1分離物を、前記バイオマス処理システムからの排熱を用いて乾燥させる、請求項4に記載のバイオマス処理システム。
  6. 前記第2分離物に基づき前記スラリー体を生成する原料調製部と、前記原料調製部から導入された前記スラリー体を前記超臨界流体及び前記気液二相流と熱交換させることにより当該スラリー体を加熱する熱交換器と、前記熱交換器で加熱された前記スラリー体を前記超臨界流体になるまでさらに加熱してガス化させるガス化反応器とを備え、
    前記原料調製部で生成したスラリー体を、前記熱交換器及び前記ガス化反応器により加熱することにより前記バイオマスをガス化する、請求項1に記載のバイオマス処理システム。
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