JP6363979B2 - デジタルコヒーレント受信機 - Google Patents
デジタルコヒーレント受信機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6363979B2 JP6363979B2 JP2015156373A JP2015156373A JP6363979B2 JP 6363979 B2 JP6363979 B2 JP 6363979B2 JP 2015156373 A JP2015156373 A JP 2015156373A JP 2015156373 A JP2015156373 A JP 2015156373A JP 6363979 B2 JP6363979 B2 JP 6363979B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mode
- digital
- signal
- multiplexed
- local light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Optical Communication System (AREA)
Description
本発明は、光通信に用いるデジタルコヒーレント受信機に関する。
光ファイバ通信では、多値変調技術や波長多重伝送技術を用いて、超高速かつ大容量な光伝送システムを実現してきた。近年の光伝送システムでは、コヒーレント光通信技術とデジタル信号処理技術を組み合わせたデジタルコヒーレント技術が用いられており、DP−QPSK(Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keying)変調方式により1チャネルあたり100Gbit/sの光信号を生成し、それを波長多重伝送技術により80波多重することにより、1本の光ファイバで総伝送容量8Tbit/sの大容量化が実現されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、近年では、DP−16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等の多値変調技術を用いることにより、光伝送システムの総伝送容量を数十Tbit/sへ拡大するための実用化開発が進められている。デジタルコヒーレント技術によって伝送容量の大容量化が進められている一方で、光ファイバに入力できるパワーの限界に起因して、伝送容量拡大の限界を迎えようとしている。従来の光ファイバ通信で一般的に用いられているシングルモードファイバでは、光パワーの限界により伝送可能な容量は100Tbit/s程度と言われており、光伝送システムの伝送容量も限界を迎えようとしている。
近年では、シングルモードファイバ伝送における総伝送容量の限界を超えるために、マルチモードファイバを用いたモード多重伝送方式の研究が行われている(例えば、非特許文献2参照)。マルチモードファイバは、シングルモードファイバと比較して大きなコア断面積を有するため、コア中に複数の伝搬モードが存在し、シングルモードファイバよりも多くの光パワーを入力することが可能であり、1本のファイバ当たりの伝送容量を大幅に拡大することができる。
堀口真,島崎大作,笹倉芳明,井波政朗,山本秀人,"100Gパケットトランスポートシステム(100G-PTS)の実用化",NTT技術ジャーナル,vol. 26,no. 10,2014.
S. Randel, R. Ryf, A. Sierra, P. J. Winzer, A. H. Gnauck, C. A. Bolle, R.-J. Essiambre, D. W. Peckham, A. McCurdy, and R. Lingle, Jr., "6×56-Gb/s mode-division multiplexed transmission over 33-km few-mode fiber enabled by 6×6 MIMO equalization," Optics Express, vol. 19, no. 17, pp. 16697-16707, 2011.
図9は、従来技術によるモード多重伝送方式における一般的なデジタルコヒーレント受信機の構成を示すブロック図である。図9に示すデジタルコヒーレント受信機2は、マルチモードファイバ伝送路1を伝送したN(Nは2以上の自然数)個のモードの光信号を多重したモード多重信号を受信する。デジタルコヒーレント受信機2は、モード分離器400と、N個のコヒーレント受信機501〜50Nと、N個の局発光源601〜60Nと、N個のADC(Analog-to-Digital Converter;AD変換器)701〜70Nと、デジタル信号処理装置800とで構成されている。
モード分離器400は、マルチモード光カプラ401と、N個のモード変換器411〜41Nとで構成されている。マルチモード光カプラ401は入力されたモード多重信号をN分岐して出力する。モード変換器411〜41Nは、モード多重信号の各モード1〜Nを、それぞれモード毎に分離してモード1に変換して出力する。
コヒーレント受信機501〜50Nは、それぞれ従来のデジタルコヒーレント技術で用いられている基本伝搬モードのみを伝搬可能なコヒーレント受信機である。コヒーレント受信機501〜50Nは、モード分離器400から出力されるモード多重信号を構成するモード1〜Nに対応するモード1に変換された光信号と、局発光源601〜6Nから出力されるモード1の局発光とをそれぞれ入力し、コヒーレント検波して電気信号を出力する。
ADC701〜70Nは、コヒーレント受信機501〜50Nそれぞれから出力される電気信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号処理装置800に対して出力する。デジタル信号処理装置800は、モード多重信号間に生じるクロストークの補償及び波形等化して復調する。
このように、マルチモードファイバを用いたモード多重伝送方式では、受信側においてモード多重された光信号をモード数に応じて分離して受信する必要がある。このため、従来のシングルモードファイバ伝送と比較して、光伝送システムのデジタルコヒーレント受信機の構成規模が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、マルチモードファイバを用いた光通信に使用されるデジタルコヒーレント受信機の内部構成規模を小さくすることができるデジタルコヒーレント受信機を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、モード数N(Nは2以上の自然数)のモード多重信号を一括受信するコヒーレント受信機と、前記コヒーレント受信機に対して、モード数Nでそれぞれ異なる中心周波数の局発光からなるモード多重局発光を出力するモード多重局発光源と、前記コヒーレント受信機から出力されるモード多重信号とモード多重局発光とを干渉させた信号から得られる電気信号をデジタル信号へ変換するAD変換器と、前記デジタル信号を波形等化して復調するデジタル信号処理装置とを備えるデジタルコヒーレント受信機である。
本発明の一態様は、前記デジタルコヒーレント受信機であって、前記モード多重局発光源は、それぞれ異なる周波数の局発光を出力するN個の局発光源と、前記局発光に対してそれぞれ異なるモードの励振を行うN個のモード励振器と、励振された前記局発光を合波するマルチモードカプラとを備える。
本発明の一態様は、前記デジタルコヒーレント受信機であって、前記コヒーレント受信機は、ヘテロダイン受信機、偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機、ホモダイン受信機、偏波ダイバーシティホモダイン受信機のいずれかである。
本発明によれば、従来のデジタルコヒーレント受信機と比較して、コヒーレント受信機とAD変換器の数を削減することができるため、デジタルコヒーレント受信機の構成規模を小さくすることができるという効果が得られる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機を説明する。本実施形態によるデジタルコヒーレント受信機は、局発光として異なる周波数でモード多重されたモード多重局発光を用いて、モード多重光信号を、光電変換後において周波数多重信号に変換することで、モード多重信号の一括受信を実現するものである。ここで、モード多重信号の一括受信を実現する原理について説明する。コヒーレント受信機は、信号光と局発光を干渉させてフォトダイオード等の光電変換器に入力する。光電変換器の受光面における電場Eoeは、
Eoe=Esig+ELO ・・・(1)
である。
Eoe=Esig+ELO ・・・(1)
である。
光電変換器の受光面における信号光Esig及び局発光ELOの電場は、
Esig≒AiD(t)exp(−j2πfsigt) ・・・(2)
ELO≒Ajexp(−j2πfLOt) ・・・(3)
である。ここで、Ai及びAjはマルチモードファイバ中を伝搬する信号光及び局発光の横モードであり、光の伝搬方向(z方向)に直交する面の座標(x,y)に対する2変数関数である。通常、マルチモードファイバ中の横モードは2つの添え字で特徴づけられるが、簡単のため、一つの添え字としている。D(t)は変調信号の複素振幅、fsig及びfLOは信号光及び局発光の中心周波数、jは虚数単位を示す。
Esig≒AiD(t)exp(−j2πfsigt) ・・・(2)
ELO≒Ajexp(−j2πfLOt) ・・・(3)
である。ここで、Ai及びAjはマルチモードファイバ中を伝搬する信号光及び局発光の横モードであり、光の伝搬方向(z方向)に直交する面の座標(x,y)に対する2変数関数である。通常、マルチモードファイバ中の横モードは2つの添え字で特徴づけられるが、簡単のため、一つの添え字としている。D(t)は変調信号の複素振幅、fsig及びfLOは信号光及び局発光の中心周波数、jは虚数単位を示す。
マルチモードファイバ中を伝搬する光の横モードのセット{Ai}は、正規直交系を構成する(参考文献1:「岡本勝就,“光導波路の基礎”,コロナ社,ISBN4-339-00602-5.」)。そのため、次の性質が成り立つ。
ここで、δ(i,j)はクロネッカーのδ関数である。
コヒーレント受信機における光電変換器は光強度を電流に変換する装置であり、光強度は光電場の絶対値二乗に対応する。したがって、信号光と局発光の干渉光を入力した光電変換器の出力電流Iは、
I=|Esig+ELO|2 ・・・(5)
で示される。(5)式を展開すると、
I=|Esig|2+|ELO|2+2EsigELO ・・・(6)
となる。
I=|Esig+ELO|2 ・・・(5)
で示される。(5)式を展開すると、
I=|Esig|2+|ELO|2+2EsigELO ・・・(6)
となる。
(6)式において、第2項|ELO|2は局発光の強度であり、局発光は一定強度の単色光を用いるため、時間に依存せず一定である。また、通常、局発光は信号光と比較して強度が大きいため、第1項の信号光強度|Esig|2は第3項2EsigELOと比べて小さいため無視できる。したがって、光電変換器の出力電流Iの交流成分は、
IAC=2EsigELO ・・・(7)
となる。なお、バランス受信方式を用いることで、直流成分の除去や近似を用いずとも、(7)式の結果を直接得ることができる。
IAC=2EsigELO ・・・(7)
となる。なお、バランス受信方式を用いることで、直流成分の除去や近似を用いずとも、(7)式の結果を直接得ることができる。
コヒーレント受信機における光電変換器の出力は、(7)式のとおり、信号光電場と局発光電場の積で与えられるため、(4)式の性質から、信号光と局発光の横モードが一致したときのみに、光電変換器から信号が出力される。すなわち、光電変換器の出力は(7)式に(2)式及び(3)式を代入して
IAC≒AiAjD(t)exp(−j2π(fsig−fLO)t) ・・・(8)
となり、さらに(4)式の性質から、
となる。
IAC≒AiAjD(t)exp(−j2π(fsig−fLO)t) ・・・(8)
となり、さらに(4)式の性質から、
なお、(8)式には本来、和周波の項exp(−j2π(fsig+fLO)t)の項が存在するが、この項は通常用いる光電変換器の周波数帯域よりはるかに大きな周波数(光周波数の2倍付近)で高速に振動しているため、実際には光伝流出力として得られないので式から省略している。
この式変形はすべて線形な演算であるため、信号光が複数のモードの線形和である場合、すなわちモード多重された信号の場合でも有効である。モード多重された信号は、
Em,sig≒ΣkAkDk(t)exp(−j2πfsigt) ・・・(10)
であり、これに対して、横モードAlの局発光を干渉させて光電変換器に入射して得られる光伝流出力の交流成分Imlは、
Iml≒Dl(t)exp(−j2π(fsig−fLO)t) ・・・(11)
となる。すなわち、モード多重信号から、局発光のモードと一致するモードの信号のみを選択的に電気信号に変換することができる。
Em,sig≒ΣkAkDk(t)exp(−j2πfsigt) ・・・(10)
であり、これに対して、横モードAlの局発光を干渉させて光電変換器に入射して得られる光伝流出力の交流成分Imlは、
Iml≒Dl(t)exp(−j2π(fsig−fLO)t) ・・・(11)
となる。すなわち、モード多重信号から、局発光のモードと一致するモードの信号のみを選択的に電気信号に変換することができる。
本実施形態では、このモード選択的コヒーレント光電変換をさらに発展させ、特定モードのみの局発光を用いるのではなく、周波数の異なる複数の局発光をモード多重多してモード多重局発光とすることによって、モード多重光信号を周波数多重した電気信号に変換し、一括受信することを実現する。
本実施形態において、モード多重信号Em,sig及びモード周波数多重局発光Em,sigは、
Em,sig≒ΣkAkDkexp(−j2πfsigt) ・・・(12)
Em,LO≒ΣlAlexp(−j2πfLO,lt) ・・・(13)
と書くことができ、これらの干渉光を入力された光電変換器の出力Immは、(7)式に(12)式及び(13)式を代入して、
Imm≒ΣkΣlAkAlDkexp(−j2π(fsig−fLO,l)t)
=ΣiDiexp(−j2π(fsig−fLO,i)t) ・・・(14)
となり、周波数多重された電気信号が得られることがわかる。fsig−fLO,iの値は光電変換器や、それに続く増幅器等の電子回路の周波数帯域内に収まるようにする。
Em,sig≒ΣkAkDkexp(−j2πfsigt) ・・・(12)
Em,LO≒ΣlAlexp(−j2πfLO,lt) ・・・(13)
と書くことができ、これらの干渉光を入力された光電変換器の出力Immは、(7)式に(12)式及び(13)式を代入して、
Imm≒ΣkΣlAkAlDkexp(−j2π(fsig−fLO,l)t)
=ΣiDiexp(−j2π(fsig−fLO,i)t) ・・・(14)
となり、周波数多重された電気信号が得られることがわかる。fsig−fLO,iの値は光電変換器や、それに続く増幅器等の電子回路の周波数帯域内に収まるようにする。
<第1実施形態>
次に、前述した原理を適用した第1実施形態によるデジタルコヒーレント受信機について説明する。図1は第1実施形態によるデジタルコヒーレント受信機の構成を示すブロック図である。デジタルコヒーレント受信機2は、モード多重局発光源3と、コヒーレント受信を行うヘテロダイン受信機6と、ADC(Analog-to-Digital Convertor:AD変換器)7と、デジタル信号処理装置8aとで構成されている。
次に、前述した原理を適用した第1実施形態によるデジタルコヒーレント受信機について説明する。図1は第1実施形態によるデジタルコヒーレント受信機の構成を示すブロック図である。デジタルコヒーレント受信機2は、モード多重局発光源3と、コヒーレント受信を行うヘテロダイン受信機6と、ADC(Analog-to-Digital Convertor:AD変換器)7と、デジタル信号処理装置8aとで構成されている。
ヘテロダイン受信機6は、マルチモードファイバ伝送路1を伝送したモード多重単一偏波信号を一括受信するため、N(Nは2以上の自然数)個のモードの伝搬が可能な光学用品で構成されており、その構造は、例えば参考文献2:「M. Nakazawa, K. Kikuchi, and T. Miyazaki, “High Spectral Density Optical Communication Technologies,” Optical and Fiber Communications Reports, vol. 6, pp. 11-49, 2010.」に示すような、従来の基本伝搬モードのみの受信が可能なヘテロダイン受信機と同等である。モード多重単一偏波信号はモード数Nであり、各モードの光信号の中心周波数はf1で、任意の方式でそれぞれ変調されている。本明細書では、モード1をマルチモードファイバにおける基本伝搬モード(LP01モード)と定義することとする。
ヘテロダイン受信機6は、マルチモードファイバ伝送路1を伝送したモード多重単一偏波信号と、モード多重局発光源3から出力されるモード多重局発光を入力する。ヘテロダイン受信機6は、モード多重単一偏波信号とモード多重局発光間の同一モード間の干渉信号を電気信号として出力する。
モード多重局発光源3は、それぞれ周波数がfLO1=f1+Δf1、fLO2=f1+Δf2、…、fLON=f1+ΔfNの局発光を出力するN台の局発光源31〜3Nと、モード多重器4とで構成されている。本実施形態では各局発光源31〜3Nの周波数を上記としたが、fLO1≠fLO2≠…≠fLONであれば、任意の周波数としてよい。モード多重局発光源におけるモード多重器4は、局発光源31〜3Nからそれぞれ出力される局発光を、モード多重単一偏波信号を構成するモード1〜Nの光信号に対応したモードへ、それぞれモード励振するモード励振器41〜4Nと、それぞれモード励振された局発光を合波するマルチモードカプラ5とで構成されている。これは、モード多重局発光源3の構成の一例を説明したものであり、この構成に限定されるものではない。
上記の受信構成により、モード1〜Nの光信号からなるモード多重単一偏波信号は、モード1〜Nの局発光からなるモード多重局発光源3との干渉により、(14)式に示すとおり、各同一モード間の干渉信号の中心周波数をΔf1、Δf2、…、ΔfNとして周波数多重した電気信号として、ヘテロダイン受信機6から出力される。
ADC7は、ヘテロダイン受信機6から出力される電気信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号処理装置に対して出力する。デジタル信号処理装置8aは、入力したデジタル信号を波形等化して復調する。
次に、図2を参照して、図1に示すデジタル信号処理装置8aの構成を説明する。図2は、図1に示すデジタル信号処理装置8aの構成を示すブロック図である。デジタル信号処理装置8aは、デジタル信号分配器81と、N個の周波数変換回路821〜82Nと、N個の帯域通過フィルタ831〜83Nと、N個の波長分散補償回路841〜84Nと、適応等化回路85と、N個のキャリア位相補償回路861〜86Nと、N個の復調回路871〜87Nとで構成されている。
デジタル信号分配器は、ADC7から入力したデジタル信号をN分岐して出力する。周波数変換回路821〜82Nは、N分岐されたデジタル信号それぞれにおいて、モード1〜Nに対応するデジタル信号をそれぞれベースバンドへ周波数変換し、同相(I)成分と直交(Q)成分からなる複素デジタル信号をそれぞれ出力する。例えば、周波数変換回路821では、Δf1をベースバンドへ周波数変換する処理を施す。周波数変換回路822〜82NはΔf2〜ΔfNに対して同様の処理を施す。
帯域通過フィルタ831〜83Nは、それぞれモード1〜Nに対応するデジタル信号帯域のみを通過させるフィルタ処理を施す。なお、周波数変換回路821〜82Nと帯域通過フィルタ831〜83Nの順番を入れ替えてデジタル信号処理を実施する構成としてもよい。波長分散補償回路841〜84Nは、マルチモードファイバ伝送路1で生じた波長分散による波形歪を等化する。
適応等化回路85は、波長分散補償回路841〜84Nからそれぞれ出力されるデジタル信号を入力し、モード多重信号間に生じるクロストークを補償しモード分離する。適応等化回路85は、例えば非特許文献2に記載の一般的なFIR(Finite Impulse Response)フィルタであり、N×Nのバタフライ構成である。ここで、モード多重信号間に生じるクロストークが十分小さい場合、もしくはクロストークによる信号特性劣化を許容する場合、波長分散補償回路841〜84Nからそれぞれ出力されるデジタル信号を、N個の適応等化回路へ入力する構成としてもよい。この場合、N個の適応等化回路は一般的なFIRフィルタで構成する。
キャリア位相補償回路861〜86Nは、適応等化回路85から出力するデジタル信号のキャリア位相をそれぞれ補償する。復調回路871〜87Nは、キャリア位相補償回路861〜86Nの出力をそれぞれ復調する。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態よるデジタルコヒーレント受信機について説明する。図3は、第2の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機の構成を示すブロック図である。第2の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機2は、モード多重局発光源3と、コヒーレント受信を行う偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機61と、ADC71及びADC72と、デジタル信号処理装置8bとで構成されている。
次に、本発明の第2実施形態よるデジタルコヒーレント受信機について説明する。図3は、第2の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機の構成を示すブロック図である。第2の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機2は、モード多重局発光源3と、コヒーレント受信を行う偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機61と、ADC71及びADC72と、デジタル信号処理装置8bとで構成されている。
偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機61は、マルチモードファイバ伝送路1を伝送したモード多重偏波多重信号を一括受信するため、N個のモードの伝搬が可能な光学用品で構成されており、その構造は、例えば参考文献2に示すような、従来の基本伝搬モードのみの受信が可能な偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機と同等である。モード多重偏波多重信号はモード数Nであり、各モードの光信号の中心周波数はf1で、任意の方式でそれぞれ変調されている。
偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機61は、マルチモードファイバ伝送路1を伝送したモード多重偏波多重信号と、モード多重局発光源3から出力されるモード多重局発光を入力する。偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機61は、モード多重偏波多重信号とモード多重局発光間の同一モード間の干渉信号を電気信号として出力する。モード多重局発光源3は、第1実施形態と同様の構成である。
この構成により、モード1〜Nの光信号からなるモード多重偏波多重信号は、モード1〜Nの局発光からなるモード多重局発光源との干渉により、(14)式に示すとおり、各同一モード間の干渉信号の中心周波数をΔf1、Δf2、…、ΔfNとして周波数多重した信号が、偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機61からX偏波及びY偏波のモード多重信号にそれぞれ対応した電気信号EX及びEYとして出力される。
ADC71及びADC72は、偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機61から出力される電気信号EX及びEYをデジタル信号SX及びSYに変換し、デジタル信号処理装置8bに対して出力する。
次に、図4を参照して、図3に示すデジタル信号処理装置8bの構成を説明する。図4は、図3に示すデジタル信号処理装置8bの構成を示すブロック図である。図4に示すデジタル信号処理装置は、図2に示すデジタル信号処理装置8aを偏波多重信号へ拡張した構成である。
デジタル信号分配器91及び95は、入力したデジタル信号SX及びSYをそれぞれN分岐して出力する。周波数変換回路X921〜92N及び周波数変換回路Y961〜96Nは、それぞれN分岐されたデジタル信号SXまたはSYにおいて、モード1〜Nに対応するデジタル信号をそれぞれベースバンドへ周波数変換し、同相(I)成分と直交(Q)成分からなる複素デジタル信号をそれぞれ出力する。例えば、周波数変換回路X921、961では、Δf1をベースバンドへ周波数変換する処理を施す。周波数変換回路X922(図示せず)〜周波数変換回路X92N及び周波数変換回路Y962(図示せず)〜周波数変換回路Y96NはΔf2〜ΔfNに対して同様の処理を施す。
帯域通過フィルタX931〜93N及び帯域通過フィルタY971〜97Nは、それぞれモード1〜Nに対応するデジタル信号帯域のみを通過させるフィルタ処理を施す。なお、周波数変換回路X、周波数変換回路Yと、帯域通過フィルタX及び帯域通過フィルタYの順番を入れ替えてデジタル信号処理を実施する構成としてもよい。波長分散補償回路X941〜94N及び波長分散補償回路Y981〜98Nは、マルチモードファイバ伝送路1で生じた波長分散による波形歪を等化する。
適応等化回路99は、波長分散補償回路X941〜94N及び波長分散補償回路Y981〜98Nからそれぞれ出力されるデジタル信号を入力し、モード多重信号間に生じるクロストークを補償してモード分離、及び偏波分離する。適応等化回路99は、例えば非特許文献2に記載の一般的なFIR(Finite Impulse Response)フィルタであり、2N×2Nのバタフライ構成である。
ここで、モード多重信号間に生じるクロストークが十分小さい場合、もしくはクロストークによる信号特性劣化を許容する場合、波長分散補償回路X941〜94N及び波長分散補償回路Y981〜98Nからそれぞれ出力されるデジタル信号を、第1〜第Nの適応等化回路に対して出力する構成としてもよい。例えば、第1の適応等化回路に、波長分散補償回路X941及び波長分散補償回路Y981から出力されるデジタル信号を入力する場合について説明する。このとき、第1の適応等化回路は一般的な2×2バタフライ構成のFIRフィルタであり、入力されたデジタル信号の偏波分離を行い、モード1のX偏波信号に対応するデジタル信号をキャリア位相補償回路X101へ、モード1のY偏波信号に対応するデジタル信号をキャリア位相補償回路Y121へそれぞれ出力する。以下、波長分散補償回路X942(図示せず)〜94N及び波長分散補償回路Y982(図示せず)〜98Nからそれぞれ出力されるデジタル信号を、第2〜第Nの適応等化回路に対してそれぞれ出力し、第1の適応等化回路と同様の処理を実施する。
キャリア位相補償回路X101〜10N及びキャリア位相補償回路Y121〜12Nは、各デジタル信号のキャリア位相をそれぞれ補償する。復調回路X111〜11N及び復調回路Y131〜13Nは、キャリア位相補償回路X101〜10N及びキャリア位相補償回路Y121〜12Nの出力をそれぞれ復調する。
なお、モード多重単一偏波信号をマルチモードファイバ伝送路1を伝送させた場合においても、本実施形態による構成例で受信することが可能である。また、この場合、デジタル信号処理装置において、適応等化回路99を実施した後の処理において、キャリア位相補償回路X101〜10N及び復調回路X111〜11Nのみを実施し、キャリア位相補償回路Y121〜12N及び復調回路Y131〜13Nを省略した構成としてもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態よるデジタルコヒーレント受信機について説明する。図5は、第3の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機の構成を示すブロック図である。第3の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機2は、モード多重局発光源3と、コヒーレント受信を行うホモダイン受信機62と、ADC73及びADC74と、デジタル信号処理装置8cとで構成されている。
次に、本発明の第3実施形態よるデジタルコヒーレント受信機について説明する。図5は、第3の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機の構成を示すブロック図である。第3の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機2は、モード多重局発光源3と、コヒーレント受信を行うホモダイン受信機62と、ADC73及びADC74と、デジタル信号処理装置8cとで構成されている。
ホモダイン受信機62は、マルチモードファイバ伝送路1を伝送したモード多重単一偏波信号を一括受信するため、N個のモードの伝搬が可能な光学用品で構成されており、その構造は、例えば参考文献2に示すような、従来の基本伝搬モードのみの受信が可能なホモダイン受信機と同等である。
ホモダイン受信機62は、マルチモードファイバ伝送路1を伝送したモード多重単一偏波信号と、モード多重局発光源3から出力されるモード多重局発光を入力する。ホモダイン受信機62は、モード多重単一偏波信号とモード多重局発光間の同一モード間の干渉信号を電気信号として出力する。
モード多重局発光源3は、それぞれ周波数がfLO1=f1+Δf1(Δf1=0)、fLO2=f1+Δf2、…、fLON=f1+ΔfNの局発光を出力するN台の局発光源31〜3Nと、モード多重器4とで構成されている。本実施形態では各局発光源31〜3Nの周波数を上記としたが、fLO1≠fLO2≠…≠fLONであれば、任意の周波数としてよい。モード多重器4は、局発光源31〜3Nからそれぞれ出力される局発光を、モード多重単一偏波信号を構成するモード1〜Nの光信号に対応したモードへ、それぞれモード励振するモード励振器41〜4Nと、それぞれモード励振された局発光を合波するマルチモードカプラ5とで構成されている。
この受信構成により、モード1〜Nの光信号からなるモード多重単一偏波信号は、モード1〜Nの局発光からなるモード多重局発光源3との干渉により、(14)式に示すとおり、各同一モード間の干渉信号の中心周波数をfLO1=f1+Δf1(Δf1=0)、fLO2=f1+Δf2、…、fLON=f1+ΔfNとして周波数多重した信号が、ホモダイン受信機から同相(I)成分及び直交(Q)成分にそれぞれ対応した電気信号EI及びEQとして出力される。
ADC73及びADC74は、ホモダイン受信機62から出力される電気信号EI及びEQをデジタル信号SI及びSQに変換し、デジタル信号処理装置8cに対して出力する。デジタル信号処理装置8cは、デジタル信号を波形等化して復調する。デジタル信号処理装置8cにおいて、デジタル信号SI及びSQは複素デジタル信号Sとして扱うこととする。
次に、図6を参照して、図5に示すデジタル信号処理装置8cの構成を説明する。図6は、図5に示すデジタル信号処理装置8cの構成を示すブロック図である。デジタル信号処理装置8cは、デジタル信号分配器14と、周波数変換回路141〜14Nと、帯域通過フィルタ151〜15Nと、波長分散補償回路161〜16Nと、適応等化回路17と、キャリア位相補償回路181〜18Nと、復調回路191〜19Nとで構成されている。
デジタル信号分配器14は、入力したデジタル信号をN分岐して出力する。周波数変換回路141〜14Nは、N分岐されたデジタル信号において、モード1〜Nに対応するデジタル信号をそれぞれベースバンドへ周波数変換する。本実施形態において、周波数変換回路141では、図5に示す通り、モード1に相当する信号はベースバンドで受信されているため、周波数変換は行わない。周波数変換回路142では、Δf2をベースバンドへ周波数変換する処理を施す。周波数変換回路143(図示せず)〜14NはΔf3〜ΔfNに対して同様の処理を施す。
帯域通過フィルタ151〜15Nは、それぞれモード1〜Nに対応するデジタル信号帯域のみを通過させるフィルタ処理を施す。この構成において、周波数変換回路141〜14Nと帯域通過フィルタ151〜15Nの順番を入れ替えてデジタル信号処理を実施する構成としてもよい。
波長分散補償回路1〜Nは、マルチモードファイバ伝送路1で生じた波長分散による波形歪を等化する。適応等化回路17は、波長分散補償回路161〜16Nからそれぞれ出力されるデジタル信号を入力し、モード多重信号間に生じるクロストークを補償しモード分離する。適応等化回路17は、例えば非特許文献2に記載の一般的なFIR(Finite Impulse Response)フィルタであり、N×Nのバタフライ構成である。ここで、モード多重信号間に生じるクロストークが十分小さい場合、もしくはクロストークによる信号特性劣化を許容する場合、波長分散補償回路161〜16Nからそれぞれ出力されるデジタル信号を、N個の適応等化回路へ入力する構成としてもよい。この場合、N個の適応等化回路は一般的なFIRフィルタで構成する。
キャリア位相補償回路181〜18Nは、適応等化回路17からそれぞれ出力されるデジタル信号のキャリア位相を補償する。復調回路191〜19Nは、キャリア位相補償回路181〜18Nからの出力をそれぞれ復調する。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態よるデジタルコヒーレント受信機について説明する。図7は、第4の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機の構成を示すブロック図である。第4の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機2は、モード多重局発光源3と、コヒーレント受信を行う偏波ダイバーシティホモダイン受信機63と、ADC75〜ADC78と、デジタル信号処理装置8dとで構成されている。
次に、本発明の第4実施形態よるデジタルコヒーレント受信機について説明する。図7は、第4の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機の構成を示すブロック図である。第4の実施形態によるデジタルコヒーレント受信機2は、モード多重局発光源3と、コヒーレント受信を行う偏波ダイバーシティホモダイン受信機63と、ADC75〜ADC78と、デジタル信号処理装置8dとで構成されている。
偏波ダイバーシティホモダイン受信機63は、マルチモードファイバ伝送路1を伝送したモード多重偏波多重信号を一括受信するため、N個のモードの伝搬が可能な光学用品で構成されており、その構造は、例えば参考文献1に示すような、従来の基本伝搬モードのみの受信が可能な偏波ダイバーシティホモダイン受信機と同等である。モード多重偏波多重信号はモード数Nであり、各モードの光信号の中心周波数はf1で、任意の方式でそれぞれ変調されている。
偏波ダイバーシティホモダイン受信機63は、マルチモードファイバ伝送路1を伝送したモード多重偏波多重信号と、モード多重局発光源から出力されるモード多重局発光を入力する。偏波ダイバーシティホモダイン受信機63は、モード多重偏波多重信号とモード多重局発光間の同一モード間の干渉信号を電気信号として出力する。モード多重局発光源3は、第3実施形態と同様の構成である。
この受信構成により、モード1〜Nの光信号からなるモード多重偏波多重信号は、モード1〜Nの局発光からなるモード多重局発光源3との干渉により、(14)式に示すとおり、各同一モード間の干渉信号の中心周波数をfLO1=f1+Δf1(Δf1=0)、fLO2=f1+Δf2、…、fLON=f1+ΔfNとして周波数多重した信号が、偏波ダイバーシティホモダイン受信機からX偏波及びY偏波の同相(I)成分及び直交(Q)成分にそれぞれ対応した電気信号EXIとEXQ及びEYIとEYQとして出力される。
ADC75〜ADC78は、偏波ダイバーシティホモダイン受信機63から出力される電気信号EXIとEXQ及びEYIとEYQを、デジタル信号SXIとSXQ及びSYIとSYQへ変換し、デジタル信号処理装置8dに対して出力する。
デジタル信号処理装置8dは、デジタル信号を波形等化して復調する。デジタル信号処理装置において、デジタル信号SXIとSXQ及びSYIとSYQは、複素デジタル信号SX及びSYとして扱うこととする。
次に、図8を参照して、図7に示すデジタル信号処理装置8dの構成を説明する。図8は、図7に示すデジタル信号処理装置8dの構成を示すブロック図である。
デジタル信号処理装置8dは、第3実施形態の構成を偏波多重信号へ拡張した構成であり、第3実施形態と同様の機能を有する。
デジタル信号処理装置8dは、第3実施形態の構成を偏波多重信号へ拡張した構成であり、第3実施形態と同様の機能を有する。
デジタル信号分配器20、24は、入力したデジタル信号SX及びSYをそれぞれN分岐して出力する。周波数変換回路X211〜21N及び周波数変換回路Y251〜25Nは、それぞれN分岐されたデジタル信号SX及びSYにおいて、モード1〜Nに対応するデジタル信号をそれぞれベースバンドへ周波数変換する。本実施形態において、周波数変換回路X211及び周波数変換回路Y251では、モード1に相当する信号はベースバンドで受信されているため、周波数変換は行わない。周波数変換回路X212(図示せず)及び周波数変換回路Y252(図示せず)では、Δf2をベースバンドへ周波数変換する処理を施す。周波数変換回路X213(図示せず)〜21N及び周波数変換回路Y253(図示せず)〜25NはΔf3〜ΔfNに対して同様の処理を施す。
帯域通過フィルタX221〜22N及び帯域通過フィルタY261〜26Nは、それぞれモード1〜Nに対応するデジタル信号帯域のみを通過させるフィルタ処理を施す。この構成において、周波数変換回路X211〜21N及び周波数変換回路Y251〜25Nと帯域通過フィルタX221〜22N及び帯域通過フィルタY261〜26Nの順番を入れ替えてデジタル信号処理を実施する構成としてもよい。
波長分散補償回路X231〜23N及び波長分散補償回路Y271〜27Nは、マルチモードファイバ伝送路1で生じた波長分散による波形歪を等化する。適応等化回路28は、波長分散補償回路X231〜23N及び波長分散補償回路Y271〜27Nからそれぞれ出力されるデジタル信号を入力し、モード多重信号間に生じるクロストークを補償してモード分離、及び偏波分離する。適応等化回路28は、例えば非特許文献2に記載の一般的なFIR(Finite Impulse Response)フィルタであり、2N×2Nのバタフライ構成である。
ここで、モード多重信号間に生じるクロストークが十分小さい場合、もしくはクロストークによる信号特性劣化を許容する場合、波長分散補償回路X231〜23N及び波長分散補償回路Y271〜27Nからそれぞれ出力されるデジタル信号を、第1〜第Nの適応等化回路へ入力する構成としてもよい。例えば、第1の適応等化回路に波長分散補償回路X231及び波長分散補償回路Y271から出力されるデジタル信号を入力する場合について説明する。このとき、第1の適応等化回路は一般的な2×2バタフライ構成のFIRフィルタであり、入力されたデジタル信号の偏波分離を行い、モード1のX偏波信号に対応するデジタル信号をキャリア位相補償回路X291へ、モード1のY偏波信号に対応するデジタル信号をキャリア位相補償回路Y311に対して出力する。以下、波長分散補償回路X232(図示せず)〜23N及び波長分散補償回路Y272〜27Nからそれぞれ出力されるデジタル信号を、第2〜第Nの適応等化回路へそれぞれ入力し、第1の適応等化回路と同様の処理を実施する。
キャリア位相補償回路X291〜29N及びキャリア位相補償回路Y311〜31Nは、各デジタル信号のキャリア位相をそれぞれ補償する。復調回路X301〜30N及び復調回路Y321〜32Nは、キャリア位相補償回路X291〜29N及びキャリア位相補償回路Y311〜31Nの出力をそれぞれ復調する。
なお、モード多重単一偏波信号をマルチモードファイバ伝送路1を伝送させた場合においても、本実施形態の構成で受信することが可能である。また、この場合、デジタル信号処理装置8dにおいて、適応等化回路28を実施した後の処理において、キャリア位相補償回路X291〜29N及び復調回路X301〜30Nのみを実施し、キャリア位相補償回路Y311〜31N及び復調回路Y321〜32Nを省略した構成としてもよい。
また、全ての実施形態において、モード多重信号は、その信号を構成する各モードの光信号の中心周波数をf1とした単一波長信号であったが、異なる中心周波数からなるモード多重信号を波長多重した波長多重モード多重信号についても適用可能である。この場合、コヒーレント受信機へ波長多重モード多重信号を入力する前段に、光帯域通過フィルタを設置し、被測定信号として任意の中心周波数からなるモード多重信号のみをコヒーレント受信機へ入力する構成とすればよい。
また、全ての実施形態において、デジタル信号領域において、デジタル信号の分配、周波数変換、及び帯域通過フィルタ処理を施したが、同様の処理を電気回路で行ってもよい。また、全ての実施形態のデジタル信号処理装置の構成は前述したものに限定されるものではなく、例えば、マルチモードファイバ伝送路で生じた波長分散を推定する波長分散推定回路や、ADCにおけるサンプリングタイミングを補正するタイミング補償回路、マルチモードファイバ伝送路で生じた非線形光学効果による波形歪を等化する非線形補償回路等の回路を新たに追加するようにしてもよい。
また、全ての実施形態におけるデジタル信号処理装置において、デジタル信号の同相(I)成分及び直交(Q)成分を複素デジタル信号として扱ったが、IQ信号成分をそれぞれ独立した信号として扱い、複素数演算に相当する計算処理を行う構成としてもよい。なお、FPGA(field-programmable gate array)やASIC(application specific integrated circuit)化されたデジタル信号処理装置においては、通常上記のとおり、IQ信号成分をそれぞれ独立した信号として扱う。
前述した実施形態におけるN個のモードの光信号を多重したモード多重信号を一括受信するデジタルコヒーレント受信機において、これを構成するモード励振器、局発光源、ADC等の部品、及びデジタル信号処理装置における各回路ブロックはそれぞれN個からなっているが、構成部品の個数はK個(1≦K<N)として、Nモード多重信号に対して、K個のモードの信号を一括受信する構成とするようにしてもよい。
前述した説明において、マルチモードファイバ伝送路を伝送するモード多重信号を対象とした実施形態を説明したが、一般的な50ミクロン(μm)もしくは60ミクロンのグレーデッドインデクス型マルチモードファイバやステップインデックス型マルチモードファイバ、数モードのみ伝送可能なフューモードファイバ等に限定されるものではない。例えば、一般的な通信波長帯においてシングルモードファイバとして定義される光ファイバの場合、カットオフ波長以下の波長領域においては、モード多重されたマルチモード信号を伝送させることが可能であり、このような伝送領域においても本発明は同様に適用することが可能である。
また、前述した説明においては、異なる周波数の局発光をモード多重した局発光を用いて、コヒーレント検波時において、モード多重信号を周波数多重した電気信号に変換することによって、モード多重信号の一括受信を可能としているが、モード多重したパルス局発光を用いることにより、モード多重信号を時間多重した電気信号として一括受信することも可能である。
以上説明したように、本実施形態によるデジタルコヒーレント受信機において、マルチモードファイバを用いて複数のモードが多重されて送信される信号を、1台のコヒーレント受信機で一括受信するようにした。この構成によれば、従来のデジタルコヒーレント受信機と比較して、コヒーレント受信機とAD変換器の数を削減することができるため、デジタルコヒーレント受信機の構成規模を小さくすることができる。
前述した実施形態におけるデジタルコヒーレント受信機の一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明してきたが、上記実施の形態は本発明の例示に過ぎず、本発明が上記実施の形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本発明の技術思想及び範囲を逸脱しない範囲で構成要素の追加、省略、置換、その他の変更を行ってもよい。
マルチモードファイバを用いた光通信に使用するデジタルコヒーレント受信機の内部構成規模を小さくすることが不可欠な用途に適用できる。
1・・・マルチモードファイバ伝送路、2・・・デジタルコヒーレント受信機、3・・・モード多重局発光源、31〜3N・・・局発光源、4・・・モード多重器、41〜4N・・・モード励振器、5・・・マルチモードカプラ、6・・・ヘテロダイン受信機、61・・・偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機、62・・・ホモダイン受信機、63・・・偏波ダイバーシティホモダイン受信機、7、71、72、73、74、75、76、77、78・・・ADC、8a、8b、8c、8d・・・デジタル信号処理装置、81、91、95、14、20、24・・・デジタル信号分配器、821〜82N、141〜14N・・・周波数変換回路、831〜83N、151〜15N・・・帯域通過フィルタ、841〜84N、161〜16N・・・波長分散補償回路、85、99、17、28・・・適応等化回路、861〜86N、181〜18N・・・キャリア位相補償回路、871〜87N、191〜19N・・・復調回路、921〜92N、211〜21N・・・周波数変換回路X、931〜93N、221〜22N・・・帯域通過フィルタX、941〜94N、231〜23N・・・波長分散補償回路X、961〜96N、251〜25N・・・周波数変換回路Y、971〜97N、261〜26N・・・帯域通過フィルタY、981〜98N、271〜27N・・・波長分散補償回路Y、101〜10N、291〜29N・・・キャリア位相補償回路X、111〜11N、301〜30N・・・復調回路X、121〜12N、311〜31N・・・キャリア位相補償回路Y、131〜13N、321〜32N・・・復調回路Y
Claims (3)
- モード数N(Nは2以上の自然数)のモード多重信号を一括受信するコヒーレント受信機と、
前記コヒーレント受信機に対して、モード数Nでそれぞれ異なる中心周波数の局発光からなるモード多重局発光を出力するモード多重局発光源と、
前記コヒーレント受信機から出力されるモード多重信号とモード多重局発光とを干渉させた信号から得られる電気信号をデジタル信号へ変換するAD変換器と、
前記デジタル信号を波形等化して復調するデジタル信号処理装置と
を備えるデジタルコヒーレント受信機。 - 前記モード多重局発光源は、それぞれ異なる周波数の局発光を出力するN個の局発光源と、前記局発光に対してそれぞれ異なるモードの励振を行うN個のモード励振器と、励振された前記局発光を合波するマルチモードカプラとを備える請求項1に記載のデジタルコヒーレント受信機。
- 前記コヒーレント受信機は、ヘテロダイン受信機、偏波ダイバーシティヘテロダイン受信機、ホモダイン受信機、偏波ダイバーシティホモダイン受信機のいずれかである請求項1または2に記載のデジタルコヒーレント受信機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015156373A JP6363979B2 (ja) | 2015-08-06 | 2015-08-06 | デジタルコヒーレント受信機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015156373A JP6363979B2 (ja) | 2015-08-06 | 2015-08-06 | デジタルコヒーレント受信機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017038104A JP2017038104A (ja) | 2017-02-16 |
JP6363979B2 true JP6363979B2 (ja) | 2018-07-25 |
Family
ID=58048738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015156373A Active JP6363979B2 (ja) | 2015-08-06 | 2015-08-06 | デジタルコヒーレント受信機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6363979B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2023042340A1 (ja) * | 2021-09-16 | 2023-03-23 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5217792B2 (ja) * | 2008-08-29 | 2013-06-19 | 富士通株式会社 | 光受信機の電力供給制御方法、並びに、デジタル信号処理回路および光受信機 |
CN102461021B (zh) * | 2009-06-26 | 2015-06-17 | 阿尔卡特朗讯 | 用于光横模复用信号的接收器 |
CN105637785B (zh) * | 2013-10-09 | 2018-01-12 | 日本电信电话株式会社 | 光传输系统 |
-
2015
- 2015-08-06 JP JP2015156373A patent/JP6363979B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017038104A (ja) | 2017-02-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Kitayama et al. | Digital coherent technology for optical fiber and radio-over-fiber transmission systems | |
JP4872003B2 (ja) | 光ofdm受信器および光伝送システムおよびサブキャリア分離回路およびサブキャリア分離方法 | |
JP5147582B2 (ja) | 受信装置、補償演算回路、および受信方法 | |
US9270381B2 (en) | Method and apparatus for transmitting and receiving coherent optical OFDM | |
US10998973B2 (en) | Signal combining device and signal combining method | |
US8306435B2 (en) | Reception of signals transmitted over a dispersive optical channel | |
KR20120062805A (ko) | 멀티?캐리어 광 신호의 디지털 코히어런트 검출 | |
US10277172B2 (en) | Reduction of second-order non-linear distortion in a wideband communication system | |
US10014954B2 (en) | Imaging cancellation in high-speed intensity modulation and direct detection system with dual single sideband modulation | |
JP2016536819A (ja) | 光伝送のための周波数ダイバーシティmimo処理 | |
US9923641B2 (en) | Signal processing device, optical communication system, and signal processing method | |
US20130183034A1 (en) | Method and Apparatus of Using Digital Equalizer for Cascaded Wavelength Selective Switch Compensation | |
Xiao et al. | ICI mitigation for dual-carrier superchannel transmission based on m-PSK and m-QAM formats | |
Li et al. | Asymmetric self-coherent detection based on Mach-Zehnder interferometers | |
JP6363979B2 (ja) | デジタルコヒーレント受信機 | |
US10348407B2 (en) | Receiving device and receiving method | |
US9768884B2 (en) | Multi-range frequency-domain compensation of chromatic dispersion | |
Che et al. | Optical direct detection for 100G short reach applications | |
JP2016144197A (ja) | 光信号受信機、光信号受信方法及び光伝送システム | |
US20160028480A1 (en) | Optical transmission system, optical transmitter, optical receiver, and optical transmission method | |
JP2013016979A (ja) | 光直交周波数分割多重伝送方式による受信装置および受信方法 | |
JP2017038103A (ja) | デジタルコヒーレント受信機 | |
JP6510438B2 (ja) | 光伝送システム | |
Le et al. | Single sideband transmission employing a 1-to-4 ADC frontend and parallel digitization | |
Gonem et al. | Experimental Demonstration of Soft-ROADMs with Dual-Arm Drop Elements for Future Optical-Wireless Converged Access Networks |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170901 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180626 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180629 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6363979 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |